委員会関連資料 1973年
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委員会関連資料

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10 30 50 100
タイトル 序文
著者 福田秀夫
出版 委員会関連資料
ページ 発行 1973/09/01 文書ID 57733
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タイトル 前書
著者 永盛峰雄
出版 委員会関連資料
ページ 発行 1973/09/01 文書ID 57734
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タイトル 注記
著者 設計施工基準集編集委員会
出版 委員会関連資料
ページ 発行 1973/09/01 文書ID 57735
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タイトル 基準名および制定機関
著者 設計施工基準集編集委員会
出版 委員会関連資料
ページ 発行 1973/09/01 文書ID 57736
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タイトル 解説 1. 基礎地盤
著者 設計施工基準集編集委員会
出版 委員会関連資料
ページ 解説-1〜解説-4 発行 1973/09/01 文書ID 57737
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タイトル 解説 3. 盛土
著者 設計施工基準集編集委員会
出版 委員会関連資料
ページ 解説-7〜解説-12 発行 1973/09/01 文書ID 57738
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タイトル 解説 4. のり面保護
著者 設計施工基準集編集委員会
出版 委員会関連資料
ページ 解説-13〜解説-17 発行 1973/09/01 文書ID 57739
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タイトル 解説 5. 斜面の安定
著者 設計施工基準集編集委員会
出版 委員会関連資料
ページ 解説-17〜解説-20 発行 1973/09/01 文書ID 57740
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タイトル 1 基礎地盤
著者 設計施工基準集編集委員会
出版 委員会関連資料
ページ 1〜213 発行 1973/09/01 文書ID 57741
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タイトル 2 切土
著者 設計施工基準集編集委員会
出版 委員会関連資料
ページ 214〜241 発行 1973/09/01 文書ID 57742
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タイトル 3 盛土
著者 設計施工基準集編集委員会
出版 委員会関連資料
ページ 242〜307 発行 1973/09/01 文書ID 57743
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タイトル 4 ノリ面保護
著者 設計施工基準集編集委員会
出版 委員会関連資料
ページ 308〜365 発行 1973/09/01 文書ID 57744
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タイトル 5 斜面の安定
著者 設計施工基準集編集委員会
出版 委員会関連資料
ページ 366〜444 発行 1973/09/01 文書ID 57745
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タイトル 解説 2. 切土
著者 設計施工基準集編集委員会
出版 委員会関連資料
ページ 解説-4〜解説-7 発行 1973/09/01 文書ID 57746
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  • タイトル
  • 序文
  • 著者
  • 福田秀夫
  • 出版
  • 委員会関連資料
  • ページ
  • 発行
  • 1973/09/01
  • 文書ID
  • 57733
  • 内容
  • 序文 最近のわが国に於ける土質工学の進歩は目ざましく,各種土木,建築工事の分野においては,新しい土質工学の知識が積極的に導入され,各機関に冷いてはこれに対応するため,それぞれ独自の設計施工基準を制定して設計施工に指針を与え工事の円滑化を図っていますが,これら設計施工基準の統一化の要望が強く,本学会においては,これらの要望に応えるため,統一化への準備段階として昭和39年12月設計施工基準集編集委員会を発足させ,準備作業に入りましたことは周知の通りであります。 この準備作業として,昭和43年6月には,設計施工基準集(設計編)服擁壁”,昭和44年10月に“土工”,昭和46年3月に“地中構造物”を各々編集し発行しました。 ところで,これらの基準集に掲載した基準等のうち,その後改訂されたものもかなり,でてまいりましたので,本基準集も順次改訂することになり,とりあえず比較的会員諸兄より要望の多いU土工”から改訂作業にとりかかることになりました。 今回の土工編(第1回改訂版)は,基礎地盤,切土,盛土,ノリ面保護,斜面の安定に関しての設言十基準をまとめたもので,現場技術者の方々に広く役立てぱ幸であります。 なお,読者各位に診かれましては,本基準集によって各機関に診ける設計施工基準を十分比較検討され,基準統一化への御協力を賜りたく切に御願い致します。 終りに,本基準集の出版にあたり,貴重な基準や設計資料を提出して頂いた関係機関に対し厚く感謝致すと同時に,本基準集の編集に尽力された設計施工基準集編集委員会の委員各位の労に対し深謝致す次第です5昭和48年9月土質工学会々長福田秀夫
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  • タイトル
  • 前書
  • 著者
  • 永盛峰雄
  • 出版
  • 委員会関連資料
  • ページ
  • 発行
  • 1973/09/01
  • 文書ID
  • 57734
  • 内容
  • 剛圭目 昨今の土木,建築工事の施行量はまさに画期的な量に達してむりますが,そのいずれの工事の設計,施工についても土質工学の知識は欠くべからざるものであります。しかしながら,現状に冷いては,土質工学の分野における設計,施工の基準は,十分統一されていないため,同一構造物についても,発注機関により異なる設計法がとられる場合が多く,関係者によってそれらの基準の統一が望まれているところであります。 土質工学会では,このような基準の統一を最終目標として,昭和39年12月に各機関の代表者で構成された設計施工基準集編集委員会を発足させました。 そこで,まずその準備段階として,各機関が制定している基準,示方書むよび指針などを集め,それを系統的に編集し,比較検討することになり,鋭意作業を進めてまいりまして,その盛果としてr擁壁」に引続き昭和44年10月にr土工」の設計編,さらに昭和46年3月にr地中構造物」を発行いたしましたQ r土工」編はその後一部機関の基準が改正されましたのでr改訂部分の抜粋」を昭和47年1月に追加発行致して齢りますが,幸いにして本基準集の評判もよろしく,各方面に利用されてむりますようで,印刷が間に合わなくなる程でありました・そこで,この際・既刊の「土工」編と「改訂部分の抜粋集」を合本し,またこの間に改正された部分は更に改めて,ここに第1回改訂版を発行することと致しました。 以前よりは使い易ぐ内容も豊富になっておりますので,皆様の業務の一助ともなれぱ幸いと存じます。. また,本基準集の出版にあたり,貴重な基準や設計資料等をご提供頂いた関係機関に対し深く感謝致す次第であります。 最後に,本基準集作成に当たって,資料の収集および編集校正などに多大のご甚力をいただいた宇梶前委員および牛膓委員,佐藤(典)委員に謝意を表する次第であります。  昭和48年9月                   設計施工基準集編集委員会                   委員長永盛峰雄
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  • タイトル
  • 注記
  • 著者
  • 設計施工基準集編集委員会
  • 出版
  • 委員会関連資料
  • ページ
  • 発行
  • 1973/09/01
  • 文書ID
  • 57735
  • 内容
  • 注記1. この基準集は,官公庁診よび公団,公社等に診いて現在規定,実施されている土質工学の土工に関する設計,施工基準のうち,とりあえず設計に関する基準のみを集め,設計施工技術者の実用の便に役立つよう主要項目ごとに系統的に編集したものである。2,編集にあたっては次の諸点に留意した・(1)土工に関する基準のうち設計面のみを取上げ,また特殊な基準で他との対比が困 難なものは省略した。(2)各項目ごとに各基準相互の比較を考慮し,基準集本文の冒頭にその要点をまとめ  て比較対照した解説を設けた。(3)基準集の本文は基本的事項とそれに附随する解説とを図,表を含めて,その内容  はもちろん番号,記号等についてもすべて原文のまま転載した。(4)基準集の中には改訂中のものもあるが,ここでは編集時に制定されているものの  みを取扱った。o
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  • 基準名および制定機関
  • 著者
  • 設計施工基準集編集委員会
  • 出版
  • 委員会関連資料
  • ページ
  • 発行
  • 1973/09/01
  • 文書ID
  • 57736
  • 内容
  • 基準名およぴ制定機関基     準     名基準名略名制定年月日制定機関名1建設省河川砂防技術基準河川技33.11.20建設省河川局2道路土工指針道土工43.5日本道路協会3道路技術基準道  技36,3.31建設省道路局4−1土地改良事業計画設計基準(フィルダム)土地改41,6.30農林省農地局4−2〃     (水   路)〃31,12.1〃4−3〃    (海面干拓)〃41.3.30〃4−4〃    (擁   壁)〃31.12 1〃5海岸保全施設設計便覧海  保6港湾構造物設計基準港  構42.77捨石集積場建設基準捨  集34。8.288捨石鉱さいたい積場建設基準寿よび解説捨鉱建29,11.19〃9改正労働安全衛生規則の解説労  働42,4.1.労  働  省無筋コンクリート諭よび鉄筋コンクリ_ト土木構造物の設計基準(案)第1編無筋コ30.4日本国有鉄道36.8〃10−1〃       第2編10−2〃土 木学 会運輸省港湾局通  産  省鉱山保安局11−1日本国有鉄道,土木工事標準示方書国鉄土44.3.8〃11−2新幹線業務参考資料新幹線40.3〃11−3土構造物の設計施工指針(案)国鉄構43.2〃12 水資源開発公団設計資料水資公13 設 計 要 領設  計45.11日本道路公団14建  構38,9.23建  築  部建構解39.6〃道路設計要領道  設41.4日本住宅公団17 擁壁標準設計図集擁壁図39.101516建築構造設計要領〃   解説水資源開発公団日本住宅公団〃 基     準     名基準名略名18 首都高速道路公団構造物設計基準(案)首都高19道路くい道路橋下部構造設計指針くい基礎の設計編20制尋…年月日制定機関名首 都 高 速道路公団工務部39.3.31〃    (第7次案) 道路調日本道路協会〃21−1愛知用水公団工事設計施工要覧愛水設37。11.1621−2愛知用水公団標準設計図集愛水図37.222道路材料購買仕様書道  材東京都建設局23地下線路構造物設計示方書(案)地下構東京都交通局24−1仮設構造物設計示方書仮設構24−2工事施行細則(案)工  施25構造図集擁壁構  図26独立基礎設計表について独  基27建築工事共通仕様書建  工28基礎構造設計指針基  構29仮構造物設計指針仮  構40.630土木構造物設計示方書(案)土構示40.6〃31捨石鉱さいたい積場底設暗渠設計要領捨鉱設39 3日本鉱業協会32土木構造物標準設計土構設40,7.6建  設  省33地下埋設管基礎地盤の処理と埋めもどしに関する施工管理基準地下埋愛知用水公団〃Zノ東京都建設局日本建築士会連  合  会建  設  省関東地方建設局4α 7建設省営繕局日本電々公社建  築  局帝都高速度交通 営 団愛知用水公団34 仙台市道の維持管理について仙  台42.4.1仙  台  市35 郡山市道占用許可条件郡  山40.5郡  山  市36 道路工事設計基準東  京42.6東京都建設局37 川崎市道路占用工事施行規則川  崎41.4川  崎  市38 横浜市道路掘さく跡工事復旧標準仕様書横  浜42.10横  浜  市 基     準     名基準名略名制定年月日制定機関名39名古屋市道路占用規則名古屋38名 古 屋 市40岐阜市道路の地下埋設物工事後の路面復旧岐  阜41,a18岐  阜  市41道路掘さく並びに路面復旧工事標準仕様書京  都42.5京  都  市42大阪市道路占用工作物工事執行規則大  阪40.9大  阪  市43 道路掘削及び復旧工事に関する技術基準神  戸38神  戸  市44広島市道の占用許可広  島42.9広  島  市45 掘削および埋めもどし標準北九州38.8.1北 九 州 市46ダム設4G 7大ダム会議表土基41.1石灰石鉱業協会ダム設計基準47 表土たい積場建設基準および解説’
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  • タイトル
  • 解説 1. 基礎地盤
  • 著者
  • 設計施工基準集編集委員会
  • 出版
  • 委員会関連資料
  • ページ
  • 解説-1〜解説-4
  • 発行
  • 1973/09/01
  • 文書ID
  • 57737
  • 内容
  • 解説                解   説1 基礎地盤1−1 地盤の調査と性質  土構築物の基礎地盤の性質は,支持力,沈下,滑動に対して安全なことが必要であり,土質調査 と試験によってその性質を確認し,必要ならぱ対策を施すべきことが各基準に規定してある。以下, 主な計算式を比較する。文献基準名 引照頁 部門番号2道土工 41∼42, 道路170∼圧密沈下量支持力計算式計 算  式、ΣR(Ol十砺COSθ 召〇一θS一    丑0F3こ 1十ε。    Σ略所要安全率1.2 。むanφ)   Oo=丑o    ・ 183滑動に対する安全率計算式  1十6。   Po十∠P 10910    Po一塊ガ∠P・瑞3道 技451∼道路 453,608,  5.520尾一   1十6。  丹(概略計算)   Oo一π     ■  1十60㌔ax=5・520●    P。十∠P 10910    島    ん(1十〇.38一)    ゐ(一層地盤の場合)(等分布載荷の πS=一S Σ π    場合)  0丹竃一窺。  η丑  S罵窪下ア  S碗OSαtanφ十〇イ=  611   イ6S一丑・照sinα(基礎傾斜の場合)1.2∼1.5(盛土の場   合)2.0∼3.0(構造物の  場合)(いぐつかの水平13層に分けて考え    る場合)Oo設 計 102, 道路 S〆丑・  lo910107∼  ・tanφ肪) P。十∠P■   116   1十2。Σ(o・♂栩cosθ尋・言 Σ照sinθ施工中,施工後いずれに卦いてもP。 (基本設計段階)0:強夏増加考慮しな125以上で いなけれぱな   (概略計算)S−S。十Sε  Σ(0・∠慨OSθ丹2こ   Σ’Vsinθ  召o 650i     ・丑  1十¢。  ・むanφ賜)       FS乞一Z・η・丑Ol強度増加考慮す(詳細設計段階 る解説一1らないQ 解説文献番号13基準名 引照頁 部門設 計 102,107∼遡圧密沈下量支持力計算式計  算  式滑動に対する安全率計算式所要安全率0一ら+η(」ρ・十〇r・沈下実測値によっ∠P−P。)て推定116(詳細計算)    孟S−3。十一   α十んo(施工・維持段階)4−1 土地改196ダム4−3 土地改 88∼93 干拓9己一一〇瑞’+5一Σ砺μ跳病   2 砺ん乞1互  3 P十∠P弓身亙41㎎10 1十60言●6港 構5−1−1港湾図式解法1.5図式解法1.27・助’+PS。一Σ%∠ん∠σz∼5−1一165−3−1等分布鉛直荷重を受ける浅い基礎①砂質地盤∼5−3一20  19α=ア(”7・璃十隆一〇1%)十施1)②粘性土地盤%一舜+初1−2 施工基盤の処理 土構築物を施工する基盤処理として,つぎの事項が各基準に規定してある・ (1)草木,木根,雪,氷その他の障害となる雑物の除去 12,湧水や排水不良地帯冷よび雨水に対する排水 r31傾斜地盤に対する段切り施工 (4)片切り,片盛りおよび切盛端のすり付けおよぴ排水解説一2 解説1−3軟弱地盤対策  軟弱地盤上.に土構築物を施工して所要の安全率が得られないときは,安定化させるための処理を 行なうべきことが各基準に規定してある。以下,その対策工についての規定を比較する。文献番号2基準名引照頁部門道土工186∼道路201対  策  工  の  種類1、押え盛土とサンドマット(1)押え盛土工法121サンドマット工法2.軟弱層の除去置換(1)除去置換工法(21自重強制置換工法,爆破置換工法3.軟弱層の改良(1)プレローディング工法 t21バーチカル ドレーン工法.(3)サンドコンパクションパイル工法(4)バイブ・フ・一テーシ。ン工法 (5爆破締固め工法 (6庵気浸透脱水法,アルミニューム電極法,薬液電解固結法 (7)薬液注入工法3道 技453∼ 道路454613∼6191.在来地盤置換工法(1)全掘削置換工法 (21一部掘削置換工法 (3)ジェット置換工法(4)サクシ。ンポンプ置換工法倒爆破置換工法2.在来地盤利用工法(1)軽材料盛土工法 (21押え盛土工法 (3緩速施工工法(4〉サンドドレーン工法(5)プレローディング工法(6)ソダ沈床工法3.特殊工法(1)ウェルポイント工法121電気浸透工法13設 計え盛土工法117∼ 道路置換工法(部分除去)154,165∼(1陛礎のスベリ阻止に対して有効な方法 盛土速度:制御工法173サンドコンパクションパイル工法載荷重工法12耽下促進に対して有効な工法サンドドレーン工法カードボー・ト㌧ドレーン工法置換工法(全面除去)サンドコンパクション(3》スベリ阻止,沈下軽減に有効な工法パイル工法構造物による盛土荷重の軽量化をはかる工法.解説一3 解説文献番号基準名21−1 愛水設対 策 工 の 種類引照頁部門41水路(1)置換え工(21その他の工法4−1土地改142∼143ダム(i)置換工法 吻急速圧密工法 (31押え盛土4−3土地改76∼78干拓(1)胴木基礎 (21クイ打ち基礎 (3)現場打ちコンクリート基礎(4)コンクリートブ・ック基礎〔5〕セルラプ・ック基塵(6)捨石基礎 (7)敷砂基礎 18)敷ソダ基礎 (9)置換基礎(10)サンドドレーン基礎5海 保海岸(1激砂基礎工 働捨石または捨ブ・ック基礎工(31敷ノダ基礎工 14)置換基礎工 (5〕サンドドレーン基礎工6港 構5−5−1港湾∼5−5−(1)置換工法働ドレーン工法(3)バイブロフローテーション工法 (4)サンドコンパクションパイル工法 (5)ウェルポイント工 23法1−4 透水 性地盤対策  透水性地盤上に土構築物を施工して浸透水量を許容範囲内に冷さえ,浸透水を安全に流過させる 処置が「4−1土地改」に規定してある。以下,その対策工を記述する。文献番号4−1基準名引照頁部門土地改136∼141ダム対 策 工 の 種 類(1)広いコア 121シートパイル (3}特殊グラウト(4)完全止水壁(5)押え盛土 (6)リリーフウェル (7)不透水プランケット(8)全面舗装2切  土2−1 切土ノリ面コウ配  切土ノリ面コウ配は地質や地層の状態および湧水などに対して,じゅうぶん安全なように決める べきことが,各規準に規定してある。以下,その標準コウ配についての規定を比較する。文献番号2基準名引照頁部門道土工 49∼53齢土 質 諭 よ び 地 質(1)硬 岩切土の標準ノリ面コウ配0.3∼0.8吻軟 岩0.5∼1,2(3)砂1.5∼解説一4
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  • タイトル
  • 解説 3. 盛土
  • 著者
  • 設計施工基準集編集委員会
  • 出版
  • 委員会関連資料
  • ページ
  • 解説-7〜解説-12
  • 発行
  • 1973/09/01
  • 文書ID
  • 57738
  • 内容
  • 解説文献番号13基準名引照頁設 計46∼47 道路11−3 国鉄構191小 段 設 置 の 標 準 高 さ部門鉄道原則として高さ7mごと,その幅は1.5m岩石とゆるんだ土砂との境界部,または寿冷むね7mごと2−3 表面水・湧水の処理  表面水や湧水によってノリ面が洗掘された匂,崩壊したりする恐れがある場合は,集排水設備や 水抜き 工などによって排水処理を施すべきことが「2.道土工」 「13.設計」に規定している・2−4 切土の施工  切土の施工の主なものに,つぎの事項が「11−1.国鉄土」 r11−3.国鉄構」 「13,設計」 r1.河川技」に規定してある。  (1)ノリ面上寿よびノリ肩付近のゆるんだ岩塊,樹根,不安定な土塊などはとり除くこと。  く21切取りの深さが施工基面に近づいた時には,指示により粒度試験(J I S A1205)および塑   性限界試験(JIS A1206)を行なv・,その結果をすみやかに提出すること・  (3)切取り施工中は常に土質,地質の変化齢よび湧水状況を観察し状況に応じてコウ配の変更,   ノリ面防護工,排水工の要否を判定すること・  (4〉滞積土砂の切取りは不安定なので注意を要すること。  (5)切土部路床の具備すべき性質  (6)この外,「9.労働」によると,地山を手掘りにより掘削する場合,すかし掘りを禁止してい   る。                                    3 盛  土3−1 締 固 め  盛土の締固めには,選定された材料について適合する締固め方法と転圧機械を用い,原則として 規定の含水量の範囲内の材料を一様左薄い層にま昏出し,各層について所要回数づつ締固めて規定 の締固め度を得るべきことが各基準に規定してある。以下,締固めに寿けるまき出し厚さ,含水比, 締固め度についての各規定を比較する。解説一7 解説文献番号2基準名引照頁部門道土工 46∼49 道路適   用まき出し  厚さ含 水 比道路一般締 固 め 度土質,交通荷重などに応じて適当なものを採用する。145∼149その方式にはつぎのものがある。(1)乾燥密度による規定普通は最大乾燥密度の90%以上121飽和度または空気間ゲキ率による規定普通は,飽和度の場合85∼95%,空気間ゲキ率の場合10∼2%(3)強度特性による規定(4)締固め機種,締固め回数による規定(5〕簡単な施工法による規定3道 技461∼ 道路路  床462路  体479∼試験盛土に試験盛土によるよる〃〃じゅうぶんな支持力が得られ,危険な圧縮性がなぐなるまで480スペリに対して安全なセン断強さを有するまで11−1 国鉄土 34∼37 鉄道 盛土(硬岩現場締固め現場締固めズリを除く)試験による試験による砂質土:最大乾燥密度の90%以上粘性土:コーン支持力(9。)〉5k9/cm211−3 国鉄構鉄道盛  土50cm以下 最適含水比砂質土:乾燥密度>1,5t/m3粘性土;コーン支持力(9・)〉5kg/cm213設 計 15∼32 道路上部路床41∼45締固め後最適含水比20Cm以下 付近(追補)CBR突固め(KODAN A1211)最大乾燥密度の95%以上 一22∼5下蔀路床締固め後締固め度お20cni以下 よびCBR5以上を得る「ことのできる含水比解説一8CBR突固め(KODAN A1211)最大乾燥密度の90%以上 解説文献番号13基準名引照頁部門適   用設計15∼3241∼45道路上部路体まき出し  厚さ締固め後30cm以下締 固 め 度含 水 比所要の締固め度が得らJIS突固め(KODAN A1210)(追補)れ,土の水 最大乾燥密度のg o%以上,一2浸C BR値 含水比高いときは飽和度852∼3が2,,5以上∼98%,または空気間ゲキ率となる含水10∼1%比下部路体締固め後自然含水比 上部路体に同じ。ただし,締30cm以下(地山含水比付近)21−1 愛水設 43∼44 水路AI型20cmA2型以上の必要はない。JIS突固め最大乾燥密度のgo%以上以下コア型固めたものの水浸CB財稔.5JIS突固め最大乾燥密度の〃90%以上,ただし含水比が高いときはρ≧85%の範囲内で0≧98%ランダム型A2に準ずるか,設計密度以A2に準ず上岩盤置換えA2に準ずるか,設計密度以A2に準ず上4−1土地改393ダム頂部盛土A1に準ずB  型40cm以下A1に準ず標準突固め 標準突固め最大乾燥密度の堤  体試験の最適90∼100%含水比士5%捨鉱建鉱山水面に接す30cm程度:2一に締83るかん止堤固める3−2 盛土ノリ面コウ配と小段  盛土ノリ面コウ配と小段は盛土材料や基礎地盤,施工状態などを考慮してじゅうぶん安定度を得る ように決めるべきことが,各基準に規定してある。以下,その標準コウ配と小段についての各規定 を比較する。解説一9 解説文献番号2基準名引照頁道土工42∼44 道路部門盛土の標準ノリ面コウ配適   用盛土材料盛土高(m)粒度分布のコウ配(割)0∼51.5∼1,85∼151.8∼2,00∼101.8∼2.0よい砂粒度分布のよいジキ質土粒度分布の悪い砂 0∼101.5∼1.81.8∼2.0砂質土0∼51.5∼1.8かたい粘質5∼101,8∼2,00∼51,8∼2.0岩塊,玉石10∼20土,かたい粘土やわらかい粘質土やわらかい粘土3道 技道路『浸水の影響ない場合土の分類(改訂PR)盛土高㈲A−1A−3設 計39∼41 1.5 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃A−4A−5A−6A−713制限なし1.5cm以下A−2−4A−2−5ノリ面コウ配創}1.5∼2,0}1.5∼2.0浸水の影響ある場合盛土高@制限なし 2.0  〃 〃 3以下}2閥D3以上∼15以下 15以下}2ρ∼30  〃}1、5∼2、0 15以下}2ρ∼3ρ  〃盛土の標準ノリ面コウ配盛土高㈲盛 土 材 料道路ノリ面コウ配創コウ配粒度分布の良い砂,砂利,沿よび砂利0∼ 61:1.5まじ匂砂6∼150∼100∼101:1.8粒度分布の悪い砂岩塊,ズリ10∼20解説=lo1:1,81:1.51:1,8 解説文献番号13基準名引照頁部門設計39∼41道路盛土の標準ノ リ面コウ配盛料土  材砂質土盛土高㈲コウ配0∼  61:1.5の粘性土,粘土など6∼101:1.8やわらかい粘性士(関東・一ムなど〉0∼  6かたい粘性土 ,かたい粘土(洪積層   注)1:1.5∼1.8注)1:1.5のコウ配に不安がある場合には,1:1.8までのコ ウ配を採用する。11−3 国鉄構171鉄道盛   土高㈲盛 土コウ 配1,8(ただし,硬岩ズリそ8m以下の他良質材料,盛土高3m以下のときは緩和できる。)路盤表面から8∼15mそれより下部路盤表面から15m以上6m以内それ以下12m以内それより下部斜面コウ配(予備設計)4−1土地改957ダムダムタイプロツクフイルダム(底/高)アースダム舗 装 型2.01.82.02.3斜面コウ配(堤体の設計)ロツクフイルタ仏(底/高)156∼1571.86m以内鉄筋コンクリ2.7一ト型:1,3傾斜コァ型3.85.6申心コア型4.25.5∼1.4アスファルト型:1.6∼1.7解説一11アースダム 解説文献番号4−1基準名土地改引照頁95部門盛土の標準ノリ面コウ配適   用:ダム下流斜面は安息角にひと156∼しくする。157下流斜面は1.6∼1.8ゾーン型均一型4−3土地改68∼70干拓型 式粘土被覆式外斜面コウ配捨 石 式〉2.0一石 張 式>1,01.0∼2.0コンクリートブロツク張式>1.01,0∼2.0>1.01.0∼2.0石 積 式0.3∼1.00∼0.5一フ 壁 式0∼0,5一ク擁壁式>1.5(フ壁式を含む)捨鉱建 33∼3539∼43鉱山0.3∼1.0半重力式異形ブロツ8内斜面コウ配2.0㌘3、0コンクリート鉱山をゆるくする。>3.0被 覆 式3∼46.22.0∼3.0アスファルト捨 集堤高が大になるほど斜面>3,0被 覆 式75.84.4一0∼0.5一集積 物集秩高さノリ面の平均傾斜ボ タ 山30m以上25。以下かん止堤ノ リ 面の種類上石塊かん止流 側コ ウ 配下 流 側1.3割1.7割砂かん止堤1.5割2.0割土かん止堤1.8割堤解説一12高さ20m以下2.5割く_局さ40m以下3.0割
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  • 解説 4. のり面保護
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  • 設計施工基準集編集委員会
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  • 解説-13〜解説-17
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  • 1973/09/01
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  • 57739
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  • 解説4ノリ面保護4−1 植生による方法  盛土冷よび崩壊のおそれのある切土ノリ面は原則として植生保護を施すべきで,植物の種類は 気候,地形,土質に適合してじゅうぶんその目的を達成し得るものを選定すべきことが各基準に規 定してある。以下,植生による保護工の種類について各規定を比較する。文献番号2部門基準名引照頁道土工213∼ 道路保 護工 の 種 類適   用〔1〕普通土,・一ム217⑧コウ配1:1以上張芝,筋芝,たね吹付け工(b)コウ配1:1∼張芝,筋芝,たね吹付け工1:0.8〔2〕粘 土(土丹を含む)〔3〕マサ,レキまじ砂張芝,植生工,たね吹付け工張芝,筋芝,たね吹付け工,植生工土砂〔4〕軟岩3道 技517∼道路たね吹付け工,植生工⑧切土,盛土の一般の518張芝または筋芝場合(b)砂地または表土が浅く乾燥がはなはだし臼)一般にウイピングラブグラス(ロ)砂地…一ハギ,イタハギ,アキグミ,ハンノキ,ポプラ,ヒメヤシい所ヤブシ,トゲナシ,ニセアカシヤ,エニシダの混植の表土の浅い乾燥地……ハギ,イタチハギ,アキグミ,ヒメヤシヤブシヤナギ,ハンノキ,ポプラ,ヤマハンノキ,タケ,ドロノキ,(c)農地草ではケンタッキー31フェスリ,チモシー レキまたは岩片を含臼)む所クズ,ニセアカシヤ,イタチハギ,{ヒメヤシヤブシ,草ではメドハギヤマハンノキ,アカマツ,クロマツ,イタチハギ,ニセアカシヤ,シラカバ, 凍結がはなはだしく,(e) 融凍期に崩壊する所ヒメヤシヤブシ特に寒い所ではシラカバ,ヒメヤシヤブシ,草ではスムースブ・一ム,レツドトップ,チモシー,ケンタッキー31フェスリ,リ』ドキャナリーグラス解説一13 解説鰍番号基準名引照頁部門適   用13設 計71∼77道路(2)盛土ノリ 面適用工種盛 土材 料客   土砂   質   土原則として土  (SM,SC)羽土を使用し粘   性   土ない。  (ML,CL)粘      土 (皿,CE,VH)ノリ面を良質な材料で被覆するものとす砺1晦よび砺瞭じり砂(GW,GP,GM,GC)岩 塊 ず  勺る。(GW,GP,GM,GC)土羽土の厚さはノリ面に垂直に50cm以上を標準とする。(2)切土ノリ適用工種質土客土(15cn似」二) 面粗 砂 , 細 砂  (SW,SP)した上でたね吹付工B植生マット工張芝工(ベタ張)土壌硬度27たね吹付工B.mm以下の植生マット工砂質土,砂利まもの張芝工(ペタ張)たは岩塊まじり土壌硬度27たね吹付工B(溝砂質土mmを越え切客土併用)  SM,SC (   )  GM,GCるものたね吹付工A(同上)植生袋工植生穴工植生板工土壌琿度27 たね吹付士B琿m以下の たね吹付工Aまたは岩塊まじもの植生マットエ土壌硬度27 たね吹付士B(溝り粘性土,粘土mmを越え ML,CL (   ) GM,㎝るもの粘性土,砂利,   切客土併用)一たね吹付工A(同上)植生袋工植生穴工’植生板工i解説』if4 解説文献番号.13基準名引照頁部門設 計71∼77道路土     質適    用適用工種(2)切土ノリ面たね吹付工B(溝切客土併用)軟       岩たね吹付工A(同上)植生袋工植生穴工保 護工 の適  用11−1 国鉄土38鉄道筋芝工,張芝工,株植工,植生盤工,混播工,(1)盛土ノリ面}(2)切土ノリ面11−3 国鉄構鉄道吹付工(1)盛土ノリ面筋芝工,張芝工,直播工,株植工,植生盤工,②切土ノリ面}混播工,吹付工保 護工 の適   用1河川技586∼河川58921−1 愛水設 47−48 水路種 類〔1〕山腹階段工筋工,積苗工〔2〕山腹被覆工ソダぶせ工,ソダ束工〔3〕山腹水路工張芝切土,盛土種類α)植付け芝……張芝,耳芝 ,筋芝←)たね吹付け芝…一ウィーピングラブグラス,レッドフエスク,ケンタッ’キー4−1土地改161ダム堤体下流面芝草など,捨石砂利4−2 建造物その他による方法  植物の生育に適しないノリ面や表面水,湧水などによる侵食のいちじるしいノリ面は,コンクリ ートや石張などの建造物によるか,排水によってノリ面保護をはかるべきことが,各基準に規定し てある。以下,建造物,排水による保護1:の種類にっいて各規定を比較する。鰍番号基準名引照頁部門2道土工217∼道路221適       用一(1)湧水が少なぐ軟岩などのノリ面でハク落するおそれのあるとき保護工の種類セメントコンクリート張工,アスファルトコンクリート張工吻粘着力のない岩石まじりの土や,ブ・ック張工,石張工土丹,粘土でくずれやすいもの(31風化しやすい岩,風化した岩で落石の沿それのある場合解説一15モルタル吹付工,コンクリ一卜吹付工. 解説文献番号2適     用基準名引照頁部門道土工217∼道路 (4)湧水のある風化岩や雨水の浸食に 221保護工の種類ノリわく工 よリノリ面の表層が崩壊しやすい 場所3道 技51&} 520道路 (1盛土ノリ尻,湧水の多い所し21湧水の少い所張石工張コンクリートエ(3)湧水が少く,風化されやすい所モルタル吹付工(4)湧水の多い土砂切取り,あるいは蛇かご工 浸水のあるノリ面(5辰大ノリ面,あるいは湧水の多いわく工 所13設 計77∼89道路 (1)1:1.0より急コウ配のノリ面,直石積工,ブ・ヅク積工 高5∼7m以下の場合(211:1.0より緩コウ配のノリ面,直石張工,ブロヅク張工 高7m以下,粘着力のない土砂, 土丹沿よびくずれやすい粘土など の場合〔3櫛理の多い岩盤,ゆるい崖錐層な どで崩落の蔚それのある場合  1:0.5程度のコウ配鉄筋コンクリート張工  1:1.0   〃無筋   〃(4)湧水のある切土ノリ面・長大ノリ 面,標準コウ配より急な盛土ノリ 面,などで植生の適さない1二〇.8コンクリートブロック枠工 よりも緩コウ配の場合(5〕湧水にともなう風化岩,長大ノリ面 場所打ちコンクリート枠工 などで長期の安定が若干疑問な場 合あるいはコンクリートブ・ック枠 工などで崩落の齢それのある場合(6〉湧水がなく風化しやすい岩,風化モルタル吹付工 してはく落の諭それのある岩,玉コンクリート吹付工 石まじり土砂,土丹などで植生の 適当でない場合(7)落ちつくまでに土砂の流出する寿編 柵 工 それのあるノリ面(8〉岩盤にキレッがあり,崩落,はくノリ面アンカだ工 落,落石などの寿それのある硬岩, (場所打ちコンクリート枠 軟岩,崖錐層の場合工,コンクリート張工とも併用)解説一16 解説文献番号13引照頁部門適       用設 計 77∼89醐(9)湧水で土砂が流出する諭それのあ基準名保護工の種類ノリ面蛇かごエ る場合,崩壊個所を復旧する場合 水が特に多いノリ面で安定に不安 があり土留めを行なう場合〔11)落石の冷それのあるノリ面働長大ノリ面など落石を落石防止網コンクリートブ・ック井桁工落石(ゆ不等沈下のおそれのある個所,湧防止網工落石防止柵工 工で防止できないと思われる場合11−1 国鉄土3811−3 国鉄構鉄道盛  土鉄道盛土,切土岩座張りそだ柵工岩座張砂雑石張リブロツク張り格子枠割石空張り割石練張り張コンクリートモルタル吹付コンクリート吹付1河川技578∼河川(1)護岸工コンクリート,冷よび練石 579(21山腹階段工積みから石積み,練積み,585∼(3俗止め工積石,編柵,練石積み,粗石コンクリート,から石積 589み編柵(4)山腹水路工4−1土地改160∼ダム石張り堤体上流面捨石,張石,プ・ック,鉄筋コンクリート 1617捨集10鉱山クイ柵工,砂防造林ボタ山5斜面の安定5−1 安定計算法  盛土諭よび切土斜面の安定計算には普通,円弧スベリ面法を用い,スベリ面が円形でない場合に  は複合スベリ面法によるべきことが各基準に規定してある。以下,安定計算法についての各規定を 比較する。解説一17
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  • 解説 5. 斜面の安定
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  • 設計施工基準集編集委員会
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  • 解説-17〜解説-20
  • 発行
  • 1973/09/01
  • 文書ID
  • 57740
  • 内容
  • 解説文献番号13引照頁部門適       用設 計 77∼89醐(9)湧水で土砂が流出する諭それのあ基準名保護工の種類ノリ面蛇かごエ る場合,崩壊個所を復旧する場合 水が特に多いノリ面で安定に不安 があり土留めを行なう場合〔11)落石の冷それのあるノリ面働長大ノリ面など落石を落石防止網コンクリートブ・ック井桁工落石(ゆ不等沈下のおそれのある個所,湧防止網工落石防止柵工 工で防止できないと思われる場合11−1 国鉄土3811−3 国鉄構鉄道盛  土鉄道盛土,切土岩座張りそだ柵工岩座張砂雑石張リブロツク張り格子枠割石空張り割石練張り張コンクリートモルタル吹付コンクリート吹付1河川技578∼河川(1)護岸工コンクリート,冷よび練石 579(21山腹階段工積みから石積み,練積み,585∼(3俗止め工積石,編柵,練石積み,粗石コンクリート,から石積 589み編柵(4)山腹水路工4−1土地改160∼ダム石張り堤体上流面捨石,張石,プ・ック,鉄筋コンクリート 1617捨集10鉱山クイ柵工,砂防造林ボタ山5斜面の安定5−1 安定計算法  盛土諭よび切土斜面の安定計算には普通,円弧スベリ面法を用い,スベリ面が円形でない場合に  は複合スベリ面法によるべきことが各基準に規定してある。以下,安定計算法についての各規定を 比較する。解説一17 解説文献番号3安定計算法基準名引照頁部門道 技455∼道路 円弧スベリ面法457(分割法)図式解法設 計52−67道路 単一スベリ面法ΣOl十Σ形cosα・tanφ尋=    Σ脳sinα         0限界高さ  岳一郷一         γ一︵13安全率計算式イ)テンシ.ンクラックを考えた場合(追補) 一4   .Σ・3・♂㌧R   Σ・3・1尋=       一  ・Σ・轟V・sinθ・R  Σ・高V・s血θ67∼70(・)盛土または切取り地山内の水位がテンシ。ンクラック底より上にある場合   Σ・3・」尋万・血θ+卸@テンシ・ンクラックの深さZの計算式 20      φZ一一XOan(450+一) η        2な冷,間ゲキ水圧の有無によって3はつぎのと沿りである。o考慮する場合3一。+彫。・sθ、tmφ    ♂o考慮しない場合3一ぴ午(研’COSθ%)t卿     111−3 国鉄構 189∼ 鉄道 図式解法(安定係数に4−1土地改190よる場合)140∼141円形スベリ面法205∼220ダム円形スベリ面法{図式解法(概算)分解法複合スベリ面法{追加ウエツジ法修正フェレニウス法ロックの斜面安定(摩擦抵抗法)解説=180丹一一  % Σ{0ら十(贋COSαぎ一Z6‘ら)むanφ}F胃Σ膠sinα乞  (Σ〃一Σ%一Σ莇)tanφ+o・♂SF一      ΣT十ΣTESF−o。6(閥)む摯nφ+命      鳥  tanφ(1一初・r・κ)SF一η十7・x 解説文献番号4−3基準名引照頁部門土地改 88∼90 干拓安全率計算式安定計算法円形スベリ面法(分割法,摩擦円法)  藩 RΣ(鑑tan唆+o〆1ε)尋』こ  琢    R禺 _Σ(嶺a画+oε疏) 一      .Σ場6港 構港湾円形スベリ面を仮定する場合直線スベリ面を仮定する場合  RΣ(Ol+7cosαtanφ)F一    Σ嶋十■9¢  Σ(0ゐ+研’COS2αむanφ)8ecα =         1    Σ研sin躍+一ΣQα         R  Σ(Ol十解℃osαtanφ)F  sinαΣr十COSαΣQ7捨 集8捨鉱建 40∼4147表土基4鉱山円 弧 法鉱山円形スベリ面法66∼72 鉱山円形スベリ面法  (Σ1v一Σ%一Σ1v君)tanφ+o・lSF一       ΣT十.Σ乃  tanφΣ1V十〇別π一       〉1    ΣT  tanφ(1−1【tan乞)π=   幅n汁・κ   (地震時)5−2 安 全 率  斜面安定の最小安全率についでの標準値が各基準に規定してある。以下,安全率の標準値につい ての各規定を比較する。文献番号3基準名引照頁部門道 技455道路安 全 率適       用1.0以下……不安定切土,盛土1,0∼1.2……不確実1.3∼1.4……安定4−1土地改196‘ダム(1)貯水池が常時満水位で,浸透流が定常安全率は1.1に所要の 状態にある場合余裕値を加えたものと⑫)完成直後で,建設中の間ゲキ圧が残存する。 する場合解説一19 解説文献番号4−1基準名引照頁部門適       用安全 率土地改196ダム(3)貯水位が中間水位で,浸透流が定常状余裕値は0.1を標準と態にある場合する。④水位の急激,かつ,大幅な変動が日常行なわれるダムについては,貯水位が常時満水位から低水位まで急速に低下し,間ゲキ圧は残存している場合。⑤サーチャージを行なうダムについてはサーチャージ水位の場合。11−3 国鉄構13設 計190鉄道切 土54道路(1)盛 土1.3尋≧1.25     原位置試験によってセン断⑫)切土く讐肇撫に..てセン断強さを求めた暢合解説一20罵≧1。7尋≧1。5
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  • 1 基礎地盤
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  • 設計施工基準集編集委員会
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  • 委員会関連資料
  • ページ
  • 1〜213
  • 発行
  • 1973/09/01
  • 文書ID
  • 57741
  • 内容
  • 1−1−1道土工1基礎地盤1−1 地盤の調査と性質 1−1−1〔Na2 道路土工指針〕2−4−1  基  礎  地  盤 (1)盛土の基礎地盤は,盛土,舗装などの重量および交通荷重を安全に支持しうるもので,かつ,盛土その他の荷重によって生ずる沈下が,完成後の路面に悪影響をおよぼすようなものであってはならない。 ② 基礎地盤が普通地盤(特に軟弱でない地盤)の場合には問題が生ずるおそれはまだないと考えてよい。特に問題となるのは,いわゆる軟弱地盤であって,軟弱地盤上に盛土を施工する場合には,基礎地盤の破壊にともなう盛土の崩壊ならびに基礎地盤の側方流動および圧密による沈下について検討しておかなければならない(7章参照)。 沈下速度が早く,施工中にその大部分が終了し,工事完了後に沈下が残らないような場合には盛土量がふえる程度であまり問題はないが,沈下速度が遅く,工事完了後にかなりの沈下が残るような場合には,その沈下が舗装に悪影響をおよぽすとともに道路の平坦性をそこなう原因となる。 したがって,基礎地盤が軟弱地盤である場合には,7章にしたがって盛土の安定,沈下について検討し,慎重に対策をこうじなければならない。 (3)普通地盤でも次のような場合には問題の生ずるおそれがあるので,調査検討の必要がある。 (i)盛土高が特に高い場合(一般には10m以上の盛土高の場合),には基礎地盤の支持力が大ぎく,しかも均一で十分に盛土を支持しうると思われる場合以外は一応調査を行ない,安定を検討しておくことが必要である。 特に傾斜地盤上に盛土する場合は,地層の境界面の傾斜,セソ断抵抗,ワキ水の有無などを調査し,必要ならば安定のための対策をこうじなければならない。 基礎地盤の沈下は,少々盛土高が高い場合でも軟弱地盤でない限り,一般にその量はわずかで,しかも沈下速度が早く,盛土の施工中に終ってしまうことが多いので,余り心配する必要はない。 (ii) 水田,あるいは地表に薄い軟弱層のあるような地盤上に盛土する場合には,施工当初のトラフィカビリティーが問題となることが多いので,基礎地盤に排水コウをもうけること,透水性の材料を基礎地盤上に敷ならすことの必要性などを検討しておかなければならない。 また,ごく低い盛土(盛土高1m以下)を,このような基礎地盤上に施工する場合には,交通荷重の影響が基礎地盤までおよぶことや,水の影響が盛土の上部にまでおよぶおそれがあるので,基礎地盤の一部を置換えることや,盛土材料として透水性の良い材料を使用することなどを検討しておかなければならない。一1一 1−1−1道土工7−5−1土質調査 1.の予備調査ならびに現地踏査の結果,軟弱地盤として調査する必要が認められた場合にはボーリソグによる土質調査を行なう。この調査は軟弱地盤の規模(範囲,深さ)土性あるいは工事の規模によって最も適当と思われる方法を採用しなければならない。 大規模な軟弱地盤の場合には表一7・1に示すとうワまず一次ボーリソグを代表点について行なって概略の地層の構成を確かめたうえで,これを参考にして詳細な第三ボーリソグ調査を行なう。〔注1〕 ボーリソグ調査の場合,試料採取を行なわない所では標準貫入試験を行なうが,軟弱層ではN値がほとんど4以下となるから,あまり設計に役立たぬことが多い。〔注2〕軟弱層のサソブリソグではフォイルサソプラーを用いると全断面が連続して採取されるので,層の移り変りの状態や薄い砂層の存在などがはっきり確認できる。表一7。1大規模な軟弱地盤の調査の標準調査一次調査目的ボーリソグおよび現位置試験地層の構成軟弱層のできるだけ各層ごと厚さ支持層の位置のの乱さない試料を採確認取する第二次調査の猶要性支持層まで,できるの検討だけ深く掘進する第二次調査の計画資標準貫入試験(N料の取得値)軟弱層の土性の詳細軟弱層のみから乱さ調査ない試料を連続採取間隔地区とに1100m横断方向の補足調査シー一軸圧縮,圧密粒度,自然含水比シー一軸圧縮,圧密三軸圧縮原位置試験あるいはボーリソグ(スエーデソ式サウ不足個所の補充調査ソディソグ,二重管調査比重,コンシステソ比重,コンシステン400m二次粒度,自然含水比本∼する。土質試験コーγ貫入試験,ベ適宜ーソ試験など)試料採取困難な泥炭地原位置試験適自然含水比,比重強熱減量(ベーン試験,二重管コーソ貫入試験,宜など)〔注〕 三軸圧縮試験は安定について特に疑問が持たれた場合についてのみ行なう。一2一 1−1−1道土工 地盤の土性が比較的かたいか,盛土高が低いか,軟弱層の厚さが薄いか,あるいは延長が短かいなどの場合には,工費との関係からポーリソグを省略することもある。この場合には各種のサウソディソグあるいはオーガボーリソグによって調査する。オーガボーリソグで採取した乱した試料についてはセソ断試験などの力学試験はでぎないが物理試験は行なうことができる。特に自然含水比(泥炭では比重試験も行なう)は7−3−2でのべるように土の力学特性を知るうえでぎわめて有効であるので,でぎるだけ数多く求めることが望ましい。7−3−2 土質調査結果の利用法 ボーリソグその他によって土質柱状図が求められてもチュウ積地の土層の構成はぎわめて複雑であるので限られた数のボーリソグだけではなかなか正確に土層の構成を確かめることはできない。したがって調査したボーリソグ結果の他にサウソディソグ試験結果とか既存のデータなどでぎるだけ多くの資料を集めて一枚の土質縦断図にとりまとめ,地形その他を総合しなければならない。 またそれぞれの層から乱さない試料をとり試験をする場合サソプリソグの不良や試験の不手際などによって試験誤差が生じ易い。この誤差をできるだけ少なくするために図一了・1に示すように自然含水比,一軸圧縮強さ,単位体積重量あるいは先行圧密荷重,圧密係数などの深度方向の分布を調べ,これらの相互関係および物理試験の結果から試験値の妥当性を検討する必要がある。図一7・1土質データの整理法の例深       自然含水比       一軸圧縮強さ  ’湿潤単位体積重量さ         ω豚(%)           9ロ(kg/cmり       γ酵(t/m3) 土の力学試験結果の妥当性を判定する場合,粒度分布および自然含水比(泥炭の場合には比重および強熱減量)などが有効な手掛りを与える。一般に軟弱地盤の土の力学特性と自然含水比とは表一了・2のような関係にあることが多い。一3一 1−1−1道土工表一7・2細粒土の自然含水比による区分自 然含水比箱刀几(%)一軸圧縮強さオ珀」虫 δ(kg!cm2)40以下0.6以上用適土週    用    士盛土の安定および沈下盤士り女疋濁よひ洗「深い位置にある圧密の進ん沈下,安定について,ほとだチュウ積粘土,乾いた表んど問題はない土,洪積粘土(火山灰土を除く)400.4∼∼700.6700.4∼100以下1000.4一般のチュウ積粘土沈下について検討を要する。盛土高が高くなると安定性が問題となる比較的浅い位置にあるチュ沈下対策が問題となる。安ウ積粘土(有機物を混入し定についても注意を要すている場合が多い)る有機物の多いチュウ積粘土安定対策には十分な検討が必要,全沈下量,残留沈下∼300以下3000.3以上以下量とも大安定対策には十分な検討が有機土必要。全沈下量,残留沈下量ともきわめて大 〔注〕 一次滞積の火山灰土(関東ロームなど)は自然含水比が100%前後であるが,一軸圧縮強さは0.6kg/cm2以上あり,沈下安定について》ほとんど問題はない。 しかし,二次滞積の火山灰土については上表にしたがう。 土粒子の比重(}5は砂,粘土の区別なしに2,65∼2,75の間の値を示すものが多く石英に近い値を示す。したがって2。5以下の値を示すものは,有機物を含んだ土であることが多く,泥炭の場合には2.2以下の値となる。飽和した土の間ゲキ比εは   ε一」凹θs・…………一…一・・一一……(7・1)     100で表わされるので,一般の土では自然含水比”さえわかれば,比重を2.7と仮定して間ゲキ比の概略を知ることができる。 圧密試験結果の6−logρ曲線についてもいくつかのデータを同じ紙面にプ・ットすると含水比に応じて,ある一定の傾向を示すことが多く,試料の乱れや試験の誤差を除くのに役立つ。了一5−5沈下(1)沈下量軟弱地盤の沈下には盛土などの荷重によるものと全体的な地盤沈下によるものとがある。このうち荷重による沈下にもいくつかの原因が考えられる一4一 1−1−1道土工が,その大部分は,圧密沈下によるものと考えられる。実用上沈下に限って計算した場合,全沈下量については,大体満足すべき精度で推定することができるが,時間一沈下の関係については,実測値と大幅なくい違いを見せる場合が多い。 圧密沈下量Sを推定する場合には,圧密試験を行なって図一7・2のような荷重ρと聞げき比θの関係(β一log.ρ曲線)を求め,これを用いて(7・2)式によって計算する。        図一7。2 荷重クと間げぎ比θの関係P∠1PlogPPPo    eoee−109P曲線es−6・一6π。・・(7・2・a)  1十6。    α     ρ。十∠ρS=1fo       lO910   1十6。     ρ。   ・∠ρ・E。・ 5=筋・〈7。2・b)一(7・2・c)     16−logρ曲線上で,土かぶり圧.ρ・に対応する間ゲキ比ここに,60     協一10gρ曲線上で載荷重を加えた後の鉛直圧   6     ρ≡.ρ。+∠カに対応する間ゲキ比   π。:圧密される層の厚さ   ∠汐=載荷重により基礎地盤の土に生ずる鉛直増加圧力   C。:圧縮指数(6−109ρ曲線より求める)   筋:体積圧縮係数沈下計算の方法として上記の3式があるが, (7・2・b)式は正規圧密土に限って使用しなければならない。(7・2・c)式は,均の値が荷重によって大幅に変化するので妥当な値を選定するのが困難で1ある。(7・2・a)式は計算が簡単であり,また最も確からしい値を与えるので一般に(7・2・a)式が使われる。 ∠ρを求めるには,各種の計算図表が発表されて“るが,盛土荷重のように台形をした無限に長い荷重の場合には図一7・3の図表を用いるのが便利である。一5一 1−1−1道土工図一7・3 オスターパーグの影響線図6/之=。o0,500,50 3雪.02.0ガ ,2.81.61.1.40.450.451.2Zz=1,040.90,400。4020.80.70.350.3500.6Zヂ0.50.300.300.40,25∼ 0.250.30,200,200.20.15α献 z『↑\0.1 9 、0,10△P=1・9/z=00,05o,01  20.15ゐ△Pロi0,10Q.05567890,1  2 3 4567891.0  2 34567810αz〔注〕 オスターパーグ図表の使い方U》例1 図一7・4(a)の易合     A     『図一7・4(a)α=10mゐ=5mゐ=15m α=10m1互                       I g                       陣                      △p撃                       A−A−A’の左側部分では¢/z=10/10−1,δ/2−5/10=o.5,図表から1・=0.397,,A−A’の右側部分ではα1z−10110唱1,b/2=15/10=1。5,一6一 1−1−1道土工1FO.478,したがって全影響値は,1=1、+12胃0.875,よって4ρ寓0.875σ,ただしσ=7ε勇(γ占=盛土の単位体積重量,加盛土高) (2)例2 図一7・4(b)の場合ゐ=25m図一7・4(b)α=10m A5m 5m    20ml d  e量   r『一一1   II  Cl  Ial lb               1日                   7               1自             △嘩              A「 △a b cによる応力は△c d eによるものと等しいと考えられるので,この場合A−A’線で鉛直な形をしているものと見なし計算する。したがってA−A’線の右側部分のみについて   αμ昌1612=(20+5)/10−2.5,。o・1−o、492∴∠ρ寓o,4929 (3)例3図一4・7(c)の場合              図一7・4(c)          A10mα=10m ゐ=20m α=10m9象虹A’ A−A’の右側部分(点線部分も盛土と考える)について, σμ一10/10=1,ゐ/z一(10+10+20)/10冨4 よって図表から,11=0,499 次に点線部分のみを考えると σ/2=10/10≡1,ゐ/β=10/10胃1,∴ 1FO,455 したがって・1昌11一∫2目0,044 よって,∠ρ=0。044g(2)沈下と時間の関係沈下と時間の関係を求めるには圧密試験によって各層の砺を求め次式によって計算する。概略計算には図一7・5を用いると便利である。   ≠一丁π2___._.____._一.___〈7.3)      6“ ここに,’:任意の圧密度Uに達するのに要する時間  ただし,圧密度とは,   U一ある墓間鼎る董下量×…(%)  で定義する。一7一 1−1−1 道土工T:圧密度に対応する時間係数で次の値をとる。U(%)1・・12・i3・14・15・16・17・18・lg・Tlα・・81…3・1α・711α・261α卯2871α4・31α5671α848     π:圧密層の排水距離:圧密層の厚さがE・で,下部に砂層があ       って両面排水¢条件にある時は H=E。/2 となる。     6“;圧密係数:圧密試験によって求められる沈下速度に関する係       数で単位は一般に〔cm2/sec〕で表わされる。0”の値は荷重       によって変化するので計算に用いる0.はρ=ρ。+亘変の荷重                              2       に対応する値を使用する。 〔注1) 図一7・5の使い方(この図は80%圧密に関する時間診8・を求めるものである)。  π禺5m, oひ=1x10『1cm2/min とすれば図よりず80尾1,000日                        丁任意の圧密度Uになるまでに要する時間は, ’昌≠8・X   であるから図中の表を                       T80利用して求める。U=50%の場合には   ∫50=1,000xO.348;348日 〔注2〕 (7・3)式によって計算した場合,きわめて軟弱な土,特に有機土では実際と合致しない場合があるので注意を要する。 〔注3〕排水距離を求める場合のπ・の大きさとしては,一般に途中に滞積している薄い砂層の存在は無視して軟弱層の全厚をとる場合が多い。しかし薄い砂層であっても平面的に連続して滞積している場合には排水層として有効であると考えてよい場合があるので,フォイルサンプリングなどによって薄い砂層の存在を確かめたほうがよいo 地盤が0。の異なるいくつかの層から成り立っている場合には,ある任意の層の砺を基準にとって(7・4)式によって層厚を変化させ,同じ値のo〃を有する単一層に換算する。茄一Σ〔屠×π‘〕・・・〈7・4)     丑。1換算層厚     砺.ゴ基準にとった任意の層の圧密係数     砺.f:各層のそれぞれの圧密係数     Hヂ各層のそれぞれの圧密前の厚さ 〔注〕‘。.8の値としては全体を代表すると思われる層をとってもよいし,計算に便利なような数値を持つ層の砺をとってもよい。換算した後では全層は圧密係数‘…を有する厚さの単一層と見なされる。 (3)サソドドレーソの計算 圧密に長時間を要する場合にはサソドパイルなどを打設して排水距離を短かくすることによって圧密の促進をはかる。一8一 1−1−1道土工 サソドパイルを打設した場合の圧密に要する時間は(7・5)式によって計算し,各圧密度に対応する沈下量は(7・3)式の場合と同様にして求める。   ≠一丁ゐ4θ2・      ・く7・5)      oρ    Tが任意の圧密度Uに対応するサソドレーソの場合の時聞係数で      サソドパイルの中心間隔と直径の比(%)によって異なる。    4g:サソドパイルを通って排水されると考えられる円形の範囲       (有効円)の直径。サソドパイルの中心間隔をPとすると正      三角形配置では4θコ1.051),正方形配置では4〆1.13Dと      なる。一般にサソドパイルの直径は30’》50cmにとられる場合が多い。したがって直径を仮定して%の値を適当に変えて,計算し,圧密が所要の時間内に終了するような%の値を求めてサソドパイルの中心間隔を決定する。図一7・580%圧密に要する日数の計算図表1000080006000500040003000・ε10年緯2000∼55年1謹 10003年 800 700 600 500 400ロ  300ゆゆ3 200c”=1c皿2んeCUT/T8。10080706050=60cmヲmin     10%  ρ.013   H。20%瓶055離illl…携4030     60%  0.507麟繍… 20101   2 3 45678910  20 30405060      H(m)一9一 1−1−1 道土工 概略計算のためには図一7・6を利用すると便利である。ぺ一パードレーソはサソドパイルの代りに幅10cm,厚さ3mmの樹脂加工した硬質の紙を専用の機械によって打ち込み,サソドパイル同様の排水効果を期持するものである。ぺ・一パードレーソを設計する場合にはぺ一パー1枚が直径5cmのサソドパイルに相当するとしてサソドパイル同様の計算を行なう。 〔注1〕 図一7・6の使用法 〔例〕80%圧密を60日で完了するように,直径5cmと考えられるペーパードレーソを行なう。粘土地盤の砺昌2x10−1cm2/minとすれば配置はいかにすれば良いか。 〔解〕 図一7・6(&)により%昌5に対して(ただし翻電砺とする)  4θ.邪置5=3.1m図一7・6(a)露属5のときの80%圧密に要する日数と有効直径の関係1000・ε  ⑱ ◎本800600500400(半径方向排水のみ)蕊流ご窮ざ∼  ∼ ,卵3004 キdΦ吻隼、㊥200  リキ3,∼羅.  ◎ ◎  リ プ 100の80”  (TA・)80・‘∫3      TAε8・=c”ド直80(Tん)8。鶴60」50羊∼40   雛案30  ぜε c,=1cmヴsec一〇 れン  4囮 =60cmヴmin∼巴季20   η=5  ’u7、1(既) 10% 0,031086畢432(τ^⊇βP0,1920%0.1030%0.1940%0,290.410,5870%  dJ_(cm〉304060180 10010.7580%1.0090%1,45      1 2345678910          d、(m) 48,晃賭=5   310        −62  4ω   5図一7・6(b)に.よりこのときのり多は霧=35●。。  48==箆●4の禺35x 5=こ175cm一10一 1−1−1道土工正三角形配置とすれば,    4θ  4=    口167cm    1.05〔検算〕  ’・・』’讐1’L−畏1驚濫24−6α5日≠6・日図一7・6(b) π昌5の場合と等しい期間内で80%圧密を生ずる配置を求める図表0    0  30020015000     00  0  0100860504030マ誓ぜ 20借05     308621   1,0 23456810 203040506080100 〔注2〕 沈下計算例          π 計算例として図一7・1に示した地盤に図一7・9に示すとおりの高さ6m,斜面の傾斜131。8,天端幅 20mの盛土が施工された場合の盛土中央部における沈下を計算する。 (i)土層の分類  種々の土質試験値を比較しながら同じ沈下特性(θ一10gρ曲線,C。)を持つ土層に分類する。この時,自然含水比による分類が有効な補助手段となる。この結果土層は1(0∼1.Om),H(1.0∼5.Om),皿(5,0∼9.Om)の3層に分けられる。 (ii)土かぶり圧の計算  次のように細分した土層ごとに有効土かぶり圧を計算一11一 1−1−1道土工する。計算は各層の境界点および中央点について行なう。圧密計算はすべて有効応力が使われるので地下水位以下の単位体積重量は水中重量(70)を使用する。規(m)層70(t/m3)0.60,0∼0,512σむ(t/m2)0.30.03 0,50.5∼1.00.60.31.0∼3,00.30.60.12 3,0∬Σ別10(kg/cm2)3,0∼5.00.30.65.0∼7.00.61.2皿0.30 7.0綴=深さ(iii)増加鉛直圧(∠ρ)の計算9(m) .σ/2  ≠/20.521.6 12…・12・0.501.001,08   1.113.03.63.30.501.001,08   1.207.01.51.40.480.961.04   1.34  σ=10.8m, δ=10,0m,4二敬7F6mx1,8t/m3寓10・8t/m2   昌1.08kg/cm2,ゆ=21×g (iv)沈下量の計算  θ一logρ曲線より図一7・2のとうりにヵ。およびρに対応する間ゲキ比θ。および6を求め(7・2)式により計算する。 (v)6ひによる層厚の換算  6”の値が上層から順に6ひ,・一4x10−3cm2/sec,‘”.2−8×10『4c皿2/sec,6”.3−2×10『3cm2/secとする。基準として第3層のσ”を選ぶと(7・4)式よりH1司互×・.。一・,7m   4砺4−x4.・m−6.3m   O。8よって全層厚は,∬昌0。7+6。3+4。0−11.Omに換算される。 (vi) 時間一沈下曲線の補正 (vi)の計算は盛土荷重が瞬間的に載せられた場合の時間である。したがって盛土がある期間にわたって漸増の形をとる時は図一7・7に一12一㌧ 1−1−1道土工示す方法で補正しなければならない。 図一7・7 施工期間による時間沈下曲線の補正瞬間載荷    瞬間載荷∠一一作図順序圏檸引圏i)≠/2→①→②→④時間      ≠’ii)任意の歩一一一③→④ゆ      2 ⑤一〇盛土施工期間iii)が一⑥→⑧1) 彦γ2ε/2ガ¥、颯起⑤  ⑥iv)≠’>≠でぱ A C=D E\ ③   ⑪\膿④   ⑭トオ   時問 補正曲線芝誘、瞬間載荷曲線 (vii)時間一沈下関係の計算   (v) により換算した後ではOF2×10噛9cm2/sec=172.8cm2/day,E=11・Om=550cmとして(7・3)式によって計算             2される。  丑2    5502’一  T   xT−1750T(日)  Ou    172.87−5−4 スベリ破壊に対する安定 軟弱地盤の上に盛土荷重を加えると支持力の不足により,スベリ破壊を生ずるおそれがある。この場合のスベリ面の形は一般に円形に近いことが多いので,適当な円形と仮定して数個の円について安定計算を行ない最小の安全率を求める。最小の安全率としては1.2以上あることが望ましい。 安定計算は図一了・8に示すようにスベリ面より上方にある土塊の部分を鉛直な側面を持つ細片に分割し,(7・6)式によって安全率(Fs)を計算する。      Σ1∼(6Z+砂COSθtanφ   Fs コ                    ・一・一・・”… 一一・(7・6)          Σw劣 0=仮想スベリ面における土の粘着力りヱ                    0  ヱ内部摩擦角 φ:仮想スベリ面に嗣ける土の内部摩擦角R←wθ 確:土の細片の重量γ図一7。8分割法一13一 1−1−1道土工  (7・6)式におけるoおよびφの値は一般に非排水試験のデータが使わ1れる。この条件の場合,軟弱地盤の粘土についてはφ=0であり,一軸圧縮試験結果(卯)を用いる場合には   o=σμノ2 一一一一一一一一・一・一一一一… 一一一一・・… ””・“一一・一一 (7。7) 〔注1〕安定計算例 図一7・1に示した地盤に高さ6m,斜面の傾斜1=1,8の盛土をした場合の安定計算例を図一7・9に示す。       図一7・9安定計算例        54m    54m    48m  3、2m  σ   29                      長さの単位はm・   92’ 60③ 日琵畿                      c=2,0t/m2l  q                      φ=30●¢     i「◎▽                      r8=1.8t/m8’一  融     i①     1 百aa       日       專⑤ 滑動モーメソト                       (注3参照) (t) 1①②104.951.8   4.85.4十   園7,5404.017.3      15.4十4.8十一x3,2=11.3      3195.558.34.8x6.0富28.8一×3.2×6.0=9.6 2 2一×10.8−5.4目1.8 3一×10.8×6,0冨32.4 2 1③劣(m) ぽ蓋)w=7βA4(m3)細片    2Σル臨=Σ四κ=704,4t・m盛士部分の抵抗モーメソト4(m3)耳7禺7‘ハ (t)RcOSθ(m)17RcOSθ17.36.4110.7 1③ 一×3.2×6.0=9,6 2WRcOSθtanφ(いm) (t・m)110.7x O.577昌63,9基礎地盤部分の抵抗モーメソト oJ(t)’(m2)@       6。02×πx13.Ox一=2.7        1803.0×2.7=8.1⑤      92.0π×13.0×   ;20.8      1801.9x20,8=39.5◎      29.0πx13.ox   目6,6      18020x6.6=13,2、Σ76」=60。8t一14一 1−1−1道土工RΣoJ葺13x60,8國790.4t・m  Σハ47=790・4+63・9寓854・3t・m(ΣMアは抵抗モーメソト)   854.3F3=       =1.21   マ04・4 (注) 盛土延長1mについて計算してある。〔注2〕 軟弱地盤の場合,スベリの対象となる基礎地盤はφ=0の土である場合が多いので,図一7・9に示すように計算しやすいできるだけ大きな幾何形に分割したほうが簡単である。 基礎地盤のφが無視できない場合,計算の精度を上げるためには,できるだけ細かく細片を分割する必要がある。〔注3〕 図一7・9の細片③のような扇形部分の面積は図に示すように等面積を持っ三角形におきかえて計算してよい。 滑動モーメソトはこのようにして求める他に図一7・10の数値をとれば式(7。8)のような簡単な形で数学的に正しく求めることがでぎる。図一7。100R㌶1H’D  M−7‘・θ2(R−P一π/3)一・……一一一9…一…(7・8)       2   ハ4:扇形部分のスベリ円の中心0に関する滑動モーメント   7ε:盛土の単位体積重量〔注4〕 実際には基礎地盤は載荷を受けると圧密されて土のセン断強さは増加する。したがって(7・7)式を使うのはきわめて急速な載荷条件の場合にのみ適用され・一般の場合のように荷重が長期間にわたって漸増するような場合にこの式を適用すると実際の値より小さい安全率を与えることになる。 土が圧密を受けた場合どの程度までセン断強さが増加するかを推定するのに三軸圧縮試験を利用する方法があるが,地盤中に発生する応力や間ゲキ水圧などについて不明な点が多く土質力学体系の不備と相まって現在ではきわめて難しい問題である。〔注5〕 圧密によって増加した後の平均的な土のセソ断強さについて概略の傾向だけを推定する場合には次式を用いることができる。  6國60十U・卿・∠カ………………・………………”・……………”(7・9) ここに 0:圧密によって増加した後の粘着力    o・=初期の土の粘着力(一伽/2)    U=任意の時点における平均圧密度    粥=強度増加率,一般に1/5∼1/3の値をとる。    ∠ρ:盛土荷重によりスベリ面に生ずる鉛直増加応力,盛土中心線上におい      て∠♪一∠ρ。とした場合平均値として∠ρ= ∠カoとしてよい。                         2一15一 1−1−1道土工図一7・9の場合の⑤部分についてみると  ∠ρ一⊥x6(m)×1.8(t/mう一4.4(t/m2)     2圧密度80%の場合の圧密によって増加した後の粘着力は 郷=一Lとすると    3 σ一σ。+U・吻・∠カー1.9+0.8×⊥×4.4−3.1(t/m2)                 3となる。り一16一 1−1−2道 技1−1−2〔Nα3 道路技術基準〕 2.1.1 基礎地盤の支持力1.盛土の基礎となる地盤は,盛土,舗装などの重量かよび交通荷重を安全に支持し得るも のでなけれぱならない02,基礎地盤の支持力を確認するか,または基礎地盤の支持力を確保する対策を確立しない うちはその上の盛土作業を始めてはならない。3.支持力に疑いのある土にっいては圧密試験,セン断試験などを行ない,沈下の程度およ び載荷による側方流動の影響の程度などを調べて支持力を確認するものとする。(解 説) 基礎地盤の支持力は土質調査により判明した土質蔚よぴ土層の状態に基づいて(2.1)式により計算することができる。  (図一21(a)参照)     5.52   鑑一一〇           (2,1)     瓦 鑑:許容支持力(t/㎡) o :土の粘着力(t/㎡)一軸圧縮試験,べ一ン試験,標準貫人試験などより直接または次式に   より求めることができる。    %   0=一     2 %:一軸圧縮破壊強さ(L/ln2) 尋:安全率,盛土の場合1・2∼1.5,構造物2・0∼3。0とする。6δPP=ωH      ・“    ∼’P          基礎地盤                 基礎地盤           (皿)                      (b)                 図一21 (2.1)式はノリ面を無視した図一21②)の概略計算であるが,図一21(b)のようなノリ面を考慮する式により計算することができる。 盛土断面は図一21(c)とすると,スベリ面ができる点必は図一22より求める。図一22(ゆには,■一17一 1−1−2道技ゐ。と多。,ゐ。と彿。の関係が示されている。B      β   ゐo=     η・丑ド。た  塾“ζ・ウ      の   躍。一      (2.2)     π・丑基礎地盤 魅u      0   罵一   彿・記d     η・丑                          図一2.1 (C)    7∫:土の単位重量である。またスベリ面の位置形状を求めるためには図一22②による。図一22(◎にはゐ。,γ。,u。,己。,ん。,の関係が示されている。  Cκ=ηH砺  B60=訂ゐσζ配。=6.82  πエo=訂ち00 9 8 7 6 5          7。0          6.9          6.8          6=7          6.6          6.5                        1.004          6、4                        0.98          。6・3              0.96予◎          昏6.2            0.94          6,1                        0.92          6・0             0.908          5.9                        0.88          5,8                        0.86          5。7                        0。84          5,6                        0.82む。=0エ。=0.811          5、5                        0.80             0・030・050.10,20.4 1.01.52.03.04.0 10,0003005 01 02 04                    60図一22㊤)ゐ。より窺。,錫を求める図5  0 7 54 200 15 10 7 5R=70XπU=UO×丑Hゴ=doXηHん=んo×η月。 4■3ぺ  3ぎ2ぜL5’Lo0doノ西。=0.1640占。=0.0902ノ’To一   甲     一 ,     ’Uoい O.7 ゐ。=0.0829 0。56。=0.0352 0,4 0.30.02 0.040.050,1 0,2 0.40,50.71.0 2.0 4.05.07.01      0・07     西。図一22◎ 6。よりγ。,己。,ん。を求める図一18一                                    1−1−2道 技 また基繍{図一23のように傾斜しているときは,さらに盛土のスベリに対する検討をしなけれぱならない。その計算式は(2.3)式である。                              道路幅員    S  易Vcosαむanφ十〇1  ㍗す 灰sinα   (23)                             障 解:盛土の全重量(む)                  SF                             坪    N=WCOSα                              し S:スベリに抵抗する抵抗セン断力(t)         α       S’一Wsinα                                 S=押tanφ+C’ S’:滑動力(む) φ:内部摩擦角       }三軸圧縮試験より求める            図_23 0:粘着力 必要に応じて盛土を区分して各断面について(2.3)式を用いて検討する。軟弱粘土地盤支持力は,大体表一21のような範囲である。                 表一21粘土の状態塩xt,血29払 Mn21v(回数)非常に軟弱2 以 下2.5以 下6.9以 下軟    弱2 ∼  42.5∼  5。06.9∼13.8普    通4 ∼  85.0∼10.013.8∼27.68 軟弱地盤工法 8.1 軟弱地盤の範囲軟弱地盤の範囲は土質調査の結果に基づいて決定するものとする。(解 説)1,軟弱地盤とはその地盤上に直接盛土するかまたは道路構造物の基礎を置いた場合著しい沈下ま たは破壊を起こす地盤をいう。2.軟弱土の土質  これは一般に次の一ような性質を有している・ (a)粒度組成は細粒分(特に粘土分)が多い。G⊃)有機物を含有することが多い。 (c)自然状態の単位体積重量が小さい。(d)自然状態の間ゲキ比が大きい。一19一 1−1−2道技(e)・自然状態の土の含水比が大きい・(f)液性限界が大きい。(g)セン断強さが小さい・(h)鋭敏比は大きなものが多い。(i)塑性変形を起こすことが多い。(j)圧縮性が大きいが,ほとんど長期にわたる圧密沈下に基づくものである。3.軟弱土層の大きさおよび分布 軟弱地盤の盛土または構造物に冷よぼす影響は軟弱土の性質のみならず軟弱土層の厚さ深さ傾斜,これに接する土質むよぴ平面分布に大きな関係を有する。分布状態は次のように分けて考え られる。(a)平面分布  軟弱土のひろがりが盛土の下,連続しているかによづて地盤の性質が異なってくる。特に極  めて限られた範囲に分布している場合,たとえぱ細い旧水路に軟弱土がタイ積しているような 場合,簡単な掘削置換を施工することができるからこれは軟弱地盤とはいわない。(b)厚  さ  軟弱土層の厚さが薄く盛土および構造物に与える悪影響が微量で無視しうる場合は,軟弱地 盤とはいわない。しかし軟弱土層が薄くても,層が傾斜していて盛土および構造物の重さによ  り滑動する冷それのある場合,また軟弱土層の厚さが不均等で不等沈下のおそれのあるものは, 注意しなけれぱならない。(c)土層の深さ  軟弱土層のひろがりが大きく,厚さも相当にあってもその上に良質土層が十分にある場合に  は,盛土に対する悪影響は少なくなる。そのような場合もこの地盤は軟弱地盤とはいわない。  しかしこの良質土層には十分な注意を要する。8,2 軟弱地盤の予備調査 対象とする地盤の範囲に入るかどうかを判定するために行な う調査で1.2土質試験1。2.4サウンディングによって行なうものとする。調査の深さは最小3mとし盛土高に応じて必要深さまで調査する。普通盛土高の1.5倍の深さまで調査することを標準とする。(解説)1.土質(スウェーデン式サウンディング)一20一 1−1−2道 技  略ψ一〇∼50の場合,極めて軟弱な地盤として考える精密調査を行なわなけれぱならない。 嶋ψ一50∼瑞r50の場合,軟弱地盤としての判定が疑しいので盛土高や土層分布などを考慮して精密調査の一部または全部を行なうものとする。  罵型≧50の場合,普通の地盤と考える特に高い盛土を行なわない場合には精密調査は必要と しない。2 軟弱土の分布図 調査結果から軟弱土の土層の平面図,縦横断面図を作成する。8.3 軟弱地盤の精密調査1.予備調査の結果,軟弱地盤またはその疑いがあると判定した地盤上に盛土および構造物 を施工する場合には,軟弱地盤の精密調査を十分行なうものとする。2.軟弱地盤の精密調査は,次の種類について行なうものとする。(a)軟弱地盤の土層調査(b)軟弱地盤の支持力調査(c)軟弱地盤の沈下調査(解 説) 1.軟弱地盤上に新設道路の盛土,既設道路の拡幅またはカサ上げを行なう場合には,基礎地盤 の精密調査を十分行なわなけれぱならない。 2.精密調査の精度  軟弱地盤の精密調査の原則は一般の土質調査と変わらないが,盛土設計に際し,地盤の強さ, 安定性などの余裕を大きく持たせることがむずかしい場合が多いため,精密な調査を必要とす  る0 3.調査の方法  調査のために具体的に採るべき方法は,基礎地盤,湧水,工事の規模沿よび予備調査の結果 によって変わるのが最も経済的に十分目的を達するような方法を1章r土質調査かよぴ試験」  より選ぶものとする。8.3.1 軟弱地盤の土層調査 軟弱地盤の各土層の正確な層の厚さ,深さ,平面分布,地下水位等の調査は,壺掘りまたはボーリングにより土質試料を採取して行なうものとする。一21一 1−1−2道技(解 説) 1.調査地点の選定  壺掘りまたはボーリングにより土質試料を採取する方法は最も確実な万法であるが,多大の 費用と時間とを必要とするので,予備調査の結果に基づき,設計に必要かつ十分な最小限の個 所およぴ位置を有効に選定し,最も経済的に行なわなけれぱならない。 2.補助的調査手段  壺掘り,ボーリングによる調査は,サウンディング,物理探査等の補助的な調査手段を供用す  ることにより,一層有効適切かつ経済的な成果をあげることができる。8.3.2 軟弱地盤の支持力調査 軟弱地盤の支持力の推定は次の方法によることを標準とする。1.実物載荷試験2.計算法(解 説) 1.軟弱地盤の支持力の推定方法には,載荷板を用いた載荷試験による推定方法があるが,載荷 面積による影響が大きいから注意しなけれぱならない。特に地表面に良質の土層がある場合は, その層の厚さによって影響されるので注意しなけれはならない。2.実物載荷試験  試験盛土を行なって荷重と沈下との関係より支持力を推定する方法があるが破壊強さ,許容 荷重の判定には相当の経験,日数かよび費用を必要とする。3.計算 法  試験により求めた軟弱土のセン断強さを用いて,支持力公式により地盤支持力を算出する方 法であるが,セン断強さの判定を合理的に行なえぱかなりよく推定できる。 ⑫)セン断強さの求め方   表一81に示すように各種の方法があるが,一軸圧縮試験,(JIS A1216)による方法を標  準と考える。この試験による際,通常はヒズミ制御方式の試験値を採用するが,危険度の高  い重要な設計に用いるときは,応力制御方式の試験値を参考にしなけれぱならない。一22一 1−1−2道 技表一81粘性土のセン断強さ(粘着力)の求め方試 験 名一軸圧縮試験測定方法および粘着力算定法注    意ボーリング孔などより採取した乱さな最も実用的で信頼性大きい。乱さないい試料を成形して試験片を作りこの圧試料を取出す際に試料が膨張するため,.縮試験を行なって圧縮強さ%を求める・あるいは成形時の乱れのために強さが粘着力は次式で求める。減少することがある。  %0=  2十字形に組合わせた板をボーリング孔ペーン試験原地盤の強さを求めるには最も直接的底などの原地盤に垂直に押込み,これであり,良い試験を行なえぱ信頼性がをねじって土を円筒形にセン断するに非常に大きく,またボーリング中に強要するトルク鋳を求める。さを求められる利点がある。しかし試粘着力は次式で求める。験にはある程度の経験を必要とする。   κ哲0  π     ρ  一が(π+一)  2      3ただし .0:ベーンの直径丑:ペーンの高さ直接セン断試験乱さない試料により,垂直応力を3種実用性大きいがセン断強さが大き過ぎ類以上変えた圧密急速セン断試験を行ることが多いので注意を要する。なう。先行荷重に等しい垂直応力のときのセン断強さを求めて粘着力とする。三軸圧縮試験乱さない試料を円筒形に成形し,これ試験は相当複雑で実用性は少ない。をゴムスリーブでつつんで一様な側圧圧密荷重(側圧)を先行荷重と等しくを掛け,垂直方向に圧縮して破壊させしても強さは大き過ぎる傾向がある。る(圧密急速試験)側圧と破壊時の垂相当の熟練を要する5.直応力の関係からセン断強さを求める。標準貫入試験ボーリング中に行なう標準貫入試鹸の測定値のバラツキがあるので,精密な打撃回数ノVより推定する。決定には他の方法との供用が望ましい。粘土の粘着力は次式で求める。0−0.0625駅kg/cm2)(b)支持力公式による計算 (イ)極限支持力 (1)等分布帯状載荷の場合   (a)             (b) 図一a1軟弱地盤土の等分布載荷一23一 1−1−2’道 技                ん    塩ズ丘520(1+0・38万)(8.1)    ただし     塩ax:地盤の極限支持力(む溢n2)     o:軟弱土の粘着強さ(む/in2)     ん:基礎の掘削深さ(m)     ゐ:載荷荷重の幅(m)     ん一〇とすれぱ      塩ax=5.520(8.2)   (2)梯形分布帯状載荷の場合    2章2,1.1r基礎地盤の支持力」の計算式による・  ←)許容支持力      _塩眠    場一       尋(8.3)   ただし    昆:許容支持力(t/lh2)    丹:安全率(盛土に対しては丹一1・2∼1・5)8.3.3 軟弱地盤の圧密沈下調査軟弱地盤の圧密沈下を推定するには次の方法によるものとする。1,実物試験法2.圧密試験に基づく計算法 ただし重要性の少ない場合には次の方法によることもできる。3,液性限界試験による計算法(解 説)1.実物試験法は試験盛土を行なって実際の沈下を観測する方法であり,最も信頼性が高いが合理的な試験計画を立てるには相当の経験を要し,費用と時日とを多く必要とする。2.圧密試験による計算法は,軟弱地盤より採取した乱さない試料を用いて圧密試験を行なった結果から圧縮指数を求め,この値を用いて圧密沈下量諭よび圧密時間を推定する方法である。比較的実際に合った値が得られ費用,時間も多く必要とせず,もっとも普通の方法である。一24一 1−1−2道 技3 液性限界試験による計算法は軟弱土層より採取した乱した土質試料を用いて液性限界試験 J IS A1205を行なった結果から圧縮指数を求め,この値を用いて圧密沈下量を推定する方法である。沈下に要する時間の推定ができず,信頼性が高くないが,少額の費用で迅速に行なう ことができる。4.圧密沈下の計算法 (a)計算の準備  圧密沈下の量かよび時間を求める計算に使用する諸数値を,次の要領で求める。 貨)先行荷重の求め方   先行荷重とは軟弱地盤の土が地盤中で受けている垂直荷重をいい,これは正規荷重と事前  圧縮荷重とに分けられる。  (1)正規荷重を受けている場合    正規荷重とは過去において現在より大きい荷重を受けた経歴のない場合の先行荷重をい    う。   (i)計算により求める方法     乱さない土の試料の土質試験の結果を用いて計算する。       ※業㍉一・    ただし     乃:任意の点の先行荷重の強さ(むん12)      σ1:地下水面以上の土による垂直応力(む乃n2)      σ2:地下水面以下による垂直応力(む万n2)      z1:地表面からの深さ(m)      z2:地下水面からの深さ(m)      ゐ:土の単位体積重量(t/lh3)      ゐ:水中における土の単位体積重量(伍n3)      ん:水の単位体積重量(t血3)      0:土粒子の比重一25一 1−1−2道 技   ¢:間ゲキ比  ,ω’:含水比   Sγ1飽和度 (ll)圧密試験により求める方法   圧密試験の結果より間ゲキ比一荷重曲線を描き,自然間ゲキ比に対応する荷重を先  行荷重として求める。(2}事前圧縮を受けている場合  事前圧縮荷重とは過去に沿いて現在より大きい荷重を受けた経歴を有する場合の先行  荷重をいう。過去に粘土層の上層が風化その他の原因により削りとられた場合,過去に 地下水位の大きな変動があった場合等の特殊な原因によって生じるものである。  間ゲキ比一荷重曲線を用いて求める。←)盛土による地層中の垂直応力の増加の求め方 (D 帯状等分布荷重の場合      (P一σゐ)6   イP串                (8,5)       ゐ+z  ただし   ∠p:ただし盛土による地層中にむける垂直応力の増加(む/in2)    P:等分布荷重強さ(t乃n2)   σん:掘削深さんにおける土の垂直応力(む/ln2)   z:載荷荷重の深さ(m)    6:載荷荷重の幅(m)    θ1荷重分布角(この場合幅nθ禺1/2) (2)長方形等分布荷重の場合       (P一σゐ)ゐ   イP一                (8.6)        え     (1+一)(ゐ+z)        1の 圧縮指数の求め方 Ul圧密試験によめ求める方法   圧密試験の結果よウ間ゲキ比一荷重曲線(2−logP曲線)の図を描き,図中に先行 荷重と自然間ゲキ比との関係をブ・ットし,この点を通抄間ゲキ比一荷重曲線の直線部一26一 1−1−2道 技   に平行な直線を引く。    この直線に関する間ゲキ比と荷重との関係から次式によって圧縮指数を求める。         ∠6    00=         P。十∠P      10910          鴛    ただし     0。1圧縮指数     端:先行荷重(む/in2)     ∠P:載荷荷重による地層中の垂直応力の増加(む溢n2)     ∠6:載荷荷重による地層中の間ゲキ比の減少  (2)液性限界試験により求める方法    試験により求めた液性限界を用いて次式から計算する。(鋭敏比はあまり大きくない場   合)    0。一〇.009(ω五一10)         (8.8)    ただし     軌:液性限界(%) (→ 圧密係数の求め方   圧密試験の結果から,圧密係数一荷重曲線を描き,先行荷重に対応する圧密係数を求める。(b)全圧密沈下量の計算  ここで求める全圧密沈下量は,水で飽和した粘土が荷重増加により間ゲキ中の水の圧力を増 大し,排水を行なって圧縮する一次圧縮についての量である。圧密試験で得られる間ゲキ比一 荷重曲線には一次圧密と,ごく一部の二次圧密が含まれているにすぎないので,この曲線に基 づく圧密沈下の推定には,二次圧密による沈下はほとんど無視されている。  一次圧密の原因以外の原因に基づく圧密を二次圧密といい,一般に有機物を多く含む粘土に 著しくあらわれる。現在のところ二次圧密による沈下量を推定する正確で簡単な方法が見当ら ないので,二次圧密の大きいほど, 本文の式で計算した値の信頼性が少なレb  全圧密沈下量は次の公式より求まる。 財)軟弱地盤の全厚を一層と考えた場合        ∠8   0。   P。+イP    S一丑・  一丑  1・9、。      (8・9)       1+6。  1+2。    乃一27一 1−1−2道技 ただし  S:全圧密沈下量(m)  丑:軟弱地盤の厚さ(m) 篇:軟弱地盤の厚さの中央に沿ける先行荷重(t遜n2) ¢。:先行荷重に対応する間ゲキ比 ∠P:軟弱地盤の厚さの中央に冷ける載荷荷重による垂直応力の増加(厳n2) ∠6:イPに対応する自然間ゲキ比の減少 0。:圧縮指数(口)軟弱地盤をいくつかの水平層に分けて考える場合      れ    5=Σ3π                  (8.10)  ただし   Sル:各層の圧密沈下量(c)圧密沈下に要する時間の計算 全圧密沈下量よりも少ない任意の圧密沈下量を生ずるまでに要する時間の計算は次の要領に よる。 臼)任意の圧密沈下量に対応する圧密度を計算する。     任意の圧密沈下量    U=        x100(%)        (8.11)      全圧密沈下量 ただし  u一圧密度(%)(ロ)圧密度に対応する時間係数を図一82より求める。の 次の公式により時間を計算する・       T×珊2(8.12)   哲一     〇×60×60×24     ひ 20ミミ40uT0.10,0080.20,0310.30,0710.40,126ヨ遡600.50,197憩0.60,287田800.70,4030.80,5670.90,848100020  01 0  0.1 0.203 04 05 06 07 080.3  0.4  0.5  0.6  0.7  0.8  0.90 9 時 間 係数 丁   図一82圧密度と時間係数一28一 1−1−2道 技  ただし   諺:任意の沈下量を生ずるまでに要する時間(日)   T:任意の圧密度に対応する時間係数  oび:先行荷重に対応する圧密係数   丑1=最大排水距離(cm)(粘土層の上下両面から排水されるときは,粘土層厚の半分とし,    粘土層の一面のみから排水されるときは,粘土層の全厚とする。)6)載荷が時間とともに増加する場合の圧密沈下量の補正  載荷速度に対する圧密沈下量の補正は次の要領によるQ “)時間と載荷荷重との関係より時間一荷重曲線を描き,載荷速度を一定とする直線に換算す  る。 (ロ)載荷開始時に全荷重が一時にかかったと仮定したときの荷重に沈下量曲線を描く。 の 載荷期間中の沈下量の計算は次のようである。          哲   ま・    S(孟)一S。(一)×一(孟≦0≦諺。)     (8。