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第53回地盤工学研究発表会発表講演集

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タイトル 地盤関連 ISO の審議状況と地盤工学会におけるISO 活動
著者 椋木俊文・浅田素之
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 1〜2 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300001
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タイトル 室内土質試験方法の国際規格審議状況ー2017年度ー
著者 豊田浩史
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 3〜4 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300002
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タイトル ISO TC190 の審議状況について
著者 川端淳一
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 5〜6 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300003
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タイトル Action Report of JGS Technical Committee for ISO/TC221
著者 篠田昌弘・椋木俊文
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 7〜8 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300004
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タイトル 地盤工学会基準「水圧破砕法による初期地圧の測定方法」の概説
著者 横山幸也・伊藤高敏
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 9〜10 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300005
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タイトル 坑道掘削時の内空変位計測結果に基づく初期応力状態の推定
著者 青柳和平・亀村勝美・菅原健太郎・萩原健司
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 11〜12 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300006
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タイトル コアディスキング法による初期地圧測定ー産業技術総合研究所地下水観測井コアの事例ー
著者 小村健太朗・重松紀生
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 13〜14 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300007
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タイトル 応力テンソルインバージョンに基づく断層活動性評価
著者 重松紀生
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 15〜16 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300008
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タイトル 地震データから推定される地殻応力場
著者 今西和俊
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 17〜18 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300009
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タイトル 大深度南アフリカ金鉱山の地震発生場での岩盤応力測定
著者 小笠原宏・石田亮壮・阿部周二・矢部康男・加藤春實・杉村幸佑・野田 拓・小笠原宏幸・伊藤高敏・船戸明雄
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 19〜20 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300010
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タイトル 南アフリカ大深度金鉱山における微小破壊観測
著者 直井 誠・中谷正生・矢部康男・森谷祐一
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 21〜22 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300011
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タイトル 流体注入によって引き起こされる誘発地震のエネルギーに関する数値解析的検討
著者 廣濵千明・才ノ木敦士
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 23〜24 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300012
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タイトル エネルギー資源開発のための注水による断層すべりに及ぼす岩盤応力の影響
著者 伊藤高敏・横山圭祐
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 25〜26 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300013
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タイトル 遺産地盤学の構築と地盤遺跡保全への貢献
著者 三村 衛
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 27〜28 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300014
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タイトル 日本産石材の地質・文化的背景と土木的利用における強度について
著者 藤井幸泰
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 29〜30 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300015
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タイトル 東京湾第一海堡より発見された人造石と舗装モルタルの材料的特徴
著者 片山哲哉・野口孝俊・佐藤友美
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 31〜32 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300016
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タイトル 平成28年熊本地震における熊本城石垣の変状調査に関する研究
著者 勝田侑弥・杉本知史・嘉村哲也・山中 稔
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 33〜34 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300017
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タイトル 3Dレーザースキャナを用いた城郭石垣の変形調査
著者 萩原育夫・保坂俊明・冨田和気夫
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 35〜36 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300018
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タイトル 石垣の地震時安定性に対する鉛直動の影響に関する基礎的研究
著者 末岡知紘・橋本涼太・菊本 統・小山倫史
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 37〜38 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300019
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タイトル プレア・ヴィヘア寺院第三ゴープラにおける石積構造物の変状分析
著者 桑島流音・小山倫史・橋本涼太・入江航平・岩崎好規・福田光治・石塚充雅
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 39〜40 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300020
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タイトル アンコール遺跡ラテライトとエコチップ
著者 福田光治・岩崎好規・本郷隆夫・小山倫史・桑島流音・中川 武・石塚充雅・新谷真人・山田俊亮
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 41〜42 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300021
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タイトル 高盛土に直接基礎で石積塔を支えるバイヨン寺院基壇盛土の真正性としての強度特性
著者 岩崎好規・福田光治・石塚充雅・Robert Maccauthy・Sour Sothy
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 43〜44 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300022
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タイトル 粘性土に打設された基礎体周辺の変形挙動(川崎粘土に対するモデル試験)
著者 奥田大史・正垣孝晴
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 45〜46 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300023
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タイトル 三重津海軍所ドライドック渠口西側部の渠壁構造と施工時の安定性
著者 中野義仁・正垣孝晴・奥田大史・鈴木直文
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 47〜48 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300024
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タイトル 古墳墳丘の動的特性と地震による破壊メカニズムの研究
著者 Enkhtuvshin Tumurkhuyag・澤田茉伊・三村 衛
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 49〜50 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300025
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タイトル 傾斜地盤上に構築された墳丘の地震時破壊メカニズムに関する実験的研究
著者 有働龍也・澤田茉伊・Enkhtuvshin Tumurkhuyag・三村 衛
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 51〜52 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300026
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タイトル 岩石試験に用いる供試体の作製精度について
著者 城下 学・松岡辰雄
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 53〜54 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300027
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タイトル ベントナイト中のモンモリロナイト含有量推定のためのメチレンブルー吸着量測定方法の検討
著者 小栗 光・千々松正和
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 55〜56 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300028
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タイトル Experimental Study on Long-term Change in Permeability of a Rock Fracture under Constant Normal Stress
著者 宋 忱潞・矢野隆夫・中島伸一郎・安原英明・岸田 潔
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 57〜58 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300029
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タイトル 砂質土の粒度試験に及ぼす繰返し回数の影響
著者 河原荘一郎・坂本里都
出版 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 59〜60 発行 2018/07/20 文書ID rp201805300030
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  • タイトル
  • 地盤関連 ISO の審議状況と地盤工学会におけるISO 活動
  • 著者
  • 椋木俊文・浅田素之
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 1〜2
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300001
  • 内容
  • 0001D - 00第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月地盤関連 ISO の審議状況と地盤工学会における ISO 活動-2017 年度-国際規格ISO地盤工学会 ISO 国内委員会地盤工学委員長 浅田 素之幹事長 椋木 俊文1.ISO とはISO(International Organization for Standardization;国際標準化機構)は、国際貿易が円滑に行われるために、1947 年に設立された非政府組織である。中央事務局はスイスのジュネーブに置かれている。「ISO in figures」によると、2016 年末の会員数は 163 ヶ国、ISO 規格は現在までに約 21,000 件発効されており、5,000 件弱の案件が審議中である。そのうち 3割弱が Engineering Technologies に関する規格になっている。2016 年には 1,381 件の規格が発効された。ISO の会員団体は、各国での標準化に関して最も代表的な国家機関であり、1 国 1 団体しか登録できない。日本では、日本工業規格(JIS)の調査・審議を行っている日本工業標準調査会(JISC)が、1952 年から ISO に加入している。JISCには分野別に専門技術委員会が設置されているが、すべての規格案件を詳細にわたって審議するのは不可能であることから、ISO に設置されている TC(Technical Committee;技術委員会)に密接に関連する国内の学協会に実質的な審議および対応を委託しており、国内審議団体として経済産業省に登録されている。国内審議団体における決定事項は直接日本の意見となる。土木・地盤分野では、地盤工学会のほかに、日本コンクリート工学協会やセメント協会などが、審議団体となっている。ISO や ISO 規格が、特に議論されるようになってきたのは、1995 年にわが国が WTO(世界貿易機構)の「TBT 協定」(貿易の技術的障害に関する協定)、および翌年の「政府調達に関する協定」に批准してからである。TBT 協定では、加盟国が強制規格又は任意規格を策定するにあたり、国際規格を基礎とすることが義務づけられている。さらに、政府調達に関する協定では、「政府機関(中央政府、都道府県、政令指定都市および政府系機関等)における技術仕様(道路橋示方書や鉄道構造物等設計標準など)については、国内規格より国際規格を優先使用すること」が義務づけられている。すなわち、政府機関の発注書や仕様書に指定された規格・基準と該当する ISO 規格に整合性がなければ、国際入札の際に、WTO/TBT 協定違反として提訴される可能性がある。このような背景から、1995 年以降、JIS について,ISO 規格との整合化が図られている。2.地盤工学会における ISO地盤工学に関連する ISO/TC として、TC182(Geotechnics;地盤工学)、TC190(Soil quality;地盤環境)、TC221(Geosynthetics;ジオシンセティックス)の 3 つがあり、地盤工学会はこれらの国内審議団体を務めている。ISO への参加地位は、新作業項目への投票及び国際規格の照会原案や最終国際規格案に対する投票の義務を負って、業務に積極的に参加し、可能な限り、会議に参加する義務を有する「P メンバー」として登録されている。ISO 活動を行うには、主に欧州に出張し、面と向かって審議を行う必要がある。現在、経済産業省、土壌環境センターからの財政支援を頂き、活動を進めている。また、TC190 のうち、日本発の ISO 化を進めている SC3WG10(Sub Committee 3, Working Group 10, Screening;スクリーニング)では、すでに 4 件の ISO および TR(テクニカルレポート)化を実現しており、経済産業省からの受託事業として、活発に活動している。また、TC182 では、広域地盤モデルに関する提案活動を始めている。経済産業省は、会議に参加および情報収集を行い、日本の基準との整合性を図る「守り」の ISO 活動に対して支援せず、積極的に日本からの ISO 化を推進する「攻め」の ISO 活動に重点的に支援する姿勢を示している。一方、ここ数年、地盤工学会基準部では、JGS 基準の英訳化を進めており、アジア各国に対して、地盤工学会の基準を用いやすくする基盤整備に努めている。3.各 TC における ISO 活動ISO 国内委員会の作業と役割は、1)ISO・CEN 規格案の検討・審議の取りまとめ、2)コメント提出に対する国内意見の集約、3)ISO・CEN 会議参加者(代表者)の調整および支援、4)提案される国際規格案や日本提案の国際規格策定に関する戦略の企画・立案・実行などが挙げられる。また、国内対応としては、1)日本工業標準調査会や規格協会との協調および配布される各種調査票に対する対応、2)関連学協会,関連機関との調整・情報交換、3)地盤工学会における ISO 活動の基本戦略の立案と基準部会への提案、4)地盤工学関連 JIS および JGS の英訳に対する優先付け、5)会員への迅速な情報提供(地盤工学会誌「ISO だより」の執筆など)、6)活動資金となる受託事業の要請などが挙げられる。Action Report of JGS ISO CommitteeASADA Motoiyuki & MUKUNOKI ToshifumiJGS ISO Committee1 2017 年度の国際会議派遣状況を表-1 に示す。参加会議数は 13 回で、のべ 6 名の委員を派遣した。日本がコンビナー(議長)となっている TC190SC3WG10 (予備試験法)では、日本提案の理解と協力を得るために、重点的に海外派遣を行っているが、近年活動資金の規模も減少していることから、図-1 に示すように海外派遣者数が減少傾向にある。特に、学会の自主予算での派遣は 2 件にとどまり、経済産業省の支援なしでは、活動を維持できない状況にある。表-2 は、各TC で審議された規格案数である。TC182 の規格案は、CEN(European Committee for Standalization;欧州標準化委員会)リードのウィーン協定適用の提案が承認され、主に CEN/TC341 で審議されていたが、TC182 会議も久しぶりに開催されるようになった。土の分類、室内土質試験、地盤調査に関して検討が進められている。また、2016 年から防災科学技術研究所と共同で、広域強震動評価に関する提案を始めた。TC190 では、欧州勢の活動縮小に伴い、TC の組織自体の見直しを実施中で、2017 年度の総会で組織のリストラ案が承認された。TC221 では、ISO/WD TR 18228(Design of geosyntheticsfor construction applications)として、ジオシンセティックス材料の建設現場への活用について、特に 2015 年度に発足した WG6(設計法)が精力的に活動している。表-12017 年度の国際会議派遣状況会議名ISO/TC190/WG1 会議TC221 WG5 会議ISO/TC182(Geotechnics)WG2 会議出席・TC182 事務局(英国規格協会)打合せISO/TC221/WG4&6 会議ISO/TC182/WG2 会議ISO/TC182 総会ISO/TC182 広域地盤特性評価法 打合せISO/TC190 総会、認証試験実施ISO/TC190/SC3/WG10 認証試験実施派遣国フランス韓国スペイン・イギリススペインデンマークスペインアイルランド韓国オランダ・ドイツ派遣数111111142注;グレーは、経済産業省支援での海外派遣表-22017 年度の検討規格案件数(2018.2 現在)規格および規格案の審議段階TC182TC190TC221NWIP431AWIWDCD14DIS4142FDIS102ISOその他2384合計27717NWIP:新規提案、AWI:承認案、WD:原案、CD:委員会原案、DIS:照会原案、FDIS:最終規格案、ISO:規格4.まとめわが国の建設技術の品質は、世界でもトップレベルに35あり、技術とそれを支える規格を世界に発信すること30は、日本の使命である。よって、今後建設業を輸出産業へ提案していくことは不可避であると考える。ISO のような活動には、今後人材を産官学が連携して育成することは大切である。しかしながら、当学会で ISO25海外派遣者数とし、わが国の技術力を、アジアをはじめとする全世界201510に携わる人材が固定化している現状もあり、これまで培5って来た情報、構築した人脈についても引き継がれていかねばならない。TC182 では、広域地盤モデルに関する02011提案活動のような新たな動きが始まり、また TC190 の欧20122013201420152016年度州側の運営体制も、世代交代の波にもまれていることか図-1 海外派遣者数の推移ら、日本の体制も見直しの時期を迎えていると言える。地道ながらも、人材の新陳代謝を繰り返しながら、息長く活動する重要性を痛感する。220172018
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  • タイトル
  • 室内土質試験方法の国際規格審議状況ー2017年度ー
  • 著者
  • 豊田浩史
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 3〜4
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300002
  • 内容
  • 0002A - 08第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月室内土質試験方法の国際規格審議状況-2017 年度-ISO 規格室内試験 土質試験長岡技術科学大学 国際会員 ○豊田 浩史1. はじめにCEN/TC341/WG6(Laboratory tests on soils:室内土質試験)の会議が 2009 年度からはじまり,2017 年度は,第 17 回会議が 2016 年 5 月 22, 23,24 日にタンペレ(フィンランド)にあるタンペレ工科大学において,第 18 回会議が 2017 年10 月 18, 19, 20 日にマドリード(スペイン)にある Cedex(公共工事研究試験センター)において開催された。会議タイトルからわかるように,ここでは CEN(欧州標準化委員会)が国際規格の策定作業を行うことになっている。これは,本件が ISO/TC182/SC1 での投票で CEN リードのウィーン協定適用となったためである。メンバーは,議長国であるイギリス,ベルギー,フィンランド,フランス,ドイツ,ギリシャ,オランダ,ノルウェー,ポルトガル,スイス,スウェーデン,スペインの欧州各国と,日本である.USA をはじめとする環太平洋諸国が参加していないので,日本は ISOからの正式オブザーバーという立場から積極的に意見を発して,欧州のみの考え方に偏った国際規格にならないよう努力が必要である。ここで議論する規格は,表-1 に示す 12 の ISO/TS(Technical specification)である。表には,対応する JIS 規格および JGS 基準も併せて示してある。この ISO/TS は,2004 年に策定されており,正式な ISO 規格にするための作業を行っている。2017 年 2 月現在で,17892-1~6 が ISO 規格となった。地盤工学会の室内試験規格・基準委員会では,2019 年度出版予定の地盤材料試験の方法と解説(赤本)の改訂版には,これら ISO 規格を組み込んだ規格となるよう作業に取り組んでいるところである。2. 会議の進め方現在の ISO/TS 17892-1~12(表-1 参照)に対して,所定の様式による意見の作成が求められた。作業してみるとわかるが,我が国の規格・基準にすべて一致させることは不可能であり,我が国にとって影響が大きい,または,我が国の方法および考え方のほうが優れていると考えられることを中心に,意見書を作成する方針とした。また,どちらが優れているかは不明であっても,できるだけ我が国の記述例を紹介できるように努めている。我が国の規格・基準を紹介するに当たって,口頭で説明するだけでなく,英語版の規格・基準を配布できれば大変有効である。しかしながら,JIS および JGS の英語版のほとんどは,かなり古い時期に作られてから全く改正作業が行われていなかった。そこで基準部会においては,英語版についても最新の規格・基準と対応するよう,整備されてきている。今回の赤本改訂時には,英語版の規格・基準も同時に改訂するように取り組みたい。写真-1 に CEN/TC341/WG6の会議の様子を示す。3. 議論の内容各国の基準整備の状況によると,独自の基準を持っていない国も多いようである。日本はここで取り扱うほとんどのISO/TS について独自の基準を持っていることと,現在の案について 8 割方賛成できるものの,強く変更を望むところも数ヶ所あることを説明している。2016 年度に議論を行った,一軸圧縮試験,非圧密非排水三軸圧縮試験,圧密三軸圧縮試験,直接せん断試験,透水試験,コンシステンシー限界試験についての,代表的検討結果を紹介する。(1) 一軸圧縮試験・一軸,三軸試験に共通する事項として,式に単位は書かない,応力ひずみ曲線図は,任意の報告とした。・供試体は,直径 34mm を使っている国も多いため,直径は 34mm 以上とした。・ピークが現れないときは,圧縮ひずみ 15%まで実験を行う。ドイツは 20%まで行っているようである。(2) 非圧密非排水三軸圧縮試験・せん断速度は,0.3~2%/min とした。・軸力の求め方(補正)には多くの意見が寄せられた。多くの試験装置があるが,もっとも基本的なもので書くこととした。・メンブレン補正も色々な方法があるが,今回採用する方法では,たとえ圧縮しても,体積変化がないときはメンブレン補正の必要はない。(3) 圧密三軸圧縮試験Council status for ISO Standardization of Laboratory tests onTOYOTA, Hirofumi (Nagaoka University of Technology)soils -2017-3 ・フィルターペーパーの補正で,代表的な値を書いておく。・飽和のチェックは Closed drainage を基準として,飽和できなければ Open drainage を使うこととする。日本では非排水状態のままセル圧をあげて飽和させる Closed drainage はあまり馴染みがない。・メンブレン補正には論文を引用するようにする。・c, の報告は任意とするが,その求め方は規格内に書いておく。(4) 直接せん断試験・定圧試験のみを取り扱い,側壁の摩擦は考慮しないなど,実務向けの規格となっている。・供試体高さは 20mm 以上とする。・一面せん断試験とリングせん断試験(Bishop 型と Bromhead 型)を取り扱う。・せん断速度を決める目安として,せん断強さ(ピーク)を示すまでの時間を,ASTM なども参考にして,12t90(90%圧密までの 12 倍の時間)とした。(5) 透水試験・透水を表す用語として,Conductivity ではなく,昔から地盤工学の分野で慣れ親しんでいる Permeability を使うこととした。投票で多くの意見が出されたら,再度見直す。・Rigid wall(締固めモールドや圧密試験装置が基本)と Flexible wall(三軸試験装置が基本)の 試験装置概略を示す。・Constant head,Falling head constant tail,Falling head raising tail,Constant flow の 4 種類を示す。Constant flow test(ポンプと水圧計を使用)はあまり一般的でないようであるが,ノルウェーなどでは行われているようである。・供試体サイズ(直径と高さ)は,試料の最大粒径の 6 倍以上とする(日本は 5 倍以上)。・透水係数と適切な動水勾配の最大値を書いた表を参考に掲載する。例えば,10-9m/s 以下の透水係数では,動水勾配は最大 30 とする(基本,ASTM と同じ記述)。フランスからは大きすぎる(試料が乱される)との意見があり,国によって様々な値が取られているようである。・初期飽和度と作用させるバックプレッシャー(BP)の表を掲載する。これにより,どの程度の BP で飽和するのかがわかる。例えば,飽和度 95%なら 300 kPa の BP を作用させる。・流れの安定性の判断として,流速が 10%以内の誤差で測定できるようになるまで続ける。・水の粘性の温度補正は,ISO 17892-4(粒度試験)と同じ表を掲載する。・透水係数は 4 点以上測定し,平均値を取ったものとする。(6) コンシステンシー限界試験・フォールコーンの貫入量は 20mm とする。・練り返しプレートは,ガラス以外の材料も認める(フィンランドからステンレスを使っていると意見があった)。・キャサグランデ式の液性試験装置は,サイズ等,国による違いを認めることとした。以上が,2017 年度に行われた主な議論である。すべての規格について修正案が準備できつつある。順調に進めば,2018 年度で本 WG は終了しそうであるが,投票に出した後の意見への対応で,多くの議論を必要とする場合もある。今後規格化が必要な試験として,定ひずみ圧密試験,直接単純せん断試験,繰返し三軸試験などがあげられた。ノルウェーからは,繰返し三軸試験は信頼性がないと発言されるなど,各国によって温度差はありそうである。欠席の国の意見は,主張がよくわからないということで,軽くあしらわれるきらいがある。このような会議にはできるだけ出席して,日本にとって齟齬のない規格となるよう主張していくことの重要性を実感している。長年議論してきているが,これまで 6 つの ISO 規格を制定できており,来年度もいくつか ISO 規格を制定できそうである。表-1ISO/TS17892-117892-217892-317892-417892-517892-617892-717892-817892-917892-1017892-1117892-12CEN/TC341/WG6 で取り扱う規格タイトルDetermination of water contentDetermination of bulk densityDetermination of particle densityDetermination of particle size distributionIncremental loading oedometer testFall cone testUnconfined compression test on fine-grained soilsUnconsolidated undrained triaxial testConsolidated triaxial compression tests on water-saturated soilsDirect shear testsDetermination of permeability by constant and falling headDetermination of Atterberg limits関連規格・基準JIS A1203JIS A1225JIS A1202JIS A1204JIS A1217なしJIS A1216JGS 0521JGS 0523,0524JGS 0560,0561JIS A1218JIS A12054写真-1第 18 回会議の様子
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  • タイトル
  • ISO TC190 の審議状況について
  • 著者
  • 川端淳一
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 5〜6
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300003
  • 内容
