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タイトル DS-08「南海トラフ巨大地震による地盤災害に備えて」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
著者 野田 利弘・三村 衛
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
ページ HP13〜HP13 発行 2017/11/01 文書ID jk201707180024
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  • タイトル
  • DS-08「南海トラフ巨大地震による地盤災害に備えて」(<特集>第52回地盤工学研究発表会)
  • 著者
  • 野田 利弘・三村 衛
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.11/12 No.718/719
  • ページ
  • HP13〜HP13
  • 発行
  • 2017/11/01
  • 文書ID
  • jk201707180024
  • 内容
  • DS-08「南海トラフ巨大地震による地盤災害に備えて」DS8:In preparation for geo-disaster risks induced by Nankai megathrust earthquakes野田 利 弘(のだ としひろ)名古屋大学 減災連携研究センター 教授1.は じ め に2011 年に発生した東日本大震災の甚大な被害を目の当たりにした我々にとって,南海トラフ巨大地震への備えが喫緊の課題となっている。内閣府や各自治体の被害想定からも明らかなように,震度や液状化の程度だけでなく,被災地域,被災者数,住宅被害や経済被害は東日本大震災を遥かに凌ぐことが想定されている。地盤工学会関西支部では,平成 25 年から 3 年間「南海トラフ地震に関する被害予測と防災対策研究委員会(委員長:三村衛(京都大学))」を,中部支部では,平成 26 年から 3年間「南海トラフ巨大地震中部地域地盤災害研究委員会(委員長:野田利弘(名古屋大学))」を設立し,研究活動を行った。本 DS-08 では,両委員会の研究成果報告と,委員からの発表を含む一般口頭発表が 6 件行われた。2.セ ッ シ ョ ン 内 容表-1 は第 1 セッションのプログラムを示す。タイトル(WG 名)が示すように,両委員会とも,WG1 が「事前」,三表-12345678第 1 セッションのプログラム南海トラフ巨大地震に関する被害予測と防災対策研究委員会の概要【関西】委員長:三村 衛(京都大学)南海トラフ巨大地震中部地域地盤災害研究委員会の概要【中部】委員長:野田 利弘(名古屋大学)地盤情報データベースと防災マップを融合させた防災ハザードマップの開発【関西 WG1】WG 長:大島 昭彦(大阪市立大学)地震・津波による地盤・構造物の挙動予測【関西 WG2】WG 長:清野 純史(京都大学)被災後のロジスティクス【関西 WG3】WG 長:奥村 与志弘(京都大学)地盤情報を活用した広域地盤災害予測と個別の人工地盤・土構造物およびライフライン施設の被害予測【中部 WG1】WG 長:杉井 俊夫(中部大学)防災減災のための地盤改良技術とその効果の検証【中部 WG2】WG 長:張 鋒(名古屋工業大学)災害廃棄物の処理・利活用技術の開発【中部 WG3】WG 長:中野 正樹(名古屋大学)両委員会の WG1 では,独自の調査・研究によって,内閣府や自治体から出されているハザードマップをより精緻化すること,またその情報を有効利活用するための可視化に取り組んでいた。ともに,地域特性を考慮した研究を推進することで,地域住民にとって大変有益な成果となっていた。WG2 では,構造物の耐震性評価が主題であった。関西支部では様々な土木構造物を対象に,中November/December, 2017衛(みむらまもる)工学研究科 教授部支部では河川堤防を対象に複数の手法を用いて,レベル 2 地震動や長周期・長継続時間の揺れを想定した耐震性評価を行っていた。巨大化する地震外力に対して,新たに弱点箇所を抽出するとともに,ともすると従来予測法では見落としがちな課題を指摘し,被害低減のための提言を行っていた。WG3 では,ロジスティクスと災害廃棄物と対象は大きく異なるが,ともに,災害発生時/直後の緊急対応/応急対応だけでなく,早期の復旧・復興を目指した長期的視野での検討を行っていた。甚大な被害が危惧される紀伊半島および四日市市を対象として研究活動を行っていたが,地元住民や地元企業との連携協力が極めて重要であり,今後も研究活動を継続して,対応策やマニュアルの策定に繋げるとのことである。表-2 は第 2 セッションのプログラムを示す。紙面の都合からタイトルのみ示すとともに,講演内容の詳細は省略させて頂くが,南海トラフ巨大地震に対して,既存情報や調査データの有効活用方法や,新しい技術・手法の開発に関する報告があり,大変興味深かった。WG2 が「事中」,WG3 が「事後」を対象としている。1村京都大学大学院表-2123456第 2 セッションのプログラム(講演タイトルのみ)地盤情報データベースを活用したハザードマップツールの試作東日本大震災で発生した災害廃棄物等の分別土砂に関する夾雑物混入率を中心としたアーカイブ調査地盤改良による仙台市折立地区の常時微動特性の変化地盤動的解析のための試験結果のばらつきを考慮したパラメータ範囲についての検討変形特性に注目した堤防の地盤改良技術の耐震性能検証に関する解析的研究複合負荷弾塑性構成式を適用した水~土骨格連成有限変形解析による液状化対策工のシミュレーション3.お わ り に本セッションは学会最終日の朝一番であったにも関わらず,ほぼ満席となる聴講者にご参加頂いた。南海トラフ巨大地震に対する関心の高さがうかがえる。討論の中では,「復興計画に対して,人口構成を考えてほしい。高年齢の人がきちんと生きていける計画を」「技術は 8 割程度出てきているけど,人の繋がりは 2 割程度といった印象。触媒でもある学会の役割を考えてほしい」といった学会の果たすべき役割に関するコメントも頂いた。研究委員会の成果や本 DS での討論も踏まえて,南海トラフ巨大地震に備えるべく,地盤工学の多くの皆様には一層の研究活動・成果の社会実装を進めて頂きたい。(原稿受理2017.8.28)HP13
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