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地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709

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タイトル 表紙
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090001
内容
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タイトル 本号の編集にあたって(<特集>地熱エネルギーと地盤工学)
著者 野村 英雄
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ i〜i 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090002
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タイトル 目次
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090003
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タイトル CONTENTS
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090004
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タイトル 地熱発電開発の国内外の動向(<特集>地熱エネルギーと地盤工学)
著者 糸井 龍一
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 1〜3 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090005
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タイトル 途上国におけるJICA の地熱開発協力(<特集>地熱エネルギーと地盤工学)
著者 久下 勝也・上石 博人・小林 広幸
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 4〜7 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090006
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タイトル 高温地熱系の地質学的特徴(<特集>地熱エネルギーと地盤工学)
著者 田口 幸洋
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 8〜9 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090007
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タイトル 持続可能な地熱発電のためのモニタリング技術(<特集>地熱エネルギーと地盤工学)
著者 藤光 康宏
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 10〜11 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090008
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タイトル 地熱開発のための物理探査技術(<特集>地熱エネルギーと地盤工学)
著者 本田 満・齋藤 博樹
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 12〜15 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090009
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タイトル 地熱開発における坑井掘削(<特集>地熱エネルギーと地盤工学)
著者 上滝 尚史
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 16〜19 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090010
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タイトル 丘陵斜面下部に分布する想定し難い地質分布の2 事例―崩積土の下の厚い沖積粘土と支持基盤の傾斜の例―(報告(投稿))
著者 高木 俊男・橋田 明良・鈴木 秀寿
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 20〜23 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090011
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タイトル 老朽化した吹付工の補修・補強工法の開発(技術紹介)
著者 高柳 剛・窪塚 大輔
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 24〜25 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090012
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タイトル 風化現象と変形挙動の記述(寄稿)
著者 菊本 統
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 26〜27 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090013
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タイトル 航空工学から地盤工学へ「天下った」俊英たち(寄稿(投稿))
著者 吉見 吉昭
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 28〜29 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090014
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タイトル 最近の締固め工法について思うこと(投稿)
著者 野津 光夫
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 30〜30 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090015
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タイトル 望月寒川放水路トンネル工事の紹介(寄稿)
著者 中野渡 博道
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 31〜32 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090016
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タイトル 第3回日米地盤環境工学ワークショップ参加報告(学会の動き(国際活動から))
著者 渡邊 保貴
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 33〜33 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090017
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タイトル デジタル写真測量(技術手帳)
著者 西山 哲
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 34〜35 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090018
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タイトル 6. 自然的要因における微生物の役割と対策(地盤工学と地質学における最新のかかわり)
著者 井上 千弘
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 36〜43 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090019
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タイトル 新入会員
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 44〜44 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090020
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タイトル 書籍紹介
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 44〜44 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090021
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タイトル 編集後記
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 45〜45 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090022
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タイトル 平成28年度役員等
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 45〜45 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090023
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タイトル 奥付
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 45〜45 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090024
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タイトル 新・関東の地盤-増補地盤情報データベースと地盤モデル付-(2014年版)
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090025
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タイトル 会告
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ A1〜A3 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090026
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タイトル 地盤工学会所在地
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出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ A4〜A4 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090027
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タイトル 「落石対策工の設計法と計算例」
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090028
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タイトル 裏表紙
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
ページ 発行 2017/02/01 文書ID jk201707090029
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  • 表紙
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
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  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090001
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  • タイトル
  • 本号の編集にあたって(<特集>地熱エネルギーと地盤工学)
  • 著者
  • 野村 英雄
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • i〜i
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090002
  • 内容
  • 本号の編集にあたって2011年 3 月11日の東北地方太平洋沖地震によってもたらされた原子力発電所事故や大規模停電等から,エネルギーに対する国民の関心は高まっています。また世界的課題となっている地球温暖化においては,化石燃料によって排出される温室効果ガスはその原因として強く疑われています。このため,化石燃料や原子力に代わる新しいエネルギーの活用が強く求められているといえます。日本は自然条件に恵まれた新エネルギー開発の適地であり,地熱発電や風力発電等の新しいエネルギーの活用は国を挙げて取り組んでいる課題でもあります。中でも地熱発電は,低コストで安定供給が可能な電源である上に,日本の発電ポテンシャルが世界第 3 位と推定されているため,今後の開発が大きく期待されています。そこで本号では,「地熱エネルギーと地盤工学」と題して,地熱エネルギー開発の動向とその技術を紹介するための特集を企画しました。総説では地熱発電の特徴と歴史,国内外の動向について執筆して頂きました。また 2 編の論説では,我が国の技術が世界の地熱開発へ協力している状況と,地熱エネルギーが生まれる地質学的特徴について執筆して頂きました。一方,3 編の報告では,持続可能な地熱発電を行うためのモニタリング技術,地熱貯留層を探すための物理探査技術,地熱構造の調査や地熱エネルギーを地上に取り出すための坑井掘削技術について紹介して頂きました。本号では地熱開発に関わる第一線の方々にお願いして,分かりやすく執筆して頂いています。この特集によって,会員の皆様の地熱エネルギーへの御理解がより一層進めば幸いです。野 村 英 雄(のむら ひでお)地盤工学会のホームページ URLhttps://www.jiban.or.jp/国際地盤工学会ホームページ http://www.issmge.org/編集兼発行者公益社団法人地盤工学会
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  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090003
  • 内容
  • 特集テーマ地熱エネルギーと地盤工学総説地熱発電開発の国内外の動向 ………………………………………………………………………… 1●糸井論説龍一途上国における JICA の地熱開発協力 ……………………………………………………………… 4●久下勝也/上石博人/小林広幸高温地熱系の地質学的特徴 …………………………………………………………………………… 8●田口報告幸洋持続可能な地熱発電のためのモニタリング技術 ……………………………………………………10●藤光康宏地熱開発のための物理探査技術 ………………………………………………………………………12●本田満/齋藤博樹地熱開発における坑井掘削 ……………………………………………………………………………16●上滝報(投告稿)丘陵斜面下部に分布する想定し難い地質分布の 2 事例―崩積土の下の厚い沖積粘土と支持基盤の傾斜の例― ………………………………………………………………20●高木技術紹介稿稿稿)(投稿)明良/鈴木秀寿剛/窪塚大輔風化現象と変形挙動の記述 ……………………………………………………………………………26●菊本寄(投俊男/橋田老朽化した吹付工の補修・補強工法の開発 …………………………………………………………24●高柳寄尚史統航空工学から地盤工学へ「天下った」俊英たち ……………………………………………………28●吉見吉昭最近の締固め工法について思うこと …………………………………………………………………30●野津光夫寄稿(学生編集委員)望月寒川放水路トンネル工事の紹介 …………………………………………………………………31学会の動き(国際活動から)第回日米地盤環境工学ワークショップ参加報告 …………………………………………………33●中野渡●渡邊博道保貴 技術手帳デジタル写真測量 ………………………………………………………………………………………34●西山講座哲地盤工学と地質学における最新のかかわり6. 自然的要因における微生物の役割と対策 ………………………………………………………36●井上千弘新入会員・書籍紹介 …………………………………………………………………………………………44編集後記 ………………………………………………………………………………………………………45
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  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090004
  • 内容
  • Theme: Geothermal Energy Development and Geotechnical EngineeringGeothermal Development for Power Generation in Japan and the World ………………………………………………… 1● Ryuichi ItoiJICA's Cooperation for Geothermal Development in Developing Countries ……………………………………………… 4● Katsuya Kuge, Hiroto Kamiishi and Hiroyuki KobayashiGeological Characteristics of HighTemperature Geothermal Systems …………………………………………………… 8● Sachihiro TaguchiMonitoring Technique for Sustainable Geothermal Power Generation ……………………………………………………10● Yasuhiro FujimitsuGeophysical Exploration for Geothermal Development ………………………………………………………………………12● Mitsuru Honda and Hiroki SaitoDrilling of Geothermal Wells ……………………………………………………………………………………………………16● Hisashi Jotaki
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  • 地熱発電開発の国内外の動向(<特集>地熱エネルギーと地盤工学)
  • 著者
  • 糸井 龍一
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 1〜3
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090005
  • 内容
  • 地熱発電開発の国内外の動向Geothermal Development for Power Generation in Japan and the World糸井龍一(いとい九州大学工学研究院. は じ め に地球温暖化ガスの一つである二酸化炭素の大気中への放出削減策の一つとして,再生可能エネルギーの発電利用が日本を含め世界中で積極的に取り組まれている。そりゅういち)教授に還元した熱水が十分な時間をかけて再加熱され,生産井に向かうような坑井配置を設計することにより好ましい地熱資源の循環を達成できる。.国内の地熱開発の歴史と現状の一つである地熱エネルギーは火山国に豊富に賦存し,我が国の本格的な地熱発電の歴史は 1971 年に岩手県我が国をはじめ,米国,フィリピン,インドネシアの太松川にて運転を開始した日本重化学工業の松川地熱発電平洋周辺諸国,アフリカの地溝帯に位置するケニヤなど所(出力0.95万 kW,1993年に2.35万 kW へ増強)に始世界24カ国で地熱発電が行われている1)。我が国の地熱まる2)。松川に続き1972年には大分県九重町で九州電力発電は長い歴史を有するものの,地熱を含む再生可能エ大岳発電所が出力 1.1 万 kW ( 1979 年に 1.25 万 kW に増ネルギーを利用した発電は火力発電や原子力発電に比べ強)で国内初の事業用地熱発電所として運転開始され高コストのため,近年の開発利用は遅々としたものであた2) 。松川は 2016 年に大岳は 2017 年にそれぞれ創業 50った。しかし, 2011 年の東日本大震災を機に国のエネ周年を迎え,長期にわたって電力を供給している。ルギー政策が大きく変わるとともに,国民の大きな期待その後, 1973 年の石油ショックを機に,石油代替エを受けて全国で再生可能エネルギーの発電利用が急速にネルギーの開発利用が国のサンシャイン計画のもとに進進んでいる。本稿では,このような背景の下,国内外のめられた。その結果, 1980 年代から 1990 年代半ばにか地熱発電に向けた開発の現状を紹介する。けて九州,東北,北海道にて新規の地熱発電所が立ち上.地熱発電の特徴がり,17地点にて出力は約54万 kW にまで達した2)。しかし, 1997 年に施行された新エネルギー利用等の促進地熱発電は,大規模な開発になれば地下1 000 m からに関する特別措置法(新エネルギー法)では地熱発電は3 000 m の深さにまで井戸を掘り,地熱貯留層から高温技術が十分に成熟した分野とみなされた。その結果,国の蒸気熱水を生産し,地表で熱水と分離された蒸気を発の支援の対象から外されると同時に,コスト的に優位に電に利用する。水蒸気をタービンに送って発電する仕組ある火力発電をはじめとする他の電源との競合が求めらみは,火力発電や原子力発電と同じである。火力の場合れた。しかし,地熱発電は開発に 10 年近くの長期間をは化石燃料を燃やし高温高圧の水蒸気を製造するが,地要することなどから,他の電源に比べ発電コストが高い。熱発電の場合は天然蒸気を利用する点が異なる。したが2009年に公表された地熱発電に関する研究会中間報告3)って,地熱発電は運転に当たって燃料を必要としないのによれば,地熱発電コストは 9.2 円/ kWh から 21.7 円/で,温暖化ガスの排出抑制の機能を併せ持つ。また,風kWh(平均14.1 円/kWh)であり,その当時の火力発電力や太陽光を利用した発電は天候や季節の影響を大きくのコストに比べると割高でありコスト面での競合は厳し受けるが,地熱発電は井戸から安定した蒸気生産が可能いものがあった。さらに,地熱発電に有望な地域は自然であるため, 24 時間電力を供給できる長所を有してい公園内に存在し,公園内での開発規制,温泉事業者とのる。高温の地熱流体は地下深部の断層帯や断裂に存在し,開発に当たっての調整の必要性などから,民間企業の地そこを流れる流体が液相の水である熱水卓越型が大半で熱発電開発に対するインセンティブが低下した。その結ある。このような貯留層に掘削された井戸(以下,坑井)果, 1999 年に運転開始した東京電力八丈島地熱発電所からは,高温の水蒸気と熱水の二相混合流体が自噴する。( 0.33万 kW )2)を最後に, 10年以上にわたって新規の地自噴した流体から発電に使用する蒸気を分離した後の熱熱発電所の開設を見ることはなくなった。水は,地下資源の涵養を目的に地下の貯留層に戻す必要しかし, 2011 年に起きた東日本大震災の原子力発電がある。すなわち,蒸気熱水を生産する坑井に加え熱水所事故を契機として,国は再生可能エネルギーを積極的を地下に戻すための坑井,すなわち還元井が必要である。に導入する政策に転じた。その背景には,再生可能エネまた,蒸気を分離した後の熱水は大気解放後には100°Cルギーの利用に対する国民の大きな期待がある。前後にまで温度が低下しており,200°C以上の高温の貯政策の一つとして, 2012 年に導入された固定価格買留層と比べると大きな温度差がある。したがって,地下い取り制度( FIT )4) が挙げられる。 FIT は太陽光,風February, 20171 総説力,地熱,小水力などの再生可能エネルギーを利用してさらにメガワット( 1 000 kW )クラスの地熱発電所作られた電気を所定の価格で一定期間電力会社が買い取としては, 2015 年に鹿児島県指宿市のメディポリス指る制度である。地熱発電の FIT 価格は,出力 1.5 万 kW宿発電所(1 500 kW),2015年に大分県九重町菅原バイ以下は40円/kWh,1.5 kW 以上は26円/kWh(いずれもナリー発電所(5 000 kW)が運転を開始し2),大分県九税抜き価格,買い取り期間15年)である4)。そのほかに,重町の滝上地域にて 5 000 kW ,鹿児島県指宿市の山川開発調査や技術開発に関する経産省の財政支援プログラ地域にて 4 990 kW のバイナリー発電所の建設が進行中ム,さらに環境省,農林水産省,総務省による地熱エネである。また,大規模な地熱発電所としては秋田県湯沢ルギーの開発利用に関する支援が整備されている。FIT市山葵沢にて 4.2 万 kW のフラッシュ発電を目指した開の導入により民間企業の新規参入が相次いでいるが,地発が進められており, 2019 年に発電開始の予定である。熱発電は調査,開発に数年から10年の長期間を要する5)地熱開発を推進するために必要な技術的課題の解決やことから,地熱発電所を短期間に大きく増やすことは難新規の有望地点を見いだすための探査に関わる新技術のしい。独 石油天然ガ導入も進められている。その一例として,しかし,比較的短期間に開発可能な地熱発電として温ス・金属鉱物資源機構( JOGMEC )は広域にわたって泉熱を利用した小規模発電がある。温泉の中には 100°C効率よく地熱探査を実施するためにヘリコプターに搭載前後の高温の湯や蒸気を産出する場合があり,温泉としした機器を用いる空中物理探査を導入している6)。本手て浴用利用するために温度を下げる必要がある。このよ法を用いた広域調査が九州のくじゅう,霧島地域,東北うな温泉を利用して,主に大分県,熊本県,長崎県を中の八幡平,湯沢・栗駒地域,北海道のニセコ,大雪山,心としてこれまでに全国の約 15 カ所で出力が 10 kW か武佐岳地域にて実施されている。その結果,広域の地熱ら200 kW の小規模なバイナリー発電所(写真―)が探査が短期間で実施可能となり,有望地点の抽出に貢献新たに設置されている2)(バイナリー発電は代替フロンすることが期待される。さらに,自治体や民間事業者になどの作動媒体を地熱熱水や蒸気と熱交換して発生したよる地熱開発調査事業の支援を目的としたプログラムが蒸気を利用してタービンを回転させる発電方式)。地熱動いており,主に九州,東北及び北海道において約 50資源は地域のエネルギー資源であり,エネルギーの地産カ所で進行中である2)。