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地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719

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タイトル 表紙
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180001
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タイトル 新しい設計法に対応した土と基礎の設計計算演習 平成29年度版
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180002
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タイトル 本号の編集にあたって(<特集>自然由来物質への対応)
著者 倉田 大輔・高橋 寛行
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ i〜i 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180003
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タイトル 目次
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180004
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タイトル 発生土の利用と自然由来物質 ―動向と課題―(<特集>自然由来物質への対応)
著者 勝見 武
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ 1〜3 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180005
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タイトル 公共工事における自然由来重金属等を含む建設発生土への対応方針(<特集>自然由来物質への対応)
著者 鈴木 弘明
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ 4〜7 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180006
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タイトル 土壌・岩石の自然由来物質に関わる調査(<特集>自然由来物質への対応)
著者 品川 俊介・阿南 修司
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ 8〜11 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180007
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タイトル 汚染対策を施した掘削ずりの道路盛土内の物質移行に関する観測実験(<特集>自然由来物質への対応)
著者 田本 修一・倉橋 稔幸
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ 12〜15 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180008
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タイトル 自然由来物質の溶出現象における熱力学的解析の利用(<特集>自然由来物質への対応)
著者 浦越 拓野・太田 岳洋・川越 健
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ 16〜19 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180009
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タイトル 地下ダムから溶出したマンガン水の分析と電気泳動法による低減化(<特集>自然由来物質への対応)
著者 佐々木 清一・宇田 毅
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ 20〜23 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180010
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タイトル 風化履歴や曝露環境等を考慮した新第三紀海成堆積岩の酸性化可能性及び砒素の溶出傾向の評価(<特集>自然由来物質への対応)
著者 巽 隆有・山本 隆広・龍原 毅
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ 24〜27 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180011
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タイトル 二酸化炭素を活用した自然由来重金属等含有土の環境負荷低減技術の展望―燃焼系廃棄物の溶出抑制研究の成果を起点に―(<特集>自然由来物質への対応)
著者 小峯 秀雄・江原 佳奈・井上 陽介・夛賀 都・片山 浩志・阪本 廣行
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ 28〜31 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180012
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タイトル 第52回地盤工学研究発表会を終えて(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 西村 伸一
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ 32〜32 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180013
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タイトル 第52回地盤工学研究発表会(名古屋大会)を終えて(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 中野 正樹
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ 33〜33 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180014
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タイトル 河川堤防(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 岡村 未対
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP1〜HP1 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180015
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タイトル 特別講演会,技術展示コーナー,市民向け行事,見学会,交流会の報告(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 野田 利弘・山田 正太郎
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP2〜HP5 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180016
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タイトル DS-01「地下水面よりも上の地盤の現場飽和透水性評価」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 西垣 誠
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP6〜HP6 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180017
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タイトル DS-02「室内土質試験へのISO 規格の導入とJIS 改訂作業の進捗状況」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 豊田 浩史
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP7〜HP7 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180018
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タイトル DS-03「遺産の地盤災害からの保全」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 岩崎 好規
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP8〜HP8 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180019
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タイトル DS-04「地盤情報データベースの整備とその利活用」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 三村 衛・北田 奈緒子
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP9〜HP9 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180020
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タイトル DS-05「交通地盤工学における設計・評価・維持管理のイノベーション」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 石川 達也
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP10〜HP10 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180021
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タイトル DS-06「新しい地盤環境管理と基準に向けた取組」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 肴倉 宏史
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP11〜HP11 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180022
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タイトル DS-07「エネルギーに基づく液状化予測の可能性」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 小林 孝彰・東野 圭悟・金 鍾官
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP12〜HP12 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180023
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タイトル DS-08「南海トラフ巨大地震による地盤災害に備えて」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 野田 利弘・三村 衛
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP13〜HP13 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180024
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タイトル DS-09「地盤品質判定士の役割と期待」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 北詰 昌樹・小田部 雄二
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP14〜HP14 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180025
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タイトル 廃炉地盤工学の創出と人材育成(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 東畑 郁生
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP15〜HP16 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180026
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タイトル 平成28年度道路保全地盤技術向上の調査・研究成果報告会(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 宮田 喜壽
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP17〜HP18 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180027
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タイトル 地盤工学会におけるダイバーシティの実現(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 田中 真弓
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP19〜HP20 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180028
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タイトル 第52回地盤工学研究発表会 優秀論文発表者賞(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 地盤工学会 調査・研究部
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP21〜HP24 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180029
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タイトル 平成28年8月北海道豪雨災害調査報告会(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 石川 達也
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP25〜HP25 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180030
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  • 2017/11/01
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  • jk201707180002
  • 内容
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  • タイトル
  • 本号の編集にあたって(<特集>自然由来物質への対応)
  • 著者
  • 倉田 大輔・高橋 寛行
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • i〜i
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180003
  • 内容
  • 本号の編集にあたって土壌汚染対策法は,平成22年 4 月の大幅改正で自然由来物質を含む建設発生土も法の対象となり,それから 7 年が経過,一部が改正されます。自然由来物質毎で多様な性質と挙動を示し,汚染状況・条件の現場毎の違いや複雑さを背景に,自然由来物質の分布や賦存状況の調査,自然由来物質による土壌・地下水汚染の対策について,多種多様な技術開発が日々行われています。経済的で効果的な調査と対策を行うには,対象地盤,対象物質,調査・修復段階に応じて,最適な方法の選定が必要です。例えば,岩石中に存在する特定化学成分の判定手法や発生土の処理方法を検討し,現場状況に応じた封じ込めや不溶化等の対策も実施されています。一方,対策の施工管理,周辺環境保全,モニタリング等による性能確認も重要な事項で,細かな配慮が求められます。法の改正で,汚染土壌を汚染サイト外へ極力搬出することなく,より安価な措置対策が期待される中,掘削除去による対策が未だ多い状況です。土壌・地下水汚染に対応する技術は進んだものの,発展の段階にあるとも言え,更なる技術開発が期待されます。そこで本号では,「自然由来物質への対応」と題した特集を企画しました。総説では,発生土の利用と自然由来物質に関する動向と課題について,論説では,公共工事における自然由来物質を含む建設発生土への対応方針,土壌・岩石の自然由来物質に関わる調査全般について解説されています。さらに 5 編の報告では,掘削ずりの道路盛土内の物質移行に関する観測,自然由来物質の溶出現象における熱力学的解析の利用,地下ダムのマンガン水の分析と低減化手法の紹介に加え,新第三紀海成堆積岩の酸性化可能性・砒素の溶出傾向の評価や,自然由来重金属等含有土の環境負荷低減技術など,多岐に渡って執筆頂きました。本号の特集が,会員の皆様にとって有益なものとなり,自然由来物質への適切な対応の一助になることを期待しています。「自然由来物質への対応」特集担当 倉 田 大 輔(くらた だいすけ)本号は 7 月12日から15日にかけて,名古屋国際会議場において開催された第52回地盤工学研究発表会の特集号です。今年度は 3 年ぶりの 7 月開催で,梅雨時期ながらの不安定な天候ではありましたが, 1 910 名の方にご参加いただき,1 076件の発表がありました。今年の発表会でも,研究発表セッション,展望,ディスカッションセッション,特別セッション,北海道豪雨災害報告会,サロン・土・カフェ W,平成29年 7 月九州北部豪雨 緊急災害報告会,特別講演会,交流会,技術展示,見学会などの市民向け行事等,多くの行事が開催され,活発な意見交換が行われました。市民向け行事では名古屋国際会議場において,技術展示のほか,起震車による地震体験や「地盤品質判定士による住宅地盤相談会」,「住宅地盤に潜むリスクに関する講演会」が開催され,一般市民の方に最も身近な「宅地」から地盤工学についての知見を深めていただき,自然災害に対する備えの意識を持っていただく良い機会になったと感じております。また,特別セッション,特別講演会,技術展示など多くの催しが一般開放されており,一般の方の関心を集め,開かれた学会である印象を強く感じていただいたと思います。本号は,11月号との合併号となっており,毎年12月号は研究発表会に関する特集号となっていますが,発表会で開催された多くの行事などは地盤工学会ホームページ(https://www.jiban.or.jp/)に掲載されています。ホームページでの掲載内容は,発表された内容の総括のみならず,討議内容,その中で得られた新たな知見等が簡潔にまとめられており,研究及び技術動向,将来の展望など会員の皆様に有益な情報を提供できることを期待しています。最後に,研究発表会の運営にご尽力されました実行委員会をはじめ,研究発表会関係者の皆様に深く感謝申し上げますとともに,来年度に開催される高松市での研究発表会がさらに実り多いものになることを祈念いたします。「第52回地盤工学研究発表会」特集担当地盤工学会のホームページ URL https://www.jiban.or.jp/国際地盤工学会ホームページ http://www.issmge.org/編集兼発行者公益社団法人地盤工学会 橋 寛 行(たかはしともゆき)
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  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180004
  • 内容
  • 口絵写真(*HP)第52回地盤工学研究発表会開催11月号特集テーマ自然由来物質への対応総説発生土の利用と自然由来物質●勝見論説―動向と課題― …………………………………………………… 1武公共工事における自然由来重金属等を含む建設発生土への対応方針 …………………………… 4●品川俊介/阿南修司土壌・岩石の自然由来物質に関わる調査 …………………………………………………………… 8●鈴木報告弘明汚染対策を施した掘削ずりの道路盛土内の物質移行に関する観測実験 …………………………12●田本修一/倉橋稔幸自然由来物質の溶出現象における熱力学的解析の利用 ……………………………………………16●浦越(公募)募)募)健清一/宇田毅風化履歴や曝露環境等を考慮した新第三紀海成堆積岩の酸性化可能性及び砒素の溶出傾向の評価 …………………………………………………………………………………………24●巽(公岳洋/川越地下ダムから溶出したマンガン水の分析と電気泳動法による低減化 ……………………………20●佐々木(公拓野/太田隆有/山本隆広/龍原毅二酸化炭素を活用した自然由来重金属等含有土の環境負荷低減技術の展望―燃焼系廃棄物の溶出抑制研究の成果を起点に― …………………………………………………28●小峯秀雄/江原佳奈/井上陽介/夛賀都/片山浩志/阪本廣行12月号特集テーマ第52回地盤工学研究発表会巻 頭 言第52回地盤工学研究発表会を終えて …………………………………………………………………32●西村総説第52回地盤工学研究発表会(名古屋大会)を終えて ………………………………………………33●中野展望正樹河川堤防 ………………………………………………………………………………………………HP1●岡村特別講演会,技術展示コーナー,市民向け行事,見学会,交流会伸一未対特別講演会,技術展示コーナー,市民向け行事,見学会,交流会の報告 ……………………HP2●野田利弘/山田正太郎 ディスカッションセッションDS01「地下水面よりも上の地盤の現場飽和透水性評価」 ……………………………………HP6●西垣誠DS02「室内土質試験への ISO 規格の導入と JIS 改訂作業の進捗状況」 ……………………HP7●豊田浩史DS03「遺産の地盤災害からの保全」 ……………………………………………………………HP8●岩崎好規DS04「地盤情報データベースの整備とその利活用」 …………………………………………HP9●三村衛/北田奈緒子DS05「交通地盤工学における設計・評価・維持管理のイノベーション」 …………………HP10●石川達也DS06「新しい地盤環境管理と基準に向けた取組」 ……………………………………………HP11●肴倉宏史DS07「エネルギーに基づく液状化予測の可能性」 ……………………………………………HP12●小林孝彰/東野圭悟/金鍾官DS08「南海トラフ巨大地震による地盤災害に備えて」 ………………………………………HP13●野田利弘/三村衛DS09「地盤品質判定士の役割と期待」 …………………………………………………………HP14●北詰特別セッション昌樹/小田部雄二廃炉地盤工学の創出と人材育成 ……………………………………………………………………HP15●東畑郁生平成28年度道路保全地盤技術向上の調査・研究 成果報告会 …………………………………HP17●宮田喜壽地盤工学会におけるダイバーシティの実現 ………………………………………………………HP19●田中真弓優秀論文発表者賞第52回地盤工学研究発表会北海道豪雨災害調査報告会平成28年 8 月北海道豪雨災害調査報告会 …………………………………………………………HP25サロン・土・カフェ W「サロン・土・カフェ W」開催報告 ………………………………………………………………HP26●地盤工学会●石川●藤澤優秀論文発表者賞 …………………………………………………HP21調査・研究部達也久子/隅倉光博 技術紹介生態系保全型底泥資源化工法の進展と除染への用途拡大 …………………………………………34●青井透電子コンパスと加速度センサを搭載した地盤傾斜計の開発 ………………………………………36●納谷資料宏/林田昇/内田純二/別役一哉室内試験関係日本工業規格(JIS)の改正について …………………………………………………38●地盤工学会基準部技術手帳準天頂衛星システム「みちびき」 ……………………………………………………………………46●松岡繁数値解析の V&V(検証と妥当性確認) ………………………………………………………………48●渦岡講座良介/櫻井英行/中井健太郎/森口周二X 線 CT から見る土質力学3. 土の基本的性質 ……………………………………………………………………………………50●椋木4.俊文土の締固め …………………………………………………………………………………………57●椋木俊文/大谷順南海トラフ巨大地震・津波発生の真実にせまる~強靭な社会の構築に向けて~3. 南海トラフ付加体先端部における地震・津波発生メカニズム ………………………………63●坂口4.有人実験室から探る南海トラフ地震断層運動 ………………………………………………………70●廣瀬丈洋会告第期代議員の選挙公示 ……………………………………………………………………………78書籍紹介 ………………………………………………………………………………………………………80新入会員・編集後記 …………………………………………………………………………………………81
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  • タイトル
  • 発生土の利用と自然由来物質 ―動向と課題―(<特集>自然由来物質への対応)
  • 著者
  • 勝見 武
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • 1〜3
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180005
  • 内容
  • 発生土の利用と自然由来物質―動向と課題―Use of Excavated Soils with Natural Contamination勝見京都大学武(かつみたけし)大学院地球環境学堂. は じ め に教授意が必要である。重金属等は熱水には溶けた状態で存在しているが,この熱水の上昇過程で溶液が冷やされて金自然由来の重金属等を含む発生土・掘削ずりの問題が属鉱物を生成し,重金属等が地質に残存するというプロ近年よく取り上げられるようになっている。もともと土セスである。温泉水や鉱泉水からの重金属等の濃集も,木・建設の分野では,鉱山の近くや黄鉄鉱を含む地層で低温の熱水がもたらすものである。一方,海成の堆積層,建設工事を行うにあたり,重金属の溶出や酸性排水につ特に海成泥岩にも重金属等が含まれるものがある。粘土いて一定の配慮がなされてきた。一方,土壌汚染対策法粒子が沈降する際に海中の重金属等が取り込まれ,生成(以下,土対法)の2003年の施行と2010年の改正に伴い,した海成堆積層に重金属等が残存するというのが,その現場は土対法に則しあるいは準じて自然由来の問題に対プロセスである1)。このような地質の成因を知らずして応するようになり,一部では過剰に安全側ではないかと重金属等の調査分析を行えば,過剰な調査費用を要したの指摘もみられてきた。そのような中, 2015 年 6 月 30り,逆に大きな見落としをもたらす可能性がある。日閣議決定された規制改革実施計画では,自然由来の重金属等の問題に対して緩和の必要性が提起された。そして, 2016 年 12 月 12 日に出された中央環境審議会「今後.環境安全性の判定とその課題環境安全性の判定は汚染により健康被害が生じうるかの土壌汚染対策の在り方について(第一次答申)」(以下,どうかに基づいており,我が国では土壌環境基準あるい答申)と 2017 年 5 月 12 日成立の土対法の改正は,他のは土対法の指定基準(溶出量基準・含有量基準)によっいくつかの重要な改正事項を含んではいるが,自然由来ている。例えば土対法の溶出量基準は,土壌から対象物の重金属等の問題に関して言えばリスクに応じた合理化質が溶出した地下水を 70 年間毎日 2 L 飲み続けて,生の方向に初めて舵が切られたと言える。そしてこの改正涯発がんリスク 10-5 相当レベルとなる限界の値としてには,地盤工学を含む社会基盤・建設分野における取り定められている。また,含有量基準は,子供のときは一組みが反映されていると筆者は考えている。筆者はこの日200 mg,大人になってからは100 mg の土壌を70年間答申の策定など様々な議論に加わる機会を得たので,私摂取しても同様にリスクレベルが一定以下となる含有量見も含めて本稿でまとめてみたい。として設定されている。したがって,基準をわずかに超.自然由来の重金属等を含有する土えている土や溶出水を摂取したとしても,直ちに健康被害が生じるわけではない。土や岩石に重金属等が含有している状況は特別なこと土壌環境基準や溶出量基準のための試験(以下,土壌ではない。土や岩石のもととなる地球の地殻の元素組成環境基準の試験方法が平成 3 年環境庁告示 46 号としては, 1920 年代にクラーク博士らが数千に及ぶ火成岩の定められているため,「46号試験」とする)は,土を10元素を分析して算出した平均値を基本として示されてお倍量の水と混合して,水に溶け出てくる重金属等の濃度り,この値はクラーク数と呼ばれている。元素組成は地を測るものである。この試験方法は表層の人為的な汚染域によって若干の違いがあり,日本ではヒ素の濃度が世を対象として定められたため,建設現場等で発生する自界平均より高いなどの特徴がある。これは,日本列島が然由来の重金属等含有土に直接適用するにはいくつか問大陸プレートと海洋プレートが押し合う境界にあって,題点があることが指摘されている。例えば46号試験は 2特定の金属が融点等の関係で集まりやすいためと説明さmm 以下の土壌が対象だが,岩石を掘削した掘削ずりはれている。重金属等が高濃度で含まれていれば鉱床とな大きな塊のものがほとんどである。掘削ずりが発生するり,事業として成立するほどの濃度と規模の鉱床であれ多くの現場では,岩石を 2 mm 以下に破砕して溶出試験ば鉱山として活用できる。一方,採掘するほどの高濃度を行っている例が多いが,適度に破砕して細かくなったではないが,環境基準や土対法の指定基準を超過するよものだけを溶出試験の対象にするのか,岩石の全てを一うな含有量・溶出量を呈する岩石や土も存在する。定粒度以下に破砕するのか等,破砕の方法は統一されて重金属等を含む土や岩石を知る第一段階は,地質の成いない。例えば前者の方法では岩石の砕かれやすい一部り立ちを考えることである。熱水変質作用を受けた地質のみを試験したことになり,全体を評価したことにならには重金属等が存在する可能性が高く,掘削工事には注ないという指摘がある。一方,後者であれば一定粒度とNovember/December, 20171 総説はいくらが適切かを決めなければならないし,そもそも硬い岩石を 2 mm 以下まで破砕するのかという指摘もある。最近では,粗砕試料として最大粒径 40 mm を採用し,2 mm 粉砕試料の結果と併せて評価を行っている事例もある。岩石の種類と特性に応じた試験方法の確立が求められており,多くの基礎実験や現場試験が行われている。掘削により,土のおかれる環境が変わることの影響にも注意が必要で,中でも酸性化の評価は重要である。土や岩石に黄鉄鉱が含まれていると,これが空気に触れる図―トンネル掘削のプロセスと留意すべき事項ことで酸化されて硫酸が生成され,酸性水を発生する可能性がある。酸性化の反応は比較的緩慢で,1 年以上のとなる。安全性判定の時間短縮には,簡易法による溶出時間が経ってから酸性化が生じる場合もある。一般に重試験やプレボーリングによる試料採取などが行われるが,金属は酸性で溶けやすくなるため,酸性化が生じるかどこれらは公定法との照合から安全側の判定基準が設けらうかは重金属等の溶出リスクを考える上でも重要である。れ,結果として管理が必要な土が増える可能性もある。しかし, 46 号試験ではこのような酸性化の影響を考慮ストックヤードが十分に確保できるのであれば,公定法できていない。土木研究所等がとりまとめたマニュアルに準じた試験によってより丁寧に分別ができ,要対策土やハンドブック2),3)では,このような酸性化の可能性との削減につながる場合もある。土壌・地質と重金属等存その影響を評価する試験法も示されている。自然由来の在の可能性,基準超過土の受け入れ先(管理型盛土など)重金属等を含む地質の特性を考慮した,サイエンスに基の容量,コスト,仮置場やストックヤードの用地の確保づいたスタンスが貫かれている。の是非,工期の制約,土の運搬のロジスティックスとい.自然由来の重金属等を含む発生土の利用掘削で発生する全ての土が土対法の対象となるわけではない。土対法では,面積 3 000 m2 以上の土地の形質った諸条件を踏まえ,各現場でそれぞれに掘削土のマネジメントが行われているのが現状である(図―参照)。.平成年の答申と土対法の改正変更(地形と性質を変更すること)を行うとき等に調査2003 年に施行された土対法は当初は人為の汚染のみを義務付けており,その結果,基準超過の土壌があればを対象としていたが, 2010 年の改正により自然由来の指定区域に指定される。また,基準超過が自然由来の重重金属等も対象となった。法対象の下で自然由来特例区金属等であれば,指定区域のうち「自然由来特例区域」域に指定された例も含めて,多くの自然由来の重金属等に指定される。指定区域で土を掘削してその外に持ち出は,基準を超えている場合でもその濃度レベルは低く,す場合は,持ち出し先は指定された汚染土壌処理施設に基準の数倍程度までのものがほとんどである。しかし,限定されるが,これは自然由来特例区域も例外ではない。基準超過ということで対象土は浄化あるいは処分に供さm2未満であったり,掘削物が土壌れることが多く,法規制が厳しすぎるのではとの指摘がではなく岩石であれば,土対法の届出や調査の対象とな各方面からあった。