  • 0003A - 07第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月ISO/TC190の歴史と現況I地盤工学会ISO/TC190委員長鹿島建設㈱正会員○川端 淳一1. TC190の活動の歴史ISO/TC190(Soil Quality :地盤環境)は1985年に主としてオランダ、ドイツ等の主導により設立され、これまで多くの規格が生み出されてきた。日本は1999年にウイーンで行われた総会に初めて参加し、それ以来継続的に活動を行ってきた。ここでは、これまでの活動を簡単に振り返る。下記にISO/TC190の構成を示す。SC1 Evaluation of criteria, terminology and codification (評価基準、用語、コード化)SC2 Sampling (サンプリング―地盤環境調査用のサンプリング)SC3 Chemical methods and soil characteristics (化学的方法と土の特性)SC4 Biological methods (生物学的方法)SC5 Physical methods (物理学的方法)⇒移行(SC3WG14へ)SC6 Radiological method (放射線的方法)⇒休止SC7 Soil and site assessment (土および現地評価)この中で、日本は過去SC2、SC3、SC7等については継続的に総会に参加し、多くの活動を行ってきた。下記にその間に行ってきた主な具体的活動について述べる。(1) 溶出基準のISO化への対応環境庁告示第46号(土壌の汚染に係る環境基準について)は、日本においては法的に土壌汚染であるかないかを決めるための試験方法として知られている。1999年、この手法とISO規格との整合性を図る活動を開始したことが、TC190への参画当初の具体的なきっかけであった。この時は、ISO/CD ISO/DIS 21268-2(土ならびに土質材料の化学的・生態毒物学的試験のための溶出方法 -その2:液固比10 L/kgによるバッチ試験)と日本の溶出試験法を統一するため、土壌溶出量試験の液固比、振とう機の種類・振とう時間・方法、ふるいのサイズ等について、ISO規格と環境省告示基準の整合性をはかるべく、様々な国際比較試験の実施を提案、実施して、わが国の方法がISOの標準的な方法の一つとして取り入れられることとなった。この結果、上記環境省告示第46号試験がISO規格に沿った溶出方法に基づく試験として位置づけられることとなった。このことは、ISO/TC190の活動の一つのエポックとして位置づけられた。(2) ISO/TC190総会の日本開催過去2005年及び2013年の二回の年次総会を、それぞれ東京、福岡で開催し、ホスト国として、ISO規格制定に貢献した。これらの開催はTC190としてはアジアで初の開催であり、またその規模も欧州での開催と同等規模のものであった。(3) 重金属迅速分析方法に関するWGの主導2006年、SC 3(Chemicalmethods)においてWG 10(Screening methods)の設立提案を日本より行い、以来SC3の坂井主査((財)鉄道総研)がコンビナーを務めてきた。このWGでは、現場でも検出可能な重金属の簡易的な分析方法など、地盤環境の分野にスクリーニングの概念を初めて導入したものである。このWGでは多くの新しいISO規格が制定され、結果として日本の機器分析装置をベースとした分析技術が多く国際規格となり、将来こうした分析が国際的な場で行われる場合を想定すれば、日本の国益に資する活動となったもの考えられる。(4) SC2サンプリング規格見直しへの参画土壌調査における土や地下水のサンプリング方法は日本の土壌汚染対策法等の中でも多くの基準がある。一方、ISOSC2においてはISO10381シリーズと呼ばれるサンプリング規格が既に90年代から検討され2000年代の初めに制定されているが、日本の基準とは整合性がとれているとは言えない状況にあった。この規格の改訂が2010年前後から始まり、この中でSC2の中島主査(国際興業㈱)を中心に、日本のJGSやJISの基準をISO化する活動行ってきた。サンプリング規格は欧州でも古くから制定されており、日本の基準のISO化は困難な作業であったが、ダイレクトプッシュボーリングによる土のサンプリング方法等、いくつかの日本の方法がこの新しい規格(ISO18400シリーズ)に取り入れられた。(5) カラム溶出試験のISO化2014年には、SC7 WG6(Leaching)においてカラム溶出試験のISO化を、SC7の肴倉主査((独)国立環境研)を中心に日本より提案した。これは、それまでTS(技術規格Technical Standard)であったもののISO化への提案であり、その後の日本でのJIS化も見据え、日本でよく用いられている方法について、幅の広い形でISOに取り入れることを目指した。この間必要な国際リングテストの実施を主導する等の活動を経て、現在ほぼISO化される見込みとなっている。過去約18年間にわたり、日本の基準や方法を国際標準規格とするための活動を継続的に行ってきた。この過程で、国History and Present Situation of ISO/TC190KAWABATA Junichi.5Kajima Corp. 際規格にするための、具体的な試験の実施、各国を納得させるための客観的な評価方法のノウハウを積み上げてきている。一方、本分野では日本では基準化されていない多くのISO規格があり、日本では基準化の検討さえもされたことのない内容(例えば生態系リスクを考慮した評価の方法に関する規格、バイオアベイラビリティー評価方法に関する規格)も多い。委員会ではこうした国際規格を日本に紹介する活動も行ってきてきた(例えば1)、2)。)2. 最近のTC190の状況について現在TC190の実施されている規格の見直しのうち、日本の基準と直接関係するものから二つについて、下記にその経緯と現況を紹介TC190の体制の変更について述べる。(1) SC2サンプリング規格の改訂地盤環境に関わるサンプリング規格として日本でも知られているISO 10381シリーズが2009年までに発行されている。これと並行して2007年に新たな体系で作成しなおすべきとの提案が出され、3段階でのアプローチ方法を基盤とする新たなサンプリング規格ISO 18400シリーズの検討がスタートした。その検討は現在まで続いており、2017年1月に9つの規格、残り5つの規格案についても発行に向けての最終段階となっている。これに伴い、従来のISO 10381シリーズ等は、すべて撤回される見込みとなっている。3段階アプローチとはレベル1(サプリングに係る共通事項)、レベル2(目的や対象毎の事項)、レベル3(個々のサンプリング方法)からなるものである。(2) SC7カラム溶出試験の規格溶出試験は、基準値への適合の有無を確認する判定試験(Compliance Test)と、溶出特性を把握するための特性化試験(Basic Characterization Test)に大別されるが、日本において、判定試験としてはバッチ試験である環境省告示 46号試験が採用されているが、特性化試験に関しては国内規格がないのが現状である。この認識の下2014年ベルリン総会において、ISO/TS 21268-3(上向流カラム通水試験技術仕様)を正式な ISO 規格とする提案を日本から行い、以来国際的な比較試験を主導するなどの活動を経て案を作成し、現在、DIS(ISOのDraft版)の投票を実施中であり、標準化に一定の目処がたっている。(3) ISO/TC190 全体の体制についてISO/TC190は1985年の設立以来30年の長きにわたり多くの新しい技術標準の規格化を行ってきたが、ここへきて新しい規格の検討数が減少し、規格の改訂が活動の主体となりつつある。それに伴い、各国の活動予算の減少等もあり、昨年ソウルで行われた総会において、組織全体の見直し、チェアマンの交代等多くの変化があった。表-1に組織の変化をまとめる。表1-1 これまでのISO/TC190の体制WG1SC1SC2Climate Terminology SamplingChangeSC3Chemical Method&SoilcharacterizationSC4BiologicalMethodSC5PhysicalMethodSC6RadioactiveSubstance(休止済)SC7Soil &SiteAssessment表1-2 新しいISO/TC190の体制WG1WG1SC3SC4SC7Soil & SiteBiologicalClimat Terminolog Chemical &AssessmentcharacterizatiyPhysicaleonChange Codificati characterizationon(公社)地盤工学会ISO/TC 190国内委員会では、上記のTC190の組織の変化に伴い、国内体制の見直しを行ったところである。3. おわりにISO検討へ関与する目的は、国際競争力の確保のため、日本の規格をできるだけ国際規格に整合化させることにある。このためISOでの審議内容を専門的な立場から監視し、必要に応じて規格を主導的に作ることある。その意味でカラム溶出試験のISO化に目途がたち、TC190の組織の改編が行われたこともあり、今年は一つの区切りを迎えたともいえる。今後はTC190国内委員会の活動も、他のTCと同様、規格の見直しと監視が活動の主体となる考えられる。参考文献1) 王ら:シアンの環境特性及び各種分析法に関するISO/TC190規格制定の現状、第22回地下水土壌汚染研究集会報文20162) 肴倉ら:サイト評価に関する地盤環境のISOについて、第20回地下水土壌汚染研究集会報文,20146
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  • タイトル
  • Action Report of JGS Technical Committee for ISO/TC221
  • 著者
  • 篠田昌弘・椋木俊文
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 7〜8
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300004
  • 内容
  • 0004M - 09第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月ISO/TC221 国内専門委員会活動報告-ジオシンセティックス関連規格に関する現状と今後の展開-国際規格ジオシンセティックス地盤工学会ISO / TC221 国内専門委員会委員長幹 事椋木篠田俊文昌弘ジオシンセティックス技術に関する国際規格の現状と TC221 の現状2004 年におけるジオテキスタイルおよびその関連製品の年間貿易数値は,北米 50 億 m2(輸出 10%),欧州 40 億m2(輸出 50%),アジア 15 億 m2(輸入 30%),その他 20 億 m2(輸入 40%)となっており,全体で既に 100 億 m2 を超えている.すわなち,欧州では生産量の半分が輸出という状況にあり,アジアにおける貿易数値も急速に伸びている.また GCL を含むジオメンブレン製品については,輸出入の割合は把握できていないが,北米 6 千万 m2,欧州 4 千万m2(輸出 50%),アジア 1 千万 m2(輸入 30%),その他 1 千5百万 m2(輸入 40%)となっている.TC221 はジオシンセティック製品の標準化を制定する技術委員会であり,6 つのワーキンググループがある.活動は,毎年 1 回の全体会議開催の他,個別の WG が開催されている.JGS では表 1 に示す委員会を設置し,これに対応している.TC221 で規格済みの試験法,現在改訂審議中の規格をそれぞれ表 2,3 に示す.1表1ISO/TC221 国内専門委員会の名簿(50 音順)委員長:椋木俊文(熊大),大谷 順(熊大),加納 光(フィットオン),熊谷浩二(八戸工大),木幡行宏(室蘭工大),志々目正高(前田工繊),島岡隆行(九大),中村 努(苫小牧工専),長束 勇(島根大),鍋島康之(明石高専),平井貴雄(三井化学産資),桝尾孝之(太陽工業),明嵐政司(土研),横田善弘(前田工繊),幹事:篠田昌弘(防大)表2ISO TC/221関連の規格(2018年2月現在, 現在改訂審議中の規格は除く)規格番号対象*規格名【和訳】ISO 9862:2005GSSampling and preparation of test specimens【試験供試体のサンプリングと作製】ISO 9863-2:1996GT&RPISO 9864:2005GT&RPISO 10319:2015GSWide-width tensile test【広幅引張り試験】ISO 10320:1999GT&RPIdentification on site【現場における確認事項】ISO 10321: 2008GSTensile test for joints/seams by wide-width strip method【継ぎ目/縫い目に対する広幅引張り試験】ISO 10769: 2011GCBDetermination of water absorption of bentonite【ベントナイトの含水量測定法】ISO 10772: 2012GTXTest method for the determination of the filtration behaviour of geotextiles under turbulent water flowconditions【乱流条件下における不織布のフィルター挙動評価のための試験法】ISO 10773GCBDetermination of permeability to gases【ガス透過性の評価】ISO 10776: 2012GT&RPDetermination of water permeability characteristics normal to the plane under load【拘束圧条件での垂直透水性能の評価】ISO 12236:2006GSStatic puncture test (CBR test)【 静的貫入試験(CBR法)】ISO 12957-2:2005GSDetermination of friction characteristics Part 2: Inclined plane test【摩擦特性の測定第2部: 傾斜試験】ISO 12958:2010GT&RPDetermination of water flow capacity in their plane【面内方向通水性能の測定】ISO 13426-2:2005GT&RPStrength of internal structural junctions Part 2: Geocomposites【剥離強度 第2部: ジオコンポジット】ISO 13427:2014GSAbrasion damage simulation (sliding block test)【磨耗シミュレーション(ブロックすべり試験)】ISO 13428:2005GSISO 13431:1999GT&RPISO 13433:2006GT&RPISO 18325:2015GSISO/TS 19708:2007GSISO/TR 20432:2007GSISO 25619-1:2008GSDetermination of thickness at specified pressures -- Part 2: Procedure for determination of thickness ofsingle layers of multilayer products【所定圧下の厚さの測定 -第2部:複層製品における単層厚さの評価法】Test method for the determination of mass per unit area of geotextiles and geotextile-related products【単位面積当たりの質量の測定】Determination of the protection efficiency of a geosynthetic against impact damage【衝撃に対するジオシンセティックスの防護能力の測定】Determination of tensile creep and creep rupture behaviour【引張りクリープ及びクリープ破壊特性の測定】Dynamic perforation test (cone drop test)【動的貫入試験(コーン落下試験)】Test method for the determination of water discharge capacity for prefabricated vertical drains【組立て式垂直ドレーンの排水容量の測定に関する試験法】Procedure for simulating damage under interlocking-concrete-block pavement by the roller compactormethod【ローラコンパクタ法によるインターロッキングブロック舗装下の損傷試験】Guidelines for the determination of the long-term strength of geosynthetics for soil reinforcement【地盤補強材として用いられるジオシンセティックスの長期強度の評価に関するガイドライン】Determination of compression behaviour -- Part 1: Compressive creep properties【圧縮挙動の評価:第1編 圧縮クリープ挙動の評価】Action Report of JGS Technical Committee for ISO/TC221MUKUNOKI, Toshifumi & SHINODA, MasahiroJGS Technical Committee for ISO/TC2217 Determination of compression behaviour -- Part 2: Determination of short-term compression behaviour【圧縮挙動の評価:第2部:短期圧縮挙動の評価】(対象:GS=Geossynthetics, GT&RP=Geosynthetics and related products, GTX=geotextiles, GCB: Geosynthetic clay barriers)ISO 25619-2:2015GS規格番号ISO/NP Amd 19863-1ISO10318-1/FDAmd 1ISO10318-2/FDAmd 1ISO/DIS 10320対象*GS規格名Determination of thickness at specified pressures 【所定圧下の厚さの測定第1部: 単層】GSPart 1: Terms and definitions【用語と定義】GSPart 2: Symbols and Pictograms【記号と凡例】GT&RPISO/DIS 10722GT&RPIdentification on site【現場における確認事項】Index test procedure for the evaluation of mechanical damage under repeated loading -- Damage caused bygranular material【繰り返し載荷条件下での力学的損傷の評価法に関するインデックス試験:粒状材料による損傷】Determination of water permeability characteristics normal to the plane, without load【無載荷での垂直方向透水性能の測定】表3ISO/DIS11058:2010ISO/WD12956:2010ISO/DIS 12957-1:2005ISO/AWI12958:2010ISO/CD 12960ISO/DIS13426-1:2003ISO/NP TS13434:2008ISO/DIS 13437GT&RP現在改訂審議中の主な規格GT&RPDetermination of the characteristic opening size【見掛けの開口径の測定】GSDetermination of friction characteristics Part 1: Direct shear test【摩擦特性の測定第1部: 直接せん断試験】GT&RPDetermination of water flow capacity in their plane【面内方向通水性能の測定】GT&RPScreening test method for determining the resistance to liquids【高分子ジオシンセティックスバリアの環境応力亀裂抵抗性に対する試験方法】GT&RPStrength of internal structural junctions Part1: Geocells【剥離強度 第1部: ジオセル】GSGuidelines for the assessment of durability【耐久性評価のためのガイドライン】GT&RPMethod for installing and extracting samples in soil, and testing specimens in laboratory【土中,室内試験の供試体中への供試体の敷設と取出し方法】GT&RPScreening test method for determining the resistance to oxidation【酸化抵抗性に対する予備試験方法】GSGSGSGSGSGSGuidelines for the assessment of durability【耐久性評価のためのガイドライン】Guide to the determination of long term flow of Geosynthetic drainsPart 1: Design using geosynthetics scope, definitions and notations【定義と表記法】Part 2: Design using geosynthetics for separation【分離】Part 3: Design using geosynthetics for filtration【ろ過】Part 4: Design using geosynthetics for drainage【排水】Part 5: Design using geosynthetics for stabilization【安定化】GSPart 6: Design using geosynthetics for protection【保護】GSPart 7: Design using geosynthetics for reinforcement【補強】GSPart 8: Design using geosynthetics for surface erosion control【表面侵食】ISO/DIS13438:2004ISO/NP TS 13434ISO/WD TR 18198ISO/DTR 18228-1ISO/DTR 18228-2ISO/DTR 18228-3ISO/DTR 18228-4ISO/WD TR18228-5ISO/AWI TR18228-6ISO/AWI TR18228-7ISO/AWI TR18228-8ISO/WD 18228-9ISO/WD TR18228-10ISO/WD 22182ISO/FDIS 24576GSGSPart 9: Design using geosynthetics as a barrier【遮水】Part 10: Design using geosynthetics for stress relief in asphalt overlays【アスファルト舗装における応力低減】GT&RPGSISO/NP 25619-1GSDetermination of abrasion resistance characteristics under wet conditions for hydraulic applicationsTest method for determining the resistance of polymeric geosynthetic barriers to environmental stress cracking【高分子ジオシンセティックスバリアの環境応力亀裂抵抗性に対する試験方法】Determination of compression behaviour -- Part 1: Compressive creep properties2現在の審議状況ISO/TC221 WG2~6 会議・総会が平成 29 年 9 月 19 日~21 日に韓国・ソウルの韓国繊維産業連合会ビルの会議室で開催された.国際規格の策定にわが国の意見を反映させることと,JIS あるいは JGS 基準の作成・改訂に必要となる最新の技術情報を入手するため,地盤工学会 TC221 国内専門委員会から1名(幹事:篠田昌弘)がこの会議(WG3,WG6,総会)に参加した.WG3(力学特性)のコンビナーは Daniele Cazzuffi 氏(イタリア)である.現在審議中の ISO 12957-1:2005と,ISO 10722:2007 が委員会段階(CD)を省略し,照会段階(DIS)に進むことが了承された.WG6(設計法)のコンビナーは Derek Smith 氏(イギリス)である.WG6 では,現行設計法の基本的考えを総括し,試験法の正しい活用法をまとめた技術報告書(TR)の出版を目指した活動が行われ,ジオシンセティックスの機能毎の PG に分かれて審議がなされた.3 おわりに国際標準化の動きは欧州や米国で活発になっているものの,我が国では国際標準化の流れに乗り遅れているように思われる.我が国で独自に開発された試験方法を世界各国の意見を取り入れながら国際標準化するとともに,各国で提案された国際標準に我が国の意見を取り入れるなど,試験方法のグローバル化を目指す必要がある.なお,6 年間 TC221 の議長を務めた Steve Corbet 氏(イギリス)が退任することとなった.2018 年~2023 年の新しい議長は Peter Atchison 氏(イギリス)である.Steve Corbet 氏のこれまでの活躍に敬意を表したい.8
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  • タイトル
  • 地盤工学会基準「水圧破砕法による初期地圧の測定方法」の概説
  • 著者
  • 横山幸也・伊藤高敏
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 9〜10
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300005
  • 内容
  • 0005A - 08第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月地盤工学会基準「水圧破砕法による初期地圧の測定方法」の概説水圧破砕、初期地圧、地盤工学会基準応用地質正会員○横山 幸也東北大学正会員伊藤 高敏1.はじめに水圧破砕法は ASTM で 1987 年(1997 年,2008 年改訂)に,BS では 1999 年にそれぞれ基準化され,ISRM では 1987年,1999 年,2003 年に Suggested Method として公表されている。しかしながら,これらの基準あるいは提案法は従来の水圧破砕法の理論に基づいており,現在わが国で適用されつつある新しい測定理論と測定システムによる方法とは大きな差異がある。このため地盤工学会では平成 25 年度に「水圧破砕による初期地圧測定方法基準化 WG」を設立し,基準案としてとりまとめた。2.新しい水圧破砕法初期地圧測定のための水圧破砕法は,水圧により生成した孔井壁面の人工き裂が再開口あるいは閉口するときに観測される水圧の変化から岩盤に作用する応力を算定する方法である。地盤工学会基準として提案する新しい水圧破砕法では,以下に示す二つの計測値が初期地圧の大きさを決める重要な観測パラメータとなる。試験区間への加圧を停止するシャットイン操作後に水圧が下がりき裂の先端が閉じ始めるときの水圧 Ps(き裂閉口圧,Shut-in pressure)と,き裂の全面が閉じた後に試験区間を再加圧してき裂が孔井壁面で開き始めるときの水圧 Pr(き裂再開口圧,Reopening pressure)をそれぞれ(1)式 1)と(2)式 2)で定義する。これらの式が新しい考え方に基づいた水圧破砕法の観測方程式で,二つの観測パラメータ Ps と Pr から岩盤の最小主応力 Sh,最大主応力 SH を求めるものである。Ps = Sh(1)Pr = (3Sh-SH)/2(2)また新しい水圧破砕法では,Pr を正しく測定するためには測定システムのコンプライアンスが適切な大きさである必要性が明らかとなってきた。ここでの測定システムのコンプライアンスとは,試験区間を含む送水系の水圧を単位圧力上昇させるために必要な送水量のことである。コンプライアンスが小さいことは測定システムの剛性が高いことと同義であり,理想的にはより小さなコンプライアンスをもつ測定システムが求められる。図 1 に新しい水圧破砕法に用いる測定システムの概念図を示す。孔井ウインチパッカー用送水ポンプ送水管データロガーロッド孔井注水孔試験区間圧力計、流量計パッカー注水孔試験区間パッカーパッカー図1データロガーパッカー用高圧ホース圧力計、流量計パッカー水圧破砕用送水ポンプ水圧破砕用ゾンデパッカー用高圧ホース水圧破砕用送水ポンプ地上装置送水管パッカー用送水ポンプ地上装置シーブ水圧破砕用ゾンデアーマードケーブルワイヤラインを用いた水圧破砕試験の例図2ロッドを用いた水圧破砕試験の例Overview of JGS standard -Method for initial stressYOKOYAMA, Tatsuya OYO Corporationmeasurement by hydraulic fracturing technique-ITO, Takatoshi Tohoku University9 3.観測パラメータの求め方18水圧破砕試験の測定記録の例を図 3に示す。最初の破砕試験では試験区間圧力を昇圧させ,試験区間の圧力がほ140送水レートぼ定常となることを確認した後にシャ1212010100シャットイン880圧力解放き裂閉口圧PsPs6Pr60Prき裂再開口圧 Pr4ットインを行う。シャットイン後は,Ps402試験区間の圧力変化を測定した後,試験区間の圧力を解放する。この再開口200試験は 3 回以上繰り返すことが望まし送水流量送水レート(ml/min)(ml/min)は試験区間に再度送水して試験区間の試験区間の圧力14試験区間の圧力 (MPa)(MPa)試験区間の圧力区間の圧力を解放する。再開口試験で160破砕圧 Pbブレークダウンを確認した後にシャッ験区間の圧力変化を測定した後,試験再開口試験16に送水して試験区間の圧力を昇圧させ,トインを行う。シャットイン後は,試180破砕試験02004006008001000120014001600180002000経過時間(s)(s)経過時間いとしている。き裂閉口圧 Ps は,シャットイン操作図3水圧破砕試験の測定記録の例後のき裂の先端が閉じ始める瞬間の圧087-505432060120180240300360420-100き裂閉口圧-150-2008圧力の時間微分をとる区間7-250試験区間の圧力 (MPa)6圧力の時間微分の逆数 (s/MPa)試験区間の圧力 (MPa)き裂閉口圧-300経過時間 (s)6543図4き裂閉口圧の決定方法(ISIP 法)の例-3502060120180240300360420経過時間 (s)力である。これは図 4 に示す ISIP 法と呼ばれる方法である。-4005.05.56.06.57.0圧力 (MPa)また図 4 に示すシャットイン後の圧力の時間微分の逆数dt/dP と圧力 P の関係を用いる方法を図 5 に示す。この関係図図5き裂閉口圧の決定方法(dt/dP-P 法)の例を用いることにより,き裂閉口圧をより客観的に決定することができる。8き裂再開口圧 Pr は,再開口試験においてき裂が孔井壁面で7に示す試験区間の圧力と積算流量との関係が直線から離れる圧力とする。参考資料1)Hayashi, K., and B. C. Haimson (1991), Characteristics ofshut-in curves in hydraulic fracturing stress measurements and試験区間の圧力 (MPa)再度開き始める瞬間の圧力である。き裂再開口圧 Pr は,図 66き裂再開口圧543determination of in situ minimum compressive stress, J.2Geophys. Res., 96(B11), 18,311-18, 321.2)Ito T, K. Evans, K. Kawai, and K. Hayashi (1999), Hydraulic0102030積算流量 (ml)fracture reopening pressure and the estimation of maximumhorizontal stress, Int. J. Rock Mech. Min. Sci. & Geomech.図6Abstr., 36, 811-826.10き裂再開口圧の決定方法の例40
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  • タイトル
  • 坑道掘削時の内空変位計測結果に基づく初期応力状態の推定
  • 著者
  • 青柳和平・亀村勝美・菅原健太郎・萩原健司
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 11〜12
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300006
  • 内容
  • 0006G - 05第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月坑道掘削時の内空変位計測結果に基づく初期応力状態の推定初期応力,内空変位,幌延深地層研究センター日本原子力研究開発機構 正会員 ○青柳 和平深田地質研究所 正会員 亀村 勝美地層科学研究所 菅原 健太郎大成・大林・三井住友特定建設工事共同企業体 萩原 健司1. はじめに大規模な地下施設の設計・施工に当たっては,岩盤の不均質性を考慮して適切な初期応力状態を設定することが重要となる。幌延深地層研究センターでは,地下施設建設前のボーリング調査で水圧破砕試験により初期応力状態を設定したが,水圧破砕試験で評価できる領域は小さいことから,不均質性の影響を含む広範囲な初期応力状態の設定については課題が残されていた。そこで本報では,幌延深地層研究センターの深度 350m に掘削された周回坑道で取得した内空変位に基づき,地下施設規模の初期応力状態を推定する手法を開発し,適用した結果について述べる。2. 幌延深地層研究センターにおける内空変位計測本報で分析対象とした幌延深地層研究センターの深度 350m 付近には,新第三紀の堆積岩である珪質泥岩が分布している。なお,一軸圧縮強度は平均で 15MPa 程度である。調査坑道の大部分は油圧ブレーカーによる機械掘削が行われ,一定区間ごとに内空変位計測が実施された。350m 調査坑道における内空変位計測位置を図-1 に赤色の直線で示す。水平方向の変位はコンバージェンスメジャーにより測定した。読み取り精度は±0.1mm(最小読み取り値 0.1mm)である。一方,天端沈下計測はレベル測量によって行われた。精度は±1mm 程度である。内空変位計測は,計測ポイント設置後,切羽進行ごとに実施し,計測変位が収束するまで継続した。本報では,収束時の計測値を最終変位と記載する。なお,図-1 には,計測地点における最終変位の値も併せて示した。図中の線分の長さは,測定値と概ね対応している。試験坑道や一時避難所等の枝坑部に関しては,掘削長が短く完全に応力解放がされていないことが想定されるため,分析対象から除外した。また,東周回坑道の北東部においては,湧水発生事象に伴うポストグラウト作業により適切な内空変位測定値が得られていないことから,分析対象から除外した。試験坑道1一時避難所(西)東周回坑道一時避難所(東)換気立坑試験坑道5試験坑道2試験坑道3試験坑道4東立坑西周回坑道西立坑50最終変位量 (mm)図-1 分析対象とした内空変位測定箇所と最終変位量(mm)3. 初期地圧状態の推定手法計測された内空変位の経時変化を見ると,必ずしも弾性挙動とはみなせない断面も存在した.そこで各計測断面について,切羽進行に伴う計測値と 3 次元弾性解析から得られる変位の変化を比較し,弾性成分の抽出を行った。この検討をすべての断面に対して実施した結果,計測開始から 2 切羽進行の区間では弾性挙動とみなせると判断し,この区間での内空変位増分量を分析対象とすることとした。このように補正された内空変位増分量に基づく初期応力の推定に当たっては,弾性体を仮定した 3 次元有限差分法による逆解析を行ない,初期応力比を求めた 1)2)。変位の補正手法および逆解析手法については,既報 1)2)を参照されたい。逆解析に基づく初期応力評価を実際の地下施設の坑道支保や坑道配置といった設計へ適用するにあたっては,地山の弾性係数の特定や,応力値としての境界条件を設定する必要がある。しかしながら,これまでに試行してきた逆解析により得られた結果は,地山の弾性係数を任意の値に仮定した上で求められる初期応力比であることや,上述のように補正された内空変位増分量に基づくものであった。そのため,実際の坑道掘削時の岩盤の変形挙動に即した初期応力比のEstimation of in situ stress based on the measurement ofAOYAGI, Kazuhei Japan Atomic Energy Agencyconvergence during gallery excavationKAMEMURA, Katsumi Fukada Geological InstituteSUGAWARA, Kentaro Geoscience Research LaboratoryHAGIHARA, Kenji Taisei-Obayashi-Mitsuisumitomo JV11 設定が適切になされていない可能性があった。そこで,逆解析時に仮定する弾性係数を変化させ,内空変位の実測値を生じうる弾性係数を求め,室内試験により得られる物性値と比較して妥当性を確認したうえで,初期応力比を評価した。その結果に基づき,土被り圧に相当する鉛直応力,初期応力比を掛け合わせた水平応力とせん断応力を載荷させた順解析を実施した。設定した弾性係数および初期応力値の妥当性は,順解析により得られる内空変位と実際に計測された最終変位を比較することにより検討した。順解析実施時は,弾性解析に加え,より現実の条件に即した解析として,Mohr-Coulomb の破壊規準を適用した弾塑性解析を実施した。4. 結果と考察逆解析を繰り返し推定された地山弾性係数は 3700MPa であった。これは,過去のボーリング調査時に実施した室内試験 3)により得られた範囲に内包される値であるため,妥当な推定結果であるといえる。また,得られた初期応力比は表1 に示す値となった。初期応力比としては,逆解析により得られた結果は,東西方向,南北方向ともに設計時の設定値よりも大きいものであった。図-2 に,解析により推定された内空変位および天端沈下を,実際に計測された最終変位とともに示す。図中,「×順解析[elastic]」は弾性係数 3700MPa,鉛直土被り圧を設定した弾性順解析結果,「◇順解析[mc]」は既存の室内試験などを参考に粘着力を 1.6MPa,内部摩擦角を 25°に設定した Mohr-coulomb の破壊規準を適用した弾塑性順解析結果を示している。本図より,弾性順解析は計測変位の分布状況に対応しており,広域岩盤の初期応力状態を説明できている。これに対し弾塑性順解析は,ほとんどの断面で塑性域が生じ変位が大きくなる結果となった。しかしその大きさは,計測結果で大きな変位となっている箇所とは対応しており,一部の断面で塑性域が生じていることが判る。今後,弾塑性特性値を一律ではなく地質に対応させて設定することにより,計測結果との対応を向上させることが出来ると思われる。図-3 に逆解析により推定された応力状態と地上からのボーリング調査にて実施した水圧破砕試験結果を示す。本図より,逆解析により推定した最大および最小主応力値は,設計値よりは大きい値であるが,水圧破砕試験により得られる傾向を逸脱するものでは無いことがわかる。以上のことから,本報で報告した初期応力値の評価手法により,設計時に設定した初期応力の情報を更新することが可能になるとともに,これに基づき既設の支保設計の妥当性の検証や,後続の支保設計の更新等の検討が可能になると考えられる。表-1設計時および逆解析により得られた初期応力比鉛直東西南北1.01.30.9設計時1.02.011.42解析結果SWNES05計測結果順解析 [elastic]● SHmax (HDB)○ Shmin (HDB)順解析 [mc]0内空変位(mm)せん断0-0.164SHmax (解析結果)100Shmin (解析結果)-5Sv200-15-180 -150 -120 -90-60-300306090深 度 (m)-10120 150 180掘進方向(°)SWNES3005400天端沈下(mm)0-5500-10計測結果-15-180 -150 -120 -90-60-300順解析 [elastic]306090順解析 [mc]6000120 150 1805101520初期応力(MPa)掘進方向(°)図-2 計測された最終変位と解析により得られた変位の比較図-3 解析結果と水圧破砕試験結果の比較参考文献1) 亀村勝美,藤田朝雄,青柳和平,名合牧人,白瀬光泰,菅原健太郎:周回坑道掘削時の内空変位計測結果に基づく初期地圧の推定,第 44 回岩盤力学に関するシンポジウム講演集,pp.109-114,2016.2) 亀村勝美,青柳和平,名合牧人,菅原健太郎,松原誠:坑道掘削時内空変位に基づく広域岩盤の初期地圧評価,第14 回岩の力学国内シンポジウム講演集,講演番号 012,2017.3) 真田祐幸,丹生屋純夫,松井裕哉,藤井義明:堆積履歴が幌延地域に分布する堆積岩の力学特性や微視的構造変化におよぼす影響,Journal of MMIJ, Vol.125, pp.521-529, 2009.12
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  • タイトル
  • コアディスキング法による初期地圧測定ー産業技術総合研究所地下水観測井コアの事例ー
  • 著者
  • 小村健太朗・重松紀生
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 13〜14
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300007
  • 内容