地消の観点から地域を主体とした小規模開発が進んでいる。この例を福島県福島市の土湯温泉に見ることができる。.国際的な動向エネルギーを安定かつ経済的に供給することはその国吾妻山系の麓に位置する土湯温泉は東日本大震災で温泉の経済活動を活性化し,維持する上で必須の条件である。旅館の半数が休業・廃業となる大きな被害を受けた。そまた,地球環境に及ぼす影響の小さな地熱発電は地熱資こで,地域の復興のため,地元にある豊富な水力と地熱源を有する国々においてその開発が積極的に取り組まれを利用した小水力発電所( 140 kW )と温泉バイナリーている。現在,地熱発電は世界の 24 カ国で行われ,発発電所( 400 kW )を組み合わせた地域エネルギー開発電出力は 1 330 万 kW である1) 。図―に 2010 年と 2014を綿密な計画の下に実現化し,見学ツアーを組み合わせ年の時点での地熱発電主要国における発電出力を比較したユニークな事業を展開している。バイナリー発電で使て示す1) 。米国は世界一の出力( 2014 年で 345 万 kW )用した後の熱水は,温泉に用いられる。このような取りを誇り,主に西海岸のカリフォルニア州とネバダ州で地組みは,単に発電事業を実施するだけでなく,見学ツ熱発電を行い,他国の追随を許さない勢いがある。以下,アーを組み合わせることにより再生可能エネルギーを用フィリピン(同年187万 kW),インドネシア(同年 134いてどのように電気が作られるかを学ぶ場も提供してい万 kW)と続く。この 4 年間に大きく地熱発電設備を増やした国としる。てケニヤ(増加出力 39.2 万 kW )とトルコ(同 30.6 万写真―別府五湯苑の地熱バイナリー発電所(出力144kW)2図―地熱発電主要国の出力の比較― 2010 年と 2014年―地盤工学会誌,―() 総説kW)が挙げられる。ケニヤは東アフリカ諸国の中で最が必要である。この目標を達成するためには,地下資源も地熱資源に恵まれている。同国は,これまで主要な発特有の開発リスクの低減,新規事業者の参入の促進,種電を水力と火力に依存してきたが,渇水による水力発電々の規制の緩和に取り組む必要がある。特に,新規事業の不安定な電力供給が大きな問題となっていた7)。そこ者の参入は多くの有望地域にて開発を進める上で必要でで,国内の豊富な地熱資源の開発に力を入れ,その結果あるが,地熱開発の経験がない場合が多い。そのために,地熱発電が大きな伸びを示し,現在では我が国を追い抜既存の開発域の事業者と同一の地下資源を巡って競合すいて,発電設備能力では世界第 8 位の位置にある。同るなどの問題点が指摘されている。地熱資源を有効にか国内の総発電設備容量は224.4 万 kW であり先進国のそつ経済的に開発するためには,科学的な面から地下資源れに比べるとわずかであるが,地熱発電が総発電量に占の特徴を理解しつつ開発に取り組む姿勢が必要である。める割合は37にも達している7)。現在,発電を目的とした地熱開発は 82 カ国で進められており,その出力は 2021年には 1 840万 kW, 2030年代には3 200万kWに増加すると予測されている8)。近年,.おわりに地熱エネルギーは純国産のエネルギーであり,発電から直接熱利用,観光まで様々な利用が可能である再生可地球環境問題を世界的に取り組む観点から,先進国や国能エネルギーである。この特長を生かし,発電のみを目際機関が途上国における地熱開発を積極的に支援する体的とした開発ではなく,小規模であっても地域のエネル制が整いつつある。我が国はアフリカ諸国の支援を強力ギーとして発電から熱利用まで幅広く活用する開発が国に進めており, 2016 年 8 月にケニヤのナイロビで開催内各地で進められている。これと同時に国のエネルギーされた第 6 回アフリカ開発会議(TICAD IV)では安倍ミックスの中で地熱発電が貢献するためには有望地域に首相自ら出席し,アフリカでの地熱発電への経済的・技て規模の大きな地熱発電を目指した開発を進める必要が術的協力を表明している9)。ある。これらの計画を実現化するためには,新たな技術国内の地熱発電の開発が進まない中,我が国の重工の導入や様々な規制の解除が望まれる。さらに,世界のメーカーは地熱タービンの開発を進め,世界各国の地熱地熱開発に我が国が技術的支援並びに資金的支援を行う発電所に製品を納入している。地熱発電は大きく 2 つことにより,環境面及び経済面で世界に大きく貢献するに分類される。一つは,坑井から生産される蒸気を直接ことが期待される。タービンに供給する蒸気発電(坑井から蒸気と熱水の気液二相流体を生産し,地表にて蒸気を分離するフラッシュ発電と坑井から乾き蒸気のみを生産するドライスチー参1)ムタイプの 2 種類があるが,いずれも蒸気を直接タービンに送って発電する),今ひとつは前述のバイナリー2)発電がある。蒸気発電に使用するタービンは日本のメーカーが世界の 7 割を占め1)他国のメーカーの追随を許さない。一方,バイナリー発電の出力(数 10 kW から数3)4)千 kW)は蒸気発電(数千 kW から数万 kW)に比べ小さいものの, 2014 年の時点で世界の全地熱発電所数に占めるバイナリー発電所は約 5 割に達しており,米国5)6)の ORMAT (オーマット)社の機器が大半を占めている1)。しかし,総出力に占めるバイナリー発電は14に過ぎず,大半が蒸気発電タイプである。また,温泉発電に使用される数10 kW から100 kW 程度の規模の小さな7)8)バイナリー発電機器は国産が多い10)。.今後の展開地熱資源に恵まれた我が国の地熱発電ポテンシャルは9)10)2 347万 kW と推定され11),インドネシア,米国に続き第 3 位の位置を占めている。経産省による我が国の長11)期エネルギー需給見通しの中で, 2030 年度における電力需要に対し再生可能エネルギーを利用した電力は総発電量の22~24を占め,地熱発電は1.0~1.1である12)。12)考文献Bertani, R.: Geothermal Power Generation in the World20102014 Update Report, Proc. World GeothermalCongress 2015, CD, 2015.(一社)火力原子力発電技術協会地熱発電の現状と動向2015年,pp. 119, 2016.経済産業省地熱発電に関する研究会―中間報告―,pp. 1~22, 2009.資源エネルギー庁再生可能エネルギー固定価格買い取り制度ガイドブック2016(平成28)年度版,2016.資源エネルギー庁エネルギー白書2015, p. 143, 2015.独 石油天然ガス・金属鉱物資源機構平成26年度空中重力調査データを地熱資源調査等に用いるための手法検討作業委託業務報告書,pp. 1~241, 2015.Omenda, P. and Simiyu, S.: Country Update Report forKenya 20102014, WGC 2015, CD, 2015.Geothermal Energy Association: 2016 Annual U.S. &Global Geothermal Power Production Report, pp. 136,2016.日本経済新聞アフリカ地熱開発を支援, 2016 年 8 月20日.奥村忠彦温泉発電導入促進手引き書の解説及び小規模地熱発電と熱水・蒸気活用の事例紹介,地熱技術,Vol.39, Nos. 3 & 4, pp. 29~40, 2014.村岡洋文・阪口圭一・駒澤正夫・佐々木進日本の熱水系資源量評価 2008 ,日本地熱学会平成 20 年学術講演会講演要旨集,B01, 2008.経済産業省長期エネルギー見通し,pp. 1~12, 2016.(原稿受理2016.10.31)このためには,現状の約 3 倍の発電出力(約150万 kW)February, 20173
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  • タイトル
  • 途上国におけるJICA の地熱開発協力(<特集>地熱エネルギーと地盤工学)
  • 著者
  • 久下 勝也・上石 博人・小林 広幸
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 4〜7
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090006
  • 内容
  • 途上国における JICA の地熱開発協力JICA's Cooperation for Geothermal Development in Developing Countries久下独 国際協力機構勝也(くげ産業開発・公共政策部小林企画役広独 国際協力機構. 背上かつや)石博独 国際協力機構幸(こばやしひろと)産業開発・公共政策部課長ひろゆき)産業開発・公共政策部景人(かみいし表―次長各国・地域の地熱開発の状況(2012年)1). 低炭素かつ安定的な電力供給電力供給は,貧困削減(人間の安全保障)はもとより,経済成長のためのインフラ整備の観点からも重要課題と考えられている。中でも,地熱発電は,二酸化炭素排出量が13 g/kWh と水力,原子力と同程度であり,気候変動の緩和に寄与する再生可能エネルギーである。加えて,稼働率が 70 と太陽光 12 ,風力 20 に比べると格段に高く,ベースロード電源として電力の安定供給にも資円( 3 本),掘削径 6 インチのスリムホールでも約 7 億する。更に,発電コストが約10円/kWh であり水力,石円(3 本)と多額の費用を要する一方,成功率は世銀に炭, LNG と同程度である。例えば, 2015年のケニアのよると 50 程度と事業リスクが高い。このため,試掘地熱発電容量は約 540 MW であり,年間の発電量は 3.3段階でのリスクが,豊富な潜在資源の有効活用を図るうTWh と全体需要量 10.6 TWh の 31 を供給し,同出力えでのボトルネックといえる。の発電を石油火力発電で行った場合に比べ二酸化炭素削. 地熱開発における国の関与と課題減量は 2.4 百万 t - CO2 となっている。このような特徴地熱開発は試掘段階のリスクを含むうえ,幅広い分野から,地熱資源を有する途上国の多くが国家優先課題との専門家(地質,地化学,物理探査,貯留層工学,掘削,して開発に取り組んでいる。プラント,経済分析等)と 50 MW クラスで 200 億円以. 我が国の技術優位性上の資金を確保する必要がある。これは途上国にとって我が国の探査コンサルタントの技術レベルはトップク困難であり,結果,多くの途上国が地表調査段階から民ラスにあり,アイスランド,米,仏,伊,ニュージーラ間に開発を委ねているが,カントリーリスクを考慮せざンドのコンサルタントと競争している。プラント製造技るを得ない途上国で,地下のリスクを負おうとする企業術は圧倒的優位にあり,我が国メーカーが設備容量ベーは少ない。スで世界シェア約 7 割である。一方,掘削コントラク事実,表―のとおり,開発の進む国では,政府が開ターについては,技術面ではトップクラスにあるが,コ発の全部あるいは一部を実施している,あるいは過去にスト面では不利な状況にあった。しかしながら,ここ数実施していた。年でインドネシアやフィリピン等の海外コントラクターこのような中,近年,ケニア,エチオピア,ジブチののコストが上昇しており,競争できる条件が整いつつあように,政府が地熱開発の一部を担い,リスクを軽減しる。たうえで,その後の開発を民間に任せる国が増えつつあ以上のように,我が国は地熱開発の上流から下流の各る。地熱開発における政府の関与について,各国の基本分野でトップクラスの競争力を有しており,途上国への方針を表―に整理した(同表はあくまで基本方針であ日本の支援・技術に対する期待は大きい。り,同じ国の中でも鉱区によっては関与の状況は異なる. 試掘がボトルネックとなって進まない地熱開発場合がある)。政府の関与が大きくなる程,国が人材と環太平洋とアフリカ大地溝帯に豊富な地熱資源が存在資金を確保する必要が生じ,ここに協力のニーズが存在する。 2010 年の推定資源量と開発状況は表―のとおしている。なお,JICA が分析した結果,途上国で最もりであり,アフリカ,中南米,インドネシアの開発が遅 の一貫政府開発によるもので開発実績の多いモデルは◯れている。地熱開発のプロセスは地表調査,試掘・資源 から◯ のモデルの開発実績は途上国ではほぼなある。◯量評価,生産井掘削・プラント建設・プラント/貯留層 のモデルはケニアとタンザニアで試行的に行われく,◯の運営維持管理の流れである。この中で,試掘・資源量ているが,未だ開発に至っていない。評価は,一地点あたり,標準掘削径 8 インチで約 20 億4地盤工学会誌,―() 論表―表―説地熱先進国の開発実施体制各国・地域の地熱開発の状況(2012年)施主体にとって妥当な範囲になければ開発は進まない。JICA はこの収益率を改善するため,主に以下の協力を行っている。公的部門の人材育成試掘支援探査技術の研究開発政策支援譲許的条件(金利等の安い)による資金協力. 公的部門の人材育成国が地熱開発の全部あるいは一部を実施するモデル から◯ )では,援助機関等の支援を得つつ,(表―の◯. 援助機関の動向地熱開発公社等を設置して直営で開発する場合と,民間1970年代から JICA や世界銀行(世銀)等の援助機関に委託する場合に分けられる。前者を採用する国は特には,地表調査や地熱プラント建設を支援しているが,試アフリカで増えつつあるが,先行するケニアにおいても,掘を支援する機関は少なかった。これが昨今,温暖化対地表調査で貯留層を予測し,試掘でターゲットを掘り抜策への要請,油価の上昇等,外部環境が大きく変化したく能力が不足しており,日本等に比べ,資源開発の成功ことを受け,世銀やドイツ復興金融公庫等は試掘への融率が低い,あるいは開発時間が長くかかっている。この資や一部無償による資金協力に着手している。他方,開ような中,JICA はケニアやインドネシアに専門家を派発実施能力が十分でない途上国では,自己負担分の資金遣し,地熱開発公社等の資源開発能力の強化を行ってい調達,掘削コントラクターへの発注・モニタリング能力る(写真―)。の不足等の課題により期待とおりには開発が進んでいな加えて,表―のとおり,今年度より本邦研修を 4い。このため,開発途上国における地熱開発促進のためコースに拡充した。これら研修コースは産官学 35 機関には,事業リスク軽減のための資金協力とともに,途上以上の協力により,オールジャパンの体制で受け入れを国側の地熱開発能力の強化が一層重要になっている。行っている。今後 10 年間でアフリカ,アジア,中南米. JICA のこれまでの協力JICA は1970年から,地表調査,試掘・資源量評価,から470人以上の研修員を受け入れる予定である。地熱エグゼクティブ生産井掘削・プラント建設への協力を実施してきた。こ地熱開発計画の決定を担う行政官,公社計画部門の実れまで有償資金協力(主に生産井掘削・プラント建設に務者養成を目指す。地熱開発における国と民間の役割や充当)で運転開始した発電所は設備容量で約1 200 MWプロジェクト経済性評価等について学ぶ。本邦地熱関係(ケニアの電力需要に相当),同出力の発電を石油火力発電で行った場合に比べ二酸化炭素削減量は年間で 5.4百万 t - CO2 と,電力の安定供給を通じた民生の向上と気候変動対策に貢献している。. JICA の協力の方向性地熱開発はリスクを伴う事業であり,内部収益率が実February, 2017者との交流の場を設ける。10年間で160名の受入を想定。中核人材(行政官,研究者)将来を嘱望される地熱開発機関の若手エンジニアや同機関に加え,新卒を輩出する大学の教員を対象とし,中長期的な人材育成を目指す。九州大学,東北大学,秋田大学等の協力を得て,修士課程及び博士課程での研究を行う。10年間で50名の受入を想定。5 論説写真―表―ケニアでの専門家指導の様子地熱人材育成に向けた本邦研修. 探査技術の研究開発探査・掘削技術の精度が向上すれば,資源開発の成功率が向上すると共に,コストの軽減が期待できるため,収益率の改善につながる。このため, JICA は技術開発の促進に注力しており,具体的には,地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)注1)により,本邦による地熱資源エンジニア新規技術の研究開発と社会実装を支援している。途上国からの強い要望を受け, 1970 年から 2001 年に事例としては「インドネシアにおける地熱発電の大幅九州大学で実施したコースを復活。地質,地球化学,地促進を目指した蒸気スポット検出と持続的資源利用の技球物理,貯留層工学の中堅エンジニアを対象とし,九州術開発」( 2014 2019 )があげられる。京都大学の小池大学を中心に,東北大学,産業技術総合研究所,民間の克明教授が中心となり,バンドン工科大学等と共同で以協力を得て,講義・実習を行う。10年間で150名の受入下の技術を開発・実証している。実証されれば, JICAを想定。の調査にも積極的に活用していく。掘削マネージャー発注者側の立場で掘削計画・管理を担う将来の掘削マネージャーの養成を目指す(掘削作業者の養成ではない)。・リモートセンシング・地球化学・鉱物学での最先端手法を統合して発電に最適な蒸気スポットを高精度で検出できる技術掘削技術概論,掘削機器,掘削パラメータ,掘削事例,・地熱発電所周辺の広域環境モニタリング技術掘削計画について学ぶ。掘削事例は,今後,本邦開発事・長期にわたる地熱エネルギーの持続的利用・産出を可業者の協力を得て,失敗事例を収集・分析のうえ,採ら能にするための最適化システム設計技術れた対応と結果を事象(逸泥,暴噴等)毎に紹介する。. 政策支援10年間で80名の受入を想定。有望地点の開発優先付け等,技術的,経済的に最適な. 試掘支援開発計画(マスタープラン)の策定支援を継続する。加途上国や経団連からの要望を受け, JICA は今年度かえて,.で述べた地熱開発における政府と民間の望まら試掘支援を実施することにした。他の援助機関は試掘資金の提供を行っているが,掘削の経験のない国は,資注1)地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)環境・エネルギー,生物資源,防災及び感染症等の地球規模課金があっても実施できない現状を踏まえ,JICA は発注題の解決を視野に,これら諸課題の解決に繋がる新たな知見の者となって試掘支援を行うと共に,人材育成を行うのが獲得及びその成果の将来的な社会実装(具体的な研究成果の社特徴。現在,エクアドル,ニカラグア,エチオピア,ジ会還元)を目指し,開発途上国の社会的ニーズをもとに我が国の研究機関と開発途上国の研究機関とが協力して技術協力プロブチでの支援に向けた地表調査や掘削計画の策定を進めジェクトの枠組みにより国際共同研究を推進するもので,そのている。なお,適切な試掘の実施を行うため,有識者に目的は次のとおり。よる試掘アドバイザリーグループ(第三者委員会)を設置している。1)開発途上国の人材育成及び自立的研究開発能力の向上2)課題解決に資する持続的活動体制の構築3)科学技術水準の向上につながる新たな知見の獲得と全地球的な課題解決への寄与6地盤工学会誌,―() 論写真―説円借款で整備されたケニア・オルカリア地熱発電所しい役割分担,リスク適正化についても分析を進め,政での地熱資源開発が進む中,今後,発電所の運営維持管策提言を行う。更に,投資環境が整備されておらず,国理能力の強化のニーズが増えると予測される。まずは,が地下情報を蓄積しても,民間投資を呼び込めない国もケニアのオルカリア地熱発電所において簡易な設備診断多い。このため,政策官庁・規制機関・監督機関等の能を行い,課題の整理と協力の方向性の検討を行う。また,力強化,蒸気売買及び電力売買に関する諸制度の整備等エチオピアにおいても,どのような協力ができるかの検について PPP アドバイザーの派遣等の協力を行う。討を行う予定である(写真―)。他方,熟練エンジニ. 譲許的条件による資金協力アの養成には時間を要することから,遠隔監視システム資源が確認されても,生産/還元井の掘削やプラントを導入し,日本の熟練エンジニアからの遠隔指導の可能建設に 50 MW クラスでは 200 億円以上の資金が必要に性についても追及する。なる。融資条件が譲許的である程,収益率は向上するた. 途上国の大学地熱コース機能の強化め,引き続き,円借款による支援を行う。従来のプロジエネルギー省や地熱開発公社の中堅エンジニアや行政ェクト借款やセクターローンに加え,官民連携による官は,.で述べた研修コースで育成しているが,中長PPP ( Public Private Partnership )インフラ整備を促期的には若手エンジニアの養成との連携が重要であり,進するため, Equity Back Finance借款注2) やPPP インそのためには,大学地熱コースの強化が必要である。地フラ信用補完スタンド・バイ借款注3)等 の活用を進める。熱コースを有する途上国の大学は中南米のエルサルバド更に民間からの要望があれば海外投融資の適用も検討すルやアジアのインドネシア等と限られており,アフリカる。には核となる大学がない。このような中,現在,日本の.新たな協力への取り組み大学とも連携しつつ,ケニア等における大学の機能の強化を検討しているところである。エチオピアやジブチ等. 地熱発電所の運営維持管理能力の強化の隣国からもコースを受講できるようになれば,アフリエチオピアのように,発電設備は設置したが,地熱発カ地域における地熱入門コースとなり得る。電所の運営の経験がなく,適切な維持管理を行えない結果,機器を故障させている国もある。また,ケニアのように, 30 年以上の発電所運営の経験はあるが,今後,地熱発電量を増加させる中で,更なる稼働率向上を図るため,我が国に技術協力を要請する国もある。各途上国注 2)参1)考文献(一社)火力原子力発電技術協会地熱発電の現状と動向,2012.(原稿受理2016.10.18)Equity Back Finance 借款本邦企業が途上国との合弁会社を立ち上げて事業を行う場合,同合弁会社に対する途上国政府・国営企業等による資金手当て(出資)分を,円借款を通じてバックファイナンス(EBF)するもの。注 3)PPP インフラ信用補完スタンド・バイ借款民間事業者と,その生産物(水,電力等)の購入者(地方自治体,電力公社等)との間の支払契約が,政策変更等の不可抗力で履行されない場合に備え,途上国政府による契約履行の保証や,購入者への短期の資金供給を行うための資金を支援するもの。February, 20177
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  • タイトル
  • 高温地熱系の地質学的特徴(<特集>地熱エネルギーと地盤工学)
  • 著者
  • 田口 幸洋
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 8〜9
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090007
  • 内容
  • 高温地熱系の地質学的特徴Geological Characteristics of HighTemperature Geothermal Systems田口幸洋(たぐちさちひろ)福岡大学理学部. は じ め に蒸気を用いた従来型の地熱発電を行うには,地下の貯ランスが必要となるために,このタイプの地熱系が出現する割合は極めて小さい。日本では松川地熱帯がこれに相当し,それ以外は全て熱水卓越型の地熱系である。留層温度が少なくとも200°C は必要である。このような熱水卓越型地熱系の,貯留層の温度の上限は,水の沸高温地熱系はマグマの貫入によって達成されている。こ騰深度曲線によって規制され,貯留層圧は流体の静水こでは,このような高温地熱系の地質学的特徴について圧に近い場合が多い。また蒸気卓越型地熱系の貯留層の述べる。温度は,蒸気がもつ最大エンタルピー点(236°C)に規.高温地熱系の偏在制され,貯留層内はほぼ蒸気で占められているので,貯留層圧力もほぼ一定となる。例えば,アメリカのザ・ガ高温地熱系はマグマの貫入に伴い形成されるので,火イザーズやイタリアのラルデレロの蒸気卓越型地熱帯の山活動を伴う地域に分布する。日本では蒸気を直接ター貯留層温度,圧力は約 240 °C , 34 kg / cm2 とほぼ均一なビンに導入する従来型の地熱発電所は,一般的に中期更値を示す1)。新世以降の火山岩が分布する地域に建設されている。従来型の地熱発電を開発できる場はどこにでもあるわけでなく,ある限られた場に位置している。すなわち,.地表徴候と地形・地質地熱系のほとんどは熱水卓越型地熱系であるので,こ3 つのプレート境界(収束境界,発散境界,横ずれ境界)こでは熱水卓越型地熱系の地熱徴候について述べる。熱とプレート境界に無関係なホットスポットの計 4 つの水卓越型地熱系でも,火山活動の様式により出来上がる場である。収束境界にはサブダクション帯と衝突帯があ火山地形が異なるため,地熱系の地表徴候は大きく異なり,環太平洋のほとんどの高温地熱系はサブダクションったものになる2),3)。帯に伴うもので,日本,ニュージーランド,フィリピン,ニュージーランドのタウポ火山帯のような流紋岩質のインドネシアなどがその例である。衝突帯の例としては,火山活動が卓越する地域では,地形の起伏差が小さいフチベット,トルコ,イタリアなどの各地熱系があげられラットな地形が卓越する。そのため,地下水位面が浅くる。アイスランドや東アフリカ地溝帯の地熱系は発散境地表面に近いので,深部で加熱されて上昇してきた熱水界に属する。横ずれ境界に伴うものとしては,カリフォ(深部熱水)は容易に地表に到達することができる。そルニアのソルトンシー地熱帯やメキシコのセロプリエトのため,日本ではなかなか見ることができない,直径数などであり,このような場はトランスフォーム断層が乗百 m 以上の熱水の池や,そこから流れ出す熱水から沈り換える部分,プルアパート部に相当している。また,殿してできるシンター(珪華),及び間欠泉などをしばホットスポットの例としては,イエローストーン国立公しば見ることができる。園の地熱活動がよく知られているが,地熱発電所が建設一方,日本やインドネシアなどでは安山岩質火山活動された例としてはハワイ島のキラウエア火山から東にのが卓越し,成層火山を形成する地域では地形の起伏差がびるリフト帯内にあるプナがあげられる。大きな地形がつくられる。火山が若ければ山体中央部で日本の高温地熱帯は,沈み込み帯に伴う第四紀の火山高温の硫気活動や強酸性の水からなる火口湖を伴う(図活動の地域に分布しており,現在稼働中の地熱発電所の―)。なお,このような火山における開発可能な有望多くは九州と東北日本に分布している。な地熱系は火山体の中腹に発達する。すなわち火山活動.地熱系の型と地熱構造中心部から 3 ~ 5 km 離れているのが一般的である。火山体中腹にある地熱系では,地下水位面が深いので,深開発されている地熱系のほとんどは,貯留層内のクラ部熱水は地表まで到達することができない。深部熱水はックなどの隙間が水で満たされた熱水卓越型地熱系であ上昇し,浅所に到達すると沸騰を起こす。分離された蒸る。しかしながら,この隙間のほとんどが蒸気とわずか気やガス( CO2 や H2S )は地下水位面より上方に運ばな凝縮水からなる蒸気卓越型地熱系が形成されることがれ地表で噴気帯を形成する。このような噴気帯はしばしある。蒸気卓越型地熱系が成立するには,供給される熱ば“地獄”と呼ばれている。深部熱水が地表に届かない量,地層の透水係数,水の循環量などの極めて微妙なバ場合が多いので,ニュージーランドでよく認められるよ8地盤工学会誌,―() 論説ぞれ特徴的なものが形成される。SO4 型蒸気加熱水が卓越する部分では高度粘土化変質作用が卓越し,より中心部で明礬石が,その外側にカオリナイトが,さらに外側にスメクタイトが配列する。HCO3 型蒸気加熱水が発達する部分では,粘土化変質帯が発達し,浅所ではスメクタイトが,より深部では混合層粘土鉱物が形成される。これらの下位にはプロピライト化変質が発達するが,上昇する深部熱水の通路付近には石英などからなる細脈がしばしば認められる6)。また,熱水が沸騰を起こした場合には,これらの脈に氷長石や方解石が特徴的に伴うことがあるが,このような方解石や石英は葉片状を示すのが特徴である7),8)。図―安山岩質火山地域地域の地熱系モデルと特徴的な.おわりに熱水及び変質帯の分布2)~4)を元に作成地熱系の地質学的な基本的特徴を理解することは,効うな地表徴候はなかなか見ることができない。率的な地熱開発につながる。ここで述べた典型的な事象地形の起伏差が小さい火山地域の地熱系ではしばしばは,基本的な地熱系の構造を理解する上で重要である。湖成層が発達するので,地下温度の等温線は地下浅所でしかしながら,各地熱帯で火山地形,構成する岩石,断水平に広がるマッシュルーム型をしばしば呈する。