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出版

タイトル 造成宅地の新たな液状化流動破壊モードとそのメカニズム―平成30年北海道胆振東部地震での札幌市清田区の事例―
著者 國生 剛治
出版 第61回地盤工学シンポジウム
ページ 1〜8 発行 2018/12/14 文書ID fs201812000001
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  • タイトル
  • 造成宅地の新たな液状化流動破壊モードとそのメカニズム―平成30年北海道胆振東部地震での札幌市清田区の事例―
  • 著者
  • 國生 剛治
  • 出版
  • 第61回地盤工学シンポジウム
  • ページ
  • 1〜8
  • 発行
  • 2018/12/14
  • 文書ID
  • fs201812000001
  • 内容
  • 造成宅地の新たな液状化流動破壊モードとそのメカニズム―平成 30 年北海道胆振東部地震での札幌市清田区の事例―Unprecedented liquefaction failure mode in residential fill and its mechanism-Case study at Kiyota ward, Sapporo city, during 2018 Hokkaido earthquake國生剛治*Takaji KOKUSHO2018 年 9 月 6 日午前 3 時 08 に起きた地震では,札幌市清田区の造成宅地で今までに見られなかった液状化被害が発生し,多数の戸建て住宅に従来では考えられない大きさの沈下・傾斜被害が生じた。旧谷地形の水田を埋めた砂質地盤が液状化で非常に流動的になり地表には噴砂せず,大量の砂が地下からなくなり最長 200m も緩勾配地盤中を流動し造成地端部から流失したためである。稀ではあるが類似の破壊モードは 2003 年十勝沖地震で北見市郊外農地でも起きており,大量に含まれた非塑性細粒分と粒子破砕性により緩傾斜地盤中で火山起源の細砂が流動性を増した可能性がある。従来の液状化関連設計での考え方と大きく異なる今回の液状化流動破壊モードの重要性に鑑み,本稿では地震直後の限られた情報に基づきその破壊メカニズムについて検討した。キーワード:造成宅地,液状化,地中砂流動,体積収縮性,細粒分含有率Residential landfill, liquefaction, subsurface flowable-sand-, contractility, fines content丘陵部とそれに挟まれた帯状の水田と畑地からなる谷地1.はじめに2018 年 9 月 6 日午前 3 時 08 に起きた北海道胆振東部形であった。1984 年までにほぼ平坦な宅地に造成してお地震(MJ=6.7)では,図-1 に示すように震央から約 50 kmり,造成盛土としては丘陵地の凝灰質の砂質土が使われ離れた札幌市清田区里塚 1 丁目の造成宅地で大規模な液たと推定される。状化が生じ,多くの戸建て住宅で非常に大きな沈下や傾液状化地点から 8 km ほど離れた防災科研の K-NET斜が生じた。本稿では,従来の液状化関連の設計で考慮HKD182 広島での加速度の時刻歴と応答スペクトルを図してこなかったこのような破壊モードの重要性に鑑み,-2 に示すが 2),地表最大加速度 PGA=200gal 弱,卓越振被災直後の現時点(原稿締切日:2018 年 9 月 16 日)ま動数は 2.5~5Hz,継続時間は 20~30 秒程度であった。図-3 は国土地理院 1)による今回被災した造成宅地の地での筆者による調査結果や見解について報告する。図であるが,1968 年以前は丘陵とその間に入り込んだ沖積低地からなり,一番の低地は水田でその横は畑地に利2.被災速報この宅地は国土地理院の航空写真 1)によると 1978 年以用されていた。住民の方からの情報でも確認できたが,前は支笏火砕流堆積物(溶結・非溶結凝灰岩)から成る40 年ほど前から一帯の開発が始まり,周辺の丘陵を切土NS: 199 cm/s2EW: 177 cm/s2UD: 107 cm/s2104mrutc 103eps 2sen 10opse 101rn0iota 10rele10-1ccA10-2(D=5%)00図-1 平成 30 年北海道胆振東部地震震央位置など*60 80 100 120 140 (s)名誉教授246Period (s)810図-2 平成 30 年北海道胆振東部地震本震の加速度時刻歴と加速度応答スペクトル 2)1)中央大学20 40Professor Emeritus, Chuo University1 図-3 札幌市清田区里塚 1 丁目付近地図と液状化沈下影響範囲図-4 同上地図と国土地理院航空写真(1961~1969)1) から読み取った水田・畑地・丘陵地を重ね合わせして,最大厚さ 8~9 m ほどの盛土によりほぼ平坦ではあここで指摘すべきこととして,盛土の S 波速度を 100 mるが平均勾配 1.5~3%で東に向かって緩く傾斜した宅地程度とした場合,盛土厚さを底部の軟弱層も含め 10 mが造成されたようである。