  • 0007F - 06第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月コアディスキング法による初期地圧測定-産業技術総合研究所地下水観測井コアの事例-コアディスキング 初期地圧防災科学技術研究所正会員小村健太朗1. はじめに地殻に作用している力,初期地圧(地殻応力,一次地圧,地山応力とも呼ばれる)は地震,火山噴火,広域テクトニクスのような地殻に生ずる様々な現象の最重要な要因であるとともに,地盤構造物や地熱開発などために必要不可欠な物理量である.そのため様々な初期地圧測定法が実用化されてきた。孔井内で特殊な計測をするものと,掘削で採取した岩石コアを利用して計測ものとがあるが,後者は,定方位コア採取を除けば孔井内で煩雑な作業を要せず,掘削された深部まで,比較的簡便に実行できる,という利点がある。コアディスキング法もそのひとつで,コア観察によって形状を読み取ることで応力方位を推定できるのが最大の特徴である.しかし,ディスキング現象は,これまで初期地圧測定法として実地に応用した例は少なかったようである。今回,産業技術総合研究所によって,三重県紀北町海山に地下水等觀測施設整備のために掘削された孔井において採取された岩石コアに顕著なディスキング現象が見られた。本発表ではこのコアディスキングを観察して初期地圧方位を推定し,同じ孔井壁に見られたブレークアウト,掘削誘起引張き裂から推定した初期地圧方位を比較した例を報告し,初期地圧測定法としてのコアディスキング法の有効であることを示す.なお以下では,孔井軸と初期地圧の 2 つの主応力のうちの 1 つが共に鉛直で,他の 2 つの主応力が水平であるとして話を進める.これは一般的な場所で満たされる現実的な仮定である.2.コアディスキングについてコアディスキングは,コア採取の際,コアがほぼ同じ厚さの円盤状に割れる,あるいは完全には割れないものの亀裂が生じる現象である。これまでの理論的,実験的研究によると,以下のようにまとめられる 1)2)3)4)5)6)7)。(1)コア採取時にコアの根元付近の横断面上に(周囲には圧縮の初期地圧がはたらいているにもかかわらず)引張応力が発生する。(2)(1)の引張応力はその地点の初期地圧にほぼ比例する。(3)(1)の引張応力が岩石の引張強度を越えると引張破壊がおこりディスキングが生じる。(4)ディスキングの破断面の形状は溝状,鞍状,レンズ状になる(図 2.は典型的な溝状のディスクのスケッチである)。(5)初期地圧水平主応力に異方性がある場合(最大成分σH,最小成分σh),溝状破断面の溝の方向はσHの方位に一致する(図2.)。これらを応用し,(5)から地殻水平主応力方位が求まる 8)9)10)。しかし,ディスキングに影響する要因は複雑で,例えばコア採取のコアビットの形,大きさ,掘削速度等の影響や,ディスキングの破壊条件など未確定の要因がある。図 1.産業技術総合研究所の地下水等觀測施設海山観測井で採取された岩石コアに見られるコアディスキングの例。深度 561.0~561.4m。図 2.溝状破断面のコアディスクのスケッチ.溝の方向(low-points 方向)が初期地圧水平最大主応力の方位に一致する。σH:水平最大主応力。σh:水平最小主応力。3. コアとディスキング方位産業技術総合研究所の地下水等觀測施設海山観測井は,主に地震に伴う地下水の変化を,その他の地殻活動と共に捉え,将来の東南海・南海地震予測に役立てる観測研究用の施設である。3 本の孔井が掘削され,そのうち最深度 600m の孔井から採取されたコアの複Measurement of initial state of ground pressure by core disking method - Case study at AISTgroundwater observation well -13Kentaro Omura, NIED 数箇所でディスキングが観察された。観測井は又口川右岸の段丘上に位置していて,深度 20m 以深のコアは,ほぼ熊野酸性岩類北岩体に属する花崗斑岩であった。コアディスキングの方位は,コアディスキングに連続してつながるコアの方位とともに決まる。定方位によるコア採取でないため,コアを破断するき裂の表面観察と,方位の定まっているボアホールテレビュア(超音波の反射率から孔壁画像を撮る検層装置)による孔壁画像にみられる孔壁の亀裂とを 1 対 1 に対応させて,コアの方位を決定した 11)。コア,孔壁画像からき裂の方位を読み取るのに,最低限±5 ゚程度の誤差が見込まれる。4. 結果とまとめコアディスキング(CD)によって決まった初期地圧の水平最小主応力成分の方位を,ボアホールテレビュア画像から読み取ったボアホールブレイクアウト(borehole breakout, BB),および掘削誘起引張き裂(drilling induced tensile fracture, DITF)と比較した例(555-565m 区間,200-600m 区間)を図 3.,図.4 に示す。方位は北から時計回りに測った角度で表していて,180 ゚ずれた方位も同時にプロットしている。図 4.は深度区間が長く,プロットがかたまって見える。データのばらつきはあるものの,総じて,コアディスキングによる初期地圧方位は,BB,DITF と比べて矛盾のない結果を示している。地下水等觀測施設海山観測井の例では,コアディスキング法は初期地圧方位測定法として有効であるといえ,手順が比較的簡便であることからも,コアディスキング法は実用性が高いといえる。どの初期地圧測定法にも様々な不確定要因があるので,できるだけ多くの測定法を同時に実施して初期地圧測定の不確定性を減らしていくのが現実的であるなか,そのなかの1つとしてコアディスキング法も重要な手法として適用例が増えることが期待される。ただし,今後の掘削地点にも適用しようとすれば,今回のようなコアの方位付けが必ずしも適応できない場合も考えられ,定方位コア採取技術の開発が求められる。また,今回は初期地圧の応力方位のみであったが,絶対値についてもコアディスキングの分布状況,コアの強度などの情報をもとに推定することは有意義であろう。図 3.(左) コアディスキング(CD ●),ボアホールブレイクアウト(borehole breakout, BB △),および掘削誘起引張き裂(drilling inducedtensile fracture, DITF □)によって決まった初期地圧の水平最小主応力成分の方位の比較。深度区間 555-565m。図 4.(右) 図 3.と同じ初期地圧の水平最小主応力成分の方位の比較。深度区間 200-600m で図 3.の深度区間 555-565m を含む。1)Tranter,C.J. and J.W.Craggs, The stress distribution in a long circular cylinder when a discontinuos pressure is applied to the curved surface, Phil.Mag., 36, 241-250, 1945.2)Jaeger,J.C. and N.G.W.Cook, Pinching-off and disking of rocks, J. Geophys. Res., 68, 1759- 1765, 1963.3)Obert,L. and D.E.Stephenson, Stress conditions under which core discing occurs, Soc. Min. Engrs. Trans., 232, 227-235, 1965.4)菅原勝彦・亀岡美友・斎藤敏明・岡行俊・平松良雄, コアディスキング現象に関する研究, 日本鉱業会誌, 94, 797-803, 1978.5)Stacey,T.R., Contribution to the mechanism of core discing, J. South Afr. Inst. Min. Metall., 83, 269-274, 1982.6)Dyke,C.G., Core discing: its potential as an indicator of principal in situ stress directions, In: Maury,V. and D.Fourmaintraux (eds), Rock at GreatDepth, Balkema, Rotterdam, p.1057-1064, 1989.7)Maury,V., F.J.Santarelli and J.P.Henry, Core discing: a review, Proc. 1st African Conf. Rock Mech., Swaziland, 221-231, 1988.8)Paillet,F.L. and K.Kim, Character and distribution of borehole breakouts and their relationship to in situ stresses in deep columbia river basalts, J.Geophys. Res., 92, 6223 -6234, 1987.9)Wolter,K.E., T.Rockel, C.Bucker, H.G.Dietrich and H.Berckhemer, Core disking in KTB drill cores and the determination of the in situ stressorientation, In: Emmermann,R., H.-G. Dietrich, J.Lauterjung and Th.Wohrl(eds), KTB Report 90-8, KTB Project Management, Hannover, p.G1G13, 1990.10)小村健太朗, コア・ディスキングによる地殻応力方位の推定-足尾測定井における事例研究-, 防災科学技術, No.71, 6-11, 1993.11)Shigematsu, N., Otsubo, M., Fujimoto, K., & Tanaka, N., Orienting drill core using borehole-wall image correlation analysis, J. Str. Geol., 67,293-299, 2014.14
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  • タイトル
  • 応力テンソルインバージョンに基づく断層活動性評価
  • 著者
  • 重松紀生
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 15〜16
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300008
  • 内容
  • 0008G - 01第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月応力テンソルインバージョンに基づく断層活動性評価大飯原子力発電所1.断層活動性応力テンソルインバージョン産業技術総合研究所正会員○重松紀生はじめに2012 年より原子力規制委員会の下に,「原子力発電所敷地内破砕帯に関する有識者会合」が設置され,国内にある複数の原子力発電所敷地内にある断層が活断層であるか否かが議論されることとなった.これらの審査で評価対象となった断層はいずれも規模が小さく,また原子力発電所の立地のため表層堆積物がないことが多い.これらのことから,従来から活断層性評価に用いられている変動地形や,表層堆積物と断層の切断関係といった手法を用いることができず,評価は困難を伴った.また原子力炉施設の安全審査においては,活断層か否かが重要で,活動頻度等は必ずしも重要ではない.原子力規制委員会の「大飯発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合」は,敷地内破砕帯のうち F-6 破砕帯は「将来活動する可能性のある耐震設計上考慮する活断層等」ではないとする結論を得た.「有識者会合」への課題は,原子炉施設に関する安全設計指針に基づき,審査対象となった断層 F-6 破砕帯について後期更新世以降の活動が否定できない「将来活動する可能性のある耐震設計上考慮する活断層等」かどうかを判断することであった.この審議の過程では地質データに対する応力テンソルインバージョンが使われた.そこで,本講演では応力テンソルインバージョンがどのように「将来活動する可能性のある断層等」の判断に使われたかを紹介する.2.地質概要関西電力大飯原子力発電所は福井県の若狭湾沿岸の大島半島の先端に位置する.大島半島は全域がいわゆる夜久野オフィオライトから形成されており,半島の付け根がマントル起源の超塩基性岩,大飯発電所のある半島先端部が海洋性地殻起源の岩石から構成されている(Ishiwatari, 1985).敷地内は主として海洋性地殻を起源とした岩石から構成され,その中に南北走向の F-1 から F-6 を含む複数の断層が見られ,その中で F-6 が最大であり,審査の対象となった.今回の審議に当たり,F-6 に沿っては,敷地北部海岸付近の台場浜トレンチ,海岸と原子炉等の重要施設が集中するエリアを分ける山の山頂部におけるトレンチ,また敷地南部で行われた南側トレンチのほか,多数のボーリング掘削が行われた.3.判断方法応力解析に基づいて活断層かどうかのひとつの方法としては,スリップテンデンシー (Morris, et al., 1996) のように断層の構造と現在の応力を比較するという考え方がある.これは断層近傍のテクトニックな応力場を考慮し,問題となる断層にかかりうる剪断応力を評価するというものである.ただし,この考え方はあくまで可能性を示しているもので,後期更新世以降の活動の有無を判断するものではない.これに対し「大飯発電所」の審議では,応力テンソルインバージョンを用いて活動ステージ分けを行うという方法を用いた.活動ステージは同じような応力によって断層が繰り返し動いている期間と考えた.すなわち異なる場所でも,断層に見られる構造が同じ応力に支配されていると判断できれば,同じ活動ステージの構造と判断した.活動ステージについては始めに限られた露頭の構造同士の切断関係から判断し,これらの応力テンソルインバージョンの結果と他のボーリング等の結果と比較を行うことで最終的な解を求めた.さらに,分類できた中で最新の活動ステージをトレンチ調査の結果と比較することで,「将来活動する可能性のある断層等」の判断を行った.なお応力テンソルインバージョンの方法としては多重逆解法 (Yamaji 2000) を用いた.天然の断層面上には断層が滑った時に生じた条線が観察され,過去の断層運動の方向を知ることができる(断層スリップデータ).応力テンソルインバージョンは,この条線が断層面にかかる剪断応力に平行であるとして,その断層を動かした応力テンソルの主軸方向と応力比を逆解析により求めるものである.なお,推定された剪断応力と観察される断層条線の方向はずれることがあり,これをミスフィット角と呼ぶ.活動ステージの構造かどうかの判断基準としてミスフィット角が 30°以内であることとした.4.結果山頂トレンチにおける F-6 には異なる運動センスを持つ構造が見られる.これらの切断関係から F-6 の運動センスは,右ずれ(イ)→左横ずれ(ロ)→右横ずれ(ハ)と変化したものと考えられる.また南側トレンチでも左横ずれの構造(ロ)を右横ずれの構造(ハ)が切っているのが確認された.このほかにボーリングコア等,合計 114 個の断層面と断層面上の条線の方向が得られた.これらのことから,F-6 の最新活動は右横ずれとなるが,山頂トレンチと南側トレンEvaluation of activities of faults using stress tensor inversionSHIGEMATSU, Norio15Geological Survey of Japan, AIST チの最新活動と考えられる右横ずれの構造に対し,多重逆解法を適用すると応力解は2つに分かれ,2つの解に分離できる(ハ-1,ハ-2).以上の結果に基づき改めて応力解を求めたところ,(イ)に対応した解はデータが少なく決定できず,(ロ)(ハ-1)(ハ-2)の 3 つの解が求まった.なお,(ハ-1)(ハ-2)については,両者に対応した構造同士の切断関係が,敷地内で掘削したボーリングコア中で(ハ-1)の構造が(ハ-2)の構造を切っている様子が観察された.以上から F-6 の活動ステージは(イ)→(ロ)→(ハ-2)→(ハ-1)の順序に変化したことが明らかになった.次に南側トレンチでは基盤岩に見られる F-6 を表層堆積物が覆っている様子が観察される.F-6 の直上の表層堆積物に乱れがない.従って,F-6 の最新活動(ハ-1)は,南側トレンチにおいて基盤岩を覆う表層堆積物よりも古い.南側トレンチで見られる表層堆積物は,上位より 1 層から 3 層に分類される.このうち 2 層には中国地方の大山起源の火山灰層 hpm1 (約 23 万年前)が観察される.すなわち基盤岩と接する 3 層はそれよりも古く,南側トレンチで見られるF-6 はそれよりも古いことになる.すなわち大飯発電所敷地内で見られる断層の構造が(イ),(ロ),(ハ-2),(ハ-1)のいずれかであると判断できれば,その活動は約 23 万年前よりも古く,後期更新世以降には活動していないものと判断できる.大飯発電所敷地内で求まった応力解は(ロ)(ハ-1)(ハ-2)の 3 つであることから,構造と応力解の比較から活動ステージを判断できるのは,これら 3 つの活動ステージのみである.次に敷地内で観察された構造のうち,(ロ)(ハ-1)(ハ-2)の 3 つ活動ステージと判断できた断層スリップデータは全 114 データの 84 % に相当する.特に Sクラス施設がある,山頂トレンチから南側トレンチの間で得られた 88 データのうち 82 データが(ロ)(ハ-1)(ハ-2)の活動ステージに対応すると判断できた.残りの 6 データについても活動ステージ(イ)に対応する可能性がある.以上のことを考慮すると,関西電力大飯原子力発電所の敷地内断層である F-6 が後期更新世以降に活動した,すなわち「将来活動する可能性のある耐震設計上考慮する活断層等」である可能性は極めて低い.5.まとめ関西電力大飯原子力発電所敷地内断層のうち F-6 について「将来活動する可能性のある断層等」であるかどうかの判断を行った.次のことが明らかになった.(1) 断層面上に観察される条線などの断層スリップデータから,その活動ステージは古い方から (イ),(ロ),(ハ-1),(ハ-2) の 4 つに分けられることが明らかになった.(2) 南側トレンチにおける表層堆積層と F-6 の関係から,最新活動ステージが表層堆積物の堆積より時代が古いことが明らかになった.表層堆積物中の火山灰層から南側トレンチにおける後期更新世以降の活動は否定できる.(3) 各活動ステージに対して求まった応力解との比較から,F-6 が「将来活動する可能性のある耐震設計上考慮する活断層等」である可能性は極めて低いものと判断できる.文献Ishiwatari, A. (1985a) J. Petrol., 26, 1‒30. Morris, A., et al., (1996) Geology, 24, 275‒278. Yamaji, A., (2000) J. Struct. Geol., 22,429‒440.16
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  • タイトル
  • 地震データから推定される地殻応力場
  • 著者
  • 今西和俊
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 17〜18
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300009
  • 内容
  • 0009B - 00第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月地震データから推定される地殻応力場応力場地震データ 応力テンソルインバージョン産業技術総合研究所 正会員 ○今西和俊1.はじめに地下の応力状態を把握することは、土木工学、資源・エネルギー分野のみならず、地質学や地球物理学分野においても非常に重要である。応力を測定する方法としては原位置応力測定を始めとして様々なものがあるが、実際に地震が発生する地下深部の状態を知る必要がある地震学では、地震データを活用することが多い。地震計に記録された地震波形データを分析することにより、地震の発生位置がわかるとともに、地震の運動形態(逆断層、横ずれ、正断層といった運動センスや断層の姿勢)と応力方位の情報(P 軸、T 軸)を含む発震機構解(図1)を求めることができる。発震機構解は地震が発生した場所における応力場を反映していることから、特に P 軸や T 軸の方位分布は応力場の指標として古くから使われてきた。1980 年代になると構造地質学の分野で発展してきた応力テンソルインバージョン法と呼ばれる手法が地震学に取り入れられ、複数の発震機構解を用いて定量的に応力場の推できるようになった。特に近年は、微小地震の発震機構解を高精度に推定できるようになってきたことから、時空間的に分解能の高い応力場推定が可能になってきている。以下では、発震機構解から応力場を推定する応力テンソルインバージョン法について解説し、活断層周辺の地殻応力場を推定した事例を紹介する。図 1発震機構解の例(横ずれ断層)。点線は2つの節面を表し、どちらか一方が真の断層面になる。白と灰色の領域は最大主応力軸と最小主応力軸が存在する範囲を示し、それぞれの中心がP 軸(圧縮軸)と T 軸(引張軸)に対応する。単一の地震の P軸、T 軸は必ずしも対象地域の応力場の主応力軸とは一致しない[Mckenzie (1969)]。2.応力テンソルインバージョン法ある領域に複数の発震機構解のデータがあった場合、1)応力場は解析対象領域内で均一、2)断層のすべり方向は断層面上の剪断応力の方向に平行である(Wallace-Bott 仮説と呼ばれる)、という仮定を置くことにより、対象領域内の 3つの主応力軸の方向と応力比を推定することができる(図 2)。つまり、用いる全ての発震機構解のすべり方向が各々の断層面の最大せん断応力方向を向くという条件を最も良く満足するような単一の応力場を推定するわけである。これを応力テンソルインバージョンと呼んでいる。発震機構解の 2 つの節面のうちどちらが断層面であるかはわからないため、実際の適用においては、応力場をグリッドサーチしながらミスフィット角(図 2)が小さくなる節面を断層面と見なす方法 [Gephart and Forsyth (1984)] や断層面の誤選択の可能性を考慮して統計的に推定値の誤差評価をする方法[Michael (1987)] などが提案されている。図 2応力テンソルインバージョン法の概念図。応力の絶対値を推定することはできないが、対象地域の平均的な 3 つの主応力方位と応力比を推定することができる。Crustal stress field estimated by seismic dataIMANISHI, Kazutoshi Geological Survey of Japan, AIST17 3.応力テンソルインバージョンによる活断層周辺の応力場推定例大阪平野に位置する上町断層帯周辺の応力場推定例を紹介する [Matsushita and Imanishi (2015)]。上町断層帯は全体として南北におよそ 42km 延びた東傾斜の逆断層帯であり、全体が一度に動くと M7.5 程度の地震が発生すると推定されている。大都市圏直下の断層で、国内における最重要断層の一つであるが、現在の応力場については良く分かっていなかった。そこで、Matsushita and Imanishi (2015)では微小地震の発震機構解を多数決定し、応力テンソルインバージョン解析を行えるデータセットを作成した(図 3a)。全部で 9 つの領域に分割し、領域ごとに応力テンソルインバージョンを適用した(図 3b)。最大主応力方位は概ね東西方向を向いているが、10km 程度の空間スケールでわずかに変化している様子が確認できる。応力場のタイプは横ずれ場の領域が多いが、上町断層帯では逆断層成分を含む領域が確認できる。このような空間スケールの応力場の情報は内陸活断層の起こり方を調べる上で大変重要である。Matsushitaand Imanishi (2015)では推定された応力場と上町断層の断層深部形状を用い、上町断層帯が現在の応力場の元で動きやすい状態にあるかどうかも調べている。その結果、断層帯北部(図 3 の A4 領域)の活動性が低いことが示された。断層帯北部は地形地質学的に第四紀後期の活動が明瞭でないことが報告されており、調和的な結果が得られている。図 3上町断層帯周辺における応力場解析。(a)応力テンソルインバージョンに使用する発震機構解。逆断層(緑)、横ずれ(赤)、正断層(青)成分の比率に応じて色分けしている。A1~A9 の領域毎に応力テンソルインバージョンを適用する。A4~A6 領域にまたがるほぼ南北走向の黒の太線が上町断層帯。(b)応力テンソルインバージョン結果(最大主応力軸方位と応力場のタイプ)。A1~A9 以外のプロットは先行研究の結果をコンパイルしたもの。左上に A4 領域における結果を例として示す。〇が最大主応力軸、△が中間主応力軸、□が最小種応力軸を表し、その周りの小さいシンボルは 95%信頼区間を示す。Matsushita and Imanishi (2015)の Fig.8, Fig.13 を一部改変。4.課題精度の高い微小地震の発震機構解が蓄積されるにつれて分解能の高い応力場推定が可能になってきたが、断層面の誤選択を完全に回避できているわけではないため、応力場の推定精度が上がらないというジレンマを抱えている。この問題点を解決するためにも、発震機構解推定の元になるデータ(P 波初動極性や振幅値など)から直接応力場を推定する手法 [例えば、Horiuchi et al. (1995)] の可能性を今一度検討する時期に差し掛かっていると言えよう。また、地震の発生過程を議論する上では、絶対値や強度の情報が必要不可欠である。せん断応力が大きく垂直応力が小さい断層ほど活動しやすいという力学的な仮定を置いた応力テンソルインバージョン法により、対象地域の平均的な摩擦係数を推定する試み [例えば、Sato (2016), Vavryčuk (2014)] は新しい研究の方向性として今後の進展が注目される。引用文献Gephart,J.W.andD.W.Forsyth,1984,J.Matsushita,Geophys. Res., 89, 9305-9320.Horiuchi et al., 1995, J. Geophys. Res., 100,8327-8338.R.andK.Imanishi,2015,Tectonophysics, 642, 46-57.Sato, K., 2016, J. Struct. Geol., 89, 44-53.Vavryčuk, V., 2014, Geophys. J. Int., 199, 69-77.McKenzie, D. P., 1969, Bull. Seis. Soc. Am., 59,591-601.18
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  • タイトル
  • 大深度南アフリカ金鉱山の地震発生場での岩盤応力測定
  • 著者
  • 小笠原宏・石田亮壮・阿部周二・矢部康男・加藤春實・杉村幸佑・野田 拓・小笠原宏幸・伊藤高敏・船戸明雄
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 19〜20
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300010
  • 内容
  • 0010第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月G - 05大深度南アフリカ金鉱山の地震発生場での岩盤応力測定地中応力応力解放山はね立命館大学正会員○小笠原宏立命館大学石田亮壮・小笠原宏幸・杉村幸佑・野田拓東北大学阿部周二・矢部康男(株) 3D地科学研究所東北大学正会員加藤春實伊藤高敏(公財) 深田地質研究所正会員船戸明雄1.はじめに南アフリカ(以下南ア)金鉱山での,地下約 3.5 km のM5.5の余震発生帯を含むさまざまなサイズの地震発生帯における,日本の技術による岩盤応力測定活動 (2011~現在)について概観する。地震破壊の発生や停止の理解のためには,断層すべりと断層強度との関係,断層構造やそれらのサイズ依存性を知る必要がある。しかし,地震発生場の掘削調査や応力測定は,これまで困難であった。我々が,南ア金鉱山でどのようにこの困難に取り組んでいるかを報告する。2.南ア金鉱山南アでは,太古代 (28~29億年前)の堆積岩(P波速度約 6 km/s;一軸圧縮強度 百数十 MPa 以上) に胚胎する薄い板状の金鉱脈が、今から約120年前に地表から採掘され始めた。1970年には,南アの年間金生産量が 1000 t を超え世界年間生産量の2/3を占めた。しかし、採算がとれる深度まで掘り尽くした鉱山が増えるとともに年間生産量は減り,2017年には年間生産量は 145 t となった(世界第7位;例えばhttps://www.focus-economics.com/blog/gold-the-most-precious-ofmetals-part-3)。現在の採掘箇所の多くは,大深度あるいは残柱で,応力集中による地震リスクが高い。これをうまくマネージする必要がある。南アは,岩盤工学の発展に大きく貢献し,例えば CSIR Tri-axial cell 法は南アで開発された応力解放法である。後にオーストラリアで改善されたCSIRO Hollow Inclusion法も南アで広く用いられている。しかし,約 90 mm 径によるオーバーコアリングは,直径が数mの坑道に設置できる掘削機では容易ではなく,測定の工程も複雑で,安価に短時間で確実に応力を測定することができていなかった。特に,大深度や地震発生場では,応力測定の実測値はなかった。3.南ア金鉱山での地震監視と地震研究南アの金鉱山では,常時地震監視と地震ハザード評価がルーチン的に行われており,このシステムは,大深度化が進む世界の鉱山でも用いられている。これと同時に,計算機応力モデリングも,岩盤応力の時空間変動を正確に把握するためにルーチン的に行われている。これらや断層やダイクなどの地震を伴いやすい地質構造の情報や,採掘計画も事前に鉱山から得ることができるため,南ア金鉱山は,至近距離で地震発生を観測できる絶好の場所である。1991年のアパルトヘイトの廃止後,国際地震地球内部物理学協会で,南ア金鉱山は地震発生研究の半制御実験として承認された(Nicolaysen 1992)。以後,日本が主導して同研究が続いている (Iio and Fukao 1992; 小笠原・他 2009)。4.南ア金鉱山での応力測定とりわけ2009年以降は,科研費基盤AとS (2009-2013),JST-JICA地球規模課題対応国際科学技術協力 (SATREPS; 20102015),国際陸上科学掘削計画 (ICDP; 2016 - 2018)などによって,合計90本近く,総延長 約 4.4 km を超える掘削と地震観測・岩盤応力測定が,5つの金鉱山の地下 1~3.5 kmの地点で行われ,M2~5.5 の地震発生の詳細を描く,質・量ともに優れたデータを得ることができた (例えばMoriya et al. 2015; Naoi et al. 2013, 2015abc)。応力 測定 につ いて は, 2011 年か ら, 加藤 春實 が技術の中心,小笠原が渉外の中心となり,円錐孔底ひず み法(Sugawara and Obara, 1999) を,南ア金鉱山に最適な形で技術移転することができた (Ogasawara et al. 2012, 2014)。南アは最大主応力がほぼ鉛直であり,掘削による孔やコアのダメージを抑えるためには,できるだけ上向きに掘削を行わねばならない。このような条件でも掘削や測定用具の取り扱いがより容易になる様に,BX孔径にダウンサイズした。計算機応力モデリングの較正が進み,掘削方向を水平最大主圧縮軸に近づけることもより確実にできる様になった。現在は金鉱山会社が自分で測定を行ったり,南アの土木業者が銅山やプラチナ鉱山でも測定を行ったりしている。チリの銅山での円錐孔底ひずみ法の測定も検討され始めた。ICDP計画では,比較的自由に掘削方向を選べ,地下 3 km から掘削を始められる利点を活かし,M5.5の余震発生帯に向けて,コア回収率が高い掘削を行うことができている(図1)。Funato and Ito (2017)は,コア軸に直交する断面の楕円度から,その断面内の差応力を測定できる方法(コア変形法;In-situ stress measurement at seismogenic zones at deep SouthAfrican gold minesOGASAWARA, Hiroshi Ritsumeikan Univ.and others19 Diametrical Core Deformation Analysis; DCDA)を提案した。この方法は,コアさえあれば非破壊で,孔が下向きでも長尺でも,応力を測定できることが,現在南アで実用化している円錐ひずみ孔底法にはない長所である。石田 (2018),Ishida et al. (2018)は,日本が南ア金鉱山でこれまでに得たコアから,岩種,孔径,保管期間,応力集中によるダメージ度が異なる 276 個のコアに対してDCDAを行った。コアピースのどこを測っても同様な結果が得られる場合もあったが,同じ岩種のコアピースでありながら軸方向に 1~2 cm ずれるだけで,平均コア径に有意な差が見られることがあり,また,コア径が最大になるコア軸周りの角度が有意に異なることもあった。これらの傾向には岩種によって違いが見られた。そこで,Ishida (2018)は,測定結果の良否を,定量的に評価するためのスキームを提案した。M5.5の余震発生帯に向かう 817 m NQ孔,M3.5の断層を貫通した約 100 m のAX孔,Naoi et al. (2013, 2015abc) が採掘に伴う微小破壊活動の詳細を描き出した地震発生場の十数本のBX孔(約 10~50 m)の測定結果から,Ishida (2018) が提案した基準で選び出された測定結果は,断層と関係すると思われる応力の空間的変化を描き出していた。図2は,地下 3.4 km のダイクの両側の薄い板状の金鉱脈が採掘された後に,ダイク内で発生したMw2.2の震源断層付近の,計算機モデリングで得た応力分布である (Ogasawara et al. 2014)。このモデリングで入力した採掘前の応力場は,約 2 km 西において円錐孔底ひずみ法で実測されたものと調和的であった。これは,JAGUARS 計画(Japanese GermanUnderground Acoustic Emission Research in South Africa; Nakatani et al. 2008)の微小破壊観測の結果 (Naoi et al. 2011)と比較され,本震前の前震活動の加速と応力場との関係を議論できた (Yabe et al. 2015)。Yabe et al. (2013) は,この Mw2.2の震源に向かって,約90m長のBXサイズの掘削を行った。この掘削は,応力場がよくわかる前に計画され,また,掘削開始地点に選択の余地がなかったため,掘削時の応力集中によってコアが破壊し,コアの回収率が悪い区間もあった。しかし,DCDA法,変形率変化法(Deformation Rate Analysis;DRA), ボアホール・ブレークアウト,コア・ディスキングの結果を総合し,Mw2.2地震断層の折れ曲がりと応力との比較・議論に成功した(Abe 2017; Abe et al. 2018)。5.おわりに以上に述べたように,地震発生場の応力状態の研究は,南ア金鉱山で進み始めている。石田(2018) が解析した 817 m孔は孔曲がりのために M5.5 余震発生帯に到達しなかった。このため,現在 2 本目が掘削されつつある。このコアの測定も進めることによって M5.5 余震発生帯上端の応力場がより詳しくわかると期待される。南ア金鉱山での地震研究は,金の採掘から遅れずに進めねばならない。大深度で地震観測をするためには,掘削に必要な水,現場作業に必要なベンチレーション,電気・通信インフラが必要であるが,金の採掘が終わると鉱山がこれらを撤収するからである。しかし,2016年にCooke 4鉱山が,2017年にSavuka鉱山とTau Tona鉱山が閉山となってしまった。これらは,上述したダメージが大きいコアに対しDCDA法の測定が行われた鉱山である。ICDPによってよりダメージが少ない方向に掘削を行い,応力と地震破壊と物性や地質との関係を論ずる予定であった。これがかなわなくなったのは大変残念である。Tau Tona鉱山は,Savuka鉱山の代替掘削地であった。Moab Khotsong鉱山は2006年から金の生産が始まった比較的新しい鉱山であるが,2018年3月1日に別の鉱山会社に売却された。幸い,親会社が変わっただけで鉱山に勤める人間や下請け業者には変更がなかった。この貴重な機会に得るべきものが得られるよう努めたい。Mw2.2 断層図1 ICDP計画による地下 3 km から掘削とM5.5地震断層との位置関係(M5.5断層にほぼ直交する,南南東(左)北北西(右)方向の鉛直断面表示)。ICDPという文字の近くの右下に傾斜する太い線:完了した817m孔。石田(2018)および Ishida et al. (2018)は,このコアから原則50m間隔でDCDAを行い,M5.5との関係が示唆される応力の空間分布を得ることができた。M5.5地震の直前の前震の震源,本震の破壊開始点,地表強震計で決定された余震活動のおおよその範囲,および,南南東に多くが配置する坑内高感度地震計で決定された余震も表示されている。図2 地下約 3.3 kmの Mw 2.2 の地震断層近傍での境界要素法応力モデリングの例 (南東方向から北西方向を見た透視図;Ogasawara et al. 2014)。厚さ約 30 m のダイクと,それを斜め右下に切る Mw 2.2 断層,ダイクを挟む薄い板状の採掘跡と,45,46番分岐水平坑道との位置関係も表示されている。採掘が 1ヶ月に約 10m 進む様子がタイルで表示されている。太矢印:Yabe et al. 2013の BX 90 m 孔。Yabe etal. 2013とAbe 2017は,様々な方法で応力を測定し,Mw 2.2の震源の応力場の詳細を議論できた。20
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  • タイトル
  • 南アフリカ大深度金鉱山における微小破壊観測
  • 著者
  • 直井 誠・中谷正生・矢部康男・森谷祐一
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 21〜22
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300011
  • 内容
