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タイトル 新規制定地盤工学会基準・同解説 岩盤の原位置一軸引張り試験方法(JGS 3551-2020)【ダウンロード版】
著者 地盤工学会 地盤調査規格・基準委員会 岩盤の三軸圧縮試験及び一軸引張り試験方法基準化WG
出版 新規制定地盤工学会基準・同解説 岩盤の原位置一軸引張り試験方法(JGS 3551-2020)【ダウンロード版】
ページ 発行 2021/03/01 文書ID os202103010001
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  • 新規制定地盤工学会基準・同解説岩盤の原位置一軸引張り試験方法(JGS 3551-2020)【ダウンロード版】2021 年 3 月公益社団法人地盤工学会 序文地盤工学会(旧土質工学会)は,「土質試験法解説(第 1 集)」を 1956 年に,「同(第 2集)」を 1959 年に発刊して以来,試験・調査法とその解説に関する単行本を,およそ 10年ごとに改訂出版してきた。現今,これらは「地盤材料試験の方法と解説【第一回改訂版】」(2020 年刊)及び「地盤調査の方法と解説【2013 年改訂版】」(2013 年刊)として刊行され,広く利用に供されている。しかしながら,近年は,技術の進歩が早く,また基準の標準化への要望も高まり,室内試験・地盤調査法に関する地盤工学会基準(JGS)においても,上記の単行本の改訂期にかかわりなく新規制定や改正が恒常的に行われるようになっている。学会基準の制定・改正は,学会誌「地盤工学会誌」に公示し,基準素案は学会ホームページに掲載している。このように,内容と経緯は案の段階で公示されているものの,会員の意見等に対する検討の結果,場合によってはその後に修正や変更が加えられることがあり,所定の審議を経て正式に施行された最終的「成案」の速やかな周知を図る機会が従来はほとんどなかった。また,利用者への適切な普及には基準の「解説」が重要な役割を果たすことから,解説についても早期上梓への期待が大きかった。こうした事情から,上記の単行本の補遺版として,順次成案となった最新の学会基準・解説を編集し,小冊子シリーズとして発刊してきている。しかしながら,昨今の書籍の電子化の情勢を鑑みて,2018 年より,紙媒体の小冊子は廃止し,ダウンロード販売として取り扱うことを決定した。当冊子の主旨から,ここに収録した基準と解説は,上記の単行本の次回改訂に際しては本編に収録される予定である。最後に,当冊子を編集・刊行するに当たり,担当各委員会・ワーキングおよび学会事務局の関係各位のご尽力に深甚なる謝意を表するとともに,当冊子がさらなる進歩・発展に寄与することを願ってやまない。基準部長 豊田浩史 岩盤の原位置一軸引張り試験方法(JGS 3551-2020)岩盤の三軸圧縮試験及び一軸引張り試験方法基準化 WG目次123まえがき ·················································································································· 1地盤工学会基準「岩盤の原位置一軸引張り試験方法」(JGS 3551-2020) ······························ 2基準の解説 ············································································································· 103.1 総則 ···················································································································· 103.2 試験装置 ·············································································································· 103.3 供試体の作製 ········································································································ 123.4 試験装置の組立て ·································································································· 133.5 試験方法 ·············································································································· 143.6 試験結果の整理と報告事項 ······················································································ 143.7 試験結果の評価と利用 ···························································································· 153.8 基準以外の試験方法 ······························································································· 16引用・参考文献 ············································································································· 18- i - 岩盤の三軸圧縮試験及び一軸引張り試験方法基準化 WG 名簿No.1234567会務リーダーWG 幹事メンバーメンバーメンバーメンバーメンバー氏名谷 和夫岡田 哲実白鷺 卓木村 英雄小川 浩司西山 竜朗清木 隆文- ii -所属東京海洋大学 学術研究院一般財団法人 電力中央研究所鹿島建設株式会社 技術研究所株式会社ダイヤコンサルタント応用地質株式会社岐阜大学宇都宮大学 破壊まで連続的に調べる要素型の原位置岩盤試験方法が第 1 章 まえがき1990年代後半から我が国で精力的に研究され開発された。その特長は,室内で行う各種の一軸・三軸試験と同じ原理によって,岩盤(ロックマス)の特徴である不連続性・不均質性・非一様性を有する供試体(岩体)について明確な初期条件・境界条件の下における平均的な応力~ひずみ関係を計測して,岩盤の変形特性と強度特性を合理的に評価できることである。これらの要素型の原位置岩盤試験は,拘束圧の有無(一軸または三軸),実施の深さ(露頭や表層または孔底),軸荷重の方向(圧縮または引張り)の観点から,概ね以下の3 種類に分類される。・原位置一軸・三軸圧縮試験・原位置一軸引張り試験1.1 岩石及び岩盤の引張り試験岩石の引張り強さを調べる試験方法には一軸引張り試験や圧裂試験などがあるが,簡便で実施が多いことから 2002 年に「圧裂による岩石の引張り強さ試験方法(JGS 2551)」が基準化された。しかし,圧裂試験は荷重の作用点近傍で応力集中があり破断面に沿って非一様な圧縮応力が作用する構造体の載荷試験であることから,一軸引張り試験などの要素型の試験により引張り強さを評価することの重要性が指摘されていた。