13)          2  哲o  ただし   S(オ):載荷開始時のま時間後の沈下量    哲                孟   S。(一):全荷重同時載荷の場合の一時間後の沈下量    2                2    ち :全載荷期間 ←)載荷期間終了後の沈下量の計算は次のようである。    S(哲)一S(孟一ち)(哲≧ま。)    (&・4)           2一29一 1−1−3設 計1−1−3〔Na13設計要領〕  11−1−2 軟弱地盤の定義 軟弱地盤は主として粘土やシルトのような微細な粒子に富んだチュウ積層より成り,地下水位が高く,地耐力の低い地盤をいう。定量的には,その地盤の拡がりや,地盤上に建設する盛土等の規模によって異なり,一義的に定まるものではない・しかし・一応の基準として,泥炭地盤を始め,表11−1に相当するような地盤は,軟弱地盤として取り扱うものとする。表11−1軟弱地盤の基準厚層粘土または粘  性  土9昌(kg/cm2)10m未満0.6以下10m以上1、0以下砂または砂質土Nほとんど0値4以下6以下10以下11−2土質調査軟弱地盤の土質調査は,表11唱の要領にしたがって行なうものとする。                表11−3土質調査の 内容調査目的概   略   調   査詳    細    調   査 軟弱地盤上の盛土の概略の安定検討をするため次の調査 概略調査に基づいた安定計算で乱<1,25の場合,沈下量が大ぎい場合など,特に沈下,安定に間題がある場合次をする。1.軟弱層の厚さ,水平方向の広がりを確認する。の調査を行なう。1.軟弱層の厚さ,成層状態を確認する。2.詳細な沈下量および沈下時間を推定する。2.盛土の概略沈下量を推定する。3.概略の安定検討を行なう。3,詳細な安定計算を行なう。上記の目的のために次のようなサンプリングおよび原泣上記の目的のために次のようなサソプリソグおよび原位現 地 調 査置試験を行なう。置試験を行なう。数  値[a 標準貫入試験による1. サソプリソグ  サンプリソグ数  値一プリガ彫編・プリソシンウオールサンプ層  厚1,  〃b シンウォール,サソ   ” プリソグ原一鷹1欝躍5ψハπ即w5ωハ置5ω9σ‘2,4じα0τmaxノV値,層厚層厚,N値土 質 試験サンプリソグで得られた試料から次の土の判別分類試サンプリングで得られた試料から次の土の判別分類試験,力学試験を行なう。・一…騰1極層  厚験,力学試験を行なう。1,土の判別分類試験数  値一  一∼σ鵠数  値WL WP        概略調査におけるa∼d・力 [薙欝甦軸圧縮試験σ3ωπOsWL罪P免γεθ.クσCσ‘び”2り‘cμφc鰭2.力 学 試 験 a 一軸圧縮試験‘Dσ鎚/ρクσσ跳7f上記の数直を使って,次のように沈下,安定計算を行な上記の数値を使って,次のように沈下,安定計算を行な使  用  法う。(詳細検討)う。(概略検討)■沈    下ρ。禺(η一1)丑(∬は層厚)汐G;29跡Cc=0.01εσπθo;置〃パ沈    下安    定 圧密試験により,θ一10gク 侮および三軸圧縮試験に安    定 N値,砺粒度等からスペリ面を想定する。 堀π7脚,曲線θ,召。およぴらを求め魏鞭齢醗震9c‘と%の相関図からCをθs等。詳細については盛土 求める。詳細については11−討参照の沈下の検討参照3盛土の安定の検討参照一30一よる強度増加を考慮した結果から安定計算を行なう。詳細については11・一3盛土の安定の検討参照 1−1−3設 計(1)調 査方法  土質調査は,詳細な地層を確認するとともに,土のセン断特性と沈下特性を把握するために行なうものであ るo  経済的,効果的な調査を行なうためには,表11−3のような要領に従がって行なうことが望ましい・まず第 一段階の概略調査では,概略の土性を知るとともに安定計算,沈下計算に必要な常数を推定して計算する。 (土質調査結果の考え方参照)検討の結果,沈下,安定の面でさらに問題が生じ・精査の必要があると認めら れた場合詳細調査に入る。ここではさらに精密な地層の分布状況を知ると共に・圧密,三軸試験結果を使って・ 詳細な沈下安定計算を行なうものとする。(2)土質試験結果の整理方法  土層の区分はまず土質試験結果を図11−2のように深度に合わせて整理し,総合的に検討の上,決定するこ とが望ましい。 (a)土質柱状図。これは肉眼判定によって層区分されたものであるが,層区分にあたっては,薄い砂層まで注  意して記入する必要がある。 (b)土 性 図。これは,粒度試験結果をグラフに記入したもので,(a)の土質柱状図とともに最も基本となる  ものである。   一般には土質柱状図と土性図によって,軟弱層の層厚や排水層の位置を決定することが’多い・ (c) 自然含水比等(π偏WL,Wp)。目然含水比W,・は,土の判別分類試験結果による諸インデックス中で最  も重要なもので軟弱層を区分する尺度の一つとなる・   たとえば図M−2では,¢伽,:50%付近の表土,z〃?6170∼200%の有機質粘土(一部に泥炭を含む),ωπ:  90∼120%の有機質粘性土,zσ。150%前後の上部海成粘土,z%:40%前後の下部海成粘土に区分すること  ができる。 (d)土粒子の比重。土粒子の比重は有機物の存在をさぐる手掛りとなり(後述),この図では,深さ1∼9m間  において05=2.5以下の値を示し,有機物を多量に混入していることがわかる。 (e)単位体積重量(γ占)・これは圧密計算の際の土被り荷重力・を知るために欠かせない数値である。 (f)一軸圧縮試験(伽(kg/cm2))と標準貫入試験(N値)・   地盤のセン断強さを最も端的に示すのは一軸圧縮強さσ%(kg/cm2)である。深さ方向に整理することに  よって安定計算の際のスベリ面の位置の推定,各層の平均強さ等を検討する。この図では深さ5mまでの  泥炭層,または9mまでの有機質粘性土が最も安定上問題になる層と思われる。   標準貫入試験は構造物の基礎となる砂,砂レキ層の支持力を知るために行なうが,土の概略の強さを推定  することもできる。 (9)圧密特性。か,C、,o,は圧密試験結果から求まる数値である。   先行圧密荷重ρc(kg/cm2)は,土被り荷重力・(kg/cm2)とは必らずしも一致しないため,圧密計算の  際には,とくに注意を要する。   圧縮指数Ccは,その土の沈下量に関係する数値で,概略計算の際使用される。圧密係数o・(cm2/sec)  は,沈下の時間に関係する係数である・図11−2では,ρcに対応する6リを表示している・oひが10−4cm2/一31一 1−1−3設計 secのオーダーより小さい値を示す場合には,沈下の時間的遅れが長びく恐れがあり,とくに注意を要する。(h)層 区 分。以上の土質特性を総合的に検討して,層区分を行なう。図11−2では,比較的同じ土質特性 を示す層ごとにまとめて,次のように区分した。 第一層表土(0∼0,5m),第二層有機質粘土(0.5∼5m),第三層有機質粘性土(5∼9m),第四層中間砂層 (9∼12m),第五層海成粘土(12∼17m),第六層海成粘性土(17∼22m)。           三ざ  『  刊  ^  覗     痒  諸‘’  露 緊         尽 謂   翠 ミ ζ 命 ム   翠         ご 認) 葦 畢  訴 亀   命 嵩琶 に 皿           圖㎜愚團國團國騒・・ 余 墨引廓侭響暫翼唱赴苺 選草榔臭督馨刊選督搾蝉“ム電製lil    冒 !〆\x_x_ ノ穿一『、㍉《、ヤ ノ      ペx ♪ゆ(〆、x㌧翼!x窪1、〈/\ノρ・、4魅 \…へ噂!←、鳩、4.オ辱も一配     1剛鋼e牧、   ’.∬,’一・鰯      ∠!メ\ 帳    ダ、、      戸、一’ ーrヂ!爪㌔ブノ鯉掴麗 噺{一〆一」「、戸’lil声、      .へρrへ                ρ・、〆  hロー一¶−噂く}一ぽ心ro一■O−一∼■ 、・rr鞠恥、\!へだ一Ψ甲図 旭’   冠       ヂ奴、      ノ 、+_+_+一一・一+、+ノ+、+・・+一+ノ隔モr、 \   ,+一+ノ+、+一’  fに+、ζlr1’ヤ、li, 艇《ク \一(し多煙工媛壬ズン〆”賊、\    !暴_.鄭....尊、”鵡一、、、餐il x  X  「  西測巽国馴刊i罰ilミ灘騨w5。一32一 1−1−3設 計(3)土質試験結果の考え方  土質試験結果の精度を確かめるには,土質常数の相互関係を知っておくと便利である・また複雑な地層構造 をしているところでは詳細な調査が必要であるが,数多くの力学試験を行なうわけにはいかないことが多い。 そういう場合,土の判別分類試験(自然含水比,比重,コンシステンシー,粒度)等比較的簡易な試験をもっ て補足することが必要である。物理試験結果から,力学試験の常数を推定することは,過去の資料からある程 度可能である。以下土質常数の相互関係について述べる。 (a)有機物含有量と自然含水比との関係   チェウ積粘土の場合,有機物含有量が増加すると自然含水比(1/V2&)も増加する傾向にある。図11−3は強  熱減量(現g)と自然含水比との相関を示した一例であるが,ここでは鋤し<200%では正比例の関係がある。  また,”π≧200%(泥炭)では,含水比の増加に伴なって,現gは100%に収れんする。 (b)土粒子の比重と自然含水比との関係  有機物含有量の少ない低含水比(z伽<70%)の粘性土の比重は,含水比に関係なく(ヌs:2.6∼2,8間に  集中し,これは石英の比重に近い値を示している。しかし有機物含有量が増えれば,比重は反比例的に低  下し,含水比は増加する。図11−4は罪πと(}sとの関係をグラフに表示した一例である。これによると                                 2.2  予Vπの増加に伴なって明らかにθsの低下が見られる。ここでは・Gsコ2・7一而6勧し……式11−1   (但し飾=70∼350%)という概略の関係が見られる。 (e)土の単位体積重量(γ占)と自然含水比(フV・・)の関係   図11−5は,軟弱層のγ直と1ノ匹との関係を示した一例である。一般に軟弱地盤は地下水位が高いため,  全て飽和されていると考えると,次の式11−2が成り立つ     ゆり一(幽ん一一一一…一一一一  ただし,7ω÷1g/cm3   この式はOsを一定にすると,Wπを変数とする双曲線となる。しかし実際にはWπの増加とともに低  下するからγr四π曲線は上式のOsをパラメーターとした曲線よりやや右さがりの曲線となる。   この7r四π曲線の傾向がはっきりすれぽ,逆にGsの精度をチエックすることも可能である。 (d)一軸圧縮強さ色(kg/cm2)と自然含水比π㌦(%)との関係  土のセγ断強さを最も端的に示すものは⑳である。  伽とWπはある程度の相関性があるといえる。  図11−6および7は袋井,厚木の伽一P臨の相関図である。  図のように含水比の増加と共に㊨は低下するが,その低下率が,ある含水比を境にして急激に変ること  がわかる。   この境界の含水比は,例えば,この図の袋井では60%,関東ロームの二次タイ積物の多い厚木(図11−7)  では120%と供給源の土質によって多少異なるようである。いずれにしても,この境界の含水比より高い含  水比の土の初期強度は,色=0.6(kg/cm2)以上は,期待できないので注意する必要がある。一33一 1−1−3設計︵マヨ罵、鳴■)諌能翼嬰●×●●6o●●●■o■  瞳o8 誕o e  刈●o 令 藍 巽o 管9 佃一燕獣皿 剣 ヨ 詳令 δ転)o 嘱奪届端 簾釦謹●●■■D●●■●●●■誤iJ. のo●皿困●●oo●×x● ●o● Nxxx●●●翼x罵 ●●x■●×XD誉・ ●o ■ .Xo●》く 監象x ●o8寒    ロパ慧薫i艇明コ獣一34一 1−1−3設 計2,8簸理茎., ●●2。6●.審ン毒     礼o 2。4土9●粒● .0子.. o■の●.9。. 2.2比『:●重●●Gs2.01.8,100600200    300    40D    500700 自然含水比脚(%) 図11−4 土粒子の比重と自然含水比との関係2.0土  1.9〇一.!i,の   1.8単き●一輔位識’   1.7体”  9講績 1,6’9轟重   1.5量.’3ψ・・”秘γ彦(8/cmりL41,39・r}書o’ ●o.0●o5 0 03拝=。y獺・”1レ2●●  ●o●  o  ● ●o1.1● ●0●1.0100 200   300   400   500  自然含水比”n(%)図11−5土の単位体積重量と自然含水比との関係一35一600700. け3.0II3.03,0ω貼摯0 0●00ら一軸軸●oo肥 2,0縮争強さ圧  2.0縮0強強ささquo. ●9  0(kg/㎝2)0 9 1oI●009qu●陸成粘土(kg/㎝2)9:●●ωo海成粘土●、9●   o㌘:●■ o1.01,01.0o の●●●  oδ一 o●9● ●o9●3 0o●●●も霊●・8o趣饗・鮎●  oo●一払・o ● ●●  .● ●10o●v0唱o”“.20     30   40  50    70    100         200     300  400 500   700102030 4050 70 エ00   200 300 400500 700     自然含水比暫コ(%} 自然含水比脚n(%〉  一般の軟弱層における自然含水比と一軸圧縮強さとの関係 火山灰土(ローム)の二次タイ積物を混入している図11−6一般の軟弱層における自然含水比と一軸圧縮強さとの関係 軟弱層における自然含水比と一軸圧縮強さとの関係図11−7火山灰土(ローム)の二次タイ積物を混入している軟弱層における自然含水比と一軸圧縮強さとの関係 1 1-3lxif9 . 65e 8.9S " 8.80,A 10.3613.608.07.06.0EE:i50#. !4.0Cc(3.0lll7kF2.0l.O,*EZI 11-87k 't ***, .)EE i td:-37-7k b d: q) ] 1−1−3設計1.02.0大垣安八oo0.51,0..8●目5      o   0● 。’.・03●  ●●、’●己     0   0●      o00 o  ●   . ●   ●o陸成枯土o海成粘土0     ●●び●●     ●●  ●●    ●001,03.02,04.0pe(k隅/㎝2)1.02,0袋ノトoo・●●o●●●oo●●o●0o●1.0o   ●0.5●●●●o  o●●o●●00 o 00oD0oo●●●●  ●,●び●o.●●’o03●目o●●●●■●●1.00  3。02.0pc(k6/emう1。02,0焼津oo●o・oも巨■ 0。ρ● o。●0oo0oO    O00■●o Oo Og O      oo嘱。o00●o●o●偽4,0oo1.0●o●ooo0.5  ●●o001’.02.03,04,0pclk鱈/㎝り1,02.0愛lr』厚木0■●0,51,06●  D●●  ●を暮5かo         ●0 ●O    ●0■  ●ど0 0  ●  o   ●  ●  9   0  ●    ●  Oo  ●  93・ ’・,鵠》9・o:  0     A. ●●  ●102.01。03.04。0PC(kg/cmり図11−9一軸圧縮強さと先行圧密荷重との関係1一38一 1−1−3設 計 (e)圧縮指数(Cσ)と自然含水比(四π)との関係   図11−8はCσと罪πとの相関を示した例で,Cσ=0・012砺の線に比較的に一致する。つまりWπがわか  れば,この相関関係を用いてC・を推定することができるわけで,圧密試験を行なわなくとも沈下量の概算  は算出可能になる(11−4沈下の検討参照)。 (f)先行圧密荷重恥(kg/cm2)一軸圧縮強さg。(kg/cm2)との関係   先行圧密荷重九と布効土被り荷重♪。とは,必らずしも一致しないことが多く,カ。かP)かを推定する  ことは困難.である。むしろクcを,【gI。と相関性をもっているo   図11−9は名神,東名の代表的軟弱地盤におけるあ∼㊨の相関図である。図のとおり各地ともに,     ρσ=2駒一・………・………一…一・・…………一…一…………一・…・………………式11−3(a)     ♪σ=40’……9’………9’………’………’………’…’……’一…………・……・…・…一…式11−3(b)  に近い関係を示しているQ   この式を利用Lてg,‘からPじを推定して,圧密計算に使用することも可能である (11−4盛土の沈下の  検討参照)。(4)土質縦横断図の作製  土質調査の盤理の最後に,土質縦横断図を作製する。これはボーリングや,その他の調査によって区分され た地層の水平方向(縦,横断方向)の連続状態を推定し,断面図に示したものである。  この作業は,単に・ボーリソグ調査によって区分された地層を機械的につなぐのではなく,以下のことを考 慮して,できるだけ実際の層の分布に近い推定図を作成することが望ましい・ (a)周囲の地形を調査,検討し,地層のタイ積過程を推定し地層の分布範囲,連続性,基盤の深さ,など概略  の見当をつける。 (b)各ボーリング調査,および土質試験結果から区分された各地層を,ボーリングごとに比較し,同一層と判  断される層を結び合せ,縦横断図の骨格を作る。 (C) ボーリングが一地点しか行なわれていない場合,ボーリングめ問隔があいている揚合および地層の分布が  複雑と予想される場合は,その周辺を原位置試験によって補間することが望ましい・なお,この場合原位置  試験結果と室内力学試験との関連性を知っておく必要がある。   両者の関係は土の種類によって異なるが軟弱層の場合        1     ㊥=一一9c………一5………………………・………一・『…………一…・・……………式11−4(a)        5     g置。=0.0045Wεヒ。+0,0075/V電p,1………・・………・……・…・一………一…・…一………式11−4(b)  を目安にするとよい。一39一 1−1−4土地改1−1−4〔Nα4−1 土地改良事業計画設計基準〕3.2.1基礎地盤第27条 基礎が岩盤である場合には,コンクリートダム・フィルダムのいずれでも築造の 可能性があ る。砂利基礎や土基礎に対しては,高いコンクリートダムは困難であり,と くに軟弱地盤や不均一地盤においては,アースダム以外のダムは適当でない。〔解説〕 (1)基礎がたとえ岩盤でも,支持力の弱い滞積岩(泥岩,ケッ岩,溶結凝灰岩,泥流など)や, 一部の変成岩の場合には,コソクリートダムよりもフィルダムを選ぶ方が安全である。(2〉透水性地盤(砂, 砂利)では,よく締固った砂利基礎で支持力十分な場合には,ロックフィルダム または低コソクリートダム(高さ15m以下)も可能であるが・一般的にはアースダムが安全であろう。  透水量を最小におさえ,かつ,浸透水を安全に堤外に排除するために,止水工法ドレーソを適当に組 合わせることが必要である。ルーズな砂層の液化によるパィピング防止にはとくに慎重な配慮を要す るo  また,大ダムの場合は,砂利層を掘削して,深い岩盤につけたコンクリートダムにするか,または砂 利の上にそのままロックフィルダムをつくるかは,十分比較検討を要する問題であるo(3)軟弱地盤(シルト,微砂,粘土)では,アースダムが考えられる唯一のタイプであるが,堤体の斜 面コウ配を緩にし,沈下に対する余裕高を大きくとり,不等沈下やクラックの対策を考えるなど,特別 の配慮が必要とたる。(4) 不均一地盤,とくに透水性地盤と軟弱地盤とが互層をなしている場合は,最もやっかいである。こ の場合には,上記(2),(3)をあわせ考慮するとともに,両者の複合によって生ずる新しい危険にも 対処しなければならない。これらは計算に出てこない性質のものであるだけにとくに,あらゆる方面か らの検討をつくすべきである。一40一 1−1−5土地改1−1−5〔Nα4−3 土地改良事業計画設計基準〕7.3 地盤の支持力および沈下 軟弱地盤上の堤防は,地盤支持力に対する安定条件および地盤上の圧密をおも・な原因とする:沈下に対する検討を行って設計する。 支持力は堤防の直接的な安定に対する検討として取扱い,沈下は地盤上の変形を対象とするもので閲接的な堤防安定などの検討のために取扱われるqしたがって堤防の設計に対しては,それぞれ別に検討しなければならい。  7・3・1地盤支持力  堤防に関する支持力の検討には潮セキ現象による堤体有効重量の変化ならびに干陸による 境界中立力の変化を考慮しなければならない。  安定計算は極限支持力について概略の検討を行ない,基礎破壊に対して詳しく検討する。 地盤支持力に対する安全率は少くとも1,2以上とする。  干拓堤防のように,潮位の変動または干陸によって安定条件の変化するものにっいては, それぞれの時期における最も危険な状態に対する安定の検討を行なわねばならない・  軟弱地盤上の堤防の安定については,円形スベリ面法により基礎破壊の検討を行なうのが 一般である。干拓堤防はふつうきわめて延長が長く,しかも地盤土の強度が築堤完了後年月 の経過とともに圧密によって次第に増加するから,他の構造物に比し,一般に比較的低い安 全率をとっている。これは施工中万一破壊等がおこっても,この時の施工観測の記録を検討 して設計の部分的な修正を行なうことが経済的であると考えられているためである・したが って,きわめて重要でかつ延長の短い堤防,または施工管理の困難と認められるものなどに ついては,安全率を1・5以上に採るのが望ましい。  (1) 極限支持力の算定   極限支持力の検討は式一3・83によって算定する。      2  ’ 1    ”    マd一ガNc+万γ・βκ7+γ2P∫Nσ一…一…’一・…0一…’0……0’0………”’”●●3・83   ここに 9¢=極限支持力(ton/m2)       σ3土の粘着力(ton/m2)713地盤土の単位体積重量(ton/m8)(水面下にある場合は水中重量をとる)γ23基礎荷重面より上方にある地盤土の平均単位体積重量(tQn/m3) ノ     ダ    ずZVo,1V,,坪g図一3。65に示す支持力係数 β5 30 瓢 20(内部摩擦角の関数)1)∫:基礎の根入り深さ(m)β 2基礎の幅(m)式一3・83はテルッァギー(Terzaghi)の提案する局部セン断破壊に対するもので,この公式は連続フーチングを対象としたものであるから,堤防のような構造物の極限支持力の算定に適用するのは必ずしも適当とは考えられない。一41一 15 1057−〃6催艀’第10−  0510152025303540          φ      ”1V7図一3・65φと馬Ngr2一との関係図 1−1−5土地改 7,3。2基礎の沈下 堤防沈下の原因は ① 基礎捨石,堤体盛土の圧縮 ② 基礎捨石の地盤へのめり込み ⑧ 地盤土の側方への流動 ④ 地盤土の圧密  などである。堤防の設計に当っては,これらを極力防止できる構造とし,またどのようにしても避けられぬ沈下に対しては,それが堤防直接にまた堤防築造の目的に対し悪い影響を与えぬよう対策を考慮する。 沈下の主な原因は地盤土の圧密であって,・沈下量の推定はつぎに述べる方法による。 圧密沈下は,これを避けることができないが,他の原因によるものは,設計施工の方法によってある程度抑制することができる。 圧密沈下ならびに他の沈下の推定は困難であるから,同一地域の類似の構造物に生じた現象の解析結果,または試験区間を設け本工事着手前に実測値を求めるなどの方法によって計.算値の修正を行なう必要がある。 (1) 地盤内の応力分布   堤体荷重によって生ずる基礎地盤内の鉛直応力は,荷重が鉛直と30。の角度をなして  分布するものと仮定し,式一3。87によって算定する。図一3.71参照。     σ置一  9  _____。____一__.__________..3,87           z       1十1,15_           β   ここに砺=深さ,βの点の地盤内鉛直応力(tonlm2)      9=基礎地盤上の荷重強度(tQn/m2)      Z=載荷面からの深さ(m)      β3帯状荷重の幅(m)  ここでは近似解法を示したが,堤体号dが大きく不等沈下の検討などを行なう ノd d旨300Z場合は,堤体幅を幾つかに分割しそれぞれの部分による応力に重ね合せの法則が適用されると仮定して応力分布を計算するか,(Boussinesq〉の式およ’び(Frohlich)の式によって算定する。(2)圧密沈下量算定図一3・71地盤内応力分布図  (3) 圧密沈下量の算定 地盤土の圧密沈下量を求めるためには① 沈下の算定用いる圧密諸係数の値② 地中の応力分布③ 中立応力の初期分布④ 圧密層の排水条件⑤ 圧密層の厚さなどを決定する必要がある。圧密による最終沈下量は式一3。88,3。89によって算定する。 S=Σ”躍‘4ρ‘hf・…”・一””・一・・3,88S=Σocεhf1。g1。ρ+△ρ_____。____,_     1十θ㏄     ρここに S l最終沈下量(cm)   角:適当に分割された圧密対象層の各層の厚さ(cm)一42一一3.89 1−1−5土地改   ρが各層中心面における載荷前の鉛直応力(glcm2)  ∠ρ¢3各層中心面における増加鉛直応力(91cm2)  卿・が各層の相当荷重に対する体積圧積係数(cm2!g)   6。嬉3各層の初期間ゲキ比   0σが各層の圧縮指数(b) 圧密沈下量の時間的変化の算定 圧密沈下量の時間的変化はつぎのようにして求める。あ る圧密度Uに対する沈下量は式一3・90によって求め,その圧密度に相当する圧密時間は式一3・ 9書によって算定する。  5二SU/100……………・………………一■…”……………・g…・……………・一…3.90  ずμ=処’E2___。______・・……一………・……・……………3.91     0η ここに s:圧密度に対する沈下量(cm)    S=最終沈下量(cm)    U;圧密度(%〉    ’払3圧密度Uに達するに要する時間(sec)    Tが圧密度Uに達するに要する時間係数      図一3.72より求めるQただし図において      13両面排水で圧密応力が等分布する場合      1[:片面排水(上面のみ)で載荷幅に比し層厚が大で,応力が下面で0となるよ        う直線的に変化するとみなしうる場合      皿3水面が層上面と一致する岩盤上の粘土層のよう「一虫は上面のみで       行なわれる。この場合応力は上面0で下方に直線的に増加するQ                    1    ∬:両面排水の場合には圧密層の厚さの7,片面透水の場合は圧密層の厚さ(cm)    ‘◎=圧密係数(cm2!sec)ただし透水係数(cm/sec)        ・O2040誉ミ・竜終60正舶因180loo O     Q2     Q4     Q6     Q6       時向係数乃図一3。72 時間係数と圧密度との関係一43一lo12  14 1−1−6捨鉱建1−1−6〔Na8捨石鉱さいたい積場建設基準およぴ解説〕 (地盤調査)Z 差ら積場を設ける区域およびその附近の地盤については,あらかじめ次の各号について調査を行なうものとする。一、地盤を構成する岩石または土の種類,性状および賦存状態二、地下水の状態三、ゆう水の有無,位置および状況(う、ん止堤の基礎)3,かん止堤の基礎となる地盤は,次の条件をそなえたものでなけれぱならない。一・所要の支持力を有すること・二、滑動に対し安全であること。ヨ莇水が勧こと.  ただし,適当なゆう水排除措置を講じた場合は,この限りでない。(解 説) 一、および二、について これらの条件判定のためには,必要に応じ土質試験,耐荷試験等を行なう。三、について基礎地盤のゆう水は,無いことが望ましいが,ゆうzkがある場合またはその冷それのある場令は,グラウト注入によりゆう水を阻止するか,堤体に貫孔作用を及ぼしたり,築堤材料を流失したりするおそれがないような構造の盲みぞ等を設けてゆう水を排除する・地盤中に水抜きトンネノレを開き1して成功し郷ある。一44一 1〒1−7港 構1−1−7〔Nα6 港湾構造物設計基準〕             第1章基礎の支持力 1.1等分布鉛直荷重を受ける浅い基礎の支持力 1,1,1一  般 浅い基礎とは,基礎の根入れ深さ刀(m)が基礎の最小幅B(m)より小さいもの,すなわち1)/B<1,0のものを1】う。浅い基礎の支持力を求める場合,基礎側面の抵抗は考えない。 〔解 説〕 一般に基礎の支持力は,墓礎の底面支持力と基礎の側面抵抗との和である。基礎の底面支持力とは,地盤内に塑性流動を起こすために基礎底面に加える圧力の値によって決まるものであり,基礎の側面抵抗とは,基礎の側面と土との間に働く摩擦抵抗または粘着抵抗のことである。底面支持力については多くの研究が行なわれているが,側面抵抗についての研究は相対的に少ない。したがって,DIBく1,0の浅い基礎の場合には,側面抵抗の大きさは,底面支持力に比して小さいことも考慮して,側面抵抗に期待しない方がよい. 1.1。2砂質地盤における基礎の支持力砂質地盤における基礎の許容支持力は,式(1.1)によって求める。      1    4αニア〈β7・脳+72凪i)+72D    (1・1)     ここに      g。;許容支持力(水中部分の浮力を考慮した値)(t/m2)      .恥基礎の最小幅(円形基礎の場合は直径)(m)      1》;基礎の根入れ深さ(m)      71;基礎底面より下の地盤の土の単位体積重量(水面下にあれば水中単位体積重量)        (t/m3)      721基礎底面より上方の地盤の土の単位体積重量(水面下にある部分は水中単位体積       重量)(t/m3)      Fl安全率    亙7,1》g;支持力係数(図一1.1参照)1)      β;基礎の形状係数(表一1.1参照)1) 日本建築学会編,“建築基礎構造設計規準・同解説”,(昭和35年),P。100一45一 1−1−7港構表一L1形状係数基甑の形状隣続形正方瑚円形  長  方  形・・5一・・1(会)*β0.40.50.3注)*欄・猷長方形の短辺長(m),L;長方形の長辺長(m)安全率は次の値を標準とする。  重要な構造物    2,5以上  その他の構造物   L5以上100’’’支持力,’係数107ノNqr4!Nγ  ノ1.ん/ !!0     10。   20。   30。   40。   50。      内部摩擦角 φ図一1.1支持力係数  〔解説〕11)基礎に加える荷重を増していくと,はじめは荷重に比例的な沈下が生ずるが・荷重がある値に達すると沈下は急に増大して,地盤のセン断破壊が隼ずる。このように摯盤のセン断破壊を生ずるに要する荷重の強度を基礎の極限支持力という。 極限支持力(9‘)はテルツァギ(Terzaghi)によって式(1。2)のように与えられる.   σ‘=β7・β堺+72P瓦σ       (1・2)式(1,2)中の諸量は式(1.1)の場合と同様である。式(1,2)のσ¢は2項の和よりなるが,これらは,重量のない土が押え荷重のためにつり合って支持できる荷重(砺),(ii)押え荷重がなく,土の重量にょる力のっり一46一 1一1−7港構合によって支持できる荷重(解)にそれぞれ対応している。 式(1.2)に示した極限支持力(卿)は,基礎の自重および積載荷重を含めて考えた全荷重に対して浮力を考慮した荷重強度である。すなわち,基礎底面に有効応力として加える荷重強度で,これを全荷重強度(grOss[oadintensity)という。一方,式(1.1)に示した許容支持力(4α)に対しては,華礎底面に加わる有効押え荷重強度(72P)が,安全率(のに無関係に別項どして与えられている。これは基礎底面に加わる全積載荷重強度が,掘削前に基礎底面の位置に加わっていた有効土カブリ荷重強度より大きくないかぎり,地盤内のセン断は生じないという考え方に基づいている。この場合(4d−72D)は正味の荷重強度の増分ということで,正味荷重強度(net loadintensity)と呼ばれる。すなわち式(1.2)を書きなおして    9己一72D==β718・ム1:ア十72Z)(ハ4∼一1) となるが一図一L1に示した妬値は,テルツァギの求めた,珊値よ り1を引いたものが示してある。した がって,式(1,1)で求めた伽は基礎底面に加わる全積載荷重強度(ただし浮力を考慮)となる。(2)テルツァギの支持力論で仮定した地盤内の塑性平衡状態を図一1,2に示す。ここに示すように,すぺり面は 基礎底面の深さより下方にのみ考え,それより上方の土は押え荷重として考えている。 図一7・2に示す地盤の塑性平衡状態においては,セ            璽8ン断破壊が地表面(ここで 底面の深さ)まで広が  、1っている。これは地盤がかなり密か,あるいは堅くて塑          φ ・性流動を起こすまでのヒズミが小さいような場合に起                          4ぎ一φ/2   iこるセン断破壊であり,テルツァギはこれを全般セン断破壊と呼んだ。これに対して,土がゆるい場合,あるいはやわらかくて圧縮性の大きい場合には・図一1・2           ト_B_1に示したような範囲まで塑性流動が及ぶ前に,基礎の              1  、下の土の局部的なセン断によつて大きな沈下を生じ,〃ヨ」⊥U膿十…                       q冨γ2D事実上の破壊を起こす場合がある・このような破壊は    43一φ/2      i局部セン断破壊と呼ばれる。これら2つのセン断破壊                       図一1.2 連続基礎の下の地盤内における塑性平衡状態を載荷試験における荷重強度と沈下量の関係で示したものが図一1.3である。 この2つのセン断破壊の種類の判定は個々の判断による部分が大きいが,テルツァギは局部セン断破壊を生ずると思われる場合には経験的にtanφを2/3倍して用いることを提唱している。(3)支持力係数N7,珊は,土の内部摩擦角と基礎底面のあらさの関数であるが,実用上は基礎の底面が十分一47一 ・1−1−7 港 構にあらいものとしてよいから,内部摩擦角のみの関数として考え         荷重強度てよい。全般セン断破壊および局部セン断破壊の各場合の支持力           qh  qd                               、         口係数値を図一1.4に示す。                                、                                 、     1                                  ヤ    し しかし,実際の場合に,セン断破壊の種別を判断するのは不便                                  \1                                   麟であるため,図一1.1に示す支持力係数の値は,図一1.4に示す                                        全1支持力係数値について,内部摩擦角の小さい場合は局部セン断,   沈                                        般                                        ゼ                                   藍\                            下                                        ン大きい場合ほ全般セン断が生ずるものとして両者をつないだもの                                        断                            量                                        破                                    繊1である。                                        壊                                     監(4)連続基礎の場合には2次元問題として解析ができるが,有限長さの基礎については3次元的に考えねばならないため,厳密に問題を解くことが困難となる。表一1.1に示した形状係数のう  図一1,3載荷試験における荷重強度ち,円形,正方形の基礎に対するものは載荷試験結果より決めた     と沈下量の関係もので,長方形基礎のものは連続基礎と正方形基礎の間を補間したものとなっている。(5)上に述べたテルツァギの支持ヵ論においては,図rL2に示すように基礎底面より上方にある土は単に押え荷重として考えられており,この部分における土のセン断抵抗は考えられていない。この仮定が安全側であり,その破壊機構も一般に実測の地盤の移動状況と一致しないととから,マイヤホフ(Meyerhof)は地表面まで広示る塑性流動領域と仮定して支持力の解析を行なった。 あらい底面をもつ浅い連続基礎の下の地盤内における塑性平衡状態としてマイヤホフの考えたも                      500               500)0のを図一1.5に示す。 こ中場合飽面は一つの置換地表面であってその上部にある土けい(模)ゐ夢の重量は,面加に                      100               100ゆ作用する垂直応力σ・とセン断応力τ・とに置換                      50                 500される。面加の傾斜角θは基礎の根入れ深さとともに増大する。               Nq            Nγ難 このように考えた場合の浅い基礎の極限支持力                      10                 10は,実用上,式(1,1)の右辺の各項に根入れに関                      5                  5する補正係数4γ,砺を乗じて式(L3),式(L4)鐵のように表わされる。           110●20’30’40’50●  0’10’20’30’40。(1¢=β71Bムひ4γ+γ2Pハら49   φ         φ(1.3)図一1.4テルツアギの支持力係数一48一 1『1−7港1構 ここに歎1潔iliii}αの←・→τ0)fD(6)砂地盤における基礎の支持力を計算するたae ただし式(1.3)および式(1.4)は(P/B) ≦1の場合に対してのみ適用される。σ0eb差『   一θd一αC  (テルツアギ)     (マイヤホフ) めには,砂の内部摩擦角(φ)を決めなければ図一1.5あらい底面をもつ浅い連続基礎の下の地盤 ならない。     内における塑性平衡状態  セン断試験を行なわない場合には,次の値 を用いて支持力の推定を行なう。140       ゆるい砂   30。       普通の砂   35。120       締まった砂   40。持100 また,標準貫入試験結果から支持力を概算するには,図一1.6に力 示すN値と支持力係数の関係を用いることもある。図一1。6 80数 に示す支持力係数は,全般セン断破壊と局諦セン断破壊の値を珂γ係 60Nq つないで一般化したものである。20 M丈  ただし,・ここに示す柘を式(1.1)に適用するには1を引40 くことに注意する必要がある。20O低00(7)以上は水平な砂質地盤上に載荷した場合であるが,斜面上ま たは斜面の肩の近くにある基礎の支持力については,マイヤホ フ(Meyerhof)2)および梅原3)によって研究されている。  30●    34■   38●   42    4       φ図一1.6支持力係数とN値の関係1.1.3 粘性土地盤における基礎の支持力粘性土地盤における基礎の許容支持力は・式(1・5)により求める・   4α一焼夢+ア2P    (ユ・5)   ここに   9・1許容支持力(水中部分の浮力を考慮した値)(t/m2)   1V、;支持力係数(図一1.7参照)4)   Oo;基礎底面における土の粘着力(t/m3)    F;安全率一49一 1−1−7港構   721基礎底面より上方の地盤の土の単位体積重量(水面下にある部分は水中単位体積重量)     (t/m3)   Z)1基礎の根入れ深さ(m)安全率は,次の値を標準とする。  重要な構造物    2.5似上  その他の構造物   1.5以上050丁ヤ、 荷重強度lpHo、、』・一B40o基礎の長さ=Lσ包=σo十砺々=Cn1為安全率:Fも“∼300諺£》・りも 〃鋤?ミ201000510        15  β!H昌B左/Co図一1,7支2025持 力 係 数 莇 〔解説〕⊂1)一般 粘性土地盤の支持力の問題はプラントルによって最初に解かれた.すなわち,粘着力o。なる粘性土地盤上一50一 1−1−7港構の連続基礎に対する極限支持力(9d)として  g¢=5.1400となることを示した.この場合,基礎底面にはセン断応力が働かないものと仮定しているが,テルツァギは基礎底面があらい場合について,  9d=5.17σoの式を提唱した。 プラントル,テルツァギの解析においてはすべり面は直線と対数ら線の複合すぺり面と仮定されているが,フェレニウスは円形すべり面を仮定して  σα=5.5200 となることを示した。 テルツァギの支持力論においては,基礎の形状係数として表一1.2のような値を提唱している.               表一1.2形状係数基礎面の形状 1連 続1正方形形状係数1 エ・ l L3円 形1長方形L3 い+α3β/L* 注)*B∋長方形の短辺長,L;長方形の長辺長   ユo0 以上の解析はいずれも粘着力が一定という仮定に基づいたものである。しかし・実際の粘性土地盤に  8 誌{タ、聾ガヴ 玄おいては粘着力は深さと共に増大するのが普通である。したがって粘着カー定という仮定で求められた                      6牢メテ,レガニー・・弄一   一  一 一一 ,  一一rスケンプトソ一  一支持力公式を実際の地盤に適用するにあたっては,1癒     2基礎の底面下吾一β(βは基礎の最小幅)の深さにお                      4ける粘着力をもって,平均粘着力と考えるということが行なわれてきた。                      2 図一1・7に示す支持力係数は,粘着力が深さに対石:フーティング幅して直線的に増大する場合について・円筒状すべりL3フーティング長面を仮定して求めたものである。粘着力を一定とし  0                          0・2     0・4     0.6     0.8     1,0た場合の支持力係数について,他の解析結果との比            β!L較を図一1,8に示す。図一1,8によれば図一1,7に基    図一1。8粘着カー定の場合の支持力係数づく支持力係数が最も大きくなっている.しかし粘着力が深さと共に増大する場合については,基礎底面下2百Bの深さの粘着力を用いて在来の公式で求めた;支持力係数は図一L7の値よりも大きくなる. 図一1.7は正方形基礎から連続基礎までを含むものであるが,円形基礎の場合は正方形基礎と同様に考える.2) G,G Meyerhof,“The Ultimate Bearing Ca正》acity of Foundations on Slopes”,Pτoc。4th Inし Conf,S.M.EE。,VoL1,(1957),P.384∼P.3893)梅原,駅マウンドの偏心傾斜荷重に対する安定”,港研設計基準課資料,Nq12,(1965)4) 中瀬明男,駅粘性土地盤の支持力”,港研報告,VoL5No。11,(1966)一51一 1−1−7港構図一1.7に示す支持力係数よ凱連続基礎の場合の許容支持力は式(1.6)に示す実用式で計算することができる5)。畿ll}9α一一養(L84々聡52砺)+72P(1,6)σ.=⊥(1.ス3超+6.94σ。)+72P  Fへ  山P一円形すべり受8・一一直線すべり腿0.1ピ>¥¥、¥¥、¥¥ ¥¥眠97¥¥、 ¥¥言o、99∼¥ 、寒。、、0,01           1            10            BIH=Bk/Co  図一1,9粘性土層の厚さに制限のある場合の連続基礎の支持力(2)粘性土層の厚さに制限のある場合の支持力  基礎底面の下の粘性土地盤が。うすく,すぐ下に 岩盤があるような場合にはすべり機構も支持力も 2b・q・撫掌、 異なってくるものと考えられる。このような場合0  0,2 0.4  0.6 0,85 定した連続基礎の支持力を図一L96)に示す。図 鎖線より下の領域そは直線すぺりを考えたガが支 ゆ梯4論Nc30.6         O.86         1, 1,2  1,4  ユ,6  1,8  2.0  2,2  2,4       (c2/c二)ン  Ncq=c・一F 2 持力係数が小さい。(3)強さの異なる二層の粘性土地盤上の基礎の支持 1 0 力一52一0.497 について,円形すべり面および直線すぺり面を仮 一1・9は支持力係数の逆数を示したものであるが,Nc10(a)粘着力が一定の場合2、6 1−1−7港構Nc ユ1  2bq  バトン(Button)7)は強さの異なる二層の粘性 土地盤上の極限支持力を求めた。すなわち,図一1. 10(a)に示すように各層の中で粘着力‘が一定螺忽欺・10oク∼9!へ㌃’ 値の場合と,図一1,10(b)に示すように上層         7 の0が深さに対して直線的に減少し下層の0が一さlb〃2        6・  ’0  0,2 0.4 0.6 0,8    ノ 定の場合の2とおりの仮定のもとに円形すべり面      ’         51.2  1.4  1.G  l.お  2,0    〃冠     c、/6、 を考えて連続基礎に対する支持力係数瓦cを求め Nc4  しノ   ! 〆 も     計算値 地表面近くの0が乾燥によって増加した場合に適ノ’ノ  3,   ノ う も・ た。図一1.10(b)に示す上層の強さの分布は,ー一一外禰 2      (b)粘着力が変化する場合図一1,10 二層よりなる粘性土地盤における支持力係数 用されるものである。        卜rB一→(4)砂質土と粘性土の二層よりなる地盤における基・ 礎の支持力  粘性土地盤が砂質土で覆われている場合,基礎 底面と粘性土地盤の間の砂質土の厚さ(ρS)が基礎 の最小幅(B)の2倍以上であれば,砂質土地盤とゴ竿1脂燐黛部寅☆ して支持力を計算する。Ps≦1.5・8の場合には、 粘土 図一1,”に示すように粘性土地盤表面における荷図一1.11 砂,粘土の土層地盤における積載荷重分布 重強度分布を仮定して粘性土地盤の支持力を計算 する。 1.5β<08<2βの場合には,砂質地盤と考えた場合および粘性土地盤と考えた場合のおのおのについて支持 力を計算し,小さな方の値をもって支持力とする。(5)地盤が一様でない場合の基礎の支持力 砂質土と粘性土が複雑に成層していたり,局部的に強さの異なる粘性土地盤の場合には,いくつかのすぺり 面を仮定して安定計算を行なう。この場合,すべり面の形は地盤条件に応じて円形,直線および複合形などと する(第4章 斜面の安定参照)。  また斜面上および斜面の肩の近くにある基礎の支持力にρいては,マイヤホフ8)の研究がある。  1,2等分布鉛直荷重を受ける深い基礎の支持力 深い基礎とは,基礎の根入れ深さD(m)が基礎の最小幅B(m)より大きいものをいう。深い基礎の支持力は,底面支持力と側面抵抗との和である。5) A.Na1【ase,喝℃ontribution to the Bearing Capacity of SQil Stratum”Repし RH.T。RI,,No』4,  (1963),P.256) 引用文献4)参照7) S.J。Button,“The Bearihg Capacity of Footings on a two Layer Cohesive Subso11”,  Proc.3rd Int.Conf.S,M,EE,,Vol,1,(1953),P.332∼P,3358) 引用文献2)参照一53一 1−1−7港構深い基礎の支持力は,式(1・7)により求める。   94=941十忽4             (1,7)ここに ¢。、1基礎の底面許容支持力(1.1等分布鉛直荷重を受ける浅い基礎の支持力参照) (t/m2) イg・;基礎側面の抵抗による許容支持力の増分(t/m2)砂質土地盤における基礎側面の摩擦抵抗による許容支持力の増分は,式(1,8)により求める。       1   B P2    ∠9・=7(1+τ)万K472tanδ    (1・8)ここに  瓦安全率(9。1に用いるものと同じ値) K溺主働土圧係数(第2編第10章土圧および水圧参照)  721基礎底面より上方の地盤の土の単位体積重量(水面下では水中単位体積重量)(t/m3)  P多基礎の根入れの深さ(m)                 2  tanδ;基礎側面と砂との摩擦係数δ二互φ  B多基礎の幅(m)  Ll基礎の長さ(m)粘性土地盤における基礎側面の粘着抵抗による許容支持力の増分は,式(1.9)により求める。    4C、=⊥(1+』一)互τ    、 (1,9)      F   ム  βここに  o;粘着力(根入れ部分における平均値)(t/m2) Pの基礎の根入れ深さ(水中部分のみについて考える)(m)  〔解説〕(1)砂質土地盤における深い基礎において,地表面よりZの深さにおける側面摩擦応力(ノ)は次のようにで与え られる。   ブ=7ZK4tanδ  根入れ深さPに対する平均の側面摩擦応力(∫)は一般に次のようになる.    7一去∫f7Zκ4tanδ4Z一一静7D惚nδ 式(1,8)に示す∠%は,基礎の側面と砂質土の全接触面積とアより求められた全摩擦抵抗を基礎の底面積 で割ったものである。  基礎側面と砂質土の間の摩擦角δは,土の内部摩擦角φより大きくなることはなく,コンクリートと砂質      2 土の場合δ=互φと仮定することができる。③ 粘性土地盤における深い基礎の場合,地下水面より上方の部分の土は夏期に乾燥収縮する可能性があるので 有効な接触面と考えない。したがって式の平均粘着力σも,この有効な接触部分における平均粘着力である. 堅く強い粘土における実用上のoの上限値は3t/m2とする。一54一 1−1−7港構  スケンプトン(SkemptQn)9)は・粘着カー定    10 な粘性土地盤における深い基礎の底面支持力に.重弱形歩種斡移 対する支持力係数として,図一1.12に示すよう    8導雑捧碇 な値を提案し,さらに次のような実用公式を示  支一6,2−                        持 した。                 力 6                      係一5.1  (a)地表面載荷の場合(P=0)        数                        4    施。=5連続基礎      NG1−B→    紛o=6 正方形および円形基礎        2  (b)P/β<2.5                        0   施P=(1+α2P/.8)物0      0  ユ  2  3  4  5                                 D/B  lc)P/β>2.5                         図一1.12 スケンプトンの支持力係数   砺P=1,51%o  〔d)長方形基礎珊(長方形)=(1+0・2βノL)紛(連続) マイヤホフ10〉は根入れのある場合の連続基礎の許容支持力を次のように表わしている.                             支持力係数Ncq   9α_⊥6。助+720      。5 10 15 20      F、、  、、、、¥ 、珊・9の値を図一1.13に示すが,図一1.13には側面の   α5               :鞭姻                                         粘着抵抗なし                        ユ,0、粘着抵抗を含めたNσgの値を示してある。マイヤホ、 、     ¥、、、、、1、塾、                       旦1,5           3縫嚢面フは連続基礎以外の基礎に対して         呈                 儲抵抗あり1、、、、覧、                       た 2,0                β       は1聖   Nσg(長方形)=(1十〇.15一)施σ(連  D                L        頒 2,5                   R=円形離碇の『 1                                         半径1、、、、0   続)                  3ゆ11,   瓦09(円形)=5.7             3,511、、、、、、、を提唱した。                      4−o0底面支持力全支持力全支支持力                       底面支持力ただし,並方形基礎は円形基礎と同じと考えてよいと  (連続鞭)   椚形羅) (連続)四形)されている。                      図一L13 マイヤホフの支持力係数  ・1,3 偏心荷重および傾斜荷重を受ける浅い基礎の支持力  〔解説〕(1)・一般 港湾構造物の設計において取り振う基礎の支持力問題において嬬荷重合方が偏心または傾斜していることが多い。このような場合に,直線的に変化する底面反力を仮定して,その最大値を求め,これといわゆる地盤の支持力を比較することが行なわれている。しかし,もし局部的に大きい応力が地盤に加われば,その部分の9)A.W.Skempton,“The Bearing Capacity of Clays”,Proq Building Research Congress,Di葛1  (1951), P,180∼P.18910) GG Meyerhof,“The Ultimate Bearing Capacity of Foundations,”Gとotechnique2, (1951)・  p.301∼p。332一55一 1−1−7港 構 土は変形して応力が減少し,それ1こ従ってその附近の土の応力が増大するものと考えられるポしたがって実際 の反力分布は在来の仮定によるものよりは均等化しているものと思われる。さらに局部的な塑性流動が生じた としても,それが直ちに基礎下部の地盤全体の塑性流動,すなわち極限平衡の状態に相当すると仮定するのは 安全側にすぎる。したがって偏心または傾斜した荷重を受ける基礎の支持力については,はじめから荷重の偏 心または傾斜を考慮して導いた支持力公式を用いて推定すぺきである。 ’偏心および傾斜した荷重を受ける基礎の支持力問題については,いくつかの解が示されているが,いずれも 設計基準として採用するだけの実測記録の集積がない。したがって現段階においては以下に示す方法のおのお のを用いて,安全率がL5以上であればよいことにする。(2)立石の解11)  立石は,砂地盤の地表面にある連続基礎に偏心傾斜荷重の加わった場合の支持力を円形すべり面を仮定して           歪  (a)          (b)           1             直        職揖÷・≠                  e/b=2e/B=ε        図一L!4偏心傾斜荷重を受ける連続基礎の下の地盤内に生ずるすべり面求めた。荷重合力の偏心位置と荷重の水平成分の方向の組合せを検討した結果図一1.14に示す2つの場合が最も小さい支持力を与えることが示された。 極限支持力の鉛直成分は式(1,10)で表わされる。9,=盟N 、  2 (1,10)F= 9”  ヱ  βφ=25●ここに 4の極限支持力の鉛直成分(t/m2) 5,0           φ=25’ 4,0鋪侮 %倭 0,4∪奄∼ 登 0.30♂7§0、2 0.1》 06α〒0.4O  O騒 Oo 一∼♂r3.0 2.O0.20.6.10 LO∩0.1  0.2  0,3  0.40     0,2     Q.4     0.6     0.8     1.O        Iεレ0.50,60.70.80,91.0 ε11)立石,福家,須田,光本,“傾斜偏心荷重を受ける帯状基礎の支持力に関する研究”,運研報告,12巻, 1号,(昭和37年)一56一 1−1−7港構φ=30。 6.0φ=30●侭. 0.5 0.4洛“ α3 θ咽 0.26.一  00o_多騒  o 4,0。魯静0.2αF 0.50.30.4「3、0♂.爵 0.1 5.0吻0.1 2.0▽ 一む0 1,0講0,1  0,2  0.3  0.4  0.5  0.6  0。7  0,8  0.9  1.0,O,6     0,8     1,00,40.2回         ε     φ一3r          φ=3『 0.6                  6、0i                  5.0 0.5∼                  4.0 0.7♂6侭ゴ◎ 0.4ロ甲 0.30.3αFO.50.4∼                 「3。0唱0.20.10・盃                  2.O癬 0.2 0.1淋炉                  LOα2 α4 α6 砿8 10   q1α2α304α505軌70£091ρ  0  0      1ε1                   三 @ 支持力係数価0                 (b) rとεの関係一図一1.15 偏心傾斜荷重を受ける砂地盤表面の連続基礎の支持力計算図(その1)φ=40。φ=40● 0.8 6.〇0マ 0,7駕一 θ『ご5爲α4勉も繍あ 0,3 0.2 0.1  00 5,0み0.30.4 4,0r3。0070.1 0,5ノ♂ 0,6α5 0.50.2 20金 1,0㊧0.1  0.2  0,3  0.4  0,5  0.6  0.7  0JB  O,9  1。00.20.6    0.8    1,00.4         ε1ε1一57一 1−1−7港構φ=45●φ=45’ 0.86.0、揃 0.7 0,6璽る5α4のα3  0、α●瀟=0∼0.5τ3.O 層訪 0,2  04.0♂演ぎ 0.5 0,15.O∼一2,0も1,0レ擁・0.1  0,2  0.3  0ユ  05  0,6  0,7  0.8  0,9  】」00,2     0.4     0.6     0β1.0         ε     1ε1(b) rとεの関係 @ 支持力係数αり 711砂の単位体積重量(水面下にあれ   85                   80  ば水中単位体積重量)(t/m3)                   75 Bl基礎の幅(m)          70 1=Rノわ=2R/β(Rはすべり円の半径)  65 73偏心傾斜荷重合力の鉛直成分     60φも (5℃¢0轍   (t/皿)       θ55吻・ Nl支持力係数(図一L15参照)   (。)50秀                   45 恥安全率                   40立石の支持力係数(めを図一1・15に示す    35が,これは砂の内部摩擦角(φ)の外,偏   30                   25心量を示す係数(ε=2θ/B)および傾斜角0工      αの正切(α・=tanα)の関数である。立石の方法はその後マウンド上の基礎の場合 0.2     0.3     0.4     0.5     0,6(c)円形すべり面の中心角図一1,15 偏心傾斜荷重を受ける砂地盤表面の連続基礎の支持力計算図(その2)にも拡張された拗。立石は砂質土地盤と同様な方法で粘着カー定な粘性土地盤における偏心傾斜荷重に対する支持力の解析を行な っている13).(3)マイヤホフの解14)15) .マイヤホフは砂質土地盤および粘性土地盤のおのおのにづい淀,偏心荷重および傾斜荷重を受ける浅い連続 基礎の支持力を求めた。マイヤホフは鉛直偏心荷重を受ける基礎と等分布傾斜荷重を受ける基礎のおのおのに伽て騨支持力を求め,それらを組始わせた隻これら暢群?い∫嘩趣た地盤のそ(塑)断O (衡)状態を図一1.16に示す。12) 引用文献3)参照13) 天埜良吉,喝曜最新岸壁の設計法”,技報堂,(昭和34年),p・26∼p。4414)G。G Meyerhof,“The Bearing Capaclty of Foundations under Eccentric and Inclined Loads”g  Proc。3τd InしCon£S.M,EE.,Vo二1,(1953),P.44015) 引用文献7)参照,P.428,P.438一58一 1−1−7港構lal砂質土地盤の場合 許容支持力の鉛直成分は式(L11)で与えられる.ここに   σα。;許容支持力の鉛直成分(浮力を考慮した値)(t/m2)   角安全率   ・Bl基礎の幅(m)   y;偏心傾斜荷重合力の鉛直成分(t/m2)   81偏心量(m) (図一1.15参照)   α1荷重合力の傾斜角(●)   P;基礎の根入れ深さ(m)   φ1砂の内部摩擦角(。)   71;基礎底面より下方の地盤の土の単位体積重量(水面下にある部分は水中単位体積重量)(tlm3)   723基礎底画より上方の地盤の土の単位体積重量(水面下にある部分は水中単位体積重量)(t/m8) 畑,1〉:7;支持力係数(図一L1参照) 碕,4戸基礎の根入れに関する補正係数(式(1.4)参照) この場合,基礎の極限支持力の水平成分は,式(1.11)においてF=1とした9⑳の水平成分(伽り量anα)と基礎の根入れ部分に作用する受働土圧の和である.㈲ 粘着カー定な粘性土地盤の場合 許容支持力の鉛直成分は式(1・12)で与えられる・   9・・一(・一釜)(1一垂)2(ナ‘魏+7・P)  (1・・2)ここに ¢.u;許容支持力の鉛直成分(t/m2)  の粘着力(t/m2) 焼多支持力係数跳=5,14 その他の記号は式(1.11)におけるものと同じQ=9,しB9弓斎9 である。この場合,基礎の極限支持力の水平成分 は,式(1.12)において,F=1としたσα”の水平B, e                    e 成分(9、秒tanα)と基礎の根入れ部分に作用するI 受働土圧の和である。 ノa  1 b8b   / I 941dlcl鉛直偏心荷重を受ける基礎の有効接地面C 、一一一(a)鉛直偏心荷重を受ける連続基礎の場合には図一一59一e4δI∼デP  ,ノ 1−1−7港構                                1 1・14または図一1・16に示すような有効幅B’を            ・B考えてよいが,マイヤホフは有限長の基礎の場   e        五δ                              1α9、 D 合にも図一1・17に示すように基礎の有効接地面              I b                              こを考えた。この有効基礎幅B’とLまたはβと      d     gぴ_φ                               C刀を用いれば,鉛直等分布荷重と同様の公式に                               (b)代入して支持力の算定ができる。すなわち鉛直 偏心荷重の場合には連続基礎以外の基礎に対しB ても支持力の算定ができるのである。e1∠二δ㈹ 計算上の注意事項D  α9,1ad  図一1・16に示すαおよび召の符号を正とするb9G“一φ                              c 9G一φ ・ と,荷重合力の着力点が荷重の水平成分の方向             (c) にかたよっている場合にはα>0,θ>0を式  図一1.10 偏心荷重または傾斜荷重を受ける基礎の下 (L11),式(L12)に代入する。しかし着力点が       の地盤内におけるそ(塑)性平こう(衡)状態 水平成分と逆の方向にかたよつている場合には,すぺり面の発生する方向が一義的に決まらない。すなわ ち,偏心量が小さ恥ときはすぺりは偏心側に生じ,このときの支持力はθ〉0,α<0を代入して求められる。(b)(醇)(c)(d)(3)hBF「丁上ez           単一偏心          二重偏心            図一1.17鉛直偏心荷重を受ける基礎の有効接地面  偏心量が大きいときは偏心と反対側のすべりが生じ,支持力は8>0,α>0を代入して求める。そして両  者のうち小さい方をもって支持力とするのである.㈲ ヤンブーの方法16)  ヤンブー(Janbu)は偏心傾斜荷重を受ける連続基礎の支持力を調べる実用方法を提唱している. ㈲ 砂質土地盤の場合  砂質土地盤の場合には,まず(3)(c)に述ぺた基礎の有効幅を考えて鉛直等分布荷重が加わる場合の許  容支持力4α”を求め,これが式(1.13)に示す等価鉛直圧力ρより大きければよいとする。   ρ=ρ。十えπρπ      (1.13)  ここに  あ三基礎に加わる荷重強度の鉛直成分(基礎の全幅を考慮)(t/m2)16) N.Janbu,“Earth Pressures and Bear1ng Capacity Calcu里at量ons by Generalized Procedure of  Slices”,Proc,4th Int.,Conf。S.M,EE。,Vol.皿, (1957),p.207∼p、212一60一 1−1−7港 構  拓1基礎に加わる荷重強度の水平成分(基礎の全幅を考慮)(t/m2)  λた;換算係数(図一1.18参照) すなわち,9αり≧ρであればよいとする。また,水平方向の安定の検討として次の条件を満たせばよいとす る.   妻琶tanφ≧力為’ この場合に用いる支持力係数および換算係数を図一1・18に示す。ただし,この場合の賜,N7は式(1.2)の形 として用いる.(b)粘性土地盤あ場合  粘性土地盤の場合には,まず(3)(c)に述ぺた基礎の有効幅を考えて,図一1.12より決まる支持力係数に よって,等分布鉛直荷重が加わる場合の許容支持            φ,                        Oo5。10。15。20025。30。35。 40。 45。 力4⑳を求め,式(L14)に示す等価鉛直圧力♪よ 300                       200 り大きければよいとする。                       100   ρ=ρ。+V2ρた   (1.14)  乏                      b50 0Nγ ここに,あ,莇は式(1.13)におけるものと同一蝿                      牌 200 じである・また水平方向の安定の検討としては・ 壱                      べ 10 次の条件を満たせばよいとする.       鳶                        5    1   −6β≧カπ   F2                        2馬λ乃1V¢ハr7 ここに                      1                        0  0,1  0,2 0.3 0,4  0.5  0,6 0.7 0.8  0,9  1,0    ‘1粘着力(t/m2)                    tanφFtanφ/F   β;基礎底面の全幅(m)            図一1・18支持力係数と換算係数 1.4 地震時の基礎の支持力 〔解説〕﹄地震時の基礎の支持力は,基礎底面に加わる荷重に設計震度を適用して,偏心傾斜荷重を受ける基礎として検討する.安全率は1.0以上でなければならない。 地震時には基礎の支持力が減少するものと考えられる。地震の場合その加速度による慣性によって,荷重合力の偏心および傾斜の量が増大すると考えられるから,載荷条件のみについても支持力の減少が予想される. 一方地震時に採用すべき土の強度.走数については未解決の問題が多い。単一の衝撃的載荷に対して,土が一般的に大きい抵抗を示すことは実験的に知られている。また,短周期の振動的載荷によるセン断試験によれば,土の強さは減少する。シード(Seed)17)は実際の地震に近い周期で振動的載荷を加えたセン断試験を行なったが,これによれば土の極限抵抗の大きさの変化は顕著ではないが,土の変形の急激な増大が生ずることが認められた。 以上のことからみて,地震時に考えるぺき土の強さは,常時における値より大きいものであってはならないと17) ELBb Seedド電Sojl S虻ength dur董ng Earthquakes”,Pro〔㍉ 2nd Llt Conf。E識rthquake Eng・,(1960)一61一 1−1−7港 構いえる。 現行の耐震設計法で広く用いられている設計震度の考え方によれぱ,荷重の偏心量と傾斜量は地震時に共に増大する。しかし地盤に生ずる塑性領域内の土塊に対して積載荷重に対すると同じ設計震度を適用することについては疑問がある。 立石18)は砂地盤の場合について,すべり面内の砂に加わる地震力の影響が無視し得る程度であることを示している。しかし,粘性土の場合には一般にすべり面内の土塊に作用する地震力の影響がきわめて大きく,粘着力σが一様であれば理論的には積載荷重がなくてもすぺりが生ずることが示されている191。 砂地盤における基礎の地震時の被害状況からすると,砂地盤においては普通の支持力論で考えるセン断破壊というよりはむしろ,振動による砂の流動化(Liquefaction)によると思われるものが顕著である20)(第2編第8章土質条件参照)。したがって与えられた地盤条件に対して許容支持力を算定する場合には,予想する地震の特性に応じて締め固めを行なって,内部摩擦角φの下限値(あるいは間ゲキ比の上限値)を規定することが必要となろう。 一方,粘性土地盤における基礎については,震度法を用いて算定した安全率(すべり面内の土塊にも震度法を適用したもの)が1.0より大幡に少ない場合でも,破壊を生じなかったという場合が多い。 したがって現在の段階においては,地震時の支持力を推定する合理的な方法はないが,一応,偏心傾斜荷重を受ける基礎の場合の方法を準用することにする。震度法の適用は基礎底面に加わる荷重のみとし、すぺり面内の土塊に働く地震力は考慮しない。 ここに示した地震時の基礎の支持力の検討方法は,きわめて便宜的なものであるが,この問題を解決するためには,実際に地震を受けた基礎の支持力の検討を行なうことが最も大切であろう鋤221.第3章基礎の沈下3.1地 中 応力 基礎の載荷重によって地中に生ずる応力は,土を弾性体と仮定して推定するか,または直線的な応力分散を仮定して計算する。  〔解説〕(D一般  土は一般には弾性体とは考えられていない。応力,ヒズミの関係における比例限界は,普通は極限応力の1/2以 下の応力までである。すなわち,安全率が2以上の場合にのみ土は近似的に弾性体であると仮定することがで きる。また,地中応力の算定に用いる弾性解においては,半無限弾性体を仮定しているが,この仮定も実際問題18)19)引用文献11)参照引用文献4)参照20)運輸省港湾局,港湾技術研究所,第一港湾建設局,“新潟地震港湾被害報告第1部”,(昭和39年)21)引用文献14)参照運輸省港湾局,港湾技術研究所,第一港湾建設局,“新潟地震港湾被害報告第2部”, (昭和40年)22)一62一 1−1−7港構 の条件と異なる場合が多い。以上のような制限および条件の相違はあるが他に適当な方法がないことおよび弾 性問題と考えると種々の場合の解が利用できることなどの理由によって,地中応力の推定には一般に弾性解が 用いられるのである。  地中応力算定幡用いる弾性解は,主としてブーシネスク(Boussinesq)の解である。これは等方的で均質な 半無限弾性体の表面に鉛直な集中荷重のある場合の解を基本にしており,これを積分することにより,線荷重 や面荷重に対する地中応力を求めるのである。  弾性解の外に,帯状荷重あるいは長方形区域に載荷された荷重に対する地中応力の推定方法として,応力の 直線的分散を仮定するケーグラー(K6gler)の方法がある。  以下に述べる地中応力の解においては,土の自重を考えておらず,積載された荷重による地中応力の増分の みを示すものである。(2)集中荷重による地中応力  半無限弾性体と仮定した地盤の表面に鉛直な集中荷重(Q)(t)が加えられた場合,地中の鉛直応力(σ・)(t/m2) は一般に式(3.1)で示される。      Q    σz=  1σ         (3、1)      ■2 ここに  Z l考えている点の地表面よりの深さ(m) も;地中鉛直応力の影響値(図一3.1参照) 図一3,1にブーシネスクの解による影響値(1σ)を示す。 図一3,1に示すブーシネスク解は,粘土地盤に対してはよく合うとされているが,砂地盤に対して荷重直下への応力集中が著しくなり,フレーリッヒ(Fr61ich)の解1)を用いるとよいとされている。  また,地表面に加えられた水平な集中荷重2)および地中の一点に加えられた鉛直および水平な集中荷重3)に 対する解もある。                     0.5(3)線荷重による地中応力                        0,4串.  単位長さ当りの荷重が4であるような無限長の線 深さの点における地中鉛直応力(σ・)(t〆m2)は式                        0.2 (3.2)で表わされる。⊥L、」︸ Qσ; 荷重が鉛直に加えられた場合・地表面よりZ(m)の1チ0・3=・=写1‘ z                        0,1    σ,=91σ      (3,2)       z                         o  線荷重による鉛直地中応力の影響値(1σ)の値を   0  0.5  1.0  1.5  2、0  2。5  3。0                                  (r/z) 図一3.2に示す。                        図一3.1鉛直集中荷重による鉛直地中応力の影響値1)赤井浩一,曜璽土の支持力と沈下”・山海堂・(昭和39年)・p・53∼p・552)R.F.Scott,“Principles of Soil Mechanics”,Addison−Wesley,(1962),p。497∼p,4993)最上武雄,“半無限弾性体内の一点に力が作用するときの応力を求むる数値表”,鹿島建設技術研究所  出版部,(昭和32年)一63一 1−1−7港構議乏1⊥  鉛直な線荷重に対してはこの外にフレーリッヒの 0,7 解4)があり,地表面に平行に加わる線荷重に対する 0.6地中応力の解5)もある。 0.5(4)帯状荷重による地中応力L_P・  帯状荷重とは,幅が有限で延長が無限大の区域に  0.41σ 載荷された荷重のことである。 0.3 (al等分布帯状荷重 Q.2 卜一r一→  哩 σ‘=一1σ  z   荷重強度4(t/m2),幅B(m)なる等分布帯状  0,1   荷重による地中応力は,図一3・3(a)の表示にし   たがって式(3.3)のように表わされる.  0  0.1. 0.2  0.4 0.60,81  2 3             (r/z)図一3.2鉛直な線荷重による鉛直地中応力の影響値               qr−B!  !q51’ ! ノ !’1   ノ’    ,\//’  αx/1  ’       !/!!置疹〉/冷猶・イ/\。 ¥、、、¥、       乙,(b)図一3.3等分布帯状荷重による地中応力/一 宴{α+sinαc・s突α+2δ)}σ¢一男1α一sinαc蝋+2δ)}㌃、 9sinαsin(α+2δ)   π主応力は図一3,3缶)に示す方向に作用し,その大きさは式(3。4)のとおりである./一σ、=9(α+sinα)σ3=9(α一sinα)   π4)引用文献1)参照,p、575) 引用文献2)参照,p・489∼p・490一64一/4 1−1一7港構式(3.3),式(3.4)に示す応力はいずれもポアソン『         q比に無関係である。α,βの角度はラジアンで表わす。 式(3.3)の第1式より,鉛直地中応力(σ・)の﹃8                   σ2 1等しい点は,図一3.4に示すような曲線上にあ 一=                   qる。これを圧力球根といい,上載荷重(4)に対す1る比で地中応力の大きさを表わす。圧力球根は,土質調査の実施深度の決定などの参考になる。σz  1一一==一 式(3.3)を式(3.5)の形に書き直した場合のq  2影響値(1。)の値を図一3.5に示す。σ∼q σz==91σ      (3,5)1一4一_r嚇=この場合1σはz/B,x/βのみの関数である. 以上は弾性解によるものであるが,等分布帯図一3,4圧  力  球  根ち0.     0.1      α2      0.3      0、4o.50.ウ0,60.8ユ,0Z−B唖H黛をo.Ho匁uト幽, /i ら識もq。ao1 x¢呂=q1σao図一3.5等分布帯状荷重による地中鉛直応力の影響値一65一Z0,91.0 1−1−7港構状荷重の場合には弾性解によらずに応力の直線的分布を仮定する方法も用いられる,応力の直線分布を考える計算方法としては,図一3.6に示すように,いわゆるポストン・コード法(ボストン市の建築規準で採用されているためにこの名称がある)と修正ケーグ                       トーB一畦    卜一B−1ラ融の2つがある・      r q.qg ボストン・コード法では,地表面の鉛直荷重qzβ                        ひ        ロ                     zがある角度α(α≧30。とする)で一様に分散す          『zβ zるものとする。図一3.6㈲を参照して,荷重強  (a)ポストン’コーF法   (b)修正ケーグラ}法度(4。)(t/mり),幅(β)(m)の等分布帯状荷重に    図一3・6直線的応力分布よる深さ(Z)(m)の面の鉛直地中応力(9・)(t/m2)は,式(3.6)のように表わされる。     (7ρ (q、!q.)儀=・+2(芸)tanα00(α=30。の場合)0.20,4   0,60,81.0     9092=  ・+U5(各)雨 ド法を重ね合わせると地中応力が一様にならぬとい繍 う矛盾を避けるために堤唱されたものである。これ凶 去/,鄭/!﹀  修正ケーグラー法は,図一3.6(司のボストンコー/\ヤ蜥列\1,0 は図一3,6(b)に示すように地中応力が角度β(普通 55。とする)の広がりで台形分布をすると仮定する ものである』荷重直下の深さZ(m)の面の鉛直地中zB 応力(4・)は式(3.7)で表わされる. 卜B一冠2,0縣%_」『止一L」一ポストン・コード法   α=30。修正ゲーグラー法  ポストン・コード法および修正ケーグラー法によ3,0  β嵩55’ る9z/g・の値を図一3.7に示す。(b)堤状荷重                        図一3・7等分布帯状荷重を;よる地中応力  オスターバーグ(Osterberg)6)は図一3.8(a)に示                          (直線的応力分布を仮定する場合)すような三角形荷重を代数的に重ね合わせて,図一3.8(b)に示すような堤状荷重による鉛直地中応力の影響値を求めた。オスターバーグの影響値(1σ)を図‘3.9に示す。 図一3,9で与えられる影響値によって求めた地中応力(σ・)は,無限に続く堤体の法線直角方向の一鉛直断面内におけるものである。したがって,擁壁などがあって,考えている面の片側に堤体がある場合には図一3.9による影響値(1σ)の1/2をとればよい。このことは帯状荷重一般の場合にもあてはまる. 図一3.9の使用法を例によって示す。6) J.0.Osterberg,ぺ璽lnfiuence Values for Vertical Stresses in a Semi−infinite Mass due to an  Embankment LQading”,Proc.4th I lt.Con£S.M,FE.、VQl。2,(1957)一一66一 1−1−7港構 例1 (図一3,10(alの押点におけるσ・)   瓦点より左側の部分についてはσ/Z=1,δノZ寓0.5,図一3,9より1σ=0,397,同様に右側については∫σ=  0.478,したがって全影響値は,0。397十〇・478=0.875,したがって σz=0,875g例2破綴黙鎌_合の影  じシコ,q  響『直はσ/z=1,・6/z=4,1σニo.499,破線部1                                         11  のみの影響値はσ/Z=1,δ/Z=1,1σ=0.455,                 α、α81α                                         覧  したがって全影響値は   。.499一。,455一。.。44したがってσ、一。.。44g        l例3(図一a1・(clの場合)   幡 ・ 聯’q   σ加による応力はo磁による応力に等しい。 図一3・8三角形荷重の重ね合わせによる堤状荷重  したがって地中応力に対しては面σ召を鉛直         b/Z罵。。                       0.50 03.ol:2匡8  面醒で置き換えることができる。ゆえにσ/1.4L2  Z=1,み/■=2.5,Zσ=0,492 したがって1.O0o.9   σ多=0.492(1                              0.40o.sqj 例4 (図一3.10⑥の場合)o罫  この場合にはσめに対しては例3の方法を                       0.30 用い,昭窺に対しては例2の方法を適用し両者                      工σ1qうqA を加えればよい。  なお以上の外に,三角形分布帯状荷重および                       0、20 放物線分布帯状荷重による鉛直地中応力の解7)}建拷+b→。q霊 がある。また,堤状帯状荷重による地中応力の各も盤 成分を表わす式はユルゲンスン(JUrgenson)8》  O,1Ωσ8=qlσ, z0 によって与えられている。       ⊥σ8.(5) 面荷重による地中応力 面荷重とは,地表面の有限な区域,すなわち円   0α01    0.1     1     10形とか長方形の区域内に加えられる荷重をいう。等            a/Z分布面荷重による地中応力に対していくつかの解が  図一3・9堤状荷重による鉛直地中応力の影響値得られている。la)等分布円形荷重.  半径Rの円形面上に等分布荷重9が加えられた場合,鉛直地中応力σ,をσ・=41σと表わした場合の影響 値(1σ)を図一3,11に示す。7) 引用文献1)参照,p.60∼p,628) L J廿rg6nson、“The Application of Elasticity and Plasticity to Foundation Pmblems’量,BostQn  Soc.Ci肌Eng.Conf,to Soil Mech.,(1925∼1940),p.148∼p.183一67一 1−1−7港構㈲ 等分布長方形荷重 (i)長方形分割法  辺長がβ(m)およびL(m)の長方形面に等分布荷重9(t/m2)が加えられる場合,この長方形のぐう角  の下Z(m)なる深さの点における鉛直地中応力(σ・)(t/m2)は,影響値を用いてσF91σの形で表わすこと  ができる。この場合の影響値(1σ)を図一3.12に示す。ここに翅=(β/■),η=(L/■)は無次元数であり, 互いに交換して用いることができる。4m2m2m2m 2m  4m2m2m lm  3m2m lm  3m  2m2mq璽2m2m量曇σz (a)σ26恵(b)!2md﹁ 1m計e一   一   一    一    一   一一CqC11h84m   2me書‘bl“f          bra b2m」」重量(c)      1  (d)σz           ひユ図一3.10堤状荷重による地中応力の計算例              1σ0    0.1   0.2   0,3   0。4   0.5   0,6   0、7   0,8   0.9   1.00︾’σゆ00zデ鳩義凶 も、盲1・0も皇も9蕪烈。 」し  x20y   F評z σz=q1σ          図一3,11等分布円形荷重による鉛直地中応力 長方形のぐう角以外の点における地中応力を求める例を図一3.13に示す。図一3.13〔a)のN点の場合には次のようになる一68一 1−1−7港構   σ2:=4(1σ1+1σ∬十1σ皿+1σ膵) また図一3,13㈲の場合には   σ2=9(1σ1−1σH−1σ皿十1σIV) ここに乃1,乃皿……;おのおのの(・81,LI),(恥,五π),……を用いて図一3,72により求めた影響値(る)である。  地中応力の求めるべき点の深さが荷重面の大きさに対してある程度以上大きくなると,集中荷重による地中応力と大差なくなる。一辺β(m)なる正方形区域に荷重強度4(t/m2)なる等分布荷重が加えられる場合,正方形の中心直下の鉛直地中応力は,Z/B>3であれば,B24(t)なる集中荷重を受けた場合の鉛直地中応力と実用上一致するとしてよい。ml=3.00.25πa=㌔  2,52.OI.8       q1.61.21.41.00.26  Z  LN一一一一0.90.8の10.7    σ:=qlσ0.60.15  B    Lm=二一    n=一0.5  Z     Z16040.10030.20,05毛0.1〔0nm=0.00。01         0.1          1                n 図一3,12等分布長方形荷重による鉛直地中応力の影響値一69一10 1−1−7港構                       ⊥よと磨=ゴ卜一L・LII一一→                     BIFB“ i lTBI(1)    (H)B皿                      γ際躍℃NB皿(m)(lv)BwL皿一←L四                                (b)       (a)             図一3.13長(ii) 影響円法方形分割法の例  図一3.14は同心円群と放射線群によって全平面を200個の小部分に分割したものであって,地表面上で 各コマ内に等分布荷重9が作用したとき,どのコマをとっても同心円の中心直下で基準長ABに等しい深 さの点における地中応力(σ・)が0。005gとなるように作成されている.  図一3.14をニューマーク(Newmark)の影響円といい,この場合の係数1/200ニ0.005を影響係数と呼 ぶ。影響円を利用した地中応力(σ・)の計算法は次のとおりである。 ←f)地表面上で任意の平面形内に等分布荷重(9)が作用しているとき,地表面上の任意点(載荷面の内外を  問わず)の下方Zなる深さにおける地中応力(σ。)を求める ものとする。 (ロ)深さZが基本線長4Bに等しくなるような縮尺率を求  め,トレーシングペーパー上にその縮尺率で与えられた  平面形を描く。 の トレーシングペーパーを図一3.14の上に重ね,地中応  力を求めたい点の平面位置を影響円の中心に一致させ  る。 ←) トレーシ著グペーパー上の平面形内に含まれている影  響円のコマ数(%)を数える。 (栂 σ・=%×0.005gが求める地中応力となる。  この影響円法は,応力を求めようとする点の深さが異な るごとに縮尺率を変えて地表面の平面形を書き直さねぱな らぬという不便はあるが,載荷面からかなり離れた点の地,訓1彰響伍中応力を求める場合や,また鞘面が長方形に分割し圏. 図一銅ニユrマークの影翻 いような形の場合は,(i)の長方形分割法よりも便利である。(iii)応力の直線的分布を仮定する方法  (4)で述べた応力の直線的分布の仮定を用いて,長方形荷重を加えた場合の地中応力を概算することがで きる。辺長β(m)および五(m)の長方形面に荷重強度g・(t/m2〉の等分布荷重が加えられた場合,載荷面直 下z(m)の面における鉛直地中応力(9・)(t/m2)は式(3.8)で与えられる(図一3.6参照)。一70一 1−1−7港 構9愚BL+2Z(B+轟nα+4Z2tan2ω(ボストン・コード法)(α=30。の場合)BL9z=σoβL+1.155(B+L)Z+1.334Z2(3.8)         BL92=90BL+Z(β+L)tanβ+−Z2tan2β(修正ケーグラー法)3(β=55。の場合)           BL42=σ・βL+1.428(B+L)Z+2.719Z2{6)基礎の接地圧  前項までに述べた地中応力算定の問題においては,載荷面が十分なたわみ性をもち,地表面の沈下に何の妨 げもないという仮定を含んでいる。しかし実際には,載荷面の大きさに比してきわめて薄い盛土を行なうよう な場合を除いては,この仮定は実情と合わない。  半無限弾性体表面に弾性的な連続スラブ,あるいは円形スラブで載荷した場合の接地圧についてはボロウィ カ(Borowicka)が解析を行なっている。それによれぱ接地圧の分布は図一3.15に示すようにスラブと地盤の 土の相対的剛性によって変化する。スラブと土の相対的剛性(K)は式(3。9)で与えられている。   K−1岳溜踏(・1)3    (3・9) ここに  μ3曜,μ8㈱1土およびスラブのポアソン比  E3帽,E伽O l土およびスラブの弾性係数       σ1は連続基礎の場合はB/2,円形基礎のときはR       ゐ1はスラブの厚さ。 図一3.15によれば,スラブの端部における応力は無限大となる。しかし実際の土においては,大きな圧力のもとで降伏し,塑性流動を生ずるため,図一3,16(a)に示すようにある有限な大きさの圧力で平衡状態に達する。この点に関して粘土と砂とでは非常に異なった接地圧分布が生ずる。 粘土の場合には拘束応力の値に無関係な粘着性のセン断強さを持っている。したがって,スラブの端部における接地圧の大きさは,粘土のセン断強さで決まるある値に達して平衡状態を保つ。一方砂の場合には,セン断強さは拘束応力の関数となり,この拘束応力がなければセン断抵抗を発揮することができない。スラブの中心部においては砂が横方向に降伏することが妨げられるため,拘束応力が大きく,したがって大きな接地圧に耐えられる。しかし,スラブの端部近くでは拘束応力がないのでセン断強さを発揮できず1接地圧に耐えることができない。したがって大きなスラブの中心部においては圧縮に対する抵抗が大きく,端部においてはこの抵抗が小さい。砂地盤における接地圧分布を図一3・16(b)に示す・ しかし,サンブナンの原理によって,地表よりある程度の深さにある部分の応力分布は,地表の接地圧の差異にさほどされ影響ない。一71一 1−1−7港構¢hh・τ「B/2・K0,5.5Koo10』25OQπ0.05工10 30,01,0π030匹¢一qσrq:スラブ上の等   (。)連続基礎               (b)円形基礎図一3.15 スラブと地盤の土の相対的剛性による接地圧分布の変化卜B一一→     トーB一一唖﹄、・隔(a)粘 土           (b)砂図一3,16剛盤連続スラブの下面における接地圧分布3.2即時沈下 即時沈下とは,基礎地盤内に載荷した場合,載荷と同時に起こる沈下である。即時沈下は,セン断変形によるものと考えてよく・弾性理論によって推定を行なう。  〔解説〕‘11一般  即時沈下は後に述ぺる圧密沈下と異なり,セン断変形による沈下であり,載荷と同時に生ずるものである。 砂地盤では,粘土地盤におけるような長時間にわたる圧密沈下がなヤ)ので,ここに述べる即時沈下を全沈下と 考えてよい。  粘性土地盤における即時沈下は,地盤の弾性体としての沈下と土の側方への塑性流動によるものが考えられ る.しかし,粘性土地盤の側方流動は,支持力に関する安全率の大きさによって異なり,また圧密現象と同時 にかなり長時間にわたる現象であって,定量的に扱うことは現在のところ不可能である。軟弱な海底に片押し て載荷するような場合,表層り数10cmが飛ばされることはよく見られる現象であるが,このような現象は割一72一 一1−1−7港構石の海底面へのめり込みなどと同様,施工上の問題として適当に見積る以外にない。  したがって以下に述べる即時沈下とは,砂地盤,または適当な強さをもつ粘土地盤を弾性体と仮定した際の 沈下量のことである。粘土地盤の場合,この即時沈下は後に述べる圧密沈下に比してはるかに小さいのが普通 である。⑫)鉛直な集中荷重による沈下  鉛直な集中荷重(Q)(t)を受ける場合の鉛直方向の変位,すなわち沈下量(ρ・)は式(3.10)のように表わされる。  (図一3.2のキイ・スケッチ参照)     £(1言μ)毒+72{Zξ,2+2(・一μ)} (a1・) 地表面の沈下量は,Z=0とおいて    ρ._Q.(1一μ)2         (3,11)       π■   E ここに   μ;ポアソン比   E3土の弾性係数(t/m2)  飽和した土の非排水圧縮を考えればμ=0,5となるが,不飽和の土ではμ=0,1∼0.4とされている。即時沈 下の性質上,これらポアソン比は土が弾性的であると仮定し得るような小さいヒズミの範囲に対してのみ決め られるものである。弾性係数(E)は土の非排水セソ断試験の応カーヒズミ曲線から求める。  非排水セン断試験の応カーヒズミ曲線から弾性係数を求めるには,応カーヒズミ曲線上で応力が最大値の半 分となる点と原点を結ぶ直線の傾度(t/m2で表わす)をとる。〔3)鉛直な線荷重による沈下  この場合の地表薗の沈下量(ρ・)は式(3.12)で表わされる。(図一3,2のキイ・スケッチ参照)    ρ・一」穿(1秀μ2)ln(夢) ・≦4    (3・・2) ここに43地表面上で沈下量がゼロとなる点と線荷重載荷位置との水平距離 なお4は適当に仮定する。