図中には宅地街路に沿って地とするとその固有振動数は f=100m÷(4×10m)=2.5 Hz とな盤が大沈下を生じた箇所を(筆者が目視調査)黄色の帯り,図-2 の地震入力によって増幅し他の造成埋立地よりで重ね書きしている。今後正確な測量が必要であるが,液状化し易かった可能性が考えられる。図 -4 に は 図 -3 と 同 じ 地 図 上 に , 国 土 地 理 院 の沈下をしていないように見える近辺の地盤との最大相対1)から筆者が読み取った旧地形沈下は 3m を越え,沈下帯の幅は 30 m 前後はあると思わ1961~1969 年の航空写真れた。沈下の帯はこの造成宅地の東側端部に当たる地点の水田・畑地・丘陵地の範囲を書き入れている。図-3 にA から始まり徐々に高度を上げながら造成地の奥方向に記入した最大沈下の帯が水田や畑地の分布と概略一致し延長約 200m にわたり連続していた。ていることが読み取れ,液状化による大沈下量は旧地形A:液状化砂流出箇所Before(2016, Google street view)after図-5 造成宅地における撮影位置①での地震前後の比較2 図-6 造成宅地における撮影位置②での地震前後の比較図-7 造成宅地における撮影位置③での地震前後の比較Before(2016, Google street view)after図-8 造成宅地における撮影位置④での地震前後の比較図-9 造成宅地における撮影位置⑤での地震前後の比較3 図-10 造成宅地における撮影位置⑥での地震前後の比較図-11 造成宅地における撮影位置⑦での地震前後の比較図-12 造成宅地における撮影位置⑧での地震前後の比較の低地部の埋立厚さに支配されと推定される。地に大亀裂が発生しておらず,噴砂がほとんど見られ図-5~図-12 はこの造成エリアで地盤沈下に巻き込まない点である。これらの大沈下を引き起こした地下の土れた戸建て住宅の写真(2018 年 9 月 7, 8 日筆者撮影)のはどこに行ってしまったのか?その土は地盤中を長距離例である。撮影位置①~⑧は図-3 に示されている。Google流動し造成宅地東側で地上に流出し,下流側一帯の低地ストリートビュー(2016~2017 年撮影)を使った地震前を埋め尽くしたと考えられる。その流出箇所は図-3 に示後の比較写真としているが,ほぼ平坦であった宅地が地す造成宅地端部の地点 A であることは,大沈下の帯がそ震後に通常の液状化では起き得ない大きさの沈下と傾斜こで止まっていることからも判定できる。による甚大な被害を蒙っていることが分かる。もう一つ図-13~図-15 は地点 A から下流低地側の地震前後の比指摘すべきは,これだけの大沈下にも関わらず道路や敷較写真である。地震前は Google ストリートビュー(20164 A:液状化砂流出箇所Before(2016, Google street view)after (住民の方よりご提供いただいた)図-13 造成宅地下流における撮影位置⑨での地震前後の比較A:液状化砂流出箇所Before(2016, Google street view)after ( 住 民の方よりご提供いただいた)図-14 造成宅地下流における撮影位置⑩での地震前後の比較Before(2016, Google street view)after (住民の方よりご提供いただいた)図-15 造成宅地下流における撮影位置⑪での地震前後の比較年),地震後は外部の人間は立ち入り規制されていたため,3.液状化砂の長距離流動性地元住民の方からご提供いただいた写真を使わせていただいている。地震前に道路であった舗装面に大きな亀裂造成宅地の広域にわたって液状化した砂は途中で地表が口をあけ,その上流側には砂は見られず下流から砂のを突き破って噴出することなく,最長 200m ほど地中を堆積がはじまっていることからここが噴出位置であった長距離流動し地点 A から噴出したことになる。造成地はことは確実である。旧地形図によればこのあたりは旧水流出方向に平均 1.5~3%の緩い勾配があったが,大量の田地帯に至る水路が通っており,宅地造成に当たり排水砂が地中からほぼ水平方向に流失したことで宅地に最大管などの排水設備を設置していたとすれば,この地点 A3m ほどにもおよぶ大沈下を 200m の長さにわたり引き起に排水設備出口があった可能性があり,それが砂の流出こした。これが生じるには勿論ある程度の時間が必要でを促進したことも考えられる。あった思われ,宅地の沈下も徐々に進んだと推定される。5 えられるが,砂自身の特性にその根本的原因があると思10080通過重量百分率 (%)われる。取り急ぎ実施した流出堆積砂(ホテルクラウン2018年胆振東部地震清田区宅地盛土①清田区宅地盛土②2003年十勝沖地震 端野町農地盛土前歩道とセイノーエクスプレス前の歩道の 2 か所で採取)の物理試験による粒度分布を図-16 に示す。