また,岩盤(ロックマス)の引張り強さは,試験の実施が困難で結果のばらつきも大きいことから従来は無視(保守的に評価)されてきたが,岩盤斜面の安定性評価では過剰に安全すなわち不経済な設計になることから,引張り強さを合理的に調べることができる試験方法の開発が望まれていた。これらの要望に応えて,2013 年 6 月に「岩石および岩盤の一軸引張り試験方法基準化検討 WG」が基準部に設置され,基準化の必要性と可能性が検討された(地盤工学会,2014)。検討の結果,岩石を対象とした室内一軸引張り試験については,技術的に確立して実施も多いことから基準化が可能であり,海外基準(ISRM や ASTM)が制定されていることから国内基準も必要と判断された(小野ほか,2015)。2014 年 6・孔底一軸・三軸圧縮試験1.3 基準化の経緯原位置一軸・三軸圧縮試験と孔底一軸・三軸圧縮試験は,せん断強さや圧縮場における変形特性を調べる既存の原位置岩盤試験(岩盤せん断試験や平板載荷試験,プレッシャーメータ試験など)の代替法として技術的な優位性が極めて高い。また,原位置一軸引張り試験は,従来は不可能であった岩盤の引張り強さを調べることを可能にした。よって,これら 3種類の試験方法は,既存の方法より格段に優れており,かつ普及すべき試験方法として基準化が望まれていた。このよう月には「岩石の一軸引張り試験方法基準化 WG」が基準部に設置され,2015 年に「岩石の一軸引張り試験方法(JGS2552)」が基準化された。一方,岩盤を対象とした原位置引張り試験については,基準化の必要性は高いと考えられたが,技術的に未成熟で研究段階にあることから,時期尚早であると判断された(白鷺ほか,2015)。しかし,重要構造物の耐震性能の評価が厳しくなったことから,岩盤構造物の安定性を適切に評価するために岩盤の引張り強さを調べる試験方法の研究が精力的に進められ,その実施も増えてきた。な状況に鑑み,2017 年 5 月に「岩盤の原位置一軸・三軸試験方法基準化検討 WG」が基準部に設置され,基準化の必要性と可能性が検討された。検討の結果,基準部のルール「規格・基準に関する細則」に示された基準化の検討に当たって考慮すべき 4 項目の条件のうち,「近い将来,普及すべきもの」と「現行の方法に対して,代替法になり得る方法,または著しく有用なもの」の2 項目の条件に該当することから,原位置三軸圧縮試験と原位置一軸引張り試験の 2 種類の試験方法について基準化が必要かつ可能であると判断された(地盤工学会,2017)。一方,孔底一軸・三軸試験についても,同じ 2 項目の条件に該当す1.2 要素型の原位置岩盤試験ると考えられたが,不均質あるいは不連続な岩盤への適用性岩盤の力学特性を調べる原位置岩盤試験として行われてきた岩盤せん断試験(JGS 3511),平板載荷試験(JGS 1521),プレッシャーメータ試験(JGS 1531,3531)は原理的に構造体の載荷試験である。そのため,変形特性については線形弾性体と仮定する必要があることと載荷面の乱れの影響を受けることなどが,強度特性については進行性破壊の影響を受けることと引張り破壊の混在などが,技術的な課題であった。上記の課題を根本的に解決し,有限要素法(FEM)などの数値解析手法に用いる岩盤の非線形な応力~ひずみ関係を1が確認されていないことから,現段階では基準化は困難であると判断された。その後,2018 年 4 月に「岩盤の原位置三軸圧縮試験及び原位置一軸引張り試験方法基準化 WG」が基準部に設置され,2019 年 11 月に「岩盤の原位置一軸引張り試験方法(JGS3551)」が「岩盤の原位置三軸圧縮試験方法(JGS 3541)」と共に基準化された。 地盤工学会基準JGS3551:2020岩盤の原位置一軸引張り試験方法Method for in-situ direct tension test on rocks1適用範囲この基準は,供試体に成形した岩盤が拘束圧を受けない状態で軸方向に引っ張られるときの強度・変形特性を求める原位置試験方法について規定する。主として軟岩から硬岩までを対象とする。注記 1 均質・連続な岩盤だけでなく,不均質・不連続な岩盤にも適用できる。また,破砕帯などにも適用できる。注記 2 岩盤とコンクリートの付着強さを求める場合にも適用できる。2引用規格及び基準次に掲げる規格及び基準は,この基準に引用されることによって,この基準の一部を構成する。これらの引用規格及び基準は,その最新版(追補を含む。)を適用する。JIS A 0207地盤工学用語JIS B 7507ノギスJIS B 7510精密水準器JIS B 7512鋼製巻尺JIS B 7516金属製直尺JGS 2134岩石の含水比試験方法JGS 2511岩石の供試体の作製方法3用語及び定義この基準で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0207 によるほか,次による。3.1供試体露頭や坑道底面において柱状に切り出した岩体。3.2軸方向応力,σa供試体の長軸方向に作用する応力。3.3軸ひずみ,εa,t軸方向に測定した供試体のひずみ。引張りを正とする。3.4側方向ひずみ,εr,t周方向または半径方向に測定した供試体のひずみ。引張りを正とする。2 3.5一軸引張り強さ,st供試体に加え得る最大の軸方向応力。3.6変形係数,Et軸方向応力-軸ひずみ曲線の割線勾配と接線勾配。一軸引張り強さの 50 %における割線勾配で求めた変形係数をEts,50,接線勾配で求めた変形係数をEtt,50 と表記する。4試験装置4.1供試体の作製装置供試体の作製装置は,供試体を切り出すための装置であり,コアリング装置,研磨機などで構成される。注記4.2供試体が角柱の場合は切断機などを用いることもある。引張り試験機引張り試験機は,引張り装置,載荷板,反力ガイド,荷重計,変位計などから構成され,次に示す条件を満たすものとする。注記引張り試験機の構成を図 1 に示す。この構成では,供試体が円筒であり,供試体が角柱の場合に比べて供試体の作製が容易で,中心軸に反力をとり載荷板をまっすぐに引き上げることにより,供試体に曲げが生じにくい点が優れている。現場状況等により引張り試験機を選定するものとする。その他の構成を附属書 A に示す。a) 反力ガイドと引張り装置は,最大軸引張り力に対し,十分な耐荷容量と負荷能力を有する。b)軸方向変位又は軸方向応力を連続して一定速度で与えることができる。c)軸力を供試体の最大軸力まで,その±1 %の許容差で測定できることができる。d)軸変位量を供試体高さの±0.1 %の許容差で測定することができる。変形特性を求めることを目的とする場合には,供試体の側面にひずみゲージや局所変位計を設置して,軸ひずみや局所的な軸変位量を求める。図 1 の例では,軸変位の計測を外部変位計でも行っている。注記供試体の側面に局所変位計を設置せず,載荷板等に設置した外部変位計のみで計測する場合には供試体の上端のベディングエラー及び供試体下端と連続する地山の変形の影響を含んでいることに留意する。局所変位計を設置する範囲は供試体の上端と下端の影響を受けない範囲とする。局所変位計の測定長は,供試体高さの 50~70%程度とすることが望ましい。e)周方向又は側方向の変位やひずみを測定する場合には,軸変位あるいは軸ひずみと同等の精度で測定することができる。4.3a)その他の器具供試体の寸法測定器具供試体の直径の測定はノギスによる。ノギスは JIS B 7507 による。供試体の高さの測定は鋼製巻尺又は金属製直尺による。鋼製巻尺は JIS B 7512 による。金属製直尺は JIS B 7516 による。供試体の上端面の傾きの測定は精密水準器による。精密水準器は JIS B 7510 による。