一方,裂を規制する地質構造,熱水の化学組成,及び水理学的起伏差の大きい火山地形地域では,一般的に断裂に沿っな状況などが少しずつ異なることを考慮し,取得したて深部熱水は上昇するので,その温度分布は断裂規制型データを元により良い地熱系モデルを作成する必要があとなる。ただし,起伏差の小さい地域でもより深部ではる。断裂が一般的に熱水の動きを規制している。.地熱系における特徴的な熱水の分布と熱水変質岩参1)安山岩質火山活動が卓越する日本の火山に伴う地熱帯には特徴的な組成を持つ熱水が分布している(図―)。2)火山帯中心部の火口湖や谷では,高温の火山ガスに含まれる成分を反映して( SO2, HCl, HF など), pH < 2 の3)強酸性の ClSO4 型の熱水が生成される。このような場では溶脱珪化作用が進行する。このような例として,かつて山頂付近では変質により形成した珪石が採取されていた薩摩硫黄島があげられる5)。4)一方,山体中腹に発達する地熱帯の深部熱水は,ほぼ中性を示す Cl- に富む熱水である。この中性の深部熱水が上昇し,浅所に近づくと沸騰が起きる。沸騰で分離5)された水蒸気, CO2 及び H2S はそのまま地表に向かって移動し,地表近くの酸素に富んだ地下水を加熱して熱6)水ができる。この加熱された地下水は SO4 型の蒸気加熱水と呼ばれている。pH は 2~4 程度で,Cl-をほとんど含まず, H2S が酸化されてできた SO42- に富む組成を示す。この SO4 型蒸気加熱水の下位には, HCO3 型7)の蒸気加熱水が上昇する深部熱水を覆って傘状に分布する。このような深部加熱水を元に pH,化学組成が著しく異なる熱水ができ,これらがまた混合・希釈を行い多様な化学的組成の温泉ができあがる。8)考文献White, D. E., MuŒer, L. J. P., and Truesdell, A. H.:Vapordominated hydrothermal systems composed withhotwater systems, Economic Geology, Vol. 66, pp. 7597, 1971.Henley, R. W. and Ellis, A. J.: Geothermal Systems Ancient and Modern, a geochemical review, Earth ScienceReviews, Vol. 19, 150, 1983.Henley, R. W.: Chemical structure of geothermal systems., in R. W. Henley, A. H. Truesdell, and P. B.Barton, Jr. (eds.), Fluid Mineral Equilibria: Society ofEconomic Geology, Vol. 1, pp. 928, 1984.Hedenquist, J. W., Izawa, E., Arribas, A., and White, N.C.: Epithermal gold deposits: Styles, characteristics, andexploration, Resource Geology Special Pub. No. 1, Soc.Res. Geology, 1996.小野晃司・曽屋龍典・細野武男薩摩硫黄島地域の地質,地域地質研究報告」(5 万分の 1 地質図幅),地質調査所,80p, 1982.Simmons, S. F. and Browne, P. R. L.: Hydrothermalminerals and precious metals in the BroadlandsOhaakigeothermal system: implications for understanding lowsulˆdation epithermal environments, Economic Geology,Vol. 95, pp. 971999, 2000.Simmons, S. F. and Christenson, B. W.: Origins of calcitein a boiling geothermal system, American Journal ofScience, Vol. 294, pp. 361400, 1994.White, N. C. and Hedenquist, J. W.: Epithermal golddeposits: styles, characteristics and exploration, SEGNewsletter, No. 23, pp. 1, 913, 1999.(原稿受理2016.10.13)このような熱水の分布に対応し,熱水変質鉱物もそれFebruary, 20179
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  • 持続可能な地熱発電のためのモニタリング技術(<特集>地熱エネルギーと地盤工学)
  • 著者
  • 藤光 康宏
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 10〜11
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090008
  • 内容
  • 報告持続可能な地熱発電のためのモニタリング技術Monitoring Technique for Sustainable Geothermal Power Generation藤光康九州大学宏(ふじみつ大学院工学研究院やすひろ)教授. は じ め に東日本大震災後,我が国においても固定価格買い取り制度が後押しする形で再生可能エネルギーの普及が進んでいる。その中でも地熱発電は,太陽光や風力と比較して天候に左右されず年間を通して安定した電力供給が可能であるため設備利用率が高く1),我が国ではベース電源の役割を担っている。しかし,地熱発電は再生可能ではあるが,持続可能な地熱発電を行うためには地熱流体の生産・還元が適切に行われているかどうかなど,地熱貯留層を含めた地熱系のモニタリングを実施する必要がある。地熱発電の場合,ボイラーが地球であるため残念ながらメーター類が備え付けられておらず,そのため一般的には生産井の口元圧図―繰返し精密重力測定による地熱貯留層モニタリン力と気液二相それぞれの流量,還元井の還元流量,観測グの概念4)。下生産井・還元井を含む地下の垂井での坑内温度・圧力の連続測定など,坑井を用いた測直断面。上下図に沿った地表で得られる重力分布の経時変化定によるモニタリングを行う2)。しかしながら,これらの方法は坑井位置の測定値しか得られず,また坑井掘削費用は非常に高価であるため(深度 2 km 程度で 3 ~ 4すると,貯留層の該当部分の見掛け密度が小さくなる。億円3)),多くの地点での測定値を得ることは難しい。すると,地表に配置した測定点で定期的に繰り返して重そこで,地表での測定で地熱貯留層をモニタリングす力測定を実施していると,見掛け密度が小さくなった地る手法の開発が望まれる。ここでは九州大学大学院工学熱貯留層が存在する場所の直上の地点を中心に,時間と研究院地球資源システム工学部門地球熱システム学研究共に重力値が小さくなって行く(図―上図の下に凸の室で研究が進められている,対象地域の地表に広範囲に破線)。逆に見掛け密度が大きくなる場合には,時間と配置した測定点での繰返し精密重力測定による地熱貯留共に重力値が大きくなって行き(図―上図の上に凸の層モニタリング4)について紹介する。破線),地表で測定される重力分布は両者の重ね合わせ.精密重力測定による地熱貯留層モニタリングとなる(図―上図の黒曲線)。この変化を検出するためには, 1 ~ 10 × 10-6 gal ( 1gal=1×10-2 m/s2, 9.8 m/s2=980 gal)の精度で重力値一般的に重力探査は地下構造の推定に用いられるが,を測定する必要がある。地下構造の検出は 1~10×10-3地熱貯留層のモニタリングへの適用の試みはニュージーgal 程度の測定精度で可能であることを考えると,地熱ランドが最初である5)。以下,本手法の概略を説明する。貯留層モニタリングのためには地下構造探査の 1 000 倍. 重力測定による地熱貯留層モニタリングの原理程度の測定精度が要求される。図―は繰返し精密重力測定による地熱貯留層モニタこの重力経時変化データにより地熱貯留層内の地熱流リングの概念を示しており,生産井・還元井が存在する体の相変化等に起因する質量変化のモニタリングが可能場所の地下断面(下図)と,その断面に沿った重力値のとなる。経時変化(上図)を示したものである。この断面に沿っ. 当研究室における繰返し精密重力測定て地表に配置された測定点で繰返し精密重力測定を実施地熱貯留層は場所によって異なり一つとして同じものする場合,第 1 回目の各測定点における測定値を経時はないため,場所ごとに適切な測定手法や解析手法を探変化の初期値(ゼロ)として図―上図のグラフの横軸る必要がある。当研究室では, 1991 年に大分県滝上地とする。地熱流体の生産が過剰となり地熱貯留層圧力が熱発電所地域で繰返し精密重力測定を開始して以来,徐減少した結果,今まで液相であった部分が気相に相変化々に測定地域数を増やし,現在では九州内の全ての商用10地盤工学会誌,―() 報図―告ある地熱発電所地域における重力変動分布(単位10-6 gal)4)。黒点は測定点,黒四角は発電所の位置を示すMicro g LaCoste 社 A10 絶対重力計(円筒形のセンサーユニットと車内のコントロールユ写真―ニ ッ ト ) 及 び Scintrex 社 CG 5 相 対 重 力 計(オペレーター正面足下).本手法の適用事例ある地熱発電所においては,定期検査で運転を停止する際に坑口のバルブを閉めて地熱流体の生産・還元も停地熱発電所地域だけでなく,東北地方,あるいはインド止するため,同発電所地域において停止前と停止期間中ネシアやニュージーランドの地熱発電所地域での実施経に精密重力測定を実施した。図―は両者の差(停止期験を有している。開始当初から 10 数年の間は,カナダ間中停止前)の平面分布を示したものである。両測定Scintrex 社の CG 3, CG 3M などの相対重力計のみをの間隔は約 1 か月であり,地熱流体の生産・還元が停用いていたが,後述の重力基準点における重力値の経時止したことで,生産エリア(図―の中央付近)では最変化の有無の問題を解決するために,近年は Scintrex大40×10-6 gal 程度の重力値の増加が,逆に還元エリア社 の CG 5 相 対 重 力 計 と 米 国 Micro g LaCoste 社 の(図―の左側付近)では 20× 10-6 gal 程度の減少が,A10絶対重力計を組み合わせたハイブリッド測定を実施それぞれ観測された。重力値の増加は地熱貯留層内の熱している(写真―)。水の水位(つまり地熱流体の気相液相境界)上昇を,相対重力計のみの測定の場合,まず対象地域内におい減少は水位低下を表していると考えられており,この結て重力値の経時変化が測定精度に比べて充分に小さいと果は,生産・還元停止により,地熱貯留層内の熱水の水考えられる場所に重力基準点を設置する。重力値の変化位が,地熱流体の生産・還元を開始する前の状態へ戻るに大きく影響を与えるものとして地下水位変動が考えら過程を捉えたものと解釈されている。れるため,対象地域内で標高が低くかつ地下水への涵養が期待できる河川の脇などに重力基準点が設けられるこ.おわりにとが多い。そして相対重力計で重力基準点と他の測定点本手法は,数値シミュレーションによる地熱貯留層モとの間の重力値の差を測定することで,例えば半年前のデルと組み合わせることで地熱流体の挙動を高精度に推測定では測定点 A の重力値が重力基準点に対して+ 40定することが可能になるなど,今後の発展が期待される。×10-6 gal であったのが今回の測定で+60×10-6 gal と当研究室では,本手法が地熱貯留層や温泉帯水層を管理なった場合には,測定点 A での半年間の経時変化は 20するための標準的なモニタリング手法となることを目指×10-6 gal の増加であると判断する。しかし,もし重力して研究を進めている。基準点における重力値が経時変化していた場合,例えば今回の測定時に重力基準点での重力値が半年前より本当は 40 × 10-6gal 減少していた場合には,測定点 A の重力基準点に対する今回の本当の値は-40×10-6gal+60× 10-6 gal =+ 20 × 10-6 gal であり,半年前の+ 40 ×参1)2)10-6 gal からは20×10-6 gal の減少ということになる。このように,重力基準点における重力値の経時変化の有3)無の評価は非常に重要であるが,相対重力計のみでは重力基準点における重力変動は分からないため解決は困難4)である。そこで,絶対重力計を導入し,重力基準点において重力の絶対値を測定することで,各測定点においても,重力基準点の重力変動を反映した正しい重力値の経時変化が得られるようにした。5)考文献地熱発電に関する研究会地熱発電に関する研究会中間報告,経済産業省 資源エネルギー庁,pp. 3~4, 2009.日本地熱学会 地熱エネルギーハンドブック刊行委員会(編)地熱エネルギーハンドブック,オーム社, pp.619~620, 2014.浦島邦子・和田 潤地域イノベーションと震災復興に寄与する地熱エネルギーの利用,科学技術動向, No.126, pp. 13~28, 2011.藤光康宏・西島 潤繰り返し重力測定による地熱貯留層モニタリング―我が国の地熱発電の現状を交えて―,低温工学,Vol. 50, No. 9, pp. 451~457, 2015.Allis, R. G. and Hunt, T. M.: Analysis of Exploitationinduced gravity changes at Wairakei Geothermal Field,Geophysics, Vol. 51, pp. 16471660, 1986.(原稿受理February, 20172016.10.13)11
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  • タイトル
  • 地熱開発のための物理探査技術(<特集>地熱エネルギーと地盤工学)
  • 著者
  • 本田 満・齋藤 博樹
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 12〜15
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090009
  • 内容
  • 報告地熱開発のための物理探査技術Geophysical Exploration for Geothermal Development本田満(ほんだみつる)株 地熱業務本部地熱部西日本技術開発部長. は じ め に齋藤博樹(さいとう株 地熱業務本部地熱部西日本技術開発ひろき)部長代理重力探査の現地調査においては,通常,能率的かつ精度良く測定が可能な相対重力計(写真―参照)が使用物理探査とは大地で発生する物理現象を測定し,このされるが,相対測定であるため,絶対重力値が既知の基データを解析することによって,地下の状況を調査する準点が必要となる。また,重力データの解析では,各種技術である。地熱地域において地熱貯留層(高温の地熱補正を行うため,GNSS 測量などにより各測定点の位置流体が溜まっている地層)の存在有望地域を推定するた情報を合わせて取得しなければならない。なお,測定すめには,地熱流体が流動・貯留する破砕ゾーンが存在する際には,重力探査で使用されるほとんどがドリフト補る断層やこの地熱流体の上昇を妨げて蓄えるための構造正を必要とするスプリング式の相対重力計であるため,(通常,粘土化した熱水変質帯で地熱貯留層の帽岩と呼閉塞測定が実施される。一方,絶対重力計(写真―参ばれる)が重要な地熱構造と考えられており,これらの照)は,装置の大きさや電源の問題などの制約があるた地熱構造を物理探査の解析結果から抽出することが重要め,重力探査には不向きではあるが,基準点の設置や重となる(図―参照)。物理探査法には,地震波を利用力値の確認などに使用されることがある。なお,国内のする地震探査法,電気を利用する電気探査,磁気を利用する磁気探査法,電磁場を利用する電磁探査法,放射能を利用する放射能探査など数多くの調査法があるが,ここでは,上記の地熱構造を抽出するための物理探査手法として有効と考えられており,頻繁に地熱地域において実施されている重力探査及び MT(地磁気地電流)探査の二つの物理探査手法を紹介する。. 重 力 探 査重力探査とは,地表において重力加速度を測定して,地下の密度構造を推定するもので,大掛かりな装置や配線などを必要としない経済性のある手法であることから,地熱開発においては,古くから広域的な基盤の形状などの調査から開発対象地域における精密な構造調査まで,写真―相対重力計写真―絶対重力計さまざまな場面で適用されている。図―地熱構造概念モデルの例(出典日本地熱学会 HP より)12写真―ヘリに搭載した重力偏差計(出典JOGMEC HP より)地盤工学会誌,―() 報図―告地下構造と重力異常の概念図1)独 石油 天 然ガ地 熱 地域 にお いて は , 2012 年 から は, ス・金属鉱物資源機構( JOGMEC )により,ヘリに搭図―載した重力偏差計を使用した空中重力探査(写真―参重力偏差データから推定された密度構造3)照)が実施されている。重力探査でいう重力とは,物質と地球が引き合う引力,地球の自転による遠心力,及び月と太陽から物質が受ける引力(潮汐力)の合力である。そのため,データ処理の際には,各種補正(潮汐補正,緯度補正,ブーゲー補正,地形補正,大気補正,フリーエア補正)を実施するが,これらを全て正確に補正してもなお,重力値は場所によって異なる値をとる。この各測点の重力値と,平均的な重力値とのずれを重力異常と呼び,その大きさをブーゲー異常値という指標で測る。図―に示すようなブーゲー異常図では,構造探査上,低重力異常あるいは高重力異常の分布・形状が,基盤の形状や貫入岩体などの抽出のため重要な示徴として検討される。また,明瞭な示徴として抽出された重力の急変部の深部は,貯留層となる破砕部の存在が期待され,併せて,他の調査からも地熱示徴が認められた場合,同地点周辺は,地熱開発図―重力変化分布から推定される貯留層の挙動4)上,掘削ターゲットの有力な候補となる。このような重力の急変部の分布と整合性をもった貯留層は,フィリピの挙動や状態変化の検討を行っている地熱発電所もある。ンの地熱地帯,インドネシアの地熱地帯など,火山地帯地熱発電所を長期間安定して運転するためには,貯留層で断層などの垂直的な構造に沿って発達・形成された貯の変動を常時監視し,その状態に応じて事前に対策を講留層の場合が多いようである2)。なお,重力の急変部のじていく管理技術は極めて重要である。この目的のため,抽出作業においては,余剰重力異常などの各種フィル各種のモニタリングが実施されている。これらのうち,ター処理を行い,構造の規模や存在深度を推定する。た貯留層圧力の変化に関するデータについては,観測井をだし,地表で測定される重力値は,後述の MT 探査と利用した坑内圧力の監視が行われ,必要に応じて坑内検は異なり,深度的な情報が得られないため,コントロー層なども実施される。しかしながら,経済的運営の面かルポイント(岩石の密度や密度が変化する地層境界の深ら観測井の数は制限され,貯留層全体を十分にカバーでさなどの情報)を用いないで密度解析を実施すると,誤きる範囲のデータを得ることは難しい。そのため,図―ったモデルを作る可能性があることに注意しなければなに示す八丁原発電所においては,重力モニタリング結らない。果から,2 号機運転開始直後に,生産量が急激に増加しなお,最近では,前述の JOGMEC により実施されたたことによって,一時的に八丁原の貯留層の質量が大き空中重力探査のうち,大分県くじゅう地域を対象としてく減少し,それに伴い重力が大きく減少した状況を捉え行われた空中重力偏差データ 6 成分を用いた三次元密たことを示している。度構造の推定なども実施されている(図―参照)。また,重力を測定することで,貯留層の変動に伴う地.MT(地磁気地電流)探査下の質量変化を把握し,貯留層全体の平面的な質量変動MT 探査とは,地表において地球電磁場(自然に存在を時系列的に捉え,還元熱水の流動や,貯留層内の流体する地球電場及び地球磁場)の変動を測定して,地下のFebruary, 201713 報告比抵抗構造(比抵抗とは電気の流れ易さを表す物理量)ていることが多いと考えられている。この地熱貯留層のを解析する電磁探査法の一つで,地表付近から地下数帽岩となる粘土化した熱水変質帯は概略70~180°Cの温km あるいはそれよりも深部までの電気的構造を解析で度で形成され,通常 5 Q ・ m 程度あるいはそれ以下の比きることが特徴となっており,人工電流源を使用しない抵抗値の低い(電気が流れ易い)ゾーンとして検知されため,比較的安全な物理探査法とされている。る(図―のドット模様のゾーン)。また,その下位にMT 探査の現地調査においては,通常は測定点の中心200°Cを超える温度の地熱貯留層が存在する場合には,から南北東西に 50 m 程度の地点に電位電極を設置して,イライトやクローライトなどの高温で形成される熱水変南 北 の 二 つ の 電 位 電 極 を 用 い て南 北 方 向 の 電場 成 分質帯が分布するが,この高温で形成される熱水変質帯は(Ex)を,東西の二つの電位電極を用いて東西方向の電10 Q・m 程度以上の比較的電気が流れにくいゾーンとし場成分( Ey )を測定する。また,南北方向,東西方向て検知される(図―の Illite Clay のゾーン)。これら及び垂直方向に設置するインダクションコイルを用いて,のことから,MT 探査の解析結果においては,比較的浅3 方向の磁場成分( Hx, Hy, Hz )を測定する(図―い箇所で低比抵抗(電気が流れ易い)ゾーンを形成し,参照)。これらの電場及び磁場データは時系列データとかつ,その下位に相対的な高比抵抗(電気が流れにくい)して中心に設置する測定器に記録される。これらの測定ゾーンが浅部方向に隆起した形状で分布する地域が地熱された電場・磁場データを用いることにより,地下の電貯留層の存在が期待される地域となる。気的な構造を解析することが可能となる。図―に米国 Glass Mountain 地熱地域で取得された火山地域周辺において地下に存在する高温の地熱流体MT 探査データを用いて解析された比抵抗断面図(三次は,一般的には断層あるいは断層周辺に分布する破砕元比抵抗構造インバージョン解析結果)を示す。この図ゾーンに沿って上昇していることが多く,比較的浅い箇では,海抜 1 000 m 付近で 10 Q ・ m 以下を示す低比抵抗所(地熱貯留層の上部)でスメクタイトや混合層粘土鉱ゾーン(図―中のドット模様のゾーン)が分布してお物と呼ばれる粘土化した熱水変質帯(熱水と岩石が反応り,その下位に隆起した形状を示す相対的な高比抵抗して岩石が変質している地域)が形成される。この粘土ゾーンが認められる地域(図―中の A 及び B ゾーン)化した熱水変質帯は流体を通しづらく(不透水性),地が認められる。これらのゾーンには,坑井(図―中の熱流体をその下に蓄える役割を果たしているため,地熱88A 28, J7A 7, 68 8 )の掘削により, 200 °C を越える貯留層の帽岩と呼ばれ,その下位に地熱貯留層が発達し高温が確認されており,高温の地熱流体の上昇域である図―図―MT 測定機器設置概念図図―14地熱貯留層を示す典型的な電気構造(出典 5 ) GRC2007 Annual Meeting 資料を一部改変)MT 探査解析結果の例(Glass Mountain 地熱地域)(出典6)William Cumming and Randall Mackie, 2010の図面を一部改変)地盤工学会誌,―() 報図―告MT 探査解析結果の例(白水越地熱地域)(出典7)CGR Geothermal Seminar, 2011の図面を一部改変)と推定されている。また,図―には鹿児島県の白水越地熱地域における解析結果において,このような構造が検出されたとしても,それらの全ての構造周辺に地熱貯留層が存在するとMT 探査解析結果(三次元比抵抗構造インバージョン解は限らないことを頭に入れておく必要がある。このため,析結果)を示す。この解析結果においても,やはり浅い物理探査結果から抽出される地熱構造に加えて,地質調箇所で低比抵抗ゾーン( 10 Q・m 以下のゾーン)が分布査結果から抽出される推定断層・リニアメント・カルデし,その下位に浅部方向に隆起した形状を示す相対的なラ構造,熱水変質帯分布域,周辺火山の活動年代や地化高比抵抗ゾーンが認められる地域(図―中学調査結果から抽出される温泉・噴気帯分布,温泉水のShiramizugoe reservoir が示す箇所)において,調査井性状などの情報を総合的に検討して,地熱開発有望地域の掘削により,掘削 200°C を越える高温の地熱流体が確や掘削井有望地点の選定を行う必要がある。認されている。MT 探査のデータ解析技術は目覚しい進化を遂げており,三次元の比抵抗構造インバージョン解析が頻繁に実施されるようになってきている。特に地熱地域において参1)2)は,地熱貯留層の帽岩を反映する低比抵抗ゾーンやその下位に分布する高温域を反映する可能性が高い相対的な3)高比抵抗の隆起構造は三次元的な構造となっていることが一般的であるため,精度の高い地下比抵抗構造を解析4)するためには,一次元や二次元の比抵抗構造インバージョン解析ではなく,三次元の比抵抗構造インバージョン解析を実施することが望ましい。.物理探査結果の解釈5)6)地熱地域で実施された物理探査(重力探査や MT 探査など)の解析結果から抽出される地熱構造は,地熱貯留層そのものを示すものではなく,地熱貯留層の上位に分布して地熱流体を蓄える構造(粘土化した熱水変質帯),地熱流体が流動することができる破砕ゾーンを伴う断層などを検出するものである。このことから,物理探査のFebruary, 20177)考文献物理探査学会図解物理探査,p.42, 1989.田篭功一・齋藤博樹・鴇田洋行・松田鉱二地熱貯留層の開発・評価の実際と今後の課題について,九州地熱・火山研究報告,No. 20, pp.46~54, 2012.西島 潤・野内大介大分県くじゅう地域における重力及び重力偏差計データから推定される密度構造,日本地球惑星科学連合2016年大会,SGD22P05,2016.齋藤博樹・田篭功一・本田 満・笠木順一・藤瀬 豊・江原幸雄八丁原地熱地帯における重力モニタリング結果と準三次元モデル解析から推定される地熱貯留層の挙動,日本地熱学会誌, Vol. 28, No. 2, pp. 181 ~ 197,2006.GRC2007 Annual Meeting 資料Cumming, W. and Mackie, R.: Resistivity Imaging of Geothermal Resources Using 1D, 2D and 3D MT Inversionand TDEM Static Shift Correction Illustrated by a GlassMountain Case History, Proceedings World GeothermalCongress 2010, pp.2529, 2010.Uchida, T.: Geothermal geophysical survey: Magnetotelluric investigation for geothermal resources, CGR Geothermal Seminar, 2011.(原稿受理2016.9.26)15
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  • タイトル
  • 地熱開発における坑井掘削(<特集>地熱エネルギーと地盤工学)
  • 著者
  • 上滝 尚史
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 16〜19
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090010
  • 内容
