研究発表会 2007年
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第42回地盤工学研究発表会発表講演集

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タイトル 地球環境問題の階層的整理と砂漠化問題の位置付け
著者 杉田芙紗子・飯塚 敦・河井克之・Thirapong Pipatpongsa
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 1〜2 発行 2007/06/11 文書ID 50253
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タイトル 地上からのリモートセンシングによる岩斜面の安定性評価事例
著者 岡島尚司・荒井克彦・石田善之・三田村文寛・藤田博行
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 3〜4 発行 2007/06/11 文書ID 50254
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タイトル ジオテキスタイルの湿式開孔径試験についての検討
著者 島谷文卓・木幡行宏・弘中淳市・平井貴雄
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 5〜6 発行 2007/06/11 文書ID 50255
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タイトル 国内外の宅地盛土に関する技術基準類と造成工事の現状
著者 伊東広敏・田村昌仁・武田啓司
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 7〜8 発行 2007/06/11 文書ID 50256
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タイトル パプアニューギニアでの住民参加による未舗装道路整備の実践と維持管理体制の構築
著者 福林良典・木村 亮・三宅喜久恵
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 9〜10 発行 2007/06/11 文書ID 50257
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タイトル 経済的な既設橋梁拡幅工法の開発
著者 佐伯和浩・加藤精亮・渡邊明之・星野 正
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 11〜12 発行 2007/06/11 文書ID 50258
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タイトル 木片を含む地盤の沈下予測
著者 廣瀬義純・小山準蔵
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 13〜14 発行 2007/06/11 文書ID 50259
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タイトル ライフサイクルコストに基づく盛土構造物の耐震性能評価法
著者 上田恭平・井合 進・飛田哲男
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 15〜16 発行 2007/06/11 文書ID 50260
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タイトル 東大阪地域の沖積粘土層の土質特性と地域性の検討
著者 福本哲也・大島昭彦・金谷泳知・春日井麻里
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 17〜18 発行 2007/06/11 文書ID 50261
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タイトル 西大阪地域の沖積粘土層の土質特性と地域性の検討
著者 春日井麻里・大島昭彦・金谷泳知・福本哲也
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 19〜20 発行 2007/06/11 文書ID 50262
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タイトル 春日市の土質柱状図データベース化による表層地盤特性について
著者 橋村賢次・善 功企・神田尚樹・安福規之
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 21〜22 発行 2007/06/11 文書ID 50263
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タイトル ボーリングデータベースを用いた大阪平野部のシークェンス層序学的解釈
著者 北田奈緒子・伊藤浩子・竹村恵二・三田村宗樹・大島昭彦
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 23〜24 発行 2007/06/11 文書ID 50264
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タイトル 地盤情報DBを利用した地盤構造モデルの作成
著者 長谷川慶彦・村上 哲・安原一哉・小峯秀雄
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 25〜26 発行 2007/06/11 文書ID 50265
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タイトル 大規模地震ハザード評価における地盤情報の活用
著者 山本浩司・香川敬生・澤田純男・三村 衛・藤原常博・廣橋 徹
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 27〜28 発行 2007/06/11 文書ID 50266
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タイトル 埋設管の耐震評価のためのボーリングデータベースの利用
著者 小金丸健一・清水善久・安田 進
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 29〜30 発行 2007/06/11 文書ID 50267
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タイトル 海面上昇に起因する沿岸域地盤の地下水位上昇量予測における定常・非定常解析結果の比較
著者 鈴木希美・村上 哲・安原一哉・小峯秀雄
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 31〜32 発行 2007/06/11 文書ID 50268
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タイトル 地盤情報DBの利用したN値の鉛直方向トレンド成分の算出
著者 村上 哲
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 33〜34 発行 2007/06/11 文書ID 50269
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タイトル 地盤調査情報のディジタルアーカイブ化と数値化物性情報の活用
著者 稲崎富士・倉橋稔幸・佐々木靖人
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 35〜36 発行 2007/06/11 文書ID 50270
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タイトル 表面波探査による高速道路盛土堤体のせん断波速度
著者 田窪裕一・神野邦彦・佐伯嘉隆・森伸一郎・河野幸一
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 37〜38 発行 2007/06/11 文書ID 50271
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タイトル 波の位相差に基づく宅地の不均一性の評価
著者 会田龍也・初山将克・田村修次
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 39〜40 発行 2007/06/11 文書ID 50272
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タイトル 波の伝播特性に基づいた宅地の不均一性の評価 各種地盤調査法との比較
著者 初山将克・田村修次・会田龍也・田端憲太郎・中澤博志・徳山英之
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 41〜42 発行 2007/06/11 文書ID 50273
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タイトル マルチ送信比抵抗探査装置の開発と地盤工学への応用
著者 神宮司元治
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 43〜44 発行 2007/06/11 文書ID 50274
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タイトル 河川堤防調査に対する高密度電気探査の適用事例
著者 林  篤・柴田 東・高橋浩之・藤野丈志
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 45〜46 発行 2007/06/11 文書ID 50275
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タイトル 河川堤防調査に対する表面波探査の適用事例
著者 井上 純・山谷 睦・遠藤真哉
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 47〜48 発行 2007/06/11 文書ID 50276
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タイトル 河川堤防調査における物理探査(比抵抗・表面波)の比較検討
著者 高橋浩之・柴田 東・林  篤・遠藤真哉・井上 純
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 49〜50 発行 2007/06/11 文書ID 50277
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タイトル 音響トモグラフィによる“地盤の見える化”
著者 榊原淳一
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 51〜52 発行 2007/06/11 文書ID 50278
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タイトル 変化の激しい支持地盤における地盤の見える化の適用例(音響トモグラフィによる経済的・効率的な設計施工例)
著者 冨重健一・榊原淳一・田中真人
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 53〜54 発行 2007/06/11 文書ID 50279
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タイトル 3次元岩盤分類とその可視化
著者 林 義隆・城井浩介・美馬健二
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 55〜56 発行 2007/06/11 文書ID 50280
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タイトル E-ディフェンスによる大型土槽の破壊実験における三次元変位計測システム その2 せん断土槽実験による測定精度の検証
著者 佐藤正義・田端憲太郎・有田寿志
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 57〜58 発行 2007/06/11 文書ID 50281
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タイトル 土木構造物に対するスウェーデン式サウンディング試験の適用性について
著者 本多典久・玉木和之
出版 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 59〜60 発行 2007/06/11 文書ID 50282
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  • タイトル
  • 地球環境問題の階層的整理と砂漠化問題の位置付け
  • 著者
  • 杉田芙紗子・飯塚 敦・河井克之・Thirapong Pipatpongsa
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 1〜2
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50253
  • 内容
  • 1A - 01第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月地球環境問題の階層的整理と砂漠化問題の位置付け地球環境問題砂漠化階層化豊中市役所正会員○杉田芙紗子神戸大学国際会員飯塚敦神戸大学国際会員河井克之東京工業大学国際会員PIPATPONGSA Thirapong1. はじめに『地球環境問題』の定義は未だ国際的に明確な定義が共有されず、またその全体像も曖昧である。地球環境問表-1 地球環境問題題のひとつである砂漠化関しても、主な対策が地表面水分量からの砂漠地図作成にとどまっている。本研究では、1234567まず階層化によって地球環境問題の全体像とその中での砂漠化の位置づけを明瞭にし、次に、砂漠化解決のための砂漠化シミュレーションに考慮すべき項目を再び階層化によって抽出している。なお、本研究における地球環境問題とは,環境白書(平成 2 年版)を参考に,海洋汚染、オゾン層破壊、地球温暖化、酸性雨、森林破壊、野生生物・生物種減少、砂漠化の 7 つとしている(表-1)。影響行列の作成、多階層分割となっている。直接影響行列(X*=x*ij)は、x*ij に i から j への直接関連強さを記載して作成し、更に X*を正規化し正規化直接影響行列 X を作成する。X を用いて間接影響も考慮した総合影響行列(Z=zij)を次式により作成する。Z=X+X2+X3+・・・=X・(I-X)-1(I は単位行列)3. 地球環境問題の全体層と砂漠化の位置づけまず、地球環境問題の要因として記載されている項目を文献(100 編)から 50 項目抽出した。これらの中には次元が異なるものが混在するため、物質グループ・状態グループ・行動グループの 3 グループに分類し、各グループと地球環境問題をセットとして検討していく。分類別された地球環境問題の要因項目を表-2 に示す。73561823る文献)は砂漠化に関しては 86 編であった。左端行は項目番号、『A』,『B』,『C』は以下である。B = A に関して合計数が 5 以下のスクリーニングをしたものC = A×{実質文献数/全体文献数}A,B,C それぞれの値 x を表-3 のように 10 段階に評価した。さら*に,この結果から、合計 9 個の X を作成した。ここでは例として、物質グループと地球環境問題の行列を A で評価した X*を図2 に示し、Z を図-3 に示す。ここで、Z の各要素 zij を有効数字2 ケタと 3 ケタで評価する.A22 25.62 2.346 53.545 52.32 2.3○○○BC25.60.053.552.30.022.02.046.045.02.0123456789101112131415161718192023456789 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 2011212 1 111 4 2 3115 9 11 116 1 8612 16 1 11 1 171 1297 1 11 181 10 64121991511110101 1 1011467 10 1022各グループと地球環境問題 1 セットにつき 6 通りの階層化が行われる。 0.05≦0.005≦この 6 通りの階層化結果から共通項目を採用し、階層化しなおすと、図-4 の結果を得た(左から物質、状態、行動)。1行動グループ有害廃棄物越境戦争・内乱農林水産業開発国際取引・貿易乱獲・密猟過放牧焼畑大量生産消費廃棄不適切な灌漑薪炭材過剰摂取二次三次産業464748495051525354555657表-3図-1 評価方法の概念図1A = {合計数/実質文献数}×10099 100 計・・・最上列は文献番号である。『計』はその項目を要因とする文献数、1 2 3 ・・・○ ・・・・・・○○・・・○ ○ ・・・・・・・・・次に項目間関連強さを評価する。図-1 に評価方法の概念図を示す。全体文献数は 100 編、実質文献数(その項目に関する記載があ状態グループ発展途上国公害・環境問題大気汚染生態系変化人口急増貧困・対外責務途上国経済水準上昇食糧不足・飢餓気候変動異常気象法整備不備病気水質汚染・汚濁侵食・土地喪失人口移動・難民自然災害土壌汚染・劣化文化財ダメージ遺伝子資源ダメージ人類存続危機経済格差・貧富差人口集中塩類集積インフラ不足技術不足不安定な社会制度212223242526272829303132333435363738394041424344452345678評価の変換0 < x ≦ 1010 < x ≦ 2020 < x ≦ 30123・・・891011121314151617181920因のリストアップ、関連強さの評価、直接影響行列の作成、総合分類された地球環境問題の要因項目物質グループ化学物質生活・工場排水油廃棄物フロンハロン温室効果ガスSOxNOx帰化生物NaCl化石燃料放射性物質・・・を用いた。そのプロセスは,要・・・表-21)・・・階層化には豊田・堀井の手法・・・2. 階層化の手法地球環境問題海洋汚染オゾン層破壊地球温暖化酸性雨野生生物種減少森林破壊砂漠化90 < x ≦ 100109 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 201234567891011121314151617181920<0.05 0.0005≦<0.005自項目到達要素図-2直接影響行列図-3総合影響行列Desertification in the stratified structure of terrestrial environmentSUGITA, Fusako Toyonaka City Office,IIZUKA, Atsushi KobeproblemsUniversity, KAWAI, Katsuyuki Kobe University,PIPATPONGSA,Thirapong Tokyo Institute of Technology1 これから、物質グループ・状態グループ・行動グループともに共通して言えることは、上層に人間の環9 1120 19境への配慮不足がまず存在し、次にそれによる“毒”の要素が出現し、更に比較的要因の種類が少ないシンプル問題、要因の種類も多く多数の項目が関連している複雑な問題へと続き、最終的には動植物・8 1213 15 16人類存続の危機へとつながるという構造となっている。この地球環境問題の全体像において,砂漠化は46 54 5721 3034 40 4143 44 4547 49 5051 53 562 422 36 421 23 4 67 52 551 36 7 1014 17 181 36 7 2829 32 335 4855 2735 23最下層近くに位置していることが確認される。24. 砂漠化シミュレーションに必要な具備項目抽出24 25 26地球環境問題の全体像という大きな視点での定性的項目から、砂漠化に焦点を絞り込み必要な定量的4キーワードを抽出する。この時,図-4 の砂漠化を含む階層および近接する上下階層に注目し、抽出した31 38項目が表-4 である。表-4 の定性的な項目を定量的なキーワードに変換すると表-5 の 51 個のキーワード37 39になる。例えば『砂漠化(7)』は『降水量(F)、蒸発量(n)、蒸散量(o)、排水量(U)、土壌水分量(p)、保水量・流出量(B)、地下水位(s)の変化や NaCl 濃度(y)の上昇、家畜数(G)の増加などによって砂漠面積(r)図-4地球環境問題の全体像が上昇し、その結果農作物生産量(q)、生物種数(t)、植生数(D)が減少する』と変換できる。表-41234671014171822砂漠化近傍の項目海洋汚染オゾン層破壊地球温暖化酸性雨森林破壊砂漠化油温室効果ガス帰化生物NaCl大気汚染2829323342474849505255気候変動異常気象水質汚染・汚濁侵食・土地喪失塩類集積戦争・内乱農林水産業開発国際取引・貿易過放牧不適切な灌漑表-5abcdefghijklm油濃度栄養塩濃度濃縮係数重金属濃度生活・工場・農業排水量フロン類濃度紫外線量オゾン全量病気・死亡人数CO2濃度メタン濃度気温海面水温nopqrstuvwxyz表-4 からの変換キーワード蒸発量蒸散量土壌水分量農作物・水産物生産量砂漠面積地下水位生物・生物種数光合成速度世界人口土壌透水性水資源量NaCl濃度開発面積ABCDEFGHIJKLMアルベド保水量・流出量熱エネルギー植生数・植生種数風向風速降水量家畜数海面水位NOx濃度SOx濃度湿度日照時間気圧NOPQRSTUVWXY炭素量地盤変状COD森林面積降雨強度GDP・GNP・貿易額戦争・内乱排水量pH摂取カロリー自然災害発生件数購買力表-5 のキーワードから X*と Z を作成し階層化すると、図-5 のような構造を得る。ここから,砂漠化を効果的に解決するための砂漠化シミュレーションに組み込むべきキーワードを抽出する。Z を見ると砂漠化面積に特に強く影響しているのは、砂漠面積と同層とすぐふたつ上層に位置する土壌水分量、地下水位、蒸発量、蒸散量、降雨量、排水量、NaCl 濃度、保水量・流出量、家畜数である。これらは次のようにグループ化できる。GNP・GDP1. 地・気圏間の水収支世界人口気温生活・工場・ フロン類濃度農業排水量 SOx濃度2. 植生を介する地・気圏間の水収支に影響をおよぼすもの3. 土壌内部での水の挙動4. 地盤内溶解物質の挙動NOx濃度戦争・内乱開発面積栄養塩濃度また,ここで図-5 中の地盤変状に注目すると、Z から地盤変状の要因と重金属濃度されているものが砂漠面積のそれとほぼ共通であった。また、地盤変状油濃度が砂漠面積と同階層に位置している。この 2 点から、砂漠化と地盤変状は同時に取り扱う必要がある。オゾン全量森林面積pH砂漠面積海面水温日照時間 気圧地盤変状湿度風向風速CO2濃度メタン濃度アルベド熱エネルギー降水量光合成速度蒸発量海面水位蒸散量土壌透水性降雨強度購買力摂取カロリーCOD地下水位 土壌水分量水資源量炭素量自然災害発生件数農作物水産物生産量濃縮係数紫外線量保水量・流出量家畜数病気・死亡人数生物・生物種量排水量NaCl濃度植生・植生種種数5. 実例との対比図-5アリゾナ砂漠では,コロラド川の水を引いて大規模な灌漑農業開発が行われた。灌漑を繰り返した結果、土壌中に集積された塩分が溶解して浸GNP・GDP砂漠化をとりまく全体像世界人口透し、地下水の塩分濃度の集積化が進み、地下水位が徐々に上昇し、塩類集積が起ことによって砂漠化が更に進行し、その結果農作物が枯れてしまった。この実例を図-5 に当てはめると図-6 となる。6. 結論気温生活・工場・ フロン類濃度農業排水量 SOx濃度NOx濃度戦争・内乱開発面積栄養塩濃度重金属濃度地球環境問題とこれをとりまく項目群の全体像は、人間の活動の根源から始まり、関連が比較的シンプルな問題からより複雑な問題へと移行し、最終的には人類存続危機を招く。砂漠化は最下層近くに位置している。また、砂漠化シミュレーションには少なくとも地・気圏間の水収支、油濃度オゾン全量森林面積pH海面水温日照時間 気圧風向風速砂漠面積地盤変状メタン濃度CO2濃度アルベド熱エネルギー農作物水産物生産量降水量光合成速度蒸発量海面水位蒸散量土壌透水性降雨強度購買力家畜数NaCl濃度生物・生物種量排水量植生を介する地・気圏間の水収支、土壌内部での水の挙動、地盤内溶解物質の挙動を考慮すべきである。参考文献図-61) 豊田武俊, 堀井秀之:社会技術研究論文集, Vol.1, 16-24, Oct, 2003.2摂取カロリーCOD地下水位 土壌水分量水資源量炭素量発生件数湿度濃縮係数紫外線量保水量・流出量 自然災害アリゾナ砂漠の実例の適用病気・死亡人数植生・植生種種数
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  • 地上からのリモートセンシングによる岩斜面の安定性評価事例
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  • 岡島尚司・荒井克彦・石田善之・三田村文寛・藤田博行
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 3〜4
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50254
  • 内容
  • 2G - 06第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月地上リモートセンシングによる岩斜面の安定性評価事例斜面安定 風化 リモートセンシング株式会社サンワコン正会員 ○ 岡島尚司福井大学工学部正会員荒井克彦福井県朝日土木事務所(現敦賀港湾事務所)石田善之福井県雪対策・建設技術研究所三田村文寛(財)福井県建設技術公社特別会員 藤田博行1 概要既存斜面の安定性や施工中の切土斜面の設計の妥当性を評価する場合,斜面の性状や安定性は望遠目視を含む目視観察で評価することが多い。目視観察には客観性,定量性,均一性,記録性などに問題がある。著者らは遠隔観測で斜面の性状を数値的に捉え,これを解析して性状や安定性を評価する方法を開発した 1),2)。数値データとして観測,解析するので客観性・定量性に優れる。斜面全体を均一な精度で評価でき,記録性も良い。本研究はこの手法を実際の現場に適用して,その適用性や有効性を確認する。2 遠隔観測による岩斜面の安定性評価の基本的な考え方 1),2)黄色さの度合い本手法では岩が露出した斜面の「黄色さの度合い」と温度の「上がりやすさ」を観測する。合い」は「岩片の硬さ」の情報を持つ。岩盤のき裂には水分が貯留されやすい。き裂が多弾性波速度岩片の硬さ一般的な岩石は風化に伴い黄色味を帯び,岩片は脆くなる。岩斜面表面の「黄色さの度岩片の硬さ観測データき裂の程度いほど水分を多く貯留した状態となり,温度が上がりにくくなる。斜面表面の「温度の上がりき裂の程度やすさ」は「き裂の程度」の情報を持つ。一般に利用されている弾性波速度は主に「岩片温度の上がりやすさの硬さ」と「き裂の程度」を反映している。遠隔観測で得るデータと弾性波速度はともに「岩図 1 弾性波速度と観測データの関係片の硬さ」「き裂の程度」の情報を持つ(図 1)。両者の相関関係式を作成して遠隔観測データから弾性波速度を推定する。推定した弾性波L*速度と斜面勾配の関係で安定性を評価する。2520b*斜面表面の反射スペクトルを観測して L*a*b*表15a*10色値を算出する(図 2)。反射スペクトルは太陽から5入射する電磁波が斜面表面でどの程度反射する0かを波長ごとに観測し,横軸に波長,縦軸に反射反射スペクトルデータ(ピクセルごとに取得)率の折れ線グラフで表すもので詳細な色の情報をL*a*b*表色系ピクセルごとに算出b*値の分布図黄色さの度合いの分布図1.2持つ。L*a*b*表色値は色の違いを数値的に表す。1.0L*値は明暗,a*値は緑か赤か,b*値は青か黄かほど黄色に近い)を利用する。象2.2 温度の上がりやすさの観測方法斜熱赤外線映像装置で表面温度分布の時間的な0.8対0.60.4観測者0.2面変化を観測する(図 2)。斜面と同じ向きに設置したRIT比の分布図温度の上がりやすさの分布図温度分布画像(連続観測)遠隔観測基準物体の温度変化も測定する。基準物体の温図 2 弾性波速度と観測データの関係度上昇と斜面の温度上昇の比を温度の上がりやすさの値("RIT 比"と定義)とする。基準物体の表面温度上昇が 20℃で観測対象の温度上昇が 15℃であれば,RIT 比は 15/20=0.75 である。2.3 弾性波速度の推定方法5定値は小さい。b*値(B)が小さい時は RIT 比(RIT)が弾性波速度(SRS)に強く影響し,b*値(B)が大きくなると RIT 比(RIT)の影響は小さい。b*値が小さい時は岩片が硬いため弾性波速度にき裂(RIT 比)が影響し,b*値が大きくなると岩片自体が脆くなり,き裂に関係なく弾性波速度が小さいことを現している。推定式の妥当性については参考文献 1)を参照されたい。岩石の種類ごとに w,α,βを予め設定して弾性波速度を推定する。S RS = (B − w) • D + 0.5   B ≤ w弾性波速度 (SRS)推定弾性波速度(SRS)は式 1 で算出し,b*値(B)が大きいほど,RIT 比(RIT)が小さいほど推4RIT比が大きいほど,急勾配となる32(w,0.5)10式10S RS = 0.5        B f w51015b*値(B)w図 3 弾性波速度推定式のイメージD = α ⋅ RIT + βApplication of Rock Slope Stability Analysis by Using Remote Sensing on the Ground to Many Actual Slopes : Takashi Okajima, Katsuhiko Arai,Yoshiyuki Ishida, Fumihiro Mitamura, Hiroyuki Fujita3RIT比を表す。黄色さの度合いを表す b*値(値が大きいb*値2.1 黄色さの度合いの観測方法 ここで,SRS:推定した弾性波速度(km/s),B:b*値,w:き裂の状況に関係なく弾性波速度が 0.5km/s となる b*値,D:推定式の勾配(マイナスの値),αおよびβ:岩種ごとに設定する定数(αはマイナスの値),である。2.4 安定性の評価各ピクセルごとに推定した弾性波速度と斜面勾配を図 4 に当てはめ,安定領域に該当する部分は青で,不安定領域に該当する部分を赤で,境界付近を黄のグラデーションで示す(図 6)。勾配は写真測量で取得する。なお,斜面表面の推定弾性波速度をもとに安定性を評価するため,本手法は表層崩壊を対象とする。流れ盤など構造的な大規模崩壊は別途検討する必要がある。図 4 日本道路公団の工事実績による安定性評価指標3 本研究の観測斜面国道に面した海岸段丘の段丘崖で高さは 80∼100m におよぶ(図 5)。礫岩で構成され,数 m∼10 数 m 間隔でき裂が認められる。斜面上部に大規模崩壊の予兆を示す開口き裂は認められない。現状では大規模崩壊の可能性は低い。これまでの研究で安山岩,花崗岩,凝灰岩の弾性波速度推定式を提案しているが,礫岩は推定式が未作成である。対象斜面の 3 箇所で弾性波速度を実測して,礫岩用の推定式を作成して利用した。4 観測結果b*値分布図,RIT 比の分布図は図 2 に示した。図 6 に安定性の評価結果を示し,図 7 では望遠目視で確認できるき裂の分布と安定性評価結果を合わせて示した。斜面右上を除き全体的に不安定であり,き裂との関係で特に不安定な部分も認められる。参考のために,現在ある対策工の位置や対策工で対応する範囲を図 8,図 9 に示す。斜面右端以外はロックシェッドで対応する範囲である。右端の上部は安定と評価される。右端の中央付近は不安定と評価されるがワイヤーネット工で対策されている。右端の下部は不安定領域でかつ対策工がないが,C 部分の下部には道路との間にある程度のスペースがある。万一,崩壊しても道路を直撃する可能性は低いが,十分に注意が必要であることが分かった。図 5 対象斜面図 6 安定性評価結果図 7 評価結果とき裂の分布 図 8 評価結果と対策工(ワイ 図9 評価結果と対策工(ロックシヤーネット工)ェッド工)5 適用性と有効性「4 観測結果」で示したように,本手法により対象斜面の安定性や要注意箇所を示すことができた。経験のある技術者は目視観察で同様の評価(結論)が可能かもしれないが,客観的な記録を残すことで以下のような有効性がある。① 斜面全体を実際の弾性波探査で均一に測定することは困難である。② 他の斜面と比較する場合,安定性を数量的に評価しやすい。③ 数年後に再度観測して,安定性の変化を数量的に評価しやすい。④ 第 3 者が見ても,安定性の状況を理解しやすい。本手法は弾性波速度の推定式を過去の実績で作成している。今回のように推定式が未作成の岩種であっても数箇所の実測で推定式を作成して全体の弾性波速度を評価できることが分かった。6 まとめ実際の斜面で安定性を客観的に評価することができた。「5 適用性と有効性」で示した有効性以外にも以下の効果が期待できる。① 数値的な記録の蓄積が将来の管理,設計・施工の重要な情報となる。② 客観的データなので,他者に説明しやすい(説明責任が果たしやすい)。③ 主観に頼る目視観察と比較して,岩斜面評価の技術を継承しやすい。今後は既存斜面だけでなく,施工中ののり面の安定性評価などにも利用していきたい。これにより,過不足のないのり面工を実現するとともに,点検時の着目点の明確化,変状が発生した時の原因解明のための情報などとして利用し,戦略的な維持・管理の一助としていきたい。・参考文献1) 岡島尚司,荒井克彦,本多秀夫,廣瀬剛,大澤美鈴,福岡誠,伊藤桂一,三田村文寛:地上リモートセンシングによる岩盤斜面の安定性評価の多数の実斜面への適用,日本リモートセンシング学会誌,25(1),pp.72-82,20052) 福井県建設技術公社:地上リモートセンシングによる岩斜面の安定性評価マニュアル(案),福井県建設技術公社,2005.3) 岩の力学委員会(編):岩の工学的性質と設計・施工への応用,(社)地盤工学会,東京都,2001.4