  • 0011G - 05第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月南アフリカ大深度金鉱山における微小破壊観測南アフリカ大深度金鉱山 誘発地震 微小破壊京都大学 正会員 ○直井誠東京大学 非会員 中谷正生東北大学 非会員 矢部康男東北大学 非会員 森谷祐一1. 緒言 南アフリカ共和国の大深度金鉱山では,現在では地表下 4 km にも達する深さで金の採掘が行われており,これが原因でマグニチュード(M)3 程度までの地震が頻発し,大きな被害をもたらしている.これらの地震を誘発するのは,地下に空洞が形成されることによる差応力の集中であり,これによってどのような現象が引き起こされるかを詳細に把握することは,鉱山における誘発地震の被害低減のために重要である.我々は,採掘起因の応力集中が引き起こす現象を解明することを目的として,同国 Cooke 4 金鉱山の地表下 1 km において,モーメント・マグニチュード(MW) −4 以下の微小破壊まで検知可能な Acoustic Emission(以下,AE)観測網を展開した.2. Cooke 4 金鉱山地表下 1 km における Acoustic Emission 観測網 AE 観測網は,Cooke 4 金鉱山地表下 1 km に展開した.ここでは,直径 400 m ほどの掘り残し部(Shaft pillar)の外側が過去の採掘によって空洞となっており,Shaft pillar 内は深さの割に高い応力が集中している.実際,Ogasawara et al.(2014)は pillar 内でオーバーコアリング法による応力測定を行い,最大圧縮応力 127 MPa という値を得ている.この値は深さ 1 km における通常のかぶり厚(~27 MPa)に比べて著しく高い.2011 年以降,Shaft pillar 内部の採掘が行われており,これによって誘発される地震・AE が本観測のターゲットである. 観測網は,24 台の高感度 AE センサと 6 台の三軸加速度計(3 台は 25 kHz まで,残る 3 台は 10 kHz までフラットな周波数特性を持つ)で構成されており,深さ 1 km の水平坑道から採掘されたボアホール内にセメントで埋設されている.いずれかのセンサで予め設定した閾値を超える信号が入力されると全チャンネルの波形データが約 65 ms の長さ分収録される.2011 年 8 月 8 日から 10 月 10 日の間には,合計 227 万回のトリガがかかり,対応する全チャンネルの波形が記録された.本講演ではこれらのデータの解析結果を紹介する. このようにして得られた波形に対し,Horiuchi et al. (2011)による自動走時検測・震源決定アルゴリズムを適用して震源を決定し,このうち,P 波の走時検測数が 10 以上,走時残差の二乗平均平方根が 0.2 ms 以下のイベント 365,237 個を抽出して以降の解析に用いた.また,これらに対して理論スペクトルと観測スペクトルをフィッティングする方法で絶対規模(MW)を推定して解析に用いた.なお,AE センサは一般に設置方法に依存する複雑な周波数特性を持つため,地震計記録に対して行われるようなスペクトルを用いた絶対規模推定は簡単ではないが,隣接して埋設した加速度計の記録をリファレンスとしてその特性を校正することで AE センサ記録を用いた推定を実現している (Naoi et al., 2014).上記 365,237 イベントの 98%以上の MW の推定に成功しており,最小のものは MW −5.3 であった.3. 切羽直近における損傷ゾーンの形成を示唆する AE 活動上記の処理によって得られた AE 震源の約 9 割は切羽直近の高差応力域に密集するものであった.これらの AE は,切羽の進行と共にその発生場所が移動しており,採掘に直接関係する活動であることは明らかである.Moriya et al.(2015)は,これらの AE の一部の震源を Double Difference 法(Waldhauser and Ellsworth, 2000)で再決定し,切羽前方に密集する AE はその応力集中域に三次元的に広がるような分布を示すのではなく,AE がほとんどおこっていない部分を挟んで複数の 1–2 m の厚みを持つ二次元状の AE 集中域が集まって形成されていることを示した.切羽の進行による応力再配分で形成される損傷ゾーンが AE によって描き出されていると考えられる.採掘によって生じるクラック形成パタンを調べた先行研究では,これらと似たような位置・方向・サイズの剪断クラックが切羽孔壁の直接観察で確認されること,ならびにそれらが大きな地震の痕跡である可能性が指摘されている(例えば,Ortlepp, 2000).今回観察された AE 集中ゾーンの活動は,切羽で生じる大きな地震の準備過程に対応している可能性がある.4. 断層上で生じる AE 活動同観測で検知された AE の残る1割は,切羽から離れた位置において厚み数十 cm の中に殆どの震源が密集し,数 m以上に渡って連続的な分布を持つ,薄い面状構造を描き出していた(以下,Planar cluster).これらの中には,対応するAcoustic Emission Monitoring at deep gold minesMakoto Naoi, Kyoto Universityin South AfricaMasao Nakatani, The University of TokyoYasuo Yabe , Tohoku UniversityHirokazu Moriya, Tohoku University21 断層が坑壁などにおいて観察されているものもあり,断層沿いでおこる AE 活動であることは確実とみられる.これらを構成する AE は,その 99.7%以上が MW −2 以下という微小なイベントであり,従来鉱山で利用されてきたルーチン地震観測網(検知限界 MW −1)ではその存在にすら気づくことができない.上記のように,本観測では断層沿いの活動と思われる AE 活動(Planar cluster)が多数発見された一方で,鉱山の地質調査においては,AE の面状分布が確認されたもの以外にも多数の断層の存在が報告されており,AE が発生している断層とそうでない断層が存在するようであった(Naoi et al. 2015b).断層の方位と周囲の応力場の関係によって,AE 活動が駆動されるものとされないものが存在する可能性がある.今後,周囲の応力状態と AE 活動の有無の関係を整理することが求められる.また,Planar cluster の中には,プレート境界において頻繁に観察される,ほぼ同じ場所で繰り返しおこり,同じ波形をもつ,Repeating earthquake とみられるものが多数存在していることが明らかになった(Naoi et al. 2015c).Repeatingearthquake は,断層上のアスペリティが周囲のゆっくりすべりによって繰り返し載荷され破壊される現象と考えられており,今回見つかったものも同種の現象とみられる.5 つの Planar cluster に対してこのようなイベントの検出を試みたところ,全てにおいて Repeating earthquake がみつかっており,鉱山内の AE 観測で断層沿いの AE 活動が観察されれば,その断層がクリープしているとみなせる可能性がある.切羽が 20–30 m まで近づいてから Planar cluster の活動が始まるものも複数みつかっており(Naoi et al. 2015a),クリープが始まる条件や,大きな地震発生との関係について今後理解を深める必要がある.5. まとめと結論南アフリカ Cooke 4 金鉱山の地表下 1 km で MW −4 以下まで検知できる AE 観測を実施し,採掘空洞直近で離散的な損傷ゾーンが発達する過程や,切羽から離れた断層で微小な AE の定常活動が観察されるなど,採掘に起因する応力集中で誘発される,従来知られていなかった多様な現象を観察することに成功した.これらの現象は鉱山における地震被害低減のために有効に利用できる可能性があり,岩盤応力状態の情報と合わせてその発生メカニズムをより良く理解する必要がある.参考文献Horiuchi, S., Y. Horiuchi, Y. Iio, Y. Sawada, S. Sekine, H. Nakamura, T. Okada, M. Nakatani, and M. Naoi, 2011, Automatic P andS wave arrival time picking compared to manually picking, IUGG General Assembly, 3430, Melbourne, Australia.Naoi M., M. Nakatani, S. Horiuchi, Y. Yabe, J. Philipp, T. Kgarume, G. Morema, S. Khambule, T. Masakale, L. Ribeiro, K.Miyakawa, A. Watanabe, K. Otsuki, H. Moriya, O. Murakami, H. Kawakata, N. Yoshimitsu, A. Ward, R. Durrheim, and H.Ogasawara, 2014, Frequency-magnitude distribution of –3.7 ≤ MW ≤ 1 mining-induced earthquakes around a mining front and bvalue invariance with post-blast time, Pure Appl. Geophys., 171, 2665–2684.Naoi M., M. Nakatani,T. Kgarume, S. Khambule, T. Masakale, L. Ribeiro, J, Philipp, S. Horiuchi, K. Otsuki, K. Miyakawa, A.Watanabe, H. Moriya, O. Murakami, Y. Yabe, H. Kawakata, N. Yoshimitsu, A. Ward, R. Durrheim, and H. Ogasawara, 2015a,Quasi-static slip patch growth to 20 m on a geological fault inferred from acoustic emissions in a South African gold mine, J.Geophys. Res., 120, 1692–1707.Naoi M., M. Nakatani, K. Otsuki, Y. Yabe, T. Kgarume, O. Murakami, T. Masakale, L. Ribeiro, A. K. Ward, H. Moriya, H.Kawakata, R.J. Durrheim, and H. Ogasawara, 2015b, Steady activity of microfractures on geological faults loaded by miningstress, Tectonophysics, 649, 100–114.Naoi M., M. Nakatani, T. Igarashi, K. Otsuki, Y. Yabe, T. Kgarume, O. Murakami, T. Masakale, L. Ribeiro, A. Ward, H. Moriya, H.Kawakata, S. Nakao, R. Durrheim, and H. Ogasawara, 2015c, Unexpectedly frequent occurrence of very small repeatingearthquakes (–5.1 ≤ MW ≤ –3.6) in a South African gold mine: implications for monitoring intraplate faults, J. Geophys. Res., 120,8478–8493.Moriya H., M. Naoi, M. Nakatani, G. van Aswegen, O. Murakami, T. Kgarume, A. K. Ward, R. J. Durrheim, J. Philipp, Y. Yabe, H.Kawakata, and H. Ogasawara, 2015, Delineation of large localized damage structures forming ahead of an active mining front byusing advanced acoustic emission mapping techniques, Int. J. Rock Mech. Min. Sci., 79, 157–165.Ogasawara, H., Kato, H., Hofmann, G., Roberts, D., Piper, P., Clements, T., Ward, A.K., Yabe, Y., Yilmaz, H., Durrheim, R.J., 2014,BX CCBO in-situ stress measurements at earth- quake prone areas in South African gold mines –a summary of mini-workshopon 13 Feb 2014, in “Proceedings of 48th US Rock Mechanics/Geomechanics Symposium”, 14–7438 (Minneapolis).Ortlepp W. D., 2000, Observation of mining-induced faults in an intact rock mass at depth. Int. J. Rock. Mech. Min. Sci., 37, 423–436.Waldhauser F., and W. L. Ellsworth, 2000, A double-difference earthquake location algorithm: Method and application to thenorthern Hayward fault, California, Bull. Seismol. Soc. Am., 90, 1353-1368.22
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  • タイトル
  • 流体注入によって引き起こされる誘発地震のエネルギーに関する数値解析的検討
  • 著者
  • 廣濵千明・才ノ木敦士
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 23〜24
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300012
  • 内容
  • 0012F - 07第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月流体注入によって引き起こされる誘発地震のエネルギーに関する数値解析的検討誘発地震流体注入動的解析熊本大学学生会員熊本大学正会員○廣濵千明才ノ木敦士1.序論地熱発電では,地下深くに埋設された還元井を通して流体の注入が行われ,間隙水圧や地下岩盤応力が変化する.これらの応力変化は地下岩盤内の断層の再活性化につながり,誘発地震を引き起こす.地熱発電開発のリスクを減らすためには誘発地震の発生メカニズムを明らかにすることが求められ,中でも誘発地震により放出されるエネルギー計算の評価は重要となる。放出エネルギー計算方法として,差応力を用いる計算手法とすべり速度から求める方法があるが,それらが同等の結果を与えるかどうかの検証は行われていない.そこで,それぞれの計算手法による計算結果を比較、検討することを本研究の目的とする。2.解析手法2.1 解析モデル本研究では大変形有限差分法解析 FLAC3D コードを用いて解析を行った.解析モデルを図 1 に示す,本研究では岩盤内に断層を含んだ地下 1000 m に位置する直方体のモデルを用いた.岩盤内の断層は Interface ツールを用いて表現した.流体注入による間隙水圧の影響範囲を断層の中心点から半径 75m の黄色い円で示した範囲とした.モデルには初期応力として土被り圧を与え,側圧係数 0.7 の水平応力を与える.ベースモデルの物性値を表-1 に示した.さらに境界条件としてモデル上面(Z=-1000m )以外の面の変位を固定する.解析手法として,間隙水圧の上昇による断層すべりが生じたら,せん断変位,垂直応力,せん断応力がすべり開始時の初図-1 解析モデル期値として記録され,静的解析から動的解析へ移行する.動的解析では変位増分から式(1)を用いてせん断強度の低下が計算される.せん断強度を式(2)へ代入することで,動摩擦角を更新する.この解析手法を用いて,放出されたエネルギーを計算する。(1)=arctan()(2)表 1 モデルの物性値周辺岩盤G(せん断剛性) K(体積弾性率)10(GPa)20(GPa)断層D(密度)Kn(垂直剛性) Ks(せん断剛性) c(粘度)2500(kg/m³)3(GPa)1.25(GPa)0𝜑𝜑(摩擦角)30°Numerical study on the seismically-radiated energy of inducedAtsushi Sainoki, Kumamoto Universityseismicity caused by fluid injectionChiaki Hirohama, Kumamoto University23 2.2 エネルギー評価方法2.2.1 断層のすべり速度を基にしたエネルギー計算初めに断層のすべり速度を基に解放エネルギー計算を行う.このエネルギー評価手法は McGarr により提唱された手法であり,計算式を次に示す.=(3)ここで A はすべりが生じた領域の面積,ρ は周辺岩盤の密度,β は地震波の S 波速度とし,V(t)は断層のすべり速度は動的解析中で生じる変位増分を基に計算される断層中心点のすべり速度, は動的解析中の毎ステップの解析時間を表す.2.2.2 差応力を基にしたエネルギー計算次に用いる手法では断層の応力変化と周辺岩盤の平均応力変化の差を地震波による解放エネルギーとし下記の式にしたがい計算する。(4)ここで、上式の A は各 Interface の毎ステップごとのせん断変位増分を表す変数である。のせん断応力,は周辺岩盤は断層中心点のせん断応力を表し、せん断応力差を積分して解放エネルギーを計算する。ここでは図-2 に示すように,断層の中心点を通り,断層に垂直な直線上に,10 m 間隔で断層に近い点から 5 つの点を取り,それぞれ zone1 から zone5として定めて周囲岩盤の平均応力を計算した。断層のすべり速度を基にした計算手法と比較するために,これらの計算はすべて断層の中心を基準としたものである図-2 モデル断面図図-3 断層周辺岩盤の平均応力変化図-4断層及び周辺岩盤の応力変化3.解析結果周辺岩盤の平均応力と断層のせん断応力の差応力から求めた解放エネルギーは 7.01 ×105J となった。また,断層のすべり速度から計算されるエネルギーは 5.13×105J となり,差応力を基に計算したエネルギーの方が約 1.4 倍大きくなるという結果になった.次に,順に隣り合う zone の応力差からエネルギーを求め,断層に近い距離から足し合わせていくと,断層から 30m の地点で 5.421×105J となり,すべり速度を基にしたエネルギー計算結果とほぼ等しい値となった。4.まとめ断層からある一定の距離以内にある岩盤の応力のみが断層の動的すべりに関係することがわかった。ゆえに、差応力をベースにエネルギー計算を行う場合は、その距離をあらかじめ評価する必要があるため,断層のすべり速度からエネルギーを計算した方がより簡易に地震放出エネルギーを計算できるといえる.【参考文献】1) A.Mcgarr, Some Comparisons between Mining-in duced and Laboratory Earthquakes,19942) A.Sainoki,H.S.Mitri, Evaluation of fault-slip potential due to shearing of fault asperities,201524
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  • タイトル
  • エネルギー資源開発のための注水による断層すべりに及ぼす岩盤応力の影響
  • 著者
  • 伊藤高敏・横山圭祐
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 25〜26
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300013
  • 内容
  • 0013C - 02第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月エネルギー資源開発のための注水による断層すべりに及ぼす岩盤応力の影響断層すべり岩盤応力数値シミュレーション東北大学東北大学正会員横山圭祐○伊藤高敏1.はじめに地表の人間が感じることができる規模の地震、いわゆる有感地震が 2010 年頃から北米で急増している。その 2010 年は、タイトガス/オイル、つまりシェール層に代表される低浸透性地層からのガス/オイルの生産が急増し始めた時期と一致する。これを根拠として、地震発生数の急増がタイトガス/オイル開発に起因するという見方が広まった。つまり、フラクチャリング(水圧破砕)あるいは生産流体からガス/オイルを分離した後に残る地下水の還元を目的として地層に流体を圧入する行為が、圧入箇所の近傍にある既存の断層を刺激して不安定なすべりを引き起こすというものである。フラクチャリングの実施数に比べれば有感地震の発生数は非常に少なく、また、両者の相関性は必ずしも明らかではないものの、地震という異常な現象が住民の不安をまねき、それが発展して大きな社会問題となる事例が起きている。このため、タイトガス/オイル開発の分野を中心として誘発地震を低減する方法の構築が急務となっている。このため我々は、注水によって起こる断層すべりを数値シミュレーションで再現し、断層すべりの発生機構と、地殻応力や間隙水圧の大きさ、断層の長さ、向きなどとの相関性を明らかにすることを目指している()。本報では、特に摩擦力のすべり速度依存性が断層すべりに及ぼす影響を調べた結果を述べる。2.解析モデル地表から地下に圧入した流体が、何らかの経路をたどって既存の断層に流入し、断層のせん断すべりを引き起こす問題を考え、2 次元の平面ひずみ問題として解析する。これにより、解析が容易になると同時に、現象が単純化されて素過程の追跡が容易になると期待される。ただし、この場合には、断層へ流入する流体の入口が点状ではなく奥行き方向に伸びる線状となることに注意を要する。この状況は、すべりを起こす断層と交差する平面上の割れ目から流体が侵入していると見なすこともできる。断層面は平滑ではなく、多少なりとも凸凹がある。この凹凸のかみ合いは、断層面と直交する方向のバネとして機能し、有効応力に応じた断層の開口幅の変化をもたらす。また、有効応力が低下してせん断すべりが生じると、相対する断層面の凹凸のかみ合いがずれて断層の開口幅が大きくなる。このようなせん断すべりに伴うき裂の開口幅変化とすべり量の変化を Willis-Richards et al.,(1996)がモデル化しており、本研究もこれに従う。このとき、まず断層がせん断すべりを起こす条件は次式で与えられる。    tan  basic   effdil (1)ここでは断層面に作用するせん断応力、’ は断層面に作用する垂直応力n の有効成分、つまり、断層面の水圧を Pとすると’=(n - P)である。basic は基礎摩擦角と呼ばれる物性値である。これに対してdileff は有効せん断膨張角と呼ばれ、’によって変化する。両者の関係は次式で与えられる。 effdil  dil1  9  /  nref(2)ここでdil はせん断膨張角であり、断層面の凹凸の程度を表す物性値である。nref は開口幅が無応力状態の値(a0)から 90 %閉塞するときの有効応力であり、90 %閉塞応力と呼ばれる。また、せん断すべりによる開口幅の増加量 as は、断層面間の相対的なせん断すべり量 U(図 1)の関数として次式で与えられる。 as  U tan  effdil(3)これらの諸式を、き裂内の流体移動と周囲岩体の連成問題を扱う数値シミュレーションコードとして Swenson et al.(1995)が開発した Geocrack2D に組み込んで解析を行う。3.数値シミュレーション結果一辺が 500 m の正方形領域を斜め 45°に横切る断層を想定する。注水点は断層の中央にある。岩盤に作用する応力の水平成分(Sx)を 20 MPa、垂直成分(Sy)を 15 MPa、初期の間隙水圧を 10 MPa とする。このとき、断層に作用する垂直応力n とせん断応力はそれぞれ 17.5 および 2.5 MPa となる。また、基礎摩擦角basic およびせん断膨張角dil をそれぞれ 35°および 1.5°とする。これらの条件から、式(1)を満足する水圧つまり臨界水圧 Pc を求めると 14.1 MPa となる。これを踏まえて、注水点の水圧を初期の 10 MPa から Pc を越える 16 MPa まで 100 sec をかけて一定勾配で上昇させた後に保持する条件としたときに起こる断層すべりを計算した。このとき得られた注水点における断層面間の相対的なせん断すべり量 U の時間変化が図 2 の Constant friction(0 = 2.5 MPa)の結果である。注水開始から 50 sec を過ぎて注水圧が Pc を越える辺りから断層すべりがはじまり、250 sec までに 3 mm 程度のすべりが生じていることがわかる。ただし、すべり量の増加は連続的であり、地震を発生させる挙動は見られない。一方、過去の実験的研究から、断層の摩擦力がEffect of rock stress on fault sliding induced by fluid injectionfor energy resource developmentITO, Takatoshi Tohoku UniversityYOKOYAMA, Keisuke Tohoku University25 すべり速度に依存して変化することが知られている。その結果を踏まえて、すべり速度が零から 10 m/sec まで増えたときに、速度と共に一定勾配で基礎摩擦角basic が 35°から 33°に減少すると仮定して断層すべりを計算した。このとき得られた結果が、図 2 の Velocity dependent friction(0 = 2.5 MPa)の結果である。この結果では摩擦角が一定の場合と異なり、5~10 sec の間隔ですべり量がステップ状に変化しており、ステップの間で瞬間的なすべりが生じていることがわかる。また、ステップの高さ、つまり瞬間的に生じるすべり量は 0.1 mm 程度と小さい。次に断層面に作用するせん断応力の影響を調べるために、岩盤に作用する応力の水平成分(Sx)を 21 MPa、垂直成分(Sy)を 14 MPa に変えて計算を行った。その他の条件は上記のケースと同じとした。このとき、断層面に作用する垂直応力は上記ケースと同じく17.5 MPa であるが、せん断応力の初期値0 が 2.5 MPa から 3.5 MPa に増加する。計算で得られたものが図 2 の Velocitydependent friction(0 = 3.5 MPa)の結果である。これを0 = 2.5 MPa の結果と比べると、すべり量がステップ状に変化することは変わらないものの、同じ時刻でのすべり量が約 2 倍に大きくなっていることがわかる。これに伴ってステップ間の瞬間的なすべり量も約 2 倍に増えている。このようにすべり量が増えた理由の一つとして、臨界水圧 Pc が減ってすべり開始時刻が早くなったことが挙げられるが、その効果に比べて約 2 倍という増加量は明らかに大きい。このことから、すべり量の大幅な増加はせん断応力の初期値が大きくなったことによるものと考えられる。図1開口幅変化 as とせん断すべり量 U の関係8Sheardisplacementpoint[mm][mm]Sheardisplacement atat injectioninjection point76Velocity dependent friction(0 = 3.5 MPa)54Velocity dependent friction(0 = 2.5 MPa)3Constant friction(0 = 2.5 MPa)210050100150200250TimeTime[sec][s]図2注水点における断層すべり量の時間変化4.まとめ本研究では、地下に存在する既存断層に注水を行った際に、断層すべりがどのようなメカニズムで生じるかを解明することを目的として、2次元有限要素法を用いたシミュレーションを行った。その結果、摩擦係数にすべり速度依存性を付与することによって、地震につながる瞬間すべりが繰り返し発生することが確認できた。また、瞬間すべり量は、岩盤応力によって変化し、断層面に作用するせん断応力と共に急激に大きくなることがわかった。謝辞 本研究を実施しするにあたり、シミュレータ開発には Geocrack2D の元開発者である Swenson, D.氏(ThunderheadEng. Consultant Inc.)の協力を得た。また、JSPS 科研費 16H04612 の助成を受けた。記して謝意を表する。参考文献伊藤高敏, 横山圭祐, 2017, 連続注水に伴う非定常断層滑りの発生機構に関する数値解析に基づく考察, 資源・素材 2017(札幌)-平成 29 年度資源・素材関係学協会合同秋季大会-, 札幌, 論文番号 [2301-06-01]Swenson D., DuTeau R., and Sprecker T,, 1995, Modeling Flow in a Jointed Geothermal Reservoir, Proc. World Geoth. Cong.,Florence, p. 2553-2558.Tullis T. E., and Weeks J. D., 1986, Constitutive Behavior and Stability of Frictional Sliding of Granite, Pure and Applied Geophys.V. 124, No.3, p. 383-414.Willis-Richards J., Watanabe K., and Takahashi H., 1996, Progress toward a stochastic rock mechanics model of engineeredgeothermal system, J. Geophys. Res., V. 101, p.17481-17496.26
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  • タイトル
  • 遺産地盤学の構築と地盤遺跡保全への貢献
  • 著者
  • 三村 衛
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 27〜28
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300014
  • 内容
  • 0014A - 01第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月遺産構造物および歴史遺跡の保存における地盤工学地盤遺産学文化財保全真正性京都大学大学院国際会員三村衛1. はじめに歴史的に価値のある構造物や遺跡は人類共有の財産として世代を超えて引き継いでいかなければならない。そのためには,自然営力や経年劣化によって適切な状態でなくなった箇所を修復し,場合によっては部材を取り換えるなどして保存に適した状態を回復することが必要である。実際,建築物に対しては瓦や梁,柱部材を更新して本体の健全性を保持する形の修復が行われている。一方で,古墳や石造構造物といった,地盤を削り出したり,地盤上に人工的に土構造物を構築された遺跡の場合,現在あるがままの形で残すことが当然とされる。そこには地盤は常に現地に存在して変化するものではないという前提があるように思われるが,それは決して正しい認識ではない。風化や土壌化という避けがたい劣化とともに,風雨や地震という自然営力による変状や崩壊の危険性と背中合わせの極めて危うい状態で存在していることがややもすれば忘れられている。また,こうした地盤遺跡にとって保存すべき価値は何であるのか,巷間言われる真正性(authenticity)についてきちんとした共通認識が持たれているとは言えないため,修復や保全にあたってそもそも論のところで意見がすれ違ってしまうことになる。本稿では,地盤遺産構造物を修復,保全するにあたり,工学的見地から保持すべき物理・力学特性とは何であるのか,またそれは当該地盤遺産構造物の真正性とどう関わるのかについて議論することを試みる。2. 盤遺産構造物の保全と土の物理・力学特性の関わり地盤遺産構造物として,わが国で多く存在するものとしては,古代の墳墓である古墳,岩石の壁面に構築された磨崖仏があげられる。世界的には,石材を切り出して積層体としたピラミッドやアンコールワット遺跡,ボロブドゥール遺跡といった地盤を基礎としてその上に構築された構造物や,自然岩盤を削り出して構築された敦煌の莫高窟やバーミヤン大仏など多様な遺跡が存在し,それぞれの岩種,気象条件,地震などの地盤起源の条件の違いによって,受容しないといけない災害形態が異なり,一本道にすっきり解決という訳にはいかない。まず,材料について考えてみよう。墳丘の一部が削剥や崩壊で失われ,内部埋葬施設が外的条件の影響を過度に受けるような危機的状態になっていれば,一時的にシートで覆う,中長期的には仮設の覆屋を設置することがよく行われる。この方法は風雨による直接的な外的インパクトを防止するという点では一見よさそうにみえるが,自然に行われている水分のやりとりを強制的に止めてしまうことになり,基本的には墳丘の状態を乾燥側に移行させてしまう。筆者が過去にかかわった墳丘に用いられている土の粒径加積曲線を図-11)に示す。人力で締め固めることによって構築される古墳墳丘は完全な砂質土,完全な粘性土では物理的に造れないので,残存しているものについては粗粒土から細粒土までを配合良く含む土質材料が使われていることがわかる。こうした粒度分布を有する土質材料は締固めやすく,盛土状構造物を構築するために使用されているのは極めて合理的である。こうした土質材料でできている墳丘を乾燥させると粉状になってパラパラと表層が崩れやすくなってしまう。土木工学では土を乾燥させる状態で保持するというニーズはないので,湿潤状態から乾燥状態に移行する際の土の物性変化について系統的に研究された例はない。近年,覆屋を建設して古墳をその内部に置く形で保全するパターンが増えているが,土質材料が乾燥過程でどのように物性を変化させるのか,安定性に対してどう影響するのかについて,重要な検討課題と認識しておく必要がある。図-1 各地の古墳墳丘構成土の粒径加積曲線 1)Development of Heritage Geoengineering and Its ContributionMIMURA, Mamoruto the Conservation of Historic RemainsKyoto University Graduate School of Engineering, Dept. ofUrban Management27 一般に墳丘は屋外に置かれているため,当該地由来の草木が表面に繁茂することになる。生育と枯死を繰り返す中で,木草根の侵入とも相まって表層部分は土壌化(畑の土のような状態)し,空隙が増大し低強度化する。したがって雨水浸透もしやすくなり,降雨によって容易に飽和化し,表層崩壊の要因となる2)。墳丘を保持するためには,こうした弱体部分を取り除き,新鮮でしっかりとした構造の墳丘を再構築する必要がある。しかしながら,考古学分野では墳丘の劣化した部分も含めて遺構であるという考え方が根強く,表層の劣化部分であっても容易に触れることができない。ここで,残すべき価値は何であるのか(真正性の保持)という問題に直面する。古墳であれば,土構造物としての工学的安定性を保持した上で,考古学の知見基づいて元の規模と形状に戻して,メンテナンスフリーで長期間保全するのがあるべき姿である。墳丘の修復に際し,取り除いた部分の再構築には,古墳構成土と同じもの,もしくは最低限同じ粒度分布を有するものを用いることが土質材料としての真正性を担保することになるのではないだろうか。3. 水分保持,強度特性材料とともに,内部埋葬施設の保護の観点からは,雨水の侵入防止と外気温変動の影響の低減が求められる。オリジナル墳丘の強度は本質非破壊の原位置試験法である針貫入試験を用いて換算するという実績が積み重ねられているた原位置密度は RI 密度水分測定器が有効でありる雨水浸透については,澤田らによる研究3)。ま4),修復と復元にあたっての不可欠の基本情報となる。原位置におけ5)により,内部に粗粒層を置きその周りを細粒分の多い土質材料で覆うことによって雨水の浸透をその層境界で遮断できる構造が有効であることが報告されており,その設計思想に基づいて日田市のガランドヤ古墳の整備が行われた。この手法は墳丘が失われ石室が露出しているタイプの古墳の整備に対して効果的に適用できるが,埋葬施設に一部毀損された墳丘が残存している古墳を修復する際には別の発想が必要である。すなわち,毀損部分を埋め戻す場合,現墳丘と同等の材料を用い,同等の水分保持特性と強度特性を有する密度に締め固めるという必要がある。何故なら,復元部とオリジナル墳丘との間に密度差,強度差があると潜在的な亀裂と同じ機能を有することになり,構造不安定の要因となる。また,異なる水分保持特性を持つ材料の境界では飽和度によっては埋葬施設側に水の浸透を促進させることもあるので,密度と水分保持特性を事前に把握して材料と締固め度の設定を行わなければならない。その際,用いる土質材料の締固め特性と残存するオリジナル墳丘の原位置密度を達成する締固めエネルギーの算定も不可欠である。既往研究6)から,人力による締固めで構築された多くの墳丘では0.1~0.2EcJIS 程度の締固めエネルギーが与えられたことがわかっている。また,併せて埋葬施設を土で覆うことによる断熱効果についても定量的に説明されており7),外気温と埋葬施設内部の温度差をなるべくなくすことが結露を抑制し,結果的にカビや塩類の発生による化学・生物被害の軽減につながることが報告されている。4. おわりに歴史的地盤構造物を保全するにあたり,対象とする地盤構造物の残すべき価値(真正性)は何なのかについてしっかりと合意する必要がある。墳丘,内部石室に代表される埋葬施設,埋葬施設に施された装飾や壁画,残存する副葬品など多様な価値を最大限現状から劣化させずに次世代に受け渡すために,地盤工学からどのような考え方を提示することができるのかが問われている。最も根源的な問題は,オリジナルの状態から変化し,特に脆弱化した材料をどう取り扱うかという点であろう。構造体としての古墳を保全するためには,劣化した土はオリジナルに近い材料を用いてできる限り残存しているオリジナル部分と同等の構造を再現できるように交換すべきである。密度,水分保持特性,強度特性を元墳丘に寄り添うように構築することにより,物性や強度の急変部を創出させず,構造的安定性の確保と水移動による内部施設への悪影響を抑止し,可能な限り土墳丘で覆うことによって外気温の内部埋葬施設への影響を抑制することを要求性能として整備することが望まれる。建築物で行われている劣化した梁・柱部材や瓦の交換と,土壌化によって元の構造を喪失した墳丘盛土の劣化部分を同等の新規材料に置き換えることによって補修するのは同等の措置であって,前者が肯定され後者が否定されるのは合理的ではないというのが筆者の意見である。地盤についてはいくつかの誤解がある。土に空隙があり水も空気も通すこと,地盤は時間とともに変化することの二点は少なくとも地盤遺跡にかかわる他分野の専門家には理解していただく必要があり,我々も努力しなければならない。参考文献1)澤田茉伊:地盤工学に基づく歴史的地盤構造物の修復と保存に関する研究,京都大学博士論文,136p., 2016.2)澤田茉伊・三村衛・吉村貢:自然災害科学,Vol.33,特別号,pp.87-99, 2014.3)三村衛・吉村貢・金田遥:土木学会論文集 C,Vol.65, No.1, pp.241-253, 2009.4)明日香村教育委員会:カヅマヤマ古墳発掘調査報告書,164p., 2007.5)澤田茉伊・三村衛・吉村貢:土木学会論文集 C,Vol. 72, No. 2, pp. 101-116, 2016.6)三村衛・吉村貢・寺尾庸孝・豊田富士夫・中井正幸:地盤工学ジャーナル,Vol.6, No.2, pp.141-155, 2011.7)澤田茉伊・三村衛:土木学会論文集,C,Vol.73, No.4, pp.368-381, 2017.28
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  • タイトル
  • 日本産石材の地質・文化的背景と土木的利用における強度について
  • 著者
  • 藤井幸泰
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 29〜30
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300015
  • 内容
