書籍詳細ページ
出版

タイトル 平成28年熊本地震で生じた帯状液状化域における液状化危険度評価手法に関する検討
著者 平田涼太郎・村上 哲・坂本龍太朗・三輪 滋
出版 第54回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 49〜50 発行 2019/06/20 文書ID rp201905400025
内容 表示
ログイン
  • タイトル
  • 平成28年熊本地震で生じた帯状液状化域における液状化危険度評価手法に関する検討
  • 著者
  • 平田涼太郎・村上 哲・坂本龍太朗・三輪 滋
  • 出版
  • 第54回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 49〜50
  • 発行
  • 2019/06/20
  • 文書ID
  • rp201905400025
  • 内容
  • 0025A - 10第 54 回地盤工学研究発表会(さいたま市) 2019 年 7 月平成 28 年熊本地震で生じた帯状液状化域における液状化危険度評価手法に関する検討非液状化層 PL5 液状化危険度判定結果福岡大学大学院 学生会員 ○平田 涼太郎福岡大学 国際会員村上哲福岡大学 学生会員 坂本 龍太朗飛島建設 国際会員 三輪 滋1. はじめに平成 28 年熊本地震により熊本平野部では甚大な液状化被害が生じた。これは、熊本特有の火山由来の土質の影響に加え、従来指摘されている埋立地盤だけでなく、旧河道部、自然堤防部の一部で液状化の帯として現れたように、限定的に生じているのが特徴的である。液状化の危険度を評価するためには、その地盤における液状化層の有無、層厚の情報が必要であり、戸建て住宅の被害については、液状化層が表層付近に存在するかどうかが特に重要であると考えられる。現状の宅地地盤を対象にした液状化危険度判定法では、深度 20m までの液状化可能性指数(PL 値)と地表面からの非液状化層(H1)等により評価されるが、この判定法は埋立地盤の被災が多かった東日本大震災後に提案された方法であり、帯状液状化が生じた自然堆積地盤においてそのまま適用するには課題があると思われる。本研究では、液状化発生と液状化層の関係について詳細に調査した結果に基づいて、宅地地盤を対象にした液状化被害に与える液状化層の影響評価法を提案し、その有効性について検討した。2. 液状化被害に与える液状化層の影響評価A1-1図-1 は近見から川尻地区での地盤情報(緑)、前震後液状化地点A1+1(青)、本震後液状化地点(赤)を表している。また、図-2,3 は近見からA1-3A1+2川尻地域での地盤情報をまとめた表である。液状化危険度指数を表すPL 値を算出するために液状化に対する安全率FL 値を次式により求める。FL =R/L(2.1)ここで、R は液状化強度比、L は地震時に作用するせん断応力比である。それにより、FL ≦1.0 では液状化の可能性有と、FL ≧1.0 では液状A1+3A1-4A1-5A1-6A1+7A1-7A1-8A1+8A1+9A1-9A1+10A1-10(2.2)A1+4A1+5A1+6A1-3A2-4A2-3A2+1式で求める。ZA1-2A2-2化の可能性が低いと判断できる。また、液状化危険度を表すPL 値を次PL = ∫0 L F・W(z)dz*1A2+2A2-5A2-1w(z)は w(z)=10-0.5z で定義される重み係数で深度 z(m)の関数、F はFL 値の関数であり、FL ≧1.0 のとき F=0、FL ≦1.0 のとき F=1.0-FL と定義A2+3A2-7A2-8される。計算深度はZL であり、道路橋示方書ではZL = 20𝑚である。こ化危険度が極めて高いとなる。、黄色が砂層、青が粘土層、茶色が礫質土層、白色が埋土・その他の地盤、青色の破線が地下水位、凡例近見~川尻対象地盤情報のとき、PL =0 では液状化危険度はかなり低い、0<PL ≦5 では液状化危険度は低い、5<PL ≦15 では液状化危険度が高い、15<PL では液状*2前震後液状化地点A2-6本震後液状化地点図-1 近見~川尻間の対象地点図-2 近見~川尻液状化帯内の液状化層の分布図-3 近見~川尻液状化帯外の液状化層の分布Study on liquefaction risk assessment method in the band ofR.Hirata S.Murakami R.Sakamoto Fukuoka Universityliquefaction occurred by the 2016 Kumamoto EarthquakeS.Miwa Tobishima Corporation49 赤でFL ≦1.0 と結果が出た地層を表している。さらに、国土交通省市街地液状化対策推進ガイダンス 3)により定められた手法(公共施設・宅地一体型液状化対策工法の判定基準)による液状化危険度判定では、表層の非液状化層とPL 値との関係が A、B1、B2、B3、C の 5つに区分され、液状化による宅地被害の評価を行っている。この評価法による結果を図-2、3 にも示している。図-2 の近見から川尻地区での液状化が発生した液状化帯内の地域では、地表面で噴砂が発生した。ここでは、液状化層厚が表層付近に厚く存在しており、PL 値がほとんどの地点で 15 を超えていた。一方、図-3 の液状化が発生していなかった帯外の地域では、地表面で粘土層が堆積し、非液状化層(H1)が深い位置に存在していたこと、PL 値が帯内の地域よりは低い傾向にあったことが分かっている。