冒頭に記した 2015 年の規制改革実一方,面積が 3 000らない。したがって,土対法対象外の掘削土や岩石は,施計画では,自然由来物質に係る規制の見直しとして一定レベル以上の重金属等が含まれていても盛土等に活「自然由来物質に係る規制の在り方につき,事業者等の用されることがあるが,重金属等が一定濃度以上溶け出意見を踏まえつつ,人の健康へのリスクに応じた必要最す可能性のあるものは「管理型盛土」として利用され小限の規制とする観点から検討し,結論を得る。」としる2),3)。管理型盛土とは,例えば盛土の中に遮水材を設置してて, 2015 年度に検討開始,翌年度には結論を得るよう示された。内部を水理学的に隔離するなどの対応がとられた盛土の土対法の下では,基準超過土を含む土地は指定区域とことである。通常の盛土と異なり遮水材を敷設するためなり,指定区域から出される土は,行政から許可を受けコストもかかり,盛土安定性の観点から遮水材と土の境た汚染土壌処理施設にその処理を委託しなければならな界面のすべりも考慮しなければならない。遮水シート以い。土がどこでどのように使われても環境リスクの問題外にも,粘土層敷設などの方法が提示されているが3),は生じさせないようにするとの前提で法制度設計がなさいずれも通常の盛土よりは高価となる。したがって現場れており,法対象の土地では汚染土壌処理施設以外にはの対応としては,掘削土を,管理型盛土で受け入れるべ基準超過土の行き場はない。一方,原理原則論から自然き土と一般の盛土材としてもよい土とに分別し,前者を地由来の重金属等を含む発生土の利用を考えた場合,できるだけ減らすことが様々な観点から効率的である。 トレーサビリティ,適下水汚染などの環境リスク,そのため,多くの建設現場では掘削土の環境安全性の判切な管理体制の構築が重要であろう。建設工事では用い定をロットごとに行っているが,そのためには判定のたた土を構造物として一定の管理下におくことになり,条め数日の間,掘削土を仮置きするストックヤードが必要件が整えば土はその場にとどまることが一定程度保証さ2地盤工学会誌,―/(/) 総説れる。このような土の散逸防止のほかに重要な点は,地下水汚染の防止である。多くの自然由来の重金属等が基準超過としても比較的低濃度であること,自然地盤の土にも吸着等の緩衝作用が期待できることを考慮すると,条件次第ではあるが地下水汚染をもたらす可能性は低いと考えられる。さらに,対象物質の局在性にも考慮が必要であろう。人為の汚染では,汚染濃度の分布に偏りがあり,一定の空間頻度によった分析が適切な代表値を与えるとは言い切れない。これに対し,自然由来の重金属図―これまでは基準超過の自然由来土は汚染土壌処理),施設への委託が義務付けられていたが(図中の等は地質に起因したもので,採取試料による分析にはあ法改正により地質的に同質であれば自然由来特例る程度の代表性が考えられよう。このことは,自然由来 や)。区域間での移動が可能となる(図中のの重金属等を含む土を使うことへの追い風と考えられる。さて,前章で記したように,土対法の対象外となる掘学・地盤工学・地盤環境工学の知見を要するものである。削土砂や岩石については,管理型盛土などによって適切科学的な知見に基づき,地盤環境の保全と適切な土の活な管理のもとでの有効利用が進められてきた。一方,土用が進むことが期待される。対法の対象となる自然由来重金属等の基準超過土壌は汚染土壌処理施設に委託することが義務付けられているが,. “手離れの良い”事業をこえてこれを法対象外と同様に有効活用できるよう法制度改正2011 年の東日本大震災で発生した災害廃棄物からのの検討が進められた。この改正は,他の事項と併せて土分別土砂にも自然由来と考えられるフッ素等がみられた対法の改正として 2017 年 5 月 12 日通常国会で認められが,この問題に関して地盤工学会では国土交通省や環境た。すなわち,答申では「特定有害物質の濃度が低く,省などの参画のもとガイドライン4)を提案し,基準超過特定の地層に分布していると考えられることを踏まえ,の土であっても適切な管理のもとで復興資材として活用適正な管理の下での資源の有効利用としての観点から,する方向性を示した。今回の土対法の改正には,このよ次に掲げる移動や活用を可能とすべき」とされ,うなガイドライン提案時の議論もプラスに寄与している自然由来特例区域の間で,土の搬出を可能とする。と考えている。基準超過など一定量以上の重金属等を含ただし,地質的に同質である範囲での移動に制限む土を活用する場合,程度の差はあれモニタリングなどし,必要な届出を行う(図―参照)。事後の確認と監視・管理が求められる。一方,建設事業一つの事業や現場の中で,盛土構造物として用いでは「手離れの良い」ことが好まれる場合が多い。建設る。ただし,盛土構造物は,地下水汚染を生じな時のコストを引き換えにしても,モニタリングをできるいなど自然由来の基準不適合土壌を受け入れうるだけ避けたいという力学が働くこともあると聞く。建設構造要件等をもつものとする。と管理運営の主体が変わる場合はなおさらであろう。し一定の条件を満たした工事で利用する。」かし,日本の地質・土質の特性と社会基盤整備の重要性と記されている(上記のカッコ内の文言は答申から筆者を考えると,土の様々な特性を踏まえつつモニタリングが一部書き換えている)。これらは「土は有用な資源なをしながら土を積極的に使っていく,そして少々長く手ので適切に活用すべきである」という考え方に基づいてがかかるとしても社会基盤整備や環境保全など様々な観 ~◯ の技術的事項について, 2017 年 5いる。なお,◯点から総合的にみてよりよいものをつくっていくという月から 2 年以内とされる法施行に向けて環境省で検討方向性がもっと議論されてもいいのではないかと考えて ~◯ の活用が自然由来物質に限定が進められている。◯いる。「◯◯◯されることから,自然由来か否かの判定はより重要とな では「地質的に同質」を定義する必要がある。また,◯本稿をまとめるにあたり,多くの方々にご教示頂いたことが参考になった。記して謝意を表する。り,そのための考え方がキーとなろう。土を適切に管理するとともに,新たな地下水汚染を生じないことが求められ,法対象外の掘削土に適用されていた管理型盛土の考え方が,必要に応じて導入される。したがって,地下水汚染が生じないことの評価も必要となろう。答申ではさらに,「粘性土や高含水率土壌は粒度調整等のため改質しての活用が一般的に行われることに留意」するとも記されていて,改質材によって土の溶出特性が変化する可能性などについて留意が必要である。上記いずれの事項も地質・土質,土工,物質移行,化学分析等の地質November/December, 2017参考文献1)日本地質学会環境地質研究委員会砒素をめぐる環境問題,東海大学出版会,1998.2) 国土交通省建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定版),2010.3) 土木研究所・土木研究センター地盤汚染対応技術検討委員会建設工事で発生する自然由来重金属等含有土対応ハンドブック,大成出版社,2015.4) 地盤工学会災害廃棄物から再生された復興資材の有効活用ガイドライン,2014.(原稿受理2017.8.10)3
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  • タイトル
  • 公共工事における自然由来重金属等を含む建設発生土への対応方針(<特集>自然由来物質への対応)
  • 著者
  • 鈴木 弘明
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • 4〜7
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180006
  • 内容
  • 公共工事における自然由来重金属等を含む建設発生土への対応方針The Policy of Deal with Excavated Soils Containing Natural Source Heavy Metals in Public Works品川俊介(しながわ国立研究開発法人土木研究所しゅんすけ)主任研究員. は じ め に土壌汚染対策法の制定を契機に自然由来重金属等を含む建設発生土が広く存在することが明らかとなった。そ阿南修司(あなん国立研究開発法人土木研究所しゅうじ)上席研究員環境対応に関する基本的な考え方(後述)を常に念頭に置きつつ,現場の諸条件を勘案して検討する必要がある。その際,公共事業が国民の税金を費やして対応することに鑑みると,過不足のない対応をすることが肝要である。してこれらの環境安全性評価方法についての明確な規定自然由来の重金属等を含む土や,掘削後に酸性化するがない中で,建設現場ではその対応方法に関して様々な土の存在が予想される地域における公共建設工事では,混乱が生じた。筆者らは,約 15 年に渡って公共工事に対応が必要な建設発生土の量が膨大になること,土は建おける自然由来重金属等を含む建設発生土に関して研究設材料として有用な資源であることを踏まえ,事業の計を実施するとともに,公共事業者,コンサルタント及び画時から次の視点での検討が必要である2 を改変)。研究者の方々と共に議論しながら現場対応を行ってきた。 自然由来の重金属等を含む,あるいは酸性化する土◯筆者らは本誌 2017 年 8 月号に自然由来重金属等を含の掘削の回避む建設発生土についての解説1)を執筆させていただく機 発生土の減量◯会を得た。本稿では,その中の議論の前段となる,公共 発生土の適切な現場内利用と管理◯工事における環境対応に関する基本的考え方を論じたい。 発生土の適切な搬出,現場外管理◯そして,事業段階に応じた建設発生土への対応の選択肢一方,自然由来の重金属等を含む,あるいは酸性化すについて整理したい。実際の発生土の試験・評価方法,る建設発生土の評価方法が確立しているとは言えない現対策工の選定方法などについては拙稿1)を参照いただき状であることから,順応的管理手法も含めて検討するこたい。とが望ましい。いずれにせよ最終的には,モニタリングなお本稿でいう「自然由来重金属等」とは,土壌汚染対策法の対象物質のうち,天然に存在する可能性がある等の結果を踏まえて必要に応じて対応を行う,すなわち事業者が責任を持つことが必要であると考える。8 物質(カドミウム,鉛,水銀,六価クロム,砒素,セ. どのような場合に検討を行うかレン,ふっ素,ほう素)を指す。「土壌」とは土壌汚染「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌対策法でいうところの土壌をいう。また「岩石」とは,への対応マニュアル(暫定版)」(以下,「国交省マニュ土壌汚染対策法でいう「岩盤」と同義で,固結した地質アル」という)2)では,「自然由来の重金属等を含有するをいい,土壌汚染対策法の対象外である。さらに「土」岩石,土壌,あるいはそれらの混合物(以下,「岩石・は,「土壌」や「岩石」の総称で,「建設発生土」あるい土壌」という)に起因する人への健康への影響のおそれは「発生土」という場合には,建設工事で発生する「土」が新たに発生する場合」としている。一方,自然由来のの掘削物を指す。重金属等を含む土の分布が,その形成年代を問わず多様.公共工事に求められる環境対応な岩石種において確認されていること,さらに国民の環境に対する関心度が高い現状がある。その点を踏まえる公共工事の実施に当たっては,当然のことながら関係と,建設発生土の堆積を行う事業を実施するに当たり,法令の遵守が求められる。建設発生土の取り扱いに関し原則として必ず何らかの検討を行う必要があると考えらては,まず一定規模以上の土地の形質変更にあたり,れる。「土壌汚染対策法」の届出が必要で,場合によっては同法に基づく調査を命ぜられる。また建設発生土の掘削場. 環境対応の基本的な考え方とは何か土壌汚染対策法は「国民の健康を保護することを目的」所に関して「土壌汚染対策法」(指定区域内の場合),(第 1 条)としており,これを挙げることができよう。「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」(陸域をまた,公共工事においてはその他の環境への影響,特に含む公共用水域の場合),「廃棄物の処理及び清掃に関す農作物を含む生物への影響を可能な限り小さくすることる法律」(廃棄物処分場の場合),「鉱山保安法」(鉱山区などを挙げることができよう。これらのほか,発生土の域の場合)などに従う必要がある。このほか,各自治体搬出先によっては社会的な要因を考慮する必要もある。が定める条例についても配慮が必要である。以下にそれぞれの考慮すべき内容について議論する。各法令の対象外の建設発生土の取り扱いについては,4地盤工学会誌,―/(/) 論人の健康への影響の考慮説岩盤を侵食する谷の中に埋土をする場合など地中に浸透土壌汚染対策法は,汚染土壌を固体のまま経口摂取すした地下水が下流近傍ですぐに表流水と混合してしまうる場合と,汚染土壌から水に溶け出した有害物質が地下と考えられる場所で,かつ現に地下水利用がなく,隣接水に付加され,これを飲用する場合の 2 つの曝露経路地の土地所有者の了解が得られる場合,臨海埋立地など,を評価している3)。さらに建設発生土の利用の場面では既に地下水質が飲用に適さない場合等が考えられる。盛土等の構造物から表流水として公共用水域に排水するc)場合が考えられる。以下に 3 つの曝露経路について,実際の建設工事では盛土浸透水については表流水とし評価の考え方を議論する。a)土の経口摂取土壌の経口摂取の基準としては土壌含有量基準が設定表流水経由の摂取て排水する場合がある。その場合には一般に,同法に定める特定事業場から公共用水域に排水する場合の基準である一律排水基準を準用することが考えられる。ただし,されている。自然由来の重金属等を含む建設発生土につ排水地点下流の水利用の状況を踏まえ,必要に応じて環いては,直接摂取のリスクを把握するための試験2)(必境基準を適用することも検討するべきであると考える。要に応じて試料を粉砕し,目開き 2 mm のふるいを全通例えば,流量が少ない河川へ多量の排水を排水する場合させ,これを縮分した試料を用いた土壌含有量試験)ので,直下流にて表流水を取水し利用している場合などで結果を土壌含有量基準値と比較して評価することが提案ある。されている。b)地下水経由の摂取地下水経由の曝露経路については,原則として敷地境環境への影響建設発生土の堆積による環境影響として,重金属等の溶出以外に,土の異常 pH の問題を挙げることができる。界における地下水について地下水環境基準(水道水質基土の pH が低すぎる,あるいは高すぎることで,植物の準と同値)を適用することが考えられる。ここで敢えて生育への影響が発現し,場合によって枯死することもあ土壌溶出量基準を挙げないのには理由がある。それは,る。また土からの浸出水が表流水に流入することで,魚土壌溶出量基準は地下水環境基準と同値であるが,比較類への影響が出た事例5)がある。対象の土壌溶出量試験の結果が地下水濃度を近似できうるものとは考え難いからである。水域への影響を未然に防止するための pH 基準としては一律排水基準がある。土からの浸出水に関する pH の自然由来の重金属等を含む岩石の曝露試験結果4)によ基準について,品川・佐々木6)は曝露試験による評価にると,浸出水の有害物質濃度は,その初期では一般に短おいて一律排水基準の基準値を準用し,国交省マニュア期溶出量試験(岩石試料を目開き 2 mm のふるいを全通ル2)ではその考え方を踏襲している。させ,これを縮分した試料を用いた土壌溶出量試験)よその他,排水先の状況によって配慮が必要な項目があり高い濃度を示すが,その後時間と共に濃度が低下する。る。例えば排水先の直下流で水道用の取水を行っているそしてその低下の程度は,岩種や岩に含まれる鉱物種な場合には,水道水質基準の各項目などへの配慮が必要などに依存する。特に黄鉄鉱などの硫化鉱物を含む場合に場合があると考えられる。は浸出水の液性が酸性になり,含まれる有害物質の種類や量が溶出試験のそれと異なることもある。土壌汚染対社会的要因の考慮事業者以外の者が所有・管理する土地に土を搬出する策法で土壌とされる,海成粘土層も一般に黄鉄鉱を含み,場合,人の健康や環境への影響がないと考えられる場合これを掘削して空気に曝すと酸性化し,時に重金属等のにおいても,次のような点に配慮が必要である。溶出が起こると考えられる。先に述べたとおり,土壌汚染対策法の評価方法は,土このようなことから,法対象外の自主的な対応におけ壌性状の経時的変化を考慮していないため,ある時点でる地下水経由の曝露評価の基準としては,地下水環境基同法の基準,特に土壌溶出量基準を満足したものが将来準を一応の基準とすることが妥当であると考える。ただにわたってその基準を満足し続けるとは限らない。またし,基準値の設定の考え方3) (人が毎日 2 L ・ 70年間そ土壌汚染対策法は,岩石についてその対象外としているの水を飲み続けた場合に疾病が発生する確率が 10 万分が,スレーキングなどによって岩石が経時的に細粒化すの 1 上昇するとされる濃度)をふまえると,溶出濃度ることで,その土が将来,土壌として扱われる可能性がが時間変化する場合においては,一時的にその基準を超ある。そのため,事業者以外が所有・管理する土地に土過しても必ずしも健康に影響があるとは言えないことにを搬出し,その後に土壌汚染対策法の方法を適用して評留意が必要である。価し基準を満足しないという場合が起こりえる。その場地下水水質の評価地点について,現状における水利用合は搬出者が何らかの責任を問われる危険性がある。し地点ではなく,ここでは原則として敷地境界とすることたがって,建設発生土を事業者以外が所有・管理する土を提案する。その理由は,隣接地に現在地下水利用がな地に搬出する場合には,土壌汚染対策法の基準を将来にくとも,将来飲用井戸を掘削する可能性があり,曝露地わたって満足できるよう,曝露試験など,長期的な土の点が工事終了後に移動することもありうるからである。性状の変化を把握し評価するか,搬出土が将来,基準をしかしながら例外もあると考えられ,評価地点について満足しない可能性があることを土地所有者に理解してもは事業毎に検討する必要がある。例外の一例としては,らう必要があると考えられる。November/December, 20175 論説表―図―.発生土の環境安全性への対応の特長と留意点7)建設発生土の環境安全性評価の開始のタイミングと実施可能な対応例7)を改変事業段階に応じた対応の選択肢じて選択可能な対応方法が異なると考えられる。例えば,事業を計画する際に,その早い段階から自然前述のような考え方に基づき,発生土への対応の選択由来の重金属等を含む,あるいは,掘削に伴い酸性化の肢を整理し,その特長や留意点を整理したものが表―可能性がある地質の分布を把握できれば,事業地の変7) である。また,図―7) に示すように事業段階に応更8),問題となる地質の掘削量の縮減,あるいは適切な6地盤工学会誌,―/(/) 論搬出先を選定する9)などに要する時間的余裕が生まれる。また,発生土の適切な環境安全性評価により,事業コス3)トを縮減できる場合がある7)。対応方法の選択肢が少ないと,事業コストが大幅に増大する危険性があることから,事業計画の初期の段階からの検討が強く望まれる。. まと4)め公共工事における環境対応は,法令外のことであって5)も配慮すべき事項がある。その際,関連法令の手法を参考にする前に,その根本的な目的と思想を汲み取って,必要十分な対応を行うよう心がけ,工夫を凝らしていく6)必要があると考える。本稿がその考えの整理に役立てれば幸いである。7)参考文献8)1)品川俊介・阿南修司自然由来重金属等を含む建設発生土,地盤工学会誌,Vol. 65, No. 8, pp. 57~64, 2017.2) 建設工事における自然由来重金属等含有土砂への対応マニュアル検討委員会建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定版), 90p.+資料 60p. ,国土交通省のリサイクルホームページ,2010 , 入 手 先 〈 http: // www.mlit.go.jp / sogoseisaku /region / recycle / recyclehou / manual / index.htm 〉(参照November/December, 20179)説2017.9.1)環境省指定基準値の設定の考え方,土壌環境施策に関するあり方懇談会(第 6 回),資料 2 , 7p., 2008 ,入手先〈 https://www.env.go.jp /water/dojo/sesaku _kondan/06/mat02.pdf〉(参照 2017.9.19)安元和己・品川俊介・阿南修司・佐々木靖人曝露試験による岩石からの重金属等の溶出濃度変化―気候条件の検討,第47回地盤工学研究発表会講演論文集,pp. 1861~1862, 2012.国土交通省多治見砂防国道事務所新滝ヶ洞溜池の水質異常に係る情報,国土交通省多治見砂防国道事務所ホームページ, 2003 2017 ,入手先〈 http: // www.cbr.mlit.go.jp/tajimi/suishitsu/index.html〉(参照 2017.9.1)品川俊介・佐々木靖人岩石に含まれる自然由来重金属等の溶出特性評価方法,土木技術資料,Vol. 52, No. 6,pp. 10~13, 2010.品川俊介自然由来の重金属などを含む発生土の有効利用,土木学会誌,Vol. 101, No. 7, pp. 30~31, 2016.門間聖子・細野哲久高規格道路のルート選定における地球化学的リスク評価,応用地質,Vol. 57, No. 2, pp.58~67, 2016.国土交通省高崎河川国道事務所新三国トンネル環境検討委員会 第 1 回検討資料,18p., 2014,入手先〈http:// www.ktr.mlit.go.jp / ktr _ content / content / 000108496.pdf〉(参照 2017.9.1)(原稿受理2017.9.1)7
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  • タイトル
  • 土壌・岩石の自然由来物質に関わる調査(<特集>自然由来物質への対応)
  • 著者
  • 品川 俊介・阿南 修司
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • 8〜11
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180007
  • 内容
  • 土壌・岩石の自然由来物質に関わる調査Investigation of Harmful Substances Contained in Soil and Rocks due to Natural Causes鈴木弘株日本工営明(すずき中央研究所ひろあき)副技師長. は じ め に表―地球の上部地殻の組成2)表―日本の上部地殻の組成3)日本において土壌の汚染に関わる本格的な対応は,「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律(1970年12月25日公布)」にはじまる。本法では,カドミウム及びその化合物,銅及びその化合物,砒素及びその化合物の 3種類が定められている。これらの物質は,人の健康被害を防止する観点からカドミウム,作物の生育阻害防止の観点から銅及び砒素の含有量基準が設定されている1)。主に市街地土壌を対象とした土壌汚染は「土壌汚染対策法(2002年 5 月29日公布)」により法的な対応が開始された。農用地の土壌汚染は,耕作土壌(主に水田土壌)が対象であるが,土壌汚染対策法では,土壌に加えて盛土・埋土等の人工地盤や地質学的には未固結の堆積物とされるものまでが対象となっている。土壌汚染対策法では 2010 年 4 月 1 日に施行された改正法において自然由来の基準不適合土壌も対象とされ,主に第四紀の自然地層に対しても調査・評価の目が向くことになった。.重金属等に関わる日本の特徴日本は,地形・地質構造的な観点から島弧として位置付けられ,変動帯に位置しており,火山活動が見られると共に海底堆積物が付加された場にあたる。地球表層を形成する地殻の構成元素を地球全体と日本で比較してみる。地球平均的な上部地殻の組成として,Clarke etal.2)を,日本の上部地殻の組成としてTogashi et al.3)を引用した(表―,表―)。日本の上部地殻の砒素( As)とアンチモン( Sb )については,地球の上部地殻の平均的な組成と比較して 2~3 倍近く高いのが特徴的である。また,この要因としては,火山活動よりも海水の影響が強い海底の細粒堆積物に硫黄と共に付加されたと考えられている4)。過去には鉱山の稼働に伴い,いわゆる鉱害問題が発生している。神岡鉱山のカドミウムや土呂久鉱山の砒素,足尾鉱山の銅による汚染問題がよく知られた事例である。また,日本の地質に特徴的な例として,水銀は中央構造線に沿って,ふっ素は花崗岩の分布地帯で多く見られることなども挙げられる。.自然由来物質に関する情報収集土壌汚染対策法が適用される調査については,法令及びガイドラインにしたがって実施されている。法の適用対象外である岩石(岩盤)についても,自然砒素は,硫黄との結合で主に硫砒鉄鉱や鶏冠石などの界で緩やかに風化が進行している状態では問題が発生し硫化鉱物となる。硫砒鉄鉱( arsenopyrite )は,砒素なくても,未風化岩を掘削等で大量に地表部に晒すと基( arsenic )を含んだ黄鉄鉱( pyrite )の意味で命名され準以上の有害物質の溶出や酸性水の発生が見られることているように,砒素は,黄鉄鉱中にも微量に含まれている。また,黄鉄鉱は,酸性水の発生にも大きな関わりを持っている。があり,対応が取られる事例がある。掘削岩石の対応については,「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定日本では,金属鉱床も多く見られ過去に多くの鉱山が版)」5)や「建設工事で発生する自然由来重金属等含有土稼働していた。黒鉱鉱床,キースラガー鉱床,スカルン対応ハンドブック」(土木研究所ほか,2015)などを参鉱床,浅熱水成鉱脈型鉱床などが代表的なものである。考に調査が進められている。また,各事業で独自のマニ8地盤工学会誌,―/(/) 論ュアルを作成して工事が進められる場合も多い。 事前調査,◯ 現地調査,土壌汚染に関する調査は,◯ 分析・評価の 3 段階に大別される。◯特に自然由来に関する事前調査においては,調査対象なお,北海道では,北海道立総合研究機構地質研究所がピクトグラム(絵文字)という手法で自然由来有害物質に遭遇するリスク10)を試験公開している。. 宮城県土壌中の自然由来重金属等バックグラウンドマップ11)地の地球化学的な文献等の情報収集が必要となる。本稿では主に公刊文献の所在等を紹介する。また,近年は, Web 上で閲覧できる GIS 情報が整備されてきており,このような情報から調査対象地の概況説宮城県環境生活部環境対策課と東北大学大学院環境科学研究科が共同で作成・公開したもので,土壌溶出量(環境省告示 18号準拠準)により砒素(As),鉛(Pb)を把握した後,精密な資料を購入することが可能である。の地球化学図が作成されている数少ない事例である。ま国土交通省 HP土地総合情報ライブラリーの土地基た,土壌含有量(環境省告示 19号準拠)や蛍光 X 線を本情報6)では「自然由来特定有害物質情報」として以下用いた全含有量のデータも公開されている。また,土壌ではないが,自然由来の地下水汚染状況との資料が紹介されている。地圏環境インフォマティクスして地下水砒素濃度分布図12) を公開している千葉県の日本の地球化学図例もある。宮城県土壌自然由来重金属バックグラウンドマップ. 土壌・地質汚染評価基本図や表層土壌評価基本図土壌・地質汚染評価基本図産業技術総合研究所地質調査総合センターが作成して表層土壌評価基本図. 地圏環境インフォマティクス7)おり,「土壌評価図」13) として 7 つの地域が既に公開さ東北大学大学院環境科学研究科が作成・提供しているれている。土壌・地質汚染評価基本図は,土壌や地層に地圏環境情報の GIS 統合版であり,地形図,地質図,ついて特定有害物質などのバックグラウンド濃度や溶出土壌図,変質帯分布図,鉱山位置図に加え,岩石・土量に関する情報が地質図と共に整理されている(姉崎,壌・河川堆積物中の元素濃度などについて全国の情報が仙台)。また,表層土壌評価基本図は,土壌中の重金属網羅されている(大学へ申込書を送付した後配布される)。等及び土壌主要構成成分の含有量・溶出量などのバックまた,東北地方については,「建設技術者のための東北グラウンド情報の公開を目的として作成されている(宮地方の地質」と共に GIS 版が発売されている。城県地域,鳥取県地域,富山県地域,茨城県地域,高知現在,日本の鉱山は,ほとんどが休廃止されており,県地域)。当初公開された 6 地域は,電子メディア(CD個々の鉱山について文献等で調査する必要があるが,過ROM )で販売されているが, 2017 年 3 月に公開され去にとりまとめられた資料として,日本鉱産誌(全 12た高知県地域については HP から自由にダウンロードす巻,工業技術院地質調査所)や日本の鉱床総覧(上下巻,る形式のみとなっている。日本鉱業協会)がある。これらは,図書館等で閲覧する. その他の地形・地質・地下水情報必要がある(日本鉱産誌については,A,Ba~c の 4土壌・岩石の自然由来物質に関わる調査では,以上の巻が主な閲覧対象)。また,鉱業の盛んであった県につような地球化学的な資料と共に,基本的な地形・地質・いては,県別の鉱山誌などが発刊されている場合がある地下水情報の収集も必要となる。(秋田県,山形県,岩手県など)。地形情報地形情報については,国土地理院14) や地方自治体な. 日本の地球化学図現在「海と陸の地球化学図」8) として産業技術総合研どが作成した地形図や空中写真を入手することが行われ究所地質調査総合センターが公開しており,河川や海のる。また,調査対象地土地の利用状況を把握する情報と底質について,硝酸・過塩素酸・ふっ化水素酸分解によして土地利用図・土地利用現況図を入手したり,過去のる含有量のデータ及びそれに基づいて作成された地球化地形情報として土地条件図や治水地形分類図15) を入手学図が閲覧できる。また,最近では0.1 N 塩酸抽出法にしたりすることもある。土地条件図は,土地の自然条件よるデータも公開されている。等(山地,台地・段丘,低地,水部,人工地形などの地なお, 2016 年 1 月から関東地方については,より詳形分類)が示されており,昭和 30 年代から実施してい細な採取地点のデータ・地球化学図が公開されている。る土地条件調査の成果を基に公表されている。治水地形この地球化学図を利用する上での留意点として,試料採分類図は,治水対策を進めることを目的に,国が管理す取時期に底質に及んでいる人為的な有害物質使用に伴うる河川の流域のうち主に平野部を対象として,扇状地,影響が含まれている点が挙げられる。特に休廃止鉱山や自然堤防,旧河道,後背湿地などの詳細な地形分類及び臨海工業地帯周辺では濃度の評価において自然由来だけ河川工作物等が盛り込まれている。このほか,明治期のではない場合があることを理解しておく必要がある。低湿地データなども調査対象地を理解する上で有益な資また,産業技術総合研究所地質調査総合センターがweb 上で公開している地質図Navi9) でも地球化学図や料である。これらの地形情報については,国土地理院がweb 上で公開している地理院地図16) で閲覧可能である。鉱床・鉱徴地を地質図や地形図と重ねて閲覧することが可能である。地質情報については,平面的なデータ(地質図)と鉛November/December, 2017地質情報9 論説直方向のデータ(地質断面図,地質柱状図)が存在する。地質図については,産業技術総合研究所地質調査総合センターが発行している 5 万分の 1地質図幅17) がある(北海道については,多くは国土交通省北海道局,北海地下水質に関する情報としては,水質汚濁防止法に基づき環境省が毎年公表している地下水質測定結果27) や各自治体が公表している地下水質測定結果が入手できる。国土交通省では,地下水水質年表( 1987 ~ 2002 年)を道立総合研究機構地質研究所が発行元)。図幅の一部は,公表しており,国会図書館等で閲覧できる。また,国土閲覧可能( 200 dpi )であり,図幅の説明書を読むこと交通省では,水文水質データベース28) においても地下も可能である。なお,5 万分の 1 地質図幅は,日本全国水質データを公開している。を網羅しているわけではないため, 20 万分の 1 地質図なお,日本地下水学会の地域地下水情報データベー幅18)を使用することもある(一部閲覧可能)。また,20ス29) では,学会誌及び日本の地下水(農業用地下水研万分の 1 地質図幅の境界線の不連続を日本全国統一の究グループ,1986)の地域地下水情報が閲覧できる。凡 例 を 用 い る こ と に よ っ て 解 消 し た 20 万 分 の 1 日 本シームレス地質図19) が作成されており, 2017 年 5 月か.自然由来の評価ら Version2 が公開されている。地方別の土木地質図や現地調査に関しては,調査対象地の地形・地質特性な各県別の地質図も地方自治体などから発行されているもどの地域特性に応じて適宜実施される。本稿では詳細をのがある。最近発行されたものとしては,北海道土木地述べないが,自然由来の基準不適合が生じる地質的特性質図(日本応用地質学会北海道支部)や最新名古屋地盤(地質・変質・風化など)を把握することが重要となる。図(地盤工学会名古屋支部)などがある。地質断面図は,土地分類基本調査(垂直調査)として現地調査で得られた試料の分析結果を加味し,自然由来物質に関する検討・評価が行われる。作成した 9 つの都市地域の東西・南北の地質断面図が特に土壌の場合は,第 1 に自然由来と判断できるか国土交通省国土政策局国土情報課の HP20)で閲覧可能での検討が必要となる。検討にあたっては,土壌汚染対策ある。また,この HP では,表層地質図,地形分類図,法の施行通知「土壌汚染対策法の一部を改正する法律に土壌図などを整理した土地分類基本調査の結果も閲覧可よる改正後の土壌汚染対策法の施行について」(環水大能である。土発第 100305002 号, 2010 年 3 月 5 日)の別紙や「土地質柱状図は,各地点の詳細な地質を把握する上で重壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライ要な情報である。国土交通省で実施された調査の地質柱ン(改訂第 2 版)」の“Appendix3. 土地の土壌の特定状図をデータベース化した土木研究所の国土地盤情報検有害物質による汚染状態が専ら自然に由来するかどうか索 サ イ ト ``KuniJiban''21) や KuniJiban 及 び 幾 つ か の 都の判定方法及びその解説”30)が利用される。道府県で実施された調査の柱状図を統合した防災科学技 基準不適合の原因が不明である評価のポイントは,◯術研究所の統合化地下構造データベース“ジオ・ステー 土壌汚染状況調査において土壌汚染が地質的にこと,◯ション”22),地盤工学会が作成した“全国電子地盤図”23) 特定有害物質の種類,同質な状態で広がっていること,◯などが著名である。また,都道府県や地盤工学会の各支含有量等の濃度及び分布特性の 3 点となっている。部などで作成したデータベースも無償(一部有償)で公第 1 の“基準不適合の原因が不明であること”は,開されている。これらのデータベースの所在は,国土交人為汚染がないことを論拠立てる必要性を示しているが,通省の宅地防災に関するデータベースのリスト24) とし書面が 2009 年の改正法公布前に,自然的原因による基て整理されている。なお,地盤工学会関東支部では,関準不適合土壌を法の対象外として判定する方法として作東 7 都県及び山梨県域の柱状図データを網羅した新・成されていることから厳密さが弱い表現となってしまっ関東の地盤(DVD 付)を頒布している。ていることに留意が必要である。また,本書面が作成さこのほか,地質に関する関する全国を網羅した入手可れた当時は,人の生活に関わる低濃度の土壌汚染も法の能な書籍としては,日本の地質(全 9 巻+総索引+増対象としない意図も含まれていたと聞いたことがある。補版,共立出版)と日本地方地質誌(全 8 巻,朝倉書第 2 の“土壌汚染状況調査において土壌汚染が地質店)がある。的に同質な状態で広がっていること”は,盛土・埋土を地下水情報地下水位の情報としては,前出の国土交通省国土政策除く自然地層では事前調査や現地調査結果から比較的容易に評価できるであろう。HP20)で地下水マップ,地下水の見える第 3 の“特定有害物質の種類,含有量等の濃度及び化調査(地下水図面化手法調査)の成果,水基本調査分布特性”の評価であるが,特定有害物質の種類,特定局国土情報課の(地下水調査)による全国地下水資料台帳などが閲覧できる。産業技術総合研究所地質調査総合センターでは,有害物質の含有量の範囲,特定有害物質の分布特性の3 点で検討される。1 点目の特定有害物質の種類につい日本水理地質図,水文環境図25) などを頒布している。ては,自然界に存在する第二種特定有害物質 8 項目へ農林水産省東北農政局では,4 地域に分けて水文地質図の該当性となる。また,溶出量が土壌溶出量基準の概ね集を作成しており,図書館等で閲覧できる。また,地盤10 倍以内が目安とされているが,砒素については自然沈下に関する地下水位情報が環境省の全国地盤環境情報由来であっても 10 倍を超える例もあることから留意がディレクトリ26) や各自治体の公表資料から入手できる。必要である。2 点目の特定有害物質の含有量の範囲につ10地盤工学会誌,―/(/) 論いては,六価クロムを除き,自然由来の汚染と判断する際の含有量(全量分析)の上限値の目安が示されており,該当性の判断となる。上限値の目安は,人為汚染の可能性が高い含有量を統計的に算出している。鉛については判断が難しい事例もある。また,地層毎に日本の上部地殻の平均値などと比較しておくことも重要な場合がある。3 点目の特定有害物質の分布特性については,人為汚染の有無に加えて,砂質土と粘性土では含有量が異なることが多いため,層相との比較の観点も重要となる。また,溶出量の分布特性も加味する必要がある。なお,自然由来の判断を誤った事例として,上流域において鉱山が稼働していたにもかかわらず鉱床が存在していたことのみから判断してしまった事例,工場においてアルカリ(苛性ソーダ)が漏洩し自然地層の砒素の溶出を促進させてしまったにもかかわらず判断してしまった事例などもあることから,最終的な判断は,総合的な見地から行うことが必要である。最後になるが,本稿では自然由来を自然界における地層の生成過程で付加された有害物質に起因するものとしてきたが,一般の社会生活における有害物質の使用(例えば,過去にマーキュロクロムや水銀体温計,水銀電池の使用による水銀汚染,水道管に鉛管を使用していたことによる鉛汚染など)まで法による土壌汚染として扱うべきなのか,また,災害による火災で生じた鉛汚染はどうであろうか。今後,自然由来と人為汚染の境界についても議論が必要であろう。参1)2)3)4)5)6)7)8)考文献中央環境審議会カドミウムに係る土壌環境基準(農用地)及び農用地土壌汚染対策地域の指定要件等の見直しについて(答申), 2010 / 5 / 18 ,入手先〈 http: // www.env.go.jp/press/ˆles/jp/15654.pdf〉(参照 2017.9.4)F. 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  • タイトル