  • 報告地熱開発における坑井掘削Drilling of Geothermal Wells上滝尚株出光興産史(じょうたき資源部ひさし)地熱課長. は じ め に地熱流体(蒸気・熱水)を採取するためには,坑井を掘削することが必要である。坑井はそれぞれの目的に応じて坑径や掘削深度が異なり,地質調査が主目的であれば岩石のコア採取に主眼がおかれ,小さな坑径( 80 ~100 mm )で比較的浅い深度( 1 000 ~ 1 500 m )となるが,生産井や還元井においては地熱流体の生産や地下への還元が目的であり大きな坑径( 200 ~ 300 mm )で比較的深い深度(1 500~3 000 m)の掘削が行われる。我が国での地熱開発は 1966 年に松川地熱発電所(岩手県八幡平市)が運転を開始して 50 年が経過しており,地熱調査・開発を目的とした坑井数は 1 200本以上に達し図―ている1)。本稿ではそれらの分類や進歩を遂げている傾地熱地帯の地下構造・温度概念図斜掘削技術及び今後の課題について紹介する。.300°Cを超える地域も珍しくない。国内の多くの地熱地帯の地下構造地熱地帯はこの熱水層から地熱流体を産出してい地熱地帯においては,調査又は蒸気の生産及び熱水のる。地熱流体は地下深部では熱水であるが坑井内還元を目的として坑井が掘削される。地熱地帯の地下構で沸騰し,地上には熱水と蒸気の二相流となり上造は,一般的に浅部から深部に進むにつれて大きく 3昇する。その後は気水分離器で蒸気と熱水に分け層に分類される2)(図―)。られ,蒸気はタービンを回して発電をし,熱水は◯地下水層…多くの場合,砂や礫からなるが,地熱地下に還元される。蒸気層や熱水層の岩盤は比較地帯では火山礫や火山灰からなる地層の孔隙や溶的強固である。岩中の空洞や割れ目などを地下水が流れている。地質時代が新しいため未固結なものが多く,坑径◯◯16.坑井の分類の拡大や坑壁の崩壊が発生しやすい地層である。地熱開発においては地表調査が終了した段階で地質調地下水が流動しているため低温で温度の上昇が小査(コア採取)及び坑井内調査(温度や比抵抗分布)をさい。 構造試錐が掘削される。構造試錐を掘削し目的とした◯キャップロック層…地熱貯留層の形成に欠かせな 調査井が掘削た結果,調査地域が有望と判断されれば◯い層であり,地表水や地下水が地下深部に浸透す 生産井,◯ 還元井が掘され,開発・操業に移行すれば◯ることを防ぐとともに深部の蒸気・熱水層の地熱削される。これらの 4 分類は調査・開発段階の掘削目流体が地表へ流失するのを防いでいる。多くの場的別に分類しているが,構造試錐と調査井の区分,調査合,スメクタイトなどの粘土鉱物を含んでおり,井と生産井・還元井の区分は,坑井仕様からその区分を膨張しやすい地層である。水の流れが少ないため明確にできない場合もあるので注意が必要である3)(図熱の伝導域であり,温度の上昇域となっている。―)。蒸気層及び熱水層…蒸気層は地層中の割れ目など. 構造試錐の空隙が蒸気で満たされており,多くの場合,地地下の温度分布や比抵抗分布,地質構造及び地熱資源下の温度が高ければ蒸気の温度も高く,したがっ(高温の蒸気や熱水)の賦存を調査するために掘削されて圧力も高い。蒸気層が浅い場合は,しばしば暴る。岩石試料(コア)を採取することを主目的としてい噴に遭遇することがあるので注意が必要である。る。掘削にはスピンドル式掘削機を使用し,コアビット熱水層は高温の熱水が割れ目などの空隙を満たしで地層をドーナッツ状に掘り進み,その中心部に残ったており,多くの場合,深部に向かい温度が上昇しコアをワイヤーラインで採取する方法が用いられている。地盤工学会誌,―() 報図―告ケーシングプログラムによる分類掘 削 深 度 は そ の 掘 削 機 器 の 能 力 か ら 一 般 的 に 500 ~1 500 m , 最 終 坑 径 は 80 mm ( 呼 称  NQ )~ 100 mm(呼称HQ)である。216 mm(呼称81/2 インチ)である。. 生産井地熱貯留層を確認した後,地熱発電用の蒸気を採取す. 調査井るための坑井である。長期間の使用が可能になるように構造試錐の結果が有望であれば,次の段階として調査ケーシング材料の選定やケーシングセメンチング方法に井を掘削する。調査井は構造試錐を兼ねる場合もあるが,工夫を凝らし,最終的に十分な耐圧・強度を有する坑口構造試錐の主目的がコアの採取であることに対して調査装置を取り付ける必要がある。生産井では採取量を多く井は,噴出試験を実施し地熱流体の噴出量,蒸気・熱水するため比較的大きな坑径が選ばれ一般的な最終坑径はの化学成分を調査して,地熱貯留層の賦存状態(面的広216 mm ( 81/ 2 インチ)以上である。掘削深度は地熱がり,深度,熱水性状)を把握することが目的である。貯留層の深度によるが 1 000 ~ 3 000 m であり,深いも坑井内調査として電気検層(比抵抗,自然電位),音波のでは3 000 m を超えるものがある。掘削機は石油掘削検層,フラクチャ検層( FMI, BHTV ,他),温度検層で使用されているロータリー掘削機が使用されている。等を実施すること(検層機器の径)やケーシングセメン. 還元井チングが確実に行えること(ケーシングと坑壁のクリア蒸気とともに噴出する熱水及び蒸気凝縮水を地下に還ランス)を考慮して坑径が決められる。掘削には石油掘元するための坑井である。1 本の坑井でなるべく多くの削で使用されているロータリー掘削機や地熱井用に開発熱水や凝縮水を還元するため,最終坑径は生産井と同じされたスピンドル・ロータリー併用掘削機を使用したく 216 mm ( 8 1/ 2 インチ)以上である。掘削深度は一ロータリー工法が採用されている。掘削深度は一般的に般的に生産井より浅く 1 000 ~ 2 000 m であり,深いも1 500 ~ 2 000 m ,最 終 坑径 は 100 mm (呼 称 HQ )~のでは2 000 m を超えるものがある。掘削機は生産井とFebruary, 201717 報告図―傾斜掘削技術の適用例(Eastman Whipstock 社資料)同じくロータリー掘削機が使用されている。.傾斜掘削技術の進歩傾斜掘削は,坑口から地下深部に設定された掘削目的位置(ターゲット)に向かって,傾斜や方位をコントロールしながら掘削することである。最近では使用するツールス(偏距具)の進歩により非常に技術レベルも高くなっており,石油井においては水平掘削までおこなわれてい る 。 国 内 の 地 熱 井 に お い て は , 1970 年 松 川 7 号 井(岩手県)で本格的な傾斜掘削が行われて以来,各地熱地域において活用されている。地熱井は上下方向に発達する断層帯を掘削するため,傾斜井が垂直井と比べて断層と交差する確率が高くなる。また傾斜井により同一基地から複数の坑井を掘削できるため掘削基地が集約化でき地上の改変面積が減らせる等のメリットがある3)(図―)。. 傾斜掘削が必要な理由◯一つの基地から複数の坑井を掘削することで,地上環境への影響(改変部軽減)を緩和する。◯掘具抑留や坑内悪化により坑井下部を放棄して上部から別の坑井を掘削する(サイドトラック)。◯◯ステラブル掘削の概念図(Schlumberger 社資料に加筆)山岳地形,自然公園,湖沼等の地表条件により地下の掘削ターゲットの上に掘削基地が設置できない。◯図―従来から行われている傾斜掘削は,これらの特殊なツールスを使用し掘削ターゲットへ向けて方位をコントロールする指向掘削と,スタビライザーの位置などを調坑井掘削の結果,成果が得られないため,下部を整するロータリー掘削による増角・沿角・減角掘削を組セメントで埋め戻し,新たなターゲットに向けて別み合わせて行っている。坑内で使用する特殊なツールスの坑井を掘削する(サイドトラック)。としてはダウンホールモータ(Down Hole Motor),ベ暴噴している坑井を抑圧するために,少し離れたン ト サ ブ ( Bent sub ), 非 磁 性 ド リ ル カ ラ ー ( Non 安全な場所から坑井を掘削する(リリーフウェル)。Magnetic Drill Collar ),スタビライザー( Stabilizer )等である。. 傾斜掘削作業についてなどがある。傾斜方位測定には,シングルショット(Magnetic single shot)を採用している。傾斜井掘削を実施する場合は,通常の坑井掘削(垂直. ステラブル傾斜掘削工法(Steerable Drilling)井)に傾斜掘削に必要な特殊なツールスを追加すること2000 年代になると石油井で普及してきた高トルク型になる。18ステラブルダウンホールモータ( Steerable Motor )と地盤工学会誌,―() 報告MWD 方式( Measurement While Drilling system )が組み合わされたステラブル傾斜掘削工法が地熱井でも使用されるようになった(図―)。ステラブル傾斜掘削工法は, MWD 方式による傾斜方位測定時間の短縮や,ステラブルモータ採用による指向掘削やロータリー掘削を同一編成で行えるなど多くのメリットを有している。特に高トルク型ステラブルダウンホールモータは傾斜掘削作業の効率化を図るだけではなく,その採用においてビット荷重や回転数の増加が可能となり,地層の掘進率を向上させるなどの付随効果をもたらし工期短縮やコスト低減にも役に立っている3)。図―.Technical Limit 法今後の課題地熱開発における発電コストに占める坑井掘削費の割作業時間の分析により,必要なものと不必要なものの分合は約24である4)。この掘削費を如何に低減するかが類,必要なものの中で現有技術の駆使による作業時間の長年の解決すべき課題となっている。掘削費は 1 本当短縮が可能なもの,さらに新技術に導入による作業時間たりの掘削費を低減すること,1 本当たりの生産量や還の短縮が可能となるものを目標と設定し,掘削費削減に元量を増加させて坑井本数を削減することなどの種々の取り組み,その結果,改善効果が得られることが示されアプローチがあるが,その基本的な考え方を示す。ている5)(図―)。. 掘削費の削減◯坑井 1 本当たりの掘削費の削減掘進率の向上による工程短縮掘削トラブルの回避による工程遵守掘削費の分析と作業内容の改善によるコスト削減◯坑井 1 本当たりの生産量・還元量の増大及び長寿命化大径仕上げよる 1 本当たりの生産量・還元量の増加坑井刺激(水圧破砕,酸処理)による 1 本当たりの生産量・還元量の増加.おわりに地熱エネルギーは,国産の資源(再生可能エネルギー)として,最近再びその開発が期待されている。我が国での最初の地熱井は 1953 年に大岳(大分県九重町)で掘削された調査井 OT1(最終坑径 53 mm ,深度 300 m )と言われおり,既に 60 年以上も経過している。多くの年月は経過しているが,坑井掘削は地域の特異性や多岐に亘る技術上の問題点がまだ多く共存しており,これらの問題解決が重要である。今後の新たな調査・開発においても深部高温地帯の掘削や自然公園内への偏距の大き耐食ケーシングの採用による坑井の長寿命化な高傾斜井など難易度の高い掘削作業が要求される。今スケール防止対策による坑井の長寿命化までの経験やデータを十分に活用するとともに新しい技◯その他術の採用も積極的に進めることが今後も大切である。計画,発注,現場監督,データ纏めの一連の流れを総合的に行う管理技術の向上掘削会社やサービス会社との契約方式や資材購入方式等の工夫(複数年契約,複数社での共同契約や資材共同購入)逸泥対策や多坑仕上げ(坑口 1 ヶ所に対して蛸足参1)2)3)のように複数の坑井)等の新たな技術開発. Technical Limit 法4)掘削時間(≒掘削費)を短縮するために TechnicalLimit 法の考え方をもとに,近傍で掘削された掘削実績や過去に掘削された他地域の掘削実績における作業時間を分析し作業時間短縮をする手法がある。これによれば,February, 20175)考文献斎藤清次 21 世紀のエネルギー地熱,日本地熱学会,pp. 104~105, pp. 107~108, 1993.財 新エネルギー財団地熱調査井の掘削標準・指針(改訂版),pp. 1~3, 2003.上滝尚史地熱発電の潮流と開発技術,サイエンステクノロジー,pp. 231~233, pp. 245~246, pp. 256~261,2011.資源エネルギー庁21世紀に向けた発電技術懇談会地熱部会(中間報告),p. 58, 2011.田中彰一掘削技術の現状と動向,地熱井掘削保安・技術研修会テキスト,新エネルギー財団,p. 3, 2004.(原稿受理2016.10.12)19
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  • タイトル
  • 丘陵斜面下部に分布する想定し難い地質分布の2 事例―崩積土の下の厚い沖積粘土と支持基盤の傾斜の例―(報告(投稿))
  • 著者
  • 高木 俊男・橋田 明良・鈴木 秀寿
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 20〜23
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090011
  • 内容
  • 報告丘陵斜面下部に分布する想定し難い地質分布の事例―崩積土の下の厚い沖積粘土と支持基盤の傾斜の例―Two irregular geological structure cases: thick alluvial clay under the colluvium of hill area,and irregular incline or depression of the engineering base surface under the alluvium.高木俊男(たかぎ株復建調査設計橋としお)技術課長鈴木田明良(はしだ株 復建技術コンサルタント秀寿(すずき株 復建技術コンサルタントあきら)理事ひでとし)担当課長. は じ め に橋梁等の基礎検討において,支持基盤及び耐震基盤の深度や分布は重要な検討要素である。検討の上で,直接情報の得られるボーリング調査は不可欠であるが,それを補完するのに一般に地形情報が用いられる。しかし,直接見ることのできない軟弱地盤下の支持基盤傾斜や埋没谷の存在なども知られていて,注意が喚起されている1)など。一方,丘陵部は,地形なりに比較的浅部に構造物の支持基盤となる岩盤や洪積層が出現すると予想される箇所であり,一般に丘陵と平野の境界が沖積層と岩盤図―調査地付近(○)の地形状況と計画線形(国土地理院25 000色別標高図)や洪積層の境界であると考えられている。本稿では,橋梁基礎調査において丘陵斜面下部に厚い沖積層が分布することが判明した事例について報告する。ング調査が実施され,この計画を基に追加ボーリングとこうした地層分布は,河川の攻撃斜面と地すべり等の斜橋梁詳細設計を実施した。沖積面が狭く,緩い傾斜があ面崩壊によってもたらされたと考えられる。一般的にこることから沖積層下の支持基盤の傾斜などが想定された。うした地層分布は想定しにくいケースと考えられ,類似起点側の崩壊地形は,上部滑落面に露岩が見られ,尾根した地形条件での調査・設計検討において留意すべき事に挟まれた緩い凹形地形であることから,厚い崖錐は想象として報告する。定しにくい。.調査地の地形・地質.調査計画調査位置は三陸沿岸北部の沿岸域であり,東に延びる計画区間における IC 橋概略設計時にボーリング調査幅の狭い丘陵とこの間の沖積面が分布する。沖積面の幅が実施されていて,地形から見て概ね矛盾のない地質断はわずか160 m 程度であり,流域面積の狭い小河川が 2面が想定されていた。これを基に構造物毎の追加調査を本尾根間の谷へ合流して,沖積層を形成したと思われる。行い IC 橋詳細設計を実施することとした。計画されている三陸沿岸道の起点側及び終点側の丘陵斜計画橋梁は流域の狭く短い河川によって形成された沖面には崩壊地形があり,終点側はゆるい谷地形を成して積平野に位置し,基盤の傾斜や丘陵・沖積平野にまたがいる(図―)。る橋脚位置もあるため,6 径間 5 橋脚案をベースに11本丘陵と沖積層下位には中生代白亜紀の砂岩層が分布すのボーリングを計画した。復興路線のため施工時期が迫る。砂岩層は細粒砂岩主体で泥岩層が挟在する。沖積層っている道路であり,調査責任者が現地にて柱状図整理は細粒砂質の粘土と砂,礫よりなる。礫中にはチャートを実施して設計担当に随時送付し,双方の協力で断面図や花崗岩などが分布し,流域外の地質であるため,周辺作成を実施して調査と設計を進めた。また,この区間にの段丘堆積物からの 2 次的な供給と考えられる。問題計画中の県道に接続する ON ランプ, OFF ランプの橋となるような断層破砕帯や大規模な地すべりは分布しな梁設計も同時に実施し,ON,OFF 各ランプ橋台計画位い。置にておいて 4 本のボーリングを計画した(図―)。調査地では,両丘陵間に三陸沿岸道の IC 橋及び県道よりのランプ橋が計画されている。概略設計時にボーリ20地盤工学会誌,―() 報図―図―February, 2017告調査箇所付近の地質分布とボーリング位置図概略設計時の地質想定縦断図(上図)と詳細設計追加調査後の地質縦断図(下図)21 報告の沖積粘土層が分布することが判明した。山側の BV1. 調 査 結 果では,6 m の崖錐の下に支持基盤の砂岩層が分布するこ. 調査区間に出現する地質とが判明した。当初計画位置での直接基礎での A1 橋台調査区間には,白亜紀の砂岩層が分布する(図―,計画は見直しが必要と思われ,山側に追加ボーリングを図―)。N 値は50以上を示し,CL~CM 級の軟岩で,行って基盤深度を把握し, IC 橋設計の見直しをするこ棒状コアで採取される。橋梁基礎の支持基盤として適しととした。支持基盤は追加ボーリング箇所から BV1 にている。主に細粒砂岩よりなり,泥岩層を挟む。終点側かけて急傾斜で落ち込んでいることが判明した。丘陵部では,斜面下部に 3~4 m 程度の厚さで砂岩の強. 設計側の対応風化部が出現する。風化砂岩の N 値は 6 ~ 30 未満の場合が多い。沖積面下には沖積層が分布する。調査地中央A1 橋台位置を山側に10 m 移動し,橋長及び支間割りに秋田川があり,沖積層はこの付近で層厚 11~ 12 m 程を IC 橋全体にわったて見直すこととした。 P1 橋脚は,度である。中央付近から終点側丘陵に向かって層厚を減岩盤への根入れを確保した杭基礎にて設計した。起点側の支持基盤の深い箇所での出現終点側の基盤の傾斜じる。基底付近に花崗岩やチャートの玉石を主体とする礫が分布し,砂質粘土を主体とする粘土層が分布する。P5 橋脚では R 側の深い支持基盤深度で躯体高を見直粘土層は薄い有機質粘土と砂質粘土よりなる。有機質粘し直接基礎にて設計した。P2~P4 の支持基盤傾斜箇所土は褐色の腐植物を多く含む。砂質粘土は細粒砂を多くでは,深い方に合わせて杭基礎の設計を実施した。含む。沖積層中部及び下部に局所的に礫層及び砂層が分布する。起点側斜面下部には今回調査で最大約 6 m の.考察厚い崖錐層が分布することが判明した。また,丘陵斜面. 丘陵斜面下部の厚い沖積粘土層の出現について下部にもかかわらず,この崖錐の下に厚い沖積粘土層が図―下図に示したように,沖積面中央の秋田川付近から起点側丘陵にかけての沖積層基底深度はほぼ水平に分布することも今回調査で判明した。近く,丘陵斜面下部で砂岩層と沖積層の境界が急傾斜で. 設計上問題となる地質分布立ち上がっていること,厚い崖錐が斜面下部にあり,沖終点側の支持基盤層の傾斜各橋脚箇所のほとんどで横断方向に支持基盤層の傾斜積層を覆っていることから,かつて基底立ち上がり箇所が見られた。場所によっては,下流側が深く掘削される付近に秋田川の攻撃斜面があり,斜面上に小規模な地す逆勾配箇所も分布することが判明した。特に問題となっべり土塊が分布したことが想定される。たのが,終点側の P5 橋脚箇所である(図―)。支持地すべり末端が洪水時などに洗掘されて崩壊が起こり,基盤深度が CL 付近では GL3m 程度なのに対し,R 側崩壊土砂が丘陵裾野を沖積層側に広げるとともに秋田川10 m で GL 5.5 m であり, R 側(河川下流側)に深くを埋積して川筋を中央側に移動させたと思われる。そのなっていることが判明した。後,秋田川は崩積土砂を洗掘することなく沖積層の埋積起点側橋台と P1 橋台箇所の深い深度の支持基盤が完了し,現在に至ったと思われる。このため,厚い崩積土が斜面末端と沖積層を覆って丘陵の裾野を広げたと層出現起点側のボーリング調査は,中央 P2 橋脚付近から考えられる。こうした箇所の支持基盤を地形分布から想P1 橋脚,A1 橋台へと調査を進めた(図―)。P1 橋脚定することは困難であると思われ,類似した地形条件で箇所の調査時に,支持基盤である砂岩層の出現深度がは注意が必要と思われる。GL11 m 付近であり,当初の想定深度である GL6~ 7. 終点側の支持基盤の傾斜についてm よりも深いことが判明した。また,丘陵に位置するP5 橋台付近は,丘陵から沖積面に位置する箇所であA1 橋台付近では BV 2 で 4.5 m の崖錐下に 7 m の厚さり,当初から支持基盤層の傾斜は想定されたが, BV 図―22終点側 P5 付近地質横断図地盤工学会誌,―() 報10 付近は沢の出口に位置し,低海水準期に沢による基盤掘削があった可能性がある。また,秋田川自体が流域告リアス式海岸の沿岸域等で,山地が沿岸部まで迫っている狭い沖積平野の狭い小河川であり,エネルギーが小さいため洗掘が沖丘陵斜面下部に近い沖積層基底積基底全面に十分でなく,傾斜や凸凹を残したまま埋積斜面上部に崩壊地形・地すべりがあるが進んだ可能性が高い。三重県紀北町において支持基盤沢地形の出口にある沖積層基底傾斜を確認できず基礎杭深度が側方で支持基盤に届いて上記のような箇所での大規模な橋梁設計等の場合,支なくて橋台沈下を起こした事例1)もリアス式海岸の沿岸持基盤傾斜を想定した複数のボーリング調査や物理探査域で,山地が沿岸部まで迫っている狭い沖積平野であり,とボーリング調査を併用した支持基盤形状の想定を当初類似した地形条件では注意が必要と思われる。から実施することが望ましい。. まとめ三陸沿岸における橋梁設計時の地質調査において支持基盤深度の想定が困難と思われる事例について報告した。1 つは丘陵に近い箇所での沖積層基底の傾斜であり,も参1)考文献奥野慶四郎想定外の地質構造で橋台が沈下―急傾斜した支持層に基礎杭が届かず―,日経コンストラクション,No.2014.4.28, pp.26~29, 2014.(原稿受理2015.10.6)う一つは丘陵斜面下部に厚い沖積粘土が分布する事例である。要注意となる地形地質条件は以下である。February, 201723
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  • タイトル
  • 老朽化した吹付工の補修・補強工法の開発(技術紹介)
  • 著者
  • 高柳 剛・窪塚 大輔
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 24〜25
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090012
  • 内容
  • 技術紹介老朽化した吹付工の補修・補強工法の開発Development of Repair and Reinforcement Work for Decrepit Shotcretes on Cutting-slope高柳剛(たかやなぎ(公財)鉄道総合技術研究所地盤防災つよし)副主任研究員. は じ め に窪塚株日特建設大技術本部輔(くぼづかだいすけ)防災工学研究室課長代理(図―)。当開発工法は,繊維補強モルタル吹付で老朽化した既設吹付工の表面を被覆補修すると同時に RC 構鉄道においては施工から数十年以上が経過した吹付工造の受圧板(以下,吹付受圧板と呼ぶ)を斜面上に複数が多数存在し,老朽化した吹付工の維持管理が問題とな構築し,この吹付受圧板と地山補強土工3)を組み合わせってきている。て一体的に吹付法面を補強する工法である。なお,この 経年に伴う吹吹付工の老朽化の原因としては,主に◯ような既設吹付工の上から補修・補強を行う工法として, 吹付工と背面地山の密着性の低下,付工自体の劣化,◯他にも格子枠工と地山補強土工を既設吹付工の上から実 吹付工背面の地山の劣化の 3 点が挙げられる。この◯施する方法が存在するが,当開発工法は格子枠工よりもような老朽化の原因に応じて,吹付工に亀裂・吹付工背構造が簡素であり,また吹付受圧板の効果として格子枠面の空洞形成・はらみ出しなどの変状が生じることがあ工と同等の法面工低減係数 m を期待できる点に特徴が 吹付工背る。このような吹付工の老朽化現象のうち,◯ある。なお同係数は地山補強土工法の設計係数であり,面の地山の劣化を伴う場合には,最終的に斜面崩壊に発一般的な吹付工の場合は m=0.2~ 0.6,格子枠工の場合展する可能性があるため特に注意が必要である(図―)。は m=0.7~1.0として評価される3)。そこで今回は吹付工背面の地山の劣化を伴う老朽化吹付工に適用する新しい補修・補強工法について開発した.吹付受圧板の法面工低減係数ので,その成果について報告する。なお,このような地吹付受圧板は鉄筋等より構成される補強部材2)と繊維山の劣化に伴う斜面崩壊については,概ね 1~2 m の規補強モルタルから構成される剛な RC 構造の受圧板であ模の崩壊深さが懸念されることが多いため1),当開発工るが,受圧板として高い性能( m = 0.7 ~ 1.0 )を期待す法の対象とする崩壊深さを 2 m 以下とした。るためには地山補強材の最大引張り力 Tmax と同等の力.対策工の概要が受圧板へ作用した場合でも破損しない十分な強度を受圧板が有している必要がある。本工法は地山の劣化部の老朽化した吹付工に適用される対策工として,背面地厚さが 2 m 以下の場合に適用することを条件とし,そ山の劣化を伴わない場合には,例えば繊維補強モルタルの条件では引張り材の最大引張り力 Tmax は概ね 50 kN/を既設吹付工に増し吹きし,背面地山の劣化を伴う場合本以下になることを斜面安定解析より確認した。そこでには,例えば既設吹付材をはつり取った上で背面地山の吹付受圧板が上記の最大引張り力 Tmax = 50 kN に対し劣化部を整形して新たに格子枠工を施工するなどの措置て十分な強度を有することを確認する目的で,吹付受圧がこれまで取られてきた。ここで,既設吹付工をはつり板の供試体を用いた鉛直載荷実験4)を実施した(写真―取る方法は,鉄道の近接作業でははつりガラの搬出など,図―)。吹付受圧板の鉛直載荷実験の結果の一例の問題から適用が困難な場合があった。そこで地山の劣を図―に示す。この結果から,吹付受圧板は目標の荷化が懸念される老朽化吹付工に対して,既設吹付工をはつり取らずに補修・補強が可能な対策工法2)を開発した図―24風化による吹付工の変状及び不安定化図―新たに開発した対策工の概念図2)地盤工学会誌,―() 技術紹介写真―吹付受圧板の鉛直載荷実験の状況写真―遠心模型実験による斜面崩壊状況5)表―図―遠心模型実験の実験結果5)吹付受圧板の鉛直載荷実験の概要(断面)実験ケースおよび実験結果を表―に,斜面崩壊の代表的な事例を写真―に示す。模型地盤の補強材の間隔Sm と,斜面崩壊時の遠心加速度 a の関係から,実物大の地盤で斜面崩壊が発生する補強材の打設間隔 Sp を評図―吹付受圧板の鉛直載荷実験の結果価すると,受圧板が無いケースでは打設置間隔 Sp が概ね1.5 m を超えた状況で崩壊が発生しているが,受圧板重に耐える強度を有しており,受圧板として十分な性能(m=0.7~1.0)を発揮できることを確認した。.地山補強土工の打設間隔の検討があるケースでは打設置間隔 Sp が概ね 2.0 m を超えた場合に崩壊が発生している。一般的な地山補強土工の最大打設間隔は1.5 m が目安とされることが多いが,今回の実験結果に基づき,地山補強土工法と剛な吹付受圧板地山補強土工の設計手法では斜面の計画安全率 Fsp がを組み合わせて切土法面に適用する本工法の場合では,確保される限りにおいて,地山補強土工の打設本数を低概ね2.0 m 程度まで最大打設間隔を広げることができる減するほど施工コストを低く抑えることができる。一方ものと考える。で,地山補強土工の打設間隔を広げすぎると,設計計算上は十分な斜面安全率 Fs が得られていたとしても,補.おわりに強材間で緩みが生じて部分的な中抜け崩壊が発生する懸本稿では背面地山の劣化が懸念される老朽化吹付工を念がある。ここで剛性が高い吹付受圧板を斜面上に敷設対象とした補修・補強工法として吹付受圧板工法を紹介する場合には地山表層が拘束されるため,補強材間の部した。詳細については参考文献 2)を参照されたい。分的な中抜け崩壊が発生し難くなる効果が期待できる。そこで,補強材間の部分的な中抜け崩壊の発生が懸念される最大間隔と受圧板の関係を把握することを目的に遠心模型実験を実施した5)。本実験においては,地山の土砂化した劣化部を砂地盤参1)2),粘着(乾燥密度 rd=1.45 g/cm3,内部摩擦角 q=36.3°力 c=2.05 kN/m3)により模擬し,その劣化部に地山補強土工が施工された状況を再現した模型地盤(斜面長3)4))を用いた。なお非 RC 構造であ350 mm,斜面勾配70°る吹付工には斜面の補強効果を期待しないものとして本模型地盤には構築しなかった。遠心模型実験では遠心加速度 a (G)を増加させると,模型の地山補強材の打設間隔 Sm が a 倍に拡大すること5)考文献斜面等健全性検討研究委員会老朽化吹付け法面の調査・対策の手引き,鹿島出版会,pp. 8~10,2006.(公財)鉄道総合技術研究所老朽化吹付のり面の補強工設計・施工要領―吹付受圧板工法 FSC パネル―,(公財)鉄道総合技術研究所,2016.地盤工学会地山補強土工法設計・施工マニュアル,丸善出版,2011.高柳 剛・太田直之・窪塚大輔・宇次原雅之補強モルタル吹付工を用いたのり面工の破壊強度に関する実験的検討,地盤工学研究発表会,2015.高柳 剛・小井戸菜海・関栄・高橋章浩受圧板が地山補強土の補強材間隔に与える影響の評価,土木学会全国大会,2014.(原稿受理2016.10.30)に相当する。ここで,遠心加速度 a を増加し続けると表層の不安定性が低下して最終的には斜面崩壊に至る。February, 201725