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  • タイトル
  • ジオテキスタイルの湿式開孔径試験についての検討
  • 著者
  • 島谷文卓・木幡行宏・弘中淳市・平井貴雄
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 5〜6
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50255
  • 内容
  • 3M - 09第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月ジオテキスタイルの湿式開孔径試験についての検討ジオテキスタイル,見かけの開孔径,試験法室蘭工業大学工学部国際会員木幡行宏室蘭工業大学大学院学生会員○島谷文卓三井化学産資㈱国際会員弘中淳市平井貴雄1. まえがきジオテキスタイルの見かけの開孔径(O95)は,ジオテキスタイルの透水性能や,目詰まり量1)などに密接に関係する物性値である.地盤工学会基準「ジオテキスタイルの見かけの開孔径試験方法」(T911)2)[以下,学会基準]は,諸外国の規格との整合性などを考慮し,基準化されたものであるが,本試験の実施に当たっては,ジオテキスタイルの透水性が考慮されていないため,ジオテキスタイルの種類によっては,試験法の適用が困難な場合が考えられる.本研究は,学会基準に基づいて湿式開孔径試験を行い,試験実施上の問題点等の検討を行った.その結果,ガラスビーズをジオテキスタイル供試体上に設置する際と,水槽浸漬時間に改良すべき点があることが明らかになった.2.試料及び試験装置表−1 に比較・検討するジオテキスタイルの物性値を示し,図−1 に乾式開孔径試験によって求められた残留率を示す.また,本研究で使用したガラスビーズの代表粒径と粒径の範囲を表−2 に,本研究で使用した湿式開孔径測定装置を図−2 にそれぞれ示す.湿式開孔径測定装置は,ジオテキスタイル供試体を装着できる円筒容器と,円筒容器を一定速度で水槽中に上下移動する機能を有するものである.3.試験方法ガラスビーズは,乾式に表−1ジオテキスタイルの物性値表−2ガラスビーズの粒径よる見かけの開孔径に応じジオテキスタイルの種類GTX-S30GTX-S40目付 (g/m )1403004000.050.037 ∼ 0.063厚さ (mm)1.5340.070.063 ∼ 0.088乾式による見かけの開孔径 (mm)0.370.220.190.10.105 ∼ 0.125-10.150.149 ∼ 0.17700.20.177 ∼ 0.2500.40.350 ∼ 0.5000.60.500 ∼ 0.710有するものを使用し,GTX-S14 と GTX-S30 には代表粒径 0.07∼0.6 mm を,透水係数 (cm/sec)GTX-S40 には代表粒径 0.05∼0.4 mm の 6 種類をそれるまで混合後,24 時間放置する.測定装置の円筒容器の底部には,水に 24時間浸しておいたジオテキスタイル供試体を,しわやたるみが生じないように装着する.その後,水を満たした水槽に,ジオテキスタイルを装着し8070イル供試体面を浸漬させ,01×10水平1×10-11×1001×10GTX-S14 (O95=0.37)GTX-S30 (O95=0.22)GTX-S40 (O95=0.19)6050Φ100200mm4030201000.01300 mm0.19 0.22 0.370.1Φ200水深250 mm1Glass Bead Size (mm)た円筒容器を入れ,円筒容器底部のジオテキスタ1×101×1090Percentage Passing (%)数滴の水で団粒がなくな-1垂直100ぞれ各 10 g ずつ採取し,代表粒径 (φmm) 粒径の範囲 (φmm)GTX-S142て,その付近の代表粒径を図−1各ジオテキスタイルの乾式法によるガラスビーズの残留率図−2湿式開孔径測定装置ガラスビーズをジオテキスタイル供試体面上に入れる.円筒容器は,1 cm/s の速度で,水槽浸漬時間 18 秒,空中引き上げ時間 30 秒,浸漬深さ 50 mm の条件で上下作動を繰返し,繰返し浸漬回数は 2000 回とした.水槽内に流出したガラスビーズの粒度は,JIS Z 8801 に規定する標準網ふるいを用いて,JIS A 1204「土の粒度試験方法」に規定する方法で測定し,得られた粒径加積曲線の 95 %通過粒径をジオテキスタイルの開孔径の測定値とした.1 種類のジオテキスタイルにつき 5 回の試験を実施し,最大と最小の測定値は除外し,残り 3 回の測定値の平均値を開孔径とした.なお,本研究では,通過ガラスビーズの細粒範囲を求める沈降分析が困難であったため,沈降分析は行わなかった.On the wet method for the apparent opening size test of geotextile : Y. Kohata (Muroran Institute of Technology ), F. Shimaya(Graduate Student, Muroran Institute of Technology), J. Hironaka and T. Hirai (Mitui Chemicals Industrial Products Ltd.)5 4.試験結果と考察100図−3 に GTX-S14,図−4 に GTX-S30,図−5 に GTX-S40 を用いて実施は若干のバラツキがあるが,開孔径を決定する上では影響はないと判断し,図−3∼5 から得られた測定値の最大と最小を除外して,残り 3 回の測定値の平均値を見かけの開孔径とした.得られた結果を表−3 に示す.表−1 の乾式開孔径試験による開孔径と比較すると,湿式法で得られたPercentage Passing (%)した湿式開孔径試験の結果を示す.図−3∼5 より,それぞれの開孔径に9095%80706050 O95=0.136 O95=0.135 O95=0.141 O95=0.129 O95=0.129O954030開孔径の測定値の方が小さく,乾式法と湿式法で値が異なることが分か200.1る.乾式法は,一定の振動数および鉛直振幅を有するふるい機によって,ジオテキスタイル供試体上でガラスビーズをふるう.すなわち,上下振図−3 粒径加積曲線(GTX-S14)動を与えることによって,強制的にガラスビーズをジオテキスタイル内100に通していると考えられる.一方,湿式法は,浸透圧によってガラスビ905.湿式開孔径試験方法の検討学会基準に基づいて湿式開孔径試験を行ったが,繰返し浸漬回数 2000回終了後,水槽内にガラスビーズは蓄積していなかった.これは,ジオPercentage Passing (%)ーズをジオテキスタイル内に通している.この違いが,得られる見かけの開孔径の値に影響を及ぼすと考えられる.1Glass Beads Size (mm)95%8070605040テキスタイル供試体上のガラスビーズが,円筒容器浸漬時に水と馴染ま20ず団粒化したことと,円筒容器の水槽浸漬時間に起因するものと考えら10O95=0.122O95=0.124O95=0.117O95=0.129O95=0.122O95300.11れる.そこで,本研究で実施した試験方法による結果に基づいて,学会Glass Beads Size (mm)図−4 粒径加積曲線(GTX-S30)基準の見直し点を以下に示す.100学会基準では,用意したガラスビーズから各 10 g ずつ採取し,よく混合した後,ジオテキスタイルを装着した円筒容器に入れるとなっている.しかし,この方法では,浸漬時にジオテキスタイル供試体上のガラスビーズが,水槽内の水と馴染まず団粒化するため,円筒容器内でガラスビーズが分散されなくなる.その結果,ジオテキスタイル供試体を通過するガラスビーズ量が減少し,粒度試験の精度が悪くなると考えられる.そこで,本研究では,各 10g ずつ採取したガラスビーズを,数滴の水で団粒がなくなるまで混合し,24 時間放置したガラスビーズを試験に使用した.その結果,浸漬時にガラスビーズは,団粒化すること表−3なく,円筒容器内で分散され,ジオテキスタイル供試体を通過するガラスビーズ量が増加した.(2)円筒容器の水槽浸漬時間の改善Percentage Passing (%)(1)ガラスビーズ混合方法の改善9595%9085O95 O95=0.089 O95=0.085 O95=0.087 O95=0.088 O95=0.08880750.11Glass Beads Size (mm)図−5粒径加積曲線(GTX-S40)湿式による各ジオテキスタイルの平均開孔径ジオテキスタイルの種類GTX-S14GTX-S30GTX-S40湿式による開孔径の平均値 (mm)0.1330.1230.088学会基準では,円筒容器の水槽浸漬時間は 10 秒となっている.しかし,この条件で試験を行うと,水槽内の水が円筒容器に完全に浸透する前に,円筒容器が上昇してしまう.そこで,本研究では,水中移動時間 10 秒,水中停止時間 8秒に設定し,総浸漬時間 18 秒として試験を行い,円筒容器内に水が完全に浸透するようにした.本研究の範囲内では,水中停止時間 8 秒であるが,ジオテキスタイルの透水性に合わせて,水中停止時間は適宜設定することが望ましいと考えられる.6. まとめ学会基準に基づいて湿式開孔径試験を行い,以下の知見が得られた.(1)本研究で実施した湿式開孔径試験によって得られた見かけの開孔径は,乾式法による見かけの開孔径の値に比べ小さい値であった.これは,ガラスビーズをジオテキスタイル内に通す際の手法が,両試験で異なることに起因すると考えられる.したがって,両試験法はジオテキスタイルの適用箇所や製造仕様に応じて使い分ける必要があると思われる.(2)湿式開孔径試験の改善点として,使用するガラスビーズの湿潤方法,及び円筒容器の水槽浸漬時間についての見直し点が提案された.<参考文献>1) 木幡行宏,田中雅史,佐藤織絵:ジオテキスタイルフィルターの目詰まりによる透水性低下に関する実験的研究,第40 回地盤工学研究発表会,pp.1949-1950,2005.2) 地盤工学会基準「ジオテキスタイルの見かけの開孔径試験方法」(T911)6
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  • タイトル
  • 国内外の宅地盛土に関する技術基準類と造成工事の現状
  • 著者
  • 伊東広敏・田村昌仁・武田啓司
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 7〜8
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50256
  • 内容
  • 4K - 05第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月国内外の宅地盛土に関する技術基準類と造成工事の現状締固め盛土宅地造成日本技術開発建築研究所正会員伊東広敏国際会員田村昌仁武田啓司都市再生機構1.はじめに2000 年に住宅の品質確保の促進等に関する法律が制定され,宅地地盤の品質性能に関する関心が高まっている。宅地地盤の品質に大きな影響を与える要素として宅地造成工事がある。今回,この宅地造成工事に関して,国内外の基準類を収集し,複数の試験盛土のデータを用いて宅地造成工事の実態について整理したので,その結果を紹介する。2.国内外における宅地造成基準(1) 国内の建築基準類における宅地造成に関する規定例日本の宅地盛土に関する基準指針類の概要について紹介する。宅地盛土に関する法律は「都計法令 28 条、宅造法令 5 条(2006.11 改正)」のみであり「盛土をする揚合には、盛土に雨水その他の地表水又は地下水の浸透による緩み、沈下、崩壊又は滑りが生じないように、おおむね三十センチメートル以下の厚さの層に分けて土を盛り、かつ、その層の土を表-1 都市機構における一般宅地部の盛土管理基準の変遷年号盛るごとに、これをローラーその他これに類する建設機械S30を用いて締め固める」と規定されている。締固め基準 ※1盛土材粗粒土細粒土表面仕上げ日本住宅公団として設立S33−一様性確認(コーン試験)仕上面より30㎝以内は玉石、コンクリート塊等−を含まない有機腐植土で最大乾燥密度14(15)kN/m3未満又は間S36 隙率45(42)%以上の土は使用不可締固め度( )内は3m以上の盛土Dc≧80%S41 自然(地山)間隙率85%以上の土は使用不可また,都市再生機構では盛土管理基準を定めており,表-1 にこの変遷について整理した結果を示す。コーン指数がS44 400kN未満の土は盛土材として使用不可都市機構は昭和 30 年に日本住宅公団として設立されたが,当時は宅地土工の施工実績も少なく,基準は道路土工−−Va≦15%かつqc≧400kN仕上面より1m以内に改訂粗粒土,細粒土毎の管理手法導入38.1㎜以上の混入率40%以下 仕上げ面か 締固め度 Va=2∼15%ら1m以上で Dc≧85% かつ高含水性粘性土 最大寸法仕上面より1m以qc≧4最大500㎜100㎜(転内は最大寸法はH3 はコーン指数200kN未満を追加 石300㎜)100㎜。RI計器の管理を追加37.5㎜以上H9(Dc≧87%,Va≦13%)に改訂(JIS改訂) 最大300㎜に 締固め度 Va≦15%H12改訂Dc≧85% かつqc≧400kNDc:締固め度,Va:空気間隙率,qc:コーン指数 qc=1/5qu(道路土工,軟弱地盤技術指針より) ここに,qu:一軸圧縮強さ※1 締固め管理上の材料区分  ①粗粒土(Fc<20%)・・・・・・Dc管理。締固め管理の頻度  ②粗粒土(20%≦Fm<50%)・・・Dc管理。RI計器:1日1層ごと15点   但し、最大乾燥密度を決め難い場合や、施密度試験及びコーン指数   工含水比の調整が困難な場合はVa管理。  ③細粒土(Fc≧50%)・・・Va管理+qc管理。  3,000m3に1回(但し9,000m3以下は3回) 指針を引用するなど試行の時代であった。昭和 40 年代にS47実施された多摩ニュータウンに代表される大規模土工を背景に,盛土材料と品質管理に関する研究が実施され,昭和 47 年の基準改定に反映された。この時定められた基準の原型となっており,以後,盛土材料の粒径やRI計器による管理等が追加されているが,大きくは改訂されていない。(2) 海外の建築基準類における宅地造成に関する規定例日本の宅地盛土に関する基準指針類の概要や変遷を前章までに述べたが,ここでは,海外の宅地盛土に関する基準類について米国を中心に紹介する。表-2 には,米国の建築基準類や開発許可に関して盛土造成に関する部分を収集して整理した結果を示す。米国では住宅用盛土を対象にした Control fill の考え方が古くから存在しており,海外でも広く用いられている建築基準であるUBC/IB では基礎を盛土上に支持させる場合には様々な造成情報(盛土材、締め固め度,従前の敷地の状態など)の提出を求めている。ニューヨーク市の建築基準では盛土材の粒度に関する規定があり,一定以上の細粒分を排除する考え方も示されている。また、開発許可は米国では Gradingpermits などと呼ばれており,Los Angels 市などの基準から判断すると,1ft(約 30cm)以下の盛土,10∼20%以下(最大 3ft までなど)の斜面盛土,約 38m3(50yd3)以下の盛土などの小規模模の盛土造成を除くと,許可を必要としている。表には,郡や市の開発許可における締固め度の規定値をいくつか紹介しているが,90%以上が一般的であり,93%以上,95%以上といった高い値も認め表-2宅地盛土の締固め等に関する技術基準例られる。締固め度以外の規定には,住宅等の構造物の基礎から 1.5m(5ft)までは 2%以上の排水勾配を設けることや洪水対策としての盛土と基礎の関係についての考え方なども示されている。表 -3 は , ニ ュ ー ジ ラ ン ド 基 準 ( NewZealand Standard)に基づく低層住宅用の盛土造成基準の概要を示したものである。粘土盛土と砂質土盛土で区別しており,それぞれに締固め度を規定している。砂質土では相対密度 80%以上といった規定や動的・7Japan engineering consultants Corporation Hirotoshi ITOBuilding Research Institute Sasahito TAMURAUrban Renaissance Agency Keiji TAKEDA 表-3Code of practice for earth fill for residential development( New Zealand Standard)の記述例静的コーン試験による管理を可とする規定もある。密度試験では,試験値の平均値は規定値以上を基本としているが,個々の試験値は規格値より若干下回るものも許容している。締固め度の規定値は,表-2 の米国の規定値と同様に 92%以上,95%以上といった高い値が示 さ れ て い る 。 そ の 他 , Final PerformanceMeasurements として,Permanent leveling Pointsの設置を求めていること,現場検査の時期などを明確にしていることなどに注意が必要である。なお,撒出し厚さについては 230mm(試験で確認した場合はその値)となっているが、撒出し後の締固め厚さ 15cm 以下といった規定も表-2 の Santa Barbara の基準にも存在している。3.宅地造成工事の現状100都市再生機構にて実施された試験盛土80て,ニューヨーク市の建築基準と対比した(図-4)。⑤地区では細粒分を多く含み同市基準から外れており,締固め度も Dc=88.4%と他地区に比べて小さい。その他の地区においては,同市基準に近い材料にて施工さ通過百分率(%)事例を表-4 に示す。また,同データを用い適用できない粒径(Building Code ofthe City of New York,2002)60Dc=86.8%(Va管理 Va=5.5%)凡例⑤⑦⑪⑫⑬適用できないDc=92.0%40Dc=90.3%Dc=89.2%20Dc=98.6%(Va管理 Va=8.7%)れており,完全に満足する⑪,⑬地区では締固め度が Dc=90.3∼98.6%と 90%を上回(UR)適用可能な粒度分布範囲00.0010.010.1る。1粒径(mm)10100図-1 盛土材の粒度分布と締固め特性(撒き出し厚 40cm,転圧 4 回)表-4 試験盛土の施工事例ゴシック体は採用値4.まとめ米国・豪州では締固め度 90%以上の管理が一般的であり,盛土材の粒径について規制している地域もある。国内では,昨年末に宅造法が改正され,土工の撒出し厚をおおむね 30cm 以下にすることが新たに加わった。造成盛土の締固めは建築時の支持力の問題だけでなく,宅盤の安定問題や脆弱化等を防ぐ上でも重要であろう。今回は,粒度と締固め度の関係を中心に報告したが,今後,締固め度を高めやすい材料の選定方法や締固め方法についても知見を集積し,体系化することが重要である。なお、海外基準類については、理解が足りない部分もあると考えられるので直接参照されたい。〈参考文献〉都市機構,工事共通仕様書(∼H16),宅地造成等規制法施行令 5 条8Japan engineering consultants Corporation Hirotoshi ITOBuilding Research Institute Sasahito TAMURAUrban Renaissance Agency Keiji TAKEDA
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  • タイトル
  • パプアニューギニアでの住民参加による未舗装道路整備の実践と維持管理体制の構築
  • 著者
  • 福林良典・木村 亮・三宅喜久恵
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 9〜10
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50257
  • 内容
  • 5A - 07第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月パプアニューギニアでの住民参加による未舗装道路整備の実践と維持管理体制の構築住民参加型,トラフィカビリティ,土のう京都大学大学院○福林主婦(パプアニューギニア在住)良典,木村三宅亮喜久恵1. はじめに開発途上国の貧困削減には,自分達の問題は自分達で解決していくという現地住民のエンパワーメントを促進することが求められる1).ここでは農村部での貧困の一因である雨季に未舗装道路が部分的に通行性を確保できないという問題に対し,地盤工学の研究成果であるシンプルな技術により住民自身で解決する手法を提案する.具体的にまず「土のう」による道路整備手法を開発した2).安価な材料を用い人力による手法であることから,住民自身が道路整備作業に参加することが可能である.次に実際にパプアニューギニアの農村部にて現地住民らとともに道路整備を行った.我々が現地に滞在している時のみに整備されるだけではその効果は持続しない.これまで実施工を通して,住民参加を得て技術を伝授し持続的に住民自身で道路を維持管理していくには何が必要であるかを考察してきた.その結果,確立されたモデル事例を紹介する.Kerenaga 村2. 施工対象道路の選定Sfaiyufa 村Naiyufa 村境界線舗装道路現地在住日本人の呼掛けに応えて,パプアニューギニア内陸部の Kundiawa/Gembogl District の Yuai 村にて住民らとともに未舗装道路の整備作業を行った3).3 日間にわたる第 1 回の施工では,村人がボランティアとして作業に参加し施工直後は通行未舗装道路0施工箇所Goroka 市村落1225性が向上した.しかし,約 3 ヶ月後に現地を確認したところ維28 (km)持管理された形跡はなく,再び泥濘分が路面を多い轍掘れが形成されていた.また第 2 回の施工に関しては住民の協力は得ることはできなかった.原因としては,下記のことが考えられる.1) 施工箇所付近の村は市場に近い場所に位置し,沿線の他の村の交通の通過点であり,Yuai 村の住民は道整備に対する図 1 施工箇所(Unggai/ Bena District)必要性を強く感じておらずモチベーションが低い.2) 対象道路は 2 車線の国道であり交通量が多く,「土のう」による整備手法が適用可能な道路ではない.実際,幹線道路としての位置づけからアジア開発銀行の資金援助による舗装化計画がすすんでいた.3) 維持管理に必要となる袋材,中詰材や路盤材に利用される川砂利について,アスファルト舗装などの工法で必要となる資機材の購入費用に比べて安価であるものの,その調達まで村人のボランティアに頼るのは不可能である.交通量,道路幅員に応じた補修方法の選定が大事であり,住民の意識調査,資機材調達の方法を考慮することが求められる.現地情報収集活動の結果,パプアニューギニア政府は各 District写真 1 施工前の路面状況に District Road Improvement Program という道路整備のための予算を割り当てていることがわかった.1District あたり年間約1,700 万円となり,District 選出の国会議員が予算を執行する.そこで「土のう」による道路整備手法で,安価ではあるが不可欠な材料費をこの予算でまかない,労働は村民によりボランティアで行うことで持続的な維持管理が実施可能ではないかと考えた.地元新聞記事に,これまで積極的に道路整備を実施している活動が報告されている国会議員と連絡をとり協議した.この国会議員が計画している農道整備事業を対象として,「土のう」による道路整備手法の実施を提案した.金銭ではなく技術を提供して欲しいとの答えに,その District 内でターゲットを選定し施工を行った.これまで図 1 に示す 3 箇所の村で施工を進写真 2 側溝の施工状況Establishment of the system to maintain the unpaved road by participatory method through the real constructions in Papua New GuineaY. FUKUBAYASHI, M. KIMURA, (Kyoto Univ.), K. MIYAKE (House wife in Papua New Guinea)9 めてきた.ここでは Kerenaga 村での事例について報告する.この村は,キリスト教活動を中心に組織化が進んでおり,「ゴ土のうミを捨てるな」などの規則を村独自で定めている.コーヒーが主側溝0.30な換金作物でその他野菜や果実などを生産し市場へ運び換金し,現金収入を得る.市場へはまず,村と主要道路とを結ぶ全長 1.13.00km の未舗装道路を通らなければいけないが,雨季においてもそ図 2 整備断面の通行性確保をするために補修が必要である.この農道の沿線には他の村はなくケレナガ村の住民の道整備に対する意識は高い.道路幅員は約 3 m の一車線であり,日交通量は平均 10 台である.全長の約 80%が道路勾配 10%以上の勾配箇所となっており,残0.30表 1 施工対象道路,村の諸条件施工計画村りが道路勾配 10%未満のやや平坦な箇所となっている.道路幅員Kerenaga村3.0 m3. 施工内容道路延長1.1 km40.0 km交通量10 台/日78台/日配がないため,路面の轍形成箇所には雨水がたまり,泥濘化して沿線村数180いる.道路側溝も草に覆われ機能していない.そこでまず,道路沿線人口約180 人約15,000 人側溝を作成した上で路面に滞留している水や泥濘分を除去し,轍道路管理者村国形成箇所には「土のう」を敷設し表面を川砂利で被覆した.整備国会議員協力的非協力的断面を図 2 に示す.ここでは特に側溝の断面を確保することと,土のう袋購入中詰材現地調達購入購入・運搬(2 km先より)施工対象道路の整備前の平坦部の様子を写真 1 に示す.縦断勾その流末を確認し排水勾配をもたせることに留意した(写真 2参照).袋材はパプアニューギニア国内の袋工場より調達し,中詰材や路盤材にはこの村付近を流れる小川から採取される川砂利を利用した.4. 維持管理体制整備直後の状態と同様であり,村人らにより維持管理がなされていることがわかった.担当範囲を村人に割振り,道路点検日を 2週間に一度設定し点検,補修を実施しているとのことであった.袋材が残置されており砂利も道路付近で入手可能で環境条件にも恵まれていた.人力によることから自分達が補修し自分達で維持5.0∼6.0 m最大参加率38.2 %16.7 %施工費200∼800 円実施を確認(4ヶ月後)1,600 円実施せず(3ヶ月後)維持管理4 ヵ月後に再び現地を訪れて道路状況を確認した.道路状況はYuai村地理的条件1.0 km1.1 km:施工に参画した村:その他の村: 主要道路: 施工対象道路道路沿線,市場近くに位置する.道路先端に位置する.管理していくというオーナーシップが醸成されつつあると考えられる.なお,先の報告 3)で維持管理が行われなかった Yuai 村での「土のう」による道路整備手法ケースと表 1 で諸条件について比較し,「土のう」による道路整備手法が有効で維持管理が実施されるために必要な環境条件を明確にした.なお,表 1 中最大参加率とは作業に従事した村人の最大人数をその村の全人口で除したものである.5. 結論農道通行不能提案・伝授国会議員土のう袋パプアニューギニア農村部で,国会議員の予算により土のう袋開発村人力中詰材(川砂利)代を調達し,施工対象道路を日々利用する住民自身が無償で労働整備通行性の確保し道路整備を行うという 1 つのモデル事例を構築した.この国の制度を利用しており,外部者の存在なくても新技術が浸透し,持続的に道路の通行性確保のための維持管理がされていくのではないかと考えられる.このフロー図を図 3 に示す.6.経年変化維持管理図 3 住民参加型道路維持管理フロー今後の課題これまでは道路平坦部での施工を行ってきたが,勾配箇所での通行性確保が大きな課題である.勾配箇所では「土のう」のみならず部分的にソイルセメントなどの補助工法を併用することを検討する.モデル村を起点に維持管理も含めた住民参加型未舗装道路整備手法をマニュアル化し,他地域へ短期間に広めることでパプアニューギニアから世界各地の貧困削減に貢献することを目指す.参考文献) 1) 木村亮:土と基礎, 地盤工学会,Vol. 54, No.1, pp.12∼15, 2006. 2) 福林良典ほか:「土のう」による未舗装道路整備手法の開発-実物大走行試験編-,第 41 回地盤工学会研究発表会,pp.23-24, 2006. 3) 福林良典ほか:「土のう」による未舗装道路整備手法の開発-パプアニューギニアにおける実施例-,第 41 回地盤工学会研究発表会,pp.25-26, 2006.10