採取地点は 50 m ほど離れているが,極めて近い粒度分布であ60ることが分かる。平均粒径 D50=0.13 mm,均等係数 Uc=2540~35 の細砂で,細粒分の含有率は Fc=35~36%で非塑性(NP)であり,土粒子密度は ρs=2.26~2.28 t/m3 と異常にmm570.02001E-30.01低いことから,軽石(パミス)を多く含むと考えられる。今回のような液状化流動事例は筆者の知る限り極めて0.11稀ではあるが,例外的に 2003 年十勝沖地震(MJ=8.0)の10粒径'(mm)際に北海道北見市郊外端野町の造成農地で今回と酷似し図-16 清田区造成宅地から下流に流出・堆積した砂た液状化による地盤破壊が起きていた 3)。図-17(a)のようの粒度分布と 2003 十勝沖地震で類似地盤破に液状化サイトは震源から 230 km も離れており,そこ壊を生じた端野町造成農地の砂との比較から 10km ほど離れた防災科研の K-NET HKD054 北見では図-17(b)のように PGA=54gal の弱い加速度が主要動 1実際,砂が堆積した下流域の地元住民の方から得られた分間ほど記録されていた証言では,「午前 3:08 分の地震発生時は暗かったため外地数か所で液状化が起きたが,なかでも以前は水田であで何が起きているか分からなかったが,水が流れるようった谷地形を 30 年ほど以前に盛土造成した緩傾斜(3º)2)。これにより一帯に拡がる農な音が絶え間なく聞こえ水道管の破裂かと思った。5 時畑地が、長さ 150m 幅 35m にわたって最大 3.5m 沈下し過ぎに明るくなり外に出ると家の周りは既に砂で埋め尽た。図-17(c)の写真のように亀裂も噴砂も少なく小麦畑のくされており,付近の溝からはまだ砂の噴出が続いてい畝筋は乱れることもなく整然と並んだままであった。図た」とのことである。-18(a)(b)にはこの陥没エリアの全景とその下流端近くか液状化した砂のこれほど長距離の地中流動が可能となら噴出した砂の流下軌跡を含んだ航空写真と地盤調査点った理由については,宅地造成時に地中排水設備が設置を含む平面図されていたとすればそれがある程度関わった可能性も考2 か所から噴出し下流 1 km にわたり流れ下った。噴出砂3)を示す。液状化した砂は陥没エリア端部の粒度分布を図-16 に重ね合わせているが,今回と酷似している。平均粒径 D50=0.2 mm,均等係数 Uc=30 の火山北⾒市端野町(a)起源の細砂で多少のパミスを含み土粒子密度 ρs=2.465t/m3 と低めの値が報告されている3) 。細粒分含有率はFc=33%で,細粒分は非塑性(NP)である。地盤調査と約230km× 震源(b)加速 度 (ガル)10 0EW500-5 0-10 020406080100120140時 間 (s)(c)図-17 2003 年十勝沖地震と端野町液状化地点(a),図-18 十勝沖地震での陥没農地の航空写真と下流域への砂流出の航空写真(北見工大提供)(a)と地盤調査位置 3)をK-NET 北見(EW)(b),陥没した畑と畝筋(c)含む平面図(b)6 図-19 富津砂+非塑性細粒分供試体の中空ねじり非排水単調載荷試験:(a)供試体粒度分布,(b)有効応力経路,(c)応力~ひずみ関係 8)して図-18(b)の平面図に示す点でスウェーデン式サウンい (a)に示す粒径分布からなる富津砂に非塑性細粒分をディング(SWS)が行われたが 3),換算 N 値は地表から異なる細粒分含有率 Fc で混合した試料を使った中空ねGL-6 m の範囲で N=1~8 と極めて低かった4)。じりせん断による (b) τ~σc’関係と(c) τ~γ’関係を示す 7)。相対密度 Dr≈30%の緩い供試体にも関わらず Fc=0%のク畑地の地表は沈下した後も小麦などの畝が整然と並び,陥没範囲で噴砂は全く起こっていなかった点も今回の事リーンサンドでは膨張性であるのに対し,Fc =10%では例に酷似している。つまり宅地のように地表が道路舗装ひずみ軟化を伴った収縮傾向に転じ,Fc =20%ではさらや建物基礎などで覆われていなくても,地表への噴砂はに収縮性が強まり残留強度ゼロの状態まで激しく変化す起きていない。液状化した砂はやはりここでもかなりのることが明瞭に分かる。実際,端野町の液状化地盤の砂流動性を持っていたと考えられる。は Fc =33%の非塑性細粒分を含んでいたし,今回の清田区でも Fc =35~36%で非塑性である。これは細粒分含有率 Fc により砂のダイレイタンシ―特性が大きな影響を4.液状化砂の流動性メカニズム受け,限界状態線 CSL が変化するためである。液状化した砂がこれほどの流動性を発揮するための重要な分れ目は,間隙水圧が上昇し液状化した砂が流動しさらに,これら 2 地点の砂がいずれも火山起源の周辺非排水せん断される時に膨張性を示すか収縮性を示すか地山を切り崩したものであり,河川沖積砂に比べて粒子である。