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  • タイトル
  • 風化現象と変形挙動の記述(寄稿)
  • 著者
  • 菊本 統
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 26〜27
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090013
  • 内容
  • 風化現象と変形挙動の記述Description of Weathering Phenomena and Deformation Behavior菊本統(きくもと横浜国立大学まもる)准教授. は じ め に風化は地表近くで岩石が風雨や太陽光にさらされたり,生物と接触したりして変質する現象である。一般に風化は長い年月をかけて非常にゆっくり進行するため,地質学や地形学ではよく扱われているものの,地盤工学や土質力学の教科書に登場する機会は少ない。しかし,切土斜面では掘削により法面が露出した瞬間から新たに風化写真―神戸泥岩層(古第三紀)の切土斜面(a)掘削直後は岩塊を確認できるが,(b)一回の降雨を経た数日後には完全に細粒化していた。(筆者撮が始まって劣化が進行する(写真―)ため,比較的短い時間スパンで斜面に変状を来す事例が報告されている。影)また,掘削により発生した岩砕を盛土材等に利用する場合には,岩砕の新鮮な表面が外気や水に接触することで堆積軟岩は間隙が大きく水が移動しやすいため風化は進急速に風化が進み,沈下等を引き起こした事例も報告さみやすく,割れ目の挙動が支配的な硬岩に比べてその力れている。これらのケースでは風化に伴う地盤の変形や学特性は風化の影響を受けやすい。環境条件としては気破壊の予測が地盤工学的にも重要な課題になる。温と降水量の影響が強く,低温の地域では物理的風化これまで風化現象に関しては,主に風化のメカニズム(特に凍結風化),高温で降水量が多い地域では化学的風(発生要因や進行速度)に関する研究と,風化前後での化が卓越する傾向にある1)。ただし,両者は必ずしも別力学特性の変化に関する研究が実施されてきた。しかし,々に起こる現象ではなく,同時に進行しながら互いに影風化現象は岩石の力学特性の刻々の変化を伴うので,風響を及ぼしあうことに注意が必要である。例えば,物理化前後の力学特性を調べてそれぞれ別個の材料パラメー的風化により細粒化が進むと間隙水との接触面積が増えタを設定するだけでは,風化に伴う地盤の変形を評価すて化学的風化が促進されたり,化学的風化により岩石がるのは難しい。ここでは風化を簡単に説明するとともに,劣化すると物理的風化を生じやすくなったりする。その一つであるスレーキング現象を考慮した構成則の開発事例を紹介する。.様々な風化現象.スレーキングはなぜ発生し,なにをもたらすか日本には堆積した泥や砂が固結した泥岩や砂岩が広く風化には様々な発生過程があるが,物理的風化と化学分布している。また,年間降水量は世界平均の約 2 倍的風化に大別できる。前者は岩石の力学的な細片化で,であり,表層地盤は繰り返して乾湿履歴にさらされやす 乾湿風化(粘土鉱物の吸水膨張と乾燥収縮)◯い環境下にある。そのため,特に第三紀から第四紀の泥 凍結風化(凍結により間隙水が約 9体積膨張)◯岩や凝灰岩,頁岩の切土斜面やその岩砕を用いた盛土で 塩類風化(塩類の結晶成長圧)◯乾湿繰返しに伴う風化現象に起因する変状の報告が多い。 熱風化(岩石自体の熱膨張と収縮)◯ 応力変化による風化(氷河移動によるせん断・除荷,◯乾燥と湿潤により岩石が急速に細粒化する風化現象はスレーキングと呼ばれる。その発生要因には諸説あるが,上部地盤の侵食による除荷,植物根の侵入等)膨潤性の粘土鉱物であるスメクタイトの膨潤と乾燥収縮がある。打込み杭先端での顕著な応力変化による人為的 )の指摘が多い2)。一方,間隙空気の圧縮にの影響(◯ に加えてよいと筆者は考えな破砕も力学現象としては◯ )3) も指摘されているが,伴う引張の影響(広義には◯る。一方,後者は化学組成の変化を伴う現象で,試験結果に基づく反例4)も示されている。また,黄鉄鉱 水との接触による風化(塩類や方解石の溶解,加水◯分解,炭酸塩化,水和,黄鉄鉱の酸化,還元) 紫外線や微生物の分解作用による風化◯などがある。卓越する風化の種類は,主に岩質と環境条件で決まる。26 )の影響の指摘5)もある。このようにスレーの酸化(◯キングのメカニズムは必ずしも明らかでないが,乾湿繰返しに伴う堆積岩の風化の進行速度や発生形態は多様(写真―)で,乾湿繰返しも複数の物理・化学現象が同時に進行すると考えられるため,多者択一に発生要因地盤工学会誌,―() 寄写真―稿泥岩の多様なスレーキング特性6) ( a )神戸泥岩は一回の湿潤で完全に泥濘化する一方,(b)高崎泥岩は徐々に層状に細粒化し,(c)秋田泥岩は殻が剥けるように表面が剥離した図―掛川泥岩の一次元圧縮条件下での乾湿繰返しに伴う圧縮挙動と状態変数として粒度指標 IG を用いた限界状態モデルによる解析の比較6),9)を決めるのではなく,岩質や水質といった条件ごとに卓越する発生要因を解明・分類することが重要である。スレーキングにより岩石の風化が進むとピーク強度がここではスレーキングを一例として説明したが,粒度特低下して切土斜面の崩壊や地すべりの要因になることが性の発展則をさらに拡張することで他の物理・化学現象ある。また,スレーキングにより岩砕が細片化すると均もある程度,記述できるのではと考えている。今後も地等係数が増加するように粒度が変化して,最大・最小間質学や地形学といった関連分野の研究動向に着目しつつ,隙比は減少して圧縮性が増す。このため圧縮応力下でス構成則の研究開発を続けていきたい。レーキングは顕著な圧縮を引き起こし(図―)6) ,岩砕盛土の不同沈下等の原因となる。また,透水性に関して,インタクトな岩石が風化する際には割れ目が卓越し参1)て透水性は増加するが,岩砕が細粒化する場合には,比表面積の増加や細粒分による間隙の充填効果により透水性は低下し,保水性は高まる傾向にある。.2)スレーキングをどのように記述するか3)地盤材料の構成則は様々な観点で研究開発が続けられているが,構造特性の消失7) や粒子破砕8) など材料特性4)の変化を表現する方法の開発も進められている。岩砕のスレーキングは発生要因こそ異なるものの,細粒化して5)圧縮性が増大するという点で粒子破砕によく似ている。これに対して,6)粒度特性を粒度のスカラー指標 IG に単純化し,粒子破砕による粒度変化を IG の発展則で表すとともに,7)粒度指標 IG の増加(細粒化)を,最大・最小間隙比と同様の参照間隙比の低下に関係付けることで粒子破砕を考慮した構成則8)をベースとして,乾湿による細粒化8)も考慮できるように粒度指標 IG の発展則を拡張したモデルでは,図―に示したような乾湿繰返しに伴う細粒化と顕著な圧縮挙動をよく再現できることが分かっている9)。9)考文献Peltier, L. C.: The geographic cycle in periglacial regionsas it is related to climatic geomorphology, Annals Assoc.American Geographers, Vol. 40, No. 3, pp. 214236,1950.例えば,Matsukura, Y. and Yatsu, E.: Wetdry slakingof tertiary shale and tuŠ, Trans. Japan GeomorphologicalUnion 3, pp. 2539, 1982.Terzaghi, K. and Peck, R. B.: Soil mech. in eng. practices, John Wiley & Sons, pp. 146147, 1967.Nakano, R.: On weathering and change of properties oftertiary mudstone related to landslide, Soils and Foundations, Vol. 7, No. 1, pp. 114, 1967千木良雅弘・大山隆弘堆積性軟岩の風化過程の工学的重要性,電力土木,Vol. 241, pp. 1~6, 1992.Kikumoto, M., Putra, A. D. and Fukuda, T.: Slaking anddeformation behavior, G áeotechnique, Vol. 66 No. 9, pp.771785, 2016.Rouainia, M. and Muir Wood, D.: A kinematic hardeningconstitutive model for natural clays with loss of structure, G áeotechnique , Vol. 50, No. 2, pp. 153164, 2000.Kikumoto, M., Muir Wood, D. & Russell, A.: Particlecrushing and deformation behaviour, Soils and Foundations, Vol. 50, No. 4, pp. 547563, 2010.福田拓海・菊本 統・松本亜里沙・京川裕之スレーキング現象と変形挙動の構成モデリング,第59回地盤工学シンポジウム論文集,pp. 599~606, 2014.(原稿受理2016.11.18). お わ り に地盤材料の風化や侵食には粒度変化を伴う現象が多い。February, 201727
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  • タイトル
  • 航空工学から地盤工学へ「天下った」俊英たち(寄稿(投稿))
  • 著者
  • 吉見 吉昭
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 28〜29
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090014
  • 内容
  • 航空工学から地盤工学へ「天下った」俊英たちSome Exceptional Talents Who Descended from Aeronautical Engineering toGeotechnical Engineering吉見吉昭(よしみ東京工業大学終戦後,占領軍によって日本での航空機の製作と研究よしあき)名誉教授概念は,実用的液状化判定法として先駆的なものである。が10年間禁止されることになった1)。大学や工業専門学その後も,砂地盤における基礎杭の先端抵抗に関して産校の航空学科も廃止されたが,東大では航空学科が応用官学を横断する BCP 委員会という共同研究を主宰し,数学科などに転換されたそうである。航空学科の卒業生現場実験によって,塑性論に基づく定説をくつがえす重と在校生は,突然の方向転換を迫られたわけで,さぞ戸要な結論を得たほか,本学会では副会長を務めた。ヘ惑ったことであろう。戦時中は,航空学科は憧れの的で,ビースモーカーであったためか, 59 歳という若さで他入試は超難関だったから,優秀な頭脳の持ち主ばかりで界されたことは誠に残念である。東大航空学科で小泉さんと同級の網干寿夫さんあった。ほとんどの航空技術者は他の工学(1925~2011年)は広島大学の土木工学科で地盤工学を分野に転出したと思うが,建設工学専攻する道に入られた。「粘土地盤の二次圧密を含む圧もその一つであった。すでに東大航密沈下の予測に関する一連の研究」によって 1987 年度空学科を卒業して技術将校となっての本学会の論文賞を受けたほか,地盤改良工法の開発により ひこおられた方の一人が大崎順 彦 さんも努められた。また,「外国から技術を貰うだけでは駄(1921~1999年)である。建設省建目で,日本からも積極的に国際学界に発信すべし」とい築研究所を立ち上げようと人材を求めておられた竹山謙三郎氏にスカウ写真―大崎順彦さんうのが持論であった。一方,啓発活動にも熱心で,『エコ・マテリアル新報』という「ファイバードレーン工法トされて建築工学の研究を始めるこ研究会」が編集・発行するタブロイド紙に「現代日本のとになった。誰の発案かは知らないが,米国イリノイ州地盤工学の先達」と題する網干さんご自身によるインタのノースウェスタン大学大学院2)のシビルエンジニアリビュー記事を連載された。私も先達の一人に選ばれる光ング(土木および意匠設計以外の建築)専攻に 1 年間栄に浴した。網干さんがインタビューに備えて私に関す留学して土質力学を含む建設工学を学んだ。大崎さんはる情報をホームページ4)や同級生の小泉さんの話などか帰国後,建物の沈下に関する論文によって工学博士の学ら克明に集める努力をなさっておられたことには敬服し位を取得したほか,『地震と建築』,『地震動のスペクトた。ル解析』などの有益な本を書き,地震と地盤のエキス山口柏樹さん( 1923 ~ 1993 年)は終戦の翌年に東大パートとして指導的役割を果たした。鋼管杭などの長大の航空学科から土木工学科に転科し,最上武雄教授に師杭の開発にも熱心に取り組まれた。本学会に関しては,事して土質力学を専攻した。「土の塑性力学的研究」に創刊当時の英文雑誌の編集に協力されたほか,副会長とよって 1974 年度の本学会の論文賞を受けたほか,歯ごして学会の運営にも参画した。建築研究所勤務の後は東たえのある本格的教科書として定評のある『土質力学株 副社長3)を歴任したほか,大崎総合大教授・清水建設(講義と演習)』などを書かれた。 1964 年に私が東工大研究所というコンサルティング会社を創立し,学界にも建築学科の助教授になってすぐ,創設された土木工学多くの人材を輩出した。この会社は現在も活動中である。科5)の教授の一番乗りとして赴任された。初めは私が米建築研究所の大崎さんの下には,東大航空学科在学中国帰りの建築系地盤工学者ということで,若干理解しにに終戦を迎え,応用数学科に移ったくいと見ておられたようであるが,小泉安則さん( 1924 ~ 1983 年)が気心が知れてくると,非常に打ち解おられたが,彼も上記のノースウェけて,弟のように可愛がって頂いた。スタン大学に 1 年間留学した後,『吉見研究室記念文集』には「吉見関東ローム地盤上の建物の沈下に関さんは建築出身としては珍しく()する論文によって工学博士になった。物理的思考に長じていると感心して1964 年新潟地震の後で,地震前後いる」とのお言葉を賜った。本学会の標準貫入試験結果を比較することによって提案した「限界 N 値」の28写真―小泉安則さんの論文賞と技術賞のほか,土木学会の著作賞に『砂地盤の液状化』と題写真―遠藤正明さん地盤工学会誌,―() 寄する私の本を推薦して頂いたのも山口さんである。稿私がこのような素晴らしい方々と親しくお付き合いでき遠藤正明さん( 1926 ~ 2005 年)は,横浜工業専門学たのは,幸運としか言いようがない。網干さん以外の方校(現横浜国立大学理工学部)の航空機科で学んだ後,々が 80 歳になる前に鬼籍に入られたことは誠に残念で1947 年に東工大の建築学科に入学した私の同級生であある。る。大学卒業後は竹中工務店に入社し,山留めや長大杭上記のほかにも該当者がおられるかもしれないが,私の施工に関する研究開発を一貫して行い,若くして研究と親交のあった故人に限らせて頂いた。当然ながら,航所長に抜擢され,専務にまでなった。「大口径グイの載空工学由来の技術者以外にも本学会には多くの俊英がお荷試験方法と試験結果検討法の開発」によって 1967 年られる。度の本学会の技術賞を受けたほか,副会長を務めた。地盤工学を含む多くの工学分野における,一騎当千の1983 年には藍綬褒章を受章している。彼が航空関連学元航空技術者たちの活躍が戦後復興に多大な貢献をした科出身と知ったのは,かなり後のことである。同級生のことは疑いないが,その反面,航空工学の国際競争力の中で一番の親友であった。実は私がカーネギー工大から回復に関しては,研究開発の中断と人材の流出がマイナ母校の東工大に戻ってきたのは,海外出張の途中で遠藤スの影響を与えた可能性は否定できないと思われる。さんがピッツバーグに立ち寄って,熱心に説得してくれたお蔭である。航空工学から地盤工学へ,普通とは違う良い意味で彼拙稿に目を通して貴重なご意見を賜った広島工業大学の岸田隆夫教授ならびに NHK の中村幸司解説委員に謝意を表します。等は「天下った」と言える。これだけ優秀な頭脳が地盤工学の分野に流入してくれたのは,敗戦による航空産業の廃止が無ければ実現しなかった奇跡である。優れた遺注1)伝子が導入されたとも言える。比較的若いこの分野が早く国際水準に達したことに対する彼等の貢献は極めて大2)きかったと思う。彼等に共通していたことは,聡明さと,小事にこだわらない大らかさであった。航空工学を離れて初心を貫徹できなかったことに愚痴をこぼすことは一切なく,常に前向きであった。飲み会でも,ゴルフ場でも,碁盤の前でも,皆さんはいつも楽しい仲間であった。3)4)5)記朝鮮戦争(1950~1953年)の際は,「背に腹はかえられない」というわけで,米軍機の修理や部品供給が許されたようである。ノースウェスタン大学大学院に関しては,大崎さんは私の先輩で,小泉さんは後輩に当たる。大崎副社長には,大学を定年になった私を顧問として会社に迎えて頂いた。http://yoshimiyoshiaki.la.coocan.jp/index.htm土木出身だった田中角栄蔵相の鶴の一声のお蔭で,学科の設立が異例の早さで承認されたと聞き及んでいる。(原稿受理February, 20172016.10.21)29
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  • タイトル
  • 最近の締固め工法について思うこと(投稿)
  • 著者
  • 野津 光夫
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 30〜30
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090015
  • 内容
  • 最近の締固め工法について思うことSome Consideration about recent Soil Compaction method野津株 不動テトラ.光夫(のづ地盤事業本部みつお)国際部担当部長表的な締固め/液状化対策工法である。改良地盤の数値粒度と締固め解析シミュレーションでは, SCP 部分の剛性だけを上鳥取県の鳥取砂丘近くに“砂の美術館”(http://www.げた形でモデル化されることがよくあるが,ここでは現sandmuseum.jp/)という観光スポットがある。先日帰場の正しい認識も必要と思う。実際の地盤内では,砂杭省の際に初めて訪問してみたが,なかなか見事で精巧なによる圧入効果により,初期応力状態は大きく変化して砂像彫刻の数々であった。世界中の専門彫刻家が年に一いる(水平方向の応力が増大)。また最近では SCP によ度集まり,砂と水だけでさまざまな彫刻を作り上げている改良地盤で,長期的に不飽和状態が継続していることる。作り方は上記ホームページにも出ているが,基本的が報告されている3)。これはケーシングパイプから砂をに水締め後の彫刻である。興味深く新鮮だったのが,ど押し抜く際にパイプ内にかける圧縮空気(約 10 m3/分)うも鳥取砂丘の砂の粒度分布が,この締固めによる砂像が周囲に漏れ出すために生じるものであるが,これらの彫刻にはちょうどいいらしいということだった。副次的効果(冗長性)も解析や実務面で正しく考慮してここで思い出すのは,筆者が経験した海外での苦労話である。米国のフロリダ州で既存の空港滑走路直下のラいくことが必要ではないかと思う。一方で,世界ではストーンコラム( Stone Column )イムストーン層を一定振動(10 Hz)の表層締固め(タ工法が一般的に使われている。これは SCP とは全く異ンパー)工法で施工していたとき,写真―のような深なる振動機械と施工方法を用いるものであるが,ニューさ数 m におよぶ礫層に出会ったことだった。これは,ジーランドのクライストチャーチ地震( 2011 )では,大きさ数 cm 程度の単粒状石灰岩層で,微生物によってストーンコラム工法で改良された地盤が液状化し,市内作られた粘質部分が海面低下とともに洗い流されてできのスタジアムが大きく沈下し破損したと報告されていたものである。最大・最小間隙比がそれぞれ1.335, 1.092る4)。これは前記の副次的効果がなかったことも一因でで,砂分も含まれず何をやってもとても締め固められたはないかと思われる。先の東北大震災において千葉県のものではなかった1)。均等係数 Uc = D60/ D10 が大きい方浦安地区などでは SCP による改良地盤で大きな効果がが締固めしやすいと言われているが,さしずめこのフロあった。上記副次的効果について今後実際に計測し確認リダの地盤では Uc はほぼ 1 に近いものだった。このとしていただければ貴重なデータとなると思う。なお不飽きはさすがに締固めをあきらめて,礫杭打設による荷重和化の確認は P 波速度の計測だけでもある程度可能で直接支持形式に設計変更した。表層締固め工法では,改ある。良効果は, E =(荷重)×(落下高)×(落下回数)に絶対的に比例するはずである1)。最近はどうみてもE の小さ日本の地盤改良技術は世界的にも注目されており,世界に向けての今後の積極的な情報発信も大切と思う。な表層締固め工法も出てきているので,注意が必要である。なおこのような海外での特殊土の地盤改良では,膨張性粘土のセメント混合でも品質確保に苦労している2)。.サンドコンパクションパイルによる締固めサンドコンパクションパイル(SCP)工法は日本の代参考文献1)野津光夫・松下和紀・榊原 優ライムストーンと砂の混合地盤上の空港滑走路拡張工事における MVT による表層締固め,第50回地盤工学研究発表会,2015.2) 野津光夫ほか米国ニューオリンズにおける堤防嵩上げのための深層混合処理工とモンモリロナイト系現地粘土のセメント撹拌特性,地盤工学会誌,2012.3) 岡村未対・石原雅親・田村敬一SCPで改良された砂質土地盤の 26 年後の飽和度,第 38 回地盤工学研究発表会,pp. 2027~2028, 2003.4) Misko Cubrinovski, et.al.: Geotechnical Aspects of the22 February 2011 Christchurch earthquake, Bulletin ofthe New Zealand Society for Earthquake Engineering,Vol. 44, No. 4, December, 2011.(原稿受理写真―302016.5.9)フロリダの粒状石灰岩層1)地盤工学会誌,―()
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  • タイトル
  • 望月寒川放水路トンネル工事の紹介(寄稿)
  • 著者
  • 中野渡 博道
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 31〜32
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090016
  • 内容
  • 望月寒川放水路トンネル工事の紹介Motsukisamu River ‰ood control tunnel construction by shield tunneling method中野渡博道(なかのわたりひろみち)学生編集委員(北海道大学大学院)水の取入口となる地下空間の躯体を構築する工事が行わ. は じ め にれており,吐口部ではシールドトンネルに支障となる落望月寒川は北海道札幌市豊平区の市街地を流れる一級差工の撤去工事が完了し,発進立坑構築作業が行われて河川である。普段は穏やかな流れの川に見えるが,大雨いる。シールドマシンによる掘削の発進設備は,一般にが降ると流量が大きくなり流下能力を超え,近年では平はどちらに設定しても良いが,本現場では呑口部が住宅成 12 年, 14 年, 26 年に浸水被害が発生している。周辺街にあることなどから,周辺環境や別工事との工期等をには住宅地が広がり,河道拡幅による河川改修は困難な考慮し,吐口部から発進することとしている。工期は平状況にある。このため大雨時にこの望月寒川上流部での成 26 年 12 月 23 日から 59 ヶ月間で,呑口部と吐口部の高流量を減らし浸水被害を低減することを目的として,河低差は約 4.2 m である。トンネル内径は 4.8 m で設計さ川改修工事が行われることとなった。れている。札幌市では望月寒川流域貯留浸透事業として公園や学. シールドトンネル校に貯留施設の整備を進めてきた1)が,北海道ではこれシールド工法は,シールドと呼ばれる鋼殻の内側で切と併せて望月寒川広域河川改修事業を行い,放水路トン羽の安定を保ちながら安全に掘削を行い,一次覆工であネルを整備することで治水を図っている。放水路トンネるセグメントをその後部で組み立てて,これに反力をとルの施工現場を見学する機会を頂くことが出来たため,りながらジャッキでシールドを推進し,トンネルを構築本稿はその工事について紹介する。する工法である。その後,シールドトンネル内部の平滑化の目的で二次覆工が行われる。シールド工法は大別す. 工 事 概 要ると 2 種類あり,開放型シールドと密閉型シールドであ本工事は望月寒川上流部で見込まれる増水時流量 50m3 / sのうち 45m3 / sる。前者は地山の強度に期待し地山の自立性を保ちながを,放水路トンネルを通じ精進川ら掘削を行う。後者はシールド隔壁全面に泥水や掘削土放水路を経て豊平川に放流し,下流域の氾濫や浸水被害砂を満たし加圧することで,切羽断面で掘削により解放を軽減するものである。放水路トンネルは札幌市豊平区される水圧や土圧を押え込み,安定を保つものである2)。西岡を呑口部とし,同区平岸を吐口部としてシールドマ. 泥土圧シールド工法シンによって掘削し建設するものであり,全長は 1 893本工事は市街地の地下にトンネルを構築するためシーm となる。掘削対象となる地盤は一級河川である豊平ルド工法により掘削を進めるが, 2 種類のうち密閉型川の扇状地であり,その堆積物が厚く存在する。吐口部シールドを採用しており,その中でも泥土圧シールド工から,完新世時代の砂礫層と,更新世時代の砂質シルト,法により掘削をする。泥土圧シールド工法は,掘削土砂鮮新世時代の軟岩層が主な構成となる複合土層が続く。に添加材を加えて塑性流動化したものをカッターチャンその後は呑口部まで,更新世時代の砂礫層が約 1.1 kmバー内に充満させることで泥土圧を発生させ,チャン続く(図―)。呑口部は沈砂池部,導水路部などの流バー内の圧力を制御して切羽の安定を図る工法である。図―February, 2017放水路トンネル施工箇所とそのルートに沿った掘削対象となる想定地質(地表から深さ 8~10 m 程度)31 寄稿掘削土砂はスクリューコンベアーを通りベルトコンベアー,ずりトロッコで立坑まで運搬され,坑外の土砂ピットに貯留後,バックホウでダンプトラックに積み込み運搬される。を架けるなど細心の注意がはらわれていた。.おわりに最後に本稿作成にあたり,北海道空知総合振興局の皆.の工事概要で述べた掘削対象の砂礫層には,直径様にはこのような治水の取り組みを紹介する機会や本誌800 mm 程度の大きな玉石が含まれていると想定されてへの掲載許可を頂き,また施工者の大成・岩田地崎・豊いる。このような地質に対し,施工の安全性,経済性等松吉工業特定建設工事企業体の皆様には現場見学の実施を考慮して泥土圧シールド工法が採用された。今回使用や資料の提供等,多大なるご協力を賜りました。ここにされるシールドマシンは,外径が5 390 mm であり,ス記して感謝の意を申し上げます。クリューコンベアーの直径を大きく設計してこのような大きな玉石も取り込めるように設計している(図―)。ただし,これを上回る玉石等が出現すればマシンでの掘削が不可能となり,切羽断面での除去作業が行われることとなる。.周辺地域への配慮参考文献1)札幌市ウェブサイト 望月寒川流域貯留浸透事業入手先〈 http: // www.city.sapporo.jp / kensetsu / kasen /menu03_03_03_04.html〉(参照2016年 9 月29日)2) 地盤工学会地盤工学・実務シリーズ 3 シールド工法の 調 査 ・ 設 計 か ら 施 工 ま で , pp. 35 ~ 38, 95 ~ 106,1997.(原稿受理今回見学した呑口部周辺は住宅街であるため,周辺の2016.10.14)環境に気を配って工事が進められている。沈砂池部や落差工部等の躯体の施工現場(写真―及び)ではその周囲を囲むように防音壁があり,騒音を外部に漏らさないよう,若しくは低減するような工夫がなされている。その防音壁にはここでどのようなものが造られているかを説明するイラストが書かれており,住民の理解を得られやすいような工夫がされている(図―)。現場には大型のダンプトラックや重機も頻繁に出入りするため,警備員を多数配置し住民の安全を図っていることも伺えた。更には交通を阻害し日常生活を乱さないように仮橋図―シールドの概要図(工事紹介パンフレットより)図―32写真―写真―呑口部における沈砂部の地上から見た施工状況呑口部における沈砂部地下内部の施工状況呑口部躯体施工現場を囲む防音壁(左)と躯体の完成予想イラスト(右)地盤工学会誌,―()
