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タイトル 既設橋脚杭基礎の地盤改良による耐震補強(<特集>地盤構造物のメンテナンスとリニューアル)
著者 井上 美佐男・柏木 一夫・松木 聡・芝田 正則
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.6 No.713
ページ 12〜13 発行 2017/06/01 文書ID jk201707130011
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  • タイトル
  • 既設橋脚杭基礎の地盤改良による耐震補強(<特集>地盤構造物のメンテナンスとリニューアル)
  • 著者
  • 井上 美佐男・柏木 一夫・松木 聡・芝田 正則
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.6 No.713
  • ページ
  • 12〜13
  • 発行
  • 2017/06/01
  • 文書ID
  • jk201707130011
  • 内容
  • 報告既設橋脚杭基礎の地盤改良による耐震補強Seismic Retroˆt for Existing Pile Foundation of Viaduct Piers using Soil Improvement井上美佐男(いのうえ株東京モノレール松木 株鹿島建設技術・企画部聡(まつき土木設計本部みさお)副部長さとし)柏一夫(かしわぎ株モノレールエンジニアリング芝設計長. は じ め に木田かずお)技術部正則(しばた株鹿島建設東京土木支店担当部長まさのり)所長する。地盤改良は既設フーチングに架台を設置して行うため,1995 年に発生した兵庫県南部地震や 2011 年に発生し地盤改良体の配置はドーナツ状配置となる。地盤改良体た東北地方太平洋沖地震など,大規模地震の発生により,のラップ配置により補強後は一体型のケーソン基礎的な既設構造物及びその基礎に対する耐震補強の必要性が高構造とすることができる。また,鋼殻は土留め・仮締切まっている。しかし,都市部の鉄道橋脚の杭基礎の補強の機能を兼用するため,仮設材料のコストを軽減できる。では,敷地制限や空頭制限等により施工方法が限定される。本稿では,東京モノレールの運河内橋脚基礎(写真.既設橋脚基礎の耐震補強設計―)に対して,これらの課題を解決するために開発し東京モノレールの橋脚基礎に本工法を適用した場合のた耐震補強工法(杭基礎の杭頭部を鋼殻及びコンクリー耐震補強効果について検討した。補強前後の水平震度~トで補強し,杭地中部を地盤改良することで,杭の水平水平変位曲線を図―に示す。補強前の構造の応答解析抵抗を増大させる工法1))の設計と施工について報告すでは,水平震度が 0.4 程度で降伏に至り,レベル 2 地震る。応答では水平震度が0.54,水平変位が622 mm である。.耐震補強工法の概要開発した工法は,群杭基礎に対する耐震補強工法であ降伏震度は,補強後の構造の応答解析では約 0.8 となり,補強前の約 2 倍に向上することが分かった。先行する破壊モードについても補強前は杭頭部の降伏であるが,る。本工法の構造概要及び地盤条件を図―に示す。海底面から支持層まで N 値が 0~1 のヘドロ・シルト層が分布している。本工法は,杭頭部においては鋼殻と補強コンクリートから成る合成構造により杭頭部全体を一括して補強し,杭のせん断及び曲げ破壊に対する安全性を確保する。杭地中部においては高圧噴射地盤改良により杭周辺地盤を強化し,杭横抵抗と補強コンクリート下面地盤の鉛直抵抗の増大を図り地震時の杭体発生応力を低減させ,杭のせん断及び曲げ破壊に対する安全性を確保図―写真―12運河内橋脚基礎(東京モノレール)図―構造概要及び地盤条件水平震度~水平変位曲線地盤工学会誌,―() 報図―写真―地盤改良工施工状況写真―耐震補強工完成状況告施工フロー補強後は橋脚基部の降伏となり,修復性が向上する。.耐震補強工の施工図―に施工フローを示す。. 鋼殻設置鋼殻は 1 ピースの最大高さを700 mm に分割し,全16段を現場で組みながら自重で沈設した。設置深度は,杭頭部の補強と後述する地盤改良工で噴射された改良材の流出防止のために泥土層下端とした。泥土層の貫入抵抗が大きく沈設が困難な場合は,補助工法として鋼殻先端からのウォータージェットを併用した。鋼殻内側には,後述する地盤改良工のモニター管の挿入及び排泥回収のためのガイド管を設置している。当該管の直径は 200回はガイド管を設置したことで排泥をスムーズに回収すmm とし,排泥が閉塞を起こさないことを事前に別の場ることができた。所で実施した実規模試験で確認した。. 底版コンクリート打設改良体上部造成時の排泥の噴発を防ぎかつ確実にガイド管に導くため,鋼殻内の海底面(泥土層上端)に厚さ150 mm の底版コンクリート(水中不分離モルタル)を水中打設した。. 改良体(上部,下部)造成. 補強コンクリート打設底版コンクリート上部の鋼殻内をドライアップしてコンクリートを打設した。当該コンクリートには既設杭への荷重増加と鋼殻内での人力作業を回避するため軽量(比重1.75)の高流動コンクリートを採用した。.おわりに地盤改良工には高圧噴射撹拌工法を選定し,セメント施工中は常時,軌道の変位を監視したが,施工による系固化材を用いるジェットクリート工法を採用した。本変位は生じず,営業線の運行に影響を及ぼすことなく,工法では q45 mm のボーリングロッドに取付け可能な無事に工事を完了させることができた(写真―)。造小型モニター管を用いており,従来の高圧噴射撹拌工法り直しという考え方ではなく,既存構造物を適切に補強より施工機械が小型なので,本工事のような狭隘空間にし耐震性を向上させ,延命化を図った事例として今後のおいても施工に支障はなかった(写真―)。同種工事の参考となれば幸甚である。地盤改良体は,ジェットクリート施工中に発生する排泥の回収効率を考慮して,鋼殻内の泥土を先行して造成した(改良体上部造成)。また,施工による PC 杭への影響に配慮し,隣接する改良体の連続施工を避けるように配慮した順序で 8 本の改良体を造成した。粘性土地盤に高圧噴射撹拌工法を適用した場合,粘性の高い排泥参1)考文献松木 聡・芝田正則・藤崎勝利・新井崇裕・小原隆志・石堂正之鋼殻補強コンクリート地盤改良工法の設計と施工 ~東京モノレール橋脚基礎への適用事例~,第58回地盤工学シンポジウム,pp. 43~48,2013.(原稿受理2017.2.20)が閉塞し,周辺地盤へ噴発することが懸念されたが,今June, 201713
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