注記ノギスによる直径の測定が困難な場合には,鋼製巻尺により,円周の長さを計測し,直3 径を算出してもよい。鋼製巻尺は JIS B 7512 による。b)供試体の回収装置試験後の供試体を回収する場合,供試体の下端を切断し,引き上げて回収することができる。反力ガイド引張り装置(センターホール型)外部変位計荷重計載荷板接着剤アンカー直円筒供試体直円筒供試体局所変位計図 1-試験装置の例5供試体の作製5.1試験箇所の選定対象とする岩盤を代表する試験箇所を粗く整形した地表面や露頭及び周辺で得られたボーリングコアの地質観察などにより選定する。注記 13 個以上の供試体に対して試験を行うことが望ましい。試験箇所の岩盤の性状が同一であることを地質観察などにより確認する。注記 2 圧縮試験と比較して結果のばらつきが大きいため,岩盤の性状に応じて試験個数を決定する。5.2供試体の形状及び寸法a)供試体の形状は直円筒とする。注記 直円柱,直四角柱の供試体にも準用できる。b)供試体の直径は,300~600 mm とする。注記 1直径 100~1 000 mm の直円筒の供試体にも準用できる。注記 2粗粒結晶を持つ岩石や礫岩を対象とする場合には,供試体の直径は,構成粒子の最大寸法の 5 倍以上が望ましい。c)供試体の高さは,直径の 0.3~1 倍とする。0.1~2 倍であれば許される。注記 1 載荷板が凹状(供試体の端部をはめ込む構造)になっている場合や接着剤が載荷板から4 はみ出した場合には,凹状のはめ込み部分や接着剤のはみ出し部分の高さを除く供試体の高さを,供試体の高さとする。注記 2 載荷板を供試体の上面に固定するためにアンカーを使用した場合は,アンカー部を除いた供試体の高さを,供試体の高さとする。d)供試体には曲げが作用しないように軸方向を鉛直方向とする。5.3供試体の掘削a)供試体の上端面を研磨機で平坦に成形する。モルタル等でフェーシングしてもよい。b)コアリング装置を掘削軸が鉛直となるように所定の位置に設置する。供試体を所定の直径になるように掘削する。5.4 供試体の測定a)上端面の傾きを精密水準器で測定する。供試体の中心軸が鉛直であることを仮定して,上端面の傾きが JGS 2511 を満足することを確認する。b)供試体の直径を,供試体の上端付近において,直交する 2 方向でノギスにより測定し,これらの平均値を供試体の初期の直径 D0(mm)として記録する。注記c)鋼製巻尺又は金属製直尺を用いてもよい。供試体の高さを,3 箇所以上において鋼製巻尺又は金属製直尺で測定し,これらの平均値を供試体の初期高さ H0(mm)として記録する。d) 必要に応じて,供試体を作製する際に得られた岩片の中から代表的な試料を分取し,供試体の初期の含水比 w0(%)を JGS2134 により求め,記録する。e) 供試体の初期状態を地質観察し,スケッチ,写真などで記録する。6試験装置の組立て6.1供試体と載荷板の接着供試体の中心軸が載荷板の中心軸に一致するように,供試体を接着剤やアンカーなどで接着する。注記 1 接着剤を用いる場合には,内部並びに接着剤と供試体,及び載荷板との境界面での破壊を生じないような十分な強さを有する接着剤を使用する。注記 2 接着剤が供試体側面にはみ出さないことを原則とするが,十分な接着力が得られない場合には,端面から 50 mm 程度以下であれば接客剤がはみ出すことを許容することとする。載荷板が凹状(供試体の端部をはめ込む構造)になっている場合にも,凹状部の縁から 50mm 程度以下であれば許容することとする。注記 3 アンカーを用いる場合には,アンカーの破断,アンカーの抜け出し,アンカーを設置した供試体の上面近傍での破壊が生じないような,アンカーの部材,本数,配置,設置方法とする。6.2局所変位計の設置供試体の側面に軸方向の局所変位計を設置する。注記6.3必要に応じて周方向または側方向の局所変位計を設置する。引張り装置などの設置反力ガイド,荷重計,軸引張り装置の中心軸が供試体の中心軸と一致するように設置する。その後,外部変位計を設置する。5 7試験方法a)荷重計と変位計の原点を確認する。注記 必要に応じて,周方向または側方向変位計の原点の確認を行う。b)軸ひずみ速度を一定にして連続的に載荷する。軸ひずみ速度は,毎分 0.01~0.1 %とする。ただし,軸ひずみ速度を一定に保つことが困難な場合には,この軸ひずみ速度に相当する程度の軸応力速度で供試体に載荷してもよい。注記 一定の軸ひずみ速度あるいは軸応力速度で制御が行えない場合には,1~15 分程度で試験が終了する載荷速度を目安値とする。c)d)載荷中は軸力 P(kN)及び軸変位量 ∆H (mm)並びに軸ひずみ ε a (%)を計測し,記録する。注記 1計測の間隔は,主応力差-軸ひずみ曲線を滑らかに描くことのできるように設定する。注記 2軸ひずみは供試体の側面に設置した局所変位計により計測し,記録する。注記 3必要に応じて,周方向変位∆l(mm)や側方向ひずみ∆εr(%)を計測し,記録する。軸引張り力の載荷中に軸引張り力が最大値を示した後,想定される供試体の重さ以下まで荷重が低下したことを確認してから,軸引張り力の載荷を終了する。e)引張り装置,荷重計,載荷板,外部変位計,局所変位計などを取り外す。その後,必要に応じて試験後の供試体を回収する。f)供試体の変形・破壊状況などを観察し,記録する。注記 試験終了後の供試体の変形・破壊状況は,それらの状況が最も顕著に見える方向から観察を行い,記録する。また,破断面が見られる場合は,勾配が最も急に見える方向から観察を行い,おおよその角度が読み取れる程度に記録する。供試体の不均質な性状,不連続面の性状,異物の混入状況などを観察し,記録する。g)必要に応じて,試験後の供試体の岩片の中から代表的な試料を分取し,供試体の含水比 w を JGS2134 により求め,記録する。8試験結果の整理a)供試体の軸ひずみ εa,t(%)を次式で算出する。軸ひずみ εa,t を直接測定した場合には,その値を%に換算する。𝜀𝜀a,t =∆𝐻𝐻× 102𝐻𝐻0ここに,注記∆H: 供試体の軸変位量(mm)周方向または側方向の変位を測定した場合には,供試体の側方向ひずみ εr,t(%)及びポアソン比 νt を次式で算出する。また,側方向ひずみ εr,t を直接測定した場合は,ポアソン比νt を同式で算出する。𝜀𝜀r,t =∆𝑙𝑙∆𝑑𝑑× 102 =× 102𝜋𝜋𝐷𝐷0𝐷𝐷0νt = −∆𝜀𝜀r,t∆𝜀𝜀a,tここに,∆l: 供試体の周方向の変位量(mm)6 ∆d: 供試体の側方向の変位量(mm)b)軸ひずみ εa,t(%)のときの軸方向応力 σa,t(MN/m2)を次式で算出する。𝜎𝜎a,t =𝑃𝑃× 103𝐴𝐴0ここに,c)P:A0:供試体に作用する軸引張り力(kN)供試体の初期の断面積(mm2)軸方向応力 σa,t(MN/m2)を縦軸に,軸ひずみ εa,t(%)を横軸にとって,軸方向応力-軸ひずみ曲線を図示する。d)軸方向応力の最大値を求め一軸引張り強さ st(MN/m2)とし,四捨五入によって有効数字 3 桁に丸める。また,そのときのひずみを破壊ひずみεf,t(%)とし,四捨五入によって有効数字 3 桁に丸める。e)変形係数 Et(MN/m2)を次式で算出し,一軸引張り強さの 50 %における軸方向応力-軸ひずみ曲線の割線勾配 Ets,50(MN/m2)を求め,四捨五入によって有効数字 3 桁に丸める。𝐸𝐸t =∆𝜎𝜎a,t× 102∆𝜀𝜀a,tここに,∆εa,t: 軸ひずみの増分(%)∆σa,t: 軸ひずみの増分に対する軸方向応力の増分(MN/m2)注記9必要に応じて,接線勾配 Ett,50(MN/m2)を求める。報告事項9.1試験箇所の位置図試験箇所とその周辺がわかる図面を記す。