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  • タイトル
  • 経済的な既設橋梁拡幅工法の開発
  • 著者
  • 佐伯和浩・加藤精亮・渡邊明之・星野 正
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 11〜12
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50258
  • 内容
  • 6H - 06553第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月経済的な既設橋梁拡幅工法の開発地下空間、橋りょう改築、JES継手、結合東日本旅客鉄道㈱1正会員○佐伯和浩加藤精亮渡邊明之星野正概要既設橋りょうの架け替えや線路下横断工事等地下空間の建設は、従前は工事桁等で軌道を仮受けし、狭隘な中で基礎、橋台の構築を行っていた。軌道に関係する工事が増え、それらは夜間短時間の線路閉鎖間合を使用しての施工となるため、効率が悪く、工事費の増大と工期の長期化が避けられなかった。そこでこれらの架け替え工事や新設工事において、より低廉で短い工期での施工を可能とする新しい急速仮設方法を開発することを目的として、以下の構造形式を検討した。①応力を伝達できる特殊な継手(JES 継手)を用いた、橋台と桁の剛接合による門型ラーメン化②〃、側壁と上床版の剛接合したボックスラーメン化本文では、構造形式の提案と要素試験の結果について述べる。2構造形式の提案・施工方法提案する施工方法は、線路閉鎖回数を極力減らして安価にできるものとした。ここでは橋台(側壁)の部分を HEP&JES工法 1)にて施工することとした。(以下新提案工法(JES 結合カルバート))施工手順を[図−1]に示す。Step1新橋台部分構築(HEP&JES 工法)Step1Step4Step2調整用エレメント鉄筋かご挿入Step3横取り架設に使用する JES 継手の位置あわせ後、中空エレメントコStep2Step5ンクリート打設JES 継手Step4軌道、旧路盤、旧橋台一部撤去Step5上床版横取り架設(JES 継手を嵌Step3Step6合させながら架設)Step6接合部コンクリート打設(一体化)既設橋台背面土砂撤去、橋台撤去。[図―1]新提案工法(JES 結合カルバート)完成。3検討課題3.1 要素試験の実施この工法を実現するにあたり、既存の HEP&JES 工法と比較した新たな項目は下記のとおりである。(1) 上床版の重量が横取り用の JES 継手軸方向に作用する。(2) JES 継手の数が通常のエレメント(2 箇所)の倍(4 箇所)と[図―2]JES継手(左)と嵌合状況(右)なり挿入抵抗が増加する。この状態において、牽引力ならびに牽引速度の検討が必要となり、上床版横取り架設の状態を再現した要素試験を実施し、状態の確認と問題点の抽出を行った。3.2 試験方法上床版横取り架設の状態を再現した試験装置を製作した。試験装置の略図を[図−3]、[図−4]に、写真を[写真−1]に示す。The new economical method of enlarging the span of exiting narrow bridgeResearch and Development Center of JR-EAST Group, East Japan Railway Company, KAZUHIRO SAEKI, SEISUKE KATO,AKIYUKI WATANABE, TADASHI HOSHINO11 嵌合試験を行う JES 継手の長さは単線分の桁の横取り架設を想定し 4m とした。左右の結合部に桁を模擬したH鋼を取り付け、重量を模擬したウエイト(4t∼100t)を戴荷した。850ウエイトウエイト(敷鉄板)引込側JESジャッキ50006700固定側JES固定側JESジャッキ850引込側JES反力架台引込側4000固定側4000けん引方向[図―3] 試験装置平面図ウエイト片側47.5t反力架台ジャッキけん引用油圧ジャッキコンクリート[図−4] 試験装置断面図[写真−1] 試験状況(牽引前)試験パラメータを下記のとおり設定し、組み合わせ 9 つのケースについて試験した。(1) ウエイト重量(4t,30t,100t)(2) 潤滑剤有無(業務用合成洗剤使用)(3) 牽引速度(150,300,600mm/分)(4) 縦方向・横方向誤差(0mm,8mm)(4)に示す縦方向・横方向誤差とは、橋台側継手の設置誤差を縦・横方向へあらかじめ人工的に与えて設置しておくものである。3.3 試験結果[表−1] 牽引試験結果各試験ケースと結果を[表−1]に示す。ケースCase-1 では、ウエイト重量が小さいこウエイト潤滑材重量牽引速度縦方向 横方向誤差誤差備考最大牽引力(牽引力/ウエイト比)−case-14tなしcase-230 tなしcase-330 tあり比較すると、増加割合はほぼ同等であり case-4 100 tあり27t (27%)摩擦力が増加したものと考えられる。100 tあり29t (29%)case-4,5,9 を比較すると、牽引力のばら case-6 100 tありとから牽引力が低く測定不能となった。ウエイト重量が大きいほど牽引力が増加している。case-3 と case-4 の重量をcase-5つきが生じている。これは牽引速度によ case-7 100 tるものではなく、誤差に起因するものと考えられる。なお、case-9 は縦横とも若干の誤差が発生しているが、これはcase-8case-9100 t100 tあり基礎的データ採取のため150mm/分300mm/分ありあり600mm/分0mm0tではけん引力算出できなかったため30tで一次試験を行った。20t (67%)4t (13%)27t (27%)8mm固定側継ぎ手がコンクリート台座から移動39t (39%)8mm8mm8mm8mm35t (35%)2mm1mm31t (31%)case-8 試験終了後、橋台側 JES 継手が変形してしまったものを修正せずにそのまま case-9 を実施したものである。橋台側継手の設置誤差による牽引力の変化は、case-6 と case-8(case-7 は試験中止)を比較すると、誤差箇所が増加するにつれ牽引力が増加する。縦横方向誤差を設定した場合の牽引力変化は、誤差なしの約 1.2 倍であった。誤差が継手に与える影響であるが、継手に塑性変形は見られなかったことから、継手の遊びの範囲で吸収したと推定している。4まとめ(1) JES 継手の設置誤差がない場合の上床版牽引力は、上床版荷重の約 14∼30%である。(2) 同設置誤差がある場合の同牽引力は、同荷重の約 30∼35%以上が必要である。(3) 潤滑剤併用時の牽引力は減少している5おわりに以上のことから、現在の施工方法と比較し、より低廉で短い工期の施工を可能にする工法の有用性を確認することができた。今後は本工法の適用を目指し技術支援をしてゆく予定である。1)HEP&JES 工法技術資料2001 年 1 月鉄道 ACT 研究会12
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  • タイトル
  • 木片を含む地盤の沈下予測
  • 著者
  • 廣瀬義純・小山準蔵
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 13〜14
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50259
  • 内容
  • 7E - 02第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月木片を含む地盤の沈下予測沈下発生土事例大成基礎設計(株)正会員○廣瀬義純大成基礎設計(株)正会員小山準蔵1.はじめに本論は、木片などの有機物を含む地盤(建設発生土)に対して、地盤の沈下予測を行った調査事例を紹介するものである。木片を混入した地盤においては、有機物の腐敗分解から地盤の強度低下や体積減少など、様々な事象が生じると想定される。有機物の腐敗分解に伴う沈下量の推定については、一般的な算定方式がない為、種々の検討内容から総合的に判断することが必要と考える。本論では、仮定条件に基づき想定される事象毎に沈下検討を行った。2.検討内容2.1検討条件対 象 地 は 、 谷 状 の 旧 地 形 に 盛 土 さ れ た 造 成 地であ る(図.1)。盛土層は上下 2 層に分かれ、下部盛土層に木片などの有機物が多く点在する。地山は第三系鮮新統の砂礫地盤より成り、上部盛土層においてはこの地山掘削土が用いられている。下部盛土層における木片および有機物の混入状況は、ボーリングコアからの判別である為に詳細は不明であるが、木片からチップ状にあるものまでを含み多様である。なお、地下水位は下部盛土と地山の境界付近に存在する。検討上の仮定条件は、次のとおりである。①下部盛土層における木片の腐敗分解に起因した沈下量を推定するもの図.1対象地の地盤概要とし、盛土および自然地盤自体の残留沈下は考慮しない。②有機物の腐敗分解に伴う沈下量の推定は一般的な算定方式がない為、仮定条件の下、種々の検討内容から総合的に判断するものとする。③木片等の有機物の混入量は、コア状況から全体的にはおよそ 3 %程度の体積率と判断する。また土の単位体積重量は、18 kN/m3 とする。④木片の混入状況は、対象地盤内に点在しているものと考えられるが、沈下量の算定上は、木片等の混入を「層」として行う。2.2検討方法有機物の腐敗分解に伴う事象としては、1) 地盤の強度低下による沈下、2) 体積減少による沈下、3)有機物自体の間隙比の減少を想定した。以下の沈下検討は、これらの事象に各々に対して行ったものである。1) 地盤の強度低下による沈下木片等(有機物)の腐敗分解による下部盛土層の強度低下分より沈下量を求める。沈下量の算定にあたっては、式.11)を用いた。Si =(qE×Bm/E)×n……………………………………………………………………………………(式.1)qE:盛土荷重(kN/m2)Bm:載荷幅(m)E:軟弱層の平均変形係数(kN/m2),E=(1/ΣHi)・(ΣEi・Hi)n:係数(今回の場合 n=0.16)Hi:軟弱層を構成する各層の層厚(m)Ei:軟弱層を構成する各層の変形係数(kN/m2)腐敗分解前の下部盛土の強度(平均変形係数 E)は、ボーリングのN値(平均 10)を用いて、E = 700×N = 7000 kN/m2とした。また、腐敗分解後の下部盛土の強度(平均変形係数 E)は、木片混入率分(3%)を E = 0 kN/m2 とした。以上から、腐敗分解前の下部盛土層の沈下量は、Si =(18×5.4×20/7000)×0.16=0.04 m、腐敗分解後の下部盛Predication of Settlement due to Soil mixed with Wood.13HIROSE,YoshizumiTaiseikisosekkei Co.,Ltd.KOYAMA,JunzouTaiseikisosekkei Co.,Ltd. 土層の沈下量は、Si =(18×5.4×20/6785)×0.16 = 0.05 m を求めた。よって、下部盛土の強度低下による沈下量は、S = 0.05-0.04 = 0.01 m を算出した。2) 体積減少による沈下木片等(有機物)の腐敗分解により、対象地盤の実質体積が減少すると仮定して沈下量を求める。なお、実際に腐植するのは 45 %の有機物とし、その内約 50 %の有機物は分解後も残存するものとした。これより、対象地盤における木片等(有機物)の混入率を 3 %と仮定すると、沈下量は S = 7.5×0.03×0.5×0.45 = 0.05 m となる。3) 間隙比の変化による沈下量の推定腐敗分解の進行による間隙比の変化より沈下量を求める。沈下量の算定にあたっては、式.21)を用いた。S=H×(e0−e)/(1+e0) ……………………………………………………………………………………(式.2)S:沈下量(m)H:沈下対象層の厚さ(m)e0:初期間隙比e:間隙比初期間隙比、一般的な腐植土の間隙比 e = 3.80∼8.202)から e = 6 程度とする。間隙比の変化については、図.2からe0=6.62 の曲線を用いる。これより、下部盛土層の中央深度までの土被り圧を 165.6 kN/m2 として e = 3.5 とする。なお、沈下対象層の厚さは、木片等の混入を「層」として行い、木片等(有機物)の混入量を 3%の体積率として、3.5H = 7.4×0.03 = 0.23 m とする。以上から、間隙比の変化による沈下量は、S = 0.23×(6.62-3.5)/(1+6.62)= 0.09 m を算出した。図.2 自然含水比と e-logp 曲線の関係3.検討結果検討結果をまとめると、表.1 のとおりとなる。下部盛土層に混入する有機物の腐敗分解に伴い、0.01∼0.09mの沈下量が算定された。表.1有機物の腐敗分解に伴う沈下量検討結果検 討 項 目沈下量(m)1) 地盤の強度低下による沈下0.012) 体積減少による沈下0.053) 間隙比の変化による沈下0.094.おわりに土中の有機物の分解過程においては、二酸化炭素や無機態の窒素が生成され、これらの物質は気体として大気中に放出し、また土中水に溶解する。このような分解過程には長い年月を要すると共に、地盤内においてはアーチング作用が発生することも予想される。個々の検討結果を総合的に判断すると、下部盛土層における木片等(有機物)の混入に起因した沈下は、事実上、比較的長い年月を要して発生し、最終的な沈下量としては、概ね 5∼6cm 程度以下ではないかと推定する。今後は、現地における沈下計測を行い、今回の検討結果の適応性を確認していきたいと考える。参考文献1)社団法人日本道路協会:道路土工「軟弱地盤対策工指針」,昭和 61 年 11 月2) 小松田清吉:土質調査の基礎知識,鹿島出版会,P.35,昭和 59 年 1 月14
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  • タイトル
  • ライフサイクルコストに基づく盛土構造物の耐震性能評価法
  • 著者
  • 上田恭平・井合 進・飛田哲男
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 15〜16
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50260
  • 内容
  • 8第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月H - 04ライフサイクルコストに基づく盛土構造物の耐震性能評価法盛土,地震応答,ライフサイクルコスト京都大学大学院学生会員○上田恭平京都大学防災研究所国際会員井合京都大学防災研究所国際会員飛田哲男進1.はじめに兵庫県南部地震など頻発する巨大地震を契機に,近年橋梁など土木構造物の設計体系が仕様設計から性能設計へと移行してきている.このような流れから,盛土に代表される土構造物に関しても,今後来るべき大地震に備えてその影響を考慮した合理的な設計手法の確立が求められている.そこで本研究では盛土天端の沈下量を照査項目として,ライフサイクルコスト(以下,LCC)に基づいた最適な設計案の検討を行う.2.遠心模型実験および数値解析の方法盛土の地震時動的挙動を把握するため,京都大学防災研究所の遠心力載荷装置(半径 2.5m)を用い,50G の遠心力場で模型振動実験を実施した.模型地盤,盛土の作成には硅砂 5 号を用い,実験ケースは地盤条件が緩詰め飽和砂,密詰め飽和砂のそれぞれにおいて入力加速度振幅を変え 4 ケースずつ,緩詰め地盤を一部締め固めた対策断面を 2 ケース,延べ 10 ケース実施した.対策 1(Case9)は盛土法面下の原地盤を,対策 2(Case10)は盛土直下の原地盤上部を締固めた.図-1 に実験模型の断面図を,図-2 に対策断面の模式図を示す.原地盤の相対密度は緩詰めで約35%,密詰めで約 70%であった.入力波は上町断層波を用い,加速度振幅を変化させて実験を行った.図-1 模型断面図次に,多重せん断モデルに基づく有効応力解析プログラムである FLIP を対策 1用いて数値解析を行った.解析の手順は,まず完全排水条件下で自重解析を対策 2行い,その後遠心実験で得られた入力波の波形を用いて地震応答解析を非排水条件の下で行う.解析寸法は遠心実験で対象とした実大モデルと同一とし,パラメータはMeyerhof式より得られた等価N値(以下,N65)から標準的に得図-2 対策断面模式図られる値を用いた.なお,これ以降の数値は実大スケールとする.3.実験結果と解析結果の比較実験,解析における入力加速度と盛土天端沈下量との関係を図-3 に示す.同図(a)は原地盤が緩詰め(対策断面含む)の場合である.実験結果より,加速度が大きくなるにつれて加速度増分に対する沈下量の増加率は小さくなっており,沈下量が頭打ちの傾向Settlement (m)2(a)Case3Case41較すると,Case9,Case10 における沈下量はそれぞれ 11.8%,20.5%0100の場合も,実験と解析との整合性は良い.なお,Case6 と Case7の沈下量の大小関係が逆転しているのは,実験における Case6 の200300400500Amplitude of input acceleration (Gal)0.04(b)Settlement (m)おける再現性は良好である.一方,同図(b)に示す原地盤が密詰めAnalysisCase20程度の小さな値にまで軽減されている.実験と解析とを比較すると,Case9 での両者の値に幾分違いが見られる以外,概ね解析にExperimentCase1にある.また,原地盤の部分的な締固めを行うことが沈下抑止対策として非常に有効であり,緩詰めで沈下量が最大の Case4 と比Case1-4Case9Case10Case1-4Case9Case10Case6Case80.02Case5ExperimentAnalysisCase7相対密度の値が幾分小さかったためであると思われる.04.LCC に基づく耐震性能評価0本試算での設計断面は遠心実験における実大モデルと同一とし,入力地震動には上町断層波を用いる.盛土天端沈下量を照査項目100200300400500Amplitude of input acceleration (Gal)図-3 入力加速度-盛土天端沈下量関係とし,検討案として遠心実験と同様の原地盤の締固めを採用する.なお,対策断面 1 に関しては,実験と解析の変形形態が異なることより,検討案から除外している.続いて損傷度曲線を算定するために損傷度解析を行う.まずFLIPにより様々なN65 に対して最大入力加速度と盛土天端沈下量との関係を求める.盛土部N65を 15 とし,均一原地盤のN65を5,10,15,20,25 の 5 段階に変化させた.また,対策断面 2 の場合は緩詰め層N65を 10 とし,締固め層N65を 15,20,25 の 3 段Seismic performance evaluation of embankment based on the concept of life cycle cost;Kyohei Ueda(Kyoto University),Susumu Iai,Tetsuo Tobita(DPRI,Kyoto University)15 階に変化させた.次に,加速度-沈下量関係から,各々の加速度に関してN65と盛土天端沈下量との関係を求める.ここで,不確定要因により加速度ごとにN65がある値 N の近傍でばらつくものとし,モンテカルロシミュレーション(以下,MCS)により 1000 個程度のランダムなN65を求める.次に,ランダムなN65に対応する沈下量SNを線形補間により求め,沈下量SNが許容最大沈下量SLを超える確率を求める.本試算では 4 種類の損傷度分類を設定しており,SLの値はDegree1~4 においてそれぞれ 0.2,0.5,1.0,1.5mである.最後に,求められた損傷確率をグラフにプロットし,それらを滑らかに結ぶことで損傷度曲線(ここでは対数正規累積分布関数により近似)が得られる.次に,損傷度曲線と対を成す地震危険度曲線の設定を行う.本試算では代表的な活断層である上町断層帯を対象震源断層に選定する。地震発生間隔の分布モデルとして,活動間隔の統計量を良好に表現でき物理的解釈が容易であるという理由から Brownian Passage Time 分布を採用し,t 年間における地震の発生確率 P(E;t)を求める.続いて上町断層帯を震源として地震が発生した条件の下で,試算地点における地震動最大加速度を安中らの距離減衰式を用いて推定する.推定された加速度が不確定要因によりばらつくものとし,MCS を用いて最大加速度 X がある値 a を超える確率 P(X>a|E)を求める.以上より,着目期間内に上町断層帯を震源とする地震によって,試算地点の最大加速度 X がある値 a を超える確率は式(1)のように求められる.150000(1)ここでは盛土の供用期間を 50 年とし,対数正規累積分布関数を用いて地震危険度曲線を作成した.損傷度曲線をFR,地震危険度曲線をFSとすると,盛土の破壊確率∞0dFS (a )FR (a )dada9000060000○:LCC△:初期コスト□:リスク費用00(2)10203040等価N値40000一方,LCCは式(3)に示すように,盛土建設費や地盤改良費などの初(3)なお,本試算ではCMは地盤改良の有無に関わらず等しいと仮定し考慮に入れていない.いま,盛土総延長を 400m,盛土材料単価を 2千円/m3,地盤改良単価を 6 千円/m3(N65=10→15),8 千円/m3(N65=10LCC(万円)損傷時コストCfとの積であるリスク費用との和で表される.原設計(N=10)対策断面2(N=15)対策断面2(N=20)対策断面2(N=25)(b)期建設費CI,除草や点検といったメンテナンス費CM,破壊確率PfとLCC = C I + C M + ∑ Pf ⋅ C f原設計(N=10)対策断面2(N=15)対策断面2(N=20)対策断面2(N=25)30000は式(2)により算定される.Pf = ∫(a)120000LCC(万円)P ( X > a; t ) = P (E ; t ) × P ( X > a | E )3000020000○:LCC△:初期コスト□:リスク費用1000000→20),1 万円/m3(N65=10→25)とし,復旧費の算定において,復10203040等価N値図-4 間接損失を考慮した LCC旧にかかる諸経費の上乗せとして盛土材料単価を 1.3 倍して用いることとする.損傷時コストに間接損失として破堤による浸水被害を考慮に入れる場合,その想定最大被害額は約 1 兆円と試算されており,浸水被害の年生起確率を 0.05%とすると,50 年間における発生確率はポアソン過程より約 2.5%となる.なお,破堤による浸水被害の算定においては,盛土の被害程度に応じたパラメータを想定最大被害額に,また盛土の復旧期間に応じたパラメータを 50 年生起確率に乗じて用いている.本試算では,上町断層帯からの最短距離がR=0(km)の地点と,R=30(km)の地点におけるLCCを算定した.まず,損傷時コストとして復旧費のみを考慮した場合は,両地点とも地盤改良によりLCCは低減されず,原設計が最適案となった.次に間接損失を考慮した場合,0km地点では図-4(a)に示すように対策 2 においてLCCの低減が見られる.原地盤表層部をN65=25 に締固めた場合のLCCが最小であるが,これは局所的な最小値の可能性があり,最適案の判定にはさらに締固めた場合のLCCを求め比較を行う必要がある.一方,30km地点でも図-4(b)に示すように対策 2 においてLCCの低減が見られる.ただ,断層直上の場合と異なり,N65=20 に締固めた場合のLCCが最小となっている.同図対策 2 におけるN65とLCCの関係は理想的な下に凸の関係であり,N65=20 の場合のLCCの値は全域的な最小値であると考えられる.以上より,盛土直下の原地盤表層部をN65=20 に締固めることが最適案として選定される.5.結論上町断層帯から 0km地点および 30km地点において,損傷時コストとして復旧費のみを考慮した場合,地盤改良によるLCCの低減は見られず原設計が最適案となる.他方,間接損失として破堤による浸水被害を考慮した場合,0km地点では盛土直下の原地盤表層部をN65=25 に締固めるのが効果的であるが最適とは言い切れない.一方,30km地点では表層部をN65=20 に締固めることが沈下抑止対策としての最適案である.以上のように,FLIPによる解析データを用いて,盛土構造物に対するLCCを考慮した合理的な耐震性能評価を行うことが可能である.参考文献1) Iai,S., Matsunaga,Y. and Kameoka,T.:Strain space plasticity model for cyclic mobility,Report of the Port and Harbour ResearchInstitute,Vol.29,No.4,pp.27-56,1990. 2) 確率論的地震動予測地図の説明(全国を概観した地震動予測地図分冊 1),地震調査研究推進本部地震調査委員会,2005. 3) 淀川水系河川整備計画基礎原案,国土交通省近畿地方整備局,2003.16
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  • タイトル
  • 東大阪地域の沖積粘土層の土質特性と地域性の検討
  • 著者
  • 福本哲也・大島昭彦・金谷泳知・春日井麻里
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 17〜18
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50261
  • 内容