したがって式(3.12)は表面沈下曲線の形を示すものと考えればよい。(4)等分布帯状荷重による沈下  地表面の沈下量(ρ・)は,式(3.13)で表わされる(図一3、3(a)参照)。     与(1■2)(β+1n謂歯)   (訊・3)ここに μ5ポアソン比 El土の弾性係数(t!m2) 、B3載荷幅(m) 広荷重強度(t/m2) Xl.帯状荷重の中心からの距離(m)一73一 1−1−7港構(5)等分布円形荷重による沈下1ρ  等分布円形荷重を受ける場合,円の中心の地表面の沈下量01 (ρ呂)は,式(3.14)のように表わされる(図一3.11のキイ・スケ0.40。81.20.56 ッチ参照)。2   ρ‘一29(}μ2),R    (3・・4)L(6)等分布長方形荷重による沈下−3B  長方形のぐう角M点におけ、る地表面の沈下量(ρ・)は式(3. 15)で表わされる(図一3.12のキイ・スケッチ参照)。4   ρ、_gB1一μ2劫    (3.15)         E5 ここに  1ρ;沈下量に対する影響値  ■ρ三長方形の寸法比(L/β)の関数で,図一3.17図一3.17 等分布長方形荷重によるぐう角点の沈下に対する影響値   に示すとおりである.  地中応力の場合と同様に,長方形分割法により沈 下量の重ね合わせを行なうことができる。      α5補正係数0.6Q.7   0,8                        00,91,0(7)根入れ深さおよび基礎の剛性に対する補正  これまでに述べたものは,地表面における沈下量 であったが,等分布荷重が地表面よりある根入れ深 トーB一→『1− さの面に加えられた場合には沈下量が異なる。フオ ックス(FOX)9)は等分布長方形載荷面(β×ム)が加                       D わった場合の沈下量の補正係数を求めた。補正係数百1トーB一→ 値を図一3,18に示す。すなわち地表面における沈下 量にこの補正係数を乗じたものが,荷重載荷面の沈∼〃下量となる。一   雨)z剣∀ q 紛§ 剛性基礎の沈下量はたわみ性基礎の沈下量とは異                       2なる。載荷面が円形または正方形の場合の沈下に対する影響値(∫ρ)は,載荷板が剛性であるか,たわみ図一3・18沈下量に対する根入れの補正係数性であるかによって,表一3.1に示す値をとる。g) E・N Fox、《くThe Non−elastic Settlement of a Uniformly Loaded Area at a Depth below  Ground Surface”,Proc.2nd Int.Conf.S.M.F.E.,Vo1.1,(1948)一74一 1−1−7港構表一3,1等分布荷重による沈下に対する影響値(Zρ)載荷面 の 剛 性位載荷面の形『剛置性わた性み全面中心点外辺の中心ぐう角点平均円      形0.791.00.64一0.85正  方  形0.881.120.780.560.953,3圧密沈下圧密沈下量(So)は,図一3.19を参照して式(3.16)で求める。 3。=Σ1”7”4h∠∫σ2          (3,16)ここに  S。多圧密沈下量(cm)    翅”多体積圧縮係数(cm2/kg)    4恥圧密層の分割片の厚さ     (cm)△σ,T.mu     工杢h・  z  Z2    ∠σβ;考えている分割片の中央            mサ1    △σzL     における圧密応力(kg/c Z         Z     m2)図一3・19 圧密沈下量の計算 体積圧縮係数(卿。)を圧密試験結果より求めるには,考えている点の有効土カブリ圧力にイσ・/2を加えた圧力に対応する筋値を読み取る。圧密応力(∠σ・)は,基礎の根入れ深さを有する場合には,載荷前の有効土カブリ圧力をこえた圧力,すなわち正味の増加圧力をとる。 時間の経過にともなう圧密沈下量(S‘)は,式(3,17)で求める。      S,=SoU,                            (3.17)    ここに      砺時間tにおける平均圧密度 鉛直方向の排水のみによる一次元圧密の場合,研は図一3.20に示すように時間係数(T。)の関数である。時間係数(T。)と実際の時間(渉)との関数は,式(3,18)で表わされる。      Tひ=oじ渉/刀2                    (3.18)    ここに      ‘り;圧密係数(cm2/min)      有実際の時間(day)  (図一3,20は慣用的次元を用いて作られている)      昆最大排水長さ(m)最大排水長さ(π)は,圧密する土層の上下面に排水層があるときは層厚の1/2をとり,上面か下面の一方が不透水層である場合には全層厚と等しくとる。 載荷後∫なる時間を経過したときの沈下量(S)は,式(3.19)により計算する。一75一 1−1−7港構 S=ρz十Soこ乃          (3.19)ここに                 平麗                   均α4 4 ρ・;即時沈下量(価)        圧                   密α6                   度                   Uvα8                    1㌻c,=αず!mi鴎篭=d町H=m   ユ0一一        10’5        ・1          10         Cvt   時間係数 Tv;一         H2図一3.20平均圧密度と時間係数の関係 〔解説〕(1) 一  般 圧密沈下とは粘性土地盤において生ずるもので,載荷後直ちに現われる即時沈下に続いて長時間にわたって生ずる沈下である。砂地盤においては,3,2即時沈下で述ぺたように即時沈下のみが現われ,長時間にわたって沈下が続くことはない。圧密沈下の継続時間は,粘土の性質や粘土層の厚さなどいろいろの要素によって決まるものであるが,10年以上続くことも珍らしくない。ただし圧密沈下量は時間の対数に対してほぽ直線的とみてよく,したがって沈下速さは時間と共に減少する。 ここに述べる圧密沈下の計算法は,テルツァギの一次元圧密理論に基づくものである。計算に用いる圧密特性を示す諸係数は,JIS A1217に規定する試験方法および整理法によって求めたものを用いる。しかし沈下量に重点をおく工事においては,本工事とは別に試験工事を行なって,圧密の諸係数の検討をすることがのぞましい。圧密現象の二大要素は沈下量の大きさと沈下の速さである。沈下の速さは圧密係数(0・)によって決まるが実際の地盤における0”値を調べるためには,ピエゾメーターを用いて間ゲキ水圧の消散の速さを測定する。沈下の進行は体積圧縮係数(簡)と圧密係数(oひ)の2つの係数の関数てあるが,間ゲキ水圧測定結果より推定された砺値を用いて沈下量の検討を行なえば,体積圧縮係数(簡)の値が求められる。 本文では体積圧縮係数(偽)を用いる計算法を示したが,圧密沈下量の算定には圧縮指数(C・)を用いることもある。 ある深さにおける圧密層の分割片の中央において,間ゲキ比が6・,有効土カブリ圧力がク・であるとする。載荷によってこの点の圧力が∠σ,だけ増加するとすれば圧密沈下量(So)は式(3.20)で与えられる。   S。=Σ4hα1。9カ・+∠σ3       (3,20)       1十θo    ρoC8と翅ひの間には式(3.21)のような関係がある。一76一 1−1−7港構 実際に圧密沈下量の計算を行なう場合には翅。を用いる方が便利である。圧縮指数(C。)は圧密試験における ε一1・9ρ曲線の直線部分の傾度であるが,やわらかい粘土のε一1・9ク曲線には直線部分が現われないことが多 いし,また圧密試験における間ゲキ比(6)の計算は精度の低いことが多いからである。(2)圧密沈下の計算(一般の場合) (a)圧密層の分割   圧密沈下の計算を行なうには,図一319に示すように粘性土層をいくつかの分割片に分けて考える。これ  は計算に必要な諸量のうち圧密係数(0η)は実用上一定値とすることができるが,圧密圧力∠のおよび体積圧  縮係数(飾)が深さによって変化するからである。一般的にいえば,筋も∠σ2も深度の増大と共に減少し,  したがって各分割片の圧縮量は深度の大きいもの程小さくなる。分割片の厚さ(∠h)は3m∼5mとする。も  っとも,概算の場合には∠hとして大きい値を用いてもよいが,軟弱な粘土層の場合には表層の筋が非常に  大きく,これが全沈下量に対して支配的になるので,肋を過大に採ると圧密沈下量を過小評価することに  なる。   サンドドレーンのある場合には水平方向の排水による圧密の方がはるかに速いので,ドレーン区域内では  鉛直方向の排水による圧密度(Ov)は無視できる程度に小さいのが普通である。ただし,鉛直方向の排水に  よる圧密度がかなり大きいときは,平均圧密度は鉛直方向の排水によるものと水平方向の排水によるものと  の合成圧密度として表わす。10)したがって,ある時刻∫における平均圧密度は,鉛直方向の排水による圧密  度(U7)と水平方向の圧密度UEより式(3.22)によって計算する(サンドドレーンの詳細については第5章  地盤処理工法参照)。     Uむ=1一(1−U7)(1−U丑)                    (3.22) (bl圧密係数(o,)と体積圧縮係数(翅。)   圧密係数(o砂)はテルツァギの理論によれば一っの粘性土について一定値とされている。圧密試験の結果  からも,試料が地中で受けていた有効土カブリ圧力より大きい圧密圧力の範囲においてはほぽ一定値となる  ことが多い。サンドドレーンの場合,水平方向の排水に対応する砺は鉛直方向の排水に対応する0・と等  しいと考えてよい。   一方,体積圧縮係数(鰯)は圧密圧力によって変化する。一般の粘性土地盤はきわめて長い期間にタイ積  し,その有効土カブリ圧で圧密が終了している状態にある。したがって,深度と共に圧密圧力も大きくなって  おり,簡も深度と共に減少しているのである。圧密試験結果を整理する際には,叛=拓一、十イφ・の圧力にお  ける圧密過程より計算した卿.値の対数を,轟=」L(ρ.+ヵ.一1)=ρ.一、十・14〃.の対数に対してプロ                        2            2  ットする。一つの土に対して,10g拓と】og筋とは直線関係にあることが経験上認められており,したが  って各分割片における鰯値は本文に示すように決める。 (c)圧密圧力(イσβ)   各分割片における圧密圧力(イσ・)は,3,1地中応力に述べた鉛直地中応力の深度分布より,各分割片の中  央の点における値を用いる。ただし,この4σ、は載荷した荷重によるもののみであって,土カブリ圧による  圧密は終了しているものとして,一般には考えない。10)中瀬明男,“サンドドレーンの設計図表”,土と基礎,Vo1.12,No。6,(昭和39年),P.35∼P・38一77一 1−1−7港構   剛性載荷板の底面の反力分布は一様ではないが,剛性が大きけれぱ一様沈下をすることおよびある程度深  くなると地中応力の分布は載荷板直下の反力分布に無関係となることから,剛性載荷板上め荷重分布形のみ  を考えて鉛直地中応力の分布を考えればよい。(3)過圧密状態にある地盤の場合  粘土の圧密状態は正規圧密と過圧密の2つに分けられる。正規圧密状態にある地盤とは自然にタイ積した地 盤が,土カブリ圧で圧密を終了した状態にあるものをいう.  過圧密状態の地盤とは,タイ積した地盤が土カブリ圧で圧密終了したのち,何らかの原因で表層の一部分が取  り除かれて膨脹し終った状態にあるものをいう。この荷重除去による膨脹は圧密過程とほぱ同程度の期間にわ  たる現象であるから,工事前にしゅんせつを行なう場合などは私即時沈下と同様の膨脹が生ずるのみで過圧密 状態とはいえない。わが国の港湾地帯の粘性土地盤においては,地質的成因からみて明らかな過圧密状態にあ  るものは,ぎわめて少ないと思われる。  過圧密状態にある粘性土の圧密係数は,正規圧密状態における値より大きいのが普通である。したがって明  らかに週圧密状態にあると思われる場合には,圧密試験結果より,現在の有効土カブリ圧に対応する0・の値  を用いる。  過圧密状態にある粘土に取り除いた分の荷重を加えると以前の状態よりゅさらに圧密された状態になって平 衡状態となる。圧密試験結果によると正規圧密状態においては10g解”とlogρ(ρは平均圧密圧力)とが直線 的関係にあるが,それ以前の圧力領域,すなわち取り除いた分の荷重を加えている間は,7絢は圧力に無関係  に一定である。すなわち圧密圧力が取り除いた分の荷重に等しくなるまでは一定の翅”値を用い,正規圧密状 態になってからは圧力と共に減少する簡値を用いる.(4)圧密特性の異なる層が成層状態にある場合  以上の計算法は単一の層についてのものである。単一の層においても深度と共に変化する,衡を考えている のでg圧密特性の異なった層が互層になっている場合でも,0・が等しければ単一な土の層と考えてよい。 し かし0,の異なる層が互層となっている場合には,圧密途中の沈下速さの推定には別の方法を用いなければな らない。 @ 換算層厚を用いる場合1D   粘土層がある圧密度まで圧密するに要する時間は,その圧密度に対応する時間係数(T・)より計算できる.こ           6”                 」ワ2  の時間係数丁”はTひ一E2、≠であるから・所要時間’は・f=πTひとなる・この関係を用ヤ’て殖の小さ  い層の圧密の進行状態の遅さは,それより大きい0り値を持つとした場合に最大排水長さ(のが大きいこ  とによると考えて,成層地盤の各層の層厚を換算する方法を用いることがある。   この方法を図一3,2τを参照して説明する。(‘”1,h1),(σu2,h2)なる2つの層のおのおのは,共に片面  排水条件にあるから最大排水長さは,H、=h1,∬2=乃2となる。 この2つの層を圧密係数がσ”1なる単一の  層として扱うには第2層の厚さを式(3.23)で求め,全体をん=h1+h2’の層厚を持ち,oFoり1なる単一の層  と考える。11)L.A,Palmer and P.P.Brown,“Settlement Analysis for Areas of Continuing Subsidence”,  Pτoc.4th.Int,Conf.S.M.F.E.,VoL1,(1957),p.395∼p。398一78一 1−1−7港構〃・一乃・4畿(3,23)(b)図解法による場合12)  テルツァギの圧密の基礎方程式を差分方程式に直すと,単一の層内の各点における圧密度と時間の関係 (圧密等時線isochrone)が図解的に得られる。この関係はσ・の異なる層についても適用できる。沈下量 の推定のみならば,㈲の換算層厚の考えを用いれぱよいが,地中の各点の圧密度を調べる目的には,この図 解法によらねぱならない。 (clサンドドレーンの場合下●  サンドドレーンによる圧密において第1層  は,ドレーン施工区域内においては鉛直 ぬ1   Cッ:五3 方向の排水による圧密を無視するのが普C糎 通であるから,たとえサンドドレーンが十一 砺の異なる層にまたがって打設してあっ  ても,おのおのの層についてUHを計算  すれぱよい。第2層  粘土層が厚くサンドドレーンの下端以 屍Cワ1A2 下にも粘土層が続いているような場合にCッ2  は,サンドドレーン区域内とドレー  ン下端以下の鉛直方向排水のみの区域を(cγユ>cり2)  別別に考えて重ね合わせる。この下部粘  土層に対しては,ドレーンの下端面が排図一3・21‘。値の異なち層の換算層厚  水層であると考えて,最大排水長さ(め  の計算を行なう.15)漸増荷重による圧密沈下 実際の工事では載荷にかなりの時間をかけるのが普通であり,漸増荷重による圧密としての解析が必要になることが多い. このような場合の沈下量の推定法には,テルツァギの図解法13),高木の方法恥などもあるが・以下に述ぺる方法はより簡単で,合理的な解析解に基づくものである15ロ6,。・12)土田肇,電曜圧密の図解法”,土と基礎,VoL13,No。10,(昭和40年),p。29∼p.3413)K.Terzaghi,電Theoretical Soil Mechanics”,John Wiley。(1943),P。28714)高木俊介,電亀盛土速度を考えたサンドパイル排水工の間隙水圧変化の解析法”,土と基礎,Vo1,4,No.3,   (昭和31年),p,3∼p.1015) R,LSchiffman,“Field Application of Soil Consolidation Under Time−Dependent Loading and  Vadng Permeabihty”,Highway Research Board,Bu11,248,(1960),P、1∼P・2516) 奥村樹郎,浜崎寿夫,本浩司,“新潟地盤沈下の解析につヤ馬て”,第4回港湾技術研究所研究発表会講  演概要,(昭和41年)一79一 1−1−7港構                    ド             P2                        P     f              一              騨 『            ’               (砂層)一                                            (砂層)    O            診o               診                図一3.22漸増荷重の条件 図一3.22に示すように,鉛直方向の荷重i分甫示直線的そ,時刻’o(day⊃まで一定割合で荷重が増加し, そめ後 荷重が一定となる場・合の平均圧密度は式(3.24)のようになる。    1二職.(器_鞠1=l/ 一ここに   砿(筑)=1α1轟既(1一辛LΣ一碁rθ一α・44”2π2轟!4)               泥=1,2,3   Too=σpちμi『2   0弱圧密係数(cm2!min)   ち;時間(day)   璃厚層(m)  砺(T.)を圧密度係数と呼ぶこととし,図一3、23にその値を示す.   0.01        0.         1T▼=D▽’/H2    10         100  0.0  0,2  0,4 ひo(7v〉  0,6C−Cm2/min診 day”’   0。8一一H  m  1,0                     監a)一80一 1−1−7港構τγ=c》言/H20.8・1050    1005,000 10,000    500      1,000Uo(飾)c『:㎝2/minジ=day’  0,9丑:m 、  玉0                      (b)               図一3,23圧密度係数 沈下量は体積圧縮係数,層厚,その時の平均荷重ρ・およびその時の平均圧密度の積であるから式(3。25)の ようになる.   ll二謙雅  1:尉  一 なおこの場合にも圧密常数が一定であれば,圧密の重合則が成り立つので,載荷が数段階に分かれていても,全沈下量はそれぞれの荷重による沈下量を重ね合わせることによって求められる.(6)圧密途中で荷重を減少させる場合  ある荷重のもとで圧密が進行している時,圧密荷重を減少させる場合の圧密過程の変化については,近似法 として圧密の重ね合わせによって推定する方法が提案されているt7,。 また圧密の途中で荷重が漸減する場合の圧密について粘土の膨脹性を考慮に入れた数値計算の例もある13㌔《712次圧密およびその他の沈下  粘土の長期圧密試験における沈下一時間曲線の形は,圧密度約80%付近まではテルツァギの圧密理論による ものと非常征よく似ている。しかし圧密度がそれ以上になると沈下量は時間の対数に対して直線的に増大する. このようにテルツァギの圧密理論に従わない沈下を2次圧密と称し,一方初期のテルツァギの理論に従う部分.¢圧密を1、次圧密、≧呼ぶ。..3取圧密嫡土宇臆馨生す喬セ、と断応力殖よるクリ1「ズ舞象で苑憂と考えられてお り,粘土の場合めように間ゲキ水の浸出による土の体積減少よりも遅れて発生する場合に問題となる.  JIS A1217にょれば,体積圧縮係数は24時間載荷の間に生じた圧縮量を用いて計算することが定められてい る。24時間載荷の間に生ずる全圧縮量は1次圧密量の約156%∼200%であるから,実際には2次圧密に対する17)中瀬明男,“圧密過程中に圧密荷重を減少する場合の沈下計算’,,港研構造部資料,(昭和38年)18) 引用文献16)参照一81一 1−1−7港構 考慮にかなり払われているといえる。一方実験的にはこの2次圧密の量が時間の対数に対しては直線的に進行 することがわかっているので,2次圧密による沈下量(S8)を二つの定数σ,わを用いて次の形で表わすことがで    58=¢十ウ109ず  しかし,実験における2次圧密を自然地盤における2次圧密の推定にいかに適用するかについては十分に解 明されていない.  圧密層の厚さに比して載荷面の幅が小さい場合には,地盤の側方流動による沈下も生ずるものと考えられ る.この問題に対しても未解決な部分が多く,推定法もない.  実際の問題において,上述の2次圧密による沈下および側方流動による沈下を合成した沈下量を推定するた め,設計0”値を用いて種々の最終沈下量を仮定して沈下一時間曲線を描き,実際の沈下記録と合う部分を見 出してその後のある時間の範囲内に対して沈下推定を行なうことが多い.  テルツァギの一次元圧密の理論は,圧密層の厚さに比して非常に大きい載荷面が存在する場合にのみ適用で きるものである。2次圧密および側方流動による沈下の推定方法を確立するためには,さらに多くの沈下観測 記録およびその解析が必要とされる.《8》支持力に対する安全率と沈下量の関係  基礎の載荷重によって生ずる全沈下量は,即時沈下と圧密沈下の和である。この全沈下量は一般に載荷重が大 きい程大きくなるが,一方土の強さと圧縮特性との関連性によって支持力に対する安全率とも関連してくる.  第1章 基礎の支持力により粘性土地盤の極限支持力(4‘)および許容支持力(σ・)を正味の荷重強度で表わ せば次のとおりになる.   佛=σハ石c   9α=9¢/F簡単のため全沈下量(S)を式(3,16)の形で表わすと次のとおりとなる。   s一∫:碗σ・4zさらに深さ方向に砺が一定とすると上式は式(3,15)を参照して式(3.26)のようになる.   S=槻9αB和          (3.26)1ρは沈下に対する影響値で表一3,1に示すものであり,一般には0,8としてよい。 以上の式より式(3.27)を得る。 (02砺)は一つの土に対してほぽ一定であるとされており,基礎の形により魏と卒が決まるので,式(3,27)より全沈下量は基礎幅(β)と安全率(F)の比で決まることがわかる. 一方砂地盤においては透水性が大きいため基礎の全沈下量は荷重が載ったときに生じてしまう。模型実験および実際の基礎の沈下記録より,地下水位が基礎底面より基礎最小幅だけ下にある場合,ある荷重強度における幅Bo(m)の正方形載荷板の沈下量がSo(m)であれぱ,任意幅β(m)の正方形基礎面の沈下量S(cm)は式(3,28)で表わされる19,。一82一 1−1−7港構   S一ε・(鴇1鑑)2      (328) もし地下水位が基礎底面より上にあれば,砂の有効単位体積重量が半分位となり,したがって支持力も半分位となるため,他の条件が変らなければ沈下量は約2倍となる。 ペックらは20),基礎の最小幅’Bと,許容沈下量を2.5cmとするための接地圧の関係を標準貫入試験の押値をパラメータとして図一3.24のように示した。図一3,24は地下水位が基礎底面以下βよりも深いところにある 場合のもので,もし地下水位が基礎底面と一致するか,またはそ然 Φ  60許 図一3.25の値の半分とする。地下水位がその中間にある場合に動容現常に密  70 れより上方にある場合には,2.5cmの沈下に相当する接地圧は接 50 は,図一3.24から内そう法により接地圧を求めることができ地吻圧 40 る。2.5cm以外の沈下量に対応する接地圧を求めるには,基密(t/m2)吻  30 礎の沈下が接地圧に比例すると仮定して図一3.24より計算して(9)不等沈下∼0   10  全沈下は構造物の剛性にそれほど関係せず,したがって構造中位動20 求める。5ゆ              ゆるい   0 および上部の建築物などの設計に関連をもつ。   0   2   4    6        B(m)図一3,242.5cmの沈下量に対する許容  剛性連続スラブの下面における接地圧の分布については図一    接地圧と基礎寸法の関係 物の設計を左右するものではない。しかし不等沈下は基礎底盤3,15および図一3.16に示した。一方等分布荷重を受ける小さいたわみ性基礎の変形および接地圧分布を図一3・25に示す。基礎幅が非常に大きくなれば,沈下も接地圧もほぼ等分布状態となる。P/2P/2P/2b/2Fb1一P/一    一   P/2b/2b/2b/2『 一    一『一     一      一一三 52             μ十脚 P/2bM‘一一P/2   P/21      M尋×喜  断     一) ノー一一M、(砂地盤)             (粘土地盤)図一3,25 等分布荷重を受ける小さいたわみ性基礎の変形と接地圧分布 図一3,15に示した接地圧は弾性論的な扱いをしたもので,支持力に対する安全率が3程度あれば近似的に土の場合にも適用できる。式(3.9)に示した相対的剛性(めをパラメータとして,基礎の平面形と全沈下およ19)三木五三郎,“土質調査法”,土質工学会,(昭和39年),p.21220)R.B.Peck,W。E Hanson and T.H.Thornbum,璽tFoundation Engineering”,John Wiley, (1953),p,219・一83一 1−1−7港構3び不等沈下の関係を図一3.26に示す。21)全沈下図一3.26(a)は最大全沈下に対する影響値K→OQB/L=0。(表一3,1参照)を示したものであるが,最大全沈下(ρ皿儲)は基礎の長さと幅1ρ 22.150.21.75の比(L/・8)と共に増加するが,ある一定0.51.25のL/・Bではρmα即はKによっ《それほど大10(正方形)1きく変化しない。一方・図一3・26(blよ、880,7851,0(円形)り最天不等沈下(∠伽多)は相対剛性(K)00,2      0,4が増加するにつれて著しく減少し,あ0,6  オ目文寸岡財生Kる一定のκについてはLIBをヒ応じてい   (a)くぶん増加する。基礎の主軸に沿う沈下0.6の分布は,K=0(完全たわみ性)の場一長軸の変形不等沈下一一一短軸の変形合のほぽ円形からKが増加するにつれて放物線上へと変化する。0,4△maxρmax 〔参考文献〕、9昏O0。2、、1) 運輸省第五港湾建設局“軟弱地盤上読0q∼q1 的施工管理について”,業務資料, (昭和41年)}活→0。、  、 の防波堤建設工事にともなう土質力学O0、 隔  q馳  一  噛一  q   g     O,2       0.4       0.6       ネ目業寸岡闘性K         (h)図一3,26 最大全沈下量および最大不等沈下量と相対剛性の関係21) 引用文献1)参照,p.106一84一 1r2『1道 技1−2 施工基盤の処理 1−2−1〔Na3 道路技術基準〕  紘1,2 伐開除根1.盛‡に使用する切土個所および土取場における草木,切株,竹根などは掘削に先立ちあ らかじめ除去するものとする・2.盛土個所の草木はあらかじめ在来地盤面で伐採し,切株,竹根その他障害になるものはすべて除去するものとする。盛土の高さが1m以上になる場所では目通り径10cm以下の立木,切株などは在来地盤面で切り除根を必要としない。3,盛土の高さが1m以下になる場所では盛土仕上面から1mの深さまで除根するものとする。ただし路肩やノリ面の部分では30cmの深さまで除根すればよい。4。伐開除根しなけれぱならない区域は切土のノリ肩,盛土のノリ尻の外側用地幅に応じて 60cm∼1mとする。ただしやむをえないときはノリ肩またはノリ尻までとするものとする。3.1,3 準備排水1,土工開始前には詳細な現地踏査を行ない,湧水個所,地下水位の高さ,変動等を調査す るものとする。2,湧水の多い所または盛土工事中排水不良になるおそれのある所には,将来の地下排水を も考慮し,あらかじめ盲暗きょなどを在来地盤に設けて排水することが望まし吟。3.伐開した個所は雨水などにより土砂流れのおそれがあるから両側または所要の個所に素掘ミゾ,または盲暗きょなどを設け,すみやかに雨水を区域外に導き,伐開区域にたまらないようにすることが望ましい。一85一 1−2−2国鉄土1−2−2〔Nd1−1 目本国有鉄道,土木工事標準示方書〕 2−2一(11盛土施工地盤は,次により処理すること。 ア 盛土箇所の草木は,あらかじめ地表面で伐採し,有害な木根は取り除くこと。この場合,施工に有害な水も除去すること。 イ 1:3より急に傾斜した地盤では,連続して段切ηを行なうこと。この場合,営業線盛土の段切りを行なうときは,段切りの寸法,盛土施工の時期について承諾を受けること。 ウ 施工地盤が軟弱で普通工法によりがたいことが判明した場合には,すみやかに届け出て,その施工法について指示を受けること。(注) 「有害な木根」とは,それが腐食した場合に盛土に影響を与えるものをいう。(追加示方の例) (1}在来地盤の傾斜が1:3より緩い場合であっても,粘板岩,泥岩などで表面がすべりやすい岩質の場合や,風化して表面が軟かくなっている場合など,すべりやすい地盤では別途示方により段切りを行なうものとする。 (21当初から判明している軟弱地盤などに盛土を行なう場合,普通のエ法では盛土施工中あるいは完成後盛土の安定,沈下変形について許容値を満足しないため,緩速璋工,押え盛土,ブレ・一ド,地盤処理,など特別の工法を採用する場合は,あらかじめ別途追加示方して沿くものとする。 な沿地盤のめり込み沈下量は,あらかじめ想定して当初契約に見込むべきであるが,実際の値が想定した値と相当の差異を生ずると予想される場合は,追加示方により軟弱地盤区間を指定し,その措置について明らかにしておく必要があるo〔施工の手引〕1.地盤がやや軟弱な程度であるか,またはごく小範囲に限られる場合に齢いても,急速に載荷して,地盤を破壊したり,隣接の構造物に有害な影響を与えないよう施工上特に考慮を払う必要がある。2,木根は盛土高さが1・m未満の場合は,地盤面から少なくとも1m以上の深まで取り除くこと。その他,盛土の高さに応じ,また盛土底面幅に含まれる木根の数などにより現場で決めるものとする・ また水田や湿地で表面に滞水している場合,湧水のある場合などは,排水設備を設けて盛土外に排水すること。3.段切りは,各段の高さ50cm程度を標準とし,地盤に沿って連続して施工するものとする。 営業線の盛土を段切りする場合は,一度に多量の段切りは行なわないこと。段切りと盛土の高さはできるだけ小さくすること。旧盛土表面の新旧盛土の接触点は不連続にならないようにすること。4.当初の想定と異なり施工中に地盤が軟弱であることが判明した場合には,契約書第18条に基き,速やかに届けでなけれぱならないが,調査の結果,地盤が著しく軟弱である場合には,特別の工法により施工しなけれぱならなレ、ことがある。一86一 1−2−3愛水設1−2−3〔晦21−1 愛知用水公団工事設計施工要覧〕 2.土   工  1.盛土基盤の排水   盛土基盤にわき水がある場合,あるいは,湿潤な場合には,排水用のトレンチを掘り,盛土  にさきだって砂レキをてん充し,水路敷外に排出しておく。このトレンチの位置は完成した水  路のコンクリート底面から1.Om以上,側面から25m以上離れていなければならない。この   トレンチの設置の位置,寸法,材料などについては監督員の指示に従わなけれぱならない。  3.横断構造物   横断暗きょ,横断サイホンなどの横断埋設物の設置される個所の掘削,埋めもどしおよび盛  土は特に慎重を期し,「第2編」齢よび設計図に示された施工法を守り,完成後盛土の不等沈  下,およびそれに起因する漏水などの事故のないよう万全を期さなければならない。  4.段 切 り   盛土地盤が傾斜している場合には,設計図に示す基準に従い,段切りをしながら盛土を行な   う。段切りによって掘削された材料は,盛土材料と混合しながらまき出してよい。これに関す  る数量の変更は行なわない。一87一 1−2−4土地改1−2−4〔Nα4−1 土地改良事業計画設計基準〕7.5.1堤敷処理第122条堤敷はそれ自体を築堤第一層と考え,表土その他の不適当な材料を除去すると ともに,とくに堤敷と堤体の接触を緊密にしなけれぽならない。〔解説〕(1)草木根など有機物を含む表土,岩盤の割れ目やクボミにある砂シルトの弱層など,築堤 材料として許されない程度の材料が堤敷をおおっている場合は,それらを完全に除去して,その上に築‘そ 堤材料の盛立を行うのが原則である。ただし,の量が多くて,全部掘削すると不経済になるため,そ れを存置するような適切な設計になっている場合は,このかぎりではない。(2)堤敷と堤体の接触面が漏水の原因になって,パイピソグを起すこともめずらしくない。特に堤体の 不透水ゾーソより上流部分からの漏水は,床掘作業にも支障を及ぼすので,堤敷と堤体の完全な密着が 必要である。(3) ロックフィルダムの堤敷になる部分は,ダム完成後も直接自由水面にふれ,湿潤乾燥を繰返すこと になるので,風化しやすい軟岩の場合には,表面に薄いアスファルト・コートなどを施しておけばよ い(グナイトやコンクリート・スラブよりもよい)◎(4) コアトレソチ以外の区域の基礎においては,一般に岩掘削の必要はない。一88一 1−2−5 捨鉱建1−2−5〔晦8 捨石鉱さいたい積場建設基準およぴ解説〕(石塊かん止堤基礎の施工) 3,石塊かん止堤を築造するときは,次の各号によるものとする。 一、かん止堤の安定上障害となる基礎地盤の表土,草木根,不良土および構築物等を取除  くこと。 二、しゃでい層は,状況に応じて地盤を切込んで設け,しゃでい層と地盤との接触部分は,  特によくつき固めてその接着をはかること。(砂かん止堤基礎の施工) 3.砂かん止堤を築造するときは,次の各号によるものとする。 一、かん止堤の安定上障害となる基礎地盤の表土,草木根,不良土および構築物等を取り  除くこと。 二、築堤材料は,適当に敷均し充分締め固めること。 三、地盤との接触部分は,特に充分締め固めること。 四、積雪のあるとき,または地盤もしくは築堤材料がいちじるしく凍結しているときは,  築堤作業を行なわないこと。 五、適当な高さの余盛りをすること・(土かん止堤基礎の施工) 3,土かん止堤を築造するときは,次の各号によるものとする。 一、かん止堤の安定上障害となる基礎地盤の表土,草木根,不良土,石塊および構築物等  を取除くこと。 四、降雨もしくは積雪のあるとき,または地盤もしくは築堤材料が著しく凍結していると  きは,築堤作業を行なわないこと。一89一 1−2−6設 計1−2−6〔Na13設計要領〕6、傾斜地盤上の盛土,片切り,片盛りおよぴ切盛境 6−1段  切  リ 盛土の基礎地盤の地表コウ配が,b4.0∼1:0.5の個所に盛土する場合は,表土(有機物を含んだ有害土)を除去した後,原則として段切りを設けなければならない。 段切りの標準寸法は次の通りとする。(1)基礎地盤が土砂の場合  最小高さ50cm,最小幅100cmとする。(2)基礎地盤が岩の場合  段切り深さを岩表面から垂直に最小40cmとする。 盛土と基礎地盤(地山)の境付近は,盛土の滑動および沈下の原因となりやすいので・それらを防ぐために段切りを行なう。切土上部路床切土面   下部路床            す肚♪付け       一    1=5程度       3∼5%      50㎝以上慰   \   地F排水r,雀   100cm以上  段切り‘土砂の場合〉  」,虹硯…ヌ山盤(ナ山由)            !ノ         〆一い’ 段切り(岩の場合)       ■ 40cm以上      !ノ    !  図6−1段切り,片切り,片盛リのすり付けおよぴ地下排水溝 基礎地盤が土砂の場合,段切りの幅は,一般に施工機械の幅で定まり,ブルドーザで施工する場合3m程度の幅が必要である。一般に段切りは盛土途上において行うので,掘削敷均しにあたっては,ブルドーザは等高線沿いに走行させるものとする。また段切りを行なう個所には丁張を入れることが望しい。 地表コウ配が1=0.5より急な場合,段切りを行なわないことにしたのは,段切りを行なえば非常に不経済となるためである。このような場合,地山と盛土の境付近の施工にあたっては転圧されない盛土を残さないように注意すべぎである。一90一 1−2−6設 計6−2 片切り,片盛リおよぴ切盛境のすり付け(1)片切り,片盛りの接続部では,図6−1に示すように切土部路床下面(切土面)と盛土部下部路床下面 (上部路体面)を結ぶすり付け区間を設けるものとする。そのコウ配は1=5程度とする・(2〉切盛境(切土,盛土の縦断方向の接続部)には,図6−2に示すようにすり付け区間を設けるものとす る。そのコウ配は,土砂の場合4%,岩の場合115程度とする。     (a)切土部路床に置換グ)ないとき切土路床面        ’約100cm路床       −o   地ド排水溝  盛土(c)原地盤が岩ですりつけ区1間を長く とることカf不経済となる場合。4%一約25m                    へ(b)切土部路床に置換えのあるとき切土路床面隊繋細㌘切土              路床面!約100cm路床二肉X約30cm4%           盛土             図6−2 切盛境のすり付けおよび地下排水溝なお,図6−2に示す路床厚さおよびすりつけ区間の距離は,説明例として示したものである。6−3 片切り,片盛リおよぴ切盛境の排水 片切り,片盛りおよび切盛境には,原則として上部路体面または切土面に地下排水溝を設けるものとする・(図6−1,図6−2参照)また,地下排水溝の構造は,湧水の状態,地形,土質などを考慮して定めるものとするQ(第3編排水参照)なお,地下排水溝は短区間で排水できるように設計し,流末はノリ面の縦排水溝などで処理することが望しい。(1)掘削時に湧水がない場合でも,季節,天候によって湧水が生ずることがあるので注意を要する。  掘削時に湧水がなかったので地下排水溝を設けなかったところ,盛土の含水比が増加し,ノリ面が崩壊した り,盛土部が下がって切土部との間に不連続が生じた例がある。  また湧水がなくても,土工面に降った雨水が盛土と地山との境界を流れて崩壊の原因となる場合が多いので, 地下排水溝を設けることを原則とした。(2)原地盤が透水性の層と不透水性の層の互層となっているような場合には,透水性の層の底面にも図6−3のよ うに地下排水溝を設けることを検討する必要がある。仮に,その処置が不十分な場合,盛土後の対応策は多大 な工費を必要とするので,湧水の処理は十分に行うものとする。一91一 1−2−6設 計    上部路床              切.L 下部路床」二部路体           地下排水溝   蹴 欲一レー5’}’一』?’\透雄層           不透水性層      地下排水溝 図6−3原地盤が透水層と不透水層の互層の場合の排水(3)湧水の多い片切り,片盛りの区間の盛土ノリ尻には,図6−4のように排水層を設け,盛土底部に使用する材 料はできるだけ粗粒のもの選ぶなどの考慮が必要である・(排水層の材料については,第3編 排水参照)     孝紘層を設けない場合の測撃1線      切』h              上部路床                           0          下鰍床 . すり付け糊藷礁など 争一つグ〆一一 \地下排7騰でとめること    !−〆   ー      ア       /        ユ        /7,      段切り    盛土 /       /      排水層を設けた場合の浸潤線【ll,1、スコ排水層糟蹴鼎書によつて定めるが          図6−4排水層の例  排水層はフィルタ材料として適当な切込み砂利を30cm厚程度に敷き均すか,幅および深さ50cm程度の 地下排水溝を設置すれば良い。また,湧水量の多い場合には有孔パイプを使用することが望ましい。(4)図6−5のような凹部に盛土する場合には,凹部を埋め立て,表面に排水溝を設けるか,盛土底部を通る十分 な排水層を設けるなどの検討が必要である・(5)地山からの湧水などは,施工中にはじめて解ることが多いので,特に施工途上の観察,降雨後の観察が重要 である。また,これらの対策のため,設計当初に考慮する必要がある。一92一 1−2−6設 計覧\¥\¥¥)、(平面図)、1  、¥、\、、 \¥     ¥!¥F  ノk等高線1   ノ1\、\1   \﹃﹃、¥\¥1 \・一へ一一一  A’、、︸﹃ ! 1  A\、、1!『一−1!!/11   l   I   レ(横断図)  l   l   I   l           ^   I l    \ 1     あん部を埋立て     、       排水溝を設ける。       排水層を設けるA−A『断面図図6−5盛土による凹部の排水の一例一93一 1−3−1道土工1−3 軟弱地盤対策 1−3−1〔Na2 道路土工指針〕    7−4軟弱地盤処理工法7−4−1 工法の種類と適用軟弱地盤を処理するために採用される主要な工法の種類を示すと表一7・3のとおりである。 道路盛土の基礎地盤として処理の対象となる地盤の土質は一般に粘土分やシルト分(あるいは有機物分)を多く含んで高い含水比をもつ軟弱な粘性土である。 これに対して砂質土は粒径も大ぎく,間ゲキ比は小さく,透水性もよい。このため砂質地盤が道路盛土の基礎地盤として問題になることはほとんどない。しかし,ゆるい飽和状態の砂質土は地震などの動的な原因によって液状化するおそれが大きい。 したがって,橋台などに接した盛土の基礎地盤に対しては土質が砂質土であっても,標準貫入試験によるN値が10程度以下であれば,表一7・5に示したゆるい砂質土層の締固め工法で地盤改良を行なうのが望ましい。 電気的,化学的な固結法は主として経済的な見地から,広い盛土基礎の軟弱地盤の処理に用いられることはなく,構造物の基礎や取付けの部分のような局所的な場所の処理工法として適用されることが多い。 処理工法を現地に適用する場合には工事の規模・施工の難易・工期および経済性などを考慮するほか,各工法の特徴を認識して最も現地の条件に合致した工法を選定する必要がある。 これらの条件のうち主要なものだけ取り出し,この条件に最も適していると思われる工法を表一7・4に示す。〔注1〕 軟弱地盤に盛土を施工する場合の常識として盛土の計画高をできるだけ低くしたり,可能な限り軽量の盛土材料を使用したりすることが行なわれているが,これらについては,ここでは工法としてとりあげないことにする。〔注2〕 緩速施工法として,基礎地盤の破壊しない限度で,軟弱層内圧密による強度増加に見合う盛土を徐々に,あるいは段階的に施工してゆぎ,所定の盛土を完成する施工法もある。〔注3〕 サソドマット(敷砂)は基礎地盤の表面に施工して,地盤および盛土から浸出する間ゲキ水を盛土側方に排除するばかりでなく,処理工のための機械施工作業を容易にする支持層の役目も果たすものである。 したがって,サンドマットは軟弱地盤を処理するためのほとんどの工法に,その一部として組み合わされて適用されることが多い。〔注4〕 軟弱層の除去置換工法では除去した土の捨土場所に困ることが多い。したがって,この工法を適用しようとする場合には捨土の処理について,十分検討を加えておく必要がある。一94一 1−3−1道土工〔注5〕 爆破置換工法,爆破締固め工法および自重強制置換工法(余盛あるいはジェット水などの併用を含む)は人家や田畑に被害を与える危険が多いので,原野,沼沢地など以外の地域では用地事情のため,適用することがむずかしい。表一7・3工法の種類法工目押え盛土とサ 押え盛土工法的盛土の側方に押え盛土を施工してスベリに抵抗するモーメントを増加させて,盛土のスベリ破壊’を防止すソドマツト記号Aる。基礎地盤の表面にサソドマット(敷サソドマット工法(敷ソダ工法などを含む) 砂,敷ソダその他)を施工し,基礎地盤および盛土からしぼり出される水の排水を容易にする’とともに,軟B弱地盤処理工および盛土工のための機械施工を容易にする。軟弱層の除去置換除去置換工法自重強制置換工法爆破置換工法軟弱粘性 プレローディソグ工法土層の圧密軟弱層の一部または全部を掘削除去して良質土と置ぎ換え,低盛土の路面の変形や置換盛土上に施工する盛土あるいは構造物の沈下を減少して長期にわたる安定をはかる。C盛土の自重によって軟弱層を強制的に押し出すか,軟弱層中に爆薬を挿入し爆破によって軟弱層を押し出して良質な盛土材料で置き換え,盛土の沈下を減少し安定を確保する。D計画高よりも余分に高く盛土を施工して沈下を促進した後,余盛部を取り除いて所定の盛土に仕上げ,仕上り後の盛土沈下量を限度内におさめEる。軟弱層の改良バーチカルドレーソ工法 地盤中に適当な間隔で鉛直方向に多くのサソドパイル(ぺ一パードレーンの場合はカードボード)を設置して,水平方向の圧密排水距離を著しく短縮して地盤の圧密と強度増加を(慧ど㍑とソ)F促進する。サソドコソパクショソパ 衝撃荷重あるいは振動荷重によって軟弱地盤中に砂を圧入して砂グイをイル工法形成しながら軟弱層を締固めるとともに,砂グイの効果によって支持力を増し沈下量を減じる。この工法はゆるい砂砂質の土層に適用されるだけでな質土層のく,目的によっては軟弱な粘性土層締固めの改良にも用いられる。Gゆるい砂地盤中に棒状の振動機を入れ,振動部付近に水を与えながら振動と注水の効果で地盤を締固める。このさい機体の付近には砂またはレキを投入して砂グイを形成させる。このためサソドコソパクショソパイHバイブロフローテーション工法ルとほぽ同様な効果を地盤に与える。爆破締固め工法ゆるい砂質地盤内に火薬を格子状に一95一 1−3−1道土工配置し,爆破の衝撃によって地盤をおしひろげて締め固める。締固めに               1よって沈下した部分は盛土材料によって置き換えられるので爆破置換工法と共通した効果もある。電気,化学 電気浸透脱水法的固結アルミニューム電極法薬液電解固結法化学的固結薬液注入工法軟弱地盤中に一対の電極を設置した後,直流を流し電気浸透によって陰極に間ゲキ水を集めて脱水する。この場合アルミニューム電極を用いて電極の電気化学的分解により,土のコ・イド物質の間ゲキ部に金属塩を滞積して土の分子を結集したり,電気浸透流を利用して土中に薬液を流し,土を電気化学的に硬化させる。J軟弱地盤中に土質安定剤となる薬液を注入して,物理的反応および化学的反応をもたらして土の強度を増大 Kさせる。表一7・4選定条件と適用工法盛 土 高低い盛土で交通荷重が軟弱な基礎地盤に直接影響す盛土の種類と工期に余裕があるときB工期に余裕がないとぎA。C・DF・G 「盛土の上に施工後ただちに舗装あるいは擁壁などを設ける盛土で施工中の安定はもちろんであるが,それよりむしろ施工後における残留不等沈下に問題のある場合C  EF  G軟弱層が浅い部分にあり,薄くて圧密排水距難が短いため,盛土中の強度増加が十分期待でぎる場合EB・C軟弱層が深い部分まで存在し厚くて圧密排水距離が長いため,盛土中の強度増加をほとんど期待でぎない場合D  E粘性土で圧密速度がぎわめて遅い場合E ・Fゆるい砂質土で,圧密速度がき「わめて早い場合G・H橋梁,カルバートなどの構造物に近接した盛土で,構造物に悪影響を与えず,かつ不等沈下を防ぐことを主目的とした局所的な処理E ・FG  Hる場合対策工の目的土基 軟弱地盤の成礎 層状態地盤軟弱層の土質構造物周辺の盛土用地事情Cる場合主として盛土の安定性のみが問題とな盛適用工法件条用地の取得や補償が容易であり,用地に余裕があって人家などに被害を与えることの少ない沼沢,原野などF  (}JD  I土 工 費土エの単価がやすい場合E機械施工表層が軟弱なため,主として施工機械のトラフィカビリティーを確保したい場合B一96一 1−3−1道土工7−4−2盛土速度 軟弱地盤上に施工する盛土の施工速度は工事の全体工程はもちろん,盛土の安定性と残留沈下に対しても次にのべる事項を考慮して決定しなければならない。 (1)漸増盛土施工(図一7・11,盛土速度A) サソドマットを含めた盛土施工の全期間を通じてスベリ破壊に対する安全率(Fs=1.2)以上であるような速度で盛土を施工する。図一7・11の盛土速度且のよ5に盛土高を直線的に漸増させるときは,盛土終了時≠、に所定の安全率Fs=1.2となるような速度が望ましい。          図一7,11施工速度の比較(a)盛丑備装B   ハ  !!卸、 一枇一一一一丁!同量亀 SH F安s全率 1.2’¥¥1枕下∠!  1     1彦・が2孟3   時間…騨無」∼残留1下量、,盛土高存による全沈下量 I       l      (b〉冒  ハ  I         A:漸増施工I    I         B二段階施工、1  一ト¥¥!黛到                    時間 (2)段階の盛土施工(図一7.11,盛土速度β) 安全率が所定の安全率(F,=1.2)近くに達するまで急速にサソドマットを含めた第一次盛土π、を施工する。その後盛土を放置して基礎地盤の圧密と強度の増加をはかる。 第一次盛土による地盤の圧密がほぽ80%程度に達したとき,第二次盛土を第一次と同様の要領で施工する。 以上の段階施工を繰り返して所期の盛土を完成する。 (3)盛土速度を決める場合の注意 基礎地盤に加えられる盛土応力によって軟弱層の圧密が進行する。したがって図一7・11(a)に示したように盛土速度によって地盤の圧密速度は異なる。また軟弱層の強度増加は圧密の速度に比例するので厚い軟弱層では強度の急速な増加は期待しがたい。 このため急速に盛王し牽のぞほ施工中に基礎地盤の破壊を引ぎ起こす危検がある。 逆にゆっくり施工したのでは安全に施工できrる反面,沈下速度が遅くなって舗装後に残留する沈下量∠Sは大きくなる。したがって盛土速度としては安全に盛土でぎる限度でできるだけ早くすることが望まレい。 このため盛土速度の決定にあたっては代表的な地点の土質調査結果にもと一97一 1−3−1道土工づいて図一7・11(b)に示したように安全率の時間的経過を追跡して工事の工程や盛土の安定ある∼・は沈下に対して最も適した速度を選ぶことが望ましい。 また施工中には盛土の安定性と圧密の進行状態を調べて盛土の速度を管理するために沈下計,間ゲキ水圧計その他の用具を設置して沈下速度や間ゲキ水圧の変化を調べたり,土質調査を行なって土の圧密による強度増加を直接知ることも施工を安全かつ適確に進めるため大切なことである。了一4−5 押え盛土工法 押え盛土工法は一般に次の順序で施工する(図一了・12参照)。  (i)押え盛土部を含めてサソドマット1および盛土Hを施工する。  (ii) 引続いて盛土本体を施工する。 この工法は地盤の支持力が盛土荷重に比して著しく不足するとともに軟弱層の厚さがぎわめて厚く,盛土の過程で圧密による基礎地盤の強度増加がほとんど期持できない場合に有効に適用される。 押え盛土の幅五は基礎地盤の土質にもよるが,軟弱層の厚さが大きいときはほぽ盛土底幅2五の半分にとることが多い。また押え盛土の高さは盛土全体の安定(図一7・12スベリ面1+H+皿)および押え盛土のみの安定(図一7・12スベリ面1+皿)を考慮して決定する。 地盤が非常に軟弱な場合には盛土全体の安定上必要とする高さの押え盛土を安全に施工することができず,押え盛土のための押え盛土を,さらに追加しなければならない場合も多い。このような場合には盛土幅が著しく増加するので,用地の点からサソドコソパクショソパイル工法を押え盛土と併用して地盤の強度増加をはかったほうが有利なことが多い、 押え盛土工法で軟弱地盤を処理しようとするときはスペリ破壊に対する抵抗を増すため盛土の高まぎ施工を避けて,ほぽ水平に敷きならした薄層の盛土材料を各層ごと確実に締固めるように特に心掛ける必要がある。 また施工中は盛土中央部の沈下測定と同時に押え盛土部の沈下あるいは隆起を観則して,基礎のスベリ破壊に注意しておくことが大切である。           図一7・12押え盛土工法     島LL繭押え盛土皿、臨r手』r門聞.隅胃.唱\ 1十II7’一…一一一一サンドマット盛土の最終沈下線  軟弱層           ∫十II十皿            スベリ面一98一一一 1−3−1道土工〔注〕スベリ面は盛土の各段階ごと(たとえば1+H)に最も危険な位置を予想して記入したものである。7−4−4除去置換工法 軟弱層の除去置換工法は一般に次の方法で施工する。 (1)低い盛土で軟弱層が交通荷重による路面変形の原因になる場合には盛土の基礎となる厚さ約3m以内の薄い軟弱層は図一7・13(a)に示したように全面的に掘削除去して良質の材料で置き換え,交通荷重による路面の変形を防ぎ長期にわたる安定を確保す る。 (2)薄い軟弱層上に高い盛土を施工する場合は図一7・15(b)』に示したようにサソドマットで処理して特に軟弱層の除去置換を行なわない。しかし目的によっては図一7・15(c)に示したような構造物基礎部分のみ一部掘削除去して良質材料で置き換えることがある。 (3)軟弱層の厚さが約3m以上におよぶ場合には施工の容易な上層のみを図一7・15(d)に示したように一部除去して置ぎ換え,複合地盤として盛土の安定をはかりかつ沈下を促進する。 (4)掘削にはドラグライソなどを用いてたとえば図一7・13(e)に示したような順序で掘削土の搬出,良質材の搬入,盛土の敷ならしおよび締固めなどを行なう。〔注〕 置換え部に用いる良質材の選定にさいしては盛土高,軟弱層の厚さ,構造物の種類および地下水位などを考慮し,材料としてできるだけ排水性がよく将来地下水位以下にあっても十分支持力を確保でぎるような砂,レキその他の粗粒土を選ぶことが望ましい。 施工にさいしては掘削土を盛土上に放置することなく,掘削と同時に軟弱土を搬出捨土する。また掘削部のノリ面の崩壊を防ぐため,掘削の進行につれてすみやかに置換材料の搬入を行なうことも大切である。 なお,図一7・13(c)に示したように人家に接近して掘削置換えを行なう場合には特に掘削ノリ面保護のための土留などの処置を誤まらないようにしなければならない。卑’、、L聯盛土、瞳圏述撫懸謹婆V二V;ニ ニV二V一 =V≡」yヲ…… ’軟弱層  おきかえ部  土留@   (a)    (b)軟弱層一99一務携霧易軟嚢(dl’・’ 1−3−1道土工(e)o   、い獅’軟弱層’。・     おきかえ部・・     w   Iv     、       、“   1一’ 殉い,l l l l IΨ               締固め『》,卿ライ魑 盛蹴し 歯     琴難隠VノツMノ ツ  W    川   、1’  、U  W  W  (a)全面除去  (c)(d)一部除去  (e).掘削除去工の一例       図一7・13 除去置換工法7−4−5プレローディング工法プレローディング工法は一般に次の順序で施工する。 (1)所要の高さHまでサソドマットを含めた盛土を施工した後,引続いて余盛∠πを施工してそのまま放置する。 この場合の余盛高∠Hは残留沈下量を少なくするため,基礎地盤の強度および余盛土の転用などから許される最大限までとることが望ましい(図一了・14参照)。 (2)所定の時期(たとえば舗装完了)以後の残留沈下量を制限値以内にとどめることができる期間まで盛土を放置した後,余盛を除去して所要の盛土を完成する。 この工法は基礎地盤が破壊を起こす危険性に対して十分な余裕があるが,沈下量が大きくかつ長期にわたって継続するような場合に盛土の残留沈下量を許容される沈下量にまで減少させるため有効に用いられる。 この工法では図一7・14に示したように余盛高∠πをより高くすればするほど,あるいは除荷の時期をより遅くすればするほど舗装終了の時期∫ρ以後の残留沈下量∠Sを小さくすることがでぎる。 したがって余盛高と放置期間のとり方がこの工法のポイソトになるから,軟弱地盤の支持力と工期を最大限に活用した施工計画をたてるべきである。 このため計画にあたっては基礎地盤の強さや沈下の速度に十分な検討を加えるとともに,施工にさいしては沈下板,間ゲキ水圧計などを設置して精密な測定を行ない,最も適切な時期に除荷するよう配慮しておかなければならない。 一方除去した余盛土の転用などについても経済的に処理でぎるよう十分な段取りを考えておくことも必要である。一100一 1−3−1道土工舗舗装盛土 H十、4H厚「一 一 一 一    『『一 一 『 一 一911一lt仔高   H0,ltp時聞霞彩+2H}沈下鰍:5沈下,t里●△SH+△H11、、 、SH(全沈下量)△SHて、 、 、S H+△H 、、   、軸、(サビックス)図一7・14余盛高∠πおよび除去時期’と残留沈下量∠Sの関係了一4−6バーチカルドレーン工法(サンドドレーン工法・ペーパードレーン工法) (1)施工順序 バーチカルドレーソ工法(サソドドレーソ工法,ぺ一パードレーソ工法)の施工は一般に次の順序による。  (i)サソドマットを施工する  サソドマットの厚さは普通50cm程度とすることが多いが,地表付近がきわめて軟弱であるか,材料が不良な場合には厚さを70∼100cm程度に増すことがある。 またサソドマッボに使用する材料は透水性が良好で高い支持力の得られるものほど好ましい。  (ii)次の順序でサソドパイル(ぺ一パードレーソ工法の場合はカードボード)を設置する。  (a) マソドレルによるサソドパイルの施工(図一7・15(a)参照)  ①マソドレルの先端シューを閉じて所定の位置に設置する。  ②ハソマーある“は振動によりマソドレルを所定の深さまで打ち込む。  ③ バケットで砂をマシドレルのなかに投入する。  ④⑤ 砂投入口を密閉して圧縮空気を送りながらマソドレルを引きぬく。  ⑥マソドレルを完全に引き抜剖サソドパイルの設置を終わる。  (b) ウォータージェットによるサソドパイルの施工(図一了・15(b)参照)  ①ケーシソグを所定の位置に設置する。  ②ケーシソグ内にジェットロッドを入れ,水を噴射する。  ⑧水の噴射によってケーシソグを徐々に降下させるが,地中の障害一101一 1−3−1道土工物や締まった層のためにケーシソグの降下淋停止すればハソマでかるく頭部をたたいてケーシγグを打ち込む。  ④ケーシソグが所定の位置まで降下した後・ジェット戸ッドを上下して中の土を十分に排出する。⑤ケーシソグ内に砂を投入する。            ’⑥ケーシソグを引き抜いてサソドパイルの設置を終わる。(c) ぺ一パードレーソ工法におけるカードボードの施工 ①カードボードの帯をぺ一パードラムから引き出し,支柱上部D滑車を通してマソドレル内に挿入する。ぺ一パードレーソマシソのマソドレルを所定の位置に設置する。   ②カードボードを挿入したままのマソドレルを軟弱層中に押込む。   ③カードボードを軟弱層に残してマソドレルのみ引上げる。同時にオートカッタによりカードボードを切断する。   ④カードボードの設置を終わり,ぺ一パードレーソマシソを移動する。  (iii)サソドパイル(カードボード)の設置を終わった区域に盛土を施工する。 (2)施工上の注意 (i) サソドパイル  サソドパイルは軟弱層から圧密脱水した間ゲキ水を長期にわたり集水して排出する通路の役目宣果たすものである。レたがってフィルターとして長期間効果を発揮できる材料で中詰めしなければならない。このため中詰砂の粒度としては少なくとも重量百分率15%の粒径P15がサソドパイルに接している軟弱層の最も粗い土の粒径P・5の4倍以上の大きさであり,またサソドパイルに接している軟弱層の最も細かい土の粒径D65の4倍よりも小さいことがのぞましい。 しかしこのような粒度の材料を入手することが困難な場合は透水性が良好で清浄な砂であればサソドバイル中詰めの材料として使用してさしつかえない。 サソドバイルの径は軟弱層の圧密にはそれほど関係しないから主として施工上から30∼50cm程度の径が採用される。 径が大きすぎると打設が困難となり,あまり小さすぎると施工中にパイルが切断したり側面から泥土が混入して排水不能になることが多い。 (ii) サソドパイルの設置  サソドパイルを設置する方法には圧縮空気式,ウォータージェグト式などのほかロータ.リー式ボーリソグある・いはアースオーガなどによって軟弱地盤に削孔して砂を投入する方法などがある。いずれの方法によるかは軟弱層の土質,サソドパイルの径,間隔および長さな どを考慮して施工能率がよく,かつサソドパイルの設置にさいして周辺の土を著しく乱して透水性や強度の低下をもたらすことの少ない方法を選ぶべぎである。一102一 1−3−1道土工サソドパイルはサソドドレーソ工法の最も重要な部分であるから,施工にさいしては切れ目なく所定の深さまで確実に設置することが大切である。 このため施工にあたっては特に次の諸点に留意し,できれば施工の当初試験施工を行なって直接作業にたずさわるオペレータに対し周知徹底させておくことがのぞましい。   ①パイルの設置位置 たとえばサソドパイルの打設予定位置には赤グイ,打設済みの位置には青グイを打ち込んで設計図書に示されたとおりの間隔でサソドパイルが設置できるようにする。   ②打込方向と打込深度 マγドレルのガイドは常に垂直に保持する。ガイドのちょっとした傾きでも地盤深部のパイル位置に大きいくるいの生じる原因となる。パイルの打込深度は仕様書などで定められているが,砂層,レキ層などの軟弱層基盤までサソドパイルを打ち込む設計の場合には設計深度を確認する意味で,パイルの打止め量を規正して,確実に砂レキ層まで打ち込むようにする。   ③打込速度と引抜速度  打込速度としてはかなり速い速度が許される。しかしマソドレルの引抜速度は砂の充テソおよび送気などの速度と関連して十分余ゆうをとった速度とし,パイ ルが切れ目なく施工できるように心掛ける。      、   ④砂の充テソと砂量の管理 砂を充テンする方法としてはベルトコソベヤで連続的に投入する方法,1回の投入量をいったんバケットに入れて計量した後バケットをつり上げて投入する方法などがあるが,砂量を確実にチエックするためには後者の方法が優れている,なお1回の投入砂量は少ないほうカヨよい。 (hi) カードボードの設置  サンドバイルにくらべてカードボードの設置間隔は一般に小さいことが多いので,設置位置(間隔)は特に厳重に管理しておく必要がある。このため設置にさいしては規準線を張って十分な規正を行なうとともに,設置を終わったか一ドボー1ドはサソドマット上面より約30cm上方で切断されているから,これによって打設位置間隔および本数を確認しておく。 なお設置を終わったカードボードはサソドマットを掘り起こして上部約50cmを切断し,サソドマット中に確実に埋め戻しておかなければならない。 またぺ一パードレーソマシソによる設置にさいしてはカードボードを確実に送り込まないで途中からマソドレルのみが挿入されたり,設置したカードボードをマソドレル引抜ぎのさい中途から引抜いてしまうことがある。このような事故に対して確実にカードボードが設置されたかどうかはぺ・一パードラム内のカードボード使用量を常に注意しておくことにより達成される。〔注〕 現在使用されているカードボードは一般に厚さ3mm,幅100mmの帯状原紙の中に縦方向に連続した10個の通水孔を設けたもので,ペーパードラムには約400m分が連続して巻き込まれている。一103一 1−3−1道土工 (iv) 盛土  盛土の段階では地盤に起こる沈下,盛土側方地盤の隆起あるいは軟弱層中の間ゲキ水圧などを測定して,予定された圧密が行なわれていて盛土の安定性が常に確保されているかどうか,十分確認しておくことが大切である。 サソドパイル設置のさい軟弱層を乱したり,盛土によって大きい塑性流動を起こしたためサソドパイルに切れ目が生じたりして予定された圧密が行なわれていないにもかかわらず,盛土を継続して大きい事故を招くことも多い。(a)マンドレルによるサンドパイル施工圧縮乳ドレル④纂⑤桑  穴③②\鼎シュー \曇量垂空気鼎1砂旦先端亭−’詳騨サンドマット壷 蚤軟弱層1な1 サ壽』11 パ歴:=1 イ》》ル(b)ウォータージェットによるサンドパイルの施工 ① ②、    ⑥    寺送▼水  丞孟 』排水グツ 1泥lH l水⑤尋 桑砂〆ロッドンンジエ ツトケ1③†送④水 、,,水,・.、『『・噂》一』『・㎜〆.’曇 ンサノ{=1ピン 工一軟弱層1u旧’.7 ll1’・/サん  zンドマットツト水1’r.11・∼’1ζ『・1脚1齢図一7・15 施工順序一104一ドイノレ 1−3−1道土工(c)カードボードの施工③②①}‘㍗督㌣マンドレノ申一母1ドぺ1ノレ曇④フムで》ウカポ1.1ドド また大規模な盛土では施工の途中でボーリソグを行ない軟弱層から試料を採取して試験す《か,あるいは原位置試験によって軟弱層の強度増加を直接に確かめることも忘れてはならない。7叫一7 ゆるい砂質地盤の改良 ゆるい砂質地盤を締固めるため主として用いられる工法は表一7・3に示したサソドコソパクショソバイル工法およびバイブロフローテーショソ工法である。 このうちサソドコγパクショソパイル工法は地盤を締固めると同時に地中に強い砂グイを形成することがでぎるので,圧縮性や強さを改良する目的で粘土質地盤に使用されることがある。 砂質地盤を改良するにさいしてはいずれの方法によるにしても,締固め効果を予測することが困難であるから現場実験によりあらがじめ設計資料を得ることも大切である。また施工にさいしては効果の確認を忘れてはならない。 (1)サソドコソパクショソパイル工法 この工法をゆるい砂質地盤に対して用いたときは締固めによってN値を20程度にまで改良できるので著しく支持力を向上させ,かつ沈下量を無視できる程度にまで減少させることも可能である。 これに対して粘性土から成る軟弱層にこの工法を用いるときは砂質土に対するような著しい締固め効果を期持することができない。しかしこの場合でも砂の圧入によりある程度地盤の強度を増加し,さらに周辺の粘性土を均質化すると同時に砂の圧入分だけ粘性土が置き換えられて地盤の強さや圧縮性を改良するばかりでなく,圧入された砂グイに盛土荷重を集中させる効果も大きい。 サソドコソパクショソパイル工法ではサソドドレーソ工法の場合と同様に所定のパイルが確実に打設されたかどうか確認することが特に大切である。一105一 1−3−1 道土工このためパイルの打設位置(間隔)や打設の深度を厳重に管理することはもちろん,打設されたパイルの直径が所定のものであるかどうかを投入砂量と仕上り深さの関係(各深度ごと)から調べておく必要がある。また地盤の改良が予期されたとおり行なわれているかどうかを調べるため打設後の地盤から試料を採取する原位置試験を行なって土質を調査することも行なわれる。 (2)バイブロ7戸一テーショソ工法 締固め効果は地盤の土の粒度と密接な関係を持ち,一例としては図一7・16に示すような結果が得られている。図中の最小1▽値は,正三角形配置で締め固める場合の三つの貫入点から最も遠い重心位置での標準貫入試験の打撃回数である。 貫入点配置は1,2∼1.5mの正三角形が多く使われ,補給材料は締固め地盤容積の10∼20%程度,使用水量は最大350」!min程度である。締固め時間は50cm当たり1.5∼3minである。 なお地盤の改良効果を確認するため,締固めの終わった地盤について貫入試験を行なっておくことも大切である。1001!!80ノ!貫入点間隔1.2∼1,5m正三角形配置[■!!1たとえばAの範囲のものは最小Nmi,篇8一一15に改良で!!’駅きる!)60醤ノ/1Φノ!11皿哩40Cハ姻1ノ/20踊min=8∼15犀min=151補給材と して好まし’ ・最ノ』1粒度湖min=20∼20ノ∼25!0!0.01 0,020.030,050,070,1 0曾2  0,3  0.50,7 1.0    2.0  3,0  5,0粒径 魚m〉図一7・16原地盤の粒度と締固め後の最小1V値の関係一106一 1−3−2道 技1−3−2〔Nα3 道路技術基準〕 21,2 基礎地盤の改良1.軟弱地盤は盛土計画高,交通荷重などに対して安全率1.2以上の支持力を持った地盤に改良するものとする。2,地下水位が高く基礎地盤が軟弱化するおそれのある場合は排水の処理をするか,排水のできない場合は粗粒材等で置換えするものとする。(解説) 軟弱地盤は,路線選定の際,なるべく避ける着眼をすべきであるが,用地,線形その他の条件か ら避けられない場合には,これを安全化する処置を行なわなければならない。 軟弱地盤の処理方法については8章に詳述するが,泥炭層,比較的に薄い軟粘土層,または軟粘土に砂またはシルトの薄層をはさんでいる場合のような特殊な地盤においては,十分な知識と経験を要するので専門技術者に相談することが望ましい。一般に基礎地盤の排水は7章排水工に従って適切に処置しなけれぱならない。8。4 軟弱地盤の処理工法1 軟弱地盤は盛土に対する十分汝支持力を確保し有害な沈下を除去するために,次の工法を単独または組合わせて応用するものとする。(a)在来地盤置換工法  (切 在来地盤利用工法  (φ 特殊工法2,軟弱地盤処理工法の選定は軟弱土の土質,軟弱土層の分布状態,工事の規模,工事の難易,工事の期間,土量の配分状況,用地の利用状況等について検討し最も経済的もし くは能率的なものを選ぶものとする。(解 説) 軟弱地盤処理の目的はその支持力の増強と圧密沈下の防止とであるから,如何なる工法もこの目的に沿って考えなけれぱならない。1,在来地盤置換工法  この工法は,一般に軟弱土層が最上部にあって,層厚が比較的少なく,軟弱性がはなはだしく, 軟弱土の土捨場および置換土の土取場が十分であ抄,盛土の安定度が強く要求される場合に行な われるものであり,土工量は著しく増大するが安定度はもっともよい。次の各工種に細分するこ とができる。一107一 1−3−2道 技軟弱土サーチャージ軟弱土盛 土’縣土   基 盤A−A 断 面A−A 断 面     dレ        、IF   ¥11’曲 ・”ノ筐弱土         、一r ムL 匝」A室蟹芒」」■平面 “17r正一¥山」r覗、」’・’平 面一     へ図一85 一部掘削置換工法図一84全掘削置換方法(a)全掘削置換工法  これは軟弱地盤の全厚を掘削して良質の土で置換する工法である。  この工法の適用条件は,厚さ約3m以下の非常に軟弱な土層(沼沢地)よりなる場合である。  施工の際,掘削部ノリ面の崩壊を妨ぐため掘削の進行につれて,すみやかに盛土を行なわな ければならない。また掘削土を盛土付近にはねるときは,両側に平均してはねた方がよい。(◎ 一部掘削置換工法  これは軟弱地盤の厚さの一部を掘削して良質の土で置換し更にその上に余盛を行左いその盛 土重量を利用して軟弱土を押し出し,盛土を安全に支持することのできる地盤まで沈下させる 工法である。  この工法の適用条件は,厚さ約3m以上の非常に軟弱な土層よりなる場合である。  施工の際,掘削する深さは2,5∼3m,余盛の高さは1,5m程度とし,盛土材料は砂質土を 用いる。 盛土の自重のみで沈下しないときは,ジェット工法を併用する。この際,軟弱層を完全に押 し出したかどうかを,サウンディングで検査しながら工事を行なう必要がある。(c)ジェット置換工法  これには次の種類の工法がある・ (イ)ウォータージェットにより軟弱地盤の含水量を増し,盛土の自重によって押し出させる程 度に地盤を軟化する工法である。この工法の適用条件は,次のようである。  (1)地盤の支持力は十分であるが,相当の圧密沈下が考えられる。  (2)盛土材料は石,堅い粘土塊などを含まない。一108一 1−3−2道 技   施工の際,ウォータージェットの使用圧力は2∼20Kg/cm2とし,パイプの直径   は20∼2、5cmとする。パイプは軟弱層の厚さ程度の間隔に入れ,ウォータージェッ   トを急速に軟弱層の下までむろし,ゆるやかにひきあげる。 (・)ウォータージェットにより,盛土が水で飽和して自重をまし,軟弱土を押し出せる工法  である。   この工法の適用条件は臼)と全く同様である・   施工の際,ウズータージエットの最大使用圧力は3.5Kg/c㎡程度である。(d)サクシ。ンポンプ置換工法  これは水面下の軟弱土をシュンセツ用サクシ。ンポンプで排水し,良質土と置換する工法 である。(旬 爆破置換工法  この工法は,次の各種類の工法かある。  これらの工法の共通的な適用条件は,上述の(a)∼(b)工法が用いられず,現場の状態が火薬 の使用可能なときに使われる・  火薬使用量は置き換える軟弱土1㎡当りだいたい100∼1,500gである。盛 土弘      A−A 断 面(中心線の爆破は1∼2秒後)、障     、』レ     火薬申畑 W、1レ、lr!AA平面¥1レ、”!、一r,“レ     図一a6 掘削爆破(置換)工法 (Trench−Shooting法)σ)掘削爆破置換工法  この工法の適用条件は次のようである。(1)軟弱地盤の堅さが,爆破後ノリ面がくずれない程度のものである。 (2)軟弱地盤の厚さが約6m以下である。  施工の際は次の要領によって行なう・一109一 1−3−2道 技 (1)装てんする火薬の縦列は1列以上。                    1  2 (II)火薬の装てん間隔は軟弱地盤の厚さの一∼一。                    2  3 (のこの工法を長区間にわたり実施するときはいくつかの部分にわけて行なう。(ロ)先端爆破置換工法  この工法の適用条件は,軟弱地盤の堅さが,掘削ノリ面のスペリ出す程度とする。還藤土   火薬瓢愚    、   o  ! 平 面  /  爆破前     爆破孔  断 面     爆破孔 平 面   爆破後図一87先端爆破置換工法 (Toe−Shooting法)      砂     w  ヤゆぼ      砂 、一一                   い11          、■補助火薬           補助火薬、』1’                             、111・一’  o  、主火薬o  、u,  o 〈…三…   爆破   =ち=才(a)火薬装填後(0)主火薬爆破ノ〆一一一F一”一’N            、lll 冊丁一・’毒=∵騨m下、田 “r\、 砂  ““II爆破男..主.薬ど争畢     一___一_r     、、1’(d)盛土の沈下(b) 補助火薬爆破図一88 盛土下爆破置換装置 (underfi11法)@ 火薬柱爆破置換工法  この工法の適用条件は次のようである。 (1)軟弱地盤の堅さは,掘削ノリ面のスベリ出す程度。 (2)軟弱地盤の厚さが1.5m程度まで有効。一110一 1−3−2道 技    施工の際,火薬柱の間隔は約1.5∼3m程度。 ←)盛土下爆破置換工法   これには次の3種類の工法がある。  (1)盛土全幅を建造して後,下部の軟弱地盤を爆破する工法。  (2)盛土の中央線付近に狭い盛土を行なった後,下部の軟弱地盤を爆破し,盛土を両側にひ   ろげる工法。  (3)幅の狭い盛土を片側に築いた後,下部の軟弱地盤を爆破し,盛土を他の側にひろげる工   法。    この工法の適用条件は爆破工法の共通適用条件の外に次のようなものがある。   (i)軟弱地盤上部に良質の層がある場合,固結した表層がある場合または厚い層を置き換    える場合に用いる。   (li)かな砂狭い盛土で軟弱層厚が約10m以下の場合は(nの工法を用いる。   (iD幅の広い盛土または厚い軟弱層の場合は(2)の工法を用いる。   (ゆ幅の広い盛土または厚い軟弱層で,現存の盛土等により軟弱土の排出が片側に限らな    い場合は(3)の工法を用いる・     施工の際,通常先に盛土を行ない『,その下部に主火薬を入れ,盛土の外側に1∼2列    の補助火薬を入れて爆破し,盛土下部の軟弱土の排水を容易にする。完全に排水するま    でに何回かの爆破を要することがあり,(2),(3)の工法では普通数回の爆破を行なう。2 在来地盤利用工法  この工法は一般に在来地盤の支持の増強,圧密沈下の減少または両者の効果を期待して行なう工法である。  この工法の共通的な適用条件として次のようなものが考えられる。(a)一般に軟弱土層の厚さが大きく,置換工法の施工が困難かまたは不経済の場合に用いる。(ゆ 置換工法による場合の軟弱土の捨場蔚よび置換土の土取場の取得が困難な市街地等の現場状 況の場合に適用する・(e)一般に盛土完了後も圧密沈下が継続する場合が多いので,舗装の工程むよぴ時期に関する計 画との関違について考えなければならない。 臼)軽材料盛土工法   これは,軽材料を使用して軽量の盛土をつく砂,基礎安定性を増加させる工法である。    この工法は支持力の不足による破壊を防ぐことができない。一111一 1−3−2道 技  軽材料としては石炭がら等を用いる。(ロ)押え盛土工法  これは載荷により軟弱土が外方に押し上げられるのを防ぎ,基礎地盤の破壊を防止するた め,押え盛土を施工する工法をいう。  この工法は支持力の不足によるスベリ破壊を防ぐことができるが,圧密沈下を防ぐことは できない。また押え盛土のかわりにノリコウ配をゆるくすることもある。  この工法の適用条件は,押え盛土のため相当の盛土量と用地面積を必要、とするので一般に 局部的左個所に行なわれ,長区間にわたって行なわれることは稀である。の 緩速施工工法  これは,盛土期間中に軟弱層の圧密沈下を促進し,同時に支持力の増大をはかるため,盛 土施工速度を加減して行なう工法をいう。  この工法では,土質調査の結果から判断して適当な施工速度を見出す必要があり,間ゲキ 水圧,沈下などの測定を行ないながら工事をすすめなければならない。  この工法の適用条件は,工事期間に相当余裕がある場合でなくては用いることができない。←) サンドドレーン工法  これは,軟弱地盤に鉛直な砂グイを打込み,砂グイ周辺の軟弱層内の排水を容易にし,圧 密沈下を促進して地盤を安定する工法をいう。  この工法を施工するに当っては,周到な設計を行ない,砂グイの中に間隔むよび直径は沈 下に要する時聞を推定し,施工の能率,施工中の盛土の安定性冷よび所要工期を検討して合 理的な決定を行なわなけれぱならない。 (1)砂グイの間隔は軟弱層厚より小さくとる・一般に中心間隔2∼3m程度である・ (2)砂グイの打込み深さは,圧密沈下に大きく影響する位置まで行なう・ (3)砂グイの直径は周辺の軟弱土の砂中への押出しの影響とか,一様な大きさに施工するこ  との難しさ等を考慮して理論上より幾分太いものを使用する。直径は一般に20∼50cm  程度である。 (4)サンドドレーンによる軟弱地盤の圧密沈下時間の推定は次の公式によって行なう。6一己,2 ㌃(&15)0び× 60 × 60×24一112一 1−3−2道 技ただし  孟:圧密度Uまで圧密するに要する時間(日)  翫:砂グイによウ排水される部分の直径(cm)  ゐ1砂グィの直径(cm)  刎Uとπ(一生)と鳳って図一8、0より見鵬れる時間係数         伽  0ひ:圧密係数(c㎡/sec)一口航∠㊤パ3\、罪ク\、 AL←遊、猷』寧」 li リ        ノナキャ         ノ                 ヘ 騒 /りノ¥ぐ\ ノ 4    駅30 。 }〆  、キノ π=兀    一4040   100  1015P縷やL’⑳平晶㊥  翻                  団llT ”                    、器1:サンドドレーン・::『                     0.004 0。01   0,叫  0。100.20 0。40 1。0                         時問係数L月 1枯1土 1 一レトb悼..1 1BB■ 1  Bl・                    図一810水平排水’(半径方向) 1%      匹               の場合の時間係数写と圧密度Uと     A−A 断 面                      の関係         ・  図一89サンドドレーン説明図 施工の際は,普通,先端にクツのついたマンドレル(中空の鉄管)を打込み,これを引抜きながら砂を中に入れる・管の引抜きを容易にし,また砂を完全に孔中に押込むために,上部を閉じ七加圧された空気(普通7kg/c㎡以下の圧力),あるいは水を上端から送ることもある・マンドレルのクツは平板,円スイ形などがあり,引抜くとき底に残るもの,またはマンドレル先端にヒンジ結合され,引抜きの際に開くものなどがある。その他ジェットによって押込む方法が考慮されている。 なお砂グイを打込んだ地盤の表面に砂を敷くか,あるいは砂グイ間を砂のみで連結し,砂グイからの排水を盛土などによってさえぎらないようにしておく必要がある・ 沈下の加速および測定は,盛土を余分に盛り,そのサーチャージによって沈下を加速することが普通行なわれている・ サンドドレーン施工に当っては,沈下,間ゲキ水圧,地盤の移動,土のセン断深さなどを一113一 1−3−2道 技 測定して安定性を確かめながら工事を進めなけれぱならない・㈱ プレローディング工法  これは,盛土の重量以上の荷重を工事中に働かせて,あらかじめ沈下を起こさせることに より,将来の有害な沈下を防ぐぱか                           プレローディングりでなく,圧密によって地盤の強度     y    による応力増加も増大させる工法をいう。 この工法の適用条件は次の通りである。(1)沈下が終了するまで長期間を要 してもよい場合。(2)多量の載荷材料が容易に得られ    一→・1Gg P(荷重強度)図一811プレ・一ディング説明図 る場合に限る・この材料は主とし   て盛土材料あ費用であるが取扱いに相当の費用がかかる。 0 ソダ沈床工法   ソダを基礎地盤に敷いてその上に盛土を施工するもので,簡単な道路工事によく用いられ  る03.特殊工法(a)ウェルポイント工法  これは,軟弱地盤の地下水を吸上げることにより,圧密沈下を促進する工法をいうQ  施工の際には,直径5cmぐらいの管の先にフィルターを1∼2m備えたものを1∼2間隔 に打ち込み,これをヘッダーパイプ(水平な太い管)に連結しサクシ・ンポンプにより排水す る方法を用いる。(旬 電気浸透工法  これは,軟弱土に直流電流を通じて,地下水を電極に吸引し,排水することにより圧密を促 進する工法をレ、うo一114一 1−3−2道 技 この工法の適用条件は,軟弱真空ウェルポイント  重力排水では  重力排水     流速が遅過ぎる土の粘度が図一812の範囲に§188  ’  電気浸透)98掛60余50皿巷8嘔20日10    10  10.1 0.01ある場合において用いる・ この工法は,陽極にアルミニウム電極を用いあるいは薬品を併用して化学的固結を行なわせ     粒径 (mm)もし上向に限界水頭コウ配より大きな水頭コウ配があれば真空ウェルポイント法る場合もある6を用いる図一812 排水方法と粒径との関係山115一 1一一3−3設計1−3−3〔Na13設計要領〕 11−3盛土の安定の検討  11−3−1安定検討の考え方 ここでは軟弱地盤上に盛土する場合の基礎地盤に対する安定検討について述べる。安定検討はいかなる場合においても盛土を安全かつ経済的に設計することが目的である。安定計算によって安定検討を行なう場合のスベリ面は原則として単一スベリ円とし,計算式は全応力法によって計算することを原則とする。 この計算によって得られた安全率は施工中,施工後いずれにおいても,1.25以上でなければならない。 安定の検討には多くの条件が包含されており,とくに安定計算を行なうに当っては計算に用いる諸因子には多くの仮定,不確定要素が含まれていることを考慮し,土質調査等を慎重に行ない,安定の検討を行なわなければならない・ここでは名神,東名高速道路沿線約37kmにおよぶ軟弱地盤の設計,施工に関する資料を検討し,実績を加味した設計法を採り入れている。 安定検討の順序としては概略の安定を検討する目的で概略調査から求めた諸数値によって11−3−3の式11−7を使用し,概略検討を行なう。次に概略検討によって不安定であると判断された場合および調査時点でより詳細な検討が必要と思われる場合には,概略調査,詳細調査の資料によって安定を検討し,何等かの対策が必要となった場合にはそれらを考慮した安定検討を進めていく。 7章でも述べてあるように,安定の検討が安全率の算出によって終了したと判断することは早計であり,安定計算は安定検討の一手段ということを念頭におきつつ,既往の資料その他の条件を参考にして安定検討を行なわなければならない。11−3−2 セγ断強さの求め方(1)試験の方法,条件  安定計算に川いる基礎地盤のセン断強さは,乱さない試料を用いて一軸圧縮試験,または三軸圧縮試験 を行なって求めることを原則とする。 ’,1墨礎地盤のセγ断強、峯は一軸圧縮試験によって求めることを原則とするが,詳細検討で基礎地盤の強度増加を考慮する場合には,圧密非排水三軸圧縮試験の紬果を用いてセγ断強さを求めるものとする。 一脚 E縮試験,三lhil圧縮試験の方法・条件については7−4−1rセン断強さの求め方」を参照されたい。 以下に,1欧弱粘土の試験、Lとくに注意を要する項目について記述する・(1)一・一軸圧縮試験 (a)一軸圧縮試験はJIS A1216に準じて行なうものとし,試験機はヒズミ制御型を用いる。一116一 1−3−3設 計 (b)圧縮ヒズミが15%に達するまでの応カーヒズミ曲線から求めた最大圧縮応力を一軸圧縮強さとする(図  11−10)五曲線。 (c)泥炭などのようにピークのあらわれない場合は圧縮ヒズミ15%に対応する圧縮応力を一軸圧縮強さとす  る(図11−10)B曲線。(2)三軸圧縮試験 (a)圧密による強度増加を考慮する場合は乱さない試料について圧密非排水試験を行ないo,る/ρを求める。(b)供試体は直径5cm,高さ11,5cmを原則とするが,均質な粘土では直径3.5cm,高さ8cmとしてもよ     A l       I  B  圧  縮  応       1       9  力       6       0              15(kg/cm2)        圧睾宿ヒズミ (%)  図1H9一軸圧縮試験の応力ヒズミ曲線 いo(c)圧密時間はlog’法(り一次圧密終了までとし,少なくとも420分以上とする。(d)圧密時に水位が供試体の中央にくるように,排水管の位置を調節しなければならない。(2)セン断強さの求め方 (乱)一軸圧縮試験によるセソ断強さ   粘性土の場合,一軸圧縮試験によるセン断強さはその土の粘着力に等しいものとする。      一警(kg/cm2)……・・…・……………・・……・………9…一一……………・一・……式・・一5 (b) 三刺1圧縮試験によるセソ断強さ   基礎地盤において圧密による強度増加を考慮する場合には,圧密非排水三軸圧縮試験を行ない,表  11−4に掲げる式によりセン断強さを求める。                表11−4三軸圧縮試験によるセン断強さρ」≦ρσカo≦ρcs = ‘oカ,>ρ‘S=00十那(九十U。4♪一九)s=‘o十”z(ρo十U・∠ψ一ρσ)ρo>ρ【・注1病>久は地下水くみ上げ等により,現在圧密進行中にある特殊な 地盤に限られる。一117一 1−3−3設 計ただしρ∫:最終圧密圧(ρ。+4ρ) 〔t/m2〕九:先行圧密圧(図11−13参照) 〔〃〕ρ占:時間∫における有効圧密圧(あ+UX4ρ) 〔”〕ヵ・:有効土か・ζ;り圧(11−4−4(2)参照) 〔〃〕6。:初期の土の粘着力(一軸圧縮試験による) 〔〃〕∠ρ;盛土荷重により生ずる鉛直増加応力(11−4−4(4)参照) 〔”〕U;時問’における平均圧密度(r盛土の沈下」参照)〔無次元〕ノ’r=強度増加率(‘[ノヵ=sinφσげ1−sinφσ品)〔無次元〕  φ側=圧密非排水三軸圧縮試験による内部マサツ角 〔度〕 注)一般に,試験結果の単位は,kg!cm2であるが,計算ではt/m2に換算して使う。    圧密度Uは,慣例に従って,文章や表では%で表わしているが・計算式では・小数として扱う。(1)概略計算を行なう場合にはN値,4仙1〉鋤,予V脚,から伽を推定することがでぎる。   〔式11−4(b)参照〕 〔7−4−1(2)の(1)参照のこと〕(2)砂質土,砂,砂利まじり砂などについてのセン断強さは,一般に乱さない試料のサンフリソグが困難である ので,次のいづれかの手段でφを推定して用いる。 (a)2章(土の分類とその性質)の表2−5によりφを推定するげ (b)N値が求められている場合は図11−11によりφを推定する。たノ、三し層厚が薄い場合(3Gcln以下)は上下  の粘土層のセソ断強さと同じとして計算してもよい。l﹃丁受一1r極緩亭,・極   ’子・ OIO↑20N〔‘tanα;”‘=cし1〆P耳τ30 1直40co50   1    !  l   I   /   1   ド   ノ   1 !     1  オ!so   l  ! I      l !  1      『,!  POI     pclPし60「sIしsf 『pfヒ・・△且謬コ7026   28   30   32   34   36   38   40   42   4446図IH2圧密による強度増加を考慮したセン断強さ      内1Ti」F?・擦角 「1乏   図U−11坪値と内部摩擦角との関係(3)圧密による強度増加を考慮したセン断強さ  圧密非排水三軸試験結果より図11−12のような直線が得ら、1したとする。  」カの載荷重をうけて地盤が完全に,圧密さ,札有効圧密がρoよりρ∫=(ρ〇十」ρ)に増加した場合,最初“)セ y断強さSoはs∫になる。  また,圧密の途中においては,圧密度Uに応じてヵ。はρ6=(ρ・+UX4p)に増加し,最初のセン断強さ一118一 1−3−3設計SDは毒となるo ただし,あ≦♪σでは強度増加しないものとする。(4)強度増加率,ηの求め方 強度増加率”z=o昂/ρは圧密非排水三軸圧縮試験結果(φσ齪)と式11−6より求められる。(図11−13参 照)          sinφc肱     卿=6㏄/♪=、一sinφc蔦……”…’…………’……””9…”………”式11−6  参考1.卿とP1との関係     圧密非排水三軸圧縮試験を行なわない場合,物理試験結果より塑性指数P1を求め,これより窩    の値を推定することができrる。(参考図11−1参照)     ”凄=0.11十〇。00371p(Skempton)0.8し己mα=m=cu加0.6  αてT%   《  !げ,!イ 1!/   Im一(号)一・ 11+0.00371pm/4cu●0.4◎   g  Io  ●0.21〈1●0一LPoσ3      σ1          σ一一一一0  20  40図11−13 強度増加率mの求め方  参考図1H一119一60    80   100   里20   140 11)’雁とP1との関係 1−3−3設 計11−3−3 安定計算の方法(1)スベリ円弧について  安定言1’算に用いるスベリ円弧は柱状図,土性図等を参考にしで次に示す条件を満足し最も危険と思わ れる円弧スベリ面を想定して描かなければならない。(図11−14参照) (a)強度の小さい層を最も多く通る円弧とする。 (b)軟弱層の基盤の上面に接するような円弧とする。 (C)軟弱層に砂層が挾在する場合には砂層を切る円弧と砂層の上面に接する円弧の両方について検討す  る。 (の 円弧.の原点は図11−14に示すようにノリ面の中心線上にとるものとする。なお,サンドパイル,サソ  ドコンパクショソパイル,押え盛土等の対策工を考慮した特別な場合にはこ,の限りでない。 LL/2盛土部蕊軟弱層砂層軟弱層図目一4スベリ円弧(1)盛土部のテンショγクラックのとり方は7−4−2(2)の(c)を参照(2)計算式とその適用  安定の検討は概略検討,詳細検討の順序で,それぞれFε・の式,Fε2の式を適用して安全率を計算して 検討を進めていくものとする。        、 (a)概略検討:地盤の圧密に。kる強度増加を考慮しない揚合     瓦1一Σ(o’」+轟詳●tal吻一…・………・……聯…………一…贈……一………式・1−7   ただし,     Fs1:地盤の圧密による強度増加を考慮しない場合の安全率      6:盛土および軟弱層の粘着力(t/m2)      1=分割片がスベリ面を切る弧の長さ(m)      W:分割片の重量(t)      0:スベリ面における垂直線と鉛直線のなす角(度)     φゴ盛土材および砂層の内部マサツ角(度)一120一 1−3−3設計  この計算によって瓦、が1,25以下になった場合は次の詳細検討を行なう必要がある。(b)詳細検討=地盤の圧密による強度増加を考慮する揚合     瓦2一Σ(‘O」慧撫畜a蜘・・一一…………一……………一・…・…………式・・一8  ただし,     F誤強度増加を考慮した場合の安全率      6:盛土材の粘藩力および地盤の圧密によを強度増加を考慮したセン断強さ(11一餅2セγ断    強さク)求め方参照)._       圧密による強度増加を考える場合の粘着力‘は次式で求める         6;60十卿(クσ十U・∠ρ一ρσ)     ’,W,θ,φ!&:前項(a)と同じ  この計算によってFs2が1.25以下になった場合には何らかの対策工を考慮して安定の検討を行なう ものとする。(1)図表による簡易計算  安定の検討(式11−7または式11−8)は,非常に手間がかかるので,式11−9によってごく大ざっばな検討を 行ない図表から簡便に安全率F5を求め,Fsが1.25以下になる場合についてのみ,式11−7または式11−8に より検討を進めてゆけば計算手聞がはぶげる。         ご      Fs=  ●F1…………”o’……’……’…一…’…’……o…一’………’……・…・…………式11−9        H・7四  上式のFsは図表を用いて次の手順で求める。 (a)最も危険と思われる円弧スベリ面を仮想し,その深さPを決める。