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西日本豪雨災害における斜面災害の特徴と過去の災害との相違点Characteristics of Sediment Disaster due to Torrential Rainfallin 2018 Western Japan and Difference from Previous Cases鈴木素之*,荒木功平**,石田幸二***,岩佐直人****,宇次原雅之*****,北爪貴史******,後藤聡**,橋口昭彦*******,美馬健二********,吉川修一*********Motoyuki SUZUKI, Kohei ARAKI, Koji ISHIDA, Naoto IWASA, Masayuki UJIHARATakashi KITAZUME, Satoshi GOTO, Akihiko HASHIGUCHI, Kenji MIMA and Shuichi YOSHIKAWA平成 30 年 7 月豪雨においては,広島県南東部を土砂災害の中心にして,各地で土石流等による地盤被害が多発した。この土砂災害の特徴としては,長時間継続した豪雨によって崩壊および土石流が連鎖的に発生したため,極めて大量の土砂が発生したこと,また,その土砂は洪水流と一緒になって氾濫し,広範囲かつ遠方まで到達したことがあげられる。本文では,広島県呉市などの被災域における土石流・崩壊の発生状況,家屋等の被害状況に対する現地調査結果を報告し,斜面災害の特徴と過去の災害ケースと比較した結果について述べる。キーワード:豪雨,斜面災害,地質,ハザードマップTorrential rainfall, Sediment disaster, Geology, Hazard map1.はじめに府 28 県)であり,その内訳は土石流等が 769 件,地すべ平成 30 年 7 月豪雨(西日本豪雨)では大雨特別警報がりが 55 件,がけ崩れが 1688 件であった。被害の数,範1 府 10 県で発表され,広島,岡山,愛媛など各地で甚大囲の点から言って,平成最悪レベルの土砂災害といえる。な被害が発生した。災害発生後,地盤工学会,土木学会において緊急調査団が組織され,被害全容の早期把握が3.被災地の地質行われた。その結果,土砂災害の中心は広島県南東部で被災地全域の地質は花崗岩,流紋岩,変成岩,堆積岩あり,その特徴として長時間継続した豪雨によって崩壊など多様である。広島県呉市の調査箇所周辺に限れば,および土石流が連鎖的に発生したため,極めて大量の土地質は広島型花崗岩,流紋岩,花崗閃緑岩などである。砂が発生したこと,また,その土砂は洪水流と一緒にな崩壊箇所は各地質帯で起こっており,今回の豪雨によるって氾濫し,広範囲かつ遠方まで到達したことが明らか崩壊や土石流の発生に地質の違いによる差異はないようになった。以下,著者らが実施した調査結果をもとに,である。今回の災害においては土石流中のコアストーン広島県呉市,安芸郡熊野町,安芸郡坂町の土石流・崩壊が被害を大きくしたことは特筆すべきことであるが,この発生状況,家屋・施設等の被害状況,斜面災害の特徴,のことは過去の災害でも発生していたことである。さらに呉市,福岡県朝倉市の既往災害と比較した結果について述べる。4.被災状況の調査4.1 安芸郡熊野町川角 5 丁目2.災害概要内閣府1)によると,平成川角 5 丁目では隣接する 2 本の沢で土石流が発生した。30 年 10 月 9 日 17 時の時点被害の大きかった北側の沢では山頂付近で 2 箇所,南側で,平成 30 年 7 月豪雨による人的・物的被害は死者 224の沢では中腹付近で崩壊が発生した(写真-1)。人,行方不明者 8 人,住家全壊 6695 棟,住家半壊 10719北側の沢は土石流の警戒区域が設定されており,被災棟であった。また,土砂災害発生状況は 2512 件(1 道 2箇所は区域内に含まれる。