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  • タイトル
  • 第3回日米地盤環境工学ワークショップ参加報告(学会の動き(国際活動から))
  • 著者
  • 渡邊 保貴
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 33〜33
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090017
  • 内容
  • 第回日米地盤環境工学ワークショップ参加報告Report of Third U.S.Japan Geoenvironmental Engineering Workshop渡邊保貴(わたなべ(一財)電力中央研究所やすたか)主任研究員表―. は じ め に日本からの参加者(敬称略,順不同)米国土木学会地盤工学部門( ASCEGI)との交流協定に基づき, 2016 年 8 月 14 日,第 3 回日米地盤環境工学ワークショップが ASCE GI 主催の国際会議「 Geo Chicago 2016 ( 2016 年 8 月 14 ~ 17 日,シカゴシェラトンホテル)」に併せて開催された。本ワークショップは,地盤環境工学の発展と日米の協同を推進するために企画さ れ て お り , 過 去 に は 第 1 回 が 2008 年 3 月 に 米 国 ニューオーリンズにて1),第 2 回が2011年10月に京都にて開催されている2)。今回,日本からは表―に示す15名が,米国からは米国側担当者の James Hanson 教授をはじめ13名が参加した(写真―)。.ワークショップの概要と感想ワークショップは午前 8 時 30 分に始まり,米国側担当者からの趣旨説明の後,各国から近況報告がなされた。写真―日本からは,勝見氏により大震災や大規模公共事業に関参加者の集合写真連する地盤環境問題についての紹介がなされた。参加者は,予めホワイトペーパーと呼ばれる提言資料を作成して臨んだ。その中で自身の業務・研究,各自が認識する地盤環境工学の現状や課題,日米連携の方策についての個人の考えが示されており,当日には, PPTスライド 2 枚以内,5 分以内で簡潔な発表を行った。基調講演では,フリーコンサルタントで作家でもあるStuart Walesh 氏により,日常業務への神経科学の導入写真―グループワークの様子についての話題提供があった。習慣化による無意識な脳の活用やダイバーシティを考慮したチーム運営など,興味深い話を聴くことが出来た。日本からは,小峯氏と勝見氏による福島復興に関連する話題提供がなされた。基調講演の後,ホワイトペーパーの内容を踏まえて,過ぎており,濃密なワークショップであったと思う。本ワークショップは,日米共に若手の参加者が多く,グループワークのリーダーも若手が担った。地盤環境問題に関わる状況の変化,それに応じた課題の共有を通じ,グループディスカッションが行われた。参加者を 4 つ国境や世代を超えて活動し,本分野の発展をリードするのグループ(contaminant systems, sustainable materi-ことに対して気持ちが高まる刺激的な一日であった。als, remediation, energy)に分け,各国のリーダーが各テーマに関連する課題や今後の連携方策について約 40分の議論をリードした。その成果は各グループの代表者が発表し,全体で共有された。基調講演にあった神経科学的観点から議論の内容を図化し整理したグループもあり,高い評価を受けていた(写真―)。今後,グループワークサマリーを取りまとめ,日米の協同を具体化していく予定である。終了したのは予定時刻 17 時 30 分をFebruary, 2017参考文献1)地盤工学会国際部「地盤環境に関する日米ワークショップ」開催報告,地盤工学会誌,Vol. 56, No. 8, pp. 63~65, 2008.2 ) 地盤工学会国際部 30 代のリーダー達「第 2 回地盤環境日米ワークショップ」開催報告,地盤工学会誌,Vol.59, No. 12, pp. 47~48, 2011.(原稿受理2016.9.21)33
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  • タイトル
  • デジタル写真測量(技術手帳)
  • 著者
  • 西山 哲
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 34〜35
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090018
  • 内容
  • 技術手帳デジタル写真測量Digital Photogrammetry西山岡山大学大学院.哲(にしやまさとし)環境生命科学研究科教授デジタル写真測量とは.写真測量の基本原理デジタル写真測量とは,デジタルカメラで撮影した写画像という二次元の平面に写った被写体を元の三次元真(以下,画像と称する)を使って三角測量を行う作業に復元するプロセスは,“共線条件式”という方程式をである。トランシット( Transit )を使って,ある基線作成することから始まる。具体的な作業としては,対象の両端の視点から測定点との角度を測定し,三角形の頂物をカメラで写すことであるが,対象物をカメラで写す点である測定点の座標を求めるのが三角測量であるが,と,図―に示すように,対象物上の 1 点から出た光地図を作成する際には,地面に平行に飛行して部分的に線はレンズ中心を通って,二次元の平面である画像上に重複させながら撮影した航空写真をトランシットの代わ対応する像を作る。このとき,対象物上の計測点 P (X,りに使って測量を行ってきた。高画素化と低コスト化にY, Z )とレンズの中心 O(X0, Y0, Z0)及び画像上の像 pより,市販のデジタルカメラを用いて地上で撮影した画( x, y )が直線上に並ぶと考えると,図―を参照して像を使う写真測量も身近になり,数 cm 程度の精度の測次の式が成立する。量を行う“地上写真測量”,あるいは数10 m の距離から撮影した画像を使う“近接写真測量”において,さまざまな角度から被写体を撮影した“収束撮影”による画像から,数 mm の精度で形状を計測する写真測量も数多x=-ca11(X-X0)+a21(Y-Y0)+a31(Z-Z0)……(1)a13(X-X0)+a23(Y-Y0)+a33(Z-Z0)y=-ca12(X-X0)+a22(Y-Y0)+a32(Z-Z0)a13(X-X0)+a23(Y-Y0)+a33(Z-Z0)く報告されるようになった。いずれも航空写真を使ったただし,p(x, y )はカメラの視点の座標系での画面上の測量と同じアルゴリズムを使うが,対象物を複数の画像座標値であり, c は焦点距離,そして a(iji=1~3, j=1~3) は,に写した後,測定したい点がどの画像のどこに写ってい撮影時のカメラの姿勢を表すように,座標軸 x, y, z の地るのかを認識しながら,各画像上での座標を測定する作上の座標軸系 X, Y, Z に対する回転角から成る値である。業が必要になる。これは三角測量において,トランシッこの式( 1 )が共線条件式と称されるもので,式( 1 )の左トを使って角度を測ることに相当する。また撮影時のカ辺にある p(x, y )の値を画像上で計測し,この値を使っメラの位置と撮影の姿勢を外部標定要素と言い,これらて右辺の P ( X, Y, Z ),すなわち対象物上の計測点の三を求める作業も必要になるが,これはトランシットを座次元座標を求める。これにより,二次元の画像上での被標の分かっている位置に据え付けて,基線の長さを測ることに相当する。近年ではデジタルカメラを搭載した遠隔操縦で飛行する無人航空機(UAV: Unmanned aerialvehicle あるいはドローン Drone )が実用化されると同時に,ロボット(Robot)の目の役割を与えるための画像処理である SfM ( Structure from Motion )と称される手法で活用されるソフトウェアを導入することにより,撮影から解析までを自動で行う工程も普及してきた。今 で は 三 次 元 デ ー タ を 駆 使 し た 情 報 化 施 工 や CIM( Construction Information Modeling / Managements )を統合する“i-Construction”という建設現場の生産性を向上させる取り組みが推進されており,ドローンとSfM を使ったデジタル写真測量の活用は,ますます広がると予想される。ここでは,実務に取り入れる場合の留意点をデジタル写真測量の原理に基づいて解説する。なお測量の専門用図―共線条件の概念図本来,画像面はレンズ中心を挟んで対象物と反対側にあるが,ここでは座標軸が反転しないように対象物側に描いている。計測点を 2 つの画像に語を平易に解説するため,処々で用語の定義の厳密さを写し,各画像上で計測点の像の座標 p(x, y )を計測することは,2 つの視点からトランシットで角欠いた表現があることをお許し頂きたい。度 u, q を測ることに相当する34地盤工学会誌,―() 技術手帳写体が三次元の実空間に復元される。しかし 1 枚の画像では,図―における光線上のどの位置に P があっても共線条件式はできるので計測点の位置が定まらない。これらの基本原理から見て,デジタル写真測量の留意点をまとめると次のようになる。対象物のエッジやコーナーなどの特徴点を使ってそこで左目と右目で見るように対象物を 2 枚以上の画画像を接続し,さらにその特徴点の p(x, y )や外部像に写し,光線が互いに交わる点を求めることで像と対標定要素を自動的に求めて式(1)を解く SfM のソフ象物上の計測点を対応させる。このとき撮影時のカメラトウェアも容易に入手でき,ドローンによる撮影との位置と姿勢を再現しないと光線はうまく交わらないが,組み合わせて使えば,三次元モデルを再現するまで画像の相対的な位置関係が再現されれば,図―のようの工程を大幅に効率化できる1)。ただし,この場合に多数の画像中に写した計測点に対応する像とレンズ中再現されるのは実物と相似な形状のモデルであり,心を結ぶ光線はすべて交わり,被写体と相似な三次元モスケール情報を入れる,あるいは設置した基準点をデルが再現される。利用して,実物と同じ座標系で表現しなおす絶対標.定と言われる工程を導入しないと測量はできない。デジタル写真測量の留意点後者の場合,基準点の座標でモデルを“串刺し”す現在使われている写真測量の多くのアルゴリズムでは,る形で座標系上に固定するので,基準点から離れた図―のように数多くの共線条件式を一括して解く“バ箇所ではひずみが蓄積して忠実なモデルが再現されンドル(光束)調整法”と称される計算により, P ( X,ない。そのため基準点をモデル全体に配置する等のY,Z )と外部標定要素を同時に決定する1)。この手法を具体的に見ると次のようになる。式(1)のように,画像工夫が必要になる。トランシットを使った三角測量において,測定し上の像の x, y 座標ごとに方程式が作成されるので,計た角度の精度が悪ければ,求める点の座標値の精度測点が n 点あれば, 2n 個の方程式ができる。この計測も劣化する。同じことがデジタル写真測量にも言え,点を m 枚の画像に写すと,画像ごとに 2n 個の方程式が式(1)の左辺の観測値の精度がモデルの精度を左右作成されるので,合計 2mn 個の方程式が得られる。まする。最小二乗法を使って共線条件式を解くが,こた撮影時のカメラの位置を表す O(X0, Y0, Z0)と姿勢をれは観測値に含まれる誤差を未知数に振り分けるに表す各軸回りの 3 つの回転角は 1 枚の画像につき 6 個過ぎない。ところがドローンを使った撮影の場合,存在し,それらと n 個の計測点の座標値 P(X, Y, Z )を被写体が鮮明に写っていない,いわゆる“ピンぼけ”未知数とすると,全部で 6m+3n 個の未知数が存在する。の画像が使用されることによってモデルの精度が劣対象物を忠実に再現するために,数多くの観測点を考え,化している事例が多い。これまでの写真測量におい画像枚数も増やしていくと「方程式の数>未知数の数」ては,“バンドル調整”後の観測値の残差の標準偏となる。例えば,対象物上の 100 箇所の点を 100 枚の画差を算出するなどによって,精度の良い観測値を得像に写した場合, 900個の未知数を20 000 個の方程式でることができたかどうかを検討する工程があったが,解くことになる。ただし式(1)の左辺は,対象物の像をSfM を利用したソフトウェアでは,自動化処理に画面上で計測した“観測値”であり,その値には誤差が任せて精度管理を行う工程が省かれることも多い。含まれる。そこで観測値に誤差の推定値である残差を加SfM の活用においても観測値の残差などで精度をえたものが式(1)の左辺の値となり,この残差の二乗を管理する工程を考慮することが重要である。最小にする条件を付加し,いわゆる最小二乗法を使って外部標定要素と P(X, Y, Z )を同時に求める。ドローンを使った撮影では,システムの低コスト化のために,高精度の GNSS(全地球航法衛星システムGlobal Navigation Satellite System)及びIMU(慣性計測装置 Inertial Measurement Unit)を搭載することによって正確な外部標定要素を求める工夫は考慮されてこなかった。広範囲の災害地の測量などでは,基準点を使った絶対標定の作業が困難な場合もあり, GNSS/IMU の高精度化によって取得される外部標定要素を使ったバンドル調整計算の検討も考慮していく必要がある。参1)考文献日本写真測量学会編三次元画像計測の基礎―バンドル調整の理論と実践―,東京電機大学出版局,pp.25~82,pp.121~137, 2016.(原稿受理図―2016.8.16)バンドル調整法の概念図計測点がどの画像のどこに写っているのかを認識し,その座標値を測る工程が必要February, 201735
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  • タイトル
  • 6. 自然的要因における微生物の役割と対策(地盤工学と地質学における最新のかかわり)
  • 著者
  • 井上 千弘
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 36〜43
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090019
  • 内容
  • 地盤工学と地質学における最近のかかわり.自然的要因における微生物の役割と対策井上千東北大学大学院弘(いのうえ環境科学研究科ちひろ)教授. は じ め に微生物は地球上のいたるところに存在し,その活動は多岐にわたる。岩石,鉱物,土壌など自然界に存在する無機物質ともさまざまな相互作用を示し,炭素をはじめ窒素,リン,硫黄や金属元素の循環において大きな役割を担っている。地球上に微生物が出現してから 35 ~ 40 億年が経過しているが,その間に微生物は地球環境を大きく変えてきた。光合成微生物の働きにより,原始地球の嫌気的な大気が酸素に富むものに変化した。また無機物だけの環境から大量の有機物を合成して,高等生物を養うことのできる環境が作られた。現在も微生物は地球上のさまざま図―. 自然界における硫黄循環の概略な環境下で見いだされる。極地の氷の中,火山や温泉などの高温環境,数百気圧もの圧力のかかる深海底,塩がら+6 価までさまざまな酸化状態をとりながら,大気圏,析出するような塩濃度の高い水の中,pH が 2 以下の非水圏,地圏,生物圏の間を複雑に循環している。硫黄は常に強い酸性環境,あるいは酸素が全く存在しない地下大気中では二酸化硫黄( SO2)や硫化水素( H2S)の形内部でもそれぞれ棲息する微生物が見いだされている。態で存在している。海水中に存在する硫黄はほとんどがまた微生物が,土壌中などの地下環境中に多数存在する硫酸イオン(SO42-)の形態である。堆積物や岩石中にことも古くから知られている。地盤環境をはじめ,さま存在する硫黄は,石膏( CaSO4 ・ 2H2O )などの硫酸塩ざまな地下環境中で微生物は炭素,窒素,リン,硫黄なや黄鉄鉱( FeS2 )をはじめとする硫化物の形態をとっど生物にとって必須の元素の物質循環を担うとともに,ている。生体中において硫黄は 2 種類のアミノ酸中にさまざまな老廃物を分解して新たな栄養素の供給源とな含まれている。っている1)。図―.に自然界,特に地球表層の生物圏における硫このような微生物の活動のうち,自然的要因による重黄循環の概略を示す。地圏から火山ガスの噴出に伴い硫金属の溶出に深く関与しているのは硫黄の循環に関与す化水素や二酸化硫黄が大気中に放出され,海洋からは海る硫黄酸化細菌と硫酸還元菌である。本稿ではまずこれ水飛沫の形で硫酸イオンが大気に移行する。また土壌やらの細菌が地球表層での硫黄循環に関与する役割を解説海洋中の微生物の働きにより揮発性の硫化ジメチルし,硫黄酸化細菌とその近縁の細菌である鉄酸化細菌の(( CH3)2 S)が生成されて大気に移行する。さらに近年,活用例であるバイオリーチングを紹介し,比較的研究が化石燃料の燃焼や非鉄金属製錬といった人間活動に伴っ進められているこれらの細菌による硫化鉱物の溶出機構て放出される硫黄酸化物が増大しており,大気に移行すについて述べる。その上で自然的要因による重金属類のる全硫黄量の約 1 / 3 となっている。大気中では硫化水溶出とこれらの微生物との関係について,また特に嫌気素や硫化ジメチルは容易に酸化され,あるいは降雨によ的な環境下で発生するヒ素の溶出と鉄還元細菌との関係り取り除かれる。大気中で二酸化硫黄は亜硫酸イオンについて,自然的要因による重金属類の溶出の問題が多( SO32- )や硫酸イオンになり,酸性雨として大気から発している海成堆積層に焦点を絞り,著者のグループが取り除かれる。降雨により地表に落下した硫黄分は,河進めてきた研究を中心に紹介する。さらに,これらの微川を通じ最終的には海洋に到達する。また岩石中の硫黄生物活動を抑制することによる重金属類の溶出防止に対分は風化作用により水に溶解し水圏に移行する。海洋でしての著者の見解を紹介していく。は硫化物や硫酸塩の形で硫黄分が沈殿し,堆積物として. 地球化学的な硫黄循環と微生物の役割硫黄は地球上に豊富に存在する元素であり,-2 価か36海洋底に蓄積する。岩石や土壌中の硫化物(MS で代表して示す)や硫黄( S0)は,酸素( O2)と水( H2O)が存在する環境下で地盤工学会誌,―() 講  座は微生物の働きにより,式(6.1),式(6.2)に従って酸化され,最終的に硫酸に変換される。されてしまうことが知られている2)。水に溶解した硫化水素は,酸素が存在しない環境でもMS+2O2 → MSO4 …………………………………(6.1)光合成硫黄細菌により酸化され単体硫黄になる。この反2S0+3O2+2H2O → 2H2SO4 ………………………(6.2)応の結果により硫黄鉱床が形成されることがある。水深これらの反応を起こす一群の微生物は硫黄酸化細菌と呼25 m 以上の湖では,湖底が嫌気的でそこには硫酸還元ばれ,代表的なものとして Acidithiobacillus thiooxidans菌が棲息しており,この細菌の活動で生じた硫化水素が(アシディチオバシルスチオオキシダンス)と湖水中を上昇する。一方,水深 15 m ぐらいのところにカルは光合成硫黄細菌が棲息しており,上昇してきた硫化水ダス)が知られている。両者は pH が 2 付近の強い酸性素を消費して硫黄を生成している。この水深は,太陽光条件を好み,pH が 1 以下の環境でも生育することがでの到達する限界であり,かつ溶存酸素濃度がゼロである。きる。この細菌は硫黄化合物の酸化によりエネルギーを生成した硫黄が長い期間をかけて湖底に堆積し,やがて獲得し,また二酸化炭素(CO2)だけを炭素源として利硫黄鉱床となる。Acidithiobacillus caldus (アシディチオバシルス用して生育する2)。硫酸イオンは微生物や植物の硫黄源として利用されるとともに,酸素が遮断された嫌気的環境で有機酸などの有機物の存在のもと,硫酸還元菌の作用で硫化水素に変換される。H2SO4+2C3H6O3 → H2S+2CH3COOH+2H2O+2CO2 ……………………………………………(6.3)式(6.3)は硫酸還元菌が有機酸として乳酸(C3H6O3)を利用して硫酸イオンを還元し,硫化水素と酢酸(CH3. 鉄酸化細菌・硫黄酸化細菌による硫化鉱物の溶解とバイオリーチング鉄酸化細菌は溶液中の溶存酸素を用い,第一鉄イオン(Fe2+)を酸化する際のエネルギーを利用して増殖する微生物であり,pH が 2 付近の酸性条件で第一鉄イオンを酸化する Acidithiobacillus ferrooxidans(アシディチオバシルスフェロオキシダンス)や Leptospirillum fer-rooxidans(レプトスピリラムフェロオキシダンス)と,COOH)を生成させる場合の反応式を示したものである。pH が 6 ~ 7 の中性条件で第一鉄イオンを酸化する Gal-硫酸還元菌の代表としては Desulfovibrio(デスルフォビlionella(ガリオネラ)属や Leptothrix(レプトスリックブリオ)属や Desulfotomaculum (デスルフォトマキュス)属がよく知られている。このうち A. ferrooxidansラム)属の細菌が知られるが,これらは中性 pH の環境と L. ferrooxidans は,増殖の最適 pH は 2 付近で, pHを要求し,酸素が存在すると生育できない偏性嫌気性微が 1 以下の極端な酸性環境でも生育可能であり,また生物である。実験室でこれらの硫酸還元菌を培養する際多くの重金属イオンに対し耐性を示す。この 2 種の細には,例えば表―.に示す組成の培地を用いる。この菌は第一鉄イオンの酸化によりエネルギーを獲得し,ま培地中で嫌気状態を保ちながら 30 °C で数日間培養するた二酸化炭素だけを炭素源として利用する4)。と,硫化水素の生成に伴い黒色の硫化鉄(FeS)が沈殿するため,硫酸還元菌の生育を容易に判別できる。4Fe2++4H++O2 → Fe3++2H2O ……………(6.4)式(6.4)の反応は中性の pH では速やかに進行する5)が,硫酸還元菌が産生する硫化水素は細胞呼吸系の酵素を低 pH 領域では極めて緩慢にしか進行しない。しかし,阻害するため生物にとって有毒なものであり,また金属鉄酸化細菌が存在すると,その保有する鉄酸化酵素の触を腐食させるなどの悪影響をもたらす。さらに硫酸還元媒作用により速やかに反応が進行するようになり,強力菌と硫黄酸化細菌の共同作業でコンクリートを腐食させな酸化剤である第二鉄イオン(Fe3+)が生成される。ることもある。例えば,コンクリート製の下水管におい表―.は実験室で鉄酸化細菌を培養する場合に使用て下水中の硫酸還元菌の活動で生成した硫化水素が下水される培地の一例である。この培地を入れた三角フラス管の気液の境界面のところで硫黄酸化細菌により酸化さコに,自然界から採取した表層土壌や露頭に現れているれ,生成した硫酸によりその部分のコンクリートが腐食岩石の試料を少量入れて, 30 °C で数週間培養すると,多くの場合に培地の色が第二鉄イオンの生成を示す赤い表―. 硫酸還元菌培養用培地の化学組成3)色を示し,顕微鏡下では鉄酸化細菌の増殖が認められる。つまり,鉄酸化細菌は地表付近の土壌や岩石のいたるところに存在し,適切な環境が整えられればその活動が活発に行われることが分かる。A. ferrooxidans と L. ferrooxidans ,及び前述の 2 種類の硫黄酸化細菌 A. thiooxidans と A. caldus は,バイオリーチングと呼ばれるプロセスが適用される現場で活発に活動している。バイオリーチングとは,好酸性の細菌を利用して鉱石から銅,金などの有用金属を抽出,回収する技術であり,現在,低品位硫化銅鉱石からの銅生産プロセスや含金硫化鉄精鉱からの金生産プロセスで実用化されている6),7)。このうち銅地金を生産するプロセスFebruary, 201737 講  座表―. 鉄酸化細菌培養用の培地組成7)では輝銅鉱( Cu2S),銅らん(CuS)などの銅鉱物を含む鉱石を粉砕後,適切なサイズに造粒してから堆積場に堆積し,堆積層(ヒープ)の上部から定期的に散水して細 菌 に よ る 浸 出 を 促 し , 堆 積 層の 下 部 か ら 銅イ オ ン( Cu2+ )を含む浸出液を抜き出し,溶媒抽出電解採取法により電気銅を生産している。造粒する際に硫酸を添図―. 黄鉄鉱,輝水鉛鉱などのバイオリーチングのメカニズム加し堆積層内部が強い酸性を維持できるようにしておくため,鉄酸化細菌や硫黄酸化細菌の活動が活発になり,2MS+2Fe3+ → 2M2++2Fe2++S22- …………(6.5)銅鉱物の溶解が促進される。このプロセスで生産されるS22-+2Fe3+ → 2S0+2Fe2+ ……………………(6.6)銅は世界の銅生産量の 2割に及ぶと言われている8)。これらの反応で生成した第一鉄イオンは鉄酸化細菌によ一方,黄鉄鉱( FeS2),硫ヒ鉄鉱(FeAsS)などの硫って酸化され(式(6.4)),第二鉄イオンが再生される。化鉱物中に随伴される金はシアンで溶解させて回収するまた,式( 6.6 )で生成した硫黄は鉄酸化細菌,硫黄酸通常の金製錬(青化製錬)法の適用が困難で,難処理資化細菌によって,式( 6.2)に従い硫酸イオンに酸化され源とされてきた。このような金の回収にバイオリーチンる。しかし,鉱物や反応条件によっては生成する硫黄がグの手法を応用するプロセスが開発された。このプロセ鉱物表面で稠密な皮膜を形成して酸化されなくなるととスは,あらかじめシアンを消費してしまう硫化鉱物を微もに,硫化鉱物の溶解を妨害することがある。特に銅資生物反応により溶解させた後,その溶解残渣に残留する源としてもっとも埋蔵量の多い黄銅鉱は,この硫黄被膜金を青化製錬法で回収するものであり,常温,常圧で反の形成により銅の溶出が進みにくくなるため,バイオ応を行うことができる。このプロセスはアフリカ,南米,リーチングの適用が難しいとされている。オーストラリアなどの金鉱山で適用されており,このう鉄酸化細菌や硫黄酸化細菌の作用により,採掘中や採ちガーナのアシャンティ鉱山では 1 日あたり 1 000 t も掘が終了した金属鉱山あるいはその廃さい堆積場から,の金鉱石が処理されている。有害な金属イオンを含む鉱山廃水が大量に発生すること硫化鉱物の微生物による溶解メカニズムは鉱物の種類がある。岩手県北部にある松尾鉱山は 1971 年に閉山さによって異なることが示されている9),10)。このうち黄鉄れたが,坑内には膨大な量の黄鉄鉱などの鉱石が残され鉱,輝水鉛鉱( MoS2)など結晶中の硫黄が二硫化物でている。現在も坑内から発生している坑廃水は強酸性で存在する鉱物では,チオ硫酸を経て硫酸が生成する反応鉄やヒ素を含んでおり,その量は年間約 900 万 m3 に達機構が提案されている。この場合,図―.に示すようする。かつてはその坑廃水がそのまま河川に流れ込み,に MS2 で代表される二硫化物の形態の硫化鉱物は,鉄流域一帯に深刻な環境問題を引き起こしたが, 1982 年酸化細菌が生成させる第二鉄イオンにより溶解され,中にその中和処理施設が運転を開始し,以降は流域の環境間体としてチオ硫酸イオン( S2O32- )が生成する。チは回復している11)。オ硫酸イオンは硫黄酸化細菌によって硫酸イオンに酸化される。チオ硫酸の生成反応で生じる第一鉄イオンは,鉄酸化細菌によって再び第二鉄イオンに再生される。. 