0\H盛7岨∼o・塾一 卿 一 一  一 一 一     一 一  一 肩 一  一 一一   一   一  一  『  一   1層一一一一一一一D軟   II層               図11−15 最も危険と思われる円弧スベり面(b)図11−15のようにPを選んだ’とぎ,1層と豆層のσ,‘に特に大ぎな差がなければ, を粘着力とする。(c)PIHを求める。一121一その平均の魚の% 1−3−3設計 (d)図11−16のグラフからD/πおよび盛土ノリ面の4,84,6  勾配1εによりF、を求める。4,4                 ご (e)君が求まれば安全率は瓦冨∬γ。E・君より求まる。412 (f)図11−16は盛土材のセン断強さを考慮していない4.0  ので八が1.25以Lの時は安定であると考えて以下検  R3.8 も航4象◎3.6  討を省略してよい。、鱒3.4(2)概略検討3。2 (a)盛土のセン断強さは,盛土材の非排水三軸圧縮試験3。02,8  、ヒり求める。盛土材のセン断強さの求め方については2,6  7−4−1を参照されたい。2,40.1 0,150,2 0,30.40)50,6 0,81,0 (b)軟弱層のセン断強さは,一軸圧縮試験より求める。       DIH ⑥ 一軸圧縮試験を行なっていない場合は,gσd,N値,図1H60/丑とF・との関係 または}γ5μ,,M,。からσ,。を推定する(7−4−1(2)の(1)参照)。(d)軟弱層のセ》く断強さは各層毎に求めるものとし・その値はその層の平均値をとる・(e)テンションクラック部の計算0C BIA      w、ノ鵬z\wを(盛土材勘 ’DWI  W2=W     Eθ】w1図1H8原地盤線以下が左右対称の場合図11−17テンションクラック  α)亙)のテソションクラック深さについては7−4−2の(2)の(e)参照  (・)式11−7の分母(ΣWsinO)の計算    W・sinθを計算する,なお△ABD部分の重量はスペリ面に加わらないものとする・  6 式11−7の分子Σ(6・’+17cosθta11φ!‘)の計算    6β・」【)E十アγ1cos OL。tanφβ (f)式11−7の分母(ΣWsinθ)の計算においては左右対称となる原地盤線以下の土の重量については相殺  されるので計算をはぶき,図11−18のようにyv・shlθのみ計算すれば良い・(3)詳細検討 (a)盛土のセソ断強さは安定計算に大ぎな影響があるので,十分検討して適正なセソ断強さをとるよう注意す  るo (b)盛土荷重によリスベリ面に生ずる鉛直増加応力は各層の中心について考えるものとする。また圧密度U  は各排水層間の平均圧密度をとる・(11−4盛土の沈下の検討参照)一122一 1−3−3設計(c)盛土ノリ面下の強度増加については,図11−19に示すように,ノリ面下を∠L=4∼6mに分割し・各部 分の下で強度増加を考える。(d)盛土の沈下分のセソ断強さおよび荷重は無視する。0島H   盛土部諺.彰〆§N軟弱層・  L」   △1、=4∼5m図11−19 盛土ノリ面下の強度増加、11−4 盛土の沈下の検討 11−4−1沈下の検討 軟弱地盤上に盛土する場合の基礎地盤に対する沈下検討について述べる・ 軟弱地盤上に盛土を行なう場合には,盛土の沈下について検討し,供用後の道路に有害な沈下が残らないように,計画・設計・施工の各段階で沈下に対して対策を考慮しておく必要がある。 沈下の検討とは,次の三項目について検討することをいう。(a)全沈下量 (b)沈下の時間的経過(残留沈下)(c)沈下の平面的分布(不同沈下) なお低い盛土(2∼3m以下の盛土)においては,交通荷重の影響,舗装構造上の検討などを別に検討するものとする。 沈下の検討に当っては,沈下の発生機構を式11−10のように考えることを原則とする。     全沈下量(S)=圧密による沈下(Sc)+即時的沈下(S乞)・……………・……一…式11−1011−4−2 許容残留沈下量許容残留沈下量は表11−5に示すとおりとする。                表11−5許容残留沈下量禦麟欝醸麓嵩論一123一 1−3−3設 計 沈下の推定を行なって,1残留沈下量が上表の値をこえることがわかった場合には,盛土工程の検討,軟弱地盤対策工の検討を行ない,上表の許容値以下比なるように設計することを原則とする。(1)一般盛土部の残留沈下量とは、、予想される最終沈下量と舗装工事終了時までの沈下量の差として求めるもの とする。ただしサーチャージ工法を行なうとぎは,後述の対策工(サーチャージ工法,図11−43)に示すよう に,サーチャージ除荷後の沈下を残留沈下量と考えるものとする。(2)カルバートボックス部の残留沈下量もできるだけ小さくするのが望ましいが,30cm以下の残留沈下であれ ば,構造物の設計・施工に大きな支障はないものと考える。  ただし,カルバートボックスの上げ越し量とその形状については第8編 カルバートを参照することと「す るo11−4−3 沈下の推定手段とその適用 沈下の推定手段としては,いくつかの方法があるが,その適用に当っては,推定時期,推牢の目的,土質調査等を勘案して,表11−6のとおり目的に応じた計算式を使用する・                表11−6推定手段の適用基本計画基本設計情報数軟弱地盤地区の有無の地形・地質図判断}路線ルートの選航空写真定土質調査(既往)免概略調査予vπWL(Co)ど(層厚)1v値盛土・高架の選定対策工法の要,不要の丑(層厚)判断Gε,ηπ(層厚〉設 計対策工法の設計細盛土.工程,盛土順序の推定手段値召・lo9ρ地形,層厚から目安をつける111−2土質調査を参照Sc一茄1無,1・9・・ρ。欝11一李4参照’=T・42/らS=Sc十S’「ll二篇]”3り詳略闘在備考.推定の目的推定時期11−4−5参照 概算値を求め るときはグラ‘P土飛(沈下分)の計算7ε免(E叫) フを用いると T・42’=一 便利である    ∫S=So十11−4−6参照 ‘”伐荷重,除荷時の判定施   工路而や柑造物の上げ越沈下の実測値量の計画   (短期)S一’   α+β’舗装iの設計維  持維持補修の計画沈下の実測値オーバーレイの検討   (長期)S一≠一124一同上 1−3−3設計(1)沈下の検討に当って,時間と沈下の関係を予測することは,設計・施工・維持管理上重要である。しかし従 来一般に行なわているところのr土質調査→圧密試験→Terzaghi理論による圧密沈下計算」という推定方法 は,名神・東名高速道路の実績から検討すると,沈下の実測値と計算値のひらきは図11−20(a)に示すように, 60∼300%の問にバラジいていて,計算値に含む誤差がいかに大きいかがわかる・(2)沈下の解析方法には種々の提案があり,二次圧密現象の考え方,弾性体としての解析法,あるいはクリープ 試験から求める方法等様々である・いづれも現場データと対応してその妥当性を示しているものはなく・むし ろ現段階で一般化されている,Terzaghi理論による結果は,現場実測値と大きな差があることを指摘してい るに止まっている段階といえる。(3)本設計要領で採用した沈下推定手段は,表11−6に示すように,推定する時期(推定の目的と得られている 情報が異なる)によって推定手段を変えていく考え方をとった。  すなわち基木設計の段階では,土質調査も概要しかつかめていないので圧縮指数(Cσ)から沈下量を求め概 略の見当をつけ,次に詳細設計の段階では,土質調査もかなりくわしいデータが得られているはずであるので, 圧密試験結果および一軸圧縮試験結果を用いて,沈下量を算出する方法を採った。(’1)詳細設計の時グ)推定方法(S=Sc+S{)によって,名神,束名のデータをチエックすると,その推定誤差は 図11−20(b)に示すように±25%稚度になった。  しかし詳細計算といえども,たとえば200cmの沈下量が計算上得られれば150∼250cm程度の誤差があ ることであり,計算値の信頼度がこの程度であることを承知して設計を進める必要がある。(5)設計段階では,土質調査から沈下量を推定して,対策工,工程等を決めざるをえないが,工事が始った段階 では沈下を実測し,実測値を解析して将来沈下を推定する手段が最も信頼度の高い推定手段となってくる(11 一杢6沈下の推定法一実測伍から求める場合一参照)。  したがって盛土の動態観測を行なわずに,当初の計算値を過信したり,施工中までその値にこだわることは 慎しまなければならないQ300修』liしたe−1。9端線  ・/S隅Seグ)lil・弊二∫1荏による1言十算f直      o200200l翻  冷。計IiI一算100起ド量 70Sc 50(cm)30算100沈 が10  φ・下諺餐!歌日窃辮矯    驚・訣、     一旺 70』ES 50(c叩)  30__一【__↓_」30  50 70 100  200 30030    5{)  70  100      200  300 菩光rI・’実測値  Sf(cm) 沈下実測値 Sf(cm)図11−20(b)実測値と計算値(s,・トsじ)の比較図11−20(a)実測値と計算値(従来の)の比較一125一 1−3−3設計11−4−4 沈下の推定法(概略調査から求める場合)概略の土質調査の結果から沈下の推定を行なう場合は,次の計算式を用いて計算を行なう・         Cσ  カ。+ゆ    Sσ=Σ昂1+θ。lo910クC …o’……………一’………………oo………’o………・…式11−11      T・42     ’二   ………………・…一・…………9・…・……………99………・………9・一式11−12       ‘りここに,      乱:圧密沈下量  〔cm〕 ≠・襲と鍔繋高〔sec〕      π=各層の圧密層厚     〔cm〕                         Tl時間係数      OG:圧縮指数                         4:排水距離   〔cm〕      θ。=軟弱層の初期間ゲキ比                         6u=圧密係数  〔cm2/sec〕      カ。:土被り荷重    〔kg/cm2〕     イρ:鉛直増加圧     〔 〃 〕      P、=先行荷重   〔〃 〕概略計算は次の手順で行なう。(1) 土層の分類く一柱状図,土性図,自然含水比分布,N値分布等(2) 力・の計算←一軟弱層厚(∬)・各層の単位体積重量(r‘),地下水位(3) ♪σの計算←一 軸圧縮強さ(伽)分布(4) ∠カの計算く一盛土高さ(Hβ),盛土材の単位体積重量(加),盛土形状(5) 6。の計算←一土の自然含水比(P匹),土の比重(G、)(6) Cσの推定←一液性限界(WL)または自然含水比(Wπ)(7) oりの推定←一PVLまたは土の分類から(8) 4の 判定←一排水層の位置(9) 圧密度(U)とTとの関係㈹  Sと渉の関係←一盛土工期の補正 この計算は土質試験が不十分な段階で,圧密試験結果が殆んど得られていない場合に適用される。(1〉〔土層の分類〕=地盤は深さ方向に変化していて,種々の性質の土がタイ積して形成されている。したがって,        先づ地盤を同じ性質とみなせるいくつかの土層に区分しておく 必要がある。        土層の分類には土の自然含水比を手掛りとして,その他物理特性,N値等を参照比較しな        がら,層区分していく。        区分された土層については,次の土質イγデックスを決めておく必要がある。         深度(夕)cm,層厚(H)cm,単位体積重量(γε)g/cm3,自然含水比(Wπ)% 液性限界         (四石)%,土粒子の比重(G5)一126一 1−3−3設 計(2)〔ρ。の計算〕= 土被り荷重の計算に当っては,計算は各土層の中央深度について算出する・また,圧密計算では有効応力が問題となるから地下水位以下の土の単位体積重量は水中単位体積重量(アひ)g/cm3を用いる。            1  カ・一私耐瓦(γ遇2−1)+静(γ53−1)”一…式11−13        7F7r1一………・……・……・……・…・……式11−14(3)〔ヵ、の計算〕:圧密試験による先行圧密(九)が得られていない場合には,一      軸圧縮強さから式11−15によって九を推定する。        九=2乳………・一・…………一……・…………式11−15      一軸圧縮強さが得られていない場合はρ,÷あとして沈下計算      する跳沈下量は過大な値を示して誤差の大きくなることがあ図11−21土被り荷重       る。(4)〔∠♪の計算〕;鉛直増加圧(∠カ)の計算は・土被り圧と同様各層の中央深度について行なう。∠カの計算は        弾性論により求められる各種の計算図表を用いるが,道路盛土のような台形の半無限長とみ        なせる荷重の場合には図11−23「Osterbergの図表」を用いるのが便利である。        また,荷重が矩形の等分布荷重である場合には,図11−23「Newmarkの計算図表」を用い        ると便利である。        沈下して原地盤下にめり込んだ土量は,上載荷重に加えないで計算してよい。ただし詳細な        チェック計算や沈下量が非常に大きくこれを無視できない場合(1.5m以上)には,水中重        量分を荷重に加えても良い。この場合は計算条件として明らかにしておく必要がある。1・sterbergの図表の用い方1(a)盛土中心下の応力を求める場合(左右対称)直﹃  Hγt  イ)σ/2,房之を計算し,図11−23より1を求める。  ロ)9;E×γ5………………・…・・………一一9…一…式11−16  ハ)助=2×1×9………・……………一・………一・式11−17Z(b)盛土下の応力を求める場合(左右不対称)  イ)α/∼,み、/ζを計算し,図11−23より11を求める。肝1図11−22(a)左右対称の場合b2  ・)α/∼,わ2/2を計算し,図11−23よりろを求める。  ハ)イρ=(11十乃)×σ…………・……・・………………式11−18Z図11−22(b)左右不対称一127一 1−3−3設 計(e) ノリ面中央下の応力を求める場合a1『a  イ)2σ/z,(α+わ)/zを計算し,図11−23より1を求める。  ロ)4ρ=1×g………一・…・…・一…・…………曾一…式11−19Z                                    図11−22(c) ノリ面中央下 (d)ノリ面任意点下の応力を求めを場合a2   イ)(の+α2)/之,(μ+わ)/εを計算し,図11−23よりムを求める。   ロ)α1/z,みノ著(δ=0とする) を計算し, 図11−23よりろを求耐一b「HユH2     めるo   ハ)α2/z,ゐ/z(δ=0とする)を計算し,図11−23よりムを求Z     める。   二)∠カコ11×(H・+H2)γr12x H175十13xπ2γε……式11−20       図11_22(d) ノリ面任意点下 (e)盛土敷外の応力を求める場合膿1臨糟灘胃多織弊乍エコ   ハ)∠P=(ろ一.の×σ……・……一………・…一……式11−21     へ                                   Z                                    図11−22(e)盛土敷外 ただし,オスターバーグの影響線図から1を求めるときは イ),・)またはハ)に記してある第一項の計算値は,図11老3中(好之)で示してある横軸で読み,イ),・)またはハ)に記してある第二項の計算値は,図11−23中に(み/8)で示してあるllh線で読み両者の交点で1を求めるo一128一 1−3−3設計b/z=面00.500.50 20.8140.451.2b z=】00.900,400.40O.8影 影 響0.35 値0.7響 0.35値0.6  11b/z=0.5.0.300,300.40.250.250.20,20a†b0.20,15■0.15q0.10.100,10q=単位荷重σz=10,05’qz0.05b z皿01σZ00.010.020.030.040.050.050.080』  0.20,30.40.5α60、81・O                 a/z        図11−230sterbergの計算図表一129一         02.0  3.0 4。05. 6.08.010.0 1−3−3設計lNewmarkの図表の用い方1(a)矩形荷重の隅角部下の応力を求める場合(基本式)     卜『B一「  イ)郷=B/2,π=L/Zを計算する。    図11−25より1σを求める。  ロ)4=9×㌃…………           一式11−22     ▽Z善図11−24(a)矩形荷重の隅角部下(b)矩形荷重の任意点下の応力を求める場合  イ)1,皿,皿,Nの4ブ・ックに区分する。  ロ)各ブロックについて(a)と同様にして求める。  ハ)』カ=9(1σ】+fσ2+1σ3+1σ4)一・一      ・・式11−23      1図11−24(b)矩形荷重の任意点下(C)矩形荷重の外の任意点下の応力を求める場合  イ)1,皿,皿の3ブ・ックを仮想して4つの短形についてル   を求める。 ’ノ 1.’! 111 /  ロ)∠ρ=σ(五σ1+2+3+4−1σ、+2一五σ、+3+h)……………式11−24 !     ,        ノ仁一一ム”一…一ノ図11−24(c)矩形荷重の外の任意点下一130一 1−3−3設計       (m)・rn1・5   2  2.5 3 3.544,55  6   1.078910,08910.0 10.0ご 9.0 8.0 7.0も正σ=。20 一19.ゴ8ρ・17 6.0曳。4.0(5.0ど4.5ご“嵩∈3.5 16き勇ン14=一_憲犀’\・13 、・幽一・07N 05参む白 2.0’謬ひ“  .3  .2.5  .2!1’④1.51.0  .4一  .3.5貫・〔⇔鴇 2.5  .4.5、で『! ,一1σ『!0蜜伊 3.0  .5 へ1  ・12 、毫  1,0   .9  ,8   ,7  .6’錫欝蓼餓・懸鎌.15.10 0.115  ,2 .25.3,35.4.45.5 .6,7.3.91.O    l.5   2  2.5 3 3.56 7 8910 (m)。r n   図ロー25NeWm3rkの計算図表(5)〔o・の計算〕=土の問ゲキ比(θ)と含水比(飾)比重(o・)および飽和度(s,)との間に次の関係がある。          6輩’0毫___._…____。______9______式11−25(の            s7        一般に軟弱地盤では飽和度は100%とみなせるので自然含水比から召・を求めることができ        る0                1          θ。=¢〃パOs×一…・一・一一…………薗一一…・一一・………一・式11−25(b〉                1001雑礁魏:}熱雛魏びていない は1.間接的に既往の調査資料を整理した関係図から (a)四πから0σを推定する場合      Cσ=0.01¢砺(11−2r土質調査」参照) (b)WLからOcを推定する場合(チュウ積粘土)      C。=0.009(2〃L−10)(図11−26参照) (e)WLから砺を推定する場合      図11−27により推定する。(8)〔4の判定〕:排水層の判定は,沈下の計算に大きく影響をおよぼす重要な要素であるが,従来確実に排水        層とみなせる場合(かなりの厚さの砂層が連続して存在する場合)以外は薄い砂層等は連続        性がないものとして無視する場合が多かった。        特に比較的浅い深さの構成が複雑な粘土層は,レンズ状の砂がかなり挾在している場合が多        く,安全側に考えてこれ等をすべて無視した計算をすると圧密に長時間必要なものになる。一131一 1−3−3設 計         名神,東名等のデータ (図11−28)によると,沈下が推定値よりかなり早く進んでいる場合         が多い。あるいは,サンドドレーン工法が計算値ほど効果を示していない等の現象が多かっ         た。この原因は,上記の排水層の判定に起因しているようである。         排水層の判定にあたっては,地形学,地質学的考察を加えることが必要であるが,厚木では         5cm以上の厚さの砂層は排水層と判定して良好な推定を行なった例もあるので,一応,厚         さ5cm以上の連続した砂層が存在する場合は,これを排水層として良いものとする・(9〉〔UとTの関係〕1圧密度(U)と時間係数(T)との間には次表の関係を用いる。                表11−7ひと牙との関係(二面排水)u   10(%)T  O.0082030405060708090951000.0310.0710.1260.1960.2870,4030.5670.8481.13OQ⑯ 〔Sと’の関係〕1沈下と時間の関係(S一≠曲線)は瞬間的に盛土が載荷されたものとして理論計算してあるの         で,盛土の施工速度によってS一’曲線を補正しなければならない。         補正は図11−29に示す方法によって求める。         まず,時間’=0において瞬間的に載荷されたと仮定したときの沈下曲線0/1Fを画く。         盛土期間を置。とするとき,時間≠。/2に対する沈下点且を求め,水平に移動して,≠。線         との交点βを求めるとこれがちにおける実際の沈下を与える。         任意の時間∫については,’/2時間に対する沈下点Cを水平に移動してち線との交点D         を求め,0・0を結ぶ直線と∫線との交点からE点を求めるとこれが≠における補正され         た沈下点となる。         時間ち以後の沈下は・4F線を水平に≠。/2移動してβ0線を求めることができる。一132一 1−3−3設計 1.6 1.4 1。4   〔:C一。.。。9(,,,1,一3。)  紳’! 1.2          .“蝿艘/o      ▲   9!〆  /燭し/σL2、4響雛論、_課0.8}1.OQ緑0,8卑 0,6環田0,4 0.2 0    ㌦。畷’窺3G“鐸嘆〆   ノ/         ▲束大阪チュウ積粘土          /■1民×、 x         /  K斎    K X!葱 1.0蕪田0.6 0,4 0.2 ×’,ノ〃! 02030 4050607080901001101201301402030405060708090100110120130140   液性隈界”L(%)  液性限界ルL%    (b)洪秋粘土  (a》チュウ積粘土 1.4        Cご=0.009(星りr10)_隻F駄暑ぞ£銚一 1.2げ1.0勲 0,8蕪罷0,6  ・詫.=3辮1二i,4匙二璽1一〇.4 0.2 03040506070809010011012013014020   言夜竹三1畏 罪!σr.(96)    (C〉埋立枯土 図11−26液性限界と圧縮指数10冒410−3    0 ♂  ‘ρ  o■詮ぬ目り押1獣りゆ   ♂ も8 、80ψOOD舜掛命・亀。 。も。3。0  0 6)8 雄o_韓 10『3雅葛庫騨弼出’、!、!泌  毛  詮  日  き  薫10『迷  聖  †田艇 。チュウ積粘L● 才共積粘ゴニ’%竹’rl1による∫児場窪児i則f直10一2””IllTerzaghiとPeck         10−1≡三川山奇*占土20   60   100   140    液性限界盟L(%) 図11−27 圧密係数と液性限界の関係図一133一 一1ω1ω大垣試盛尼ヶ崎賦盛厚  00  20沈40                           (月)(日)35361  3001v沈下10量15量  801㎝)  10060量80N100SCP  20SIB)120S〔Cl¥25160o鵠1 l140駆・9想s∼皿30■軸135受甲図0り乙訓試盛南401嵜一ω吟引1冊整沈沈40量120¥(%)80         ノS下  o.6量NS 100 1600沈0.4下 60比下 曹  一0.2  20  80(㎝)謹4 6 8 101122  22   4   6  0SN幸田試盛(国鉄)  (月)     3635QQ037  14040下(㎝)(㎝)  12Q14 16 18 20o20  5沈下 60o    20 0  4  6  8  10 12』N(m)0.81.01,220406080100120140160180200                (日)高浜(恋瀬川)試盛(国鉄)(日)100       200沈 0下           3005N………無処理40S……・一サンドドレーンSCP・一サンドコンパクションパイ’レ量0.4P D……ぺ一バードレーン(m〉SCP  0.8国1.2P.D.3910411も貼理 1−3−3設計「,盛土期間一 一  一  一  一  ”          『盛圭局to¥、 、 、 、  ¥   、   ¥   C0     t/2t。/2 tED¥A「   、    、     、      、      、   to   『   2B鴨 軸醇沈下量時間f一一言図11−29沈下曲線の補正11−4遍 沈下の推定法(詳細調査から求める場合)精密な土質調査の結果が得られた段階で沈下の推定を行なう場合は,次の計算式を用いて計算を行なう。全沈下量は    s=sσ+s乞……………・一∴……一…■一一…………・………・……一・・一…式11−26ここに &一Σ篇19E…一・………………一・…………・……一一……・…一…式11−27      3ε=∠4・γ四・EE…・・…・………・…… …………一・…・……一…………■…一・式11−28ただし     Sl全沈下量     〔cm〕  Hl各層の軟弱層厚さ     〔cm〕    Sc=圧密による沈下量    〔cm〕  ・4:地盤の即時沈下の常数 〔cmヲg〕    Sε1即時的な沈下量    〔cm〕  7認=盛土材の単位体積重量 〔g/c血3〕     6。=初期間ゲキ比  Hガ盛土高     〔cm〕     6:圧密終了後の間ゲキ比時間∼沈下の関係は・・………………・…………一・…曾…・一式11−29    昂=uゲsσ十s,………………・…………    ,=世2,,.,,,,,』,.』』,,....,,,,,,…,,,,,,.,..………一・………………………・一・一式11−30      ‘ひここで  .     S51時間♂の全沈下量   〔cm〕    ∫:仮定した圧密度U  〔sec〕    までに要する時間     U〆時間♂の圧密度     Sσ1全圧密沈下量    〔cm〕     Sε:即時的な沈下量    〔cm〕  丁3時間係数  4:排水距離    〔cm〕  6り:圧密係数  〔cm2/sec〕一135一 1−3−3設計 沈下計算の具体的手順は,次のとおりである。(1)土層の区分←一柱状図,土性図,四π分布,N値分布等(2)カ・の計算←一軟弱層厚(π),各層の単重(γ5),地下水位(3)∠♪の計算←一盛土高さ(恥),盛土材の単重(7εβ),盛土形状(4)θ。,6の求め方←一6−log♪曲線(5)&の計算←一式11−27(6)Sεの計算←一軸圧縮強度(σ。)分布,砺,7四(7)全沈下量S←一Sc,S重(8)各層の0”の決定←一圧密試験(9)圧密係数(0・)による層の換算く一各層の厚さと圧密係数O① 排水距離の判定←一排水層の位置O⇒ 圧密度(U)と時間係数(T)←一表11−7⑬ 時間(≠)と沈下(S占)←一式11−29田 盛土期問による修正←一図11−29 なお,詳細計算は手順が複雑であるから,工法,工期の目安をつけてから詳細計算を行なうと良い。概略の目安をつけるときは次式をもととした。グラフを利用すると便利である。      sσ=Eg4か1’勧…一一式11−31        (卿u;体積圧縮係数)                ゆ        ただし,絢は♪。+一に対する値とする                2 この計算は詳しい土質調査が進み,圧密試験データも得られた段階で行なうものであり,圧密沈下と即時沈下.の両方を考慮する。 計算手順のうちrカoの計算」r∠カの計算」r排水距離の判定」r圧密度と時間係数」r盛土期間による修正」の項目については,概略計算で述べた解説事項と同じ内容がここでも適用される。上記(1)〔土層の区分〕:細分化された各土層に対しては,次のイソデックスを与えねばならない。単位体積重           量(7β),圧密係数(0。),荷重間ゲキ比曲線(6−109汐曲線)。上記(4)〔θo,6の求め方〕=間ゲキθ。,θを求めるときは,図11−30のように各層を代表するσ一10gρ曲線を用い            て,鉛直応力がρ。およびρ。+4ρの時の間ゲキ比をそれぞれ求める。            (注) 従来θoとして圧密試験から求められた試料の「試験前の供試体間ゲキ比」を用いたり,あ              るいはρσを利用して現場圧密曲線を作図して・それにより間ゲキ比を求める方法等があった             が,実測値と必ずしも合致する方法とはいえないので,θ一10gヵ曲線の用い方は,図11−30              のとおりとするo            砂層の沈下は,式11−32のとおりN値を用いて計算する。              S一α4撃1・譜表4ρ一・・…・・……………・一・・………式・・一32一136一 1−3−3設計         あるいは,図11−31に示すB.K.HOUghの砂についての圧力問ゲキ比曲線を用いて         間ゲキ比を推定し,粘性土と同様に           S一π・璽……………・………・…一・・……………一・・一式11−33              1十60         によって計算するo上記(5) 〔Scの’計算〕=各層の圧密沈下量(Sσ)は次式で求まる。           S・一縦9H一………・……………・…・・……………一・…式・・一34上記(61  〔Sεの計算〕:即時沈下を考慮する理由は,次のとおりであるb        (a)多くの現場データを整理すると,圧密沈下計算値だけでは実測沈下量をかなり下まわっている。(b)実測沈下の状況をみると,盛土施工中およびその直後に大きな沈下を示し,この沈下は圧密沈下理論 では説明がつかない程大きい。 1.0.頭,・転4 0.9【㌔△P‘og l)碓たφる悔 0.8eI助0。7一鳶0、、、、り’彫る吻(1v語4∼、        10ノゲキ0、6比 0,5e ・、、、 『、、、、一伽こ郭つ蜘帳1。、 、  、  、3の  、締ま つた砂「N−30−50)り ー非伽噺まった砂N>50_e『r輔  一『 、 一 r 0,4、 、、、一       一  一『 −隔 魍璽 ●一  一一 0.3図”一30間ゲキ比の求め方  0.10.20,30.5LO2.03.05.010203050    圧力(kg/cm2)図ll−31砂の圧力∼間ゲキ比曲線      (B.K.Houg置一)(c) この盛土直後に起る沈下は,地盤によって異なるがほぼ盛土荷重に比例して発生している。(通)圧密沈下の計算は,圧密試験の試験条件(側方拘束状態)を盛土荷重に対して適用させているので現 場で実際に発生している土の側方流動等による沈下量は,圧密沈下計算値には含まれていないQ 上記の諸現象を総合して,即時沈下量(S名)を次式のとおり,簡単な弾性変形量として沈下に見込むこととする。   SF/107占EoHε……’9’……………’…’。’………………。■…’…………●…9…………式11−35          −   1   イ4=(12,4−0.44Eσ麗)x一・・一…………・…・……一………・……一………一・式11−36             100 ただし    S乞=即時沈下量                  〔cm〕   γ呂ガ盛土材の単位体積重量            〔g/cm3〕一137一 1−3−3設計   πゼ盛土高さ              〔cm〕   Eσゴー軸圧縮試験から得られる変形係数の平均値  〔kg/cm2〕   ・41即時沈下の常数               〔cm3/9〕 経験式であるから式11−36のデイメγションは合致しない。式11−36は束名,名神のデータにより求めた相関関係式である。 試験盛土等によりその地区の特性が事前にわかっていれぱ,その値によって良い。S乞を求める手順は次のとおりとする。ρα)一軸圧縮試験の応力∼ひずみ曲線からE叫を求める280Equ(㎏んm2)σ       l tanα=翫V VvV 口一  qu  qu/2平均》 vVV10のEquv V20ε図11−32E伽の求め方__.=’り、奄o璽一13’Φ’9i6・q1 ■,o■免o30H(m)図11−33 平均E鴨の求め方(・)地盤の瑞・‘の分布を深さ30mについて求め,次式より平均のE卿を求める・1   一    Eσμ菊Σ(Eσ㏄×E)”…0…0……0’”………’”。’………r’0””式11−37  深さ30mの平均をとったのは,応力分布から考えて,それ以深の土性にはほとんど関係ないとみな せるからである。  ただし軟弱地盤が10m程度で,それ以深が岩盤であっても30mまでは計算対象とする。砂,砂レ キ層,岩盤などで一軸圧縮試験を行なっていない固い層および一軸圧縮試験を行なっていてもE咄が 28以上となっている固い粘土層があるときは,その層のEq艮は28として計算する。(Equ=28とはA =0のときである)㊦ 次式より係数Aを求める。          一   1   ∠4=(12.4−0.44Eq防)×一・………一9……・………一・……一…一…・………式11−38            100    ∠4:〔cm3/9〕   Eg巴1〔kg/cm2〕ω 盛土高(cm)と盛土材の単重(g/cm3)により,即時沈下(cm)を次式で求める。   SF∠4gZIE・7εE一一・・………………・σ…・……・………・・……………・…・…………式11−39㈱ S多は盛土施工と同時に終了するものと考える。、一138一 1−3−3設 計上記(8)〔各層のo。の決定〕=6りは圧密試験によりえられた,1096.∼10gヵ曲線から代表的なものを選定し,         助       ρo+コ「に対応する0,を計算に用いる。上記(9)〔0りによる層置換え〕=地盤を圧密特性によっていくつかの層に区分するが圧密係数の異なるいくつか       の層から成っている場合には,層厚を次式によって同じ圧密係数を有する地盤に換算       する。          罵∀霧+塀寡+……+鑑療…一…………式・r4・        ここに           π’1換算層厚さ          (m)          臥:(瓦+鳥+……+私乙二∬) π,しは換算前の各層厚さ(m)           6,’:仮定した任意の圧密係数  (cm2/sec)          6搬:∬π層に対応する圧密係数  (cm2/sec)上記⑬ 〔沈下(S5)と時間(渉)〕1時間∼沈下の関係は概略計算の項で記したとおりであるが,即時沈下量(Sε)を       下図のように合成する。盛土高時問II即時沈下1Si1﹃﹃IlIII沈ド量ScS十Sc住緯陀ア金塗アSi1図ll−34即時沈下と圧密沈下1グラフによ徽略計算1 図11−35を利用すれば,沈下量および所定の圧密度に要する日数の概略を求めることができる。 図11−35のもととなる計算式は次のとおりである・     Sσ=Hg∠か1,’u…一・…・…………・・一…一・・……………・・………・……・…・………式11−41       T・イ2      渉=一  …………’’’’”……’…………■o’………………”……”…………o………式11−42        0り 図の点線例について説明すると  計画盛土高(7.5m),盛土材の単位体積重量(1.5t/m3),軟弱層厚(5.5m),体積圧縮係数(1.2×10−2m2/t) を順次与えて直線を延長していくと沈下量(0.7m)が得られる。 次に残留沈下を1Gcmとすると,圧密度は86%進行しなければならない。したがって,圧密度(86%),軟弱層厚(5.5m),ら(2x10〕3cm2/sec)を順次与えると所要時間(310日)がえられる。一139一 1ω一1ω貼卑 残留沈下量〔㎝〕1015   20   253095折れ0点折折れれ点0.2ら憐∼ogo線組0.410貯2     0.8  禽2勺チな1E駒“引鎖譲、432ボ3菊i.2扮 難 ’ゆ蕊施L4E墨墾∼σ・ ’    1.6噌← ノ、、  冶⑳ ¥  3 ¥  ¥  づ=詮 ぷ㌔\愚.00     ¥¥ ,ノ       ¥ ,,2勺δ2る乾ゆ 2800、¥轄げ5 ¥、600  、、、22.4、40¥953,!3北∼び7∼010   可松¥    、 、2.21 々黙1000  6嬰60   8      ¥         ¥   9         ¥3020営5s、ごら郵  罎    、40々1200  Q ら添70惑76¥\③β勺o」53四¥讃50 !0口 G田語∼ヤ∼02  2・2ll\諄・コ製専濯 ノ1     1,8¥、¥∼oI    ’140086    δ駅聖  ε  ’工.0⑳1600器え≠、〇一’       へ 3698288わぐzσ30,6一1線922.62,83.0図11−35擬略計算のグラ7 、電200 マ、界∼げ魯0霞 1−3−3設 計11−4−6 沈下の推定法(実測値から求める場合) 施工中の動態観測により実測値として時間沈下の関係がえられているときに,その後の沈下を推定する時は次式によって求める。          ≠     SFS。+   ……………o…………一一・……………………一…………式11−43(呂)         α+β♂         1     Sノ=S・+万……0一…………’…’……’”’一●’………’一”’0式11−43(b) ここで     〔瀧li驚 il雛嚇] 沈下の計算の具体的手順は次のとおりである。盛1聾11:土高tt篇0実測値’    o SoSt」沈下量●  o  ●o時時間1 I I I I l i 巳 監。‘現時点起点日図11−36実測値による沈下の推定方法(1)、(2)(3)起点日(仁0)を決める←一盛土終了日を房0とする。各実測値について∫/(SrS。)を計算する。≠と’/(SrS。)の関係図にプ・ットする。(4)係数α,βを決定←一’と’/(SrS。)関係図の直線性(5)Sεの計算(6〉S一≠曲 線←一双曲線による沈下一時間曲線 時間と沈下の実測値をプロットするとその曲線に一定の規則性がみられる。この推定法はその性質が将来も継続するものという仮定のもとに将来沈下の推定をする手段である。 沈下曲線の一定の規則性として,奴沈下の平均速度が双曲線的に減少する”という仮定に立って,式が与えられている(双曲線法ともいう)。一141一 1−3−3設 計上記(1)〔起  点  日〕=沈下曲線が一定の規則性を示すのは盛土が終了して,定荷重になってからの沈下曲線        についてみられる。従って計算の起点日は盛土終了日とする。その日までの沈下量は        S。として初期沈下量という。上記(2〉〔∫/(SrS。)の計算〕=起点日から≠日後の実測沈下量S彦が実測されているから,各実測値について        ∫/(SrS。)め値が求められる。上記(3)〔’と≠/(SrSo)の関係図〕1≠と!/(SrS。)の関係図をプロットすると一般に図11−37のようになる。        すなはち経過日数が小さい時(1ケ月未満)のプ・ットは直線からはずれバラツキも   6“℃み“ tβSt−So0   0θα                               t               図11−37α,βの求め方        大きいが,経過日数が1ケ月から3ケ月の突測値のプ・ットした点は直線性がある。上記(4)〔αとβの決定〕:プロットされた点のうち,経過日数の大きい最近の実測値に重点を置いて直線をもと        め,縦軸との交点および直線の勾配から,係数αとβを求める。上記(5×6) 〔Sとずの関係〕=α,βが決まれば式1143(a),(b)に代入して,将来任意の時点の沈下量(Sε),お        よび最終沈下量(S∫)が求められる。        なお,この推定法の使用に当って次の点に注意しなければならない。        (a)実測値が長期のものである程精度が高くなる・少なくとも三ケ月間の実測値があ         ることが望ましい。        (b〉土性および層厚が異なる複合地盤で構成されている地盤ではそれぞれの層の沈下         量を実測し,各層について双曲線法により沈下量を求めるものとする。          たとえば陸成の上部粘土層と海成の下部粘土層より成る揚合,上部層の沈下量の         大きな層の1“1線の影響が強くでてきて,除々に沈下する下部層を無視することとな         る。          したがって全層を合計した地表面の沈下板の測定値のみで解杭すると,残留沈下         を過少に見つもる場合がある。          沈下の実測に当っては土性の著しく異なる深度で沈下量が分離できるように地巾         埋設タイプの沈下板を設置する必要がある。一142一■ 1−3−3設計11−5対策工法 軟弱地盤対策工・法には種々の工法があるが,これらの対策工法は基礎のスベリ破壊の防止を主目的とするもの,沈下に対する対策を主目的とするものおよび両者を兼備したものとに分けられる。対策工法はそれぞれの目的によって効果は異なるので採用に当っては十分目的を理解した上で,現場の条件に応じ適切かつ経済的な方法を選択し,また併用による効果の増大をはかるも㊨とする・                表11−8軟弱地盤対策工法の種類,分類押え盛土工法置換工法(部分除去)基礎のスベリ阻止に対して有効な方法盛土速度制御工法サンドコソパクショソパイル工法載荷重工法沈下促進に対して有効な工法サンドドレーン工法カードボード・ドレーン工法置換工法(全面除去)スベリ阻止,沈下軽減に有効な工法サンドコンパクションパイル工法構造物による盛土荷重の軽量化をはかる工法バイブロフローテーション工法ゆるい砂層からなる軟弱層の対策工法ウエルポイント工法発破などの衝撃を利用して砂層を締固める工法真空工法(大気圧工法)その他熱処理工法  特  殊  工  法電気的,化学的工法化学繊維敷布,敷網工法,鉄網工法注 敷砂工は原則として全ての軟弱地盤において,排水層およびトラフィカビリティ確.保 のため施工するものとするo(1)敷  砂  工  盛土基礎地盤上に施工する砂層でスベリ,沈下ともにとくに間題はないが,地下水位が高く表土が比較的軟 弱な田面・湿地およびサソドパイル打設ヵ所に施工する0.3∼1,0m程度の敷砂である。  これは基礎地盤,砂柱および盛土からの水の排水,盛土中への地下水の上昇を遮断する効果がある・また軟 弱な表土上での重機の稼動を容易にする支持層の役目をはたす。 (a)敷砂工の材料および施工   敷砂の材料は透水性のよい粗砂または砂利まじり砂G透水係数100(cm/sec)烈10了3(cm/sec)が好ま.しい)  とし,サソドパイル施工個所では打込みに支障のない粒径でなければならない。   敷砂工施工中および盛土施工中に砂が乱され材料が細粒化したり,泥土,粘土が混入し排水効果に支障が  ないよう十分注意して施工しなければならない。(b)盲  排  水   敷砂として山砂などの細粒砂を使用したり,地下水が多く敷砂だげでは排水効果が期待できない揚合には,一143一 1−3−3設計敷砂内に盲排水溝(砂利,栗石または有孔管など)を施工し,排水効果をあげることが望ましい。                        盲排水 二                                 『                                 .4                                r           −                                 −響禰響押_{        (断面図)                 (平面図)図11−38敷砂内の盲排水表11−9盲排水鳶施工例工 事  名盲排水の種類と断面盲排水の間隔愛 甲 工 事50cm x50cm,75cm x100cm30m×30m焼 津 工 事60cln x60cm(φ20cm有孔管)30m×30m袋 井 工 事60cm x60cm10m×20m(2)除去置換工 (a)除去置換工の種類  α)全面完全除去法(図11一一39a)   軟弱層の全部を基礎全面にわたって除去する工法である。    これは軟弱層が薄い場合,あるいは盛土高が低く将来の交通荷重に対してデフレクションその他の間題   が起る可能性のある場合に行なわれる。経済的に施工できる限界は軟弱層の土質,厚さ,地下水位,施工  機械の能力によって異なるが,一般には軟弱層の深さが地表面下2m以内の場合に限られる・・  (・)全厚部分除去法(図11−39b)   軟弱層が薄いところでは圧密沈下については問題はないが,スベリ破壊の恐れがあるような場合には,   ノリ尻部分を全厚部分的に除去して,良質材で置換える。  6 上部完全除去法(図11−39c)   軟弱層が比較的厚い場合に圧密時間,沈下量を減少させるために層を薄くすることを目的とする。すな   わち軟弱層の上部を全面にわたっておきかえる・  ←)上部部分除去法   軟弱層が厚い場合にとくにスベリ破壊の危険のある部分,すなわち最も危険なスベリ面を包含する部分   を良質材料で置きかえるもので,“)に対する@と同様な効果がある。ただしこの場合置換え部の下の軟弱  層を大ぎく包むスベリ面を仮定し,それに対して安全性を確めてみなければならない・一144一 1−3−3設 計盛  土灘除去おき嬢           除去おきかえ部(a)全面完全除去      (b)全厚部分除去      (c)上部完全除去         図11−39除去置換工(b)除去置換工の施工 そf)掘削除去法   軟弱地盤では重機械の掘削面への乗入れはまず不可能である。   したがって掘削には,ドラグライン,スラックライソ,ドラグスクレーバーなどの掘削機械を用いるか,  サスペソショγドレッジヤーなどのしゅんせつ機械を用いるのが有効である。   掘削ノリ面はあまり急にすることはでぎないから,かなり余裕をもった面で掘削しなけれはならない・  置換え材料はできるだけ排水性のよい良質な砂質土を用いる。 (→ 盛土自重による除去工法(自重強制置換工法)   盛土の自重によって強制的に軟弱層を押出し,それを掘削,除去する方法である。これは盛土に,過剰  載荷(余盛)を行ない,先端部の軟弱土を押出し掘削除去する工法で,押出しを助けるために,2∼3m  の深さの掘削と,場合によっては,軟弱層内にウォータージェットを吹き込み,地盤を軟化させることも  考えられる。周囲に家屋,田畑の密集した地域での適用はむづかしい。 6爆破工法   発破によって軟弱層を完全に除去するか,あるいは側方へ押し出してしまう工法であって,人家や周囲  の田畑に障害をあたえる危険のないところでのみ用い得る工法である。  参考一1 東名高速道路袋井工事における全厚完全除去法の例(自重強制置換)  参考一2 東名高速道路大井工事における上部部分除去の例(3)押 え盛土 (a)適    用   軟弱地盤上に盛土する場合基礎のスベリ破壊に対して圧密後の強度増加を考慮に入れてもなお軟弱層の強  度が不足してスベリ破壊を起す危険がある場合には,図11−40のように盛土外側に対重として働く(スベリ  に抵抗するモーメソトを増す)押え盛土を行なう。   押え盛土の断面は軟弱層の厚さ,スベリ面の位置などによって決まる。押え盛土を計画する場合の安定計  算は規定断面では不安定な場合,盛土側方に対重として働く荷重として考え次の要領により計算を行なう。   なお押え盛土の施工の順序として,押え盛土の工程が盛土本体より遅れることがあってはならない。   この工法では残地があるか,あるいは側道等と兼用することができる場合には極めて有効であり,用地費,  土工費等を勘案して採用しなければならない。一145一 1−3−3設計(b)押え盛土の断面形状の決め方                                    、.  押え盛土の断面形状は次の手順で決める。 臼)押え盛土を考えるとぎの前提条件   地盤の強度増加を考慮した詳細検討による安全率(11−3−3(2)b参照)が1.25を下まわったとぎに,押え  盛土を考えることとなる。    辱Σ{60」+顧讐磯詔ヂ琳cosθta咽一号くエ25・…・…・……式・レ44A  ただし     α1式11−44の分子の値     β=式11−44の分母の値 (⇒押え盛土の大ぎさの決定   押え盛土の大ぎさは次式より決められる一     四’sinθ’=1−25β一α_______.______。_______、____式11−45          1,25  ただし     四’3押え盛土部の全重量     θ’1押え盛土部のスベリ面における鉛直線と垂直線のなす角 6 押え盛土の高さ(E)を決める。0   押え盛土の高さ(E)は瞬間盛土が可能な限界の高さと耽「  考えて,式11−46から求めて良い。        え ご    丑=猛=一……・………・一・・…一式11−46H         η  ただし, 引基礎地盤の初期強度      γε;盛土材の単位体積重量〃 ⇔ 押え盛土幅(島)を求める                  w’                               図11−40(a)押え盛土   押え盛土幅(β¢)は次式より求められる。     甲sinθ’一照・γ5・sinρ一1・讐α          1.26β一α      B多=        ………………一・……・…一……・………一…一一……式11−47        1.25・乱・75・sinθ’   ただしβ3は押え盛土幅であり,β¢を0から順次大きくしていきそれによってsinθ’も順次大きくな  ’る。そして上式を満たす幅β、を決定する。、一146一 1−3−3設計、磁1、        一段目       揮え盛土      H>Hc    二段目のHc>H  押え盛   θ   w,図11−40(c)二段目の押え盛土図11−40(b)押え盛土幅  ㈹ 押え盛土がスベリ円弧の外にはみ出す場合    すべり円弧の外側に押え盛土を行なっても,効果はないので,押え盛土のノリ肩がすべり円弧の端より   外側に出てしまう場合は盛土高さ(∬)を瓦以上の値として処理しなくてはならないQ  6 前項㈲の場合は押え盛土自体の安定が間題となるので,押え盛土自体の安定計算を行ない,場合によっ   ては二段目の押え盛土を計画しなければならない。(4〉載荷重工法 (a)サーチャージ工法(余盛工法)  仔)適    用    基礎地盤上に計画高以上の盛土を行ない,計画盛土荷重によって予想される以上の沈下を強制的に起さ   せ,その後で余盛部を取除いてから舗装を施工する工法で,沈下の促進あるいは舗装後の残留沈下を少な   くするために用いられる工法,である。    軟弱地盤上に盛土および舗装を施工すると,供用開始後も年間2cmとか3cmとかいう少量ではあ   るが沈下が相当長年月にわたって継統する。クイなどで支持された構造物との取付部での沈下差は相当量   に達し,20cm,30cmという量にまで累積される例はしばしば見られるところである。設計以上の荷重を   加えて沈下させると設計荷重に対する沈下曲線に対しては見掛け上,沈下速度が加速されたような形にな   る。したがって斜面の安定上とくに間題がない場合にはサーチャージ工法だけで沈下促進工法となりうる。    特にチュウ積層の上部が粘土層のみで構成されている場合にはサソドパイルなどの処理土を施工するこ   とは容易であるが,上部層が砂レキ層あるいは薄い砂層を多数含んだ粘土層から成り,その下部に厚い粘   土層がタイ積しているような場合にはサンドパイルなどの打設長が長くなったり,あるいは砂層の貫入が   困難であったりして,一般の対策工法では不経済になる場合がある。このような場合サーチャージ工法は   地表面上に荷重を加えるだけであってサンドパイル等に比べて経済的な工法である。  (・)余盛高(サーチャージS丑(m))    ここでいうサーチャージとは計画高(P・H)より上部に載荷される盛土荷重でSHは(m)または   (ton/m3)で表示する。盛土高H(m)とサーチャージSH(m)の割合は工法の効果に大きく影響する。   現在迄の名神,束名高速道路等における実績はこの載荷比(SCσ)として表わすと次のような値で施エさ   れている。一147一 1−3−3設計     Sπ(2∼7m)  SCg=H(5∼9m)=0・4∼0・8   S丑      =0,3∼0,45  H一トSH 勿論サーチャージは軟弱層の厚さ,土性によって変るのは当然である。前述のように軟弱層が単一か複雑な互層になっているかによって,その沈下特性は変リサーチャージ効果にも差異がでてくる。複雑な互層,層厚の厚い粘土層等の軟弱地盤では動態観測を入念に行ない,特にスクリュー型沈下板を埋設して沈A下を測定する必要がある。サーチャージ取除き時期,最終沈下量の推定,上げ越し量の決定に当ってはこれらの観測資料を参考にし(11−4−6沈下の推定法)によって検討する。 サーチャージ工法の施工区間ではできるだけ早期に盛土を開始し,放置期間(4∼6ケ月以上)の得られるように工程を組むと同時に余盛土の転用が容易にできるよう土量を配分する必要がある。余盛土としては舗装用の路盤材を一時的に流用するのも経済的な方法である。 一般にサー・テヤージ工法を計画するところは盛土の安定にも問題があるところであるので,11−3盛土の安定の項に従って十分検討する必要がある。サーチャージ工法の計算の順序は次の要領で行なう。         〆鋳環蔚…一一一「      SH      SH載荷比 SCg=丁,除荷率H+SH    図11−41余盛リ高さ6 サーチャージ工法,沈下計算の考え方  サーチャージ高さ(S∬)を設計するときの沈下計算は次の手続で行なう。 o 計画高さの荷重に対して,沈下計算を行ない,Sイ曲線を画き最終沈下量(S∫)および舗装後の残留  沈下を求めておく。(11−4−5沈下の推定法参照)(図11−42の点線) o サーチャージ高さを2∼3種仮定して,沈下計算を行ない5一∫曲線を画ぎ,除荷後の残留沈下量(計  画高に対する)を求めるQ(図11畦2の実線) o 除荷後の残留沈下が10cmとなるようにして,サーチャージ高さを設計する。なお残留沈下10cm  とは,図11−42に示すように,計画盛土高さ(H)に対する最終沈下量(Sノ)に対して,サーチャー  ジ除荷直前の時点の沈下が10cm残っている状態をいう。 o なお沈下計算は軟弱層,各層毎に計算し,各層の残留沈下を合計して許容残留沈下量以下になるよう一148一3 1−3−3設計計算すること。(ある層がその層のS∫以上に沈下しても他の層の残留沈下量を軽減するζとにはならない。)盛土高除残荷留後沈の下サーチャージ高S   サーチャージー_一__ 一一一角甲凸■鰯都(m)計画商H(鴫時間(日)      時隅、 、  (cm)      鯨s駐   除荷後の残留沈下、10沈下量「、、   、、、、身       、、一騨一“一一r夢鴫r一一一L10cm噛 、 鴨 、一 、 陶舗装後の残留沈下㎝         サーチャージ高           Hに対する最終沈下量(Sf)図11−42 サーチャージ工法の沈下曲線図11−43サーチャージ高さの求め方(b)プレローデイソグ工法 α)適    用   盛土と構造物が交互にあるような場合,構造物は一般にクイなどの基礎によって支持されているので盛  土部の沈下によって大きな段差を生じる場合が多い。そこでこれら沈下差を少なくするために用いられる  工法が,プレ・一ディソグ工法である。                 一   この工法には,次の2つの方法がある。  o 構造物を盛土と同様に沈下させる方法    これは,ボツクスカルバート,パイゾカルバート等ある程度の沈下が許容されるクイ基礎等を有さな   い構造物の場合にかぎられる。この場合盛土と構造物の沈下を同様にするためと,構造物の残留沈下を  許容範囲内におさえるため,構造物予定地点にあらかじめ盛土をして地盤の沈下と強度増加を促進せし   める方法である。  o 盛土部分を先に沈下させておく方法    これは,沈下が許されないクイ基礎を有する構造物(橋梁)橋台部,取付部において,クイ基礎等の   施工前にその地点の基礎地盤上に事前に盛土荷重を加えて残留沈下を阻止しておく方法である。 (・)載荷盛土の大きさと放置期間   載荷盛土の大きさは,次の順序で決定する。  o 載荷盛土の高さ瑞,,(m)は,沈下計算の考た方に・ま って決まるが,現在迄の実績では,計画高(召臼   (m)+2。0(m)が一般に用いられた。  o 天端幅β(m)は,ボックスカルバート等ではβ=B、+22または最小Bコβ、+20(m),橋台等では   お=B、+Eまたは最小β=β、+20(m)程度あることが望ましい。  o 放置期間は次の計算の考え方を参考にして決定するが少なくとも載荷盛土終了後4∼6ヶ月以上置く   ことが望ましいo一149一 1−3−3設計  ω 沈下計算の考え方   B(m)         計画高  も             %ン           ,!ド7           3’転H  Hpre−H+2.。m    弱層 図11−44カルバートボックスのプレロード   仁=肥コ              ・o撃.H.                  Hpre Hpre=H十2.Om       1               図11−45橋台のプレロードプレロード盛土を設計するときの沈下計算は次の手順で行なう。o 構造物部の荷重に対する沈下計算を行ない,S一渉曲線を画ぎ最終沈下量(Sノ)を求める。(図11−46の点線)・プレ・一ド盛土の高さを2−3種鳳て沈下計算を行ない・鋤線繰備後の残留沈下量 を求める。(図11−46の実線)o プし・・一ドの設計高さは除荷後の残留沈下が30cm以下となる高さとする・           H           盛           し,り        轟_          イm’             7「ご一一r・                ブレL■”ド       構造物,施工,甜峨、、R   〉・    ム     リ     \メ・時川−『』’爆麹,圧除荷後の残留沈下信Ocm以内)(轟携造物施工 後の沈下    蜥造物部最終沈下量(Sf)s図11−46プレロード工法の沈下曲線一150一 1−3−3設計α)施工順 序  プレ・一ディング工法によりカルバートを作る場合の作業順序およびその揚合の沈下の時問的経過は図 11−47に示すとおりとなる。  沈下が計画沈下量(A点)に達したと認められたら,斜線部分の盛土をカルバート基礎底面まで掘削し, ほかに転用する。掘削した後に構造物を以後の沈下に見合うだけ上げ越した後でカルバートを築造し,埋 戻しを行なう。H盛 土高H盛カルバ『卜裏込め施工  施工プレロード放置期問揺削鮪装工土交通1網放高(m)一 一!’ノ時問(沈下量(㎝    ‘1カルパー ト樽薬後の沈下S『最終沈下量図11−47プレローディング工法による施工順序(e) ノリ先載荷工法  盛土斜面の安定においてはノリ先部分のセン断抵抗がもっとも重要な要素となる。ノリ先部分には全盛土 荷重が加わるわけではないので,圧密によるセン断強さの増加も盛土中心部に比べてわずかしかないことに なる。したがってノリ先部分に荷重を加えてセン断強さを増加させることは,安定対策上きわめて有効な方 法である。  ノリ先載荷は非排水条件の土のセン断強さから求められる限界盛土高付近までノリ先部分をおうように幅 広く盛土を行なう。載荷盛土の敷幅は完成断面の盛土に対するスベリ面が地表面を切る点以上にとることが 望ましい。側道が計画されている場合には,その部分を利用すればよいが,幅広く盛土するのに用地事情が 許さない場合には適当に敷幅を縮少しても相当な効果がある。圧密によって原地盤のセソ断強さが増加し, それ以上盛土しても全計画高に対する安定が確保されていると判断された場合には斜線部分の載荷盛土を取 除.き盛土材は図11−48のように上部に転用する。(5〉                                             島 ドレーン工法(サンドドレーン,カードボードドレーンエ            ・   規定断面法)                             ノ1,先載荷盛土   鱒∫響一㌍“瓢黛N蕪(司適  用  皿 −「 『 ’『、ごト拶盛琳沈下の進行が遅くて所定の工期中に許容沈下量内におさ 馨欝雛懸灘醸羅翻ま嚇多量の残留沈下量が残る恐れのある場合は防 豊垂騰諺難驚驚懇態 ソ工法が考えられる。                                図1ト48 ノリ先載荷工法  圧密の進行速度は,その層厚の2乗に逆比例するので, 軟弱層の排水距離を短縮して圧密沈下を急速に終らせるためにドレーン工法は有効なものとなる・一151一 1−3−3設計  一般にドレーン工法を採用する地盤は,土のセン断強さも低く,所定の盛土高さを安全に盛土するのが困 難な場合が多い。ドレーン工法により土のセソ断強さの増加が早く期待できrるので盛土の安定についても有 効であることはいうまでもない。  ドレーン工法には地盤中に鉛直方向に設ける排水材料によってサンドドレーン工法,カードボードドレー ソ工法に分けられるが設計計算上両者に本質的な差違はない。なお,現在迄のところ東名,名神でのカード ボードドレーソの施工実績は少ない。(b)サンドドレーン工法 臼)施  工  法  Q サソドブランケットを施工する。  o サンドパイルを打設する。  o サンドパイル打設箇所に盛土を施工する。            DcP:ドレーγにより排水される有効円の直径Pご:サンドドレーソの中心問距離ゴ=サンドパイルの直径 ,  、              /   、     ノ  ¥                   ヤ冨圃謡一ゴ      、      ノ   、       1   、   1   、    ’   、    ノ   、            図ll−49僑)正三角一1一㊨一一一:一⑱19一一一議一⋮一ヨ: ,図11−49(b)正方形配置一152一l一2一一㊥一一一一一:2趨81一︽勢iir…〈き》一1駕一一一一㊥一1一翻Dc i’i:一d翻昌i一一3一一一磯一一一形配置 1−3−3設計∼∼     墨    ・.∼  −∼  う・,盛敷砂0.5m∼1.Om 敷砂土/A∠恐x  本し1鼎 サンドパd‘20cm10レJ    Dc二1・0Dc二10m∼3,0m■1ー d   DcDc Dc   d d冨 『》図11−49(c) サンドドレーン工法 o サンドパイルの直径は,普通20∼5Gcmであるが,地中に形成される砂グイは施工に注意しても深  くなるにつれて先細りになる傾向があるので,打設長さが5m以上の場合には直径は40cm以上に  とるのが望ましい。ζく小規模な湿地では直径10∼15cmのソイルオーガーで孔を掘ってサンドドレ  ーソを施行することも,比較的効果のある方法である。(・)サンドパイル中詰砂  サソドパイル中詰砂に使用する材料は次の規定を原則とする。     74μ(No.200)フルイ通過量   3%以下     1)a5               1∼5mm     P15             0.1∼0.75mm  ただし∠)85およびD、5、とはそれぞれ粒度曲線において通過重量百分率が85%,および15%に相当ず る材料の粒径をいう。6 サンドパイルの配置と沈下の考え方  サンドパイルの中心間隔は1,0∼3,0m程度であるが詳しくは次の沈下計算によって計算される。  サソ、ドドレーン工法の沈下促進効果は式11−48のように考える・    ∫=7㌔029.59,,,9..5,.....・一・.,.9...……………・…■・一……・一・…・・……………・…・・…式11−48     0峨  ここで’:仮定した圧密度砥まで圧密するに要する時間     1)1ドレーソにより排水される有効円の直径,サンドレーンの配置状況により次式より求ある。         1)=1,051)σ 正主角形配置(1)一は中心間距離)        1)=1,13Pσ 正方形配置(1)、は中心間距離)    Tぬ:仮定した圧密度硫に対応する時間係数  丁抱と砿の関係は有効円の直径とサンドドレーγ直径との比(%=D/4)により図11−50により求め る。4はサγドバイルの直径。     U:合成圧密度  U二1一(1一砺)(1−Uひ)…一一・…………・…・…・………式11−49  Uんは図11−50から求められ,U”は上下二面排水による圧密で11−4表11・一7から求める。砺,U”の 計算においては同一のTを用いてはならず,同一時刻∫に対する7)、,Tuを川いなけ一ればならない。層 厚が厚いときにはUりの計算を省略してもよい。、一153一 1−3−3設計    6uが水平方向の圧密係数                                        ∠ρ  水平方向の圧密係数については,6痂=砺として鉛直方向の圧密係数を用いて良い。(ρ。+⊇一に対応 するoひ)  サンドパイルを打設した揚合の即時沈下量は%S呂と考えてよい。  S乞ついては11−4−5参照のこと。←)安定の考え方  スベリに対する安定計算においては,サソドパイルのセン断強さは考慮しない。  またサンドパイルと周辺地盤との荷重分担比(σ・/σ・)は1とし応力集中は考慮1.ない。0一、10n昌20 20肛1n二15密30度n=4n=101111n罵8 n=7n=6卦n=3 40史協、。n搭2n=5t6。吻 70一8090      P   P  P PP PPP  g PP PPP  P PP PPP  P P P PP野  ド      8 8 888888 888882 8898畠一 帥ω‘』OQOO oO  O O  o o−     N  ω 俸』  G庵QO      O      O          o      一    謄●  ω申』 00Q      “                   一TL                図11−50圧密度砺とrゐの関係(c) カードボードドレー・ン工法 臼)配置と沈下の考え方   力r』[ドーボードドレーーンは1隔10c血, 厚さ『3『nim前後の有了Lパンレプ繊沫匿力≦らなりr,一ザシド1ごレーンノと同  様な目的で使用される。時問圧密度の関係を求めるには,カードボード1枚は直径5cmのサンドドレ  rンと同様な効果があるものとしてサンドドレーソと同様の手順で計算を行なう。   ただし,サンドドレーンの図表ではπ=12までしかはっきりしていないので,カードボードの揚合図  11−51および11−52を用いる。   すなわち時間脅こおいて所要の圧密度Uに達するのに必要なドレーン間隔を求める場合,まず図11一幽154一,                                         1−3−3設計51よ以Uから係蜘の値を求鵬求められた9から圧密係数儲用いて次式から第2の係加1 を求める。   卿=9×oり………………・……・一………9・,・一一………・……………・一・…・一式(11−50)  輔求められ瓢図11−52を綿いて彦要の搬間隔Pが求まる9@安定の考え方  安定計算においてはサソドドレーソと同様地盤の圧密による強度増加のみを考える。o鍾恥      _22      皿      )20      −18   一       24壽?       26爵母、QO奪ぷいぷ1o       16ボ/・       14      環12       10り劇3◎%       826%       6       4       2U510%        0  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10                        9〔sec)           ×107              図11−51カードボードドレーンの計算図表(1)       4,0       3,0      打      設正三角形配置正 ノ班ジ配置      間2,0      隔      d      (m)1,0      1。         .345.1.!霊)511伊234571併対数日盛              図11−52『力』ドボードドレ_レの計算函表(2)『『(6)サソドコソパクショソパイル工法 (a)適    用   軟弱層に対して,衝撃荷重あるいは振動荷重ばよって砂を強制圧入して,地盤内に締固めた砂柱を作る工  法である・本工法によるとゆるい砂層あるいは砂質土層では,地盤は締固まって支持力を増し,そのままで                      一155一 1−3−3設計一。、だ冒\     o    も  サ叶ヤづ  一天サ/ドプランケット   ㌔ヤ ー一一一一一”一’一一一一一一一一一  o    サンー下q  、        路    休1旧 ㎜    一   ■ 一下l       rサ/トコンノ{クションパイルサンドコン11   φ700 φ700×10,000 l                                  p    ,                     r3,0001正三角形1  正三角形2,4mピッチ  r正三角形匪1.8mピッチ量      2,400        1L8mビッチ1800i  l 因1一   : ]r藩マ嵩寒洋沸蔓熱1際鳶餐溝鋸φ5φ50∼70㎝ピッチ 1,6m∼2.5m配置正方形、正三角形(単位:mm)図11−53サンドコンパクションパイル施工例 構造物の基礎となりうる。粘性土層では強制圧入によってある程度の圧密は期待されまた,ゆるい粘性土を 排除して砂で置ぎ換えたことによる改良効果が期待されるとともに砂グイ自体が支持グイとしての抵抗を発 揮するので,スベリ破壊に対する対策工として有効である。  本工法は比較的高価であるので,粘性土層上の盛土の沈下対策としてのみ採用するのは得策ではなく,圧 密による強度増加が期待されない場合のスベリ防止とか,あるいは構造物基礎の両側に数列打設して支持グ イをおいた構造物周辺の不同沈下な防止する目的などに使用して効果がある。(b)沈下に関する考え方  沈下に対して次の効果を考える。  砂柱上へ載荷重が集中するため圧密沈下層への応力が減少し,全沈下量が減少する。  すなわち,単位面積A(=14s+・4c)当りσの荷重が加わっていた所にサソドコソパクションパイルを施工し荷重分担比を,2(謝とすると粘土地盤に加わる応加・は式・・一5・のとおり減少する・       14s十∠46     σc=π.z43+∠4σ’σ………………’”………’……”曾”………………一……………一…式(11−51)  またサンドコンパクションは,サンド・ドレーンとしての効果も当然期待してよい。さらに,サンドコン パクションバイルは,地盤の置換え改良的要素もあるので,地盤の変形係数を大きくすると考えられるので, 打設問隔によって,即時的沈下量を見込まなくて良い・一156一ヌ 1−3−3設計 〆     \   A5〆緋・1、 1 0 η、   1    1   ノ匹、   l    I  / 1 、   8     1  !  1 、、 r    rノノ  『  、1、一_,ピ    犀  I  l  I     ヤ一⊥ σ5 σ‘   50∼70cm図11−54荷重分担比図11−55砂柱部分のセン断強さ (C)安定に関する考え方   安定計算において次の効果を考慮する。  ω 砂柱部分のセソ断強さ      s=σs・tanφとしφ;25。を使用する。  (・)砂柱部分と周辺地盤の荷重分担比を考慮する・      分担比π(一鋤は・3とする・(7)盛土速度制御工法  軟弱な地盤で安定について疑問がある場合,盛土速度を制御して安定に対して十分な地盤強度の増加をはか った後に盛土を積重ねて行く方法で,盛土の工期に十分な余裕のある場合にはぎわめて経済的な方法である。 盛土の各段階において,盛土と安全率との関係は,地盤強度の増加に応じて図11−56のようになる。原地盤の 許容する限界盛土高(瓦)まで急速に盛り上げて,ある期聞放置して強度の増加を図った後に残りの荷重を加 えるようにすれば等速で一様に盛上げた場合よりも安定上有利な施工となる。またこのようにセソ断強さの増 加を図りながら,盛上すれば第2段階以降の荷重によるセン断変形を少なくすることができる。一157一 1−3−3設計盛      声『一一一      ! 樗夢〆  !          H盛土高土/      盛土制御工法!  Hc高盛土制御による安全率¥安・ 1.25 ¥、 __\____  一一_ 一一一一 一一一一一一Fs=1,25(許容最小安全率・〉全   \/最初からHまで盛土した場合破全率率1.0     、、     ,     時聞 セ ン 断 変 形 に よ沈 る下  量h一時問、¥\              盛土制御工法の場合  、㌧一________一一一通常盛土の場合                  図11−56 盛土制御工法の説明図(8)構造物による盛土荷重の軽量化をはかる工法  この工法は基礎地盤のスベリ破壊の阻止,沈下軽減のための対策工法である。軟弱地盤上または軟弱地盤上 の盛土内にボックスカルバート等を施工して,荷重を軽減する工法である。以下工事実施例の概略図を示す。      看原工」ドの例                         焼津工事の例      C−Box CBox   盛) 土馨、・蚕蕪磁跡ヲ圭       }  語r     難讐』畢¢ r馬 』 一、}』舞卸鮎1』」へ⊆皿禰一一』一畦 …一嘱「戴篭欝戸』 7!糠一 襲嚢磯モ「、                   図11−57実施例(9)その他電気的,化学的,物理的方法  軟弱旭盤の対策工法としては上記のものの他,次のような対策工がある。  この巾では広い面謡こわたる盛土基礎の改良工迭としては,現在のところ余り経済的と思われないものもあ り,とくに小部分に限って,しかも非常に有効に使用でぎると考えられる場合のみ,検討の対象とすることが 望ましい。 (a)ウエルポイント工法 (b)電気浸透脱水工法 (c)アルミニウム霜極による電解固結 (d)珪酸ナトリウムの電気浸透注入工法 (e)熱処理工法(焼結工法) (f)凍結工法(仮設,床掘) (9) イカダ]二法一158一 1−3−3設計 (h)構造物,軽量化工法 (i)矢板工法 (j)化学繊維,敷布,敷網工法(合成樹脂ネット,シートを原地盤全面に敷拡げる) (k)生石灰一砂混合コソパクショγパイル⑯ 名神,東名高速道路の軟弱地盤対策工実施例  参考のため名神,束名高速道路の主な軟弱地盤箇所で採用された対策工法を表11−10に示す。参考(2) 軟弱地盤上の盛土の動態観測1.動態観測の意義  軟弱地盤上に盛土を施工するときに問題となるのは,安定と沈下についてである・  基礎地盤の土質については,土質調査を行なってその特性を十分に把握した上で,対策工など適切な工法が 設計されているo  しかし工事の施工に当っては,軟弱地盤対策工を施してあるからといって,構造物(盛土も含めて)が安全 確実に完成するとはかぎらない,そこで基礎地盤の挙動を観測し,この結果にもとづいて施工速度などを検討 しながら工事を進めていかねばならない。即ち基礎地盤の沈下,横方向の変位等を測定し,その地点の特質を 生かした施工指針の確立,将来の維持管理および今後の技術的資料を得るために工事の施工と平行して動態観 測を行なうものとする。  なお測定計器の種類,数量,測定頻度については,対策となる軟弱地盤の規模,工事の重要度に応じ決定す るものとする。  ここでは動態観測を行なうに当ってのr測定計画」r測定頻度」r測定値の整理」等について以下に記述する。2.動態観測の目的と計画 2−1 動態観測を実施する目的は,施工上および維持補修上の諸問題に対して適切な判断をくだすためのデー  タを得ることである。  施工上で動態観測を必要とする事項は次のとおりである。  (1)盛土のスベリによる破壊の危険性の有無の判断(盛土速度のコント・一ル)。  (2)盛土による周辺地域の沈下または隆起の状況およびそれによる第三者への被害の予知と対策。  (3)サーチャージまたはプレロード部分の除荷時期の判断(工期,工程の計画)・  (4)構造物(C−Box)や舗装体の上げ越し量の判断。  (51、施エ中の沈下を考えて,材料の喰込み量㊤判断   (6)その他,不同沈下の予知とその対策(橋梁取付部,ガードレール,排水構造等) 2−2維持補修上で動態観測を必要とする事項は次のとおりである・  (1)オーバーレイの必要性とその時期の判断。  (2)パッチソグの箇所とその頻度の判断。  (3)その他不同沈下による諸施設の破損の予知とその対策一159一 11表H−10名神,東名高速道路の軟弱地盤対策工実施例戟弱 層 の 土 費軟弱層の戦弱地盤地区名厚   木相 摸 川平   野巴、  清  水)焼  津菊   川(200∼800)サーチャージプレ・一ディンサンド0ドレ盛土の安定 (㎝)工法グ工法4−9やや不安定70−35DLイ嶋’耐占100−230O,1・0.620不安定500上部4−7有磯質枯ニヒ40−3000.4−O.S下部10−2ラ粘   土30∼50o.5一正,4上部6−10イ澱質穿1,II㌧51ト2000,2−O.5下部10−20粘   .L30−600.6−1.O30一一1000.3P1.O6−14枯   土上部5∼7泥   炭下部1一旦5イ戯質枯1二200−100050−806∼126−76−12安   定不安定安  定味婁掬60−120ユ30−28D40−270敷戦0.工一〇,20.4−1.O5−9不安定僑 台 部C−Boxrl駐土の帥盆備 台 部C−Box使ぴ盛土部C−Box橋 台 部C−PipeC−Box麟罪インター』唱Illの一部ユ,Om−2.Om鵬 台 部一部区閃の盛土ノリ屑砺台部及ぴ  片側のみ愈薩叢論 盛、避佐 久 米矢 作 川上   郷・F  野澄尾平野大   垣大阪平野尼   崎大阪平野乙   田II 10−20枯 性 土40−60(認磐扮(一都イゴ機費}〔50−150)0,5−2.O上部7−10砧.性 土5G−20D0.工一〇.8下部2−3(一部泥炭)40−900,4・0.3上部5−8枯   土(有機質)下部10−20海戊亨占4上部 6,5粘   土下部 20.0粘   土上部 5.1粘   土10−14安  定(一部不安定)橋 台 部200−400C−Box両側安  定6∼8(一部やや不安定)橋 吉 部柵 台 部ユOO−170海中盛土橋 台 郡C−Pipe90−190C−Box−一部盛土の全II橋 台 部  !.40−800.13−O.440−600.60−1.205.4安  定工00−190』’40−600.5−0.6り0−500.35−0.55−9安   定30−356.3安  定30−50臨.インターAランプ57団聞1.5mlらr』號’』’の!団一・部盛土のスペリケ醗で片側三 ヶ 日置換え工法5‘,Om橋 台 部橋 台 剤二照クシコンパイル 工法橋 台 部避溢C−Box押え盛土C−Pipe橋 台 部C−Box盤個上)橋 台 都C−B帆個上)彦強的袋 .井15概一ンカードボードドレーンサンド・コンパ匪片側,太 田 川平   野50,200D,1−D.a(一部泥炭) (m)予想沈下量壷唱1I菊   川川︵部 平 野さ‘kg!㎝=)施工中の塾片側(江ノ尾)大井川下流右槻質粘土 し%)ω施工 した欣弱地盤対策工法盛土の安定と沈下llh呵盛土高\團吉   厄平   野静岡・清水 4−13(瓢、尼嵐1−51垂凱く分一軸圧縮強一岳   甫平   野1−oo(愛  甲)厚さ(m、自然含水比ω掘削 盛当r旧阯換 1−3−3設計2−3その他動態観測を実施する目的の1つに,設計時の考え方へのフィードバックがある。特にこの場合は 綿密な計画と長期間の測定が必要であるので,設計・施工・維持の各段階の担当者が観測の主旨を良く理解 し,引継ぎの際手落ちのないようにする必要がある。 工事の設計に当って動態観測を計画するとき,次の事項を検討して計画していかねばならない。(1)(2)動態観測の目的を明らかにしておく。目的に対して,適切な計器を選択する。(3)計器の種類別に配置と個数を決める。(4)観測の頻度を決めるo(5)観測の体制を組織する。⑥その他計器の埋設,設置,維持,保護等について計画する・ 以下に各項目について説明を加える。(a)計器の種類とその目的  通常の場合,観測用計器としては参考(2)表一1のものを考え,目的に応じてそのうちから選定すれば良い。参考(2)表一1測  定  計  器埋 設 規 準計  器  名的目ABC対象となる地点の全沈下量の測定。地表面型沈下板(聾黙磁誌こ編薦野き時期嚇プレ〉○特に軟弱層が厚い箇所で深部の各層の沈下量を測定。深部の地盤のスクリュー型沈下板(深層部沈下板)挙動を把握する。○(懸盤『トロール’サーチャージ取除き時期の決定等に結〉地表面の水平方向移動量,ノリ尻部の沈下隆起測定。地表面変位グイ地 ス ベ リ 計(自 記 記 録)地 中 変 位 計(議購懲瀞縫葎藁灘駄1)○同  上○盛土ノリ尻部鉛直方向層毎の変位を測定。(盛土速度のコントロール,地中の側方移動量を確認する。)O盛土荷重による深さ方向の増加土圧を測定する・土   圧   計(齪享甥灘羅繕欝と周辺地盤の荷重の分)間ゲキ水圧計(騨水圧の増灘り対策工曝沈下状鱗認に利用す)○盛土荷重による間ゲキ水圧の増減を測定する。A;対策工法施工箇所および安定,沈下に間題ある箇所で通常使用する。B;特に献弱層の厚い箇所においては設置する必要がある。C;超軟弱地盤でのサソドパイルの効果の確認が必要な場合等・特殊な場合に限る。一161一○ 1−3−3設計(b)計器の配置  測定計器の配置例を次図に示した。  測定計器の配置は,軟弱層,対策工法等をよく検討し,適切な配置を考えなければならない。24  56     7一5  一 、   =__一一_㌔ 1」L_」一一一ユー一ぬ・塙当洲、削 ㌦・・∴篭・∵㌔ ㍉一〇,騒、蕾癖で乳・・.1.地表面型沈下板(中央部)   6.地中側方変位測定管(フレキシプルチュ…プ)2。  ”  (路肩部)  7. 変位グイ(地表側方変位測定グィ)3。スクリュー型沈下計(深部)  8, 地スベリ計(自記地表伸縮計)4.間ゲキ水圧計5.土圧計器  配  置 例      参考(2)図一1計(C)測定の頻度と期間  計器の測定頻度,期間は軟弱地盤の規模,工事の重要度,工程および計器の数量などによって決められる が一般に参考(2)表一2に示す程度の測定を行なう。参考(2〉表一2計 器 名盛土期間中沈  下  板1日1回地表面変位グイ〃土  圧  計間ゲキ水圧計f’〃測  定  期  間盛 土 終 了 後考備最初の1ケ月1日1回,対策工施工時より供用開特に必要な場合1日2回,およその後1週に1∼2回始後までび維持管理上必要時期まで測定最初の半ケ月 1日1回その後1週に   1回対策工施工時より舗装工施工中最初の1ケ月 1日1回その後1週に   1回〃1’”特に必要なとぎ1日2回必要に応じ測定回数を増す〃(d)その他の注意事項  動態観測の計画に当って次の事項について検討しておく必要がある・ (1)観測体制……設置した計器は(c)に記した頻度で測定していかなくてはならない。測定は主としてレベリ  ングによる計測と計測器(イソジケーター)を用いた計測があるが,かなりの人手と時間がかかるもので  ある。また計測は常に同一人(同一グループ)で行なわなければならないので,観測専任の人(または  班)を編成して観測体制を計画しておく必要がある。一162一. 1−3−3設計③ 用地の借用……盛土外に設置する計器(変位グイ,地スベリ計等)は,用地上の処置を必要とする場合 が多い。田面等では観測者の立入のための通路を含めて,用地を借用ーしておく必要がある。(3)計器の設置(埋設)……計器の設置(埋設)にはボーリングをともなったり,計器が正常に作動するよ う特殊な注意事項が多い。各種の計器についての注意事項および埋設上のポイントとなる事項等は下記の 文献に詳細に記されているので参考にすると良い。 o r土質調査法」土質工学会発行 Q雑誌r土と基礎」No,130以後に掲載(計器による現場測定のポイント)土質工学会発行(4)計器の維持体制…1一計器の設置場所あるいはリード線の引き出し場所等は,工事の施工の各段階を考慮 し,破損を受けにくい所,工事に支障をきたさない所等配慮して定めなければならない。計器を保護する 施設はかかすことができない。工事用機械に対する防護あるいは,いたずらされないような配慮,あるい はリード線による測定計器については一ケ所で集中測定できるようにし,そこには観測小屋を設ける等の 計画をしておく必要がある。(上記の文献参照)3,測定値の整理 計器によって逐次測定値が得られてくるが,その整理を手早く行ないただちに工事の管理や技術上の諸判断に供しなければ意味がない。 測定値はその現場以外の類似の過去の実例等をよく参考にするので,日報の様式や管理用の図面は統一しておくと,比較検討がしやすい。 そうした意味からr日報の様式」「管理用図面」について注意事項をのべる。記入欄 (1) 日報の様式について (a) 日報用紙の規格等                        300鳳鳳○の空間    日報は,原則として・A4版ファイルに保存するものとする。従って・●  用紙はA4版を用い,用紙をファイルした後数字等が見にくくならない   よう・用紙の左側に3.Ocmの空間をとるものとする。                                           A4版用紙 (b)記入項目について一163一 1−3−3設計沈下計,変位グイ,土圧計の日報用紙および記入項目についての説明を以下にのべる。沈下計観測日報 工事名昭和  年  月  日観測年月日観測者 所属地犀計器番号天候温劇雨量1氏名埋設位置位時  分置標高原地盤標 高①  盛土標高 高盛土天端   ④=②  ②一①ロツド先端標  高 ③・ロツド長④沈下板標 高沈下量③一④①一③⑬=          1一酔一一∼’一ノ『一ヘノー一一∼一一.∼一〆一.!Vレψ_!∼一、ノー−一)一∼一一一一一一「備考(c)沈下計観測月報の解説α)工 事 名 路線名,工事事務所名を書ぐ。 例,東名高速道路袋井工事@観測年月日 観測時間は毎日一定の時刻の定時観測がのぞましい・の地   区 該当軟弱地盤の地名を書く。 例,村松西地区←)計器番号 沈下計の整理番号を書く・ 例,地表型沈下計の場合丁一16 地中型沈下計の場合S−2等㈲埋設位置o位  置 沈下計の平面位置を,Stationおよび中心線からの距離で表わす。 例,STA20+40中心より右に5mの所にある場合STA20+40R50標  高 沈下計設置前に,沈下計と・ッド先端の関係を調べておき,沈下計設置後ロッド先端を測量すること により沈下板標高を求める。一164一 1−3−3設計                             標高A        一L王                  鐸舞聡,      ・脚麗巳                  崔撒、 麟簿                           \’                             標高B   上図例の場合沈下計の埋設標高はB=A−」一になる。8原地盤標高  田面等原地盤の標高をかく。(ト)盛土天端標高 盛土天端で代表的な地点の標高を測定する・紛盛  土  高                盛土高     盛土高は,盛土天端と原地盤面との差とする。      ._一閥榊一一_.__.源櫨面(リ)、ロツド燐標高                       ロッド先端の標高を記入する。㈱ ロ ッ ド 長  ロッド先端と,沈下計の鉛直距離とする。この長さは,ロッド継ぎたしおよびロッドが曲ったと思われ る時に,チエックしておく必要がある。 o ・ッド継ぎたし時のロッド畏の求め方 長標高より,ロッド長の修正をする。㈲沈下計標高  沈下計標高はロッド先端標高より,Pッド長を引いて求める・㈲沈  下  量 沈下量は,.沈『劃蝿高≧計器誰置標高嵯と長∫逮めるg.善の方閃こよっ計算間違いによる誤差の累積 を防げる。  備    考@)  観測時に特に注意した事等について,具体的にかく。’「165一 1−3−3設計変位グイ観測日報 工事名観測年月日昭和   年月観 測 者 所属日時分温劇雨剥氏名測定標高計器番号計器位置盛土高 初期標高 ② ①天候基準グイより 基準グイより鉛直変位 の測定距離 の初期距離 水平変位①一②③一④ ③ ④            ’一ノい.∼Nノーノ∼ノー.ノ∼一_一ヘノー一、一∼い’Vい一一〆一!一ノー一−一一ノ_ズ〉V備考(d)変位グイ観測日報の解説㈹ 工事名,観測年月日,地区,計器番号 沈下計観測日報に同じ。(・)計器位置 Stationおよび中心線よりの距離をかく。6盛 土 高 沈下計日報より転記する。◎初期標高 計器設置時の変位グイ先端の標高を書く。㈲測定標高 測定時の変位グイ先端の標高を書く。6鉛直変位 測定標高と,初期標高の差をとる。(D 基準グイよりの初期距離 盛土の影響のおよばないところに基準グイを設け,このクイからの水平距離を書く。紛 基準グイよりの測定距離 測定時の基準グイからの水平距離』を書く。(リ)水平変位 各クイの基準グイからの初期距離と測定時距離の差を水平変位とする。一166一 1−3−3設計土圧計観測日報 工事名観測年月日観測者昭和  年月所属計器番号 製作番号天候温劇雨到土圧計製作会司型、盛土厚=①+②区分氏名盛土高=①沈下量=②地時日埋 設 位 置位 置深 度STA較正係数 κ1 K2刈計器読み ①測  定  値K、x①+K2一ゾ、一/V一』一!)一ハーノV一一    一一                             . 一→、ハーノV一皿∼一い∼、〆一.ヘノ『い.〆一へ,一’『一、一/一へ/『一一∼一一ヘノー備考(e)土圧計観測日報の解説臼)工事名,観測年月日,地区,計器番号 沈下計観測日報に同じ。(ロ)盛 土 厚 盛土高と沈下量の和をもって盛土厚とする。㊦計器の型式 型式は会社の製品名をかく。←)製作番号 「メーカーでつけた計盟の」製作番号を書くQ㈹埋設,位置 深度,埋設時の原地盤面から,計器までの深さをかく。8較正係数 計器の読みPと土圧Pの関係をあらかじめ検定して求めておく。  P=K、の+κ2 検定は砂中,粘土中に埋める時は各々,砂中,粘土中で検定するゆが望ましく,これらの較正係数は一般に水圧検定値とは異なってくる。(ト)計器読み 測定値を書く。一167一 1−3−3設計 紛測  定  値   較正係数を用いて,計算するものとする。(2)管理用図面の様式について  観測日毎に日報によって報告された測定値は,管理用図面にただちにプ・ット(作図)されなければなら ない。管理用の図面の整理作図する場合の注意事項は次のとおりである。 (a)わかり易すく図示する。 (b)数値にとどめず,ただちに図面にプロットして視覚的に現状が把握できるようにする。 (c)各種計器との相互の関連をもたせる。 (d)測定値を常にチエックし,異常な動きに注意する。 具体的に何如なる図面を,どの程度の縮尺で描くかは,種々の条件(軟弱層の規模,計器の種類,盛土高 など)によって異なるが,日常管理㈲,長期管理(B)(載荷盛土取除き時期の決定,維持,補修のための管理) に分けて,現在一般に用いられているものを参考(2)表一3,図一2に示した。参考の表一3管理のための図面の例図面時 間一沈下量時  間一変位量    問ゲキ水圧時  間一    土   圧    間ゲキ水圧盛土高一    土   圧    間ゲキ水圧深  度一    土  圧管理区分AB縦軸測定項 目沈  下  量縮軸横’尺1mm:0,5∼1.Omm測定項 目月,日,経過日数縮尺1目=1.0∼2.Omm10cm:10mm〃AB垂直,水平変位1mm:1.Omm”1日:1,0∼2.Omm”10cml10mm”1目:0.5∼1.OmmA間ゲキ水圧,土圧1kg/cm2=50mm”1日11。0∼2。Omm1kg/cm2=50揃m”1日:0.5∼1.Omm”1日10。5∼1,0mmBAB間ゲキ水圧,土圧1kg/cm2;50mm盛  土  高11n=5∼10mlnAB深深度による問ゲキ水圧,土圧1kg/cm2150mm”度注) いづれの場合も累計盛土高を上部にプロットし,盛土高1mを5∼10mmで表わす。計器の埋設位置も書き込んでおく。一168一 1−3−3設計沈下、問ゲキ水圧測定結果10ε+i峯86変位グイの水平方裟1止 イ 水1ノ」4      8     盛 60     高 42向変位W5(N区llll)     土/10 4/1   5/1   6/1   7/1   8/1 月/8/1月/日  (皿)23/104/1 5/1 6/1 7/105      30一変位計距離2m4m“  15辱㍉010 1.02mPI    P511.00m 4.02P2    P613.04田 1008mP4 8,18O Nα40︻﹂    0置  510mO Nα50P4P3府6mNα3P36.04  P717.08P5蚤一10連続式沈下計(固定板型P7P6榊地すべ匠濡Nα1ノリ尻よりのNα26080氷5/1月/日6/1    (em)0連続式沈下計1004/1     量10400    0   0凋ト鯉      013.13.50m(スク1,ユー型)     覆2・2015mO Nα60P2P14/1  5/16/1 7/1 8/1月!