膨張する場合には間隙水圧は低下し有効応力が破砕性が大きい可能性があり,これが収縮性を発揮する増加して流動性は失われるのに対し,収縮する場合は流上で大きな影響をおよぼしたことも考えられる。実際に動中も 100%の水圧を維持し液体のような流動性が継続清田区の砂は土粒子密度が ρs=2.26~2.28 t/m3 で通常の砂できるからである。に比べて極端に小さく,パミス系の破砕性に富む粒子かせん断される砂の膨張と収縮を分ける条件として限界らなっている可能性がある。端野町についても ρs=2.465状態線(CSL: Critical State Line)の存在が知られており 5),t/m3 の低い値のため,同じ可能性が疑われる。砂礫材(神密度が緩い砂で有効土被りが大きいほど収縮側となり易戸マサ土)についての実験例ではあるが,粒子破砕性がい。通常の液状化問題においてはクリーンサンドは膨張大きい材料は堅硬な粒子を持つ材料に比べて繰返し非排側にあり,非排水繰返し載荷条件では水圧が 100%上昇水せん断強度(液状化強度)だけでなく,液状化時の流し液状化するものの,一方向せん断では膨張側に転ずる動に関わる一方向非排水せん断強度も明瞭(1/10 程度まために一方向への流動は起きにくいと言える。一方向へで)に低下することが示されている 9)。ちなみに今回液状化した清田区の造成宅地から 1~2の非排水せん断でも砂が収縮性を示し流動しうるためにkm に 位 置 す る ゴ ル フ 場 斜 面 が 2010 年に MJ=4.6 ,は,いくつかの可能性が考えられる。まず本震以降も余震が継続して小震動により砂の流動PGA=40gal 程度の直下地震により小規模な地すべり・流性が維持される場合で,室内実験や振動台実験などによ動破壊を起こしたとの報告がある 10)。これら小地震でも例えば 6)。しかしその多少不安定化する特徴は 2003 年十勝沖地震での端野町液状の貢献度は否定できないものの,常に流動性を維持する化とも共通しており,北海道の火山起源の砂の特性を反ほどの余震の継続性が確保されるかは疑問である。映している可能性もある。りある程度の効果が確認できるそれより重要なのは,砂に含まれる細粒分の効果と思最後に残された大きなナゾとして,「なぜ清田区と端野われる。非塑性細粒分が混じるとクリーンサンドのダイ町の液状化で噴砂は地表に吹き上げなかったのか」があレイタンシ―特性が劇的に変化し,膨張的から収縮的にる。北海道特有の火山起源砂の性質や気候的条件が関わ明瞭に変化することが室内力学試験により示されてきたっているのか現時点では想像の域を出ない。ただし,上例えば 7)8)記いずれのケースでも共通的に,地盤は緩傾斜していた。図-19 には一例として,今回液状化した砂と近7 ことと沈下した地盤に明瞭な亀裂が発生していないこと謝辞:(株)テレビ朝日報道局の山本将司様には液状化は一考に値する。この共通的条件の下では,地中の砂が地点調査の機会をいただき,関連資料の準備もしていたある深さで連続的に液状化し緩勾配を下流方向に移動しだいた。また防災科学技術研究所の石澤友浩氏には緊急ようとすると,地盤の気密性により上流側に負圧が生じ的に砂の物理試験を引き受けていただいた。末筆ながら表層を突き破る噴砂が生じにくくなるのではないだろう深謝申し上げます。か。負圧は本来液状化で発生した過剰間隙水圧を下げることになるはずだが,それでも砂粒子間の有効応力の回参考文献復が起こらず流動性を保持しうる何らかのメカニズムが1)存在するのではないであろうか。2)いずれにしても,従来の設計では想定してこなかった国土地理院地図:://maps.gsi.go.jp/防災科学技術研究所:http://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/大きな地盤沈下・傾斜により家屋などへの甚大な被害を3)Tsukamoto, Y. Ishihara, K., Kokusho, T., Hara, T. and与えた今回の液状化流動破壊モードについて,メカニズTsutsumi, Y. (2009): Fluidisation and subsidence ofム解明と対策の研究が必要である。gently sloped farming fields reclaimed with volcanicsoils during 2003 Tokachi-oki earthquake in Japan,5. まとめGeotechnical Case History Volume, Balkema, 109-118.1) 北海道胆振東部地震により札幌市清田区の造成宅地4)で起きた液状化では,多くの戸建て住宅に従来想定してこなかった規模の最大 3 m ほどの沈下・傾斜を5)もたらした。2) その大沈下メカニズムは従来とは全く異なり,沈下6)家屋近傍では噴砂は起きず,液状化した大量の砂はKokusho,T.