南側の沢は警戒区域が設定さ* 山口大学** 山梨大学*** 和歌山航測**** 日鐵住金建材Yamaguchi UniversityUniversity of YamanashiWakayama Air Survey Co., Ltd.Nippon Steel & Sumikin Metal Products Co., Ltd.***** 日特建設NITTOC CONSTRUCTION CO., LTD.****** 東電設計Tokyo Electric Power Services Co., Ltd.******* 新和技術コンサルタント******** 太田ジオリサーチ********* 八千代エンジニヤリングShinwa Gijutsu Consultant Co., Ltd.Ohta Geo Research. Co., Ltd.Yachiyo Engineering Co., Ltd.111れておらず,上流の一部宅地は区域外であった。・ソフト対策として,土石流の到達範囲が建物や道路等土石流の流下状況について概説する。北側と南側の沢の位置・標高によっても変化するため,警戒区域の設が近接する中腹部では北側で発生した土石流が巨石や沢定や避難計画等に反映することが望まれる。の向きによって流下方向が規制され,小尾根を乗り越え4.2 呉市安浦町市原南側の沢に流れ込んでいる(写真-2)。平成 30 年 10 月調査は平成 30 年 10 月 19 日に実施した。広島市熊野町19 日時点も巨石が残っており,再移動への注意が必要でと三津口湾を結ぶ県道 34 号の安原町中畑から町道で南ある。に約 1km 下った市原,標高 500m 前平山の南東側斜面での斜面災害の調査を行った。写真-4 に被災状況図を示す。土砂流下範囲写真-4 被災図(左)と砂防堰堤(右)(国土地理院航空写写真-1 川角地区の被災状況(国土地理院写真に加筆)真に加筆)被災箇所には砂防堰堤と副堤から成る砂防設備が整備されていたが,堰堤の袖工は土石流により破損し,斜面下部の民家および町道を越えた位置の民家に土石流が流れ込んだ。主な調査結果は以下である。写真-2 北側の土石流が小尾根を越え南側の沢に流下(1) デイサイト・流紋岩を基岩とする火砕流堆積物等の土石流被害であった。北側の沢下流部の被災箇所では土石流の痕跡を見るこ(2) 土石流流出土砂量は集水面積が 0.05km2 程度の規模とができる。建物は嵩上げがなされており,土石流は標であった。高のより低い道路を流下し,道路両側の家屋,ブロック(3) 被災地における土砂災害特別警戒区域範囲の指定は塀が損壊している。土石流の流下方向と建物等の位置関的確であった(図-1)。係により,建物等の被害状況が異なっている(写真-3)。土砂流下範囲写真-3 土石流が標高のより低い道路を流下南側の沢下流部では,宅地造成により沢の流過断面が図-1 調査箇所の土砂災害特別警戒区域の範囲 2)狭くなる箇所や道路交差部で沢が暗渠化されている箇所では土石流が氾濫している。4.3 呉市安浦町三津口川角地区における調査結果のまとめを以下に示す。・ハード対策として,不安定巨石の再移動に対する動態水尻川上流の山腹を源頭部とする土石流は途中湾曲し観測,巨石の捕捉効果が高い砂防堰堤・高エネルギーながら流下し,砂防堰堤を乗り越えて,下流の集落を襲吸収柵の整備,宅地造成に制約を受けない十分な流過った(写真-5)。砂防堰堤の上流には数メートルの大きさ能力を有する水路の整備が望まれる。を持つ花崗岩の巨礫がいくつか認められた。112集落の渓流部では石積み擁壁等が崩壊した(写真-6)。写真-7 に現地調査(平成 30 年 10 月 20 日)による当渓流部では過去に発生した土石流の痕跡も認められた。該箇所の被災状況を示す。図-2 において警戒区域等に指定されていない建造物には他の倒壊等の建造物と比べて大きな被害はみられないことがわかる。このことは,土砂災害ハザードマップを活用することで,指定避難所以外で緊急避難できる地点が存在し得ることを示している。高台等の警戒区域等に指定されていない地点を洗い出すことは有用と考えられる。