自然的要因による重金属類の溶出と微生物の関係これに対し,閃亜鉛鉱(ZnS),方鉛鉱( PbS),黄銅道路工事やトンネル工事に伴う地盤の掘削により岩石鉱( CuFeS2 )などの硫化鉱物( MS で代表する)は,や堆積物が地表に露出すると,それらは空気中の酸素やポリ硫化物イオン(一般式 Sn2- , S22- で代表する)を雨水の作用により風化されていく。風化が進行した露頭経て酸化溶解する反応機構が提案されている。この場合付近の岩石や,掘削後に地表に放置され風化が生じた岩も,硫化鉱物は第二鉄イオンによって酸化されるが,そ石ズリを採取して環境省告示第 18 号に示される方法にの際に式(6.5)に示すように中間体としてSn2-が生成し,準じた溶出量試験を行うと,しばしば基準値を超過するさらに第二鉄イオンによって最終的に硫黄まで酸化され重金属類の溶出が生じる12) 。この現象は多くの場合,る(式(6.6))というものである。岩石や堆積物中の黄鉄鉱をはじめとする硫化鉱物が,酸38地盤工学会誌,―() 講  座素と水に接して酸化されることによってもたらされる。は大量の第二鉄イオンが存在していたことから,そのよこの酸化反応の進行度は硫化鉱物の種類やサイズ,そのうな低 pH の条件下において純化学的な反応のみで高濃結晶度,母岩の種類や共存する鉱物などのさまざまな要度の第二鉄イオンが生成するとは考えにくく, A. fer-因で変化するため一律的な予測は難しいが,長い時間スrooxidans や L. ferrooxidans のような酸性環境を好む鉄ケールの中では着実に進行していく。酸化細菌による第一鉄イオンの酸化が生じているものと我々のグループでは,酸化反応が進行しやすいと考え考えられる。実際,別の実験ではあるが,同様の方法でられる海成堆積層から採取したフランボイド状の黄鉄鉱風化させた後の海成堆積層試料中には多数の鉄酸化細菌を含む試料を用い,実験室で風化を促進させた前後で溶の存在が認められている。鉄酸化細菌の活動は pH が 2出量試験を行い検討を行った。2 mm 以下に整粒した試付近の低 pH で活発になるため,黄鉄鉱の溶解が進行す料をシャーレに広げ,湿度をほぼ100に保った30°Cのるにつれ,溶解速度が加速されていくことになる。恒温室内で保持し,試料の風化を促進させた。このように黄鉄鉱を含む岩石や堆積物試料を酸化的な図―.はその結果の一例である。溶出量試験後の溶環境に晒した場合に黄鉄鉱の溶解が生じる。黄鉄鉱にカ出液の pH 値に関しては,風化 0 日目においてほぼ中性ドミウム,鉛などの有害重金属類が微量含有されているであった溶出液の pH が風化の進行に伴い低下し,30日と,それらも溶解して重金属イオンとして存在し,溶出間風化させたものでは 3.2まで低下していた。また鉄溶量試験で基準を超過してしまうことが多い。しかし黄鉄出量は風化の進行とともに増加しており,溶出液の pH鉱にヒ素が随伴していても,ヒ酸( AsO43- )の形態でが 4 を下回ると溶出量の増加が加速している。風化前溶解したヒ素は水酸化鉄()に吸着するため,溶出量にはカドミウムの溶出は認められなかったが,風化の進試験ではヒ素の溶出は顕著には起こらず,多くの場合土行に伴いカドミウムの溶出が始まり, 30 日後には含有壌溶出量基準を下回る値となっている。されるカドミウムのほぼ全量が溶出するようになった。一方,ヒ素溶出量は風化の進行とともに緩やかに増加し. 嫌気条件下でのヒ素の溶出と微生物の関係ているが,溶出量基準は超過しなかった。しかしながら水酸化鉄()は嫌気的で中性から弱酸性の環境下で逐次抽出法によりヒ素の化学形態を追跡すると,風化に適当な還元剤が存在すると還元され,第一鉄イオンが水伴いリン酸で抽出されやすい化学形態に変化しており,に溶出する。この水酸化鉄()にヒ酸が吸着している水酸化鉄()に吸着しているものと推察された13)~15)。と,水酸化鉄の還元的な溶解に伴って水酸化鉄()にこの結果から,海成堆積層中の黄鉄鉱が風化の過程で吸着していたヒ素も溶液中に放出される。酸化溶解して,大量の鉄イオンの溶出と硫酸イオンの生このような嫌気的環境下でのヒ素の溶出を確認するた成が生じ,pH の低下とカドミウムの溶出が起こったもめ,以下の手順で長期間の溶出試験を行った。イオン交のと考えられる。最終的な溶出液全体の pH は 3.2 であ換水をバイアル瓶に入れ,脱酸素した窒素ガスにより水るが,黄鉄鉱の近傍では pH はさらに低い状態になって中の酸素の除去を行った後に試料を投入し,さらに窒素いるものと想定される。また風化後の試料の溶出液中にガスで気相のガスの置換を行った。その後,迅速にブチルゴムセプタムとパラフィルムで密封した。混合した試料は 30 °C で最大 4 ヶ月間振とうした。同一の条件で複数本のバイアル瓶を用意し,定められた時間で 1 本ずつ分析した。分析の際は,窒素を充填したグローブボックス内で試料液を遠沈管に移し,3 300 rpm で15分間遠心分離後,上澄み液を0.45 mm メンブレンフィルターでろ過し,直ちに ICPMS 等により分析を行った16),17)。図―.はその結果の一例である。ヒ素と鉄の溶出量が時間の経過とともに単調に増加しており,試験開始時にはほとんど溶出の見られなかったヒ素が,4 ヶ月後には溶出量基準値の 8 倍の濃度で溶出している。鉄は最終的に 80 mg / L 以上溶出しており,ほぼすべてが第一鉄イオンとして存在していた。試験期間内で pH 値は初期を除き 6 付近で推移している。同じ検討を山形県,宮城県,北海道,岩手県内から採取した合計 8 種類の岩石に対し行った結果を表―.にまとめた。表に示すように,8 試料中 7 試料で 4 ヶ月後にヒ素の溶出量基準値を超過していた。特に試料 E においては基準値の230倍に達するヒ素の溶出が認められ図―. 海成堆積層試料の風化日数と重金属溶出量及びpH との関係February, 2017た。結果の詳細は示さないが,ヒ素の溶出が認められる試料においてはいずれも鉄の溶出も生じていた。しかし,39 講  座図―. 鉄還元細菌存在下での長期嫌気溶出試験結果bactor 属をはじめとする鉄還元細菌が活発に活動する液体中での溶出実験を試みた。仙台市内の水田から採取した土壌試料を嫌気性細菌培養用の培地(トリプトン 1,酵母エキス0.3,グルコース0.5)を用い,嫌気条件図―. 嫌気条件下での長期溶出試験結果表―. 長期嫌気溶出試験における最終ヒ素濃度下で培養を行い,鉄還元細菌主体の集積培養を得た。嫌気性細菌培養用の培地に表―.に示した岩石,堆積物試料を添加し,さらにこの集積培養を接種して嫌気条件下で 2 週間の溶出実験を行った16) 。結果の一例を図―.に示すが,実験を行ったほとんどの試料で,対照実験で行った微生物無添加のものと比較して顕著なヒ素の溶出が認められ,鉄還元細菌が活発に活動することにより還元的な条件下でヒ素の溶出が促進される場合があることが示された。上述した検討の場合,使用した溶出液には嫌気性細菌培養用の成分が,実際の地下環境とはかけ離れた高い濃度で含まれている。このような極端な条件は通常は生じないと思われるが,前節で述べたような黄鉄鉱の酸化溶解によって一度ヒ酸の形態で溶解してから水酸化鉄()それ以外の重金属類に関して溶出量の増大の傾向は見らに吸着したヒ素を含む建設発生土が地下に埋設される際れなかった。これらのことからヒ素の溶出が生じた試料に,有機物を大量に含む汚泥や生ごみなどと一緒に埋めでは,いずれも水酸化鉄の還元的な溶解に伴って水酸化られた場合には,鉄還元細菌の活動する環境が整えられ鉄()に吸着していたヒ素が溶液中に放出される現象るため,ヒ素の溶出が促進される恐れがあり,注意が必が生じたと考えられる。要である。水酸化鉄()が豊富な中性の嫌気的環境に有機物(ここでは CH2O で代表させる)が存在するとき,Fe3+を酸素の代わりの電子受容体として利用し,有機物を酸化する鉄還元細菌が活動して有機物を酸化することが知られている。CH2O+7CO2+4Fe(OH)3→ 8HCO3-+3H2O+4Fe2+ …………………(6.7)鉄還元細菌の代表としては Geobactor(ジオバクター). 微生物活動の抑制による重金属類溶出防止対策に関する考察これまで述べてきたように硫化鉱物を含む岩石や堆積物を酸化的な環境下に放置しておくと,風化に伴う硫化鉱物の溶解に伴って硫酸の生成による酸性化と有害な重金属イオンの溶出が生じ,その過程で鉄酸化細菌などの微生物の関与が考えられる。このような自然的な要因に属が知られており,この細菌は有機物として乳酸,酢酸よる重金属類の溶出防止にあたって,抗菌剤の活用によなどの比較的低分子の有機酸を主に利用する。また Ge-り鉄酸化細菌の活動を抑制してしまうという考え方もあobactor 属の細菌は,第二鉄イオンを電子受容体としてる。しかしながら,建設工事の発生土に見合う抗菌剤が利用し,ベンゼン( C6H6),フェノール( C6H5OH )な膨大な量になること,抗菌剤の散布が別の環境問題を引どの石油系炭化水素化合物を分解することも知られていき起こす可能性があることなどから,現実的なものではる。ない。また,かつて鉱山の廃さい堆積場や坑道からの重水酸化鉄()の還元溶解が促進される条件では,よ金属含有廃水の発生防止対策として,抗菌剤の散布等がり多くのヒ素が溶出することが予測されたため, Geo-行われたことがあったが,その効果はほとんど認められ40地盤工学会誌,―() 講  座なかったようである。現在は自然的な要因による重金属表―. ボーリングコアの採取深度と特徴類の溶出防止硫化鉱物と酸素,水の接触を遮断することがもっとも重要であることが広く認識されてきている。例えば仙台市の地下鉄東西線建設工事の発生土の場合,可能な限り速やかに処分地の嫌気的環境下に埋設するような対応がとられてきた。またこのような対応をとれば,鉄酸化細菌への酸素の供給も遮断されるため,その活動も自ずと抑制されることになるはずである。しかし,上述したような発生土の地下埋設の有効性を検証した例はあまり報告されていない。我々はかつて行われた建設工事の発生土が埋め戻された場所から,ボーリングコアを採取し,掘削と埋め戻しの履歴を経た海成堆積層試料が,履歴を受けていないものからどの程度性質が変化しているかを検証した18)。ボーリングは地表面から約 19 m 下まで行われ,発生土は深度1.5 m から16.5 m の部分に分布していた。深度1.5 m から16.5 m の部分は海成堆積層の特徴である青灰色を呈しており,深度 13 m 以下の部分は風化の影響と考えられる赤褐色を示していた。また, 16.5 m 以下の部分は地山となっていたが,この部分の地層も海成堆積層であった。試料はこのボーリングコアの中から 10 区間選定した。コア 1 が表層土壌,コア 2 からコア 9 が盛土された発生土,コア 10 が地山の海成堆積層の試料である。なお,コア 8,コア 9 は赤褐色を示したが,この部分は発生土の仮置き時に作られた盛土の表層部分に該当する試料であり,仮置き時に風化が進行したため変化したものと考えられる。各コアの採取深度を表―.にまとめた。各々のコア試料を用いて,環境省告示 18図―. 未風化のボーリング試料の溶出試験結果(Cd,As)号の土壌溶出量試験に準じた方法で,ヒ素とカドミウムの溶出量を求めた。また,それらのコア試料に対し.に記載した方法に従って 30 日間風化させた後,未風化の試料と同様に溶出量試験を行った。さらに風化前後のボーリングコア試料に対し逐次抽出試験19) を行い,重金属類の化学形態を推定した。化学形態は,イオン交換態,リン酸交換態,鉄酸化物態,残渣の 4 形態に分けた。風化前の試料の溶出試験の結果を図―.に示すが,いずれのコア試料からも溶出量基準(ヒ素,カドミウムとも10 mg/L)を上回るようなヒ素とカドミウムの溶出は生じていなかった。また風化前後の試料におけるカドミウムの溶出量を図―.に示す。風化後,コア 8 とコア 9 以外のすべてのコアにおいて溶出量の増加が確認図―. 風化前後のボーリング試料の溶出試験結果(Cd)できた。特にコア 2 ,コア 4 ,コア 6 ,コア 7 ,コア 10ではカドミウムの土壌溶出量基準を超過していた。コア8,コア 9 に関してはカドミウムの溶出量変化が小さく,風化処理の前後でほとんど化学形態は変わっておらず,試料を採取した時点で既に風化されていたことが考えら鉄酸化物態とリン酸交換態が主体の形態となっている。れる。逐次抽出試験により試料中のヒ素の化学形態を検コア 9 でも同様の傾向が認められた。討した結果のうち,コア 6 とコア 8 の結果を図―.と以上の結果から,コア 2~7 ではボーリングコアを採図―.に示す。コア 6 では風化処理前は鉄酸化物態と取した時点で試料はほとんど風化を受けていないことが残渣が主体であったが,風化処理後は残渣の割合が減少示された。すなわち,ほぼ元の海成堆積層と同じ性質をしリン酸交換態の比率が増加している。この傾向はコア保っていることになる。一方,コア 8 と 9 はコア採取2 ~ 7 で共通して見られたものである。一方,コア 8 は時点で既に風化を受けていたが,その原因はこの部分がFebruary, 201741 講  座鉄()が生成されやすくなるが,.で述べたように水酸化鉄()が還元的環境下に移行すると鉄還元菌の活動によって還元溶解して,ヒ素が溶出する可能性がある。この嫌気的なヒ素の溶出を促進される鉄還元菌は比較的低分子の有機酸を利用するため,これらの有機物を地中に供給しないことが重要である。. お わ り に本稿では,硫黄酸化細菌と硫酸還元菌が地球表層での硫黄循環に関与する役割を解説した上で,硫黄酸化細菌や鉄酸化細菌を活用したバイオリーチングを紹介するなかでこれらの細菌による硫化鉱物の溶出機構について示図―. ボーリングコア 6 の風化前後のヒ素の化学形態した。その上で,海成堆積層に的を絞り好気的環境で起こる硫化鉱物の溶解が主因となる自然的要因による重金属類の溶出と嫌気的な環境下で発生する水酸化物の還元溶解に伴うヒ素の溶出に関して解説した。またそれらの現象に関与する微生物の役割と,これらの微生物活動を抑制することによる重金属類の溶出防止対策に対する筆者の見解を紹介した。今日,道路工事やトンネル工事に伴い掘削された海成堆積層や鉱染帯を含む岩石からの重金属類の溶出は大きな問題となってきている。現象に関する理解は深まってきているが,重金属類の溶出への微生物のかかわりに関しては,その重要性が判明しつつもまだ知見が十分に蓄積されていない状況であり,今後研究の進展が期待される。図―. ボーリングコア 8 の風化前後のヒ素の化学形態参発生土を地上に仮置きした際の表層部分であったためである。このことは,この海成堆積層由来の発生土の場合,一度地中から採掘されてから,早めに地中に埋め戻すことにより,元来この発生土が海成堆積層として地中に存1)2)3)在に存在していたのとほぼ同じ状態で保持できるものと考えられる。4)ひとたび地下からの掘削という過程を経ると,その岩石や堆積物は嫌気的環境から好気的環境に移行するため,5)少なくとも表面の部分は酸化を受ける。鉄酸化細菌はこのような環境を好んで生育するため,その働きには十分6)注意する必要がある。鉄酸化細菌の活動を遮断するためには,酸素の供給を断つのがもっとも効果的であるので,黄鉄鉱をはじめとする硫化鉱物を含む発生土が生じた場合はできるだけ早く地中に埋め戻すことが望ましい。仙7)8)台市の地下鉄東西建設工事で発生した海成堆積層を含む建設残土は,掘削後速やかに仙台市内にある発生土堆積9)場に輸送され,直ちに転圧されながら堆積されてきた。堆積後,時間をおいてからボーリングにより採取した試料を解析すると,硫化鉱物の酸化はほとんど生じておら10)ず20) ,鉄酸化細菌の活動抑制を行うことができたと考えられる。しかし,工事日程や工事現場の事情により仮置きを行う場合には,できる限り転圧等を施して堆積層内に酸素が浸透することを防ぐことが必要になる。11)考文献今中忠行監修微生物利用の大展開,エヌティーエス,pp. 3~7, 12~23, 2002.山中健生入門生物地球化学,学会出版センター, pp.71~88, 1991.土壌微生物研究会編土壌微生物実験法,養賢堂, pp.392, 1992.植田充美・池道彦監修メタルバイオテクノロジーによる環境保全と資源回収,シーエムシー出版, pp. 111 ~114, 2009.伊藤健一地盤工学で遭遇する化学的現象の理解 2.地盤中の酸化還元反応,地盤工学会誌,Vol. 63, No. 4,pp. 39~46, 2015.渡邉 信・西村和子・内山裕夫・奥田 徹・加来久敏・広木幹也編微生物の事典,朝倉書店, pp. 598 ~ 600,2008.千田 佶編著微生物資源工学,コロナ社, pp. 55 ~121, 1996.石油天然ガス・金属鉱物資源機構編金属資源開発の基礎,朝倉書店,pp. 43~64, 2008.Sand, W., Gehrke T., Jozsa PG., Schippers, A.: (Bio)chemistry of bacterial leaching  direct vs. indirectbioleaching, Hydrometallurgy, Vol. 59, pp. 159175,2001.Schippers, A., Sand, W.: Bacterial leaching of metal sulˆdes proceeds by two indirect mechanisms via thiosulfate or via polysulˆdes and sulfur. Applied and Environmental Microbiology Vol. 65, pp. 319321, 1999.石油天然ガス・金属鉱物資源機構鉱害防止に挑む 旧松尾鉱山新中和処理施設,JOGMEC NEWS, Vol.35,2013.一方,黄鉄鉱等の鉄を含む鉱物が酸化されると水酸化42地盤工学会誌,―() 講  座12)13)14)15)16)門間聖子・森研一郎・佐々木正春・堀修地下鉄建設工事における重金属を含む海成泥岩の調査・対策事例,第15回地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会講演集,pp. 695~700, 2009.井上千弘・米田 剛・須藤孝一・土屋範芳浅海成堆積層に含まれる重金属類の溶出挙動及び形態変化及ぼす風化の影響,第14回地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会要旨集,pp. 446~449, 2008.須藤孝一・米田 剛・小川泰正・山田亮一・井上千弘・土屋範芳竜の口層の堆積岩における重金属類の溶出挙動及び形態変化に及ぼす風化の影響,応用地質, Vol.51, pp. 181~190, 2010.増田俊介・小川泰正・須藤孝一・井上千弘海成堆積物からのヒ素,カドミウムの長期溶出挙動,第21回環境地質学シンポジウム講演論文集,pp. 169~174, 2012.井上千弘・小川泰正・奈良郁子・須藤孝一・土屋範芳・February, 201717)18)19)20)篠田弘造地質試料中の重金属類の環境中での形態変化,第18回地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会講演集,pp. 695~700, 2012.井上千弘・小川泰正・須藤孝一・土屋範芳竜の口層試料からの重金属類の溶出,土壌環境センター技術ニュース,Vol. 19, pp. 32~36, 2012.井上千弘・文屋ゆかり・須藤孝一・土屋範芳長期間地中に封じ込められた建設残土中の重金属類の化学形態と溶出挙動,第15回地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会要旨集,pp. 729~732, 2009.W. W. Wenzel, N. Kirchbaumer, T. Prohaska, G. Stringeder, E. Lombi, D. C. Adriano: Analytica Chimica Acta,Vol. 436, pp. 309~323, 2001.小川泰正・増田俊介・篠田弘造・須藤孝一・井上千弘海成堆積物を含む建設残土からのヒ素の溶出挙動,地学雑誌,Vol. 123, No. 6, pp. 936~948, 2014.43
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  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 44〜44
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  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090020
  • 内容
  • 新正伊桑小稗冨川藤野三梁久嶋上長小石武小松樺東田松田澤村田口谷瀬慈田島澤林丸政島本島会入会員株 イーエス総合研究所伸 志 株英 樹 大地コンサルタント株正 宏 東日本高速道路株 イーエス総合研究所明 株 イーエス総合研究所朋 之 株 イーエス総合研究所晃 輝 株 イーエス総合研究所勝 之 株 イーエス総合研究所光 次 株 イーエス総合研究所誠 株 イーエス総合研究所潔 直 之 国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所株 熊谷組浩 一 雅 人 国立研究開発法人国立環境研究所独 国際協力機構小太郎 株実 央 東京ガス株 第一工業理 隆 株学 基礎地盤コンサルタンツ株治 雄 東日本高速道路株 増田地質工業直 樹 株勝 計測検査学佐々木 将 人金鵬米 田茜市 川瑠西 井優近 廣 祐 佳東陽 介町 田 陽 子篠 原 麻太郎柿 原 結 香花 上 遼 太三 橋斎ハバシンビ ポール生会員室蘭工業大学北海道大学北海道大学北海道大学横浜国立大学東京工業大学東京理科大学東京理科大学東京理科大学東京都市大学員(12 月理事会承認)堀耕 輔西 村 柾 哉御手洗 翔 太梅 村 逸 遊高 辻 理 人松 尾 和 茂鈴 木 悠 真河 田 真 弥澤 見 英 樹中 野 雄 太山 中 雄 太渡 邉 将 成須 田 楓 可田 中 貴 之深 田 竜 司濱 田 祐 輔中 野 雄 太眞 田 佳伊登森 吉 勇 気宇 和 宏 規田 窪尭松 尾遼松 本 昌 祥酒 井城小 松 美 樹原一 馬竹 谷 貢 太南篤 志池 田 将 志師 岡 拓 真劉浩KIM INCHEOL森 元 友 紀名城大学名城大学名古屋工業大学名古屋工業大学名古屋工業大学名古屋工業大学岐阜大学岐阜大学岐阜大学名城大学京都大学京都大学工学部京都大学工学部神戸大学神戸大学神戸大学神戸大学神戸大学神戸大学神戸大学九州工業大学九州工業大学Yonsei University特級別会員( )所属支部株 地圏環境テクノロジー(関東)足利工業大学書籍紹介「活断層が分かる本」國生剛治・大塚康範・堀 宗朗 監修(公社)地盤工学会・(一社)日本応用地質学会・(公社)日本地震工学会 編我が国では海溝型の地震が多く,断層が地表面に出現な考え方や対処の具体例に至るまで,現状の知識が要領することは比較的少なかった。そのため,土木・建築のよくまとめられている。また,監修者の努力によって文インフラ設計に関しては,活断層の悪影響に配慮した設体がほぼ一様で読み易く,将来を見据えた極めて有用な計指針やマニュアルは皆無と言ってよかった。地震動は書物である。多くの方々に御一読をお薦めしたい。広範囲に影響を及ぼすが断層変位は線状の限られた範囲に現れること,大都市が立地する軟弱地盤地帯には現れB6判難いこと等が,その理由として挙げられる。発行所技報堂出版しかし最近では,最重要構造物を対象として,活断層の有無の調査や議論が,特に地質学の専門家によって盛182頁本体1 400円+税発行日2016年 9 月 1 日ISBN978―4―7655―1839―0んに行われてきている。今後はそれらの調査に立脚して,想定される断層変位に対して,工学的な配慮のもとでいかに対処すべきかについても関心が寄せられるべきであろう。つまり,活断層の有無の議論から影響の程度や対策方法についても同等に調査研究が行われるべきである。このような事態のもとで,本書が地質学(サイエンス)と地盤工学(エンジニアリング)の精鋭の専門家の協同作業のもとで物され世に問われることは,極めて有益で誠に時宜を得ていると言える。内容は活断層のメカニズムや種類,そして地表地震断層の多くの出現事例の記述から始まり,それによる建造物の破壊例,さらにその悪影響を忌避するための工学的44(中央大学研究開発機構石原研而)地盤工学会誌,―()
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  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 44〜44
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090021
  • 内容
  • 新正伊桑小稗冨川藤野三梁久嶋上長小石武小松樺東田松田澤村田口谷瀬慈田島澤林丸政島本島会入会員株 イーエス総合研究所伸 志 株英 樹 大地コンサルタント株正 宏 東日本高速道路株 イーエス総合研究所明 株 イーエス総合研究所朋 之 株 イーエス総合研究所晃 輝 株 イーエス総合研究所勝 之 株 イーエス総合研究所光 次 株 イーエス総合研究所誠 株 イーエス総合研究所潔 直 之 国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所株 熊谷組浩 一 雅 人 国立研究開発法人国立環境研究所独 国際協力機構小太郎 株実 央 東京ガス株 第一工業理 隆 株学 基礎地盤コンサルタンツ株治 雄 東日本高速道路株 増田地質工業直 樹 株勝 計測検査学佐々木 将 人金鵬米 田茜市 川瑠西 井優近 廣 祐 佳東陽 介町 田 陽 子篠 原 麻太郎柿 原 結 香花 上 遼 太三 橋斎ハバシンビ ポール生会員室蘭工業大学北海道大学北海道大学北海道大学横浜国立大学東京工業大学東京理科大学東京理科大学東京理科大学東京都市大学員(12 月理事会承認)堀耕 輔西 村 柾 哉御手洗 翔 太梅 村 逸 遊高 辻 理 人松 尾 和 茂鈴 木 悠 真河 田 真 弥澤 見 英 樹中 野 雄 太山 中 雄 太渡 邉 将 成須 田 楓 可田 中 貴 之深 田 竜 司濱 田 祐 輔中 野 雄 太眞 田 佳伊登森 吉 勇 気宇 和 宏 規田 窪尭松 尾遼松 本 昌 祥酒 井城小 松 美 樹原一 馬竹 谷 貢 太南篤 志池 田 将 志師 岡 拓 真劉浩KIM INCHEOL森 元 友 紀名城大学名城大学名古屋工業大学名古屋工業大学名古屋工業大学名古屋工業大学岐阜大学岐阜大学岐阜大学名城大学京都大学京都大学工学部京都大学工学部神戸大学神戸大学神戸大学神戸大学神戸大学神戸大学神戸大学九州工業大学九州工業大学Yonsei University特級別会員( )所属支部株 地圏環境テクノロジー(関東)足利工業大学書籍紹介「活断層が分かる本」國生剛治・大塚康範・堀 宗朗 監修(公社)地盤工学会・(一社)日本応用地質学会・(公社)日本地震工学会 編我が国では海溝型の地震が多く,断層が地表面に出現な考え方や対処の具体例に至るまで,現状の知識が要領することは比較的少なかった。そのため,土木・建築のよくまとめられている。また,監修者の努力によって文インフラ設計に関しては,活断層の悪影響に配慮した設体がほぼ一様で読み易く,将来を見据えた極めて有用な計指針やマニュアルは皆無と言ってよかった。地震動は書物である。多くの方々に御一読をお薦めしたい。広範囲に影響を及ぼすが断層変位は線状の限られた範囲に現れること,大都市が立地する軟弱地盤地帯には現れB6判難いこと等が,その理由として挙げられる。発行所技報堂出版しかし最近では,最重要構造物を対象として,活断層の有無の調査や議論が,特に地質学の専門家によって盛182頁本体1 400円+税発行日2016年 9 月 1 日ISBN978―4―7655―1839―0んに行われてきている。今後はそれらの調査に立脚して,想定される断層変位に対して,工学的な配慮のもとでいかに対処すべきかについても関心が寄せられるべきであろう。つまり,活断層の有無の議論から影響の程度や対策方法についても同等に調査研究が行われるべきである。このような事態のもとで,本書が地質学(サイエンス)と地盤工学(エンジニアリング)の精鋭の専門家の協同作業のもとで物され世に問われることは,極めて有益で誠に時宜を得ていると言える。内容は活断層のメカニズムや種類,そして地表地震断層の多くの出現事例の記述から始まり,それによる建造物の破壊例,さらにその悪影響を忌避するための工学的44(中央大学研究開発機構石原研而)地盤工学会誌,―()
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  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 45〜45