  • 9D - 05第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月東大阪地域の沖積粘土層の土質特性と地域性の検討沖積粘土,土質特性,データベース 大阪市立大学大学院 国 大島昭彦 学 金谷泳知 学 盛岡学           学○福本哲也 学 春日井麻里1. まえがき 上町台地よりも東側の東大阪地域は内陸に位置するが,過去の海進時には海が進入して内湾となり,広く粘土層が堆積し,特に沖積粘土層は超鋭敏性を示すことが知られている。しかし,西大阪地域に比べ,東大阪地域の粘土層の土質特性はあまり明確でない。関西圏地盤研究会 では,「関西圏地盤情報データベース 」(以下,DB)を基にして地質・土質 特性の地域性の検討とその解釈に精力的に取り組んでいる。 本報告はその一環として,東大阪地域の沖積粘土層(Ma13 )を対象に連続サンプリング試料による土質試験結果と DB を用い,その土質特性と地域性を検討した結果を紹介する。2. 検討地区 図-1 に東大阪地域で検討した 9 地区を示す。図中の●は沖積粘土層を連続サンプリング した地点(門真,寝屋川は今 回寝屋川新たに,網島,新庄は過年度に実施)で,物理試験 (液性・塑守口性限界,粒度試験等)と段階載荷圧密試験,一軸圧縮試験を 40~50cm ピッチで行い,土質特性の詳細な深度分布を求めた。淀川門真図中の ● は DB から抽出した沖積粘土層で比較的多くの土質データが登録されている地点 である。これらから土質特性 が似かよる 9 地区を決定した(残念ながら東大阪地域での DB登録データは N 値のみが多く,土質試験結果は少なく,空白地区が多くなった)。また,同図には文 献 1)に示されてい る沖積粘土層が出現しない地域 を網掛けで示した。西側は上 町台地,東側は丘陵地であるが ,それ以外にも守口市南部, 鶴鴫野網島今津新庄大阪城中浜見区東部,東大阪市高井田付 近は,地下に洪積層の高まり があり,沖積粘土層が堆積していないことが報告されている。3. 土質特性と地域性の検討長田沖積粘土が 出現しない地 域(上町台地)DB抽出地点試料採取地点 図-2,3 にそれぞれ門真,寝屋川沖積粘土の連続サンプ リング試 料から 求めた 土質特 性の 深度分 布(図 (1):液 性限 界図-1 東大阪地域で検討した 9 地区,図(5):圧密降伏応力 p c)を示wL,図(2):液性指数 IL,図(3):圧縮指数 Cc,図(4):圧密係数 cv (正規圧密域の平均値)した。図中には同一地区で抽出した DB による土質特性も示している。図-2 の門真は比較的均質な高塑性の海成粘土であるが,図-3 の寝屋川は間にシルト質砂を挟み,全体に低塑性の非海成粘性土である(局所的に有機質粘土も挟む)。以下の地区毎の比較では,多項式による回帰線を代表値として粘土層上面からの深度(出現深度が異なるため)で示す。 図-4 に東大阪地域中央部に位置する地区の土質特性の比較を示す。図(1)の wL は,各地区とも別報 2) で示した西大阪地域の沖積粘土と同様に上下で低く,中央で高い弓形分布を示しており,海進・海退の堆積環境の影響が現れている。ただし,新庄,門真には地質分析から見出された K-Ah(鬼界−アカホヤ火山灰,約 7,300 年前に降灰)の出現深度を矢印で示しているが,西大阪地域と比べると K-Ah より下の層厚が厚く,高塑性 (海成) であることがわかる。この点は両地域の堆積環境の違いによると考えられるが,その解釈は今後の課題である。図(2)の IL は,長田,新庄,門真で 1 以上を示し,東大阪地域の沖積粘土の特徴である超鋭敏性が伺える。ただし,鴫野の IL はかなり低い。図(3),(4)の Cc,cv は,基本的に先の wL が反映されているが,特に新庄の中央部の圧縮性が高い。図(5)の p c は,各地区とも有効土被り圧 p 0 に比べて上下で大きくなる弓形分布をしており,過去の地下水位低下による圧密進行の影響と考えられる。ただし,西大阪地域の沖積粘土2) と比べると過圧密性の程度は低い。なお,鴫野の p c はデータ不足で過大に出ていると考えている。 図-5 に台地・丘陵に近い地区の土質特性の比較を示す。図(1)の wL から各地区とも塑性は低く,今津以外は wL は弓形分布を示さない。しかし,図(2)の IL から,網島,今津は超鋭敏性を示す。Cc,cv ,p c の傾向は,先と同様である。 以上のように,東大阪地域の沖積粘土層の物理特性は地形や堆積環境に大きく依存しており,比較的広い範囲で超鋭敏性を示す。しかし,p c の深度分布は過去の地下水位低下による圧密進行の影響を受けていると考えられる。 なお本研究の最終目標は,地下水位高位化問題を解決するために沈下量を最小限に留める地下水位低下可能量を求めることにあるが,これらの土質特性の地域性を考慮して予測した結果を別報 3), 4)で報告している。参考文献 1) 関西地盤情報活用協議会:関西地層分布図 −大阪平野− <Ma13 層>,1998.2) 大島, 他:西大阪地域の沖積粘土層の土質特性と地域性の検討, 第 42 回地盤工学研究発表会(投稿中),2007.3) 大島, 他:西大阪地域の沖積粘土層に対する地下水位再低下による沈下量の予測, 第 42 回地盤工学研究発表会(投稿中), 2007.4) 大島, 他:東大阪地域の沖積粘土層に対する地下水位再低下による沈下量の予測, 第 42 回地盤工学研究発表会(投稿中), 2007.Geotechnical Properties and Locality of Holocene Clay in Eastern Osaka Area,Oshima Akihiko, Kanya Eiji, Morioka Gaku, Fukumoto Tetsuya and Kasugai Mari (Osaka City University)17 20640I L (=wR )wL (%)6080100120 00.511.5 0Cc10.51.5c v (cm2/d)1021032 101(3) Cc の深度分布(2) IL の深度分布104 0pc (tf/m2)2030104050(5) pc の深度分布(4) cv の深度分布8 (1) wLの深度分布:実験値他:DB抽出データ深度 (GL - m)10K-Ah12回帰線14回帰線回帰線回帰線回帰線有効土被り圧p016図-2 門真沖積粘土の土質特性の深度分布20340wL (%)6080IL (=wR )100120 00.511.5 01.52 101(3) Cc の深度分布(2) IL の深度分布(1) wLの深度分布Cc10.5c v (cm2/d)102103104 010pc (tf/m 2)20304050(5) pc の深度分布(4) c v の深度分布4シルト質砂シルト質砂シルト質砂シルト質砂シルト質砂深度 (GL - m)56:実験値   他:DB 抽出データ回帰線7回帰線回帰線8回帰線回帰線9局所的な有機質粘土157有効土被り圧p0局所的な有機質粘土図-3 寝屋川沖積粘土の土質特性の深度分布20040wL (%)6080IL (=wR )100120 00.511.5 00.5Cc11.52 101c v (cm2/d)102103104 010(1) wLの深度分布pc (tf/m 2)20304050(5) pc の深度分布粘土層上面からの深度(m)24K-Ah鴫野中浜長田新庄門真6?K-Ah810(3) Cc の深度分布(2) IL の深度分布(4) c v の深度分布12有効土被り圧p 0図-4 東大阪地域中央部の土質特性の比較20040wL (%)6080IL (=wR )100120 00.511.5 00.5Cc11.52 101c v (cm2/d)102103104 010pc (tf/m 2)203040粘土層上面からの深度(m)2468網島今津守口寝屋川今津のc v 欠損10(1) wLの深度分布(2) IL の深度分布(3) Cc の深度分布(4) c v の深度分布12図-5 台地・丘陵に近い地区の土質特性の比較18有効土被(5) pc の深度分布り圧p050
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  • タイトル
  • 西大阪地域の沖積粘土層の土質特性と地域性の検討
  • 著者
  • 春日井麻里・大島昭彦・金谷泳知・福本哲也
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 19〜20
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50262
  • 内容
  • 10D - 05第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月西大阪地域の沖積粘土層の土質特性と地域性の検討沖積粘土,土質特性,データベース大阪市立大学大学院 国 大島昭彦  学 金谷泳知 学 盛岡学          学○春日井麻里 学 福本哲也1. まえがき 大阪地盤の地質・土質特性の研究は古くから行われ,大阪地盤図,新編大阪地盤図,関西地盤などで公表されている。現在も関西圏地盤研究会では,「関西圏地盤情報データベ ース」(以下,DB)を基にして地質・土質特性の地域性の 検討とその解釈に精力的に 取り組んでいる。筆者 らもその一環で,ここ数 年で大阪地域の粘土層 を連続サンプリングし ,細かいピッチで各種土質試験を行い,詳細な土質特性を調べてきた1),2 )。本報告は,西大阪地域の沖積粘土層(Ma13)を対象に連続サンプリング試料の土質試験結果と先の DB を用いてその土質特性と地域性を検討した結果を紹介する。2. 検討地区 図-1 に西大阪地域で検討した 13 地区を示す。図中の●は塚本沖積粘土層を連続サンプリングした地点(吉野は今回新たに,島屋,福島,京町堀は過年度に実施)で,物理試験 (液性・塑佃千舟梅田性限界,粒度試験等)と段階載荷圧密試験,一軸圧縮試験を 40~50cm ピッチで行い,土質特性の詳細な深度分布を求めた。図中の●福島京町堀は DB から抽出した沖積粘土層で比較的多くの土質吉野淀川データが登録されている地点 である。これらから土質特性 が大阪城島屋似かよる 13 地区を決定した。また,同図には文献 3)に示さ北堀江れている沖積粘土層が出現し ない地域を網掛けで示した。 大桜島阪城周辺より南側は上町台地 とその西縁部の地域であり, 大市岡阪城より北側は天満砂堆(沖積層)が出現する地域である。泉尾沖積粘 土が 出現しな い地 域(上町台地)3. 土質特性と地域性の検討天王寺 図-2 に同 一地区で 連続サン プリング 試料から 求めた詳 細な土質特性と DB から抽出した土質特性を比較した例として吉野沖積粘土を示し た(図(1):液性限 界 wL,図(2):液性 指DB抽出地点試料採取地点数 IL,図(3):圧縮指数 Cc,図(4):圧密係数 cv(正規圧密域の平均値),図(5):圧密降伏応力 p c,なお図(1)中には K-Ah(鬼鶴町図-1 西大阪地域で検討した 1 3 地区界−アカホヤ火山灰,約 7,300 年前に降灰)の出現深度を矢印で示した)。いずれも DB のみでも数地点のデータを集めることで全体の深度分布がわかるが,連続サンプリング試料によるデータを加えるとデータの質が大きく向上している。以下の地区毎の比較では,多項式による回帰線を代表値として粘土層上面からの深度(出現深度が異なるため)で示す。 図-3 に南西−北東方向(図-1 参照)の土質特性の比較を示す。図(1)の wL は,各地区とも西大阪地域の特徴である上下で低く,中央で高い弓形分布を示しており,海進・海退の堆積環境の影響が現れている。ただし,wL はこの方向に徐々に減少し,最も陸側の梅 田地区では弓形分布の 傾向が低くなっている。 これは,この方向は楕 円形をした大阪湾の長 軸方向であり,この方向に海進が進んだためと考えられる。島屋,吉野,福島の K-Ah は粘土層下部に出現している。図(2)の IL は,各地区とも深度方向に減少し,海側ほど低い傾向 が見られる。これは海側ほど粘土層の出現深度が深くなり ,有効土被り圧 p 0 が増大するためと考えられる。図(3),(4)の Cc,cv は,基本的に先の wL が反映されている。ただし,最も海側の桜島は高い wL に比べて Cc は小さい。図(5)の p c は,各地区とも p 0 に比べて上下で大きくなる弓形分布をしており,特に下部の過圧密性が高い。これは過去の第1洪積砂礫層の地下水位低下による圧密進行の影響と考えられる。 図-4 に上記の方向と直交する北西−南東方向(図-1 参照)の土質特性の比較を示す。図(1)に示す wL の最大値は,佃−吉野,千舟−福島,塚 本−梅田ではほぼ同程 度となっている。これは ,海進時の水深がこの 方向では同程度となっ ていたためと考えられる。IL,Cc,cv ,p c の傾向は図-3 と同様である。 図-5 に上町台地西縁部に近い地区の土質特性の比較を示す。これらの地区では全体に塑性が低く(最も海側の鶴町でも),圧縮性も低い。これは上町台地西縁部に近いため,粗粒物が堆積しやすい環境であったためと考えられる。 以上のように,粘土層の物理 特性は堆積環境に大きく依存 しており,それが Cc,cv にも 反映されている。しかし, p cの深度分布はいずれの地区でも上下で大きくなる弓形で,過去の地下水位低下による圧密進行の影響と考えられる。 なお別報4) で,同様な手法で東大阪地域の沖積粘土層の土質特性と地域性を検討した結果を報告している。参考文献            1)2)3)4)大島, 他:地下水位低下を受けた大阪沖積粘土の圧密降伏応力の深度分布, 第 40 回地盤工学研究発表会,No. 505, 2005.大島, 他:地下水位低下を受けた大阪沖積粘土層の物理圧密特性の深度分布, 第 41 回地盤工学研究発表会,No. 473, 2006.関西地盤情報活用協議会:関西地層分布図 −大阪平野− <Ma13 層>,1998.大島, 他:東大阪地域の沖積粘土層の土質特性と地域性の検討, 第 42 回地盤工学研究発表会(投稿中),2007.Geotechnical Properties and Locality of Holocene Clay in Western Osaka Area,Oshima Akihiko, Kanya Eiji, Morioka Gaku, Kasugai Mari and Fukumoto Tetsuya (Osaka City University)19 2040IL (=wR )wL (%)6080100120 0(1) wL の深度分布80.20.4Cc0.60.81 00.5(2) IL の深度分布11.5 101(3) Ccの深度分布c v (cm2/d)102103104 010(4) cvの深度分布pc (tf/m2)20304050(5) pcの深度分布10深度 (GL - m)12:実験値他:DB抽出データ1416回帰線回帰線K-Ah18回帰線回帰線回帰線20非海成22非海成非海成有効土被り圧p0非海成非海成24図-2 吉野沖積粘土の土質特性の深度分布20040wL (%)6080100120 00.2(1) wLの深度分布IL (=wR )0.40.6Cc0.81 00.5(2) ILの深度分布11.5 101c v (cm2/d)102103104 010pc (tf/m 2)20304050(3) Ccの深度分布2(5) pcの深度分布粘土層上面からの深度(m)(4) cvの深度分布4桜島島屋吉野福島梅田6810K-AhK-AhK-Ah1214有効土被り圧p 016図-3 南西−北東方向の土質特性の比較20040wL (%)6080100120 00.2(1) wLの深度分布2IL (=wR )0.40.6Cc0.81 00.511.5 101c v (cm2/d)102103104 010粘土層上面からの深度(m)50(5) pcの深度分布佃 吉野千舟福島塚本梅田681040(3) Ccの深度分布(2) I Lの深度分布(4) c vの深度分布4pc (tf/m 2)2030K-AhK-Ah1214有効土被り圧p 016図-4 北西−南東方向の土質特性の比較20040wL (%)6080100120 0(1) wLの深度分布0.2IL (=wR )0.40.6Cc0.81 00.511.5 101c v (cm2/d)102103104 010pc (tf/m 2)203040(2) ILの深度分布2粘土層上面からの深度(m)(3) Ccの深度分布4(5) pcの深度分布(4) cvの深度分布鶴町市岡泉尾北堀江京町堀6810K-Ah1214有効土被り圧p 016図-5 上町台地西縁部に近い地区の土質特性の比較2050
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  • タイトル
  • 春日市の土質柱状図データベース化による表層地盤特性について
  • 著者
  • 橋村賢次・善 功企・神田尚樹・安福規之
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 21〜22
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50263
  • 内容
  • 11A - 07第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月春日市の土質柱状図データベース化による表層地盤特性についてデータベース,柱状図,表層地盤九州地盤情報システム協議会 委員長(九州大学)国際会員同上幹事長・構築部会長(国交省九地整)善功企神田尚樹同上企画部会長(九州大学)国際会員安福規之同上管理運営部会長(日本地研(株))国際会員○橋村賢次1.はじめに福岡県春日市は図1に示すように福岡市の南側に隣接する,東西4km,南北5kmの菱形に近い形をしており,面積は14.5km2と福岡県内で最も面積の小さい都市である。春日市の地形は,TP+175mからTP+13mと南から北(博多湾側)に向けてなだらかに傾斜する丘陵地である。このなかで,春日市下水道課では,約30年間に渡り下水道事業を実施しているため,数多くの地質調査報告書を保管しており,この地質調査データを今後の下水道事業に反映させるため,またデータの散逸防止のために電子ファイルによるデータベース化を行ったものである。本報告は,このデータベース化業務について,紙データの電子化に伴う問題点と表層地盤特性について述べるものである。2.電子化に伴う問題点春日市のボーリングデータは1978年から2001年までの報告書89冊あり,その中のボーリング柱状図を電子化(XMLファイル)して,(社)地盤工学会九州支部が発行した「九州地盤情報共有データベース 2005」に取り入れ図1たものである。春日市位置図このことは,春日市独自でデータベースを構築するよりも経済的であるとともに,図2に示すように隣接地の地盤情報も把握できるため,効率的なデータ管理が可能となった。しかし,九州地盤情報共有データベースは,国土交通省の電子納品要領(案)平成15年7月版に合わせ,統一様式とする必要があったため,古いボーリング柱状図(紙データ)を電子化するに当たり,次の問題が発生した。①土質名・岩種が統一されていない。(例えば→まさ・まさ土・マサ・風化岩・礫混じり砂)②JACICの土質区分コード表に存在しない土質名称を使用していた。③調査位置(緯度・経度)が明示されていない。④標高が記載されていない。これらの対応として,①の土質名は,N値50未満を強風化花崗岩,N値50以上を風化花崗岩に統一した。②のJACICの土質区分表に明示されていない,客土・覆土・耕作土・畑土は,表土や盛土で統一した。③の調査位置は,全てのデータに緯度・経度や座標(XY)がないために,調査位置平面図を基にゼンリン住宅地図(電子地図)から緯度・経度を決定した。④の標高未記載や仮BMを基準としたデータは,全体の3%と少なく,参考資料として活用できるために標高未記図2載のまま登録している。(国土地理院発行春日市の登録地点位置図数値地図 50000)About a characteristic of the subsurfase layers seen from the Database in soil boring log of Kasuga City .Kouki ZEN(Kyushu University),Naoki KANDA(Kyushu Regional Development Bureau,Ministry of Land,lnfrastructure andTransport),Noriyuki YASUFUKU(Kyushu University),Kenji HASHIMURA(Nihonchiken,Co,Ltd)21 3.表層地盤の区分春日市の地形は丘陵地と平地に区分される。丘陵地形は花崗岩(早良花崗岩)の浸食面のために,下水道調査の短いボーリング(掘進深さL=6~10m)でも,基盤岩及び風化岩が確認されている。平地部においては沖積層の堆積は少なく河川沿いに薄く分布する程度で,洪積層(砂・砂礫・粘性土・火山灰層)が広く分布している。洪積層の厚さも10m以内が主体である。ただし,春日市北部付近は着岩深さが標高TP-20m以深と局部的に未固結層が厚く堆積する窪地が存在する。この『春日凹地』は,福岡地盤図(南部編)の基盤岩表面等高線図にも図示され,福岡県西方沖地震時に都市部の被害が集中した警固断層の延長線上に位置する。このため,平成17年4月20日の福岡県西方沖地震の余震でも屋根瓦の落下等の被害も発生していた。4.表層地盤の工学的特性春日市下水道の調査では,標準貫入試験と現場透水試験を実施していた。標準貫入試験で得られるN値と地盤の透図3水係数(k)を地層別にプロットした結果を,図-4と図春日凹地の簡略断面図-5に示す。これらの結果から次の工学的特性が判明した。未固結層(砂~粘土)①未固結層は主に洪積層の砂・砂礫を主体として一部に粘性土を含む。本関係をみるとN=5~20に集中してい50るが,透水係数はk=10-2 ~10-4 cm/s と分布幅が40広くなっている。これは,粒度組成の違いによるもので細粒分含有率の多いところが透水係数も小さくなっているN 30値 2010と判断される。01.E-0710-7 1.E-0610-6②風化花崗岩はN値のばらつきも大きく(N=5~50)1.E-0510-5 1.E-0410-4 1.E-0310-3 1.E-0210-2k(cm/s)なっているが,透水係数はk=10-3 ~10-4 cm/s に1.E-0110-1 1.E+0010-0集中して,未固結層よりも分布幅が狭くなり透水係数も小図4さくなっている。5.まとめ未固結部のN-k関係図風化花崗岩九州地盤情報共有データベース2005では,福岡県春日市のボーリングデータを登録したために空白部の地50盤情報も明らかとなり,データの集積により表層地盤の工学的特性や凹地の存在も明らかとなった。今後の課題として,貴重なボーリングデータの散逸を40N 30値 2010防ぎ,地盤防災の研究に役立つより利用価値の高いデー01.E-071.E-061.E-051.E-011.E+0010-610-5 1.E-0410-4 1.E-0310-3 1.E-0210-210-110-010-7タベースを構築するためにも,市町村や民間保有の紙データを低コストで電子化することが必要だと考える。k(cm/s)地盤工学会九州支部では,九州地盤情報共有データベースの再販を目指して,効率的な電子データの収集方法図5風化花崗岩のN-k関係図について企画・研究中である。謝辞:最後に貴重なボーリングデータを提供いただいた春日市下水道課に深謝いたします。参考文献1)善ほか:九州における地盤情報データベースの構築(第40回地盤工学研究発表会)2)神田ほか:九州地盤情報データベース構築における課題と対応 (第40回地盤工学研究発表会)3)金野ほか:前橋市のボーリング柱状図のデータベース化と報告書の利用(第40回地盤工学研究発表会)4)福岡地盤図(南部編)福岡地盤図作成グループ22
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  • タイトル
  • ボーリングデータベースを用いた大阪平野部のシークェンス層序学的解釈
  • 著者
  • 北田奈緒子・伊藤浩子・竹村恵二・三田村宗樹・大島昭彦
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 23〜24
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50264
  • 内容
  • 12B - 06第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月ボーリングデータベースを用いた大阪平野部のシークェンス層序学的解釈地質学,ボーリング,沖積層財)地域 地盤 環境 研究所正 ○北田 奈緒子財)地域 地盤 環境 研究所正伊藤 浩子大阪市立大学 工学部国大島 昭彦京都大学 理学部大阪市立大学 理学部竹村 恵二正三田村 宗樹1.はじめに関西圏地盤研究会では,関西圏地盤情報データベースをもとに大量のボーリングデータから地域の地層構成を浮かび上がらせ,地質・土質特性の抽出と解釈に取り組んでいる 1)2)3).一方,これまでに集積されたボーリングデータは4万本を超えるが,そのほとんどは建設活動に関わる地盤調査データであり,約 100 本存在する地質層序や堆積環境等について詳細かつ確定的な情報を提供する地質ボーリングは周辺のボーリングデータへの側方対比を行う上で非常に重要な情報となる.そのため,工学的な詳細調査目的で行われた,工学用ボーリング試料から地質用試料や情報を得ることを目的に,各サンプラーからの抜き出し時に円筒試料の側面および切断面を観察し一部の試料を地質試料に用いることで,1 つのコアより工学的な特性と理学的な特性を合わせて検討することを行っている.本研究では,これらの地質検討がなされたコアの情報と高密度に分布するボーリング情報を用いて沖積粘土堆積時のシークェンス層序学的な解釈を試みたので,報告する.2.大阪地域の地形・地質大阪地域は,図-1 に示すように大阪平野の中央部に南北に細長く伸びる上町台地を挟んで西側を西大阪平野,東側に東大阪平野からなり,淀川や大和川から陸源の堆積物が供給されている.表層付近には沖積層が広く堆積し,その下位には大阪層群が分布する.ボーリングデータベースを用いた研究成果 1)から,大阪地域の表層図-1 調査位置と周辺の地質付近では,沖積粘土層(Ma13 層)および最上位の洪積粘土層(Ma12 層)が広く分布することが明らかであり,これらの粘土層は間氷期の温暖時に海面下で堆積した海成粘土層である.Ma13 層の分布域は,図-2 に示すように大阪湾~西大阪地域一帯と東大阪地域に広がっており,これまでの検討では,これらの粘土層の分布や層厚などを中心に検討を行い,その地域性などについて議論を行ってきた.一方,近年の地質層序学分野においては,沖積粘土層や洪積粘土層に代表されるようなユースタティックな海水準変動による堆積物を「シークェンス層序」として捉える考え方が脚光を浴びている.これは,海水面の上昇期(海進期)と下降期(海退期)に見られる同時堆積面を対比することで,大きな海水面の変動の周期(シークェンス)として捉える方法で,同一堆積時間面上には,地域によって層相が異なることもあり得るが,従来の同一層準の地層であっても堆積時期や層相が異なることが区分され,これらの違いが土質特性などの違いに結びつく可能性がある.3.ボーリングデータベースを用いた解釈図-2 大阪平野における沖積粘土層(Ma13 層)の分布状況一般にシークェンス層序学では,各地点における地層層序(関西圏地盤 DB より抽出した Ma13 層の下端標高分布)情報とともに堆積年代情報が必要となる.そのため表層付近の地層を用いて検討を行う場合は,各種放射年代測定や火山Sequence stratigraphy around Osaka area using borehole database, Kitada Naoko (Geo-ResearchInst.), Ito Hiroko (Geo-Research Inst.), Akihiko Ohshima (Osaka City Univ.), Takemura Keiji (KyotoUniv.) and Mitamura Muneki (Osaka City Univ.)23 灰測定における同事堆積面の解析が必須となる4).ボーリングデータベースにおいては,地質ボーリング情報を中心に火山灰層の情報は一部明記されているが,情報量としては少なく,堆積年代測定情報についてはほとんど無い.そこで,これらの情報は既存の地質ボーリング情報から引用することにして,一般的な沿岸部で見られる堆積様式と形態のパターンをデータベースを用いて断面を作成し,解釈を試みた.図-3 に示すように一般的に海進時堆積物はオンラップ(Onlap)と呼ばれる構造が見られ,同時堆積時間面が陸側に向かって前進する.これに対して海退時堆積物はダウンラップ(Downlap)構造が見られ,海側に向かって同時堆積時間面が前進する.シークェンスの 1 サイクル(海進~海退)と次のサイクルとの間には不整合が見られ,これをシークェンス境界(SB)と呼び,境界の前後の堆積物に時間的な間隙が存在する.また,海進の初期には,Transgressive Surface(TS)と呼ばれる海進前の海浜堆積図-3 シークェンス層序から見た堆積構造(モデル図)物がみられ,Ravinment Surface(RS)から海成粘土が堆積を開始すると解釈し,海進の現象が最も顕著にかつ初期から表れる旧淀川(古大阪川)に沿って東西断面を作成し,各境界を推定した.図-4 にその結果を示すが,Ma12 層上面を一部削り込む礫層の下面がシークェンス境界で,新島付近では,Ma12 層の上部削り込みも無く,その上部にはデルタ堆積物と考えられる砂礫層が分布する.シークェンス境界は,東側では上町台地に至り,台地の西側では,海食崖を形成している.Transgressive Surface は最も海側の新島コアでは約 11000 年前に,内陸部の北津守コアでは約 9000 年前になり,この地域の海進には概ね 2000 年の歳月を要していることになる.Ma13 層(水色)の層厚は未圧密の状態の西端の TS,RS 共にほぼ平らな面を構成し,最も層厚が厚いが,咲洲(さきしま)以東はややがたがたと標高が変化したり,層厚が薄くなるなどの傾向がある.この傾向は,埋立地直下やデルタ堆積物が上部に堆積する地域に限って見られ,上部載荷による圧密効果と考えられる.図-4 シークェンス層序から見た大阪平野の堆積構造引用文献:1)土質工学会関西支部(1992):関西地盤, 212p.2)関西地盤情報活用協議会(1998):新関西地盤, 270p.3)大阪湾地盤情報の研究協議会(2002):ベイエリアの地盤と建設,505p.4)増田富士雄(1998):高密度で測定された 14C 年代測定による完新統のダイナミック地層学,107,713-727.24
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  • タイトル
  • 地盤情報DBを利用した地盤構造モデルの作成
  • 著者
  • 長谷川慶彦・村上 哲・安原一哉・小峯秀雄
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 25〜26
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50265
  • 内容
