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出版

タイトル 年頭の挨拶
著者 村上 章
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.1 No.720
ページ 1〜1 発行 2018/01/01 文書ID jk201807200006
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  • タイトル
  • 年頭の挨拶
  • 著者
  • 村上 章
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.1 No.720
  • ページ
  • 1〜1
  • 発行
  • 2018/01/01
  • 文書ID
  • jk201807200006
  • 内容
  • 年頭の挨拶New Year Address from the President村上章(むらかみ公益社団法人新年明けましておめでとうございます。 2018年の新年を迎え,謹んでご挨拶申し上げます。平 成 29 年 7 月 九 州 北 部 豪 雨 災 害 が 発 生 し , 斜 面 崩壊・河川堤防決壊・河道閉塞・護岸損壊・ため池損壊などの地盤災害に見舞われ,人,家屋,公共施設に甚大な被害をもたらしました。亡くなられた方へ深い哀悼の意を表しますとともに,被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。災害連絡会議では豪雨地盤災害調査団(安福規之団長)を編成して,地盤災害を調査するとともに報告会を実施しました。昨年は 4 年に一度の国際地盤工学会議が韓国(ソウル)で開催され,日本からは国別最多となる 73 編の論文発表があったほか,韓国に次ぐ158名の参加登録がありました。会議前日に開催された Council meeting では,次期国際学会会長の選挙が行われ,当学会が推薦した東畑郁生前会長は残念ながら選出されず,香港科技大学のCharles Ng 教授が会長に選出されました。東畑前会長は Ng 次 期 会 長 か ら Board Level Committee の 一 つ である Professional Image Committee(PIC地盤工学の社会的地位向上推進委員会)の委員長就任を要請され,2021 年までその任にあたられることになりました。この委員会の活動内容は,地盤工学の重要性,社会貢献を具体的な事例にもとづいて国際発信し,地盤中のリスクを正しく把握するための調査の重要性を社会や発注者に訴えるものです。当学会では PIC 国内委員会を設立し,支援することを考えています。東畑前会長の益々のご活躍を祈念します。国際地盤工学会の 2017 年~ 2021 年タームでは,次に示す技術委員会( Technical Committee )で地盤工学会からの委員長が予定されています(委員長名は敬称略)TC103「Numerical Methods in Geomechanics」(村上章), TC216「 Frost Geotechnics」(小野 丘),TC217「 Land Reclamation 」( 渡 部 要 一 )。 な お , TC101,TC105, TC303については,前タームで地盤工学会からの委員長が務められましたが,今期で交代されました。一方,アジア地域地盤工学会では, ATC1「 Geotechnical Mitigation and Adaptation to Climate Changeinduced Geodisasters in Asia Paciˆc Regions」(安原一哉),ATC3「Geotechnology for Natural Hazards inAsia Paciˆc Regions 」(風間基樹), ATC10 「 UrbanGeoinformatics」(三村 衛),ATC19「Geoengineering for Conservation of Heritage Monuments and Historical Sites」(岩崎好規)が活動を継続されています。このほか,セクレタリを日本人が務める TC および ATCがあり,今期の活動が期待されます。当学会が発刊する国際ジャーナル Soils and Foundations に目を向けますと,年間原稿投稿数は増加の一途を辿り,2017年は500編を超えるペースで過去最大となJanuary, 2018地盤工学会あきら)会長りました。その一方,インパクトファクターは 2016 年の1.238から1.088に僅かながら減少しました。同様の減少傾向は,Cite Score, SJR (Scientiˆc Journal Ranking),SNIP (Source Normalized Impact per Paper)といった他の評価指標にも見られます。購読者数とともに,今後改善を図りたいと考えています。また,同じく国際刊行物として多くの機関からご支援を頂いております学会基準英訳版の普及にも努めて参ります。昨今の国立大学では,高校との連携(高大連携事業)が積極的に図られています。例えば,京都大学では科学技術振興機構のグローバルサイエンスキャンパス(次世代人材育成)事業に参画し,優れた教育研究資源を積極的に活用した研鑽を通じて,主体的に科学を究めようする高校生の育成を行っています。この事業には,全国から選抜された受講生が参加するプログラムとして,学理・学術体系への幅広い理解を目指す「基盤コース」と創造先進的な尖りある高いイノベーション力を伸ばすことを目的とした「専修コース」の 2 つがあります。それぞれのコースにおいて受講生の個々の能力に応じた人材育成を実施しています。私の研究室もこれに参画し,「土の物理 ~ミクロからマクロへ~」を開講して基盤・専修コースに対応しました。その内容は,粒状材料を用いて安息角,落とし戸,ダムブレイク,一面せん断の各試験を行い,これらの現象を個別要素法による数値シミュレーションで表現するためのパラメータを決定して,その再現性を確認する実験/解析課題を行うというものです。多くの大学で実施される高大連携事業で得られた研究成果は,日本農芸化学会,日本霊長類学会,日本水産学会,日本生態学会を始めとする学術団体の学会大会で発表の機会が与えられています。地盤工学会と関係深い理工系学会の例を挙げますと,土木学会では高校生シンポジウム,日本建築学会(関東支部)では高校生建築設計競技,電気学会では高校生懸賞論文コンテスト,などがあります。地盤工学会でもダイバーシティー活動の一環として,首都圏および関西圏におけるスーパーサイエンスハイスクール( SSH )指定校の支援を試験的に始めました。地盤工学研究発表会の中に高校生向け口頭またはポスターセッションを企画し,地盤工学に関心を持つ高校生を増やすことも,社会に向けて学会が果たす役割として今後必要になるかと考えています。次世代の地盤工学を担う高校生の想像力を発揮する場を,学会が提供するのは有意義なことではないでしょうか。会員の皆様のご多幸とご活躍を祈念して,新年のご挨拶といたします。戊戌歳首(原稿受理2017.11.20)1
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