日03/10  4/1     5/1    6/1    7/1     8/1  」1/日            参考12〉図一2管理のための図面の例4.動態観測の利用例(a)動態観測により,スベリ破壊を未然に防止した例。  当地区(束名高速道路焼津工事事務所管内高崎地区)では,ピート層を含む極軟弱地盤地区で,約7mの 盛土の施工が間題であった。  対策工としてはサγドコγパクションパイル,ぺ一パードレーソ工等を施工したが,なお盛土に当っては詐盛  5ヒ(m) 4↑1160     ;1...,!.!哨」『llヨ磨一    1【1ξ興、煮漏儲月温細[1濃180卜(詰)2・・220        ∼、240        窯2607fl心沈下                       下参考(2)図一3盛土と沈下の関係図一169一 1−3−3設計安定上安全確実とはいえなかったので,動態観測を計画し,諸計器の動向をみながら,盛土速度をコントロールし施工を進めることとした。 計器の主なものは,沈下板,地スベリ計,変位グィであり,それらの観測結果は参考(2〉図一3,4のとおりである。図に示してあるように320日目付近で約1mの盛土を施工したところ,急激な諸計器の動きが判明したので,ただちに除荷を行ない,スベリ破壊を事前に防ぐことがでぎた。その後適当な放置期間をおき,除々に盛土を続け,異常な観測値が生じないように工程を進め,最終的には工期内に所定の盛土を完了させることができた。1肥    _STA闘2+00斑水⊇円盛出.高書随11改dp⊃140601201502P l10280310ふle鋼IHBO5⑳防0500〆一 ‘0斐『  り   〔参考(2)図一3,4の説明〕1 載荷後放置による沈下傾向に落着ぎがみ呉 られない。垂直変位傾向には落着ぎがみら52。:.一1・:D乙『DしO.〆D』一P8・:D」『D50−ψDゆ・ol曲肉〆D5−D807 一DrD−ol!一ヤ}㌔剛〆皿 載荷後の放置による沈下傾向,垂直変位傾向共に落着きがみられず,地盤は不安定 な状態にあると推測される。皿 載荷により沈下,垂直変位が急激に増大 し,このままでは破壊が予想され除荷の必v/      皿一一一、_一^副一DrDoO‘ れる。要性がでてきた。N 除荷放置を行なった結果,沈下傾向はや、 や安定し,垂直変位傾向にも安定が認あら水平,変位ぐいの挙動盛1れた。 従って皿からWにかけての除荷,放置が皿STAき82→00R唾㎡q1轟,牌 有効であったことを示している。憲過”瞠巾,噛40  50 120 16n200210銘e32055ψ  くつuo舵o520防0  690 40雷坐   《位 3。:嚢921  10i D一・:■.、 ■一〇 ノ Dゆ D■02 D・ol DIO D巳0.’4二’、..7 DrO. D塵05聾首麿位 挙勧垂直,変位の挙動参考(2)図叫安定,沈下の管理例一170一 1−3−3設 計(b)動態観測により,将来の沈下を推定した例  沈下計による実測値から,沈下を推定し,サーチャージ盛土部やプレ・一ド盛土部の除荷する時期を定め る方法は,どこでも実施している手法である。  実測値をr双曲線法」といわれている式に代入して求められる方法であるが,その具体的手順は参考(3) 軟弱地盤上の盛土の沈下の計算例の10r実測値による沈下の検討例」に詳述してあるのでその項を参照され たいo一171一 1−3−4愛水設1−3−4〔Na21−1 愛知用水公団工事設計施工要覧〕2。軟弱土は,掘削除去し,その地点の直上の盛土と同じ材料2施工方法で置き換えなけれぱならない。 基底面からのわき水が多く,乾燥した状態にな,り得ない場合には』監督員の指示にしたがい,別の 材料,施工法を採用してもよい。ただし,排水の処理の悪いため,施工中にゆるめた土の除去に要 する費用は請負人の負担とする。一172一 1−3−5土地改1−3−5〔Nα4−1 土地改良事業計画設計基準〕4.2.3 軟弱地盤*上のダム第50条 粘土,シルト,有機質などからなる軟弱地盤上にダムを築造する場合には,とく にスベリ破壊と圧密沈下に対し,十分の安全率を見込んだ設計としなければならない。〔解説〕 (1)トフィルダム滑動のほとんどは,その基礎地盤が軟弱で塑性の大きい鋭敏性粘土・または有機質土のときに起らている。しかも工事中滑動のほとんどがそれであること,また完成直後よりも,完 成数年後に滑動している例が多いことを,とくに注意すべぎである。堤体材料が粘土質である場合に, この傾向はいっそう顕著である。その原因は,軟弱地盤のセソ断抵抗力が漸増するダム荷重または完成 後長期にわたって繰返される貯水位変動に基づく浸透水や,間ゲキ水圧の複雑な変化に,一々対応する ことができず,一時的にせよバラソスを失した状態が現われるからだと考えられる・  室内試験の結果から安定計算をやって,1・5の安全率をとっているのに滑動した例もある。これは基 礎地盤中にボーリソグ柱状図にあらわれないほど薄い軟弱層があったり,飽和時にはφ=0になる ような粘土層があって,瞬間的に安全率を低くすることがあるためであろう。乱さない試料で,深さ 15cmごとぐらいの細密な試験をやるとともに,安全率は他の場合よりも大きめに見ておくべきであろ う。したがって,.軟弱基礎地盤中には,必ず間ゲキ水圧計を埋設しておくべきである。〔参考〕NorthRidgeDam(ヵナダ1953年9月滑動)                滑重b時の築堤面砦 〒      」聖柳ラッワ基確砂層、毒、,舐人騨・,鱈零多「、=5{撫嚴Ip膠519∼1駄粘土層砂図一4.18 工事中の緩速破壊の例(2)軟弱地盤におけるもう一つの問題として,圧密沈下によって堤高の余裕高の不足を招来することが ある。ダムという重量物が,軟弱地盤上にはじめてのっかるわけであるから,総沈下量が4mをこす場 合もめずらしくはない。また沈下と時間との関係については,沈下量の大部分が施工中に終わるもの と,施工中には全沈下量のわずか数分の1しか沈下しないものとの二つのタイプがあるo  沈下量および沈下に要する時間は,テルツアギーの圧密理論によって,室内試験の結果から計算でき る。すなわち,    脚密沈下量∠丑=(皇謝厚…・……一…一・・…一……一・(45!                  1    90%圧密に要する時間  診=一H2丁砂・…………一……………………・(4。6)                  Cり      ここに ∬3 圧密をおこす土層の厚さ          6・: ダム築造前の間ゲキ比’*フィルダムの基礎としては標準貫入試験のN値く20の範囲を「軟弱地盤」として扱うこと1とするo一173一 1−3−5土地改θ2: 〃 後の最終間ゲキ比Co:圧密係数Tが時間係数〔参考〕Fresno Dam(アメリヵ,∬=23m)の基礎は軟弱シルトと粘土からなっていたが,全沈下 量2.4mのうち,約半分が施工中に終了した。  Fort p㏄k Dam (アメリカ,∬=60 m)に,基礎粘土の圧密によって10年   椴盛上                特斜繭面如特斜繭 間に4。8m沈下したのち,おさまった。  現在施工中のMission Dam(ヵナダ 丑=46m)は厚い軟弱基礎をもっている が,沈下量は4.5mで,その半分は施工中に沈下するものと推定されているo%  1:面コウ配と押え盛土    (Desig且of Small Dams)飽和シルト粘土基礎上のダムの押え盛表一4,5 が必要かは,安定計算によってきめられるべ和シルト粘土基礎上の斜面コウ配は図一4・19 と 表一4・5から求められるo(4〉軟弱地盤の処理法としては 図一4.20の ような方法があるので,場合に応じて,その いずれか,または,二つ以上の方法を組合せ(重読1憶記1:工図一4。19 飽和シルド,粘土基礎上のダムの斜 えあればよいのであるから,とくに選択する きものであるが,おおよその目安として,飽%一φ〃軟弱地盤(3) 「押え盛土」に使用する材料は・重量さ 必要はないわけである。どの程度の押え盛土=3〃“工土の斜面コウ配(κ)   (単位=割)基礎材料の種類基礎材料のN値 SMlscl肌ICLIMHICH(特別のテストが必要)4以下13.04∼1011.011∼2020以上4,56.0   6.0   6.5   7.04.05,5   5.5   6.0   6,53,55,0   5,0   5.0   5.510.0 て使用する。軟弱層の厚さ;設 計法田各摘     要図一部置換浅’寺置換王法左除去レτ、安全度の高U一一軟弱層急速圧密工法中(鎌1〉萌働に.垂直または水平方向のサンドドレーンを哉置劣ドドレーンなどぐ之盛土深押之盛士聯料と置換オう。基礎地盤の圧密左促進÷軟弱層一,軟弱層の全部記…は一部}一軟弱層図一4・20 軟弱地盤の処理工法一174一する。基礎面左通ゐ文ペリ破懐ま肪く嘘めに、斜面先に岬之盛土をおく。 1−3−5土地改   〔参考〕      (a)Waterfall Dam(ホソコソ)              鉦、曲6隼5    襯∠一61・0 考脚 無O←’一鰻簗難擁圧ゼ胤犠儀 ^熱ω』諾裟笹一葉鮭ロツワ/娚          岩鱒ノ喧 「h『一』一一一一一一石疏  沼繍              O  lO  20 30鵬           図一4,21 ・ックキイによる軟弱地盤の置換例     (b)Jibacoa Dam(キューバ1956)             90ηt           gOm10恥臼36750       4皿過∠到_2% a350      檜后   石夢レキ0孤     25∠.毘乙a34 1(細粒1.5皿7粗粗,5皿)丑昌36耽張芝 ロツク1原    2%εん350  __炉・5照難盛撒丈’押乞盛土−k_原地盤 ドランジョン・フ‘ルダー3π:.251、一博甲迄盛土、表士ハギトリ10肚                   40m上             胤ヤ’阿叫も吐> 55m.》衆さまτ1のチヱウ積層図一422軟弱地盤7イルダムに押え盛土をした例(”=38m)      胤騎4伽E脳知3 撫     透水部繍室斜面璽動   みEl560斜面潰動    泣 、㌔らDヲ邸1『  胃  一  F1:10Dフラ’7ット       岬てソーン2)轡士世2鱒8jB旦刺置!巴罰㌔.    測μ』孔ヤ ’醐,㍗,  一一餌欝嵜.鐸la3一{廿E’,548eo:1『rワ闘ロロ」惜土1=∼鷺オJ3段借一『『一測甑夘ゐアーム巴ソアーワィ1   鮎灘駄砂ドレーン ク   軟弱趾\ケツ撒擁)A−A田后まじり緻苗土提頂E五564励  ラ    魎(19酬湘)蹴556550’師騨                o a)皿              水平』一一」              憧直四風ぐ㈱郷6)』匝唾圃(随6jo4∼ILワ)540鵬伽曲ゲ歯凝力ナタつ石蜷.厩岩        粘士灘\騰織鍵纏舞鰹}離謄軟弱粘土、」52尋1甘CO  』計{)0  βKX)  爾QO  15十〇〇  翻00  口十〇〇  耐QQ  図一4,23軟弱地盤の処理法として,①サソドドレーンと     計算しつつ③施工速度を調節して施工した例一175一η+00 20+00 21{00 22ioO 23縦)②押え盛土を併用し,圧密時間を(Boundary Dam, カナダ) 1−3−5土地改4。2.4 ルーズ地盤上のダム第51条 基礎地盤が,低塑性で集中粒径の微砂などから成って,相対密度の小さい場合に は,流動化による破壊を防止するために適切な処置をほどこさなけれぽならない。〔解説〕(1)塑性および粒度配合によって,流動化に対する抵抗性の大きいものから順に並べると表一4. 6のとおりになる。表一4.6 ルーズ地盤における各種土質の流動化に対する抵抗性順位土性および粒度配合塑性指数①②③④15以上6以上6以下6以下高塑性粘土中塑性粘土または,粒度配合のよい粗砂・または切込み砂利低塑性の粒度配合のよい砂利,砂,シルト混合物集中粒径の微砂と丸形粗シルトの混合物(2) しかし相対密度が50%以上の砂は,粒度のいかんにかかわらず,流動化現象を起しにくいであろ う。ただし    相対密度(%)= θma−一ε……__.g.g_______。___.___,_.(4,7)           εm歌x一θ皿ln  ここで θm匹x=その土が最もゆるい状態における間ゲキ比    表一4・7上載圧力とN値との関係     6mi皿=その土が最も密な状態における間ゲキ比        (相対密度50彩のとき)      ¢=現場におけるその土の間ゲキ比        有効上載圧力(水中重量)  〔参考〕 相対密度50彩のとぎ上載圧力とN値の関係は                                  O kg/cm2  表 4・7のようになる。   (アメリカ開拓局)                                 1.4(3〉 あらい砂ほど,また粒度配含のよい砂ほど,流動化の可                                 2,81〉値41217 能性は少なくなるo(4)軟弱粘土の上にあるルーズ砂は,とくに流動化しやすく,また移動量も大きい・(5)対策としては,ルーズ材料を取除いて,良い材料と置換する方法と,相対密度を増加させる方法とがある。後者の方法には①ルーズ材料を掘起してそのまま再転圧する方法,②少量の爆破によって締固 める方法,③バイブロフーテーション法,④クィ打ち法などがある。  〔参考〕爆破による締固めの例 Franklin Falls Dすm(アメリカ1942)では・15m方眼に4・6m   深さの穴を掘り,3。6kgの火薬で爆破させたところ,61∼76cmほど沈下し,間ゲキ比が0.95   から0.75に締固まった。一176一 1−3−6土地改1−3−6〔Na4−3 土地改良事業計画設計基準〕6.4基  礎  工基礎工は上部構造物を安全に支え,波の洗掘に耐える構造とする。そのためには上部構造物の滑動および荷重に耐えるとともに基礎の前面洗掘に対して矢板などにより十分根入れし,かつ根固め工で保護するなど構造を考慮し,その下部被覆工の継ぎ目または基礎工の目地などからの堤体盛土の吸出しを防止する。 基礎工は・基礎地盤の土質や上部構造物により,基礎工に更に基礎が必要な場合もあり・また異種の基礎工と組み合せて使用する場合がしばしばある・一般に同じ地盤であっても数種の工法が考えられるから選定に当ってはそれらを比較設計し・最も有利なエ法を採用する。 (1)胴木基礎  胴木基礎は石積工,石張工の基礎として用い,波の洗掘によって露出しないよう十分深  くいける。あまり地盤が良好でない場合はくい打基礎工を併用し,止め抗付きはしご胴木 として用いると効果的である。  胴木はなるべくコンクリート作りを用い,木材は常時水につかり,かつ海虫による被害 などの少ない場合に限り使用する。 (2) くい打基礎  本工法はパイル基礎工ともいうべきもので,矢板式のものを含んだ広義のくい打基礎で ある。くいは原則としてコソクリートまたは鉄筋コンクリート作りを用い,その寸法,間 隔は目的にしたがって土質調査ならびに載荷試験を行なって決めるが,くいを打つことに  より土質構造を破壊することのないよう注意する。 (3〉 現場打コンクリート基礎  基礎工と上部構造は一体としなければならないから,目地は同一個所に設け,目地には 止水板,目地材を用いて盛土の吸出しに備える。本工法は,良好な地盤では一般に安全確 実な工法でありながら水中施工に適さないので急速施工を要求される水中工事にはかなら ずしも適当な工法とはいえない。この点を改良したものとしてプレパクト・コンクリート  の利用があり,干拓堤防ではこれによるものが多い。 (4〉≡:1ンクリ極トブロ!ソク華礎、  本工法は水深が比較的大きい場合に用いるが・各ブロックが一体となり・ブロックの接  続部からの吸出しを防止するよう,ブロックのかみ合せに留意するとともにブロックの上  層に少なくとも厚さ40cm以上の場所打ちコソクリートを施工する。ブロック1個の重  量は安定上からは大ぎいほど好ましいが,施工中の安定および運搬を考慮するならぽ2∼  3ton程度が望ましい。 (5)セルラブロック基礎  本工法は水深が比較的大きい場合に用い,すえつけ後中詰を行なっ七二体化するび中詰  にコンクリートを用いれぽコソクリートブロック基礎と変わらなくなるが,大容積のブロ  ックを施エできる利点がある。また中詰に割石・砂利などを用いる場合は・よく詰合せ表  面をコソクリートでおおう必要がある。 (6)捨石基礎一177一 1−3−6土地改①砂質地盤捨石は水中施工に適し,比較的機械化施工が容易であるなどの利点をもち ながら堤体盛土の吸出し防止が困難なことから他の工法に変りつつある現状である。最 近になつて矢板などによる種々のしゃ断層が考案され用いられているが,施工方法など 間題があり,試験的段階にあるといってよく今後の成果が待たれる。  表層捨石重量はハドソン公式,イリバーレンの改良公式によって決定するが所要重量 の石がえられない場合にはサンドマスチックアスファルト工法とするか・コンクリート ブロックとする。その他,波の影響をうけない部分の石材は採取および施工上最も経済 的となるよう決定する。② 軟弱地盤 堤防の急激な沈下を防止するため基礎敷幅を拡げ,荷重を地盤に広く分布 させ単位支持力の軽減をはかり’主として水中での施工の便と,根固めとしての目的をが ねるものであるが,しや断層を設けて盛土の流失を防止するよう留意する必要がある。 また捨石を著しく厚く行なう場合は,軟弱地盤が置換された状態となる。したがって荷 重を長期にわたって徐々にかけるもめで,捨石部が堤体に比べて比較的大きい場合に適 している。この工法は児島湾,有明海沿岸などで早くから発達した工法である。  当時は石材,労働力が容易に確保でき,施工機械が今日ほど発達していなかっ丸ため, 手近で得られる資材で徐凝に長期聞にわたって施工することが最も有利であるとされて いた。しかし,急速施工が望まれる今日では施工機械の発達に.ともない遠距離から砂を 経済的に輸送でぎるので,砂を主体とした基礎工を採用する地区が多くなっている。(7)敷砂基礎 堤体荷重に応じて十分に厚い敷砂を施工すれぽ浮基礎となり,堤体全体としての圧密沈下はまぬがれないまでも破壊沈下を防ぐことができる。この場合敷砂層の十分な厚さとは.単位荷重が不良地盤の許容支持力以下となるよう,広く均等に分布させるに足る厚ざであ る。この際不良地盤に作用する荷重は敷砂の分だけ増加するが,敷砂の内部の摩擦抵抗の増加が地盤の支持力を強化するとともに堤体外の敷砂が対重として作用する。 浮基礎を形成するために必要な敷砂の厚さは50cm程度とされているが,基礎地盤表層がきわめて軟弱な個所では施工管理の面から2m程度の置換を行なうことがある。(8) 敷ソダ基礎 敷ソダは土砂,捨石などのルーズな材料からなる上部構造を一体とし,軟弱地盤上に浮かせるためのつぎ材として荷重を均等に分布させ,また基礎地盤を洗掘から守るために用いる。敷ソダはその下部に敷砂,上部に捨石などを併用するのが普通である。 ソダの幅はなるべく広く堤敷全幅にわたるようにし,しかも各連さいを横断方向に強く締結する。この場合,連さいの部分から漏水することがあるゆえ両端を砂または粘土で十分に被覆する。(9)置換基礎 この工法の最も完全な形は,軟弱層を完全に除去し,砂,砂利そめ他の安定度の高い材料で置換するものである。 置換の厚さはシュソセツ機械の能力に制限されるばかりでなく,工事費の面からも制約されるから,実際には水面下10m余りに止めざるをえない。それ以上の厚い軟弱地盤に置換工法を用いる場合はもちろん,上層だけを置換する場合は破壊沈下をおこさない深さまで置換する。その深さは円形スベリの解法によって求める。一178一 1−3−6土地改 置換材料としての最適の材料は細砂である・これは他の砂利,割石などに比較して容易 にかつ安全に施工でぎるぽかりでなく,浸透を抑制するためにも有利である。もしこの砂 が多量に泥土を含む場合には置換の効果が少なくなる・運研の研究によれば,粘土含有量20彪以下は砂として取扱ってよいといわれる。 砂の採取が困難な場合,栗石,割石などを使用するが,浸透の抑制,堤体材料吸出し防 止のため目ツブシおよびしゃ断層の施工が必要となる。(10)サンドドレーン基礎  この工法は軟弱土層の脱水を促進して地盤の支持力を強化するために軟弱層中に砂ぐい状の透水部を設けこれを堤外に導き,あらたに載荷して被圧水を排除するものである。こ の場合のパィルの深さ,径,間隔,載荷速度は精密な土質調査と計算に基づいて決定する。 サンドパイルの深さは置換工法と同様下層の地盤に達することが望ましいが,実際には工事費および施工面から20m程度を限度とするであろう。したがって・軟弱層が厚い場合にはパイル下方の圧密,流動などの変化とともにパイル群内部の圧密により生ずる堤体の沈下も考慮しなければならない。 サンドパイルの径と間隔は基礎地盤の土質とパイルの砂の組成などに応じて圧密理論に よって計算されるが実際には現地における試験的な工事が最も適切な指標を与えることに なる。この場合,コ・イド質の特殊な軟弱土では,かならずしも水分が土粒子から分離されないことがあり,またサンドパイルが粒土によって閉塞され効果を発揮しないことがあ る。一179一 1−3−7海保1−3−7〔Na5 海岸保全施設設計便覧〕  (3)不良地盤上に築堤する場合   イ 敷砂基礎工     荷重を地盤に均等に分布させ,かつ,軟弱地盤と捨石等の堤体との間に砂によるしゃ断層    を形成するために必要な厚さとするものとする。   ロ 捨石または捨ブロック基礎工     捨石または捨ブ・ジク基礎工は,荷重を地盤に均等に分布させるため単準にまたは敷砂基礎    工の上に用いるものとし,その工法については,護岸の表ノリ被覆工の捨石または捨プ・。    ク式に準ずるものとする。   ハ 敷ソダ基礎工は,原則として3重以下の連さいとしなるべく広く敷くものとする。この場    合において,敷ソダが堤防下部の透水の原因とならないように注意しなけれぱならない。  (4)不良地盤を改良する場合   イ 置換基礎工    1 良好な地盤に達するまで置換するものとする。ただし,軟弱層が著しく厚い場合に冷い     ては,急激な沈下を防止する程度の深さまで置換するものとする。    “ 置換材料は,泥土を多量に含んでいるものを用いてはならない・    lll置換材料がグリ石,割石等の場合に冷いては,適当な量の目つぶし砂利を施するものと     する。   ロ サンドドレーン基礎工     サンドドレーン基礎工は,軟弱土層の土質を考慮して用いるものとし,その径,深さ及び    相互間隔は,荷重,土質等により決定するものとする。一180一 1−3−8港構1−3−8〔Na6 港湾構造物設計基準〕               第5章地盤処理工法 5.1一  般軟弱地盤上に構造物をっくるとき,すべりまたは不等沈下により構造物の破壊を起こさぬように配慮しなければならない。  〔解説〕(1)一  般  地盤支持力の不足または過大な沈下によって構造物が破壊を起こすおそれのある場合は,構造物重量により 生ずる地中セン断応力を小さくするようにしたり,押え盛土を利用してすべり破壊を防ぐように努めなければ ならない。地中セン断応力の低減や押え盛土だけで不十分な場合には,地盤自体を改良しなければならない.(2)地中応力を小さくする方法  構造物の重量による地中応力を低減するには,次のような方法がある。 (a)構造物自体の重量の低減 (b)構造物の底面積の拡大 @ クイ基礎の利用{3)砂地盤の改良方法  砂地盤の改良方法としては水締め,水位低下,爆破締固めおよび振動締固めなどがある。これらのうち振動 を利用するものが有効であるとされている。 ㈲水締 め  砂を完全に水で飽和させると毛管現象による表面張力が消える。水締めはこの現象を利用して自重により  砂を犀縮するものである。しかし,水中においては浮力のため有効圧が減少し圧縮効果が小さくなるので,  この方法のみではあまり効果は期待できない。 (b》水位低下法(ウエルポイント工法)  地盤の地下水位を下げて地盤内の有効圧を増大させ,さらに下向きの浸透圧を働かせて圧縮効果を上げる  工法である。しかし,これは地盤の永久的改良工法ではなく,主として施工中の砂地盤の安定化を目的とす  るものである。(第4章 斜面の安定参照) (c)爆破締固め  煉塑雌酵格子棚雌曝即タきの解喉つ瑚嘩締唄め紡摩あ・る・これは非常に  大量の砂質土を全体的に締め固めるには最も経済的な方法である。   この工法は飽和した砂地盤に適しているが,シルト分を50%程度含んでいるときでも成功した例がある。  この工法によれば,砂を限界閲ゲキ比近くまで締め固めること,ができる。1)日本における施工例はまだない  ので十分研究する必要がある。1) A.K.B.Lyman,更℃ompaction of Cohesionless Foundatlon Soils by Explosives”,Proc』of A。S。C,E。1(1941),P。769∼P,780一181一 1−3−8港 構 ⑥ 振動締固め   振動を利用して地盤改良を行なう方法としては次のようなものがある。  (i) バイブロフローテーション  (ii)締めグイ  (iii)サンドコンパクションパイル工法   バイブロフローテーション工法は,水平方向に振動する棒バイブロフロットを下端から水を噴出させなが  ら地盤中に入れ、地盤を振動させて締め固めるものである。   締めグイ工法はクイを打ち込むときの振動とクイの打込みによる地盤土の側方への押し付けによって,地  盤の締固めを行なうものである。   サンドコンパクションパイル工法はパイプを用いて砂を地盤中にたたき込むものである。最近はこり施工  法に振動を利用した工法もある。   振動を利用した締固め工法は,砂の含有量が80%以下の土に対してはあまり有効でない。(4》粘土地盤の改良  粘土地盤の改良方法としては置換工法,ドレーン工法および電気化学的改良法などがある。 (al置換工法   置換工法は短期間に確実な改良が期待できる。 (b) ドレーン工法   ドレーン工法は粘土層が厚く,自然圧密工法では工期が間に合わない場合に用いられる。ドレーン工法と  いえぱサンドドレーン工法が一般的であるが,砂グイの代わりに紙帯を用いるぺ一パードレーン工法,ウエ  ルポイントを併用したサンドドレーン・バキューム工法などもある。 (c)電気化学的改良法  この方法に属するものは,粘土層内の間ゲキ水が直流により,陰極に流れる性質を利用して排水するもの(電  気浸透法)2),および粘土粒子の表面イオンを交換して,化学的反応を起こし,電気化学的硬化を行なわせる  もの(電気化学的固結法)などがある。⑤地盤固結法  地盤固結法としては次のものがある。 @注入法 (b)熱的処理法 (c)凍結法  注入法はセメント,粘土,アスファルトおよび薬液などを土砂の間ゲキに注入して,地盤を固めるものであ り,比較的広く利用されている。3)ヤ5)2) 松尾新一郎,“地盤改良工法(6)”,土木学会,第46巻,第9号,(昭和36年)3、松尾新一郎,ヒ聖電気化学的土壊安定工法”,土と基礎,第1巻,第2号,(昭和27年)の ハンス・イエーデ,曜曜セメント薬液注入工法”,全書54,技報堂5) 更℃hemical Grouting”,Proc.of Al S.C.E。,Paper1426,U957)一182一 1∼3−8、港構 熱的処理法は土中に連続した孔をあけ,これを利用して熱風の圧送,あるいは直接燃焼によって土を乾燥焼結させるものである。6)凍結法は地盤内の水分を凍結させて土を固化するものである。 5、2置換工法  5、2.1設計の順序置換工法の設計は,一般に次に示す順序で行なうのがよい。設計条件断面の仮定円形すべり計算経済性の比較沈下に対する検討  〔解説〕  置換断面の諸元は置換深さ,置換幅、掘削コウ配であり,これらを決定する際の検討事項は,円形すぺり計 算,沈下量・施工上の問題,経済性である。  5.2.2設計上の注意  〔解説〕(11置換深さ  軟弱層が比較的薄い場合はこれを全部置き麹える。  軟弱層が厚い場合は載荷重による地中鉛直応力が地盤の支持力よりも小さくなる深さまで置き換える(第1 章基礎の支持力参照)。  置換深さの決定にあたっては施工能力の点からも検討する必要がある.12)置換幅  施工例について置換幅と置換深さの関係を見ると図一5・1のようになる.《3)掘削コウ配  掘削コウ配は原地盤の強度から決まる(第4章 斜面の安定参照)。通常掘削コウ配は1:2とすることが 多い。(4)円形すべり計算6、 A,Beles,喝Thermal Treatment as a Means of lmprovlng the Stabi1圭ty of Earth Mass”,G60te−chnique,Vo18,No,4,(1958)一183一 1−3−8港構円形すぺり計算および安全率については,第4章斜面の安定を参照のこと。置換砂は施工例によれば,非常にゆるい状態であり,その内部摩擦角は一般に30。前後とされている。  15                   凡  例                      ■ 混成堤(防波堤)!ンノも!咳 ∼,                      ロケーソン岸壁!  〃!/ “X   bレ  10                      ム セルラーブロック岸壁 “∼ン“ ’■ノ  ”                     × ブロック岸壁!口!!’  (m)!    ノ!    !                      B;置換断面下幅 (m)!   5!                      Bo;上載構造物の底幅 (m), /ムノ  ノ!! ノ!丞                      H多置換断面下端より上載構造物底面までの !!∠!∠ア                        高さ (m、   0      5      10      15        (β一Bo)(m)                      鰐 (B一βo)1石r             図一5・1 置換幅と置換深さの関係5.3 ドレーン工法5.3.1設計の順序ドレーン工法の設計は,二般に次に示す順序で行なうのがよい。地盤支持力許容沈下量目標強度増加の仮定必要圧密荷重の仮定改良区間の仮定盛土の高さ、幅、形状の仮定工期安定計算各施工段階の盛土高と圧密期間の決定安定計・算各施工段階の盛土幅形状の決定ドレーンの種類径間隔の決定経済性の比較一184一 1−3−8港構  〔解説〕lD一  般  ドレーン工法の設計は,他の地盤改良工法の設計と同様に構造物自体の設計と不離一体の関係にあり,実際 の設計計算ではドレーンエの設計だけを分離して行なうことはないが,ここでは次の条件が与えられたものと してドレーンエの設計法を説明する. {al目標とする強度増加量 (b)構造物に許される将来沈下量 lc) ドレーンエの施工範囲  これらの要素は構造物の安定,構造物にかかる土圧,地盤の支持力,構造物に許される沈下量などを十分に 考慮して決めなければならない。(2)土質条件  ドレーンエの設計に関連する土質条件には原地盤について粘着強度,強度増加率,単位体積重量圧密係数, 体積圧縮係数,過圧密荷重,圧密層の厚さなどがあり,盛土についてはセン断強さ,単位体積重量などがあるが, それぞれの意味と求め方については第2編 8.2土の物理的性質および8.3土の力学的性質を参照のこと。{3)施工管理  ドレーン工施工中は粘土層の強度増加と沈下および盛土の断面形と単位体積重量を調査し,予定した強度増 加と沈下が起こっているかどうかを検討すると共に盛土の安定にも注意しなければならない。  5.3.2盛土高と盛土幅の決定 (1) 地盤改良に必要な盛土高と盛土幅地盤改良に必要な盛土高と盛土幅は,次の式(5、1),式(5.2)をもとに目標強度増㌍および許容将来沈下量を考慮して決定する。    40=(」σ/∠、の(α7h一ρρ)U(5,1)    S=簡(αlrん一ρo)∫ノU(5,2) ここに 403粘着強度増加量 (t/m2)    ε1沈下量 (m)  加/4Pl強度増加率    α1応力分布係数    73盛土の単位体積重量 (t/m3)    動盛土高(m)    ♪。;過圧密荷重(t/m2)   勘;体積圧縮係数ゆ2/t)    H;圧密層厚 女m)    U;ドレーン工完了時の圧密度一185一 1−3−8港 構n   h.−8,  ,駄  〔解説〕        トー一平均幅一Q一(D盛土幅  盛土の天端幅は地盤改良の必要幅以上とするの,・二gr天端幅..奴盛土〉:・(2)応力分布係数( ドレーン 区域 『  応力分布係数はブーシネスクの弾性解により推︶﹄ がのぞましい(図一5、2参照)。■.●.g o』り ・ −1響響H 定する(第3章 基礎の沈下参照)。  改良幅が大きく,しかも盛土の天端幅が改良幅  ず7’・※・;芝、㌔・」(透水層)、き予二二乙汎、、・“∵.;。 以上の場合にはボストン・コード(Boston CQde)      図一5。2 ドレーン工説明図 法を適用してもよい。 この場合盛土幅にはその平均幅(図一5、2参照)を用い,また深さ方向にも一様であるとして中心深さにおける 値を用いるのが普通である。ボストン・コード法による応力分布係数は第3章基礎の沈下 図一3,7に示さ れている。(3)土層が均一でない場合 盛土の単位体積重量が一様でなかったり,荷重段階ごとの盛土幅や圧密度が著しく異なる場合,あるいは圧 密層が均一でない場合には各荷重段階あるいは各層ごとに式(5.1),式(5.2)を適用する。 (2) 盛土の安定に必要な盛土高と盛土幅 (1)地盤改良に必要な盛土高と盛土幅で決定した盛土高と盛土幅に対し,円形すべりの槍討を行ない安全性を確かめる。 この場合式(5.1)で計算した強度増加量を考慮に入れる。  〔解説〕(1)一般 地盤改良に必要な盛土高と盛土幅が決まっても盛土自体の安定条件から採用できない場合がある。(2)円形すべり  円形すべりについては第4章斜面の安定を参照のこと。 (3) 施工段階ごとの盛土高と盛土幅 (2)盛土の安定に必要な盛土高と盛土幅で決定した最終断面を数段階1す金けて施工する。 施工段階ごとの断面形はその段階までの強度増加量を考慮し,その段階の盛土の安定を検討しながら順を追って決定する。  〔解説〕ω圧密度  1施工段階の圧密度を大きくとるとドレーンパイルの間隔を小さくするか,または工期を長くとる必要が生一186一 1−3−8港構 じ不経済となる。一方,圧密度を小さくとるとこれに伴う強度増加も小さくなり,次の段階の許容盛土高も小 さくなるので荷重段階数が増す。  圧密度としては普通50%∼90%が採用されるが,80%程度が一般的である。(2)断面の再検討  ドレーンパイルの間隔を決定した後,正確な圧密度を計算して施工段階ごとの断面形を再検討する必要があ る.  5、3.3 ドレーンエの設計 (1) ドレーンパイルと敷砂  〔解説〕ω 圧密遠さとパイルの直径  圧密速さはパイルの直径にほぼ比例し,パイル間隔の2乗に逆比例するので,直径は比較的圧密速さに影響 しないといえる。したがって,ドレーンパイルの直径は施工機械の都合で決めるのが普通である。  ただし,サンドパイルの直径があまり小さいと粘土でつまったり,砂柱が途中で切れるおそれがある.  これまでの施工例では40cm程度が最も多く,普通は30cm∼50cmである。7)(2)サンドパイルの砂  サンドパイルの砂は透水性がよく1しかも粘土の詰まらないような粒度のよいものでなければならない.  テルツァギによれば砂の15%粒径(P↓5)が圧密層の・015の4倍以上であり,しかも圧密層の85%粒径(1)画)の 4倍以下であることが必要である。8),  これまでの施工例(図一5.3参照)ではテルツァギの基準よりあらい砂が多いが,とくにドレーン効果の悪か ったものはないようである。100シル ト粗細  砂砂砂分② 〃’①③清水‘④八幡浜  40 ⑥四日市⑪⑦広 島’,/’ノ’0.1⑨1 ④夙ノ ! ノ’’’o⑧⑧京 浜⑨塩釜⑤1③(%)20’7ノ⑤長 崎率ノノ!ノ ’通過  60百ノ!80②①錦海利一一詫⑩⑪木曽川⑤⑫長浦⑥④NewYork⑫1〃 10粒径(㎜)図一5.3 サンドパイル用砂施工例7)石井靖丸,賦基礎の施工法”,山海堂,(昭和36年),p,1118)テルツァギ・ペック(小野他訳),帆土質力学”,基礎編,丸善,(昭和30年),p.43一187一 1−3−8港構(3)敷砂 敷砂の厚さは普通海中の場合1m,陸上の場合0・5m程度である。 敷砂が厚いとパイルの打込みがむずかしく,薄いと粘土が入り込んだりして透水性が悪くなる. (2) ドレーンパィルの間隔ドレーンパィルの間隔は,図一5.4および式(5・3)により決定するのがよい.9》   Z)=βゆ釦,          (5.3)ここに   P;ドレーンパイルの間隔 (cm)   β1係数 正方形配置のとき0.886,正三角形配置のとき0.952   %=ヱ)8!Pψπは図一5。4から求める。     σ肱診  丁鳥’=D竃“2  σり耐水平方向の圧密係数 (cm2/甲in)   ≠3圧密期間  く、day)  P砺ドレーンパイルの直径 Qm)   研の水平圧密度100 り〃o’◎・♂争QO9評∼ト50 Den==一 D  冒i ・Cvhn一Tお=『t  w1051・αgoo10.01          α1、α0011     T㌔図一5,4% 値算定図表 一〔解『説〕                        ハ 〔D一般  ドレーン工法は,自然圧密工法における一次元圧密の進行速さが工期の要求に対して小さすぎる場合に用い られる。自然圧密工法による粘土層の80%圧密に要する日数(’8・),粘土層厚(厚)(m)と圧密係数(c⑳)(cm2/min)  9) 中瀬明男,“サンドドレーンの設計図表”,土と基礎,第12巻1第6号,(昭和39年),p.35∼p.38一188一 1−3−8港構との関係は図一5.5のようになる。10,0008,0007,0006,0005,0004、000・310年●蕊・3,000 δ&2,000一’一く》齢 ・會 竜魂    〃q》o一・一◎qO4年 Q’ 8q)’  ∼ σO・  1,000 一 3年Qqo  800  7005年 『&‘bい◎’りo’oを50 6002年㊧oo■P》’(日)500  4001年  300200一6ケ月uTIT8010%0,01320%0,05530%α12540%0,22250%0,34860%0,50770%α71180%1,00090%ユ.透水層100’..『・。。9薗,∵.”●o運8 一・ ・9 ,『,■ ・ 一,807060     鴨透水層50薫 40 透水層3020不透水層工014972  3 4 567』8910   20 30 405060          H(m)図一5.5粘土層の80%圧密に要する日数一189一 1−3一一8港構(2)鉛直方向の水の流れ  ドレーン工法は水平方向の水の流れによる圧密を期待するものであるが,圧密層厚がドレーンパイルの間隔 に比べて小さいときは,鉛直方向の水の流れも無視できない。鉛直方向の水の流れによる圧密を考慮したパイ ル間隔の設計は文献9)を参照のこと。(3)水平方向の圧密係数  水平方向の圧密係数の試験結果がないときには,鉛直方向の圧密係数を代用してもよい。(4)圧密度の算定  パイル間隔決定後正確な圧密度を求めるには,式(5。4),式(5.5)と図一5,6を使えばよい。      o鵬♂   Tん==                                (5.4)      Pε2      Pε    π==               乱5.5)      Pωここに  丁屑水平圧密の時間係数   ず;圧密開始後の経過時間 (day)  Pe l有効径 (m)  P砺パイルの直径 (cm)@有効径  有効径とはパイルの影響範囲を等面積の円で置き換えたときの円の直径をいい,ドレーン間隔(D)との関 係は次のようになる。  正方形配置の場合  Oe=1.128P  正三角形配置の場合 Pθ;1.050P(b)自由沈下と等沈下  ドレーンエではパイルに近いほど早く圧密しやすい。しかし,パイル附近だけ圧密沈下しようとしてもア ーチアクションなどに妨げられて荷重が小さくなるので,結局1全体が平均化されるという考え方(等沈下) と,荷重分布は変わらないという考え方(自由沈下)10)11)の2つがある。10)高木俊介,{咤サンドパイル排水工のためのグラフとその使用例”,土と基礎,第3巻,第12号,(昭和 31年),P,8∼P,1411)高木俊介,配盛土速度を考えたサンドパイル排水工の間隙水圧変化の解析法”,土と基礎,第3巻,第 15号,(昭和31年),P・3∼P・10一190一 1−3−8港構o0,10,2φ醤uつ0.3憲.n=16n=12n=10eφ寒♂0.4寒ψづn=8n=7O.5n6n=5n0。640,70,8o,9LO O.001 2  41 1680.01 2  4 680、1 2・ 4 6814  6 a102  4 6 810   図一5。6水平圧密度算定図’表 図一写,4,図一5。6は等沈下の場合であるが,π<10でしかもUπ<60%のときには,その平均圧密度が自由 沈」ドの場合とはかけ離れてくる。{cl漸増荷重による圧密燭 第3章基礎の沈下,図r’3、22に示す荷重条件でドレーンの水平流のみによる圧密は,等沈下の場合式 (5。6)のようになる。          1研=1ノ(π)研、(%,丁泥)    丁加昭一1一募響{Uあ(㈱一聴丁ん一丁の}lil:/㈹      診S,==2珈君ρσこる一      ちS〆==2伽切ウσ乙乃’ここに ひ;平均圧密度(荷重漸増期)12) R.L Schiffman,“Field ApPllcations of Soil Consolidation Under Time−Dependent Loadiロ9 孤d Varing permeab圭1ity”,Highway Research BQard,BuIL248慶(1960),p、1∼p.25一191一 1−3−8港 構     研’三平均圧密度(荷重一定期)     s’涛間沈下量(荷蝋増湖)、     S/1時間沈下量(荷重一定期)    一取1)=温着賦㌻1)(図誘尽)        Coぬ≠。     丁加=         Pθ2     c”喝水平方向の圧密係数 (cm2/min)F.      職荷期間(㈱(一定韓まで)     Pε1有効径 (m)     U屑一定荷重時の圧密度 (図一5.6参尽)                    ノ〆  4  3  2F(n)1』圧 10.90.80.76  rD  4    QU     2          10.60.55︵L4α30.20.112345678910 203040506070809010Q                  n         図一5.7 F(7z)とπの関係一192一 1−3−8港構(d)土層が不均一な場合  土層が不均一な場合についてもいろいろの解析がなされている13》・14)・ 5.4 バイブロフローテーション工法 5、4.1設計の順序バイブロフローテーション工法の設計は,一般に次に示す順序で行なうのがよい。必要強度(φ,N)原地盤粒度、など原地盤強度(N)施補施工給工φ∼N∼D,関係砂機間例ゲキ械必要間ゲキ此原地盤間ゲキ比比式(5.7)一本当りの補給砂量補給砂量の決定式(5,8)補給砂の粒度パイル問隔の決定施工深度補給水量施工面積補給水圧  〔解説〕{1)一  般  バイブロフローテーション工法は,設計と施工に必要な基礎的データが不足しているので,とくに試験工事 の必要性が大きい。このため,設計では概略の見通しを立てるにとどめ,試験工事の結果を待って施工計画を 立てるこ とが必要である。12》砂の強度と相対密度との関係  バイブロフローテーション工法の概算設計に必要な土性に関する相関関係には,N値と内部摩擦角,内部摩擦 角と相対密度およびN値と相対密度などがあるが,これらについては第2編 第8章 土質条件を参照のこと。13) 引用文献11)参照14)三笠正人,“軟弱粘土の圧密”,(昭和38年)一193一 1−3−8港構  5.4.2施工実績  〔解説〕《1)適用限界  これまでの実施例から予想されるバイブロフローテーション工法の適用限界は図一5。8のとおりである。15)  図一5.8はパイル間隔1.2m∼1,5mの正三角形配置で施工された11例の実測値をもとにその他の実施例を 参考にして決められたもので,概略の適用限界を知ることができる。 {a)原地盤の粒度限界  バイブロフローテーション工法は,シルト質地盤には適しない。図一5.8によればシルト分40%の土まで 適用できるが,他の報告では30%までといわれている。16)(b)補給砂の粒度限界100租   砂細  砂シルトレキ 補給砂としては砂利,粗砂,鉱さい(津),最大粒径が5cmを越えるとかえって締固め効 果が悪くなる。エ7)  ご!蕊過百分 60率9θ 40,入イ諺置 一方,粒径が小さいと上昇でい(泥)水流の ために浮遊したり,落下速度が小さくなって 締固めが円滑に行なわれない。補給材として 好ましい最小粒径を図一5,8に点線で示して20鍵  A     きいほど締固め効果も大きいといわれるが,!通80訳 現地砂などが多く使われる。一般に粒径が大ノ   s、,’B カ’衛,C轟’Nmin=8−1520Nmin=20−25Nmin=15西’ 0α01α020,03α05α07α1α2α3α⊃LO名Oよ0                 粒径(mm)図一5.8 原地盤の粒度と締固め後の最小N値との関係 いる。(c)締固め限界  図一5.8に示されたN値は,バイブロパイルから最も離れた三角形重心位置での施工後の値をまとめたも ので,概略の締固め限界を知ることができる。  一般にバイブロフローテーション工法で締め固められる限界を相対密度で表わすと70%∼90%であるとい われている13)。(d)バイブロパイルからの距離による締固め効果の差異  バイブロフローテーションによる締固め効果はバイブロパイルからの距離によって指数関数的に減少す る19)。(e)改良地盤の強度試験  改良後の地盤強度は標準貫入試験または平板載荷試験で調査するが,その位置はバイブロパイルから最も15)渡辺隆,“バイブロフローテーション工法に関する研究”,鹿島技術研究所出版部,(昭和37年),P・816)福田,諸角,佐川,にξバイブロフローテーション工法の施工例”,土と基礎,第’7巻,第3号・(昭和34 年),P,3817)福田,佐川,“バイブロフローテーション工事実績”,鹿島技研年報,第9号,(昭和35年),p,9318)石井靖丸,“基礎の施工法”,山海堂,(昭和36年),p.16519) E.D’ApPolonia et,cl,《聖SandCompaction by Vibrat正Qn”,Trαs・A・S・C・E・,VQL120・No・273・  (1955), p.163∼p,164一194一 1−3−8港構  離れた所を選ぶのがよい。この場合,調査結果はかなり安全側の値を与えるはずであるが,工事現場ではパ  イルの鉛直打込みの精度とその間隔が厳密ではないので,この値を地盤全体の平均強度とするのが無難ぞあ  ろう。(2)施工間隔 バイブロパイルの施工間隔はこれまで1,2m∼1.5mの正三角形配置が多い20)。(3)施工深度 わが国で現在使用されている施工機械では最大の深度8mまで締め固めることができる.(4)補給砂量  これまでの実施例では原地盤1m3当り0.14m3∼0,22m3程度が最も多い。20)  また,バイブロパイル1m当りの補給砂量は,バイブロフロットの体積の3倍以上といわれている21》。  わが国で現在使用されているバイブロフロットの体積は,直径216mmの円筒22)として計算できる。(5)補給水圧と補給水量  これまでの実施例では,補給水の水圧は最大7kg/cm2,送水量は施工1m当り0・2m3∼O・5m3,施工時間当 り0.2m3/min程度である。2P(6)作業時間  バイブロパイル1本当りの作業時間は,これまでの実施例から7mもので機械の移動を含めて30分程度であ る。(7)電流記録  作業中は使用電流の記録をとり,通電時間(振動時問)と機械移動時間とをは握して締固め度の判定資料とす るべきである。   5,4.3 バイブロフローテーションの設計 (1)補給砂量補給砂量の設計は,5.4.2 施工実績〔解説〕(4)の値を参考に式(5.7)によって行なう。23)  ρ=U+6・Xo・一θ)          (5.7)   “1十θo)(1十9)ここに   Ol原地盤単位体積当りの必要補給砂量 (m3/m3)  601原地盤の間ゲキ比  θ1;補給砂の間ゲキ比  θ;改良地盤の必要間ゲキ比  〔解説〕(1)原地盤の間ゲキ比20) 引用文献1プ)参照,p,9321)最上武雄,“土と基礎の新工法”,(昭和35年),p・15522) 引用文献15)参照,p.2823) 引用文献18)参照,p.165〃一195一 1−3−8港構  原地盤の閻ゲキ比のうち深層土については,これを直接測定することは非常に困難であるが,概略の値はN 値より推定することができる。(21改良地盤の必要間ゲキ比  改良地盤の必要強度が内部摩擦角またはN値で与えられた場合,第2編 第8章 土質条件から概略の必要 間ゲキ比を知ることができる。(3)補給砂の運搬損失  補給砂量には式(5.7)で求めた値のほかに運搬損失なども考慮しなけれぱならない. (2)施工聞隔 バイブロパイルの施工間隔の設計は,5.4.2施工実績〔解説〕(2)の値を参考に式(5。8)によって行なう。    4=αへ/否万             (5・8) ここに   41バイブロパイル施工間隔 (m)・   α;係数 正方形配置の場合 1・0,正三角形配置の場合 1・075   S;バイブロパイル単位長さ当りの補給可能砂量 (m3/m)   明原地盤単位体積当りの必要補給砂量 (m3/m3)  〔解説〕① 補給可能砂量 補給可能砂量は施工機械,振動時間,原地盤の土質,バイブロパイル間隔などによって異なるが,概略の値 は5,4.2 施工実績〔解説〕(4)の実施例から推定できる。さらに詳細な値は試験工事を進めながら決定しなけれ ばらない。(2)改良地盤の平均間ゲキ比  改良地盤の平均間ゲキ比は改良後の強度に関連して施工管理上必要なものであるが,式(5,9)を用いて推 定できる。      β改H±ん)    4=       一1     β4昭+γ       (5・9)     1十召0 1十61 ここに    4;改良後の平均間ゲキ比   β1面積係数 正方形配置の場合 1.0,正三角形配置の場合 α866    43バィブロパイル施工閲隔 (m)   β421パイル1本当りの施工面積 (m2)   H;改良層厚 しm)    勧地盤の盛り上がり量(十)または沈下量(一)(m)   巧パイル1本当りの補給砂量 (m3/本)一196一 1−3−8港構 80;原地盤の間ゲキ比 6、;補給砂の間ゲキ比5.5 サンドコンパクションパイル工法5.5.1設計の順序サンドコンパクシヨンパイル工法の設計は,一般に次に示す順序で行なうのがい。                             施工機械     原地盤強度(N)        必要強度(φ・N),施工深度φ∼1V−D,関係必要間ゲキ比原地盤間ゲキ比施工面積施工例式(5・10)砂グイ問隔の決定補給砂量の決定  〔解説〕(1)一  般  サンドコンパクションパイル工法の設計にはまだ未知な要素も含まれているので,できるだけ現地で試験工 事を行ない、設計の慎重を期すことがのぞましい。(2)砂の強度と間ゲキ比との関係  サンドコンパクションパイル工法の設計に必要な土性相関にはN値と内部摩擦角,内部摩擦角と相対密度お よびN値と相対密度などがあるが,これらについては第2編第8章土質条件を参照のこと。  5・5・2 サンドコンパクションパイル工法の設計補給砂量および砂グイの間隔は,式(5.10)により求める。 (1)砂グイが正方形配置の場合   S−60−642    1十βo(5,10) (2)砂グイが正三角形配置の場合   S=α866×o・一θ42        1十〇〇ここに  S;深さ1m当りの砂グイの体積 (m3)一197L 1−3−8港構   め砂グイ間隔 (m)   θ・1原地盤の間ゲキ比   θ;地盤改良後に必要な間ゲキ比 なお,式(5.10)中のSは砂グイとしての締め固められた砂の体積であるから,補給砂量はこの1割∼2割増しとする。%)  〔解説〕(11原地盤の間ゲキ比および改良地盤の必要間ゲキ比は5.4・3パイブロフローテーションの設計〔解説〕(IX2)を参 照のこと。(2)砂グイの間隔  砂グイの間隔は1.5m∼3,0m程度が適切であるといわれ25)・これまでの実例では1・8m∼2・2mが多い。26)(3)施工深度  わが国で現在使用されている施工機械では,最大25m程度まで締め固めることができる。  5。5,3 改良地盤の強度試験  〔解 説〕 改良後の地盤強度は,標準貫入試験または平板載荷試験で調査するが,その位置は砂グイから最も離れた所を選ぶのがよい。   5.5,4 粘性土地盤の改良  〔解説〕  サンドコンパクシヨンパイル工法を粘性土地盤の改良に用いることはのぞましくない。24)八島忠,中島武,“新しい基礎工法の設計”,近代図書,(昭和39年),p.39325) 村山朔郎,大崎順彦編,賦基礎工学ハンドブック”,朝倉書店,(昭和39年),p。75626) 引用文献24)参照,p,393一198一 1二3−8港構5,6 ウエルポイント工法5.6.1設計の順序ウエルポイント工法の設計は,一般に次に示す順序で行なうのがよい。            揚水試験              (麟羅2難)              ↓ウエルポイントの深さの決定↓フィルターサンドとストレーナー の決定↓排水量の計算↓水位低下時間の計算↓ウェルポイントの数の計算ウエルポイントの間隔の決定↓所要動力の計算5.6.2 ウエルポイント工法の適用範囲 ウェルポィント工法は,透水係数(盈)が,次の範囲内にある土に適用するのがのぞましい。27}28)   盈=α×(10−1∼10『4)cm/sec ただしα=1∼9〔解説〕ウエルポイント工法の適用範囲と粒度との関係は,図一5.9のとおりである。図一5,9においてA区域3排水容易な領域,単に排水を行なうだけの目的ならば,カマ(釜)場,深井戸,ジーメン欠ウエル    などでもよい。B区域1排水やや困難な領域,真空が必要となり排水だけの目的からいってもウエルポイントが有利である。C区域;排水困難な領域,きわめて強力な真空ポシプを必要とする。D区域3排水不可能な領域(電気浸透の領域)27)成瀬勝武他,“土木施工データーデック”,森北出版,p.84,(昭和41年)28)小松義郎,Well Point工法,Sand Drain工法並びにSand Drain−Well Point工法,”P.10一199一 1−3−8港構100通(C)(D)(B)(A)過重50量(%)00,0020.01               0,1・              1,0        粒  径(㎜)   図一5.9 ウエルポイントの適性範囲と粒度5.6.3調 査 ウエルポイント工法のための調査として,本体工施工のための土質調査に加えて,現場揚水試験を行なうのがのぞましい。  〔解説〕(D一般  ウエルポイント工法の設計上最も重要な要素は,透水係数およぴ貯留係数である。透水係数の求め方には, 土粒子の粒径からの推定,室内実験,揚水試験などがあるが,貯留係数は揚水試験より求めるほかに方法はな い。29)したがって,透水係数および貯留係数をより正確に求め,経済的な設計を行なうためには,現場揚水試 験を行なうぺきである。(2》透水係数の概略値を表一5.1に示す。30)』               表一5,1粒径と透水係数の概略値粒径(mm)1α・1以下1α・1一α・51α・5一α1・1α1一α劃α25一α5・1α5・一1・・L・一a・々(cm/sec)13×1跡1生5×・。413・5×1r31α・・5 α・850.35   3.0  土砂の粒径より透水係数を求める公式は多数提案されている。3①)(3)貯留係数(S)の概略値  貯留係数は揚水試験を行なわないと決定できないが,その概略値を示すと次のとおりである。31)    自由水;S=0.01∼O.3529) 引用文献28)参照,p.2830) 土木学会,賦水理公式集”,(昭和38年),p・30831) 山本荘毅,くc揚水試験と井戸管理”,(昭和37年),p.60一200一 1−3−8港構    被圧水;S=1×10−3∼1×104(4)揚水試験の手引  揚水試験についての詳細は,〔参考文献〕13),14),17)などを参照のこと。   5。6.4 言窒 言十 (1) ウエルポイントの深さ 掘削現場におけるウエルポイントのスクリーン最高部の深さは,掘削底面から60cm∼90cm深くしなければならない。32), 〔解説〕 これは空気の吸入を防ぐと同時に,ウエルポイントから離れた箇所でのゆう(湧)水を避けるためである。また水路における片側設置の場合には,これより余裕をみなければならない。たとえば,片側のヘッダーラインから反対側の水路底までが3,5m以内にある場合は,掘削底面より1m∼1,2m深くする必要がある。鋤(2) 低下し得る水位ウエルポイントで低下しうる水位の最高は,5.5m∼6.1mを標準とする。33》 〔解説〕 ウエルポイントポンプにより揚水できる理論的な深さは10,3mであるが,実用上は損失水頭や動力の関係から,最高6m程度とするのが経済的な設計となる。したがって,掘削底面が深い場合は常時地下水面まで掘削してこの位置から設置するのがよく,それでもなお6mを越える場合には多段式に敷設するのがよい。(3) フィルターサンドとストレーナー フィルターサンドの粒径とストレーナーのメッシュの大きさは,式(5.11)を満足するように選ばなければならない34)。 ここに   Pπ;粒度曲線におけるπ%粒径 (mm)  1)π(3);自然土の場合のDπ(mm)  P眠ノ);フィルターサンドの場合の1)π(mm)   Dのストレーナーのメッシュの大きさ (mm)32)瀬古新助,鴫電ウエルポイント及びサンドドレーン工法”,p.6233) 引用文献32)参照,p.5834) 引用文献27)参照,p.87一201一 ∼1−3−8港 構  〔解説〕(1)地下水がウエルポイントに集まる状況は,広い断面から狭い断面へと流入している。したがって,一定の水 量が流れるためには,ウエルポイントに近づくにしたがって透水性を増さなければならず,また同時に自然土 の流入によりウエルポイントのストレーナーがふさがれないようにしなければならない。フィルターサンドは,これらを満足するような良質な砂を使用すべきである。 フィルターサンドの直径は,粘性土では25cm程度とし,砂質土ではこれより小さくしてよく,特に粒度の等しい砂層ではフイルターサンドを設けなくてもよい場合がある。35) しかし,透水層の間に不透水層が介入する場合には上下透水層間の連結が不完全になりやすいので,施工には十分注意しなければならない。36)(4)排水量の算定排水量の算定には,次の式(5.12)に示すティーム(Thiem)の式を用いるのがよい37}(図一5、10参照)。 (1)自由水の場合           1.3碑(H2−h。2》        Q=              κ            Io9一一              70(5.12) (2〉被圧水の場合          2.72セδ(ノヌーho)        Q=              左           109一              γ0GLここに∠Q 立_』・肱L  Q l排水量 (m3/min) −   T      Hho   耽帯水層の透水係数 (m/min)  ど三帯水層の自然水位 (m)  ”・1井戸の低下水位 (m)尺9  R(a) 自由水の場合  7。1井戸の半径 (m)1∠㌦  R3影響圏の半径 (m)  =一qw・L   動帯水層の厚さ (m)不透水層bho一H灘難灘饗.難.櫨 灘「畢  R              (b)被圧水の場合図一5・10水位低下曲線35) 引用文献32)参照,p。7336) 引用文献27)参照,p,8737)戸部兼雄,《地盤改良の設計と施工”,理士図書,(昭和39年),p,130∼p。131一202一 1−3−8港構  〔解説〕①一 般  排水量の算定にはいろいろの式があるが,排水範囲に半径あなる1個の大口径の井戸を仮定して,ティー ムの式を使用することが多い。鋤(2)井戸の半径 (7・)(図一5,11参照)  7。はムスカット(Muscat)の理論から式(5.13)で表わされる。39)    1。97。一1・97・+1・972+1・973+響00+1・97π     (巳13)               π ここに     7。多井戸の半径 (m)    71〆2…7弱各ウエルからウエルポイント施工範囲の中心点までの距離(m)    駕ウエルの数  また,ウエルポイントの設置範囲の面積と同  面積の円を考え,この半径を70とする方法も  ある。40)  ウエルポイントの設置が円形であることはま       r‘ れであるが,一般にはこれらの方法が用いられro ている。しかし,ウエルポイントの設置が非常 に細長い場合は,ティームの式は適用できな い。このような場合の一例として,水流の方向 を双曲線と考えてティームの式を変形した方法 がある。41)(3)影響圏の半径(R)             図一5・11井戸の半径  影響圏の半径の求め方にはいろいろな説があり,現在では絶対的なものはないが,一例として(5)水位低下時 間で述べるタイス(Theis)の非平衡式より算出することがある。42)  影響圏の半径(R)(m)の概略値は,式(5、14)で表わされる。    R=(100十γ。)∼(500+7・)             (5,14)   ここに7・1井戸の半径 (m)  %は透水係数の大きい場合に匿大きく,少ξい場合には小さくとればよい。鋤38)引用文献37)参照,p,130∼p,13139)引用文献28)参照,p.16∼p.2040)引用文献37)参照,p,13141)引用文献28)参照,p.2042)引用文献32)参照,p.10443)引用文献37)参照,p,131一203一 1−3−8港構 Rは揚水量算定式において対数の中に入っているので,Rの誤差による揚水量(Q)の誤差は,透水係数(めの誤差によるQの誤差に比ぺて小さくRの値に概略値を用いても実用上さしつかえない場合が多い。44)(5) 水位低下時間水位低下時間の計算には,式(5.15)に示す非平衡式を用いるのがよい。45レ       ∫一議    ’  1          4π彦πε      四(π)=           Q(5,15)                 陶一∫π早伽                  π2   π3   μ4        =一α5772−lnμ+駕一棘+諏一屈+…〈μ<1)ここに   ち揚水開始からの時間 (min)   73井戸から考える点までの距離 (皿)   S多貯留係数   恥透水係数 (m/min)   E;帯水層の厚さ (m)   s;ず時間揚水した後の中心より距離 γの点での水位低下量 (m)   Q3揚水量 (m3/min) 四(π);ウェンゼル(Wensel)の井戸関数  〔解説〕 ウエルポイントで囲まれた中の一点Pでの水位低下は,式(5.15)を用いて次のようにして求める。すなわち,全ウエルがそれぞれ独立して診時間揚水された場合のP点での水位低下量をS、,32,S3…S、とすると,ポンプを運転してからず時間後の水位低下量(S)は    s=ε1十32十s3十…十sηとなる。’を変化させて,それぞれのずに対するSを求めれぱ,P点での水位低下と時間との関係が見出せるから⑥,それを用いて必要な水位低下量sに対する水位低下時間’を求めることができる.44)引用文献37)参照,p。131∼p.13245)引用文献37)参照,p.133引用文献37)参照,p,13446)一204一 1−3−8港構(6) ウエルポイントの数ウエルポイントの数は,式(5.16)により計算する。471     Q   π=一     9(5.16)ここに  π1ウエルポイントの数  ‘?3全揚水量 (ヴmin)  躬ウエルポゴント1本の揚水量 (」/min)  〔解説〕 ウエルポイント1本の揚水量は現場の状況により異なるが,普通g=20」ノmin∼50」/minと考えてよい。43》 πが求まればウエルポイントの間隔も当然決定されるが,この間隔の最大限は3m程度であり,あまり長いと水位低下に時間がかかり,実状にそわない場合が生ずる。鋤 (7)ポンプ軸における所要馬力の計算ポンプ軸における所要馬力(P。)は,式(5,17)により求める501。     Q∬  島=鷹           (517)ここに  鳥多ポンプ軸における所要馬力 (P)  E;総揚程=実揚程+損失水頭 (m)   E3ポンプ効率 〔解説〕 損失水頭は管内摩擦損失水頭の外に,流入,バルブ,コック,屈曲,継手などの損失水頭があり,詳細については〔参考文献〕13)を参照のこと。なお,水理量の諸係数が現地の条件に合致するかどうかは,十分検討した後使用すぺきであり,粘土まじりの流水の損失水頭は20%∼30%増しとして計算すべきである,511. また,ポンプの容量は揚水量(Q)の算定誤差,不慮の降雨などを考えて,計算値の1.5∼2.0の安全率を見込む必要がある51》。        一 真空ポンプは排気量3m3/min程度のものをヘッダーパイプ延長100mに対して1台の割合で配置すればよ鳶、521。47)引用文献27)参照,p。8548)引用文献27)参照,p,8549)引用文献32)参照,p.7350)引用文献37)参照,p.7351)’引用文献37)参照,p.13552)引用文献37)参照、p。127一205一 1−3−8港構全所要動力は揚水ポンプ所要動力に真空ポンプ所要動力を加えたものとなる.各ポンプの性能を示すと表一5、2のとおりである521。          表一5.2ポンプの性能(b)真空ポンプ@ フユーガルポンプ口径!ll鵠網排 水量型 式  排気量所要馬力     2.Om3/min乾 気     3.0  躍3i且4 岬     2.0湿 気     3,06 ’所要馬力5.O H》7.5 ’10,015.0〔参考文献〕1) 土木学会,“土木工学ハンドブック”,上巻,技報堂,(昭和39年)2)村山朔郎,大崎順彦編,“基礎工学ハンドブック”,朝倉書店、(昭和39年)3)八島忠,中島武,“新しい基礎工法の設計”,近代図書,(昭和39年)4)土質工学会,般土と基礎の新工法”,(昭和35年)5)石井靖丸,尽基礎の新工法”,最新土木施工法講座,5,山海堂,(昭和36年)6)中瀬明男,賦サンドドレーンの設計図表”,土と基礎,第12巻,第6号,(昭和39年),7)渡辺隆,“バイブロフローテーション工法に関する研究”,鹿島技術研究所出版部,(昭和37年)8)村山朔郎・・粘性土に対するバイブロ・コンボーザ工法の考察”,建設の機械化,(昭和37年)9)村山朔郎,“サンドコンパクションパイルによる軟弱地盤の改良一コンポーザ工法”,大阪建設学会講演  会資料,(昭和34年)10)小川充郎,一本英三郎,“粘性土に対するバイブロ・コンポーザ工法の適用について”,土と基礎,第11  巻,第3号,(昭和38年)11)成瀬勝武他,艇土木施工データーブック”,森北出版,(昭和41年)12)小松義郎,Wen Point工法,Sand Drain工法,並びにSand Drain−WeU Point工法身,(昭和39年)13)土木学会,“水理公式集”,(昭和38年)14) 山本荘毅,“揚水試験と井戸管理”,(昭和37年)15)瀬古新助,“ウエルポイント及びサンドドレーン工法”,(昭和36年)16)戸部兼雄,“地盤改良の設計と施工”,理工図書,(昭和39年)17)瀬古新助他,“ウエルポイントによる現場揚水試験について”一206一 1−4−1土地改1−4 透水性地盤対策1−4−1〔Na4−1 土地改良事業計画・設計基準〕4・2・2 透水性地盤上のダム第49条 砂レキなどの透水性地盤上にダムを築造する場合には,浸透水量を許容範囲内に おさえるとともに,浸透水を安全に堤外に流過させるための適切な処置を講じなければ ならない。〔解説〕 (1) 浸透水量を減少させ堤体の安定を確保させるには,図一4・11のような各種の方法があるの で,透水層の厚さ,粒径の大小などにより,適切なものを用いる。もちろん,この中の二つ以上を組合 せて使う場合もある。 (許容浸透水量の一般的基準については・8・3・1(2)p・429を参照)              図一4・11浸透水量を減少させる工法這水層の博さ浅設計法広いコヲ田各一トードレーン要.止水効果党全・左一左喚b透水層の厚さ力戯是高(原地盤上)d)%以内ぐらいえバ限度コア水平ドレ ン’水平ドレーンTシートパィル摘図トードレー止水効果不党全王1πヨまじψソ書には不r適撒験凱卜愚二la有効適切シートノWル水平ドし一ン豊  7中特殊労ウトトードレー(ソレタンジェ法)160ηし》架ざ1二注入しで成功した例七あるが、。過イ吉は危匪漿ll∼特殊クヲ7兜全止水壁(剰f)トードレー_党全止水;下翻く’陛i’     オ甲之盛士          ドレーン詫押之盛土止水効果党全コスト高キ易圧力セ才甲晃る尼めに行:う許容漏水量大なるときに適省2,5 鵬リリーフウェル(ま彪は比冴)深リリーフ・ウェ』レ墓石楚酎透水’1生・不透水性の互局漁斑U死きに有効不透水層水平ドレーン不透オくフランレソトパイビンゲ防止に有効.不透水方〉分kT トードレーンコスト裳全面舗装きわめτコZド高のため許容ト幽ドレウ全面舖装漏水量ぴ極小に制1恥れるヒ老以クトは用Uなし1・ドレ』ンノ、冒※一般に「透水性』と呼ばれている範囲は,透水係数>1x10『4cmlsecであるが・ 「半透水1生』と呼ばれる1x105cmlsec までの基礎地盤に対しても,この項は準用できる●一207一 1−4−1土地改〔参考〕 ミゾーリ川大ダム群の止水工法の変遷 表一4・2を見ると,アメリカ陸軍土木部における透水 性地盤上のダム設計法の変化がうかがわれて,はなはだ興味深いo表一4・2 アメリカ陸軍土木部の止水工法の変遷茎     堤高堤体積貯水量   止水工法慶築 ダム名(伽)(.万が一億m・)γ/”儘総嬬)呂ば五/欄憲辮                                                 4)①1933∼40FortPeck76.29,350②1946∼53FortRanda1150・3 3,820239㎜なし(深さ   17本50m)(38m)間隔O               36本 透 水 部一 砂利トー  ドレーソ75  196    427  X  (23−30m 8・50 水平ドレーソ               深)③1947∼54Garrson 64,1 5,000 302604 3810 54本5.95水平ドレーソ                                             トードレーソ④1950∼590ahe73・8   5,950    291  490    396  0  (研究中) 5・37 垂直ドレーγ⑤  1952∼56 Gavins Point 22・6    534⑥  1959∼   Big Bend   32,1   1,2207  131     137   ×    48本  6.07 垂直ドレ・一ソ器・88 ・83X(研究中)5・7・奎翫》注1) 「ブランケット」の厚さ,施工法は図一4,12のとおり。①でi馬rブラソケ刑がなかつたカ㍉②でL胴5として現われ・血  トラクダ遣鰍⊥. ③∼⑥ではL’π昌5∼6として,今日に至っている。 年がたっにっれて、滞砂によりブラソケットの効果はさらに増加しつつある。 2) 「シートパイル』はパイピソグ防止が主目的であった8⑤,⑥では中止の傾 向にある・                          図一4・12 ブランケットの厚さ Fort Peckでは,完工当初は全水圧の12%(損失水頭4.5m)減少にすぎ なかったのが,17年後には30%減少となった。③Garrisonでは,1955年に全水圧のε%減少だったが,1959年には20%減少 となった。いずれも・シートパイルの腐食と目ヅマリにより,止水効果が年とともに増加するのであろう.3) 「リリーフウ5ル」は,もっとも安価で効果的である。④と⑥では(研究中)となっているが,あとから施工できるのがリリーフヴ昌 ルの一つの特徴でもある◎4) 「浸透水の安全流過対策』としては,①∼③の透水部pトードレー賄水平ドレーソの時代から④∼⑥の垂直ドレーンの時代へ移って きているようである。(2) 広いコア   コアの下の透水性基礎を,不透水層に達するまで掘削し,コア用土でこれを埋戻し転圧する方法であ る・1920年以来もっともよく用いられた方法であるが・最近は土工機械の発達とともに・ますます盛 んになってぎている。深さ46mまで入れた例もあるが,深くなると地下水排除,掘削量増大などでコ スト高になるので・せいぜい堤高(地上高)の%ぐらいの深さまでが最大限であろう。掘削した材料 は堤体の他の部分に流用するのが経済的である。地下水排除には,砂利または難透亦性地聾以外の場合, ウ土ルポィソト法が有効である。ポソプ揚水のためのカマ場には立上り管を立て,その中に砂利を埋め ながら,水面を盛土面より3mほど常に低く保ちつつ上がってゆく。この砂利層には・あとでグラウト してもよいし,そのままにしておいてもよいo(3)申シートパイル  30年前ごろまでは,よく用いられたが,コストと止水効果不十分との理由で現在ではあまり用いら れていない。とくに,玉石まじりや層状基礎のときは適しない。ただし,均一性基礎のときはかなり効 果があるし,一時的に大量漏水を防ぐ必要のある場合(貯水しながら,ダムのカサ上げ工事をするとき など),またはシルト基礎の流動化現象を押える目的をあわせもつ場合などには最良の方法である。  なお,シートパイルが不透水地盤まで達しない場合には,さらに止水効果が減ることに注意すべきで ある・シートバイルの貫入深さが・透水層厚さの50%のとき・漏水量は314であり・80%の深さで・ 漏水量はやっと施となる(Turnbu11&Creagerの実験)Qしたがって,かなりの止水効果をあげるた めには,透水層厚の95%以上貫入しなければならない。  〔参考〕 第7回国際大ダム会議(1961年,ローマ)における「Q27歴青材料その他の不透水材料」の一208一β 1−4−1土地改  総括報告では,次のように結論している。    「シートパイルは,パイピソグ防止に対して有効なだけであって,漏水防止工法の一つとして数   えることはむずかしい」(4) 特殊グラウト  セメソトは粗粒子の中にしか入らないので,最近各種の特殊グラウトが開発されつつある。しかし化学薬液はコスト高であり,アスファルトも うまくゆきにくい。フランスでは20年前から,これらの欠点を克服ずる研究を続け,遂にSoletanche・工法(粘土セメント,ベントナイト,化学薬液を混合し たもに代表される特殊グラウト注    表一4・3各種グラウトの適用範囲と主要成分 入法の開発に成功した。カナダの         (藤井和・土と基礎 No・24P・29)血issi面Dam(深さ152mに注 枷グラウ}の名悌レキ       1粗砂 細  砂 シルトセメント竜’ントモゆタルDam(深さ90mに注入し,彦=’麟獅 族グ、レウト5×10−2を5×10−5cm/sに改良) などで成功を収めている。(5)完全止水壁  コソクリート止水壁は,地震時主   材   料帖土 入),フラソスみSerre』Pon¢on・呂7モルクル      1セ メ シ ト噂周一■噌一噂■こ不安定岬ス》    1昌一1=4佃張削博たは、ポゾラン・ポゾラノまたは防沈酬のい 工ロセム工岳づ匹か一方または、爾方.の超禽配合化および起泡胴分飲耐・世溶刑ま£1縦進 セ’ント皐陰岐剤、防沈鯛または、ポゾラ用13減少傾向ン 膨熟削ペン、トナィ}ペ ン ト ナイ ト薩智”アスラ7ルトけ一ル)乳剤またけ需出タール溺潰藷1特榎霞詰耐改頁椥水ガラス丸  ノ  ン  ト防沈剤.または待殊水ガラス水湿液話加剤{一方または両方》 ばなれを起す危険性があり,またdA*ガラス塩化カルシウム藩液俺故ク ワ、ウト 透水性が土より劣るなどの欠点の水がラス水溶液クロムリグ昌ン硫酸パルプ廃液 ηリル酸ナクリル働ルシウム同主成分製品チオ硫罎ソ占ダ’カルシウム ため,1950年以降は,ほとんどウ ー 用いられなくなった。しかし最近レゲクリルγマイド7クリル7マイトF遅撮剤皿クロム酸ソーダなどβヂノチルブロピ才昌トリル〔DMAPN湯硫醸アンモン{AP》赤血塩くKFe》庄紬空気 うな型のコソクリートづめシ÷ト1ウエルポイン患の他の排ホ工浅 パイノレ(アメリカSwift Dam), イコス工法(ヨーロッパ,南米の重力掲水篭気浸透1h l 多くの低ダム,北海道の幌別ダム)  1   翫o品9置’o 侃¢05αρ置㈱5粒  臣 P”鴎 プレパクト工法(アメリカ開拓局 の2ダム),スラリー・トレソチ遷水係殿κ胆ん >10耳101L甲1O咀0・く!O巳 (Wanapum Dam1×100→1×不透.水,1生盛土細粒半漣水層哲axWSEl653囮ロッワフイ」レケごラウトフ9ラットフオーA葡61E此613 13115215 、檜岩 to孝占土7『ランケツト淵i、、鍮輩輩  五ウ積届 iiiii菱膨膨グ     ol〃 zz z     II塵rl zzzzzzノ:/砂利     iil鴛冨テ>(幅15㎡,     晒ノ“/    ドレーン   基礎碗テン、慰のフ脚一圃粒度飾のよ1耐別匡彫汚捉揖沼杜禅     1  基礎岩盤F図一4.13             r』l   l−i,,     イ ・, ソレタンシェ工法の実施例(単位m)Mission D3m(カナダ1060〉一209一』00SτEH工暖『テラ77一マ』など過硫賎7ンモン は,コソクリート止水壁とシ門ト パイルの長所をあわせ改良したよコンク’∫一卜用豊ノン権ど‘謝謝} に土との振動周期が違うのでハダ水中コソクリートの場合はその不鳩   嬰主として注入    同  上1=3−1;2、飼  砂セ  ノ  ン  ト料蹟加溺ま允は触嬉ポゾラン・「分故剤{邊潜剤AM−96東SS 1−4−1土地改 10『7cm/secになった)などで,いろいろの新工法が試みられつつある。  MIP工法は1玉石のないときには,経済的であり,最小厚さ30cmで十分止水の効果がある。(6)押え盛土  これは主として浸透水の揚圧力によって,堤体斜面が滑動しないよう防ぐ目的をもって行われる。し かし漏水を止める役割は,ほどんどないので,基礎地盤を通る漏水量が,そのまま許されるような場合 にのみ用いられる・漏水量を気にさえしなければ,1F×10一1cm/secの基礎地盤の上にでも・安全なダム は築造できるのである。ただしこの場合でも,動水コウ配が1!2・5以下になるように,不透水性部の底 面を長くとらなければならない。(7) リリーフウエル  地表面をおおっている不避水層が厚1いとき,または層状に葎っている場合には,ドレーyの施工が困 難となるので,リリーフウ≠ルカ∼よい。これは地表から透水層の全長を貫くように,直径15∼60cmの井戸を8−3・m臨に醜柳で瞬.  その井戸の約半分の内径を有ナる有孔パイプを井戸内に入れ・周囲にフィルターをつめる・パイプ材 料は,木材・プラスチック・アスファルトづけにした亜鉛などが適当である・井戸の中はときどきサー ジして,洗浄しなければならない。しかし,半薗,リリープウエルは,浸透水の浸透路長を減らして, 浸透水量を増加させる欠点があるので,最初は少奉目に設け1あとで必要に応じて新設するようにした 方がよい・       ,  l〔参考〕 東郷ダムでは,下流斜フタ岨 面先に図一4.14のようなリ り一フウェル14本を設置じ             たo間隔は20m,深さはi約排水路 13mで・その下部8nlが,乖 水性基礎塊盤に対して開い た スクリーソパイプとなってい るo(8) 不透水性ブランケッ麟①自然ブランケット透水性基 礎の表層に不透水性土が滞積して 自然ブラソケットを形成し七いる場合,ブラソケットによって生ず る有効浸透路長所および基礎浸図一4・14 東郷ダムのリリーフウエル(単位cm) 透水量g∫は次式で与えられる。     跡脛1一…        た・4・h,..     9∫==       』埼十%¢』,・(4.2)(フフ!ケソトにょる慣失水頭)(ブラ〉ケットにょる慣失水頭)一、9・・(4。3)  一   4:基礎の厚さ』(透水層の動オGウ配) ’血逐房』、鱗鱒 癒繍・ 糠醤灘α’:1・‘ン:・巽羅’1ここに自ブランケットの厚さ恥∈’21’占・   飽・:ブラソケットの透水係数   彦:基礎の透水係数   加ブラソケット上の水深』”図一4・15 自然プランケット(不透水性〉*P.Tl昼emet,“丁真e、Effect ofβ1ankets on Seepage Through Pervious Foundations”A.S.C.E, Tra麟ons,November,1952.一210一 1−4−1土地改また,κrは図一4・15に示し痘ように損失水頭(∠hわ)を生じさせるのに必要なブラソケットの水平距離である。換言すればブラソケ         ブラン弘ソト(紛ットによる損失水頭(∠h西)はダム上流に完全!下濯鰹擁蕪∼三・不透水性板を水平に飾だけ敷いたのと同じ.欺i:・め彗ことを意味する。                      不透7K性基盤不透7K4生基盤②人工ブランケット基礎地盤にくらべ, 図一4・16不透水性ブランケットの設計法て,かなり不透水性の材料(水田粘質土のような,築堤には不適な土でもよい)が,えら麗る場合には,上流側は不透水性水平ブランケットを延ばす方が,’木完全止水壁よりも有効である。人工ブランケット、の所要長さは次の方法で計算する(図一4・16参照)。            62αの一1          ∬γ=    ・・……………・………・一・…(4。4)            α(¢2傭+1)    ここにα一〉濡 9∫を貯水池の許容漏水量から決定し,これに・対するκrを式一3・4で求めて式一4・4に代入してズを求める。 厚さは,水圧の111・を標準をする。ふつう1・0∼3・Omが多く,堤体の近くほど厚く,上流にゅくほど薄くする。透水性地盤のすぐ上に,薄い不透水性表土がかぶさっているときには,表面をかき乱し,穴などを埋めて再転圧するだけでもよい。 しかし,水平方向たの大きい地盤では,ブラソケットすることにより,必ずしもパイピソグに対する十分な抵抗性を与えることにはならない点を注意すべきである。(9) ドレーン  ドレーソとは,透水性基礎ま町たは堤体からの浸透水を,安全に堤外に排水するための施設をいう。基 礎の設計に関係あるドレーンを大別して,トードレーンと            15㎝以上  河川ロウ配がよほど急でない以上,ダムサイトの地表面               以上は,たし、てし、不透水層で繍われてし、るのが,普通である 網/川’                              腓」離ぱφ20c剛砂 から,ダム下流側基礎内の間ゲキ水圧は,ダム下流斜面の       齢眉別轄(才ヴンジョィント) 安定をそこなう方向にはたらく。とくに基礎を通る浸透水          (α) 量が多くて,表面の不透水層が薄い場合に,危険性は大き  ハ朴リ腺                            \      不過水’陸耀料くなる・この水圧を抜く胤簡単妨法が・トードレーン  ・鰻難灘 である。図一4.17は,アメリカ開拓局におけるトードレー ンの標準的な設計例である。                切込輯螺1  また,透水性地盤の止水方法が完全でないと思われる場                                  有孔ア鮒又限菅合には水平ドレーソをも併用するのがよい。                (コ〉ワリート,コ加凱陶管誌よゆ  水平ドレーソには,堤体断面底部の下流側から約113の          (b)範囲にわたって全面的におく水平ブラソケット式のもの,    図一4・17 トードレーンの設計例筋状におくストライプ式のものなどの各種類がある。いずれも基礎地盤と堤体の境界面におくものであるから,パイピングを誘発せぬよ弘フィルター条件を十分みたした材料でなければならない。一211一 1−4−1土地改(10) パイプの埋設  ダム底部にパイプを入れることは,漏水量排除が効率的,経済的で,しかも漏水量が正確に測定でぎ るという利点がある半面,フィルターが十分でなければパイピングの誘因となり・またパイプ自体が破壊したり目づまりしたりする危険があるので,アメリカ陸軍土木部では,下流トードレーソにさえ,有 孔パイプの使用を禁止している。しかし一般には,ダム底部の下流側から%の部分まではρパイプ埋 設を許可している。パイプ埋設の条件としては,次のことが必要である。①パイプは,厚さ30cm以上のフィルターで巻くo ②有孔パイプの孔径く%xフィルターの85%粒径とする。  〔参考〕Mission D溢n(勇デダH」46m,1960年完成)などでは,上流端からわずか1mぐらい   の所からダム透水性基礎の全長にわたってφ=600mの有孔パイプを埋設した例もあ筒・、(11) 全面舗装  貯水池の水がきわめて貴重で,ダムおよび基礎の透水係数が1×10−7cm/s以下を要求される場合が ある。コアや完全止水壁を下透水層までつけることができるときはよいが,それができない場合には, 貯水池内部の全面を舗装するほか方法がなくなる。これは一見してわかるように,きわめて高価につく。舗装材料としては,アスファルト系の材料,フリントコート,ベソトナイト系材料,コソクリ・一ト・プ ラスチックなどが考えられるが,実例も少なく,しかも低水頭のものばかりなので,まだ多くの問題が ある。  〔参考〕東富士ダム(静岡県御殿場市)富表一4.4 透水性砂,砂利地盤の強さ    (相対密度と内部摩擦角)   士山ロクの透水性泥流(3× 10−4cm/s)の   上に350m×400mの面積の貯水池を造   るために,その内面全体をアスファルト   系材料で舖装する設計となっている。最   大水深は15m。(12)透水性砂,砂利地盤のセソ断強さは,そ の相対密度を測定することによって,かなり の精度で推定可能である(表一4.4)。そのセ ソ断強さが,堤体のそれと同程度である場合 には,これを取除ぐとどは無意味である。相  対  密  度※粒径細∼粗砂砂混粒  度7・%以上i7・一5・彩15・彩以下集中粒径の34−38・132−34・128−3・・粒度分布のよい「37−45・133−36・13・一3㌍粒度分布の悪い砂合利物37745・133−36・13・一33。粒度分布のよい4・一45・36−4・・133一寧6。章p,144参照,(Earth&Earth−Rock Dam8,p.295)一212一 1−4−2ダム設1−4−2〔Nα46ダム設計基準〕①自然ブランケツト  苅一平・・(119∫』●身’丑・12)   婦十吻   (1)式より銑を求め,これを使用して(2》式より9∫を求める。②人工ブランケツト:   舜講ぜ    ・(31勘α︵   ¢2傭一  1・・(4)¢2傭+、)’● …一藷9∫を決め,これに対する叫を(3)式より求める。ω7を(4)式に代入して躍を求める。上記の式にむいて易告7な謬z勉ωγ透水性基不透水性基礎丑昌ブランケツト上の全水頭(m)ろ=ブランケットの厚さ(m)身一透水性基礎の厚さ(m)俺一ダム不透水部分の底幅(m)毎一透水性基礎の水平方向平均透水係数(m/s)砺一プランケットの垂直方向平均透水係数(m/s)象:浸透流量(mシs)∬7:有効浸透路長(m)必:人工ブランケットの長さ(m)一213一
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  • タイトル
  • 2 切土
  • 著者
  • 設計施工基準集編集委員会
  • 出版
  • 委員会関連資料
  • ページ
  • 214〜241
  • 発行
  • 1973/09/01
  • 文書ID
  • 57742
  • 内容