  • 汚染対策を施した掘削ずりの道路盛土内の物質移行に関する観測実験(<特集>自然由来物質への対応)
  • 著者
  • 田本 修一・倉橋 稔幸
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • 12〜15
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180008
  • 内容
  • 報告汚染対策を施した掘削ずりの道路盛土内の物質移行に関する観測実験Experimental Evaluation of Mass Transport Characteristics to Adsorptionlayer in Road Embankment田本修一(たもとしゅういち)国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所研究員倉橋稔幸(くらはしとしゆき)国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所上席研究員. は じ め に平成 22 年 3 月に「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定版)」1)が国土交通省より公開され,汚染への新たな対応の枠組みとして,人の健康や環境への負の影響がどの程度解消されるのかを定量化するサイト概念モデルに基づくリスク評価による設計手法が示された。国土交通省内の直轄事業では,この手法が導入されつつあり,より合理的で経済的な対応がなされてきている2)。一方,サイト概念モデルに基づくリスク評価の精度を向上させ,汚染対策工の効果の検証や汚染物質の影響評価を行うには,盛土内や地盤内の物質の移動をトレーサーにより評価することが有効である。一般的にトレーサー物質は,塩化ナトリウムや有機染料,インジウムなどの非放射性物質が用いられる3)。しかし,安全性や環図―表―観測実験の概要分析項目及び分析手法境への影響などを考慮すると,人工物質の使用を避けるほうが望ましい。筆者らは,北海道内の道路建設現場でヒ素( As )を含有する掘削ずりに対し,吸着層による汚染対策を施した道路盛土内の観測実験を実施した4),5)。当該現場では,間隙水の硫酸(SO4)やナトリウム+カリウム(Na,K)(図―)。また,地下水の水位及び水質を把握するため,が地下水のそれらに比べて極めて高い濃度を有し,かつ,盛土法尻に地下水観測孔を設置した。間隙水は土壌溶液それが掘削ずり由来であることを確認した4) 。 SO4 や採取器から負圧吸引により採取し,地下水は使い捨てのNa は,As が流下していくのを評価していくための天然ベーラーを用いて採水した。採水後,0.45 mm メンブラのトレーサーになりうると考えられた。ンフィルターを用いて固液分離を行い,表―に示す分本稿では,盛土内で溶出した SO4 と Na について,観析項目を分析した。採水月日と分析項目との関係を整理測実験の観測値と二次元移流分散解析の解析値とを比較し,SO4 及び Na の増減を比較した。し,盛土内から吸着層への As の影響予測に用いる天然. 二次元移流分散解析の方法のトレーサーとしての適用性について検討した結果を紹モニタリング実験現場における Na の二次元移流分散介する。.実験の方法と解析方法解析を実施し,盛土の浸出水中の As の分析値と比較し,Na イオンのトレーサーとしての適用性を評価した。解析には,Dtransu2D/EL6)を用いた。モデル現場の材質. 観測実験における浸出水の水質分析方法区分図及び要素分割を図―に,サイト概念モデルを構実験現場は,北海道内の市街地をバイパスする地域高築するにあたりモデル化に用いた入力パラメータ及び境規格道路の建設現場であり,工事区間の As を含有する界条件を表―にそれぞれ示す。入力パラメータ及び側トンネル掘削ずり(泥岩)を本線道路盛土材として利用方境界条件は,周辺地盤で実施した地質調査結果,アメした道路盛土である。観測期 間は, 2011 年 12 月からダス及びモデル現場周辺で観測している地下水位観測孔2014年 11月までの 2 年 11 ヶ月間である。幅約 67 m ,高から求めた想定地下水位により設定した。有効間隙率及さ約 10 m の道路盛土内及び盛土下の地盤内に,温度,び比貯留係数は文献値7)を用いた。地表部に浸透する降体積含水率,土中酸素濃度を測定するための計測機器及雨の境界条件は,国土交通省北海道開発局で設置されてび間隙水を採取するための土壌溶液採取器を埋設したいる道路テレメータの観測期間の雨量データと覆土層下12地盤工学会誌,―/(/) 報図―表―告モデル現場の材質区分図及び要素分割入力パラメータ及び境界条件部に設置された体積含水率計の観測データより式(1),( 2 )の米澤8) による方法で算定した。また,ずり層内部の Na と SO4 の濃度は,別途実施した固液比 110によるバッチ溶出試験結果の 10 倍濃度をそれぞれ固定濃度として設定した。分子拡散係数には,文献値9)を用い,吸着層の遅延係数に 1 を用いた。これは,トレーサー成分として考慮したため,吸着しないものとして設定したことを意味する。Si,t=L・ui,t ………………………………………………(1)nQ0,t=∑(Si,t+1-Si,t) …………………………………(2)i=1ここで,Si,t は地盤内水分貯留量(mm ), L は体積含水率計の埋設深度(mm),ui,t は体積含水率(),Q0,t は地表からの降雨浸透量(mm)を示す。.図―実験結果と考察. 盛土内浸出水と地下水の水質分析結果pH, As, SO4 及び採水月日との関係を示し,7.5~8.5の間で推移した。pH, As, SO4 及び Na と採水月日との関係を図―に盛土内の As は,ずり層 No. 1 ,吸着層上部 No. 2 で示す。ここで,定量下限値未満の濃度は,便宜上,各グいずれも0.011~0.089 mg/L の間で土壌溶出量基準値をラフの最低値とした。超過したが,時間の経過とともに概ね減少した。また,盛土内の pH はアルカリ性を示し, As が溶出しやす環境10) であった。ずり層No. 1 と No. 2 を比較して採水深度が深くなると, AsNo. 1 では当初 8.1 であ溶出濃度が大きくなった。一方,吸着層下部 No. 3 のったのが,変動しながら9.8まで上昇し,その後,8.2~As は, No. 3 に着目すると, 0.001 ~ 0.003 mg / L であい pH8.7 の間で推移した。また,吸着層上部 No. 2 では初期った。吸着層を挟む No. 2 と吸着層上部の No. 2 で土壌値11.3であったのが,時間の経過とともに10.1まで低下溶出量基準値を超過していた As が,吸着層下部の No.した。そのほか,吸着層下部 No. 3 の pH もアルカリ性3 では0.001~0.003 mg/L に減少した。これは,吸着層November/December, 201713 報告が As を吸着し As の溶出濃度を減少させたためと考えられる。地下水中の As は,定量下限値未満であった。. Na による汚染物質拡散の影響評価実験現場における Na の二次元移流分散解析を実施し,SO4 と Na は,ともに同様な溶出傾向を示した。ずり計算値と観測値とを比較した。吸着層の直上部と直下部層 No. 1 では初期値から増加し 2012 年 9 月に最大濃度における Na の観測値と解析結果との関係を図―に示を示し,その後時間の経過とともに増減しながら減少しす。なお,同図中の入力値には,固液比 110によるバた。No. 2 では2012年10月に最大濃度を示したが,そのッチ溶出試験結果の10倍濃度を固定値として用いた。後減少し時間の経過とともに増加した。一方,吸着層下計算の結果,Na 濃度の計算値は,2011年12月 1 日か部の No. 3 では, SO4 と Na ともに時間の経過とともにら半年程度で500 mg/L まで急増し,その後はほぼ平衡徐々に溶出濃度が増加した。また,吸着層上部 No. 2 とに達した。実測値が,一貫して緩やかに増加しているの吸着層下部 No. 3 とを比較すると, SO4 と Na ともに吸と異なる結果となったのは,入力値を固定していること着層下部の No. 3 の溶出濃度が低い値を示した。盛土内(実際の吸着層上部 No. 2 の観測値は増減を繰り返しつの水質組成は非炭酸ナトリウム型( NaSO4 ・ NaCl )でつ増加傾向にある)と,解析では吸着層が Na を吸着しあり,地下水は炭酸カルシウム型( Ca ( HCO3 )2 )であないと仮定したため,実際とは異なり遅延効果が生じなることから,異なる組成を示していた4)。かったためと考えられる。すなわち,Na の濃度分布は,. 分析結果の考察吸着層上部の初期値の設定や,吸着層での Na の吸着を吸着層内を通過する SO4 について考察すると, SO4どう評価するかなど,改善の余地はあるが,実測値と概は盛土内の高い pH 環境下においてはゲータイトや水和ね調和的に推移していると考えられる。今後は,Na の鉄酸化物にほとんど吸着されず11) ,吸着層内では Al吸着試験を実施することで,より精度の高いパラメータ(アルミニウム)や Ca(カルシウム)などの共存イオンを設定し,計算値を観測値に近づけることができると考との反応により SO4 が難溶性塩として沈殿する12) と予想される。しかし,観測当初からの SO4 濃度の一連のえられる。試験終了時( 1 095 日後)の Na の濃度分布図を図―上昇は,盛土後かなり早い段階に,SO4 が難溶性塩となに示す。Na は吸着層直下部の As1 層で相当濃度が高り吸着層内で飽和し,溶出源として豊富にある掘削ずりくなったが,その下部の透水性の小さい Ac2 では濃度から SO4 が次々と供給され,吸着層を通過し SO4 が漏が減衰していた。また, Ag1 層まで達すると下流側へ出したと考えられる。以上のことは,時期や溶出濃度のの移流がみられた。 As の解析値と Na の濃度分布とを値は異なるものの Na イオンも同様の挙動を示している。すなわち, Na の溶出濃度は, SO4 と同様,採水開始直後から一貫して上昇している。イオン化傾向の強い Naは,吸着層で交換性陽イオンとして粘土鉱物のハロイサイト12) に吸着されたと予想されるが,このような吸着は盛土後かなり早い段階に飽和し,Na は吸着層を通過したと考えられる。As については,盛土深部の pH が高いため吸着層上部 No. 2 の溶出濃度が高めに推移していることを考慮する必要があるが,吸着層において pH が低くなり,吸着図―吸着層の直上部と直下部における Na の観測値と解析結果との関係層内に含まれるハロイサイトなどの粘土鉱物や共存する水酸化鉄に吸着されたことにより吸着層下部 No. 3 のAs の溶出濃度を減少させたと考えられる13)。SO4 と Na の溶出挙動からは,盛土中心部から吸着層直上部への移行,吸着層下部への浸透と濃度の漸増,地下水へはまだ到達していないか,あるいは到達していても希釈されて観測値としては表れないレベルであることなどが読み取れる。これらの挙動から SO4 と Na は,ともに As の挙動をモニタリングする上での天然のトレーサーとして有効であると考えられる。ただし,吸着層から漏出した SO4 は,地盤内の Al や Ca などとさらに共沈する可能性がある。一方, Na は地盤中の主要な陽イオンの中ではコロイドの表面荷電との吸着力が弱い11)ため,陽イオン交換反応により放出されやすい。このため, SO4 と比較して拡散性の高い Na が, As の影響予測を検証する天然のトレーサーとして,より適していると考えられる。14図―二次元移流分散解析による試験終了時の Na 濃度分布地盤工学会誌,―/(/) 報告観測実験で得られた知見をサイト概念モデルに基づくリスク評価への対応方法を示した。本稿で得られた知見が自然由来物質に対応する際の一助になれば幸いである。今後は,より精度の高いリスク評価モデルを構築するため,盛土内環境を想定した発生源評価方法や還元環境を模した吸着試験方法の開発を目指していきたい。本実験の実施にあたり,国土交通省北海道開発局関係各位から資料の提供及び現場提供をいただいたことに謝意を表する。参1)図―サイト概念モデルに基づくリスク評価の流れと対応。文献14)より抜粋・一部修正比較すると,Na の濃度分布は As よりも高い。2)このように,Na 濃度を計測することで,As の拡散や移動を先行して評価することができると考えられ, Naは井戸等でのモニタリング観測により,対策効果の検証や As の影響の程度,範囲等を評価するのに有効な指標3)となると考えられる。. サイト概念モデルに基づくリスク評価への対応4)本実験から得られた結果を基に,リスク評価モデルの精度を向上させるため,サイト概念モデルに基づくリスク評価の流れと対応を図―に示す。サイト概念モデル5) 発生源の評価,◯ 現場とリスクによるリスク評価は,◯ リスク評価範囲の設定,◯ 現場周辺評価地点の選定,◯ リスク評価(解析・評価) リスの地盤特性評価,◯,◯6) 対策方法の決定,◯ モニク評価に基づく対策の検討,◯タリング計画の策定という流れで行う。7) 発生源の評価においリスク評価への対応としては,◯て,溶出試験で汚染物質のほか Na や K などの主要イ8)オンを分析し,ヘキサダイヤグラムで卓越するイオン当量を示す主要イオンについて解析・評価・検討を進める。9) モニタリング計画の策定において,地下水モニタリン◯ で整理しグを行う項目に対象となる汚染物質のほか,◯た主要イオンを追加してモニタリングデータをリスク評価結果の検証などに活用する。10)11). お わ り に本稿では,汚染対策が施された道路盛土内の物質移行に関する観測実験を行い,盛土内で溶出した SO4 及びNa が盛土内から吸着層への As の影響予測に用いる天12)13)然のトレーサーとしての適用性について検討した結果を紹介した。その結果, SO4 と Na は,ともに As の挙動をモニタリングする上での天然のトレーサーとして有効であることを確認した。両者の比較では,SO4 と比較し14)考文献建設工事における建設工事における自然由来重金属等含有土砂への対応マニュアル検討委員会建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル( 暫 定 版 ), 2010 , 入 手 先 〈 http: // www.mlit.go.jp /sogoseisaku / region / recycle / pdf / recyclehou / manual /sizenyuraimanyu_zantei_honbun.pdf〉(参照 2017.7.3)林 貴博・掛田浩司・宮川浩幸建設工事における自然由来重金属含有岩石をもちいた盛土設計について~サイト概念モデルの構築~,平成24年度国土交通省国土技術研 究 会 , 2012 , 入 手 先 〈 http: / / www.mlit.go.jp /chosahokoku / h24giken / program / kadai / pdf / innovation/inno108.pdf〉(参照 2017.7.3)(公社)土木学会ダム建設における水理地質構造の調査と止水設計,丸善,p. 44,2002.田本修一・伊東佳彦道路建設現場におけるサイト概念モデルによるリスク評価と盛土モニタリング実験,第10回環境地盤工学シンポジウム発表論文集, pp. 117 ~124, 2013.田本修一・倉橋稔幸自然由来重金属含有掘削ずりの汚染対策を施した道路盛土内の物質移行特性に関する考察,第 11 回環境地盤工学シンポジウム発表論文集, pp. 421~424, 2015.西垣 誠ほか飽和・不飽和領域における物質移動を伴う密度依存地下水流の数値解析手法に関する研究,土木学会論文集,No. 511, 30, pp. 135~144, 1995.最上武雄ほか透水―設計へのアプローチ,鹿島出版会,p. 13,1976.米澤裕之原位置計測に基づく熱帯性豪雨に対する斜面浅層部の流出浸透特性に関する研究,京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻修士論文,pp. 37~40, 2011.日本地下水学会地下水流動解析基礎理論のとりまとめに関する研究グループ編地下水シミュレーション,技報堂出版,p. 97, 2010.鈴木哲也ほか重金属を含有する掘削土砂の処理判定と対策,土と基礎,Vol. 52, No. 9, pp. 13~15, 2004.福士圭介酸化物による無機陰イオンの吸着―吸着実験による巨視的吸着挙動とその場分光分析による微視的表面錯体構造―,粘土科学,Vol. 47, No. 3, pp. 121~158,2008.地下水ハンドブック編集委員会改訂地下水ハンドブック,建設産業調査会,pp. 212~215, 1998.島田允尭自然由来重金属と環境汚染―応用地質学・地球 科 学 的 デ ー タ バ ン ク ― , 愛 智 出 版 , pp. 77 ~ 115,2014.(一社)北海道環境保全技術協会技術委員会自然由来重金属等の対策におけるリスク評価マニュアル,道環協技術レポート,No. 5, p. 16, 2012.(原稿受理2017.8.7)て拡散性の高い Na のほうが, As の影響予測の天然のトレーサーとしてより適していると考えられた。また,November/December, 201715
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  • タイトル
  • 自然由来物質の溶出現象における熱力学的解析の利用(<特集>自然由来物質への対応)
  • 著者
  • 浦越 拓野・太田 岳洋・川越 健
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • 16〜19
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180009
  • 内容
  • 報告自然由来物質の溶出現象における熱力学的解析の利用Geochemical Calculations for Dissolution of Hazardous Chemicals from Natural Minerals浦越拓野(うらこし(公財)鉄道総合技術研究所防災技術研究部地質川太たくや)副主任研究員越田岳山口大学大学院健(かわごえ洋(おおた創成科学研究科研究室長. は じ め に.土木工事に伴い,地盤中の黄鉄鉱に起因する酸性水の. 溶液中での化学平衡に影響を及ぼすことが懸念される場合がある。例えば,東北新幹線八甲田トンネルの建設では,掘削残土からの酸性水の発生や重金属の溶出が懸念され,酸性水が発生する可能性があると判断された残土は,二重遮水シートを用いた管理型土捨て場に処理された2)。このような処准教授たけし)(公財)鉄道総合技術研究所防災技術研究部地質発生1)のように,自然由来の物質に起因して,周辺環境たけひろ)熱力学的解析手法の概要溶液中で,化学種 A と B が反応し,化学種 C と D が生成する化学反応が,aA+bB  cC+dD …………………………………(1)と書けるとき,その平衡定数 K は,[C]c[D]d…………………………………………(2)[A]a[B]bK=理方法は,酸性水発生の抑制に効果的であるが,多大なと表される。ここで,[ A ]は化学種 A の活量で,化学経費を必要とする2)ことが課題であることから,掘削残種 A の濃度(A)と活量係数 gA を用いて,土の短期及び長期的な溶出特性を適切に把握し,その特性を踏まえて対応することが望まれる。「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル」3) では,サイト概念モデルを構築してリスク評価を実施し,その結果を踏まえて対策を行うことが示されている。ここでは,サイト概念モデルにおいて発生源を含む現場毎の特性を考慮することで,過[A]=gA(A)……………………………………………(3)と表される。活量係数の推定式には,例えばデバイヒュッケルの式やピッツァー式を利用する。式(1)の反応の方向を決めるギブスの自由エネルギーの変化 DG は,ガス定数 R,絶対温度 T を用いて,DG=-RT ln K+RT ln[C ]c [D ]d…………………(4)[A]a[B]b度とならない対策を実施することが可能となるとされる。と表される。 DG > 0 なら式( 1 )の反応は左に, DG < 0そのようなサイト概念モデルに基づく検討方法の一つに,なら式( 1 )の反応は右に進み,化学平衡状態で DG = 0自然由来物質の溶出現象の熱力学的解析が挙げられる。となる。熱力学的解析と浸透流解析及び移流・分散解析を組み合化学反応( 1 )が鉱物の溶解・析出を示すとき,式( 2 )わせることで,例えば鉱物から溶出したヒ素のような,の K は特に溶解度積 Ksp と呼ばれる。例えば石膏の溶自然由来の物質の挙動を数値的に把握でき,リスク評価解では,に活用できる。また,溶出試験を対象として熱力学的解CaSO4・2H2O  Ca2++SO42-+2H2O …………(5)析を行うことで,溶出試験結果の解釈や溶出メカニズムKsp=[Ca2+][SO42-] …………………………………(6)の検討に寄与し,発生源の溶出特性の把握につながるととなる。ここで,石膏の活量は 1 であり,水の活量は考えられる。希薄溶液であるので 1 と仮定した。また,溶解度積 Ksp熱力学的解析は,鉱山廃水を対象とした酸性水処理4)とイオン活量積 IAP の比 Q や,その常用対数である飽やヒ素を含有する廃水の処理5)のほか,高レベル放射性和指数 SI は,飽和の状態を表す指標であり,次式で定廃棄物の地層処分6) や,二酸化炭素の地下貯留7) の検討義される。などにおいても利用されている。一方,掘削残土に含まれる自然由来物質の対応において,熱力学的解析を利用した検討事例は必ずしも多くない。そこで本稿では,熱Q=IAP [Ca2+][SO42-]=……………………………(7)KspKspSI=log(Q) ……………………………………………(8)力学的解析に基づいて,掘削残土からの自然由来物質のQ=1 あるいは SI=0 で平衡,Q<1 あるいは SI<0 で不溶出特性の検討や水質予測を実施した事例を紹介し,そ飽和,Q>1 あるいは SI>0 で過飽和と判断される。の利用可能性をまとめる。. 鉱物の反応速度鉱物の溶解や析出に関わる反応速度の一般式は,( )A 0 m( t )Rk=rkVm016nfs …………………………………(9)地盤工学会誌,―/(/) 報告と表される8)。R は鉱物の反応速度(= dm/dt),r は速利用可能な解析コードには,例えば PHREEQC9) ,度定数(単位表面積当たり,単位時間当たりに溶解・析MINTEQA210) , EQ3 / 611) , TOUGHREACT12) などが出する物質量),A0 は鉱物の表面積,V は溶液の体積,ある。ツールによっては,化学反応のみならず,浸透流m0 は初期の鉱物量, m ( t )は時刻 t の鉱物量, n は反応解析や移流・分散解析と組み合わされ,盛土や地盤内のに寄与する表面積の変化を説明する係数であり,鉱物が物質移行を解析可能なものもある。球であれば n = 2 / 3 となる。 fs は溶液中の溶存成分等の反応速度への寄与を示す関数で,pH や溶解平衡からの.距離,他の溶存成分の触媒作用や抑制作用が含まれる。自然由来物質の溶出を対象とした熱力学的解析の事例. 熱力学的解析のモデル化とコードの例. 環境庁告示第号試験の条件での解析例自然由来の成分による酸性水の発生や重金属の溶出を仙台市周辺で採取された土壌・岩石 47 試料(うち,対象とする場合,反応モデルに組み込むべき鉱物は,対火成岩類が 8 試料,堆積岩類が 39 試料)を対象に,平象とする掘削残土毎に異なるため,岩石の鏡下観察,全成 3 年 8 月 23 日環境庁告示第 46 号に示される溶出試験岩化学組成分析,鉱物組成分析等に基づき設定する。一(以下,環告46号試験)結果と数値解析結果とを比較し般に,問題となる化学成分は微量成分であることが多い。た13)。数値解析では PHREEQC を用い,.節及び.このとき,問題となる化学成分に関わる鉱物のみをモデ節の記載に加えて,酸化水酸化鉄( III )及びギブサイル化すると,溶液全体の pH やイオン強度が再現されなトへの吸着を,表面錯体形成としてモデル化した。また,い場合があり,問題となる化学成分の溶出特性が評価で初期の鉱物組み合わせと鉱物量は,全岩化学組成結果かきない。そこで,岩石中に一般的に含まれているケイ酸ら,ノルム計算に基づく方法13) により推定した。さら塩鉱物等をモデル化し,それに加えて問題となる微量成に,鉱物の粒径は,ケイ酸塩鉱物と方解石が0.01 mm,分に関する鉱物をモデル化する。黄鉄鉱が0.001 mm と仮定し,鉱物が球であるとして表解析において平衡状態を対象にする際には,溶存成分面積を算出した。間の化学平衡,鉱物と溶存成分の化学平衡をモデル化す図―には,火成岩類の 1 試料を対象とした反応速る。鉱物が時間とともに溶解する過程を考慮する場合に度を考慮した解析結果,平衡条件での解析結果,環告は,反応速度(式(9))を併せてモデル化する。必要に46 号試験の結果13) を示す。まず,反応速度を考慮したより,イオン交換反応や溶存成分の固相への吸着・脱着解析結果のうち, pH は反応開始から 20日間程度は 3~も,モデルに組み込むことができる。例えば,黄鉄鉱中4 程度と低いが,30日経過時に急変し,pH が6.5程度との不純物として含まれるヒ素の溶出が発生する場で,酸なる。SO42-,Ca2+,Mg2+ の濃度は時間経過とともに,化水酸化鉄(III)(例えば,ゲーサイト)が析出すると,概ね単調に増加する。 Al3+ の濃度は pH に依存し, pH酸化水酸化鉄( III )にヒ素が吸着することが予想されが低いとき高濃度で,pH が6.5程度になると低濃度になる。このような場合には,吸着をモデル化することが考る。Pb,Cd などの有害元素の濃度は,初期には単調にえられる。増加し,pH が6.5程度でほぼ一定になると,濃度変化が図―図―環告46号試験と熱力学的解析結果の比較(火成岩類の例)13)November/December, 2017環告46号試験と熱力学的解析の pH の比較例13)17 報告小さくなる。このように,熱力学的解析の結果,pH やイオン濃度,有害元素の濃度が経時的に大きく変化することが分かる。次に,環告 46 号試験の結果と,熱力学的解析結果を比較する。本試料の環告 46 号試験での pH は 3.4 であった。図―から,pH が3.4になるのは,解析上の経過日数が 10 日後程度である。環告 46 号試験では 6 時間連続して振とうさせているので,pH が3.4となる時間は,試験と計算とでかい離がある。この原因として,反応速度に寄与する表面積の設定に課題があると考えられる。このような課題はあるものの,時間方向にある時点の結果である環告 46 号試験と,熱力学的解析結果を比較することで,環告 46 号試験の結果が鉱物と水との反応開始から平衡状態に至る過程の,どの状態にあるのかを検討することができる。本試料の例では,環告 46 号試験の結果としては pH が 3.4 であるが,より長期間反応が進図―むと, pH が 6.5程度に上昇すると予想される。また Cdバッチ式溶出試験結果と熱力学的解析結果の比較例14)は環告 46 号試験では 3 × 10-7 mol / L であったが,より長期間反応が進むと,1×10-6 mol/L 程度に上昇し,平た。また,バッチ式溶出試験では電気伝導率が上昇して衡状態では 3×10-8 mol/L 程度となると予想される。おり,反応速度論に基づく鉱物の溶解が発生していると図―に, 47 試料すべての鉱物を対象に,環告 46 号考えられる。解析結果では,SO42- イオンや Ca2+ イオ試験の pH の測定結果と熱力学的解析結果を比較する13)。ンや溶存鉄の濃度が経時的に増加しており,試験結果と各試料での計算条件の違いは,初期の鉱物組み合わせと矛盾しない。また,溶出試験での 56 日経過後の溶液の鉱物量である。解析結果は,溶存成分との化学平衡を仮水質分析の結果,SO42- イオンが 6.2 mmol/L,Ca2+ イ定した場合の解析結果と,反応速度を考慮した場合の解オンが 1.2 mmol/ L であった15)。これらの値と図―の析上の経過時間 2 000日後の解析結果を示している。図56 日経過後の値は概ね一致している。しかし,溶存す―から,化学平衡を仮定した場合の解析結果では,る全 Fe は実験結果では, 0.001 mmol / L であり15) ,解pH は試料によらず概ね同じ値となっている。これに対析結果は大きく異なっている。pH=4 程度では,Fe はし,反応速度を考慮した解析結果は,環告 46 号試験で酸化還元電位によって Fe2+ として溶存するか酸化水酸pH が高い試料について,解析でも相対的に高い pH が化鉄( III )として析出するかが定まる。実験と解析結得られている。このことから,反応速度を考慮した解析果で溶存する Fe が大きく異なった理由として,実験でで,計算初期の鉱物組み合わせの差異に基づく各試料のは酸化水酸化鉄( III )として析出したが,解析では酸溶出特性の違いが適切に解析されていると考えられる。化還元電位が実験より低くなり, Fe2+ として溶存する. バッチ式溶出試験の再現例と計算されたことが考えられる。北海道八雲層の泥質堆積物を対象として,バッチ式溶本事例では,モデル化した反応により, Fe を除いて出試験と数値解析結果を比較した14),15) 。バッチ式溶出溶出試験の経過が再現できたことから,本事例での主要試験では,試料を10 mm 以下に粉砕し,粉砕試料100 gな溶出メカニズムは以下であると推定された15)。と蒸留水 500 ml を容器に入れ, 3 分間振とうさせた後,黄鉄鉱の分解(酸性化反応)静置した。その後,1 時間,24時間,7 日,28日,56日FeS2(黄鉄鉱)+7/2O2+H2O → Fe2++2SO42-+経過後に,pH 及び電気伝導率を測定した。2H+数値解析には PHREEQC を用い,黄鉄鉱,方解石,方解石や斜長石の分解(中和反応)斜長石の溶解を反応速度を考慮してモデル化した。さらCaCO3(方解石)+H+ → Ca2++HCO3-に,これらの溶解に伴って,石膏や酸化水酸化鉄(III)CaAl2Si2O8(斜長石(灰長石))+2H++H2Oの飽和指数が 1 に達した場合の析出をモデル化した。各鉱物の含有量は,全岩化学組成分析結果に基づいて推→ Ca2++Al2Si2O5(OH)4(カオリナイト)石膏の析出定した。また,顕微鏡観察結果から,各鉱物の粒径を黄Ca2++SO42-+2H2O → CaSO4・2H2O(石膏)鉄鉱 6 mm ,方解石 200 mm ,斜長石 200 mm とし,鉱物このように,熱力学的解析を行うことで,溶出メカニが球体であると仮定のもとで表面積を算出した。結果を図―14)に示す。バッチ式溶出試験での pH は,ズムを検討することができる。. 物質移行を伴う長期的な水質変化の解析大局的には低下する傾向であった。これに対して,解析.節で対象とした材料からなる仮想的な盛土での溶結果では,試験開始初期に低下し,その後 pH=5.0程度出現象を解析した15) 。水平一次元を考え,延長 50 m のの状態が続き,54日目以降に pH が低下する傾向であっ盛土中にダルシー流速 10-5 m / s の飽和浸透流が発生し18地盤工学会誌,―/(/) 報2)3)4)図―仮想的な盛土を対象とした浸出水の水質変化の解5)析例15)ているとした。浸透流に伴い,移流・分散が発生するとした。コードは PHREEQC を用いた。6)盛土からの浸出水の水質解析結果15) を図―に示す。図から 2 500 日後に Ca2+ や SO42- の濃度が減少することが分かる。これは,盛土内の黄鉄鉱がすべて分解した7)ことに対応している。このように,熱力学的解析と,移流・分散解析を組み合わせることで,盛土からの長期的な浸出水の水質変化8)を検討することができる。9). まとめ本稿では,掘削残土に含まれる鉱物に起因する酸性化や, Cd 等の自然由来物質の溶出を対象として,まず熱力学的解析を概説し,次にその適用例を報告した。適用目的は,それぞれ◯10)鉱物と水との反応開始から平衡状態に至る過程でのバッチ式溶出試験結果の解釈◯溶出メカニズムの検討◯長期的な浸出水の水質変化の検討11) や◯ は発生源の溶出特性評とまとめることができる。◯ の点では,溶出メカニズムに裏価に寄与する。また,◯付けられた水質変化の検討が可能となり,リスク評価に12)活用できる。一方,実際の盛土は,非定常の降雨に晒されるため,盛土内の浸透流も非定常となることや,盛土内の間隙が不飽和状態となりうることなど,反応や物質移行を考え13)る上で,さらに考慮すべき事柄がある16) 。また,章では,実験と解析で反応時間が一致しない点や,いくつ14)かの化学種の濃度について実験と解析でオーダーが異なる結果となっている点もある。これらの点について,反応に寄与する表面積の設定,初期の鉱物組み合わせやそ15)の量比の設定などを検討する必要があると考えられる。16)参1)考文献野坂 徹・飯酒盃久夫・川越 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  • タイトル