9.2試験箇所の岩盤状況a) 地点名及び供試体上端面の地表面からの深さ注記必要に応じて,試験箇所の地下水位,湧水の状況などを記す。b) 岩種,岩質,節理や亀裂などの不連続面の状況注記例えば,砂岩,花崗岩,凝灰岩などを記す。c) 岩盤分類が行われている場合には,試験箇所の岩盤分類と適用した岩盤分類基準d) 試験前の試験箇所の岩盤状況のスケッチ,写真を添付する。9.3供試体に関する事項a) 供試体の形状及び作製方法b) 供試体の初期の高さ及び初期の直径注記含水比を測定した場合には,供試体の初期状態の含水比又は試験後の含水比を報告する。c) 供試体の観察結果注記供試体の軸に対する層理,葉理,亀裂などの傾斜角,岩質などの地質性状について報告する。9.4試験方法に関する事項7 a)載荷方法(載荷装置,載荷パターンなど)b)測定方法(測定装置,変位計配置など)c)球座の有無,有の場合はその構造d)供試体の接着方法及び接着剤9.5試験結果に関する事項a)軸力載荷過程の軸ひずみ速度又は軸応力速度b)軸方向応力-軸ひずみ曲線注記 1側方向ひずみを測定あるいは算出した場合は,必要に応じて,軸方向応力-側方向ひずみ曲線,軸方向応力-ポアソン比曲線を報告する。注記 2c)必要に応じて,変形係数を算出した区間を表示する。,破壊ひずみ εf,t(%)一軸引張り強さ st(MN/m2)注記d)付着強さを求めた場合には,付着強さを報告する。変形係数割線勾配で求めた変形係数 Ets,50,必要に応じて接線勾配で算出した変形係数 Ett,50 を報告する。e)供試体の破壊状況載荷終了後の供試体の側面と破断面の写真及びスケッチを報告する。注記9.6接着面あるいはアンカーの近傍で破壊している場合にはその旨を報告する。その他特記すべき事項本基準と部分的に異なる方法を用いた場合には,その内容を報告する。附属書 A(参考)一軸引張り試験機の図 1 以外の構成例を以下に示す。図 A1 の例は,直円筒の供試体を用いた装置であり,図 1 と似た構造であるが,摺動部の有無や引張り装置の位置が異なる。この例の場合,摺動部の摩擦の影響に留意する必要がある。図 A2 の例は,直四角柱の供試体を用いた例であり,供試体に作用する曲げの影響を小さくするため,球座が用いられている。供試体と載荷板の中心軸を一致させることに配慮する必要がある。8 引張り装置反力ガイド荷重計載荷板接着剤摺動部アンカー局所変位計直円筒供試体直円筒供試体図 A1-試験装置の例(その 1)載荷枠引張り装置外部変位計荷重計球座載荷板接着剤局所変位計直四角柱供試体図 A2-試験装置の例(その 2)9 さ/直径比が 0.3~1 の直円筒で,中央の小孔には反力ガイド第 3 章 基準の解説が設置される。供試体に曲げモーメントを作用させないように載荷することと,供試体の変形・破壊状況,特に破断面が岩盤内であるか接着面であるかを観察・記録することが重要である。3.1 総則「岩盤の原位置一軸引張り試験方法(JGS 3551)」の基準は,岩盤を柱状に成形した供試体を拘束圧がゼロの状態で軸方向に引っ張る試験を対象としている。岩盤の引張り強さあるいは岩盤とコンクリートとの付着強さを調べる原位置岩盤試験には,円柱体引張りタイプ,ブロック引張りタイプ,ロック引張りタイプの 3 種類あるが,この基準で対象とするのは浅い岩盤で行う円柱体引張りタイプである(地盤工学会,2014:白鷺ほか,2015)。その特長は,ボーリングなどによ3.2 試験装置3.2.1 供試体の作製装置直円柱の供試体の作製には,図-3.2.1 に示すような堅固な台座にコアリング機械(簡易なボーリングマシン)を取り付けた装置を用いる(岡田・伊藤,2014)。堅固な台座は,鋼製の方形枠を試験箇所の岩盤露頭に水平に支持・固定して,り採取した直円柱の供試体(岩石コア)を用いて室内で行う一軸引張り試験と原理はほぼ同じで,岩盤(ロックマス)の特徴である不連続性・不均質性・非一様性を有する供試体(岩体)について平均的な応力~ひずみ関係を計測して,設計計算に用いる岩盤の強度・変形特性を合理的に評価できることである。なお,室内試験との相違は,供試体の形状が小さな直円柱でなく大きい直円筒であることと,下端が地山に連続していることである。この円柱タイプの引張り試験の研究・開発は,古くは 20世紀末に,ボーリング孔底に作製した直径が数センチメートルの直円柱の供試体で行った事例がある(高田ほか,2000)。21 世紀に入って,露頭で岩盤を直径が数十センチメートルコアリング機械を水平面内で移動できる構造のリニアステージ(XY ステージ)である。コアリング機械は,コアバレルなどに回転と給圧を与えるモーターとそれをガイドするラック&ピニオン機構付きの支柱から成る。使用するコアバレル(コアチューブ)は,中央の小孔用と外周溝用の 2 種類である。作製する供試体の寸法に合わせて,コアバレルの径と長さ,支柱の高さ,XY ステージの可動範囲などを決める。図3.2.1 に示す装置では,径が 400 mm の表面研磨用のディスクカッター,中央の小孔用のコアバレル(呼び径は軟岩用が86 mm,硬岩用は 116 mm),外周溝用のコアバレル(呼び径は 600 mm)を用いる。掘削による影響を極力抑えて正確なの厚肉の直円筒の供試体に切り出し,反力ガイドを中央の小孔に建て込んで供試体の頂部を引き上げる方法が考案された(岡田・谷,2009)。2010 年代に入って,(一財)電力中央研究所において試験装置の開発及び実証的な研究が行われた(岡田ほか,2013:岡田・伊藤,2014)。そして,技術的に完成の域に達したことから,原子力施設の安全性評価のための調査に利用する試験方法として基準類に記載された(日本電気協会,2016)。基準の名称,すなわち試験方法の名称については,「原位置岩盤引張(り)試験」が関連する特許や論文で使われてきたが,「岩盤の原位置一軸引張り試験」とした。変形・強度試験に関する規格・基準の名称として,対象とする地盤材料の種類を頭に冠する慣習に従ったからである。適用範囲には,この試験で対象とする地盤材料の種類と性状,載荷の条件について記載した。対象とする地盤材料の種類は原位置三軸圧縮試験と同じく岩盤で,主として軟岩から硬岩までとした。また,岩盤の引張り強さだけでなく,岩盤とコンクリートの境界面で発揮される付着強さも求めることができるとした。ただし,境界面が軸力の載荷方向に直交し,かつ引張り破壊がこの境界で生じていることが条件となる。載荷の条件については,側方向応力を載荷しない(供試体が拘束圧を受けない)一軸応力状態での軸方向の引っ張りとした。用語及び定義については,基本的に室内で行う各種の一軸・三軸試験と同じである。なお,「供試体」は「試験体」と呼称される場合もあるが,室内試験と名称を区別する必要もないことから「供試体」とした。この「供試体」は,露頭(地表面)ないし坑道の底面において作製することから,その深さは約 1 m の浅い範囲に設けられる。供試体の形状は高図-3.2.1 供試体の作製装置の例図-3.3.2 セントライザーによるコアバレルのぶれ防止策10 寸法の供試体を作製するために,支柱とコアバレルの傾きやの地山に圧縮力を伝達する。載荷板は傾かないように,反力振動・ぶれを極力小さくする必要がある。支柱の上端にはぶれ止め材を固定し,図-3.2.2 に示すようにコアバレルの側面はセントラライザーでローラー支持をする。ガイドにリニア軸受けで支持する。3.2.2 引張り試験機円柱状の供試体を軸方向に引っ張る直接的引張り試験の要件は,供試体に曲げモーメントを作用させない純引張りである。この純引張りを実現するためには,3 つの条件を満足する必要がある。 