  • 0015F - 00第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月日本産石材の地質・文化的背景と土木的利用における強度について土木地質学岩石質材料風化深田地質研究所正会員○藤井 幸泰1. はじめに地震の多い日本では,西欧諸国に比べると歴史的な石造構造物は少ないとされている.しかし全国を見渡せば,各地域で産出する様々な種類の岩石が石材として利用されている(鈴木,2009).その中には古墳中に石棺として利用されたものや,ユネスコ世界の記憶に登録された上野三碑なども挙げられる.上野三碑は砂岩や安山岩を利用して飛鳥~奈良時代に建てられた記念碑である.また古墳中の石棺に利用された石材は古墳時代までさかのぼることができる.この報告では日本における石材をいくつか取り上げ,その産地と地質的背景を調べると同時に,石材としての利用の時期について文献調査を行った結果を示す.さらに土木的利用において重要となる強度の指標として,一軸圧縮強度にも注目する.通常,石材の採取には引張強度が関係するわけだが,引張試験は圧縮試験に比べて試験方法が難しく,圧縮試験の事例が圧倒的に多いため,こちらを文献を用いて比較検討してみる.2. 日本産石材各種現在も採取が続けられている石材を中心に,その地質的背景,石材としての利用時期,一軸圧縮強度の値について記述する.堆積岩三種と火成岩二種であるが,いずれも著者が実際に目にしたものである.2.1 堆積岩2.1.1 来待石島根県宍道湖南部に分布する中新世(約 14Ma)大森層中の砂岩で,塊状の中粒凝灰質砂岩である(鹿野ほか,1991).砂岩を構成する砕屑物粒子のサイズは 0.5~1.0 ㎜が多く,安山岩片,輝石,角閃石,斜長石,カリ長石,花崗岩質岩片,少量の石英などを含み,岩片や結晶片に比べてマトリックスの割合は 20%程度と少ない(藤井ほか,2012).またマトリックスのほとんどは針状の沸石であり,砂岩でありながら比較的軟質で加工しやすい.歴史的には古墳時代の石棺に使用され,中世からは石塔、石仏、近世釉薬(石州瓦の上薬),建材、灯ろう、石臼、かまど、棟石、墓石などに使用された。特に江戸時代、松江藩主は御止石として藩外に持ち出しを禁じたほど重要視された。松江城をはじめ城下町の至る所に来待石は使用されている(来待ストーンミュージアムのホームページ).一軸圧縮強度としては,勝部石材の石切場から採取された試料を用いて 34~47 MPa の値が得られている(朴ほか,2012).数値のばらつきは,粒子配列による異方性が原因であるとされている(藤井ほか,2012).2.1.2 多胡石群馬県高崎市吉井町南方に分布する,新第三紀中新世(20~15 Ma;産総研シームレス地質図)に堆積した牛伏層の砂岩である.牛伏層は黄褐色アルコーズ質砂岩を主体とし,縞模様の発達するものはタービダイト流によって作られ,平行葉理などの堆積構造が発達したものである.塩の旧多胡石採石場より採取した岩石試料によれば,細粒砂岩は主として長径 0.2 mm~0.5 mm 程の石英および長石からなり,褐色の葉理は酸化鉄で構成されている(田中ほか,2013).石材としては古墳時代である7世紀以降の使用が知られており(秋池,2017),6世紀後半に建造と推定される観音山古墳の天井石や,上野三碑の多胡碑(711 年建造)に利用されている.また明治期の富岡繰糸場の礎石にもみられる.一軸圧縮強度としては 28 MPa(大久保ほか,2000)や 21~52 MPa(秋池,2017)などの値が知られている.2.1.3 大谷石栃木県宇都宮市の中心から北西約 8km の大谷町を中心に,東西約 4km,南北約 6km にわたって分布する凝灰岩である.地質学的には大谷層の上部にあたる厚い地層であり,岩石学的な名称は「流紋岩塊状軽石火山礫凝灰岩」である.地下採掘場で採掘された新鮮な岩石は灰緑色を呈するが,地表の露頭では風化して灰白色を呈する(吉岡ほか,2010).やや扁平な軽石が多量に含まれており,これは石材で通称「ミソ」と呼ばれ,このミソのサイズや含有量を目安に細目・中目・粗目と分類されている.大谷層からは化石年代や放射年代の報告が数多くなされており,総合的に判断すると中期中新世前期(15 Ma 頃)と考えられている(吉岡ほか,2010).約 1500 年前の石棺が発掘されているほど利用の歴史は古く,明治期からは盛んに採掘され,大正期に旧帝国ホテルに利用された.1959 年以降は機械掘りによる大体的な採掘がおこなわれている(大谷石材協同組合ホームページ).一軸圧縮強度の値としては 5.1~11.6 MPa 程度の値が得られており,ミソのサイズなど岩相によって異なる傾向がある.(早稲田医大学理工学研究所,1972)Geological and Cultural background for building stones andFUJII Yukiyasu Fukada Geological Institutetheir relation to engineering compressional strength in Japan29 2.2 火成岩2.2.1 本小松石・新小松石第四紀の箱根火山岩類の一種であり,本小松石は本小松溶岩類(18~17 万年前),新小松石は真鶴溶岩類(15 万年前)から採取される岩石である.本小松溶岩類は粗粒な斑晶に乏しい単斜輝石斜方輝石デイサイト及び流紋岩溶岩で,一方の真鶴溶岩類は斜長石斑晶に富む厚い単斜輝石斜方輝石安山岩溶岩である.実際に観察すると本小松石は空隙が少なく緻密であり.新小松石はそれに比べて空隙が多く,両者の岩相は明らかに異なる(及川・石塚,2011).岐阜県の寺には 1200 年前の小松石製の墓石が発見されているが,これは証拠に乏しい.真鶴教育委員会(1989)によれば 1160 年頃から手掘りの採掘がおこなわれている.その後に各地の城の建設資材としての需要が高まる戦国時代から江戸時代初期にかけて、真鶴の石材業は一層発展し,石を輸送するのに都合の良い海辺という立地も大きな助けとなり,江戸城の石垣は約 9 割が真鶴の石材を使用しているとも言われている(箱根ジオパークガイド2真鶴コース).本小松石か新小松石かの違いは分からないが,139 MPa の一軸圧縮強度が得られている(山口・西松,1991).2.2.2 稲田石稲田花崩岩のマグマが八溝層群中に貫入して固結したのは,約 6 千万年前と推定されている(Arakawa and Takahashi,1988).岩石学的には粗粒角閃石含有黒雲母花崩岩であり,石英・カリ長石・斜長石・黒雲母・角閃石の主要鉱物のほか,微量の褐れん石・ジルコン・モナズ石・リン灰石・鉄鉱(チタン鉄鉱他〉・緑泥石等が含まれる.江戸時代から石材として利用されてきたが、稲田地区で本格的な採石・加工が始まったのは明治 22 年である。江戸時代は石材の輸送をもっぱら水運に頼っていたため,江戸にはいる石材は小松石など伊豆方面のものがほとんどであった(笹田,1991).大消費地である東京に近く、良質な花崗岩を豊富に埋蔵していたことから、国会議事堂、最高裁判所、東京駅など、日本を代表する数々の建築物に稲田石が使用された。また、県内では茨城県庁の庁舎や県民広場、市内では笠間稲荷神社門前通りの石畳などにも使用されている。(笠間市ホームページ)採石場から採取された試料を対象に,75~220 MPa 程度の一軸圧縮強度が得られている(佐野ほか,1987).ばらつきが多いのは石目(マイクロクラックの定向配列による力学異方性;藤井,2006)によって割れやすい方向があることが原因である.稲田花崗岩では石目の一番は東北東,二番は北北西,重ねが水平とされている(佐野ほか,1987).3 考察上記の石材の産地を図-1 に,利用時期と一軸圧縮強度をまとめると表-1 のようになる.表-1 石材の岩相と利用開始年代と一軸圧縮強度多胡石大谷石大谷石石材名岩相利用開始年代強度(MPa)大谷石軽石火山礫古墳時代5.1~11.6凝灰岩500 年頃多胡石アルコーズ質古墳時代砂岩6 世紀後半来待石凝灰質砂岩古墳時代34~47小松石安山岩平安時代139来待石小松石21~521160 年頃稲田石花崗岩江戸時代図-1 石材の国内産地(地理院地図の白地図に記載)75~220日本各地で古くから石材が採取されてきたが,古墳時代から採取されたのは,一軸圧縮強度が 50MPa 以下の堆積岩で,強度が 100MPa を越えるような火成岩は,それよりもかなり後になってから大体的に採取されたものと考えられる.引用文献鈴木淑夫,2009,石材の辞典,朝倉書店,379.秋池武,2017,多胡石の美と歴史,高崎検定講座,8p.鹿野和彦ほか,1991,今市地域の地質,地質調査所,79.真鶴教育委員会,1989,文化財だより,第2号.藤井幸泰ほか,2012,来待砂岩,応用地質,Vol.53,pp.64-69.山口梅太郎・西松裕一,1991,岩石力学入門,東京大学出版会.朴赫ほか,2012,来待砂岩,応用地質,Vol.53,pp.112-120.Arakawa &Takahashi, 1988, Jour. of Mine., Petro. and Econo.田中源吾ほか,2013,群馬県立自然史博物館報告,17,pp.79-86.大久保誠介ほか,2000,資源と素材,Vol.116,pp.97-104.Geology, Vo. 83, pp.232-240.笹田政克,1991,稲田みかげ,地質ニュース,441 号,pp.34-40.吉川敏之ほか,2010,宇都宮地域の地質,地質調査総合センター.佐野修ほか,1987,土木学会論文集,Vol.368,pp.141-150.早稲田大学理工学研究所,1972,大谷石の基礎的研究,30.藤井幸泰ほか,2006,応用地質,Vol.47,pp.252-258.及川・石塚,2011,熱海地域の地質,地質調査総合センター.30
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  • タイトル
  • 東京湾第一海堡より発見された人造石と舗装モルタルの材料的特徴
  • 著者
  • 片山哲哉・野口孝俊・佐藤友美
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 31〜32
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300016
  • 内容
  • 0016M - 08第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月東京湾第一海堡より発見された人造石と舗装モルタルの材料的特徴海堡人造石 まさ土太平洋コンサルタント 国際会員 ○片山 哲哉関東地方整備局港湾空港部 正会員 野口 孝俊太平洋コンサルタント佐藤 友美1.はじめに千葉県富津市第一海堡跡は明治中期に竣工した東京湾要塞群に属する最古の海上要塞(起工明治 14 年,完成明治 23年)であり,財務省が所有・管理している (図 1a).2017 年 5 月に実施した現地調査の際に,人造石とみられる材料が確認されたため 1),この性状について岩石学的手法により外周通路の舗装モルタルとの対比を行った.概要を報告する.a2.調査方法人造石と舗装モルタルの試料を樹脂包埋による固化処理後,油で切断研磨し,常温接着・油研磨により鏡面研磨薄片(35 x 25mm, 厚さ 15-20μm)を作製した.岩種構成と鉱物組織の確認・生成物の同定用に同一薄片を用いて偏光顕微 b鏡観察・SEM 観察・EDS 定量分析を実施し,粉末 X 線回折分析を併用した.c3.結果①人造石の産状と組織第一海堡の中央北岸には煉瓦やコンクリートの瓦礫が大量に散乱しており,これらに混じって淡黄色のブロック状の石材片(最大 30 x 20 x 7cm)が見られる (図 1b).これは人工物と推察されるが,転石であり元の使用箇所を特定できなかった.煉瓦やコンクリートの瓦礫は第二海堡の中央北岸では兵舎跡であったことから,同様の位置関係にある第一海堡においても,この一画は崩壊しdeた兵舎と関連施設の跡と推察される 1).人造石は第一海堡の周辺に存在しない花崗岩起源の粗砂~細礫サイズのまさ土の粒子(石英・カリ長石・斜長石・黒雲母・加水黒雲母・土壌部にアロフェン)とチャート (反応リムあり)・石灰岩の砂粒・石灰粒子より構成される (図1c, 表 1).アロフェンは一部がつぶれて糊状に砂粒を接着するが(図 2b),ひび割れており EDS 分析によるとマグネシウムを含んでいる (表 3).石灰粒子は炭酸化して方解石に変化しているが,生石灰の消化に伴う膨張ひび割れを有し,砂粒に挟まれて扁平につぶされ他形を呈する (図 2a).石灰粒子の周囲のマトリックスも炭酸化している.SEM 観察によると,石灰分が砂 図 1 第 一海堡 : (a)遠景 ,(b)人造 石の 産粒との隙間やアロフェン内のひび割れに浸浸し (図 2b),アロフェンをポイキ 状,(c)人造石の断面,(d)舗装モルタル,(e)モルタル断面内のセメント塊とジャンカリティックに取り囲み (図 2c),方解石へ炭酸化して膠結している.石灰の含有率はばらつきが大きいが,炭酸化部分も含めると断面内の面積比(体積比)は概ね 5-15%である.石灰やアロフェンのつぶれた形状から,人造石はよく叩いて締め固められたもので,マサ土と消石灰の硬化物(たたき)と推察される.EDS 分析によると,一部の石灰粒子にはマグネシウムに富む菱形組織(ドロマイトの仮像)が認められた.②舗装モルタルの産状と組織島の北西岸には,盛土の被覆コンクリート法面と護岸の石積間に外周通路があり,一部は 1m 大の巨石を覆ってモルタル舗装(厚さ 2-8cm)されている (図 1d).モルタルの表層は水平方向に楕円形につぶれた気泡に富むが,セメントペーストの炭酸化は僅か(深さ 2mm)であった.モルタル下面の巨石境界に接する部分にはジャンカが発達し,炭酸化(2cm)が進んでいた (図 1e).モルタル中の砂は細粒砂で,abc石英のほかに変質した火山岩片(安山岩・玄武岩・溶結凝LAA灰岩)と貝殻片を含んでいる.灰白色の斑点(図 1e)はセCメントの未分散の塊り(ダマ)(図 3a)で,大半は水和して CSHLゲルに変化し,エトリンガイトも生成している (表 2, 3).AC未水和のセメント粒子は丸みを帯びた細粒なビーライトC(粒径 20-30μm)の集合体で,微細な間隙質に囲まれておAり回転窯焼成の特徴を示す(図 3b).モルタルの空隙内にはAA10 μm鱗片状のブルーサイト Mg(OH)2 が析出していた (図 3c, 表0.2 mm0.5 mm3).X 線回折では,塩素を含むフリーデル氏塩とハイドロ図 2 人造石の顕微鏡写真. (a)つぶれた石灰粒子,(b)つぶれたアカルマイトとの固溶体や,クゼル氏塩が検出された (表 2). ロフェン(A)のひびを充たす石灰粒子(L)起源の方解石(C),(c)石灰粒子(L)からアロフェン(A)に浸潤した石灰の方解石化(C)4.考察①人造石の配合明治初期に服部長七が開発したとされる人造石は,まさ土に消石灰・にがりを混ぜて突き固める三和土「たたき」のMaterial characteristics of artificial stone and pavementmortar from the Tokyo Bay Sea Fort No.1KATAYAMA, TetsuyaNOGUCHI, TakatoshiSATO, Tomomi31Taiheiyo ConsultantKanto Regional Development Bureau, MLITTaiheiyo Consultant 一種で,護岸の粗石組の目地材や土間材として,セメントの代用品として用いられた.明治 11 年に第一海堡周辺の千葉県富津の陸軍台場の基礎に使用されたといわれているが 3),現在その場所は確認できず,第一海堡に使用されたとの記録はない.明治期の材料配合は嵩容積比であり,明治 27 年改訂の砲台建築仕法通則 4)によると「叩き土」や 3 号粗石の目地の「粘土モルタル」の配合は,石灰と叩き土または粘土の比率 3:7 で,海水使用が認められていた.人造石の配合は質量比で消石灰と砂 1:8~15 とされている 3).顕微鏡観察の結果に仮定を設けて人造石の配合を推定すると,消石灰と砂の質量比は 1:10 前後であり上述の範囲に入る.正確cabな質量配合は化学分析により確認する必要がある.まさ土は関東近郊では茨城県や福島県にも産するが,服部は東京方面の工事で人造石に用いるまさ土を地元の愛知県新川町(現 碧南市)や岡崎市付近より海運で取り寄せており,輸送は明治 18 年頃に盛んになった 3).これは第一海堡の建設時期と符合する.第一海堡の人造石の砂にはチャートが特徴的に含まれることから,服部の材料と同様,三0.2 mm2 mm100 μm河地方の河川砂と考えて矛盾はない.石灰の原岩はドロマ図 3 舗装モルタルの顕微鏡写真. (a)セメント塊, (b)未水和セイトを僅かに含むため,産地は栃木県葛生地域と推察される.メント粒子(ビーライト集合), (c)空隙に析出したブルーサイト②人造石の硬化要因一般に,石灰処理土や粘土モルタルの硬化は土壌中のゲルのアロフェン Al2O3.1.3-2SiO2. 2.5H2O が消石灰とポゾラン反応を生ずるために起こり,CSH ゲルやストラトリンガイト 2CaO.Al2O3. SiO2. 7.5H2O の生成を伴う.今までのところ第一海堡の人造石にはこれら水和物は検出されず,アロフェンはマグネシウムと結合して概ね 1-4MgO. (Al, Fe)2O3. 2-3SiO2.nH2O の組成に変化していた.人造石の硬化には「にがり」(MgCl2) の添加が効果的で 2),アロフェン質火山灰土へのマグネシウムの添加は硬化を促進する 5).第一海堡ではアロフェン中の MgO と SO3 が同時に増加することから (表 3),マグネシウムの大半は海水起源であろう.人造石の硬化がアロフェンのマグネシウム吸収により促進されたかどうかは,微小硬度測定や水和物の詳細な検証が必要である.石灰粒子はひび割れており,乾式消化品と推察される.この石灰粒子から周辺の粘土や鉱物粒子間への石灰分の浸潤や,その炭酸化を通じた方解石によるひび割れの充填は,いわば“方解石の遅れ生成” (delayed calcite formation: DCF)による硬化現象であり,コンクリートの自己治癒に類似した現象といえる.③舗装モルタルの変化表 1 第一海堡の材料構成(偏光顕微鏡観察)砂の岩種構成と粒度は富津岬周辺海浜の砂に類似する.砂人工焼成物水和物締固め機械のない時代であるが,舗装上部は気泡がつぶさまさ土(石英・斜長石・カリ長 石灰石・黒雲母・加水黒雲母・緑泥 (消石灰が炭酸れ,セメントペーストの炭酸化も僅かで緻密化しており,人造石石・土壌部にアロフェン)・チャ 化 し 方 解 石 に転圧効果が認められる.一方,舗装下面のジャンカは,そート・石灰岩変化)火山岩(変質安山岩・変質玄武 ビ ー ラ イ ト ・ ブルーサイの効果が及んでいないことを示す.セメント塊の発生するモ ル タ 岩・変質溶結凝灰岩・軽石)・石 エ ー ラ イ ト ・ ト ・ CSH原因は海上輸送・保管時の不備によるセメントの使用前のル英・斜長石・輝石・砂岩・珪質泥 ア ル ミ ネ ー ト ゲル・エト岩・生物遺骸 (二枚貝・有孔虫) (セメント)リンガイト吸湿・固化,打設時の分散不良と推測される.第一海堡の建設当時,セメントの製造方式は世界的に竪表 2 第一海堡の材料中の水和物(粉末 X 線回折分析)窯(徳利窯)焼成が主流であった.第一海堡には東京湾岸エトリン クゼル氏 ハイドロカ クロルマガ 方解石ガイト塩ルマイトルミナイトの浅野セメントから納入記録があるが,膨大なコンクリー人造石痕跡(?)少量トの全量は賄いきれないため,セメントは輸入品も含まれモルタル少量痕跡少量ると推察される.回転窯焼成によるセメントの工業的な製造開始は米国が最初で第一海堡の竣工年 1890 年(明治 23), 表 3 第一海堡の材料中の生成物の組成(EDS 分析 wt%)生成物SiO2 Al2O3 Fe2O3 CaO MgO SO3 Cl国内では浅野の深川工場が最初で明治 37 年である.そのた31.6 21.1 1.2 2.1 6.0 0.8 0.5アロフェ Mg 吸収少人めモルタル舗装は海堡の完成後に路面の補修目的(例えばンMg 吸収多26.1 12.9 1.1 0.5 20.1 1.9 0.3造関東大震災後)で行なわれた可能性がある.一般に海岸のひびを充填0.2 0.2 0.3 50.9 0.9 0.3 0.1石 方解石土を浸潤1.7 0.9 0.0 46.5 0.1 0.6 0.1コンクリートには海水から Mg2+イオンや Cl-イオンが供給さ27.7 1.4 0.9 40.9 0.4 2.7 2.0モ CSH ゲル(ビーライト)れるため,ブルーサイトやクゼル氏塩,フリーデル氏塩を1.7 13.0 0.1 34.2 0.0 28.6 0.2ル エトリンガイト生成しやすい.これらの存在は施工時に海水が使用されたタ フリーデル氏塩3.7 12.0 1.4 32.0 0.9 0.2 12.6ル ブルーサイトか,後に海水からイオン供給のあったことを示す.0.2 0.1 0.0 0.2 34.1 0.0 0.05.おわりに第一海堡で発見された石材はまさ土と石灰の硬化物で,アロフェンがマグネシウムを吸収し組成変化しており,明治期に服部長七が広めた人造石と推察される.アロフェンは X 線的に非晶質なため,これまでまさ土中のものは火山灰土ほど注目されなかった.しかしながら,同一の鏡面研磨薄片を用いた偏光顕微鏡観察・SEM 観察・EDS 定量分析により,土壌の固化処理時の組織の変形やその後生じた反応の場所,組成変化を直接把握できるようになった.この岩石学的手法は従来の試料破断面の観察分析とは異なり,セメントの焼成方式や製造時期も概ね推定できることから,100 年以上前の歴史的構造物でも,使用材料の鉱物学的性状・施工状況・変状履歴・長期耐久性等の評価に活用できよう.参考文献1) 野口孝俊(2017):第一海堡の研究視察実施報告書, 13p. 地盤工学会 歴史遺産の地盤工学研究に関する研究委員会 歴史的石造構造物部会 http://jibankantou.jp/group/rekishiisan2.html; 2) 天野武弘(2002):服部長七と愛知の人造石遺構 講演レジュメ. 平成 14 年度第 1回愛知県史を語る会 刈谷市中央図書館; 3) 中村伸(1948):セメント代用土の研究 316p. (p.9 参照). 産業図書; 4) 陸軍工兵方面本署(1894): 砲台建築仕法通則 現代本邦築城史. 第一部第二巻 築城機関及び業務. 明治 27 年 5 月改訂; 5) 田中知樹・西成達明・西田一彦・山田哲司(2004):酸化マグネシウムの地盤改良への適用に関する研究(その 4)土木学会第 59 回年次講演会 3-506,pp1011-1012.32
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  • タイトル
  • 平成28年熊本地震における熊本城石垣の変状調査に関する研究
  • 著者
  • 勝田侑弥・杉本知史・嘉村哲也・山中 稔
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 33〜34
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300017
  • 内容
  • 0017C - 07第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月平成 28 年熊本地震における熊本城石垣の変状調査に関する研究変形石垣 計測長崎大学大学院学生会員○勝田侑弥長崎大学大学院香川大学工学部正会員杉本知史正会員山中稔熊本城調査研究センター非会員嘉村哲也1.はじめに平成 28 年(2016 年)熊本地震により,熊本城は建造物や石垣などの地盤構造物に甚大な被害が生じた.建造物では,国指定重要文化財の東十八間櫓,北十八間櫓や五間櫓などが崩壊した.また,熊本城内の多数の石垣は崩壊や孕み出しが生じるとともに,背面盛土には引張りクラックなどが発生した.熊本城は建立後に何度も地震被害を受けているが,1889 年(明治 22 年)の金峰山地震(M6.3)では,飯田丸五階櫓台や頬当門正面の石垣等が崩壊している 1).平成 28 年熊本地震の特徴は,熊本城が前震で震度 5 強,本震で震度 6 強の 2 回の強震を受けたことにある.熊本城石垣は,前震では変形を免れたものの,本震により大変形や崩壊に至ったケースが多く見られる(写真-1 参照).変形が大きい石垣部は,今後修復工事の実施が検討されるが,検討に際しては地震前の形状を得る必要がある.本研究では,熊本地震内の石垣部を対象として,地震前後の石垣形状の比較から,地震による変形量を推定する.さらに,石垣築造技術秘伝の一つである石垣秘伝之書(1743 年)により数式化した石垣形状との比較を行うことにより,形状を検討した.2.形状調査方法Leica Geosystem 社の DISTO D510 を三脚に固定し計測対象となる石垣前に設置し,垂直方向に各石垣石の距離と角度を計測する(写真—2 参照).計測後に距離と角度を基に各石垣石の鉛直・水平方向の座標をもとめ,Excel で断面をプロットする.計測箇所については,これまでに 3 回にわけて計測を行っており,桑原 2)により計測されている石垣と二様の石垣付近,国指定重要文化財である宇土櫓の北写真-1 石垣の孕み出し写真-2 形状計測の様子側にある二段になっている石垣等を計測した.さらに,熊本城内で特に孕み出しが大きい箇所を重点的に計測した.それら計測によって約 50 箇所の計測を行った.3.石垣形状のパラメータの関連性と再現について3)によって「後藤家文書」,「石垣秘伝之石垣の構築手法に関しては,西田ら書」,「石墻書」の 3 つの古文書の設計法が数値化されている.「石垣秘伝之書」は熊本藩細川家の穴太であった北川作兵衛が石垣構築に関する自家の家伝を1743 年に記述したものである.過去の文献から熊本城石垣は「石垣秘伝之書」をもとに造られたと考えられている.図-1 は「石垣秘伝之書」に記載されている設計法を数値化したものである.文献によると式(1)を用いて石垣形状を再現している.𝑎𝑥𝑏ℎ2ℎ2ℎ(1)y = { (ln ) + } 𝑥 + 𝑎ここで,a:上底b:下底h:石垣高さh2:石垣高さ-1 間の長さ図-1 石垣秘伝之書設計法 2)なお,下底は計測した初期勾配から算出し,上底は石垣上部の計測値を引くことで求める.求めた各パラメータを高さや初期勾配等の別のパラメータと相関性がないか検討する.これまで計測した約 50 箇所を基に各パラメータを算出し,石垣完成の年代別に分けた.今回は第Ⅳ期(1601~1607 年)の測定箇所が多かったため,その年代に絞って初期勾配と石垣高さ,下底長さと石垣高さ,上底と石垣高さ,下底と上底に分けて,関係図を作成した.そして,相関性があると思われるデータから近似式を作成して石垣に必要なパラメータを求め,式(1)を用いて形状を再現する.4.形状調査結果図-2 に,一例として地震による変形が概ね認められない平櫓東側石垣部での形状を示す.なお,石垣石の凹凸や草木等の計測結果への大きな影響は見られない.桑原 2)によって計測された形状とほぼ一致することから,用いた測量方法に一定の精度があることを確認した.Investigation on damaged stone wall in Kumamoto Castle by2016 Kumamoto earthquakeYuya KATSUTA, Satoshi SUGIMOTO (Nagasaki University)Minoru YAMANAKA (Kagawa University)Tetsuya KAMURA (Kumamoto City)33 る.この箇所は図に示すように,石垣上部の石垣石が過去に測定水平距離(m)8 6 4 280おり,最上部は約 40cm の変形が6810り 8m 付近から変状が現れてい123.5~5m 辺りの石垣が孕み出ししていることが確認できる.これら部に孕み出しが生じている個所もあった.これらは石垣直下の基礎地盤が経年によって圧密や変形が原因とみ162834101612518146図-3 長局下石垣図-2 平櫓東側石垣形状15上底(m)下底(m)①5②られる.地盤の変形にともない,石垣石のずれや背後の栗石のゆるみに伴4020051015下底(m)20図-5 石垣高さと上底ならびに上底と下底との相関図い,石垣石に作用する荷重に不均衡が生じていることが推測される.1015高さ(m)6205y = 0.3542x - 0.6982R² = 0.77868100図-4 馬具櫓石垣10y = 0.9676x - 3.7238R² = 0.8484方に倒れて,中部から下部にかけて大の一部においては,地震前より石垣下計測値214い石垣は,図-4 のように石垣高さまた,概ね 10m 以上の高さの石垣04おおむね変状が見られず,天端よきな孕み出しが発生している.水平距離(m)100確認できる.一方で,石垣下部はる.石垣高さが 4~6m 程度の低2-2測定値桑原著文献24しており,石垣上部の石垣石が後水平距離(m)4200計測値桑原著文献された形状より後方に変形しての石垣は写真-1 のような変状を6鉛直距離(m)12 10鉛直距離(m)が大きい箇所(長局下石垣)であ鉛直距離(m)図-3 は,計測した中で最も変状8水平距離 (m)6425.パラメータの相関と再現性80水平距離(m)64200022ことがわかる.図-5 に示している 2 式から石垣4高さをもとに上底と下底を求めた.図-6 は図-5の赤丸で示す①,②の箇所について,式(1)により6再現を行った結果である.両石垣とも,比較的変状が少ないとみなすことができる同規模の石垣を選び比較したところ,①は図-5 の近似直線から離れた箇所であるが.非常に計測値と近い形状となった.一方,②は右図のように下底幅が約 2m程度異なり,計測値の形状とは異なった.このことから,少なくとも当時の設計の考え方とも異な46881010再現形状観測形状①宇土櫓下石垣再現形状鉛直距離(m)両図とも相関係数が 0.77 以上あり相関性が高い鉛直距離(m)図-5 は上底と高さ,上底と下底の関係を示す.観測形状②西大手門右石垣図-6 同規模の異なる石垣における再現形状と観測形状の比較る勾配や形状の石垣が存在するものと考えられ,各々の石垣に対し,個別に形状を分析することが求められるものと考えられる.6.おわりに本研究ではレーザー測距計による石垣形状の計測を行い,震災前後での形状の変化を比較と,これまで計測した箇所のデータを基に第Ⅳ期(1601 年~1607 年)の石垣を高さ,下底,上底,初期勾配の各パラメータを算出し関連性と形状の再現性について検証した.高さ-下底と下底-上底は相関係数では高かったものの,実際に形状再現すると異なる箇所を確認した.今後は,各所の石垣形状のデータを取得し,個別の評価を進めていくことを検討する.謝辞:本研究は一般財団法人大成学術財団の研究助成を受け実施していることを,本紙面をお借りして謝意を表します.参考文献:1) 木下泰葉:熊本城修復史,熊本城調査研究センター定期講座第 15 回熊本城学,講演資料,2018.1.2) 桑原文夫:熊本城の石垣勾配,日本工業大学研究報告,Vol.14,No.2,pp.201-216,1977.3) 西田一彦,西形達明,玉野富雄,森本浩行:城郭石垣断面形状の設計法とその数式表示に関する考察,土木学会論文集,No.750/Ⅲ-65,pp.89-98,2003.12.34
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  • タイトル
  • 3Dレーザースキャナを用いた城郭石垣の変形調査
  • 著者
  • 萩原育夫・保坂俊明・冨田和気夫
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 35〜36
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300018
  • 内容
  • 0018T - 12第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月3Dレーザースキャナを用いた城郭石垣の変形調査歴史的遺産維持管理接峰面図サンコーコンサルタント(株)正会員○萩原育夫サンコーコンサルタント(株)保坂俊明石川県金沢城調査研究所冨田和気夫1.はじめに国内に現存する城跡は地域を代表する歴史的・文化的資産であり、城跡を中核に据えた様々な事業が進められている。城跡の主要要素である石垣は土木構造物としての側面を有し、各種事業においては石垣の工学的な安定性を評価し適切に維持管理していくことが求められている。本発表では、金沢城跡における石垣保全の取り組み事例と、石垣の変形箇所抽出を目的として検討した三次元形状解析手法について報告する。2.金沢城跡における石垣保全整備の概要金沢城の築城は 1580 年頃から始まったとされ、藩政期を通じて前田家の居城であった。廃藩置県後は戦後まで陸軍所管となり、その後は金沢大学のキャンパスとして利用され、平成 8 年度から都市公園としての整備事業が進められている。金沢城の石垣は、総面積=約 30,000 ㎡で、石垣面数=471 面を数え、安政 2 年(1885)の地震など、数多くの災害を経て断続的に築造・修理を繰り返してきた。調査・点検動態観測3.石垣の点検管理図 3.1 に石垣の点検管理の概念図を示す。(1)日常点検・詳細調査日常的な点検として、全域に関する目視点検(クラックゲージ等の簡易石垣カルテ計測を併用)によって、変状の有無や程度等の現況を監視している。また対応策の検討孕み出しが顕著な箇所等においては、ボーリング調査・小型カメラによる対策の実施安定度の評価影響度の評価石垣内部観察・レーダ探査等によって石垣並びに周辺地盤を調査するとともに、孔内傾斜計観測、定点観測、変位計測等の計器観測によって定量的な変状監視を実施している。図 3.1 城郭石垣の点検管理の概念図(2)安定性評価・影響度評価安定性や影響度の評価では、点検結果、石垣の形状特性や地盤特性、石垣の立地条件(園路等との位置関係)等に基づいて現状の安定性を評価するとともに、詳細調査箇所については安定解析(有限要素法・不連続変形法等)によって、変状メカニズム及び安定度を評価している。(3)対応策の検討・対策の実施安定度並びに影響度の評価結果に基づき、伐採や排水処理等の日常的な対処のほか、石垣近傍への立ち入り制限、石垣の解体修築といった対応を実施している。(4)石垣カルテ文化財調査として実施されたレーザ測量成果、写真測量成果(石垣立面図等)、石垣の来歴調査、技術特性調査等の成果があり、石垣の点検管理の最も基礎的な資料として運用している。前処理①:メッシュモデル化4.三次元形状解析方法の検討石垣の点検管理を実施する際の課題の一つは、孕み出し等の変状の適確な把握である。断面図では捉えにくい石垣変状の立体的な範囲及び規模を確実に把握し、現状評価と対策検討に資するため、三次元形状解析手法を検討した。金沢城調査研究所では、平成 18 年度以降地上型 3D レーザースキャナを利用した石垣の三次元計測を継続的に実施しており、この点群データを活用して石垣の変形程度に関する各種の指標を算出した。三次元形状解析の解析フローを図 4.1 に示し、解析手順を以下に示す。前処理②:平滑化処理基準線の設定:鉛直・水平形状指標の算出図 4.1 形状解析フローDeformation Survey of Stone Wall Using 3D Laser ScannerHAGIWARA, Ikuo Suncoh ConsultantsCo. , LtdHOSAKA, Toshiaki Suncoh ConsultantsCo. , LtdTOMITA, Wakio Kanazawa Castle Research Institute35 (1)前処理3D レーザースキャナで得られる数 mm 間隔の点群データは、築石の輪郭や表面の微細な凹凸を把握できる反面、孕み出し等の石垣面の全体的な変形が把握し難いといった側面を有する。このため形状解析の前処理として、点群データから 10 ㎝ 間隔のメッシュモデルを作成し、さらに地形解析で用いられる接峰面図の考え方にならって、水平断面における築石の凸部に着目した平滑化処理を施した(図 4.2)。(2)基準線の設定現地状況並びに平滑処理後のデータをもとに最も変状が少ない箇所を選定し、鉛直方向の基準線を設定した。さらに城郭石垣の特徴である輪取り構造を考慮して水平方向の基準線を設定し、これらの基準線の組み合わせによって石垣の当初形状を三次元的に推定した。(3)変形指標の算出(メッシュモデル化後)石垣の変状に関する指標として、石垣面の傾斜角度のほか、(平滑化処理後)図 4.2 前処理の例(等高線表示)基準線と現況石垣形状との差としての孕み出し量(D)、高さが異なる石垣間における変形比較に着目した孕み出し指数(D基準線石垣形状(平滑化処理後)/H)、すべり破壊におけるすべり面位置に着目した歪み(△D/△H)を算出した(図 4.3)。高さ:H(4)解析結果D図 4.4 に解析結果図例を示す。三次元解析による定量的な変孕み出し指数:D/H形指標を段彩図等に出力することによって、変形の範囲や量をより視覚的に捉えられることが確認された。一方、出隅部では、孕み出し量:D歪み:△D/△HH壁面の反りをより強めて構築した事例が認められることから、本来の勾配変化に起因して、見かけの孕み出し量が算出されるケースがあった。石垣本来の形状特性や修築履歴等を踏まえて、解析結果を評価することが重要である。図 4.3 石垣変形の指標(概念図)図 4.4 孕み出し量の解析結果例(同心円状の暖色部が孕み出し傾向)5.検討結果の評価今回の検討結果から、石垣に対する三次元形状解析は、石垣の変形範囲・量を定量的・視覚的に把握することを可能とし、詳細調査箇所(緊急度)や調査位置・手法の選定等をより客観的に行う上で有用と考えられる。特に、城郭石垣の維持管理には、文化財保護、公園管理、地盤工学など様々な分野の担当者が携わっており、本手法の導入は石垣変状に関わる情報の共有化において効果が期待できる。また、今回の検討結果は石垣の変形解析に対する 3D レーザースキャナデータの有用性を示すものでもあり、今後、異なる年次に取得された 3D レーザースキャナデータを比較することによって、変状の進行状況がより詳細に捉えられるものと期待される。近年は大規模な地震が多発し、各地で城郭石垣の変形・崩壊の被害をもたらしていることから、事前に 3D レーザースキャナ計測等を実施して石垣の現状を客観的かつ高精度に記録し解析しておくことは、石垣を長期的に保全する上での基礎資料として、極めて重要と考えられる。6.おわりに本発表内容は石川県教育委員会(石川県金沢城調査研究所)から委託を受けて実施したものである。参考文献1) 西田郁乃:史跡金沢城跡の石垣現況調査、第 14 回全国城跡等石垣整備調査研究会資料、p.26-38、20172) 文化庁文化財部記念物課:石垣整備のてびき、p.225、20153) 石川県金沢城調査研究所:金沢城跡石垣保存実態調査報告書Ⅰ、p.265、201636
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  • タイトル
  • 石垣の地震時安定性に対する鉛直動の影響に関する基礎的研究
  • 著者
  • 末岡知紘・橋本涼太・菊本 統・小山倫史
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 37〜38
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300019
  • 内容