  • 13C - 09第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月地盤情報 DB を利用した地盤構造モデルの作成地盤情報 DB,GIS茨城大学学生会員○長谷川慶彦茨城大学国際会員村上哲茨城大学国際会員安原一哉茨城大学国際会員小峯秀雄1.はじめに近年,地球温暖化や気候変動などの自然外力の変化はますます深刻になってきている.温暖化により海面上昇が起こると,沿岸域の地下水位が上昇することが予想されている.地下水位の上昇による影響にはさまざまなものがあるが,その中のひとつに地震時の液状化による危険域の拡大がある.液状化は,構造物の耐震性に大きな影響を及ぼすとともに,その被害は,地震時においてほとんど短時間で生じてしまうため,事前の被害想定及びそれに対応するための被害の防止・低減が必要である.また,液状化判定を行うには地盤構造の把握が必要となる.そこで,本研究では北海道石狩平野を対象とし地盤情報DB を利用し,広域的に地盤構造を推定する手法を確立することを目的とする.ここでは,広域的に地盤構造を推定する手法を提案し,その適用性の検証と,北海道石狩平野へ提案手法の適用結果について報告する.2.地盤構造モデルの作成地盤構造を広域的に推定するために,対象地域を 250m メッシュに分表1割合に応じた土質名称・記号割し,各メッシュの図心点におけるボーリングデータの平均値を求める.質量構成比そうして,メッシュごとに取得した土質区分を対象エリア内で連続的に15%以上50%未満‐質なし結合することによって,広域的な地盤構造の把握が可能となる.5%以上15%未満‐混じり‐(ハイフン)5%未満表記しないなし250m 間隔のポイントの代表値を決定するにあたり,土質の粒度に着分類記号接続記号目した.まず,表 1 に示す土質名称の決定基準を参考に,「-質」ならば30%,「-混じり」ならば 10%,混じりと質の両方が含まれている場合には表2質量構成比の例それぞれ 10%,25%として,各土質名称に応じて粒度組成を決定した.表 2 にその一部を示す.次に,推定地点の標高を数値地図 50m メッシュ(標高)から取得する.その後,IDW 法を用いて推定地点の 1m 深度ごとの土質の質量構成比を砂 (S)シルト (M)砂(S)10000シルト質砂(SM)70300シルト混じり砂(S-M)90100粘土混じりシルト質砂(SM-C)652510粘土 (CH)(%)実際のボーリングデータから推定し,その割合に応じて土質名称と土質記号を与えた.また,推定結果から地盤構造を視覚的に把握するために,推定した粒度組成から砂,シルト,粘土に着目して色分けを行った(図 1参照). また,礫は点により表示する.砂粘土3.適用性の検証本研究で用いた地盤情報 DB は,地盤工学会北海道支部北海道地盤情報データベース化委員会が作成した北海道地盤情報データベースVer.20031)(以下,北海道地盤 DB-03)を用いた.北海道地盤 DB-03 には約シルト13,000 本のデータが収められており,データの内容は,地下水位,位置情報(緯度・経度),N 値,土質名称・記号,色調などがある.図1色分け解析地域全体の推定を行う前に,本手法の適用性を検証した.その方法は,北海道地盤 DB-03 のある任意のデータを取り除き,残りのデータを用いて同一地点を推定した.そこで得られた結果と,実際のボーリングデータを比較することで推定方法の妥当性を調べた.図 2 にその結果を示す.地点 1 では深度 3m 地点,地点 2 でも深度 6~8m 付近で,厳密には異なる土質区分結果となっているが,土質の主成分は推定できていることから,全体的にうまく推定できていると判断できる.以上のことから,本手法により地盤構造の推定が精度よく実施できていることが確認された.A procedure for modeling ground structure by using Geo-information database.Yoshihiko Hasegawa, Satoshi Murakami, Kazuya Yasuhara, Hideo Komine (Ibaraki University)25 適用した.3 と同様に色分けを行い,推定地点の南北方3 MS-C土質分類記号SsC-VPtMSSM向のポイントを並べて表示することにより,石狩平野に4 MS-CMS4 CHS5 O-MSCPtM5 CHS6 M-SOる断面で切った場合の断面図を表示する.図 3 は石狩平7SS7 CHS野の A-B 区間の断面を表している.また,図中の位置が8 MSM8 CHS4.石狩平野への適用提案手法を用いた広域的な地盤構造推定を石狩平野へ深度(m) 土質分類記号1 Ss2 O-MCSおける地盤構造の流れを視覚的に捉える.ここでは,あ9 SMわかるように札幌駅及び治水地形分類図から読み取った扇状地と氾濫平野の境界を示す.11 S-G11 MS14 MC15 S-G15 MCシルト層を推定できている.16 S16 MC17 SSMC17 MC18 S18 MC19 S19 Rmかる.MS13 MS-C平野では,礫分が少なくなっており,断続的に存在する移動するにつれて堆積状況が複雑になっていることがわCH12 MSS-G14 S-G札幌周辺の地盤は砂分を多く含んでおり,南から北へCHS9 MS13 S-G積しており,他の土質はあまり見られない.また,氾濫3 CHS10 MSS12 S-Gこの図を見ると,札幌駅より南側では砂礫層が厚く堆土質分類記号O2 CHS6 CHSSM10 SM-G深度(m) 土質分類記号1OHr20 Rm地点1図2図3地点2推定結果と実測の比較地盤構造モデルの例5.まとめ地盤構造モデルを作成することによって,複雑な地盤構造を視覚的に捉えることができる.また,ここで得た結果は地盤の粒度特性を推定したものであることから,細粒分含有率,透水係数など,地下水流動解析や液状化危険度の算出のためのデータを提供することが可能である.すなわち,液状化ハザードマップのような広域地盤災害の予測のためのデータを効率的に提供できるものとなる.<謝辞>本研究の一部は,科学研究補助金若手研究(B)(代表:村上哲)および環境省推進経費(代表:安原一哉)の研究助成を戴いて行ったものです.ここに付記して謝意を表します.《参考・引用文献》1)地盤工学会北海道支部北海道地盤情報データベース化委員会:北海道地盤情報データベース Ver.2003, 地盤工学会北海道支部, 2003.26
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  • タイトル
  • 大規模地震ハザード評価における地盤情報の活用
  • 著者
  • 山本浩司・香川敬生・澤田純男・三村 衛・藤原常博・廣橋 徹
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 27〜28
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50266
  • 内容
  • 14C - 09第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月大規模地震ハザード評価における地盤情報の活用地盤情報データベース地震防災地域地盤環境研究所国際会員山本浩司・香川敬生京都大学防災研究所国際会員澤田純男京都大学防災研究所国際会員三村大阪府危機管理室衛藤原常博・廣橋 徹1. はじめに南海トラフを震源とする東南海・南海地震の発生が今後 30~50 年に迫っている。この地震は近代都市圏が初めて直面する大規模な海溝型地震となる可能性が高い。さらに,この巨大地震の半世紀前頃からは内陸活断層の地震も活発化することが過去の歴史より指摘され,わが国は大規模地震の襲来を更に現実のものとして地震防災対策に取り組むことが急務となっている。そのような背景の中で,大阪府では,府域に甚大な被害を及ぼすことが懸念される大規模地震を想定し,この 10 年間に取り組んだ地下構造・活断層調査等の情報を基礎に最新の知見と技術にもとづいて地震動や液状化などの地震ハザード評価を行い,府域がこうむる災害とその影響量を算出した 1)。この調査の特徴の一つは,ハザード評価において高精度化(最新情報から震源断層モデルや地盤構造モデルを設定)と分解能の向上(地域に影響の大きいシナリオの網羅)を図ったことである。そのため,浅層から深部に至る地盤調査情報や面的な地形・地質情報などが総合的に活用された。本文ではハザード評価の考え方と地盤情報の活用について述べる。2. 地震動の予測と地盤情報地震動の予測は次の 3 段階で実施した(図-1)。ここで対象とする大規模地震とは,海溝型地震のように広範囲に影響が及ぶ地震または内陸直下大阪府内・周辺の内陸断層〔上町断層帯などの 12 断層〕型地震のように限られた地域に甚大な被害を及ぼす地震である。特に後者は,1 つの活断層においても断層破壊シナリオの違いによって地震動分布ステップ1:対象断層の選定(府域への影響の概略把握)の様相が異なる(現在の科学力では断層破壊シナリオを特定するまでには〔距離減衰式&経験的表層増幅率;巨視的断層モデル〕至らない)ので,現実的な地震動分布の予測としては様々なケースを想定することが求められる。その様なことも考慮し,予め想定断層を設定するステップ2:対象断層破壊モデルの選定&地域への影響把握のではなく簡便な手法も用いて段階的に大阪府域と各市町村への影響度を〔統計的グリーン関数法&表層地盤応答;微視的断層モデル〕評価しながら,最終的に府域対象のシナリオを選定し詳細予測を行った。ステップ 1 では距離減衰式を用いて,府内や周辺の内陸断層より府域に影響の大きいものを選定して絞り込む。ステップ 2 では統計的グリーン関ステップ3:府域全体に影響の大きい地震の高精度予測〔ハイブリッド法&表層地盤応答;微視的断層モデル〕数法を用いて,内陸想定断層について長周期表面波を含まない地震動評価を多数の断層破壊シナリオ〔約 70 ケース〕で実施し,各地域への影響を府域の想定地震動(震度,Amax,Vmax,SI 等)評価する〔震度 6 強以上の曝露人口の大きさで評価〕。これより,府域および各市町村に影響の大きいシナリオを提示する。ステップ 3 ではハイブ図-1 地震動予測の流れリッド法を用いて,内陸想定断層の府域対象のシナリオと海溝型地震について長周期表面波を含んだ地震動評価を実施し,大阪府地域防災計画の想定地震として高精度な予測を行う。以上のアプローチは,より現実的に地震現象を予測することを目的としており,地震動予測技術の高度化により可能となった手順である。しかしながら,この手順による地震動予測の分解能の向上を図るためには,予測の基礎となる震源断層や地盤構造モデルの高精度化が必要とされる。今回調査では,震源断層モデルについては大阪府による活断層調査 2)などの情報より地質学的な知見から,特にステップ 3 では蓋然性の高い条件(断層面,アスペリティー配置,破壊開始点)を設定した。深部構造モデルについては,大阪府による地下構造調査 3)の中で大阪堆積盆地・大阪平野の 3 次元不整形堆積盆地モデル(地震基盤(岩盤)以浅の堆積層の地質構造と物性値)が作成され,ステップ 2,3 の地震動計算の基礎とした。さらに,表層地盤応答の等価線形解析等のために,関西圏地盤情報 DB(KG-NET・関西圏地盤情報協議会)と市町村より収集したボーリングデータ約 24,000 本を用いて,500m メッシュで浅層地盤モデル(工学的基盤以浅の軟弱な堆積層の土質構成と S 波速度,密度,非線形応答特性)を作成した〔モデル化の方法は文献 4 に詳しい〕。図-2 に上町断層帯地震のステップ 1 とステップ 3(断層破壊シナリオが異なる 2 ケース)の地震動分布の例を示す。ともに今回作成した浅層地盤モデルを用いている。ステップ 1 の距離減衰式予測では地域の平均的な地震動特性が示され,ステップ 3 の詳細予測では実際の地震現象(複数のシナリオの内の1つ)に近いと考えられる地震動分布が示され各地域の地震動特性が考慮された予測結果となっている。なお,詳細予測では各地点の地震動波が予測されている。Utilizing of Geo-informatics for the Great Earthquake Disaster Risk Assessment of Osaka Prefecture.K. YAMAMOTO, T. KAGAWA(Geo-Research Institute), S. Sawada, M. Mimura(Kyoto University Disaster Prevention ResearchInstitute), T. Fujiwara, T. Hirohashi(Osaka Prefecture Crisis Management Office)27 (1) ステップ 1(距離減衰式)(2) ステップ 2(ハイブリッド法と等価線形法;断層破壊シナリオ A,B)図-2 地震動予測結果の例(上町断層帯地震)3. 液状化の予測と地盤情報液状化の予測は,前述の多量のボーリングデータを活用するために簡易判定法(新道路橋示方書の式)を基本とした。さらに,予測の信頼性と緻密さが表現されるように,液状化評価指標値(PL 値)などは兵庫県南部地震以降の研究による知見に基づくこととし,ボーリングデータのみでは予測の難しい局所的な液状化の発生や潜在的な危険箇所の評価については旧地形や液状化履歴等の情報を重ね合わせて予測結果の補正を行った。また,海溝型地震(東南海・南海地震)の液状化予測では一次元有効応力解析により予測結果の妥当性を確認することも補足的に行った。そして,ボーリング1 本毎にデータの品質も吟味して液状化評価を行い,その結果を 500m メッシュに平均化し,データ空白メッシュは同じ微地形条件の周辺メッシュの予測結果より補完して分布図に集約した。図-3 に液状化危険度図(海溝型地震タイプ)を示す。図示はしていないが,液状化の危険性が高く評価された場所は過去の地震による液状化発生箇所をほぼ網羅している。また,図-4 に想定地震動による液状化発生予測の一例を示す。図には,上町断層帯地震 A において西大阪や沿岸域等に液状化発生の危険性が高いことが明瞭に示されている。4. まとめ地震防災検討では地震ハザードの評価が基本となる。現在,この評価には様々な手法が用いられているが,より現実的な評価が求められることは言うまでもない。その考えに基づき,今回の大阪府調査は実施された。そして,この調査では長年に渡り集積された各種地盤情報が有効に活用され,基礎となった。なお,現時点の技術水準では未解決な課題も残されている。たとえば,東大阪鋭敏粘土の挙動(過去に被害が卓越)などの評価は今後の研究を待たなければならない。今後も,常に各時点の調査が出発点となることに留意し,地盤情報の蓄積等に取り組む必要がある。参考文献1)大阪府:大阪府自然災害総合防災対策検討(地震被害想定) 報告書,2006. 2)大阪府:平成 8~10 年度大阪府地域活断層調査 報告書,1998. 3)大阪府:平成 14~16 年度大阪平野の地下構造調査 報告書,2005. 4)山本ほか:地盤情報データベースによる大阪堆積盆地の Vs 推定式と浅層地盤モデル,第 40 回地盤工学研究発表会,pp.39-40,2005.図-3 液状化危険度(海溝型地震タイプ)28図-4 液状化予測結果(上町断層地震A)
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  • タイトル
  • 埋設管の耐震評価のためのボーリングデータベースの利用
  • 著者
  • 小金丸健一・清水善久・安田 進
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 29〜30
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50267
  • 内容
  • 15H - 08第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月埋設管の耐震評価のためのボーリングデータベースの利用耐震評価、ボーリングデータ、液状化○ 東京ガス 正会員 小金丸健一東京ガス 正会員 清水善久東京電機大学 正会員 安田進1.はじめに地震時の埋設管の被害は、地盤と埋設管の間に生じる摩擦力(地盤拘束力)によって発生する。そのため地震時の地盤の変位を算出するのは、耐震評価を行う上で最も重要な検討項目のひとつである。一般的に地震時の地盤変位は、地震動によるものと地盤の液状化によって生じるものに分けられる。図.1 に示すように震動による地盤変位を算出する際には地盤の固有周期が必要であり、液状化による護岸流動や、傾斜地盤流動を算出する際には液状化強度が必要となる。いずれにしてもそれぞれのパラメータは地盤ボーリングデータが必要であり、高精度にそれぞれの変位を算出するには、高密度なボーリングデータをそろえかつ、ボーリングが無い箇所について高精度にボーリングデータを補間する手法が必要となる。地震動による地盤変位ボーリングデータ地盤固有周期分布基準地震動算出護岸流動による地盤変位液状化強度傾斜地盤流動護岸データ標高データ図.1 地盤変位を算出するのに必要な GIS データ2.固有周期分布および液状化分布図の作成本論文では東京ガスのガス導管の耐震性評価に適用した場合について述べる。使用したボーリングデータは表.1 に示す各自治体の協力も得ながらそろえたデータであるが、その使用については埋設管の耐震評価に限定されまた、東京ガスからもリアルタイム地震動の提供やボーリング柱状図のデジタル化等を行うことで提供していただいている。これらのデータの本数は首都圏全体で 70,000 本に及ぶ大規模なものであるが、GIS 自体は 1,400,000 メッシュ(50m×50m メッシュ)であるため殆どのメッシュにはボーリングデータが存在していない。そのためボーリングデータが存在していないメッシュについては、ボーリングデータを補間する必要がある。ボーリングデータの補間には Krigging などの手法もあるが、今回は比較的ボーリング密度が高いため、式(1)に示すような距離の 2 乗の重み付を行ってデータの補間を行った。Utilization of borehole logging data for earthquake resistanceevaluation buried pipeKenichi Koganemaru, Tokyo Gas Co.29 表.1 ボーリングデータ整備状況孔内 土質調査N値標高水位 種別日時データ総数機関VpVs粒度東京都16,070○○○○○埼玉県6,357○○○○○神奈川県15,554○○○○(財)都市整備技術センター神奈川県21,204○○○○海老名、平塚、茅ヶ崎横浜市11,465○○○○150○○○○川崎市1,407○○○○TUMSY9,221○○○○K-NET16○○その他約20,000合計約70,000横浜市観測地点○○△備考東京都土木研究所○上記の横浜市ボーリングデータとは独立。○4,000本(書籍が3冊あり、1960の書籍=柱状図のみ、それ以外=N値のみ)元々東京ガスが保持しているTUMSY データは24,612本であるが、東京都データとの重複分は除いている。全国で1,000本、内、東京ガス供給エリア内は16本千葉市、袖ヶ浦市その他○: データあり、△: データ欄はあるが実質的には殆どデータ無し1y=∑(riyi )2(1)i1∑(ri2)i、ri は補間に用いる地ここで y は計算地点の補間値(固有周期)、yi は補間に用いる地点の値(計算地点から 5km 以内の地点の固有周期)点と計算地点の距離を表す。この補間手法により求めた首都圏の固有周期分布と高圧ガス導管液状化耐震設計指針における基準地震動発生時の PL 値分布を図.2 および図.3 に示す。≦0.0(s)≦0.1(s)≦0.3(s)≦0.5(s)≦0.7(s)≦1.0(s)≦1.5(s)≦2.0(s)≦2.5(s)>2.5(s)値無しF:E: 0 <D: 5 <C: 10 <B: 15 <A: 30 <PLPLPLPLPLPL= 0≦ 5≦ 10≦ 15≦ 3図.3 首都圏の PL 値分布図.2 首都圏の固有周期分布3.まとめ耐震評価を行うには、ボーリングデータは欠かすことのできないデータである。しかし一自治体、一事業者で十分なボーリングデータを整備することは、難しい。ボーリングデータは情報という側面と資産という側面がある。そのため情報、資産両側面から提供者、被提供者双方がメリットが生じるような仕組みを構築する必要がある。30
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  • タイトル
  • 海面上昇に起因する沿岸域地盤の地下水位上昇量予測における定常・非定常解析結果の比較
  • 著者
  • 鈴木希美・村上 哲・安原一哉・小峯秀雄
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 31〜32
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50268
  • 内容
  • 16C - 09第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月海面上昇に起因する沿岸域地盤の地下水位上昇量予測における定常・非定常解析結果の比較海面上昇不圧地下水地盤情報茨城大学大学院学生会員○鈴木希美茨城大学国際会員村上茨城大学国際会員安原一哉茨城大学国際会員小峯秀雄哲1.はじめに地球温暖化による海面上昇によって,沿岸域が受ける影響として低地および湿地の水没・変化,海岸侵食,地下水位上昇などがある1). IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第三次評価報告書によると 2100 年までに最大 0.88m の海面上昇が起こると予測されている(図 1 参照 2)).海面上昇に伴い地下水位が上昇すると液状化危険度も高くなり範囲も広がる.すなわち地下水位上昇は,沿岸域地盤の脆弱化の要因であることから,海面上昇に伴う地下水位上昇量を把握することが必要である.そのため,時間的変化を考慮した地下水流動予測および沿岸域地盤の脆弱性評価を行うことが出来れば,非常に有効であると考える.図1IPCC による海面上昇の予測 2)そこで,本研究では,海面上昇に伴う非定常不圧地下水流動予測手法の構築を行う.川崎市沿岸域を対象地域として,既存のボーリングデータを用いて地盤構造の把握を行い,構築した手法を用いて海面上昇に伴う地下水位上昇量の時間的変化を明らかにする.そして,定常・非定常による浸透流解析結果の比較検討について報告する.2.海面上昇に伴う非定常不圧地下水流動予測手法2.1基礎方程式質量保存則,運動学的条件,ダルシーの法則より,式(1)を導く.式(1)は 2 次元非定常不圧地下水流の基礎方程式である.ne∂η∂t=∂ ⎧⎨ k (η + h∂ x1 ⎩⎫⎧∂⎬ +⎨ k (η + h∂x2 ⎩∂ x1 ⎭) ∂η)∂η ⎫⎬   ―∂x2 ⎭(1 )ここで, ne:有効間隙率,η:基準面から地下水位までの距離,h:基準面から不透水性基盤面までの距離ある.式(1)を,有限要素法を用いて非定常浸透流解析を行う.解析条件として必要なパラメータには,初期条件と境界条件がある.初期条件は,まず,地盤構造の情報として地表面の高さと不透水性基盤面の位置と各透水層の層厚である.さらに透水係数,有効間隙率である.境界条件は,海水面の水位,河川の水位,上流側の水位である.2.2地盤構造の把握効率的に地盤構造の把握を行うために,対象地域における既存のボーリングデータを用いて,地盤情報データベースの構築 3)を行った.その後,図 2 に示したボーリングデータ 483本から,まず,岩を不透水性基盤面とし,岩について GIS を用いて空間補間を行った.そして,地表面から岩の間を透水層と考え,各透水層の地層構造について GIS を用いて空間補間を行う.2.3解析条件本研究の対象地域は,神奈川県川崎市の沿岸域である.要素数 1280,節点数 1453 である.図 3 に示す要素ごとに地図2対象地域とボーリング位置図表面の高さ・不透水性基盤面の位置・各透水層の層厚のデータの取得を行った. 透水係数は,各層の層厚に不透水性基盤面の位置まで距離に対する重付けを行い,各要素での透水係数について式(2)を用いて算出した 4).その結果を図 3 に示す.Formulation of unconfined underground water flow analysis of the coast region ground according to sea level rise and itsapplicationNozomi Suzuki, Satoshi Murakami, Kazuya Yasuhara, Hideo Komine31(Ibaraki University) k=∑ k H    -(2 )    H = ∑ z    -(3 )iziiここで,zi:各層における層厚,ki:各層における透水係数,H:地表面から不透水層までの距離である.有効間隙率は 0.3 とする.境界条件は,上流側はボーリングデータの水位より,20mとする.図 1 に示す IPCC の予測結果より,2100 年で 0.88mの海面上昇を与え,非定常不圧地下水流動予測を行い,海面上昇に伴う地下水上昇量の把握を行う.海面上昇の与え方は,図 1 より 10 年単位で上昇量を読み取り,直線近似をして勾配を求め 1 日単位の海面上昇量を算出する.その結果を海水面の水位の境界条件として与える.さらに,対象地域は多摩川図3有限要素メッシュと透水係数の分布および鶴見川で囲まれているため,河川が潮汐の影響をどの位受けるか調べ,その結果から,潮汐の影響を受ける節点について影響係数を算出する.海面上昇の影響を受ける節点については海面上昇量に影響係数をかけた値を河川の水位の境界条件として与える.また,海面上昇量 0.88mでの定常状態での浸透流解析を行い,解析結果の比較を行う.3.海面上昇に伴う定常・非定常不圧地下水流動予測結果海面上昇量 0.88mの定常状態での浸透流解析結果と 2100 年で海面上昇量 0.88mの非定常状態での浸透流解析結果の地下水位から,現状での地下水位との差をとり,地下水位上昇量として表した.その結果を図 4 に示す.さらに,非定常浸透流解析結果の地下水位の分布図を図 4に示す.対象地域の川崎市においては,定常解析結果と非定常解析結果での差異があまりないことがわかる.これは,1 日単位の海面上昇量が小さいため,定常状態になりやすいためだと考えられる.さらに,対象地域の川崎市は,透水性が良いため定常状態になりやすいと考えられる.図4定常と非定常における地下水位上昇量4.結論海面上昇に伴う非定常不圧地下水流動予測手法の構築を行った.川崎市沿岸域を対象地域として,既存のボーリングデータを用いて地盤構造の把握を行い,構築した手法を用いて定常および非定常による浸透流解析を行った.解析結果から,海面上昇に伴う地下水位上昇量について比較検討を行った.その結果,対象地域の川崎市では,差異がみられなかった.しかし,これは,地域の地盤構造に大きく依存するため,非定常浸透流解析を行い,地下水位の時間的変化を把握することは,液状化判定を行う際など,地域の災害予測を行うためにはとても有効であると考える.《謝辞》 本研究を進めるにあたり川崎市環境局公害部環境対策課のご協力を頂きました.また,本研究の一部は環境省推進経費(代表:安原一哉)の研究助成を戴いて行ったものです.ここに付記して謝意を表します.《参考・引用文献》1)国立環境研究所地球環境研究センター:海面上昇データブック 2000,国立環境研究所 地球環研究センター,p.28,2000.2)Climate Change 2001: The Scientific Basis:Intergovernmental Panel on ClimateChange,2001.http://www.grida.no/climate/ipcc_tar/wg1/408.htm(2006/03/02 現在)3)鈴木希美 村上哲 安原一哉 小峯秀雄:沿岸域における不圧地下水位変動予測のための地盤構成 3 次元可視化,第 40 回地盤工学研究発表会平成 17 年度発表講演集,地盤工学会,pp.33-34,2005.4)Murakami, S., Yasuhara, K., Suzuki, N., Ni, Wei., and, Komine, H. :VulnerabilityAssessment to Liquefaction Hazard Induced by Rising Sea-Levels due to Global Warming, International Conference onGeotechnical Engineering for Disaster Mitigation & Rehabilitation Chu,Phoon & Yong (eds), pp.571-576, 2005.32
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  • タイトル
  • 地盤情報DBの利用したN値の鉛直方向トレンド成分の算出
  • 著者
  • 村上 哲
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 33〜34
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50269
  • 内容
  • 17C - 09第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月地盤情報 DB の利用した N 値の鉛直方向トレンド成分の算出地盤情報 DBN値地盤統計学茨城大学国際会員○村上哲1.はじめに地盤防災や環境保全のためのハザードマップ作成のためには、広域の地盤構造の把握とその物性値の空間分布を取得することが必要である。地盤物性値の中で N 値による地盤の強さの判定は、液状化危険度算定に見られるように、欠かすことができないものである。本文では、N 値の空間的特性を把握する最初のアプローチとして、対象領域が設定されたとき、ある土質に着目したときの深さ方向のトレンド成分を、多量な情報から推定する方法について検討した結果について報告する。この多量な情報源は、現在、各地域で整備が進められている地盤情報 DB を利用することを想定しており、本研究では、北海道地盤情報データベースを利用した。2.対象領域と地盤情報 DB本研究で対象とした地域は図-1 に示す北海道札幌市とその周辺である。この地域の地盤に関する情報は、地盤工学会北海道支部は発行している北海道地盤情報データベース 1)があり、本研究ではこれを用いた。この地盤情報 DB には、地盤調査位置と調査で得られた土質区分、標準貫入試験の結果などが収められている。この地盤情報 DB に収められている全調査地点数約 13,000 本から、深度とその土質および N 値がある結果を全て抽出し、91,454 組の深度、土質、N 値のデータセットを作成した。なお、このデータセットを作成するに当たり、N 値は全て 30cm 貫入の打撃回数に換算している。このデータセットからさらに土質種別ごとに分類したデータセットを作成した。3.土質に着目した鉛直方向の N 値のトレンドモデル図-2 に示した3つの図中の小さいプロットは、作成したデータセットの内、砂、シルト質砂、砂質シルトについて深度と N 値の関係を示したものである。ここで、N≧50 のデータは除いた処理を以降で行っている。3つの土質とも比較的浅い位置から N 値が広く分布していることが分かる。これは、図-1 対象領域と地盤調査地点単に“砂”と分類されていても、密な砂・ゆるい砂、せん断抵抗が大きい砂・小さい砂など、多様な“砂”と多様な状態が存在することから、このように広く分布する結果となったと考えられる。このように観測された N 値とその深度の関係をそのままプロットするとばらつきの大きい関係と見えるが、深度毎に平均値を求めてみると、ある傾向が見えてくる。図中の大きいプロットは深度 1m 区間ごとに、その区間に存在する N 値の平均値(以下、区間平均 N 値と呼ぶ)を示したものである。このように区間平均 N 値は、深度の増加に伴って次第に大きくなる傾向が分かる。これは、均質な土質で構成される地盤を想像したとき、N 値は深度とともに増加すると考えると、区間平均することによって、多種多様な状態で存在する土質の1つ(例えば“砂”)が平均化された状態であると解釈することもできる。すなわち、対象領域で観測される同一の土質区分における N 値の鉛直方向のトレンド成分と考える。図中の実線は、次の関数で、区間平均 N 値と距離の関係を近似したものである。⎧⎛ z ⎞⎫N = N 0 + N max − N 0 ⎨1 − exp ⎜ − ⎟ ⎬⎝ m ⎠⎭⎩()(1)ここで、N0,Nmax,m は土質区分によるパラメータであり、これらのパラメータは区間平均 N 値と距離zの関係から重み付き最小二乗近似により決定した。この式を用いて求められた N 値を理論平均 N 値と呼ぶことにし、この理論平均 N 値と実測結果との比較により、実際のトレンド成分と考えられるかどうかを確かめる。4.調査結果との比較による検討理論平均 N 値が実地盤のトレンド成分を表現できるかどうかを確かめるため、北海道地盤情報 DB から、札幌市およびその周辺に存在する比較的深い深度まで調査された9地点(図-1 参照)を選定し、理論平均 N 値と比較した。図-3 は、比較結果である。図中には、粘性土、砂質土といった大分類での土質区分も同時に示している。土質の変化に伴う N 値の増減について、理論平均 N 値はよく表現できている。したがって、N 値の鉛直方向のトレンドはある程度表現できていると考えられる。しかし、その差異は、9の地点でそれぞればらつきがある。No.2,No.6 地点では、全体的に過小評価となっているが、No.8 ではやや過大評価、No.3,No.4,No.5,No.7 では深度の上部、下部においてその評価が違ってきている。これは、理論平均 N 値が多種多様な状態で存在する土質の1つを平均化したものであると考えれば、ここで見えてくる差異は、調査地点の堆積構造や土の状態や種類によるものと考えられる。したがって、この鉛直方向のトレンド成分に加え、その差異の成分を水平方向の状況から判断することによって、実測値の変動を説明できると考える。Vertical Trend Component of N-value by using Geo-informationSatoshi Murakami, Ibaraki UniversityDatabase33 図-2 砂・シルト質砂・砂質シルトにおける N 値、区間平均 N 値、理論平均 N 値と深度の関係図-3 札幌市とその周辺の調査結果と理論平均 N 値との比較5.おわりに本文では、地盤情報 DB を利用して N 値の鉛直方向のトレンド成分を算定することを検討した。実用化するためには、実測値とトレンドとの差異を解消するために、水平方向の情報やその空間相関を検討することによって、実測値をうまく説明できる手法へと展開していきたい。【謝辞】本研究の一部は,科学研究補助金 若手研究(B)の研究助成を戴いて行ったものです.ここに付記して謝意を表します.【参考文献】1)地盤工学会北海道支部北海道地盤情報データベース化委員会:北海道地盤情報データベース Ver.2003, 地盤工学会北海道支部, 2003.34