引張り荷重の載荷軸と供試体の中心軸が一致 載荷板の載荷面が載荷軸と直交 供試体の上端面が中心軸と直交2 つ目と 3 つ目の条件を,載荷板の載荷面と供試体の端面の平行度に置き換え,かつ曲げモーメントを伝達できないようにするために,図-3.2.3 に示すように球座ないし球面継手(スフェリカル・ジョイント)あるいは自在継手(ユニバーサル・ジョイント)が用いられることが多い。この手法は供試体が連続・均質・一様な場合には有効であるが,岩盤のように不連続・不均質・非一様な材料には不適切である。供試体に割れ目や弱部などの剛性が低い部分が含まれると上端面及び載荷板の回転が生じてしまい,球面継手などを用いると,その回転と供試体の曲げ変形が助長されるからである。よって,不連続・不均質・非一様な岩盤への適用を考えると,載荷板の回転を許さず真直ぐに引っ張ることが要請される。基準の図 1 に類する試験機として硬岩用の引張り試験機の構成を図-3.2.4 に示す。供試体の外径は約 600 mm で,内径は116 mm である。引張り装置は油圧ジャッキ(最大引張り荷重が 5000 kN)で,最大引張り応力 18.3 MPa まで載荷できる。センターホール型であるので,載荷板の傾きを抑制するリニアガイドも兼ねている。基準の附属書 A の図 A1 に類する試験機として軟岩用の引張り試験機の構成を図-3.2.5 に示す。供試体の外径は約 600mm で,内径は 86 mm である。引張り装置は反力板と 4 基の電動モーター式ジャッキ(最大引張り荷重が 4×250 kN =1000 kN)で,最大引張り応力 3.6 MPa まで載荷できる。中央の小孔に鉛直に建て込む反力ガイドを通じて,供試体より下図-3.2.3 スフェリカルジョイントの問題点(岡田ほか,2013)図-3.2.4 硬岩用の試験装置例(岡田・伊藤,2014)図-3.2.5 軟岩用の試験装置(岡田・伊藤,2014)11 3.3.1 試験箇所の選定引張り荷重を計測する荷重計(ロードセル)は,図-3.2.4基本的には原位置三軸圧縮試験(JGS 3541)と同様の考え方で試験箇所を選定する。引張り試験に特徴的なことは 2 点である。1 点目は,岩石の強さの指標として圧裂引張り強さが参考になる。また,不連続面の性状などの情報,特に不連続面の方向は重要である。不連続面の引張り強さはほぼゼロであり,供試体を横断するような不連続面が存在する場合には,試験を行うことができないからである。の装置では計 3 個を,図-3.2.5 の装置には各ジャッキに計 4 個を設けている。各荷重計の値が等しければ,引張り荷重は偏心していないと確認できる。基準では,局所変位計を設置する場合の測定長は,供試体高さの 50~70%程度とすることが望ましいとしている。供試体の下部が地山と連続していることと,供試体の上端面が載荷板に接着されていることを考慮して,これらの影響を受けない供試体の中央高さで計測するためである。基準の附属書 A の図 A2 に示す試験機の特徴は,供試体の中央に小孔がないことである。反力ガイドを設置できないため,門型の載荷枠が必要である。また,曲げモーメントを作用させないように球座ないし球面継手(スフェリカル・ジョ3.3.2 試験の個数基準では 3 個以上を推奨している。圧縮試験に比較して,引張り試験では結果のばらつきが非常に大きいからである。イント)あるいは自在継手(ユニバーサル・ジョイント)が用いられる。なお,図 A2 では供試体を地表面の上に切り出して形状を直四角柱としているが,外周溝を掘削して供試体を地表面より下に作製しても,また形状が直円柱でも,上記の特徴は変わらない。この形式の試験が実施された事例の報告は見当たらないが,3.8.2 の(2)に後述のロック引張りタイプの試験装置が類似の形式と言える。図 A2 は,このタイプの試験装置の供試体の高さがある試験機がイメージされている。また,同様に供試体の高さはないが,コンクリートや塗膜の引張り強さないし付着強さを調べるプルオフ試験(Pull-off test)と呼ばれるタイプの引張り試験(ASTM C 1583 & ISO 4624)が3.3.3 供試体の形状及び寸法供試体の形状は,実施が最も多い直円筒を標準とした。この形状は,ロータリードリリングによって供試体が正確かつ容易に作製でき,中央の小孔に反力ガイドを建て込んで供試体を真直ぐ引っ張ることができるためである。また,小孔から得られるコアによって供試体の性状が確認できるメリットもある。一方,過去には直円柱や直四角柱の形状とした例もある。ただし,大きな門型の載荷枠が必要となり,岩盤が連続・均質・一様でないと真直ぐ引っ張ることも難しい。また,直四角柱の供試体の作製は手間が掛かり寸法精度が劣る欠点があ類似している。図 3.2.6 は変成岩の葉理の剥離強さを調べる目的で行われたプルオフ試験の装置である(Weng et al.,2017)。数センチメートル角の載荷板を表面に接着して,載荷板の縁辺に沿って 1 センチメートル程度のスリットを入れて引張り上げて葉理面で破壊させている。小規模なので載荷軸の方向が鉛直に限定されず傾斜した面の強さも調べられることと,載荷板の直下に破壊面が形成されることが特徴である。る。供試体の寸法は,原位置三軸圧縮試験(JGS 3541)に倣い直径が 300~600 mm を標準とした。供試体の高さは,直径の 0.3~1 倍を標準とした。引張り破壊による破断面は供試体を概ね真横に横切るように(載荷軸に直交する方向に)発達するので,せん断破壊による破壊面が供試体を斜めに横切るように発達する圧縮試験(高さ・直径比が約 2)より大幅に短い。ただし,試験結果は供試体の高さに依存することがあるので(Wijk et al., 1978),高さは直径の 0.1~2 倍まで許容できるとした。なお,供試体の高さの定義は,供試体を破壊させる領域の長さである。載荷板が凹状で供試体の上端部がはめ込まれた場合や接着剤が載荷板からはみ出した場合には,側面が露出した範囲となる。さらに,供試体の上端部にアンカーを設置した場合には,設置した範囲の長さを除く。3.3.4 供試体の作製供試体を作製する前に表層の緩みや掘削により損傷を受けた影響範囲を取り除く必要があり,一般的には 0.3 m 程度の深さまで掘り下げる。ただし,割れ目を多く含む岩盤や露出させた後に長期間を経た岩盤では,0.5~1 m まで深く掘り下げる場合もある。図-3.3.1 に形状が直円筒の供試体の作製手順を示す。① 供試体の作製装置の設置図 3.2.6 プルオフ試験の試験装置の概要(Weng et al.,2017)3.2.3 供試体の回収装置破断面より上の部分は載荷板と共に回収できる。載荷板と供試体を分離できるように,図-3.2.4 と図-3.2.5 の試験装置では載荷板の下面に水平板を装着している。破断面よりも下の部分を回収する場合は,原位置三軸圧縮試験(JGS 3541)と同様の治具を利用することができる。整地した地表面に台座(XY ステージ)を設置し,その上にコアリング機械(簡易なボーリングマシン)を設置する。台座の水平度と支柱の鉛直度に留意する。② 試験箇所の表面(供試体の上端面)の整形3.3 供試体の作製12 図-3.3.1 直円筒の供試体の作製手順(岡田・伊藤,2014)3.3.5 供試体の測定原位置三軸圧縮試験(JGS 3541)と同様の考え方で供試体を測定する。ディスクカッターをコアリング機械に取り付け,回転させながら XY ステージを動かし,表面を平坦に研磨する。③ 中央の小孔(センター孔)の掘削XY ステージを固定し,中央の小孔用のコアバレル(コアチューブ)をコアリング機械に取り付ける。ぶれ止めのセントラライザーとぶれの大きさを確認するための変位計を設置した後に,深さ約 1.05 m まで掘削する。④ 外周溝(供試体の外周)の掘削(図-3.2.2 参照)コアバレル(コアチューブ)を外周溝用のものに付け替え3.4 試験装置の組立て(1) 供試体と載荷板の接着供試体と載荷板の中心軸を一致するように,接着剤やアンカーなどで確実に接着する。