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出版

タイトル CO2による地盤凍結工法の適用事例(技術紹介)
著者 相馬 啓
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.1 No.720
ページ 28〜29 発行 2018/01/01 文書ID jk201807200016
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  • タイトル
  • CO2による地盤凍結工法の適用事例(技術紹介)
  • 著者
  • 相馬 啓
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.1 No.720
  • ページ
  • 28〜29
  • 発行
  • 2018/01/01
  • 文書ID
  • jk201807200016
  • 内容
  • 技術紹介CO2 による地盤凍結工法の適用事例The Case Study of Application of the Soil Freezing Method using CO2相馬啓(そうま株ケミカルグラウト.ひろし)技術開発部課長は じ め に地盤凍結工法は,軟弱な地盤や滞水性の地盤を一時的に凍結させ,工事中は「遮水壁」や「耐力壁」とする仮設工法の一つである1)。高い止水性や強度特性を有するだけでなく,間隙水を凍結するのみで基本的に地盤に何も残さないため,環境面においても優れた地盤改良工法である。近年では,シールド掘進の長距離化と地上にプラントを設置するスペースの確保が困難となるケースが増加していることに伴い,設備のコンパクト化や,狭隘な施工場所における作業性の向上が求められている。さらに,オゾン層保護法に基づくフロン規制により,現在一部冷凍機で使用しているフロン(HCFC)が2020年に製造中止となる2)。代替フロン(HFC)も,地球温暖化対策の観点から今後規制される見込みであり,自然冷媒図―システム構成図への移行が必須の状況である。このような背景から,液化炭酸ガス(CO2)とアンモニアを冷媒とする冷凍システムを地盤凍結工法に適用する開発を推進してきた。本稿では,新しい冷凍システムの特長と現場への適用事例を紹介する。.新しいシステムの特長新しい冷凍システムでは,ブライン(不凍液)ではなく, CO2 が凍結管を循環する。圧力を 0.7 ~ 0.8 MPa とすることで, CO2 は- 45 °C の液体の状態となる。 CO2写真―は液体の状態で凍結管に送液され,地盤の熱を奪って一アルミ偏平多孔管断面部が気化した状態で戻り,冷凍機で再液化されるというサイクルとなる。アンモニアは冷凍機内で凝縮・蒸発を繰り返しながら循環し,熱を冷却水へ受け渡し,冷却塔から放熱される。図―にシステム構成図を示す。CO2が気化する際の潜熱を利用できることから,同等の凍土を造成するための流量は,従来の 1 / 10 程度まで低減できる。 CO2 が低粘性である(従来の 1 / 90 程度)こともあり,設置する配管のサイズは縮小・軽量化され,作業性と安全性が向上する。また,一般的に熱交換器で使用される写真―のアルミ偏平多孔管を用いた凍結管を開発した。この管材は軽量で100 m 程度まで押し出し成型で加工できるため,現場溶接をせずに凍結管を設置することができる。図―に凍結管の一例を示す。流量の低減, CO2 の低粘性,冷凍機本体の効率化により,実証実験3)において,消費電力を40程度削減できることを確認している。28図―アルミ偏平多孔管による凍結管構造図地盤工学会誌,―() 技術紹介写真―図―.冷凍プラント設置状況シールド到達部イメージシールド到達防護への適用本工法は,石狩湾新港発電所放水設備工事の放水路トンネルのシールド到達防護に,初めて実施工として採用された4)。図―にシールド到達部の概要を示す。凍結管はシールド機と到達側フード部の内壁に円周状に予め設置されている。まず,シールド機側の凍結管で周囲を凍結し,湧水なきことを確認した後に前面ハッチを開き,到達側の凍結管に CO2 配管を接続し,シールド機と到達側フード部の両側から凍結した状態で止水鉄板を設置写真―した。現場では,工期短縮が課題とされており,凍結のシールド貼付凍結管への配管状況作業とシールド機の解体作業を同時並行で行うことが求められた。そこで,写真―に示すように,冷凍プラントは幅1.2 m 以下とし,CO2 のメイン配管を軌道下に設置することで,運搬台車の通行を可能にした。写真―に示すように,凍結管への配管はフレキホースを束ねてコンパクトにした上で,防炎シートで養生し,解体作業の支障とならないようにした。従来システムの場合,シールド機の解体と後続台車の搬出が完了した後でなければ,冷凍プラントを設置できなかったことから,結果として,新しいシステムにより,解体作業の工程を約40短縮できた。.写真―新しい分野への適用帯鋼補強土壁の交換作業に伴う補助工法として,実物壁面パネル交換状況結工法が広く普及することを期待する。大の実証実験に採用された5)。経年劣化や地震等の災害による損傷で,今後壁面パネルの交換需要が高まることが予想されている。壁面パネルを取り外した際,背面の土の肌落ちを防ぐ目的で,薬液注入が提案されていたが,パネル裏の排水層の目詰まりを引き起こすことから,固化材を使用せずに短期的に凍結する方法が採用された。参1)2)3)写真―は凍土が露出した状況を示す。壁面から離隔500 mm の位置に q60.5 mm の凍結管を設置した。60時4)間後に凍結は完了した。パネル交換作業中に肌落ちすることはなかった。. まとめCO2 を循環する地盤凍結工法の開発では,適用範囲の拡大に向けた取り組みを継続している。従来のブライ5)考文献社 日本機械化協会地盤凍結工法―計画・設計から施工まで―,p. 1,1982.日本冷凍空調工業会,入手先〈 http: // jraia.or.jp / info /hcfc/index.html〉(2017.10.02参照).相馬 啓・有泉 毅・塩屋祐太CO2 気液混合流体による地盤凍結工法,トンネル工学報告集,Vol. 26, -10,pp. 1~8,2016.相馬 啓・齋藤寿秋・畠田大規・高柳 哲・渡邉和英・阿部 聡・塩屋祐太石狩湾新港発電所放水設備工事―CO2 凍結によるシールド到達防護,第52回地盤工学研究発表会,pp. 1401~1402,2017.長田友里恵・篠原次男・相馬 啓・酒井茂賀・市川智史凍結工法を用いた帯鋼補強土壁の補修(凍結),第52回地盤工学研究発表会,pp. 1475~1476,2017.(原稿受理2017.10.12)ン方式も含め,各種の施工方法の長所を生かし,地盤凍January, 201829
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