  • 地下ダムから溶出したマンガン水の分析と電気泳動法による低減化(<特集>自然由来物質への対応)
  • 著者
  • 佐々木 清一・宇田 毅
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • 20〜23
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180010
  • 内容
  • 報告地下ダムから溶出したマンガン水の分析と電気泳動法による低減化Analysis and Remediation by Electrokinetics for Underground Water Contaminated with Manganese佐々木清一(ささき和歌山工業高等専門学校せいいち)名誉教授宇田毅(うだたけし)和歌山県土地改良事業団体連合会参事. は じ め に和歌山県田辺市上芳養地域は,梅栽培の圃場であり,県の重要基幹産業として発展し現在も多くの農家が栽培に従事している。この圃場に供給するために灌漑用水として地下ダムを建設し取水を行っている。この地域は,紀伊半島四万十帯の南帯に位置し,古第三紀の音無川付加体が分布する。この付加体は,プレート境界の沈み込み帯で形成された地質体であり,遠洋性の堆積物である暗緑色泥岩及び緑色泥岩・赤色泥岩を主とし,一部に海底火山に由来する緑色岩類(枕状熔岩を含む)を伴う瓜写真―谷層,上半部が海底扇状地の堆積物である砂岩泥岩互層,圃場整備全景砂岩及び礫岩の羽六層からなる。この堆積物には,細粒の泥に加えて, Fe や Mn などの金属の酸化物が多く含まれる特徴を有する1)。この岩石から雨水の浸透によりこれらの重金属が溶出することが予想される。この地域の地下水を揚水すると,Mn2+ が空気に接すると酸化され MnO2 の黒色のスラッジ水となり配管,ポンプの腐蝕を起し度々破損し問題となっている。さらに過剰なMn は,梅栽培への影響も懸念されるために,現時点では,消毒水以外には使用されておらず,改善できれば,栽培,洗浄などの活用を農家も期待している。そこで,図―石灰質堆積岩の化学成分分析結果数年間に渡る現地での調査データを示し,特に Mn に焦点を当て処理に薬剤を使用しない電気泳動法を活用した集積・低減に関する基礎実験について報告する。.現地調査・分析写真―に示すように約 24.0 ha の梅圃場の造成を行った。この地域は第三紀・音無川層群に属する砂岩,泥岩の堆積岩が分布し,その成分を蛍光 X 線分析した結果は図―である。これより,CaO, SiO2 を主成分とした MnO を約 4 wt.(40 g/kg)含有する岩石であるこ図―地下ダム水の Mn 濃度の推移とが分かる2) 。この岩から雨水の浸透と共に Ca+2 が多い Mn を含んだ水が溶出することが予想される。そこている。バリア材として花崗岩の砕石を詰め,地下水をで,地下ダム建設当時における Mn の分析結果を図―Ch. 1 (地盤高 197 m )に流して MnO2 スラッジ水を吸に示す2)。この値からMn 濃度は季節による変動はあるが,平均値 7.44 mg / L を超える月が多い。そこで,着させ Ch. 2 (地盤高 193 m )から貯水タンクへと導入するものである。圃場に供給する地下水に含まれる重金属(主に MnO2,採取した地下水を 0.045 mm のフィルターにてろ過しFeO2 )を吸着除去するために,図―に示す集水井戸ICP 発光分析装置で定量分析した結果が図―である。と水路(断面 0.45 m2×長さ 54 m)を建設した。地下ダこの測定データから Mn は平均 13.0 mg / L であり,他ム近傍に井戸(径1.8 m×深さ9.3 m)を設置し集積されの重金属(Cu, Fe, Cr, Zn など)の濃度を比較すると圧た地下水をサイホン管にて 54 m の浄化水路まで揚水し倒的に大きい。さらに地下ダム建設当時の図―のデー20地盤工学会誌,―/(/) 報図―図―地下ダムと地下水浄化水路のレイアウト図―54 m 水路の入口と出口における導電率の観測例(H22)図―地下水における金属元素の測定結果(H21~22)告ゼオライトの吸着特性曲線しても季節毎に大きく変化しながら挙動している。この挙動は,地下ダムが谷筋に建設されているため,図―に示した化学成分の溶出に対する降雨の影響が考えられる。.電気泳動法による基礎実験と検討福島第一原子力発電所において,放出され土壌に吸着,水中に溶解したセシウム Cs の集積・除去について,安価で取扱い易い材料であり,既に使用されているゼオラ図―地下水の導電率特性(H21~22)イト材料に注目し Mn 溶解水への応用を考えた。Mn のバッチ吸着実験においては,試料 5 g に対してタと比較すると約 1.7 倍に増加している。他の重金属初期濃度(0.002, 0.004, 0.006, 0.008, 0.01, 0.012, 0.016,Cu, Zn が 9 月から 11 月に見られるのは,梅の消毒と追0.02 g/L)を添加した溶液50 mL を作成した。振とう速肥による圃場から地下水への影響と考えられる。そこで,度200 rpm/min,6 時間後に0.045 mm のろ紙にてろ過し,この効果を分析するために,図―の Ch. 1 (流入口),Mn 濃度を分光光度計にて分析した。その結果,ゼオラCh. 2(流出口)及び貯水タンク内の地下水の導電率をイトに対する Mn の吸着特性を図―に示す。測定値測定した結果が図―である。この値から見ると,Ch.に対してフレンドリッヒモデル( 1 )及び( 2 )による計算1 及び Ch. 2 における導電率の著しい差は見られない。値を図―に示した。更に田辺市水道水の測定値110 mS/cm に基づき Ch. 1, 2S=Kf Cemf ………………………………………………(1)の値に注目すると6.4~6.5倍の値を示している。図―log S=log Kf+mf log Ce ……………………………(2)の導電率の変化は,図―に示した地下水に含まれる金ここに S吸着量(g/kg),Ce平衡濃度(g/L),Kf属元素が,導電率値に影響しているものと考えられる。分配係数=28.74,mfフレンドリッヒ係数=0.81また,詳しい導電率の時間変化を調査するために,導電これより Mn 吸着量は,平衡濃度の増加により増加率計による自動計測を試みた。ここで計測されたデータし,式( 1)による計算結果とも相関係数が 0.91であり対はセンサーからのアナログ電圧を A/D 変換し,そのデ応している。したがって,式(1)から浄化すべき Mn 濃ジタル信号を携帯電話の通信機能を利用してパソコンに度に対するゼオライト重量を推定することができる。1 時間間隔で送信した。この水路で測定した導電率の結Mn2+ = 100 mg /L ( Mn ( NO3)2・ 6H2O= 0.19 )による果を図―に示す。これより地下ダムからの Ch. 1(流汚染水( 100 mg /L )を作成し図―に示すように+極入口)よりも 54 m の水路を流れた後の Ch. 2(流出口)はステンレス棒(直径 0.01 m ×長さ 0.11 m ),-極は炭では導電率がわずかながら低下している。この低下は水素繊維の電極(幅 0.08 m ×長さ 0.03 m )を使用した。路に設置した花崗岩砕石による吸着効果を反映している+,-極の間隔は, 0.23 m である。-極のポーラススと考えられる。この観測データが示すように導電率に対トーン面にはゼオライトシート(幅 0.09 m ×長さ 0.09November/December, 201721 報告図― ゼオライトに対する Mn の吸着前後における分析結果図―ロボットによる pH と導電率自動計測装置図― +及び-極における pH 特性その含有量を蛍光 X 線分析した結果は図―である。この図においてゼオライトシートの成分は,主に Si,Na, K, Ca, Al であるが,特にイオン交換物質である Na図―Mn 溶解水に対するゼオライトの効果( DC 電流通電は30分間隔)項目の吸着前に注目すると,吸着後は減少し,反対にMn (黒色の棒グラフ)が増加する。これは, Mn2+ に着目すると,(3)式のようなイオン交換現象によるものm)を貼り,ポーラスストーンで隔離された+,-水槽である。にはイオン交換水500 mL をそれぞれ注入した。さらにMn2+2Na+-Clay+Mn2+⇔Mn2+-Clay+2Na+ ………(3)溶解液は+,-の間の溶液槽( 850 mL )に入れここで,それぞれの吸着能力はイオン価数と半径に支配た。Mn2+ 濃度及び pH は+極及び-極槽において導電され る。イオン 半径は Na+ = 0.095, Mn2+ = 0.080 nm率,pH センサーをMn2+溶液槽では,導電率のみ計測であり,クーロン力は半径の 2 乗に反比例する。つました。電圧 23 V の下で DC = 40 mA (電位差 1 V / cm)り小さいイオン半径の物質はクーロン力が大きくなり吸を流した。測定は30分間隔にて Mn2+ 濃度,pH の変化着能力が増加する。図―の分析結果から,Na は90を測定した。電流が流れると pH センサーが直流のため減少しその分 Mn について89の増加が見られた。に値が大きく変わり以前はマニュアルにより計測されて図―の電気泳動実験による+及び-極における pHいた。そこで,図―のように,DC 電流を30分ごとに特性を図―に示す。この場合,+極では 2H2O - 4e-切り移動アームロボットにより,導電率を 1 分間隔で= 4H+ +O2,-極では 2H2O+ 2e- = 2OH- + H2 の化学+極, Mn 溶解層,-極と順番に計測し,その後に pH反応が起こる。その結果,+極では酸性,-極ではアルセンサーを備えたアームを動かして pH を+,-極水槽カリ性となる。これより,+極では,DC 電流が流れるにおいて自動的に計測した。と急速に pH が低下し pH = 2 以下の強酸性になる。こ図―は,図―の実験に示すように-極の多孔質板れと反対に-極では pH=10以上の強アルカリ性を示す。の前に添付したゼオライトシートの効果を示したものでこの結果,-極では Mn(OH)2 となり沈殿するものと推ある。ここに使用したゼオライトは,モルデナイト型の定される。このために Mn2+ 汚染溶液からの移動によ天然産であり,透水係数 k = 4.9× 10-6m / s である。こり-極において平衡状態となりイオンの移動が止まる。れより,イオン交換水の場合では,電流を伝達するイオこれを改善するには-極は常に酸性状態を保持するか,ン化した金属が無いために,通電時間による導電率の変カラム吸着層により除去させる必要がある。現場での適化は見られない。ゼオライトを使用しない場合は,減少用を考えた場合には,装置そのものが大掛かりとなる。の割合も小さく,また集積時間も長時間にわたる。一方,そこでゼオライトシートに吸着させて交換する方法を検ゼオライトを使用した場合では,Mn=100 mg/L,地下討した。水とも導電率の値が減少し,その時間も少ない。したがって,このシートを吸着材として浄化水槽に導入すれば,Mn の低減化が期待できる。さらに,図―の実験で使用したゼオライトシートに吸着した22Mn2+に対して,.現場実験と現状分析現地において観測した Mn2+ 及びその他の重金属を含む地下水の電気泳動実験は,図―に示される。これ地盤工学会誌,―/(/) 報表―告地下水分析結果(H29/7)図― 現地 Mn 集積実験に最近の地下水分析結果が,表―である。集水井戸,貯水タンクから最終の圃場給水栓では,ほとんど変わらない。地下ダム建設時のデータである図―と比較する図― 地下水の現場実験結果(電圧一定18 V)と, Mn は大きく減少し調査項目に限り食品製造用水(厚生労働省告示第 370)の基準値( 0.3 mg / L )以下では図―の方法を利用したものである。+極を Mn2+を含む地下水タンク(260 L)の中に設置し,10 L タンク(-極)には水道水を,その中にステンレスの電極棒をいれ,導電率センサーにより,それぞれ測定している。ある。.まとめ水源井戸(地下ダム付設,H14)建設以来,水質調査電圧 18 V 1 A の下で実験を試み,導電率から出る出力を行い現在に至っている。Mn 濃度はかなり改善され,値を 30 分間隔で計測した。その結果が図―である。調査項目に限定した場合,食品製造用水の基準以内までこれより,地下水の導電率計の電圧は約 2~ 3 時間で低改善された。費用対効果等を考えれば既存施設(浄化水下し電流を流す期間と共に減少している。これに対して路,貯水タンク)に電気泳動装置を取り付けた複合的手-極の電圧は増加の傾向を示している。この現象は,地段の導入が望まれる。電気泳動法においても,処理水量,下水に含まれるMn2+,Fe2+ 等の重金属が+から-に移濃度,電流と処理時間に対する実証実験が必要とされる。動していることを示すものである。そこで,ファラデーによる電気化学の法則により,図―の Mn2+ を含むデータに適用して集積時間の計算を試みる。ファラデーの式は式(4)で表される。( )Q = A ・ t =F ・ n ・W…………………………………(4)M謝辞上芳養地域の地質化学情報については,和歌山大学災害科学教育研究センター後誠介客員教授からの指導を受けました。また,電極に使用した炭素繊維の材料につい株 (福井県)から提供を受けました。ては,前田工繊Q電気量(C),A電流(A),t時間(sec),Fファラデー定数(9.65×104 C/mol),n モル数, W 物質量( g ), M 原子量( g ),空気中の CO2 の溶解による HCO3- と Mn2+ の反応から地下水の Mn (HCO3)2 を仮定すると, Mn2+ = 100 mg / L = 5.61 × 10-4 mol / L である。これより Q = 108.08 C/ L となり, 1 A では, t =1.8 min/L となる。したがって,260 L タンクでは約7.8h となり Ch. 2 の値がこの値の付近から減少する。さらNovember/December, 2017参考文献1)中谷志津男他音無川付加シークエンス(音無川層群)の層序と構造 ―古第三系暁新統~下部始新統の付加体―,地団研専報,Vol. 59, pp. 61~69, 2012.2) 宇田 毅小規模地下ダムにおける簡易ろ過システムの提案,農業土木学会誌,第 73 巻, 7 号, pp. 565 ~ 568,2005.(原稿受理2017.7.25)23
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  • タイトル
  • 風化履歴や曝露環境等を考慮した新第三紀海成堆積岩の酸性化可能性及び砒素の溶出傾向の評価(<特集>自然由来物質への対応)
  • 著者
  • 巽 隆有・山本 隆広・龍原 毅
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • 24〜27
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180011
  • 内容
  • 報告風化履歴や曝露環境等を考慮した新第三紀海成堆積岩の酸性化可能性及び砒素の溶出傾向の評価Evaluation of Acidiˆcation and Leaching of Arsenic in the Neogene Sedimentary RocksConsidering Weathering History and Exposure Condition巽隆有(たつみ株パシフィックコンサルタンツ龍山たかくに)主任技師原本隆広(やまもと株パシフィックコンサルタンツ毅(たつはら株パシフィックコンサルタンツたかひろ)技術課長たけし)チーフ・プロジェクトマネージャー. は じ め に海成堆積岩や変質岩を基盤岩とする地域において大規模切土工事やトンネル工事を行う場合,酸性化や自然由来の重金属等の溶出が懸念され,対策を必要とされる事例が近年増加傾向にある1)~3)。写真―新規コアの保管状況海成堆積岩は,その形成過程において海水中の金属イオンや硫酸イオンなどを取り込むことで生成された黄鉄紀鮮新世の泥岩及び砂岩からなる海成堆積岩を基盤岩と鉱などを含むことがある。黄鉄鉱を含む岩石は,地中深し,この基盤岩では酸性化や自然由来の砒素の溶出が懸くでは還元環境下で黄鉄鉱が安定しているが,掘削によ念される。り大気曝露されると酸素や水と反応することで黄鉄鉱が試験に用いたボーリングコア試料は,試料の状態によ酸化・溶解するため,掘削当初は中性から弱アルカリ性り既存コア試料と新規コア試料に大別した。既存コア試を呈するものが酸性となる。一般的にこのような土は酸料は掘削後コア箱に入れられ倉庫に保管されたものであ性硫酸塩土壌と称され,判定には過酸化水素水を用いたり,掘削後 8~10年程度経過したものである。新規コア試験4) を適用する場合が多い。また掘削土中の緩衝試料は掘削当初のボーリングコア試料で,試験を行うま能力を考慮する方法として,総硫黄含有量や S/Ca モルでの酸化防止を目的に掘削後速やかにボーリングコアを比,短期溶出量試験の pH を考慮した新たな判定方法がラップなどで養生し,脱酸素剤を封入したガスバリア袋提案されているが5),大気曝露によるで真空パック保存を行った(写真―参照)。pHpH の変化などを把握した事例は少ないのが現状である。黄鉄鉱の溶解に本稿ではボーリング 20 孔(既存ボーリング 15 孔,新伴い共存物質である硫砒鉄鉱から砒素の溶出が促進され規ボーリング 5 孔)より採取した合計212試料を用いてる可能性も指摘されているが6),強制的な溶出を促す試試験・評価を行った。また採取したコア試料は岩片状で験に基づいたものであり,大気曝露による pH の変化とあることから,破砕・風乾し 2 mm 以下に調整した試料砒素溶出量の関係について把握された事例は少ない。さを供試体とした。らに,海成泥岩では風化の影響により深度方向に鉱物組. 試験方法成や pH ,物理特性が変化することが把握されている7)。そこで本稿では,実際の施工により近い曝露環境下における酸性化の有無やその程度,それに伴う砒素溶出量基礎的性状把握のための試験採取した試料の基礎的性状を把握するために,pH 試験,pH(H2O2)試験,溶出量試験を実施した。の変化などを把握することを目的に,大気曝露や酸化促pH 試験は,調整した試料を用いて地盤工学会基準進した試料を用いて各種試験を実施し,それらの評価を「土懸濁液の pH 試験方法」( JGS 0211 2009 )4) に基づ行った。さらに複数のボーリング孔について各種試験・き実施した。pH 試験を実施した溶液については,電気評価を行うことで,酸性化可能性と砒素溶出傾向に及ぼ伝導率も併せて測定した。なお,一般的に pH 4 を下回す地質区分や風化履歴の影響を評価した。ると植生の育成阻害が問題となるため,pH 試験につい. 試 験 方 法ては pH 4 を目安としてとりまとめた。pH ( H2O2 )試験は,地盤工学会基準「過酸化水素水. 試料による土及び岩石の酸性化可能性試験方法(案)」(JGS北海道地方の道路建設計画箇所において採取したボー0271 2015 ) に 示 さ れ る 方 法 に 基 づ き 実 施 し た 。 pHリングコアを用いて試験を実施した。当該地は,新第三(H2O2)試験では,pH(H2O2)≦3.5の場合に酸性硫酸塩24地盤工学会誌,―/(/) 報図―既存コア試料の pH と電気伝導率(EC)の関係図―告大気曝露・酸化促進試験の pH と pH ( H2O2 )の関係図―新規コア試料の酸化促進試験結果図―pH と砒素溶出量の関係土壌と評価され,長期的に酸性化する懸念があると判定される。溶出量試験は,建設工事における自然由来重金属等含泥岩の最高 pH が砂岩に比べ 2 程度高く,最低 pH は同等程度であった。有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定版)8) に示され新規コア試料の酸化促進試験による pH の経時変化のる短期溶出試験に基づき実施した。分析項目は既往調査詳細を図―に示す。図―では同一孔(図―で後述において土壌溶出基準超過が確認された砒素とした。溶する地点 A )で深度が異なる 2 種類の試験結果を示し出液の pH も測定し pH 試験と大きく相違がないことをており,深度が浅い試料では酸化促進期間とともに pH確認した。が低下しているが,深度が深い試料では pH の変化が見酸化促進試験新規コア試料については,基礎的性状の把握のための試験に加えて酸化促進試験を実施した。試験方法は,土られなかった。なお,両試料とも pH(H2O2)は3.5以下となり酸性硫酸塩土壌と評価された砂岩で,長期的に酸性化する可能性がある試料と判定されていた。壌環境分析法の保温静置(インキュベーション)法試図―,図―より,同一地質であっても pH が低下験9)を参考とした。調整した試料を樹脂製フィルム袋にするものとしないものが存在することを確認した。この入れて適宜水分を加え,恒温器( 20 °C )で保管し,定ため,既存コア試料では pH 試験と pH ( H2O2 )試験,期的(9 期日1 日,7 日,14日,21日,28日,35日,新規コアでは酸化促進試験と pH ( H2O2)試験を実施し,42 日, 49 日, 56 日)に pH 試験及び溶出量試験を実施各 pH 値 の 関 係 を 図 ―  に よ り 求 め た 。 そ の 結 果 ,した。pH(H2O2)≦3.5であってもそれ以外の手法では pH は 4.試験結果とその評価以上であるものが大半であった。このことより,当該地の堆積岩では,既往文献5)でも指摘されているように,. 酸性化の可能性過酸化水素水を用いた pH 試験(pH(H2O2)試験)では大気曝露された既存コア試料の pH 試験結果を図―酸性化の可能性を過度に評価する場合があることが確認に示す。pH は酸性からアルカリ性までの広い範囲を示し,酸性域では電気伝導率が高くなる傾向を示した。電された。. pH の変化と砒素溶出量の関係気伝導率が概ね100 mS/m 以上では pH は 4 以下を示す泥岩と砂岩を対象に掘削当初,酸化促進後,大気曝露試料が多く, pH 4 より酸性側では電気伝導率が上昇し後の pH と砒素溶出量の関係を調べた(図―参照)。た。試験に用いた既存コア試料は全142検体(泥岩63検なお,溶出量試験時には一般的に溶出液の pH を測定す体,砂岩 79 検体)であった。泥岩では最低 pH 3.6 ,最るが,図―で示す pH は,溶出量試験に用いた試料と高 pH 9.9,砂岩では最低 pH 3.2,最高 pH 7.9であり,同一試料を用いて別途実施した pH 試験の結果である。November/December, 201725 報告日)に測定し,砒素溶出量は掘削当初と酸化促進後に測定した。まず,斜面部(地点 A )について確認すると,掘削当初の pH は深度 80 m 程度まで微増し,それ以深ではpH 8 程 度 で ほ ぼ 一 定 で あ っ た 。 深 度 90 m 以 浅 で はpH(H2O2)はほとんどの深度で 3.5以下であったものの,深度90 m 以深では3.5以下となるものが少なかった。また,酸化促進後の pH は深度 80 m 程度まで低下しており,それ以深では当初とほとんど変化が見られなかったことが確認された。一方,砒素溶出量は深度 60 m 程度までほとんどで定量下限値( 0.001 mg / L )以下であったが,それ以深では砒素の溶出が確認された。次に,沢近傍(地点 B)について確認すると,掘削当初の pH は斜面部よりも若干高く,深度が深くなるにつれて上昇傾向にあり,孔底(深度 75 m 付近)では pH10程度であった。pH(H2O2)はほとんどの深度で3.5以図―pH 及び砒素溶出量の深度分布(地点 A)下であった。また,酸化促進後の pH は当初と同程度の値を示す深度が多く,強酸性となる箇所は存在しなかった。一方,砒素溶出量は地表付近(深度 20 m 付近)で土壌溶出量基準を超過し,深度 40 m 以深では土壌溶出基準をほとんどの試料で超過した。. 酸性化可能性と砒素溶出傾向に及ぼす地質区分と風化履歴の影響酸性化や砒素溶出量が深度方向で異なる要因としては,風化履歴の影響が考えられる。千木良7)は,新第三紀の海成堆積岩(泥岩)で深度方向の物理・化学的性状やpH などの調査を行い,泥岩の化学的風化のメカニズムについて以下のようにとりまとめている。泥岩地山は茶褐色を呈する強風化部の下位に暗灰色を呈する弱~未風化部で構成されるが,新鮮岩の物理・化図―pH 及び砒素溶出量の深度分布(地点 B)学特性との比較より上位から酸化帯(表層酸化帯含む),溶解帯,溶解漸移帯,新鮮岩に区分できる(図―参照)。酸化帯は緑泥石と黄鉄鉱が消失し茶褐色を呈する箇所で図―より,当該地の砒素の溶出量は,砂岩に比べ泥あり,強風化部に相当する。溶解帯は多くの鉱物が消失岩で高い傾向にあることが確認された。砒素溶出量はアしているが黄鉄鉱量は新鮮岩と変わらない箇所である。ルカリ性域で高く,pH の低下に伴い低下した。既往研鉱物の消失は,酸化帯において黄鉄鉱の酸化・溶解によ究6)ではpH を強制的に低下させることを目的に硫酸なり生成された水素イオンが下方に拡散したためと考えらどの溶媒を用いて溶出量試験を実施しており, pH 4 以れている。溶解帯では溶解の程度に深度方向の変化が確下となる場合に砒素の溶出量が増加することが報告され認されていないことから,溶解帯の下底に反応のフロンている。本稿の大気曝露や酸化促進試験のような実際のトがあると考えられ,これを溶解フロントと呼んでいる。施工により近い曝露環境下で得られた結果では,酸性領溶解漸移帯は,減少した鉱物の量は少なく新鮮岩と溶解域での砒素の溶出量の増大は起こらなかった。帯の間に分布する。. pH と砒素溶出量の深度分布このような現象は,黄鉄鉱を含む泥岩の風化現象に共岩盤の風化程度と酸性化及び重金属等の溶出状況との通する特徴であると考えられている。同じ堆積環境下で関係を把握するため,風化履歴が異なると想定される地は,砂岩も量は少ないものの黄鉄鉱などが生成されるた点 A 及び B の 2 つのボーリング地点(図―で後述)め,後述する風化履歴の影響については砂岩も泥岩と同において,地表から深度120 m 程度までを対象に検討を様に評価することとした。行った。斜面部(地点 A )は砂岩主体であり,沢近傍(地点 B )は泥岩主体であった。 2 地点の pH 及び砒素試験結果と千木良7)から推定される当該地の各帯(層)の酸性化と砒素溶出の可能性を以下に示す。溶出量の深度分布を図―,図―に示す。グラフの縦砂岩が分布する斜面部では,酸化促進試験により pH軸は地表からの深度である。pH は掘削当初の未酸化のが低下した領域が溶解帯に相当し,その領域の下限とな状態, pH ( H2O2 )による強制酸化後,酸化促進後( 56る深度 80 m が溶解フロントであると考えられる。千木26地盤工学会誌,―/(/) 報図―告調査地点と酸性化・砒素溶出可能性の模式図図―掘削箇所と発生土の懸念事項の関係良7)より,酸化フロント以深では黄鉄鉱量に変化はないが,酸化帯で生成された水素イオンにより溶解帯中の緩れる新第三紀の海成堆積岩の掘削工事を行う際は,強制衝鉱物(長石類や方解石など)が消失していたため,酸的な酸化試験では酸性化の可能性を過大評価する可能性化促進すると黄鉄鉱が酸化・溶解し pH が低下したと考があるため,酸化促進試験などの実際の施工により近いえられる。また,深度 80 m まではほとんどの試料で砒曝露環境を考慮した現実的な評価を行うことが望ましい。素溶出量が定量下限値以下であり,砒素などの重金属等また,酸性化可能性及び砒素溶出傾向は地質区分や風化は既に消失したと考えられることから溶解帯と判定した。履歴の影響も受けるため,それらを考慮した上で,判定泥岩が分布する沢近傍では,酸化促進により pH が低下し,かつ砒素溶出量が極めて低い深度がなかった。沢を行うことが望ましい。ただし,以上の評価手法を対策上の検討に実用化する近傍では比較的風化の影響を受け難いため,溶解帯が存ためには, 2~ 4 週間で行う酸化促進試験の酸性化の程在しなかったか,極めて薄かったものと考えられる。図度と,実際の環境下で生じる酸性化の程度との相関を明―などに示した既存コア(大気曝露)の分析結果によらかにすること,地質区分や風化履歴の影響を定量的にると泥岩でも酸性化が確認されており,砂岩同様に溶解評価することが必要である。そのためには,異なる地域,帯は存在したと考えられるが,間隙の大きさが小さく透地質帯で同様の分析を実施し,データを蓄積することが水性の低い泥岩では風化の進行が遅いため,溶解帯の深必要であると考えられる。度を確認できなかった可能性が考えられる。本稿では地表付近の茶褐色を呈する強風化部(酸化帯)については詳述していないが,酸化帯(当該地では約参1)10 m 以浅)では黄鉄鉱がほとんど存在せず砒素の溶出も確認されなかったため,千木良7)と同様に黄鉄鉱など2)の酸化・溶解が進んでいたものと考えられる。以上の関係より,調査地点と酸性化・砒素溶出の可能性の模式図を図―に示す。風化部が厚く存在する斜面3)部では,酸化帯を除く深度 80 m 程度までは酸性化が懸念される。それ以深では,砒素を溶出する可能性が高い。一方,泥岩を主体とする沢部などの比較的風化履歴の影響が少ない箇所では,酸性化しないものの砒素を溶出す4)5)る可能性が高い。当該調査地の掘削工事などを行う場合,図―に示すような大規模切土では,最下段の暗灰色の6)岩については酸性化の懸念がある。また,図―のようなトンネルの坑口付近では酸性化,深度の深いトンネル7)中央部では重金属等溶出の懸念があると考えられる。これらの状況を想定することで,効率的に調査し現実的に8)判定することが可能になると考える。. まとめ本稿で示したように,酸性化や重金属等溶出が懸念さNovember/December, 20179)考文献河東頼男・立松和憲・橋爪 智新東名高速道路豊田東JCT ~浜松いなさ JCT 間のトンネル群,トンネルと地下,Vol. 47, No. 7, pp. 7~16, 2016.谷畑一行・菊谷正己・橋 靖自然由来の重金属を含む建設発生土の処理と対策―仙台地下鉄東西線―,トンネルと地下,Vol. 41, No. 1, pp. 29~39, 2010.服部修一・太田岳洋・菊地良弘八甲田トンネルにおける掘削残土の酸性水溶出に関する判定手法の評価,応用地質,Vol. 47, No. 6, pp. 323~336, 2007.地盤工学会地盤材料試験の方法と解説―二分冊の 1―,株 ,pp. 310~315, 2009.丸善伊東佳彦・田本修一・宍戸政仁自生植物を利用した積雪寒冷地の酸性法面対策工に関する研究,平成24年度土木研究所成果報告書,2012.鈴木哲也・竹花大介・榊原正幸・板谷利久重金属を含有する掘削土砂の処理判定と対策,土と基礎,Vol. 52,No. 9, pp. 13~15, 2004.千木良雅弘泥岩の化学的風化―新潟県更新統灰爪層の例―,地質学雑誌,Vol. 94, No. 6, pp. 419~431, 1988.建設工事における自然由来重金属等含有土砂への対応マニュアル検討委員会建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定版),2010.日本土壌肥料学会監修 土壌環境分析法編集委員会編土壌環境分析法,博友社,pp. 297~301, 1997.(原稿受理2017.7.24)27
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  • タイトル
  • 二酸化炭素を活用した自然由来重金属等含有土の環境負荷低減技術の展望―燃焼系廃棄物の溶出抑制研究の成果を起点に―(<特集>自然由来物質への対応)
  • 著者
  • 小峯 秀雄・江原 佳奈・井上 陽介・夛賀 都・片山 浩志・阪本 廣行
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • 28〜31
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180012
  • 内容