接着剤には,2 液混合型のエポキシ樹脂系などの強度が高いものを使用する。接着剤は側面にはみ出さないことを原則とするが,接着力が不足する場合には端面から 50 mm 程度は許容される。また,接着力をさらに高めるためにアンカーを使用することもできる。適切な材料,本数,寸法のアンカーを図-3.4.1 に示すように軸対称に配置する。る。ぶれ止めのセントラライザーとぶれの大きさを確認するための変位計を設置した後に,深さ約 0.60 m まで掘削する。⑤ 局所変位計を設置する空間の掘削図-3.3.2 に示すように,中央の小孔用のコアバレル(コアチューブ)を用いて,外周溝に沿って 4 箇所で各 2 孔を掘削する。供試体の軸方向は鉛直方向で,真直ぐ上向きに引っ張るためには中央の小孔の鉛直性が特に重要である。掘削時にコアバレルの掘削軸が傾斜したりぶれたり,コアリング機械が振動したりしないように留意する。施工管理として支柱の鉛直度やコアバレルのぶれ変位を計測することが有効である。一方,形状が直円柱の供試体の作製では,上記の③の手順(2) 局所変位計の設置供試体の側面に沿って掘削した空間(図-3.3.2 参照)に設置する。3.3.3項で定義した供試体の高さの定義の範囲(上端面を載荷板に接着したこと)の中で,上端部が載荷板に接着していることの影響範囲と下部が地山に連続することの影響範囲を除いて,その 50~70%の区間に設置する。軸方向にが省略される。また,形状が直四角柱の供試体の作製では,ラインドリリングにより掘削した後に成形する方法,チェーンソーやディスクカッターなどを使用して掘削する方法が利用される。供試体の間隔については,原位置三軸圧縮試験(JGS 3541)と同様の考え方で基準の中では制限は設けていない。も周方向にも渦電流型の変位計を用いた設置例を図-3.4.2 に示す。(3) 引張り装置などの設置反力ガイドを中央の小孔に鉛直に建て込んで,荷重計と引張り装置を慎重に組み立てる。各構成部分の中心軸が鉛直で(試験装置側)図-3.3.2 外周溝に沿って 4 方向に掘削した局所変位計用の小孔(供試体側)図-3.4.1 アンカーの配置例13 供試体の中心軸と一致しないと,供試体に曲げモーメントが供試体を完全に破断してから載荷を終了する。軸引張り力作用してしまい引張り強さが正しく求められない。最後に載荷板の鉛直変位量を計測する外部変位計を設置する。載荷装置と計測機器が設置された状況を図-3.4.3 に例示す。局所変位計での計測を補足するために,供試体の側面にひずみゲージを貼付している。が最大値を示した後に継続して引き上げて,荷重計の読みが供試体の重さ程度にまで低下して一定となることを確認する。3.5.2 供試体の破壊状況の観察供試体の破壊状況については,載荷板と一体となった供試体の上部の破断面と,地山に残置した供試体の下部の破断面を観察する。また,供試体の側面でも観察する。破断面の観察は,縮尺 1/10 程度のスケッチと写真撮影のほかに,高低測量を行ってコンター図や鳥瞰図を作成することもある。スケッチ図には,岩石部の破断面と既存の不連続面に沿う破断面,さらに載荷板との接着面あるいはアンカーなどを整理して破壊の様式を詳細に記録する。3.6 試験結果の整理と報告事項3.6.1 試験結果の整理「岩石の一軸引張り試験方法(JGS 2552)」と同様の考え方で,側方向の変形を考慮した断面積の補正は行わない。軸方向応力-軸ひずみ曲線と軸方向応力-側方向ひずみ曲線の表示例を図-3.6.1 に示す。変形特性を表す変形係数(ヤング率)やポアソン比の求め方は,原位置三軸圧縮試験(JGS 3541)と同様である。図-3.4.2 局所変位計の設置例3.6.2 報告事項原位置三軸圧縮試験(JGS 3541)と同様の考え方で報告事項を記載する。以下に,一軸引張り試験に特徴的な事項を記す。試験方法に関する事項については,供試体と載荷板の接着方法と,球座ないし球面継手(スフェリカル・ジョイント)ないし自在継手(ユニバーサル・ジョイント)の有無や種類が重要である。試験結果に関する事項については,破断面の観察結果が重要である。破断面に接着面やアンカーが含まれている場合には,岩盤の引張り強さと接着部の引張り強さの合成された強度を求めたことになる。また,破断面に占める既存の不連続面の割合にも留意する。複数のセットの不連続面がある場合図-3.4.3 載荷装置と計測機器の設置例には,その性状(方向,寸法,間隔・密度,密着・開口や風化の程度,充填物など)を詳細に観察して区別して記載する。3.5.1 載荷方法軸引張り力の制御は,「岩石の一軸引張り試験方法(JGS2552)」を参考に,一定の速度で連続的に載荷する変位制御方式とし,その軸ひずみ速度は毎分 0.01~0.1%を標準とした。なお,大規模な割れ目がある場合や軟質で割れ目が少ない岩盤では小さなひずみで破壊に至るので,さらに遅くする。また,軸ひずみ速度を一定に保つことが困難な場合には,1~15 分程度で試験が終了する載荷速度を目安とした。計測の間隔は,主応力差-軸ひずみ曲線を滑らかに描ける引張り応力 ( MN/m2 )3.5 試験方法側方向ひずみ軸ひずみひずみ ( % )ように設定し,0.1~1 s とすることが多い。硬質で割れ目が少ない岩盤では破壊が著しく脆性的になるので,引張り強さを確実に記録するために 0.01~0.1 s とする。図-3.6.1 原位置一軸引張り試験による応力とひずみの関係の表示例14 ら得られるヤング率のばらつきは小さい。引張り応力の平均3.7 試験結果の評価と利用値が 1.19 MPa,破壊ひずみの平均値が 0.004%である。3.7.1 試験結果の評価2.0引張り応力 (N/mm2 )(1)頁岩の原位置一軸引張り試験基準の図 1 に類する試験機を用いて得られた頁岩の応力とひずみの関係を図3.7.1に示す(岡田ほか,2015)。載荷板の直径は 60cm で,計 4 つの試験が実際されており,局所変位計で計測された軸ひずみと周ひずみが示されている。引張り強さσa,t の平均値は 0.131MPa,ヤング率 Ets,50 の平均値は2400MPa であり,直径 50mm,高さ 60mm の供試体を用いて実施した室内の岩石の一軸引張り試験結果と比較すると,引張り強さが約 10%,ヤング率が約 15% であることが示されT-1T-2T-3T-41.61.20.80.40.00.00.20.40.60.81.0軸ひずみ (%)ている。試験後に破断した各供試体の断面のスケッチと写真を図 3.7.2 に示す。スケッチにおいて,赤く着色した部分が試験により破断したと考えられる破断面であり,それ以外は既存の割れ目と考えられる部分である。図-3.7.3 引張り試験の応力と(外部)軸ひずみの関係(木村ほか,2020)引張り応力 (N/mm2 )2.0T-1T-2T-3T-41.61.20.80.40.0-0.01 -0.00500.0050.010.0150.02局所軸ひずみ (%)図-3.7.3 引張り試験の応力と(局所)軸ひずみの関係(木村ほか,2020)図-3.7.1 引張り試験の応力とひずみの関係(岡田ほか,2015)(3) 片岩の原位置一軸引張り試験片岩の試験に用いられた基準の附属書 A の図 A1 に類する試験機の一例を図3.7.5に示す(石井ほか,2015)。載荷板の直径は60cmで,2つの試験結果が紹介されている。また供試体はφ100mm のコアバレルによるラインドリリングにより図-3.7.2 原位置岩盤引張り試験後の破断面の写真とスケッチ(岡田ほか,2015)(2) 玄武岩の原位置一軸引張り試験基準の図 1 に類する試験機を用いて得られた玄武岩の応力と軸ひずみの関係を図 3.7.3,図 3.7.4 に示す(木村ほか,2020)。