  • 0019E - 08第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月石垣の地震時安定性に対する鉛直動の影響に関する基礎的研究石垣振動解析NMM-DDA広島大学学生会員○末岡知紘広島大学国際会員橋本涼太横浜国立大学国際会員菊本 統関西大学国際会員小山倫史1. 研究の背景と目的我が国には歴史的価値の高い遺構である城郭石垣が多く現存しており,景観や築造技術の面で注目されている.しかし,近年 2016 年熊本地震をはじめ強震動により城郭石垣が崩落する事例が多発しており,詳細な崩壊メカニズムの解明と合理的な修復技術の開発が急務となっている.城郭石垣は目地剤を用いずに積み上げた石材で背面の土圧に抵抗する構造物であるため,地震時に鉛直方向の振動が加わった場合に石材間の接触状態が変化し安定性に影響を与える可能性が指摘されている1), 2)が,現状詳細に検討された例はない.本研究では従来より地盤-石積構造物間の相互作用問題に適用されてきた不連続体解析手法の一つ,NMM-DDA を用いて水平方向に加えて鉛直方向の加速度を作用させた石垣の振動解析を行い,その基礎的応答について検討した.2. NMM-DDA の概要NMM-DDA3)とはともに弾性多角形の接触解析手法である不連続変形法(DDA: Discontinuous Deformation Analysis)とマニフォールド法(NMM: Numerical Manifold Method)を組み合わせた解析手法である.NMM は物体内部をメッシュ分割して変位を離散化することで地盤のような連続体の変形挙動を扱え,DDA はブロック体の運動挙動を解くため石材の崩落といった回転を伴う挙動の解析に適する.それらの利点を統合化した NMM-DDA では解析対象を NMM と DDA でモデル化する領域に分け NMM 要素と DDA ブロックの間の接触をペナルティ法で定義することで両者を同時に扱い,地盤―石積構造系の相互作用を考慮した解析を可能にしており,石垣の挙動解析にも適している.本研究では,従来手法に不連続面の摩擦則のリターン・マッピング法を新たに導入し,動的問題での精度を改善させた解析コードを用いた.3. 石垣モデルの振動解析本研究では,DDA でモデル化した振動台と石材(弾性体,単位体積重量:29.4kN/m3,ヤング率:10GPa,ポアソン比0.2)と NMM でモデル化した裏込め地盤(Drucker-Prager モデル,単位体積重量:14.7kN/m3,ヤング率:100MPa,ポアソン比:0.3,粘着力:2kPa,内部摩擦角:30°)からなる簡易な石垣モデル(図 1)を対象として振動解析を実施した.石材間および石材―地盤間の不連続面の静止摩擦角と動摩擦角はともに 30°とした.以上の条件下で準静的条件で自重を作用させた後,周波数 4Hz,振幅 1.0m/s2 の正弦波の水平動を 1 秒間(4 波)振動台に与えて加振した(図 2).さらに水平動と同じ周波数,振幅の鉛直動を水平動に対し位相遅れ 0°,90°,180°で与えるケースを合わせて実施し,鉛直加振が石垣の安定性に及ぼす影響を検討した.解析結果の一例としてはじめに水平動のみのケースの最終状態における水平変位分布図を図 3 に示す.石材間には変位の不連続分布,つまり滑りが生じており特に下から三段目の石材が最も変位した(0.87mm).ここで,その石材の水平変位と水平入力加速度,水平変位と鉛直応力の関係を図 4,図 5 に示す.図 4 より,加振一周期目の水平入力加速度裏込め地盤(NMM要素)0.7m石材(DDAブロック)1.50.2m1.3m0.3m振動台加速度[m/s2]10.50-0.5-1-1.501.2mこ図 1 城郭石垣モデル0.511.52時間[s]図 2 水平入力加速度Fundamental study on the effect of vertical motion on theseismic stability of masonry retaining wall2.51.00.930.870.80.730.670.60.530.470.40.330.270.20.130.0変位[mm]図 3 最終状態の水平変位分布図(水平動のみ)SUEOKA, Tomohiro Hiroshima UniversityHASHIMOTO, Ryota Hiroshima UniversityKIKUMOTO, Mamoru Yokohama National UniversityKOYAMA, Tomofumi Kansai University37 1.230.920.3100-0.3-1-0.6-2-0.9-3-1.2-400.511.5232水平変位28鉛直応力0.6240.320016-0.312-0.68-0.94-1.2002.50.51水平変位と水平入力加速度(水平動のみ)1.230.9水平変位30.6鉛直応答加速度220.3100-0.3-1-0.6-2-0.9-3-1.2-400.511.5244水平変位[mm]水平変位[mm]0.6鉛直応答加速度2.5図 5 水平変位と鉛直応力(水平動のみ)鉛直応答加速度[m/s2]水平変位20.3100-0.3-1-0.6-2-0.9-3-42.5-1.202.50.511.5鉛直応答加速度[m/s2]1.20.91.5時間[s]時間[s]図4鉛直応力[kPa]水平変位[mm]水平入力加速度0.64水平入力加速度[m/s2]水平変位0.9水平変位[mm]1.22時間[s]時間[s]図 6 水平変位と鉛直応答加速度(位相差 0°)図 7 水平変位と鉛直応答加速度(位相差 180°)が負,つまり左向きに加速度が作用している間に残留変位が発生し,その後慣性力四段目残留変位量はほぼ変化しなかったことが確認された.図 5 では,変形に伴って石材に作用する鉛直応力が大きくなっており,これにより石材間の摩擦強度も増大することで二周期目以降は残留変位が発生しなかったと推察され三段目る.以上の傾向は鉛直動を含む 3 ケースでも同様であったが,下から三段目の石材の最終残留変位量に違いが見られ,位相差 0°は 0.68mm,位相差 90°は0.79mm,位相差 180°は 0.94mm であった.これより,石垣の変形量には鉛直動の位相差が密接に関係していると考え,特に変形量が最小および最大となった位相差 0°,180°での結果を比較した.位相差 0°,180°における下から三段目の石材の水平変位と鉛直応答加速度を図 6,図 7 にそれぞれ示すと,位相差 0°のケースでは変形発生時に鉛直下向きに加振していたのに対し,位相差 180°のケースでは上向きに加振されていた.すなわち,位相差 180°では上図 8 石材周辺の変形図向きに加速しているため慣性力が下向きに働くことによる見かけの重力の増(位相差 180°,変形量 30 倍)大が変形量を大きくしたと推察された.見かけの重力が石垣の変形にどのように影響を与えたのかを検討するため,位相差 180°のケースで残留変位発生過程での変形状態(図 8)を確認した.下から三段目以上の石材が裏込め地盤へ転倒していることが確認でき,上層の石材が裏込め地盤に向かって倒れこみながら下段の石材を押し出していることがわかった.このような変形形態では見かけの重力が大きいほど変形が顕著になるため,位相差 180°のケースで変位量が最大になったと考えられる.4. 結論本研究では,鉛直動が石垣の地震時安定性に及ぼす影響を考察することを目的とし,NMM-DDA を用いた石垣モデルの振動解析を実施した結果,鉛直動の有無や位相差の違いによる見かけの重力の変化が石垣の変形挙動に影響を与えることが示唆された.今後は,NMM-DDA を用いて石垣の模型振動台実験の再現解析や,様々な石材の組積条件や外力条件下でのパラメトリック・スタディを行うことで地震時の動的挙動の違いや脆弱な構造条件を探る必要がある.参考文献1) 小山倫史,菊本統,橋本涼太,桑島流音:平成 28 年(2016 年)熊本地震における熊本城の城郭石垣の被害調査およびその分析,社会安全学研究第 7 号,pp.87-94,2017.2)池本敏和,北浦勝,西田陽一,吉田竜太:上下動を考慮した石積みの動的挙動,地震工学研究発表会講演概要,Vol. 23,pp. 549-552,1995.3)Hashimoto, R., Kikumoto, M., Koyama, T. and Mimrua, M.: Method of deformation analysis for composite structures of soilsand masonry stones, Computers and Geotechnics, Vol. 82, pp. 67-84, 2017.38
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  • タイトル
  • プレア・ヴィヘア寺院第三ゴープラにおける石積構造物の変状分析
  • 著者
  • 桑島流音・小山倫史・橋本涼太・入江航平・岩崎好規・福田光治・石塚充雅
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 39〜40
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300020
  • 内容
  • 0020C - 02第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月プレア・ヴィヘア寺院第三ゴープラにおける石積構造物の変状分析プレア・ヴィヘア寺院石積構造物3D レーザースキャナ1.はじめに関西大学学生会員桑島流音関西大学正会員小山倫史広島大学正会員橋本涼太地域地盤環境研究所正会員岩崎好規大成ジオテック正会員福田光治早稲田大学非会員石塚充雅それぞれ,左下端点に原点をとり,鉛直上向きに z 軸,下端ラプレア・ヴィヘア寺院はカンボジアのシェムリアップから約インに沿って水平方向に y 軸,z 軸および y 軸に垂直な方向120km 北西の,タイとの国境付近にある.プレア・ヴィヘア州を x 軸に設定した.比較データとなる 2017 年 8 月に取得したに位置するダンレク山地の海抜 625m の断崖の頂上に 9 世紀に点群データを,座標変換した基準データに重ね合わせ,差分をクメール王朝によって建てられた.タイとの紛争の末,2008 年とった.7 月にカンボジアの世界遺産として正式に登録された. 寺院名図-1a,1b に西宮殿および東宮殿において設定した座標軸およの「プレア・ヴィヘア」とはクメール語で「神聖な寺院」といび,差分解析の結果を示す.これらの図より西宮殿においては,う意味である.5 つのゴープラと呼ばれる塔門が南北に配置さ中央から西側において 2016 年 8 月から 2017 年 8 月において変れており,本研究の対象である第 3 ゴープラには,東西に 2 つ状が進行したように見える.目地部で変位が発生しているようの宮殿が配置されている.東西の宮殿は本来左右対称に築造さに見えるが,これはレーザー点群がレーザー照射角度の関係れたが,石積構造物の変状は南側で大きく異なる.西宮殿にお(あるいは照射できていない)で疎になっている部分であり,いては,基壇の西側部分は直接岩盤に支持されており,変状は差分解析においては,点群間を補完した面に対して距離を計算小さいが,岩盤から離れる境界付近南面側で大きく基壇は湾曲するため,差分解析の結果,そのような部分では大きな差分値し沈下しており,上部の石積構造物の倒壊が見られる1).一方,東宮殿では,東西両端部コーナーに小さな落ち込みがみられるとして算出される.一方,東宮殿においても,ほとんど変状の進行は見られない.もの,基壇は全体的にはレベルが保持されている.(2)断面抽出による形状観察2.3-D レーザースキャナを用いた石積構造物の計測石積形状を詳細に把握し,変状の進行の程度をより詳細に見3 次元レーザースキャナは,方位と仰角を高速に変化させなるため,東西宮殿において特定の断面を抽出した.断面を抽出がら対象物までの距離をレーザー距離計により計測する機器で, する際にも座標変換および,重ね合わせが必要不可欠であり,計測器を原点として 360 度全方向の対象物の 3 次元座標を 15~差分解析と同様に行った.この操作を行うことで,ある特定断20 分程度(ただし,解像度に依存する)で数値化することがで面を抽出することにより詳細な形状の比較および経時変化を分きる.また,複数位置から計測した点群データは重ね合わせる析することもできる.切り取った断面を z-x グラフに示すこことで,対象構造物の 3 次元形状を取得することができる.なとで断面形状をグラフ化することができる.図-2a, 2b に設定お , 本 調 査 で 用 い た レ ー ザ ー ス キ ャ ナ は FARO 製 のした座標軸および,抽出した計測ラインをそれぞれ示す.さらFocus3DX130 である.a)本研究では,2016 年 8 月および 2017 年 8 月に 3 次元レーザースキャナにより取得した東西宮殿の点群データをそれぞれ重ね合わせ,差分解析および断面抽出による形状観察を実施し,変状がさらに進行しているのかどうかを調べた.なお,点群データの重ね合わせ,差分解析および断面抽出には CloudzCompare2)を用いた.点群の重ね合わせは ICP (Iterative ClosestyPoint)アルゴリズム 3)を用いた.b)x(1)点群データの差分解析異なる日時に計測し取得した点群データの差分をとることで,石積全体として面的な変状の把握を試みた.まず,基準データとなる 2016 年 8 月に取得した点群データについて,座標変換を行った.座標変換を行うことは,差分解析,断面抽出におい図-1 差分解析の結果,a) 西宮殿,b) 東宮殿て変状の方向を明確に示すために必要不可欠である.東西宮殿Deformation analysis of masonry structure at Gopura III, PreahRyuto Kuwajima & Tomofumi Koyama, Kansai UniversityVihear Temple, CambodiaRyota Hashimoto, Hiroshima University39 a)7a)zz=2.4~2.7m2.76z2.655Aug-162.522.451yb)2.55Aug-17(m)3z2.6Aug-164Aug-17xx-4x0-3-2-1(m)08b)2.4-1.2z-1.15-1.1z=4.5~6.0m(m)-1.05-1z6765Aug-174z=2.8~3.0m13x-4Aug-16(m)Aug-16Aug-172Aug-17-2-10(m)4.5-1.818c)2.9x0-32.95352z4a)Aug-173図-2 抽出した断面,a) 西宮殿,b) 東宮殿z5.5Aug-16(m)Aug-16-1.75-1.7(m)z=0.2m~1.2mz-1.65-1.6z1.2716xx0-4-3-2(m)-10-11-0.9z417-Aug3Aug-160.8Aug-170.62zx4.9516-Aug0.415-4x0-3-2(m)-10-0.80.2-0.7(m)-0.6-0.5図-4 東宮殿の各計測ラインにおける点群データの比較17-Aug(m)43516-Aug5Aug-172.8-0.8-0.85(m)z=4.8~5.0m6b)-0.95Aug-16(m)2.8514.9a) 断面①,b) 断面②,c) 断面③24.851xられるが,照射角度などによるものだと考えられる.断面①おx0-4-3-2(m)-10-1.4-1.35-1.3(m)z=4.0~4.1mz6c)4.8-1.255-1.2z4.13.まとめおよび今後の課題4.08本研究では,2016 年 8 月および 2017 年 8 月に 3 次元レーザ4.06ースキャナにより取得した東西宮殿の点群データを用いて差分4(m)16-Aug16-Aug317-Aug解析を実施し,面的に差分を計算し,断面抽出による形状観察17-Aug4.04により変状の進行程度を調べた.その結果,東西宮殿ともに顕24.021xx0-4-3-2(m)-10-1.2著な変位は見られなかった.今後,継続して点群データを取得4-1.18 -1.16 -1.14 -1.12(m)よび③において,変状部分の新たな変位は見られない.-1.1図-3 西宮殿の各計測ラインにおける点群データの比較a) 断面①,b) 断面②,c) 断面③し,変状が進行しているかを確認するとともに,東西宮殿における変状原因を究明するために,基礎となる地盤に着目した調査を行う.宮殿直下の岩盤の分布状況や,地質構造の把握,土試料を採取し,力学試験や水理学特性を調べるなど,地盤物性を明確にするなどの修復・保存に向けた基礎データ収集を行う.に図-3a~3c に西宮殿の各計測ラインにおける石積の形状の比また,3 次元レーザースキャナによる変状分析結果とそれら基較を示す(なお,本図右側に特徴的な変状部分について合わせ礎データを用いて,変状の要因を明らかにする.て拡大したものを示している).本図より,いずれの断面においても変状部分で新たな変位の進行は見られない.計測ライン①(本図 a)の高さ 1.0m~1.4m 付近において,若干の変状のようなものが確認できるが,石材の間にレーザーが照射し取得した点群データである.また,図-4a~4c に東宮殿の各計測ラインにおける石積の形状の比較を示す(なお,特徴的な変状部分について合わせて拡大したものを示している).本図より,断面②の上部(z=5~5.5m 付近)でやや点群データにばらつきがみ引用 参考文献1) JASA. ANNUAL TECHNICAL REPORT ON THE SURVEY OF ANKORMONUMENT 2014-2015, 7.5 Geotechnical Study in Preah Vihear, 2016, p.214222.2)Cloud Compare, user manualhttp://www.danielgm.net/cc/doc/qCC/CloudCompare%20v2.6.1%20-%20User%20manual.pdf(2018 年 1 月 15 日現在)3) Besl, P. J. and McKay, N. D. A method for registration of 3-d shapes. IEEETransactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence,1992; 14(2): 239-256.40
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  • タイトル
  • アンコール遺跡ラテライトとエコチップ
  • 著者
  • 福田光治・岩崎好規・本郷隆夫・小山倫史・桑島流音・中川 武・石塚充雅・新谷真人・山田俊亮
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 41〜42
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300021
  • 内容
  • 0021D - 02第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月アンコール遺跡ラテライトとエコチップ遺跡調査、砂岩、強度、風化,エコチップ大成ジオテック福田光治地域地盤環境研究所岩崎好規、本郷隆夫関西大学小山倫史、桑島流音早稲田大学中川安田女子大学山田俊亮武、新谷直人,石塚充雅1.まえがきアンコール遺跡バイヨン中央塔の補強・保存工事で必要になる砂岩とラテライトの強度を対象に,エコチップの適用環境を数年にわたり研究している.2017 年は自然状態に置かれたラテライトの強度試験を行った.2016 年の野面置き砂岩試験と同様エコチップとシュミットハンマー試験を併用し,表層の劣化と深部の強度を比較した.視覚的であるが多様な劣化状態の野面置きされたラテライトを対象にして多様な風化段階の特性把握に努めた.エコチップの読値から推定する強度は一軸圧縮強さで,砂岩とラテライト及び風化によらず同じ式で評価した.これまでの研究における砂岩やラテライトの強度はカンボジアで試作した室内一軸圧縮強度試験機によって求め,強度傾向を誘導した.今回は野面置きされたラテライトの強度であるため,シュミットハンマー試験結から得られた強度を参考100験を行い.平均値を強度とした.2.エコチップによる強度推定式図-1 は室内一軸圧縮試験結果とシュミットハンマーで推定したコアの強度特性を整理したものである.このデータに対して式(1)~(3)で近似した.ここに etip は equotip による反発硬度、strength(MPa)にした.シュミットハンマー試験は同じ供試体で 10 点の打撃試A=0.001 である.A はグラフを見ながら視覚的に決定した.このVar=080砂岩604020002001  sin Aetipq f 0  2.5 N q図-1exp tan Aetip ( MPa )q f  q f 0 1  2  var 400600800hardeness of equotip平均値で除した変動係数により低減しなければならない.Nq Var=0.2ラテライト支持力係数を使用して強度を推定した.強度の推定は標準偏差を1  sin AetipVar=0.05エコチップによる強度推定(1)(2)(3)シュミットハンマーによる強度はシュミットハンマーに記載されている読値と強度変換式を近似化して式(4)を使用した.圧縮強さ(kgf/cm2)=15.23333×(読値)-250(4)3.野面置きラテライト野面置きラテライトを使用した写真-1 に示す試験盛土の型枠の 4写真-1試験盛土型枠ラテライト辺に積まれた頭部の 10 個のラテライト,試験盛土位置周辺で野面置きされているラテライト 7 個,及びバイヨン中央塔で 2012 年に実施した水平ボーリングで得られた風化が進んだコア 2 個を対象に試験した.合計 19 試料である.エコチップによる試験は 1 個の供試体に対し,これまでの試験方法のように同じ面に対し 10 か所の打点を行った.シュミットハンマー試験も同じ面に対し 10 か所で打点を行った.エコチップの試験面とシュミットハンマー試験面は同じであるが,打点する個所は同じではない.できるだけ劣化を全体的に反映するように打点箇所を決めた.図-1 はエStrength of weathered laterite by equotip and its reliability, FukudaYoshinori、Hongo Takao、Geo-Research Institute,Mitsuharu、Taisei Geotech., IwasakiKoyama Toshifumi、Kuwajima Ryuto、 Kansai University、Nakagawa Takeshi、Ishizuka Mitsumasa, Araya Masato,Waseda University, Yasuda Women’s Uiversity, YamadaToshiharu41 コチップとシュミットハンマー試験結果の分散を示している.エコチップのデータは 0.2~0.4 の間に,シュミットハンマー試験結1果のばらつき分散は 0.1~0.3 である.野面置きラテライト試験で0.8equotipは参考とする圧縮強度はシュミットハンマー試験の平均値から推定した強度とした.0.60.40.24.野面置きラテライトの強度0試験結果を図-3 に示す.室内試験結果におけるラテライト新0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1材のデータは(〇)である.新材の砂岩供試体は(●)である.Schmidt Hammerエコチップ読値は 10 点の平均値である.室内で試験した新材ラテライトの強度は分散 0.25 の強度推定変動係数1:1式付近にばらついている.一方新材砂岩は分散ゼロの推定強度付近にばらついている.図-2分散係数野面置きラテライト供試体の分散を考慮して推定した強度を(×)で図-3 に示した.室内強度試験結果(〇)100ラテライトの強度は分散を考慮した式で近似的90に推定されることが分かる.80平均値で推定した強度(◆)は砂岩強度を含めて式(2)の推定曲線に沿っている.従って野面置きラテライトの強度は平均値ではなく,分散を考慮した推定式が適していると考えられる.図-4 はシュミットハンマー読値の平均値から推定した強度と,エコチップから推定した強度の関係を示している.エコチップの平均値かstrength(MPa)と類似した傾向を示しており,野面置きされたstrengthtesttestlateriteNqStrengthvar 0.05var 0.25equotipreadvarienceコア70605040Var=0Var=0.05砂岩Var=0.253020ラテライト100ら求めた強度はシュミットハンマーから推定し0た強度に類似している.分散を考慮した強度は200風化した野面置きされた砂岩(△)と類似した傾図-3400hardeness of equotip600800エコチップ指数と圧縮強さ向を示した.図-4野面置きラテライトに対してエコチップ試験を適用した.シュミットハンマー試験の平均値を用いた推定強度の関係からラテライト強度は分散を考慮した式が適していることが分かった.ラテライトの深部の強度は表面に比べ高い可能性があるが,ラテライトの強度は不均質な孔隙が強度に影響していると考えられる.Estimated strength by equoti(MPa)5.おわりに807060504030201001:1var>0020406080Estimated strength by Schmidt Hammer (MPa)(参考文献)equo baseequovarcorelationLaterite(ave)Laterite(var)1) 福田光治・岩崎好規・本郷隆夫・小山図-4倫史・桑島流音・中川武・石塚充雅:ラテライト劣化状態と強度特性アンコール遺跡砂岩とラテライトの風化レベルと強度,第 51 回地盤工学会研究発表会,地盤工学会、pp.133134、2016.2) 福田光治・岩崎好規・本郷隆夫・小山倫史・桑島流音・中川武・石塚充雅:アンコール遺跡風化砂岩とエコチップ,第 52 回地盤工学会研究発表会,地盤工学会、pp.133-134、2017.42
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  • タイトル
  • 高盛土に直接基礎で石積塔を支えるバイヨン寺院基壇盛土の真正性としての強度特性
  • 著者
  • 岩崎好規・福田光治・石塚充雅・Robert Maccauthy・Sour Sothy
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 43〜44
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300022
  • 内容
  • 0022D - 06第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月高盛土に直接基礎で石積塔を支えるバイヨン寺院基壇盛土の真正性としての強度特性土構造遺産バイヨン真正性地盤研究財団 国際会員○岩崎 好規大成ジオテク 国際会員福田 光治JASA Japan-APSARA Site Office石塚充雅JASA Japan-APSARA Site OfficeSoeur SothyJASA Japan-APSARA Site Office Robert McCarthy1.Introduction The main sandstone tower of Bayon is based upon the shallow direct foundation. Boring study of the sandy filledmound shows very large SPT, N-values =100~200. The sandy soil of the fill material which contains 10-30% of fine soils showsextra-ordinarily high strength due to the bridging effect of the meniscus of water among soil particles. The strength characteristicswere studied by Yamanaka soil hardness tester for the soil under drying process.2.Main Tower of Bayon templeThe direct shallow foundation stands upon a sandyfilled mound of thickness of 14 m. Geotechnical studyof boring was carried out and the results are shown inFig.2.Figure 1 Vertical section of Main tower, Bayon templeclaysiltsandgravelPercentages finer than the grain size(%)10090807060504030201001E-30.010.1110100Grain Size(mm)Figure 3 Grain size distribution curveFigure 2 Bayon platform mound BYV20103. Foundation platform Water contentsof sampled soils and SPT, N-values areplotted along the boring log in Figure 2.The grain size distribution curves areplotted in Figure 3, which shows ratheruniform shape of the distribution. SPT,N-values are found to increase with thedecrease of the water contents in Figure4. Lab-testSandy material with 15%of fine grain size was prepared.ThesandWC=15%wasandadjustedtohavecompacted.Thespecimen was tested by Yamanaka coneFigure 4 SPT-N-value vs. Water ContentsFigure 5 Yamanaka Cone testas shown in Figure 5.Character defining element of geotechnical authenticity of theY.Iwasaki, GeoResearch Institute, M.Fukuda,Taisei Geotechthick filled mound for main tower, Bayon temple, AngkorM.Ishizuka, JASA SiemReap Office,S.Southy, JASA SiemReap OfficeR. MacCauthy, JASA SiemReap Office43 Figure 6 Mechanism of Yamanaka Cone TestFigure 7 Hardness Index and Bearing CapacityAs shown in Figure 6, the diameter of theinserted cone changes with the strength ofthe soil, Yamanaka cone can cover a widerange of bearing strength of soil from verysoft to hard soils as shown in Figure 7.Equivalent cohesion strength is shown inFigure 7 by the simple relationship ofC=P/(2+)=P/5.Figure 8 shows the change of the HardnessIndex with the drying process with time forsandy soils with 15% of fine soils. Watercontents decrease from 15 to 5% within 5days. The results are shown in Figures 9 and10. The equivalent cohesive strength atWC=10% shows about C=100kP (uniaxialFig.8 Yamanaka Index with drying process of sandy soil with 15% of fine soilcompression strength q = 200kPa.), which isabout the same stress level in the mound tosupport the main tower of Bayon temple.Figure 9 Yamanaka Index and Water ContentsFigure 10 Water contents and Bearing strength and Equivalent Cohesion5. Conclusion The unsaturated sandy soil in Angkor shows the same high strength as soft rock under dry state which enables thesupport of the heavy masonry stone main tower of Bayon. The sandy soil used as a foundation mound in ancient Angkor shows aspecial type of the grain size distribution that is one of the character defining elements of the material authenticity. The presentprinciples of preservation for Angkor monuments of the Angkor Charter 2014 do not recognize the importance of the soils andfoundations of ancient Khmer engineers. Soil and foundations are considered important only as the base of the structure. Thehistorical value and the special character of the soils and foundation are gradually being recognized as one of the character definingelements of the authenticity of Khmer structures.44
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  • タイトル
  • 粘性土に打設された基礎体周辺の変形挙動(川崎粘土に対するモデル試験)
  • 著者
  • 奥田大史・正垣孝晴
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 45〜46
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300023
  • 内容
  • 0023K - 07第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月粘性土に打設された基礎体周辺土の変形挙動三重津海軍所,世界遺産,打込杭,モデル試験,地盤の変形防衛大学校(学)○奥田 大史・(国)正垣 孝晴1. はじめに三重津海軍所は,2015 年に「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つとして,世界遺産に登録された。同船屋地区には,大型の木造建物が建設されていた記録 1)と整合する基礎体(木杭)が発掘調査で確認されている 2)。この木杭周辺の含水比 wn と非排水強度 cu の測定値から木杭の設置方法や役割,施工法等が検討されている 2)。。。。。。。。。。本稿は,この木杭の設置方法を検討したモデル試験 3)と同じ視点で,同地区の他の木杭の周辺土の wn と cu の変化を先のモデル試験の結果 3)から考察する。2. 船屋地区の木杭の状況と調査方法図-1 は,2017 年度の船屋地区の調査で発掘された A,B,C,D,E 列の木杭の位置を示している。これらは,船屋地区の開削部で発掘されたものであり,同地区全域の開削結果を示したものではない。C,D,E 列杭はB2~B4 列杭の北側部分の開削で発見されているが,試堀されていない B4 列以降の北側にも同様な杭が西側部に配置されていると予想されている。。。。。。。。。A 列杭は,20cm 径の樹皮なしの杉丸太であり,下端が水平に切断され,支持層である牡蠣層上の粘性土中図-1. 木杭とチューブサンプリングの位置(船屋地区)にある 2)。B 列杭は 10cm 径の樹皮付の松丸太 3 本の群杭として,杭先端角 30°程度に加工されてこの牡蠣層に打込まれている 2)。C と D 杭列は,B 列杭のそれと同E1じ形式であるが,E 列杭は写真-1 に示すように,A 列E2杭の杉丸太と B 列杭の松丸太 2 本の群杭として施工されている。本稿は,これらの施工法を検討し,それに続く各列の木杭の役割等は本稿の結果を踏まえて,今後検討することになる。。。。。。。。。。。。。。。本稿では,図-1 に示す A12 と E2 杭のトレンチ面で,先に検討した A11 杭 2),3)と同様に,杭周辺土の wn と cuの変化を測定して,杭が周辺地盤に及ぼしている影響から杭の施工法等を検討する。。。。。。。。。。。。3. A12 と E2 杭周辺土の含水比と強度の変化A12 の杭を 1/4 にトレンチして,杭周面と掘削面に対して図-2 の位置で水平方向にコーン貫入試験と wn を測定した。図-3 と 4 は,図-2 に示す南と西のトレンチ面の杭表面からの距離 Ds を同じ標高 E に対して,それぞ写真-1. E 列杭(杉と松丸太の群杭)れの図に wn と cu をプロットしている。これらの図では,wn と cu の測定結果を杭の影響を受けないと判断できる木杭表面から 60cm と 40cm 離れた wn(60)と cu(40)で徐した値で整理している。木杭の設置方法を検討したモデル試験 3)では,木杭からの距離 Dp が小さい領域で wn が低下し,cu が大きいことが明らかにされているが,この影響範囲に赤い線を描き,モデル試験のターゲットが影響を受けた範囲を青色の領域で示している。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。4. 杭貫入による周辺地盤の変形挙動に関するモデル試験との対応。。。。。。。。。。。。。。。。。。。図-3 と 4 には,モデル試験 3)で得た杭貫入による周辺地盤の影響範囲を青色の領域で併記している。モデル試験は川崎粘土を用いた qu≒57kN/m2 の地盤であり,粒度と塑性の観点でも船屋地区の木杭が設置された地盤と同様な粘性土である。A113)と同様に,A12 杭の赤線とモデル試験である青色の領域の対応は,比較的良好であると判断される。杭の施工法の記録はないが,このことは A11 杭 3)と同様に A12 杭も打込によって施図-2. 水平方向の CPT 位置(A12)工されたことを示していると解釈される。。。。。。。図-5 と 6 は,同様に E2 杭に対する wn と cu の対応でDeformation behavior around pile driven to clay deposit, D. Okuda, & T. Shogaki (National Defense Academy)45 ある。杭周辺wn/wn(60)(%)Southern wallcu/cu(40)(%)Western wallの wn と cu の変化は,E=110cmに限定されていて, A12 やA11 で確認された wn と cu の変化はないと判断される。A12 の杭長が120 c m で あ るのに対して,図-4. cu/cu(40)と Ds の関係(A12)図-3. wn/wn(60)と Ds の関係(A12)E2 のそれは60cm である。wn/wn(60)(%)杭長が短く,cu/cu(40)(%)打 込が周 辺地盤 に及ぼした 影響が 小さい と推察される。。。。。。。。。。写真-2 は,E2 杭の杉丸太 の中心 軸のト レンチ面で 採取し た試料 の位置を示 してい る。 試 料を採取し たチュ ーブ管 は,直径d5cm,高さ h5cm,肉厚1mm のステンレス性であ図-5. wn/wn(60)と Ds の関係(E2)図-6. cu/cu(40)と Ds の関係(E2)る。採取試料からはd15mm,h35mm の供試体を堆積方向に対して 90°表-1. チューブ管で採取した試料の qu と wnの 角度で 作成し て,一軸(E2 トレンチの南面)圧縮強さ q u を測定した。14表-1 は,その結果をまとSamplew n(%) q u(kN/m²)めている。写真-2 に示すE2-197.559.0杭直下である 1 の位置のE2-2120.836.87w n は 97.6%と他より小さ8151E2-3127.019.62く,qu も 59.1kN/m と大きE2-4124.439.31いことから,E2 杭の杉丸E2-5102.322.8413太 の貫入 の影響 と推察さE2-6118.141.31916れ る。し かし, この範囲E2-7129.630.3は 限定的 であり ,他のチ02E2-8112.741.71ュ ーブ管 の位置 は同等の56E2-998.030.7値である。このことは E217杭 の杉丸 太は打 設後の荷1重を受けていないことを示している。したがって,E2 の群杭は 2 本の松杭318で上部荷重を支持したことになる。以上の検討を踏まえた建物の形態や規模の考察は,今後の課題である。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。25. おわりに。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。三重津海軍所の杭遺構の周辺地盤の wn と cu の挙動とモデル試験 3)で検討した半割杭の貫入による周辺地盤の変形挙動は同様であり,三重津海軍所写真-2. チューブ管による試料採取位置遺構の杭遺構は,A~E 列すべて打込により施工されたと推察された。E 列(E2 トレンチの南面)杭は A 列杭に比して杭長が短く,打込が周辺地盤に及ぼした影響が小さく,またコーン貫入試験,含水比,一軸圧縮試験の結果は,打設後に上部荷重を受けていないことから,群杭内の他の 2 本の松杭で上部荷重を支持したと推察された。また,A 列杭のような杭先端が平坦で支持地盤まで杭が到達していない打込杭の施工法は極めてまれであり,杉丸太は柱である可能性もある。当時の基礎体や施工の意図を考察することは当時の施設の解釈や復元に不可欠である。今後,従来のモデル地盤(qu=57.0 kN/m2)より強度の小さい地盤に対するモデル試験も予定している。............................... 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。る。。。。。参考文献。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。1) 佐賀県立図書館蔵郷土 1058,「三重津御船屋絵図」;安政 2~4 年(1855~ 57)頃と考えられる三重津船屋.。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。2) 正垣・奥田・中野:三重津海軍所船屋地区の土木遺構としての木杭の荷重履歴,第 14 回地盤工学会関東支部発表会,pp.25-28,2017. 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。3) 奥田・正垣:木杭打設による周辺地盤の変形挙動に関するモデル試験,第 45 回土木学会関東支部技術研究発表会,Ⅲ-2,CDR, 2018.。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。46