警戒区域等に指定されていない建造物写真-5 水尻川上流の砂防堰堤(安浦町三津口,平成 30写真-7 被災状況の概況年 10 月 19 日撮影)4.5 呉市天応地区(1) 大屋大川上流・中流・下流域の状況大屋大川の上・中流域で大小多数の斜面崩壊および土石流が発生し,大量の土砂,礫を下流に供給した。河床に設けられた砂防堰堤により被害を拡大する巨礫の流下はある程度減少させることができた。一方,川の屈曲部では路盤の洗掘や越流土砂による家屋倒壊を生じさせた。また,橋梁下の流過断面狭隘部は土砂の流過閉塞を引き起こし,越流した小礫を含む土砂が下流の家屋周辺に 1m余りの層厚で堆積した(写真-8)。家屋周辺に堆積した土砂量は膨大であったが,窓ガラ写真-6渓流部の石積み擁壁等の被害の様子(安浦町スを割ることなく,また,層状の痕跡を呈していた様相三津口の水尻川,平成 30 年 10 月 19 日撮影)から比較的静かな流れの状況下で数段階に及ぶ堆積過程があったものと推察される。4.4 呉市吉浦新出町土石流(箇所番号:I-3-89-108B,箇所名:宇根川・笠岩川(108b))周辺について現地調査を行った。図-2 に示す当該箇所周辺の警戒区域等指定状況から,警戒区域等に指定されていない建造物があることがわかる。警戒区域等にかかっていない建造物写真-8 大屋大川下流の橋を越流,堆積した土砂(平成30 年 7 月 15 日および 8 月 15 日)(2) 呉市天応西条 3 丁目の土砂災害1) 土砂災害の状況呉市天応西条 3 丁目,背戸川支川で土石流が発生した(写真-9)。図-3 の空中写真によると,土石流により 4図-2 調査箇所周辺の警戒区域等指定状況 2)軒の家屋が流失したと読み取れる。土石流が発生した谷の頂部では幅約 13m,厚さ約 1.5m の表層崩壊を確認し113た(写真-9)。この表層崩壊が土石流化したと見られる。検討する必要がある。4.6 安芸郡坂町小屋浦坂町小屋浦地区では,天地川の複数の支川で土石流が発生し,集落を襲い,15 名の尊い命が奪われた。天地川の上流には砂防堰堤の痕跡と思われる場所が観察された(写真-10)。さらに,上流部では渓流側に傾斜する花崗岩のシーティングジョインが多く観察された(写真-11)。ジョイントが発達しているので,土石流の直撃を受けると多くの岩塊を下流に供給する可能性がある。写真-9 呉市天応西条 3 丁目の被災状況(上)および土写真-10 砂防堰堤の痕跡と思われる場所(左岸)(坂町小石流発生源の状況(下)図-3屋浦,天地川上流,平成 30 年 10 月 20 日撮影)呉市天応西条 3 丁目の被災状況(土砂災害警戒区域は広島県 HP の土砂災害ポータルひろしま,写真-11空中写真および地形図は地理院地図から引用)渓流側に傾斜する花崗岩のシーティングジョイント(左岸)(坂町小屋浦,天地川上流,平成 30 年 10 月 20 日撮影)2) 土砂災害特別警戒区域の不一致該当箇所の付近は土砂災害警戒区域,土砂災害特別警4.7 JR 呉線 水尻駅戒区域(以下,イエローゾーン,レッドゾーン)が指定JR 呉線の水尻駅は土石流(土砂流)による土砂が堆積されていた。レッドゾーンと被災家屋は,本来一致すべした場所であるが,調査時は堆積土砂の痕跡を電信柱やきと考えられるが,図-3 に示す被災家屋 2 軒はレッドゾブロック壁に見ることができる(写真-12)。水尻駅からーンに指定されていなかった。北に約 100m 離れた箇所の状況を写真-13〜写真-15 に示参考までであるが,レッドゾーンは,土砂災害防止法す。道路を横断しているカルバートの上流側が幅 3m 程によると,「警戒区域のうち,急傾斜地の崩壊等が発生し度の小規模な渓流から供給された流木・土砂によって閉た場合には建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に塞し,溢れ出た土砂によって,家屋・防護柵などが損傷著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区している。