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090022
  • 内容
  •     ◆編集後記◆熊本地震の震源となった断層の延長上には別府温泉がありま本号では「地熱エネルギーと地盤工学」をテーマとして取すが,別府温泉の温泉湧出量は世界 2 位(約95 000 L/分),り上げさせていただきました。地熱エネルギーがもたらして源泉数は世界 1 位( 2 847 箇所)なのだそうで,地熱エネルくれる最も身近な恩恵は,やはり「温泉」でしょうか。紅葉ギーの恩恵と災害は表裏一体の関係なのだと痛感させられまに色付く山々を眺めながら温泉に浸かり,浴衣に着替えて畳す。今号の内容が,自然災害と折り合いをつけながらも,地の上でゴロゴロ…日本に住んでいて良かったと心から思える熱エネルギーを巧く利用していくための情報収集の一助となひとときです。日本には,こういった恩恵を受けられる温泉れば幸いです。地が約 3 000箇所もあるのですが,温泉が湧くということは最後になりましたが,御多忙の中にもかかわらず御協力をプレート運動,造山運動が活発な地域でもあることから,同賜りました執筆者の皆様,刊行にあたり御協力を賜りました時に自然災害が多い地域と言うこともできます。平成 28 年皆様に,心より御礼申し上げます。(森長 村 上章事 (事業企画戦略室)(総務部)(会員 ・ 支部部)(国際部)(公 益 出 版 部)(調査 ・ 研究部)(基準部)事松 下 克 也監副 会 長大 谷順本 多眞(*)宮 田 喜 壽(*)浜田 中 耕太郎(*)田勝 見武(*)渦 岡 良 介(*)※ 山 下聡(*)西松 本 樹 典(*)仙西 田 耕 一古屋弘田 英中 真治弓橋村頭浩※一明章伸紀古小廣記)※印は公益出版部会構成員平 成年 度 役 員会理友宏関潤一※高 猛岡 明司彦中村裕昭(*)室長,部長平 成  年 度 公 益 出 版 部 会理事・部長理事部員渦鈴越岡 良 介橋 章 浩木 健一郎村 賢 司理事・副会長野 田榎 本古利 弘忠 夫関菊潤池一喜昭伊藤和也渡邉康司杉本映湖平成年度「地盤工学会誌」編集委員会委員長企画・編集グループ 橋 章 浩※副委員長 鈴 木 健一郎※主査 福 永 勇 介委員 浅 野 将 人石 川 敬 祐加 島西 村聡藤 原優松 澤学生委員 朝 倉 さや香阿 部 龍 矢遠 藤中野渡 博 道万 代 俊 之盛主査 正 田 大 輔委員 大 竹雄阪 田暁 橋主査 長 澤 正 明委員 大 塚 隆 人金 子 賢 治木 元主査 野 村 英 雄委員 柏尚 稔北 出 圭 介清 水主査 野 原 慎太郎委員 鎌 田 敏 幸倉 田 大 輔酒 井委員長 野 田 利 弘委員兼幹事 谷 川 友 浩小 林 浩 二委員 秋 本 哲 平飯 島 功一郎稲 積島 田篤戸 邉 勇 人中 村細 田 寿 臣松 丸 貴 樹森 下第 1 グループ第 2 グループ第 3 グループ第 4 グループ講座委員会寛章真圭 吾健太郎木松木内 大 介村聡戸 隆之祐京森児寛行竹内秀克野々村敦子小百合小林孝彰富陽太智明原弘行森友宏崇之山口健治真邦智哉彦貴金畠山子崇郎之一俊貴成健崎酒福川 裕 之田 年 一玉 真乃介樫匂田久 保渡 邉鈴 木彩澤藤康 生和 謙村澤博諭華平成年度「Soils and Foundations」編集委員会委員長菊池委員長三村喜昭※副委員長衛副委員長小高猛司渦岡良介※宮田喜壽平成年度「地盤工学ジャーナル」編集委員会名誉会員特別会員伊藤和也※岸田潔会員現在数(平成28年11月末現在)146名(国際会員110名含む) 正会員 7,425名(国際会員1,004名含む) 学生会員 823名878団体(国際会員47団体含む) 合計 9,272名・団体会費(年額)正会員 9,600円 学生会員 3,000円 国際会員(特別もしくは正会員に限る)2,000円 特別会員特級 300,000円,1 級 240,000円,2 級 160,000円,3 級 100,000円,4 級 60,000円Soils and Foundations 購読料(会員に限る)12,000円(Online 版ライセンス+冊子版)または8,000円(Online 版ライセンスのみ)地盤工学会誌平成29年 2 月 1 日発行編集発行所公益社団法人2017 地盤工学会February, 2017定価1,728円(本体価格1,600円) 無断転載2017年 2 月号 Vol.65, No.2 通巻709号株「地盤工学会誌」編集委員会印刷所 小宮山印刷工業編集業務代行地盤工学会有 新日本編集企画を禁ずる郵便番号  東京都文京区千石丁目番号電話 (代表)郵便振替 FAX ホームページ URL https://www.jiban.or.jp/Email jgs@jiban. or. jp広告一手取扱株廣業社〒 東京都中央区銀座丁目番号電話 45
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  • 平成28年度役員等
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  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 45〜45
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090023
  • 内容
  •     ◆編集後記◆熊本地震の震源となった断層の延長上には別府温泉がありま本号では「地熱エネルギーと地盤工学」をテーマとして取すが,別府温泉の温泉湧出量は世界 2 位(約95 000 L/分),り上げさせていただきました。地熱エネルギーがもたらして源泉数は世界 1 位( 2 847 箇所)なのだそうで,地熱エネルくれる最も身近な恩恵は,やはり「温泉」でしょうか。紅葉ギーの恩恵と災害は表裏一体の関係なのだと痛感させられまに色付く山々を眺めながら温泉に浸かり,浴衣に着替えて畳す。今号の内容が,自然災害と折り合いをつけながらも,地の上でゴロゴロ…日本に住んでいて良かったと心から思える熱エネルギーを巧く利用していくための情報収集の一助となひとときです。日本には,こういった恩恵を受けられる温泉れば幸いです。地が約 3 000箇所もあるのですが,温泉が湧くということは最後になりましたが,御多忙の中にもかかわらず御協力をプレート運動,造山運動が活発な地域でもあることから,同賜りました執筆者の皆様,刊行にあたり御協力を賜りました時に自然災害が多い地域と言うこともできます。平成 28 年皆様に,心より御礼申し上げます。(森長 村 上章事 (事業企画戦略室)(総務部)(会員 ・ 支部部)(国際部)(公 益 出 版 部)(調査 ・ 研究部)(基準部)事松 下 克 也監副 会 長大 谷順本 多眞(*)宮 田 喜 壽(*)浜田 中 耕太郎(*)田勝 見武(*)渦 岡 良 介(*)※ 山 下聡(*)西松 本 樹 典(*)仙西 田 耕 一古屋弘田 英中 真治弓橋村頭浩※一明章伸紀古小廣記)※印は公益出版部会構成員平 成年 度 役 員会理友宏関潤一※高 猛岡 明司彦中村裕昭(*)室長,部長平 成  年 度 公 益 出 版 部 会理事・部長理事部員渦鈴越岡 良 介橋 章 浩木 健一郎村 賢 司理事・副会長野 田榎 本古利 弘忠 夫関菊潤池一喜昭伊藤和也渡邉康司杉本映湖平成年度「地盤工学会誌」編集委員会委員長企画・編集グループ 橋 章 浩※副委員長 鈴 木 健一郎※主査 福 永 勇 介委員 浅 野 将 人石 川 敬 祐加 島西 村聡藤 原優松 澤学生委員 朝 倉 さや香阿 部 龍 矢遠 藤中野渡 博 道万 代 俊 之盛主査 正 田 大 輔委員 大 竹雄阪 田暁 橋主査 長 澤 正 明委員 大 塚 隆 人金 子 賢 治木 元主査 野 村 英 雄委員 柏尚 稔北 出 圭 介清 水主査 野 原 慎太郎委員 鎌 田 敏 幸倉 田 大 輔酒 井委員長 野 田 利 弘委員兼幹事 谷 川 友 浩小 林 浩 二委員 秋 本 哲 平飯 島 功一郎稲 積島 田篤戸 邉 勇 人中 村細 田 寿 臣松 丸 貴 樹森 下第 1 グループ第 2 グループ第 3 グループ第 4 グループ講座委員会寛章真圭 吾健太郎木松木内 大 介村聡戸 隆之祐京森児寛行竹内秀克野々村敦子小百合小林孝彰富陽太智明原弘行森友宏崇之山口健治真邦智哉彦貴金畠山子崇郎之一俊貴成健崎酒福川 裕 之田 年 一玉 真乃介樫匂田久 保渡 邉鈴 木彩澤藤康 生和 謙村澤博諭華平成年度「Soils and Foundations」編集委員会委員長菊池委員長三村喜昭※副委員長衛副委員長小高猛司渦岡良介※宮田喜壽平成年度「地盤工学ジャーナル」編集委員会名誉会員特別会員伊藤和也※岸田潔会員現在数(平成28年11月末現在)146名(国際会員110名含む) 正会員 7,425名(国際会員1,004名含む) 学生会員 823名878団体(国際会員47団体含む) 合計 9,272名・団体会費(年額)正会員 9,600円 学生会員 3,000円 国際会員(特別もしくは正会員に限る)2,000円 特別会員特級 300,000円,1 級 240,000円,2 級 160,000円,3 級 100,000円,4 級 60,000円Soils and Foundations 購読料(会員に限る)12,000円(Online 版ライセンス+冊子版)または8,000円(Online 版ライセンスのみ)地盤工学会誌平成29年 2 月 1 日発行編集発行所公益社団法人2017 地盤工学会February, 2017定価1,728円(本体価格1,600円) 無断転載2017年 2 月号 Vol.65, No.2 通巻709号株「地盤工学会誌」編集委員会印刷所 小宮山印刷工業編集業務代行地盤工学会有 新日本編集企画を禁ずる郵便番号  東京都文京区千石丁目番号電話 (代表)郵便振替 FAX ホームページ URL https://www.jiban.or.jp/Email jgs@jiban. or. jp広告一手取扱株廣業社〒 東京都中央区銀座丁目番号電話 45
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  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 45〜45
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090024
  • 内容
  •     ◆編集後記◆熊本地震の震源となった断層の延長上には別府温泉がありま本号では「地熱エネルギーと地盤工学」をテーマとして取すが,別府温泉の温泉湧出量は世界 2 位(約95 000 L/分),り上げさせていただきました。地熱エネルギーがもたらして源泉数は世界 1 位( 2 847 箇所)なのだそうで,地熱エネルくれる最も身近な恩恵は,やはり「温泉」でしょうか。紅葉ギーの恩恵と災害は表裏一体の関係なのだと痛感させられまに色付く山々を眺めながら温泉に浸かり,浴衣に着替えて畳す。今号の内容が,自然災害と折り合いをつけながらも,地の上でゴロゴロ…日本に住んでいて良かったと心から思える熱エネルギーを巧く利用していくための情報収集の一助となひとときです。日本には,こういった恩恵を受けられる温泉れば幸いです。地が約 3 000箇所もあるのですが,温泉が湧くということは最後になりましたが,御多忙の中にもかかわらず御協力をプレート運動,造山運動が活発な地域でもあることから,同賜りました執筆者の皆様,刊行にあたり御協力を賜りました時に自然災害が多い地域と言うこともできます。平成 28 年皆様に,心より御礼申し上げます。(森長 村 上章事 (事業企画戦略室)(総務部)(会員 ・ 支部部)(国際部)(公 益 出 版 部)(調査 ・ 研究部)(基準部)事松 下 克 也監副 会 長大 谷順本 多眞(*)宮 田 喜 壽(*)浜田 中 耕太郎(*)田勝 見武(*)渦 岡 良 介(*)※ 山 下聡(*)西松 本 樹 典(*)仙西 田 耕 一古屋弘田 英中 真治弓橋村頭浩※一明章伸紀古小廣記)※印は公益出版部会構成員平 成年 度 役 員会理友宏関潤一※高 猛岡 明司彦中村裕昭(*)室長,部長平 成  年 度 公 益 出 版 部 会理事・部長理事部員渦鈴越岡 良 介橋 章 浩木 健一郎村 賢 司理事・副会長野 田榎 本古利 弘忠 夫関菊潤池一喜昭伊藤和也渡邉康司杉本映湖平成年度「地盤工学会誌」編集委員会委員長企画・編集グループ 橋 章 浩※副委員長 鈴 木 健一郎※主査 福 永 勇 介委員 浅 野 将 人石 川 敬 祐加 島西 村聡藤 原優松 澤学生委員 朝 倉 さや香阿 部 龍 矢遠 藤中野渡 博 道万 代 俊 之盛主査 正 田 大 輔委員 大 竹雄阪 田暁 橋主査 長 澤 正 明委員 大 塚 隆 人金 子 賢 治木 元主査 野 村 英 雄委員 柏尚 稔北 出 圭 介清 水主査 野 原 慎太郎委員 鎌 田 敏 幸倉 田 大 輔酒 井委員長 野 田 利 弘委員兼幹事 谷 川 友 浩小 林 浩 二委員 秋 本 哲 平飯 島 功一郎稲 積島 田篤戸 邉 勇 人中 村細 田 寿 臣松 丸 貴 樹森 下第 1 グループ第 2 グループ第 3 グループ第 4 グループ講座委員会寛章真圭 吾健太郎木松木内 大 介村聡戸 隆之祐京森児寛行竹内秀克野々村敦子小百合小林孝彰富陽太智明原弘行森友宏崇之山口健治真邦智哉彦貴金畠山子崇郎之一俊貴成健崎酒福川 裕 之田 年 一玉 真乃介樫匂田久 保渡 邉鈴 木彩澤藤康 生和 謙村澤博諭華平成年度「Soils and Foundations」編集委員会委員長菊池委員長三村喜昭※副委員長衛副委員長小高猛司渦岡良介※宮田喜壽平成年度「地盤工学ジャーナル」編集委員会名誉会員特別会員伊藤和也※岸田潔会員現在数(平成28年11月末現在)146名(国際会員110名含む) 正会員 7,425名(国際会員1,004名含む) 学生会員 823名878団体(国際会員47団体含む) 合計 9,272名・団体会費(年額)正会員 9,600円 学生会員 3,000円 国際会員(特別もしくは正会員に限る)2,000円 特別会員特級 300,000円,1 級 240,000円,2 級 160,000円,3 級 100,000円,4 級 60,000円Soils and Foundations 購読料(会員に限る)12,000円(Online 版ライセンス+冊子版)または8,000円(Online 版ライセンスのみ)地盤工学会誌平成29年 2 月 1 日発行編集発行所公益社団法人2017 地盤工学会February, 2017定価1,728円(本体価格1,600円) 無断転載2017年 2 月号 Vol.65, No.2 通巻709号株「地盤工学会誌」編集委員会印刷所 小宮山印刷工業編集業務代行地盤工学会有 新日本編集企画を禁ずる郵便番号  東京都文京区千石丁目番号電話 (代表)郵便振替 FAX ホームページ URL https://www.jiban.or.jp/Email jgs@jiban. or. jp広告一手取扱株廣業社〒 東京都中央区銀座丁目番号電話 45
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  • 新・関東の地盤-増補地盤情報データベースと地盤モデル付-(2014年版)
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090025
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  • 会告
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • A1〜A3
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090026
  • 内容
  • ■ お知らせ開催期日締切月日内容平成28年(2016年)熊本地震による被災会員への支援について第52回地盤工学研究発表会29年 7 月12日~14日開催場所掲載ページ名古屋11・12月号 1 P開催場所掲載ページ2P■ 論文・原稿募集開催期日締切月日29年 7 月12日~14日29年 9 月25日~26日2月5日行事名「第52回地盤工学研究発表会」論文募集「第12回環境地盤工学シンポジウム」論文募集2 月24日2 月15日「地盤工学会誌」への概要原稿公募3 月15日「地盤工学会誌」への概要原稿公募テーマ「逆解析/データ同化とその利用」名古屋前号2P長前号4P前号5P崎テーマ「人工地盤材料」2P■ 催し物開催期日締切月日29年 7 月12日~14日2 月28日行事名第 52 回地盤工学研究発表会(名古屋大会)での技術展示コーナー出展募集のご案内開催場所掲載ページ名古屋11・12月号 3 P開催場所掲載ページ■ 支部からのお知らせ支部名開催月日締切月日北海道支部 29年 2 月 3 日29年 6 月 2 日北陸支部3 月31日29年 2 月17日関西支部29年 2 月28日2 月10日2 月21日2 月28日四国支部行事名「第57回年次技術報告会」開催のお知らせ北見「気候変動に伴う積雪寒冷地の地盤災害に関するシンポジウム」論文募集札幌「公益社団法人地盤工学会北陸支部評議員会・第75回土質工学最新情報コロキアム」富山平成29年度幹事の公募平成28年度第 2 回現場見学会前号5P11・12月号 4 P前号6P前号7P2P堺「平成28年度地盤工学会四国支部賞」候補募集11・12月号 6 P■ 共催・協賛・後援開催期日29年 1 月24日,2 月 7 日,21日29年 2 月 2 日,3 日29年 3 月 8 日締切月日行事名開催場所掲載ページ「トンネル技術者のための地盤調査と地山評価」発刊に伴う講習会北海道東 京大 阪前号7P「第21回震災対策技術展」横浜神奈川前号7P第23回宅地擁壁技術講習会東京3P29年 3 月 9 日ウィンタースクール「トポロジー最適化の基礎~積層造形によるものづくりへの応用~」東京3P29年 3 月14日29年 5 月18日,19日第21回土木鋼構造研究シンポウム東京第 5 回中部ライフガード TEC2017~防災・減災・危機管理展~名古屋29年 5 月20日~25日29年 5 月31日~6 月 2 日JpGUAGU 共同大会2017( JpGUAGU Joint Meeting 2017)千29年11月29日~12月 1 日第22回計算工学講演会葉前号3Pさいたま第 2 回橋梁・トンネル技術展千葉地盤工学会ホームページ(https://www.jiban.or.jp/)に,会告及び最新出版案内が掲示されていますのでご覧ください。国際地盤工学会ホームページ(http://www.issmge.org/)地盤工学会の本部及び支部の所在地は本号会告の 4 ページをご参照ください。― 1 ―7P11・12月号 6 P11・12月号 6 P前号7P ■お知らせお知らせ平成年(年)熊本地震による被災会員への支援について公益社団法人地盤工学会この度, 2016 年 4 月 14 日以降に継続して発生しております熊本地震により被災された会員とご家族そしてその関係者の皆様に,謹んでお見舞い申し上げます。地盤工学会では,今回の地震により被災された会員への支援として,地盤工学会規則第 14 条 3 項の規定に基づき,平成 28年度会費を免除することにいたしました。被災された会員の方は下記の要領でお申し込みください。なお,会費の減免については理事会の決定を得て,当学会よりご連絡いたします。記. 会費免除対象者と免除する会費正会員(個人) 年会費9 600円学生会員年会費3 000円国際会員正会員(個人)年会費 9 600 円のほかに■論文・原稿募集論文 ・ 原稿募集「地盤工学会誌」への概要原稿公募テーマ「逆解析/データ同化とその利用」会誌編集委員会◇今回募集する下記の特集号に投稿を希望する方は,A4 判縦長の用紙に題名,執筆者と連名者の氏名,所属機関および連絡者を明記のうえ,内容が理解できる 2 000字程度の概要と,必要ならば図表等を添付してメールにて会誌編集委員発行号平成年月号テーマ「逆解析/データ同化とその利用」概要原稿の締切り平成年月日趣 旨逆問題は結果から原因を推定する方法であり,理工学分野において逆問題・逆解析は古くから数多くの手法が提案されています。近年の地盤工学においては,地震観測記録に基づく震源メカニズムの推定や長期の観測に基づく地盤沈下の評価などに利用される例が見られ,構造物の設計や施工管理に応用されています。近年のコンピュータ技術の発展に伴って,昔には考え■支部からのお知らせ国際会費2 000円申込み方法被災された会員の方は,被災状況,会員種別,会員番号,住所・氏名を記入し,文書, FAX または E mail で学会事務局にご連絡ください。なお,すでに平成 28 年度会費をお支払い済の方は,その取扱い( 29 年度会費に充当等)についてのご希望も併せてお知らせください。. 申込み先〒― 東京都文京区千石――地盤工学会 調査基準・技術推進チーム 会員係――電話―― FAXEmailkaiin@jiban.or.jp【参考】公益社団法人地盤工学会規則(第14条)3. 激甚災害により被災した会員については,当該年度会費の減免,もしくは次年度会費の減免を行うことができる。会費減免の可否は総務部と連携し,会員・支部部の審議に基づき理事会で決定する。.会( E mail: kaishi genko @ jiban.or.jp )あてにお送り下さい。◇投稿者は,本学会の正・国際・学生会員に限ります。同一著者(筆頭著者)からの複数の採択はいたしません。◇概要を審査後,掲載可となった著者には,改めて原稿依頼状等をお送りいたします。その際の本原稿の締切りは,平成29年 6 月末を予定しております。◇最終的な掲載の可否は,編集委員会にご一任下さい。られないほどの大規模な計算が可能となってきており,逆解析に基づく地盤物性評価の適用範囲は日々拡大しています。仕様規定型から信頼性設計に基づく性能規定型の設計への移行が叫ばれ続ける中で,不確定性が多く含まれる地盤に対して最適な構造物を設計・施工するためには,逆解析とデータ同化を如何に上手く現場に展開させるかが重要になるものと思われます。そこで,地盤工学における逆解析とデータ同化に関する最新技術,現場での取組み状況や適用事例,今後の展望について特集いたします。会員の皆様の積極的なご投稿をお待ちしております。支 部 か ら の お 知 ら せ●各支部行事等への申込み方法各支部事務局及び主催者へお問合わせください。関 西 支 部平成年度 第回現場見学会―阪神高速大和川線 工事現場見学会―主催(公社)地盤工学会関西支部日時平成年月日(火) ~ ※雨天決行集合場所大和川線シールドトンネル工事 シールド発進基地住所堺市堺区遠里小野町 4 丁(南海高野線/浅香山駅から徒歩10分)解散場所常磐工区 解散(JR 阪和線/浅香駅まで徒歩15分or 地下鉄御堂筋線/北花田駅まで徒歩15分)定員40名(先着順)参 加 費会員1 000円,学生会員無料,非会員1 000円(保険料,消費税含む)CPD ポイント.ポイント― 2 ― 申込期限平成年月日(火) 氏名,◯ 所属名,◯ 所属住所,申込方法参加ご希望の方は,◯ 所属先電話番号・ FAX ・メールアドレス,◯会◯員・非会員の別をご記入の上,申込期限までにFAX または E mail でお送りください。申込受付後,参加証・請求書・案内図および郵便振替用紙をお送りいたします。なお,会費の納入は郵便振替(銀行振込・現金書留可)でお願いいたします。な■共催・協賛・後お,関西支部 HP(http://www.jgskb.jp)からもお申込みいただけます。申込み先地盤工学会関西支部―電話―― FAX―Emailo‹ce@jgskb.jp※詳細はホームページ[ http: // www.jgskb.jp /]にてご確認ください。援第回宅地擁壁技術講習会主催(公社)全国宅地擁壁技術協会後援地盤工学会ほか開 催 日平成年月日(水)会場アルカディア市ヶ谷(私学会館) 階「大雪」(〒1020073 東京都千代田区九段北 4―2―25)ウィンタースクール「トポロジー最適化の基礎~積層造形によるものづくりへの応用~」主催(一社)日本計算工学会協賛地盤工学会ほか開 催 日平成年月日(木)会場中央大学 理工学部(後楽園キャンパス) 号館階 教室第回計算工学講演会主催(一社)日本計算工学会協賛地盤工学会ほか開 催 日平成年月日(水)~月日(金)会場ソニックシティ(〒 3300854 埼玉県さいたま市大宮区桜木町 1―そ の 他詳細は下記 HP をご参照ください。問合せ先(公社)全国宅地擁壁技術協会〒 東京都千代田区鍛冶町―― 神田渡辺ビル―電話―― FAX―Emaiakiyama@takukyou.or.jpHPhttp://www.takukyou.or.jp/(〒1128551 東京都文京区春日 1―13―27)そ の 他詳細は下記 HP をご参照ください。問合せ先(一社)日本計算工学会〒 東京都文京区向丘―― IFP 東大前ビル階―電話―― FAX―HP  http: // www.jsces.org / koenkai / koshukai info/000679.htmlEmailo‹ce@jsces.org7― 5)そ の 他詳細は下記 HP をご参照ください。問合せ先(一社)日本計算工学会〒 東京都文京区向丘―― IFP 東大前ビル階―電話―― FAX―HPhttp://www.jsces.org/koenkai/22/Emailo‹ce@jsces.org― 3 ―共催・協賛・後援
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  • タイトル
  • 地盤工学会所在地
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • A4〜A4
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090027
  • 内容
  • 〒1120011 東京都文京区千石 4382公益社団法人地盤工学会 電 話03(3946)8677(代) FAX03(3946)8678Email: jgs@jiban.or.jp ホームページURL https://www.jiban.or.jp/北海道支部〒0600061 札幌市中央区南 1 条西 2 丁目 南一条 K ビル 8 階電 話011(251)7038,(261)7742 FAX011(251)7038Email: hjgs@olive.ocn.ne.jp東北支部〒9800014 仙台市青葉区本町 251 オーク仙台ビル 3F(江陽グランドホテル北側隣)電 話022(711)6033 FAX022(263)8363Email: jgsb-th@tohokushibu.jp北陸支部〒9500965 新潟市中央区新光町10番地 3 技術士センタービル 7F電話/FAX025(281)2125Email: jgskoshi@piano.ocn.ne.jp関東支部〒1120011 東京都文京区千石 4382 JGS 会館内電 話03(3946)8670(代) FAX03(3946)8699Email: jgskantou@jiban.or.jp中部支部〒4600008 名古屋市中区栄 2926 ポーラ名古屋ビル 8 階電 話052(222)3747 FAX052(222)3773Email: chubu@jiban.or.jp関西支部〒5400012 大阪市中央区谷町 157 ストークビル天満橋 8 階801号室電 話06(6946)0393 FAX06(6946)0383Email: office@jgskb.jp中国支部〒7300011 広島市中区基町103 自治会館内電話/FAX082(962)5557Email: chugoku@jiban.or.jp四国支部〒7908577 松山市文京町 3 愛媛大学工学部環境建設工学科内電 話090(6881)9036 FAX089(927)9817Email: jibanshikoku@gmail.com九州支部〒8100041 福岡市中央区大名 2412 シーティーアイ福岡ビル 2 階電 話092(717)6033 FAX092(717)6034Email: jgsk_ jimu@able.ocn.ne.jp― 4 ―
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  • 「落石対策工の設計法と計算例」
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090028
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  • タイトル
  • 裏表紙
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.2 No.709
  • ページ
  • 発行
  • 2017/02/01
  • 文書ID
  • jk201707090029
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