(2017):InnovatedEarthquakeSoilDynamics, Chap. 5.6, P.328.Casagrande, A. (1971): On liquefaction phenomena,Geotechnique, London, England, Vol.XXI, No.3,197-202.Meneses, J., Ishihara, K. and Towhata, I. (1998):長距離離れた噴出箇所まで緩やかな勾配で地中を流“Effects of superimposing cyclic shear stress on the動し失われることで,従来にない大きな沈下が引きundrained behavior of saturated sand under monotonic起こされた。loading.” Soils and Foundations, Vol.38, No.4, 115-1277)3) 液状化した砂が継続的に地中流動できるためには,Ishihara, K. (1993): Liquefaction and flow failure duringせん断され続ける砂の体積収縮性が鍵であり幾つかearthquakes, 33rd Rankine Lecture, Geotechnique,の可能性が挙げられるが,特に密度の緩い砂に含まVol.43, No.3, 351-415.8)れていた非塑性細粒分の働きが重要と考えられる。Kokusho, T. (2016): Major advances in liquefaction4) 類似の地盤破壊が 2003 年の十勝沖地震の時に造成農research by laboratory tests compared with in situ地で起きたことがあり,砂が大量の非塑性細粒分をbehavior, Fifth Ishihara Lecture, Special Issue of Soil含んでいたこと,土粒子の密度が小さく破砕性が高Dynamics and Earthquake Engineering, Vol. 91, 3–22.9)いと推定されることや地盤が緩く傾斜していたこと國生剛治 (2014):地震地盤動力学の基礎-エネルギー的視点を含めて-,鹿島出版会。など共通点が多い。10) 田丸5) 現時点でこの種の破壊モードの発生例は多くはない淳・石丸聡・川上源太郎・岡崎紀俊・横浜が、被害の深刻さを考えると今後,この新たなタイ勝司・三浦精一(2012):浅い内陸地震(M4.6)にプの液状化沈下に対するメカニズムの解明と対策法より発生した札幌市清田区の地すべり,報告,J. ofの確立が必要である。Jpn, Landslide Soc., Vol.49, No.2pp.27-3。An MJ6.7 earthquake of Sep. 6, 2018 in Hokkaido caused unprecedented severe liquefactiondamage to private houses due too excessive settlement (exceeding 3 m) and inclination in a landfillresidential area constructed by filling shallow valleys with cut and bank method.. A large quantity ofliquefied sands laterally flowed underground 200 m in the longest in very-gently inclined land andspilled from a margin portion. This means that the sand should be very contractive to be able tobecome so much flowable. This case combined with a similar case occurred only once in a 2003earthquake also in Hokkaido suggests non-plastic fines mixed in sands as well as crushability of sandparticles may play a key role in this strange flow behavior. Thus, possible mechanisms involved inthis liquefaction case has been discussed based on information available at this moment just after theearthqauke.8
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