  • 2−1−1道土工2 切土2−1 切土ノリ面コウ配 2−1−1〔Nα2 道路土工指針〕2−5−1切土ノリ面コウ配 (1) 自然地盤は,きわめて不均一で風化および割目の程度,成層状態,間ゲキ,含水量によりその強度は著しく変わるものである。したがって,現地の状況を十分考慮し既往のノリ面の状況を調査し,表一2・2の標準値とあわせ総合的判断によってノリ面ゴウ配を決定すべきである。         表一2・2切土の標準ノリ面コウ配切土高トウ配(割)地山の土質および地質硬岩軟岩1・・3一α81・,5一・.2「・・5一砂5m以下1・・8一…締まっているもの5一・・ml…一1。2砂   質   土5m以下11・・一・・2ゆるいもの5一・・ml・,2−1.5・・m以下1α8−1,・締まっているもの,または粒度分布の良いものレ  キ  質  土1・一15mI1・・一1.2岩塊または玉石まじり1・m以下11・・一1,2締まっていないもの,または粒度分布の悪いものの砂質土粘土, 粘質土1・一15mIL2−L510m以下11岩塊または玉石まじりの粘質土,粘土0,8∼1,25m以下IL・一1・25−1・ml1・2−1・5〔注1〕上表は植生などによる適切な保護をした場合に適用できる.〔注2〕シラスの場合は直立コウ配を採用してもよい。 一般にノリ面コウ配や切土高が表一2・2に示す値を越える場合には安定計算を行なって安定を確かめなければならない。ただし切土ノリ面の安定計算は盛土の場合に比して,土質が不均一なので,計算にのらないことが多いので,単に計算結果のみからノリ面コウ配を決定することは危険であり,総合的判断が必要である。 (2)表面水によってノリ面が洗掘されたり,崩壊したりするおそれのある一214一 2−1−1道土工場合は,ノリ肩線または小段に集排水設備をつくり,縦排水コウ,斜水コウなどによって排水しなければならない。また・ノリ面の表面水は,なるべく最下段の小段までに処理するようにすることが望ましい。縦排水コウ,斜水コウなどをつくる場合は流水がノリ面や路面にあふれ洗掘しないような適当な処置をしなければならない。 ワキ水によってノリ面が洗掘されたり,崩壊したりするおそれのある場合は,水抜きのための水平孔,盲ミゾなどをもうけて排水し,適当なノリ面保護工(9章参照)を考えなけれぱならない。 排水コウにはコソクリートU形コウがよく用いられるが,水量の多少によっては素掘り,またはプラスチックソイルセメソトなどで素掘りの部分を保護した排水コウを用いてもよい。 (3)岩の切土ノリ面の設計には,ハダ落ちとスベリの二つの破壊を考える必要がある。スベリの問題については8章8−4および9章9−5などに述べられているので,ここでは一般的な風化によって生ずるハダ落ちの場合について述べる。  (i)露頭調査や採取した岩石の観察により,割れ目,節理の状況,岩層の乱れ,風化に対する抵抗性などを調べてハダ落ちを生ずる可能性について検討する(1章参照)。  (ii) (i)の調査結果からノリ面の形式を決定する。ノリ面の形式には,一般につぎに示す種類がある。  (a)単一なノリ面コウ配をとる方法  (b〉ノリ面コウ配を岩質により変化させる方法  (c〉小段をつける方法 (a)の方法は切土高7∼10m以下の一様な硬岩に適している。7∼10m以上の切土高になるとノリ面が長くなり,岩屑が排水コウを埋めたり,道路面に落ちたりするおそれがある。しかし条件が良ければ10∼15mまでは,この方法を採用してよい。(切の方法は岩質が一様でないときに各層の各々に適したコウ配で切る方法である。(c)の方法は切土高が(a〉に述べたごとく,7∼10m灘嚢(a)単一なノリ面こう配  ⑤岩質により変化させたノリ面こう配 (c)小段をつける場合       図一2・7地山状態と切.:Lノリ面コウ配を越える場合,岩質の変化する場合に適した工法である。小段をつくると工費は高くなるが,将来の維持費が安くなり,交通上の安全をはかるという利点がある。一般に小段の幅は1.5mが標準であり5∼10%の横断コウ配をつ一215一 2−1−1道土工ける。また小段の高さは5∼10mの間隔で切土高さに応じてき・めればよい。なお小段のこの標準は土砂の場合にも適用される。 ④ 次に示すような地質,土質の地山を切り取る場合は,ノリ面崩壊の危険性があるので,設計にさいしては,必ず土質調査または地質調査を行なってノリ面コウ配の妥当性,保護の方法など検討し対策を考える必要がある。  (i)地下水が高く切取りノリ面からワキ水のおそれのある場合  (ii)透水性の層(たとえば砂層)と不透水性の層(たとえば粘土層)とが互層になっており,その境界面の傾斜が切取面の傾斜と同一方向になっている場合  (iii)・透水性の土層の下に岩盤があり,その境界面の傾斜がノリ面の傾斜と同一・方向になっている場合  (iv)ガイスイ,特にガイスイと岩盤または地山との境界が急傾斜をなし,地下水の浸出があるような場合  (v)水成岩の傾斜層において,その傾斜が切取面の傾斜と同方向になっている場合  (vi) ジャ紋岩,ケッ岩,粘板岩などの変質岩の場合  (vii)現在までに地スベリ,または山腹崩壊の危険性がある場合  (viH)断層または断層の影響を受けている地質の場合  (ix)水を含んだ細粒分の多い砂層,特にマサ状に風化の進んだカコウ岩類および退化した段丘砂レキ層の場合  (x)やわらかい粘土の場合  (xi)鏡ハダや毛状のキレツをもったかたい粘土の場合 2−5−2 片切り,片盛りおよび切土盛土接続部 (1)片切り,片盛り 片切り,片盛りの接続部には図一2・8に示すように1=4程度のコウ配をもって緩和区間をもうけるとよい。また,この場合の排水については十分な処置をとることが必要であり,ワキ水のおそれのある場合には接続部の切土面に盲ミゾをもうける。盲ミゾの構造はワキ水の状態,地形,土質などを考慮して定めるが,ワキ水が多いと,思われる場合は孔あき管を設置することが望ましい。 また,原地盤の横断方向の地表コウ配が急な場合(約1;4以上)には表  地山  !ノ  レノノ!/ 切上ノ笙嶋−・1緩耀度    /   盲ミゾ   !   段切り 図一2・8片切り,片盛り緩和区間一216一 2−1−1道土工島劉酬上弧伽   ゐ鱒藪糠盛土       盲ミゾ\          、lb)切土部が岩の場合\ 約25m切土  ¥\〆地山路床面    \   約100cm   4粍ミ’荊マー翻盛土         、、          ¥、(a)切土部が土砂の場合図一2・9 切土盛土接続部土を除去した後に段切をもうけなければならない。段切りの標準は次のと:おりである。 (i)原地盤が土砂の場合  最小高さ50cm 最小幅100cm (ii)原地盤が岩の場合  段切深さを岩表面に垂直に最小40cm ② 切土,盛土接続部 切土,盛土の縦断方向の接続部には,図一2・9に示すようなすりつけ区間をもうけて路床の支持力の不連続をさけるようにする。この接続部の切土面には,必要に応じて盲ミゾをもうける。盲ミゾの構造はワキ水の状態,地形,土質などを考慮して定めるものとするが,ワキ水が多いと思われる場合には孔あき管を設置して排水することが望ましい。一217一 2−1−2道技2−1−2〔Nα3 道路技術基準〕Z21 切土部のノリ面コウ配1,切土のノリ面コウ配は地層の傾斜,地質ならびに予想される地表水,湧水の変化に対して十分安全なものでなけれぱならない。2 ノリ面の安定をしらべるには安定計算を要するが,わが国で広く用いられている最急ノ リ面コウ配は表一22に示す範囲を標準とする。         表一22切土の標準最急ノリ面コウ配地     質ノリ面コウ配(割)粗   砂 1,5細   砂 1,5堅くしまった砂利 1,0堅くしまっていない砂利 1.2地    質軟岩(凝灰岩,ケッ岩,セン緑岩,ジャ絞岩など)割目多く柔らかいもの,または風化したもの割目少なく堅いものノリ臨ウ配0.8∼1,20,3∼0.6砂岩,石灰岩,風化花コウ岩堅くしまった土   高さ5mまで0.8∼1.0   高さ5m以上1.0∼1,5堅くしまっていない土やや柔らかいもの0.5∼1.0堅いもの0。3∼0,6   高さ5mまで1,0∼1,5硬岩(花コウ岩,石英粗面岩)   高さ5m以上1,5∼2,0堅硬で割目少ないもの0.1∼0,3(解説) 用地あるいは切土量を減らすためにわが国では一般にノリ面コウ配を限度以上に急にする傾向があるが,多くは災害をひき起こす原因となっている。安定上からいって普通の土の場合は,許される限り緩にしたほうがよい。特に機械掘削を行なう場合にはノリ面コウ配を緩にしたほうが工費上得な場合があり,一且機械で施工したノリ面を後からゆるいコウ配に変更することは不経済である。 しかしながら風化花コウ岩,火山灰などのように雨水にさらすことによって天然に保有してい一218一 2−1−2道 技る固結状態を失い,かえって不安定になるような土質にあってはノリ面を垂直に近いものとしたほうがよい場合がある。このような場合でも,この安定状態は永久的なものではないから天然の安定状態を将来にわたって確保するためには,特別なノリ面被覆工を行ない,雨水に対し完全に保護することが有効といわれているが,いまだ経済的,効果的な工法がない・ 高い切土の場合には小段を設けることがある。小段の効用は,ノリ面の安定を高め,連続したノリ面長を短く区切ってノリ面を流れる水による浸食の激化を減じ,かつ維持補修を便ならしめることにあるが,しかし小段面よりの水の浸透を容易ならしめる点はかえって安定を害することがあるので,小段を設ける場合,小段に沿って排水溝を設けることが望ましい。切土高1m以下では標準として小段は設けない。ただし腰石積または土留め擁壁を施す場合には,その上面に設けることが多い。腰石積または擁壁は土量’または用地幅を減ずる場合に用いられる。 やっかいな地質構造,土質諭よび含水量の変化が予想される地域では,地表面の観察および補助的なボーリングを実施して路線選定の際,なるべく困難な切土個所を避ける着眼をなすべきであるが,避けられない場合には最も危険な個所の土質調査を実施して経済的に可能な緩コウ配を選び必要に応じて排水工を施し,施工中は計画的観察の実施により不明確な点を解明して事故を未然に防ぎ,滑動を生じた場合には直ちに適切な措置をとって安定させることが必要である。このだめには高度の技術的判断を要する。一219一 2−1−3設計2−1−3〔Na13設計要領〕 5−2切土ノリ面コウ配 切土ノリ面コウ配は,地盤を構成する地層の種類,状態および切土高に応じて,表5−1の値を取ることを標準とする。              表5−1地山の土質に対する標準ノリ面コウ配   地  山  の切土高土  質コ ウ 配硬         岩1=0,3∼1=0.8軟        岩1=0.5∼1:1.2注1)1=1.5∼砂密実な も の砂質土 密実でないもの5m以下1=0。8∼131.05∼10m1:1.0∼1:1,25m以下1=1,0∼1=1.25∼10m1=1.2∼1=1.5要SW,SP,SM,SC密実でないもの,または粒度分布の良いもの10m以下 密実なもの,または10m以下1:LO∼1:1.2 粒度分布の悪いもの10∼15m131,2∼1;1.5粘土および粘性土0∼10m1=0.8∼1:1.2岩塊または玉石まじりの粘5m以下1=1,0∼1=1.2性土6∼10m1=1.2∼1=1,510∼15m摘1=0.8∼1=1』1=1,0∼1=112砂利または尉塊まじり砂質土GW,GM,GC,GPML,MH,CL,OL,CH}VHGM,GC注1) 1:1.5∼とは1=1,5よりゆるいコウ配を表わす。(1)表54の標準値は,道路土工指針の切土標準ノリ面コウ配,高速道路の切土標準ノリ面コウ配などを参考に して作成したものであるが,自然地盤の土質はきわめて不均一で,風化および割れ目の程度,成層状態,間ゲ キ含水量などによって地盤の強さは著るしく異なるものであるから,現地の状況に応じ,地形,地質,土質, 気象切土高,地下水,その他を十分考慮した上で条件の似た既存のノリ面の状況を調査し,必要あれば安定計 算を行なって,表5−1の標準値と合わせ,総合的な判断によってノリ面のコウ配を決定するようにしなければ ならないQ (参考)   ノリ面が岩石からなる場合は,風化の程度,層理,節理,片理などの割れの目の程度およびそれらの目の  方向とノリ面の方向との関連性などを考慮して,ノリ面コウ配を決めなけれぽならないが,現状ではこれを  定量的に判断することは非常に困難である。   このため,従来は経験的に,岩種をとわず,硬岩では1=0.6軟岩では1:0.8のノリ面コウ配を標準と一220一 2−1−3設 計  して採用している場合が多い。(2)土質が一様でない地域で深い切取りを行なう場合は図5−1(a),(b)に示すように,ノリ面コウ配を各土質の強さに応じたコウ配とすることができる。\              験ノ、      \.  ’ ノz心           −一 一一       ・   挿り・じ.一麗鱈む  縛藁//械/槽!つ/覇 駒    !                   /   覇  A                 //  //竜イ      (a)           (b)    図5−1土質が一様でない場合の切土ノリ面コウ配  ただし,切土高が低く,ユウ配を変える意味があまりない場合は,図5−1のイ,・,ハの間を同一コウ配で切 取ることがでぎる。この場合は安全側のコウ配(土砂のコウ配1溺)を採用することが望ましい。(3)切土地山の風化の程度,・湧水の有無,不均一性などノリ面コウ配の決定に必要な要素を相当に詳しく調査し たとしても,かならずしも十分に把握できるとは限らない。  したがって,当初設計のノリ面コウ配の確信が持てない場合は,局部的に掘削して,岩質,土質,湧水の有 無などを確め,当初設計のノリ面を変更するか,あるいは機械施工が可能な余裕幅を残して掘削し,地山の状 態を確めて,それに応じたノリ面コウ配に変更していくことが望ましい。(4)土砂の切土において,次に示す場合は,原則として土質調査を行なって,「7.盛土および切土の安定の検討」 の要領によって安定計算を行ない,ノリ面マウ配の妥当性を検討すること・ (a)切土高が表5−1に示す値を越える場合。 (b)用地事情その他によって切土ノリ面を表5−1の標準値より急にする必要のある場合・ (c)同一土質で地形,気象,湧水などの条件が同程度と思われる切土がかなり長い場合・  ただし,切土ノリ面の安定計算は盛土の場合に比較して,計算にのらない要素(土質の不均一,成層状態・ 地下水の変動,湧水の有無,地形,気象等)を多く持っており,その上,土の強度特性の正確な判定が困難な 場合が多いことなどから,信頼性が落ちるのが普通である。したがって,安定計算のみによってノリ面のコウ 配を決定することは危険であって,解説(1)で述べたように総合的な判断によってコウ配を決定するようにしな けれぽならない。(5)次に示すような土質,地質の地山を切土する場合は,ノリ面崩壊の危険性があるので・必らず土質調査・言 たは地質調査を行なってノリ面の安定を検討し,その対策を考えておかなければなら奉い。                                     ぺ(の透雄の胤たとえぽ砂レキ層)と不透水性の層(たとえば粘土層)と 一−『『一、.1..,  が互層になつており・その境界面嚇1と同一方向になっている貼   』漣ヒ揮  (図5『2参照)              短藤                                        、ンニ     ー   このような場合の崩壊には,砂レキ層のみが崩落する場合と下部の粘土       ’ 零,㌃」二層一  層が地下水によって弱くなり,まず粘土層のノリ面表層部分が滑落し,漸                                   図5−2 透水性の層と不透水性  次崩壊が上方へ波及してゆく場合とがある。                 の層とが互層の場合一221一 2−1−3設 計⑥ 透水性の土層(崖錐など)の下に岩盤があり,その境界面の傾斜がノリ面 と同一 なつている (図卜3参照)  、、毒冬訴〆  透水性の土砂が土砂と岩との境界面に沿って崩落することが多        短で朴                                    ー い。この場合,ノリ面コウ配にあまり関係がない。                                    岩(c)崖錐部分を切土する場合(図5−4参照)  崖錐タイ積層は絶えず飼行運動を続けていることもあり,崖錐                                図5−3透水性の層P下に岩盤 の中腹部または下端部を切り取ると,大きな崩壊を招くことがあ                                   のある場合 る。したがって,このような地盤を切土する場合は,崖錐層の層 厚,崖錐層自体の性質,地下水の浸透状況などを十分調査し,慎重に安定 の検討をしなければならない。                             .込た                                         じム ロ(d)頁岩,粘板岩などの水成岩あるいは石墨片岩,緑色片岩などの変成岩に        ・1』イ・                                       ..へ. おいて,それらの層理あるいは片理の傾斜が切土面の傾斜と同方向になっ      .、:パ                                      ムロ ている場合。(図.5遍参照)                           二よ』’                                   ,ム:㌦’一・  傾斜層が切土面の傾斜と同一方向になっている場合は,雨水の浸透など   崖錐’ によって,傾斜した層理面あるいは片理面に沿って大崩壊を起すことがあ   図5−4崖誰部分の場合 るので注意を要する。  したがって・このような地盤を切土する場合には・地層の性質,腿片  、劣 理,節理の傾斜の方向を十分に調査し・ノリ面コウ配との関連性を検討して          /糊、鮒れば妨なし、.           炎/                                        ’層理または片理(e)蛇紋岩,頁岩・粘板岩などが変質した場合・                図5−5層の傾斜が切土(f)現在までに地スベリ,または山腹崩壊の履歴があり,不安定な状態にある      の方に向かって                                       いる場合 地盤の場合。  このような地盤は本来,路線選定のさい,避けて通らなければならないが,やむをえず切土する場合は十 分に地質調査を行なって・崩壊の危険性を検討し,できるだけ切土を最小限にとどめるよう計画しなければ ならない。(9)断層または断層の影響を受げている地質の場否  断層または断層の影響を受けている地質は,一般に脆弱化していることが多いので,このような地質状態                    め のところを切土すると急激なノリ面崩壊を招くことがある。(h)水を含んだ細粒分の多い砂層,とくにマサ状に風化の進んだ花崩岩類却よび退化した段丘砂レキ層の場合。(i)軟らかい粘土の場合0   『㎜(j)鏡肌や毛状の亀裂をもった硬い粘土の場合。  このような粘土は全体の強さが弱く不安定であり,また切取りによる上部圧力の減少によって,割れ目が 開ぎ,そこに浸水し,粘土自体を弱めることがある。この場合の崩壊には,割れ目に沿って剥落する場合と 地スベリのような大崩壊を起す場合とがある。一222一 2−1−3設 計(参考) 岩質と弾性波速度およびノリ面コウ配り関係を,、参考表5−1に示す。    この図は名神のでぎ上ったノリ面をRipper meterによって測定し,その調査結果をまとめたもの   である。しかし,資料数の少ないこと,および調査ノリ面の施工後の経過日数があまり長くないため,   ノリ面コウ配の妥当性がはっきりしていないことなどから,全面的に信頼を置くことは危険であるが,   、弾性波速度を調査した岩の切土ノリ面のコウ配の決定にあたっては参考表5−1の関係は一応の参考と   なるものと,思われるo参考表5−1弾性波速度とノリ面コウ配との関係(Ripper meterによる測定値〉   口1=L2のi∫画勾配岩  質   囮1=1.o   圃1=o.8   巨≡≡≡…ヨ1=0.5              弾住波速度(m/s、100 200i300 400 500 5DO 700 脚 900ユ,000】,,09】,2001.300 1.400  1,5DO 1.600  1,7DO1.800花嵐岩帖板岩頁  岩黒色帖土チャート石英班岩砂  岩石灰岩喀占板岩・儲の互層f’i飯岩・一轟…華華華…チャートの互層一223一 2−1−4国鉄構2−1−4〔Nα11−3 土構造物の設計施工指針傑)〕 3.切取 り     』F「(ノリ面コウ配)第19条 ノリ面のコウ配は土質,地質の種類とそのノリ高に対して十分安全でなけれぱならない・ノリ面コウ配の標準は表2−1による・            表2−1ノリ面コウ配の標準土質・地質ノリ面コウ配崩れやすい砂質土1』割15努∼1』割 8分i軟かい粘性土1割5分∼1割8分普   通   土軟       岩中   硬   岩硬       岩1割∼1割5分8分∼1割2分8分∼1割3分ん3分(解 説) ノリ面のコウ配は土質,地質,ノリ高,湧水状況,.風化の程度,キレジ,成層状況,降雨・降雪量などを考慮して経験的に判定する。土に対しては土のセン断抵抗値から理論的にノリ高に対する安定ノリ面コウ配を求めることができるが,試料土の採取方法,セン断試験時の含水量の定め方などに問題があるので基準化することはむずかしい。また岩石は層理,節理,片理などいわゆる目の存在と風化の程度がノリ面の安定に関係するが,これを定量的に取扱うことは不可能である。本条の規定は従来の経験にもとずいて決定したものである。ノリ面の崩壊は降雨,融雪時に多く発生するが,これは表面水流による侵食や,地下浸透水の増加に伴なう土のセン断抵抗の低下,冷よぴ経年風化による土または岩石の強度低下などによるものである。したがって適切な排水処置,ノリ面防護によって安定を確保すべきである。ノリ面コウ配を決定する場合は土質,地質,湧水状況などを調査するとともに,その附近の既存ノリ面の崩壊の有無,その平均ノリ面コウ配を考慮して表2−1を適用し左ければならない。特殊な土、,たとえば火山灰,火山砂(シラス),花コウ岩の風化土(マサ)のように雨水によって固結力が失われ,表面水流によっ         _,__,一一一一一一’2土                      __ _一一一一一一一一一  軟岩て侵食されやすい土諭よぴ関東・             _,一一一’” 硬岩一ムのように縦キレッの存在する土では,ノリ面を垂直に近く切収     図一233土質が2種以上の場合のノリ面コウ配一224一 2−1−4国鉄構り,段切する方が適切な場合もある・ ノリ面が2種以上の土質,地質で構成されている場合は,それぞれの状態に応じたコウ配とすることができる。(図一233参照)一225一 2−1−5河川技2−1−5〔Nα1 河川砂防技術基準〕2.1 山腹ノリ切り工 2.1,1 コ ウ 配  (1)切取り面 ノリ切リエにおける切取り面のコウ配は1,5割を標準とするが,表土が堅ければ1割を限度として切取ることがある。 解  説  一般にノリ切りの直高が高い場合は,上部を急に下部を緩傾斜とするのが普通で,特に表土 の軟弱な場合は1.5割以上のコウ配としなけれぱ安全でない。(2)滞 積面ノリ切り工における滞積面のコウ配は1.5割より急にしてはならない。解  説 ノリ切りによる滞積土砂は不安定であるから,現地の事情の許す限り滞積面を緩傾斜とするのが安全である。一226一                                 2−1−6土地改2−1−6〔Nα4−2 土地改良事業計画設計基準〕 26,2 山腹水路の切土   山腹などの傾斜の急な地帯では通水断面を切取の中に診さめるようにする。いま    イ:通水断面積㎡    1:π水路側ノリ   Z1:水面上の掘削断面㎡  11π1地表面の傾斜                                ∼’」、玉    イ+∠、一全掘削断面    あ一ゐ/己一底幅/水深                               A1                                .『           1   、                     ∼    z+∠1一訓1ヂガ          8乃                           Lδ」       (2π+易)2              }㍉40    (π妬)(πrπ)        図_215   すは掘削土量係数で次のごとくである。            表一216地表面の傾斜1:3   断面形  1:2            丁側ノリ直 1165一1’:1 i:⊇,5 直一『1:05 1n『1:i5  112   水理上有利断面 1.66 1.96 3,19 7.1レ 1,50 1.58 2.09 3.06 5.04   最小浸透断面 2,33 2.35 3.52 7。54 2.00 1.81 2,26 3.18 5.15     ゐ/己一1 133  189  3,25  7,50  125  154  2,13  3,13  5,16        2  1,66   2,20   3.67   8,16   15D   1.72   2,34   3,38   5,50        3  2.00  2,52  4.13  9.00  1,75  1,92  2,56  3,66  5,90        4   2,33   2,86   4,60   9,93   2,00   2。12   2,80   3,97   6,34一227一 2−1−6土地改断  面  形1 ,51 4側ノリ直1:0.5  1 :1 1:1、51:2直 1:α51 =1 1:1,51:2水理上有利断面1,331.41  1,73  2.243.03 1.26 1,321.54  1.882,35最小浸透断面1.661,58  1.84  2,313.07 1.50 1.451.63  1.942,38  ゐ/己一11161,38 1.75 2.203.081.55  1.812.39     2↑331、53  1.89  2.433,25 1,261.401.66 2,022,50     31.501,65  2,04  2,603.451.40  1.511.76  2.142,63     41.661.75  2.20  2,783,67 1.50 1,621.90  2.272,78113生30 山腹に設ける水路は,水路の安全性を重視し,水面が原地盤内にあることが必要で,同時に経済的には掘削量が少ないことが必要である。このため水理上,浸透上の有理断面は考慮の外に冷かれる。表一216によれば水理上有理な断面とした場合の掘削量以下になる掘削係数を太字でかいてある。地表面の傾斜が急な場合ゐ/己は1:1内外とし,かつ側ノリは1:0.5より急にすることが必要である・またその結果多くの場合ライニングを必要とする・2.6,4 切取のノリ面コウ配 切取高さとノリ面の関係は土質によって異なり,土の性質があきらかになってはじめて決まる。長い水路では各種の土質が交さくして,いちいちその土質を検査して試験することはできないか ら,小規模な水路ではとくに異なる土質についての試験にとどめ,またあまり悪くない土質に対 しては,経験的判断に基づいて設計してもよい。 一様な粘質地盤で,正規断面を有するものでは,次の安定数を用いたテーラー(Taylor)の図表を利用して計算してもよい。                           1 ㌻IF (243) 1ここで        ∼l   o:粘着力(ton/m2) 解:土の単位重量(ton/m3) 1   ん1切取高(m)    F:安全係数           図一217 図表において,安定数を縦軸に,内部摩擦角φを一組の曲線で表わし,これ等の数値が定まれぱコウ配角乞を横軸上に求める(図一217)・『228一                                   2−1−6土地改           表一217テーラτの図表       1::      9i      ら      ≦・16      蕪.12      製.o白      琳       .04       .bo        O    10     20     30   1 40    50    60     70     80     90                コ ウ 配 角 ご開水路の水位が突然降下する励と醜窄部摩擦鯵墜獅璽るo             ρ一1   補正した内部摩擦角φω一   xφ             ρ十¢ここでρ:真比重,θ:問ゲキ比〔例〕       ド    l深煮5mの新しい水路を・粘着加75協で内部摩擦角・2噛する砂質粘土地盤哩掘削しだ。この土の間ゲキ比はo.9で真比重は26である。堤防が111のコウ配で完成し,水路が満 ときの安 と・郷位力1急降下してからの 防の 繊1   土の水中重量鑑㌔一鴇1×L・一α84曜ノリコウ配1:1すなわち乞一45。,φ亀121で図表より安定数を求める苧         押昌0,10            0     0.75方程式(243)よ”冨蔽=“・・×α84×5=fキ78水路が満水したときの安全係数は,工78で十分である。水路の水位が急降下すると一g内部摩擦角は補正した内部摩擦角にかやる。謀誕瞳鱒蝪艶二趨9蹴ぜ⊇.、、.、ノリコウ配1:1すなわち,乞一450,φ弓5.5‘で図表より安定数を求めると         ルー0,14        ..F」 α75 一、,3           0,14×0.84×5安全係数は1,25∼1,50の範囲にあれば安全である。                 }229一 2−1−7労 働2−1−7〔Na9 改正労働安全衛生規則の解説〕第百六十三条の八 使用者は,手掘り(パワーシ。ベル,トラクタシ。ペル等の掘削機械を用 いないで行なう掘削の方法をいう。以下次条において同じ)により地山(崩壊または岩石の 落下の原因となるキレツがない岩盤からなる地山,砂からなる地山および発破等により崩壊 しやすい状態になっている地山を除く。以下この条にむいて同じ)の掘削の作業を行なう場 合には,掘削面(掘削面に奥行きがニメートル以上の水平な段があるときは,当該段により 区切られるそれぞれの掘削面をいう。以下この条諭よび次条において同じ)のコウ配を,次 の表の上欄に掲げる地山の種類および同表の中欄に掲げる掘削面の高さに応じて,それぞれ 同表の下欄に掲げる値以下としてはならない。地山の種類掘削面の高さ(単位メートル)掘削面のコウ配(単位度)岩盤又は堅い粘五未満九十土からなる地山五以上七十五その他の地山   二未満九十二以上五未満七十五   五以上六十 前項の場合にかいて,掘削面に傾斜の異る部分があるため,そのコウ配が算定できないときは,当該掘削面について,同項の基準に従い,それよりも崩壊の危険が大きくないように当該各部分の傾斜を保持しなけれぱならない。(趣旨) 本条は,一般の地山を手掘りに より掘削する場合に,地山の崩壊による災害を防止するため,掘削面のコウ配の限度を地山の種類と掘削面の高さに応じて定めたものである。(解説) 過去に発生した地山の崩壊による災害をみると,その大半は手掘りによる掘削作業の場合に生じて冷り,しかも,すかし掘抄と掘削面のコウ配が地山の種類や掘削面の高さに ぐらべて急すぎてきたが, 今回の改正ではジ本条により,地山の種類と掘削面の高さに対応する掘削面のコウ配の限度を規定したのである。  「パワーショベル,トラクタショペル等の掘削機械」には,ドラグラィン,クラムシェルは含まれるが,サク岩機は含まれない。したがって,サク岩機を用いて行なう掘削は,r手掘」に含まれる。一230一 2−2−1設計2−2・切 土 の 小 段2−2−1〔Nd3設計要領〕 5−3小    段 切土ノリ面には,原則として高さ7mごとに小段を設けるものとし,その幅は1、5mを標準とするQ 小段には排水設備を設ける場合には,図5−6(a)のように,山側に5∼10%の横断コウ配をつけ,あるいは排水設備を設ける必要のない場合には図5−6(b)のように,本線側に0∼5%の横断コウ配をつけるも』のとするo また,縦断方向にも排水位置,排水の構造などを考慮して適当なコウ配をうけるものとする。㌃1’巨二1堕0∼5%一   ヲ1,5m            1,5m(a)         (恥図5−6小段の横断コウ配(1)小段の主目的は,降雨,湧水などにより,ノリ面を流下する水の勢いを弱め,ノリ面の浸蝕をできるだけ少 なくするためであるから,浸蝕されにくく,安定上も問題のない硬岩などのノリ面では小段の間隔を広げるか, 場合によっては省略することができる。  また土質により小段が弱点となって崩壊するおそれのある場合,できるだけ小段を省略するよう検討する。 その際施工および維持補修の点を配慮する必要がある。(2)小段の高さは,必ずしも7mにとらわれることなく,5∼10mの範囲内で切土高に応じ,土層の境界を考 慮して定めるようにすれぽよい。(3)土層が異なる場合には,湧水を考慮して,土砂と岩,透水性の層と不透水性の層などの境界に,なるべく合 わせて小段を設けることが望ましい。㈲ 小段の幅は1.5mを標準としているが,雨水などで浸蝕されやすい土質で,その土砂が小段上に蓄積する恐 れのある場合には,幅を現地の事情に応じて2mまで広げてもよい。⑥ 切土ノリ面の土質が浸蝕されやすい場合,あるいは,凍土および凍結によってノリ面表層部が,剥落するお それのある場合には,切土部の路肩の外側に余裕幅を設けることが望ましい。5−4 ノリ面のラウンディング(1〉切土面ノリ肩は原則としてラウンディソグを行なうものとする・  ただし小段ノリ肩についてはその必要がない。(2)普通の切土面ノリ肩のラウソディソグ幅は,ノ』リ肩上下について,接線長1,0m,計2。Omの範囲とす る。一231一 2−2−1設 計(3)景観上大きいラウソディングを行なう必要のある場合は周囲の地形に調和したラウγディソグとする。(4)ラウンディソグの形状は円弧または放物線とする。(1)ノリ肩はエロージョン防止,植生の定着,または景観等からラウンディングを行なうことが望ましい・しか し小段ノリ肩については,小段幅確保の必要上ラウンディングを行なわないものとする。(2)平地部から山地部へ入る地点のように遠方から広範囲に見えるノリ面・またはサービスエリア・インターチ ェンジなどの内側で,用地幅に関係なくラウンディングを行なう・ことができる場合は次の式を基準とする・     ロT:接線長(m),   T=一      3μ=ノリ面最大斜長(m).塗磨、擁騰器省く    小段  〃/・〆撤讐1讐ハ¥\/                      一∼図5−7ラウンディング幅図5−8ラウンディングの範囲(3)ラウソディソグ曲線は円弧または放物線のいずれでもよいが,大きいラウンディングの場合は,円弧より放 物線の方が設置が容易である。この場合,一般の曲線設置法による。一232一 2−2−2国鉄構2−2−2〔NM1−3 土構造物の設計施工指針(案)〕3,切 取 り(犬 走 り)第20条 ノリ面高が1.Om以上のノリ面で侵食されやすい土質の場合は犬走りを設け,必要 に応じ適当な排水設備を設けるのがよい。  犬走りの位置は岩石とゆるんだ土砂との境界部またはお診むね7mごとに設け,その幅は 1,0∼1.5mとする。(解説) 犬走りは表面水流の水勢を弱める目的で設けるのであるから,侵食されにくい岩石や粘性土では,ノリ高にかかわらず設ける必要はなく,また機械的に7mに1個所必ず設けることは,工費の増大ばかりでなく,むしろ雨水等による浸透や侵食を促進することがあるから注意しなければならない・しかし粘着性の乏しい砂質土,風化しやすい軟岩などで,ノリ高が10m以上におよぶときは犬走りを設けた方が有利の場合もある。ガイスイや段丘レキ層で基盤との境界部がノリ面の途中にあらわれる場合にはその境界部は地下水の流路に蚤りやすく侵食または崩壊しやすいので,この附近に犬走りを設け必要に応じ簡単な土留と排水こうを設けるのがよい。一233一 2−3−1道土工2−3 表面水,湧水の処理  2−3−1〔晦2 道路土工指針〕5−3−2排水設備 砂質土ノリ面にもうけられた小段の排水コウおよび集水マスは,その周囲が芝草でおおわれ洗掘が防げるまでの間,特に施工中においては降雨のさい土砂などが堆積し,水は越流してその周囲を洗掘する。集水マスのところで越流した水はノリ面の縦排水コウに沿って流下しノリ面は洗掘される。この災害を防護する方法として次の処置を行なう必要がある。 (1)ノリ肩に接する地山にノリ肩に沿って排水コウをもうけ,地山よりの流水がノリ面に流れ込まないよう処置する。 (2) ノリ面に集排水構造物を設置する前にできるだけすみやかに,張芝,植生板あるいは種子吹付などによりノリ面の洗掘防止工を行なう。特に集水マスおよび縦ミゾの越水が予想される範囲は越水による洗掘防護のため,ソイルセメソトエ,岩張り工あるいは薬液による安定処理工を行なう。一234一 2−3−2設計2−3−2〔Na13設計要領〕 5−5表面水および湧水の処理 表面水や湧水によって,ノリ面が洗掘されたり,崩壊したりするおそれのある場合は,ノリ肩や小段に排水溝を設けなければならない・とくに,湧水にたいしては,湧水ケ所,水量などを考慮して,その設備の選定および配置に留意すること。(1) ノリ面は気象条件によって種々の被害を受けるが,最も多いのは雨水の流下による浸蝕であって,排水が充 分であれば災害を防止できることが多い。したがって,ノリ面の排水設備はなるべく早めに施工することが必 要である。(2)排水溝を設計する際には,排水溝演つまって水があふれたり,排水溝の側面や裏面が洗掘されることがある ので,これらの点に注意しておくこと。また縦排水溝,斜排水溝などをつくる場合は,流水がノリ面や路面に あふれ,洗掘しないような適当な処置をすること。(3〉表面水の排水 (a)ノリ肩の排水  ω 地形から考えると尾根の頂部では表面水は,ノリ面方向にあまり流下しないはずであり,また,尾根以   外の部分でも地形によってはノリ面方向に流下する表面水がない場合もあるから,画一的にノリ肩排水溝ξ   を設けることはさけ,その必要性をよく検討した上,設計しなければならない・  (→ ノリ肩の排水溝としては,主としてコソクリートU型溝,   または図鵬如く・セ酬モルタノレで保護した素掘側溝   諺グ   が用いられる・ただし水量紗なく洗掘の恐蹴いと思 _無翼セメントモノレタル                                  ¥、/  (又はコンクリート)   われる場合には素掘側溝とし,必要に応じて張芝を施工する       〉  厚さ5_10cm   程度で良い。                       図5−9セメントモルタル(又は    (第3編排水r4−3−3ノリ面およびノリ肩排水設備」参照)     コンクリート)6き惚潔縢篇瓢欝嘉藩驚 沼1:碁黙...コソクリ」卜拶F水溝を使用する方力雪よし』(コンクリート「小段 〃欝ポることが讐灘鷲課許難酢無関係な,.ろ 態\ まで導き山中で放水させる方が本線から側1、琴が眠につかなく,     図5 10ノリ面排水の処置 また側溝延長も短かくなる場合がある。(b)小段の排水  小段で排水しようとする場合,水量が多いと思われるノリ面ではコンクリートU型溝又は図5−11(a〉のよ うな現場打V型溝をもうける。水量が少ないと思われるノリ面では,土質に応じ図5−11(b)のように小段に一235一 2−3−2設計横断コウ配をつけ,セメソトモルタル又はセメγトコンクリートを施工した排水溝を設けるか,又は,排水溝を設けないで下方のノリ面の方に横断コウ配をつけ流下させる。    洗掘されないようにすること〆   5−10%5∼10%セメントモルタル(又はコンクリート)    恥5一1伽 (b)(a)図5−11セメントモルタル(又はコンクリート)を用いた小段の排水の一例   泣) コングリートU型排水溝を設ける場合・水が溝の裏面などにま    わることのないように図5−12のように・ブラスチックソイルセセメントモルタル      コンクリートUり訓昨    メントとセメソトモルタルを原地盤と排水溝の間に打設する等の    処置をとることが望ましい。このようなコンクリート排水溝は全    段に設ける必要はなく,特に湧水のあるノリ面の下の小段その他\    水量の多いと思われる小段に設けるものとする。  プラスチック     ソイノレセメント(4)湧水の排水図5−12 (a)O地表面に近い浸透水は図5−13のように,盲溝またはノリU型溝の保護  面蛇カゴなどによって水を集め排水しなければならない。 栗』石 切込砂利 そだしがら など〆省略するこ、、ともできるノコンクリート  有孔管コンクリート または粘性土        (b)(a)図5−13ノリ面排水の盲溝(b)深部から湧水が表面に浸出してくるような場合は,横孔を掘り,鉄製有孔管,または合成樹脂製パイプを 挿入した水平排水孔などを作って排水しなければならない(図5−14参照)。水平排水孔の深さは少なくとも 2m以上の深さが必要である。水平孔,,,湧水        合成樹脂製パイプ 粘性土     /       ◎ユ6−1。cm図5−14水平排水孔の一例一236一ヤ 2−4−1国鉄土2−4切土の施工 2−4−1〔Na11−1 日本国有鉄道,土木工事標準示方書〕2−3一(1)ノリ面上及びノリ肩付近のゆるんだ岩塊,樹根,不安定な土塊等は,取り除くこと。〔施工の手引〕本項は完成後も施工中も切取リノリ面の安定上必要であるが,以下のことにも留意すべきである。1.岩石の切取りに火薬を用いるときは,切取り線外の岩石をゆるめないこと。2.切取り下方を一時に大量に切取らぬこと。2−3一(2)切取ノリ面の防護は2−2一(7》に準じて施工すること。 2−3一(3》切取ウの深さが施工基面に近づいた時には,指示により,次の試験を行ない,その結果をすみやかに提出すること。 ア粒度試験一JISA1204 イ 液性限界試験一JI SA1205 ウ 塑性限界試験一JI SA1206(追加示方の例) 切取り区間の施工基面付近の土質が当初から明らかになっている場合,または材料が良質で試験をする必要がないと判断される場合は・〔2》号を削除することマ〔施工の手引〕 この試験結果は,2−1−13)に示す路盤材料に適するか否かを判定する資料となるものであるから,施工に支障をきたさないようにすみやかに提出するのがよい。一237一 2−4−2河川技2−4−2〔NM  河川砂防技術基準〕(1)ノ リ切り ノリ切りは普通上部より切落しを行うが,切取り部の上部ががけとなっている場合はこの限りでない。 (解 説)  がけとなっている部分を切取るには,その部分で適当の間隔に縦掘し,そみ下部を先に掘込 み,最後に上縁にくさびを打ち込んで土砂を落下せしめるのである・(2)施工の注意事項 ノリ切りによる滞積土砂は不安定であるから注意を要する。また必要に応じて埋設工を施工する。(解 説) 切落した直後の滞積土砂は浮土砂で不安定であるから降雨にさらし,しまるのを待ってノリ面工を施工するのがよく,秋の雨はこの目的のために最適で雨期の強雨は注意を要する。特に流出の冷それのある場合は埋設工を施工する必要がある・ また冬期にノリ切りを施工すると,滞積土砂中の水分が凍結し,春になってこれが融解して折角施工したノリ面工が小規模ながら陥没することがあるから注意し坂けれぱならない。 崩壊地のうちには,山腹工事着工後ただちにノリ切りを施工せず,適当な期間上部土砂の自然崩落を待って,切取りに着手するのが得策な場合がある。∼一238一 2−4−3国鉄構2−4−3〔No11−3土構造物の設計施工指針傑)〕施工(r般注意事項)第22条切取りの施工はノリ面の安定に常に留意し,次の各号により施工しなければならない。(D ノリー面上むよびノリ肩付近のゆるい岩塊,樹根,不安定な土塊は取サ除かなけれぱならない。(21岩石の切取りに火薬を用いるときは切取ウ線外の岩石をゆるめてはならない。(3}切取りの下方を一時に大量に切取つてはならない・施工(施工時の観測,齢よび検討)第23条切取ウ施工中は常に土質,地質の変化かよび湧水状況を観察,記録し,その状況に応じてこう 配の変更,ノリ面防護工排水工の要否とその種別を判定し,必要な処置を決定しなけれぱならない。〔解説〕 斜面の土質,地質はきわめて不均質で,踏査,または先行調査でその全ぼうを正確に判定することはむづかしい。多くの場合切取り施工によってその状況が明らかになるので,施工は単に定められたこう配に切取ることではなく,将来の安定を検討するための調査であることを念頭において施工する必要がある。 このためには土質,地質の変化,われ目,風化の程度,含水状態,湧水状況を観察し,写真,図面などによ り記録しておく必要がある。特に湧水状況の観察は降雨後におこなうとその様相を知ることができる。 また施工中,小崩壊を生じたときは崩壊の原因を十分検討しなけれぱならない。その状況によってはノリ こう配を適切に変更するとともに将来のノリ面の安定に対する検討を加え,ノリ面防護工,排zk工澄よびそれらに対する設計,施工の資料を把握しておかなけれぱならない。一239一 2−4−4設 計2−4−4〔Na13設計要領〕3−3−3切土部路床の具備すべき性質 上部路床1下部路床,上部路体など主として盛土について述べたが,これらの考え方は切土においても同じである。しかし,切土区間においては原地盤の材料によって次のような構成をとることを原則とする。(1)原地盤が岩(硬岩,軟岩)の場合 (a)岩の掘削面を,土工仕上げ面(この場合路床仕上げ面に同じ)とする。 (b)掘削によって生じた岩の凹部には,下層路盤材と同等以上で,水の影響を受けにくい材料を補填し,  十分に締固めて平坦に仕上げなければならない。(図3−10参照)         廷辮鴨装厚 壷齢蜘一                  下層路盤材に準ずる                図3−10原地盤が岩の場合の路床 (c)補填材料の性質  最大寸法  50mm以下  4.76mm(No,4)フルイ通過分  30∼70%  74μ(No.200)フルイ通過分  0∼10%、  420μ(No.40)フルイ通過分についての塑性指数  6以下  仕様最小密度における水浸CBR  30以上(2)原地盤が上部路床材の規定に合格する材料の場合  この場合は原地盤を転圧して,上部路床の規定密度に施工する。(3)上記(1),(2)以外の場合  この場合は3−4路床厚さの設計にのべる方法により,地山強度によって路床厚を設計し,置き換えるも のとする。(4)切土部路床は,盛土部路床に比較して,地下水および雨水が路床中に浸透する可能性が多いので,地 下排水については第3編 5.地下排水設備を参照して,充分な排水工を設けると共に,路床材につい ては,浸水に大きく影響されないもので,排水性の良い材料を選ぶべきである。(5)切土部で図3−11のように原地盤の土質が異なり,必要とする路床厚が異なる場合には,その境界部に 1:5程度の勾配をもつすり付け区間を設けることを原則とする。(6)土工仕上げ面の横断勾配,切土掘削面(上部路床または下部路床にあたる)の横断勾配は盛土の場合に 準ずるものとする。一240一袖 2−4−4設 計(7)路床準備工において舗装面に平行に整形しなければならない部分の路床の厚さは盛土の場合と同じとす る(3−3−2解説⑯∼⑳参照)。                   土砂    !/                     /    石                   ノ             路床         すり付け区間(1:5程度)              図3−11切土面の土質が異なる場合の路床 切土部における土工仕上げ面附近の土質は掘削してからでなけれぽ判別しない場合が多い。したがって設計にあたっては,ボーリング結果より概略の推定を行なって路床厚を定め,施工時,土工仕上げ面の土質が確認でぎるようになった段階で3−4路床厚さの設計により求められた路床厚さを参考にした断面でモデル施工を行ない路床断面を決定するものとする。 なお,土工仕上げ面附近の材料は,風化,掘削および工事用車輌の繰返し荷重などにより強度低下することもあるので施工方法も,あわせて検討することが望ましい。一241一
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  • タイトル
  • 3 盛土
  • 著者
  • 設計施工基準集編集委員会
  • 出版
  • 委員会関連資料
  • ページ
  • 242〜307
  • 発行
  • 1973/09/01
  • 文書ID
  • 57743
  • 内容
  • 3−1−1道土工3 盛土3−1 締 固 め 3−1−1〔Nα2』道路土工指針〕2−4−4締固め (1)締固めは次の目的のために行なう重要な作業であるから盛土の設計にあたっては締固め度,施工含水比,まぎ厚など必要な事項を示すことが望ましい。  (i)土の空気間ゲキを減じ・透水性を低下させ,水の浸入1に・1よる軟・化,膨張を小さくして土を最も安定した状態にすること。  (ii) 盛土ノリ面の安定,交通荷重の支持など土構造物に必要な強度特性を盛土に持たせること。  (iii)完成後の路面に悪影響を及ぽす盛土自体の圧縮沈下を少なくすること。 (2)締固めの規定には次に述べるように多くの方式があるが,それぞれ得失があるので,土質,交通荷重などに応じて適当なものを採用すればよい。  (i)乾燥密度で規定する方式(基準となる室内締固め試験の最大乾燥密度に対する百分率で締固め後の乾燥密度を規定する方法) 最も一般的に採用されている方式で,基準となる室内締固め試験の最大乾燥密度はJIS A1210土の突固め試験法改訂案(土質工学会)の方法によって求め,現場における締固め後の乾燥密度は,その最大乾燥密度の90%以上でなけれぱならないと規定するのボ普通である(図一2・5参照)。      図一2・5乾燥密度によって規定する方法の説明図          苓.霞\製憩       ド      ロ襲       ー  1示す線(現場における締固め後の繹 鱒耕一l i乾燥密度は、この線の密度より大      I  lきいことが必要である。     含水比(%)  湿潤側(2〃10) (ii) 飽和度または空気間ゲキ率によって規定する方式  乾燥密度によって規定する方法は次に述べるような土には適用が困難鴫そういう場合にはこの方法が合理的である。一242一} 3−1−1道土工   (a)規定された乾燥密度にすることがでぎる含水比よりも自然含水比の高い土,すなわち,図一2・5の突固め曲線において90%の締固め度に対応する湿潤側含水比(ω・・)よりも自然含水比が高い土。   (b)土質の変化が著しい現場において,各種の土が混合していて,その割合が常に変化し,密度比較法で規定すれば現場において乾燥密度を測定するたびに,新たに基準となる最大乾燥密度を求めなければ,正確な締固          ロヒビめ度が判定できず,検査が非常に煩雑となるような場合。F 締固めの程度は,飽和度の場合は,85∼95%の範囲に,空気間ゲキ率の場合は,10∼2%の範囲に入るようK規定するのが標準である。 飽和度および空気問ゲキ率は,現場における土の単位体積重量測定結果から求めることができる(1章(1・3),,(1・ 4)式参照)。  (iii)強度特性によって規定する方式  安定した盛土材料,すなわち水の浸入による膨張,強度低下などの少ない材料の場合(岩塊,玉石,砂,砂質土など)は強度特性で締固めを規定することができる。特に岩塊,玉石などは乾燥密度の測定が困難な場合が多いので,この方法は便利である。 含水比によって強度が変化する不安定な材料の場合は(粘土,粘質土など)測定の時期によって合格したり,不合格にな』らたりするので,この方式は適用しないほうがよい。強度特性として何を測定するかについては一般的基準はなく,地盤支持力係数,K値,C耳R,7一ン指数などが用いられているが,路体部分ではなるべく簡単な手段を用いるほうがよい。 また,各測定法におげる強度の基準値も÷般的標準はないので各々の現場で定めなければならない。  (iv)締固め機種,締固め回数によって規定する方式  土質,含水比の余り変らない現場においては,締固め機種と締固め回数によって締固めを規定することもできる。ただしこの場合,あらかじめ②(i)(ii)(iii)にのベーた規定方式のいずれかを基準としてきめておき,現場締固め試験(5章5−4参照)を行なって,基準とした規定に合格する締固め機種,締固め回数を定めておかなければならない。 この方法も(轍)と同様に岩塊,玉石などの締固めの場合便利である。  (v)簡単な施工法によって規定する方式  特に締固め程度を規定せず,敷均し時の土工機械の走行による締固めを期待して,まぎ厚を適当に定め,水平に敷ならして施工することのみを規定しておく方式も考えられる。 〔注〕 締固めの規定としては,従来密度比較法が最も一般的な規定として広く用いられ』て雪万が,』わが国に多い高含水比iの粘土,粘質王は本文2−雀』4(2)(ii)にのべ「た性質を持っているので,これらの土には適用が困難である。 一方,飽和度または空気問ゲキ率によって埠定する方式は,乾燥密度で規定する方法のように一定の突固め回数(締固めヱネルギー)で締固めることを要求していないので,あらゆる土質および含水比のものに適用できる。 締固めの第一の目的は土を最も安定した状態にすることであり,この状態は土を最一243一 3−1−1道土工適含水比において最大乾燥密度に締固めることによってえられる。最適含水比,最大乾燥密度は土質によって変わることはもちろんであ為が・図一2・6に示すように・試験前の含水比・突固め回数に牢っても変わってくる。しかし・いずれの場合も最適含水比,最大乾燥密度の状態が各々の条件において土の最も安定した状態であり,かつ,いずれの場合も,この状態は飽和度85∼95%,空気間ゲキ率10∼2%の領域の中に入っている。 したがって飽和度または空気間ゲキ率によって締固茜を規定する方式は土を最も安定トた状態にす喬といった意味においては非常に合理的顔規定といえる。、 しかし,前述したように,この規定法は一定の突固め回数で締固めることを要求していないから,含水比の低い場合ほど大きい締固め土ネルギーを必要とし,含水比の高い場合ほど,わずかな土ネルギーで良いことになる。したがって,強度の面からすれば,含水比の低い場合には必要以上め強㌧・ものになり,含水比の高い場合には,   、¥¥』 騰魏度    継1・醜日突固め商数黛・(5・回) す5¥握¥ム      1》\¥¥9藁耐il樽熱 豪遡蝉嚢淫      I    I   、  1¥      書    I     I ¥      I          l  ¥ 《P㌧一      lFl騨海    ω心P豊1   1ωOP巴  1ωOP巳I‘10回1    ‘50回)l l(25回I含水比1%、図一2・6最適領域の説明図かなり弱い状態でも規定に合格することになるので,盛土の安定と施工に必要な強度が得られているかどうかに不安が残る。したがって第5章に述べるように,これらの強度が得られる施工含水比を同時に規定しておくぢとが必要となる。、5−4−6締固め、盛土を安定塗ものとするためには,指定された材料を定められた方法によ’って十分締固めなければなうない。                     (1)締固め方法と適用機械 大規模な盛土の締固菊にあた?ては,まぎ厚,締固め回数,締固め機種,施工含水比などを決定するために,現場において試験盛土を行なうことが望ましい。一244一 3−1−1道土工 締固め施工中の含水比は突固め試験(1−5−3参照のこと)によって求めら加た最適含水比付近または仕様で示された締固め塑得られる含水比で締固めることが原則と される。 盛土材料がよく,盛土高さが低く,現場の条件が特に良好で試験盛土を必要と認めない場合には,「2−4−4を参照にして適切な締固め機械を使用し,まき出1し厚さを20∼30cm程度,各層の締固め回数をドーザ類,鋼製P一ラ,タイヤローラ,振動ローラなどでは5回以上,タソピソグローラでは8回以上として,規定の締固め度を得るようにしなければならない。 特に締固め度が規定されてない場合は次に示す締固め機械をその適用条件に応じて選定し使用すればよい(表一5・7参照のこと。)  (i) ロードローラ  主として盛土表層あるいは路盤用として使用される。高含水比の粘質土あるいは均一な粒径の砂質土などには適さない。  (ii)タイヤローラ  砂質土あるいは含水比の少ない粘質土・粘土の盛土の締固めに使用される。自走式のものは機動性に富み能率的に使用され,被けん引式のものは傾斜面または高含水比の粘質土の締固めに使用される。 締固めのさい,深いわだちができたり,こねかえしの現象を起こす場合は作業をやめなければならない。  (iii) タソピソグローラ  土質の変化に応じた突起の形状が選定される。レキまたは風化岩の混入した土には突起の長いもの,粘質土には突起の短かいものが選ばれるが,表層の締固めには適さない。締固め作業中,突起に土が付着する場合は作業ができない。  (iv)振動ローラ  主として砂または砂質土の締固めに適する。機種には大小各種あって,大型のものは自走式であり,小型のものに人力による手押式である。高含水比の粘質土に使用すると地面にめり込んで作業不能になることが多い。小型のものは裏込めの締固めに適する。  (▽)振動コソパクタ  主としてヒキまたは砂質土の締固めに適し,裏込めなどの局部の締固めに用いられる。  (vi)ラソマ  せまい部分の締固め,あるいは盛土ノリ面の締固めに使用される。  (vii)ブルドーザ  路体などの締固めに使用されることも多い。高含水比の粘質土に対しては,湿地用ブルドーザが使用される。 盛土施工中は横断コウ配を急にして排水に注意し,雨水の滞水などが起こらないようにする。一また降雨の予測される場合は平滑撰ビラで盛土表面を平滑にしておくこと,および機械の走路となる個所はシートなどでおおっておくとよい。施工中,建設機械の走行によって締固めが行なわれるので,この効果をでぎるだけ利用して,1走路を1個所に限定しないで,まんべんなく走行するように考慮することも必要である。 ② 現場締固め試験 現場において締固め方式を決定するため試験を行なう必要のある場合は,一245一 3−1−1道土工現場の代表的な盛土材料を用いて,幅3m以上,長さ5m以上,厚さ15∼50cmとし,締固め機械1機種について,まき厚さを3種類以上に変えて試験を行なう。またこの盛土を施工に使用する予定の締固め機械で締固め,締固め回数たとえば0,1,2,3,5,10,15回ごとに盛土の密度および含水比を測定する。このとき必要に応じて,盛土表面の沈下量,あらかじめ埋め込んでおいた測定板などを掘り出して測定する内部沈下量,κ値,CβR,コーソパネトロメーター,円スイ貫入試験などの貫入試験,採取したサソブルによる強度および透水試験などを行なう。 その後,散水などによって容易に含水比が変えられる土であれば,含水比を変えて同様な締固め試験を行なう。 このような試験の結果から,適当な機種,一層のまき出し厚さ,締固め回数を決定する。 (3)施工中の締固め度の測定 12−2−3参照のこと。5−4−7 盛土ノリ面 (1)ノリ面の崩壊 盛土ノリ面は表面を流れる水によって洗掘されないように十分締め固め,かつ設計断面を十分満足するように仕上げなけれぱならない。 盛土ノリ面は施工中の降雨を予想し,洗掘されたり,水の浸透により,ノリ面がすべりを起こさないような施工をすることが必要である。 ノリ面崩壊はノリ面部分の材料が砂または粘着力の少ない砂質土の場合,または盛土部本体の材料とはなはだしく異なる場合に多く発生する。また盛土部本体は各種締固め機で十分締固められるのに対し,ノリ面部分は筋芝のそう入などのため十分締固めが行なわれないこと,あるいは盛土部本体との接合部の締固めが不十分なことが崩壊の原因となる。 施工中のノリ面は完成後のノリ面と異なり,植生などによるノリ面防護がまだ実施されておらず安定していない状態にあるので,設計にきめられたコウ配でノリ面を形成したままに置くと降雨のさい崩壊をまねくことが多い。 このような場合は施工中において5−3−2に示すような排水の考慮および(3)に示すようなノリ面防護の考慮が必要である。 ② ノリ面の締固め工法 盛土ノリ面の機械締固めは次に示すような工法がある。 一(一D一振動コソパクタまたは小型振動ローラによる工法一”盛土部本体が完成したのち,ノリ面部分の奥行30∼50cmについて薄層踏み上げ方式でノリ面部分を締固めたのち表面の整形を行なう。 ノリ面材料に盛土部本体と異質の材料が使用されるときは,その接合部はそれらの2種の材料を適宜混合して締固め,異層の境界をはっきり残さないようにすりつけることが必要である。またそのすりつけを行なう場合,盛土一246一 3−1−1 道土工部本体の端部は材料がゆるんだ状態にあるので,図一5・17に示すとおり,ノリ面の締固めのさい,その部分を再び締固めること。振動コンノ《クタまたはノ』・型振動ローラ      グゆるんでいる部分        盛土部本体ノリ面譲∼固め ている境界線図一5・17 ノリ面を盛土部本体にすりつける締固めウインチ余盛り(鯉叢嶽な嚇 包振動ローラ.糖   うゾ  鏑二=二締固めた層二4維     ,層     /∼’   1層 、登厨。 ゆ姶(a〉油圧式シコベルによる成形(b)振動ローラによる締固め図一5・18 油圧式ショペルにより成形し振動・一ラによる締固め  (ii)振動ローラによる工法  盛土部本体が締固められ所定の盛土体が概成したのち,ブルドーザまたは油圧式ショベルなどを用い,ノリ面を土工定規にしたがって成形したのち自重3t以上の振動式ローラを盛土の天端より巻きあげながら締固める(図一5・18(a〉および(b〉参照のこと)。この工法においては,振動ローラをノリ肩の方向に巻ぎあげながら振動をかけて締固めると効果があるが,さげながら振動をかけるとノリ面がゆるんで材料がずり落ちる現象が起ぎやすいので,ノリ面をさげるとぎは振動をかけないほうがよい。  (iii)道路敷幅に余裕がある場合  施工中のノリ面の安定を十分に保たせるために図一5・19に示すとおり施工中の盛土ノリ面コウ配を設計よりゆるやかな約1:2,0コウ配にとりトラクタおよび被けん引式タイヤローラで締固め,あとでブルドーザまたは油圧式ショベルで仕上りコウ配に切り取り,その後に振動式ローラでノリ面を巻きあげながら締固める工法をとる場合もある。一247一 3−1−1道土工       トラクタ    タィヤローラ     鞍  ’ヂ      症       水平に締固め叢置_       ・η衝       〃図一5。19被けん引タィヤローラによるノリ面の締固め一248一 3−1−2道 技3r−1−2〔Nα3 道路技術基準〕 2,3,1 締固め要件 盛土は次のように締固めるものとする。1.路床部は十分支持力が得られるまで,また危険な圧縮性がなぐなるまで締固めること。2,路体部は,スベリに対して安全なセン断強さを有するまで締固めること。また現場含水 比を考えて合理的に締固めること・3,路肩に近い部分まで道路中心附近と同程度に締固めること・(解 説) 盛土材料として乾燥密度が大きく,過度の容積収縮が起らず,施工機械の運行ができる材料を選ぶことが望ましい。しかし現場の土質によって上記の材料を得ることが難しい場合は,できるだけ現場材料を合理的に使用して要求される締固め度を得るようにする。すなわち現場材料を路体に使用して路床には良質材を混合または全部搬入して締固めを行なう。 締固め管理については,現在乾燥密度,空ゲキ率,飽和度,貫入試験,現場C B Rなどによって行なっているが,自然含水比の大きい土,粗粒の土などによって一長一短があって統一された方法はない。現状では必要な支持力を得るために締固め試験を行なって管理基準を決めている。2,4,2 締固めの計画 締固め計画にあたって,使用材料をよく検討し,2,3,1に規定された締固めの要否および締固めの方法を決めなけれぱならない。1,改訂P R法による土の分類でA−1に属する材料については特別の締固め管理は必要と しないが,まき出し厚を70efh以下にするのが望ましい。  A−3に属する材料については,原則として締固め管理を行なうものとする。管理を行 なわない場合はまき出じ厚50cm以下にすることが望ましい。2 改訂P R法による土の分類でA−1およびA−3以外の材料については締固め管理を行 なう』ものとする。3,締固め管理を必要とする材料については締固め試験を行ない乾燥密度含水比曲線を画き 最大乾燥密度および規定の締固め度に相当す為乾燥密度を求めておくものとする。4 規定の締固め度に対応する乾燥密度を得るに必要な現場での最適含水比,盛土一層のま き出し厚およぴ使用する機械による転圧回数などの試験盛土を行なって決定するものとす るo一249一 3−1−2道 技5,締固め機械は,材料の種類,現場の状況,機械入手の難易等を考慮して選定しなけれぱ ならない。また締固め機械の所要台数は工事の規模,工期,能力等を考慮して決定するも のとする。(解、説)締固め管理の要否の判定にういては,慎重にフイル分試験を行なって決定する。1.A−1に属する材料は,まき出し厚を左るべく薄くして均一に締固めることとする・仕上面には細砂を用いて出来るだけ平滑に仕上げる2.A−3に属する材料は比較的粒径の大きな細砂であれぱ乾燥密度含水比曲線および最大乾燥密度を求めてむくものとする。比較的粒径の小さい細砂またはシルト質が混じっている場合は締固 め管理を行なって均一な締固めを行なうものとする。3.A−1,A−3以外に属する材料を盛土材料に用いるときは,締固め管理を十分行なって規定 の締固め度まで均一に締固めるものとする。材料の種類に応じた適切な締固め機械むよびその重量,接地圧などについては,表一26∼28によれぱよい。一般に重量を調節し得るものが便利で あり,砂質の土には振動式のものが効果がある。転圧機の主なものは,タンピソグ・一ラー,マ ヵダム・一ラー,タイヤ・一ラー,振動式ローラーなどがあり,トラクターやトラックも転圧効果が大きい。また局所的な締固めにはランマー,タンパーも用いられる6    表一26各種の土の締固めに適したタンピングローラーの接地圧と大きさ土 の 種 類主として摩擦力によって支持力が増減するもろいシルト質,接 地 面 積cm245∼80接  地  圧kg/cm2315∼7.0粘土質この分類は現在ある機種を使って最適含水量またはそれよりやや低い含水量に沿いてJ I S A1210規定する最大密度の95%まで締固める場合を基準として出したものである。粘土質シルト,粘土質砂および塑性の小さい粘土質土重   粘   土40∼607.0∼14,030∼5014,0∼28,0『250一また経験に基づき,転圧開始に当リローラーの重さが容易にひき始められるということを考慮している。接地面積が増せぱ接地圧をずっと大きくすることが望ましい。またより高い密度を得ようとするならばこのような接地圧の増加が必要である。 3−1−2道 技表一27各種の土の締固めに適したマカダム・一ラーめ重量と転圧力重量と転圧力(ローラーの幅1cm土  の  種  類当たり重量)清浄な粒のそろった砂,冷よびシルト,粘土を含まない砂利の多い砂マカダムローラーでは十分転圧できない主として摩擦力によって支持力が増減するもろいシルト質,粘土質,砂質土5∼6ton   31∼40kg/cm粘土質シルトおよび塑性の小さい粘ニヒ質土7∼6ton    40∼60kg/cmフイラーやバインダーとなる微粒子を含む粒のそろった砂レキ10∼12ton   50∼80kg/cm重粘土質土10∼12ton   50∼80kg/cm表一28各種の土の締固めに適したタイヤ・一ラーの接地圧土  の 種 類接地圧1,4∼2,8kg/cm2清浄な砂冷よび砂利の多い砂タイヤのサイズが大きけれぱこれ以上の圧力主として摩擦力によって支持力が増減するもろいシルト質,粘土質,砂質土2,8∼4,6kg/cm2粘土質土むよび砂利の多い土4,6kg/c㎡以上試験盛土の方法は3,3,3に述べる。試験盛土を省暗する場合には3.a3によって計算することができる。転圧作業の能力は次の式によって転圧を行なう。       V×1V×刀X F』‘一一”’一一 ’E士一一一一r一  一一一』『』一一『一一』一…” …一’一一一一』一』          Pここに  E:転圧能力(m3/hr)    V・:転圧速度(m/hD    解:1回の転圧幅(m)一251一 3−1−2道 技1):まき出し厚(m)        締固め後の土量F:土量の変化量一        ほぐした土量      P:転圧回数3.3.3 盛土の締固め1.盛土の締固めを行なう際には各層の厚さ,締固め回数等を合理的かつ経済的に決定する ために,各現場において試験盛土を行なって,これらの値を決定し,これによって施工を行なうこととする。2 試験盛土は,締固め計画にもとづき決定された盛土材料,締固め機械を使用して,含水比,まき出し厚さ,締固め回数を夫々変化組合せて,適当な施工条件を決定するものとする。3,締固めの施工に当っては規定の締固め度が得られていることを確かめながら,施工を進 めなけれぱならない。4,構造物の裏込およびそれに近接する盛土の施工に当っては,良質の材料を用い,ランマ ーその他適当な機械で締固めを完全に行なわなけれぱならない。(解説) 盛土材料がよく,盛土高さが低く,現場の条件が特に良好で試験盛土を必要と認めない場合には表一27,表一28による適切な締固め機械を使用し,盛土のまき出し厚さは締固め計画によるものとし,各層の締固め回数は,ドーザー類,マカダム早一ラー,タイヤ・一ラー等は5回以上,タンピングローラー類では8回以上として,規定の締固め度を得るようにしなけれぱならない。 (参考)土質によっては必要以上に締固めを行なうと,こね返しの影響によって軟化するものがある。鋭敏比の高いものではその傾向が大きい。この種のものは,図一38で曲線Cが平らになるところを越えると,こね返しのためにかえってしまらなくなる。なま油線が平らになるのは飽和度が1に近ずいたときで,水を飽和されるとこれ以上締固めることはむずかしい。この場合には土をできるだけ気乾して締固めを行なうことが大切である。1.試験盛土によって,まき出し厚,締固め回数等の施工条件を決定するには,次の順序に従って 行なう。 (a)盛土地盤上に盛土に使用する材料をもって,幅4m以上,長さ10m以上の試験盛土区間を  作る。盛土厚さは15∼45cmの範囲で変えるものとする。な沿,締固め中は盛土全幅にわ’ たって横断コウ配をつけて施工するものとする・一252一 3−1−2道 技 (b)試験盛土材料は含水量を,標準締固め試験による最適含水比,自然含水比,およびその中間 の含水比となるように,夫々調整して使用しなければならない。(c) この試験盛土の土を使用予定の締固め機械で,5,8,10回と分けて締固めを行なう。上 記の締固め回数ごとに,盛土の全深さにわたって,現場乾燥密度の平均値を測定する。(⑦ これら結果を図一a8のように整理して,必要な締固め回数を決定する。 (e)上記の資料により盛土全深さにわたって   _                      岡L8     1     a   最適含水比                      9        1 規定の締固め度以上になる最大の盛土厚さ  ε1。6   1   b  最適含水比以下                      遡       ’     c   最適含水比以上  を一層のまき出し厚と決定する。       卑L4    ,                      襲        L一所要締固め回数                      超1.2     12。盛土締固め施行中における締固め度の検査   l     i                          ヨ                ユ  盛土の締固め幅は盛土全幅にわたって行な   ,     →締固め回数 うものとする。締固めの仕上り厚さ1mごと    図一38締固め回数乾燥密度曲線 に延長100.mを標準として,両側の路側から1m内外のところに1個所づつおよび中央部に1個所,合計3個所から試料を採取して乾燥密度を求め,この値が規定の締固め度以上にならなけ ればならない。3 カルバート,管キ。等の埋戻し,またはその附近の盛土は,構造物の両側から同時に薄い層で締固め,構造物の真上とその両側とが不均一にならないように注意しなければならない。材料には砂その他粗材をもって埋戻しを行ない,これを水締めする場合にはその排水に留意しなけれぱ ならない。一25 3一 3−1−3設 計3−1−3〔Na13設計要領〕 3二2 路体の具備すべき性質路体に使用する材料に必要な性質および締固めは原則として次の通りとする。3−2−1下部路体(1)材料の性質 (a)最大寸法300mm以下を原則とするが,300mmをこえる岩塊,石塊であってもその空ゲキを細かい  材料で補填し・空どうをのこさないようにできる揚合は使用しても「よい・ (b)経済的に施工できる材料であれば良く,,最大寸法以外に特に材料規定は設けない・(2)締  固  め (a)締固 め度  α)土の突固め試験法(KODAN A1210)により定められた最大乾燥密度の90%以上を標準とする。   突固め試験は38.1mmフルイ通過分について行なうものとし38,1mmフルイ残留分を含む土につい   ては上記密度をKODAN A1214によって38.1mmフルイに留まる粗粒分の混入率に応じて補正   し,締め固め度の標準値とする。                                 注)  (・)自然含水比が高くKODAN A1210の突固め曲線における2〃ωg。以下の含水比とすることが困難   な土または規準となる最大乾燥密度が決め難い土などの場合(関東ローム,あるいは各種の土が混合   していてその割合が常に変化する場合など)には,飽和度85∼98%または空気間ゲキ率1∼10%の   範囲に締固めることを標準とする。   注) 図3−3参照のこと。 (b)施工時の含水比   自然含水比(地山含水比付近) (C)施工層厚   締固め後の一層の仕上り層    30cm以下(1)飽和度(S,),空気間ゲキ率(びα)に,上限および下限を設けている理由は,次の通りである。  Sr≧85%,%≦10%は,粗粒土(砂質土)などの締固め度1)c≧90%に相当する規定であり,強度を大ぎく, 圧縮性,・透水性を減じて土を安定化し,盛土のトラフィカビリティを確保し,不等圧縮沈下,ノリ面の崩壊な どに対処する規定である。  またSr≦98%,砺≧1%は,鋭敏比の高い,火山灰質粘性土(y:丑)などの過転圧(オバーコソパクション) による強度低下を防止するための規定である。しかし,含水比などの測定精度を考えると,数字としてあまり 意味がなく,むしろ前記の主旨を数字で表現したと解釈すべきである。一254一 3−1−3設 計  実際には,規定した理由を十分に理解し,転圧回数,施工機械の組合せ,コーン指数(9c),ワダチ沈下量な どを規制して,現揚に規定の主旨を反映することが望しい。  火山灰質粘性土の中には,通常の施工でオバーコンパクションを避けることができないものもある・この場 合には,盛土の安定,施工機械の作業効率,盛土各層の仕上げ面の凹凸と降雨対策などを考慮した規準が必要 となる。  今回飽和度規定の上限を95%から’98%に変更したのは,施工実態に近づけたたためである。(2〉仕様規定の飽和度(S・)・乾燥密度(ル)のいづれによっても.・締固め度が不合格となるが・路体として十 分な強さ(g,≧10程度)が確保でぎる場合,締固めの管理規準は次の特別規定値によることができる。  ただし,特別規定値を適用する場合は,材料の突固め特性試験,モデル施工などを行ない,④仕様規定を適 用することの可能性,@浸透水による路体の安定性等を十分確認するものとする・  特別規定値(締固め度)は,路体材料の自然含水比(地山含水比附近)におけるKODAN A1210により求 めた乾燥密度の95%以上とする。               転圧後の乾燥密度                               ×100≧96%………式 3−1      路体材料の自然含水比におけるKODAN A1210の乾燥密度  ここでいう土の突固め特性試験とは,含水比状態を飾,2妬一α,2伽+α・観+2αとした試料を用いての突 固め回数とS、,砺,4σ,CBRなどの関係を,非水浸および長期水浸(Sr≧85%)の条件で測定することをいう。. なお,水浸については,3−3路床の具備すべき性質を参照すること。く3)岩塊,石塊を盛土材料として使用する場合には下記の点に注意して施工しなければならない。 (a)施工にあたり,まき出し厚を薄くするか,転圧回数をふやすかなど,入念に施工し空ゲキをうめる必要が  ある。 (b)細粒土のものが産出する場合には石塊,岩塊などの粗粒材と互層に施工するか,または,細粒材と粗粒材  とを現場に搬入し・分離しないように搬土距離などを規定しブルドーザで敷均し・転圧する必要がある・ (c)転圧機械はできるだけ重いもの,起振力の大きいもの(25t級タイヤ・一ラまたは4t級被けん引式バイ  ブレェーショソローラ程度以上)などを利用することが望ましいQ(4)岩塊,石塊(38.1mm以上)の混入率が30%以上あるものについては,礫補正が適用できない。これらの 材料の施工については,次の方法によることができる。 (a〉材料は締固め後の一層の仕上り厚が仕様規定以下となるよ)にまき出し,各層毎にできるだけ重いもの,  起振力の大きいもの(25t級タイヤローラ・4t級被けん引式バイブレェションローラ程度以上)などで沈  下が認められなくなるまで締固めるものとする。なお,締固め時の含水比は原則として地山含水比とする・ (b)モデル施工により現場で使用される転圧機種ごとに,前記締固め規定を満足する転圧回数を決定し,施工管  理はタイヤ・一ラなどにタコグラフを取付けさせ転圧回数および1日当り施工土量を規制するものとする。(5)特に高盛土の設計施工は,次の例を参考にして,路体に間ゲキ水圧あるいは水位を著るしく生じないように 考慮して,安定を確保しなければならない。一255一 3−1−3設計(aン細粒土に,おける例盛土材料1関東ローム ”π 110∼150% η1.23∼1,389/cm3 Sγ  85∼97%  oり   参考 図1 (東名 愛鷹) σσ 1.5∼7  東名愛鷹の他に中央道小寒沢(関東・一ム)および九州縦貫植木(灰土)などの例がある。 (b)粗粒土における例                冠燕劉        避薮::環嘉」                      悔耽1.80∼2.149/c㎡                  参考 図2 (東名 松田)   (㊧の例では,盛土中に厚さ30cmのフィルター層(排水層)を5血ごと}ヒ設けて, 間ゲキ水圧の低下を  計った盛土構造である。また(b)の例では,路体内の水位を低下させるために,泥岩と礫岩を互層に施工する  とともに,盛土途上における重機の走行などで不透水層となった層上で水位が上昇しないように排水を考慮  した。なお(b)の泥岩は非常に風化し易いものであったQ  〔参考文献〕   東名高速道路  愛鷹試験盛土報告書   昭和40年10月   中央高速道路 八王子試験盛土報告書  昭和40年5月   九州縦貫自動車道  植木試験盛土工事報告書  昭和44年2月(6)盛土ノリ面は,原則として路体の施工と同時に行ない,路体と同じ締固め度に均一に締固めるものとする。 (4遍ノリ面転圧参照)(7)土羽土を必要とする盛土(8−2植生工参照)の場合も,路体の立ち上りと同時にノリ面を施工}するのが望ましく,一腹付施工す る場合には機械施工で送る 余裕幅を残L てお ぎ, 土羽土の人力施工はで きるだけざけること。  この場合,浸透水などをすみやかに排水できる盛土構造とする。(4−4土羽土参照)(8)盛土各層には4%以上の横断勾配を設け,毎目の作業終了時は表面を平坦に仕上げて,締固め後の排水が良 好に行なわれるようにしなければならない。  3−2−2捨土について一256一 3−1−3設計盛土に使肌てならな咄埴土綿に必勲機能,甦恥施黙棚性・瑚などを考慮し矧固々の現揚ごとに定めるものとする。 盛土材として要求される性質は,盛土の安定,盛土自重による沈下(圧縮),交通荷重の繰返しに対する安定,性,トラフィカピリティなどに関するものである。(4盛土ノリ面,7盛土および切土の安定の横討参照)                                 い 捨土は,これらを検討して経済的な盛土構造が得られない土砂を対象として行なうものとする。 捨土の検討に際して,参考となる事項を,次に記述する・(1)ベソトナイト・風化の進んだ蛇紋岩,温泉余土・酸性白土・凍土および腐蝕土などは・膨張性および圧締性 が大きいので,一般に捨土する。(2)特に高い盛土,急速施工の盛土,上部路体,路床などの場合をのぞけぱ,捨土の対象となる材料は,重機の トラフィカビリティを支配する粘性土である。しかし,土運搬車のトラフィカビリティの得られな吟材料でも,場内工事用道路で運搬路を確保し諒た接揮の低噸工騨鞭財れ偶大部分の粘性土は使即きる・ 〔施工例〕 関東ローム 盛土面における9c≧1.0  超湿地ブル,湿地ブル     灰土(熊本)盛土面におけるg・≧1.0  超湿地ブル,湿地ブル  これらの盛土は,数m毎にフィルター排水層を設けたものもあるあ(3) トラフィカビリティに問題のある土質,大量にあつかう土砂は,実大規模の試験施工を行なって,業界の所 有台数を考慮して,施工機械の選定および捨土限界を検討すべぎであるσ普道いおれ宅いる関東・一ムにおけ る施工機械とコーソ指数(g。)の最小値の関係は表3−1め通りである・表3‘1施工機械のトラ7イ拍ビリテイ(蘭東山」ム)施 工 機 械 名,σβ(kgcm2)1㈱超湿地ブルドーザ1ザへ’2・∼4湿地ブルドーバケットドーザ,杵通ブルドー”ザスク レープドーザ(4m3)スクレープドーザ (6m3)ツイソモータースクレーパ被けん引式スクレーパ (6m3)自走式スクレーパダソプ1ト・ラマ、ク、摘要1.6∼23∼44ん73∼55∼63∼55∼7湿 地 タ・イ プ湿・、地qタドィ,1プ・普 通 タ イ プ自  ・走’ 式普通ブルドーザけん引10以上10以上注1〉9cは,同一ワダチ箇所で2∼4回の走行可能な強度を示したものである。 注2) 9cは,断面積3.23cm2先端角300のコーンによる現場測定値である。(41盛土の圧縮(沈下)は,軟弱地盤における沈下に飾べて残留圧縮量が小さく,また継続時間も短いので,一 般に捨土の決め手とならない。(5)火山灰質粘性土は,一般に深い層(古い年代)のものほど粘土化が進んで事り,また下部にある不透水層の 影響で多量の自由水を持っているものもあり,上部路体材に適さない場合が多いので,土量配分において注意すべきである。    1、 レ一257一 3−1−3設 計(6)雪,氷,凍土などの上にまき出し,転圧すれば,接触面の転圧が不十分となり,また盛土施工後に軟弱層に なり,盛土の破壊あるいは路面の沈下などめ原因となる。そのため設計時に検討すべきである。3−2−3上部路体(1)材料の性質、、  最大寸法  300mm以下  仕様の締固めを行った土の水浸CBR  2,5以上  注) 水浸については路床の項を参照。(2)締  固  め (a)締固 め 度   下部路体の仕様と同じ (b)施工時の含水比   (a)の規定にしたがって締固あた土の水浸CBRが,2,5以上となる含水比(e)施工層厚1  締固め後の一層の仕上り厚  30cm以下(1)上部路体の強度CBR2。5以上は,次の理由で規定しているp, (a)路床のすぐ下面にあって,路床および舗装施工時の交通荷重の影響を多少とも受ける。したがって,.この  部分の強度を規制し鮒繊,断騨都傷璽り・礁融輝となること莇る・ (b)路床は十分な締め固めを必要とするので,その締め固めのベースとなる上部路体は,少くとも軽い被けん  引式タイヤ・一ラーで転圧の可能な強度C2尽≧2勃支持力を必要とする・                        り  なお,CBR=2.5はσσ=(2∼3)×CBRとすれば,1σσ=5∼7.5(kg/cm2)である。(2)上部路体におけるCBR値および施工時の含水比は,次の方法によって求あるものとする。 (a)土の突固め試験法(KODAN A1210)によって定められた最大乾燥密度の90%・以上の密度が,現場で得  られる土については,図3−3の方法による。、   自然含水比(ω.)状態で,¢BR≧2.5であることを確認するが,その結果CBR<2.5であれば,2砺一5%  の状態でCBR≧2。5であることを確認する。1またωr5%の状態でもCBR≧2.5を確保できない土であ  れば使用しないものとする。乾燥密度 担(9/cm3〉           10回 1      8     §             1修11こCBR      8  息      sr泳比定びoあ)        水浸CBR(%)    r!然含水比(地山含水比)図3−3修正CBRの求め方の説明図一258一 3−1−3設計(b)飽和度または空気間ゲキ率で締固め規定をする土については図3−4方法による。 o自然含水比z〃.および2砺を順次乾燥させた材料を用いてKODAN A12102,5kgランマにより回数を  ‘  3層10,26,56,92回ξして突き固めを行なう。 o突き固め直後の空気間ゲキ率または飽和度を測定し,水浸後(飽和度85%以上)に,CBR試験を行なう。  試験結果を図3−4のよう畔プロットして筋または 筋より施工時の限界含水比を決める・BRrgjl藍藩調【〆\C 2。55  覗“』 _r一一  『隔一一一曽一1        _ゴ一  一  門   門   一  『l黛“弔I  『     I   I          I   II I l.一い一和98一 一  一   一  一  曽 18  1 ,  一 I  r一『一「一=に= Rl  I (%)=』訓==_駈   lI  l軸1 −1ミ,ミ1気    地工含水比 間 ゲ乞伽  :白然含水比1 キω屍一α :自然含水比からα矧ナ乾燥したも8         ︻﹂一i ﹁l『  r卜一一トー一一ゆ l率伽一2α= β 2α 躍%︶10I I ・/O  I       〔 I砂  1 ・整            1 85一  一  一  一  一   田   曹  一          ω毘空 伽→2白L」伽一αI  l     ,  l         I  I、度1一一一r魎一卜 聖   1      l          l  l飽 Cむ2.5B曽   一  一  一  團   圏 l    l    I I        I        、『  Ii I i i  i i〔%)『   門   一  一1           畳     ●o10   25   56  92  空固め同放  !ogN一噸一     ・図3−4上部路体の輝工含水比決牢方法、   所定のCBRを得るために必要な含水比低下が,経済的に許されない材料であれば使用しない。なお,ば  っ気乾燥による含水比の低下は,通常数%程度である・(3)上部路体仕上げ面横断コウ配は,上部路体材,下部路床材の性質および経済性などを考慮して,施工中の排 水が確保できるように定めるものとする。   1「     閣3惚 路床の具備すべき性質路床に使用する材料の必要な性質および締固めは原則として次のとおりとする。3−3−1下部路床(1)材料の性・質 o最大寸法 150mm o4,76mm(No.4)フルイ通過分の試料の中に占める74μ(No.200)フルイ通過分  50%以下 0420μ(No.40〉フルイ通過分についての塑性指数  50以下 o仕様最小密度における水浸CBR  5以上一259一 3−1−3設計(2)締  固  め (a)締固 め 度   CBR試験方法(KODAN A1211)の供試体作製に用いる突固め方法によって定められた最大乾燥密  度の90%以上   突固め試験は,38.1mmフルイ通過分について行なうものとし,38.1mmフルイ残留分を含む土につ  いては,上記密度を,KODAN A1214によって,38,1mmフルイに留まる粗粒分の混入量に応じて補  正し,締固め度の標準値とする。 ・,  (b)施工時の含水比   i   !、                    レ   締固め度および修正倣5腿榔とのできる含鵡  : (e)施工層 厚   締固め後の一層の仕上り厚・(1)材料試験    20cm以下1  ,1  仕様最小密度における水浸CBRとは,自然含水比(:地山含水比)附近で必突固め回数を変えて作成した供 試体を水浸して求めた修正CBRとする。(図3−5参照1                含水比 (%)    、    J CBR(%)                (乞σ昭9Q)=突固め曲線の90%密度に対応する湿潤側含水比              1,・、型π1施工する場森最も多いと思わ咋る含水比           図3−5 締固め含水比の範囲およぴ修正CB耳の求袷方の説明図自然含水比は・季餓気象条触どによりたえず変イヒすると思わ泌が・雨期諌結鰐期畔を除けば地表面より50cm以下の試料で測定した含水比とする。なお含水比は,地下水位の影響,材料のバラッキなどにより著るしく変るので測定個数に注意すべきである。1(2)施工時の含水比  土は含水比を変えて,ある一定の突固めエネルギーで突圖めると,締固め1”i線(Compaction Curve2〃・γ4) で知られているように,乾燥密度が最大と底る含水比. (最適含水比)がある。最適含水比で締固めた土は,. や や塑性をおびた状態ではあるが,水の浸入に対して軟化をおこすことも少なく,土工構造物として最も安定し た状態に挙ることが認められている・そゆたみ,締固めは最適含水比で行うのが望しい。  下部路床材の中には最適含水比と自然含水比(地山含水比)の差が,調節可能な含水比より大きいものもあ る。また岩砕などでは,自然含水比が最適含水比より乾燥側のものも喬,る。今までの施工実績からすればr般 に現場では2∼3%程度の含水比調節がなされているが,既述の主旨から,施工にあたっては最適含水比で締 固めるよう配慮することを軽視してはいけ’ない。」260一? 3−1−3設計(3)上部路床の揚合と同じく下部路床の規定を満足しない土であっても,安定処理を行って下部路床材料として 十分使用に耐えることがわかった場合には使用して良い。安定処理した土の下部路床材としての適否を決める 試験方法については,3−3−2(8)上部路床,安定処理の項に準ずる・  3−3−2上部路床(1)材料の性質 o最大寸法  100mm o4,76mm(No.4)フルイ通過分  25∼100% 074μ(No,200)フルイ通過分  0∼25% 0420μ(No.40)フルイ通過分についての塑性指数  10以下 o仕様最小密度における水浸CBR  10以上(2)締  固  め (a)締 固 め 度  CBR試験方法(KODAN A1211)の供試体作製に用いる突固め方法によって定められた最大乾燥密  度の95%以上。  突固め試験は38,1mmフルイ通過分について行なうものとし,38.1mmフルイ残留分を含む土につ  いては,上記密度をKODAN A I214によって38.1mmフルイに留まる粗粒分の混入量に応じて補正  し,締固め度の標準値とする・ (b)施工時の含水比  原則として最適含水比附近とする。 (c)施工層厚  締固め後の一層の仕上り厚  20cm以下.(1)仕様最小密度におけ為水浸CBRと・は,最適含水比附近で突固め回数を変えた供試体を水浸して求めた修正 CBRである。(図3−6参照)最大乾燃轡度ンビrr一’一      著竃一『一一一”乾燥密度    菖1蝕箔(9/cm3)  ガ脚.r×o,P5     32回最逸音尋こナヒ附近のもの   紹回慧ド1修正CBR=10以上紹1       含水比歪杁ンo)       C駐R(%)     ω951突固め曲組の95%密度に対恥きする言量潤側含水比図3−6締固め含水比の範囲およぴ修正CBRの求め方の説明図一261一 3−1−3設 計  SM,SC,SM−SCの材料の中には,最適含水比と自然含水比の差が大きいものもあるので,自然含水比で のC耳R試験を行う必要もある。なお,一般には現場で可能な含水比調節は,地山含水比から3%程度である。  締固めは,含水比調節のみでなく転圧方法(重機の施工など)を十分検討すべきである。(3−2近下部路体解 説,(3)(4)参照)(21細粒部分が分離しやすい切込砂利,岩さい,および粒度分布の悪い砂(粒度のそろった)などでKODAN A1211の95%の密度が得難い材料の場合は,現場でモデル施工などを行って上部路床としての適否を確認し た上でKODAN A1211の90%以上まで規定を緩和することができる。ただし,この場合,KODAN A 1211の90%における水浸CBRは10以上でなければならない。(3)上部路床材の74μ(No,200)フルイ通過量および塑性指数(P I)の規定を満す材料の入手が極めて困難 な場合は,岩砕,ズリあるいはレキなどの粗粒材であれば,74μフルィ通過量あるいはP I規定を満足しない 材料で,長期の安定性を室内ならびに現場試験で確認すれば規定をある程度緩和してもよいが次の事項につい て考慮する必要がある。  ここでのr安定性……」とは,風化(含水比の変化),乾湿繰返し,繰返し荷重などによる強度(CBR)変形 (たわみ),粒度74μ(No』200),塑性(PI)などの経時変化および均一性をいう。 (a)凝灰岩,凝灰角レキ岩,泥岩(頁岩),石英斑岩,石英紛岩,輝緑凝灰岩,風化の進んだ粘板岩,石墨片  岩,緑色片岩,砂岩,花嵩岩(マサ土)などの中には,乾湿・荷重の繰返しを継続して受けると細かくなり  粘土化してしまうものがある。 (b)74μフルイ通過量およびP I規定にはずれる材料を湧水のある個所や凍結深内にある路床に使用する場  合は特に注意を要する。   湧水のある個所とは切土部,切盛境,片切り片盛,縦断コウ配の凹部,構造物との取付附近なども含む。 (c)規定を緩和する場合は,路床不良部の置き換え率,舗装構造をも含めた経済性および施工性をあわせて検  討するものとする。 (d)安定性試験方法および検討方法は次の例などを参考にして,その都度定めるものとする。  ④ 凝灰岩,泥岩などの岩塊を温度50。Cの乾燥炉で24時間乾燥して炉から取り出し,試料の温度を室温   まで下げ,約24時間水浸し,試料を表乾状態にして再び乾燥炉に入れる操作を5回繰返す・    たとえば塑性試験ができなかった岩塊でも上記試験で細粒化して,PI=20∼40が測定された。  ⑤ 粒状材料は一般に,突固め前と後の粒度は異なるが,特に風化した花尚岩(マサ土)は突固め前と突固   め後の74μ(No.200)の量が20∼40%増となった・  ◎ 岩砕を工事用道路,路床に使用した結果,施工後,数ケ月で粘土化して不均一となり材料の変更,置き   換えなどが行なわれた。              一』(4)粒度分布の悪い砂(粒度のそろった砂)などはトラフィカビリティの確保およびエロージョン防止などのた め・上部一層に安定処理を行なうこともある。(5)山砂にもいろいろ種類があり,良,不良が判然としない。今まで使用した山砂の粒度を図示すると図3−7 に示す通りである,この粒度曲線からすればABCとDEFの2グループに大別される。一74μ(No,200) の多いABCグループはトラフィカビリティが悪く,自然含水比においてはCBRも低い。またDEFグルー一262一 3−1−3設計 プは,トラフィカビリティが比較的確保され,CBRも高い傾向を示している。(6)統一分類法でいうSM,SC,SM・SCなどの材料〔土質試験法(土質工学会編)CBR試験の解説でいうB群 の材料(オーパーコソパクショソを生じる土)〕を路床材として使用する場合,自然含水比における諸性質, 転圧機種の大きさ,場内通過車輔(ダソプトラックなど)の大きさ,場内工事用道路などを考慮してその適否 を判断しなければならないo  このような材料(前記ABCグループのような粒度のそろった砂)1は,自然含水比と最適含水比との差が 大きく,ばっ気乾燥によっても所定含水比まで低下させる事は困難である。また,図3−8によるとCBRは含 水比17%程度までは突固め回数を増すと増大するが,含水比20%以上になると極端に低下する。0    9 010x90080070通過重量0    0    0    0    0    040Q 傷50マ如分率(%〉  31与国6o3020100.0740.1050,25   0.42     0.84        2.O4.76     粒径(mm)図3−7山砂の粒度曲線ω,ピ20∼30%101015  20  2515  2025含水比(%)含水比(%)___.最大寸法2mm−4.6mm(No.4)100%一74μ(No,200)13∼20%PI 10,7比重2,63  1.41015  20  25含水比(%)   0    10   20   30   40      C B R(%)図3−8 細砂(A,B,C)の試験結果一263一 3−1−3設 計(8)プルーフローリソグは追加転圧検討のため,ならびに均一な路床を得るために路床仕上り面において行ない, 次の二つの意味がある。 (a)追 加 転圧   追加転圧は,路床面全体にわたって25t以上のタイヤ・一ラで少くなくとも3回転圧を行ない,締固め  不足を補うとともに将来の変形を防止する。なお路床の均一性もチェックするために使用するタイヤ・一ラ  の一輪当り荷重は5tタイヤ空気圧7kg/cm2でなければならない。 (b)均一性のチェック   検査は施工時に問題のあった個所(再施工,置き換え,湧水,路肩,構造物との取付附近・材料のバラツ  キが大きかった個所・特殊な施工を行なった個所)などを中心にして・ダンプトラックによリタワミ量の合  格,不合格の判定をする。   測定に使用するトラックの復輪荷重6tタイヤ空気圧7kg/cm2でなければならない・(9)名神で行なったプルーフローリング(輪荷重5t,空気圧5.6kg/cm2,たわみ量7mm)の結果を上げると 表3−3∼5のとおりである。まず表3−3は全置換面積に対する不良個所面積の比を,その原因別に分類したも のである。表3−4は同じく深さと,不良個所面積の比を,表3遍は不良個所の位置と盛土部,切土部等の比で ある。         .