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  • タイトル
  • 三重津海軍所ドライドック渠口西側部の渠壁構造と施工時の安定性
  • 著者
  • 中野義仁・正垣孝晴・奥田大史・鈴木直文
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 47〜48
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300024
  • 内容
  • 0024H - 07第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月三重津海軍所ドライドック渠口西側部の渠壁構造と施工時の安定性世界遺産,三重津海軍所,ドライドック,有明粘土,円弧すべり防衛大学校 (国)正垣孝晴(学)奥田大史和 (国)中野義仁(正)鈴木直文(株)興1.はじめに2015 年に登録された世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つである三重津海軍所のドライドックでは,2013 年と 2015 年に発掘調査が行われている。これら調査では,ドック東側と渠口西側部にて,それぞれ木組みによる渠壁と木組みがない土構造の渠壁と渠底が確認され,2016 年からドックの全体構造や設計思想等の解明の一環として,ドック構築に利用された材料の産地特定を含む渠壁と渠底の地盤工学的解釈 1)~4)の検討が行われている。本稿は,同様の目的で 2015 年の発掘調査で行ったコーン貫入試験および渠壁と渠底で採取した試料に対する一軸圧縮試験結果から,渠口西側部の渠壁と渠底の構造および施工時の安定性について検討・考察する。2.調査位置と方法ドライドックの範囲と渠口西側の発掘調査時のトレンチ 2 の位置を図-1 に示す。また,トレンチ 2 内で行った内径 25mm の塩ビパイプによる試料採取位置(a~h)とポータブルコーン貫入試験(JGS 1431)位置(Cone1~3)を各地点の標高(E)と併せて図-2 に示す。塩ビパイプで採取した試料は,長さ 50mm に切断し,その中から小型供試体(直径 d15mm,高さ h35mm)を作成してサクション測定を伴う一軸圧縮試験を行っている 4)。3.渠壁西側と渠底部の構造図-2 の渠壁から渠底を結ぶ断面(Ⅰ~Ⅲ)から作成した渠壁西側からドック中心軸付近の渠底までの推定土層構造を図-3 に示す。トレンチ掘削底より深い部分は,Cone1~3 と近隣既存ボーリング結果から推定している。ドック周辺地盤の最上部には有明粘土(Ac1)が堆積し,ドックは同粘土層中に設けられたことが分かる。また,Cone1 と 2 の E=-2m 付近からコーン指数(qc)が深度方向に図-1. ドライドックと各種調査位置No. 標高, E (m) 挿入長(m) ▲:ポータブルコーン貫入試験(Cone1~3)4)a-0.8851.73□:φ25mm塩ビパイプによる試料採取b-0.8841.75(a~h)4)c-1.7801.60:渠壁~渠底観察断面(Ⅰ~Ⅲ)d-1.4801.45渠壁法肩 渠壁法尻 ドック中心軸e-1.2771.15(推定)(推定)(推定)f0.4501.25g0.1100.46h0.2001.78No. 標高, E (m) 測定深さ(m)Cone1 -0.8613.00Cone2 0.2044.10Cone3 0.4451.300大きくなる傾向がその上位部よりも強いことから,同深度から Ac1 層が堆積していると推定される。表層の T1~T3 層は,ドック閉鎖(1871 年頃)後の堆積や土aⅠ5(m)Ⅲ高水敷の盛土f地改変によるものである。この内,T2 は 1902 年に海軍所跡地に海員養成学校hcdeⅡ Cone2gCone3下段渠底渠壁が建設されており,それに伴う削平や埋め立てによるものと推定している。上段:当時の地表面(推定)Cone1b?渠壁西側と渠底部の構造は,土の色調変化と混入物の有無などに加え,図図-2. トレンチ 2 内の調査位置-4 に示すように渠壁法尻付近と渠底に土俵を層状に積み上げた痕跡が確認されることから A1~F の 7 層に区分される。この内,E 層は牡蠣殻密集層となっており,この層は図-1 に示すトレンチ 1 で発掘された木組による東側の渠壁下でも同じ E で確認されている。渠壁西側と渠底部の施工は,図-3 に示すA1~F の順であったと推察しているが,トレンチ 2 の渠底には E 層のような牡蠣殻密集層は確認されておらず,同層を構築した目的やその連続性については未だ不明である。さらに,E 層下の A1 層は,図-4 に示した土俵の外形時代跡は確認できないが,部分的に俵の模様跡が確認され,A1 層まで人工的に構築されたと推察している。しかし,その施工にはドック断面以上の広範囲な地盤掘削を要したことになり,層区分表土・盛土・埋土閉鎖後の堆積粘土渠底部色T2T3A2, C, D, G完 渠壁部新世 有 粘性土(上部)明粘土 砂・砂質土層 粘性土(下部)上位の E と F 層も含めてドックと同時期に施工記号T1A1, B, E, FAc1Ac1貝殻混じりAs1Ac2:トレンチ掘削底(掘削底より下位は,各種調査・試験結果から推定)▽ :f, gのφ25mm塩ビパイプ貫入による牡蠣殻密集層(E)の上面深度確認位置されたのかの判断は今後の課題である。図-3. 渠壁西側と渠底部の推定土層構造4.渠壁西側と渠底部の材料とその強度特性渠壁西側と渠底に利用されている粘性土の粒度分布と塩ビパイプで採取した試料による一軸圧縮試験結果を,それぞれ図-5Starboard wall structure near the entrance of Mietsu Naval Dry Dock and its stability under construction:Takaharu Shogaki, &Daishi Okuda (National Defense Academy), Yoshihito Nakano & Naofumi Suzuki (Kowa Co.,Ltd.).47 通過質量百分率(%)のチューブサンプリングで得た Ac1 と渠口付ている。渠壁西側と渠底部に利用された粘性土は,高液性限界の砂質シルトに分類され,その粒径加積曲線はドック周辺に堆積するた,図-6(a)と(b)に示す渠壁西側と渠底部の材礫80渠壁西側と渠底部の範囲6040Ac1の範囲(既No.1~7)6)~8)20ドック渠口付近水際の浮泥白破線:土俵の痕跡00.001図-4. B~G 層の土俵の痕跡料の自然含水比 wn と湿潤密度 ρt は,それぞれ 69~139%と 1.32~ρt (g/cm3)wn (%)50 100 150 1.2 1.4 1.6 12)は,三重津海軍所の敷地を含む広い壁東側に用いられた粘性土は早津江川に遡上する浮泥である Ac1であると推察している。これらの結果は,渠壁西側と渠底部の粘性土も渠壁東側と同様に Ac1 相当の粘土であることを示している。塩ビパイプで採取した西側渠壁と渠底部の粘性土の一軸圧縮強さ qu(v)は,図-6(c)~(e)の●と▲に示すように,pm/S0〔pm:有効土被り圧 σ’v0 から得た有効応力(2σ’v0/3),S0:サクション〕が大きく,破壊ひずみ εf も Ac1(既 No.1~7) の 1.5~6 倍であり,試料の乱れが影響して Ac1(既 No.1~7)や qc から推定した qu(=qc/5 kN/m2) より値が小さいプロットが多い。図-6(d)には,正垣の簡便法 9)で得た qu(v)に対する 2cu(I)もプロットしている。2cu(I)は,K0 圧密三軸圧縮試験による原位置圧密降伏応力下の非排水せん断強度とも対応することが確0.1粒径, d (mm)110pm/S010 200qu (kN/m2)50 100 0εf (%)5 10 152(c)(d)(a)(b)(e)1.510.50-0.5-1-1.5-2-2.5-3-3.5-4-4.5●:渠底部A2, B, C, D, G【a~e】4)▲:渠壁部F【f, g】4)■:堆積粘土T3【h】4)◆:渠底下Ac1【c】4) +:Ac1【既No.1~7】6)~8):Cone14):Cone24)○, △, □, ◇:渠底部, 渠壁部, T3, 渠底下Ac1の2cu(I)【 】:試料採取位置標高, E (m)範囲から採取した浮泥と渠壁東側材料の粒度組成の比較から,渠0.01図-5. 渠壁西側と渠底材料の粒度分布1.54g/cm3 であり,既 No.1~7 の Ac1(wn=65~140%,ρt=1.33~1.61g/cm3)と同等である。正垣ら砂100近の早津江川水際の浮泥の粒度分布も示しAc1 のそれと同様で,浮泥とも同じである。まシルト粘土と図-6 に示す。図-5 には,既 No.1~7 で従来図-6. 渠壁西側と渠底材料の一軸圧縮試験結果認されている 9)。渠壁西側と渠底部の 2cu(I)は,qu(v)と qc から推定した qu に対し,それぞれ平均値で 2.2 倍と 2.1 倍の値になっている。qu(v)/2:Fs(min)=2.143(a)完成時cu(I):Fs(min)=2.7455.渠壁西側と渠底部の施工時の安定性渠壁西側と渠底部の施工過程は未だ不明な部分はあるが,完成した形状はW.L:E=-1.755mBFGDCEA1図-3 に示す構造であると推察している。また,船の入・出渠は,潮位の干満差によるドック内の水位(W.L)の変化を利用しており,渠壁と渠底の安定性は,ドックのAc1完成後も水位変化の影響を受けていたと考えられる。したがって,ドック完成時,As1A205(m)満水時,水位急低下時の渠壁と渠底部の円弧すべりに対する安定性を試算する。 (b)満水時, 水位急低下時解析方法は,現行の各種指針等で多用されている修正 Fellenius を用いて,水位水位急低下時Fs(min)=1.813満水時Fs(min)=2.410急低下時は渠壁背面の浸潤線下に間隙水圧が 100%残留すると仮定した。地盤満水時W.L:E=2.075m定数は,図-6 から各層の平均値を用いている。また,有効応力表示の強度定数は,正規圧密状態を仮定して cu(I)と pm の関係から評価した。ここで,E 層は試料が採取できていないため,F 層のそれと同じにしている。FBG低下時W.L:E=-0.810mEA1DCA2Ac1安定解析結果を図-7(a)と(b)に示す。(a)は,平均干潮位まで地下水位を低下させ,ドライの状態で施工されたと仮定した場合のドック完成時の結果である。(b)は,平均満潮位までドック内の水位が上昇した満水時と,その状態から渠底まで0As15(m)※完成時:全応力解析,満水時・水位急低下時:有効応力解析図-7. 安定解析結果水位が急激に低下した場合の結果である。完成時の qu(v)/2 と cu(I)を用いた最小安全率 Fs(min),は,それぞれ 2.143 と 2.745 であり,qu(v)/2 の Fs(min)は試料の乱れを反映して cu(I)の約 78%と小さい。しかし,何れも現行の各種指針等で準用されている目標 Fs≧1.20~1.25 が得られ,ドック施工中の安定性の問題は少なかったと推察される。また,満水時と水位が急激に低下した時の Fs(min)は,それぞれ 2.410 と 1.813 であり,供用後のドック内の水位変化による安定性の問題も少なかったと推察される。6.おわりに渠口西側部の渠壁と渠底に利用された粘性土は,ドック周辺の Ac1 と同じ粒度特性であり,渠壁と渠底の安定性は施工中と供用後のドック内の水位変化に対しても高かったと推察された。本稿の安定解析は,A1~F 層の施工過程や E 層の強度特性など,未解明な部分を仮定した結果である。これらを考慮した解析結果の精緻化は,今後の発掘調査を踏まえた検討に委ねられる。〈参考文献〉1)正垣・中野:三重津海軍所ドライドック渠底部の地盤工学的解釈, 土木学会第 71 回年次学術講演概要集, pp.1-2, 2016. 2)正垣・中野・鈴木:三重津海軍所ドライドックで使われた砂と粘土の産地特定と施工法, 土木学会第 71 回年次学術講演概要集, pp.47-48, 2016. 3)正垣・中野・鈴木:早津江川に遡上する浮泥の粒度と塑性的性質の定点調査, 第 52 回地盤工学研究発表会講演集, pp.319-320, 2017. 4)正垣・為廣・中野:25mm 径の塩ビパイプで採取した粘性土の原位置強度推定, 第 52 回地盤工学研究発表会講演集, pp.277-278, 2017. 5)正垣・渡邊・奥田・中野:小径倍圧型サンプラーで採取した有明粘土の原位置非排水強度と圧密特性, 第 14 回地盤工学会関東支部発表会講演集(Web 版). 6)川副町企画商工課:委託第 1 号平成 12 年度佐野記念館公園地質調査業務委託, 地質調査報告書, 平成 13 年 2 月. 7)川副町水産課:平成 13 年度 戸ケ里漁港(早津江地区)修築(19 号物揚場地質調査)委託報告書, 平成 13 年 11 月. 8)国立研究開発法人土木研究所:国土地盤情報検索サイト"KuniJiban". 9)正垣:性能設計のための地盤工学, 鹿島出版会, pp.94-100, 2012.48
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  • タイトル
  • 古墳墳丘の動的特性と地震による破壊メカニズムの研究
  • 著者
  • Enkhtuvshin Tumurkhuyag・澤田茉伊・三村 衛
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 49〜50
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300025
  • 内容
  • 0025D - 07第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月古墳墳丘の動的挙動特性と地震による破壊メカニズムの研究地盤遺産遠心模型実験引張亀裂京都大学大学院工学研究科学生会員京都大学大学院工学研究科国際会員澤田茉伊京都大学大学院工学研究科国際会員三村衛はじめに1.○TUMURKHUYAGENKHTUVSHINCase-2:石室がない場合歴史的地盤構造物である古墳を文化遺産として保存Case-3:樹脂板間に土粒子を付着させ,石材間の摩擦の影響を調べるして後世に伝えていくことが非常に重要である.しかCase-4:Case1 の樹脂板を取り除き,石材が著しく劣し,地震などの自然作用により損傷している古墳も多化している場合を想定く,的確な修復・保存対策を必要としている.ただし,外観上の対症療法では,被害の再発や悪化を招く恐れ本実験では,入力波の変位振幅を 0.1~1.0mm の範囲があるため,損傷メカニズムを科学的に明らかにし,で,0.1mm 刻みで計 10 段階のステップ加振を行った.根本的に損傷を抑制できる修復・保存技術が求められ入力波には,100Hz(プロトタイプで 2Hz),主要動 20 波ている.のテーパー付き正弦波を用いた.3. 実験結果そこで,本研究では,動的遠心模型実験および数値解析によって動的挙動を定量的に評価し,地震時にお図-2 に,各ケースの実験終了時の破壊の様子を示す.ける古墳墳丘の破壊メカニズムを明らかにすることをCase-1,2,3 のいずれも,天端と法面表層に亀裂が生目的とする.2. 実験概要じた.石室を内包する Case-1 と 3 を比較すると,Case1 では,入力加速度が大きくなると次第に石室の側壁が本実験では,遠心力 50G 場において剛性土槽を用い内側にすべり,背面の土が崩れる挙動が見られた.一て動的遠心模型実験を実施した.模型の条件は高松塚方,Case-3 においては,墳丘表層には Case-1 と同様の古墳(円墳,直径 18m,高さ 5.0m)を参考に決定した.亀裂が生じ,また石室隅角部から進展した亀裂が見ら図-1 に,実験模型ならびに計測項目の概略図を示す.れたが,石室は変形しなかった.これは石室間の摩擦が十分発揮されていることに起因すると考えられる.実験材料及びモデル化(1)実験材料として 2mm 以下にふるい分けした墳丘土をなお,空洞を支える樹脂板が無い Case-4 では,天井部用いた.墳丘盛土に関しては,高松塚古墳の原位置試が脆性的に落下し,両法肩が空洞内に落ち込む挙動を1)験示した.を参考に,含水比 15%に調整し,Vs=130m/s を目標に,密度を変化させて動的変形試験を行った結果,各実験ケースにおいて,レーザー変位計の測定点に湿潤密度 ρt は 1.58g/cm3 に決定した.一方,基礎地盤はおける残留変位を求めた.図-3 に Case-1 における,残墳丘盛土に対して,十分剛性の高い地盤(Vs=240m/s)に留変位と地表面加速度の関係を示す.図中に,残留変なるよう,墳丘土と消石灰を混合(乾燥重量比で 10:1)位は図-1 における青矢印の方向を負としており,天端3し,ρt=1.91g/cm に設定した.石室については,寸法とが沈下し,法面が側方に変位する様子が読み取れる.密度が高松塚古墳の石室を参考に,相似率を満足するただし,右側の法尻では,初期からこれと異なる挙動ように 4 枚のエポキシ樹脂板を用いて模擬した.なお,を示しているが,再現性は確認されなかったため,変樹脂板同士は接着していない.位計測用のターゲットが動いた可能性が考えられる.実験ケースと入力波Case-1 では,地表面の最大加速度が 300gal 程度になる(2)と変形が生じはじめるが,Case-2 と 3 では,450gal 前本研究では,以下の 4 つの模型を用いて実験を行い,石室の有無,石材の摩擦の大小,石材の有無が破壊形後まで変形はほとんど生じなかった.また,Case-4 は態に与える影響を調べた.最も変形が生じやすく,150gal 程度から変形が生じた.Case-1:図-1 に示す図-1 実験模型ならびに計測項目の概略図図-2 各ケースの加振後の写真Study on the Seismic Behavior and Failure Mechanism ofTumulus MoundsTumurkhuyag Enkhtuvshin, Sawada Mai, Mimura Mamoru:Kyoto Univ.49 (mm)残留変位が顕著左法尻左法肩残留変位な加振ステップ加速度 (m/s2)左法肩右法尻天端地表面最大加速度図-3黒:実験赤:解析天端(gal)墳丘内盛土底面Case-1 の墳丘部残留変位と地表面加速度関係G/G0減衰定数h果時間(s)Case-1 の中加振レベルの加速度波形図-5-200-10せん断ひずみ γ図-4 盛土の動的変形特性Case-11020kN/m2304050Case-2遠心模型実験の再現解析4.(1)数値解析の概要図-6 a)最小主応力の分布図模型実験で観察された破壊メカニズムの詳細な検討を行うために,Case-1 及び Case-2 の二つのケースで再Case-1Case-2現解析を実施し,応力状態の考察を行った.地表面以上をモデル化し,盛土底面で観測した加速度波形を入力波とした.墳丘には修正 Ramberg-Osgood モデルを適図-6 b) 最大せん断応力の分布図用した.図-4 に示す動的変形試験にフィッティングし,せん断ひずみが 10-3 程度までのひずみレベルを再現で80-90 度,法面では 40-50 度,石室隅角部では,60-80きるようなパラメータを設定した.また,石室を構成度程度となり,実験後に観察された亀裂の方向と類似する樹脂板自体はここでは変形しないよう境界条件をしている.Case-1 では,石室周辺にわずかにせん断強設定とした.ただし,樹脂板と地盤間および樹脂板間度を超えるせん断応力が発生する要素が点在し,さらにはジョイント要素を設けて剥離・すべりを考慮できに大加振レベルではその数が増え,せん断応力も亀裂るモデルとした.に多少寄与していると考えられるが,実験で確認され(2)解析ケースと入力波形た亀裂の箇所と方向は引張応力の発生個所と合致して解析ケースとして模型実験でほとんど変形が生じなおり,引張応力が亀裂の主要な要因と考えられる.い小加振(ステップ加振の 2 波目に相当,盛土底面での加速度振幅 Acc=160gal),顕著な変形が生じる大加5.結論振(6 波目,Acc=500gal)とその中間となる中加振(4模型実験により,石室の有無によらず,墳丘の天端波目,Acc=380gal)の計 3 波で再現解析を実施した.と法面表層に亀裂が生じ,また石室を内包する場合は,図-5 に,一例として Case-1 の中加振レベルにおける実石材間の摩擦や石材の有無が墳丘の破壊形態に大きく験と解析の応答加速度の時刻歴の比較を示すが,解析影響することがわかった.摩擦が小さい場合や,盛土は実験をよく再現できている.荷重に抵抗できないほど石材が劣化している場合は,(3)応力分布に基づく破壊メカニズムの考察耐震性が低く,石室の損傷が大きくなる可能性が高い.入力波の 11 波目の最小主応力と最大せん断応力が極さらに,模型実験の再現解析することにより,実験で値になる時間領域に着目し,それぞれの分布を調べた.確認された亀裂の要因を考察した.解析から推定されCase-1 及び Case-2 の中加振における最小主応力分布図る主応力分布図より,天端と法面表層,及び石室隅角を図-6 に示す.墳丘法面及び天端に引張応力が発生し部における亀裂が引張応力によって生じていることがている.この引張領域は,入力波が大きくなるに従い,確認できた.大きくなる傾向にある.そして,引張応力が集中する参考文献 1) 三村衛,石崎武志,高松塚古墳墳丘の現状とその地盤特性箇所とその作用面の角度が,天端では水平面に対してについて,地盤工学ジャーナル,Vol.1,No.4,pp.157-168,20050
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  • タイトル
  • 傾斜地盤上に構築された墳丘の地震時破壊メカニズムに関する実験的研究
  • 著者
  • 有働龍也・澤田茉伊・Enkhtuvshin Tumurkhuyag・三村 衛
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 51〜52
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300026
  • 内容
  • 0026D - 07第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月傾斜地盤上に構築された墳丘の地震時破壊メカニズムに関する実験的研究遠心載荷実験 地盤遺産 動的挙動京都大学大学院学生会員 ◯有働 龍也京都大学大学院学生会員Tumurkhuyag Enkhtuvshin京都大学大学院国際会員澤田 茉伊京都大学大学院国際会員三村 衛目の概略図を示す.1.はじめに歴史的地盤構造物である古墳を文化遺産として後世に伝え実験材料として 2mm 以下にふるい分けした牽牛子塚古墳ていくことは非常に重要であるが,自然作用により損傷しての発掘残土を用いた.盛土は,高松塚古墳の原位置試験 2)をいる古墳も多く,特に地震による被害は甚大である.図-1 は,参考に,含水比 15%に調整し,Vs=130m/s を目標に,密度を釜尾古墳の被災の様子であるが,平成 28 年熊本地震でも,多変化させて動的変形試験を行った結果,乾燥密度 ρ tをくの古墳で墳丘の崩壊や落石が発生した .外観上の対症療1.58g/cm3 に設定した.一方,地山は盛土に対して,十分剛性法では,被害の再発や悪化を招く恐れがあるため,地盤工学が高くなるように,試料に固化材として消石灰を混合(乾燥に基づき破壊メカニズムを明らかにし,有効な修復・保存技重量比で 10:1)し,ρt=1.71g/cm3(Vs=240m/s 相当)に設術を研究する必要がある.定した.石室は,板厚 0.5m の石材を 4 枚組み合わせたもの1)そこで本研究では,動的遠心模型実験によって,墳丘の地(内寸:幅 1.03m,高さ 1.13m)を想定し,寸法と密度が相震時の動的挙動と破壊メカニズムを解明することを目的とす似率を満足するようエポキシ樹脂板を用いて作製した.ただる.土量が多い古墳は,地形を利用して築造されているが,し,樹脂板同士は接着しない.なお,盛土の前面には直径 5mm切土した傾斜地山の一部を墳丘とした場合が多く見受けられのターゲットを埋め込み,実験前後に撮影した写真を画像解る.本研究では特に,このような傾斜地山に構築された古墳析することにより,盛土の変形をとらえられるようにした.を対象とし,地山形状が破壊形態に与える影響を考察した.加振においては,入力波形として,100Hz(プロトタイプで 2Hz),20 波のテーパー付き正弦波を用いた.そして,入2.実験概要本実験では,50G 場において剛性土槽を用いて動的遠心模力加速度の大きさごとに,墳丘部分の変位・加速度の応答を型実験を実施した.模型の条件は高松塚古墳(円墳,直径18m,調べるため,10 段階のステップ加振を行った.高さ 5.0m)を参考とし,墳丘の縦断面を対象とした.高松塚3.地山形状が盛土の応答に与える影響古墳をはじめ,奈良県高市郡明日香村の古墳では,宗教上のまず,地山の傾斜が墳丘に与える影響を考察するため,図理由,もしくは土量の削減のためと考えられるが,南側斜面-2 と同じ寸法で,石室がない盛土模型を用いて,地山が傾斜の一部を切土して造られるものが多く,いくつかの古墳ではしている場合と水平な場合 3)とを比較する.地震痕が発掘されている.図-2 に,実験模型ならびに計測項実験後,地山の形状によらず,残留変位はどの測定箇所でも約 1mm 以下と小さく,有意な差は見られなかった.しかし,地山が傾斜している場合は,盛土に亀裂が生じないのに対し,地山が水平な場合は,天端と法面に亀裂が生じた(図-3).また,振動台の特性上,入力波は 2Hz を超える高周波の波が多少含まれ,これが増幅率の算定に影響するため,各ステップで得られた加速度波形をスペクトル解析し,100Hz におけるフーリエ振幅を用いて算定した.その結果,増幅率(盛土内もしくは天端のフーリエ振幅/盛土下のフーリエ振幅)を求めたところ,地山が傾斜している場合は,1.23,1.19 で図-1 震災後の釜尾古墳の様子 1)あるのに対し,水平な場合は,1.61,1.98 となっており,水平な方が墳丘の増幅率が高い.このように地山が傾斜している場合の方が,盛土の加速度応答が小さく,損傷がほとんレーザー変位計Unit:mm13010065加速度計石室外径:40×70内径:20×504040180110図-3 水平地山の場合に盛土に生じた亀裂の様子図-2 模型概略図図-1 実験模型ならびに計測項目の概略図Experimental Study on the Mechanism of Seismic Damage of Burial Mounds Constructed on SlopesUdou Tatsuya,, Tumurkhuyag Enkhtuvshin Sawada Mai, Mimura Mamoru (Kyoto University),51 図-5 に示す.変位は,図-2 において赤矢印の方向への変位を負とする.ここでは,各加振ステップの時刻歴波形の加振前後の変位の差の累積値を残留変位とする.振動台の最大加速度が約 250m/s2 になると,斜面と逆側の法肩・法尻が斜面から離れるように変位し,天端が沈下しており,図-4 の画像解析とも合致している.なお,破線で示す最終の 2 ステップでは,これと異なる挙動を示す計測点があるが,これは盛土図-4 実験後の写真の変形が大きくなり,変位計測用のターゲットが転倒したためだと考えられる.30残留変位(mm)10 段階のステップ加振の代表として,5 ステップ目の加速度の時刻歴波形を図-6 に示す.増幅率は,盛土内では 1.42,10天端天端では 1.25 であり,石室がない場合よりも大きくなってい法肩左-100100200300400500法肩右る.法尻左5.石室石材の摩擦の影響法尻右以上では,石室の天井部の滑りを伴う破壊が見られたが,実験で用いた石室石材を模擬したエポキシ樹脂板は,断面が-30比較的なめらかであり,実際の古墳の石室ではより石材間の振動台加速度(m/s2)摩擦が大きい.そこで,図-7 のように樹脂板の断面に試料を図-5 振動台の最大加速度と残留変位付着させて,摩擦を大きくした場合についても実験を行った.200加速度 (m/s2)加速度 (m/s2)振動台0-200盛土下200試料を付着させない場合は c=10.2kN/m2,φ=17.9°,付着さ0せる場合は,c=11.6kN/m2,φ=32.6°となった.10 段階の加-200-400-40011.11.21.3時間 (s)1.411.54001.11.21.3時間 (s)1.41.50-200天端200であった.これらは石材間の摩擦により,天井の滑りが抑制0されたためと考えられる.また,盛土下に対する増幅率につ-200いては,盛土内は 1.14,天端は 1.05 であり,摩擦が小さい場-400-40011.11.21.3時間 (s)1.41.5振を行ったところ,石室の変形や盛土の亀裂が見られず,残留変位も小さく,最終加振ステップにおいてもわずか 0.8mm400盛土内200加速度 (m/s2)加速度 (m/s2)なお,樹脂板間の摩擦を一面せん断試験で評価したところ,40040011.11.21.3時間 (s)1.41.5図-6 加振 5 ステップ目の加速度の時刻歴波形合よりも揺れにくい.石材間の摩擦の大小によって,破壊の程度や増幅率に顕著な差が見られたことから,摩擦が古墳の耐震性に与える影響は大きく,石室を修復する際は,石材間を接着,間詰めする必要があると考えられる.6.結論本研究で,動的遠心模型実験を用いて墳丘の加振時の挙動を観察し,動的応答を定量的に評価することができた.傾斜地盤上に構築された盛土は,水平地盤上に構築された盛土よ側壁天井りも揺れが抑制され,墳丘の損傷の程度も小さいことがわか床った.石室を有する盛土は,石材間の摩擦が小さい場合は,振動台の最大加速度が約 250m/s2 になると,地山側の石室隅図-7 試料を付着させて摩擦を大きくした樹脂ど見られないことは,盛土の斜面側への変形が拘束されるこ板に試料をまぶせた様子角部に大きな亀裂が生じ,石室の天井と,上部の盛土が地山とに起因すると考えられる.から離れるように変位した.また,石材間の摩擦が大きい場4.傾斜地盤に構築された墳丘の破壊メカニズム合は,変形はほとんど見られず,石室間の摩擦が耐震性に与える影響が大きいことがわかった.次に,図-2 の石室を内包する傾斜地山の盛土に対して実験を行った.実験後の写真および画像解析結果を図-4 に示す.参考文献地山側の石室隅角部より法肩にかけて大きく亀裂が生じ,石1)文化庁,熊本県教育庁:平成 28 年熊本地震による古墳の被害状況について,2017.室の天井と,上部の盛土が地山と逆側にずれ動いていること2)がわかる.これは,斜面と逆側への変形が卓越し,これに伴三村衛,石崎武志:高松塚古墳墳丘の現状とその地盤特性について,地盤工学ジャーナル,Vol.1,No.4,pp.157-168,2006.って天井が滑り,地山側の隅角部で引張応力が生じ,亀裂が3)発生したものと考えられる.実験は,何度か実施したが,いTumurkhuyag Enkhtuvshin:古墳墳丘の動的挙動特性と地震によずれも同様の破壊形態を示した.画像解析によると,天井はる破壊メカニズムの研究,第 53 回地盤工学研究発表会梗概集13.4mm 移動した.振動台の最大加速度と残留変位の関係を(投稿中).52
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  • タイトル
  • 岩石試験に用いる供試体の作製精度について
  • 著者
  • 城下 学・松岡辰雄
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 53〜54
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300027
  • 内容
  • 0027第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月F - 00岩石試験に用いる供試体の作製精度について岩石供試体西日本技術開発㈱正会員○城下西日本技術開発㈱正会員松岡学辰雄1.はじめに供試体の整形精度は,現行の JGS 基準の一軸圧縮試験や各種三軸圧縮試験などの力学試験の中に規定されている。しかし,各基準で整形精度の規定に異なる点もあり,力学試験と併せて実施する超音波速度試験の解説の記載内容や上位規格の JIS 規格とも相違がある。さらに,整形精度が記載されているにもかかわらず,その確認方法が記載されていない。このため,今回,岩種・岩級の異なる供試体を用いて現行基準の整形精度の検証と問題点,確認方法の提案,整形精度が超音波速度(P 波速度)や一軸圧縮試験結果に与える影響などの検証を行ったので報告する。2.現行基準の問題点基準に示されている整形精度のうち,一軸圧縮試験1)平面度を例にとると,硬 岩 で は 次 の よ う に 規定 され て い る。 「供 試 体 の 両 端 面 の 凹 凸 は ,幾何学的平行二面平面形体0.02mm 以上の凹凸がないように平滑にする。また,両端面は供試体の軸図-1 平面度の定義に直交するものとし,そのずれは 0.001 ラジアン以内あるいは,50mm で端面の平面度0.05mm 以内」とする。規定のうち「供試体の両端面は 0.02mm 以上の凹凸がないように平滑にする。」は,平面度と理解できるが,供試体の平面度のみを正確に測定,確認する方法がない。平面度拡大の定義は,JIS B 06212)によれば,「平面形体の幾何学的に正しい平面からの狂いの大きさ」である。平面度は,図-1 に示すように平面形体を幾何学的平行二面で挟んだとき,平行二平面の間隔が最小端面の平行度供試体となる二平面の間隔で表すとある。つまり平面の滑らかさを示す数値が平面度である。しかし,供試体の場合,平面形体ではないため,図-2 に示すように両端面の凹凸のみを測定するのは困難であり,両端面の平面度と平行度の誤差を含むことになる。また,上位規格の JIS M 0302 岩石の圧縮強さ試験方法3)でも,供試体の両端面の凹凸のみを測定することは困難であることから,両端面の平面度端面の平行度と平行度を含んだ測定方法となっている(以下,端面の平面度・平行度)。同様に,側面の規定についても現行基準では「供試体側面は,滑らかで凹凸がなく,供試体全長にわたってまっすぐなものとし,その平滑さは 0.3mm 以内とする」とある。ASTM D 4543 のように定盤上に V ブロックを据えた状態で測定を行った場合も,図-3 に示すように側面の平行度の誤差を含むこ図-2 端面の平面度   ・平行度側面の平面度拡大とになり,側面の凹凸のみを測定することは困難である(以下,側面の平面供試体側面の平行度度・平行度)。さらに,「両端面は供試体の軸に直交するものとし,そのずれは,0.001 ラジアン以内あるいは,50mm で 0.05mm 以内」と規定されている。側面の平行度しかし,実物の供試体の軸がどこにあるか明確には分からず確認の方法がない。このため,理想的な状態を想定すると側面と端面が完全に垂直な場合,軸と直図-3 側面の平面度・平行度交することになる。これより,この規定を側面と端面の垂直度と解釈すれば,定盤上に供試体を置いた状態ですきまゲージをあて,最も傾斜した箇硬岩0.1mm軟岩0.4mmθh硬岩0.07mm軟岩0.2mm→x→→垂直度と解釈する。→所で測定を行えば確認できるため本論文中では,この記載は側面と端面のH=100mm供試体3.整形精度の検証と試算1)端面の平面度・平行度⇒θ現行基準の硬岩の規定を満足し,誤差が最大となるのは,供試体の片方硬岩:0.3mm以内軟岩:規定なしの端面が端面と側面の垂直度 0.001 ラジアンの誤差で整形され,平面度が0.02mm の場合である。供試体直径が 50mm の場合,端面の平行度のみの誤差は 50mm×sin0.0573=0.05mm であり,これに平面の凹凸 0.02mm を加えると,端面の平面度・平行度の合計は最大で 0.07mm となる。硬岩:0.02mm以内軟岩:規定なしθCLD=50mm図-4 側面の平面度・平行度一方,JIS M 0302 は平面度と平行度を含んだ状態で 0.1mm と規定されており,わずか 0.03mm の差である。また,平面度のみの測定の困難さも考慮すれば,端面の平面度・平行度の精度は 0.1mm 程度が実務上は妥当な数値と考えられる。また,図-5 に「誤差が小さくなる方法 1(詳細は次項で後述)」で測定した側面の平面度・平行度と端面の平面度・平行度の関係を示している。端面については,キャッピングや研磨での修正が可能であるが,現状修正の方Accuracy of specimens preparation for rock testJYOSHITA, Manabu West japan Engineering ConsultantsMATSUOKA, Tatsuo West japan Engineering Consultants53 法がない側面の精度については,一軸・三軸試験の 0.3mm でもか0.8体の採取は,ボーリングコアとブロックサンプリングによる室内でのコアリングが大半で側面の修正方法がないこと,火山岩類の気泡,粒子の粗い砂岩などを考えると厳しすぎるように思われる。2)側面の平面度・平行度側面の平面度・平行度は,軟岩,硬岩に関わらず,基準値は0.3mm 以内となっている。図-4 に示したように,供試体を立てた側面の平面度・平行度(mm)【方法1:供試体を横にした状態で測定】側面の平面度・平行度については 0.1mm であるが,実務での供試玄武岩花崗岩0.6溶結凝灰岩砂岩0.4岩 級記 号CH○CH△CM□CL◇CH●CM▲CH■CL◆+安山岩CM片麻岩CM*凝灰角礫岩D×基準値の範囲一軸・三軸側面精度0.2圧裂側面精度状態で側面の平面度・平行度を計測する場合を考えてみる。側面と一軸引張端面精度0端面の垂直度は 0.001 ラジアン以内であり,高さ 100mm の供試体で単純計算すると側面の平行度は,硬岩では,図-4 示したように凡 例岩 種φ50mm~60mmなり厳しい規定であることが分かる。現行基準における圧裂試験の00.20.40.60.8端面の平面度・平行度(mm)一軸・三軸端面精度0.1mm となる。実際測定する時は,これに側面の凹凸が加わること図-5 側面の平面度・平行度と端面の平面度・平行度の関係になる。一方,軟岩の端面と側面の垂直度は 0.0044)ラジアン以内0.8凡例岩 級CHを含まない状態でも基準値 0.3mm を満足できない。実際,側面の平面度・平行度を測定するには,定盤の上に据えた V ブロックに供試体を横に置き,V ブロックとともに供試体を軸方向にずらしながらダイヤルゲージで測定する方法(方法 1)や,供試体を立てた状態で上下にダイヤルゲージをずらし測定する方法がある(方法 2)。図-6 は,ボーリングコアを切断し,両端面を整形した岩種・岩級の異なる供試体を用いて,測定方法の違いによる側面の平面度・平行度の違いを示している。現行基準で規定されている側面精度を満側面の平面度・平行度(mm)【方法2:供試体を立てた状態で測定】であり,同様に単純計算すると側面の平行度は 0.4mm であり,凹凸CMCL~D1:10.6記 号●φ50mm~60mm▲■1:10.40.2足するには,方法 1 で測定した方が,誤差が小さくなる傾向にある。一軸・三軸側面精度0これは,方法 2 のように供試体を立てた状態で測定すると,側面の0平面度・平行度に加え,端面の平面度・平行度の誤差も入るためと0.20.40.60.8側面の平面度・平行度(mm)【方法1:供試体を横にした状態で測定】推察される。このため,側面の平面度・平行度は方法 1 で確認する図-6 測定方法の違いによる側面の平面度・平行度の違いことが望ましいと考える。らつきが大きくなり,整形精度との関係を正確に把握することは困難である。このため,圧縮強さ 50N/mm2 程度の強度を有する石膏の供試体を用いて,端面の平面度・平行度を変えた供試体を 30 本程度作製し P 波速度と一軸圧縮試験を実施した。その結果を図-7~図-605504.5P波速度 (km/sec)にあたっては,岩種・岩級の異なる自然材料の岩石供試体では,ば2今回,端面の平面度・平行度の誤差がどの程度,P 波速度や圧縮強さなどの試験結果に影響を及ぼすか検証試験を行った。検証試験一軸圧縮強さ (N/mm )4.端面の整形精度が試験結果に与える影響の検証4030200.02mm以下0.03~0.05mm0.06~0.1mm1000.000.050.1043.530.02mm以下2.50.1520.000.050.10図-8 P波速度と端面の    平面度・平行度の関係8 に示す。P 波速度,圧縮強さともにややばらつきは見られるものの,端面の平面度・平行度 0.1mm 以下では,ほとんど影響は認められない。5.おわりに今後,高強度から低強度までの様々な材料で,供試体の作製精度が各種力学試験結果に及ぼす影響を検証して行く必要はあるが,端面の平面度・平行度 0.1mm 程度では,P 波速度,一軸圧縮試験結果に及ぼす影響は小さいものと考える。今回,このような基本的な内容について検討を行った理由として,基準に測定や確認ができない規定が含まれていると,実務上,顧客対応や監査等でも不都合が生じる。供試体の作製精度以外でも測定ができない規定や確認方法が曖昧な記載については,引き続き地盤工学会へ確認依頼を行うとともに検証を行い,不都合なものにつては改善案の提案を行いたい。【参考文献】1)(公社)地盤工学会:地盤材料試験の方法と解説,p818,2009.2)日本工業規格:JIS B 0621幾何偏差の定義及び表示,1984.3)日本工業規格:JIS M 0302岩石の圧縮強さ試験方法,2000.4)(公社)地盤工学会:新規制定地盤工学会基準・同解説,岩石の一軸引張り試験方法,p4,H28.540.15端面の平面度・平行度 (mm)端面の平面度・平行度 (mm)図-7 一軸圧縮強さと端面の     平面度・平行度の関係0.03~0.05mm0.06~0.1mm