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  • タイトル
  • 地盤調査情報のディジタルアーカイブ化と数値化物性情報の活用
  • 著者
  • 稲崎富士・倉橋稔幸・佐々木靖人
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 35〜36
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50270
  • 内容
  • 18A - 03第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月地盤調査情報のディジタルアーカイブ化と数値化物性情報の活用地盤情報,データベース,柱状図土木研究所土木研究所土木研究所正会員正会員正会員○稲崎 富士倉橋 稔幸佐々木 靖人1. 概要ストレージの大容量化とデータ形式の規格化の進展によって,柱状図だけでなく地盤報告書記載情報の全てをデータベース化することが可能になってきている.土木研究所は関東地方整備局他と連携し,電子納品以前の地盤調査報告書類を収集しディジタルアーカイブ化するとともに,柱状図及び土質試験データを数値化し,「地盤力学情報データベース」を構築するプロジェクトを開始した.データベース化された力学情報データは,対象地域の地盤物性モデルの構築に利用する予定である.アーカイブ化した資料は現時点で約 1500 件,ボーリング本数で 10000 本に達している.ここでは,ディジタルアーカイブ化の目的と概要,データベース活用の前提としての基本情報である柱状図情報の位置・標高・層相・N 値の品質管理の方法,および地盤力学情報データベースの一例として高精度 S 波速度検層データの利用について述べる.2. ディジタルアーカイブ化の目的従来地盤情報のデータベース化は,大学や研究機関など 2 次利用者が 1 次情報保有者から提供を受けて構築する方法がとられてきた.しかしこのような「大英博物館型」の収集管理方法は,地盤情報保有者にとっては便益がなくデータベース整備の障害となっていた.一方で最近,地盤調査報告書類の電子納品システムが整備され,簡易な WEBGIS も利用可能になってきたことから,出先機関単位でも独自に地盤調査情報データベースを構築管理することが可能になってきている.このように,地盤情報の 1 次保有機関によってデータベースが構築管理され,さらに 2 次利用が可能な情報公開システムが整備されることが最も望ましい形態であると考えられた1).しかし依然として便益にかかわる課題が残る.第一はデータベース化に必要な多大な経費をどのように担保するかという点であり,第二に 1 次情報保有機関自身のデータベース利活用の促進という点があげられる.実際国土交通省ではこれまでにもボーリングデータを集積し,内部ネットワークで公開してきた(TRABIS)が,充分に活用されてきたとはいい難かった.これらの課題に対する現時点での最も有効な対応策として,まず 2 次利用者がデータベース構築を支援しデータベース化に係る経費の一部を負担する,次にデータベースに付加価値をつけ 1 次保有者の利用促進を図る,ことを検討した.3.ディジタルアーカイブ化概要前述のように最近の電子納品システムの整備は,データベースへの地盤情報の追加を容易にした.しかしそれ以前の約 50 年間に蓄積された紙媒体,あるいはマイクロフィルム化された報告書類の数値化は容易ではない.紙媒体の報告書類は散逸の危機にさらされ,マイクロフィルム化資料も一括破棄が検討され始めている.そこで,関東地方整備局出先事務所や旧公団等から地盤調査資料を借り受け,添付図面も含めてスキャナで取り込み,画像ファイル化を実行した.現時点でディジタルアーカイブ化した資料は約 1500 件,ボーリング本数で約 10000 本分,容量で約 300GBに達している.アーカイブ化した資料は各機関ごとに整理し,インデックスリストからの資料閲覧,インデックスマップからの柱状図閲覧を可能にした.ファイルは PDF 形式とし,インデックスマップにはフリーの地図画像表示システムである Kashimir を使用した.したがって 1 次情報保有機関に画像化したファイルを提供するだけで,各機関に簡易な地盤情報データベースを容易に移植することが可能である.4. 地盤情報の品質管理地盤情報データベースの中で,最も基本的かつ重要な情報が柱状図情報であることはいうまでもない.データベース化された場合,その情報は調査地点の地下構造情報を正確に反映したものとして同等に扱われる.しかし実際にデータベースを利用していると,近傍情報と明らかに非整合的な柱状図データにしばしば遭遇する.このことはデータベースの利活用の際に何らかの形でデータの品質管理を行なうこと,また登録データの品質管理情報をデータベースに付加することが不可欠であることを意味している.そこで,柱状図情報の中で重要な以下の情報について A-E の 5段階で評価し,品質管理情報として付加することとした.4.1 調査位置・標高情報地盤調査資料のディジタルアーカイブ化作業の時点で,調査位置図と現在の地形図を重ね合わせ,世界測地系で位置情報を再決定した.その際,1/1000 以上の大縮尺の詳細位置図を参照できた場合は A ランク,1/5 万調査案内図しか参照できなかった場合は C ランク,位置図が欠落していて住所情報しか得られなかった場合は D ランクとした.また標高情報についても全て T.P.に変換し,基点からの測量を実施したことを明記してある場合は A ランク,仮ベンチDigital archiving of geotechnical survey reports and utilizationINAZAKI Tomio, KURAHASHI Toshiyuki, and SASAKIof digitized geotechnical property data.Yasuhito: Public Works Research Institute35 からの相対標高しか参照できなかった場合は C ランク,標高情報が欠落しており現在の数値地図を参照して推定した場合は D ランクとした.4.2 層相情報層相に関わる記事記載がなく,境界深度しか参照できない場合は C ランク,標準貫入試験深度以外の部分もスライム観察あるいは取得コア観察によって詳細な記事が記載されている場合は A ランクと評価した.4.3 N 値データ試験開始深度が+0.15m に統一され,貫入量も 5cm 単位にまるめられている場合は C ランクに,さらにその中で層相と非調和的な値が記されているものは D ランクとした.一方開始深度・終了深度とも丸め込みがなされておらず,10cm 毎の貫入回数にも人為的な改変が認められないと判断できた場合は A ランクとした.なお層相および N 値データについては,データベース内で周辺データと対比して,非整合的な場合は品質ランクを落とし,E ランクと評価されたデータは不適(不使用)ラベルを付加することとした.5. 数値化物性情報の活用土質調査によって得られた地盤情報のうち物性情報(各種試験データ)は直接構造物の設計に,また層相情報も空間的な物性分布の推定に活用される.物性情報のデータベース化の促進は,不良データの抽出や構造物の維持管理,また対象地域における代表的な物性情報の把握により今後の地質調査の合理化に貢献することができる.対象地域の 3次元地盤構造モデルの構築も,物性データの空間補間に有用である.平成 18 年度から開始された科学技術振興調整費重要課題解決型研究「統合化地下構造データベースの構築」の研究プロジェクトの中で,産業技術総合研究所が 3 次元地盤構造モデル構築を,土木研究所は物性情報のデータベース化とその利活用を分担し,関連データの収集解析を進めている.このうち地震防災の基本情報として重要な表層 S 波速度データの収集と解析事例を以下に紹介する.5.1 高精度 S 波速度検層データの収集解析高精度で測定・決定された S 波速度(Vs)データを収集し,それらの空間的分布および他の物性地との相関について検討した2).収集したデータは,濃尾平野沿岸域および首都圏の 2 地域を主体に,128 孔 6,000 深度以上に達した.これを同一深度で実施された原位置試験,採取コアに対する各種土質試験データと比較し,両者間の関連性を検討した.比較対象とした原位置試験・土質試験は,標準貫入試験による N 値,湿潤密度,固相体積率(間隙率の補数),中央粒径及び含泥率,および三軸試験等により求められた剛性率である.右図-1 は高精度測定 S 波速度と同一深度で測定された N 値とを片対数グラフにプロットしたものである.相関性は良好とはいえず旧来の検層法で求められた S 波速度との相関と同程度であった.このことは,ばらつきの原因が主として N 値データの側に存在することを意味している.従来表層地盤の Vs 値を N 値から推定する経験式が提案されてきたが,N 値は測定精度に問題があり,さらに試験法自体が線形性を有しておらず,Vs 値との相関性も高くないことが明らかにされた.逆に Vs 値から N 値を高精度で推定することは可能である.図-2 は高精度 S 波検層データから計算Fig.1 高精度測定 S 波速度と N 値との関係2)された原位置測定剛性率と室内試験から求められた微小ひずみ域での剛性率とを比較したものである.両者はほぼ 1:1 の直線上にのるが,一部のデータは直線の右側に分布しており,室内試験が不良であったことを示している.このように物性データの収集解析は,収集データ品質管理にも有効であることが示された.今後は,表層地盤を堆積環境に基づいて層相区分し,その区分された堆積ユニットごとに物性データを解析することで対象地域・地盤の代表的な物性の評価の方法について検討を加える予定である.参考文献国土交通省(2007):地盤情報の集積および利活用に関する検討会提言稲崎富士(2005):沖積層堆積物の S 波速度と土質特性の関係について,物理探査学会第 113 回学術講演会講演論文集,217-220.36Fig.2 原位置測定剛性率と室内試験剛性率(微小ひずみ域)との関係2)
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  • タイトル
  • 表面波探査による高速道路盛土堤体のせん断波速度
  • 著者
  • 田窪裕一・神野邦彦・佐伯嘉隆・森伸一郎・河野幸一
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 37〜38
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50271
  • 内容
  • 19C - 02第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月表面波探査による高速道路盛土堤体のせん断波速度盛土,増幅,S波速度1.愛媛建設コンサルタント正会員○田窪 裕一愛媛建設コンサルタント正会員神野 邦彦愛媛大学大学院学生会員佐伯 嘉隆愛媛大学工学部国際会員森 伸一郎愛媛大学工学部正会員河野 幸一はじめに道路盛土の耐震設計が性能設計体系に移行しようとしている.盛土の耐震安全性や残留変形を評価しようとすると,盛土堤体の地震時の応答を合理的に評価する必要がある.盛土堤体における増幅特性を正しく評価するには盛土堤体のS波速度の合理的評価が不可欠である.しかしながら,このような評価が実際に行われた例は極めて少ない.著者らは,高知自動車道における軟弱地盤区間の盛土を対象に11地点において,盛土堤体のS波速度を多チャンネル表面波探査法(MASW)により評価したので,その一部を紹介する.2.測定地点と測定方法図-1 に高知道自動車道における表面波探査の測定地点を示す.測定地点は,高知自動車道の伊野 IC から須崎東 IC 間内の 130.650kp から 140.700kp の約 10km の区間の軟弱地盤上の盛土である.表面波探査の測定は 11 地点,19 測線において実施した.当該区間は軟弱地盤区間と丘陵区間が交互に現れ,軟弱地盤区間では層厚約 15∼35m の表層地盤上に盛土が築造されている.一部の盛土区間では,サンドドレーンや敷網,深層改良などによる軟弱地盤対策を行っている.図-1高知自動車道における表面波探査の測定地点表面波探査とは地表付近を伝わる表面波(Rayleigh 波)が周波数によって異なる伝播速度となる性質を利用して,これを解析することで地下構造を探査する方法である.このうち高精度表面波探査は,この表面波を多チャンネルで測定・解析することにより深度 20m 程度までの地盤の S波速度を二次元断面として画像化する探査方法である.表面波探査は測定が容易なため,短時間・低コストで広範囲の S 波速度構造を求めることができる.図-2 に表面波探査の測線配置例を示す.盛土と自然地盤の S 波速度を評価する目的で,測線位置は盛土法肩,小段,法尻および周辺地盤とした.写真-1 は表面波探査の実施状況である.図-2表面波探査の配置測線例(140.450kp)Shear wave velocity of highway embankment measured by surface waveY.Takubo (1, Ehime Kensetsu Consultant), K.Kohno (1), Y.Saeki (2, Ehime University), S.Mori (2), K.Kohno (2)37 写真-1表面波探査の状況図-3Rayleigh 波分散曲線(140.450kp)起振はカケヤにより行い,起振点間隔は 2.0m とした.本測定では探査深度(20m 程度)や作業効率を考慮して受振器を 2.0m 間隔で設置し,24 チャンネルで測定した.3.解析方法と解析結果観測波形記録(時間−距離)を再編集して周波数領域に変換した後,分散曲線(周波数−位相速度)を作成する.図-3 に 140.450kp 地点における Rayleigh波分散曲線を示す.この分散曲線に基づいて,速度モデルや S 波速度断面図を作成する.図-4 に採用分図-4速度分布 2 次元コンター図(140.450kp 法肩)散曲線データによる速度分布 2 次元コンター図を示す.図-5 に代表地点として 140.450kp 地点の平均化 S 波速度構造を,断面図上にプロットして示す.盛土堤体におけるS 波速度は,堤体内で深度が深くなるにつれ漸増する場合もあるが,その相関性は明確ではなく,拘束圧依存性は強いものではないと判断される.また,130.650kp から 140.700kp の約 10km 間の 11 地点において測定を実施したが,盛土堤体の S 波速度は地点毎における明確な差異はなく堤体内平均 Vs 値は 270∼370m/sであった.図-54.結140.450kp 地点の平均化S波速度構造断面図論高知自動車道における軟弱地盤区間の盛土を対象に,盛土堤体の S 波速度を測定した.盛土堤体の S 波速度については,深さ方向に漸増する傾向も見られるものの,拘束圧依存性は強いものではなかった.また,盛土堤体の S 波速度構造は,様々な地点による差異は少なく,堤体内平均 Vs 値は 270∼370m/sであった.謝辞本研究は,地盤工学会四国支部内に設けられた「NEXCO 西日本四国支社 耐震性評価手法検討委員会」(委員長 愛媛大学 矢田部龍一教授)の研究の一環として実施したものです.実施に当っては,NEXCO 西日本四国支社の関係者の皆様には大変お世話になりました.記して謝意を表します.38
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  • タイトル
  • 波の位相差に基づく宅地の不均一性の評価
  • 著者
  • 会田龍也・初山将克・田村修次
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 39〜40
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50272
  • 内容
  • 20第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月C - 02波の位相差に基づく宅地の不均一性の評価地盤調査、宅地、地盤の不均一性京都大学工学研究科学生会員○会田龍也京都大学工学研究科学生会員初山将克京都大学防災研究所国際会員田村修次1.はじめに近年、住宅の不同沈下が問題になっており、それを防ぐためには十分な事前調査・対策が必要である。既往の地盤調査法(スウェーデン式サウンディング試験など)は敷地の数箇所で行われるが、必ずしも局所的に存在する軟弱地盤あるいは埋設物(ごみ、木の根、ガラなど)を把握できるとは限らない。そこで敷地全体を調査する方法として、地盤の不連続面で波が屈折する性質を利用した、波の到来方向に基づく局所的軟弱地盤の位置を同定する方法が提案されている1)。本研究は、波の位相差に基づく地盤の不均一性を評価する方法を提案し、その有用性について、波の到来方向に基づく方法と比較検討する。2.波の位相差と地盤の不均一性図1は地盤条件と位相差を模式図で示している。地盤が均一な場合、図1(a)に示すように加振点で発生した波が各微動計に向かって一様に進む。そのため、位相差は加振点から各微動計までの距離の差に依存する。例えば加振点からN2、N0までの距離の差が大きいため、N2とN0の位相差は大きく、加振点からN1、N0までの距離の差が小さいため、N1とN0の位相差は小さい。一方、地盤が不均一な場合、図1(b)に示すように加振点で発生した波が地盤の不連続面で屈折して進む。そのため地盤が均一な場合と違い、位相差が加振点から各微動計までの距離の差には依存しない。例えばN1とN0の位相差は大きく、N3とN0の位相差はほとんど無い。これらの位相差は地盤が均一な場合と異なる。このことは、波の位相差から地盤の不均一性が評価できる可能性を示唆している。なお、位相差は波長にも依存し、波長が長いと位相差は小さく、波長が短いと位相差は大きい。3.実験概要提案方法の妥当性を検討するため、京都大学宇治キャンパス内で実験を行った。地盤条件は均一地盤と局所的軟弱地盤の2種類である。図2に局所的軟弱地盤の概形を示す。局所的軟弱地盤は、穴を掘って埋め戻すことで作成した。その大きさは直径1m、深さ1mである。図3に加振点と微動計、軟弱地盤の位置関係を示す。微動計は全て4.5Hz計であり、N0を中心として半径0.5m、0.8mのそれぞれの円周上に等間隔に5点ずつ(N1~N5、N6~N10)配置した。N0からみてN1の方向を0°とした。加振は人の跳躍により、加振距離3m、加振方向0°、10°、20°の地点で行った。以下、加振点は3m 0°地点、3m 10°地点、3m 20°地点と記す。3m 0°地点と3m 10°地点では加振点と微動計の間1mN11m波長1m加振点0.4mN0図2N2軟弱地盤の概形0° 10° 20°微動計N3加振距離3m(a)均一な地盤N1波長軟弱地盤加振点微動計加振点2mN0N2N10 N5微動計地盤の不連続面半径0.8mN3半径0.5m図1図3地盤条件と位相差(模式図)N1N2 N7N0N4N9(b)不連続面のある地盤N6N3N8加振点と微動計および軟弱地盤Evaluation of non-uniformity of a housing site based on wave phase differenceAIDA Tatsuya, HATSUYAMA Masakatsu, TAMURA Shuji (Kyoto University)39 に軟弱地盤があり、3m 20°地点では加振点と一部の微動計の間に軟弱地盤がある。観測時間は30秒とし、得られた波形をサンプリング周波数2000HzでA/D変換した。波の到来方向をF-Kスペクトル解析で評価し、各微動計の位相差をクロススペクトルで評価した。4.均一地盤における波の到来方向および波の位相差局所的軟弱地盤を作成する前に3m 20°地点を加振してアレイ観測を行い、波の到来方向および波の位相差を評価した。加振方向と波の到来方向との角度差と周波数の関係を図4に示す。到来方向は加振方向とほぼ一致している。次に、波の位相差と周波数との関係を図5に示す。位相差はN6>N7>N10>N8>N9であり、加振点から近いほど波が早く到達していることがわかる。また、位相差の大小関係は70Hz付近を除いて概ね同じである。なお、高い周波数ほど位相差が大きくなるのは、波長が短くなるためである。5.局所的軟弱地盤における波の到来方向および波の位相差局所的軟弱地盤を作成した後にアレイ観測を行い、波の到来方向および波の位相差を評価した。加振方向と波の到来方向との角度差と周波数の関係を図6に示す。3m 10°地点および3m 20°地点を加振した場合、到来方向は加振方向と大きく異なり、ばらつく。これは軟弱地盤で波が屈折したためと考えられる。3m 0°地点を加振した場合、加振方向と到来方向との角度差は小さい。これは局所的軟弱地盤に対して直交方向から波が入射したためと考えられる1)。波の位相差と周波数との関係を図7に示す。3m 10°地点を加振した場合、20~50Hzにおいて位相差の大小関係は概ね同じであるが、60~100Hzにおいて位相差の大小関係が周波数により変化する。例えば40Hz付近で位相差はN6>N7であるが、90Hz付近で位相差はN7>N6である。3m 20°地点を加振した場合、位相差の大小関係が周波数により変化し、特にN8の位相差が乱れている。3m 0°地点を加振した場合、N6、N7、N8の位相差に乱れが生じている。すなわち、局所的軟弱地盤に対して直交方向から波が入射する場合、一部の微動計に位相差の乱れが生じている。以上から、加振方向と到来方向との角度差が小さい場合においても、位相差に着目することで、軟弱地盤を把握できる可能性のあることがわかった。6.まとめ人工的に加振し、アレイ観測により波の位相差を測定して、地盤の不均一性を評価する方法を提案するとともに、波の到来方向に基づく地盤の不均一性を評価する方法と比較検討した。その結果、以下のことがわかった。加振点と観測アレイの間に軟弱地盤が存在する場合、波の到来方向はばらつき、波の位相差は乱れる。ただし、軟弱地盤に対して直交方向から波が入射する場合、加振方向と波の到来方向との角度差は比較的小さいが、一部の微動計の波の位相差は乱れる。《参考文献》1) 田村修次, 夘山直樹:波の到来方向に基づく宅地における局所的軟弱地盤位置の同定, 日本建築学会構造系論文集, No. 600, pp. 69-74, 2006603m 20°40402020角度差(°)角度差(°)600-20図40-2020406080100-60206080100 20406080100 204060801006(a) 3m 0°3m 20°(b) 3m 10°(c) 3m 20°4位相差(rad)4位相差(rad)40周波数(Hz)周波数(Hz)周波数(Hz)図6 局所的軟弱地盤存在時の波の到来方向のずれ周波数(Hz)均一地盤における波の到来方向のずれ620-2N6N7N8N9N10-4-6204020-2N6N7N8N9N10-4-66080100周波数(Hz)図5(c) 3m 20°-40-40-60(b) 3m 10°(a) 3m 0°均一地盤における波の位相差2040N6N7N8N9N106080周波数(Hz)図740100 2040N6N7N8N9N106080100 20406080周波数(Hz)周波数(Hz)局所的軟弱地盤存在時の波の位相差100
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  • タイトル
  • 波の伝播特性に基づいた宅地の不均一性の評価 各種地盤調査法との比較
  • 著者
  • 初山将克・田村修次・会田龍也・田端憲太郎・中澤博志・徳山英之
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 41〜42
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50273
  • 内容
  • 21C - 02第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月波の伝播特性に基づいた宅地の不均一性の評価― 各種地盤調査法との比較 ―地盤調査、宅地、地盤の不均一性京都大学工学研究科学生会員○初山 将克京都大学防災研究所国際会員田村 修次京都大学工学研究科学生会員会田龍也防災科学技術研究所国際会員田端憲太郎港湾空港技術研究所(元防災科学技術研究所) 国際会員中澤博志徳山英之防災科学技術研究所1.正会員はじめに現在、宅地の地盤調査法として、一般的にスウェーデン式サウンディング試験(SS試験)が行われている。この試験は通常、敷地の3~5箇所で行われるが、必ずしも局所的な地盤の不均一性を把握できるとは限らない。敷地に局所的不均一地盤が存在する場合、建物の不同沈下等の問題が起こる可能性がある。それをふまえ、波の到来方向に基づく局所的軟弱地盤位置の同定法が提案されている1)。本研究では、宅地で人工的に加振を行い、その波の伝播特性に基づき局所的な地盤の不均一性の評価を試みた。さらにその測線でH/Vスペクトル、表面波探査、SS試験、軽量簡易動的貫入試験2)(ULD-CPT )を行った。 これらの調査結果と波の伝播特性に基づく地盤の不均一性の評価法の結果を比較する。2.波の到来方向に基づく地盤の不均一性の評価波の到来方向に基づく評価法と各種地盤調査を比較するため、京都市内の宅地で実験を行った。まず、波の到来方向に基づき地盤の不均一性を評価するため、図1に示す観測アレイと加振点で実験を行った。観測アレイは半径0.5mの円周上に微動計(4.5Hz計)を5点、その中心に1点設置した。アレイ中心から1.0m~5.5m離れた地点で、0.5m間隔で跳躍による加振を行った。観測時間は30秒とし、ローパスフィルター300Hzを通して、サンプリング周波数2000HzでA/D変換し、ノートパソコンに記録した。アレイ中心から2.0mと3.5mの地点で加振した場合について、加振方向と波の到来方向の角度差と波長の関係を図2に示す。アレイ中心から2.0m離れた地点で加振した場合、波の到来方向は加振方向と概ね一致している。一方、3.5m離れた地点で加振した場合、波の到来方向は加振方向と一致せずにばらつきがみられる。これは本実験サイトが不均一な地盤であることを示唆している。図3に各加振点の加振方向と波の到来方向の角度差の平均値および標準偏差を示す。アレイ中心から1.0m~3.0m離れた地点で加振した場合、標準偏差は小さい。一方、3.5m、4.0m離れた地点で加振した場合、標準偏差は極めて大きい。このことは、アレイ中心から3.0m~3.5m離れた地点に不均一な地盤が存在することを示唆している。3.観測アレイ各種地盤調査と波の到来方向に基づく評価の比較図4にH/Vスペクトル、表面波探査、SS試験、ULD-CPT の計測地点0.5m1.0mを示す。これらの調査は波の到来方向に基づく評価法と同じ測線で図1加振方向と波の到来方向の角度差(°)行った。H/Vスペクトルは図4のHV1、HV2の2点で、微動計(1秒計)を用いて微動観測を行った。観測時間は5分とし、ローパスフィルター25Hzを通して、サンプリング周波数200HzでA/D変換し、ノートパソコンに記録した。H/Vスペクトルを図5に示す。HV1の振幅はHV2のそれ40標準偏差20(b)アレイ中心から3.5m60 (a)アレイ中心から2.0m300-30-60-9000図2246波長(m)10 08246波長(m)810加振方向と波の到来方向の角度差と波長平均値-20-40観測アレイと加振点904012345アレイ中心からの距離(m)図3各加振点の加振方向と波の到来方向の角度差の平均および標準偏差HV1H/Vスペクトル表面波探査RW1SS試験SW1ULD-CPT図4HV2RW2RW3RW4SW2CP1CP2H/Vスペクトル、表面波探査、SS試験、ULD-CPT計測地点(b)HV2(a)HV16H/Vスペクトル加振方向と到来方向の差(°)より大きいが、HV1とHV2の卓越周期はほぼ同じである。加振点0.5m32100.050.1周期(s)図50.2 0.050.1周期(s)0.2H/VスペクトルEvaluation of non-uniformity of housing site based on wave propagation property‐Comparison with various explorations of ground‐M. Hatsuyama , S. Tamura , T. Aida (Kyoto University) , K.Tabata (NIED) , H.Nakazawa (PARI) and H.Tokuyama (NIED)41 表面波探査は、微動計(4.5Hz計)を0.8m間隔で6点設置し、跳躍による加振を行った。観測時間は30秒とし、サンプリング周波数2000HzでA/D変換し、ノートパソコンに記録した。隣り合う3つの微動計で分散曲線を求めた。中心センサーの位置は図4のRW1~RW4である。得られた分散曲線を図6に示す。波長2m~4mで、RW3、RW4の位相速度はRW1、RW2のそれより小さい。分散曲線の逆解析で得られたS波速度構造を図7に示す。表層地盤のRW3、RW4のS波速度は70m/s程度であり、RW1、RW2のそれより小さい。スウェーデン式サウンディング試験は図4のSS1、SS2の2点で行った。SS試験の結果を図8に示す。SW2は深度0.5m~1.0mや深度1.6m~1.9m付近で、おもりの自重のみで貫入しており、SW2はSW1より軟弱な地盤であることがわかる。軽量簡易動的貫入試験は図4のCP1、CP2の2点で行った。ULD-CPTは、ハンマーの打撃でロッドとその先端に接続したコーンを地盤に打ち込み、1打撃ごとに先端抵抗qdを求めている。ULD-CPT の結果を図9に示す。CP2の先端抵抗qdはCP1のそれより小さく、CP2はCP1より軟弱な地盤であることがわかる。なお、調査地点のほぼ同じCP1と表面波探査のRW2で、ULD-CPTで得られた先端抵抗qdとS波速度構造を比較すると、CP1の先端抵抗qdは、深度0m~1.8mまで細かく変動しているのに対し、RW2のS波速度は単一な層である。ただし、深度1.8m付近に先端抵抗qdの大きい層、S波速度の大きい層があり、両者は大局的に一致している。H/VスペクトルではHV1とHV2の卓越周期はほぼ同じであったが、表面波探査、SS試験、ULD-CPT から、アレイ中心から3.0m~5.5mの表層地盤は、アレイ中心から3.0mまでの表層地盤より軟弱と考えられる。このため、アレイ中心から1.0m~3.0m離れた地点で加振した場合、波の到来方向は加振方向と概ね一致し、3.5m以上離れた地点で加振した場合、波の到来方向は加振方向と一致せずにばらついたと考えられる。4.まとめアレイ観測で波の到来方向を計測することで、簡便に局所的な不均一な地盤の位置を推定する方法を試みた。さらに同じ測線でH/Vスペクトル、表面波探査、SS試験、ULD-CPT を行った。その結果 、アレイ中心から3.0m~5.5mの表層地盤は、3.0mの地点までの表層地盤より軟弱であることがわかった。このため、3.5m以上離れた地点で加振すると、波の到来方向がばらついたと考えられる。《参考文献》1)田村修次,夘山直樹:波の到来方向に基づく宅地における局所的軟弱地盤位置の同定,日本建築学会構造系論文集,No.600,pp.69-74,2006Wsw(kN)Nsw(回)Wsw(kN)Nsw(回)0.1 1 10 100 1000 0.1 1 10 100 100002)田端憲太郎,中澤博志,佐藤正義,岩崎智久:大型土槽における模型砂地盤への軽量簡易動的貫入試験機の適用性,第41回地盤工学研究発表会,pp.143-144,2006位相速度(m/s)100200300 0位相速度(m/s)100200300 000(b)RW2(c)RW3(d)RW42波長(m)0.5位相速度(m/s)1002003001.0深度(m)(a)RW1位相速度(m/s)100200300 042.062.5実測値理論値8(a)SW1(b)SW23.0図600S波速度(m/s)100 200 300 400 0(a)RW1表面波探査で得られた分散曲線図8S波速度(m/s)100 200 300 400 0S波速度(m/s)100 200 300 400 0(b)RW2(c)RW3S波速度(m/s)100 200 300 400スウェーデン式サウンディング試験結果005qd(MPa)10 150.50.51.01.01.505q d(MPa)10 151.52.02.02.52.53.03.0(a)CP1図720(d)RW4深度(m)深度(m)1.5分散曲線の逆解析で得られたS波速度構造42図9(b)CP2軽量簡易動的貫入試験結果20