  • 報告二酸化炭素を活用した自然由来重金属等含有土の環境負荷低減技術の展望―燃焼系廃棄物の溶出抑制研究の成果を起点に―Perspective of Reducing Environmental Impact of Soils caused by Naturally Occurring Heavy Metals― From the Studies on Carbon dioxide gas utilization for Insolubilizing Combustion Wastes ―小峯秀雄(こみね早稲田大学理工学術院井上陽片山浩原佳奈(えはら早稲田大学大学院ようすけ)夛主任志(かたやま株日本国土開発江教授介(いのうえ株日本国土開発ひでお)賀ひろゆき)部長. は じ め に阪本株 フジタ修士課程都(たが株日本国土開発廣かな)みやこ)主任行(さかもとひろゆき)エグゼクティブコンサルタントらの有害物質の溶出抑制技術に関する研究成果の概要とポイントを,また,鉄鋼スラグの二酸化炭素固定化研究有効利用が期待されている石炭灰等の燃焼系廃棄物やの概要を紹介する。次に,上記の研究で理解した二酸化トンネル掘削に伴う発生土において,環境に負荷を与え炭素固定による溶出抑制メカニズムを自然由来重金属等ると考えられる重金属等イオンの溶出が発生する場合が含有土にも応用して,大気中の二酸化炭素を活用し,適あり,廃棄物の有効利用促進や発生土処分の弊害になる度な散水と一定期間の仮置きを行うことによる有害物質事例がある。一方,これら石炭灰等の燃焼系廃棄物やトの溶出抑制技術の開発に関する展望を論じる。ンネル掘削に伴う発生土には,重金属等とともに,カルシウムイオンなどの遊離性のある陽イオン成分を保有し.ていることがある。第一筆者は,発生直後の廃棄物や発二酸化炭素を活用した石炭灰の溶出抑制研究生土からは重金属等イオンが溶出するものの,一定の期石炭火力発電所から排出される石炭灰は,六価クロム間後において同じ材料が溶出しにくくなる事象を,実務やホウ素等の微量の有害物質を含有していることがあり,の現場において経験した。これが有効利用の妨げとなっている。筆者らは,石炭火この経験に基づき,大気中の二酸化炭素と石炭灰等の力発電所から排出される二酸化炭素の有効利用を想定し,燃焼系廃棄物やトンネル掘削に伴う発生土が保有する遊石炭灰に二酸化炭素を接触させることにより,六価クロ離性の陽イオンとの反応により炭酸塩が粒子表面上に生ムやホウ素の溶出を抑制できる可能性を室内実験により成され,溶出しにくい状態となると仮説を立て,数種類見出した1)~3)。本章では,その成果の概要を述べる。の研究を進めてきた1)~3)。この仮説の概念図を,図―. 使用した石炭灰に示す。石炭灰には,表―に示す試料を用いた。表―及び本稿では,はじめに,二酸化炭素を活用した石炭灰か表―にそれぞれ,化学組成及び各種物質の溶出濃度を示す。. 二酸化炭素による石炭灰の溶出抑制前節の石炭灰に対して,二酸化炭素供給による石炭灰表―図―使用した石炭灰二酸化炭素と土質系材料保有の遊離性陽イオンとの反応による炭酸塩生成の仮説の概念図28地盤工学会誌,―/(/) 報表―表―使用した石炭灰の化学組成()告表― 二 酸化 炭素に よ る石炭 灰の 溶出 抑制実 験条 件図―二酸化炭素による石炭灰の溶出抑制実験の結果の使用した石炭灰の六価クロム,ホウ素,砒素,セレン及び鉛の各種溶出濃度(mg/L)一例図―二酸化炭素による石炭灰の溶出抑制実験の概要図の値を大きく上回る値を呈していたことから,これらのの溶出抑制実験を行った。石炭灰試料と蒸留水を固液比溶出濃度の変化を調べた。図―(a)に六価クロム溶出1 : 2 にして,液化炭酸ガスボンベ 3.4L 型(日立酸素・濃度を,図―(b)にホウ素溶出濃度の変化を示した。現ヤマト産業製)より圧力調整器 YR200V(CO2)(日これらの図の結果より,二酸化炭素を供給することによ立酸素・現ヤマト産業製)を用いて 0.02 MPa の圧力でり六価クロム及びホウ素の溶出が抑制されることが分か二酸化炭素を蒸留水へ注入した(図―左参照)。まずる。特に,二酸化炭素供給を繰り返す度に両溶出濃度は蒸留水に対し二酸化炭素を 30 分間,事前に注入し,そ低下しており,5 回の繰り返し二酸化炭素供給により,の後,試料をその蒸留水に投入して,二酸化炭素をさらいずれも土壌環境基準値以下に低減できることが分かっに 5 分間注入した。その後, 10 ~ 30 分静置した後,検た。液を濾過し,炉乾燥させた。この手順を 5 回繰り返し次に,上記の石炭灰の溶出抑制のメカニズムを考察すた。二酸化炭素による抑制実験の条件の詳細は,表―ることを目的に,溶出抑制前後の同石炭灰の X 線回折に示す通りである。分析を実施したところ,図―の結果を得た。この図よ図―は,二酸化炭素供給による石炭灰からの六価クり,二酸化炭素供給により,石炭灰中に炭酸カルシウムロム及びホウ素の溶出濃度の変化を示す。表―からも(図中 Calcite)のピーク強度の増加が確認された。また,分かるように,使用した石炭灰は,六価クロム及びホウ先の図―の右においても,二酸化炭素供給前後におけ素の溶出が土壌の汚染に係る環境基準(土壌環境基準)る石炭灰の外観の違いを示しているが,二酸化炭素を供November/December, 201729 報告図―二酸化炭素による石炭灰の溶出抑制実験の結果の一例図―給した石炭灰粒子の表面において白濁が認められた。こ鉄鋼スラグ供試体内の含水比と CO2 固定化量の変化(参考文献 4)中の図に加筆)れらのことから,供給された二酸化炭素と石炭灰が保有するカルシウムイオンにより,石炭灰粒子の表面に炭酸カルシウムが生成されることにより,いくつかの有害物質の溶出抑制が生じたと推察できる。.鉄鋼スラグの二酸化炭素固定化研究に基づく二酸化炭素固定化における最適な含水比の存在海野らは,参考文献 4)において,石炭灰と同様に遊離 Ca を保有する鉄鋼スラグを二酸化炭素の固定化材料としての可能性を実験的に調べた。本研究によれば,鉄鋼スラグ試料に含有される遊離 Ca の濃度と適切な含水状態のときに,炭酸カルシウムの生成が活発になること図―を明らかにしている。実験装置・方法の詳細などは参考加水による CO2 固定化効果の回復文献 4)を参照されたい。参考文献 4)では,大気圧環境下における数種類の CO2 固定化実験を行い,鉄鋼スラグのうち,高炉徐冷スラグ,エージング製鋼スラグ及び未エージング製鋼スラグに高い CO2 固定の効果があることを明らかにした。一方,実施した実験を通じて,供試体の含水比の変化に伴い, CO2 の固定化の程度に変化が生じることが分かった。図―に CO2 の累積固含水比が存在することが推察される。.既往研究成果を起点とする二酸化炭素を活用した自然由来重金属等含有土の環境負荷低減技術の展望前章までに,筆者らが進めてきた二酸化炭素の粒子表定化量と供試体内部の含水比の時間変化を示す。これは,面への固定化とそれを活用した溶出抑制の可能性に関す未エージング製鋼スラグを用いた CO2 固定化実験の試る実験の概要を述べてきた。これらと同じメカニズムを,験期間を 24, 72, 96, 120, 192時間に設定し,実験終自然由来重金属等含有土にも当てはめることにより,了後に CO2 固定化量と供試体の含水比を測定したもの土・岩石に含有される遊離 Ca と大気中の二酸化炭素のである。供試体内部の含水比は,経過時間と共に減少し化学反応による炭酸塩生成を活用し,自然由来の重金属ていき,試験が終了する200時間経過後には含水比が約の溶出を抑制することも可能と考えられる。1.5 となった。供試体の含水比が 2.0 付近に達したそこで筆者らは,予備的な試験を通じて,カルシウム120時間から,固定化される CO2 の増加傾向が急激に低を含む発生土を大気曝露させて炭酸塩生成の有無を確認下していることが分かる。また,実験終了後の各供試体した。その結果,適切な含水比調整と曝露期間の長期化に加水し,含水比を増加させたところ,図―に示すよにつれて Ca2+ 溶出量の低減が認められた。うに CO2 濃度比が低下した後に3.0程度になった含水今回実施した大気曝露実験は,主に 2 種類の条件を比を10.0の含水比に調整することにより,試料の CO2設定した。1 つは発生土の含水比を変化させて,もう一固 定 化 効 果 が 回 復 す る こ と が 認め ら れ た 。 これ よ り ,◯方は期間を変えて行った。それぞれの実験を実験◯CO2 の固定化は,供試体の含水比状態の影響を大きく では,初期含水比 w0=12.14の試料と,とする。実験◯受けると考えられる。すなわち,二酸化炭素供給と粒子その試料を w=20.00,30.00を目標に含水比調整しが保有する遊離 Ca の反応による炭酸塩の生成に最適なた試料の計 3 種類を 7 日間大気曝露させた。なお,7 日30地盤工学会誌,―/(/) 報表―告大気曝露実験の条件と炭酸塩生成の結果図―散水による適切な含水比設定と現地発生土中のCa と大気中の二酸化炭素の反応に起因した自然由来重金属の溶出抑制技術のイメージCa の反応に基づく CaCO3 の生成が推察される。特にCaCO3 の生成は適切な含水比調整を行い,一定の大気曝露期間を設定することにより促進されたものと考えられる。このことから,含水比状態の適切な設定と一定の大気曝露期間を設けることにより,発生土中の Ca2+ と大気中の二酸化炭素の反応に起因し生成する炭酸塩が自然由来重金属等の溶出抑制をもたらす技術の開発が展望できる。現在までの研究成果では,適切な含水比設定や一定の大気曝露期間の定量化までには至っていないが,これらの事項を,より詳細かつ広範囲の条件を設定した試験の左Ca2+ 溶出量と含水比との関係,右Ca2+ 溶出量と大気曝露期間との関係図―Ca2+ 溶出量に及ぼす含水比及び大気曝露期間の影響結果を通じて,図―に示すような「散水による適切な含水比設定と現地発生土中の Ca と大気中の二酸化炭素の反応に起因した自然由来重金属の溶出抑制技術」の開発が可能と考えられる。間中,初日と 4 日目に加水を行い設定含水比に調整し では初期含水比 w0=5.36の試料を 7た。一方,実験◯日間と 14 日間の 2 条件で大気曝露させた。なお,実験参1) では曝露期間中,加水を実施しなかった。大気曝露後◯の 生成 物の 確認 は, 環境 庁告 示 46 号溶 出試 験に よるCa2+ 溶出量の測定と炭酸塩含有量試験5) により行った。表―に大気曝露実験の条件と炭酸塩含有量試験の結 ,実験◯ の終了後に得果を示す。また図―は,実験◯2)た Ca2+ 溶出量である。図―より,今回設定した含水比の範囲ではその増加と大気曝露期間を長くすることにより, Ca2+ 溶出量が低減することが分かる。また表―3) では含水比が増加するに伴い pH は低下より,実験◯し,炭酸塩含有量が増加していることが分かる。一方, では大気曝露期間が長くなるに伴い, pH が上昇実験◯4) の pH 低下の原因とし炭酸塩含有量も増加する。実験◯しては,二酸化炭素の溶解量の増加が考えられる。また, の pH 上昇の原因としては,加水を行わなかった実験◯ことによる間隙水の蒸発が考えられる。以上の結果より,発生土においても二酸化炭素と遊離November/December, 20175)考文献Nohno, S., Komine, H., Yasuhara, K., Murakami, S., Ito,T., Konami, T., and Kudo, Y.: Experimental study onwashing of coal ‰y ashes by water with carbon dioxide,―washing eŠect of chromium (VI) and boron―, ISSMGE's: 5th International Congress on EnvironmentalGeotechnics, pp. 245250, 2006.南野慧子・小峯秀雄・安原一哉・村上 哲・小浪岳治・工藤章光炭酸ガスの有効利用を目的とした石炭灰洗浄技術に関する基礎的実験,第40回地盤工学研究発表会発表論文集,pp. 2669~2670, 2005.南野慧子・小峯秀雄・安原一哉・村上 哲・小浪岳治・工藤章光回転振とう併用による炭酸ガスを用いた石炭灰洗浄の高度化,土木学会第60回年次学術講演会講演概要集,pp. 89~90, 2005.海野 円・小峯秀雄・村上 哲・瀬戸井健一低炭素社会形成のための鉄鋼スラグの二酸化炭素固定化量の定量評価と二酸化炭素固定化メカニズムの推察,地盤工学ジャーナル Vol. 9, No. 4, pp. 469~478, 2014.福江正治・加藤義久・中村隆昭・森山 登土の炭酸塩含有量の測定方法と結果の解釈,土と基礎, Vol. 49,No. 2, pp. 9~12, 2000.(原稿受理2017.7.20)31
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  • タイトル
  • 第52回地盤工学研究発表会を終えて(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 西村 伸一
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • 32〜32
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180013
  • 内容
  • 第回地盤工学研究発表会を終えて西村伸公益社団法人地盤工学会一(にしむらしんいち)調査・研究部長岡山大学平成29年7月12日から15日にわたって第52回地盤工学教授い雰囲気で開催することができました。今回は,交流会,研究発表会が名古屋国際会議場において開催されました。特別講演会,一般発表とも同会場で開催できたため,移今年度は,3 年ぶりの 7 月開催で,市内で豪雨による洪動の手間が無く,非常にスムーズな運営がなされたと思水が起こるなど,梅雨時期ながらの不安定な天候ではあいます。りましたが,すべての催しが無事実施されました。地盤工学研究発表会は各支部持ち回りで開催されてい一般発表は,省力化のため,発表者は,直接会場のPC に,スライドをアップロードする方式となりました。ますが,今年度は中部支部の担当で,名古屋での開催は,それに対応するために,セッション間の休憩時間が 202007 年度の第 42 回以来, 10 年ぶりです。参加者数は,分設けられました。自ずと全体の時間が延びるので,セ総数1 910人で発表件数は1 076件でした。これは,前回ッション数に影響が出ます。特に,大学以外の市内の会の岡山大会(総参加者数1 808人,発表件数1 120件)と場を使用する場合は,セッション数の上限が問題となり比較すると,参加者数は微増,発表件数は微減であり,ます。今後,各セッションのあり方などを検討し,コン現状を維持しているという状況です。パクトな大会を達成できるように運営を見直していく必研究発表会では,一般発表のほかディスカッションセ要があります。ッション,特別セッション,特別講演会,交流会,技術研究発表会の開催について,数年来,開催時期が問題展示,サロン・土・カフェ,見学会,市民向け行事などとなっています。本部理事会では,7 月開催が好ましいが実施されました。また,月の初めに発生した九州の豪としていますが,この時期の開催は,大学以外の施設を雨災害に関して,「平成29年 7 月九州北部豪雨緊急災使用せざるを得ず,会場費が高額となります。また,地害報告会」を開催しました。報告会では,地元メディア域によっては会場の確保が不可能となり,開催地が限らも多く参加し,報告会の後に開催した記者懇談会では多れるという問題が発生します。一方,大学を使用する場くの質問が寄せられ,調査団による回答がなされました。合は,会場費の節約と会場規模の確保は達成されますが,災害関係では,九州豪雨の報告のほかに,昨年の北海道開催を 9 月にせざるを得ず,他学会との開催時期の重豪雨災害の報告もなされました。昨年の事象の報告が行複という問題があります。これは,二律背反事象なので,われるなか,新たな災害報告をしなければならないとい的確な解決策は存在しません。今後も 9 月開催の希望う状況が続いており,気候変動の影響を感じざるを得まは,存在すると思われるので,スムーズな開催時期の決せん。このような状況は今後も続くと予想され,地盤工定がなされるように決定手順を明確化する必要があると学を研究するものとして,今後も気を引き締めなければ考えています。ならない状況が続きます。今回,実行委員会の大変なご努力により, 73 件もの展望のセッションは,昨年度までとは方式を変え,専技術展示を頂きました。空前の展示数で,研究発表会の門領域の権威にご講演を頂く,以前の方式に原点回帰し運営が潤うと同時に,学会財務にとっても有り難い状況ました。今年度は,愛媛大学の岡村未対教授より「河川です。学会本部として,展示企業の方々や実行委員会に堤防」というテーマでご講演を頂きました。現在のホッ対して感謝に堪えません。ただし,展示数の確保は,開トなテーマでもあるので,多くの参加者による活発な議催のタイミング,会場,開催地に大きく依存しますので,論が行われました。この方式は,来年度も継続する予定今後の開催地におかれましては,今回の事例にプレッシですので,次回をご期待ください。ャーを感じる必要はありません。開催地ごとに身の丈に特別講演会では, NPO 法人ベースボールスピリッツ合った運営をしていただければ十分だと思います。理事長の奥村幸治氏から,「強い組織の作り方 ~イチ最後になりましたが,第 52 回地盤工学研究発表会のロー・田中将大との出会いを通じて~」と題して,一般開催に当たり,関係各位,特に実行委員会や中部支部の公開のご講演を頂きました。一流選手や指導者がどのよ皆様には大変なご尽力を賜りました。心より,厚く御礼うなメンタリティやポリシーをもって活動しているか,申し上げます。来年の第 53 回地盤工学研究発表会は,ということが非常によく分かり,大変興味深く感動を呼平成 30 年 7 月 24 日~ 26 日に高松市内の複数の会場にてぶ講演でした。組織論にもつながる内容に,聴衆も釘付開催される予定です。四国支部では,実行委員会が中心けになった印象でした。となって開催に向けた準備が進められています。多くの交流会では,大村秀章愛知県知事,河村たかし名古屋市長のご列席を賜ることができ,いつにも増して賑々し32会員の皆様の応援と参加をお願いいたします。(原稿受理2017.8.13)地盤工学会誌,―/(/)
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  • タイトル
  • 第52回地盤工学研究発表会(名古屋大会)を終えて(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 中野 正樹
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • 33〜33
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180014
  • 内容
  • 第回地盤工学研究発表会(名古屋大会)を終えて中野正樹(なかの第52回地盤工学研究発表会実行委員長. は じ め にまさき)名古屋大学教授ッション後の議論の場も提供できたのではと思います。先に述べたように市民向け行事にも力を入れ,市民向第 52 回地盤工学研究発表会(名古屋大会)が 7 月 12けチラシを作成,支部会員の協力のもと区役所や図書館日から 15 日まで,名古屋国際会議場で開催されました。などの公共施設に置くとともに,実行委員全員から関係発表論文数 1 076 (前回 1 120 ),参加登録者数(有効登機関や知人へ配って頂きました。その甲斐もあって,各録者数)1 910(前回1 808)となり,ここ10年のうちで行事へ多くの市民に御参加頂きました。特に市民向け見最も多い参加者となりました。学会は競争率が 3 倍にもなりました。また,地盤品質名古屋大会では「今こそ地盤工学~知る 学ぶ 備える判定士会と連携しながら,住宅地盤リスク講演会,地盤~」を大会テーマに,参加者には有意義な議論,交流が品質判定士による住宅地盤相談会も開催し,市民に地盤できるよう,また一般市民の方々には地盤工学会の存在工学会をより身近に感じてもらうとともに,その役割をや役割を知ってもらえるよう力を入れてまいりました。知ってもらういい機会となりました。以下,本大会の準備,運営に関してご報告いたします。.本大会の企画・準備・運営について技術展示は,総合受付から最も近いイベントホールを会場とし, 73 ブース( 80 小間)の出展がありました。出展者の皆様にはこの場を借りて御礼申し上げます。な開催場所については,前回,中部支部で開催された第お学会参加者と出展者,出展者同士の技術交流が促進す42 回研究発表会(平成 19 年)が,今回と同じ名古屋国るように,12の島を作り,島と島の間には商談用スペー際会議場でしたので,昨年の春先から名古屋市以外の候スを確保しました。会場奥には休憩スペース,ドリンク補地として伊勢,信州を挙げ,開催の可能性を在住の教コーナー,和菓子コーナー,起震車による揺れの体験員に検討頂きました。しかし 7 月開催,会場数, 2 000コーナーを設けました。初日夜にはウェルカムイベント人規模の参加などの条件により,上記 2 つの候補地でを開催し,出展者に記念升を配り,地酒などを振る舞い,の開催は断念,名古屋国際会議場としました。乾杯とともに交流を深めるなどの工夫も凝らしました。運営組織については,実行委員会の中に総務・財務部大会直前に発生した平成 29 年 7 月九州北部豪雨につ会,研究発表部会,技術展示部会,交流部会,特別講演いては,亡くなられた方へご冥福をお祈りするとともに,部会,見学部会を作り,各部会は 2~ 3 名で構成,それ地盤工学会としての役割を果たすべく,初日のセッショぞれの行事を担当しました。実行委員会は,各部会長がンで緊急報告会を開催いたしました。先遣調査隊を編成委員兼幹事となり(総務・財務部会長は委員兼幹事長),した九州支部の方々に対し敬意を表します。委員は支部評議員を中心に構成し,相談役として顧問を設置,支部顧問にお願いしました。また上記 6 つの部.おわりに会で運営幹事会を構成し,実質的な企画立案・準備・運このように名古屋大会は成功裏に終えることができま営を行いました。運営幹事会は総務・財務部会が中心とした。ご参加頂いた方,運営にご尽力頂いた関係者の皆なって仕切り,計 7 回開催,各部会の行事内容,進捗様に,この場を借りて厚く御礼申し上げます。状況の報告と部会全体での意見交換を行い,部会ごとに工夫を凝らした行事を作り上げてまいりました。研究発表会は開催支部が主体的に準備・運営が行われますが,学会最大のイベントであります。今回も本部と平成 28 年 9 月上旬には第 1 回実行委員会を開催,運連絡を取り準備を進めましたが,この位置づけのもと,営幹事会に各行事の詳細を一任することが決まりました。研究発表会をどうしてゆくべきかを学会全体で話し合うそして,平成 29 年 4 月中旬に第 2 回を開催し,確定し時期にきていると思います。幸か不幸か,今年度より,た各部会の行事内容と準備状況の説明を行いました。調査・研究部の理事を拝命しました。真剣に議論し,参各部会が携わった行事については,別途,学会 HP で詳細に紹介しておりますので,そちらを是非ご覧ください。少し重複するかもしれませんが,各行事において工夫した点や特徴のいくつかをご紹介したいと思います。まず研究発表の運営については,会場受付を廃止して運営を簡素化いたしました。発表データの受取り等のため,休憩時間を 20 分に増やしましたが,それによりセNovember/December, 2017加する側も運営する側も有意義であったと思える研究発表会をこれからも続けて行ければと思います。最後に,大会後に特別講演者奥村幸治氏から頂いたお葉書の一文をご紹介し,本稿を閉じたいと思います。意識自分にとって何が必要か気づき感じて行動する(原稿受理2017.8.7)33
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  • タイトル
  • 河川堤防(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 岡村 未対
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP1〜HP1
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180015
  • 内容
  • 河川堤防River Levee in Japan岡村 未 対(おかむら みつ)愛媛大学大学院理工学研究科 教授我が国はモンスーン地帯に位置し多量の降雨があり,河川の流域面積が大陸の大河川と比べると非常に小さいため,短時間のうちに降水が河川に流出し,河川の高水継続時間は短いがピーク流量は非常に多いという特徴がある。この高水特性は中小河川で顕著であり,思いもかけぬ豪雨が小面積に降ると流域面積当たりでは大河川より遙かに大きな高水流量が発生する。このような高水を防御する我が国の河川堤防の整備状況は,直轄区間の堤防約 1 万 3 千 km については数十年に一度の規模の洪水に対する計画断面(形状と大きさ)を満足するものが未だ 66%であり,この計画規模の堤防整備が終わるのが現在のペースだと数十年(今世紀末頃まで)を要するものと想定される。我が国の本格的な治水整備が始まったのは明治期で,特に旧河川法が制定された 1886 年以後であり,そこでは近代科学が外国人技術者により導入され,水位計測や測量と水理計算により,水系一貫の考え方の元で治水計画がたてられ,近代工法が導入された。我が国では防御する土地の多くが水田稲作地帯であり,梅雨期から台風期にかけて発生する洪水発生期と稲作期が重なるため,それに合わせた治水計画が策定された。すなわち,河川の規模(流域面積,長さ)が小さい割に巨大な洪水流量が発生する我が国の河川に,その洪水流量を氾濫させず,長大連続堤防を築いて河道内を素早く流下させ海まで運ぶ,そういう治水戦略である。蛇行部を直線化する放水路の建設,計画流量を流すための河道の整備と河積の確保,堤防の嵩上げ,さらに戦後はダムの建設等を進め,一般会計比でおよそ 1%前後の国費を河川費としてこれらの事業に注入し続けてきた。明治から戦前期までは大規模な洪水が頻発し,整備が進んだ河川を含め,甚大な被害が頻発した。河川を整備すると,それまで上・中流で適度に氾濫するなどしていた水が氾濫せずに全て河川に入ることになり,整備が進むにつれてさらに高水が大規模化するという,イタチごっこの様相を呈したのである。利根川を例に説明すれば,を記録し,増補計画(新計画)で計画流量 10 000m3/s に設定し,堤防嵩上げ,河道拡幅,浚渫を進めたが,太平洋戦争勃発により未了となる。終戦後,1947 年カスリーン台風により流量 17 000m3/s を記録し,右岸栗橋付近で大破堤し,氾濫流が東京東部を 10 日間に亘り水没させた。淀川でも河川整備と洪水による被害が繰返された。1880 年の淀川改修計画で改修された堤防が,1917 年の大洪水で決壊し,同年の国会で増補計画が審議された際の沖野・内務省技監(土木学会第 2 代会長)の答弁が象徴的であるので挙げておきたい。質問:「堤防を高くしておけば良かろう,或いは少々だけ堤防を太くしておけば安全であろうからという,甚だ空漠なことで設計をされているように伺われる」沖野答弁:「全体に治水の策としての堤防は危険なもの。何時,どこで切れるかわからない。どういう堤防を築いても破堤しないということは請け負えない。我が国では実際を言うと堤防を築き水防活動により決壊を防止する他に策はない。さう云うものとご承知を願いたい」戦前から戦後にかけて大洪水と甚大な被害の発生は激烈を極めた。東京オリンピックが開催された 1964 年までの間,洪水による年間犠牲者が 1000 人以下の年はほとんど無かったのである。一刻も早く,少しでも堤防を高くする,それが治水事業での至上命題であったことは容易に想像できる。1997 年からはようやく堤防の浸透や滑り,地震に対する安定性が検討されるようになったが,それまで土質力学の出番はほとんど無く,土堤原則と形状規定により堤防整備に邁進してきた事情が理解できる。現在の堤防形状と明治期の計画断面を見比べると,驚くほど似ていることに気付く。沖野技監の答弁でわかるように,土質力学の知見が含まれていなかった戦前の河川堤防の築堤方針(均一堤防,土堤原則,形状規定)が概ねそのまま現在まで引き継がれているのである。しかし,今後河川堤防の置かれるであろう状況はさらに厳しい。気候変動による降雨量増加で洪水流量がさらに増加するが,ダムの建設もままならない状況では水の行き場が無く,河道内に貯めることも一案として検討されていまず 1886 年の 大洪水で八斗島-栗橋間で流量 3,750m3/sる。河川堤防にフィルダム並みの信頼性が求められる時を記録。それを受け計画流量を 3 750m3/s に設定。1910代が迫っている。一方,今のペースでは今世紀末頃まで年大洪水が発生し,流量 7 000m3/s を記録し,多数の破堤形状の整備だけでも終わらない。悠長なことは言っていが発生。改修計画を変更し,計画流量 5 570m3/s に再設定。られない。地盤工学の活躍が真に求められている。1930 年に完成したが,1935 年の大洪水で流量 10 000m3/sNovember/December, 2017(原稿受理 2017.7.24)HP1
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  • タイトル
  • 特別講演会,技術展示コーナー,市民向け行事,見学会,交流会の報告(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 野田 利弘・山田 正太郎
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP2〜HP5
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180016
  • 内容
  • 特別講演会,技術展示コーナー,市民向け行事,見学会,交流会の報告野田 利 弘(のだ としひろ)名古屋大学 減災連携研究センター山田正太郎(やまだ名古屋大学大学院しょうたろう)工学研究科けることで,努力を諦めることなく,自分を成長させる1. 特別講演会ことができるのである。日本のプロ野球とアメリカのメジャーリーグの違いは,1.1はじめに技術面や体格面の差よりも,コーチングの違いが大きい。第 52 回地盤工学研究発表会の特別講演会(口絵写真-1,2, http://u0u1.net/EDoR)は,地盤工学会中部支部設立 60 周年記念行事の一環として中部支部との共催行事として開催しました。名古屋大会で力を入れてきた市民日本のコーチングの基本は「与える」こと。「こうした方がいい」というアドバイスをくれるのが日本のコーチングだが,メジャーリーグのコーチングは「聞き出す」こと。選手の目的や悩みを聞きだしたうえでアドバイスを向け行事の 1 つということもあり,講師はこれまでとは返してくれる。「与える」コーチングの場合,ともすると,少し趣向を変え,NPO 法人ベースボールスピリッツ理事「やらされる」になってしまいがちである。受け身にな長の奥村幸治氏(口絵写真-3)にお願いしました。講演タイトルは「強い組織の作り方~イチロー・田中将大との出会いを通じて~」でした。奥村氏は,イチロー選手が 210 安打を達成したときに,イチロー選手の専属打撃投手を務めていたことから「イチローの恋人」として有名となりましたが,プロ野球の世界で,チームを支える裏方として過ごした 4 年間の経験から強い組織をつくるポイントをたくさん経験しておられます。また,プロ野球退団後に結成した中学硬式野球クラブには,田中将大選手が教え子として入団しています。後のメジャーリーガーが現役時代あるいは学生時代にどのような考え方をして日々どのような行動をしていたのかを踏まえて,一流となるために必要なこと,強い組織を作るために重要なことについてご講演いただきました。以下にご講演の概要を示します。1.2講演概要イチロー選手や田中将大選手など,一流選手は一流の習慣術を身に付けている。この時,高すぎる目標を掲げるのではなく,頑張ればクリアできそうな目標を設定し,それを毎日休みなくクリアし続けることで,一歩一歩努力の跡を積み重ねている。素質の高さでは片づけることのできない,このような小さな成功体験を積み重ねていく習慣術こそ,一流の一流たる所以なのである。目標設定においては,自分に何が足りないのか/何が必要なのかを見つけることが重要である。心技体のバランスを整え,自分で考え,自分で必要だと思ったことをとことんまでやり続ける。イチロー選手によると,この際「高すぎる目標を掲げない」ことも重要のようである。通常の「目標は高く持て」と相反するように感じるかもしれないが,目標を高く持ちすぎると頑張っても達成できずに努力を諦めてしまうかもしれないからである。高い目標を持つなと言う意味ではなく,頑張ったら手に届くとこるのではなく,主体的に動いて「やらされる」を「やっている」に変えることで,自分の中に目標をつくるという意識づけができるようになる。コーチ側も思っていることを素直に言える環境を作り,それを聞き出してあげる仕組みを作ることが大切である。「相手の立場に立つ」ことも必要である。野球には攻めと守りがあるが,攻めの時は守りの,守りの時は攻めの立場に立ってみると,勝つために大事なポイントが分かってくる。身体の大きいパワーバッターはストレートを狙って思いきり飛ばしたいと考えるが,ピッチャーがその心理を読んでいれば,甘いストレートだけは投げまいと考えるだろう。逆にバッターはそのピッチャー心理を読んで,勝負どころで変化球にヤマを張る作戦も取ることができる。このようなことは,野球に限らない。会社の上司と部下が相手のことを考えずに,それぞれの立場だけでモノを言っていたら,一体感のある組織は決して生まれない。ポジションを入れ替えて相手を知ることで,組織の連携がよくなるとともに,自分自身の成長にも繋がる。1.3おわりに本特別講演会には一般市民の方も含めて450名を超える方にご参加いただきました。イチロー選手や田中将大選手といった普段テレビの中でしか見ることのできない一流選手の近くにいた奥村氏だからこその,想いや気づきを,情熱たっぷりにお話しいただき,時間が過ぎるのがあっという間に感じました。野球と会社・学校と種目は異なりますが,目標達成に向けたセルフモチベーションや組織/人材育成という点では共通することが多く,今回のご講演は皆様にとっても大変参考になる内容だったのではないでしょうか。最後になりますが,貴重なご講演をいただいた奥村氏に心からお礼申し上げます。ろに目標を設定し,毎日少しずつクリアするように心がHP2地盤工学会誌,65―11/12(718/719) 2. 技術展示コーナー2.1展示概要機関の方々に,厚くお礼申し上げます。3. 市民向け行事技術展示は,平成 29 年 7 月 12 日~14 日の 3 日間にわたり,名古屋国際会議場のイベントホールにて開催しました。判定士会による住宅地盤相談会用のブースを含め,3.1はじめに今回の研究発表会では,「今こそ,地盤工学~知る 学73 ブース(80 小間)の出展がありました。技術展示ブーぶ 備える~」をキャッチフレーズに,市民向け行事にもスでは,材料,調査・試験法,解析法,設計・施工法な力を入れました。他の箇所でも記載している通り,特別どの地盤工学に関する技術が広く紹介されました。講演会,地震体験車をはじめとする技術展示会場におけ初日の中野実行委員長の挨拶(口絵写真-4)を皮切りる催し,市民向け見学会はその一環です。名古屋市上下に技術展示が始まり,その後,多くの方々が来場され,水道局のご協力により,災害用備蓄飲料水「名水」も,各ブースで意見交換・情報交換等が行われました。また,市民を含めた来場者の皆様にご提供させていただきまし初日の夕刻には,出展者および学会参加者の歓迎行事をた。また,地盤品質判定士会のご協力を得て,市民向け開催して,記念一合枡や地酒を提供するなどし,相互のの住宅地盤相談会と住宅地盤講演会を実施いたしました交流を深める機会にもなりました(口絵写真-5)。来場者ので,以下ではこれらの企画についてご説明させていたは,3 日間で延べ約 4 000 名(推計)であり,市民向け行だきます。事の一つとして各方面に事前周知したこともあって市民の方々の参加も目立ちました(口絵写真-6)。3.2住宅地盤相談会7 月 12 日~14 日までの 3 日間を通じて,技術展示コーより多くの方々が来場し,また,出展者や来場者の方々ナーの地盤品質判定士会ブースにて,「地盤品質判定士ににゆっくりと楽しんでいただけるように,“にぎわい”のよる住宅地盤相談会」を開催しました。同ブースでは,ある会場づくりを目指して,スタッフ一同,おもてなし宅地地盤に関する技術,地盤に起因する住宅の被害のパの気持ちを忘れずに,次の取組みを実践しました。ネル,宅地地盤を簡易に調べるマップシステムなどを展2.2会場づくり示しました。ブースには 2~4 名の地盤品質判定士が常駐会場には,地盤品質判定士による住宅地盤相談会,起して,中部の地形,地盤調査法,地盤補強工法などの技震車による地震体験,特別会員 PR,ドリンク・和菓子,術説明,個別の住宅地盤相談などに対応しました(口絵G-CPD 登録の各種コーナーをそれぞれ併設しました。ま写真-9)。た,休憩・商談コーナーを設け,来場者や出展者に活用一般市民からの相談件数は 14 件で,大半は「住宅地いただきました。終日 BGM を流すことによって和やか盤講演会」が行われた 13 日に集中しました。相談者のな雰囲気も演出しました。半数は講演会にも参加しており,講演会と相談会の組み例えば,地震体験コーナーでは,名古屋市消防局のご合わせが集客に効果的だったようです。また,会員の場厚意により,2 種類の起震車(ジィジョ号とぐらぐら 2)合は学会誌,一般市民の場合は中日新聞の記事で相談会を日替わりで設置しました(口絵写真-7)。多くの方々の開催を知ったとのことでした。に地震を体験いただき,防災意識の向上などに繋がった主な相談内容は,安心安全な宅地探し,建築に当たっと感じました。ドリンク・和菓子コーナーでは,出展者ての留意点,交通振動,擁壁の不安,液状化など多岐にと来場者の方々の休息の際にと思い,東海地区(愛知県・わたりました。中には,官庁の方がハザードマップに関岐阜県・三重県)の冷たいお茶や水,温かいコーヒーやする市民からの問い合わせに苦慮しているような案件も日本茶,名古屋の和菓子(6 種類)を用意しました。特ありました。その他に,自宅付近の地形や地盤の確認なに和菓子などは各日で用意したものが品切れになるほどどに立ち寄る方々も多くあり,宅地地盤への関心の高さの状況で,楽しんでいただけたのではないかと思っていが感じられました。ます(口絵写真-8)。その他,展示ブースのレイアウト相談員は地元と他地域の地盤品質判定士の混成チームは,敢えて業種に関係なくランダムに配置することによでしたが,相談には地域性があるので,地元の地盤品質って,出展者の相互交流を促すように工夫しました。判定士の方々がスムーズに相談に応じることができてい2.3おわりにアンケートによると,多くの出展者の方々が会場環境ました。3.3住宅地盤講演会や各種の併催行事・併設コーナーにご満足いただいたよ7 月 13 日 13:20 より「住宅トラブルのなぜ? どうすうでありました。ブースに立ち寄られる来場者や,学生る? なっとく! ~住宅地盤に潜むリスクに関する講演等の若い世代の来場をより促すためのご提案もいただき会~」を開催しました。