特に写真-15 左奥のガードレール付近から大域」と示されている。きく変形していることから,このカルバートが閉塞され該当箇所のレッドゾーン不一致が,稀なケースかどうたことで,渓流から供給された土砂が氾濫し,被害が拡かは今後検証する必要がある。もし,他の被災箇所も不大したと推定される。一致がいくつかあるとすれば,範囲の設定方法の修正を1145.2 平成 29 年九州北部豪雨災害(1) 花崗閃緑岩分布域の崩壊並行して実施した平成 29 年九州北部豪雨災害調査結果との比較を行った。調査した朝倉市の乙石川流域で確認される花崗閃緑岩は全般的に風化を強く受けており,深部までマサ化が進行している場合がある。斜面で確認される岩盤の割れ目間隔が小さく,コアストーンも小さ写真-12 水尻駅付近写真-13 カルバート上流口いものが多い(写真-16)。崩壊形態は強風化岩盤上のマサの崩壊が多いが,風化岩盤表層部の崩壊を伴う場合もある。呉地域では,シーティングジョイントに沿って風化が進行し,斜面上に残留したコアストーンが斜面崩壊の素因となっているような例が見られたが,朝倉地域では確認できなかった。地形や花崗岩類の性状の違いなどにより,風化の機構・進行状況が異なっていたためではないかと考えられる(図-5)。写真-14 カルバート上流側写真-15 被災箇所全景5.過去の災害との比較5.1 呉市における土砂災害履歴呉市においては過去何回も土砂災害が発生している。図-4 に呉市とその周辺部の地質図に今回の崩壊箇所と1945 年枕崎台風 3)および 1999 年 6 月 29 日の集中豪雨 4)による崩壊箇所をプロットしたものを示している。この地域の地質は広島型花崗岩と流紋岩が主に分布しているが,今回の豪雨による崩壊は地質の違いによらず発生していることがわかる。また,今回の豪雨による崩壊箇所は過去の崩壊箇所に近い場所で発生しているものもあるが,多くが過去の災害と異なる場所で発生しているよう写真-16強風化した花崗閃緑岩斜面の崩壊(朝倉市杷にみえる。ただし,古い資料の崩壊発生箇所は紙ベース木松末地区乙石川流域,平成 30 年 10 月 21 日から読み取っているので,位置精度が異なる点に注意す撮影)る必要がある。厳密に崩壊箇所の分布の違いを明らかにするには,これら以外の災害での崩壊箇所との比較・検討が必要と考えている。図-5 呉地域・朝倉地域における花崗岩類の風化状況と崩壊形態の模式図(呉地域では A,B 両方の形態が確認されたが,朝倉地域は B が優勢であった)(2) 泥質片岩分布域の斜面崩壊花崗閃緑岩分布域の崩壊は乙石川両岸の斜面裾部に沿った平面的に狭い範囲で発生しているが,花崗閃緑岩と図-4呉市とその周辺部の崩壊箇所分布(基図の地質の接触部に近い泥質片岩分布域では斜面上部の緩斜面部図は産業技術総合研究所地質図,2018 年西日本にまで広がっている。これは花崗閃緑岩分布域に比べ,豪雨による崩壊箇所は国土地理院,1999 年 6 月比較的深い位置から崩壊したことを示している。また,29 日豪雨による崩壊箇所は日本応用地質学会中一部の崩壊面は V 字型の形態を示しており,一定の方向国四国支部災害調査チーム(1999),1945 年枕崎の面構造(断層や片理や節理等)に規制された崩壊であ台風による崩壊箇所は廣島縣土木部砂防課ることを示している(写真-17)。(1951)の調べによる)115大きな被害はみられなかった。このような建造物を洗い出すことは今後の検討材料とする上でも有用と思われる。(3) 呉市天応地区下流域における家屋周辺の膨大な土砂堆積は河川屈曲部や橋梁下の流路閉塞と越流を一因とするものと推察された。今後,市街地における既存流路,特に橋梁下においては流路の拡幅や深堀などにより,土砂や流木の流出可能面積を増加させる対策が必要であると考えられる。(4) 安浦町三津口の水尻川において,集落の渓流部では土石流により石積み擁壁等が崩壊した。渓流部での写真-17 泥質片岩分布域での崩壊(朝倉市杷木松末地石積み擁壁等は土石流に対して,注意が必要である。