図3.7.3の軸ひずみは,載荷板の変位を供試体の高さで割った値,図 3.7.4 の軸ひずみは,局所変位計の値である。載荷板の直径は 60cm で,計 4 つの試験が実際されている。引張り強度にはばらつきが見られるが,局所変位計の結果か15図-3.7.5図 A1 に類する試験機の概要(石井ほか,2015) 作製されている。写真とスケッチの一例を図 3.7.6 に示す。3.7.2 試験結果の利用破断面には,引張り破壊したと考えられる新鮮な部分,風化による褐色化が認められる部分および片理面から構成されており,破断面観察やその結果を用いた補正方法等の必要性が示されている。この試験によって求められる岩盤の引張り強さは,岩盤斜面や重要な土木構造物の基礎岩盤の耐震時の安定性評価に利用される(日本電気協会,2016)。岩盤は土質地盤に比較してせん断強さが非常に大きいために,一般には,高く急な斜面や崖,あるいは安定性に不利な方向と位置(流れ盤構造など)に大規模で弱い不連続面(断層など)が含まれない限りは岩盤構造物の安定性が懸念されることはないと考えられてきた。また,従来は設計地震動が小さく設定されていたので,岩盤の引張り強さを無視(安全側・保守的に評価)しても耐震安定性評価において安全と評価されていた。しかし,2011年東北地方太平洋沖地震以降,設計用地震動を大きく設定するようになり,従来の保守的な評価方法では耐震安定性及びその余裕度を現実的に評価できなくなっている。一方,設計に岩盤の引張り強さを考慮するためには,以下の 3 点に留意する必要がある。1 点目は,岩盤,特に不連続性岩盤の引張り強さに係る異方性が顕著なことである。この基準で対象とする試験では,荷重の載荷方向は鉛直方向に限定されている。2 点目は,試験結果のばらつきが非常に大きいことである。圧縮試験では軸圧縮に伴って供試体に含まれる弱構造の影響が小さくなる(例えば開口した亀裂が密着する)が,引張り試験では軸引張りに伴って弱構造の影響が増幅してより顕著になるからである。3 点目は,寸法効果の影響が顕著なことである。これらの諸点を考慮して原位置一軸引張り試験の結果から褐色化部分新鮮岩盤の破断カ所図-3.7.6 供試体の写真とスケッチ(石井ほか,2015)(4) 凝灰岩を用いた引張り試験方法の比較基準の図 1 や附属書 A の図 A1 に示す円筒供試体にセンターガイドを用いた試験方法の適用性を検討するため,コアを用いた室内試験により圧裂引張り試験と得られた引張り強さを比較した結果を図3.7.7に示す(岡田ほか,2013)。供試体は,凝灰岩(田下石)で,直径は両試験ともに 50mm である。両試験の引張り強さはほぼ同等であり,ばらつきは一軸引張り試験の方が小さい。既往の研究で同じ田下石を用いて,ユニバーサルジョイントを有する一軸引張り試験と圧裂引張り試験を比較した事例では,一軸引張り試験の方が若干小さい強度となっており(青野ほか,2011),円筒供試体にセンターガイドを用いた試験方法の優位性が示されている。1.0岩盤構造物の安定性評価のための設計計算に用いるパラメータを求める際に 2 つの考え方がある。1つは,設計計算に用いる岩盤の構成関係として引張強度特性に係る異方性や寸法効果を考慮できるモデルを採用する考え方である。この考え方によれば,この試験は要素型の試験と解されて,得られた引張り強さが鉛直載荷と供試体の大きさに対応するように岩盤の構成関係を記述するパラメータが求められる。試験結果のばらつきに対応してパラメータのばらつきが評価される。もう 1 つは,岩盤の構成要素である岩石や不連続面などの構成関係をモデル化して,これら構成要素が複合された構造体として岩盤の引張強度特性が表現されるとする考え方である(Tani, 2019)。この考え方によれば,この試験は構造体の載荷実験と解されて,各試験の供試体の構造(岩石や不連続面の配置など)を考慮して得られた変位-荷重関係を逆解析して構成関係を記述するパラメータが求められる。逆解析の結果の不確かさに対応して構造の同定やパラメータのばらつきが評価される。引張り強さqt(MPa)0.8平均3.8 基準以外の試験方法0.6岩盤の引張り強さあるいは岩盤とコンクリートの付着強さを調べる原位置岩盤試験には複数の方法があるが,基準で対象としたのは浅い岩盤で行う円柱体引張りタイプである。以下に,他のタイプの原位置引張り試験について記す。0.40.20.0中空一軸圧裂3.8.1 深い岩盤で行う円柱体引張りタイプ図-3.8.1 に示すように,ボーリング孔の底部に直円柱の供試体を掘削して,その側面をコアリフターで把持してコアチューブごと引き上げる孔底引張り試験が開発された(高田ら,図-3.7.7 円筒供試体にセンターガイドを用いた一軸引張り試験方法と圧裂引張り試験方法の引張り強さの比較(岡田ほか,2013)16 図-3.8.2 に示す試験装置は,破断面が 0.3 m 四方で,門型の2000)。コアリフターの下端と孔底との間の距離が供試体の高さに該当し,この距離がコアの径の 1.5 倍以上としている。(コアの径の 0.1 倍以下の場合には,破壊面が底部に限定されるのでロック引張りタイプに分類される)。深い地盤でも試験が行うことができるが,供試体の直径が 48 mm 程度と小さいので,岩石試験と見なされて岩盤試験には該当しない。さらに,掘削による乱れ,コアリフターによる把持,曲げモーメントやせん断力(供試体の軸に直交する方向の荷重)などの影響が懸念される。載荷枠の両端支持部を引き上げる 2 基の油圧ジャッキに球座を設けている(仲村ら,2006)。また,図-3.8.3 に示す試験装置は,破断面が 0.1 m 四方で,載荷板の直上に自在継手(ユニバーサル・ジョイント)と電動ジャッキを設けている(関西電力,2009)。図-3.8.2 ブロック引張りタイプの試験装置(仲村ほか,2006)図-3.8.1 孔底引張り試験装置(高田ほか,2000)3.8.2 浅い岩盤で行うブロック引張りタイプとロック引張りタイプ岩 盤 せ ん 断試 験 (JGS 3511) の ブ ロ ック せ ん断 試験(BST:Block Shear Test)とロックせん断試験(RST:RockShear Test)の延長上で考えられた試験である。その特徴は以下の 3 点である。 岩盤せん断試験における傾斜荷重(またはせん断応力)を載荷せずに圧縮の代わりに引張りの垂直荷重(または垂直応力)を載荷する。ロックないしブロックの側面を把持して引き上げるので,岩盤せん断試験における想定せん断面が引張り破壊の破断面となる。ロックせん断試験は岩盤の引張り強さを,ブロックせん断試験は岩盤の引張り強さ及び岩盤とコンクリートの付着強さの合成された強度を調べる。図-3.8.3 ブロック引張りタイプの試験装置(関西電力,2009)(2) ロック引張りタイプ基準に示す円柱体引張りタイプの原位置一軸引張り試験では,破断面は供試体の高さの範囲(直径の 0.3~1 倍が標準)のどこでも発達し得る(最も弱い断面で破壊する)が,このロック引張りタイプの引張り試験では供試体の高さに相当する概念はなく,破断面の位置がロックせん断試験(RST)における想定せん断面に限定される。一方,供試体の高さないし自重が無い(ゼロ)なので曲げモーメントの影響を抑えて斜め方向にも引っ張ることも可能であり,引張り強さに係る異方性の検討には有利である。(1) ブロック引張りタイプ基礎底面で発揮される引張り強さとして,岩盤とコンクリートとの付着強さを調べる試験として行われる(仲村ら,2006:原子力安全基盤機構,2007:関西電力,2009)。そのため,平坦に成形した岩盤面(表面を粗く成形すれば良く,研磨する必要はない)にコンクリートを直接に打設し,接着剤を用いたりアンカーを岩盤内に打設したりはしない。