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  • ベントナイト中のモンモリロナイト含有量推定のためのメチレンブルー吸着量測定方法の検討
  • 著者
  • 小栗 光・千々松正和
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 55〜56
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300028
  • 内容
  • 0028A - 08第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月ベントナイト中のモンモリロナイト含有量推定のためのメチレンブルー吸着量測定方法の検討放射性廃棄物処分品質管理メチレンブルー吸着量安藤ハザマ安藤ハザマ正会員正会員○小栗光千々松正和1.概要ベントナイトの品質管理に用いられるメチレンブルー吸着量試験について,試験方法の明確化が求められている.多くの試験機関は日本ベントナイト工業会によるベントナイトのメチレンブルー吸着量の測定方法(以下 JBAS-107-91)に則って試験を行っているが,詳細な試験手順は各機関で異なっている 1).JBAS-107-91 では,滴定の終点となる残存ハロー(図 1 参照)を 1.5~2.0mm 幅 2)と規定している.混合溶液のスポットの直径は規定されていないが,10mm 程度としている機関が多い 3).これまで,異なるスポット径で滴定を実施し,同一の終点ハロー幅で判定を実施した場合の結果に対する影響は明らかにされていない.そこで本検討では,メチレンブルー吸着量試験図 1 スポット(中心)についてスポット径とハロー幅の関係を調査し,異なるスポット径における終点ハローの判定とハロー(周辺)方法について考察した.2.試験概要JBAS-107-91 を基本として実施した.2%ピロリン酸ナトリウム溶液中に分散させた粉状ベントナイトに 0.01mol/L メチレンブルー溶液を添加し,攪拌後,濾紙上にその混合溶液を置きスポットとし,スポット周辺に現れるハローの幅を測定する方法である.滴定および攪拌を繰り返した後,終点(本検討では,スポット径 10mm に対してハロー幅が1.5mm となった時点)での混合溶液を,異なる直径になるよう濾紙上に置き,そのときのスポット径とハロー幅を測定した.測定には定規を用い,1/10mm まで読み取った.この際,スポット同士の水染みが重ならないよう充分に間隔を空け,終点と判断した時点から 1 分以内に濾紙上に置いた.(図 2 参照)試料には,表 1 に示す 4 種類のベントナイトと,試料 F として Na 型精製ベントナイトを用いた.4 種類の試料の内訳は,モンモリロナイト含有率の異なる国内産の Na 型ベントナイト A および D,海外産の Na 型ベントナイト B,モンモリロナイト含有率の異なる国内産の Ca 型ベントナイトC および E である.Ca 型ベントナイトは Na 型ベントナイトと比較して液性限界が小さく,塑性指数も小さい点が特徴である.濾紙は ADVANTEC定性濾紙 No.131(JIS P 3801 に規定される 3 種)の製品下面(裏面)を使用し,ピペットはポリエチレン製の駒込ピペットを使用した.既往検討から,分散方法による試験結果への影響はないことが明らかになっている 4)ため,本検討では 10 分間の超音波分散により試料分散を実施した.図 2 濾紙上のスポットとハロー3.試験結果表 1 使用したベントナイトスポット径が 6~14mm の範囲になるようにABCDE物性値調整し,スポット毎にハロー幅を測定した結2.753 2.808 2.634 2.620 2.567土粒子の密度d(g/cm3)果を図 3,表 2 および表 3 に示す.図 3 中の黒436.4 534.9 139.5 238.993.6液性限界 wL (%)い直線(以下,15%ライン)は,スポット径 626.438.542.539.830.3塑性限界w(%)P~14mm の範囲での“ハロー幅=スポット径の410.0496.497.0199.163.3塑性指数IP15%”となる値を示している.また,図中のメチレンブルー吸着量赤い破線の範囲はスポット径 10mm±1mm の941081289582(MBC) (mmol/100g)範囲であり,この間の試験結果を赤い直線でモンモリロナイト含有率(%)近似している.試験結果から,試料の種類に(モンモリロナイトの関わらず,スポット径の増大に伴いハロー幅6372856355MBC=150mmol/100g と し ても大きくなる傾向が確認できる.しかし,試算出)料によって傾向は異なっている.例えば,試Na+69.362.15.668.012.1浸 出陽イ オン料 B ではほぼすべてのデータが 15%ラインにK+量(meq./100g)2.32.33.74.03.6則しており,右肩上がりの直線的な傾向になCa2+31.833.268.615.627.0っている.その一方で,試料 F では 6mm や(酢酸アンモニMg2+2.111.115.95.723.414mm といった極端に 10mm から離れたスポウム法)105.5 108.793.893.366.1計ット径における試験結果が 15%ラインから大きく外れている.全体的に,スポット径が比較的大きい場合(12mm 以上)や,比較的小さい場合(8mm 以下)には,ハロー幅が 1.5mm から大きく離れてしまうのみならず,15%ラインからも大きく外れてしまう傾向が確認できる.ここで,図 3 中のスポット径 10mm±1mm の範囲に着目すると,試料 A のように,異なるスポット径であってもハロー幅がほぼ 1.5mm となる試料と,他の試料のようにスポット径に応じた右肩上がりの傾向になる試料があることがわかる.しかしながら,スポット径 10mm±1mm の範囲での近似直線(赤の直線)の勾配は 15%ラインよりも緩やかであるため,この範囲であれば,ハロー幅 1.5mm を終点とStudy on the method of methylene blue adsorption measurement methodfor estimation of montmorillonite content in bentonite55Hikaru OGURI , Hazama Ando CorporationMasakazu CHIJIMATSU, Hazama Ando Corporation して判定しても大きな影響はないと推察される.なお,JBAS-107-91 では,スポット径は明確に規定されておらず(10mm 程度と規定されている),終点ハロー幅は 1.5~2.0mm と規定されている.当然 1.5mm 幅と 2.0mm 幅では結果が大きく変わってしまうため 1),終点ハロー幅に範囲を設けるべきではないことは明らかである.さらに本試験結果よりハロー幅への影響が確認できたことから,スポット径についても明確に規定する必要がある.既往の研究において,メチレンブルー吸着量試験においてはスポット径が同じであることが重要と述べられており,スポット径の決定に使用器具が影響を及ぼすこと 3)も明らかにされていることから,試験者は JBAS-107-91 に規定される使用器具(駒込ピペット)以外を使用すべきではないと考えられる.図 3 スポット径とハロー幅の関係4.まとめスポット径が 10mm±2mm の範囲であれば,終点表 2 スポット径 10mm±4mm の範囲におけるハロー幅ハロー幅をスポット径の 15%に規定することが可能ABCDEF試料であると考えられる.さらに,スポット径の範囲を2.0 2.0 2.4 2.0 2.2 2.4最大幅(mm)10mm±1mm と規定できるのであれば,試験の終点1.2 1.1 1.2 1.0 1.4 1.3最小幅(mm)ハロー幅を 1.5mm に規定しても結果に大きな影響は最大幅と最小幅の差(mm) 0.8 0.9 1.2 1.0 0.8 1.1ない.しかし,極端にスポット径が小さい場合や大きい場合には,試料によっては 1.5mm の終点判定で表 3 スポット径 10mm±1mm の範囲におけるハロー幅は結果に影響してしまう.現状として実施されていABCDEF試料る“10mm 程度”のスポット径では,試験者により1.6 1.7 1.9 1.7 1.8 1.7最大幅(mm)解釈が異なることも考えられるため,明確に規定し1.2 1.4 1.5 1.5 1.5 1.3最小幅(mm)た方が良いと考えられる.今回の検討より,スポッ最大幅と最小幅の差(mm) 0.4 0.3 0.4 0.2 0.3 0.4ト径を 10mm±2mm と規定する場合は,終点ハロー幅はスポット径の 15%と規定した方がよく,10mm±1mm で規定することができれば,終点ハロー幅は 1.5mm で規定することが可能であると考えられる.今後は,上記の規定に基づき試験を実施した際に得られる結果のばらつきがどの程度になるのかを確認していく予定である.【参考文献】1) 千々松正和, 西田由紀, 小栗光, 小峯秀雄, 篠木進, 諸留章二:ベントナイトの品質管理のためのメチレンブルー吸着量試験に関する一考察(その1.試験方法に関する検討), 土木学会第 66 回年次学術講演会講演概要集, CS3-007,pp.13-14, 2011.2) 日本ベントナイト工業会標準試験法:ベントナイト(粉状)のメチレンブルー吸着量測定方法, JBAS-107-91, 1991.3) 三好陽子, 宮腰久美子, 高木哲一:ベントナイトのメチレンブルー吸着量試験-試験方法による結果の相違について-, 粘土科学, 第 54 巻, 第 2 号, pp.65-73, 2016.4) 小栗光, 千々松正和:ベントナイトのメチレンブルー吸着量試験において結果に影響を与える要因に関する検討, 原子力学会 2017 年秋の大会予稿集, 3I07, 2017.56
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  • タイトル
  • Experimental Study on Long-term Change in Permeability of a Rock Fracture under Constant Normal Stress
  • 著者
  • 宋 忱潞・矢野隆夫・中島伸一郎・安原英明・岸田 潔
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 57〜58
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300029
  • 内容
  • 0029F - 04第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月Experimental Study on Long-term Change in Permeability of Rock Fracture under Constant Normal StressRock Fracture Permeability Long term performanceKyoto UniversityEhime UniversityYamaguchi UniversityKyoto UniversityMemberMemberMemberMember○Chenlu Song, Takao YanoHideaki YasuharaShinichiro NakashimaKiyoshi Kishida1 IntroductionIn order to grasp the long-term performance ofgroundwater conditions at rock masses, the permeabilityof single rock fracture should be evaluated under variousconfining and thermal conditions. In the previous researchworks, the coupled processes have been discussed inconsidering the external stress and fluid pressure [1].However, few laboratory works had been conducted toinvestigate the permeability evolution in long term. In thisstudy, the long-term measurement of permeability ingranite single fracture under constant confining conditionis currently in progress. From the experimental results, theinfluence of stress condition to evaluate the permeabilityof single rock fracture will be discussed.upstream and downstream tanks decayed and reachedstable within 60 seconds.2 Experimental conditions and methodologyAs shown in Fig.1, a cylindrical granite core of 50 mm indiameter and 100 mm in height was split into two halvesto create a single vertical fracture. This specimen, sealedwith the heat shrinkable tube, was fastened into the triaxialvessel that is capable of transient permeability experimentas shown in Fig.2 [1, 2].First, to make the fracture contact intimate, the confiningpressure was increased from 1.0 to 3.0 MPa in a stepwisemanner (loading) and then decreased to 1.0 MPa(unloading). This loading and unloading process wasrepeated three times. At every pressure step, permeabilitywas measured. After the triple repetitions of loading andunloading, confining pressure was kept at 3.0 MPa andpermeability test was carried out on designated dates. Theentire test mentioned above was carried out at constantroom temperature of 19±2℃. In the calculation ofpermeability from the measurement data, fluidcompressibility of 4.5883×10-10 [Pa] and viscosity of1.0017×10-3 [Pa·s] was used [3].Fig.1 Cylindrical granite core of 50 mm in diameter and 100 mm in3 Experimental resultsIn the process of triple repetitions of loading andunloading, pressure conditions in Table 1 were adoptedfor the upstream and downstream tanks. After releasingthe valve, the differential water pressure between theFig.3 shows the change in permeability with confiningpressure in the last cycle (the third cycle) of loading andunloading. From this result, it is clearly found that thepermeability decreases with confining pressure increasing.In addition, the permeability in the loading process isheight split into two halves to create a vertical single fractureFig.2 Triaxial vessel used in this study [1]Table 1 Pressure conditions of permeability tests in theloading-unloading repetition process (20oC)Confining pressure [MPa]1.01.52.02.53.0Pressure at upstream tank [MPa]0.2000.2500.3000.3500.400Pressure at downstream tank [MPa]0.1500.1750.2000.2250.250,Experimental Study on Long-term Change in Permeability of RockFracture under Constant Normal Stress○Chenlu Song, Takao Yano, Kiyoshi Kishida Kyoto UniversityHideaki Yasuhara, Shinichiro Nakashima Ehime University,Yamaguchi University57 almost the same with that in the unloading process. Thisimplies that fracture interface reversibly deforms againstconfining pressure change.In the process of long-term confining pressure holding,the water pressures of upstream and downstream ends inthe permeability test was set at 0.40 MPa and 0.25 MPa,respectively. The temporal change in the water pressuresof the both ends were measured for 600 seconds as shownin Fig.3, and the permeability was calculated from themeasurement curve.Fig.4 shows the temporal change in the permeability inthe holding process. From this figure, it is notable that thepermeability decreases with time, although the confiningpressure keeps constant. It is also notable that, while thepermeability reaches almost stable after 7 days, itaccelerates its decreasing ratio again after 28 days. Thepermeability decreasing in the first 28 days could be dueto mechanical creep deformation of fracture interface. Themechanical creep deformation decays with time becausestresses in contact asperities decrease with increasingcontact areas. On the other hand, the acceleration ofpermeability decreasing after 28 days cannot be explainedonly with the concept of mechanical creep deformation.Chemical action in the fracture interface, namely, mineraldissolution and re-precipitation may be activated aroundthe contact asperities and it may narrow the fractureaperture.To verify the mechanism of time-dependent change inpermeability under constant confining pressure,continuation of this experiment and chemical analysis forwater sample from fracture is needed.temperature and stress controlled conditions. Japanese GeotechnicalJournal, 8(1), pp.71-79, 2013.3.00oPermeability [10-12m2]Temperature: 20 C2.95LoadingUnloading2.902.852.802.752.701.01.52.02.53.0Confining pressure [MPa]Fig.3 The permeability and confining pressure relation in the loadingand unloading process.oTemperature: 20 CUpstream (Pu)Downstream (Pd)Hydraulic Pressure (MPa)0.160.14Pu0.120.10Pf0.080.06Pd0.040.020.000100200300Time [sec]400500600Fig.4 Example of temporal change in water pressures of upstreamand downstream tanks in the transient pulse permeability test4.02m]oTemperature: 20 CConfining pressure: 3 MPaPermeability [10-134. ConclusionsThis paper reported the progress of long-term experimentto investigate time dependent permeability of a single rockfracture under constant confining pressure.1) Prior to the long-term experiment, we repeated loadingand unloading of confining pressure three times, andconfirmed reversible change in the permeability againstconfining pressure.2) In the long term experiment under constant confiningpressure, the permeability decreased monotonically withtime. However, it showed notable behavior; after reachingalmost stable value, the permeability accelerated again itsdecreasing ratio after 28 days. The mechanism will bediscussed after continuation of this experiment andchemical analysis for the water sample extracted from thefracture.3.02.01.00.0110Time [days]100Fig.5 The temporal change in the permeability under constantconfining pressure of 3 MPa and temperature of 20 oC[2] Brace, W.F., Walsh, J.B. and Frangos, W.T., Permeability ofgranite under high pressure, Journal of Geophysical Research, 73(6),pp.2225-2236, 1968.[3] Millero, F.J. and Huang, F., The compressibility of seawater from0 to 95 oC at 1 atm, Marine Chemistry, 126 (1-4), pp.149-154, 2011.References[1] Yasuhara, H., Hasegawa, D. Nakashima, s., Yano, T. and Kishida,K., Experimental evaluation of fracture permeability in granite under58
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  • タイトル
  • 砂質土の粒度試験に及ぼす繰返し回数の影響
  • 著者
  • 河原荘一郎・坂本里都
  • 出版
  • 第53回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 59〜60
  • 発行
  • 2018/07/20
  • 文書ID
  • rp201805300030
  • 内容
  • 0030第 53 回地盤工学研究発表会(高松)   2018 年 7 月D - 03砂質土の粒度試験に及ぼす繰返し回数の影響粒度試験,不確かさ,砂質土松江工業高等専門学校松江工業高等専門学校1.はじめに正会員○河原 荘一郎坂本 里都小数部分を含む場合は,該当するデータ間をその割合で粒度試験の結果は土の工学的分類のための指標を与え補間する.る.土の粒度試験はほかの土質実験に比べ誤差やばらつz スコアの算出には,砂質土 A,砂質土 S は地盤材料きが大きく,主な原因がわかっていないという問題があの技能試験の結果を用いる.また,寮の裏山土は均質性る.土の粒度試験はほかの一般的な土質試験とは異なり,に問題がないとし,式の SS を除いた式で行う.今回算出実験の繰返しがない.する z スコアは 3 段階で評価判定し,それぞれ次のよう1)に定義する.本研究では,ばらつきの評価指標として z スコア を用い,粒度試験の繰返し回数の違いが z スコアの値へ及|z|≦ 2:満足,2<|z|<3:疑わしい,|z|≧ 3:不満足ぼす影響を照査することを目的とした.3.結果および考察2.実験概要2.1 試料土試料土は平成 28 年度の地盤工学会の「地盤材料の技能3.1 土粒子の密度試験以下の表 2 に各試料の実験値,z スコア,判定を示す.各試料とも判定は「満足」である.試験」2)に用いられた砂質土 A,砂質土 S,平成 29 年度表 2 土粒子の密度試験結果学生実験に用いられた松江高専学生寮の裏山土(以降,寮の裏山土)の 3 種類の砂質土(表 1)を用いた.表 1 試料の基本的性質土粒子の密度礫分砂分シルト分粘土分ρs(g/cm3)(%)(%)(%)(%)砂質土A2.69416.473.74.95.0砂質土S2.65619.270.04.16.7寮山土2.6360.080.218.21.6試料名分類記号締固め試験 最適含水比 最大乾燥密度試験法wopt(%)ρdmax(g/cm3)(SG-Cs)(A-b)11.41.923(SG-Cs)(A-b)12.71.910(SCs)(A-a)20.41.648値nsszスコア判定2.684522.6742.6892.6980.004-0.27満足砂質土S2.653522.6492.6602.6700.005-0.43満足試料名値nQ1(7)Q2(13)Q3(19)sszスコア判定寮の裏山土2.636252.6302.6422.66100.35満足Q1(13.75) Q2(26.5) Q3(39.25)3.2 土の粒度試験表 3~6 に 50%粒径,均等係数,細粒分含有率におい2.2 実験手順て,実験値,z スコア,判定を示す.試料名が複数書い1) 土粒子の密度試験試験方法は日本工業規格(JIS A 1202:2009)試料名砂質土Aているのは試験結果を平均したものである.3)に準じて図 1~3 の粒径加積曲線は,砂質土 A,S については赤,行う.絶乾状態の試料で,煮沸時間は約 20 分間とした.青,黄色の実験結果とともに,黒であらかじめ調べられ2) 土の粒度試験ている代表的な特性値の 4 本を描いている.また寮の裏試験方法は日本工業規格(JIS A 1204:2009)3)に準じて表 3 砂質土 A の実験結果行う.ただし,寮の裏山土は学生実験で沈降分析後のふn=51るい分け試験を約 1 分間水をかけながら,手で試料を広げるようにしてふるいを通過させる方法を行っているので,2 種類の方法で実験を行った.本研究では各試料とも 3 回繰り返し実験を行い,実験の回数ごとに z スコアの算出を行う.2.350%粒径均等係数細粒分含有率試料名値zスコア判定値zスコア判定値zスコア判定A11.1003.44不満足10.00-1.02満足7.4-1.89満足A20.7500.19満足35.700.40満足10.3-0.42満足A30.8000.64満足27.500.68満足10.2-0.47満足A1,A20.9251.81満足22.900.24満足8.9-1.15満足A1,A30.9502.04疑わしい18.80-0.15満足8.8-1.17満足A2,A30.7750.44満足31.601.02満足10.3-0.45満足A1,A2,A30.8831.42満足24.400.39満足9.3-0.92満足z スコア 1)表 4 砂質土 S の実験結果z スコアとは,実験結果の偏差(平均値との差)が標準n=51偏差の何倍であるかを表わすものであり,次の式により求めることができる.今回は極端な値の影響を最小化するために四分位数法により正規四分位範囲として求める.50%粒径均等係数細粒分含有率試料名値zスコア判定値zスコア判定値zスコア判定S10.9502.26疑わしい48.10.20満足10.80-0.97満足S20.8501.16満足110.02.22疑わしい12.20-0.22満足S30.9502.26疑わしい81.31.28満足11.30-0.70満足S1,S20.9001.71満足79.11.20満足11.50-0.59満足S1,S30.9502.26疑わしい64.70.73満足11.05-0.84満足S2,S30.9001.71満足95.51.74満足11.75-0.46満足S1,S2,S30.9171.90満足79.81.23満足11.43-0.63満足表 5 寮の裏山土の実験結果(学生実験の方法)式に用いた文字は,z:z スコア,x:試験結果,SS:均n=25質性確認試験結果の標準偏差,Q1:実験結果を最小値から最大値への昇順に並べた際の,{(n-1)/4+1}番目の実験結果,Q2:{(n-1)/2+1}番目の実験結果,Q3:{3(n-1)/4+1}番目の実験結果,n:実験結果の総数である.もし順位にEffect of Repetition of Test on Grain Size Analysis for Sandy Soil50% 粒径均等係数細粒分含有率試料名値zスコア判定値zスコア判定値zスコア判定寮10.47-0.32満足43.8-1.72満足53.501.64満足寮20.35-1.14満足44.6-1.71満足47.401.53満足寮30.45-0.43満足45.3-1.70満足47.301.20満足寮1,寮20.41-0.71満足44.2-1.72満足52.401.56満足寮1,寮30.46-0.78満足44.6-1.71満足52.351.56満足寮2,寮30.40-0.35満足45.0-1.71満足47.351.21満足寮1,寮2,寮30.42-0.64満足44.6-0.95満足50.701.44満足技術職員0.28-1.85満足102.5-0.95満足21.19-0.60満足Kawahara Soichiro, Matsue College of TechnologySakamoto Rito, Matsue College of Technology59 表 6 寮の裏山土の実験結果(規格の方法)n=2550% 粒径均等係数沈降分析試験によって求める細粒分の部分ではなく,ふるい分け試験によって求められる粗粒分のところが誤差細粒分含有率試料名値zスコア判定値zスコア判定値zスコア判定寮30.07-3.12不満足41.0-1.76満足34.600.40満足寮40.15-2.56疑わしい117.1-0.76満足41.600.80満足寮50.17-2.41疑わしい78.3-1.27満足38.101.33満足寮3,寮40.11-2.84疑わしい79.1-1.26満足38.101.33満足寮3,寮50.12-2.48疑わしい59.7-1.51満足36.351.04満足寮4,寮50.16-2.77疑わしい97.7-1.02満足39.850.75満足寮3,寮4,寮50.13-2.70疑わしい78.8-1.26満足38.101.33満足やばらつきに大きく影響していると考えられる.粗粒分に影響がある理由として均質性が挙げられる.本研究に用いた砂質土 A,砂質土 S も均質性がとれてないことから,均質性試験結果の標準偏差を加味した z スコアを用いている.この粗粒分の均質性が実験の繰返し回数よりも大きな影響を与えると考える.また,粗粒分以外にも大きく影響を与えているものが,試験に用いる試料の質量が少ないことである.規格では砂質土の沈降分析試験に用いる試料の量は 115g 程度であり,各試料のふるい通過試料の計測を行う際にふるいごと計測しているため,感量 0.1g の電子天秤を用いている.しかし,通過質量は多くても 30g 程度であり,感量0.1g の電子天秤では精度が十分ではない.このことから粗粒分の量を増やして電子天秤の精度に見合った質量に図 1 粒径加積曲線[砂質土 A]することが必要なのではないかと考える.しかしこれには問題があり,これ以上試料を増やしてしまうと,沈降分析試験へ影響がある.沈降分析試験は 1ℓのメスシリンダーを用いて行っている.しかし,試料の質量を増やしてしまうと浮標を浮かすことができず 1ℓのメスシリンダーでは試験が不可能となってしまう.このことから様々な方向からの改善点を考えなければならない.寮の裏山土の沈降分析後のふるい分け試験方法を変えたときの結果の比較を行うと,やはりこちらも 50%粒径のところで大きく差が出ている.規格通り行ったほうが,50%粒径が小さく出ており,学生実験の方法で行ったら図 2 粒径加積曲線[砂質土 S]大きく出ている.これはふるい分け試験の際に学生実験は水を用いてふるい分け試験を行っていることから 2 つの理由が考えられる.1 つ目は網目に対する水の表面張力などの影響で粒子がふるいを通りにくくなっていること.2 つ目は水によって細かい粒子同士がくっついてしまい,本来の粒径よりも大きく出ているのではないかということである.4.おわりに土の粒度試験において,実験の繰返し回数のばらつきに及ぼす影響を照査することを目的として一連の実験を行った結果.以下のことがわかった.図 3 粒径加積曲線[寮の裏山土](1)砂質土の粒度試験の実験の繰返し回数は 3 回まで増山土は赤で JIS 規格に準じた実験方法の曲線 3 本と青でやしたほうがよい.学生実験の方法で行った曲線 3 本の計 6 本を描いている.(2)沈降分析後のふるい分け試験は JIS 規格に準じた方実験の繰返し回数が 3 回のものはすべて判定が「満足」法でないと正しい粒度分布を求めることができない.となっている.このことから 3 回まで実験の繰返し回数粘性土についても同様な実験を行うことが,今後の課を増やしたほうがよいという結果になった.しかし問題題である.として沈降分析試験によって算出される細粒分の粒径が参考文献毎回異なることから,平均した粒径加積曲線をどのよう1)に描くかの検討が必要である.山内昇他:地盤材料試験の技能試験結果に関する検討,第 51 回地盤工学研究発表会, pp.33-34, 2016.2)繰返し回数 2 回以下における項目ごとに結果をみると,地盤工学会基準部技能試験実施委員会:平成 28 年度細粒分含有率はすべて「満足」な判定に対して,50%粒地盤材料試験の技能試験報告書, pp.1-29,2017.径は「不満足」や「疑わしい」の判定が多くみられる.3) 地 盤 工 学 会 編 : 地 盤 材 料 試 験 の 方 法 と 解 説 ,このことから,土の粒度試験結果の誤差やばらつきには,pp.97-102, pp.115-131, 2009.60
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