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出版

タイトル 圧入工法における施工データを用いた自動運転(<特集>i-Construction)
著者 石原 行博・野瀬 竜男・濱田 耕二・松岡 徹
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.1 No.720
ページ 26〜27 発行 2018/01/01 文書ID jk201807200015
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  • タイトル
  • 圧入工法における施工データを用いた自動運転(<特集>i-Construction)
  • 著者
  • 石原 行博・野瀬 竜男・濱田 耕二・松岡 徹
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.1 No.720
  • ページ
  • 26〜27
  • 発行
  • 2018/01/01
  • 文書ID
  • jk201807200015
  • 内容
  • 報告圧入工法における施工データを用いた自動運転Automatic Operation Using Piling Data in the Pressin Method石原行株 技研製作所濱田耕株 技研製作所.博(いしはらゆきひろ)圧入技術推進室二(はまだ課長こうじ)圧入技術推進室室長野瀬竜株 技研製作所松岡株 技研製作所男(のせたつお)開発部実証課主任徹(まつおかトータルサポート部とおる)部門リーダー圧入工法の特徴と施工データの利用圧入工法は杭/矢板の施工法の一つである。静的荷重を用いるため,低振動・低騒音という特徴を有する。また,杭/矢板を地中に押し込む際には,施工機械が浮かないようにするための反力が必要であるが,同工法では先行して圧入した杭/矢板から反力を得る。この原理を利用した仮設不要の施工システム(図―)により,既存構造物直近や狭隘地,水上等での施工が可能となっている。さらに近年では,ウォータージェット( WJ)併図―仮設不要の圧入施工システム用圧入やオーガー併用圧入(硬質地盤クリア工法),先端刃付きの鋼管杭を用いた回転切削圧入(ジャイロプレガーの回転数などといった運転パラメータの値を管理すス工法)といった工法が開発され,硬質な地盤への適用る。圧入機の自動運転技術は従前から存在していたが,性が大幅に向上している1)。従前の自動運転では,これらの運転パラメータをオペこれらの特徴に加えて,圧入工法では,施工データをレータ自身が設定する必要があった。すなわち,設定さ全数取得することが可能である。筆者らは,施工データれた運転パラメータの値で圧入機が自動的に動作する,の利用に関する技術開発を進めており,一例として,通という自動運転であった。筆者らは,施工データを利用常の圧入,オーガー併用圧入,回転切削圧入の場合の施した地盤条件や施工状態の推定を通じ,運転パラメータ工データを用いて地盤情報(標準貫入試験の N 値)をの設定自体を自動化できると考え, 2007 年に本格的な推定する方法を構築した2),3) 。これにより,施工管理データ収集を開始した。その後,まずはオーガー併用圧(打止管理)や,施工時に想定外の地盤条件に遭遇した入4)を対象として圧入機の制御プログラムを開発し,複際の工法変更の判断を,より客観的に行うことが可能と数の実証試験場での試行を重ねたのち, 2013 年から施なる。現在,国際圧入学会(International Pressin As-工現場での試運用を実施している。sociation; IPA )内に圧入施工データを利用した地盤情新たな自動運転(以下,新自動運転と呼ぶ)では,貫報の推定に関する技術委員会が組織されており, 2017入深度,圧入力,トルク,圧入機傾斜といった施工デー年度内に技術資料が発行される見通しである。施工データから,杭/矢板の先端位置の地盤条件(地盤の場合はタの利用に関する他の例として,圧入施工の自動化が挙N 値,岩盤の場合は一軸圧縮強度)や現在の施工状態げられる。自動化により,杭/矢板を目標深度まで到達(鋼矢板の継手部の嵌合状態,ケーシング内の閉塞状態させる時間の短縮という効果に加え,施工技術の標準など)を推定し,これらの推定結果に基づいて最適な運化・省力化というメリットが得られる。施工技術の標準転パラメータ(圧入・引抜速度,圧入・引抜距離,オー化・省力化は,国内における労働人口や熟練技術者の減ガーの回転数など)の値を選定して圧入機をフィードバ少,海外での新規市場の拡大に伴う非熟練技術者の増加,ック制御する(図―)。同時に,圧入力・トルク・圧といった問題の解決策となると期待される。入機傾斜の上限値を設けることにより,反力の総和の範.