参加者は 93 名で,途中で客席用ましたので,今回の経験が今後の糧となるよう,技術展の椅子を追加するほどの盛況でした(口絵写真-10)。示のあり方などを含めた課題を整理して,次期開催地に引き継ぎたいと思います。講演は 6 名の講師により,地盤品質判定士についてから始まり,中部の住宅地盤,地盤に起因する住宅トラブ最後になりましたが,出展者の方々,来場者の方々,また,出展者募集に際しお世話になりました各種団体・November/December, 2017HP3 ル,住宅減災,傾いた家の修復など,住宅地盤にかかわ15 名)。る一連の話がありました。また,トピックとして熊本地・原子力館:燃料棒の模型や説明用パネルの解説が分震の住宅被害と復興に関して,熊本で活躍中の地盤品質かりやすく,参加者は興味を持って見学していました(口判定士による状況報告も挟みました。絵写真-12)。地元名古屋の講師による「住宅地盤,中部地方をブラ・防波壁:地盤工学における専門集団とあって,参加ブラリ」と題する講演は,NHK の人気番組「ブラタモ者からは積極的に専門的な質問がなされました。南海トリ」風の味付けが好評で,講演中に「そうだそうだ」のラフ巨大地震に伴う津波対策として築造した海抜 22mささやき声も会場から聞こえました(口絵写真-11)。講の高さの防波壁の構造の見学時に,基礎や壁の構造的な師の方々には,平易な説明をお願いしましたので,一般質問や現位置の地盤の質問など専門的で学識ある質問が市民の方々の理解も得られたようです。数多く飛び交っていたことが特に印象的でした。砂丘堤参加者に対するアンケートで,今後このような宅地の防は実際に見ると巨大な森で,東日本大震災の津波被害講演会への参加意思を問うてみたところ,参加したいとを経験する前ならば,防波壁が必要だと主張するほうがの回答が 9 割以上もあり,住宅地盤に対する関心の高さ異端な意見に感じられたのかもしれないとの声も聴かれが明らかになりました。ました。参加者のうち,土木系が約 40%,建築系が約 30%,一・5 号機原子炉建屋内:心臓部に入っていくようで,般市民が約 20%でした。土木系の方々にとっては意外と緊張した面持ちの参加者もいらっしゃいました。実物を知らない宅地地盤の話,建築系の方々には実務に係わる見せていただきつつ適宜パネルなどで追加の説明をして話,一般市民にとっては自分の住んでいる宅地の話にそいただき,非常によく理解できました。軽水炉に関するれぞれ興味を持っていただけたのではないかと思います。質問に対し,原子炉を冷媒を用いずに普通の水で冷やす今後もこのような講演会を行っていくことで,一般市タイプ(軽水(普通の水)が減速材と冷却材に兼用され民に対しても,地盤品質判定士の知名度を高めていきたているのが特徴)のことであるとの説明がありました。いところです。3.4おわりに・原子力発電所敷地内:これまでの知見を生かしたリスク管理のお手本のような情景が広がっていました。電国土交通省中部地方整備局,愛知県,岐阜県,三重県,源車・ポンプ車などが 20 台以上あり,それらは竜巻対策名古屋市には,研究発表会全体の後援をしていただきまでコンクリート床板に固定され,しかも海岸沿いの野外した。また,上記機関に加え,NHK 名古屋放送局と中にあるとは思えないほど磨かれていました。東日本大震日新聞には,地盤品質判定士に関する二つの活動の後援災福島第一原発事故の教訓をふまえた4重,5重の安全をしていただきました。本研究発表会の企画に,会員以対策がなされていることが良く分かりました。外の多くの一般市民にもご参会いただけたのは,後援団・見学を終えて:原子力館で年間 10 万人以上,セキュ体のご協力が大きかったように思います。この場を借りリティーの厳しい原子力発電所内にも 2 万人の見学者をて心よりお礼申し上げます。受け入れているとのことでした。この 2 万人には小学校なども含まれているとのことで,基本的には個人では難4. 見学会しいけれども,会社などの組織単位であればよいのでぜひ戻られましたら職場でお誘いください,とのお話であ4.1はじめにりました。厳重なるセキュリティー体制の中,中部電力見学会は,地盤工学会員を対象とした A コースと一般の皆様には非常に丁寧で分かり易い説明をしていただき市民参加を主体とした B コースの全 2 コースを用意し,ました。心より感謝申し上げます。参加した方々にも,ともに全国大会の発表スケジュール終了後の 7 月 15 日満足いただけたのではないかと思います(口絵写真-13)。(土)に実施しました。両コースとも地盤工学会ならではの土に関係の深い見学箇所とし,特に A コースでは発(2)B コース:金城ふ頭再編工事・ジオ・ラボ中部(参加者 29 名)電に関する施設はもちろん巨大防波壁の直下で工事にか市民向け見学会として,金城ふ頭の再編工事~名古屋かわった方々から専門的なお話を聞く贅沢な内容となり港海上交通センター~中部土質試験協同組合ジオ・ラボました。7 月に入ってから見学会の直前には各地で豪雨中部の施設見学を行いました。今回は定員 30 名を大きくがあり,開催を心配しておりましたが,当日は両コース上回る 70 名の応募があり,抽選のうえ 29 名(35 名に当とも晴天に恵まれ絶好の見学会日和となりました。選通知後,6 名のキャンセル)に参加いただきました。4.2見学会のコース応募者の多くは 60 代以上でありましたが,家族連れにも(1)A コース:浜岡原子力発電所(参加者 21 名)多数ご参加いただきました。今回のツアーは名古屋発~現地~名古屋着を基本とし金城ふ頭の再編工事では,工事の目的と概要が説明さつつも復路で掛川駅下車を可能としたことで,その日のれました(口絵写真-14)。大型機械を用いた杭打ち現場うちに帰宅できた参加者が多く,応募につながったのでの見学に加え,建設重機に試乗したり,測量機器を実際はないかと思われました(参加者 21 名中,掛川駅下車に使用したりするなど,見学者自身が体験できたことで,HP4地盤工学会誌,65―11/12(718/719) 充実感が得られていたように思いました(口絵写真-15)。名古屋港海上交通センターでは,職員の方から名古屋港の成り立ちやセンターの役割などの説明を受けました。推移に関してパワーポイントを用いた話題提供がありました。来賓として,愛知県知事の大村秀章様(口絵写真-19),名古屋港の先端にあり,眺めがよく,大型船が行き来す名古屋市長の河村たかし様(口絵写真-20),国土交通省るなど参加者の関心も高かったように思います。見学者中部地方整備局長の塚原浩一様(口絵写真-21)をお招からも東南海地震などの巨大地震の際に津波が発生したきし,3 名の方のご紹介および各々よりご祝辞をいただ場合,どのような対応を取るのかなど,積極的に質問さきました。大村様と河村様にはユーモア溢れるお話で交れる姿が見られました。また,これらの見学先は立ち入流会を盛り上げていただきました。塚原様からは地盤工り制限区域に指定されているため,日ごろ一般市民の方学会に関連したお話をいただくとともに,我々研究者,が入ることができないこともあり,喜ばれていました。技術者への心温まる激励をいただきました。ジオ・ラボ中部では,名古屋の地盤についての講習会来賓のご祝辞の後,西村調査・研究部長の乾杯の発声(口絵写真-16)と液状化の実験(口絵写真-17)などで祝宴の開始となりました(口絵写真-22,23)。近年,が行われました。液状化のモデル実験は実際の東日本大国内だけでなく海外でも人気のある「名古屋メシ(手羽震災などの液状化の状況が市民の方々に理解しやすかっ先,天むす,あんかけスパゲッティなど)」の屋台と東海たようです。また,名古屋の地盤について知識がついた地方で有名な地酒のコーナーが振舞われ,参加者の皆様と市民の方から感想をいただきました。から好評をいただきました。今回の市民見学会は,例年行っている中部支部の活動交流会も終盤となり,次期開催地四国支部の皆様に登の延長として行ったことが,多数の応募が得られたこと壇していただき,代表して長谷川様から第 53 回地盤工学の一因であると思います。リピーターも増えており,地研究発表会(高松大会)の PR を兼ねたご挨拶をいただ盤工学会の活動が市民の方々にも少しずつ浸透しているきました(口絵写真-24)。最後に,守屋実行副委員長(中ものと感じております。また,今回のように一般市民の部支部長)に閉会のご挨拶をいただきました。立入りが制限されている見学先について,多く方々が関5.3心をもたれていることを実感できました。最後になりましたが,公務ご多用の中,交流会にご臨4.3おわりに最後になりましたが,見学会にご参加いただいた皆様,見学会を受け入れていただいた関係諸機関(中部電力㈱,おわりに席賜りました来賓の皆様,交流会の設営,運営にご協力いただきました交流会スタッフをはじめ関係者の皆様に厚く感謝申し上げます。国土交通省中部地方整備局港湾空港部,中部土質試験協同組合ジオ・ラボ中部)の皆様並びに地盤工学会中部支謝辞:本報告は,特別講演部会,展示部会,見学部会,部見学部会スタッフをはじめ関係者の皆様には,大変お交流会部会,ならびに地盤品質判定士会からいただいた世話になりました。お礼を申し上げます。報告内容をとりまとめたものです。(原稿受理 2017.9.2)5. 交流会5.1はじめに第 52 回地盤工学研究発表会(名古屋大会)の交流会にご参加いただきました皆様に,この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます.この交流会は,地盤工学研究発表会に全国から参加される研究者の皆様が,情報交換と交流を深める場であります。本大会から開催期間が盛夏の 7 月に早まり,交流会当日も大変暑い日となりました。事前申込者 114 名,技術展示出展者 80 名,招待者 3 名,当日申込者 210 名の合計407 名(うち,学生 26 名)のご参加をいただき,盛大に開催することができました。5.2次第交流会は,特別講演会の終了後,18 時 10 分に開場しました。参加者はウェルカムドリンクを手に会場に入り,3 名の来賓入場の後,18 時 30 分に司会より交流会の開宴が告げられました。交流会は中野実行委員長の参加者へのお礼を含めた挨拶で始まり(口絵写真-18),続いて村上会長に挨拶をいただきました。村上会長からは,地盤工学会の会員数のNovember/December, 2017HP5
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  • タイトル
  • DS-01「地下水面よりも上の地盤の現場飽和透水性評価」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 西垣 誠
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP6〜HP6
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180017
  • 内容
  • DS-01「地下水面よりも上の地盤の現場飽和透水性評価」Discussion session on the method for determination of field saturated hydraulic conductivityabove the water table西垣誠(にしがき岡山大学大学院1. は じ め に自然斜面,堤防,圃場など,通常は不飽和状態にある地盤が降雨等により飽和に近い状態になったときの透水まこと)環境生命科学研究科ついてディスカッションを行った。これまでに登壇いただいた 4 名と座長,副座長に会場参加者も加わり議論は進められた。約 40 分の議論を網羅することはできないが,代表として 2 つの議論を紹介する。係数(現場飽和透水係数)は浸透解析にも必要であるな計測時間の基準化が必要では,という意見に対して,ど,社会貢献として期待が大きいことから地盤工学会で得られる透水係数は計測時間によって 2~3 倍程度異なは「地下水面より上の地盤を対象とした透水試験方法基るが,必要な計測時間は透水性に依存すること,不均質準化 WG」(以降,基準化 WG)を組織して試験方法の基性の影響が大きいことから,得られた透水係数はその程準化に取り組んできた。この基準化 WG がまとめた基準度の誤差を含むという理解が重要という議論がされた。案と解説案に関する議論を公開で行うことを目的として,表題のディスカッションセッションを開催した。2. ディスカッションセッションの概要2017 年 7 月 12 日の 17:00~18:30 に開催された本ディスカッションセッションの概要を,当日のプログラムに即して以下に述べる。2.1地盤工学会基準「地下水面よりも上の地盤を対象とした透水試験方法」の概要と公示意見について2 つ以上の試験方法が適用できる場合には混乱するのでは,という意見に対して,事例紹介者や実務経験者から,試験目的,地盤状況等によって使い分けているという回答があった。試験方法による透水係数の違いにも議論は及んだが,現状ではデータ数が少ないため,更なるデータの蓄積が必要という議論がされた。3. おわりに約 50 名のディスカッションセッションの参加者にはWG 幹事から,主に基準案の概要を説明いただいた。基準化の意義と基準の概要を概ね理解いただけたものとまず,この基準は地下水面よりも上の地盤を対象に現考えている。基準の修正が必要という意見はなかったが,場飽和透水係数を求める試験方法を規定していることが解説で述べて欲しいという意見はいくつかあったので,述べられた。ただし,本基準は無条件に適用されるべきこれらを踏まえた基準と解説の最終版を仕上げて,できではなく,地盤特性や試験目的を考慮して,個々に適用るだけ早く皆様に使っていただけるようにしたいと考え可否を判断する必要があることと,判断の留意点が示さている。今の日本では,基準化されることによって,それた。この留意点は,公示された基準案に寄せられた会の試験が普及することと,貴重なデータの蓄積が期待で員の意見を踏まえて,解説案に加えられた内容である。きる。皆さんに使われながら,基準にも課題や改善点が次に,本基準は工学分野と農学分野で行われていた試見つかることもあると思うが,改訂を通じて基準を磨き験方法を,地表面で実施する場合の 2 方法と試験孔で実上げれば良いので,今回の基準化が社会への貢献につな施する場合の 3 方法に再整理して,主に共通部分を規定がることを期待している。(文責:西垣誠,杉井俊夫,細谷真一)したことが述べられ,基準の概要が説明された。2.2事例紹介続いて,地下水面よりも上の地盤を対象とした透水試験の実例を次の 3 名の方々にご紹介いただいた。1)「負圧浸入計の適用事例」西村拓(東京大学)2)「河川堤防盛土を対象とした原位置透水試験に関する考察」李圭太(建設技術研究所)3)「地下水面より上の地盤を対象とした透水試験方法」能野一美(四電技術コンサルタント)2.3ディスカッション石原雅規氏(土木研究所)の司会で,事前に寄せられた意見と当日の参加者からの意見を合わせた 11 項目にHP6写真-1ディスカッションセッションの様子(原稿受理 2017.8.28)地盤工学会誌,65―11/12(718/719)
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  • タイトル
  • DS-02「室内土質試験へのISO 規格の導入とJIS 改訂作業の進捗状況」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 豊田 浩史
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP7〜HP7
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180018
  • 内容
  • DS-02「室内土質試験への ISO 規格の導入と JIS 改訂作業の進捗状況」Introduction of ISO to laboratory tests of geomaterials and progress of revision of JIS豊田浩史(とよた長岡技術科学大学1. は じ め にひろふみ)大学院工学研究科4.沈降分析の浮ひょうの仕様が,粒度試験に関するISO 規格と JIS 規格で違っている。 浮ひょうはメー「DS-2:室内土質試験への ISO 規格の導入と JIS 改訂カーが JIS 規格に合うように製作しているので,ISO作業の進捗状況」のセッションについて総括する。2019規格の浮ひょうも並記することにより,日本のメー年度発刊を目標として,「地盤材料試験の方法と解説」(赤カーからも ISO 規格の浮ひょうが購入できるようにする。本)の改訂作業が進められている。まず,ここに掲載されている規格・基準の見直しを行っており,いくつかの5.有効数字(測定機器の精度と計算過程を考慮)と試重要な変更・修正点が出てきている。この変更点をいち験回数について明記する。有効数字は,規格・基準早く学会員に知らせ,意見を反映するために本セッショでは最低限のものを規定しており,必要に応じて技ンは企画された。主催委員会は,室内試験規格・基準委員会であるが,ISO 国内委員会と共同して,ISO 規格の動向についても情報提供できるようにした。2. 規格・基準改正の要点術者の判断により精度を上げることも可能である。その後,各 WG からの進捗状況の報告があった。WG1(物理特性):ISO 規格を考慮した細かな修正内容の報告があった。ISO 規格では試験機器のキャリブレーションが記されている。そこで,このキャリブレーシここでは,DS での発表と質疑の概要について述べる。ョンを今回新たに組み込んだことが報告された。会場か2.1ら,信頼できる機器を使う意味で大変重要なことと思わISO 国内委員会からの報告地盤工学会が対応している ISO 活動について,2016 年れるが,このキャリブレーション結果をデータシートに度の報告があった。TC 182 Geotechnics(地盤工学),TC190入れるかの質問があった。現時点ではデータシートの変Soil quality(地盤環境),TC 221 Geosynthetics(ジオシン更は考えていない。セティックス)においては,審議団体としての投票を行WG2(化学特性):JIS 規格については対応 ISO 規格がうとともに,赤本への ISO 規格の組み込みに取り組んでないため,軽微な修正であった。JGS 基準の方で,対応いる。ジオシンセティックスについては,国際会議へのISO 規格の検討を行っている。派遣予定や用語集の編集状況が説明された。さらに,防WG3(透水・圧密特性):JIS 規格の改正において,現災科学技術研究所が所有している,常時微動から地盤の在有効数字の検討を行っている。新規制定の基準名で,せん断波速度構造を推定する技術について,経済産業省低透水性ではなく難透水性の方が,意味が通じやすいとから補助金がつき,日本提案の ISO 規格策定に取り組んの意見があった。今後検討する。でいることが紹介された。2.2室内試験規格・基準委員会からの報告WG4(力学特性(岩)):対応する ISO 規格はないが,国際的に用いられている方法を考慮した改正を行う。土全体に関係する報告事項として,物理試験関係で 4 つと岩の基準を統一的に表記にできるような取り組みをしの ISO 規格(含水比,土の密度,土粒子の密度,土の粒てほしいとの意見があり,できる範囲で取り組んでいく度)が制定されたため,それらを日本の規格・基準に反こととした。映させる検討を行ってきた。大まかな基本方針は次のように決定した。1.3. まとめISO 規格は日本の基準と原理は同じでも細かいとこISO 活動に関して,外部からの補助金がないと,資金ろはかなり違う。どこまで整合させるのかについて不足により専門家の派遣が難しくなってきている。積極議論した結果,明らかに日本の方が劣っていると思的な活動を行うためには,その必要性を理解してもらい,われる箇所のみ修正する方針とした。資金集めの活動を活発化させる必要がある。赤本改訂に2.密度の単位は ISO 規格に合わせて Mg/m3 に決定。関しては,規格・基準の改正の方針について報告を行い,「cm」は使っても良いが,可能なら「mm」を使う。会場からの意見については今後検討を行う予定である。3.使用するふるいの目開きに違いがあるが,日本で使い慣れているものから変更しないこととした。November/December, 2017(原稿受理 2017.7.24)HP7
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  • DS-03「遺産の地盤災害からの保全」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 岩崎 好規
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP8〜HP8
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180019
  • 内容
  • DS-03「遺産の地盤災害からの保全」Safeguarding of Heritage from Geo-Disaster(一財)地域地盤環境研究所岩 崎 好 規(いわさき よしのり)専務理事/ 日本イコモス第 17 小委員会(遺産保全のための地盤および基礎)主査1. 遺産とはMonuments and sites:国際記念物遺跡会議)が設立された。構造系遺産の保全すべき特性は,立地する場所,位置,遺産とは,将来に亘って保全しておきたいという有使用材料,デザイン,工法,重要な構造物の一部として形・無形の価値あるものと言えよう。地震,地すべり,認識すべき基礎や地盤なども真正性(Authenticity)を構成落石,火山噴火,などの自然現象として地盤災害,ピサする要素である。の斜塔の傾斜などのように人為的な原因によるものからの保全は地盤工学の問題である。2. 地盤系遺産の保全1972年世界遺産条約がユネスコ総会で採択されたが,日本国政府が参加するのは20年後の1992年で,日本国政府アンコール修復事業の直前であった。1994年奈良にイコモスを中心とするユネスコ主催の会議が開催され,真遺産の保全とは,なにか?遺産のなかでも地盤遺産系正性に関する議論を行い,欧米の石文化に対して,日本に属する高松塚や仁徳陵などは,今に伝わる現在の形状のような地域には木の文化,土の文化について議論されを保全しようとしている。ボーリングによる調査を始めた。真正性に関する奈良文書(Nara Document)が採択さとして,破壊をもたらす調査は徹底的に忌避されている。れ,木の修復には新材が使用されているように,保全手しかし,そのままであれば,永年的な風化や構造的劣化法は,地域それぞれの手法に委ねることになった。が発生し,やがて崩壊に至る。遺産に対して,なにが,その遺産の特徴なのか?その遺産のなにを残すべきかを議論する必要がある。3. アナスタイローシス(Anastylosis)現在の遺産保存手法の先駆としてアナスタイローシス5. 熊本城の被災と修復2016 年 4 月の熊本地震によって熊本城は石垣を始めとして,櫓などが崩壊した。我々,地盤工学に携わるものとすると,石垣城壁は大きな関心事であろう。①石積擁壁の一般断面形状や隅角部の算木積,②裏込を挙げることができる。ギリシャの建築家バラノスめ,③基礎などの構造要素に関して真正性としての特性,(Nikolas Balanos)が,戦争による爆破などで崩壊してこれらに対する災害の特徴を地盤力学上から検討し,そいたアテネのパルテノン神殿などの修復を実施したの対策工を提示することが遺産地盤工学の使命である。(1836)。アナスタイローシスとは,もともとあった柱を,対策工は,もし,不都合が分かれば,やり直しが出来るそのままの材料で,元の位置に戻すという意味である。手 法 か (removable) ど う か ? 対 策 工 の 効 果 が 観 測この手法は,オランダが,植民地としていたインドネシ(observable)で確認でき,段階的(step by step)に効果が上ア国ボロブドール遺跡に導入(1907-1911)し,プランバナげられる手法か? 対策をすることによる真正性への影ン寺院(1911-1953), アンコール遺跡の修復を実施してい響を見極めて,真正性の保持と安全性の確保を図る必要たフランスの極東学院(EFFEO)は,オランダからこの手がある。法を受け継ぎ,アンコール遺跡では唯一赤色砂岩のバンテイ・スレイ寺院(1930s)の修復に導入されて成功した。6. 残されている土構造遺産問題しかしながら,アンコール・トムのバブーオン寺院に適地盤工学がその主要な保存原理となるべき土構造に用しようとしたところ,高角度の高盛土で 5m以上に盛ついては,文化庁の指導指針は,「寄るな,触るな」がり上げようとすると崩壊し,断念してコンクリート擁壁基本となっている。ボーリング調査などは,破壊行為そを使用した。のもので,決して許されない。土が理解できていない組4. 遺産の真正性(Authenticity)と保全遺産構造の保存に関する国際的な枠組みは,遺産構造に関心のある第1回歴史的記念物の建築家・技術者国際会議で採択されたアテネ憲章(1931),さらに第2回会議で採択されたヴェニス憲章(1964)で,基本的理念が確立され,1965年イコモス(ICOMOS; International Council ofHP8織では無理もないが,地盤工学からの提案がないこともその原因であろう。土構造遺産に関する調査手法の統一的手法の模索,提案,文化財保存関係者との議論,さらに確立が必要である。国際地盤工学会 ATC19 委員会は,土系遺産の調査・保存手法の提案に向けて活動を継続したい。(原稿受理2017.8.2)地盤工学会誌,65―11/12(718/719)
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  • DS-04「地盤情報データベースの整備とその利活用」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 三村 衛・北田 奈緒子
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP9〜HP9
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180020
  • 内容
  • DS-04「地盤情報データベースの整備とその利活用」Consolidate a Geoinformatics Database and its application三ATC10村衛(みむら まもる)委員長,京都大学大学院工学研究科 教授1. は じ め に全国各地で地盤情報データベースの構築や公開が進められると同時に,各省庁を中心とした地盤情報の公開に北 田 奈 緒 子(きただATC10なおこ)幹事長,地域地盤環境研究所 部門長他に一般論文発表として,ニューラルネットワークによる土質特性の空間分布の推定の議論や表層地盤の地震動増幅特性の評価についての研究発表がなされた。2.2 活動報告向けた取り組みは,近年特に活性化しており,地盤や土電子地盤図委員会の報告,関東支部における「地盤情木,建築等の専門技術者のみならず,広く国民一般が利報を活用した首都直下型地震への対策検討委員会」の報用できるデータベースの環境や閲覧のプラットフォーム告,ATC10 委員会活動の報告が行われた。が急速に整備されつつある。このようなシームレス情報電子地盤図委員会の報告では,委員会活動として 33の構築に向けた取り組みや地震動による地盤の揺れや液都市における電子地盤図作成のための研究検討がなされ,状化検討への適用事例など,様々な活用事例やデータベあらに検討個所を増やして,77 都市の電子地盤図作成のース・システムの品質管理や維持管理,運営方法等に関ための情報収集や検討を行っていること,それらの検討して討議を行った。本セッションは昨年度活動を終了しが,H28 年度で委員会活動が終了したため,すべての都た「全国電子地盤図の拡張と運用に関する研究委員会」市の電子地盤図が作成されたわけでなく,それらの残作の報告も含めて実施した。業も含めて一部を ATC10 委員会内の分科会として設置2. セッションの概要することが報告された。また,10 月 18 日に大阪で委員会報告のシンポジウムを開催することも広報された。DS-4 は 2017 年 7 月 12 日午後に開催され,6 編の話題関東支部においては,収集したボーリングデータから提供による最新の研究について発表がなされた。会場に電子地盤図を作成し,想定される首都直下地震に対するは 50 名以上の聴講者を迎え,発表や報告された内容に対表層地盤の挙動について検討がなされている。関東平野して,活発な意見交換がなされた。は広いので,関東周辺の地域も含めて,各地域を計画的2.1話題提供に検討して地盤モデルを作成し,地震動評価検討を行っ発表内容を以下に紹介する。東京電機大学の安田進氏た結果が報告された。また,データ空白域を補完するたの発表では,地盤モデルを作成する際のメッシュサイズめに三次元グリットモデルを用いるなどの検討が報告さの違いによる影響を検討し,狭い範囲の微地形が影響すれた。る液状化の発生においては,250m メッシュではそれをATC10 委員会報告では,昨年 11 月にネパール・カト表現できず 50m メッシュ程度の細かいメッシュで地盤マンドゥにて GIZ2016 をネパール地盤工学会と共催でモデルを作成することが必要と報告された。地域地盤環開催し,5 編のキーノート講演,4 編の特別講演,24 編境研究所の北田奈緒子氏からは,大阪平野地域におけるの発表がなされ,15 ケ国から 110 名の参加があったこと地盤情報と地下水情報を融合した新しい検討内容についを報告した。また,次回 GIZ を 2018 年あるいは 2019て報告し,表層地盤がほとんど大きく変動しない不変情年に開催予定とし,開催地はニュージーランド・オーク報(地震活動などを除く)であることに対して,地下水ランドで現地の関係者と協議を行っていることも報告し情報は水位,温度,水質などが季節や時期によって大きた。く変動するものであること,これらを集約したデータにさらに今年度より ATC10 委員会の中に分科会を 2 つ設することを報告した。京都大学大学院の竹村恵二氏は,け,1 つは「地盤データ品質標準化小委員会」(JACIC理学的検討への利活用事例として,別府-万年山断層帯の社会基盤標準化委員会の傘下)を受け持ち,地盤情報の調査において,ボーリングデータを用いた大分平野表及び三次元地盤データモデルの品質確保に係る標準の検層部の地殻変動についての検討や明らかになった断層変討を行い,もう 1 つは「電子地盤図作成と拡張」に対す位の分布について報告された。京都大学大学院三村衛氏る検討を実施することを報告した。からは,熊本地震の際に益城町で見られた被害の違いに(原稿受理2017.8.25)ついて,表層地盤特性の違いと考えられる現象について,その地域の調査結果と特性の違いについて報告された。November/December, 2017HP9
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  • DS-05「交通地盤工学における設計・評価・維持管理のイノベーション」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 石川 達也
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP10〜HP10
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180021
  • 内容
  • DS-05「交通地盤工学における設計・評価・維持管理のイノベーション」DS-05 Innovation of Design, Evaluation and Maintenance in Transportation Geotechnics石川達北海道大学大学院也(いしかわ たつや)公共政策学連携研究部 教授開発や整備が必要であろう。課題 2「交通地盤構造物の1. は じ め に非破壊健全度診断・耐震性能評価・陥没空洞調査手法に「Transportation Geotechnics(交通地盤工学)」は,地関する研究動向」については,①非破壊試験による交通盤工学の視点から道路・鉄道・空港などの交通インフラ地盤構造物の健全度評価手法,②交通地盤構造物におけの設計施工・維持管理といった実務的課題を検討する学る耐震性能の評価手法,③交通地盤構造物の陥没・空洞問である。TC202 国内委員会は,2013~2017 年の国際地調査手法の各観点から,近年の研究動向について報告が盤工学会(ISSMGE)の技術委員会(TC)の 1 つであるあった。具体的には,サブテーマ①では瀝青材料から土TC202 Transportation Geotechnics をサポートするための質材料まで多岐の対象について研究が行われているが,委員会であり,交通地盤工学に関する国内の最新の研究サブテーマ②では鉄道を対象とした論文数が相対的に多を集約し海外に情報発信するとともに,海外における最い一方,サブテーマ③では道路を対象とした論文数が圧新の研究動向を国内の地盤技術者へ情報提供することを倒的に多いことが報告された。今後,道路と鉄道の研究・目的としている。本ディスカッションセッション(DS)技術開発成果の共有についても十分検討すべきであろう。では,交通荷重を受ける地盤(路床・路盤を含む)を対課題 3「交通地盤構造物の性能照査型設計手法の確立に象とし,材料特性試験法,性能照査法,健全度評価・耐向けた構造解析手法の整備」については,解析手法や地震性評価のイノベーションについて議論が行われた。ま盤材料のモデル化手法を対象とした研究動向の調査結果ず始めに,TC202 国内委員会の 3 年間の活動成果が報告が報告され,道路では有限要素解析と多層弾性理論解析され,その後,委員会活動に関連した 5 編の一般発表とが,鉄道では個別要素解析と有限要素解析が利用されて総合討論が行われた(表—1)。いることが示された。また,多くの研究では,解析の予測精度の向上を目的に,固液 2 相系によるモデル化など表-1分類委員会報告1委員会報告2委員会報告3一般発表DS-5セッションの報告内容表 題発表者交通地盤構造物構成材料の工学平川大貴的性質に関する評価方法(中央大学)交通地盤構造物の非破壊健全度早野公敏診断・耐震性能評価・陥没空洞調(横浜国立大学)査手法に関する研究動向交通地盤構造物の性能照査型設岡安崇史計手法の確立に向けた構造解析(九州大学)手法の整備講演番号No.453~457の5編2. 研究及び技術動向モデルの精緻化が研究されていることが報告された。ただし,解析対象の地盤材料に対する構成モデルの選択は任意に行われており,材料特性に応じた整理を行う必要性も指摘された。その後の一般発表では,課題 1~3 に関連した発表がそれぞれ 1,2 編行われ,今後の交通地盤工学の研究課題を明確にするような質疑が活発になされた。3. まとめ交通インフラ分野における日本のイニシアティブを今後も国際社会で維持するには,黎明期にある交通地盤工委員会報告では,過去 5 年以内に国内で発表された地学への関心を高め,研究者・技術者の裾野を広げること盤工学・舗装工学・鉄道工学に関する論文を主な対象とが重要である。しかしながら,日本国内では,交通地盤して行った,TC202 国内委員会の主要調査研究課題 3 つ工学の知名度は低く,地盤工学と舗装工学・鉄道工学間に関連する文献調査結果について報告された(表—1)。の情報交換と国際交流を行う機会も極めて限定的である。課題 1「交通地盤構造物構成材料の工学的性質に関するこのため,多くの参加者が本 DS を聴講し討議に参加し評価方法」については,従来型の路盤・路床材料の室内たことは,日本の交通地盤工学の将来にとって明るい兆試験法で主応力軸回転や供試体寸法の影響など,従来十候である。今後,本 DS で論点となった課題の解決に向分考慮されていない要因への対応が求められること,おけ,関連研究が諸外国に先駆けて展開されるとともに,よび地盤改良や再生材料など粒子の固結を伴う場合には,次世代を担う若手研究者・技術者の交通地盤工学分野へ化学的反応の強弱に伴う固結度合いやその時間的推移にの積極的な参入を期待したい。ついても評価する必要のあることが指摘された。今後,(原稿受理2017.9.4)このような材料特性評価の複雑さに対応可能な試験法のHP10地盤工学会誌,65―11/12(718/719)