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  • タイトル
  • マルチ送信比抵抗探査装置の開発と地盤工学への応用
  • 著者
  • 神宮司元治
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 43〜44
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50274
  • 内容
  • 22C - 02マルチ送信比抵抗探査装置の開発と地盤工学への応用522マルチ送信、比抵抗、トモグラフィ1.第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月独立行政法人産業技術総合研究所・国際会員・神宮司元治はじめに3次元比抵抗探査や高速比抵抗モニタリングは、従来から空洞探査・地盤汚染調査、地下埋設物探査、薬液注入・堤防・斜面モニタリングなどの様々な分野での応用が期待されてきた技術であるが、現実に実施されることはほとんどない。その原因の一つとして、多数の電極を地表に設置するコストや 2 次元探査に比べて大幅に増加するデータ取得に要する時間的なコスト、モニタリングにおいては測定に時間がかかりすぎるため、実時間での計測が困難であることが原因と考えられる。これまでに産業技術総合研究所では、複数の電極から周波数の異なる信号を同時送信し、本信号を同期検波によって分離を行い、電極の切り替えなしに毎分千点近くのトモグラフィデータを取得できる極めて高速な比抵抗査装置の開発を行ってきた。本講演では、本測定技術の紹介および地盤工学分野への応用について述べる。2.マルチ送信比抵抗探査装置の概要マルチ送信技術では、従来の単送信型の測定技術と異なり、複数の電極から周波数がわずかに異なる信号を送信し、その送信信号を同期検波回路群で分離することによりデータ取得を行う。そのため、送信極の切り替えを大幅に少なくすることが可能になり、従来と比べて飛躍的に測定速度を向上させることが可能である。例えば、Fig.1 に従来の単送信技術とマルチ送信技術との比較図を示すが、単送信の測定技術では、同時受信を行っても一度に数点のデータを取得できないのに対し、マルチ送信技術では、送信電極×受信電極の数のトモグラフィデータを一度に取得できる。例えば、8 極の送信極に対し、受信電極 1 極毎に8個の同期検波回路が備え付けられたマルチシステムでは、受信電極8極に設置された8個の同期検波群(64同期検波回路)により、同時に64個の受信電圧のデータを取得することが可能である。このように、従来の単送信の技術と比べて数十倍の速度で、非常にたくさんのデータを一度に取得可能である。単一周波数の矩形波を送信同 時 2~ 8CH受 信送 信 電 極 を 切 り 替 える各 電 極 から 周 波 数 の異 な る 信 号 を 同 時 送 信単送信技術20~100点/分マルチ送信技術複数の周波数の矩形波を送信同期検波回路群によりそれぞれの信号を同時に分離する同時に64CH受信 1000点/分 以上Fig.1 マルチ送信比抵抗探査装置の概念図Development of multi-transmission tomography system and its application for geotechnical engineering, National Institute ofAdvanced Industrial Science and Technology (AIST), Motoharu Jinguuji43 3.マルチ送信比抵抗探査試作装置と屋外実験マルチ送信比抵抗探査装置の有効性を確認するために、同原理に基づいた試作装置の開発を行った。本試作装置は、Fig.1 に示したマルチ送信技術の概念図と異なり、システムを簡略化するために同期検波群を一つしかもっておらず、同時送信8CH、同時受信1CHで、マルチプクレクサで8CH分の受信電極の走査を順次行うことで、送信8×受信8の64個のデータを取得している。そのため、マルチプクレクサを切り替えるたびにLPFの遮断時間分を待たなければならず、64個のデータを取得するのに30秒近くかかるため、測定速度は毎分100点程度に抑えられている。なお、送信波形は矩形波であり、また、送信周期は、DDS(ダイレクトデジタルシンセサイザ)で任意の周波数にセットすることが可能である。現段階の設定周波数は、80Hzから185Hzまでの15Hzステップで設定してある。そのため、80Hzの矩形波によって生じる第 3 高波(240Hz)よりも送信波の周波数が低いため、特にバンドパスフィルタ等の同期検波前のフィルタリングは行っていない。本試作装置を用いた 3 次元探査比抵抗探査実験を実施し、その実証実験を行った。電極配置は、16×8極の128極で、取得したデータ点数は約6000点である。測定には、16極のテイクアウトを 8 本用意し、コネクションボックスを用いて手動で電極を切り替えた。また、コネクションボックスは、8極単位で電流極および電位極を切り替えるので、切り替え用の差し込みボードを用意することで切り替えを容易にした。測定は 2 極法を用い、遠電極は、電流用独立極 8 極、電位 1 極である。なお、電極間隔は1mであり、縦方向に電極16極、横方向に8極の電極を合計128極配置して測定を行った。その結果、わずか 1 時間程度で 6000 点を超える測定データを取得することでき、Fig.2 に示されるような明瞭な地下 3 次元トモグラフィ画像を取得することができ、本システムの有効性を確認することができた。日本地下探査 白井実験場 手動切り替え16X8 3次元 測定時間 1時間強地表に作成したピット(深さ1m直径1m)6000点規模の3次元比抵抗計測を手動切り替えで、1時間で終了させることが可能。現在開発中のスキャナー付き64同期検波マルチ送信システムの新型機では、5分程度で測定が可能となる。電極配置 16×8Fig.2 マルチ送信比抵抗探査装置を用いた 3 次元探査4.マルチ送信比抵抗探査試作の地盤工学への応用マルチ送信比抵抗探査装置は、従来の単送信の比抵抗探査装置と比べて、数十倍の速度での計測が可能であり、データ点数の多い高密度 3 次元探査やリアルタイム比抵抗モニタリングが可能である。そのため、空洞探査・地盤汚染調査、地下埋設物探査、薬液注入・堤防・斜面モニタリングなどの様々な分野への応用が可能であり、今後の展開が大きく期待できる。現在、システムの改良と簡易化、さらに利用目的に応じた最適化を行っており、また、様々な分野への応用を行っている。44
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  • タイトル
  • 河川堤防調査に対する高密度電気探査の適用事例
  • 著者
  • 林  篤・柴田 東・高橋浩之・藤野丈志
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 45〜46
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50275
  • 内容
  • 23第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月C - 02河川堤防調査に対する高密度電気探査の適用事例河川堤防調査高密度電気探査物理探査株式会社興和正会員○林篤同上正会員高橋浩之同上国際会員柴田東藤野丈志同上1.はじめに河川堤防の浸透に対する安全性評価に対しては、堤防や基礎地盤の構造の把握が不可欠である。一般的なボーリング調査では、堤防の弱部となりうる局所的な土質の違いや緩み、及びその連続性を把握することが困難であり、近年ではボーリング調査に合わせて、面的な堤防構造を把握することを目的として物理探査が用いられることが多くなっている。河川堤防調査において適用される物理探査としては高密度電気探査、高精度表面波探査、連続波レーダ探査等が代表される。今回は、高密度電気探査、高精度表面波探査を選定し、河川堤防において調査を実施した。本報告では高密度電気探査により堤防や基礎地盤の土質の把握を行った事例について報告する。2.対象箇所対象箇所は、氾濫原性の粘性土・砂質土互層地盤に築No.8S-1GH=10.231mdep = 35.50 mGH=10.648mdep = 12.60 mS-2測線1(縦断)0堤されているA堤防と、扇状地性の礫質土地盤上に築堤N値10 20GH=10.633mdep = 17.60 mN値030 40 5010 20N値30 405001020 30 4050B(粘性土)されているB堤防の2箇所である。各地点のボーリングAc1(粘性土)As1(砂質土)Ac1(粘性土)調査結果による地質断面図を図-1,図-2 に示す。A堤防DL=0.00では天端(表)で1測線、B堤防では天端(表、裏、中間)As2(砂質土)で3測線を設定し、高密度電気探査を実施した。As2(砂質土)Ac2(粘性土)3.測定・解析方法高密度電気探査は、4極ウェンナー法、測定間隔 1m、図-1探査深度 20m として測定した。解析は①一次元解析(リニアフィルタ法による非線形A堤防地質縦断面図測線4最小二乗法逐次修正解析)と、②二次元解析(有限要素法測線3測線2L1.4k-No.2B-3(ミニラム)L1.4k-No.1GH=10.37mdep = 23.45 mGH=12.3mDep.=4.40mGH=12.39mdep = 24.10 mB2(砂質土)L1.4k-S2N値N値00 10 20 30 40 50GH=6.31mdep = 1.10 m102030401020B1(礫質土)N値AS0による非線形最小二乗法逐次修正解析)の2通り実施し5012GH=8.70mdep = 0.84 mH.W.L35Wsw(kN) Nsw(回)380 0.5 1 50100 200 400AS2/31112311Wsw(kN) Nsw(回)L1.4k-S130 40 50140 0.5 1 50 100 200 400830た。なお、①手法では薄層の比抵抗値を把握できるよう4932302738層厚 1m,20 層に固定して解析している。また、②手法で50/24Ag-1(礫質土)50/1850/283949DL=0.0050/53335254/33282348も鉛直方向メッシュ数を 20 層としている。50/54650/1638214.解析結果比較Ac(粘性土)9263631図-2No.8る。ここでわかるように、各土質の比抵抗値は重複し0単に比抵抗値のみで土層区分を行うのは難しい。その12ため、得られた比抵抗値とボーリング結果との対比が34行われる。A堤防におけるボーリング結果と比抵抗深度分布の比較図を図-3 に示す。①手法では盛土(粘性土)で比56710抵抗ρ=70∼150Ω・m、基礎地盤(粘性土)で比抵抗ρ11=10∼60Ω・m、基礎地盤(砂質土)で比抵抗 30∼140Ω・13m の値が得られた。また、②手法では盛土(粘性土)で70∼150Ω・m、基礎地盤で 40∼60Ω・m の値が得られ、比抵抗値をプロットしているが、①手法では局所的な1010010000盛土(粘性土)局所的な低比抵抗部を把握できていない。盛土 (粘性土)5基礎地盤(粘性土)6基礎地盤(砂質土)9310104/35基礎地盤(粘性土)5基礎地盤3232基礎地盤(砂質土)26251515全体に平坦な深度分布で地層境界が不明瞭である。3/50基礎地盤(粘性土)125/3572020342223比抵抗ρ(Ω・m)100003/35172010052/501518101/501421図上にボーリングコア試料を用いて室内で測定した②二次元解析局所的な低比抵抗部を把握できている。3/3519基礎地盤の粘性土と砂質土の境界が不明瞭であった。50/84/352121645比抵抗ρ(Ω・m)N値0 10 20 30 40 508936B堤防地質横断面図①一次元解析GH=10.231mDep.=35.50mた範囲が多く、特に中間土層では比抵抗値は同等で、19/50AsAg-2(礫質土)81∼1000Ω・m、砂利で 100∼1000Ω・m 程度とされてい50/81/4718一般的な土質の比抵抗値は粘土で 0.8∼100Ω・m、砂で50/5As(砂質土)18105242225低比抵抗値の粘性土層が把握され、その他の箇所も概図-3ね解析結果と同等の値が得られている。しかしながら、見掛比抵抗(測定値)見掛比抵抗(測定値)見掛比抵抗(解析値)見掛比抵抗(解析値)比抵抗(解析値)コア試料比抵抗(4極法)比抵抗(解析値)コア試料比抵抗(2極法)コア試料比抵抗(2極法)A堤防 比抵抗解析結果比較図②手法ではこの低比抵抗層が把握できていない。Application of the high density electrical prospecting to the embankment surveyAtsushi HAYASHI , Hiroyuki TAKAHASHI , Azuma SHIBATA , Takeshi FUJINO (Kowa Co.,Ltd)45コア試料比抵抗(4極法) L1.4k-No.2また、B堤防におけるボーリング結果と比抵抗深度①一次元解析GH=10.37mDep.=23.45m分布の比較図を図-4 に示す。①手法では盛土(砂質土)で比抵抗ρ=1600∼3000Ω・m、基礎地盤(礫質土)で 850125124846151538161817砂質土21181819粘性土9202020821以上より、各地点ともに今回の結果からは①手法の10砂質土、粘性土の薄層を反映している。2814ら、②手法ではこの低比抵抗層が反映されていない。基礎地盤(礫質土)103311も低比抵抗であることが反映できている。しかしなが5491015盛土(砂質土)基礎地盤(礫質土)50/189コア試料の比抵抗よりも大きな値となるが、周辺より10000388囲に比べ非常に小さな値が得られている。①手法では、10002771310005326抗値は、下層の粘性土の比抵抗値が 15Ω・m 程度と周10305750∼1400Ω・m の値が得られている。コア試料の比抵10000114法では盛土(砂質土)で 1900∼4000Ω・m、基礎地盤で比抵抗ρ(Ω・m)1000盛土(砂質土)113地盤(粘性土)で 430Ω・m の値が得られた。また、②手1000122∼1900Ω・m、基礎地盤(砂質土)で 550∼820Ω・m、基礎10N値0 10 20 30 40 500②二次元解析比抵抗ρ(Ω・m)22362331方が実地盤の比抵抗値に近い結果が得られていると見掛比抵抗(測定値)見掛比抵抗(解析値)比抵抗(解析値)コア試料比抵抗(4極法)コア試料比抵抗(2極法)見掛比抵抗(測定値)見掛比抵抗(解析値)比抵抗(解析値)コア試料比抵抗(4極法)コア試料比抵抗(2極法)26考えられる。図-4B堤防 比抵抗解析結果比較図5.比抵抗値とN値、含水比の関係標準貫入試験から得られたN値、小型動的貫入試験(ミニラム)から得られた Ndm 値と今回実施した一次元解析結果から得られた比抵抗値を比較した。図-5 にA堤防、図-6 にB堤防の結果を示す。A堤防では土質毎に同様な分布傾向が見られ、基礎地盤の粘性土、砂質土についてはN値が高いほど、比抵抗値も高くなる相関性が伺える。一方、B堤防でも土質毎に同様な分布傾向が伺えるが、基礎地盤(礫質土)は礫当たりの影響でN値にバラツキが大きく、また比抵抗値のバラツキもあり、相関性は確認できなかった。また、一般に含水比が小さいほど比抵抗値は高くなる関係がある。図-7 に比抵抗値と含水比の関係を示す。A堤防とB堤防では異なる分布傾向となっているが、それぞれ含水比が小さいほど、比抵抗値が高くなる傾向が伺える。盛土(粘性土)基礎地盤(粘性土)基礎地盤(砂質土)1000盛土(礫質土)盛土(砂質土)基礎地盤(砂質土)基礎地盤(粘性土)基礎地盤(礫質土)10000盛土(粘性土)盛土(礫質土)基礎地盤(砂質土)基礎地盤(礫質土)10000比抵抗ρ(Ω・m)比抵抗ρ(Ω-m)比抵抗ρ(Ω-m)1000100基礎地盤(粘性土)1000B堤防100A堤防100100.111010010110図-5比抵抗値とN値(A堤防)1001000110N,Ndm(回)N ,Ndm(回 )図-6比抵抗値とN値(B堤防)100含水比Wn(%)図-7比抵抗値と含水比6.まとめ①今回の対象地盤のように比較的水平方向に地層が連続している地盤で、かつ地形の起伏もない堤防縦断方向の高密度電気探査では、一次元解析による結果の方が細かな地層境界が把握できた。二次元解析は、隣接メッシュで急激に変化しないという制約条件(平滑化拘束)が設けられているためか、薄層状の低比抵抗帯を把握できなかった。②データ数は少ないものの、比抵抗とN値、含水比との関係は特に基礎地盤粘性土、砂質土において、相関性が見られた。比抵抗値は構成粒子、間隙水の比抵抗により値が変化するため、対象とする地盤が異なればその傾向も異なってくるはずである。今後は、同一流域毎にデータを集積することにより、各流域における比抵抗値とN値、物性値との相関性の精度を高めることが可能と考えられる。③高密度電気探査は、ボーリングに合わせて実施することにより、土層構成をより詳細に把握することができるため、河川堤防調査として有効な探査方法である。より有効性を高めるためにも、データを集積し対象地盤の硬軟(N値)や物性値を概略的に把握できるようになることが期待できる。<参考文献>1)旧建設省土木研究所ほか(1998):高密度電気探査手法による堤防内部構造探査手法に関する共同研究報告書2)物理探査学会(1998):物理探査ハンドブック 手法編 第 5 章3)佐々宏一,芦田讓,菅野強(1993):建設・防災技術者のための物理探査46
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  • タイトル
  • 河川堤防調査に対する表面波探査の適用事例
  • 著者
  • 井上 純・山谷 睦・遠藤真哉
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 47〜48
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50276
  • 内容
  • 24C - 02第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月河川堤防調査に対する表面波探査の適用事例物理探査表面波探査河川堤防調査日本地下水開発株式会社正会員○井上純日本地下水開発株式会社日本地下水開発株式会社山谷睦正会員遠藤真哉1.はじめに地盤のS波速度は、地盤の固さや締まり具合、地震時の動的特性と密接に関係する。地表付近(深度数m~数 10 m)の地盤のS波速度構造を把握することは、上記深度における地耐力分布に直結するため、非常に重要なことである。したがって、S波速度構造を把握することは、地耐力や支持層の推定に有効であることに加え、例えば堤防の緩みの把握や地盤の締め堅め効果の判定など、その適用性は広いと云える。近年になって、カケヤや重錘落下によるインパルス震源によって励起された表面波(レイリー波)を用いる表面波探査という手法が用いられるようになった。ここでは、A川および B 川の2箇所の河川堤防にて表面波探査を実際に適用した事例について報告する。2.表面波探査の原理と測定・解析方法表面波探査は、カケヤや重錘落下によって励起した表面波(レイリー波)を測定して解析し、地盤(深度 20m 程度まで)のS波速度構造を求める探査法である。表面波(レイリー波)の速度は、S波速度の 0.9 ~ 0.95 倍であることから、表面波速度からS波速度構造が求められる。図1に表面波探査の原理と測定模式図を示した。図1に示すように、カケヤ等によって起震された弾性波のうち、表面波(レイリー波)は波長が長い(周期が長い)もの~短いもの(周期が短い)まで様々な波長の波で構成されているが、波長が長くなるほどエネルギ-のしみこむ深度が深くなり、その伝播速度も波長によって変化する。この波の波長による伝搬速度の違いを分散と呼ぶが、この分散を用いることで図1表面波探査の原理と測定模式図速度構造を求めるのが表面波探査の原理である。データの取得は、応用地質株式会社製 McSEIS-SXW を用いた。受振器は固有周期 4.5Hz の上下動ジオフォンを用いた。受振器の間隔は、A 川(測線長:120m)では2m間隔、B 川(測線長:72 m)では1m間隔でそれぞれ設置した。起震点間隔は、A 川では4m、B川では2mである。図2に解析の流れを示した。現地で取得された波形データ(時系列データ)に対してフーリエ解析を実施して周波数領域のデータに変換し、位相速度(分散曲線)を読み取る。次いで、周波数と位相速度から求めた表面波の波長と位相速度との関係から大まかな速度構造を設定し、これを初期モデルとして非線形最小二乗法に基づいたインバージョン解析を行う。インバージョン解析ではモデルに対する理論的分散曲線を算出し、波形データから得られた分散曲線との差(残差)が最小になるように非線形最小二乗法を用いたモデル修正を、残差が十分に小さくなるまで繰り返す。3.調査結果図3に A 川における表面波探査結果を示す。図の上段はS波速度構造断面図、下段はS波速度から算出した推定 N 値断面図である。下段の推定 N 値断面図に図2解析の流れは、測線上で実施されたボーリングまたはサウンディングによる柱状図を N 値のグラフと共に示している。図3を見ると、S波速度は全体的に低速度で、最も速度が速い領域でも 0.3km/sec 以下である。表層から2~3m、中央部分では表層から5mの深度に達する領域に顕著な低速度域(0.18km/sec ~ 0.1km/sec以下)が存在する。ボーリング結果やサウンディング結果と照合すると、多少のずれはあるものの、この低速度層は提体盛土部分に対応すると考えられ、自然地盤との境界が鮮明である。距離程 55.0 m~ 82.0 mでは、提体が下がっており、中間にやや高いS波速度の層が見られるため、2度の盛り立てがあったことが想定される。Example of application of the surface wave method to the embankment survey.; Jun Inoue, Mutsumi Yamaya, Shinya Endo ( Japan Ground water Development Co., Ltd)47 図3A川の河川堤防における表面波探査結果深度 4 m~ 6 mにS波速度が 0.22km/sec ~ 0.26km/sec の高速度層が拡がっているが、これは中砂層に対応するものと見られる。ボーリング結果によれば自然水位は深度 7.15 m付近であるが、この深度以深では中砂層でも深度 4 m~ 6mの中砂層の速度と比較して顕著に遅い。自然地盤の速度構造は土層構成とほぼ整合し、連続性の評価も可能である。一方、点のデータであるボーリング結果およびサウンディングによる N 値の推移と、面的なデータであるS波速度から推定したN値断面図とを比較すると、ボーリング孔の深度 10 m付近~ 16 m付近の中砂層のN値は 30 前後で推移しているが、この領域のS波速度は 0.20km/sec ~ 0.22km/sec 程度であり、推定 N 値も 10 前後で推移し、両者の間に差異が生じている。サウンディング結果と照合した場合でも、サウンディング1では深度 11 m~ 12 m、サウンディング2では深度 10 m~ 12 m付近および深度 14 m以深で、サウンディングによる換算 N 値とS波速度との間に差異が生じいる。但し、サウンディングでは土のサンプルが取得できないために土質の特定に不確定性があり、砂質土と粘性土では換算N値の算出方法に違いがあることから、換算N値との照合や解釈には注意が必要となる。議論をボーリングによる標準貫入試験(以降 SPT と略す)による N 値とS波との間に限定すると、これまでの経験から粘性土層においては SPTの結果とS波速度との間にはそれほどの乖離は生じない。一方、砂質土や礫質土では SPT による N 値とS波速度との間にしばしば大きな乖離が生じており、礫質土ではその頻度が非常に高い。これは、SPT とはサンプラーの先端部のような狭い領域におけるせん断強度に過ぎず、頻繁に経験する礫障害によって実際の地耐力とはかけ離れて過大評価していることを示していると考えられる。図3に戻ると、ボーリング地点の深度 10m 以深の中砂層での N 値とS波速度との乖離については、ボーリング記事によればこの中砂層には薄いシルト層が何枚も挟在しており、腐植物が混入しているという記載もあることから、これら一体としての中砂層はS波速度が示すように非常に緩い状態であるにもかかわらず、SPT では挟在するシルト層の効果はほとんど反映されず、中砂部分のみの寄与によって N 値が高くなっていると考えられる。4.まとめ今回の結果から、表面波探査によって提体の盛土部分の形状が明瞭に捉えられており、測線長 120 mの内 100 m以上に達する領域で深度 20 m強までのS波速度構造が捉えられた。ボーリングやサウンディングのみでは把握できない詳細な提体形状および分布も把握できた。S波速度からN値分布を換算すると、砂質土や礫質土部分で整合しない点が見られる。これらは、点のデータである SPT 結果で礫質土や砂質土を評価する際の課題であり、今後共データの蓄積により検討を継続していきたい。今回の A 川では、測線長 120 mの測線のデータ取得は2時間弱で終了している。得られた結果と現地作業に要する時間等を考えれば、表面波探査は線構造である提体調査はもちろんのこと地盤調査方法としての非常に有用であると云える。参考文献1) 社団法人 物理探査学会, 2007, 平成 18 年度ワンデーセミナー「表面波探査と微動探査」捕捉資料2) 鈴木晴彦・林宏一・中山文也・石田章司・中山修(2001),人工震源を用いた表面波探査の土木調査への適用,物理探査学会学術講演会講演論文集,105, ,9-12,物理探査学会.48
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  • タイトル
  • 河川堤防調査における物理探査(比抵抗・表面波)の比較検討
  • 著者
  • 高橋浩之・柴田 東・林  篤・遠藤真哉・井上 純
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 49〜50
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50277
  • 内容