圧入機の自動運転の概要圧入工法で用いられる油圧式杭圧入引抜機(以下,圧入機)のオペレーションでは,杭/矢板に作用する貫入抵抗が,先行して圧入した杭/矢板の引抜抵抗力等から囲内で機械性能を十分に発揮させ,杭/矢板の健全性と出来形を維持しつつ施工効率を向上させることが可能となる。.新自動運転の効果と今後の展望得られる反力の総和よりも十分に小さくなるように,圧図―は,実証試験場において従前の自動運転と新自入・引抜速度や圧入・引抜距離,WJ の吐出流量やオー動運転によりオーガー併用圧入を行った結果の比較であ26地盤工学会誌,―() 報図―図―告従前の自動運転と新自動運転の仕組み従前の自動運転と新自動運転の比較((b)の横軸は設定値で,数字が大きいほど速度が大きい)る。図―(a)に示すとおり,当該試験場の地盤は玉石国内では,近年の建築基礎杭工事における支持層未到を含む多層地盤である。図―(b)で明らかなように,達問題を受け,適切な施工体制の確保・現場立会や施工従前の自動運転では最初に選定された標準的な圧入速度データの活用を通じた支持層到達確認・施工記録の管理の設定値が施工完了まで継続するのに対し,新自動運転が求められるようになった5)。また,労働人口や熟練技の場合には深度の変化とともに圧入速度の設定値が著し術者の減少と技術レベルの向上を背景に,自動化・省力く変動している。実際には,圧入速度以外の運転パラ化によって建設工事の生産性や魅力を向上させることがメータについても同様のことが言える。その結果,図―i Construction という名のもとに推進されている6) 。当(c)に示すとおり,新自動運転の場合には従前の自動技術の開発を通じて,これらの国内動向に具体的な解決運転の場合に比べて所要時間が 30 程度短縮された。策を提示しながら,海外も含めて建設工事の合理性を高これまでのところ, 15 ヶ所程度の現場で試験的な運用め,より良い社会づくりに貢献できるものと考えている。を行っており,一部の地盤条件を除けば,従前の自動運転や標準的なオペレータによる手動運転に比べて概ね15 ~ 40 程度の時間短縮効果が得られることを確認し参1)ている。今後は,施工データを利用した地盤情報の推定(通常の圧入,オーガー併用圧入,回転切削圧入の場合)と新2)自動運転(オーガー併用圧入の場合)の両方について,実務での活用を推進する。同時に,施工データの蓄積,既往研究の知見整理,新規研究の実施を通じて,これら3)の技術の完成度を向上させることに加えて,WJ 併用圧入の場合の地盤情報の推定や,通常の圧入,WJ 併用圧入,回転切削圧入の場合の新自動運転についても開発を加速させる。地盤情報の推定には杭/矢板の貫入メカニズムを適切に考慮することが求められる。新自動運転の開発にあたっては,様々な地盤条件や施工状態に応じた4)5)6)考文献White, D. J., Deeks, A. D. and Ishihara, Y.: Novel piling:axial and rotary jacking, Proceedings of the 11th International Conference on Geotechnical Challenges in UrbanRegeneration, London, UK, CD, 24p., 2010.Ishihara, Y., Ogawa, N., Okada, K. and Kitamura, A.:Estimating subsurface information from data in pressinpiling, 5th IPA International Workshop in Ho Chi Minh,Pressin Engineering 2015, pp. 5367, 2015.Ishihara, Y., Haigh, S. and Bolton, M. D.: Estimatingbase resistance and N value in rotary pressin, Soils andFoundations, Vol. 55, No. 4, pp. 788797, 2015.International Pressin Association: Pressin retainingstructures: a handbook, First edition 2016, 2016.国土交通省国土交通省告示第四百六十八号,2016.i Construction 委員会 i Construction ~建設現場の生産性革命~,2016.(原稿受理2017.10.2)最適な運転パラメータを整理することが肝要である。January, 201827
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