区乙石川流域,平成 30 年 10 月 21 日撮影)(5) 道路を横断するカルバート等における流木・土砂の閉塞によって土砂災害が拡大することから,そのよ(3) 土石流堆積物うな箇所のハザードマップを作成するとともに,住乙石川流域では 1m 程度の巨礫をふくむ淘汰の悪い礫民に周知させる工夫が必要と考える。層と細粒の礫の少ない堆積物が重なる露頭が多く観察さ(6) 呉市の場合,今回の豪雨での崩壊箇所は過去の崩壊れる。土石流が度々発生していることが覗われる(写真箇所に近い場所と離れた場所の両方で発生していた。-18)。(7) 花崗岩類分布域でも,地域により崩壊形態・土石流の発生機構に違いがある可能性がある。謝辞:本調査研究は,地盤工学会会長特別委員会「平成30 年 7 月豪雨を踏まえた豪雨地盤災害に対する地盤工学の課題」斜面 WG ならびに土木学会平成 30 年度重点研究課題(代表者:鈴木素之)における活動の一環として実施したものである。ここに記して謝意を申し上げる。参考文献1)内閣府:平成 30 年 7 月豪雨による被害状況等について(平成 30 年 10 月 9 日 17 時 00 分 現在),http://www.bousai.go.jp/updates/h30typhoon7/pdf/30100写真-18古い土石流堆積物(朝倉市杷木松末地区乙石9_1700_h30typhoon7_01.pdf川流域,平成 30 年 10 月 21 日撮影)2)呉市役所:土砂災害ハザードマップ,https://www.city.kure.lg.jp/soshiki/82/kureinfo-dosyasai6.まとめgaihazardmap.html(2018 年 11 月 7 日閲覧).本調査で得られた結果は以下のとおりである。3)(1) 川角地区では,土石流が小尾根を乗り越え隣接沢に廣島縣土木砂防課:昭和 20 年 9 月 17 日における呉市の水害ついて,1951.流下したり,建物や道路に沿って流下方向を変えた4)日本応用地質学会中国支部災害調査チーム(三浦りする現象が見られた。今後は警戒区域の設定や避清・阿南修司・藤本睦・新見健・植田哲司・岡村護)難計画の策定においても留意が必要である。(1999):1999.6.29 広島・呉市土砂災害速報―花崗(2) 呉市吉浦新出町の土石流 I-3-89-108B 周辺は,わずか岩地帯における土砂災害―,応用地質,Vol.40,No.5,ながら警戒区域指定外の建造物があり,他と比べてpp.316-321.The authors investigated the areas affected by the torrential rainfall event of July 2018. This reportdescribes the characteristics of sediment disasters and the comparison with past cases. Furthermore,the damage condition of houses and facilities were investigated from the viewpoint of the sedimentdisaster alert area in the hazard map. Main results are as follows. The debris flow and slope failurewere densely distributed in the southeastern part of Hiroshima. The places of sediment disasters werenot identical with those of past cases, but they occurred at similar place.116
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