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21-1-1-02第55回地盤工学研究発表会堆積時に乾燥を受けた焼津粘土の三軸圧縮非排水せん断強さの評価土質分類粘性土1. はじめに強度高速道路総合技術研究所国際会員○日下寛彦地盤技術リサーチ国際会員斎藤孝夫中島康介堆積時に乾燥を受けた焼津粘土の三軸圧縮非排水せん断強さの評価法について、検討したものである。検討では Ladd et al. (1977)の式を用いているが、ここでは応力範囲を過圧密・正規圧密の二領域について適用している。2. 三軸圧縮非排水せん断強さ表 1 はサンプルの基本物性値、図 1 は非排水せん断強さ(su)と圧密応力(σ3)の関係、表 2 は図 1 のデータを σ3 = 0 の時の非排水せん断強さ(su0)Table 1から区分したものである。A は正規圧密部分の直線が原点No.T.P.を通過するもの、B/C/D は最小圧密応力部分の直線をその4233134353841424648505253555660657172899192134135−9.51.9−3.4−8.3−10.4−24.20.7−0.9−8.2−15.5−23.12.61.6−0.1−1.7−21.9−32.1−6.7−8.3−25.1−31.6−37.6−23−23.9wL(%)45.551.450.640.335.335.837.634.142.733.736.551.356.143.555.3353828.732.234.937.243.442.942.59まま延長したときの su0 の値である。図 1 には、sup(圧密降伏応力に等しい圧密応力時の非排水せん断強さ)/σ3= 0.5 の直線も書き入れてある。一般的に、正規圧密粘土の su/σ3が 0.5 より大きくなることはない。Ladd et al.の式: (cu/σv0’)oc/(cu/σv0’)nc= (OCR)m を変形して、次のように表示する。(su/σ3)oc = (su/σ3)nc (σp/σ3)m(1)図 2 は、図 1 を検討する時の考え方を説明したものである。Sample 1 は、正規圧密(NC)領域の su・σ3 が原点を通る場合である。σp/σ3 < 1 の時、su/σ3 は一定であるから、m =0 である。Sample 2 は、正規圧密領域の su・σ3 が切片を持つ場合である。m > 0 である。切片値が大きいほど、m も大きくなる。図 2 の下図は、式(1)の関係を両対数グラフにプロットしたものである。σp(三軸試験での圧密降伏応力)/σ3 = 1 が、sup・σp を与える。しかし、図 1 から σp をきめるのは難しい。そこで、圧密降伏応力(pc)を用いて整理する。なお、図 3 は Terzaghi et al.によるもので、σpI’/σp’ =Table 2Basic properties of soilswp (%)PrCFMPCPpc (kN/m2)23.219.42520.32219.120.419.126.421.725.621.922.422.224.119.723.516.519.11719.720.922.8919.490.961.651.020.990.600.870.840.790.620.550.431.341.500.961.290.780.620.740.691.050.891.080.871.1928164512133825181842522830213735312014411648391255174431321145285042473641315250351822375134497517671157555130543216136294811153462642233181213100100185200270230100179380275330564914912025630076115230290580420410Types of triaxial undrained shear strength.TypeABsu0 (kN/m2)0*< 50CD50−100≧ 1000.46−0.84 であるが、ここでは、便宜上、σp = pc とする。図 4 は、式(1)を用いて図 1 を表示したものでNo.42, 46, 5523, 31, 35, 38, 41, 52, 53, 56, 71, 724, 34, 48, 50, 9160, 65, 89, 92, 134, 135ある。sup/pc と m を求めて、図 5 を作成した。図中、小点線〇で囲んだように、NC 領域と OC(過圧密)領域から求めた sup/pc の値はほぼ等しいので、片方の領域の値同士でも検討の対象とした。Zone 1 の平均値は 0.36 であるが、Zone 2 ではPr(塑性比)の増加に伴い減少する。Zone 1 と Zone2 の違いを明らかにするために、図 6 を作成した。図 6 は、sup/pc と m の関係である。OC 領域のsup/pc と m の値が、圧密応力の増加とともに NC領域に移行したときにどのように変化するかを調べようとしたものである。記号の黒が OC 領域、白が NC 領域、大きい〇が図 5 の Zone 2、長い点線矢印が OC 領域から NC 領域の移行である。m = 0.2 が Zone A と Zone B の区分である。Zone A のサンプルは、図 5 では破線長方形の中に位置する。Zone 1 には、Zone A と Zone B のサンプルが位置をすみ分けながら存在している。Zone 2 は、sup/pc≧0.5、m≧0.2 の Zone C に位置する。m=0.6 によって、Zone C は、Zone C1 と Zone C2 に区分される。図 7 の物性値を参考にして、Zone 毎の特徴を検討する。Zone A と Zone Bの粒度に大きな違いはないが Pr は Zone B の方が大きい。Zone C の粒度と Pr を Fig. 7 に太白丸で示した。これから、mUndrained shear strength of Yaizu clay overconsolidated bydesiccation© 公益社団法人 地盤工学会Kusaka, K. and Nakashima, K., NEXCO Research InstituteJapan. Saito Takao, GER Limited.- 21-1-1-02 -21-1-1-02第55回地盤工学研究発表会値は粒度や Pr よりも堆積時の乾燥の程度に影響される。No. 46は Zone B から Zone A、No. 65は C2 から C1、No. 89 は C2 の上部から下部へと移行する。即ち、乾燥の程度は、Zone A は僅か、そして、Zone B / Zone C1 / ZoneC2 の順に大きくなるのである。結論強度に及ぼす乾燥の影響は、Ladd et al.の式から sup/pc及び OC と NC 領域の m 値を計算することによって定量的に評価することができる。© 公益社団法人 地盤工学会【参考文献】 1. Ladd, C. C., Foot, R., Ishihara, K., Schlosser, F & Poulos, H. G. (1977). Stress-deformation andstrength characteristics: state of the art report. Proc. 9th Int. Conf. Soil Mech., Tokyo 2, 421-494.2. Terzaghi, K., Peck, R. B. and Mesri, G. (1996): Soil mechanics in engineering practice, 3 rd edition, 167.- 21-1-1-02 -
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