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  • タイトル
  • DS-06「新しい地盤環境管理と基準に向けた取組」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 肴倉 宏史
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP11〜HP11
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180022
  • 内容
  • DS-06「新しい地盤環境管理と基準に向けた取組」Efforts towards new management and standards of geoenvironment肴倉宏 史(さかなくら ひろふみ)国立研究開発法人国立環境研究所1. はじめに活用できるよう公開予定であることが報告された。WG 4(掘削岩石評価法 WG)では自然由来重金属等をディスカッションセッション DS-6 は「社会実装に向含む建設発生土のうち,特に掘削岩石に係る課題の解決けた新しい地盤環境管理と基準に関する研究委員会」(以を目指しアンケート調査等を実施中である。地質調査や下,「地盤環境社会実装委員会」または単に「委員会」試料採取の考え方の整理・公表,工種ごとの試験方法体という。)が担当した。DS は二部構成とし,第 1 部で系の提案,岩石の各種溶出試験のための試料調製方法には地盤環境社会実装委員会の活動内容と現時点までの成関する地盤工学会基準の素案提示を目指している。果について,委員会に設置されている 5 つのワーキングWG 5(副産物有効活用 WG)では,様々な副産物の有グループ(WG)から順次報告を行った。続く第 2 部で効活用推進に向けた課題を抽出し,各副産物の廃棄物該は,委員会の活動内容と関係の深い 8 編の個人発表と各当性,インセンティブ付与の考え方等について検討を重発表内容に関する討議を行った。ねている。今後は長期安定性の考え方と評価方法を用途2. 委員会活動報告第 1 部では,まず,委員長(筆者)から委員会活動の全体内容を報告した。主な内容は次のとおりである。地毎に提示し,提言をとりまとめる予定である。3. 個人発表続く第 2 部では,DS タイトル・趣旨に合致するテー盤環境社会実装委員会は,自然由来を含む地盤汚染問題マとして寄せられた 8 編の個人発表について,発表と討とその対応方策,副産物の更なる有効活用推進,これら議が重ねられた。その内容は幾つかのグループに分類さの課題に資する試験方法や評価方法の開発,さらには,れる。1 つはバッチ溶出試験に関するもので,公定法とこのような技術的な取組について理解を広め普及していして採用されているバッチ試験の試料調製方法や,バッくための社会啓発といった課題に取り組んでいる。委員チ試験を同一試料に繰り返していくシリアルバッチ試験会は 2015 年から開始され,2017 年度は最終年度である。でのろ過から次の溶出操作までの間の試料保管条件が結委員は現在 58 名で,大学,研究機関,建設会社,コン果に及ぼす影響に関する成果が発表された。試料の風乾サルタント会社の方でほぼ同じ人数割合となっており,や保管方法は溶出試験の結果に影響を及ぼし得ることはさらに分析会社や材料会社の方も加わって,様々な立場以前から指摘されており,その課題解決に向けて具体的の委員によって活動が進められている。委員会は本年 9な研究成果の報告が進んでいると感じられた。2 つめは月に開催の環境地盤工学シンポジウムの主管も担っておカラム試験に関するもので,ISO に規定される高さ 30り,また,室内試験規格・基準委員会の化学特性 WG とcm のカラムと,さらに大型化したカラムで試験を行い,の連携も進めている。カラム高さの違いが溶出メカニズムに及ぼす影響や,石5 つのワーキンググループからの報告内容は次のとおりであった。炭灰混合材料を用いたカラム試験の各成分の溶出挙動とバッチ試験結果や力学試験結果との比較の試み等が報告WG 1(溶出試験 WG)では,バッチ試験の再現性向上された。また,評価法に関するものとして,バッチ試験に向けた検討,カラム試験の国際標準化への具体データにより汚染物質の分配係数データを様々な種類の土につ提出による貢献,理想的な判定試験に向けたあり方の議いて取得し,汚染物質の放出源からその直下地下水面に論等に取り組んでいる。また,シリアルバッチ試験の実かけての物質移動について数値計算を行い,放出源にお施状況調査の経過報告も行った。ける許容濃度を安全側で設定する方法が示された。さらWG 2(環境影響評価法 WG)では,溶出試験結果の解に,リスク評価や社会啓発に関するものとして,シール釈と環境影響評価における溶出源評価の体系化(WG1ド工事で使用される中性固化材や添加材の適正な評価にとの連携),および表層地盤中における有害物質の移行向けた課題提案がなされた。特性に関する適切な評価試験法に関する調査状況について報告を行った。WG 3(社会啓発 WG)では,地盤環境問題への対応で4. まとめ本委員会も,とりまとめ方を見据えながら活動を行うは非専門家である一般の方々との適切なリスクコミュニフェーズに入った。地盤環境に関する課題解決に向けて,ケーションが重要との考えのもと,専門的事項をわかり目に見えた前進に期待いただきたい。やすく説明した資料を整理中であり,発注者や事業者がNovember/December, 2017(原稿受理2017.8.29)HP11
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  • タイトル
  • DS-07「エネルギーに基づく液状化予測の可能性」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 小林 孝彰・東野 圭悟・金 鍾官
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP12〜HP12
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180023
  • 内容
  • DS-07「エネルギーに基づく液状化予測の可能性」Prospective Views on Liquefaction Assessment by Energy-based Methods小林 孝彰(こばやし たかあき)海上・港湾・航空技術研究所港湾空港技術研究所 研究官東 野圭 悟(あずの けいご)中央開発(株) ソリューションセンター担当課長金鍾 官(きむ じょんかん)東北大学大学院工学研究科・工学部土木工学専攻 助教1. は じ め に設計地震動が大きくなり,地震動の継続時間の重要性も大きく認識されてきた昨今,現状の FL 法は性能設計の枠組みに十分応えられるものになっていない。とくに,新たな地震の度に議論される地震波補正係数の妥当性や,液状化発生時の地盤の靭性能を評価しにくい点などが問題である。一方,エネルギーに基づく液状化予測の考え方は,従来の FL 法に比して優れた特徴を有するものの,実用化に至っていないのが現状である。本稿は,第 52回地盤工学研究発表会における,「DS-07 エネルギーに基づく液状化予測の可能性」についてまとめるものである。2. 研究の動向当 DS では全 8 編の論文が発表され,活発な議論が交わされた。発表された内容を大別し,以下にまとめて紹介する。2.1エネルギーによる地震外力の算定に関する研究はじめに委員長より,地盤各層に入力するの地震波動エ ネ ル ギ ー (Demand) と 地 盤 各 層 の エ ネ ル ギ ー 容 量(Capacity)を対比する液状化判定法が紹介された。地震波動エネルギーと液状化現象を直接関連付ける新しい試みである(論文番号761)。一方のエネルギー釣合法に基づく方法は,上部構造物の耐震設計法を液状化に拡張したものである。地震波の入力エネルギーはエネルギースペクトルとして評価され,発表では3つの地震波に対する分析が報告された(論文番号763)。2.2エネルギーによる液状化抵抗に関する研究東日本大震災後の原位置サンプリング試料の試験結果(土木研究所提供)を対象とした分析では,異なる N 値,細粒分含有率を有する試料の液状化に関して,累積損失エネルギーが応力比に比べて 4~5 倍の感度を持つことが示された。また現状の応力比一定試験の後,さらに一慮した試験について発表された。いずれもエネルギーという連続的なスカラー指標ならではの分析であり,現状考慮されていない各種の地盤条件を統一的に設計に反映するための足がかりとなるものである(論文番号 767,768)。残る 1 編では,累積損失エネルギーを用いて一つの供試体の繰返し試験結果から液状化強度曲線を求める試みが紹介された。本論文では,液状化に至るまでの累積損失エネルギーが一定値になることに着目しており,エネルギーという指標に着目して,試験回数を省く提案であった(論文番号 766)。2.3複数回液状化(再液状化)に関する研究複数回の液状化を対象とした研究として,2 編の論文が発表された(論文番号 764,765)。両検討においては,応力経路における変相線を境として,供試体の消散エネルギーを強度増加に寄与する正の効果,および負の効果に分けて定義する考え方が示された。またその時点の平均有効主応力で正規化した消散エネルギーを用いることで,初期有効応力で正規化する場合に比べて次回液状化の予測精度が向上する結果が示された。このようにエネルギーを指標とすることで,再液状化に代表される液状化関連現象の定量的な理解が進むことが期待できる。3. おわりに本稿に示す通り,エネルギーに基づく手法も多種多様であり,更なる研究の発展を期待できるものである。DS当日の盛況ぶりから,研究者・実務従事者の本テーマに対する関心の高さが伺える。エネルギーに基づくより合理的な液状化予測の実現を目標に,これからも皆様と議論を重ねたいと願う。なお,「エネルギーに基づく液状化予測手法に関する研究委員会」では,平成 29 年度末を目処に,本 DS の内容を含む形で報告書を刊行予定である。様々な立場の方々にぜひ手に取っていただきたいと思う。(原稿受理 2017.8.25)定ひずみ振幅での繰返し試験等を行うことで,土の粘り強さ,剛性低下などを評価する試験方法が紹介された(論文番号 762)。また,異方応力状態,地下水変動履歴を考HP12地盤工学会誌,65―11/12(718/719)
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  • タイトル
  • DS-08「南海トラフ巨大地震による地盤災害に備えて」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 野田 利弘・三村 衛
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP13〜HP13
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180024
  • 内容
  • DS-08「南海トラフ巨大地震による地盤災害に備えて」DS8:In preparation for geo-disaster risks induced by Nankai megathrust earthquakes野田 利 弘(のだ としひろ)名古屋大学 減災連携研究センター 教授1.は じ め に2011 年に発生した東日本大震災の甚大な被害を目の当たりにした我々にとって,南海トラフ巨大地震への備えが喫緊の課題となっている。内閣府や各自治体の被害想定からも明らかなように,震度や液状化の程度だけでなく,被災地域,被災者数,住宅被害や経済被害は東日本大震災を遥かに凌ぐことが想定されている。地盤工学会関西支部では,平成 25 年から 3 年間「南海トラフ地震に関する被害予測と防災対策研究委員会(委員長:三村衛(京都大学))」を,中部支部では,平成 26 年から 3年間「南海トラフ巨大地震中部地域地盤災害研究委員会(委員長:野田利弘(名古屋大学))」を設立し,研究活動を行った。本 DS-08 では,両委員会の研究成果報告と,委員からの発表を含む一般口頭発表が 6 件行われた。2.セ ッ シ ョ ン 内 容表-1 は第 1 セッションのプログラムを示す。タイトル(WG 名)が示すように,両委員会とも,WG1 が「事前」,三表-12345678第 1 セッションのプログラム南海トラフ巨大地震に関する被害予測と防災対策研究委員会の概要【関西】委員長:三村 衛(京都大学)南海トラフ巨大地震中部地域地盤災害研究委員会の概要【中部】委員長:野田 利弘(名古屋大学)地盤情報データベースと防災マップを融合させた防災ハザードマップの開発【関西 WG1】WG 長:大島 昭彦(大阪市立大学)地震・津波による地盤・構造物の挙動予測【関西 WG2】WG 長:清野 純史(京都大学)被災後のロジスティクス【関西 WG3】WG 長:奥村 与志弘(京都大学)地盤情報を活用した広域地盤災害予測と個別の人工地盤・土構造物およびライフライン施設の被害予測【中部 WG1】WG 長:杉井 俊夫(中部大学)防災減災のための地盤改良技術とその効果の検証【中部 WG2】WG 長:張 鋒(名古屋工業大学)災害廃棄物の処理・利活用技術の開発【中部 WG3】WG 長:中野 正樹(名古屋大学)両委員会の WG1 では,独自の調査・研究によって,内閣府や自治体から出されているハザードマップをより精緻化すること,またその情報を有効利活用するための可視化に取り組んでいた。ともに,地域特性を考慮した研究を推進することで,地域住民にとって大変有益な成果となっていた。WG2 では,構造物の耐震性評価が主題であった。関西支部では様々な土木構造物を対象に,中November/December, 2017衛(みむらまもる)工学研究科 教授部支部では河川堤防を対象に複数の手法を用いて,レベル 2 地震動や長周期・長継続時間の揺れを想定した耐震性評価を行っていた。巨大化する地震外力に対して,新たに弱点箇所を抽出するとともに,ともすると従来予測法では見落としがちな課題を指摘し,被害低減のための提言を行っていた。WG3 では,ロジスティクスと災害廃棄物と対象は大きく異なるが,ともに,災害発生時/直後の緊急対応/応急対応だけでなく,早期の復旧・復興を目指した長期的視野での検討を行っていた。甚大な被害が危惧される紀伊半島および四日市市を対象として研究活動を行っていたが,地元住民や地元企業との連携協力が極めて重要であり,今後も研究活動を継続して,対応策やマニュアルの策定に繋げるとのことである。表-2 は第 2 セッションのプログラムを示す。紙面の都合からタイトルのみ示すとともに,講演内容の詳細は省略させて頂くが,南海トラフ巨大地震に対して,既存情報や調査データの有効活用方法や,新しい技術・手法の開発に関する報告があり,大変興味深かった。WG2 が「事中」,WG3 が「事後」を対象としている。1村京都大学大学院表-2123456第 2 セッションのプログラム(講演タイトルのみ)地盤情報データベースを活用したハザードマップツールの試作東日本大震災で発生した災害廃棄物等の分別土砂に関する夾雑物混入率を中心としたアーカイブ調査地盤改良による仙台市折立地区の常時微動特性の変化地盤動的解析のための試験結果のばらつきを考慮したパラメータ範囲についての検討変形特性に注目した堤防の地盤改良技術の耐震性能検証に関する解析的研究複合負荷弾塑性構成式を適用した水~土骨格連成有限変形解析による液状化対策工のシミュレーション3.お わ り に本セッションは学会最終日の朝一番であったにも関わらず,ほぼ満席となる聴講者にご参加頂いた。南海トラフ巨大地震に対する関心の高さがうかがえる。討論の中では,「復興計画に対して,人口構成を考えてほしい。高年齢の人がきちんと生きていける計画を」「技術は 8 割程度出てきているけど,人の繋がりは 2 割程度といった印象。触媒でもある学会の役割を考えてほしい」といった学会の果たすべき役割に関するコメントも頂いた。研究委員会の成果や本 DS での討論も踏まえて,南海トラフ巨大地震に備えるべく,地盤工学の多くの皆様には一層の研究活動・成果の社会実装を進めて頂きたい。(原稿受理2017.8.28)HP13
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  • タイトル
  • DS-09「地盤品質判定士の役割と期待」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 北詰 昌樹・小田部 雄二
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP14〜HP14
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180025
  • 内容
  • DS-09「地盤品質判定士の役割と期待」DS-09, Task and Expectation to Professional Engineer for Geotechnical Evaluation北詰昌樹(きたづめ東京工業大学まさき)教授小田部雄二(おたべ(株)アサノ大成基礎エンジニアリング2.11. は じ め にゆうじ)執行役員 営業統括第 1 セッションまず,第 1 セッションでは,地盤品質判定士の役割と地盤品質判定士の資格制度は,東北地方太平洋沖地震現在の活動などの発表があった後,宅地・地盤評価に関での大災害で顕著になった既存や新設の宅地の品質・安する法令についての発表があった。その後,スウェーデ全性の評価・品質判定を行い,主に宅地における地盤災ン式サウンディングを中心に地盤評価方法の現状と課題,害の防止や軽減に貢献することを目的に 2013 年に創設さらに,柱状地盤改良工法の施工に関する発表があった。された。ディスカッションセッション「地盤品質判定士発表に続く討論では,土木分野と建築分野での設計の考の役割と期待」では,地盤に関する諸問題について,品え方,法令などの環境の違いなどが明らかになったが,質評価の方法・実情と地盤品質判定士の業務などを発表判定士を活用するためには,建築・土木の垣根を越え,して,地盤の品質評価における判定士の役割と期待につ住民の方にとって役立つような仕組みを作る必要が強調いて議論・討議した。された。一方で,判定士を業務として行っていくことの難しさ(住宅建築数の減少や地盤災害の復旧などへの対2. 発表と討議応可能な判定士数が限られていること)についても話が本セッションでは,表-1 に示す計 17 編の投稿があり,2 つのサブセッションに分けて発表,討議を行った。あった。一般市民の方から多額の報酬・相談費を頂くことは難しい,当面は判定士のボランタリーな活動・応援を期待しながら,一般市民への普及を進めていくのが必表-1要とのまとめで締めくくった。発表論文一覧2.2第 2 セッションタイトル発表者地盤品質判定士の役割と活動北詰第 2 セッションでは,主に地震時の災害・被害の原因地盤品質判定士会神奈川支部の設立と今後の課題立花やリスク評価などが発表された。続く討論では,住宅地一土木系地盤技術者から見た住宅地盤調査菅野ではコストや時間などの制約から得られる土質定数が限宅地における擁壁に係る法令と適用範囲大久保国土交通省告示第1113 号におけるいくつかの用語の間違杉村られていること,ハザードマップなどの情報も未整備な地域も多いことなどが指摘された。このように限られている情報から住宅地の品質の評価をすることが判定士にいについて住宅地盤の評価に対する一考察 その2小野スウェーデン式サウンディング試験とN 値,qu 値との相大島関の再検討戸建住宅業界の柱状改良工法に対する注意喚起(その2)菱沼含水比による体積圧縮係数と圧密係数の推定尾上不同沈下を生じた宅地地盤の調査事例から地盤品質判定原士に望む役割について大規模盛土造成地の変動予測調査の事例と課題藤田地盤品質判定士の目で見た2016 年熊本地震の宅地被害諏訪熊本県益城町から採取した火山灰質土の物理・力学特性森〜平成28 年熊本地震における宅地被害の考察〜は求められている。判定士には,日頃からできる限り多くの情報に接するとともに情報を共有し,スキルを磨くことが大切との議論があった。セッションの最後には,熊本地震の災害復旧における住民の方からの相談の事例が紹介され,判定士には詳細な地盤の評価だけでなく,住民の不安を聞き取り安心させることも求められているとの話でセッションを締めくくった。3. おわりに本セッションで討議されたように,判定士制度も世の中に広まり始めるにつれて一般市民の方の判定士への期待は大きくなってきている。その一方で,限られた情報震災宅地擁壁復旧に関する事業と設計上の留意点門田大規模盛土造成地マップの留意点と活用について山口スレーキング性岩盤で造成した谷埋め盛土の経年変化市川地震時における盛土造成宅地上の木造建物被害リスクに佐藤で地盤の品質を判定せねばならないなど,技術的な難しさも明らかになった。判定士は常日頃からのスキルアップが求められている。(原稿受理2017.7.21)ついてHP14地盤工学会誌,65―11/12(718/719)
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  • タイトル
  • 廃炉地盤工学の創出と人材育成(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 東畑 郁生
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP15〜HP16
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180026
  • 内容
  • 廃炉地盤工学の創出と人材育成Special Session on Decomissioning of Fukushima Daiichi Power Station東畑郁 生(とうはた いくお)関東学院大学 客員教授1. は じ め に委員会の活動は,「超重泥水技術の開発」および「地下水の現況測定・将来予測」という学術研究の推進を通じ地盤工学は従来からの課題の解決だけで満足していてての人材育成,そして廃炉地盤工学という学問体系を創はならない。持てる能力を使い,社会的な関心の高い重設することによって,原子炉の問題を理解できる地盤工要問題の解決に乗り出していかなければ,世の中から存学技術者を永続的に輩出できる体制の確立,である。在意義を忘れられてしまう。これが筆者の会長時代に持セッションの座長と副座長は,廃炉地盤工学委員会のっていた問題意識であった。それの具現化した成果の一委員長である東畑と座長である小峯の両名が務め,報告つが廃炉地盤工学委員会であり,文部科学省/廃止措置内容に応じて鈴木誠副委員長ほか委員会メンバーが,口研究・人材育成プログラムに 5 年間採用されている。そ頭発表を行った。して進行状況を会員に還元する機会が,この特別セッションであった。人材育成という名称が冠せられているよ2.成果概要報告(座長:小峯 秀雄)うに,この文部科学省プログラムの最大の目的は,今後廃炉地盤工学は,福島第一原発廃炉という大問題を介40 年以上を要すると目される福島原発問題解決に向けして地盤工学と原子力工学とをつなぐ切り口である。地て,継続的に人材を供給する体制の確立である。盤工学側からの貢献としてまず,早稲田大学において土原子力発電の継続の可否については,国民の間に様々質材料によって放射能を遮蔽する可能性を研究している。な意見がある。しかし福島第一原発の事故に対してきち現場で危険を帯びている放射線には,ガンマ線と中性んと対応しなければならないことについては,国民の意子線の二種類がある。前者は質量の大きい物質を透過し見は一致している。しかしどのようにしてこの問題を終にくく,後者は水(水素原子)による遮蔽が有効である。息させればよいのか,これは極めて難しく,正解がいまこれら二つの遮蔽性能を兼ね備えた材料として,超重泥だに得られていない。しかし全体をくくってみると,i)水の開発を行っている。この泥水は粘性流体である(写被災した原子炉からの汚染物質流出を止めること,ii)真-1)。そして放射能遮蔽の他に,原子炉内部に行きわた被災した原子炉から溶融した燃料を取り出すこと,iii)って漏水箇所を閉じる能力も期待されている。原子炉等を解体すること,iv) 発電所周辺地域の放射能汚染を除去すること,v) 発生した放射性廃棄物を無事に処分すること,そして vi) これらの作業を遂行できる安全な環境を確保すること,にまとめることができる。これらのテーマは,実は,伝統的な原子力工学が取り扱う事柄ではない。むしろ地盤工学のスキルの果たしうる貢献が大きい。これが,地盤工学会として福島問題への関与を決めた動機であった。廃炉地盤工学委員会の活動は文部科学省からの「業務委託」という形式を取っているので,いわゆる研究委員会ほどの活動自由度は無い。そのため会員各位からのテーマ提案には必ずしもすべて対応することはできていな写真-1開発中の超重泥水の粘性流体的挙動い。たとえば i)の地中凍土壁の問題は活動対象に入っていない。しかしそれでも当初提出した計画に基づき,地廃炉作業は今後 40 年にも及ぶと予想され,その間の現盤工学が福島第一原子力発電所の問題解決に重要な役割場の(放射能に対する)安全性を予測することは,作業を果たせることを実証し,原子力工学のエンジニアと同計画を立てる上で,極めて重要な事柄である。そこで,じテーブルで,この発電所の廃炉に向けて技術課題全般原子炉から漏洩した放射性物質の移動を中心に,現場のを議論できる資格が与えられている。このことは地盤工地下水環境を 40 年にわたって予測する試みを,千葉工業学の社会的認知を高めることに大いに効果がある。大学において行っている。これは高性能の計算機によるNovember/December, 2017HP15 数値予測が中心であるが,同時に日本大学と協力し,実地盤における地下水環境の観測を並行し,計算手法の検証と改善に役立てている。実地盤における作業は途に就いたばかりであり,予備段階として,模型土槽を使って,地下水流の計測とシミュレーションを実施している。3. 廃炉のための地盤施工学(幹事長:後藤 茂)も有用である保証はない。4.早大大学院における廃炉地盤工学人材育成の試み(幹事:渡邊 保貴)今後 40 年の廃炉作業に貢献できる人材を育成することは,文部科学省から特に要求されている重要事項である。地盤工学会は学校の壁を超えて,全国の産学の人々地盤工学会が直接担当しているのは廃炉地盤工学の体に廃炉地盤工学を学習する機会を提供できる。その準備系構築であるが,今回は,その核心と見られている廃炉として,昨年度から早稲田大学の大学院で地盤工学特論のための「地盤施工学」の構築について説明があった。Bという講義を試行している。これは外部から専門家を地盤工学が福島第一原発の廃止に何で貢献できるのか多く招聘し,土質力学の基礎知識をもとに,作業環境,を考えると,前述の超重泥水による一時的封じ込め,汚建屋基礎,廃棄物対策,建設事故などについて学ぶもの染物質の仮置き,地下水環境,最終地中処分に加え,破である。そして廃炉のプロセスにおいて起こりそうな技損した原子炉からのデブリ(溶融した燃料)の取り出し術課題を自ら発掘し,その解決方法を提案させている。という従来の地盤工学では意識されていなかった問題にこのたびも,受講生であった修士 2 年生倉持隼斗君から,おいても,図-1 のような事項がある。これら原子力工学事例の紹介があった.内容が十分な段階に高まり次第,の課題を理解している地盤工学者を継続的に育成するこ地盤工学会において講習会的な場を設ける予定である。とを,委員会は目指している。地盤工学はこれらの問題に対応できる技術を数多く持っていると考えられ,それ5.フロアディスカッションが原子力工学の人々にも理解できるよう,委員会メンバ廃炉には地盤工学に関係深いテーマが数多くある。地ー企業から技術情報の提供をうけ,技術マップを作製し盤工学の社会認知を進めるうえでも,本委員会の活動をた。これは課題別に様々な技術を分類し,内容説明を加基礎として,会員各位には,新たな研究活動資金を獲得えたものである。しかしそれだけでは不十分である。していただきたい。最近ようやく実情が見え始めたデブリの採取技術などは,その例であろう。廃炉地盤工学委員会の活動が文部科学省によって財政支援されるのは,5 年間である。他方,廃炉作業は 40 年かかるものと見込まれており,この長い期間,地盤工学分野の活動をどう維持するのか,という問題がある。フロアからは,大学に独立大学院を設ける努力をせよ,というご意見があった。海外での廃炉経験をどう生かすのか,という視点からの議論もあった。米国のスリーマイル島の事故は,原子炉の規模が福島第一よりはるかに小さいうえ,放射能が外部に漏れておらず,過酷さの度合いは低かった。しかしその経験は,溶融したデブリの現在の状態,特にその図-1 原子炉周辺における地盤工学の貢献可能性力学的性質を想像するうえで,重要なヒントになる。他方,旧ソ連のチェルノブイリ事故は福島よりはるかに過現場の特殊性として,次の事項がある。まず放射能の酷であり,しかも緊急作業で設置したコンクリート構造封じ込めである。デブリから発生する放射能の遮蔽はも(いわゆる石棺)が劣化,汚染水が漏出するなど,繰りちろんのこと,固結しているデブリ塊を切削などする(具返してはならない事象が起こってしまった。体的方法は未定)ときの,放射性粉塵の閉じ込めが極めて重要である。汚染水を漏らしている原子炉(格納容器)の補修方法も決まっていない。取り出した放射性物質を数十年にわたって安全に劣化なく保管する方法も,未知の分野である。今後 40 年間の廃炉作業中に起こりうる地震など自然災害に対する安全性も,検討が必要である。これら原子力特有の状況に対して,最適な材料・工法の選択を行い,適正な実施・管理を行える能力を養成することが,地盤施工学の重要な目標である。また,対象とする原子炉が,高さ30mを超す巨大な構造物であるこ6.その他廃炉地盤工学若手技術者の会を結成し,産業界における人材育成を推進したい。現在,そのあり方などの討論中である。参加希望あるいは意見表明などがあれば,次のメールアドレスをお使いいただきたい:decomm_wakate@jiban.or.jp。また廃炉地盤工学委員会のウェブサイトは,https://www.jiban.or.jp/hairo/である。(原稿受理2017.8.23)とも重要であり,試験管レベルで機能する技術が実際にHP16地盤工学会誌,65―11/12(718/719)
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  • タイトル
  • 平成28年度道路保全地盤技術向上の調査・研究成果報告会(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 宮田 喜壽
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP17〜HP18
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180027
  • 内容
  • 平成 28 年度道路保全地盤技術向上の調査・研究 成果報告会Debrief Session about Research and Studies on Improvement in Geotechnical Road Management宮 田 喜 壽(みやた よしひさ)(公社) 地盤工学会「平成 28 年度道路保全地盤技術向上の調査・研究助成審査委員会」委員長1.本報告会の背景を実施し,斜面変形は縦打ち補強材の打設角度やピッチによらず斜面の中段がはらみ出すモードとなること,補地盤工学会は,道路保全技術センターからいただいた強材の仕様や打設間隔が同じであっても,補強材の打設寄付を原資に,道路保全技術の向上に資する調査助成事角度の違いによって,斜面変位量及び盛土内変位分布に業を平成 24 年にスタートさせた。この事業は公募制で,違いが見られる,などの知見を得ている。これらは,補厳正な審査をパスした研究担当者には,最長2年間研究強材の効果的な打設形態や設計で考慮すべき限界状態の費が助成される。得られた成果は中間及び最終報告書と設定及びその解析法の確立につながるもので,斜面補強して学会から公開され,研究担当者は研究発表会で実施技術の高度化に貢献するものと評価される。される成果報告会で発表する流れとなっている。これまで,平成 24 年4件,25 年3件,26 年4件,27 年5件が行われ,28 年度が最後として4件の助成が行われた。今年の報告会はそれらの研究成果が発表された。以下,その内容を簡単に紹介する。2.報告内容(1) 構造物接続部への適用を目指した泥炭地盤における長期沈下予測ツールの開発【担当:山添誠隆(秋田工専),西村 聡(北海道大学),期間:平成 28 年度】道路は様々な地盤に構築されるが,泥炭地盤上の盛土の安定問題は古くからの技術的課題として残されている。図-1 泥炭地盤における長期沈下予測に関する研究(山添ら)本研究では,泥炭地盤における長期沈下挙動の予測ツールの開発を目的として,定ひずみ圧密試験(CRS)及び長期圧密試験を実施し,アイソタック則の適用性を確かめている。その成果をもとに,間隙比の塑性的な変化速度を状態変数とした数値解析モデル(図-1)を二次元水・土連成 FEM プログラムに組込み,これをプラスチックボードドレーン工法で改良された泥炭性軟弱地盤上の試験盛土に適用して,提案する解析法の妥当性を検証している。本研究で得られた知見及び開発された予測ツールは,橋梁などの構造物と盛土部との間に発生する不同沈下など,従来の解析法では困難だった沈下予測の精度向上に貢献するものと評価される。(2) 縦打ち補強土工法の力学挙動の解明に関する実験的研究【担当:加村晃良(福島工専),河井 正(東北大学),金 鍾官(東北大学),期間:平成 28 年度】道路保全工事において,斜面の安定性確保は重要な課題である。斜面の法肩などから縦方向に補強材を打設する補強土工法(縦打ち補強土工法:図-2)の適用が大きく期待されているが,その設計法の確立は課題として残されている。本研究ではその課題解決のために実大実験November/December, 2017図-2 縦打ち補強土工法に関する実験的研究(加村ら)HP17 写真-1集中豪雨における RC 橋脚に関する研究検討(葛西ら)(3) 集中豪雨後における RC 橋脚沈下現象の挙動解明と写真-2地中空洞崩落・道路陥没発生に関する研究(佐藤ら)対策工の検討【担当:葛西 昭(熊本大),金田一広(竹中工務店技研),大谷順(熊本大学),期間:平成 28 年度】3.おわりに2012 年 7 月の九州北部豪雨では,熊本県,大分県,福以上紹介した4件の研究成果の詳細は,地盤工学会ホ岡県に甚大な被害が発生した。気候変動による集中豪雨ームページ(https://www.jiban.or.jp/?page_id=3558)に掲の顕在化が懸念される中,各種道路インフラの豪雨対策載しているので,是非参照いただきたい。上記サイトかの重要性は益々高まりを見せている。本研究では,豪雨らは,過去の助成研究の報告書のリンクも設けられていによって水位が上昇した際の橋脚の安定問題に着目し,るので,道路保全に関わる皆様には是非とも目をとおし一級河川白川の支流である黒川での鷲の石橋(3 径間 PCていただきたい。橋,橋長 38.4m,最大支間長 12.8m)に生じた被害(写真今回で道路保全に関する研究助成事業も終了となった。-1),特に河川中央に存在する中間橋脚の沈下を詳しく考学会が直接若手研究者を支援するという画期的な事業で,察している。さらに,水位上昇や流水及び流木の影響に多くの成果が得られた。しくみづくりに尽力された方々,ついて,土の骨格構造を考慮した水~土弾塑性連成解析助成の審査,評価に関わられた方々に改めて謝意を表すによる検討結果を示している。地盤,構造物,流体の相る次第である。学会としては,新たな形で若手会員の活互作用問題については研究が十分に進展しておらず,そ躍を後押しするようなことができないか模索し,実行すのメカニズムは十分に解明されていない。実際の被害分る必要があると考えられる。析から理論解析までを行った本研究は,その解明と対策(原稿受理2017.8.28)法の確立に貢献するものと評価される。(4) 外部応力による地中空洞崩落・道路陥没発生メカニズムの解明【担当:佐藤真理(島根大),藤澤和謙(京都大),期間:平成 27 年~ 28 年度】道路の陥没が全国で多発している。浸透流に伴う地中施設周辺での土砂流出が地盤内に空洞をつくることが,ひとつの要因といわれている。本研究では,空洞を伴う地盤の浸透流解析と空洞の崩落現象の模型実験による再現を実施し,そのメカニズム解明を目指した検討を行っている。解析では,多孔質領域と流体領域での流れを連続的に同時解析する手法を用い,その有効性を検証している。室内模型実験では,よほど極端な状況でないと空洞の崩落が生じないという 27 年度の検討結果をもとに,空洞上部に弱層がある場合の空洞崩落プロセスの再現に成功している(写真-2)。道路陥没未然防止のための地盤内空洞・ゆるみの探知に向けた検討は各方面で精力的に進められつつある。本研究は,それらの問題に取り組む研究者や技術者に重要な知見を与えるものと評価される。HP18地盤工学会誌,65―11/12(718/719)