図-2、3 の判定結果では、A、B1 が「顕著な被害の可能性が低い」に属するものであり、それ以外は、液状化の被害が予想されるものである。表より液状化帯内のすべての地点において、顕著な液状化の可能性が予想される地点であることが分かる。一方、液状化の被害が確認されてない、あるいは、噴砂も生じていない帯外の地点では、多くは A、B1 を示し、この判定方法の有効性を示すと考えられるものの、A1-5 では B3、A2-5 では C を示す結果となっている。図-2,3 に示した該当地盤の液状化層を見てみると、表層付近に薄い液状化層が存在するために H1 が小さくなり、その結果、判定が上記のようになったと考えられる。このように、現行の判定方法では、H1 の影響を大きく受けることが分かる。本研究では、それを改善するための新たな評価法を提案する。そこで、PL 値の計算には従来 20m までの深度のFL 値の分布から計算される(これを以降 PL20 と呼ぶ)が、ZL を 10m、5m とした PL10、PL5 を新たに算出した。そ60.0050.00PL値40.0030.00前震、本震後メッシュランクの結果が図-4 である。液状化帯外値およびメッシュランクグラフ液状化帯内前震後メッシュランク54本震後メッシュランクPL53PL10PL20220.00策推 進ガイ ダンス による 液状化 危険度 判定10.000A1-1,AA1-3,AA1-4,AA1-6,AA1-7,AA1-8,AA2-1,AA2-2,AA2-3,AA2-4,AA2-6,AA2-7,AA2-8,AA1-5,B3A1-10,B1A1-2,AA1-9,B1A1+5,CA1+10,CA2+3,CA2+2,CA1+8,B2A1+7,CA2+1,CA1+1,CA2-5,CA1+9,CA1+3,CA1+6,CA1+4,CA1+2,C10.00前震、本震後メッシュランクッシュランクグラフボーリングNo.および国土交通省 市街地 液状化 対策推 進ガイ ダンス による 液状化 危険度 判定図-4 PL 値及びメッシュランクの関係を表したグラフPL20 の値を見ると、前述のとおり深度が 20m以浅のデータがあり、PL 値の大小における規則性が見られなかった。帯内では PL20 が15 以上を超える地点がほとんどであった。帯外でも半数の地点で PL20 が 15 を超える地点が存在し、液状化帯内外で規則性は見られない。また、PL10 でも同様に液状化帯内外で規則性が見られなかった。なお、計算深度ZL 以浅のデータの場合は、その深さまでの検討をしている。一方、PL5 を見てみると、液状化帯外では、0 から 2.6 までであったのに対し、帯内では PL5 が 7.5 以上で噴砂が確認された。このことから、宅地被害に与える液状化層は 5m ぐらいの深さであること、PL5 は PL5<2.6 で液状化する危険性が低いと考えられる。一方、帯内では PL5 が 7.5 以上を記録したところから PL5>7.5 で、液状化危険度が高く、地表面に影響を及ぼすものと考えられる。また2.6<PL5≦7.5 の範囲に、液状化による被害のしきい値があると思われる。今後、事例を増やして解明していくことが必要である。以上のことから、当該地域においては、PL5 を用いて判断することにより、液状化による噴砂の発生状況を統一的に評価することができ、宅地に与えた液状化の影響の評価の指標になることが期待できる。3. まとめ1) 従来の判定法では液状化帯内では統一的に評価できるものの、液状化の発生が確認できていない帯外の地域でも液状化被害の可能性があるとされる地点が存在した。2) この矛盾点を改善するために、新しく提案した PL5 を用いることによって、帯状液状化域内外を統一的に評価できることを確認した。3) この結果、液状化で宅地に影響を与えるのは 5m 以内であり、PL5 が 0<PL5<2.6 では液状化は発生しないと考えられ、現段階で7.5 以上では液状化は発生しやすくなり、地表面に影響を及ぼすことを示した。以上の結果より、当該地域においては、PL5 を用いて判断することにより、液状化による噴砂の発生状況を統一的に評価することができ、宅地に与えた液状化の影響の評価の指標になることが期待できる。【謝辞】 本研究を進めるにあたり、国土地理院より空中写真を、熊本市役所震災宅地対策課よりボーリング柱状図および土質試験データを提供いただいた。記して謝意を表します。【参考文献】 1) 平田涼太郎、村上哲、櫨原弘貴: 液状化ハザードマップに利用するメッシュサイズの検討, 土木学会西部支部研究発表会講演概要集 , pp.357-358, 2017.2) R. Hirata et al.: Liquefaction Expansion Caused By Foreshock And Main Shocks Of Japan’s 2016Kumamoto Earthquake, International Symposium on Lowland Technology 2018, No.80, 2018.3) 国土交通省都市局都市安全課、市街地液状化対策推進ガイダンス【本編】、2016.4) 平田 涼太郎、村上 哲、櫨原 弘貴、野見山 陽、三輪 滋: 平成 28 年熊本地震における帯状液状化域における地盤特性と液状化影響,土木学会西部支部研究発表会(2019 年 3 月発表予定)50前震本震5
  • ログイン