表3−3不良原因とその割合          表3−4不良個所深さとその割合粘性土の混入32.2(%)高含水比15.6”30∼50cm51,73.8”51∼100cm36.2構造物周辺の不良低盛土のための地下水の影響10,4路床厚さ不足による支持力低下19.5切盛境界面への水の集中10.9切取ノリ面の湧水5,5パイプ,マス等の埋戻し不良0.5材料の分離1.4通行車輌による路床の破壊O,2路床面下 30cm以内〃  100cm以深7.9(%)4,2表3−5不良個所位置とその割合盛土部藍より0,25∼8.Om” 〃 8,0m∼路肩切土部” 0,25∼8,0m”  〃 8.Om∼路肩1,8(%)}一轟皇羅離・3,01.6 _ 不良個所面積} 一切土部全面積7,0構造物裏込め部8,9切盛り境界部5.6 _裏込の不良個所 切盛境不良個所}  構造物裏込部   切盛境:界部                          一264一 3−1−3設 計3−4 路床厚さの設計 3−4−1設計の考え方(1)路床の構成,材料の選定は最も経済的となるように決定することを原則とする。したがって路床材料は 道路掘削土もしくは舜土量不足の場合の客土掘削土による現地発生材を使用することを原則とし,安易な 購入セレク,ト材の使用を考えてはならない。  現地発生材では路床として具備すべき性質を満足しない場合には安定処理の可否を調査し,購入セレク ト材との材質,路床効果などを比較検討した上で経済性を考えて決定するようにしなければならない。(2)路床構成は施工性および均一性を保つためにも少なくとも延長500∼1000mは同一の構成とし,その 間の構成は代表的CBRで計算し,決定する。(3)路床の最小厚さは切土部において岩および上部路床材の規定に合格する材料がでる場合を除き30cm とする。  路床の最大厚さは1qOcmとする。100cm以上となる場合は不経済となること・が多いと思われるので ①地山および上部路体の強度確保を計る,②予定路床材を変更してCBRの高いものを使用する,③安 定処理を行なって土質の改良を計るなどのことを比較し最も経済的な構成を選定するようにしなければら ない。(4)設計された路床構成についてはモデル施工により,当初の土質条件,施工性について再検討するものと する。3−4−2設計の手順(1)上下部路床で材料を変えないことが経済的な場合は図3−12の2層構造の路床厚計算図によって計算す るo(2)路床が上,下の2種からなり,材料の異なる場合には図3−13,α),(り,一’6,⑭,㈲,6,(D,㈲,(リ) の3層構造の路床厚計算図によって計算する。(3)材料の強度は変形係数E(kg/cm2)によってあらわし,次式によってCBRから換算する。  地山およ聞上部路体材……E=20×設計CBR……式3−3  路床材…………・……・・E=40×設計CBR……式B−4  なお,設計CBRは盛土および地山が粗粒材の場合は修正CBRとし,地山において乱さない試料が 採取できる場合はその水浸CBRとする・(4〉路床材のC B Rが地山沿よび上部路体のC B Rの3倍以上で,かつ地山かよび上部路体のC B R が5以下の場合,路床の下部は次表のとおり強度を低減し設計する。.一265一 3−1−3設 計強度を低減する厚さ   (㎝)低減強度(CBR)5205x2=102.540地山およぴ上部路体のCBR※下部20cm:25×2−5上部20cm:5x2−10        ※麻満の鵬は・6願限度とし下低減厚備し・頓         施工等妬より検討する。(包断の断面糊騨神騨造恥とな遡舘1翠を用いて平均強度瞳算し・路床厚を計算 してもよい。E一(ん肇轄重づ 式・一・    E :平均強度(kg沈㎡)     麓 1 層厚(c血)     E6一:層の変形係数(kg沈m2).(6)図3−12沿よぴ図3−13によって得られた上,下路床の厚さは5cm単位とする。『              1路              器 吻屡謬疹%砺            h 50.’“            (㎝) 40             13u’勉勿              20南吻勃勿              10              20304050608010q,,1戸0200300                  Ez一一               図3−12 2層構造の路床厚r26、6一 3−1−3設計 100 凹 70 60h2 50轟 、吻00 0ρo3000’簗辱交     El一,1・13層構造の路床厚(ん、=30,E3二30)ω 3層構造の路床厚(ん・=15,E3=30) 100 80 70 60h3 弱曳㎝1)40畜舶賑z戴 10 500  1000  200D3000 5000   E1一一10唱∼、9鎗 o勉o 30縄\莇o・・魯・④ m亀ぞ面吻一13。吟一 20 『1000 20α0300040006000 10000 20000 100 go 80 70 601ふ)影00 3015の200吻80!00旨%⑨ 畠4鉱〔㎝)40(㎝)40 30 20 100 80 60h250如o‘0∼渦一 201500  400   600    1000       2000      4000 10 10 500  700  1000      2000  3000   5000 7000  10000    E』一      −E且囚 3層帯造の路床厚(拓嵩45,E3=30)  ←1 3思構造の路床厚μh=15,1『3二50) 100 80 60h250140 30一 皿φ’。“ち0h3509{濃(c皿)40 30一一ず・摺o 209’謬つ窓易 感1浄’!藁11鯨■も 20凝。(㎝)ちo 100 80 60 10  200 30040D 600 1000  2000    E量一   400   600    1000      2000  3000 10    E1,一一一的 3層構造の路床厚(島=45,E3;50)園 3層構造の路床厚(ぬ1=30,E3=50)一267一一 3−1−3設計 100 80  (論)50 100 80φ一〇P OO Oo ・ひ 寒 30勲ηoド1404o墨 ’20国  の(為50冨o8∂140 30蝿2000■  10 400500 80010001500200030004000 10      EI−       E菖一一1ト1 3層構造の路床厚(’h=15・E3コ100)凶 3層携造の路床厚(極ロ30,E3=100)b2 60!の80(㎝)50国n”岩 100 80 マゆ000 150(注)Eエ:上部路床のi変形係数(kg/cm2) 30E2=下部路床の変形係数(kg/cm2)φ“20200 300400 600800E3:地山,上部路休の変形係数(kg/cm2)φ一ゐ1=上部路床の厚さ(cm)み2=下部路床の厚さ(cm)  100      200   300 400500  700  1000  1500 10       一一E11リ1 3層構造の路床厚(箆、=45,E3=100)             図3−133屠構造の路床厚(1)図3−12および図3−13は路床仕上げ面において複輪で5t(空気圧7kg/cm2,接地圧5.5kg/cm2,接地換算 半径17cm)を1∼2km/hrで走行したときの最大タワミ量が5mmとなるための路床構成について計算し たものである。  これは①均一な路床を造成すること,②舗装の基礎として施工上および設計上の強度を持つ必要の2つの観 点から過去の施工例,舗装設計要領,舗装要綱(道路協会)等を参考にして一応の目安として定めたものであ るo(2)軟弱な地山もしくは上部路体上の路床は,転圧効果が充分あげられない。また転圧される層の強さは下層の 強度の3倍が限度である。このようにな場合,式3−4の関係を一律に適用し難いから試験施工等により計算で決定した断面構成を確かめる必要がある。一268一 3−1−3設 計131路床厚の設計計算例(1)条件式3−3,3−4より路床と路体の変形係数は,E1=40x10=400路  OBR=10んcmE2=20x 5=100床図3−12により賜 ,E2の交点の縦軸の読み(路床厚)路  GBR=5  ん=70cmを得る。体(2)条  件式3−3,3−4 より路床んGBR・=20ん、cmEl=40x20;800GBR=8ん2cmE2=40×  8=320路  OBR,菖5E3=20x 5==100体 図3−13(トXチXリ)により ん1=15cm→ん2=40cmん=ん1十ん2=55cm ん1−30cm→麗一15cmん一ん、+ん2−45cm ん、一45cm→ん2≒0この場合3−4−2の(4)によって再計算しなけれぱならないo③条  件左図Dの場合触5>3でかつ路体のC BR−5であるの路  OBR=20ん床路CBRF5体で,3−4−2(4)項を適用して路床厚を算出しなければならない。この場合強度を低減する厚さ澄よび低減強度を考慮すると(iDに示すような断面構成になる。(D一269一 3−1−3設計各層の変形係数は式3−3,3−4にょり略路CBR=20床CBRl=5×2ユ10  40x20=800ん、20c20cm(低減層)(1路  CB〔も二5  40×10= 400  2b×50=100 この場合図3−13を用いるのは非常に困難であるゐ体で,式3−5により路床の平均強度Eを算出し,図3−     (ll)12を使用して必要路厚を計算する・①臥一20cmと仮定する。(ん=ん、十20=20+20・=40¢⑳)式3−5より畔×鵯詔×噂(蝶如o%津吉等57・  図3−12により 1㌃=570,1』=100 の交点の縦軸の読み(路床厚)h,冨45c卑を得る。    45>40(仮定した厚さ)であるので,再びん1を仮定し (ん、+20)する。②ん、;25cmと仮定する。(ん=ん、+20−25+20=45¢◎) ①と同様にして路床の平均強度Eは,  E一(25×8療’lx400%ブ≒64・ん=43cm43≒45であるから,この断面を採用する。僕巫一  〇BRコ5式3−3,3一4より各層の変形係数は,(4)条  件 温=40x20==800路上部路床GBR=20ん1下部路床GBR=6ん2CBR=2.5 E2=40x6−240 E3=20x2.5= 50図3−13(二)(ホ)(へ)より体④  ん、二15cm→ん2>fOO cm  ん>100cm@  ん1=30cm→ん2≒ 85cm  ん=30十85=115cm㊦  ん1;45cm→ん2≒ 30cm  ん=45十30= 75cm ・の場合,下部路床材が現地発生材であれぱ,経済性を検討し,購入材であれば,材料,断面等を変 更する方がよい。3−4−1(3)参照。一270一 3−1−3設計(5)条  件 左図の場合,30/2.5>3でかつ路体のC B R=2.5であるので,3−4,一2(4)項を適用して路床厚を算出路床路GBR二30する。GBR=2.5 この場合,強度を低減する厚さ,沿よぴ低減強度を体考慮すると左図に図示するような断面になる。ん               んLcmOBR,ニ30路各ん2床           20cmCBRF5×2=10蓑               20cmOBRF2.5x2二5 2路     OBR,=2.5  各層の変形係数は,万1 =40x30=、1200E2 =40x10=  400E3=40x  5=  200E4=20x2.5==  50休計算例(31に示したようにして路床厚を計算する。o ん、=30cm と仮定する。E一(30×・200%講1華ll+20×200%1≒58・届一580 乃=50とし,図3−12から必要厚を求めると ん≒78cmである。 ん1=ん一(20十20)二78−40=38(cm) であるから,仮定した厚さは不足する。o ん、=40cmと仮定する。 (4・×・2・・弩器蝶+20×200狛)≒65・  且=650,E2コ50とし,図3−12から必要厚を求めると,んニ70cmである。   ゑ1−70一(20+20)=50……→仮定した厚さは厚すぎる。o したがって,ゑ亘は30㎝と40cmの間にあり,5cm単位でまとめると ん、こ35cmとなる。  故に,求める路床厚は75cmである。一271一 3−1−3設 計4−5ノリ面転圧(1)ノリ面の締固めは,盛土本体の転圧と同時に,重機で行なうことを原則とする。  ただし,盛土と構造物との取合附近のノリ面,路床部の土羽土などでは,小型振動ローラー・小型振動 コソパクターなどによる締固めも行なうことができる。(2)ノリ面は原則として下部路体と同じ締固め度で,均一に締固めるものとする。(1)盛土は,ノリ面表層部の締固めが特に大切である。しかし,最近の機械化土工では,ノリ面附近の施工が困 難なこともあり,ノリ面表層部が盛土本体(路体)の締固めに比べて不十分なことがある・  そのため,ノリ面表層部の附近が不均一となり,豪雨などで異常間ゲキ水圧が発生して,ノリ面崩壊をまね くことが多い。(図全2,図4二3参照)  この種の崩壊を防ぐには,ノリ面表層部の立上りは盛土本体と同じ時期に行ない,盛土本体と同’じ締固め度 で均一に仕上げる必要がある。雨水      雨水   ノ         qc一/         /一てコーン指数15の境界線     \  Nsw      \   1緬こよる7纐       \          (異常間ゲキ水圧)       \        \         γω×Z     罫/gc≦15 ︸/            qc≧15  qc Z         \               \¥Z  /スエーデン式サウンディl z  入ングの回転数Nsw 2 施工によって生医不均一鳳                  (不透水層)  図4−2 /リ面表層部の不均一と異常間ゲキ水圧  図牛3盛土ノリ面の締固めの状況  図4−3は,名神の調査結果であり,1mの深度(Z)まではコーソ指数.(σ、)が15に達せず,雨水の浸入 によるノリ面崩壊の原因となっている。(2)土羽土を必要とする路体材は,植生に適しない酸性の強い土,雨水により浸蝕されやすい粒度のそろった砂 (SP)などを除いて,ほとんど考えられない。(8−2二植生工参照)  そこで人力によるノリ面施工は,構造物の取合附近,路床部の土羽土などの場合に限られる。人力によるノ リ面施工は,盛土本体の施工と同時に行なわれないので,ノリ面表層部に不均一准層を造りやすい。  そのため,ノリ面崩壊を防ぐには,(3)項の重機によるノリ面転圧を可能なかぎり行うべぎである。  また,重機による転圧の可能なノリ面を設計することが特に大切であり,筋芝工,張芝工,種子筋工などの保護工および厚さの薄い土羽土などは望ましくない。一272一 3−1−3設 計  ただし,小規模な法面では,人力施工による工法を採用す                                      魂  ブルるのが有利醐合もある・        謬                                     ハ(3)ノリ面転圧は・次の方法などによることが望ましい。              .水平に締固めた層 (a)ブルドーザなどの転圧による施工法   この方法は,盛土幅全幅を一層ごとに転圧し,1∼3層  立ち上るごとに横断方向にノリ面転圧を行う施工法である。 (b)盛土幅より広く余盛し,後で掘削整形する方法ノ{ツホー   この方法は,盛土幅より余計に盛土し,締固め不十分な盛  土端部を,ドラグライソ,バックホーで削り取り整形する施  工法である。この施工法は,盛土用地幅に余裕がある場合,  側道がある場合などに有効な手段である。(4)ブルドーザの履帯などによる法面の凹凸は,植生によるノリ面保護工(種吹き付け工など)に望ましく,ま た植生が成長すれば美観上も全く支障がないので,人力によりきれいに法面を整形する必要はない。また,腹 付けによってノリ面の不陸を整形した場合,その部分は降雨によって剥落する恐れがあるので,十分注意すべ きである。(5) ノリ面崩壊は,ノリ面表層部の不均一性による外に,縦排水溝,仮排水溝などの水路コウ配の急変している 箇所での流水のはね出しによるもの,縦断コウ配の凹部,切盛境,構造物の取合附近,傾斜地盤上の盛土,透 水性の高い路体材,場内工事用道路の跡などにおける降雨の浸透水,湧水などの不十分な処理ならびに盛土構, 造の不備などによるものが考えられる。  これらについては,他の関連項目を参照されたい。(6)ノリ面の転圧および仕上げは重機による施工を原則としたが,軽微な手直しには人力施工を考慮する。一273一 3−1−4国鉄土3−1−4〔Nα11−1 日本国有鉄道,土木工事標準示方書〕 2−2一(2)硬岩ズリを除く盛土の施工にあたっては,あらかじめ盛土材料の現場締固め試験を行ない,所要の締固め度参えられるような作業基準をつくり承諾を受けること。 ただし,小量の場合,又は良質の材料で転圧試験を行なわなくても作業基準が決められる場合は,承諾を受けて試験を省略して作業基準を決めてもよい。・(注) 1 「現場締固め試験」とは,実際に盛土締固めに用いる締固め機械を用いた現場試験をいう。2. 「作業基準」とは,所要の締固め度が得られる盛土材料,材料の含水比,まき出し厚,機械の種類,締固め回数,速度の組み合わせを示したものをいう。(追加示方の例) (31軟弱地盤や粘性土の高い盛土に沿いて完成後もな沿残留沈下量が予想される場合は,開業時までの沈下量について余盛量について追加示方するのがよい。 盛土完成後工期的に余裕のない時は残留沈下量に対応する施工基面の拡幅について,追加示方して沿く必要がある。 余盛を行なった場合でも開業後に残留沈下量がある場合には施工基面の拡幅について設計または標準図で明示すること。〔施工の手引〕1.盛土材料は,齢沿むね水平な層ごとに一様に敷き均し,均等に締固めること。 盛土の安定は所定の締固め度が得られたからといっても,必ずしも十分ではなく,たとえ締固め度が所定の値に達していても部分的に大きい値がある場合は,他の部分もこの値に近ずけて,できるだけ均等になるよう締固めるのがよい。またノリ面に近い所は中央に較べて,締固め度が低くなりやすいので,特に入念に均等に締固めること。このため盛土内の材料運搬路はなるべく固定化しないように配慮する必要がある。また毎日の作業終了時には,降雨などによる排水を容易にするため,盛土表面の整正を行なうのがよレ、。 工事に使用したさん橋,ステージング,などは原則として取り除き,やむをえず埋殺す時は,路盤面から少なくとも50cm以上離すこと。2.盛土の沈下による施工基面幅の不足を補う方法としてのりに平行に増す方法と,のり肩で拡幅量を取り,のり尻で0にする方法とがある。 2−2一(3)硬岩ズリを盛土材料として用いる場合は,材料の安定をそこなうような空分きを残さないように細粗よく混合して施工すること。一274一し 3−1−4国鉄土拡幅叔ム嘱拡幅狽ム楓〔施工の手引〕、 路盤表面から50cmの間は300mm以上のズリは除き,細粗よく混合して振動締固め機械を用いて,転圧面の沈下が認められなくなるまで転圧すること。 2−2一(4)盛土の締固め度試験は,盛土の高さが沿おむね1.5mの平面ごとに,盛土表面にっいて延長100mあたり,中央両側の各1箇所行なうこと。 (注) 「締固め度試験」とは,盛土材料に砂質土を用いた場合,乾燥密度は原位置での単位体積重量測定法(JISA1214)によ診求め,粘性土を用いた場合はqcの値によるものをいう。〔施工の手引〕 締固め度試験は,』カヲ タニ法,テドバンストリミング法などによウ試料を採取しても良いが,この場合,JISA1214との関連をつけて卦くこと。また含水比の測定はJISA1203によるのを原則とするが,アルコール燃焼法,フライパン乾燥法,ピクノメーター法などによってもよい。この場合もJISA1203との関連をつけてむくものとする。 272一(5)盛土の締固め度は,原則として,次の条件を満足するものとする。 ア 盛土材料に砂質土を用いる場合,締固めの程度は,JISA1210により求めた最大乾燥密度の90%以上になるよう締固めること。 イ 盛土材料に粘性土を用いる場合は,コーン支持力(qc)が5kg/c㎡以上になるように締固めること。 (注)(1》「砂質土」とは,統一土質分類のGW,GP,GM:,GC,SW,S P,S M,S Cをいう。(2) 「粘性土」とはML,MH,C L,C H,O L,O Hをいう。(3) 「qcの値」とは,盛土表面から10cm,20cm,30cmの値を求め,それを算術平均したものをいう。(qcの値の測定法は,先端角30。,底部面積3.2c㎡のコーンを使用して約1cm/seeの速度で貫入させその抵撹値を求めるものである。)一275一 3−1−4国鉄土(追加示方の例) (4》含水比を管理しても,所定のqc値が得られないような土質事情の地域に沿いては,その材料の施工後の強度回復率が経験的に,あるいは試験により大きい(たとえぱ関東・一ムの場合)ことを確認した場合にはコーン支持力について別途追加改訂することができる。 粘性土であっても,ML,C L,などは比較的締固めやすい材料であるので,乾燥密度で追加示方する方がよい。一般にM:L,CL,は含水比も低く,締固めやすい材料であるが,地形,地質,気象などの環境条件,盛土の施玉時期などによって,乾燥密度による管理が困難な場合がある。したがって現場の状況にあわせ,工事費の大小,線形の重要度などを考慮して判断すべきである。も〔施工の手引〕1.砂質土の中には比較的締固めが容易に行なわれるものがあるので,できれば95%以上に締固めることを目標にするのがよい。2。qc・=5kg/6㎡の値は,盛土を施工する機械が走行できる最低値を示したものであるから,土質に応じてできるだけ高いqcの値が得られるよう施工すること。2−2一(6)盛土ののり面付近の施工は,次による。ア 土羽及び土羽に隣接する部分は,盛土本体との立上がり差をできるだけ少なくすること。イ 土羽付近は,盛土本体と一体となるよう十分に締固めること。〔施工の手引〕 のり面こう配が1:1,8の場合には,のり面を機械転圧により盛土本体と同時に転圧施工することを原則とする。機械転圧のみによると,のり面に多少の不陸を生ずるが。この場合には最も低い所を設計のり面とする。のり面の締固めに機械を使用しない場合は,のり面から1.0∼1.5mの間は締固まらない範囲として残される。したがって土羽工は締固まった盛土本体とのり面との間が締固め不十分の所として残らないように必要な範囲全搬にわたってまき出し厚20∼30cm以下とし,小型締固め機械を用いて,締固まった盛土本体部分と一体になるよう締固めるものとする。一276一 3−1−5愛水設3−1−5〔Na21−1 愛知用水公団工事設計施工要覧〕 12 盛土の各型に対するまき出し厚さ,および締固め密度は,原則として下記に依る。 A、型,コア型一まき出し厚さ20em以下で承認された転圧機械を用いJ I S標準締固め試験         に影ける最大乾燥密度の90%以上に締固める・ A2型,一まき出し厚さ20cm以下で,承認された転圧機械を用い,J I S標準締固め試験に諭      ける最大乾燥密度の90%以上に締固める。ただし,材料の含水量が多くて最大乾燥密      度の90%以上の密度が得られないときは,同一含水比のJ I S締固め密度に対する      98%以上に締固めるが,J I S最大乾燥密度の85%を下まわってはならない。 ランダム型一A2型に準ずる。ただし,J I S締固め密度による規制が不可能なときは,設計密        度が得られるように締固める。 岩盤おき換え一A2型に準ずる。 頂部盛土一A、型に準ずる。 B型一締固め密度は特に規定しないが,まき出し厚さ40em以下でブルドーザー2回通過程度     とする。 13 盛土材料の掘削影よび,まき出し作業は,材料が締固めたとき,最良の締固めと安定度が得ら  れるよう,十分まざり合うように行なわなければならない。 14 新盛土を基礎地盤あるいは,旧盛土と一体にするために,あらかじめその表面をかき起し,締  固めてから盛土を行ない,入念に締固めなけれぱならない・ 15 材料の締固めには,監督員の承認を受けたローラー,または,その他の機械を使用しなけれぱ  ならない。 16 ・一ラーの作業速度は,一雌に5km/hr以下とする。 17 ローラーの軌道は毎回・一ラー幅の1/2以上,または,30cm以上重ねなければならない。 18 水路掘削,まき出し,転圧は,縦断方向に施工上許される範囲で長区間とり,盛土作業は低位  部から順次高位部へ向って行なわなければならない。また,A、型とA2型盛土は,同時に併行  』して施工する。 19 工事中地盤の不測沈下,または,斜面の滑動などが起きた場合は,すみやかに監督員に報告し,  その指示を受けなけれぱならない。 20 盛土には沈下をみこして,余盛りを行なわなけれぱならない。その高さは,各位置の盛土高さ  および土質によって異なるが,特に指示しないかぎり,10cm程度とする。 21 余盛を行なう場合は,ノリじりを所定の位置に諭き,余盛てんぱを見通して盛り立てなければ一277一 3−1−5愛水設 ならない。22 盛土した各層は排水のため,わずかに山形に仕上げなけれぱならない。盛土中降雨のあった場 合は,すみやかに盛土面を平滑に仕上げて,排水をよくするか,または,監督員の指示による処 置を行ない,盛土作業を中止しなけれぱならない。・また,降雨後は前回の盛土が適正な乾燥状態 にならないかぎり,盛土を再開してはならない。23 盛土運搬機械は,同一部分ぱかり走行してはならない。特に盛土の完成近くなって,走行地域 が狭くなると,わだちができやすいので注意し,もしできた場合は,すぐ水平にさらさなけれぱ{ ならない。一278一 3−1−6土地改3−1−6〔Na4−1 土地改良事業計画設計基準〕7.6.2盛土第126条堤体盛土は,それぞれの築堤材料に最も適した転圧機械と転圧方法によって, 設計条件に合った締固め度に施工しなけれぼならない。〔解説〕 (1) 盛土(不透水性部と半透水性部)の転圧密度に影響する要素は,次のとおりであるQしか し,現場でキレイな含水比・密度曲線をえることは,特殊例外を除いてきわめて困難である。①ロ,一ラーのタイプ,重量,接地圧,   表イ・48土質による・一ラー適性  通過回数,速度②土の種類,含水比,まぎ出し厚さ(2) ローラーの種類と統一分類法によ る 土の種類との間には,実績から表一7・46 のような関連のあることが認められてい0『フq 蛸土賃平滑胴 タイヤグリッド 9》ピガローヲーO一ラー○σwσ σOOσρσ阿εw○sρOOε揮○sσ るo(3)盛土用のローラーとしては,シーブ スフートローラー(タンピソグローラーκLを含む)とゴムタイヤローラーの2種類Cム0乙が主流となっている。いずれも,JIS標凹月準突固め以上の密度を与えて優秀であるC〃0θが,それぞれ次のような特長がある。ρtローラー0OOOO O0 ○○ウエープローラーロラーO振動]胸弘0一ラーOOO○O○○OO10○0 ○ ○O O OO ○ OO O OOOO O Q○O0○ラ)マーけクター’O〇OO○OOOOOO0OO○○0O○OOOOO 〔参考〕 (1) シープス7一トローラー   1905年にアメリカのカリフォルニア州で製作され,道路盛土に用いたのが最初で,1930∼1950年  のほとんどのダムでは,これが用いられたo①接地圧を表わす数字として,1列の足面積で戸一ラー重量を割った値が用いられるが,シープスフートL9シフウ7一卜ローラ【=みける髄ご払ワfヤ日一ラーにおける状態の軌跡ローラーにおいては,下の方からだんだん固まってくるので,その値がきいてくるのは,最後で3回の通乾18過時だけである。 (計算としては,燥鞠竃密度(掬庁  N無240足の5彩が同時に接地するとして,34.3kg/cm2となっ.ている)したがって,最初の通過時について、ゴムワイヤローラーのは,むしろ胴長1m当りの重量,また盈足間隔.などが問題一となってくるo 「② まぎ厚は転圧後で15cm,通過回数は6∼12回が標準となってい最適状態の軌跡     ぎ   ¥繍標、準的な曲銀燈 12  ラ4  1ポ\¥ >ワンフー団一ラーの 4豪準的な曲線一1θ…一勿』一22一』24  含ホ比(%)(z卿惚  Ascε)図一7、35 シープスフート・一ラーとゴムタイヤ    ローラーの比較(シルトまじり粘土)一279一 3−1−6土地改る(アメリカ開拓局が多年の経験に基づいて1959年にきめた基準〉。20520σ一がある。④転圧効果の確認は,最終2∼3密165磁以L㎎⑤足寸法は,ふつう直径7,5cm4η4㈱η島nc占鞠,’、5(舶,4以上創房含む)、、鰯α耀αノ’ 、一’その土の含水比に対して∫「ローラ庭が重すぎるのであるから,ローラ〔・の荷重を調節すればよいoしかし,たとえ浮き上がらなくとも下方はよく締っているのだから心配はない。り献験室細棚捌㈱4ひL95乾λgo燥回で,足が地上から2.5∼5,0cm浮き上がる程度を最適とする。2∼3回ですぐ20cmも浮き上がるのは,土が乾きすぎているのである。また何回やっても浮き上がらない場合は  現場耕料細粒祥料の雄←1さ トラクターの場合は6.4km/hr(76∼380m3/hr),自走式シープスフー トローラー(4輪)の場合は9.7km/hrで,ケン引式の場合のダブル×3台分の転圧能力(量,質とも)↓、現場③・一ラー速度は,ク・一ラー型募肥・4レ巧4≡、 ’/●,  A70、、刀碗加  1.65,’(吊.4以70兇、,’ひ一   7  8  9  10 η  12  13 14 15  16 17 16  19 20         含、ガく比(男)一一一ゐ一図一7・36 現場曲線(シープスフート・一ラー2回〉と    試験室曲線との比較(アメリカ開拓局,Hilf)であるo細粒土に対しては,もっと大きな足面積の方がよいと思わ泌が・土質,含水比と足形との関齢,ま湖確にされていなし、.           表一7.49ローラーの特徴種 類シープスフー トローラー1。F練りまぜ作用があるので層状にな1る1 欠点がなく,均質盛土が完成できる。2・混和御があるので,一・一不要。 また、める程度の含水比調整も期待で特  徴 きるQ3・軟岩を砕くので,そのような材料を も水密にすることができる。4. 間ゲキ圧を消散させる。タ イ ヤ ロ   ラ1. コスト安く能率大(まぎ厚大である から最大許容粒径も大,通過回数も少 なくてよい,速度大)→この長所が混 和作用のない欠点を補.)てあまりあ りo2.  粗粒材料に対しても効果的である。3.  平滑だから雨に対してもよい。4.  やわらかい個所の発見が容易である。5.  土と他材料(岩,コンクリート)との 接触部に適する。アメリカでの主要機関開拓局(乾燥地域が多い〉陸軍土木部(湿潤地域が多い)(2) ゴムタイヤローラー2り’  第二次大戦中の飛行場建設でえたアメリカ陸軍の経 験に始まり,その後世界各国で急速に用いられるよ5 になったo影JIS咽も摩参︶亙6 が標準となっている。護乾憬■8富度η¢、①』重量は50tolrが標準だが、 接地圧どじては,タ イヤ空気圧がきわめて重要であるo ② まき厚は,転圧後で22.5cm通過回数は3∼6回1935国星‘ fヤ圧③ローラー速度は,クローラー型トラクターで4,8∼6・4km/hr以下・ホィール型トラクターで12,8km!hr10 10  151aδ 20  zr 一含水比佛)以下がよい・能率は380∼760m31hrぐらいである。④転圧効果の確認としては,・一ラー通過によって図イ。3ア タイヤ圧変化による密度の相 ちょっと沈むぐらいが,適当である。・全然沈まないの違(シルトまじり粘土W。PF16・6%(JIS),8回転圧)(Tumbili and Foster,ASTM)一280一 3−1−6土地改   は,土が乾きすぎているのであり,めりこんでし・まうのは含水比が大きすぎるのである。(4) 含水比を減らす方法 ダム上へ運搬してきてから乾かすよりも,土取場で乾かす方が効果的で・コストも安い。①土取場での対策地下水があるときは水位を下げ,宙水があるときは,ドレーソで抜く。ミゾを掘って水分をそこへ集めて排水する。残土をたくさん雨にさらさないという点からいうと,平地でスクレーパーを使うよりは,垂直土取場でシ。ベルを使う方がよい。土取場は垂直に切るか,水平の場合でも傾斜をつけよく転圧して,雨が浸透しないようにすべぎである。さらに積極的な乾燥法としては,回転炉に入れるoシートをかぶせる。土取場表雨をアスファルトでおおうg耕運機を10cm厚さの土に6回かけて水分を発散させる,などの方法もある。② ダム上での対策 まき出Lた土をハローで乾かせる・雨中に盛土をやってはいけない。シープスフートローラーと平滑ローラーの併用よりも,ゴムタイヤローラーの方が有利である。盛土面には,常に8∼10%の傾斜をつけ,土をまき出したらすぐ転圧するように習慣化する。また,ローラーの走行をダム軸に直角な方向とすれば,その軌跡を雨が流去することになる。(5) 湿潤式転圧法  0℃以上の日が6ヵ月しかなく,多雨気候に悩まされたスウェーデソで,1951年に開発された方法である。年中,土の含水比が多く,重ローラーは沈んでしまうので,高速トラクターまたは農場用軽ロ ーラーで転圧させる方法であるo  これによると雨天でも施工を継続でき,ノルウェーその他北欧諸国で広く採用されている。イギリス でかつて行われたパドルクレイ法や,アメリカのワシントソ州,日本などで行われている方法も,これ に類した考え方である。含水比が多いので,当然,密度は低いので安定計算には不利となるが,粘土分の 多い目の土(No・200以下の細粒子を15%以上含むこと)を用いるので・透水係数を最適含水比のと きと同じぐらいに規制でぎる(図一7・38参照)。さらに詳細に説明ずれば,次のとおり。①22,5∼30cm厚さにまき出し(30cm以上になると,沈んで動けなくなるので不可),D7トラク ターで5回転圧する。トラクター・が30cm沈めば含水比は大きすぎ,2・5cm以下しか沈まなければ 含水比は小さすぎである。 ② 密度試験は,チェーブで抜取り,トリミソグして油を排除し・体積をはかる方法が適切である。③透水度の試験は,ダム上に穴を掘り,水をはっておいて・その減水深が1昼夜で0・5cm以下なら よいとしている。 ④沈下量はかなり大きい。非塑性土ではα5彩以下であるが・微細シルト質土では5年間に2%沈 んだ例もあるo⑤間ゲキ圧は,100%ぐらい発生するが,せまいコアの場合には消散が早いので心配はない。一281一 3−1−6土地改⑥アバットとの接触部は,不等沈下を少なくするために, 最適含水比付近で締固めた。⑦雨天のときには,そのままの含水比で施工 し,晴天のときにはホースで水をかけながち施    5『︸ll︷ 1︸11⑧築堤上を運搬機械が通過することはできないので,アバット上に道路をつくらなければな     4 らなかった。これは大きな欠点である。(6)冬期盛土 一4∼一60Cぐらいまでなら盛土はできるが    3 (一120Cまでやった例もある),〔PCでも240C                       透 ように,1日24時間,1週7日間をぶっ通し   数                        で盛土する方がよい。       男一5JIS濁潤式転圧法1甥腸含水比範囲H I一、の役目を果して・冬期施工を助けた例(牧尾ダ御め︷1匹                       )1×10 夏季につくったストックパイルが,高温維持P?ヌー転圧竃ll−11一曜 における乾燥密度とくらべると・o・16tlm3も   水低い。寒中盛土の要点は,土が氷る時問のなし、  係2繭・,隼, l I IロロIII工したoニコ襯慧一一 ム)もあるo Kemy Damでは塩を1%混入し1 1                         0て,泳点を下げて施工を続けた。越冬するのに,     0  5  10  15  釦  25一『r『 カバーは必要でない◎氷るのは,地上わずか数          含水Lヒ(殉一一・cmだけである。雪のない地方ではルーズ土ま    図一7、38湿潤式転圧法の説明図(モレーン) たは水面(深さ1.8m)で,盛土の保温をはか           (スウェーデン国立会議) った例もある。(7)盛土部分は,透水性部よりも常に1∼2m高目に施工してゆくのがよい。7.6.3透水性部の施工第127条一透水性材料の転圧は,水を加えて振動ずるのが最良の方法であるが,4%以上一のジジレト分を含むと,施工が困難となり,透水性を失うことがあるので,注意しなけれ ぽならない。〔解説〕(1)透水部の密度の施工管理は,盛土の場合とくらべて試験室管理を少なくし,視察法を多くす 為。なぜなら密度が少々ちがっても,砂レキの強度は大して変わらないし,含水比の調節も不要だから である。透水部では密度管理上よりも,透水度管理の方が重要でありむずかしい。(2) 透水度の管理  粗粒材料では,圧力をかけてもかけなくても,々は大して変わらないので,現場で水をためて,その 減水率を測定する方法がよい。しかし細粒分を含むときには,設計値よりも低い値になっていることが 多いので,注意を要する・  〔参考〕San Gabriel Dam(アメリカ1939年)では,15cm×22、5cm以下の岩クズに,60%のダ   ストを含んだものに倍量の水をかけ,7¢=L96t!m3に転圧したが,その々=3x10−ocm/secとな   った例があるo(3) 相対密度の測定  転圧ずみ透水部の表面に穴を掘り,その内壁をビニールでおおい,中に水を入れて,体積を測定する。 アメリカ開拓局では,76mm以下の粒子にっいて,相対密度(R。0)を測定し,瓦1)>70%でなけ一282一 3−1−6土地改ればならないとしている。これは乾燥密度に換算すると,最高乾燥密度の92∼93%に相当する。(R.P・=60%は90彩,R・D=80彩は95%に相当する)。     R,0一θm…6=p…(0−pm正n)×100彩…………….……………・・…(7.8)        砺ax一θ皿!n P(Pmax−Pmln)      ここで  1》m・x;湿潤させた材料を振動転圧したときの最高乾燥密度           Z》昌試験しようとする材料の乾燥密度          1)mi。=乾燥状態のまま,ふんわりとつめたときの最低乾燥密度(4) 平板載荷試験  相対密度法よりも簡単で正確である・沈下量は相対密度に比例することを利用して,トラックで実施 する。アルジェリアの砂レキダムで,1954年初めて用いられたが,粒径30cmまで測定できるので, 今後多く用いられるようになるだろう。(5) 水中砂レキを,ドラグライソで主げるときには,次のような諸点に注意を要する。①粒度配合がよいほど,、また高密度であるほど,施工は困難となる。②シルトまたは粘土が下層にあるような砂レキを・水中掘削(ドラグライン)する場合は・施工やっ  かいで,透水部としての機能を十分発揮することは困難である・③ストックパイルすれば,数日間で十分乾燥できる。④乾,湿材料を交互に組合わせて成功した例もある。  〔参考〕(1〉WanshiP Dam(アメリカ1957年),No・200以下のシルトを3∼5%含んでいたため   ジュクジュクになり,ローラーが難行した。こんなとぎは,一時ス止ックパイルをっくって排水し   た力^カ:よいo  (2) Tuttle Creek Dam(アメリカ1956年),No・200以下を5∼15彩含んだ砂をドラグラインで   掘削し,それをトラックに積んで運搬盛土していたが,車輪が沈んでどうにもならなかった。そこ   で小型ドレッジャーに切換え,細粒子を流失させ,No,200以下を2%までに減らすことができ「,   その上280円/m3の単価を140円/m3に低下させることにも成功した。  (3) Hills Creek Dam(アメリヵ1958年),ノ・ロサイト粘土で,W〆30∼60%6mm以下の粒   子が20%,No.200以下の粒子は2∼3%にすぎなかったが,水中から採取したものは,軟弱で   機械が入らなかった・そこで水面以上のものだけを乾燥状態で採取したところ,十分によい施工が   できたo(6) ドレーンの施工  ドレーソはその両側にある盛土材料との粒度関係によって,単一ドレーソの場合と,フィルターづぎ ドレーソの場合とがある。いずれの場合でも,施工法は盛土部分と区別して行うのがよい・約1・5cm厚さにまき出し,トラクターまたは振動ローラー,ゴムタイヤローラーで転圧するのが普通である。ヨーロッパでは振       盛士面動タソパーでやっているが,ドレーソ粒子を砕かない,㌃う                                          G6擁8配 必要である・ドレー  下しないよ  灘硬で耐久性が大きいことが必要だが,密度は機能に影響し                           不透水部 ない。だから粒子の破砕をおそれて,転圧をしないダムさ     刀四一     7沸g_                               ドレーンえあるくらいである。ただし,軟弱地質上の水平フィルターは,流動化しないように十分転圧しなければならない。 図イ。39 ドレーンとフィルターの施工法 ドレーソ施工上,最も大事なことは,雨などのために泥が流れこんで目づまりにならないことで,これを防ぐため,ドレーソとフィルター部分だけ,他のゾーソより少し高くして盛土してゆくのも一方法である(図一7・39参照)。一283一 3−1−6土地改7.8.2管理基準第133条 乾燥密度は,許容含水比内において,標準規定値以上でなければならない。た だし,許容含水比以外においても,特別規定値以上の密度,または飽和度を示す場合は 合格とする。なお4、8mm以上の粗粒分を含む材料においては,試験値に補正を加えた もので比較しなければならない。〔解説〕(1)標準規定値(D値) 標準突固め最大乾燥密度(max7‘)の90∼100%の範囲内で,堤体の規模・施工条件などを勘案し下記のいずれかの分類にしたがって,標準規定値を ぎめる。①盛土について単一の締固め度を規定する。②堤体のゾーソまたは盛土高さごとに,異なった 締固め度を規定する。③使用材料ごとに締固め度を規定する。1監 D姻震 (標準規定)1禦(2) 許容含水比) 標準突固め試験における最適含水比±5彩ぐらD胃100%    旨義無 亀欝1『づlC−9θ%ロ、1齢別規慰)I     Il     ロ葡ヒ(曝馨漿いの範囲内で,堤体が必要とする機能,所要の締固    含  含  己め度がえられる含水比などを参考として,許容含水    比   比   は二    水   オく   刻く図一7・51管理規定の関係図比を定める。’一284一 3−1−7 捨鉱建3−1−7〔No8 捨石鉱さいたい積場建設基準およぴ解説〕 土かん止堤の施工・締固め  三、築堤材料は適当な厚さに敷き均し,かつ,充分に締固めること。ただし,かん止堤に常時自   由水面が接触することを避けられない場合には,築堤材料は,厚さおおむね30cmに敷き均   し,かつ,その厚さの約3分の2に締固めること。一285一 3−1−8国鉄構3−1−8〔Na11−3土構造物の設計施工指針(案)〕(盛土締固めの施工)第11条 盛土に用いる材料は,水平の層ごとに一様に敷きならして,均等に締固めなけれぱならない。〔解説〕 盛土上層部は比較的集中性の著しい荷重を負担し,しかも堤体の自重による圧密強度増加をあまり期待できない部分である。盛土下層部については,上層部より荷重の集中性は少ないが堤体の自重による荷重を受ける部分である。いずれにしても盛土完成後列車荷重や自重による盛土の圧縮沈下が問題になる場合が多いので,盛土全体を均一に締固めて置く必要がある。盛土材料は,厚さ50cm以下の水平層になるようにまき出して適宜の締固め機械を用いて締固め,しかもその施工には盛土の全幅にわたってできるだけ均質な締固めを得るよう配慮しなけれぱならない。なむ地形,土質その他の理由により締固めが不可能の場合に は大型機械による締固めを省略してもよいが,この場合でも第13条に規定する基準に合格しなけれぱなら ない。  また,盛土の破かいは,雨水の滲透による盛土材料の強度低下,間ゲキ水圧の発生,盛土材料の粒子間ゲ キの収縮によるきれつの発生などが主な原因といわれている。これらは皆転圧が十分に行なわれていないか,不均一であるために起る現象である。したがって安定した盛土を作るためには十分締固めると同時に,むら なく均質の盛土を作ることが大切である。(盛土施工の一般注意事項)第12条締固めのほか盛土は次の各号により施エしなけれぱならない。 1.運搬車両を一様に通過させ,盛土上の通路を固定させないこと。 2.盛土材料の種類に応じた有効な締固め機械を選ぶこと・ 3.盛土材料はその最適含水比に近付けるよう処理を講ずること・ 4.大きい岩塊は空げきを作らないよう広く盛土中に分布させ,また路盤表層より1m以内には混入さ  せないこと。〔解説〕 盛土材料の運搬は,一般に施工しつつある盛土上を通ってダンプトラック等により行なわれるのが普通である。この場合走路が固定され易く走路下の部分のみ締固めが行なわれ締固めが不均一になる。一般的傾向として中央部のみ締固められ,ノリに近い部分は全く締固められずこれは盛土の安定上非常に好ましくない。そこで運搬車輔の通過によっても均一な締固めが行なわれるよう1の規制を設けた。トラック等の往路と復路を変えること・日によって通路位置を変更する等の処置が必要である・  また盛土の施工に当っては盛土材料の種類に応じて有効な締固め機械を選ぱなけれぱならない。工事の規模,現地の地形など,ほかに考慮せねぱならぬ要素もあるが,一応の標準を表2−2−2に示す。 実際にはこれらが組合わされて用いられる場合が多い。一286.7 3−1−8国鉄構 土を締固める際,その土の含水量によって同じ締固め方  表2−2−2締固め機械の選定法を用いても締固まる程度が異なっている。普通の締固め機   械土機械を用いて土がもっともよく締固まるのは,その土の突重ランマー(50kg以上)トラクター固め試験によって得られる最適含水比の附近である・よっタィヤ・一ラー(非振動式)て盛土施工現場にむいては締固めの際,土の含水比をその砂質土タィヤ・一ラー(振動式)その他振動式の締固め機械土の最適含水比に近い状態にしておくことが望ましい。このためには土取場沿よび締固め現場に診いては含水量を測ランマー定し,現場の土の含水比が最適含水比より低い場合には散多少粘性のタイヤ・一ラー(非振動式)水によつて容易に最適含zk比が得られるが,一般にわが国あ る 土 タイヤ・一ラー(振動式)の土は,天然状態では最適含水比に比し含水量が高すぎる軽タイピングローラーのが普通である。とくに粘性土,火山灰土では自然含水量がきわめて大きい。また施工現場にむけるグンプトラック,ランマー粘性 土重タンピング・一ラー締固め機械,その他走行車両のトラフイカビリチー(走行の難易性)も含水量によって支配され,とくに粘性土で含水量が高い場合には車の運行はきわめて困難になる。含水量が大なるま』粘性土を締固めようとすると,締固め機械の進入が困難になるぱかりでなく,かりに運行が可能であったとしても車が土をこねまわすだけで締固めは行なわれず,ある種の土では逆に強度が低下することすらある。よって施工現場で排水処理を行ない土をできるだけ乾燥させるよう配慮することは,機械化土工にあたり第一に考慮すべきである。 土をまき出したのちでもなむ含水量が高すぎると認められる場合には,晴天1日放置しただけでもかなり乾燥させることができるし,この際ディスブ・一などでかきまわし,風当ウをよぐして乾燥を促進させる方法,土取場を2つ選定して一方は乾いた砂質土の土取場を選び,15cm以下の厚さで交互にまき出してタンピング・一ラーを使う方法などが考えられる。な寿粘土質土,火山灰土などをまき出してかなり乾燥した状態にあるものが,締固め時までに降雨の沿それのあるときは,防水性シートで表面を沿おって雨水の侵入に対し極力防護処置をとるべきである。また盛土作業終了のとき,壽よび作業中でも降雨が予想されるときは排水こう配をつけることも効果的である。 このような処置をしておけぱ雨が上った直後から作業が可能であるが,さもないと降雨が終ってからも,なむ高含水量のため,晴天にもかかわらず作業不可能となることがある。(盛土の締固めの程度)第13条盛土は砂質土を用いる場合には乾燥密度が1.5し/im3以上の値を有するように締固めなけれぱなら ず,また粘性土を用いる場合には,コーン支持力9。>5kg汝m2でなけれぱならない。  注・コーン支持力q。は先端角30。,底部断面積3.2c㎡のコーンを供試体中に約1cm/secの速度で貫 入したときの抵抗値である。一287一 3−1−8国鉄構〔解説〕本条で砂質土とは統一土質分類でGW・GP・GM・SC・SW・SP・SW・SCのことであり,また粘性土とはML・C L・O L・MH・CH・OHをいう。盛土は十分な締固め施工を実施しなけれぱならないのであるが,本条ではその締固めの下限について規定してある。慣行では土質を問わず乾燥密度で盛土の施工管理を行なう例が多いので南るが,ここでは砂質土と粘性土とに分け前者では乾燥密度により,後者ではコーン支持力によりそれぞれ,施工を管理することとした。これは粘性土の場合には,一般に含水量が高いため盛土の乾燥密度を最大乾燥密度の95%程度に締固めることが非常に困難であり,経験データによれぱ普通の高さの盛土ではブルドーザーの走行が可能であれば必ずしも高い締固め度が得られなくても盛土は安定であることが知られている。トラ7イカビリーテーと9。の間には表2−2−3に示す関係がある。しかしながら この値は,盛土が施工出来る最低の値であるので土質に応じて出来るだけ高い値のg。を得る様に考慮して施工すべきである。又粘性土の分類に含まれているがML,C L,O L,等の含水比が比較的小さく締固め易い土は乾燥密度で管理する方がよ匂望ましい。 乾燥密度の測定は「現場にかける土の砂琶換法による単位体積重量試験方法(J I S A 1214)」によるのを原則とするが,その他適宜の方法を用いてもよい。しかし後者の場合には測定器ごとに検定して精度を確認する必要がある。その例として薄肉金属管の圧入による方法がある。そのほかに均質な地盤の弾性係数または地盤係数を測定するために考案された市販の衝撃式円スイ貫入試験器を用いて測定した貫入度の値の逆数が,乾燥密度に対してほぼ直線的な関係にあることを利用して乾燥密度の簡易な試験方法としてこの試験器を使用することも可能である。 盛土材料が所定の9。値を得ることができない場合は,      表2−2『3施工機械その材料はそのままでは使用できない。しかしながら乾燥9。㎏乃㎡により含水比を低下するか,又は他の良質の材料を混合す湿地ブルドーザー4kg紀㎡以下でも可るとかして処理を加えれぱ使用することが可能になる・粘プルドーザー  4ヤ 6性土の施工は主として使用機械ゐトラフィカビリティーにキャリオールスクレーパーより左右されるが,そのトラフィカビリティーはコーン支ダンプトラック  7∼10 10∼持力%により表わされることが多いので,その関係を表2−2−3に示す。 上表は同一輪だちか所の2∼4回の通行可能の値を示したものである。9。の値は測定をしようとする盛土表面から深さ10cm,20cm,30cmの値を求めそれを算術平均した値とする。本条に規定する検査は趾延長200㎜ごとに趾表面及ぴ以下鞍面に至る間を1・5m−2・Omの間かくで各面それぞれ3個所測定するのを標準とする。ただし9。の測定は,1個所の試験に3回の測定値を求めその算術平均の値とする。試験の位置は中央及び両肩附近で盛土が均等に締固められていると推定される所に選定すべきである。二管理試験は,盛土が所定の強俊以上に締固みられで那る之一と 以外に均二に転庄されそいるか否かを検査する』ことも目的の1つであるので,たとえ盛土が所定の締固めの程度が得られていても部分的に強い所があう場合には他の部分もそれに近づける様に努力するとか,最初から局部的に強い所ができないように運搬通路等を規制する等の配慮が必要である。又管理試験の値は気象条件によって変化する場合が多いから試験を実施する時期は転圧が終了に近づいた時または転圧直後にすべきである。一288一 3−2−1道土工3−2盛土ノリ面コウ配と小段3−2−1〔Na2 道路土工指針〕2−4−2盛土ノリ面:コウ配 (1)盛土ノリ面コウ配は盛土の安定に十分なように,安定計算によって定めるべぎものであるが,・一般には表一2・1のように盛土材料の種類,盛土高に応じて,経験的な標準値が与えられているので,安定計算の必要はなく,表を参考にして,現地の地形,地質,気象条件,隣接する物件,ノリ面保護工の種類,施工法などを考慮して定めればよい。 ただし,次のような場合には検討の要がある。    表一2・1 盛土材料および盛土高に対するノリ面標準コウ配盛  土  材  料1盛土高(血)トウ配(割)粒度分布のよい砂・一51・・5一・・8粒度分布のよいレキ質土5一・5い・8−a・粒度分布の悪い砂・一・・い・8−a・・一・・1・,5一・.8岩塊,玉石・・一2・i・・8−a・砂質土・一51・・5−1・8かたい粘質土,かたい粘土5一・・IL8一乳・やわらかい粘質土,やわらかい粘土・一5い・8一且・(注)表は基礎地撃の支持力が十分にある盛土に適用する。  (i)盛土高が特に高い場合(原則としては表一2・1に示されている高さよ り盛土高が高い場合だけが検討の対象となるが,10mを越えるような盛土では安定を検討しておいたほうが良い)。  (ii) 盛土材料が高含水比の粘土,粘質土,その他セソ断強度の低い土からなる場合。  (iH) 軟弱地盤上に盛土する場合(7章参照)。  (iv) 地スベリ,山崩れなどを起こすおそれのある不安定な地盤ならびに急な斜面に牽土する場合(8章参照〉 表一2・1のコウ配は,図一2・3(a),(b)に示すようにノリ肩とノリ尻を結んだ平均のコウ配を示したものである。ただし,図一2・5(a)の場合,小段と小段の間,図一2・3(b)の場合,コウ配の変わる点の間のノリ面のコウ配を1:1.5より急にすることは望ましくない。一289一 3−2−1道土工κ(b)(a)図一2・3 盛土ノリ面コウ配の説明図 (2)高い盛土の場合には小段をもうけることがある。 小段は,盛土の安定を高め,長いノリ面を短かく区切ることによって,ノリ面を流下する水の流速をおとして,侵食が激しくなることを防ぐのみならず,維持修繕の場合には,足場として利用できるなどの効用がある。 小段をもうけたため,侵食崩壊が起こることもあるので,適当なコウ配をつけ,必要に応じて植生などで小段面を保護し,排水コウをもうけるなどの処置を考えなければならない。 小段の幅,位置については,特に標準はないが,1∼2mの幅で直高6m      写珍  1ε         り   扇燭    ∼ε         ゆ笈幌図一2・4 ノリ面コウ配を順次緩やがにした盛土ノリ面の例程度ごとにもうける。 (3)盛土が高い場合,用地面積や土量を節減するために盛土下蔀のノリ面コウ配を順次緩やかにして安定を計ることがあるて図一2・14参照)。 図一2・4に示すようなノリ面のコウ配の取り方には一般的規準はないが,図一2・4のように盛土天端より5∼6mの間を1:1.5のコウ配とし,それより5∼6m下がるごとに漸次(2「∼3分ずつ)マウ配を緩やかにするのが普通である。 このようにコウ配を変えたノリ面は単一ノリ面コウ配のノリ面にくらべてコウ配の変化する部分が水の侵食を受けやすく1施エがむずかしいな。どの欠点がある。一290一 3−2−2道 技3−2−2〔Na3 道路技術基準〕22,2 盛土部のノリ面コウ配1.一般に用いら苑る盛土高とノリ面コウ配は表一23に示す範囲を標準とする。この表の限度を越えた盛土を行なおうとするときは土の力学試験を行ない安定計算によって安定を確かめるものとする・土の分類浸水の影響のない場合浸水の影響のある場合盛土高ノリ面コ盛土高ノリ面コP、R(m)ウ配(割)(m)ウ配(割)A− 1制限なし1.5制限なし0A− 3〃〃〃〃改訂摘       要1,セン断抵抗の低い土は安定計算を行なってノリ面コウ配A−2−415以下A−2−5〃A− 4〃A− 5〃A− 6〃A− 7〃}1、5∼20}1,5∼203以下}20∼ao3以上∼15以下15以下}20∼aoと。2 ノリ面コウ配は盛土度が高い場合は上限を低い場合は下限をとることじ3.本表のノリ面コウ配は下図〃}1・5∼20や最小締固め度を決定するこ15以下ののをもって表わす。}20∼ao〃∠コ1       表一23各種の盛土材料に対する盛土高とノリ面コウ配2ド浸水または流水の影響を受ける盛土部はノリ面の安定を確保するために必要な高さに腰石積または土留め擁壁を設けるものとする。(解説) 盛土のノリ面コウ配は,十分安定なものとしなけれぱならない。盛土ノリ面に設ける小段の効果は,おおむね切土における小段と同じである。小段を設けた場合の安定計算も普通の計算法に従う。盛土の直高が5m以上にある場合は,ノリ面保護かよび排水工を考えて小段を設けることが望ましいo 腰石積はつぎのような効用があり,その目的に応じて必要な高さに設けられる。1.浸水または流水に対するノリ面の安定を確保する。∵291一 3−2−2道技2,用地幅を狭くする。3.締固めのときにおける土止め,または用地境界線を明らかにする。経済的または安定上の理由で,石積の代わりにコンクリート擁壁とすることもある。表一23は基礎地盤を考慮していないので,新設ノリ面コウ配は基礎地盤の支持ヵ齢よび側方流動を考えて安定したノリ面コウ配とする。一292一 3−2−3設計3−2−3〔No13設計要領〕 4−2盛土ノリ面コウ配                                 注1)盛土ノリ面コウ配は盛土材料の種類および盛土高により,表4−1の値を標準とする。                    注2)          表4−1盛土材料および盛土高に対するノリ面標準コウ配盛土高 (m)盛   土   材   料粒度分布の良い砂,砂利,および砂利まじり砂粒度分布の悪、い砂岩 塊,ズ リコウ配0∼61二1,56∼151二1.80∼101;1.80∼101;1.5要GWp GP,SW,GM,GC10∼201=1.8砂  質  土0∼61;1.5(洪積層の粘性土,粘土など)6∼101=1.8軟い粘性土(関東ロームなど)0∼6硬い粘性土,硬い粘土摘SPGW,GP,GMSM,SC,CL,OL   注3)1:1.5∼1.8CH,OH,VH,ML,MH注1) 表は基礎地盤の支持力が十分にあり,浸水の影響のない盛土に適用する。注2) 盛土高とは路肩からノリ尻までの直高をいう。注3)1=1.5のコウ配に不安がある場合には,1:1.8までのコウ配を採用する。(1)表4−1の標準値は,従来の盛土施工実績,道路土工指針の盛土標準最急ノリ面コウ配,旧設計要領の標準盛 土ノリ面コウ配を参考にして作成したもの脅ある。  厳密には,盛土ノリ面コウ配は盛土の安定に十分なように,安定計算によって定めるべきものであるが,一 般に,盛土材料の種類,盛土高に応じて表杢1に示すノリ面コウ配を採用すれば,経験的に盛土が安定である とされている。したがって,盛土を標準値の範囲内でつくる場合には,安定計算によ為安定の検討は省略して もさしつかえなヤ、σ、(2)盛土高に対し十分支持力のある地盤に設けた浸水の影響のない盛土にむいても,次に示す場合は,土質試験を 行なって,7.の盛土および切土の安定の検討の要領によって,安定計算を行ない,ノリ面コウ配の妥当性を検 討すること。 (a)盛土高が表4−1の標準値を越える場合。 (b)用地事情その他によって盛土ノリ面コウ配を表杢1の盛土高に対応するコウ配より急にする必要がある場  合。 (C)同一土質材料によって盛土を行なう区間が相当な延長にわたる場合。  ただし,盛土材料が砂,砂利,砂利まじり砂,岩塊,ズリなどの粗粒土の揚合は,盛土はノリ面の主として 雨水による浸蝕以外にはまず崩壊の危険性はなく,安定計算を行なうまでもなく十分安全であると考えられる ので,(易),(b),(c)の規定にかかわらず,安定計算を省略することができる。しかし,安全のため小段を設ける などの処置を経済性を考慮して検討しておく必要がある。一293一 3−2−3設計  表杢1は植生工程度のノリ面保護工を前提としたノリ面コウ配であるが,8,ノリ面の保護に示す構造物等を 設け,ノリコウ配を急にした方が経済的となる揚合がある。特にコウ配の急な傾斜地において著しいので比較 検討を行なう必要がある。(3)(2)のほか,次に示すような場合にも,土質調査,土質試験を行なって,その結果にもとづき,7.盛土および 切土の安定の検討の要領にしたがって,安定の検討を行なわなければならない・(a)盛土材料が高含水比の粘性土,粘土からなる場合。(b)軟弱な基礎地盤上に盛土する場合。(e)現在までに地スベリ,または山崩れなどを起したことのある地盤,そのほか不安定な地盤に盛土する場合。(d)河川,池,ハン濫などによって冠水する地域に盛土する場合。4−3小段 小段は原則として,盛土高が10m以上の場合に設けるものとするが,経済性等を十分考慮して決定しなければならない・なお小段を設ける場合には土質に応じて,ノリ肩から6∼10mごととし,1.5m幅を標準とする。(1)高い盛土の小段は盛土の安定を高め,長いノリ面を短かく区切ることによって,ノリ面を流下する水の流速 をおとし,かつ雨水の集水面積を狭め,浸蝕が激しくなることを防ぎ,また維持補修時の足場として利用出来 る等の効用がある。  しかし小段を設けても排水の処置を十分考慮してないと,そこから盛土内に雨水が浸透したり・小段の局所 に集中したりして・ノリ面の崩壊や浸蝕の原因となることもある。(2)一区間の盛土のうち盛土高が10m以上の部分がわずかしかない場合は,小段を設けないことができる。た だしこの場合は編柵工または構築物による保護工などによってノリ面の浸蝕を防止する工法を考慮してもよい。 (8,ノリ面の保護参照)。(3)小段の間隔は岩塊,玉石にあっては10m程度,その他は6m栓度を標準とし,ノリ肩より順次設けるが, 縦断排水コウ配や盛土高さと小段の位置とのバランスを配慮して,各盛土区間ごとに適切な小段の位置を決定 すべきである。(4)小段に設ける排水設備は5−3小段に準じるものとする。また小段の幅は切土の場合と同様,必要に応じて2 mに拡幅出来るものとする。4−4土  羽  土 土羽土は原則として設げないものとする。 ただし,次に示すような場合は土羽土を設けるものとする・(1)盛土材料が植物の生育に適さない土(強酸性土,弾アルカリ性土,有害成分を含むものなど)である場 合にはノリ面に垂直に20cmの厚さを標準とする。一294一 3−2−3設計(2)盛土材料が岩砕,切込砂利などの粗粒材料,あるいは雨水により洗掘されやすい土(粒度組成の悪い 砂,軽石,火山灰,火山砂など)である場合には,ノリ面に垂直に50cm程度とする。(1)ノリ面の保護は植生工によることを原則としているので,盛土が植物の生育に適さない土からなる場合には 土羽土を設けるものとする。(2)この要領では植物の生育に必要な土羽土の厚さとして20cm,さらに保水能力をもたせる必要があるものに 対しては50cmの厚さを考えている。(3)土羽土には均質な粘土より,なるべくレキ混り砂質土またはレキ混り粘性土を使用することが望ましい。(4)粒度組成の悪い砂,砂質土は締固め規定(たとえばKODAN A1210の90%以上)には簡単に合格するが,1側面を拘束しておかなければ非常に不安定でくずれやすい。  また粒度組成の悪いファインサンドではトラフカビリティの確保が困難な場合もあるので,ノリ面の保護と 運搬路を兼ねさせて図4−1の如き横断構成も考えられる・              1  緬装       だ一一一一一」丁’Lプ∠__      だ    _____      一『『一一r    銑/だフー    葡蘇『丁墨、瀞   蕩//鴇/ 砂1 床・きナ遁土漁側道殉廟K    l   ンr願ボ工え1Illlの雨水を釧水させ1 るための層図4−1粒度粗成の悪い砂による盛土の一例一295一制道 3−2−4国鉄構ぴ3−2−4〔Na11−3 土構造物の設計施工指針(案)〕第2章盛   土 (盛土のノリ面コウ配)第7条 高さが8m以下のノリ面のコウ配は1割8分を原則とする。 高さ8m以上,15m以下の盛土では,路盤表面から6m以内のノリ面コウ配は1割8分,そ れより下部は2割を原則とする。また高さが15mを越える盛土では,路盤表面から6m以内 のノ『リ面コウ配は1割8分,それ以下12m以内では2割,さらにそれ以下は2割3分を原則 とする。 ただし盛土資料が硬岩ズリその他極めて良質の材料であるとき,齢よび盛土高が3m以下の場 合には,1割5分を限度として条件を緩和することができる。〔解 説〕 従来ノリ面コウ配は,一率に1割5分が標準として用いられてきたが,機械化土工による盛土の安定と,ノリ面の転圧,施工を考慮して1割8分を標準とし,盛土資料,高さ,施工方法等Φ条件に応じてコウ配を緩急にすべ毒であると考えられる。高さ8m以下の盛土では,機械化施工を前提としてノリ面コウ配を1割8分を原則とした。 盛土の高さが大なる場合には,コウ配を下方ほど緩にしなけれぱ安定に対する安全率を一様に保つことはできない。そのために高さ8m以上の高盛土ではノリ面を2∼3段に分け,低位ほどノリ面コウ配を緩にすることとした。本条の規定はあくまで標準であるから,良質な盛土材料を使用する場合には1割5分を限度として緩和を認めてさしつかえない。また盛土の材料がとくに不良と思われる場合やとくに盛土の高さが大なる場合には,適宜のセン断試験を実施して盛土材料の粘着力かよび内部摩擦角を求め,その数値からノリ面の安定を検討しなければならない。この場合にむける安全率は少くとも1.2倍以上あることが望ましい。一方盛土高さが最大3m以下の場合には,経験上ノリ面コウ配を従来のように1割5分としてよいと思われる。一296一 3−2−5 土地改3−2−5〔No4−1 土地改良事業計画設計基準〕  (9) 堤体の標準断面    堤体積に最も大きく関係するのは斜面コウ配であるが,斜面コウ配を左右する要素は, ①基礎地盤,   ②ダムタィプ,③築堤材料の強さ,④土ゾーンの比率などである。    (底/高)  (・ツクフィルダム)        (アースダム)寺127 14,几寺26 丁禽4D傾斜コ理イ頃余斗コア型   1,813    1.6282σ    2,5一55寺﹃  25中泄コア型a5   2527て24a21.5    2342  5δ5δ、1.4・平内値→1βa8(底/高)舖装型1.3   1.21,3020    1▽20224430老30T40 嵩 『   25322σ  251.5   1∫7322024255βソ“一ン型26一ナ勺一型3.345 −6225   ao平灼値 a3 29            図一3.8ダムタイブ別の斜面コウ配の範囲{3擁{.流     (1)(畑瀦1810皿鰯伽睾16・畑瀦1810皿鰯伽睾16・●       o(8)中加ア型ロックフイル9ム0)コ〉クリート (2瀬蜘哩口1ソワカル棚(2瀬蜘哩口1ソワカル棚    (24例)140舗殺蜘。 (24例) 140  (14例)●        0  (4)De陀lopmenf曲曲D旧m眺酬1臨   (4)De陀lopmenf曲曲D旧m眺酬1臨    仙eBり陀aリd距clam試lon,(姻」956   theBリ陀aリd距clam試ron,(姻」956   (のアースク払  (4)アースダ〈    (26例){9鵬斑護教    (26例){9験輝鵬● o曾o  ●    o120120     (48例soum3s(1ら(2ら(3)Sy咽siumon繍rll助㎎AS㎎19β1(1ら(2ら(3)Sy咽siumon繍rll騰.AS㏄,19β1120120100100● oo100100o ●ε60糎1,。40 0●oo●     o’ ●o     o60●40顎。。も・20o1 1,50・。●●         0.%00102 25 3   斜・    00面40●     o ●● 8  ●    o・ も麹  。◎◎20 0 1 1,6図一3・960       0●     020●      ○つ   0   o   ●   0●           O 0●  080  ●           0●●     o60 9860●    o0●o●0●  oゆ●●●  ‘b   O80●・8 碧 製⑳ 60o ●●80 6 ●01,52253a5  2253a544、56コ ウ配  (割)フイルダムの堤高と斜面妙配(1951年以降完成の112例)         一297一 3−2−5土地改 予備設計段階においては,厳密な安定計算をやる時間もなく,また多くの比較設計を簡便に行えるように,専門技術者が上記諸条件を勘案して,堤体断面を仮定することとする。①基礎地盤が安定である場合には,②ダムタイブにより 図一3・8のような斜面コウ配の範囲が,過去の経験に基づいて示されるが.それぞれのダムタイプにおける斜面コウ配の範囲の選択は,③築堤材料の強さ,④土ゾーソの比率などによって,適当にきめればよい・ 〔参考〕 (1) ダムタイプと斜面コウ配  図一3.9 は世界のフィルダムの5ち1951年以降に完成  した112例について,ダムタイプ別に平均斜面コウ配と堤高との関係をプロットしたものである。  これによると,不透水性材料(粘土)が堤体の大きな部分を占めるダムタイプにおいては・堤高に  よっても多少コウ配は変わってくるが,透水性部分の多いダムタイプになるほど,堤高によるコウ  配の差は少なくなり,舗装型ロックフィルダムでは,斜面コウ配は堤高にほとんど無関係に一定と  なっているo                     , (2)最近のコア型高ロック7イルダムの斜面コウ配  (第8回国際大ダム会議の提出論文から抜粋  1964年5月,イギリスで開催) (表一3。2,3, 図一3,10,11を参照)表=3』2 傾斜ヨァの斜面コウ配No①②③④⑤⑥⑦斜 面 コ ウ 配ダ ム 名Mont CenisHoljes堤  高名国120mフ  ラ  ン  ス81m127m158m126m81m225mスウェーデソブ ラ ジ ルFur且asCougarア メ  リ カ日     本ユーゴスラビア御母衣Kokin BrodSayanskソ    連上流302種1.41.41。81.62.02,01,82,52.019611962U,C.196119621.81.25U.C.20下流5014100鴨U,C.1.751。25O完工年下  流3,2520 10  堤高(血)10f.)」二〃ILσ.∪  ∠.)ら2ら上  流.75164一諺1.25200図一3.10 傾斜コアの斜面コウ配(O印内の数字は表一3,2による)表一3.3No中心コアの斜面コウ配斜 面 コ ウ 配ダ  ム  名堤  高名国上  流①②③④(5’⑥⑦Gep飢schG6schenenShihmenSummersvilleInfiernilloNurelζCharvakオーススムロト リアイ  ス   湾 リ カアメメキ  シ  コソソ   連   連153m155m110m119m148m300m154m一298一下  流完工年1.52.72,51,51.62.0U.C.2.252.251.751,75U.C.U,C.U.C.U.C.1.92.02.42、519601963 3−2−5土地改     下流堤高(盈)1020ao30 上流 1020φ、u とu1.り  2凶50?¶¢1、.2δ・1002a150¢91.5否鉛6   図一3,11 中心コァの斜面コウ配(○印内の数字は表一3,3による)                ’   ノ×上流1則_碗卿+∠5)割  /.下流1貝卜_傷=ぐ鮒+〆。)言Ij  /                          /                         / 40           ・      /鷲§                  ・● 巽/罵                    舗 /          .  ●●   罵●冨/    罵ミ縄                   ,/恒騨3             ・ ・ 心ミ7.支 蔓。●。                ・み喜             .篤ll7ン箕.1          ・   yl駕罫・苓 蓋 慧       “          ・隔     x   輪           ・ .●/・釜貿翼X x             :碧㌔●隷.穿. 薯  .            x『/1・x・●ノい  葵20     20一一一一一斜面コウ配 θ・  図一3・i2堤高と斜面コウ配        一299一2.ZO040 3−2−5土地改(3)わが国ダムll6例の斜面コウ配(図一3・12) ①これも旧設計基準では,斜面コウ配が堤高に比例するような式が与えられていた。しかし,最 終的には,安定計算をやってチェックすることになっていたので,その結果はずいぶんばらついた ものになっているo②つまり,安定斜面コウ配というものは,堤高よりも築堤材料や基礎地盤の性質(それはひいて はダムタイプに関係してくる)によってきまるもので,わが国の実例を図一3,12に示す。4.3.5斜面コウ配と小段第56条 斜面コウ配と小段の配置は,ダムタイプ,築堤材料,基礎地盤,施工条件などを 考慮して,最小の築堤量で最大の安定度をうるよう,きめなければならない。〔解説〕 (1) 堤体の安定上必要な平均斜面コウ配としては,舗装型ダムや極端な軟弱地盤上のダムの場 合を除ぎ,上・下流面とも2∼4割の範囲がもっとも経済的とされている。よほど基礎地盤が弱いとき には4割よりも緩となるし,基礎が岩盤で築堤材料もまたロックゾーソが大きな部分を占めるときには, 2割よりも急となることもある。(2) フィルダムの平均斜面コウ配は,第3章予備設計(3・2・2項,図一3・8参照)にも述べたように,ダ ムタイプによって最も大きく左右される。①均一型アースダムは・堤高が大になるほど・斜面をゆるくする。またドレーγの配置が重要である。②透水性部の大きいダム(均一型以外のダム)では,堤高によって斜面コウ配が変ることは少ないが,不透水部の位置と大きさによって斜面コウ配がきまるから,ゾーソ分けを慎重にすべきである。③傾斜コァ型ロックフィルでは,下流斜面は築堤材料の安息角にほぼひとしくする。すなわち,丸砂利では1・7割,角ばった岩石では一}・2劃,薄層にして転圧する場合は1・0割とすることも可能である。④中心コア型ロックフィルでは・下流斜面は1。6∼1.8割がよい。安息角よりゆるい斜面にするには二つの方法がある。一つは安息角にダンプしておいていくつもの小段を設ける方法であり,もう一つは全体を平均した緩コウ配とする方法であって・後者は主として岩の小さいときに用いられる。 〔参考〕 重い振動ローラ・一で,転圧したオーストリアのGepatsch Dam(堤高150m,1963年工事  中)は,上下流とも1・5割の中心コア型ロックフィルダムであるが,おそらくこの種のダムとして  は最急コウ配であろう。⑤鉄筋コソクリート舗装型ダムの斜面コウ配は,なるべくロックの自然息角に近いものにした方が,施工上の手数もはぶけ・安定上の支障もないわけである・ところで・ロヅクの自然息角は,、実績によると 表一4.11のとおり,平均して,ユ・28(大塊)∼1・32(小塊)の範囲であるが,それにやや余裕をとって1。30∼1,40害IIが最も多くなっている。 〔参考〕 鉄筋コンクリート舖装型ダムの斜面コウ配(表一4・11)⑥アスファルト舗装型ダムの上流斜面コウ配は,1.6∼1,7割が最適とされている。もちろん0.71∼ 1。0割(Ghrib Dam,1937)や0・8害II(Bgn Eanifia Dam,1938)のように急コウ配のダノ・もないで はないが,歴青の流動性や施工機械の関係で施工がむずかしい上に,歴青材料のセソ断特性からみても望ましくないので・急にすることが必ずしも経済的とはいえない・たとえばL6割と1・8割を比較し てみても・1・8害IIの揚合ダム体積は12%増となるが,単位体積あたりコストが7・5%ほど安くなるの で,差引5%ほど高くなるだけである。(3)堤高が大ぎくなるにつれて,下記の要素を十分に検討することが大切である・①堤体の構造堤高が高くなるにしたがって施工中に発生する間ゲキ圧も増大し,完成直後の安定だ* 最上武雄,渡辺隆,山口柏樹,“土質力学”p.40,一300一 3−2−5土地改表一4、11 ・ ックの自然息角の実績岩の大きさ標準野 反 ダ ム岩質10cm以上角1,28割1、32割平均40cm以上平均20cm以下0.2∼2.O ton息変朽安山岩1.28∼1。32害II  River No,11∼10ton2∼15tonセン緑花コウ岩1.21∼1・34(1・28)害ljLower BearNo,1ダムよりセン緑花コウ岩1,26∼1、40(1。31)割Lower Bear  River No.2小さかったけを保つためにバク大な断面が必要となることがある。特に不透水性部の大きい場合には,堤体中に浸潤線を低下させる目的を兼ねた,立上りおよび水平ドレーソなどを設けることが有利となる。(図一4.47,48参照)・②構築材料の吟味堤高が増すにしたがってセソ断抵抗の大きい材料(砂利・・ックなど)を使用した混合型のダム(ゾーソ型またはコア型)が望まれる。  しかし,この種の材料が遠距離に産する場合には,その経済性,すなわち,ダムサイトの材料を使用した場合のダム規模(斜面コウ配4割以上になることもある)と,遠距離の材料を用いた場合の規模(土量)とを比較検討しなければならない。この結果,経済的に両者間にあまり差がない場合には・施工条件,立地条件などを考慮して,技術的に有利な方のダムタイプを選ぶべきである。③施工管理土の力学的諸性質は,一般的に締固め密度が大きいほど良好であることが知られているo したがって堤高が増加すれぽ,より高い締固め密度を要求することにより経済的な断面が得られる。し かし,降雨の多いわが国では,現場含水比の高い用土が多いので,施工管理を厳格に行い・含水比や密 度が設計条件を十分満足するような状態で施工することが大切である。(4)安全率が同じで,築堤量最小の断面は,上にゆくほど急コウ配に,下にゆくほど緩コウ配になった形である。堤高30m以上のフィルダムではすべてこのよう捨漸変コウ配を採用すべきで・堤高が大に なるほど,また基礎地盤が弱いほど,そうすることが有利となる。とくに,谷のせまい地形では,下方 をゆるやかにすることは,一向に堤体積をふやすことなく,安全性を増加できるので有利である。また 上流斜面で貯水圧が最大に作用するのは,下から拍∼%の所であるから,とくに舗装型ダムの場合は, 沈下による舗装板の座屈を防く・意味からも・このようにする方がよい。ただし上部の最急コウ配部も安 定上および波のはい上がり防止の見地から・1・5割が限度である。(5) コウ配の変化部は,上流斜面では,常時満水面や最低水位付近とし,後者の変化部(捨石の下端) には3∼6mの小段をおくのがよい。上流側斜面の小段は,当初は主としてロックが下ヘズリ落ちるの を防ぐ目的で始まったものであるが,経験によると,低水時に捨石下端が,えぐりとられないため,あ るいは施工上の便利のためという長所の方が大きいことがわかった。捨石工の途中には,ふつう小段は おかぬが,施工上または管理上からの必要性があれば,適当に小段を設けてもよい・また小段は堤体の 安全を増加する役割も果すので,下流斜面にもできれぽ,直高15mごとぐらいに小段をおく方がよい。  〔参考〕 (1) 最近アルジェリアで建設中のCheffia Damでは,上端1。0害lj,下端3。0割の連続   性曲線断面を採用している。   (2) アメリヵのSalt Spring Dam(鉄筋コソクリート舖装型ロックフィルダム)では上流斜面   コウ配を,上から1.1→1。4割と順次下の方へ緩になるように変化させている。(6)堤長の大ぎいダムでは,全長にわたって同一斜面コウ配とする必要はなく,その場所の堤高,基礎一301一 3−2−5土地改 地盤,築堤材料などをにらみ合わせて,適当に断面修正をした方が,ずっと経済的な場合が多い。(7)堤長/堤高の比が小さいフィルダムでは,上下流方向の断面安定計算においても,ダム軸方向の三次元の力がぎいてくるので,多少斜面コウ配を急にしてもよい。(8) 施工速度が早くて,堤体または基礎地盤内に,大きな間ゲキ圧の発生する恐れがある場合には,斜 面コウ配をやや大きめにとっておく方が安全である・一302一 3−2−6土地改3−2−6〔Na4−2 土地改良事業計画設計基準〕2.5 水 路 断 面 252 テンバ,小段 (ll)盛土の高さが3mを越えるときは3mごとに小段1、Om以上設ける。   実際にはフリーボードとテンバ幅は関連して設計者の経験と適正な判断によりきめる。この  際道路としての利用,残土の量と処理,取入口の制水装置の有無,降水時の流入水量,水路の  曲折,水路幅などの関係を考慮する・   水路の内外のノリコウ配が1:1.5の場合原地盤より,盛土ノリ先の高さが低いときテンバ幅  を水深に等しくとると,浸潤線コウ配は1:4より急な場合は堤内におさまる・盛土の高さが  高いときは,安全のため小段を設けノリ面をゆるくする。な静この場合不透水材料で水路内面  をライニングするか,盛土に心壁を入れる。また水抜きを設け堤内の浸潤水を安全に排除する  ことが必要である。高い盛土のライニングの沈下を防ぐには,締固めを十分にし,水路下ノリ  さきにクリ石を入れるo2.010.4十4.5十3.153.15登∼’±02.3〔巳)3.0十8.5十7.0エロ   ノロ   ーむ.∼争∼’3。0ノ、(bl図一213盛土水路一303一 3−2−7土地改3−2−7〔Nα4−3 土地改良事業計画設計基準〕 5 堤防基本型  5.1 外斜面コウ配   外斜面コウ配は原則として表3−10による。   外斜面コウ配は被覆工の種類のほか,堤体材料,基礎土質,前面水深,施工法などを考慮し  て決めるもので,垂直から平均コウ配1.5割程度までの広い範囲があり,最近の大型堤防斜面  は緩やかになる傾向がある。   風波の大きい海域では外斜面に幅の広い小段を設けて波のエネルギーを減殺するとか,波力  に応じてコウ配を変えることが望ましい・この場合,コウ配変換点に波力が集中する傾向があ  るから,漸変させ曲面とするか,その部分の構造を強化するなど考慮する。表一3・10 外斜面コ ウ配型外斜面コウ配式粘  土  被  覆  式 >3.0アスファルト被覆式 >3.0捨    石    式石    張    式 >2.0コソクリートブロック張式 >1、0コンクリート被覆式 >1,0石    積    式0,3∼1.0半   重   力   式 0∼0.5フ    壁     式 0∼0.5異 形 ブ ロ ツ ク >1。5 >1.05.4 内斜面コウ配内斜面コウ配は原則として表一3・11によるものとする・内斜面コウ配 内斜面コウ配は・基礎地盤および堤体材料,被覆工の種類,浸潤線などを粘  土  被  覆  式2.0∼3.0考慮して決定するが,複式干拓の締切アスファルト被覆式2.0∼3,0堤防の内斜面は外斜面と同様に取扱う。,石     張     式1.0∼2.0また堤高が高くなると内斜面が長くなコソクリートブロツク張式1,0∼2.0コンクリート被覆式1.0∼2,0     表一3・11 内斜面コウ配型式石    積    式0.3∼1.0ヨウ壁式(フ壁式を含む) 0∼0.5り,斜面の安定が悪くなるので,小段を設けるものとする。 小段は過去の実績などから最大限直高5m毎に設け,その幅も竣工後の維持管理,水防などに便利なように少くとも1。5m以上は欲しいo 小段を道路として利用する場合は機能に応じた幅員をもたせるo一304一 3−2−8捨 集3−2−8〔Na7 捨石集積場建誰基準〕第3節 ボタ山の集積方法  (ボタ集積上の要件)1 1.ボタ山は次の各号の要件を満すように集積するものとする。  (1)高さ30m以上のボタ山については,ノリ面の平均的偵斜を25・以下とするとと。またはノ    リ面の肩から府角230をなす面が地表面と交る線と,ノリ尻とに囲まれる区域内に第2節第1   項第1号に掲げる建築物,施設等が存在しないようにする・こと。ただしノリ面の安全率が1,4                         し   以上である場合,または流出土砂がかん止される地形になっている場合かよび万一崩壊,地ス   ペリが発生した場合に流出土砂を充分かん止することができる土留施設を設けた場合にはこのi  限りでない。  (2)高さ30m未満のボタ山については,現地の状況に応じ適宜前号あ規定を準用すること。:)一305一 3−2−9捨鉱建3−2−9〔Na8 捨石鉱さいたい積場建設基準および解説〕  (石塊かん止堤の設計)2 石塊かん止堤の設計は,次の各号によるものとする。  ノリ面の平均ヨう配は,次の値を標準とするが,下流側ノリ面のヨう配は安定計算によっ  て定めること。   上流側  (内側)   1.3割   下流側  (外剣)   L7割 イリ面の安定計算は塗の式によるこ≧。一    乞<φ一ta、f1左  ζこに 乞:ノリ面傾斜角     φ:築堤材料の内部摩擦角,ただし息角に等しいものとみなす。     尭:震 度(解 説)一について 標準値として掲げたノリ当う配の値は,主な実例から定めたものであるが,この値は,築堤材料 の息角を370とし,上流側ノリヨう配を息角に等しくし,下流側を地震の影響を考慮して定めた 場合とほぼ一致する。  一般に上流側のノリ面は,たら積物によって次第に埋没されるので,その占う配は,築堤材料の 息角に等しくとっておおむね支障がない。下流側については,標準値を参考とし,安定計算によ って定める。二につレ、て  一によってノリシう配を定めたのであるが1堤体の安定を確保するためには,これだけでは不充分 なのであって,堤体むよび基礎地盤を含めたものの安定について照査し,もし不安定の場合には, ヨう配をゆるくするか高さを低くするなどの措置が必要となる。(砂ふん止堤の設計)2 砂ふん止堤の設計は,次の各号によるものとする。   ノリ面の平均占う配は,次の値を標準とするが,下流側ノリ面の占う配は安定計算によって定めること。  上流側    1,5割   下流側2 割一306一/ 3−2−9 捨鉱建(解 説)一について  既存の実例を参考とし,砂の内部摩擦角,地震 」・段等を考慮して定めたのがどこに示した標 準値である。(土ふん止堤の設計)2 土づ・ん止堤の設計は次の各号によるものとする。  ノリ面の平均ヨう配は,次の値を標準とするが,下流側ノリ面のヨう配は安定計算によっ て定める「こと。   王流側       1r8割      下流側    高さ20メートル以下  25割    〃    高さ40メートル以下  3 割(解 説)一について  標準として示した平均ヨ占配の値は免ふん止堤おキび貯永タムの実例を参考どし,上流側につ厩嬬貯水ダムの如く水面急降下の影響力:静からその標聯よ塊に下流側ノリ面に飾て は,施工の厳密度を考えて定めたものである。経済的に築堤するためには,堤頂附近を急に,下 方に至るに従い漸次緩ヨう配とする。一307一
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  • タイトル
  • 4 ノリ面保護
  • 著者
  • 設計施工基準集編集委員会
  • 出版
  • 委員会関連資料
  • ページ
  • 308〜365
  • 発行
  • 1973/09/01
  • 文書ID
  • 57744
  • 内容
