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出版

タイトル 硬質地盤への鋼管杭回転切削圧入工法の適用
著者 小杉 翼・小林弘元・畔上裕行
出版 第54回地盤工学研究発表会発表講演集
ページ 31〜32 発行 2019/06/20 文書ID rp201905400016
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  • タイトル
  • 硬質地盤への鋼管杭回転切削圧入工法の適用
  • 著者
  • 小杉 翼・小林弘元・畔上裕行
  • 出版
  • 第54回地盤工学研究発表会発表講演集
  • ページ
  • 31〜32
  • 発行
  • 2019/06/20
  • 文書ID
  • rp201905400016
  • 内容
  • 0016K - 07第 54 回地盤工学研究発表会(さいたま市) 2019 年 7 月硬質地盤への鋼管杭回転切削圧入工法の適用極限支持力鋼管杭載荷試験東日本高速道路㈱正会員同㈱フジタ○小 杉翼小 林弘 元畔 上裕 行1. はじめに当社では現在、「高速道路リニューアルプロジェクト」として、老朽化した構造物の更新・修繕や予防保全に取り組んでいる。上信越自動車道においても、図-1 のように供用開始時から微小な地すべりを継続的に起こしているのり面が高速道路の本線際に存在し、これまでにグラウンドアンカー及び抑止杭による地山の安定化を図ってきた。しかし、アンカーの老朽化が顕著な上、増打ちするスペースも殆ど無い状況となっている。そこで今回、本線への地すべりのリスクを無くす抜本的な対策として、本線上にボックスカルバートを構築し、そ図-1 現場状況の上に盛土を行うことで、押え盛土の効果による地山の安定を図る工事を実施することとした。本線に近接した箇所でカルバートの基礎を施工する必要があることから、回転切削圧入(ジャイロプレス)工法を採用することとなったが、基礎杭の支持層となる頁岩層は、路面から比較的浅い位置にあり、平均換算 N 値 1,085、最大で 1,500 と非常に硬質であることが既往の土質試験の結果から判明している。本稿では、硬質地盤条件下で回転切削圧入工法を適用するにあたって生じた課題と、それらに対する検討内容について報告する。図-2 断面図2. 支持力の評価当該箇所の断面図を図-2 に示す。地山を切り開いて片側 2 車線の道路を供用しており、地すべりを起こしている上り線側の切土は 7 段の長大のり面となっている。本工事において、下り線側ののり面を掘削してカルバート壁厚分の幅員を確保し、鋼管杭による基礎を施工、その上にカルバートを構築する。基礎杭の計画段階において複数の工法を比較・検討した結果、本線の通行止めや対面交通規制をせず、交通流への影響を最小限に抑えながら鋼管杭を打設するためには、近接施工に長けている回転切削圧入工法が最も望ましい工法とされた。新設するカルバートにおいては、側壁の基礎杭がφ1,000、中壁がφ1,500 としており、延長約 300m に対して側壁では 1 列あたり 218 本、中壁では 1 列あたり 170本打設することになる。回転切削圧入工法における杭の極限支持力は、次式のとおり杭先端における極限支持力と周面摩擦力の和で算出される。Ru=qd・A+UΣ(Li・fi)ただし、Ru:杭の極限支持力[kN]、qd:杭先端の極限支持力度[kN/m2]、A:杭先端面積[m2]、U:杭の周長[m]、Li:周面摩擦力を考慮する層の層厚[m]、fi:周面摩擦力を考慮する層の最大周面摩擦力度[kN/m2]である。回転切削圧入工法において、極限支持力の算定につい図-3 ジャイロプレス工法(提供:株式会社技研製作所)ては設計 N 値の上限を 40 としている。また、鉛直支持力の算出自体、既往の載荷試験から確認がとれているφ1,000 の鋼管杭までを対象としているため、今回の施工内容は従来の工法の適用範囲を大きく超えることになる。Application of Rotary Cutting Press-in Methodfor Tubular Piles into Hard GroundKOSUGI, Tsubasa East Nippon Expressway Company LimitedKOBAYASHI, Hiromoto East Nippon Expressway Company LimitedAZEGAMI, Hiroyuki Fujita Corporation31 そこで、以下のプロセスを経ることによって、鋼管杭の極限支持力を算出し、杭長を決定することとした。①支持層が非常に硬質なことから、設計段階においては、qd=6,000kN/m2(設計 N 値=100)、fi=200kN/m2(設計 N 値=50)に設定し、杭長を仮決定する。②道路橋示方書Ⅳ(H24)で提案されている内容に則り、岩盤に対する支持力評価を行うため、鉛直載荷試験を実施する。③本施工と同じ地質条件で鉛直載荷試験を実施するため本線脇のヤードを使用し、φ1,000・φ1,500 でそれぞれ支持層根入長を 3 種類設定し、合計 6 回行う。打込み杭に適用が可能で、今回必要となる荷重-変位量関係の関数が得られる鉛直載荷形式の試験法はいくつか存在するが、今回は非常に狭隘な土地での試験となるため、装置が最も小規模な急速載荷試験を採用する。④急速載荷試験で得られた荷重-変位量曲線等から支持力特性値を把握し、①で暫定的に決定した設計内容に対して極限支持力及び杭長の見直しを図る。①については、回転切削圧入の能力自体は換算 N 値 1,500 程度まで対応できることから、近隣地盤の N 値も考慮してこの値とした。試験杭の配置案および施工イメージを図-4・5 に示す。図-4試験杭・急速載荷試験配置図図-5急速載荷試験装置3. 今後の検討前述した内容に基づいて試験施工を実施するが、支持層が硬質であるため、必要な支持力に対して杭先端における極限支持力が非常に大きなウェイトを占めることが予想される。このことから、以下の点に注意して評価することが必要であると推察される。①圧入だけでなく回転切削を伴うため、施工中に杭先端部の土を乱すことが考えられる。これにより実際の土質特性と既往の土質調査結果に差異が生じ、結果的に杭全体の支持力が過小となるリスクがある。②周面摩擦力についても、回転切削圧入という特性上、施工時に杭の周囲に切削屑が混入する可能性が想定されることから、N 値換算ほどの摩擦力が生じない可能性がある。4. さいごに今回紹介した、硬質地盤への回転切削圧入工法の適用については、前例が少なく非常に特殊な条件下での施工となる。しかし、供用している構造物の更新・修繕といった事業が将来的に増加していくことを考えると、道路直近で鋼管杭を施工するといった場面は今後も必然的に生じると想定される。本工事における支持力の検討プロセスが、類似条件下での回転切削圧入工法の検討時に参考になれば幸いである。本工事においても鋼管杭の打設及び急速載荷試験を本線に近接した場所で実施することになるため、引き続き安全に十分留意して工事を進めてまいりたい。5. 参考文献・国際圧入学会:ジャイロプレス(回転切削圧入)工法による鋼管土留め擁壁設計・施工指針、平成 26 年 3 月・七澤利明、河野哲也、田辺昌規:岩盤を支持層とする杭の先端極限支持力度の評価、土木研究所資料第 4303 号、平成27 年 2 月・社団法人地盤工学会:杭の鉛直載荷試験方法・同解説、平成 16 年 9 月・東日本高速道路株式会社:設計要領第二集橋梁建設編、平成 28 年 8 月32
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