  • 25C - 02第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月河川堤防調査における物理探査(比抵抗・表面波)の比較検討河川堤防調査高密度電気探査表面波探査株式会社興和正会員○高橋 浩之同上正会員林同上国際会員柴田東正会員遠藤真哉正会員井上純日本地下水開発(株)同上篤1.はじめに河川堤防の浸透に対する安定性を評価する場合、堤防、及び基礎地盤の地盤構成を詳細に把握することが重要となる。特に、連続構造物となる堤防(基礎地盤を含む)の縦断方向の地盤構成の把握は重要な要素となる。今回、堤防縦断方向の地盤構成を連続して把握するために、ボーリング調査と併行して二種類の物理探査(高密度電気探査:比抵抗、表面波探査:S波)を実施した。本報告では、この二種類の物理探査の結果を比較し、その適用性について述べる。2.比較検討箇所物理探査は、沖積平野内の氾濫原性低地内で、粘性土・砂質土が互層状に分布する地盤に築堤されているA河川堤防で実施した。各探査(高密度電気探査・表面波探査)の測線は、堤防天端肩(表側)に設定し、ともに同一測線で実施した。なお、測線長は概ね 50m とした。また、各探査の測線内で、調査ボーリング、標準貫入試験、小型動的貫入試験(ミニラム)、貫入試験試料より含水比試験を実施した。3.探査結果図-1図 1 に比抵抗断面図、図 2 にS波速度断面、比抵抗断面図に図 3 に地質断面図を示す。探査結果と地質断面図を比較すると、各結果ともに、大局的な土層構成を捉えていると言える。比抵抗断面図(図 1)からは、堤体と基礎地盤の境界は捉えられており、また、基礎地盤の土層構成についても、粘性土(50Ω・m 以下)、砂質土(50∼100Ω・m)の大局的な違いを捉えている。ただし、一部、粘性土と砂質土の境界が不明瞭となっている。図-2S波速度断面図S波速度断面図(図 2)からも、堤体と基礎地盤の境界が捉えられている。また、挟在砂層(高速度帯:0.25km/s 以上)の分布、連続性、および、低速度帯:0.10km/s の挟在を明瞭に捉えられている。ただし、ボーリングで確認されているN値 30 以上の砂層の分布がやや曖昧となっている。S-2 地点の基礎地盤最上位に低速度帯:0.10km/s の分布が確認されている。いずれの探査結果も、ボーリング地質断面図の補完の役割を果たしているが、補完性の優劣はなく、また、両者の相違に規則的な傾向はない。図-3地質断面図Comparison between surface wave method and high density electrical prospecting for the embankment surveyHiroyuki TAKAHASHI , Atsushi HAYASHI ,Azuma SHIBATA (Kowa Co.,Ltd)Shinya ENDO, Jun INOUE(Nihontikasuikaihatsu Co.Ltd)49 4.比抵抗値・S波速度と含水比、N値の関係図 4 に比抵抗・S波速度と含水比の関係、図 5 に比抵抗・S波速度とN値の関係を示す。比抵抗・S波と含水比の関係(図 4)は、比抵抗の方が高い相関性を示している。比抵抗と含水比は、比抵抗が大きいほど含水比が少なく、比抵抗が小さいほど含水比が大きくなる傾向を示している。S波速度と含水比の関係は、バラツキが大きく、明瞭な相関性を示していないものの、S波速度が遅くなると含水比が大きくなる傾向は示していると言える。比抵抗・S波速度とN値の関係(図 5)は、両者共に明確な相関性を示していない。ただし、N値が大きくなると、比抵抗、S波ともに大きくなる傾向は伺い知れる。S波速度とN値の関係に関して、図中に一般的な相関式(今井の式)を併記しているが、今回の結果はこの相関性にあまり準じていない。これは、データ数の少なさなども起因していると考えられる。10001000比抵抗(Ω・m)S波速度(m/s)比抵抗(Ω・m)1001001010図-4含水比(%)10010010101001000比抵抗S波Vs=97.0N^0.314比抵抗S波0.11図-5比抵抗・S波速度∼含水比10N値(回)S波速度(m/s)100010100比抵抗・S波速度∼N値5.比抵抗とS波速度の関係図 6 に比抵抗とS波速度の関係を示す。この図は、1000土層構成が確認されている調査ボーリング、小型動的盛土粘性土砂質土貫入試験(ミニラム)実施地点での関係を示している。に整理している。この結果から、比抵抗とS波速度については、土層ごとに相関性がある事が伺える。比抵抗が大きくなると、S波速度も大きくなる傾向を示している。6.まとめ比抵抗(Ω・m)比抵抗とS波の関係は、盛土、粘性土、砂質土ごと100①堤防縦断方向の土層構成を把握するために、二種類の物理探査(比抵抗・表面波)を実施した。この結果、各探査ともに分布土層の連続性、性状を捉えること10ができた。また、ボーリング調査、標準貫入試験、0100200S波速度(m/sec)小型動的貫入試験(ミニラム)の結果に併用することによって、より詳細な土質断面を得ることが可能と図-6300比抵抗∼S波速度なった。②比抵抗、S波速度ともに特定な土質特性と明瞭な相関を示さなかったが、相対的な傾向は伺い知れた。特に含水比との相関は高い結果を得た。この結果は、土層断面を評価する際に有効な情報になると考えられる。また、比抵抗とS波速度の関係は、土層ごとで比較的良い相関性を示した。③河川堤防の安定性評価の一環として、ボーリング調査と高密度電気探査(比抵抗)・表面波探査(S波)を併用して実施することによって、堤防縦断方向の土層(例えば透水層や難透水層)の連続性の評価、地形的弱部(旧河道など)の選定・評価、そして、複雑な堤体構造の評価などが可能になると言える。今後は、更に様々な地形条件、地盤条件で、その適用性を検討していきたい。<参考文献>1)旧建設省土木研究所ほか(1998):高密度電気探査手法による堤防内部構造探査手法に関する共同研究報告書2)物理探査学会(1998):物理探査ハンドブック3)地盤工学会 (2004):地盤調査の方法と解説50
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  • タイトル
  • 音響トモグラフィによる“地盤の見える化”
  • 著者
  • 榊原淳一
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 51〜52
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50278
  • 内容
  • 26C - 0251第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月 52
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  • タイトル
  • 変化の激しい支持地盤における地盤の見える化の適用例(音響トモグラフィによる経済的・効率的な設計施工例)
  • 著者
  • 冨重健一・榊原淳一・田中真人
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 53〜54
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50279
  • 内容
  • 27H - 0053第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月 54
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  • タイトル
  • 3次元岩盤分類とその可視化
  • 著者
  • 林 義隆・城井浩介・美馬健二
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 55〜56
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50280
  • 内容
  • 28G - 13第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月3次元岩盤分類とその可視化3次元可視化 地球統計学 リスク工学太田ジオリサーチ国際会員 ○林 義隆中電技術コンサルタント 正会員 城井 浩介太田ジオリサーチ 正会員 美馬 健二基礎地盤の岩盤区分は従来,技術者の地質学的スキルに依存することが多かった。本論では,離散値の補間が可能なインディケータークリギング(indicator kriging)手法を用いた3次元自動補間により推定した岩分区分事例を紹介し,今後の土木工学への適用について考察する。また,地盤を従来のような2次元断面とは異なる,3次元モデルによる新しい可視化手法についても紹介する。1.モデル化の手法3次元岩盤区分モデルの作成には Copsey(2006)によるGeologic Indicator Kriging (GIK)手法を用いた。同様の手法はすでに大津ら(2004)によりリスク工学の分野で本邦に紹介されている。今回モデル化した地盤は花崗岩であり,層状岩盤に比較し連続性と異方性に乏しく,かつ地表面からの風化やいわゆる深層風化による不規則な脆弱部が存在する。このような岩盤をモデル化する場合,熟練の地質工学技術者が露岩を探し,割れ目の方向や熱水変質の方向,貫入岩の分布など間接的な情報を多く集め,ボーリングデータにその情報を加味し,経験によって断面図を作成する。一方,本地区では,数年にわたり複数の会社が行ったボーリング 19 本(230 サンプル)の結果を GIK により直接3次元化することとした(図-1)。図-1 モデル事例2.岩盤分類を行う上での問題点とインディケータークリギによる中心縦断図と岩盤3次元モデル(DHクラス)表示GIKングによる解決の事例岩盤分類は地質工学技術者によってモデル化されるとはいえ,建設する構造物が巨大であったり,いくつもの構造物に分かれていると,設計に必要な岩盤区分図の数は 10~20 にもなることがあり,しかも線形構造物であると断面が彎曲している場合も少なくない。また,地下深部空洞などでは露岩からの情報は皆無であり,立坑掘削など,詳細調査に段階にならないと,有意な情報が得られず,断面作成を岩盤分類の矛盾なく作成するためには非常に多くの労力と時間を必要とする。本解析では GIK により自動生成した3次元モデルを用いることにより任意の位置・方向で岩盤区分図を作成し,これをそのまま3次元 cad データとして出力し,構造物設計に用いた。具体的には DL~CH まで9種類のボーリング柱状図にある岩盤分類をそのままデータとして用い,1mメッシュの精度で岩盤の性状を補完した。これにより,地質解析に係る時間と労力を節約し,且つ岩盤分類結果を地球統計学的に評価することにより,従来の地質工学技術者のスキルのみに依存していたモデル作成を代替することができた。3. インディケータークリギングによる金融工学的なリスク評価図-2は,橋脚基礎部の CL クラス以上の岩盤を3次元で示したものである。調査の結果では,基礎地盤となり得る CL 以上の岩盤が当初予定していた基礎よりも深いことが予想された(図-3断面図)。この分布状況では現在の基礎形式では耐えられず,さらに深礎などの補助工法が必要になる可能性あった。GIK による岩盤モデルは 1m角の立体セル(cell)で構成されており,すべてのセルについて,9種類すべての岩級区分の存在する可能性が,確率(以下Probability と呼ぶ)として算出される。このため,岩盤区分の Probability を図-4のように表示させ,DH以下の部分で且つ Probability が低い部分(地球統計学的にみて不確実性の高い部分)にボーリングを1本のみ追加して調査を行った。その結果図-4に示すような岩盤区分図が得られ,より正確な岩級区分を効率的図-2 橋脚基礎部の CL クラス以上の岩盤分布状況Three Dimensional Rock Classification and It's VisualizationYoshitaka Hayashi. Ohta Geo ResearchKousuke Kii. Chuden Engineering ConsultantsKenji Mima. Ohta Geo Research55 に把握することができた。この結果,当初予想よりも補助工法を用いる範囲を事前に限定でき,結果的に最小調査費用で,施工時点での手戻りの少ない設計(基礎部分の岩盤同定における不確実性の少ない設計)をすることができた(金融工学でいうリスクの低減(林ほか,2006))。図-3当初の岩盤区分断面図図-4DH クラスが存在する確率(Probability)断面図基礎底面の下位に DM~DH クラスの岩盤が推定された。DM が深く且つ Probability の低い部分(点線位置)にボーリングを計画図-5Probability に基づき追加調査したあとの図-6追加調査後の DH クラスが存在する岩盤区分断面図確率(Probability)断面図CL クラスの分布が広がった。基礎より下位の部分は DH の存在する確率が低くなった。4.今後の課題GIK に代表されるような地球統計学は 1950 年代から始まったと言われているが,近年の IT 技術の進捗とリスク工学という 2 つの流れにより今後も発展していくものと考えられる。著者らはさらに異方性岩盤における検討も行い,リスク工学的な観点にたったトータルなコスト及び安全管理のツールとして本手法を発展させていきたいと考えている。引用文献大津宏泰,尾ノ井芳樹,大西有三,高橋徹,坪倉辰雄(2004),力学地盤リスク要因による建設コスト変動の評価に関する研究,土木学会論文集,No.756,Ⅵ-62,117-129.Reed D. Copsey (2006) , 'EVS/MVS MODULE LIBRARIES Indicator Geology ' and 'Workbook 13: Advanced Geologic Modeling Concepts',EVS/MVS MAIN HELP VERSION 8.50,C Tech Development Corporation.e-book,49.07 MB,(http://www.ctech.com/).林 義隆,地盤汚染の環境評価および拡散防止技術に関する研究委員会,地盤汚染のリスク評価および調査対策「1.3.2 客観的リスクを用いたリスク評価事例」,地盤工学会関西支部,175p,2006.56
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  • E-ディフェンスによる大型土槽の破壊実験における三次元変位計測システム その2 せん断土槽実験による測定精度の検証
  • 著者
  • 佐藤正義・田端憲太郎・有田寿志
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 57〜58
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50281
  • 内容
  • 29D - 07第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月E-ディフェンスによる大型土槽の破壊実験における三次元変位計測システムその2 せん断土槽実験による測定精度の検証大型土槽画像計測大変位防災科学技術研究所正会員防災科学技術研究所国際会員松下電工株式会社佐藤正義田端憲太郎有田寿志1.まえがきE-ディフェンスを用いた大型土槽実験では、液状化に関する構造物と地盤の破壊実験を実施している。この場合、模型土槽が非常に大きいため、測定すべき変位の大きさは数メートル以上になることもある。また、二次元や三次元の加振実験になると、電気式の接触型変位変換器はいうに及ばず非接触型変位変換器でも、ターゲット板から測点がはずれてしまうため、数十センチメートル以上の測定はほとんど不可能といっても過言ではないように思う。E-ディフェンスの破壊実験では、これに対応するため、複数のビデオ画像を処理して三次元の変位を計測するシステムを採用している。また、土槽実験における構造物と地盤の変位計測では、大変位だけでなく、特性把握のための小加振による比較的小さな変位も、同じシステムで測定できることが望ましい。したがって、ビデオ画像の解析による方法で、どの程度までの小さな変位測定に使用できるのかを把握しておく必要がある。ここでは、E-ディフェンスで実施した大型せん断土槽による杭基礎の破壊実験に適用した「三次元変位計測システム」の大変位から小変位までの測定精度の検証結果について報告する。なお、「三次元変位計測システム」のシステム構成および測定原理については、「その11)」にて報告する。2.大型せん断土槽による杭基礎の破壊実験の概要2)大型せん断土槽を用いた振動実験は、防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センターの実大三次元震動破壊実験施設(E-ディフェンス:テーブルサイズ:20mx15m、最大搭載重量: 1200 ㌧)で行った。せん断土槽は、円筒形でその内寸法は内径 8.0m、深さ 6.5m である。また、せん断土槽の外側には、土槽上部への昇降用足場と変位測定用不動梁を兼ねた外部架構(設計固有振動数:20Hz 以上)を設置している。杭−構造物系の模型は、直径 152.4mm、長さ 5.7m の低剛性鋼管杭 9 本(3x3)の群杭基礎、フーチング(10 ㌧)、4本柱で支持した1質点系の構造物(28 ㌧)で構成されている。地盤材料は乾燥状態のオーストラリア産アルバニー珪砂で、地盤深さは 6.3m である。アルバニー珪砂は、豊浦砂とほぼ同等の粒度分布であるが、豊浦砂よりも比較的球形に近い粒子形状である(まるくて角張っていない)。三次元変位計測システムの検証の対象とした加振は、兵庫県南部地震のJR鷹取駅観測波3方向加振最大加速度を、約 90Gal, 約 300 Gal, 約 800 Gal とした3ケースである。実験結果については、約 90Gal 加振では杭基礎−構造物系に残留変形は見られないが、 約 300 Gal 加振では構造物に 5∼7cm 程度の残留変形が発生した。また、破壊実験である約 800 Gal 加振では全ての杭で杭頭から 1∼1.5m の位置で折損し、写真−1に示すように構造物は約 10 度傾斜した。3.三次元変位計測システムの検証三次元変位計測システム(以後、画像変位計測という)にSouthおける変位測定用のターゲット位置を、写真−2に示す。本St-SEEast報で検討対象にしたのは、構造物の頂部の4ヶ所(例えばSt-SE:Structure-South East)及び外部架構の4ヶ所(例えばSt-NEFr-N-B:Frame-North-Bottom)である。外部架構の測定は、不St-SW動梁としての役割を果たしているかどうかを確認するためでSt-NWあり、外部架構の北側の頂部と低部、西側の頂部と低部にターゲットを設置した。画像変位計測の結果によると、この4Fr-W-TFr-N-Tヶ所の変位は3ケースのいずれの加振も、XYZの3方向とも概ね一致しており、その誤差は最大値の1%以下であった。WestNorthFr-N-B写真−2写真−1Fr-W-B三次元変位計測システムの変位測定用のターゲット位置破壊実験後の構造物の傾斜Three Dimensional Displacement Measuring Systemfor Destruction Tests using Large-scale ShakingTable, E-DefenseSATO Masayoshi & TABATA Kentaro; National ResearchInstitute for Earth Science and Disaster Prevention,ARITA Hisashi; Matsushita Electric Works,Ltd.57 20100-10100-102468-20 01024Time (s)図−18051015Time (s)2025図−2030-1000051015Time (s)202530-60000図−3253051015Time (s)2025-300St-SE(Y)St-Laser(Y)3000-30010図−415Time (s)202530Fr-NB(Z)Table-Disp(Z)51015Time (s)202530500Disp. (mm)Disp. (mm)05100-5003060005震動台変位に関する画像変位計測と震動台制御用データの比較(最大加速度 約 300Gal)St-SE(X)St-Laser(X)300St-NW(Z)St-NE(Z)St-SW(Z)St-SE(Z)-25Fr-NB(Y)Table-Disp(Y)-2000600-6000-100Fr-NB(X)Table-Disp(X)20Disp. (mm)25Disp. (mm)10015Time (s)10画像変位計測による構造物の相対変位(最大加速度 約 800Gal)100108-30050-1006020054300St-NW(X)St-NE(Y)St-SW(Y)St-SE(Y)200-20002Time (s)-500-6000-20 010500-300Disp. (mm)6画像変位計測による構造物の相対変位(最大加速度 約 90Gal)Disp. (mm)Disp. (mm)3000Time (s)St-NW(X)St-NE(X)St-SW(X)St-SE(X)600St-NW(Z)St-NE(Z)St-SW(Z)St-SE(Z)10-10Disp. (mm)-20 0Disp. (mm)20St-NW(Y)St-NE(Y)St-SW(Y)St-SE(Y)Disp. (mm)St-NW(X)St-NE(X)St-SW(X)St-SE(X)Disp. (mm)Disp. (mm)2015Time (s)202530-600St-SE(Z)St-Laser(Z)2500-250051015Time (s)202530-500051015Time (s)202530構造物の相対変位に関する画像変位計測とレーザー変位計の比較(最大加速度 約 800Gal)最大加速度約 90Gal 加振における画像変位計測による構造物の相対変位を図−1に示す。画像変位計測では、絶対変位が測定されるので震動台変位に相当する外部架構の変位(震動台変位)を差し引いて相対変位を求めた。約 90Gal 加振の構造物の相対変位は、XとY方向の4測点ともほぼ同様の値を示しており、比較的小さい加振の変位を測定できている。0∼4 秒は加振前の時間で変位はゼロであるが、X方向で 1mm 程度、Y方向で 3mm 程度の誤差がみられる。Z方向については、カメラの位置が悪いことによる測定誤差のため測定値のばらつきが大きいようにみえるが、構造物のロッキングによる上下変位が発生しているためである。これらより、画像変位計測の測定誤差は 3∼4mm で、最大値が 10mm 程度の変位波の測定は可能と考えられる。図−2は最大加速度約 90Gal 加振の構造物の相対変位である。0∼10 秒までは4測点ともほぼ一致しているが、10 秒以後は杭の破壊による構造物の傾斜と水平方向の回転によりXYZ方向ともに変位差が生じている。Y方向は 1m 近い変位が発生しており、大変位の測定に対応できていることがわかる。最大加速度約 300Gal 加振における震動台変位に関する画像変位計測と震動台制御用データの比較を図−3に示す。震動台制御用データは、XYZの各方向の加震機(アクチュエータ)に設置されている変位計の計測値の平均値である。画像変位計測(赤:Fr-NB)と震動台制御用データ(青:Table-Disp)はXYZの3方向ともほぼ一致しており、画像変位計測は十分な測定精度をもっていると言える。最大加速度約 800Gal の破壊加振における構造物の相対変位に関する画像変位計測とレーザー変位計の比較を図−4に示す。画像変位計測(赤:St-SE)とレーザー変位計(青:St-Laser)は概ね一致している部分も見られるが、レーザー変位計は測定範囲が約 500mm のためとレーザー光線がターゲット板からはずれたため、測定できていない箇所が随所に見られ、レーザー変位計で大変位測定が困難であることを示している。また、10 秒以後に両者に違いが見られるが、これは画像変位計測とレーザー変位計の測点が完全には同一点にないため、構造物の傾斜と水平方向の回転の影響である。謝辞:本報は文部科学省の大都市大震災軽減化特別プロジェクト 「Ⅱ 震動台利用による構造物の耐震性向上」における地盤基礎実験の研究の一環として実施した。また、大型土槽実験の震動台入力波として 1995 年兵庫県南部地震JR鷹取駅観測波(PEER Strong Motion Database:http://peer.berkeley.edu/smcat/)を使用させて頂いた。ここに、多くの関係者の方々に記して謝意を表します。【参考文献】1)徳山英之・田端憲太郎・中澤博志・佐藤正義・有田寿志:E-ディフェンスによる大型土槽の破壊実験における三次元変位計測システム その1 システム構成と計測の適用性,第 42 回地盤工学研究発表会, 2008.7(投稿中)2)文部科学省:「大都市大震災軽減化特別プロジェクト」Ⅱ震動台活用による構造物の耐震性向上研究 平成17年度成果報告書, 2006.5.58
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  • タイトル
  • 土木構造物に対するスウェーデン式サウンディング試験の適用性について
  • 著者
  • 本多典久・玉木和之
  • 出版
  • 第42回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 59〜60
  • 発行
  • 2007/06/11
  • 文書ID
  • 50282
  • 内容
  • 30C - 03第 42 回地盤工学研究発表会(名古屋)   2007 年7月土木構造物に対するスウェーデン式サウンディング試験の適用性について(株)土木管理総合試験所 技術研究所(株)土木管理総合試験所 技術研究所正会員○本多 典久玉木 和之1. は じ め にスウェーデン式サウンディング(以下,SWS と表す)試験は,図-1 に示すように荷重による貫入と回転による貫入を併用した原位置試験である。最大で1000N を作用させた状態での先端スクリューの静的貫入抵抗(貫入に要した回転数)をカウントすることにより,地盤の強度の測定を可能にしている。SWS 試験は,深さ 10m 以内の軟弱層を対象に概略調査または補足調査などに主に用いられている。最近では,「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が 2000年に施行されたこともあり,戸建住宅など小規模構造物の支持力特性を把握する地盤調査方法として多く用いられるようになってきている。住宅地盤調査においては,SWS 試験による調査法が主流となり,SWS 試験は建築関係では広く普及しているが,土木分野ではその活用が十分でないのが実状である。そこで,本研究では SWS 試験の実用性を明らかとすると共に,SWS 試験において得られる支持力の適用性について検証を行った。今回の研究で対象としているのは,土木構造物のなかでも比較的小規模(必要支持力として 200kN/m2 以下のもの、L 型よう壁や水路といった構造物)を対象としている。SWS 試験の特徴として以下の事項が挙げられる。・長所ボーリング調査に比べ,低コストである。装置および操作が容易で迅速に測定ができる。試験機械がコンパクトであり,分解が可能である。簡易なサウンディングのうちでは比較的貫入能力に優れている。騒音・振動を生じない。狭隘な場所でも調査が可能である。・短所図-1スウェーデン式サウンディング試験機 1)貫入抵抗以外は測定できない。試料のサンプリングができない。硬質土には不適である。ボーリング調査に比較して,正確さに劣る。してみる。標準貫入試験では打撃回数から直接的にN値を求めることができるが,SWS 試験では,下記の稲田の式2)を用いてN値を算出する。N=0.002Wsw+0.067Nsw (礫,砂,砂質土)N=0.003Wsw+0.05Nsw(粘土,粘性土)ここに,Wsw は荷重(N),Nsw は貫入量 1 m 当たりの半回転数(回/m)である。図-2 は、標準貫入試験と SWS 試験によるN値の相関性を示したものでy = 1.028xR2 = 0.86030標準貫入試験によるN値2.標準貫入試験と SWS 試験によるN値の比較(1)標準貫入試験結果と SWS 試験結果の比較まず,標準貫入試験と SWS 試験によりそれぞれ評価されるN値を比較25201510500510 15 20 25 30SWS試験によるN値あり,両者にはよい相関が認められる。したがって,SWS 試験によって得られた地盤の強度は,稲田の式を用いて換算N値を求めることにより,広く普及している標準貫入試験から得られるN値と同等の評価をすることができる。図-2標準貫入試験と SWS 試験によるN値の相関性 3)Adaptability of load bearing capacity of Swedish Weight Sounding Test for small scale structureNorihisa HONDA,Kazuyuki TAMAKI (Doboku Kanri Corporation)59 (2)SWS 試験機の貫入能力次に SWS 試験機の貫入能力について検討を行う。図-3 は、砂防堰堤建設の事前調査としてボーリングと SWS 試験を併用した事例である。この図から,SWS 試験機の調査結果による支持層ラインはボーリングによる調査結果と合致しており,SWS 試験機による地盤への貫入能力はN値換算で約 20 を満足するものと判断され,小規模な土木構造物を支持する地耐力を測定する能力としてはとしては十分な機能を有すると考えられる。図-3ボーリングデータと SWS 試験機による貫入試験結果3.SWS 試験による支持力の推定(1)SWS 試験による支持力推定式SWS 試験による長期許容支持力の算出は,図-4 に示すような以下の算定式 4)が提案されている。Wsw が 1kN 以下の荷重で貫入した場合qa= 3 × 10‐5(Wsw)2(kN/m2)回転によって貫入した場合qa= 30 + 0.8Nsw(kN/m2)この関係式を基に,平板載荷試験結果と SWS 試験結果から得られる支持力の比較検討を実施した。(2)平板載荷試験結果と SWS 試験による推定支持力の比較図-4図-5 に平板載荷試験から得られた支持力と上記支持力推定式から得られたSWS 試験の支持力との相関性を示す。この関係から,判明した特徴を以下に示す。・粘性土地盤において得られた SWS 試験からの推定支持力は,y = 0.9327xR2 = 0.8321300SWS試験からのqa(kN/m2)平板載荷試験から得られた支持力と比較的よい相関性を示す。・砂質地盤において得られた SWS 試験からの推定支持力は,平板載荷試験から得られた支持力の約半分の値になる。4.まとめSWS 試験は、土木の分野においても小規模な構造物については非常に有効な試験方法である。SWS 試験から得られるN値や支持力は,ある程度の誤差を含むが実用には十分耐えうる数値と考えられる。しかし,砂質地平板載荷試験による許容支持力と Wsw・Nsw との関係250200粘性土砂質土150y = 0.5407xR2 = 0.8356100500盤においては信頼性に劣るため,得られる値については注意が050必要である。100 150 200 250平板載荷試験(kN/m2)300SWS 試験において調査の信頼度を向上させる方法としては,図-5地盤の性状をきちんと確認するとともに,複数本の調査データを平板載荷試験と SWS 試験による支持力の相関性総合的に解析することが有効と考えられる。参考文献1)藤井衛2)稲田 倍穂:スウェーデン式サウンディング試験結果の使用について, 土と基礎, Vol8, No1, pp.13-18, 1960.他:ザ・ソイル3)下平雄二4)地盤工学会:地盤調査の方法と解説, pp.286, 2002.他:スウェーデン式サウンディング試験機の適合性に関する検討,土と基礎, Vol52, No4, pp.5-7, 2004.60350
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