なお,鋼製の載荷板やコンクリートブロックを接着剤などで岩盤面に接着した場合には,接着面直下の岩盤の引張り強さを調べるプルオフ試験(Pull-off test)と呼ばれる別のタイプの引張り試験になる(ASTM C 1583 & ISO 4624)。17図-3.8.4 は,岩盤から切り出した一辺が約 0.2 m の立方体の試験体に対してロックせん断試験(RST)を行うための試験機である(野崎・新,2003)。傾斜荷重を対向する水平荷重に置き換えて,引張りを含む低い垂直応力の下の条件で試験を行うことができる。図-3.8.5 は大谷石(軟質な凝灰岩)において得られた結果である。左図は一軸引張り試験の軸方向応力と軸変位量の関係を示す。右図に示す破壊時のせん断応力と垂直応力の関係から,原位置一軸引張り試験による引張り強さが,圧裂引張り強さより小さいこととロックせん断試験(RST)や一面せん断試験による低応力下のせん断強さと概ね調和的なことが分かる。 一方,図-3.8.6 は,砂岩から切り出した一辺が約 0.3 m の立方体の試験体に対して実施されたロック引張りタイプの試験機である(大村ほか,2011)。図-3.8.7 に示すように,岩石の一軸引張り強さ(220 kN/m2)で正規化した引張り強さと破断面の亀裂面積率(破断面に対する亀裂投影面の割合)に強い負の相関があると報告している。図-3.7.7 砂岩の引張り強さ-亀裂面積率関係(大村ほか,2011)参考文献1)地盤工学会:岩石および岩盤の一軸引張り試験方法基準化検討に関する報告書,岩石および岩盤の一軸引張り試験方法基準化検討 WG,94p,2014.2)小野正樹,若林成樹,中村敏明:岩石の一軸引張り試験の試験方法に関する文献調査,第 43 回岩盤力学に関するシンポジウム,図-3.8.4 ロック引張りタイプの試験装置(野崎・新,2003)pp.60-64,2015.3)白鷺 卓,谷 和夫,岡田哲実:岩盤の原位置一軸引張り試験に関する文献調査,第 43回岩盤力学に関するシンポジウム,pp.71-76,2015.4)地盤工学会:岩盤の原位置一軸・三軸試験方法基準化検討に関する報告書,岩盤の原位置一軸・三軸試験方法基準化検討 WG,67p,2017.5)高田 誠,川内野新,山本茂雄,北村良介:ボーリング孔を利用した新しい原位置岩盤強度評価法,土木学会論文集,No.652,Ⅲ-51,pp.279-282,2000.6)岡田哲実,谷 和夫:原位置岩盤引張試験方法及び試験装置,特7)岡田哲実,納谷朋広,谷 和夫:中空円筒形状の試験体を用いた許第 5337004,2009.岩盤の引張り試験方法の考案,第 48 回地盤工学研究発表会,図-3.8.5 大谷石の一軸引張り試験の結果(左)とせん断強さと垂直応力の関係(右)(野崎・新,2003)pp.601-602,2013.8)岡田哲実,伊藤 洋:原位置岩盤引張り試験法の開発,電力中央9)日本電気協会:JEAG 4601-2015 原子力発電所耐震設計技術指針,研究所研究報告,N13404,2014.原子力規格委員会,pp.203-205,2016.10) ASTM C 1583: Standard test method for tensile strength of concrete surfacesand the bond strength or tensile strength of concrete repair and overlaymaterials by direct tension (Pull-off method).11) ISO 4624: Paints and varnishes - Pull-off test for adhesion.12) Weng, M.C., Li, J.H., Lin, C.H. and Liao, C.T.: Measuring foliation tensilestrength of metamorphic rock by using pull-off test. Geotechnical TestingJournal, Vol.41, No.1, pp.132-140, 2017.13) Wijk, G., Rehbinder, G. and Logdstrom, G.: The relation between the uniaxialtensile strength and the sample size for bohus granite, Rock Mech. & Rock Eng.,Vol.10, No.4, pp.201-219, 1978.14) 岡田哲実,岡崎幸司,谷口友規:納谷朋広,谷和夫:頁岩を対図-3.8.6 ロック引張りタイプの試験装置(大村ほか,2011)象とした原位置岩盤引張り試験の検証,第 50 回地盤工学研究発表会(札幌),2015.18 15) 木村英雄,岡田哲実,川﨑貴道:地盤工学会誌 4 月号,Vol. 68,No. 4,Ser. No. 747,pp.24-27,2020.16) 石井秀明,近藤浩司,木村一成,長田朋大,西坂直樹・下口裕一郎・鈴木俊輔・大西耕造:亀裂性岩盤における岩盤の一軸引張り試験の実施例,日本応用地質学会中国四国支部 平成 27年度研究発表会発表論文集,pp.57-62,2015.17) 青野泰久, 谷和夫・岡田哲実:圧裂引張り試験と一軸引張り試験による田下石の引張り強さの比較, 第 46 回地盤工学研究発表会,2011.18) Tani, K.: Significance of large-scale in-situ triaxial tests for validation ofsophisticated numerical models, Proc. ISRM 14th Int. Cong. of Rock Mech.,pp.1600-1605, 2019.19) 仲村治朗,河村精一,村中健二:大型構造物基礎岩盤としての互層堆積軟岩の変形・強度特性に関する考察,土木学会論文集,Vol.62,No.2,pp.412-428,2006.20) (独)原子力安全基盤機構:平成 18 年度 原子力施設等の耐震性評価技術に関する試験及び調査 原子力施設の非線形地盤・構造物相互作用試験及び基準整備 基礎浮上り評価手原位置岩盤引張り試験後の破断面の写真とスケッチ法の調査に係る報告書,平成 19 年 7 月,07 基構報-0010,2007.21) 関西電力(株):高浜発電所 3,4 号機 新耐震指針に照らした耐震安全性評価(中間報告書追補版)に関する補足説明資料,地震応答解析及び耐震安全性評価結果について-安全上重要な建物・構築物-,2009.22) 野崎隆司,新 孝一:引張を含む低垂直応力下での原位置岩盤せん断試験法の考案,電力中央研究所報告,U03009,2003.23) 大村英昭,伊藤悟郎,小林正典:引張応力下における岩盤のせん断挙動に関する研究-亀裂性岩盤を対象とした原位置引張試験-,土木学会第 66 回年次学術講演会,III-380,pp.759-760,2011.19 新規制定地盤工学会基準・同解説岩盤の原位置一軸引張り試験方法(JGS 3551-2020)【ダウンロード版】2021 年 3 月 1 日 初版発行編集地盤工学会地盤調査規格・基準委員会岩盤の三軸圧縮試験及び一軸引張り試験方法基準化 WG発行・販売公益社団法人地盤工学会東京都文京区千石 4 丁目 38 番 2 号〒112-0011 Tel 03(3946)8677©2021 公益社団法人地盤工学会ISBN 978-4-88644-122-5 C3051 \3,880EFax 03(3946)8678
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