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  • タイトル
  • 地盤工学会におけるダイバーシティの実現(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 田中 真弓
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP19〜HP20
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180028
  • 内容
  • 地盤工学会におけるダイバーシティの実現Promotion of Gender Equality and Diversity Management in the Japanese Geotechnical Society田 中 真 弓(たなか まゆみ)男女共同参画・ダイバーシティに関する委員会 委員,鹿島建設(株) 課長代理った技術者紹介は大変好評であったため,2017 年 1 月か1. は じ め にらは Web 技術者・研究者紹介をスタートさせ,今後も継地盤工学研究発表会では,男女共同参画およびダイバ続する予定である。さらに,会員からのニーズに合致したーシティに関する特別セッションを 2005 年以来継続し技術向上や情報交換の新しい仕組みとして「メンター制度」て実施している。2010 年からは,“地域に根ざしたダイの試行なども検討している。バーシティ”という副題のもと,研究発表会開催地で活躍していただいている方々を中心に話題提供していただ2.2地方でゆるっとダイバーシティ長野市で自宅を事務所としてあおば技術士事務所を開いている。13 回目となる本年は,中部地方で活躍されて業した佐野理氏には,出産を機に前職を退職し,起業しいる女性・外国籍・ベテランの方に講演いただいた。本た経緯をご紹介いただいた。セッションは,地盤工学会会員以外の方も無料で参加で学生時代は実家のある名古屋での就職・結婚を漠然と考きる「一般公開」の行事として実施している。毎年,学えていた佐野氏だが,結婚前はコンサルタント会社の関東会員以外の方にもご参加いただき,活発な意見交換を行の本社に勤務していた。結婚後,自宅のある長野市の支店う貴重な場となっている。に 5 年勤務し,その後第 2 子出産前に退職された。コンサルタント会社では,主にトンネル,斜面,堰堤等の数値解2. セッションの概要析業務に携わり,起業後は,当時の仕事で培った技術を生特別セッションは,大会初日の 2017 年 7 月 12 日午後かして業務を行っている。現在は,土木設計中心のコンサに行われた。参加者総数は約 50 名である。参加者に対しルタント業務を行っており,応力変形解析などの数値解析て実施したアンケート調査によると,男女比は男性の方やデータ解析などを中心に受注されている。5 年前に長野が多く 4:1 で,20 代から 60 代以上の幅広い年齢層の方市から伊那市へ転居され,地方都市で働くデメリットとしにご参加いただいた。以下に各講演の内容と討議・意見て,地元に仕事が少ない,都市部まで行くのに時間がかか交換の様子について記す。る,ということを挙げられた。一方,メリットとしては,2.1ダイバーシティ推進のさきにあるもの保育園の確保が容易,自家用車での通勤が容易などを挙げまず,男女共同参画・ダイバーシティに関する委員会委られ,いろいろな職場でテレワーク,在宅勤務などの制度員長の片岡沙都紀氏(神戸大学)から,当委員会の活動方が整いつつあることから,地方で仕事を続ける選択肢も増針・活動内容について説明があった。地盤工学会では,性えていくのではないか,と述べられた。佐野氏が会社を辞別や国籍,年齢にかかわらず多様な人材が活躍できる魅力めた理由は,実家から遠く親族のサポートが受けられないある学会を目指して,2003 年からダイバーシティ推進に環境での子育てや,転勤で居住地が変わる可能性が今後も関する活動に取り組んでいる。多様な人材の宝庫である学大きい事情から,毎日決められた場所で決められた時間勤会が率先してダイバーシティを推進していくべきという務するという会社のルールの中で果たして仕事が続けら考えから,当委員会は,学会員同士の情報交換の場の提供れるだろうか,と不安になったことだった。仕事を長く続を積極的に行っている。具体的には,研究発表会におけるけたい,という想いがあれば,「職場を離れる」=「仕事「サロン・土・カフェ W」の開催,若手や世代間交流を目を辞める」ではない,いろいろな選的とした「座談会」の開催,択肢も視野に入れながらキャリア次世代育成のための女子中メイクをすることもありえる,と若高生夏の学校への参加,学手技術者への力強いメッセージも会のホームページを介した語っていただいた。情報発信を紹介した。また,2.3地盤工学会誌 2015 年 7 月号国人・女性として~夢への道のり ~研究者・外特集「ダイバーシティ推進河川構造物の浸透安全性やトンのさきにあるもの」1)で行ネルの力学挙動の研究をされていNovember/December, 2017写真-1片岡沙都紀氏写真-2 佐野理氏HP19 る,中国出身の横浜国立大学,崔瑛氏には,研究者を目こすきっかけになっており,それを実現するために粘り指した幼少期の想いから,外国人・強く取り組むことが,研究者・技術者に重要ということ女性ということを意識せずに過ごしがよく伝わってきた。てきたという日本での 13 年間の研2.5究生活などについてお話しいただい今回は,前回に引き続き,外国籍の方にご講演いただ討議・意見交換いた。会場には複数の外国籍の方が参加され,海外からた。崔氏は,北京まで列車で 24 時間かの研究者・技術者が日本でどのような生活をし,仕事にかるという黒龍江省に生まれ,小さ取り組んでいるかということへの関心の高さがうかがえい頃から負けず嫌いで,キュリー夫 写真-3 崔 瑛氏た。討議の時間には,地方で起業されている佐野氏から,人に憧れを抱いていた。先生→科学一人で仕事をしていると最新技術情報に触れる機会が減者→博士と夢は膨らみ,勉強すれば何とかなる,北京にいり,不安になるが,地盤工学会誌を読んで情報を得ていけば何とかなる,と努力され,北京の清華大学に入学されるというお話しがあった。また,崔氏と野口氏からは,た。卒業後は京都大学大学院に進まれ,摂南大学で教育に技術者としては技術力・熱意が男女関係なく大事で,自携わりながら博士を取得された。その後,名城大学,横浜分にしかできないことを見つけていきたい,とコメント国立大学に勤められ,現在,4 歳のお子さんを持つ。中国された。さらに村上会長からは,ご自身の経験も踏まえにいるときから,“言語を仕事の唯一の道具としない”をて,夫婦共に仕事を持っている場合は,勤務形態や仕事心掛け,研究能力を評価してもらいたいと来日。ところが,の状況に合わせて育児・家事も含めた相互協力が必要と外国人・女性としての立場が注目され,そのせいで外国語のコメントがあり,ワークだけでなくライフでも男女共関係の業務や女子学生のケアなどを任されられた。子育て働が重要であると感じた。も始まり,自分がやってきた研究の能力が発揮できないと悩んだ時期もあったが,崔氏は“世界を視野にいれたら外国人は存在しない”,女性としての“配慮に甘えない”と前向きに意識を変えることによって,乗り越えてこられた。組織のグローバル化は外国人に頼るべきでない,と日本人にとっては厳しいがもっともな感想も述べられた。最後に,自分は研究者であるので,外国人・女性ということではなく「研究」そのものの内容,インパクトで評価を受けたい,もちろん苦労もあると思うが「すべては夢に通じる道のりにある景色」と結ばれた。2.4超音波振動薬液注入工法開発の発想から完成まで写真-5質疑応答,討議の時の会場の様子3. ダイバーシティ推進に向けてダイバーシティ委員会では,昨年度は恒例となってい人材開発支援機構の野口好夫氏には,早期退職後の新るイベントに加えて,Web 技術者・研究者紹介やメンタしい薬液注入工法の開発への精力的な取り組みの様子とー制度の検討などを行い,男女共同参画メインの活動かその行動力の源について語っていただいた。ら視野を広げ,性別・年齢・国籍に関係なく,会員の活野口氏は,永らく名古屋市の道路建設に携わってこら躍を後押しするような情報提供や制度の検討を進めていれたが,55 歳の時に早期退職し,翌年には人材開発支援る。今年度は,外国籍の方を対象としたワールドカフェ機構を設立され,代表取締役に就任された。かねてからの実施や,メンター制度の試行にも取り組む予定である。やりたいと思っていた超音波振動を用いた薬液注入工法地盤工学会では,今後も,様々な立場の方の個性を生かの開発に着手され,現場で生まれたアイディアの実現にし,活躍するための情報や人と人とのつながりを築くた向けて邁進されている。特許取得,共同開発者探し,資めの場の提供を積極的に行っていきたい。最後に,ダイ金獲得,さらに実機製作までを短期間で実現できたのは,バーシティ推進活動に協力いただける委員,サポーター野口氏の熱意が求心力となった“チーム力”にあるのでは引き続き募集中である。学会への期待,不満,要望等はないだろうか。野口氏自身は,工程管理がうまくいっも委員会宛にお寄せいただければ幸いである。たことと,野口氏より高齢の注入技術者をはじめ,メンバーの協力ややる気を他のメンバーが感じられたことが成功の原因と分析して写真-4HP20野口好夫氏参考文 献1) 地盤工学会:地盤工学会誌,Vol.63,No.7 ,2015 年 7 月号特集:ダイバーシティ推進のさきにあるものいる。このように,共同研究開発<https://www.jiban.or.jp/index.php?option=com_content&;viewは核となる人物が必要,と結ばれ=article&id=1752%3A2009-01-07-08-26-28&catid=101%3A2008た。野口氏の講演では,おもしろ-09-18-06-24-51&Itemid=285>(参照2016.10.3)そう!,楽しそう!が,行動を起(原稿受理 2017.8.24)地盤工学会誌,65―11/12(718/719)
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  • 第52回地盤工学研究発表会 優秀論文発表者賞(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 地盤工学会 調査・研究部
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP21〜HP24
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180029
  • 内容
  • 第 52 回地盤工学研究発表会地盤工学会1.優秀論文発表者について優秀論文発表者賞調査・研究部2.第 52 回研究発表会の受賞者「地盤工学会優秀論文発表者賞」は,今後の地盤工学研究発表会終了後,座長から推薦された受賞候補者の分野を担う若手技術者及び若手研究者の活性化,研究意受賞対象資格を調査・研究部にて確認し,以下の 137 名欲の向上を目的として,第 40 回地盤工学研究発表会にの方々を受賞候補者として表彰委員会に報告し,表彰委創設され,今回で 13 回目を迎えます。員会が受賞者を決定しました。受賞者には心よりお祝い表彰の対象は,1)申し込み時点での発表者であり,か申し上げますとともに,今後の更なる活躍を期待いたしつ研究発表会において実際に発表した方,2)申込み時点ます。受賞者の皆様には賞状を送付し,学会誌及び学会で満 35 歳以下の方,3)前年度に当該表彰を受けていないHP にて公表いたします。また,今回は残念ながら受賞方,となっています。評価対象は,1)論文と発表の内容,を逃した方々も次回以降のご健闘を期待しております。発表方法,2)質疑における初回の回答内容,としていま最後になりましたが,セッションの座長,実行委員会す。質疑について初回の回答のみとしているのは,そのの皆様及び研究発表会に参加された皆様のご協力により,後の共同研究者からの補足や議論を評価対象から外すこ本研究発表会を無事に執り行うことができましたことをとで評価に囚われない参加者全体の自由闊達な討議を促深く感謝いたします。今後も,本表彰制度が若手会員のすためです。各セッションの座長には,「地盤工学会の発意欲向上につながりますよう,会員の皆様のご理解・ご展に貢献しうる優秀な論文を適切に口頭発表した」と認協力をお願い申し上げます。められる方を受賞候補者として推薦して頂きました。この受賞候補者より,対象資格を確認して受賞者を選定し(文責:伊藤和也東京都市大学)(原稿受理2017.8.10)ております。論文表題(申込情報)福田謙太郎ため 池の堤体の地震 時挙動の評価 ~その 1 遠心 力模型実験 とLIQCA による解析~川尻峻三北見工業大学堤防①記録的降雨によって河川堤防で発生した噴砂に関する地盤調査櫛山総平名古屋工業大学堤防②河川堤防における漏水対策型水防工法の浸透破壊に対する効果森 智彦名城大学堤防③河川縦断方向に均質な模型堤体に浸透破壊を引き起こす基礎地盤の条件濱田祐輔京都大学堤防④マイクロ X 線 CT を用いた砂供試体の内部侵食に与える拘束圧の影響に関する研究小野里花子福島工業高等専門学校 ダム・堤防①外水位変動が堤体内の応力状態に及ぼす影響中野渡博道北海道大学ダム・堤防②裏法尻にドレーン材を用いた盛土での地表面水収支を考慮した築堤時間隙水圧挙動の解析馬目 凌鉄道総合技術研究所道路・鉄道盛土①礫質地盤に対する空隙充填を目的としたグラウト材注入実験田嶋亮佑神戸大学道路・鉄道盛土②土のう構造体を用いた法先補強工による既設道路盛土の耐震化―その1:実物大大型振動台実験光吉泰生京都大学道路・鉄道盛土③断面形状と土被りに着目した道路ボックスカルバートの耐震性能評価宮﨑祐輔京都大学道路・鉄道盛土④偏土圧の影響を受けるカルバート縦断方向の動的遠心模型実験田中悠暉北見工業大学道路・鉄道盛土⑤記録的降雨および融雪水の影響を受けた盛土の崩壊限界雨量による評価塩屋祐太ケミカルグラウトシールド石狩湾新港発電所放水設備工事-シールド内からの到達位置探査工森瀬喬士鉄道総合技術研究所トンネル①地山改良型ロックボルト補強工の試験施工西行 和金沢大学トンネル②土砂地山を想定したトンネル掘削の基礎的模型実験 (その2:二次元模型実験結果)堀田真由子東京大学埋設管①福岡市の路面下空洞の生成傾向の分析及び空洞ポテンシャルマップの開発小野耕平神戸大学埋設管②様々な有効応力下における埋設管の水平抵抗力の予測Vijayakanthan 東京工業大学抗土圧構造物・山留め Collapse mechanism of self-standing large diameter steel pipeKunasegaramsheet pile walls embedded in soft rocks倉上由貴東京理科大学地盤補強①GRS 工法とドレーン工法を組合せた薄層ドレーン強化堤防の耐越水性に関する実験的検討発表者所属セッション名(申込情報・当時)日本工営ため池November/December, 2017HP21 発表者山田康裕重田恭兵友部 遼Ilyas Akram黒木悠輔藤江雄大福田 健佐名川太亮奥村豪悠的場萌子渡邉康司佐藤睦月寳地雄大松崎孝汰和地敬粕谷悠紀百間幸晴浦谷啓太高徳亮太森本時生山口秀平渡邊大樹田所佑理佳竹之内寛至尾川七瀬伊藤留寿都武田祐輔岡田貴行小林怜史伊藤健介江口拓生徳永翔竹下修平阪東聖人油谷彬博中本詩瑶大段恵司喜多浩志豊里亮喜伊藤壱記本田美智子HP22所属(申込情報・当時)複合技術研究所早稲田大学京都大学埼玉大学論文表題(申込情報)地盤補強②宅地大谷石擁壁の剛一体壁面工併用地山補強土工法による補強事例地盤補強・改良①気泡ソイルセメント安定液の流動性に関する研究地盤補強・改良②根-土接触面の強度特性の把握および数値解析Effect of Cone Position on Bearing Capacity of Geogrid Reinforced地盤補強・改良③Sand Foundation鉄道総合技術研究所基礎構造物(直接基礎)洗掘を受けた直接基礎橋脚の支持力評価に関する模型実験ジャパンパイル基礎構造物(杭基礎①)拡底杭の引抜き特性に関する遠心載荷試験―その 2:実験結果戸田建設基礎構造物(杭基礎②)支持層に不陸がある地盤における支持層の設定と杭施工事例その 2クリギング法による支持層推定鉄道総合技術研究所基礎構造物(杭基礎③)地中部の変位計測を目的とした模型杭の起振器試験竹中工務店基礎構造物(杭基礎④)遠心模型実験における軟弱粘性土地盤の地震応答東北大学基礎構造物(杭基礎⑤)構造物の固有周期の違いが上屋・杭基礎-液状化地盤系の終局状態に及ぼす影響 その 1 遠心載荷実験概要及び杭の保有性能評価大林組基礎構造物(杭基礎⑥)ソイルセメント柱列壁の本設杭利用に関する実大引抜き載荷試験東北大学基礎構造物(杭基礎⑦)杭頭部にコンクリートを充填した鋼管杭の正負交番載荷実験鉄道総合技術研究所基礎構造物(杭基礎⑧)ラーメン高架橋における構造物全体の入力損失効果に関する基礎的検討ネクスコ・エンジニア グラウンドアンカー① 旧タイプアンカーを有するのり面健全度調査の一考察リング東北高速道路総合技術研究 グラウンドアンカー② 部分的なグラウンドアンカーの変状が長期的なのり面の安定に与える所影響について大林組基礎構造物(基礎一般 スカートサクション基礎の地震時抵抗特性における根入れ長の影響①)東北大学地震(液状化①)様々な粒度分布を持つ砂質土の液状化抵抗評価のための最小間隙比の求め方京都大学地震(液状化②)堆積角度に応じた初期構造異方性を有する水平地盤の地震時液状化挙動東京都市大学地震(液状化③)隣接構造物における液状化挙動に関する研究東京大学地震(液状化④)初期せん断応力下での複数回液状化特性に関する多層リング繰り返し単純せん断試験復建技術コンサルタン DS-9 地 盤 品 質 判 定 大規模盛土造成地マップの活用における留意点について士の役割と期待ト茨城大学地震(液状化⑤)地震時における火山灰性粘性土上の小規模建築物の不安定性の簡易予測高知大学地震(一般)蛇篭を用いた道路擁壁の耐震性評価に関する実大規模振動台実験(その 1)-実験概要-三信建設工業地震(液状化対策①) 隆起抑制効果が向上した CPG 工法の現場実証実験 -概要および施工状況技研製作所地震(液状化対策②) 鋼管矢板を用いた堤防の液状化対策工法の提案 その2:2列式鋼管矢板連続壁富山県立大学地震(液状化対策③) 微生物固化において析出する炭酸カルシウム結晶の特性に関する研究名古屋工業大学地震(液状化対策④) 直接基礎構造物の沈下に伴う液状化地盤内の変形と格子状改良の改良範囲・深度の検討日本大学路盤・路床関東ロームの安定処理における攪拌が物理的特性および CBR に及ぼす影響ネクスコ東日本エンジ 土構造物(その他)切土のり面非破壊検査(赤外線)と現地点検調査との相関性ニアリング中部大学地震(地盤震動①)重力異常を用いた亜炭層の存在位置の推定京都大学地震(地盤震動②)動的平板載荷実験に基づく地盤最表層の S 波インピーダンス測定法の開発山梨大学斜面防災 他阿蘇崩壊地における土壌硬度計のデジタル化による斜面崩壊発生機構解明に関する研究九州大学波浪・津波 他越流・浸透流作用時における被覆ブロックの安定性に関する水理模型実験鉄道総合技術研究所洗掘・陥没・充填 他 盛土の橋台接合部に形成される空洞の充填手法に関する検討東日本旅客鉄道地震(斜面安定①)切土の耐震診断と耐震補強設計法 (その2)鹿島建設地震(斜面安定②)支圧板付きロックボルト補強斜面の地震時表層破壊とその補強効果に与える影響に関する実験的検討大阪大学斜面動態モニタリング 京都府綾部市安国寺裏斜面を対象とした雨水浸透シミュレーション①大阪大学斜面動態モニタリング 斜面動態モニタリングデータの解釈を目的としたカラム模型実験②九州大学粘性土(強度・変形①)高圧脱水固化処理した浚渫土の脱水特性鉄道総合技術研究所粘性土(強度・変形②)細粒土混入率が高いバラスト道床における道床横抵抗力試験日本大学粘性土(強度・変形③)繰返し一面せん断試験における供試体内部変形の観察セッション名地盤工学会誌,65―11/12(718/719) 宗 哲仁川崎貴也柴野勝弘肥前大樹所属セッション名(申込情報・当時)神戸大学粘性土(物理化学的性質)京都大学粘性土(動的性質)名古屋工業大学中間土(強度・変形)東京都市大学砂質土(強度)徳島大学砂質土(変形)清水巧巳京都大学富樫陽太栗田修平吉川高広鉄道総合技術研究所長岡技術科学大学名古屋大学砂質土(物理化学的性質・動的性質)軟岩・硬岩①礫質土、軟岩・硬岩②不飽和土①木戸隆之祐蓮沼佑晃森 喜彦高井静也藤井愛彦方田公章藤澤拓馬藤田東野京都大学東京都市大学太平洋セメント石川工業高等専門学校港湾空港技術研究所竹中工務店九州大学東京工業大学不飽和土②改良土・軽量土①改良土・軽量土②改良土・軽量土③改良土・軽量土④改良土・軽量土⑤改良土・軽量土⑥特殊土①那須郁香佐藤 樹三橋 斎村尾勇成吉川友孝早稲田大学東京大学中央大学福岡大学東京理科大学特殊土②特殊土③リサイクル材料①リサイクル材料②リサイクル材料③山中光一日本大学補強材・排水材鈴木奨士江原佳奈明治大学早稲田大学土壌・地下水汚染①土壌・地下水汚染②板橋智彦東京農工大学土壌・地下水汚染③設樂和彦清水建設安済耕平明治大学伊藤大知早稲田大学河野勝宣鳥取大学相馬嵐史茨城大学地盤環境調査・試験技術廃棄物処分(放射性物質・その他)①廃棄物処分(放射性物質・その他)②廃棄物処分(放射性物質・その他)③自然環境・生態系発表者眞田佳伊登景山隆弘山本秀平堀 匡佑伊藤真一松崎慎也近藤健太町田陽子花上遼太上野嵩太広重敬嗣角亮一郎前田達矢清塘悠論文表題(申込情報)塩分濃度に着目したスメクタイト鉱物の新たな同定方法に関する研究熊本県益城町における地盤調査と軟弱粘性土の動的特性についてガスハイドレートの存在形態を考慮した弾塑性構成式の提案破砕性砂の圧縮特性余震を考慮した非排水繰返しせん断試験に対する弾塑性構成モデルの適用性異方性を考慮した砂質土の伝熱特性に関する実験的検討:加熱温度と飽和度の違い一回の三軸試験で測定した凝灰岩の異方剛性圧縮・せん断過程における粒子破砕の可視化不飽和シルトの排気・排水三軸試験結果に及ぼすセラミックディスクと微細多孔質膜との違い三軸圧縮条件下の不飽和砂内部における局所的な間隙水の曲率特性微粒子を用いた懸濁型注入材の砂地盤に対する浸透特性の検討セメント安定処理土における各種混和剤効果の検証短繊維混合固化処理土の強度およびタフネス37 年にわたる長期養生下での石灰安定処理土の強度変化特性高炉スラグ高含有セメントを用いた地盤改良体の特性(その 11)海水環境におけるセメント改良砂の劣化進行予測シルト質砂質土の液状化特性に及ぼす過圧密履歴と繰り返しせん断履歴の影響所沢地区の関東ロームを対象とした覆土材の放射線遮蔽特性の評価セメンテーションによって保持された超高間隙構造土のせん断特性破砕コンクリートの締固め特性とせん断強さ解きほぐし竹チップ混合土の強度・変形特性破砕した製鋼スラグを添加した製鋼スラグと木くずの混合地盤材料の力学特性粘性土を用いた短繊維混合補強土の強度変形特性に及ぼす目合いおよび剛性の影響自然由来ヒ素を含む掘削岩・土砂からのヒ素溶脱挙動の解析含水比調整と室内大気曝露による自然由来の重金属等含有土の不溶化効果の可能性逐次抽出法および XAFS 法を用いた自然由来汚染土に含まれる重金属類の存在形態の解明セレン排水の新規処理技術の開発その 3~自然由来セレン実排水への適用~土壌粒子画分、団粒構造と土壌へのセシウム吸脱着ベントナイト原鉱石の膨潤圧特性から観た緩衝材における膠結作用の定量評価の試みベントナイト系材料の透水係数に及ぼす粘土鉱物混合率の影響キャピラリーバリア地盤への植物根侵入が遮断・貯留機能に及ぼす影響早稲田大学地下水流動・改良土・ 再生石膏粉末を用いた建設発生汚泥の中間処理プロセスとζ電位に関災害廃棄物 他する研究福岡大学廃棄物処分(管理型・ 海面埋立処分場におけるタイヤチップを用いた遮水層保護手法の検討中間貯蔵)群馬大学豪雨(斜面安定①)火山由来斜面における豪雨を想定した斜面崩壊実験の降雨浸透解析大阪大学豪雨(斜面安定②)大型降雨装置を用いた斜面崩壊実験の計測結果に基づく土壌水分特性のデータ同化福島工業高等専門学校 豪雨(斜面安定③)解析を用いた突発的集中豪雨による盛土構造物の力学挙動金沢大学豪雨(斜面安定④)危険斜面先での地下水位測定による土壌雨量指数の改善に関する研究東京理科大学豪雨(その他)線構造物としての河川堤防の耐浸透性評価のための三次元浸透実験東京都市大学地盤改良①硬質発泡ウレタンを用いた杭状地盤改良工法の支持力推定東京工業大学地盤改良②局所的に透水性が低下した PVD が地盤の圧密挙動に及ぼす影響について大成建設地盤改良③石炭灰埋立地盤に対する静的締固め工法の適用性(その 2)〜改良前・改良後地盤における石炭灰埋立地盤の力学的性状の変化について〜明石工業高等専門学校 地盤改良④薬液注入工法における地盤の不確実性が薬液浸透挙動に及ぼす影響東京工業大学地盤改良⑤杭式深層混合処理工法における改良杭数と地盤挙動に関する遠心模型実験竹中工務店地下水調査地下水トレーサーとしての蛍光染料の原位置計測に関する考察November/December, 2017HP23 発表者松尾遼中野雄太秋葉拓己木佐貫寛神山惇所属セッション名(申込情報・当時)神戸大学DS-5 交 通 地 盤 工 学における設計・評価・維持管理のイノベーション京都大学DS-3 遺 産 の 地 盤 災害からの保全関東学院大学物理探査 他土木研究所サウンディング・物理探査①山口大学サウンディング・物理探査②応用地質サウンディング②大阪市立大学サウンディング③論文表題(申込情報)耐震性に優れ環境に優しい鉄鋼スラグ混合土盛土の開発に向けた現場検証実験古墳墳丘の細粗互層構造に関する基礎的研究―密度・強度に与える効果―表面波探査による S 波速度と PDC から推定した N 値の相関性道路盛土崩壊地における詳細浅層物理探査室内試験における土層強度検査棒と三軸試験による強度定数の比較PDC を用いた埋立地における液状化評価の事例大型動的コーン貫入試験による摩擦音計測実験(その 2:音を利用した粒度特性の評価)濱本昌一郎東京大学移流拡散・地下水移動 微細気泡水の化学的特性が多孔質体中の微細気泡挙動に与える研究日下寛彦東京工業大学浸透①非定常浸透流解析による盛土内水位変化の推定とその影響因子の比較検討Saw Wut Yee 埼玉大学Experimental Study on Internal Erosion Caused by Downward and浸透②Upward Seepage Flow with Different Hydraulic Gradients森瑛北海道大学浸透③降雨時における融雪水の地盤内浸透挙動に及ぼす気象条件の影響磯さち恵大成建設浸透④不飽和ベントナイトの人工海水環境下における吸水特性倉持隼斗早稲田大学規格・基準小型変水位透水試験による砂・ベントナイト混合土の透水係数測定のための供試体の簡易的飽和方法 -給水方法の違いによる影響服部健太関西地盤環境研究セン 基準・その他技能試験のために予備作製した供試体の均質性と強度特性についてター太田信之介茨城大学現地計測高飽和度領域における体積含水率の測定精度に関する基礎研究瀬崎章太郎環境地質地形・地質岩盤解析に用いるバランス断面法を模擬した弾塑性有限要素解析手法の提案小坂慎一大阪市立大学地盤情報データベース 大阪地域の 250m メッシュ浅層地盤モデルにおける粘土層の圧密特性の見直し清水 翼千葉大学DS-4 地 盤 情 報 デ ー 三次元グリッドモデルに基づく中川低地南部における地震動増幅特性タベースの整備とその の評価利活用青柳悠大東京大学DS-7 エ ネ ル ギ ー に 平均有効主応力で正規化した消散エネルギーに基づく複数回液状化試基づく液状化予測の可 験の分析能性篠原智志鹿島建設DS-6 新 し い 地 盤 環 散水型カラム浸透試験による自然由来砒素を含む岩石の溶出挙動評価境管理と基準に向けた取組志鷹伸太朗福井大学ボーリング・サウンデ ポータブル式小型孔内せん断試験装置の開発ィング・リスクマネジメント・地下水調査Laboratory Test on the Performances of Water-jet Ejector and Itsビン グエン 五洋建設圧密・沈下①Application Method for Vacuum Consolidation Method石原朱莉神戸大学圧密・沈下②原位置水浸沈下試験手法の開発に向けた現場検証実験豊田智大名古屋大学圧密・沈下③u-w-p formulation に基づく水~土骨格連成解析手法による高透水性土の即時沈下解析毛利惇士東京理科大学締固め締固め時の施工管理データと締固め地盤の飽和時せん断特性の関係田崎陽介東京都市大学切土・掘削スパースモデリングを用いた土留め工における逆解析の基礎的検討小嶋 創東京農工大学豪雨(土石流①)粒子法に基づいたため池貯水池土石流流入解析手法を用いた初期粒子間隔の影響評価片岡 知山口大学豪雨(土石流②)近年土砂災害が発生した防府市および広島市の土石流発生頻度の推定佐竹亮一郎群馬大学設計法・教育 他FEM を用いた信頼性解析とそれによる斜面安全率の評価京矢侑樹大阪市立大学サウンディング①うめきた2期地区での地盤調査結果(その1:調査概要とボーリング結果)植田 律応用地質地すべり・落石①豪雨により発生した退行性地すべりの機構解析及び対策工法検討結果堀 耕輔名古屋工業大学地すべり・落石②落石防護土堤の耐衝撃挙動に及ぼす落体質量と衝突速度の影響に関する DEM 解析Effect of Soil Plasticity on Shallow Landslide triggered by Rainfallイ ス テ ィ ヤ ン 山梨大学地すべり・落石③テイ メガリア豊嶋祐太水野建人HP24地盤工学会誌,65―11/12(718/719)
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  • タイトル
  • 平成28年8月北海道豪雨災害調査報告会(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 石川 達也
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP25〜HP25
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180030
  • 内容
  • 平成28年8月北海道豪雨災害調査報告会Special Session on Heavy Rainfall Disasters in Hokkaido on August, 2016石川達北海道大学大学院也(いしかわ たつや)公共政策学連携研究部 教授高い所では斜面崩壊が,標高が低い所では河川増水に起1. は じ め に因する地盤の侵食や洗掘が生じたことが報告された。特(公社)地盤工学会災害連絡会議は,地盤工学会北海に,これまで道内で大規模な土砂災害が報告されていな道支部を中心とした産・学の地盤工学の専門家からなるい風化花崗岩(まさ土)や周氷河性堆積物など従来と異「平成 28 年 8 月北海道豪雨による地盤災害調査団」(団なる問題土の顕在化の可能性が指摘された。長: 石川達也 地盤工学会災害連絡会議北海道委員)を「道道・高速道路・鉄道の被害概要」では,道道で最結成した。調査団は,平成 28 年 8 月に北海道を襲った歴大降水量観測後に土砂災害が発生したことや,JR の橋梁史的な豪雨災害について,これまで全道各地で被害状況で河道と橋台の方向の不一致や大量の流木の堆積が想定と復旧状況に関する調査を行い,地盤災害の現象・事象以上の水平荷重が作用させ,橋台や橋脚を流失させたこの原因の学術的究明と,災害の早期復旧並びに防災・減とが報告された。特に,前者の時間遅れについては,災災技術の向上について検討してきた。本特別セッション害発生時間の推定精度や災害発生地点と離れた観測点ででは,調査団の 8 編の報告(表—1)を通して,調査の結の降水量の観測精度に問題がある可能性が指摘された。果明らかになった平成 28 年 8 月北海道豪雨災害の被害の「河川堤防の被害と復旧の概要」では,空知川堤防が特徴と,それを踏まえての今後の道路・鉄道・河川堤防上流側約 300m,下流側約 150m の区間に亘って決壊し,管理や防災・減災対策とこれに関連する研究や行政に対上流部は堤外側からの越流が,下流部は堤内側からの越する提言が報告された。流がそれぞれ破堤の主要なメカニズムであったことや,空気湧出に伴う基盤漏水や噴砂の有無あるいは堤体およ表-1表特別セッションの報告内容題1. 被害概要2. 気象概要3. 国道274号・国道38号の被害概要と地盤工学的特徴4. 道道・高速道路・鉄道の被害概要5. 河川堤防の被害と復旧の概要6. 総括発表者石川達也(北海道大学)川端伸一郎(北海道科学大学)木幡行宏(室蘭工業大学)川村志麻(室蘭工業大学)磯部公一(北海道大学)西村聡(北海道大学)川尻峻三(北見工業大学)石川達也(北海道大学)2. 調査報告成果の概要「被害概要」では,過去に例を見ないほど複数の台風が連続して北海道に襲来し,道内の広い範囲で道路,鉄び堤内地盤の内部構造把握のために実施された原位置試験(表面波探査)の結果が報告された。「総括」では,北海道の地域性を考慮した地盤工学研究や地盤防災行政を考える上で今後重要な技術的検討項目として,①雨慣れ・気象慣れしていない地盤の扱い,②従来の想定を超える豪雨対策の検討,③従来と異なる問題土・崩壊形態の顕在化の可能性,④豪雨時に地盤内に浸透しない表面流の扱い,⑤河道の蛇行・流路変動による土構造物の被害,の 5 点が示された。3. まとめ道,電気および水道等の社会基盤施設に甚大な被害が生昨年の災害発生からほぼ 1 年経過後の報告会の開催とじたことや,昭和 56 年以降の主な道内の豪雨災害と比較なったが,会場一杯の多数の参加者があり,研究者・技し,昨年の豪雨災害の被害額が過去最大規模であったこ術者の関心の強さを伺わせるセッションとなった。質疑とが報告された。では,本州と北海道の豪雨災害の発生メカニズムの違い「気象概要」では,平成 28 年 8 月中旬の一週間に 3や,積雪寒冷地における記録的な豪雨災害に対する防つの台風(7,9,11 号)が北海道に上陸したことや,東災・減災対策の在り方に関する討論があった。今後なさ北地方太平洋側に台風 10 号が上陸したことは,昭和 26れるであろう,これらの回答となるより詳細な被災原因年の気象庁の統計開始以来,初めてであったことが報告の学術的な究明や被害軽減策に関する研究・対策工の効された。特に,台風第 10 号は,日高山脈の東側で「地形果検証に関する検討など,この分野の更なる研究の進展性降雨」を発生させた結果,500mm を超える積算雨量とを期待したい。なお,調査団は,地盤工学会のホームペなるなど,各地で観測記録を更新する豪雨となった。ージを介して調査活動成果(報告書および報告会資料)「国道 274 号・国道 38 号の被害概要と地盤工学的特徴」では,台風 10 号の接近に伴う地形性降雨により,標高がNovember/December, 2017を公開している。参照いただければ幸いである。(原稿受理2017.9.4)HP25
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