  • 4−1−1道土工4ノ リ 面 保 護4−1植生による方法    4−1−1〔Nα2 道路土工指針〕  9.ノリ面保護   9−1概    説     ノリ面保護はノリ面およびこれにつづく斜面の安定をはかるために行な     う。     ノリ面保護工には植物による保護工,コソク,リート張工,わく工などを施    ’工するが,一般に工費,景観などからみても植物による保護が望ましい。し    かしながら雄エの時期およ登気象,地質,土質,コウ配,ワキ水の状況など    から植物による保護が困難である場合には,他のノリ面保護工を用いる。特    にワキ水の多い場合,処理に注意しなければならない。9−2’植物による保護工価  ノリ面保護に用いられる植物の選定には,土壌,気候,施工時期などに応 じた適当なものを選ばなけれぽならないが,なるべく現場近くに生育するも のが望ましい。  〔注〕 植物によるノリ面保護工法の選定には表一9・1を参考にしてきめる。         表一9・1植物によるノリ面保護の概要地 質レリコ弼保護工の種類備考農芝,筋芝,      1 1以上種子吹付け工普 通 土ロ ー ム  1 1∼  張芝,筋芝,1=0.8種子吹付け工[編  の併用粘   土張芝,植生工種子吹付け工種子吹付けはつきにくいので2回マ    サレキまじり土編柵または植樹の併用砂張芝,筋芝種子吹付け工植生工軟   岩種子吹付け工植生工(土丹を含む)の吹付けを考えること9−2−1張芝,筋芝工 (1)張芝によるノリ面仕上げは,ノリ面に所定寸法の芝を張り立て土羽板でたたいて,ノリ面とよく密着させ湿った土で目地を埋め・さらに表面に均一にふりかけ土羽板で打固めた後,所定の目ぐしをさして仕上げるものとする。特にノリ面の土が芝付きの悪いときは,この上に良い土をうすくたたきつけて芝付けを行ない,さらに芝の上から土をかけてたたぎ目ぐしで十分に一308一 4−1−1道土工とめる。盛土に用いる場合は,ノリ面を締固めた後,芝付を行なう。 (2)筋芝によるノリ面仕上げは,土羽打を特に入念に行ない,丁張にあわせて表面を平らに仕上げ,幅10cm程度の切芝を水平に敷ぎならべ,土を盛り,十分踏みしめた後,次の層を施工する。筋芝の間隔は30cm程度とし,盛土材料の悪い場合は芝のふせこみのさい,化学肥料をしきこむ。 また,天端には天芝を施すものとする。 (3)芝は根のよく入り組んだ土のついたものをすみやかに用いる必要がある。 特にしばったものを高く積み上げたり,長時間日光にさらして貯蔵してはならない。 (4)芝付け施工後は,適時散水,除草し,枯死させないようにする。 〔注1〕 張芝の寸法は30cm×20cmが標準℃あ皇・筋芝星匿3塵坦×旦璽mのものが用いられる。 〔注2〕 張芝に用いられる目ぐしは長さ20cm程度の竹製,または木製とする。 〔注3〕 盛土の場合は筋芝,張芝工,切土の場合は張芝工が主として用いられる。 〔注4〕 芝付けの時期はカン天,降雪の時期は好ましくない。 9−2−2植生工 (1)植生工は軟岩,レキまじり土などでコウ配が1:0,6以下の急な場合にも適した工法である。 (2)植生は目ぐしでノリ面に固定しなければならない。 (3)植生を現地で製造する場合は土,堆肥,肥料,切ワラまたは紙をよくまぜ,少量の水を加えてねり合わせ,種子をまきつけて植生プレス機で十分プレスする。 〔注〕 植生には草炭を利用した工場製品,布を用いて筋芝のように施工する工法もある.9−2−3 植樹工 張芝,植生工だけでは崩壊のおそれがあるノリ面には植樹工を併用する。 植樹の方法には斜面にクイをうってシガラを組み,その上に肥料をおぎ,その中に苗木を植える方法,斜面に穴を掘って土と把料をいれる方法などがある。後者は特に表土の少ないノリ面に用いる。〔注〕 植生とノリ面の関係を示すと表一9・2のようである。          表一9・2 ノリ面と植生の関係ノリ面1 植 生 の 種 類砂   地1嚇はぎ・あきぐみ・えにしだの混植表土の浅い乾燥地1はぎ・いたちはぎ・あきぐみ響キオくの轟とこ磐1やなぎ類(ねこや姻かわや脳㌧・ぬこりやなぎなど)蕩蕃または岩片を含む1くずいたちはぎ騨はなはだしいと1い燗まぎ一309一 4−1−1道土工9−2−4 種子吹付け工 広範囲のノリ面緑化に最も適した工法である。 種子の選定は現地の気象,日照などを考慮してきめるが,種々の条件の変化を考慮して数種類を混ぜて用いるとよい。 種子の量の計算は次の式を用いる。      G   四一S.P.β………一……・…・…………一・……・…(9’1)ただしPVコ1m2当たりの種子の量(g)   0昌1m2当たりの希望成立本数(通常の場合1m2当たり10,000本     を目安とする)   S昌種子の1g当たりの平均粒数   ア=純度(種子の混合率)(%)         β=発芽率(%) 種子吹付け工はノリ面に均等に施工しなければならない。このために養生剤に乳剤,着色顔料などを加え,その色め具合で均一性をしらべる方法もある。また,あらかじめノリ面にミゾを数多く切っておくと種子が下に落ち,ノリ先付近が密になることを防ぐことができる。 乾燥期には施工後1∼2週間毎日散水養生をしなければならない。 〔注1〕 種子吹付け工には,機械,薬品などでいろいろの特許工法がある。吹付け機械を用いるもの,ポソプで散布するものなどがあ盗。一般ド種子、 肥料乳安定剤,養生剤を圧力で吹付けるが土を混入して吹付ける場合もある。 〔注2〕 種子は年数が経つにつれて発芽率が低下するものであるから発芽試験を行なうとよい。試験には水と温度を与えるもの,薬品を用いて呈色反応によって活力をしらべるものとがあるが,前者による方法が多く用いられる。普通100粒ずつを組にして,5組ぐらいを使う。 〔注3〕 植子の選定の場合,わが国で一般用に用いられているものは,表一9・3のとおりである。9−2−5 そ・の他 ノリ面に穴またはミゾを掘って種子と肥料を入れたり,種子を帯状の布に入れて筋芝のように施工する工法などがある。また特殊な紙で種子吹付け後ノリ面をおおう方法もある。一310一 適 地 範 囲草の高さ         (m)ホワイ「トク・一バー腐食質土壌最適,弱酸性,弱3月下旬’9月中旬4月上旬9月上旬アルカリ性土壌にも耐えiる∼5月中旬 ∼10月中旬0.2∼0.8酸性土,湿地火山灰土,砂地塩分土壌∼5月中旬 ∼10月中旬ケンタッキー1.0∼1.6土壌を選ばずウィーピング0.6∼1.2バーズフツト  トレフォイル   ’フェスクω一一0.1∼0.3暖     地   ラブグラスパーミュダー  1     グラス  10.1∼0.5土壌を選ばず  『レッド,トッブ0。6∼1.2泥炭地粘土地レッドフェスク0.3∼0.6乾燥地     グラス〃〃5月∼6月一5月上旬〃 ツ濯8月中旬∼7月3月下旬9月上旬4月∼4月下旬∼10月上旬 ∼5月4月上旬5月中旬∼10月上旬ρ9月中旬9096909790958797859680〃9290〃9780〃8月中旬〃伊一8月中旬5月上旬〃%)96∼9月上旬16月∼,乾燥地酸性土リードキャナリー∼10月上旬〃0.1∼0.59月中旬解 寒    地発芽率︵播   種   最   適  、期草     名純度︵%︶表一〇・3種子の適用例∼9月上旬〔注〕1発芽率は発芽試験による標準発芽率を示す。“嵐匪H 4二1一2道技4−1−2〔Na3 道路技術基準〕 4。2 植物による保護工   盛土のノリ面または降雨のためノリ面が軟弱となって崩壊する沿それのある切取リノリ面には  植物によるノリ面保護工をほどこすものとするo  (解 説)  植生によるノリ面保護とは,植物の根によって地表のキンパクホウゴウ(緊縛縫合)をはかり, あるいは基岩と地表とを連絡団結し,雨水その他による風化侵食に対して,直接には保護し,間接 には土質の改良,崩壊の原因を減少あるいはなくすことである。  植生に用いる植物は,下のような条件に適するものを選ぶことが必要である“  1, ノリ切その他によって斜面は植物の生育に必要な肥料分のない土砂で,かつその土質は一般に  固く根の侵入炉困難であるから,これに適する植物としては肥料分が少ないやせ地でも繁茂し得  るものでなけれぱならない0 2,ノリ切,盛土などの施工当初は,一種のトクシャ地状態であって環境の変化が大で植物の生育  に不利である。土壌中の養分の不足のほかに土壌水分の不足が起りやすいから選ぶべき植物は乾  燥に強くいわゆる生活力の強いものでなけれぱならない・ 3,以上の土地的および環境的,時には気候的因子による選定条件の他に繁殖力が旺盛であって,  砂防の目的を達するためには葉や茎が密に繁って地表を被覆し得る性質を有するものでなくては  ならない。   したがってノリ面保護に用いる種類もその気候,地形,土質に適合して十分ノリ面保護の目的  を達成し得るものを選定すべきである。その種類の選定基準としては,かよそ次の通りである。  (a)一般の場合    張芝または筋芝を適当とする。また樹木育成を必要とする場合に,苗木類植栽に土の掘り越   しを十分にすれぱ樹種の範囲もひろげ得る。  (ゆ 砂地または表土が浅く乾燥甚しいところ   (イ)一般にウィピンググラブグラス   (ロ)砂地’ハギ,’イタハギ,アキグミ,バンノキ,ポプラ,ヒメヤシャブシ,トゲナシ,ニセ    アカシヤ・エニ当ダ混植   @ 表土の浅い乾裸地 ハギ,イタチハギ,アキグミ,ヒメヤシャブシ  (φ湿  地1    ヤナギ,ハンノキ,.ボプラ,ヤマハンノキ,タケ,ド.ロノキ,草ではケンタッキー31フェ一312一 4−1−2道技 スリ,チモシー(d)レキ・または岩片を含むところ  クズ,ニセアカシヤ,イタチハギ,ヒメヤシャブシ ,草ではメドハギ(e)凍結が甚しぐ融凍期に崩壊するところ  ヤマハンノキ,アカマツ,クロマツ,イタチハギ, ニセアカシヤ,シラカバ,ヒメヤシャブ シ,特に寒いところでは,シラカバ,ヒメヤシャブシ 草では,スムースブローム,レッドトップ,チモシー ,ケンタッキー317エスリ,リードキ ヤナリーグラス一313一 4−1−3設計4−1−3〔Na13設計要領〕8.ノリ面の保護 8−1適    用 ノリ面の保護は植生によりノリ面保護(植生工)と,構築物によるノリ面保護とに大別される。 植生工は,ノリ面に対して,植物被覆を行なうもので,その目的とするところは,雨水浸蝕の防止,地表面温度の緩和,ならびに根で表土を緊縛することによる凍上崩落の抑制,緑化によどる美的効果なである・ 構築物によるノリ面保護工は,一般に,植生による保護工だけではノリ面の安定が保てない場合や,ノリコウ配をゆるくして安定を図ることが経済上,地形上好ましくない場合,あるいは積極的にコウ配を急にして適切な構築物により土留を行なった方が経済的である場合等に用いられる。 したがって,ノリ面保護工の選定にあたっては,植生によることを原則とし,植生が適さない場合,あるいは植生だけではノリ面の安定を確保できない場合には,状況に応じて構築物により適切な保護工を行なうものとするが,一般に植生と比較して工費が高いので,地質,コウ配安定性,経済性,美観,維持補修,その他現地状況等を十分考慮した上で,適切な保護工を決定しなければならない。 湧水のあるノリ面においては,フィルター層,盲溝などを設けて湧水を排出することが必要である・ また,一般に切土ノリ面は年月の経過とともに風化され強度は低下する傾向にあるので維持補修を考慮に入れて設計することも必要である。 ノリ面保護工の標準的な工種とその主目的は表8−1に示すとおりである。              表8−1ノリ面保護工とその主目的保   護   工植たね吹付工植 生 マ ッ ト 工主目的植生によるノリ面保護,緑化,構築物によるノリ面保護工との併用。張    芝    工生植  生  筋  工筋    芝    工植  生  板  工工植  生  袋  工植  生  穴  工編    柵    工ノリ表面の風化,エロージョンおよび凍上等の防止。コンクリートブロック枠工構築物によるモルタル吹付工コソクリート吹付工ブ ロ ッ ク 張 工石    張    工現揚打ちコソクリート枠工ノリ表層部の崩落跡止,多少の土圧を受ける個所の土留。ノ一314一 4−1−3設計り面保護工コソク リ  ト張工ノリ面アソカー工ノリ面蛇かごエ湧水の多い個所,不等沈下が予想される個所または多少のはらみコソクリートブロック井桁工出しのおそれのある個所等の土留。ブ ロ ッ ク 積 工土留。石    積    工8r2植  生  工 8−2−1植生工と施工時翔(1)植生工は施工時期によって工種が異なり,また使用目的に応じて工種を選定する必要があるが,原則と してたね吹付工によるものとし,施工面積の小さい場合,施工時期が不適期のとき,その他たね吹付工が 困難な場合は他の植生工によるものとする.。(2)施工の適期,および不適期を示せば次のとおりとなる。なお時期については東京地区を基準としたもの を示したものであるから,その他のところでは季節のずれを考慮して修正する必要がある。 (a)3月下旬∼6月下旬(日平均気温10∼25℃),8月下旬∼9月下旬(25∼15℃)は,植生工の最適期  であるからどの工種でも可能である。 (b)7月上旬∼8月中旬(25℃以上)は高温乾燥の害をうけやすいので,夏季施工はさけるべきである。  しカ、し,工期の都合により施工する場合は,乾燥害をうけにくい工種が望ましい。すなわち,盛土ノリ  面には筋芝工,植生筋工,植生マットエが可能であり,切土ノリ面にっ忌・ては植生袋工,植生穴工,植  生マットエが使用できる。                   1 (c)10月上旬∼3月中旬(15℃以下)は,凍上による乾燥の害,崩落などを生じやすいので,冬期の施  工はさけるべきである。しかし,工期の都合により施工する場合はたねの脱落の少ない植生マットエな  どが使用できる。(3)寒冷地は,年間気温が低いので,ノリ面草の生長期間が短かく,また冬期の凍結積雪などが障害となる ので,施工時期は6月から8月までが適期である。 植生工は,施工した後供用開始まで1年以上を経過することが予想される場合には,あらかじめ毎年1回,春・季に迫肥をするよう考慮することが望ましい。       .               、_一315一 4−1−3設計表8−2植生工の工種と概要たねまき時期と標準たねまき量工種概特要徴日平均気温   たね,肥料,土などの吹付材料に水を加 (D 切土ノリ面に適している。(2)発芽床を厚く吹付けることが  え比較的硬練りの状態の泥状混合物とし,た  吹付機械を使用してノリ面に吹付ける工法  できる。ね である。(3)高所急コウ配の施工が可能で(4}二層吹付に適している。  (たね吹付工C)付(5)溝切り客土工を併用できる。工  (たね吹付工D)A(m2当り).ケソタッキー31フ(春)10℃∼25℃(秋)25℃∼15℃ェスク   20gウィーピソグラブグラス  0.59ホワイトクローバー     0,69 ある。吹たねまぎ量        ケソタッキー31フ        ェスク   20g(夏)25℃以上        ウィーピソグラブ        グラス   1g        ケソタッキー31フ 20915℃以下 工ろク        ライグラス 8g(冬)たね吹付工 B たね,肥料,ファイバーなどの材料を水 (1)盛土および切土ノリ面に一般に分散させ,ポソプなどの吹付機械を使用  的に使用できる。(2)施工能率がよい。してノリ面に撒布する工法である。(3)低所コウ配の緩いところに適同       上 しているo(4)溝切り客土と併用できる。 たね,肥料などを装着したマット類でノ植生マツトエリ面を全面的に被覆する工法である。(1)植生の完成するまでマットに よる直接被覆効果があるので冬 マット材料として不織マット,粗目織布,  季,夏季の施工も可能である。紙,わらすだれ,むしろ,切わら,フェルトマットなどがある。また樹脂ネットなどを併用し補強したものもある・   肥土または泥炭を板状に成形し,表面に  (1)客土の効果がある。(春)10。C∼25℃  たねをセットしたものをノリ面に一定間隔  (2)有機質肥料が多いので肥効が植(秋)25℃∼15。C  に水平溝を掘り帯状に張付ける工法である。 長い。  溝の間隔は50cm植生板使用板数は8枚/生  m2を標準と’す’る。ケソタッキー31フェスク   89ホワイトクローノく一    〇。291ケソタッキー31フ(夏)25。C以上板ェスク   8g〆ウィーピングラブグラス  0.4gケソタッキー31フ工(冬)15℃以下ェスク   89ライグラスー3・29 肥土にたねを混合し,網袋に結めたもの (1〉たね,肥土の流亡が少ない。植生袋をノリ面に一定間隔に水平溝を掘り張付け (2}柔軟性があるので地盤に密着る工法である。 し易い。(春)10℃∼25。C(秋)250C∼15℃ 網袋にはポリエチレソ製網袋,寒冷紗な (3)急コウ配ノリ面およぴ冬季,どある。また土の代りにパーミキュライト  夏季の施工も可能である。ェスク   6gホワイトクローバー     0.29ケソタッキー31フ(夏)25℃以上などを混入した製品もある。ケソタッキー31フ 溝の問隔は50cm,植生袋使用個数は6個/m2を標準とする。ェスク   6gウィーピングラブグラス  0,3gケソタッキー31フ工(冬)15℃以下ェスク   6gライグラス2。4g一316一 4−1−3設計たねまき時期と標準たねまき量工種概要特徴同平均気温 ノリ面に穴を穿ち,底部に固型肥料を挿 (1)深くまで客土できる。植  生  穴  工入し,客土に化成肥料,添加剤を混入して(2)肥料の流亡が少ない。充填した上にたね紙を置ぎ覆土,被膜養生 (3)切土ノリ面の硬いところに適する工法である穴の数は,1m2当り18個たねまき量(m2当り)(春)10℃∼25℃ケソタッキー31フェスク   3.Og(秋)25℃∼150Cホワイトクローバー     0,19 しているoを標準とする。(夏)25℃以上(冬)15℃以下ケソタッキー31フェスク   3.Ogウィーピソグラブグラス   0.2gケソタッキー31フェスク   3,0gライグラス1,29    たね肥料な どを装着しか帯状の布または (1)筋芝より早 く植生被覆が完成  紙を,盛土ノリ面の土羽打ちの際水平の筋  できる。植状に挿入する工法である。(2)盛土ノリ面に適している。=   帯材料としては布,紙,ワラ,などが使生用されている。また,たねなどを封入した  細長い袋なども用いられる。筋の間隔は筋30cmを標準とする。工筋芝工 土羽土を使用して,ノリ尻から切芝の長 (1)盛土ノリ面に使用する。辺をノリ面にそって水平に並べ,土を盛り, (2)土羽土に切芝の網状組織を挾やり方に沿って土羽打ちしノリ面を仕上げ み土羽土を安定させる。る。筋の間隔は30cmを標準とする。   ノリ肩から切芝の長辺を水平方向に並べ, (1)盛土,切土ノリ面に一般に使張 芝とノリ面とが密着するようにたたきなが  用する。芝ら目土を施し,目串で固定する工法でベタ工張と目地張とがある・(2)施工と同時に被覆されるので 侵食されやすい土質に使用する ことができる。8−2−2植生工と土質(1)ノリ1面の土質が植生に適する場合は,ノリ面に直接たねをまくか,または芝付けする植生工を行なうも のとし,植生に適しない場合昧盛土については土羽土により客土した上に植生工を行ない・切土について は部分客土の植生工を行なうものとする・(2)植生工の工種の選択条件として,ノリ面の硬度を測定し選捉堕基準とするものとす為。植物根の土壌侵 入限界値は土壌硬度指数27mmであるから,これ以上の硬度の場合は客土し,て植物根の生長を助長する 工種を使用するのが望ましい。適用工種は表8−3盛土ノリ面に対する植生工,表8−4切土ノリ面に対する 植生工を参照して選定するものとするσ(3)北海道,東北地方,海抜高の高い山地など寒冷なところで,凍上や積雪などに起因するノリ面崩落がは なはだしい地域では根の定着のよい工法を選ぶことが必要である。盛土ノリ面では植生マットエ,切土ノ一317一 4−1−3設計 リ面では植生穴工,植生袋工,たね吹付工Bまたはたね吹付工Aに溝切り客土併用などとし,切土ノリ面 の場合は全体にネ ットを張付け植生を固定する方法も考えられる。(4)土羽土はなるべくレキ混り砂質土またはレキ混り粘性土を使用するものとする。表8−3盛土ノリ面に対する植生工客盛 土 材 料粒度のよいもの (SM,SC)砂適用工種土するものとする。火山灰,火山砂,軽石 土羽土の厚さはノリ面に垂(SM,SC,SW,SP,VH)直に50cm以上を標準とする。砂   質   (SM,SC) 土 たね吹付工B(2)土羽打ち仕上げ ノリ面の場合フィルター層,編柵工を設ける たね吹付工Bなどの処置を検討する。 植生マットエ原則どUて王羽土を使用し張 …芝o植物の生育に適さない土工粘   性   土 筋 芝 工  (ML,CL)(強酸 性土,強アルカリ土,有害成分 を含むものなど)の場合は土羽 土を使用して植生工を行なうの 植生筋工ない。粘を行なう場合は被膜養生を行な うのがよいoo雨水により侵食されやすいので 面の場合 ノリ面を良質な材料で被覆考o水分の保持力が弱いので植生工原則として土羽土を使用し (1)機械仕上げノリない。粒度のわるいもの (SW,SP)備 が望ましい。土(MH,CH,VH)砂利および砂利まじり砂(GW,GP,GM,GC)o土羽土を設けないと植生工は困 ノリ面を良質な材料で被覆難である。するものとする。oフィルター層などを設けて地下土羽土の厚さはノリ面に垂岩  塊  ず  り(GW,GP,GM,GC)直に50cm以上を標準とす水,浸透水などの除去を検討する。るo表8−4切土ノリ面に対する植生工適 用 工 種質土客土(15cm以上)した上で粗   砂, 細   (SW,SP)砂たね吹付工B備考侵食にとくに弱いので,速かに全面被覆する必要がある。それには全面客土(コソ植生マット工クリートブロック枠工などを使用)して全張芝工(ベタ張)面植生工を行なうのが最も安全である。侵食に比較的弱いから,裸ノリ面を残さ土壌硬度27mm、たね吹付工B以下のもの植生マット工ないよう早期にノリ面被覆する必要がある張芝工(ベタ張)ので全面植生工が適している。砂質土,砂利または岩塊まじり土壌硬度27mmたね吹付工B(灌切客土併砂質土を越えるもの用)面草の根が入りにくいので,客土して根のたね吹付工A(同上)侵入を促す部分植生工が適している。(畿88)植生袋工植生穴工植生板工一318一土壌硬度27mmを越えるところはノリ 4−1−3設 計土適 用 工 種質土壌硬度27mmたね吹付工B以下のものたね吹付工A備考凍上しやすいので施工時期には注意する。植生マットエ粘性土,砂利,または岩塊まじ土壌硬度27mmたね吹付工B(溝切客土併 土壌硬度27mmを越えるところはノリり粘性土,粘土を越えるもの用)面草の根が入りにくいので,客土して根のたね吹付工A(同上)侵入を促す部分植生工が適している。凍上しやすいので施工時期には注意する。(翫8畳)植生袋工植生穴工植生板工たね吹付工B(溝切客土併岩軟用) 細かく砕けやすい軟岩で,溝が切れる場合はたね吹付工B(構切客士併用)または,たね吹付工A(同上)たね吹付工A (溝切客土併用),植生袋工植生袋工を行なう。穿孔でぎる場合は植生穴工とす植生穴工るo  一 注表8−3,表8−4の中の盛土材料および土質に統一分類による記号を入れたのは大まかな目安である。(1)全面植生工とはノリ面全体にたね吹付け,マットの張付け,芝の張付けなどを行ない,当初からノリ面全体 を被覆する工法で,たね吹付工A,たね吹付工B,植生マットエ,張芝工などがある。(2)部分植生工とはノリ面に溝,穴,筋を設けたねまき,または苗株の植付けを行ない,ノリ面草の生長にした がいノリ面全体を被覆する工法で,植生穴工,植生袋工,植生板工,植生筋工などがある。(3)たね吹付工Bは,施工能率がよいめで広い範囲に使用できるが,1=1以上の急勾配ノリ面,透水性のわるい 土質などでは,使用水量が多いので流れやすく,また吹付高20m以上の高いノリ面になると吹付圧が不足す るので,このようなところはたね吹付工Aを使用するのが望ましい・  ノ(4)二層吹付とは下地に土を10mm以上吹付け,その上にたね吹付けを行なう方法で,たね吹付工A,または たね吹付工Bの二回吹付けではない・このような二層吹付けは割目の多い軟岩ノリ面で,溝,または穴を掘る と崩れやすいところ,あるいは軟岩ノリ面で凹凸が多く部分的に植生が可能なところなどに使用するものとす るo(5)一つの面に各種の土質が混じっている場合は同系統の工種に統一することが望ましい。例えばたね吹付工A で統一すると図8−1のとおりである。たね吹付工B孝占性土(土壌硬度27mm以’下』)杣生袋工  .粘性土(土壌硬度   27mm・軟7ド. 以上図8−1たね吹付工で統一した場合一319一 4−1−3設計(6)湧水個所には,フィルター層・めくら溝,蛇かご工などを検討する必要がある。(7)橋や屋碑なざの構造勤によp日陰となるところ,雨水のかからぬところは植物が育たないから植生工は不可 能である。(8)ノリ面の土質,土壌硬度,または,施工時期が設計時に十分把握でぎない場合は,あらかじめ前記の条件に 対処できるような数種類の工種を,選択するか,または溝切客土などの併用工を考慮することが望ましい。8−2瑠 植生工に使用する主なノリ面草(1)植生工に使用するノリ面草は,常緑のものを主体に混ぜまきすとものとし,施工時期,工種などにより 適当なものを選定するものとするQ(2)ノリ面草の選定・およびたねまき量・・混ぜまき比率は表8−2樟生工の工種と概要,ならびに表8−5ノリ 面草の特性を参照するものとする。           (3)北海道,東北地方,海抜の高い山地など寒冷なところでは,冬草型ノリ面草を主体に選ばなければなら ない。例えばヶンタッキー31フェスク,オーチャードグラス,クリーピングレッドフェスク,レッドト ップなどで,このほかチモシーも使用できる。(4)特殊な地域である海岸の砂丘のようなところは,ウィーピングラブグラス,湧水などのある極端に湿潤 なところや,冠水するようなところにはリードカナリーグラス,北向きのほとんど日射めないところに は,オーチャドグラスなどが適している。.表8丁5ノリ.面草 .の特性種  名性たねまき時期(日平均気温℃)生存  適F地(年平均気温℃)年限適 期 可能期 不適期状夏草,冬季地上部が枯れる。草丈は100cmウィーピソグ 前後で,葉は細く,下垂する。生長は早く,再生力か大きく,暑さ乾燥には強いが日陰,ラブグラス多年生本州,四国,九州 (10以上)(春)10∼15(秋〉25∼20寒さに弱い。ケンタヅキー31フェスククリーピソグレツドフェスクケンタヅキーブルーグラス(本州,四国,九 (春)10∼20 (春)20∼26 (春〉%以上同上グラス州の南部を)除く。る適応性は大きいが・乾燥にやや弱い。(秋)25∼15 (冬)5以下 (秋)15∼5 (16以下)冬草,常緑,ほふく茎を持ち,草丈10∼30cmとなる。寒さ乾燥に強い。初期の生長は遅い同上が,生長するとノリ面にマットを形成する。冬草,常緑,草丈が10∼30cm地下茎で拡がる。北海道の代表的な芝草である。寒さに対同上本州中部以北 (14以下)北海道,東北.(12以下)同上同上同上同上同上同 上同 上同上同上同上同上同上する抵抗性カミ強いが暑さに弱い。冬草,常緑,草丈20∼120cmになる冬章セオーチヤード(冬〉20以下 全   国冬草,常緑で生長力が旺盛,草丈60∼100cmとなり,葉は広く下垂する。寒さ目陰に対す(春10)以下(春〉15∼25 (夏)25以上日陰に耐える力が強く,やせ地にも育つ。乾本州中部以北同上 (14以下)燥には弱い。冬草,常緑草丈は20∼100cm,繁殖力は強く,,レツドトツプ強力な地下茎を生じ被覆力が大きい。冷涼湿潤を好む。応急緑化用に.もよい。一320一同上本州中部以北 (14以下) 4−1−3設計種  名生存  適  地年限 (年平均気温C。)性          状たねまき時期(日平均気温C。)可能期 不適期適  期冬草,生長はきわめて早いが,暑さと乾燥にライグラス対しては非常に弱い。草丈は60∼100cm。イタリアソは1∼2年生,ペレニアルは2∼3短年生本州中部以北(14以下)同 上同 上同 上同 上同 上同 上同 上同 上同 上年生。チ モ シ ー冬草,寒さに対する抵抗性は強く,好湿であるが暑さに弱い。草丈は50cm前後となる。多年生北海道,東北(12以下)冬草,わが国で自生するrクサヨシ」のことリードカナリである。草丈は100cm前後となり,暑さ寒ーグラスさに対する抵抗性があり,湿地,冠水地に適同上全   国(10以上)する。夏草,地上部枯れる。パーミューダグラスのハイブリッド 交雑種で,平均気温2b℃以上のとぎよく生バーミューダ 長する。性状はこうらいしばに似るが乾燥にグラスホワイトクロ臼一ノく_関東以西,同上冬草,常緑,草丈は10㌣20cmで長い直根とほふく茎よりなる。花は白色,まめ科の代表 多年生全・  国(16以下)的なもの。夏草,冬に地上部が枯れる。筋芝工,張芝工の  し  ばに用いられる。乾燥に強いが日陰に弱い。切同上芝として用いる。夏草,冬に地上部が枯れる。のしばより葉がこうらいしは 細く,美観を重視するところに切芝として用本州,四国,九州 (8以上)(春,秋,冬)(夏)30以上四国,九州(14以上)強く・繁殖力が旺盛で日陰に弱い。ラソナー挿し,または切芝として用いる。(春)15∼20(春・夏)20∼3015以下(秋)20∼15(春)10∼20 (春)20∼25 (春)%以上(秋)25∼15 (冬)5以下(春)10∼15(春)15∼25(秋)15∼5圏凱(秋)%∼15 (冬)15以下本州,四国,九料同上(麟芽部)同 上同 上同 上 (12以上)いるo(1)ウィーピングラブグラスは夏草では代表的なノリ面草であるが,欠点として冬季に地上部が柚れるので美観規苦しくなり・,火災の危隔あるので夏季施工以外はなるべく使用しない鯵よい・(2)ケンタッキー31フェスクは代表的ノリ面草でああるから,単独または混ぜまきで広く使用することができる。(3)ライグラスは発芽および初期の生長がぎわめて早いので,冬期の応急的ノリ面保護に適している。しかしイ タリアンライグラスは1年草であるから多年草との混ぜまきまたは,翌春多年草による再施工を行なわなけれ一 ぽならない・また寒冷地においては多年生(4∼5年)のペレニアルライグラスを使用してもよい・(4)ホワイトクローバーは付近に農作物が栽培されていると害虫による食害のおそれがある。一321一 4−1−4国鉄土4−1−4〔Na11−1 日本国有鉄道,土木工事標準示方書〕2−1一(4)ノリ面等に使用するそだ,芝は,次の条件を満たすものとする。ア さく工用そだは,元口2cm∼4㎝の強じんな直状の生樹木とし,葉を除いたものであること。イ 芝は,土付き3cm以上の厚さの活力旺盛な野芝であること。〔施工の手引〕1.そだは,葉がっいていると葉が先に腐ってそだ全般の腐朽度を早めるため,これを必ず除いたものを用いること。2.土を払い落した「ふるい芝」はノリ面が芝によって保護される時期を非常に遅らせるので用いないこと。     2−2一(7)盛土ノリ面の防護は,気象条件,盛土施工法,施工時期,土羽材料等を考慮して,もっとも適した植生工を選択することを原則とし,承諾を受けて施工すること。(追加示方の例)(6)植生に用いる樹種,植生の間隔を指定する必要がある場合には設計図に示すこと。〔施工の手引〕1.ノリ面を機械転圧した場合は吹付け工を用いてもよい。筋芝工以外の植生工を用いる時は,施工時期,施工方法,土質状態などを考慮して施工すること。筋芝以外の防護工としては,張芝工,株植工,植生盤工,混播工,吹付け工,岩座張りなどがある。ノリ面を全面的に岩座張りにできない場合は下部のみを岩座張りとする。2.ノリ尻またはノリ面から水がしみでる場合や地盤が軟かい場合には地盤またはノリ面に沿って切込砂利などの排zkブラケットを設けることがよい。またできるだけ乾燥期に施工するなど,施工法,時期ご検討し,承諾を受けるのがよい。一322一 4−1−5河川技4−1−5〔Na1河川砂防技術基準〕  2.2.2 筋  工          (1)種類使用材料によって芝筋工,かや筋工,わら筋工,すすき筋工,芝すすき筋工,そだ筋工,石筋工,柳筋工などがある。(2)施   工臼)間隔は切取り面コウ配1.7割を標準として,直高1.0∼1.5mとする・@ 階段切付けは水平に幅0・5∼0・6mとする・o仕   立  水平階段上に20cmの犬走りを残し,幅20∼40cm,深30cm以上の溝型に土 を掘り起し,その端にすすきを植え,あるいはそだをさしならべ1.Omに付き1∼2kgの 肥料わらを伏せ込む。 〔解 説〕 すすきは10mにつき1.0∼1.5束(一束は打ち違い1mなわ〆とする)を用い,そだは長さ30∼40emのものを適当量用いる。これらのかわりに,芝,かや,わら,柳および石材を用いる所もある・な冷,山芝を置いてその継目にかや株をさす場合もある・2.2.3 積  苗  工(1)施   工臼)間隔は切取リコウ配1.5割を標準として,直高1.5∼2.5mとする。(ロ)階段切付けは水平または後下りとして,幅は1.O mを標準とする。0仕 立 て  階段上に15∼20cmの犬走りを残し,切り芝を列べて敷芝とし,その内側後方の表 土を柔軟に砕いて盛り土し,敷芝の外縁から10em控えて切り芝を横に張り付けて,た たき板をも’って十分強くたたき固め,3分ノリ仕立てのたて芝とする。つぎに再び内側後 方の表土を柔軟に砕いて盛り土し,前と同様にたて芝を施してたたき板をもってたたき固 め,最後にたて芝の上部に水平に切芝を列べ,たたき板で十分締めて天芝とする。天芝の 後方は,天芝と水平あるいは多少後下抄に土砂を盛り苗木を植栽するのであるが,この際 内部に肥料としてわら,わら灰または過りん酸石灰などを施す。一323一 4−1−5河川技〔解 説〕 積苗工の階段間の斜面は,完工後降雨のため表土が洗い流されやすく,そのため階段の外縁部に犬走りを設けるもので,これを十分に残さない時は,積苗工が基礎から崩れやすい。また敷芝に齢ける控えは芝後方の盛土の安定に影響する。ゆえに犬走りと控えは積苗工の強度に関係する2要素というべきで,必要欠くべからざるものである。 敷芝の下に敷そだを用い,あるいは上下たて芝の間にすすきの株をそう入すると積苗工の補強となるが,すすきは夏季に沿いて枯死することがあるから,適期を選ぶ必要がある。 積苗工は材料に切り芝を用いる関係から,水分むよび肥料分の保有が十分で植栽苗木の生長が最も優れている・さらに切診芝中の根株よりかん木および草木が芽を出し,年を蔚って表土の結着力を増」利点があり,山腹ノリ面工中最もよく用いられるものである。肥料は土壌分析を実施して決定する必要がある。(2)積苗工の高さ積苗工の高さはノリ面コウ配に関係して異なりこれをたて芝の数によって加減する。〔解 説〕 ノリ面のコウ配が急になると,階段切付の幅に対し後方切取り高の高さが増し,積苗工の高さを増す必要が生じて来るが,かくするとたて芝の安定性奪欠くこととなるから,たて芝は原則として三枚張匂が限度と考えられる。(3)切  り  芝切砂芝は幅20cm,長さ30cmを最小とし,厚さは10cmを標準とする・〔解説〕 積苗工に用いる切砂芝は,山地のかん木,雑草類を刈り払った跡地を,それらの根株,腐植土および下土をもろともに切取ったもので,特に山芝と称しているところもある。切芝を山地で採取する場合は,なるべく緩傾斜地で斜面に沿って一枚むきに水平帯状に採取し,跡地に落葉などをまいて地表を被覆することが望ましい。(4)「段積苗工または土留め積苗工段積苗工または土留め積苗工の仕立ては積苗工に準ずるg一324一 4[1−5河川技2.3山腹被覆工 2.3,1そだぶせ工 (1)一般ノリ面(1)ノリ高2m間隔に約20cmの小段を設け,これを足場とし永平,上下各hn問隔に 50cm以上のクィを打ち,その間にそだを横使い打ち違いにならべてノ’リ面を卦おい, 押え木で押え,クイに鉄線を結んで固定し,種子を100㎡について1Zの割合でさん布 する。(2)階段積苗工間ノリ面     . クイは階段積苗工間ノ リ面と上下両端およ びその中央の3列に打ち,その他は(1)に準ず るo(3)(1)(2)においてそだの使用量は,長さ1,2∼1.8m,1。5mなわ〆のものを3.6㎡に1束 の割合に用いるのが標準で,クイ木をそだで編むとともに,横そだの上にさらに半量のそ だを縦に敷き,押え木で押えれぱ効果は大である。(4)本工法に冷いて,そだのかわりにわらを用いるものをわらぶせ工というが,現在ではあ ま匂使用しない。  〔解説〕  直接種まきは風によって飛散し,あるいは雨水によって洗い流されるむそれがあるところで は,粘土しるに混入して施すか,あるいは種肥土として斜面に張り付ければよい。なおそだは 芽を出し易いものを用いることが望ましい。23,2そだ束工(1)(2)そだ東は径12∼18cmで長さ15cmごとにわらまたはしゅろ二子なわで結ぶ。網目の大きさは,普通縦径2m,横径4mのひし形とし,そだは半ば土中に埋め込む。(3)網目の接合点およびそだ束の中間に竹ぐしまたはクイを刺す。(4)網目にはその地に適し,根の繁茂する苗木4∼5株を植栽する。〔解 説〕 本工法は網状工とも称し,緩斜地で地質軟弱な個所に施工するものであって,網目は普通ひし形とする。地味の特に悪い処では馬ふん,油かす,わら灰等を施す。一325一 4−1−5河川技2.5 排  水  工 25,1 山腹水路工 (1)張芝水路工儲)基礎地盤は木だこにて十分突き固めなけれぱならない。帥)張芝は孤形とし,特に良質の草芝を竹目ぐしで固定する。一326一 4−1−6愛水設4−1−6〔Nα21−1 愛知用水公団工事設計施工要覧〕7.芝 工 事              1.植え付け芝  1.1 芝は,野芝とし芝の採取にあたっては,管理の妨げとなる石かよぴ雑草の根などが混入しな    いよう注意しなけれぱならない。     なお,芝根および付着土は,平均厚さ3cm以下にならないように注意してはぎ取らなけれ    ばならない。  1.2 芝は枯死しないように適当な措置を講じ,植え付け前には監督員の承認を得なけれぱならな    い。な澄,芝の輸送,貯蔵にあたっては,損傷をさけ,再生を妨げないため,根と根を,葉と    葉を重ね合わせ,平均一束12枚重ねとし,芝の根についている自然土を落さないよう注意し    なければならない。  1.3 芝張り止めグシは,竹,割木などを使用しなければならない。  1.4 植え付けは乾燥時期をさけなければならない。  1.5 張り芝は長さ30cm,幅30cm,厚さ3cmのかたまり芝を標準とし,張り付け面をか    き起こし,石塊その他の雑物を除去して整型した後,目違いにべた張りして土羽板などで十分    にたたき付けた後,長さ20cmの目グシを1枚当たり2本打ち込んで固定させ,表面から植    土を薄く散布してかん水しなければならない。  1.6 耳芝を行なう場合の,芝の大きさは,長さ30cm,幅15cm,厚さ3cmのかたまり芝    を標準とする。耳芝は,土工の切り盛りにかかわらず,道路,築堤などの両肩に張り芝に準じ    て一列に植えこむ。この場合,植え付け面はいくぶん内側に傾斜して整地し,かたまり芝の幅    15cmの部分は覆土し,かつ,芝の外側根部を露出しないように土をつけ,長さ20cmの    目グシを2本づつ打ち込まなければならない。  1.7 筋芝は長さ30cm,幅15cm,厚さ3cmのかたまり芝を標準とする。芝付け作業は,    仕上げと並行して行ない,ノリ面に沿って40cmごとに一層ずつ踏みあげる。土羽土はノリ    面に直角に切りならし,かたまり芝の長辺を斜面に正しくそろえて敷き並べ,覆土して十分に    踏みつけ,土羽板でたたきならさなければならない。割り付げ間隔に,は数を生じた場合’,最    下列で調整しなけれぱならない。  L8 芝の運搬齢よび貯蔵中,または,植え付け後においても品質不適≧監督員が認めた場合は,    すみやかにこれを取り替え,その指示に従わなけれぱならない。ただし,この場合の費用は請    負人の負担とする・一327一 4−1−6愛水設  2,種吹き付け芝   2,1 材料の品質はr表一21」による。項 目種   別品       質ウイーピング.ラブ備    考純度   95%以上品質の保証されたグラス種もの。レッド。フェスクケンタッキー31.純度   97%以上純度   95%以上フェスク肥料 尿素化成肥料窒素,燐酸,カリ,各7%平均に近いもの粒径6mm以下,保証表のあるもの。①石レキを含むときは9mm以下用 土粘   質   土②砂分(0.05m以上)80%以下③植吻の生育に有書量の雑物を含まないもの養生①植吻の生育に有害量の成分を含まないもの種用アスハルト乳剤②種用規格合格品または,変質したソイラック乳剤は用いてはな剤らない6植物め 生育に有害量め油,酸,,有水いくぶんでも分解  水プ)レカリ機物,塩分を含まないもの                 表一21 種,むよび肥料は雨露,湿気を妨ぐに十分な場所に貯蔵しなけれぱならない。2.2 配   合 吹き付け材料の配合はr表一22」を標準とする。項 目種   別1m2当たりの配合量土粘   質   土0.01㎡肥 料犀.素.化成_聖.聾.200gウイーピング.ラフソラス種レッド・フェスクケンタッキー31。フェスク水備      考 4g以上追加仕様書に定めた品種を20g以上 用いる。20g以上 「   5君以上 水量は吹き付け土がたれ下(土容積の30%以上)らない限壕とする・表一22吹き付け材料の配合      一328一 4−1−6愛水設2.3 施  工  法(1)種吹き付け工を施工する地盤面の浮き土砂は,取り除き,地盤面が乾燥じているときは,徐 々に散水し20mm以上の深さまで十分に湿らさなけれぱならない。また,砂地盤その他,特 殊地盤にっいては,「2−4,不良地盤種吹き付け工」により土地改良を行なわなければなら ないo(2)たね土諭よび養生剤の吹き付けは,セメントガンを用いる。(3)吹き付け時のノズル部における圧力は3kg/c㎡を標準とする。また,地盤面にいちじるし い厚薄がないよう,むらなく一様に吹き付けなければならない・2.4 不良地盤種吹き付け工  ヶッ岩,マサなどの不良地盤の場合は次の工法によらなければならないQその判定は監督員が 行なう。 (1)地盤面に50cm間隔に深さ15cm幅15cmの三角状のみぞを掘り,そのみぞの土はノ  リ面に止まらないよう全部かき落さなければならない・ (2)吹き付け機によりみぞに良質土1㎡につき化成肥料5kgの割りで混合したものを客土とす  るo  客土の表面は既存ノリr面よレ10mm下とする・    』r3,検     査 芝工は施工後6カ月を経過した時期において全面積にわたり,均一に緑化しなければ合格としない。合格しない場合は再施工をしなければならない。不毛,または,いちじるしく生育不良の個所は再施工するか,施肥するなどの処置を講じなけれぱならない・ その判定は公団が行なう・一329一 4−1−7土地改4−1−7〔Na4−1 土地改良事業計画設計基準〕4.3。8 下流斜面の保護第59条 堤体の下流斜面には,芝草などの保護工をほどこし,風雨や,霜柱による侵食か ら,堤体を守らなければならない。〔解説〕 (1) 保護の必要性  下流斜面が細粒土から成るとぎは,草の生えるまでの数年間は,風雨,霜柱などでかなりのガリ侵食 をうけるので,小ダムを除いては,防護をほどこしておく方が管理上も好都合である。もちろんダム安 定に影響をおよぼすほどの大きな侵食にはなりえないが・深さ2∼3mにもおよぶガリ侵食は・美観上 もあまりいいものではない。(2)材  料  芝草(張芝など)が最良だが,乾燥地で草がっきにくいところでは捨石(フィルター不要)か砂利(盛 土中の粗粒子をはねのけたも のでもよい)で十分である。 ただ雨水がその中を通過するだけの厚さをも たせておかないと下方の土が侵食をうけるo(3)芝  草  放っておいても育つが,できれば肥料をやる方がよい。芝草の種類や植え方については,造園家に相 談すればよい。表面が・砂質土のときは,表土を厚さ15∼30cmぐらいにおFくのもよいが・表土には雑 草の種子がまじっているのが欠点である。表面が粘土質のときは表土をおかずに,そのまま肥料をやれ ばよい。乾燥地方では,夜スブリンクラーで散水し,多雨地帯では,流されぬようカバーなどをかけて やる。小さい草は根をよく張って斜面を補強する役割をしてくれるが,高さ60cm以上のカソ木は小さ い草を殺し,また堤体に破損や漏水があっても・外から発見しにくくなるので,好ましくない・(4) 小段と排永路  雨水が長大に流れ,かつ1ヵ所に集中すると, 侵食が大ぎぐなるので,適当な高さごとに排水路づき の小段を設けるのがよい。とくに地山との接触部には,雨水の侵食を受けないよう,処置を講じたけれ ばならない。防護工さえ適当であれば,大ダムの場合でも,小段なくとも支障はないが,管理上の便利 (通路)もあって,日本では小段をつけるのが通例となっている。アメリカの陸軍土木都のダムではほと んど下流側に小段はない。一330一 4−1−8国鉄構4−1−8〔Nu11−3土構造物の設計施工指針(案)〕(盛土ノリ面の防護)第17条盛土のノリ面の保護は筋芝または吹付によるものを原則とするが,状況に応じて他の植生工を用 いてもよい。 植生工によるノリ面保護が不適当と認められるときは,そだ棚工,岩座張,雑石張,ブ・ック張,格子枠工等のノリ面保護工を行なわなけれぱならない・〔解説〕 ノリ面の保護工は一般の盛土の時は従来から行なわれている筋芝工を原則として行なう。土羽土は芝の生育に適する土を用いる。土は附近の自然地盤の風化表土,または耕土を用いれぱよい。結合分の不足と思われる土は適当な結合材を混ぜ土質を改良したウまた養分が不足すると認められる土では,十分な施肥(良好な成績を期待す后ため匠ほ ,少ぐとも1平方釆当亘窒素2 〇9写.燐酸15言 ,加里15喜が必要であるゐ ) に よ匂土壌の改良をはからなければならない。また施工時期,施工方法,土質状況等により筋芝以外の植生工,例えば張芝工,直播工,株植工,植生盤工,混播工,吹付工等の工法を用いても良い。植生工については第3章切取わノリ面防護の項およぴ植生エ示方書(案)を参照すること。 土質不良,ノリ長長大むよび開業までの時間が少なく植生工による緑化不能等の場合で植生または植生のみではノリ面保護が不適当と認められるときあるいは湛水が予想されるような時には,状況に応じそだ柵工,岩座張,雑石張,プ・ック張,格子枠あるいはこれらの併用等のノリ面保護工を行なわねばならない。これらの植生工以外のノリ面防護工においては盛土は多少とも圧縮沈下することと,盛土内部よりの排水に留意して,その設計・施工を行なわねぱならない・(目的と種類)第36条切取リノリ面防護工は,ノリ面またはこれにつづく斜面に施設して,表土の緊縛縫合をはかり, または風化,落石,土砂崩壊および土砂流出等を防止して,ノリ面または斜面を安定させ線路を防護する ために行なう。  ノリ面防護工には植生工,構造物によるノリ面防護工,落石防止工,排水工及ぴ鉄道林等があり,その 目的に応じて必要なところに施工しなけれぱならない。〔解説〕 鉄道林については鉄道林設計施工標準(案)を参照のこと。一331一 4−1−8国鉄構(植生工によるノリ面防護の適用範囲と種類)第3−7条 植生王にrよるノ リ面防護は植生によη,ノリ面表層部の安定をはかるもので主 として土むよぴ風化した岩石で崩壊のかそれが少ないノリ面に用いられ,張芝エ,直播工,株植工,植生盤工,吹付工等が ある。〔解説〕 植生工全般について言えぱ用いられる環境に最も適した種類の植物を選ぶヒとが重要であり,地味がやせている時は十分な施肥によウ土じょうを改良する必要がある。また初期植生を安定化させ為ためには簡易な補助工を要することがある。植生工には張芝工が最も普通に用いられる旦張芝工のほかに各種の植生エがあるので土質,土じょうの深さ,ノリ長,ノリこう配,凍結深さ,湧水状態, 降雨による浸食の状態等の環境に注意して工法を選定しなけれぱならない。卿望 !醜璽確雛鋤郵嘩欄彫寿紬ね裁二.5二璽塗姪蝸秘要璽り紅法を併用するものとし詳細は植生工示方書(案)を参照のこと。表2−5−1  切取リノリ面に対する植生防護工の適用範囲張』工押え木枠芝 工 工 工 工 工 工 工クイ合そだ棚植 播地  質  準割必要な補助工溝切子帯生盤 配  の標株 直 種 植 種子吹付 植生工種こう工 工O○0 O O O◎○ ◎ ◎ ◎X ◎ ×Xφ.01.2∼09◎○O0××O 0 O O1.0軟       岩各種工法併用の場合が多いO O○、一般の土じょう砂レキを含む土じょう風化花こう岩(マサ)∼11.5崩壊,流出のおそれある土じょう,マサ∼08XO O○XO9O○(注) L◎一適,又は特に必要  ○一普通又は場合により挙要 x一不適  2・硬岩の場合は植生工は適用しにくい。             4一332一備 考 4−2−1 道土工4−2建造物その他による方法4−2−1〔No2 道路土工指針〕9−3 コンクリート張工および吹付工 9−5−1 コンクリート張工 ワキzkが少なく軟岩などのノリ面でハク落するおそれのあるときはセメソト,コソクリートおよびアスファルトコソクリート張工が用いられる。 (1)セメソトコンクリート張工 ノリ面に厚さ15cm位に基礎栗石を敷いた上に2m間隔位でスベリ止め,またはアソカーをつけ,これに鉄鋼,鉄筋を用いて厚さ10∼15cm程度のコン2」上!トを1施工する、一無筋 の場合は最小 2Ωg皿 程度亀厚』さ が必要℃ある。 (2) アスファノレトコソクリート張工 ノリ面のコウ配がゆるい場合に用いられるが締固めが困難である。9−3−2 ブロック張工およぴ石張工 粘着力のない岩石まじりの土や土丹,粘土でくずれやすいものの保護にブロック張りあるいは石張りを用いる。また9−4のわく工と併用する場合もある。 特に練張りの場合は排水に注意してつくらなければならない。9−3−5 吹付工 風化しやすい岩,風化した岩で落石のおそれのある場合,転石,玉石まじりのノリ面,あるいは土丹などで芝付けができず,のちに風化してはげ落ちるおそれのある場合はモルタル吹付けを行なう。 吸付工にはセメソトモルタル乏コソクリート,アスファルトモルタルなどの吹付工がある。工法的には各材料を混入したものを圧送吹付けする湿式と,水と他の材料を別々に圧送し,ノズルで合流させる乾式の2種類がある。 (1)モルタル吹付工 一般にセメソト砂比1:3∼1:4(重量比)で水セメソト比45∼50%の配合が用いられる。吹付前に十分圧サク空気でジェッチγグを行ない,浮石をおとし3∼6mmの太さの10∼15cm間隔の鉄網をノリ面に張りつけ,これを1∼2m間隔でアソカーする。吹付厚確認のため,この上に10m2に1個位の割合で所要の高さにボルトを植えっけ,この頭がかくれるまでモルタルを5∼10cm程度吹付ける。 吹付面にワキ水がある個所には適切な排水処理を行ない水抜穴をつくり,その上に吹付けする。また地表水が吹付面に浸入しないようにノリ肩のところで30cm程度土中に巻き込むか集水キョをもうけるとよい。 砂レキ層の切土面に対しては,泥岩などの風化の著しいノリ面では,ハク一333一 4−2−1道土工離のおそれがあるのでソイルセメソト系の吹付けを行なう。 (2) コソクリート吹付工 コンクリート吹付工は比較的厚い吹付けを必要とするさいに使用される。コソクリートの配合は1:3:1,1=5:2(重量比)で水セメソト比は40∼45%である。骨材の最大寸法は15mmである。 〔注〕 アスファルト乳剤と砂とをノズルで吹付ける工法などが行なわれている。9−4 わ  く  工 9−4−1ノリわく工 (1) ワキ水のある風化岩や雨水の浸食によりノリ面の表層が崩壊しやすい場所に用いる。②わく 内の保護は 主 として植物による ものとするが,ワキ水その他植物に不適当な場合には,栗石張り,玉石張り,コソクリートブロック張りを用いるとよい。 (3)わくの交点部分にはクイを設置する場合もある。 (4)わくは現場打ちもしくはプレキャスト鉄筋コソクリート製品とする。 9−4−2編柵工 編柵工は腐食土層をつくり植物を養って雨によるノリ面土砂の流出を防ぎ,土留による落石の防止ともなるので長大ノリ面に用いる。 編柵用のクイの打込み深さはノリ面の凍結深さよりも深くすることが大切である.竹またはそだ♪.一.丸太φ6一一10cm長さ1∼2.5m間隔50∼90㎝1.5∼1.Om図一9・1 編柵工の一例 〔注〕 編柵は異種の植物と交互に植え一方が枯死しても他方が残るような方法で植物を選ぶことがのぞましい・、一334一 4-2-19-5:g-5-i:) U i?c :U2 )Jk IC#:(z),IJ -": ;] ="-.I;u ) ) j : ts:P; I:: ir9-5-2 F]:tt1ts: 5;BL,i)A*tct ,} l-9 ・ 2?c! 1)5 }cT 13 i・ yfrL .' il,t.'JL h:c:cv y), ・・l L・J; 5 t ; P ・・ P ri jv hl !A* cl ・,?}c;i j)L .-- -- -; i--;::' 7 p IJ - h::/ r U - h ..:.;l-9 ・ 2'a E{#F lrA ]a)-f 11D J-1JL161 j llVrl]"' pl ' '-¥' :'lc25mm- Al-9 ・ 3p y p,v h I !-335-]-g . 3::tl 4−2−1道土工9−5略 柵 工柵は主として鉄製のものが用いられる。柵の支柱間は鋼材,アソカーしたワイヤーロープまたは金網で連結される。金網は落石粒が小きい場合に張る。9−5−4落石覆工落石の規模が大きくて柵などで防げない場合,また落下高が大ぎく,それらの上を飛び越すおそれのある場合には落石覆を施工する。落石覆にはコソクリートまたは鋼製のものがある。9−5−5 その他ノリ面にそって鋼製またはナイロソ製の網を下げ落石があっても網面にそって落す と いう網工 砺る。9−6表面水むよびワキ水の処理 ノリ面に多量の雨水が流れる場合には6−2−6により処理する。ノリ面近くに浸透水がある場合はヅ図一9・4に示すように盲排水コウを施工し,流末が擁壁コソクリート張りに集まるところでは水抜口をつくって排水する。玉石が現地で採取でぎるところではノリ面蛇カゴを用いると経済的である。施工例盲ミゾの構造例.一切込み砂利そだ棚 砂利、! 玉石 コンクリー} 孔あき管またほじ二一ル布,路線ア7アア了了胃了了了了アスフ7ルト漂図一9・・4盲ミゾエの一例一336一 4−2−2道 技4−2−2〔Na3 道路技術基準〕43 ゴンクリートむ よび石張工強酸性土壌その他植物の生育に適しないノリ面,また特に表面水および湧水による侵食のいちじるしいノリ面はコンクリート張または石張によるノリ面保護工を用いることを原則とし,ノリ面の不等沈下が予想されるところではかとう性のある蛇かごを用いることが望ましい。(解説) ノリ面からの湧水によって崩壊するような所では排水工によって湧水を取り除き現場の材料をできるだけ利用して張石,張コンクリートエを用いるのがよい。1,張 石 工  張石は,土圧に抵抗することが出来るのでかなり急コウ配まで使用できる。またわん曲したノリ 面に使用できる。練張石は特に排水を考えて施工しなければならない。空張石は裏込めレキを十分 使用すれぱ透水性があるので盛土のノリ尻や湧水の多い所に適している。2.張コンクリート工  張コンクリートエは比較的湧水の少ない所に用いる工法であるが,長大ノリ面(ノリ長約5m以上)や急傾斜のときは鉄鋼や鉄筋を入れて必ずスペリ止めを設けること,排水孔は水量に応じて十 分施すとと,また延長約20m毎に目地を設けることが望ましい・3.モルタル吹付工  比較的早く風化され易く,しかも湧水の少ない所で岩石の崩落や風化を防ぐために用いる方法で ある・吹付は3層以上30mmぐらいにし,できれば金鋼を入れることが望ましい。特にモルタル 吹付けでは,表面の風化土,草木などを完全に取除き岩石の割れ目中にも十分モルタルが浸入する ようにする。4。蛇 か ご工  蛇かごは排水もよくノリ面保護もかねるので,湧水の多い土砂切取または浸水のあるノリ面では 内部の土砂が流失しても蛇かごは伸縮変形して崩壊することもなく盲下水等を併用すれば好結果が㎝得ぢれ 石・”また蛇かごに平ナギの植樹をすることもよい・ 『冒   ’ ”    ””44 枠 工  ノリ面の長い場合,または湧水が多い所では枠工を単独または他のノリ面保護工と併用するこ とが望ましい。一337一 4−2−2道技(解説) ここでいう枠とは矩形またはウ・コ形コンクリート枠で格子の格点はスベリ面のある深さまでクィ打ちまたはコンクリートを打込む。また湧水の多い所では三角形に盲溝を施しその表面を練張またはコンクリート枠とするのがよい。(図一42参照)E   彗艮コンクリート   コゥ配1割5分幣       。’一.空張一一   ド曽たF’一一血.    50cm5.00m      1.60m図一42図一43(参 考) ノリ面保護工の種類とノリ面状態とを対称した一覧表を示せぱほぼ次の通りである。地 質崖   錐ノリ肩ゴ  山局1 割5 分 ∼低ロ  ー  ム6 分高水のをあは併る排用 水す  る  )1,5割雛ものを1 割水は併マ    サ風化凝灰岩一柵またはクイ打ちして苗木を植える排水工備   考盲下水道水杭堅下水苗木植栽の時期防砂林またなくてもよい場合があ中腹に階段を付るすこと工るを選ぶこと場合により客土する必要あり緩傾斜に切取るのはかえって不保護工をし張芝︵湧り土植一』 樹も工シ  ラ ス土   丹施工方法保護工種類緩砂   丘粘   土砂レキまじ湧 水︵湧土  砂ノリコウ 配可盲下水鉄鋼木枠などで押えるかやアカシヤの苗木と混植}植栽の時期に注蛇かご意する堅下水る  )低な しあ る高張  ﹃石1.5∼1.0凝集力なき土砂岩石まじ診土砂空     張一ノリ高5・m以土練一張排水溝混     造には用いること空、_張練     張な し一338一 4−2−2道 技地 質(落剥する もの)レキまじ砂土   砂上部より土砂岩石の崩壊する所ノリ肩湧 水保護工種類7 分 ∼低雑石コンク1 割高湧 少水 なな いい とか き3 分 ∼ない場合に限1 割る施工方法リート張コンクリ無    筋ート薮鋼}入りモルタル吹モルタルの厚さ付20mm以上緩低土止め擁壁急高落 石 覆表一41 切取リノリ面保護工概要一339一排水工十 分 な排水風 化岩石岩 盤ノリコウ 配備   考付近に材料のある場合に限るスペリ止めを付けること酷寒地には不適ノリ ノリに設置するを可とする 4−2−3設計4−2−3〔Na13設計要領〕8−3 石積(張)工,ブロック積(張)工,コンクリート張工 8唱一1石積工,ブロック積工 石積工,ブ・ック積工は1:1以上の急コウ配のノリ面に用いられ,ノリ面の風化並びにエ・一ジョン等1を防止するとともに擁壁として土圧にも十分耐えられる構造であることが必要である。(1)ノリコウ配および控長  ノリコウ配および控長は表8−6を標準とする。            表8−6直高とコウ配およぴ控長  高(m) 0∼1.5 1.6∼3。0  3.0∼5.0盛 ・  卍 1:0.3 1=0.4  1=0.5切    土 1=0,3 1:0.3  1=0.4控空    積練積(胴込のみ) 35 25 35∼45長 直ウ配(cm)練積(胴込+裏込)1=0.5   45 35∼45(25∼36)+10注)25十5注)=305,0∼7.0一 (35∼45〉+15注)(35∼45)+20注) 二50∼60=35∼45=55∼65 注)裏込コングリートの厚さ(2)裏込栗石 イ.盛土の場合は下部を厚く,上部を薄くし,表8−7を標準とする・             表8−7裏込栗石の厚さ0∼1.51.5∼3.03.0∼5,0上   部20∼4020∼4020∼40下   部30∼6045∼7560∼100直  高(m)厚さ(cm〉 ロ・切土の場合は上下部等厚で・厚さは30∼40cmとする・(3)標準断面 盛土における石積工,ブロック積工の断面は表8−8を標準とする・          表8−8石積工(割石)ブロック積工の標準断面(盛土)直高コウ配(m)0∼1,51,5∼3.01=0.31=0,4空練の別控長(cm)良  い空普  通悪  い盛土材料裏込栗石(cm)上  部下 部注)352033”353045”354057良  い”352046普  通練363060悪  い〃354074一340一裏込コンクリート////一/’//10 4−2−3設 計”366315普  通〃358015悪  い”459715良  い3,0∼5,01:0.5注)直高1,5m,3.Om,5,0mのときの裏込栗石の下部厚さ 石積工は土留用ノリ面保護用として昔から用いられているが,最近はこれにかわるものとして,ブ・ック積も盛んに用いられている。 石積工,プロック積工はコウ配が1割以上の急な場合をいい,それよりゆるやかなものを石張工,ブ・ック張工という。石材年皇いて些,』各地Q実状か匠∼,種類≧し∫瞳玉直,響石2木窒さを主孝F璽≦弄吾の場倉り遜塑馳墨,垂幹mlの3種に限定するものとする。 盛土の場合の限界高さは7mとし,さらに練積(胴込めのみ)の場合は5m,空積の場合3mを限度とする。水抜きは2m2に1個を標準とする。                         /渉                          天端コンクIl一ト                         割石                   ◎                   勿    胴込コンクリート            国    G                 5.・} 裏込めコンクリート                 ∼                   の    裏込栗石               E                       H:直高                       Al控長           h                       B:裏込コンクリート厚           o                 Af・     C:裏込栗石天端巾               L   基礎栗石   D:裏込栗石下端巾              K K                図8−2石積工の断面注) 上記の標準断面は,建設省の標準設計を参考とした。コンクリート基礎を設げる場合の断面寸法は,図8−2から,次の値を標準とする6  Eコ10cm  F=20∼35cm  σ=10∼15cm一341一 4−2−3 設  言十 ,8−3−2 石張工,ブロック張工 石張工iブロック張工はノリ面の風化およびエロージョン等の防止を主目的とし,1=1を越える緩コウ配のノリ面で粘着力のない土砂,土丹およびくずれやすい粘土等のノリ面に用いられる。(1) ノリコウ配とま空長  石張,ブ・ック張の控長はノリコウ配と使用目的に応じ表8−9の値を標準とする・表8−9ノ リ コウ配と控長特殊個所の保護(蘇唇癖蓋絆)一般のノリ面保護1∼1,21.2∼1.5石  張ブロック張石   張ブロツク張35  ・注2)2535353535   2535251.5∼1.818−141,8∼14以下注1)直高7m以下のノリ面に適用注2) 石張の控25cmは玉石のみ,直高3皿以下に適用 石張工,ブ・ック張工はノリ面保護工として用いられ為ほか,ノリコウ配を急にして用地を節減する場合,オーバーブリッジの埋戻し保護,盛りこぽし橋台前面の保護,小規模なノリ面崩填の埋戻し保護等にも用いられる。 石張の場合,石材の種類は玉石,割石とし,大きさは25cm(玉石のみ)35cmに限定するものとする。 コソクリートブロックの控は,一般の場合は35cmの一種類とし,特殊個所はコウ配に応じて表8−9を標準に定めるものとする。湧水や浸透水のある場合は裏込栗石または切込砂利を設けるものとする。この場合,裏込材の厚さは20cm程度を標準とする。空張は湧水のある個所に適しているが,ノリ面が高くなると,はらみ出しの危険があるので,直高3mを限度ともる。湧水のある高いノリ面では湧水個所だけを空張とすることがで、きる。 水抜孔は2m2に1個を標準とする。 平板ブ白ック嫡オーバーブリッジの下や盛りこぼし橋台等でコウ配のゆるい,低い場合に用いる。割石   心  k“  7甚9ムコンクリート,令∼’胴込コンクリート’一一裏込栗石画8−3石張工の断面一342一 4−2−3設 計8唱一3 コンクリート張工 節理の多い岩盤やゆるい崖錐層等で,崩落のおそれのある場合に用いられる。鰍ノリ面や急コウ配のノ殖では,金網,鉄筋を入れるとともに滑り止めの脚またはアソかをつけることが望ましい。 一般に鉄筋コンクリート張工は1=0.5程度のコウ配,無筋のコンクリート張工は1;1程度のコウ配に用いられる。 用途は練張と同様で,地表水の岩盤内入の浸入を防ぎ,風化によるノリ面の崩落を防止することである。したがって,風化の原因となる張り残しを作らないこと,湧水のある場合または将来予想される揚合は状況に応じて排水構1や水按孔を設けるなどして完全に処理ず るとともに天端を岩盤によ ぐくい込ま せて雨水の浸入を防ぐことが必要である。 水抜の孔は原則として2m2に1∼2個の割合で設けるものとする。 無筋のコγクリート張工は最小20cm程度の厚さが必要である。また,施土継目はノリ面に垂直にするものとする。 滑り止めのアンカーは1∼2m2に1本,打込み深さはコソクリート厚の1,5∼2倍程度を標準とする。鉄筋コンクリート(良)(悪)施工継乎水抜き/鉄筋または    アンカーボルト図8−4(b)コンクリート張工の打継目図8−4(a)コンクリート張工の一例8−4コンクリート枠工 8一全1 コソクリートブロック枠工 湧水玲ある切土ノリ面・長大ノリ面や標準コウ配より急な盛土ノリ面等で,状況によって植生が適さない個所,あるいは植生を行なっても表面が崩落するおそれのある場合に用いられる。コウ配が1=0,8よりも緩やかなノリ面に用いるのがよい。一343一 4−2−3設計 一般に枠はプレキャスト製品で,枠の交点部分には滑り止めの杭または鉄筋等を設置することが望ましい。 枠内は良質土を埋戻し,植生を行なって保護することが望ましいが,ノリコウ配が111,2より急な場合,ホなりの湧水がある場合,あるいは良質土が得られない場合,その他植生では流出するおそれのある場合には栗石奪の空張または練張を行なって保護する。この場合,風化した石や粒径の小さい石は安定上好ましくない。 美観を重視する場合は石張の問げきにたね肥土を填充したり,たね吹付工を併用したり,植生袋をはさんだりして緑化することもできる。 湧水が特に多い場合はノリ面に導水溝を設けることが必要である。良質土を埋戻し植生   コンクリートブロック二1☆0∈『.、、0⊂滑り基礎』Lめの杭メクラ石張と植生の併用     図8−5(a) コンクリートプロック枠工の例コンクリートプロックoρ○つ.ひ6しηδ一基礎図8−5(b)コンクリートプロック枠工の例タネ、U欠{寸工ス』琴リ止めの杭図8−5(c)コンクリートブロック枠工の例 コンクリートブ・ック枠工には各種の断面があり,上記断面は,一例に過ぎないから品質,経済性を考慮して適当に定めること。一344一 4−2−3設計8一杢2現場打ちコソクリート枠工 湧水をともなう風化岩や長大ノリ面等において,ノリ面の長期にわたる安定が若干疑問と思われる個所,あるいは,コンクリートブロック枠工等では崩落のおそれがある個所に用いられる。 枠は鉄筋コンクリートの現場打ちとし,湧水処理を十分に行ない,枠内は状況に応じて練石張,ブ・ック張,岩座張,コンクリート張,植生等で保護する。岩盤中に亀裂が多く,水が浸入して風化を促進したり,崩落の原因となるおそれのある場合にはモルタル吹付またはセメントミルクの注入等も併用できる。 状況に応じて枠の交点部分にはスベリ止めの杭またはアソカーを設置すること・ 枠はノリ面にくいこませる方法とノリ面上に設置する方法がある。弱い地盤上に設置する場谷にはコソグリート基礎が必要である5          コンクリートブロック枠       麟薩誠団ト+↓一コンクリ.一トブロックソク園一懸一灘・lll王iFH王H丑H丑王狂鉄筋栗石詰4,700/500現場打ちコンクリー1栗石           1 モルタル號          モルタル   栗   石      ノ図8−6 現場打ちコンクリート枠工の例一345一 4−2−3設計8−5 モルタルおよびコンクリート吹付工 ノリ面に湧水がなく,当面,崩落の危険性はないが,風化しやすい岩,および風化してはく落するおそれのある岩並びに玉石混り土砂あるいは土丹等で植生が適当でない個所に用いられる・ モルタル吹付工は比較的薄い吹付の場合,コγクリート吹付工は比較的厚い吹付の場合に用いられる・ ノリ表面の形状,コウ配等に関係なく簡単に施工ができる・ 一般に吹付厚の標準はモルタル吹付工は5∼10cm,コンクリート吹付工は10∼20cmである。 吹付長はノリ面の状況と気象条件を考慮して決定するが,一般に寒冷地や気象条件の激しい地域においては10cm以上の厚さが必要である。 吹付に先だって,ノ り表面の浮石,風化層等を圧サク空気で完全に落し,金網をノリ面に張りつけアン、カーでとめるo アンカーはモルタルおよびコソクリートをノリ面に密着さ甘,かつ所要厚さをチェックするために必要なもので・ノリ面の形状によって異なるが1m2中1∼2本を標準とする。 吹付面に多少の湧水のある場合や,湧水のおそれのある場合には水抜孔を                                     『一τx、つくり,適切な排水処理を行なうこと,また将来崩壊の原囚となる吹き残し      詠                                       ペ                                          モルタル吹付を作らないことが必要である。 1                          ¥                                        ¥                                           金網 尚,コウ配が急な場合や吹付厚の厚い場合は,滑落防止のための杭を設置     ポル「ト  N                                          ぺすることが必要である。                            X・                                           、                                  図8−7 モルタル吹付工の一例 8略 その他のノリ面工  8−6−1編 柵 工編柵工は植生が活着し,ノリ面が落ちつくまでの間に,ノリ面の土砂が流出するおそれのある場合に用いられる。 植生によってノリ面を安定させようとする場合,土質,ノリコウ配,天候,季節等の条件によっては,植物が十分発育する前に雨水等によりノリの表面が流失することがある。編柵工は,植生が十分に発育するまでの問,ノリ表面を保護するたあに用いられ,一般に図8−8に示すように,ノリ面に木杭を打ち込み,これにソダまたは竹等を編んで土留めを行なうものであう。盛土ノ身垣硅編柵を設置する場合は原則とし∫班定断面まで十分に機械転圧を行なった後に段切を行なって設置するものとする。また,この場合編は埋ころしに.するものとする。一346一o 4−2−3設計竹又はそだ松丸太、竹又はソダ.脚 σ×一ひくひc卜o0メ∬く一図8−8(a)編柵松丸太工  の  例㍉こIl図8−8(b)盛土に設置する場合,図8−8(c)切土に設置する場合8−6−2 ノリ面アンカー工 硬岩または軟岩のノリ面において・岩盤に亀裂があって崩落またははく落するおそれのある場合・ゆるい崖錐層で落石のおそれのある場合等に用いられ,現場打ちコγクリート枠工やコンクリート張工と併用する揚合が多い。 ノリ面アンカー工はコソクリート張工,擁壁またはコソクリート枠工等を併用してPC鋼材により岩盤に緊結する場合と単独に転石等を・ックボルトにより緊結する場合がある・ PC鋼材により岩盤を緊結する場合は,先ず水平ボーリングにより所定の奉岩までせん孔し,PC鋼材を挿入した後,孔中の定着域だけをグラウトする。定善部のグラウトが十分固結した後,PC鋼材に引張力を与え,残りの部分をグラウトする。          ._. ・ックボルトは削岩機により堅固な基盤までせん孔し,ボルトの先端部を固定し,モルタルをつめた後に締着する。一347一 4−2−3設計400300 一トー図8−9(a)p・cアンカーの詳細図,i囚「“・, 一   \\コンクIH張PC鋼棒  覗場打ちコンクリート枠工PC鋼棒PC鋼俸A_A図8尋(b)ノリ面アンカー工の一例   女趨_  ク・ 一蕊  定着コーン    \N  ノド現場打ち拶、ズ雑 コンクリートラ1ノ,o’ノ 『々 ンじ  !  風化解ρ  ざ             セメントミルク注入/ 君     虐一定柵定線く  薯図8−9(c)ノリ面アンカー工の一例一348一 4−2−3設計8−6−3 ノリ面蛇かご工 ノリ面に湧水があって土砂が流出するおそれのある場合,または崩壊した個所を復旧する場合・あるいは,凍上によリノリ面がはく落するおそれのある場合等に用いられる。 蛇かごは一般に護岸,橋台,橋脚の洗掘防止などに多く用いられるが,湧水の多い個所や高盛土等で沈下する個所のノリ面保護にも効果的に用いられる。 また,ノリ面蛇かごは凍上の際も変形自由であるため,崩壊することなく,寒冷地のノリ面工としても用いることがでぎる。玉石が近くに得られるところや,現場発生材を利用できれば工費も比較的低廉である。 安定上かなりの重量を必要とする場合はフトンかごを使用するとよい。 蛇かごの網は, 一般に金網が使用 されているが,最近 合成繊維網竜製造されている。図8一10(b〉 7トンかごの一例図8−10(a)蛇かごの一例参考として,蛇かごの形状および寸法の例を示すと次のとおりである。〔参考〕 (1)普通蛇かご     (3)自由かご    E=⊇コ①①狂≡≡ヨ⊃◎    P=45,60,90cm          D=45,60,90cm    L=3∼8m            π=30,40,60cm                   L=3∼8m一349一 4−2−3設計 (4)扁平かご(2)フトンかご匡ヨ巳・E=コ四L   π=40,50,60cm    P1=45,60,90cm   rニ120,180,200cm    O2=30,45,60cm   L=2∼4m     Lロ3∼8m(5)かまぼこかご     畠L整     一w」W=100cm  L=3∼6mE=45,60cm表8−10鉄 線 径 と 網 目胴線3.24.05.0中輪骨線4.05.06.0鉄線径(mm)8−6−4網 目(cm)101315コンクリ.一トブ・ック井桁工 基礎地盤が軟弱で不等沈下のおそれがある個所,また,湧水が特に多くノリ面の安定に不安がある個所等で土留を行なう場合に用いられる。 一般に部材はプレキャストコンクリートで長手部材と小口部材とを井桁状に組合わせて構築する。 各部材の接合部には鋼棒を貫通させ,セメントペーストをつめる。 井桁内の中詰は割栗石,玉石,砕石等を充填する。これはフトンかごと同様に透水性がよく,またたわみ性が大きく,いわばフレキシブルな重力擁壁といえる。 フレキシブルであること,枠の継ぎたしが容易であること,基礎の根入が少なくてすむこと,捗築が容易であること等が特徴である。一350一 4−2−3設計本線鋼棒φ19皿mコンクリー一トブロック2連式井桁ブロック擁壁1・0・・ろ。。。r1’500一一「一1500r一’0500「0o00oooo o0ooo・ヨ一oooア一0o0_{o図8−11 コンクリートブロック井桁工の一例9 落石の防止9−1適    用 落石防止工は8.ノリ面保護工を行なわない岩,又は植生を行なったレキ混り土砂および軟岩等の切土ノリ面において,風化の進行,地震豪雨等により将来,供用中の路面に落石のおそれがある場合は網,柵,その他の構造物により落石の防止を図ることが必要である。 8、ノリ面保護工のうち,コンクリートブ・ック枠工,モルタルおよびコソクリート吹付工,ブ・ック張工,石張工,並びにコンクリ=』ト張工へ準はノリ面の風化を防止するとともに落石の防止工としても適用できる工法である。 したがって,落百のおそれび)ある切土ノリ面は,上、1己の保護工も考慮に入れた上で,現地状況に最も適応した防止工を行なわなげればならない。一351一 4−2−3設計9−2落石防止網工 構築物による保護工を行なわない軟岩またはレキ混り土砂の切土ノリ面等において,雨水の洗掘等によって,レキ片等の落下が予想される個所,その他,保護を行なわない硬岩のノリ面で,将来落石のおそれのある個所に用いられる。(1) 軟岩又は硬岩の切土ノリ面において植生以外のノリ面工を行なわない個所,又はレキ混り土砂の切土ノリ面等で落石のおそれのある場合は落石防止網を設置することが望ましい・(2) 落石防止網には合成繊維網と金網とがあるが・原則として合成繊維網を用いるものとする。(3) 落石防止網はノリ面の浮石等を取り除いた後に被覆するものとする・(4)網の下端はノ 翼尻か ら1m程度上になるよ うに設置する。 〔参考〕東名においては,落石防止網の標準諸元は下記のとおりである。(1)切断強度  網   目 70kg以上    縁ロープ 1500kg以上補助・一プ’700kg以上(2)色ダークグツーン(3)網 糸30mm×30mm(4)金具その他 JIS G3101,JIS G3102に適合するもの・一一・15n15m縁凸ロープ5m一一一耐r』一5m一接続金具  、宇1拗、ワーズ .ノ メ_ンアンカ_図9−1落石防止網の一例一352一 4−2−3設 計9−3落石防止柵工 長大切土ノリ面等において,地震または集中豪雨などにより万一落石した場合に落石防止網のみでは供用中の交通に著しい影面を及ぽすものと判断される個所,また道路隣接地から転石等の落下が予想される個所等に用いられる。(1)硬岩,軟岩又はレキ混り土砂等の切土ノリ面において,切土高が14m以上であって,落石防止網だけでは 剥落又は落石のおそれのある場合は落石防止柵を設置することが望ましい。(2)柵は一般に鉄製が用いられ,柵の支柱間はアンカーしたワイヤー・一プ,金網又は鋼材等で連結する。(3)設置位置は原則として第1小段とし,必要に応じて上部小段にも設置する。(4)土 砂が混合七て落下する場合ばコツク リ一トの壁を設けrぞの上 部に柵を設置オる。 一(5)落下高の高い場合や落石量が多いと予想される場合は緩衝用の平場を設けるとか,落石防止擁壁を設けると よいo一†一一3・0。σ一寸一2・000「回回oo目o一巾り圏囹ooひ 』■ o■ 一ウ・ ・oo葦こ,H  O上一図9−2(a)落石防止柵の一例(コンクり一卜擁壁上)一3・000一一rw    、講  1、 「Z 二ニコ 丁/ノzz’   \  \『:ρ    瀞』撤・爪01 11...’ 1−P,怯評∠ 』o一ご 口1ゲ.陰』1卜1.1し_2』__」■ o  −   ■■図9−2(b)落石防止柵の一例(小段上)一353一一 ・り’」睡1 4−2−3設計9−4落石 覆工 落石の規模が大きくて落石防止柵などでは防げない場合,また落下高が高くて柵などではそれらの上を落石が飛びこすおそれのある場合・落石の径が大きく,斜面が急な場合等に用いられるo一354一 4−2−4国鉄土4−2−4〔Nα11−1 日本国有鉄道,土木工事標準示方書〕2−2一(8)硬岩ズリを用いた盛土ノリ面は,原則として岩座張りとする。〔施工の手引〕 ノリ面の近くに粒径の大きなズリがあると,ノリ面の施工に支障するので,ノリ面から1mの範囲の盛土本体には,粒径30cm以上のズリは使用しないこと。一355一 4−2−5河川技4−2−5〔Nα1 河川砂防技術基準〕1,3 護  岸  工 1.3.1 コンクリートむよぴ練り積み護岸工の構造 (1)ノリコウ配 漢流においては通常5分とするが,特に急を要する所では3分ぐらい,また流送砂レキが砂利以下の場合は1割までゆるやかにする。(2)ノ  リ  面(イ)コンクリート護岸は型わくを用いて平滑に仕上げるのであるが,その表面にこう子型あ るいは段状にみぞを設け,あるいは玉石をノリ面に使用するとよい。(ロ)練り石積み護岸のノリ面には通常間知石,割石,雑割石,野づら石を使用する。0以上のほかにコンクリートブロ,ソクを用いてノリ面を仕上げることもある・  〔解 説〕  漢流における高水中には砂レキを含むのが通常であるから,護岸工のノリコウ配がゆるやかで  あると,ノリ面の下部が摩耗あるいは破損されやすい。よってノリコウ配は5分を標準として, できるだけ急にするのであるが,砂程度のものが流送される所の護岸ノリ覆などは1割を限度と  してゆるやかにしてもさしつかえない。上述の理由で,ノリ面には石積みが望ましいのであるが・ 石材の乏しい場所では石積みは高価につくから,コンクリート仕上げとするのはやむをえないが, 表面を平滑に仕上げると流水を導きやすい欠点があるから,ノリ面を格子型あるいは段状にみぞ を設けたり,また玉石を型わくがわりに使用するのがよいのである。ノリ面のつき立てコンクリ ートブロックを用いるのは,この目的に沿うとともに,施工が楽になる場合が多い。2.2・山腹階段工 22.1 山腹石積み工 (1)高さむよびンリコウ配             「6)から石積みの場合1高さは2mを標準と」ノリコウ配は5分声り急にしてはならな吟。←)練り積みの場合 高さは3m,ノリコウ配は4分をそれぞれ標準とする・一356一 4−2‘5河川技(2)施    工 臼)基   礎基礎はできる限砂地山に根入れし基礎土台は用いない・(・)築   石 から石積み冷よぴ練り積みともに上部より転石の落下するおそれのある個所では,築石てんぱを少なくとも50cm以上折り曲げ施工することが肝要である。 から石積みの場合は,1.3.2(IX4)に準ずる。練亨石積みの場合は丁胴込め 江7クリ こトtずる。 裏込めレキについては,1.3.1(4)に準ずる。22中腹階段工 2,2.4積石工(1)階段上に15∼20cmの犬走りを残し,20cm内外の石を用いて,ノリコウ配3∼4分につ翫て・裏込め砂利を入れて背後蹴土するもの㊥るカ1・鰹即5∼L伽とす るo(2)階段の間隔,階段の切付け,齢よび肥料わらのふせ込みは積苗工に準ずる。 〔解 説〕 本工は切り芝に乏しく石材の豊富な個所に用い,構造は堅固であるが雨水の保有に適しないか ら,植栽苗木の生長は概して良好でない・22.5編サクエ          「 1(1)クイを長さのなかぱ以上地中に打込み,これをそだで編み,その後に発芽性の立てそだを し,その背後に盛り土する。クイ間の距離は0.5∼1,0mとナる。(2)階段の間隔および切付けならびに肥料わらのふせ込みは積苗工に準ずる・〔解 説〕本工はクイサクエとも称し,石材および山芝に乏しくかつ土砂切取り面の地中にクイを打込み得る場合に用いられるもΦで,段積みとしては施工不可能である。地中ヘクイを打込む深さ,したがってクイの長さは,ノリ面コウ配の緩急および土質の軟硬によって決定すべきものである。一357r一 4−2−5河川技2,4 谷止 め 工 2.4,1練り石積み冷よび粗石コンクリート谷止め工(D 1,1を取捨して参照、する。(2)断面は土圧計算によってさしつかえない場合が多い。(3》水抜きは十分に設けるよう,特に注意を要する・2,4。2 から石積み谷止め工(1)下流ノリコウ配は1割を標準とすることが望ましく,特に控えの大なる石材を用いない限り,ノリ を立てるこ とは危険 であるσ(2)てんぱには特、⊂大なる石材を用い,上流ノリ面も石積みを施すことが望ましい。(3)中込めレキは大小取抄交ぜ緊密に詰込まなければならない。(4)基礎は十分根入れし,基礎土台は堅固に施工することが必要で,はしご土台よ匂簡略なも のを用いてはならない。(5)その他は1.3.2に準ずる。2・4・3 編サク谷止め工(1}クイは長さ2∼3m,末口10cm以上の松丸太を用いるのが普通で,長さの半ぱ以上を 埋込み間隔は50cm内外とする。(2〉そだはほう芽力の強いものを用いる・(3)クイの地上高は1。5mを限度とし,あらかじめ上流側に土盛りをするものとする。(4)施工現場の状態に応じて,数列のあみしがらとする。排  水  工2.5(2)石張り水路6)石張りには十分目つぶし砂利を施すことを要する。(・)特に水密あるいは強度を要する場合は,胴込めコンクリートの練り張りとするが,この場 合に水路延長が長ければ帯工を設け,適当に区切らなければならない。の 石張り水路工が山腹石積み工によって切断される場合は,山腹石積み工のてんぱを水路の 断面形に切取って取付ける。一358一 4−2−5河川技←)のの場合,山腹石積み工下部に冷ける水路は水の跳躍による越水を避けるため,断面をひ ろげて取付けることに注意しなけれぱならない。㈱ 一般に山腹水路工は雨水を十分流し得るよう断面の大きさを定め,水路はできる限り直線 に設けるとともに,コウ配の変化を避け,屈曲部においては外壁を高めることが肝要である。一359一 4−2−6土地改4−2−6〔Nα4−1 土地改良事業計画設計基準〕4・3・7 上流斜面の保護第58条 堤体の上流斜面には,捨石などをほどこし,波浪によって堤体が侵食されたり, 貯水位急低下時に堤体材料が流出しないよう,保護しなけれぽならない。〔解説〕 (1) 必 要 性  波浪による侵食作用は,ほぼ満水位で暴風雨という,ごくまれな場合に起るものである。したがって, 急斜面で完全飽和の悪材料を使ったような場合を除いては,全く防護工がなくても,欠壊するほどの侵 食をうけるには,かなりの長年月を要するから,それほど重大な問題ではないとの説もある・しかし従 来から,初期の風雨,霜柱などによるガリ侵食に対する修理を少なくするため,または心理的な理由か らも・斜面防護工は慣習のように行われており,また老朽ダムでも,堤体の侵食をうけている例は少な くない。ただし,大ダムの場合には,築堤工費の10%以上を占めることもめずらしくないので比較設 計をやる価値は十分にある。防災ダムでは,年中ほとんどカラの場合が多いので,上流斜面の防護工は一 必ずしも必要ではなく,また上水道用やファームボソドなどでは小さいので,ダムのやや上流に流木ヨ ケか,ケーブルを張っておくだけでも十分であろう。(2) これまで材料は主として,捨石,張石,ブロック,鉄筋コソクリートなどが用いられ,最近ではア スファルト,ソイルセメソトなどが開発されつつあるが,実績によると,ダンプ捨石が最良である。そ の理由としては,①堤体が沈下しても破壊せぬこと,②波がはい上がらないので余裕高が少なくてすむ こと・③水圧に対、しても強いこと,④安価であることなどがあげられる・岩質としては,コンクリート 骨材としての試験に合格するようなものが理想的であるが,もっと軟岩であっても乾湿繰返し温度変化 に対して壊れたり軟化しないものなら十分である。これらの適否は,現場におけるその岩石の自然露出 状態を観察することによって判定でぎる。火成岩,変成岩,硬砂岩,硬石灰岩などはよいが,ケッ岩は 風化するとダメになる。余水吐掘削岩などを流用できれば経済的である。ブロックを使用する場合には 表面のなめらかなものより,おうとつのあるものの方がよい。  〔参考〕 アメリカ陸軍土木部が完工後5∼50年になる100個のダムの上流防護について調査したと   ころ,失敗率は次のとおり                ・     捨   一石…………5% 失   敗    {     張   石…………30劣  ”     コンクリート…………36%  ”(3)捨石の大きさと厚さ  個々の石が波浪によって動かぬこと・堤体の土粒子が吸出し作用によって流出せぬことが二つの条件 である。アメリカ陸軍土木部では,波高の関数として,表一4。12のような基準をきめている。この表の使用にあたっては次のような点に留意しなけれぼならない。①捨石材料は比重2・6・P5・×1・5を最大粒径とし・2・5cm以下の粒子まで含む粒度配合のよい材料で あることを標準としている。したがってこれより劣る材料については・さらに捨石厚さに安全を見込む。②内部の築堤材料が,粘土から粗粒子までを含む粒度配合のよい場合を基準としているので,シルト質などのときには,フィルター厚さを大きくする。③上流斜面コウ配が5割より緩な場合は,この数字より少なくてもよく,10,割より緩な場合,または大ダムでも下方では捨石平均径15cmの粒度配合のよい材料で・30cm層厚とすれば十分である・④アメリカのカγガイ,防災兼用ダムでは,捨石厚さが下方90cm,上方60cmになっている。防災専用ダムでは,層厚はもっと薄くてよい。一360一 4−2−6土地改表一4.12 斜面捨石工の寸法と厚さ波高(m) 段甜欝牒尖*髄)臨イ(編  上琉斜面150 ∼0.625300.6∼1、23045151,2∼1,83860231,8∼2,44575232.4∼3.0529030寧捨石の最大粒径よりも大で,(D図xL5)より大であること.(アメ リカ陸軍土木部)   ケ砺纏r笏 ..,、.一       %場『          4  図一4。42 捨石不十分のときの侵食状態(4) 波返し,砕波の目的で,斜面上部に階段をとりつけた例(アメリカSutherland Dam)では,10∼ 13mの高さまで,シブキがあがって,下流斜面や道路をぬらして不成功だった。これに対し,バラペ一ヲ ト に背面曲線を与之了 波をはね返す よ うな形}ξした場合にはr成 功 した。日 本窓古来行 われて いる よう な,頂部だけを急傾斜面にした場合,砕波の効用がどの程度あるかは疑わしい・(5) 地山との取付部から池水の侵入を許さないよう,保護工を地山と接着部に十分くいこませなけれぱ ならない。一361一 4−2−7捨集4−2−7〔Nα7 捨石集積場建設基準〕 6.土留施設および土留エ事  (ノリ面保護工)    1,ボタ流出の甚しいボタ山については,クイ棚工,砂防造林その他のノリ面保護工を行なう    ものとする。    (ノリ切工)   2 崩壊,地スペリを生ずるむそれのあるボタ山については必要に応じ,ノリ切工を行なうも    のとするo _   _ ノ,リL切工事を行な覧場合の勉∠リ面傾斜は250以下とし,ノリ面の高さ1g』と盆O mごとに小段を設けること。一362一 4−2−8国鉄構4−2−8〔Na11−3土構造物の設計施工指針傑》〕(構築物によるノリ面防護工の適用範囲と種別)第38条 ノリ面が植生工の不適な場合で,風化または湧水によって崩壊のおそれがある時は,割石空張り, 割石練張り,プ・ック張,張コンクリートモルタル吹付又はコンクリート吹付等によって保護する。〔解説〕 ノリ面に湧水のある場合は,その部分のみ空張りとし,他に導水する工法か,または適当な方法によ って処置しなけれぱならない。(割石空積みまたはブ・ック張り)第39条湧水が浸出するノリ面には割石による空張りまたは透水性のブ・ック張匂を用いる。〔解説〕 空張りはこう配8分以上のゆるいノリ面で3m以下の高さにとどめるのがよい。相当湧zkがあってもフィルターを用い適当な施工をすれば張石のみでもよいが,多量に湧水があるところは盲こう等によって排水するのがよい。(割石練張りまたはコンクリート)第40条軟岩またはしまった土質で湧水はないが風化のおそれがあ匂,または目が多く崩落のかそれのあ るノリ面には割石練積みまたは張コンクリートを用いる。〔解説〕 この場合,地山のゆるんだ所は十分に取除いて施工する。またノリ面に多少の凹凸があっても地山の形にならって張り,地山とコンクリートの密着をはかるのがよい。  コンクリートの厚さは15∼20cmを標準とし,凍結する地方では厚くした方がよい。 練張りには石の種類によって玉石練張り,雑石練張ウがあるが,玉石練張りは失敗した例が多いので,なるべく用いない方がよい。 練張りまたは張コンクリートは湧水の無いところに用いるが水が裏面にまわることもあるので必要に応じて 3∼5m2に1ケ所水抜きを設けてかく方がよい。また気温の影響を受けやすいので,5∼6m間隔位に伸縮目地を設ける。目地には四分板またはアスファルトを用いる。 練張りまたは張コンクリートの天端は地表を伝ってくる水が裏にまわらないよう図2−5−1のように縁端をくい込ませるとよい。土質が火山灰のようなところは風化によってすべり易いので,すべり止めの段,または足付とするのがよく・根止めには小さいよう壁を用いる。   一_、図2−5−1一363一 4−2−8国鉄構(モルタル吹付またはコンクリート吹付)第41条軟岩または,目の多い硬岩で風化はく離のおそれがあって,湧水の無いノリ面ではモルタル吹付, またはコンクリート吹付を用いてもよい。〔解説〕 モルタル吹付は過去にかいては,特に寒冷地では失敗した例が多い。これは地山ノリ面が整理不十分であったり,吹付表面が粗となるので雨水等の停滞することが多く,凍害を受けるためと考えられる。  しかし,余り凍害のかそれのないととろでは,地山の整理を十分行ない,ていねいな施工をすれぱ安価で容易に施工できるので十分利用の途は考えられる・ コンクリート吹付は形枠を要せず,足場のみで安易に施工できるのが利点である。またノリ面は浮石を落せぱよく,ノリ面に凹凸のあることは差支えない。従って張リコンクリートの代用となる場合もある。 モルタル吹付の厚さは3cmを標準とし,コンクリート吹付は10cmを標準とする・(格子枠コンクリート)第42条部分的崩落,肌落ち等が考えられ,植生のみでは安定しにくいノリ面,部分的に湧水等があり, 植生,切石空張りその他を併用するなどノリ面を細分すれば安定を保つと考えられるノリ面にはコンクリ ートまたは鉄筋コンクリート格子枠を用いる。〔解説〕 軟岩または風化等でそのままで植生に不適なノリ面でも,格子枠を用い,その中に客土をすることによって植生を行なうこともできる。また湧水のあるノリ面,高いノリ面等でも格子枠を用いることにより,ノ リ面を細分できるので張石を行なうこともできる・ 格子枠はノリ面にそってすべるむそれのあるところでは格点に足をつけるか,または横格子のみを深くしてすべり止めとする。 格子枠の根止めには張コンクリートと同様な小さいよう壁を用いるとよい。 図2−5−2は施工の1例である・                           20                           H                           臼                  Φ       I l             .義漁鉦一ニニニニil;ニー一=郭一            7/                           1  300           乙/                           口   8         .穿                           上L】____H_____Lド_       汐憾織位一一瀧一一一一一一一一一1]”図2−5−2一364一 4−2−8国鉄構(落石防止工)第43条 落石のおそれあるところには,適当な落石防止設備を設けなけれぱならな嬬〔解説〕 落下のむそれある浮石には根固めコンクリートを施工する。落下のおそれのある浮石はなるべく落してしまう方がよいが,それが原因となって次々と落下をさそう場合,落とすと人家等があって危険な場合,あるいは落すには余りに巨大なものに対しては根固めコンクリートを施工してこれを防止する。 落石のむそれのあるところは落石防止柵を設ける。 落石のある斜面と線路との間に余地のある場合は落石防止土堤を設けることがよく,効果的なことがある。 またさらに落石の規模が大きくなれぱ,落石止よう壁,落石覆等を状況に応じて設けなけれぱならない。 上記は落下して来た土石を受ける方法であるが,それ以前に落下を最小限にするために斜面に金網を張付けたり土砂防止林を植生する方法もある。一365一
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  • タイトル
  • 5 斜面の安定
  • 著者
  • 設計施工基準集編集委員会
  • 出版
  • 委員会関連資料
  • ページ
  • 366〜444
  • 発行
  • 1973/09/01
  • 文書ID
  • 57745
  • 内容
  • 5−1−1道 技            5 斜 面 の 安 定5−1 安定計算法 5−1−1〔Nα3 道路技術基準〕 (参考) ノリ面の安定計算法 ノリ面の安定計算には,普通よく知られているように図一24の   ように中心0なる円弧スペリ面を仮定し,計算に便利なようにこのスベリ面から上を幾つかの   垂直な部分に分け,つぎの式によってスペリ面の安全率丹を計算する。                                0Tlr     遡撫晦φ  嶋.α到       0のまわりの抵抗力のモーメントの和   聖9のまわ鯵崩懸る力のモニ!と碑                            H’惜                          図一24ノリ面の安定計算法    ただし,0は土の粘着力,φは内部摩擦角でいずれもセン断試験から得られる数値であり,   その他の符号はつぎの通りである。    丑:ノリの高さ    」:垂直部分で切取られたスベリ面の円弧長    玖:円上の土の重量    α=円弧に対する弦の水平面に対する角   ノリ面の安定性は上式で得られた尋からつぎのように判定する。    鳳 L O以下    不安定      1.0∼1.2   不確実      1.3∼1、4 安定    以上のような検定を幾つかの仮想スベリ面について繰返して安定を確認する。    ただし特に滑ウやすい平面が存在する場合には円弧スベリ面の仮定は成立しない。    摩擦力のないノリ面では図一25を,内部摩擦角φ一〇でないノリ面では図一26を利用し   て安定係数馬を求め,次式によってノリ面の限界高さ葛を求めることができる。            o        瑞=罵一            7    ここに 罵:安定係数       o :土の粘着力(L/㎡)       γ :土の単位体積重量(t/m3)一366一 5−1−1道技                                       17’ ただし図一25の耽は築堤の高さ17に対する築堤上面から基礎上面までの深さ17’の比(一),                                       丑図一26のφは土の内部摩擦角である。図一25において傾斜角530までは最も不利な円弧スベリ面(臨界円)がノリ先を通り,ハッチ部から上の範囲では臨界円はノリ面に交わり,ハッチ部では臨界円がノリ先を通り,ハッチ部から下の範囲では底部崩壊が起こる。図一24の場合はすべて臨界円はノリ先を通る。11∼’ガガノ∼7ノ9皇ノ’ノノ,/ 躍1弓’ノ,ノ淫7∼’/’圭一一  6’60。一一一早ぷ ’ノ 碁8   7   6   5   4  3卦8自睾ノ島 ’100琶髭。。53。543.85390。   800    70060     50。   40。   30020。    10。    0。傾斜角’(ノリ面コウ配) 図一2.5 12偽〃妓oo㌧〃㎏雛独〃独 10剣・9り∼〃N 11些8蚕7振68=5 揮¢52  5  43.85  3  90。 80。  70  60。  50。  400  300  20。 100  0。Φ”  傾斜角ご(ノリ面コウ配)    図一26一367一 5−1−2設一計5−1−2〔Na13設計要領〕7,盛土および切土の安定の検討7−1適    用 本章では盛土および切土の安定検討を安定計算によって行なう場合の計算の方法,安定計算におけるセソ断強さのとり方,セン断強さを求める際の土質試験の方法および条件等についてのべる・ 安定の検討にあたっては,安定計算による安全率のみで判断するこ.となく,対象となる道路に関する周辺の既往の資料,災害の状況(原因,規模,復旧対策)等の調査資料を参考にしなければならない。 次に施工中および将来起る恐れのある障害(道路自体の破壊それが周辺に与える影響,人身への被害,復旧対策費の大きさ等)を考慮することも安定の検討に含まれる・また重要度の高い盛土および切土に対しては地震時を考慮した安定の検討を行なうことが望ましい。 安定の検討にはいろいろな条件が包含されていて,非常に重要かつ困難な問題である・ 安定の検討が単に安定計算のみによって解決できれぼ問潭ないが,現状においては大変困難なことである・現在の安定計算では例えいくら精密な土質試験を行なったとしても,なお多くの仮定,未解決の不確定要素が数多く含まれている。 これらのことから安全率の計算がそのまま安定の検討であると考えることは早計であり,安定計算はあくまでも安定の検討の一手段として取扱っていくべきものであろう。 そこで在来の資料の収集,整理その解析を行なうことが重要なことであり,さらに試験法の開発進歩が今後の安定の検討に際してきわめて有益なこととなり,経済的,合理的設計の確立をはかる必要がある。 以上のことを考え今後も常にこれらのことを考慮しつつ現地資料の収集には特に留意し設計施工をすることを望むところである。7−2 安定の検討を必要とする盛土および切土安定の検討が必要であると考えられるものには次のような場合がある。表7−1安定の検討を必要とする盛土,切土安.安定の検討を必要とする盛土1.破壊した場合,既設構造物への被害,人的被害が定り挺討を必要とする切土1,破壊した場合,既設構造物への被害,人的被害が大きく,復旧費が大きくなることが予想される場合大ぎく,復旧費が大きくなることが予想される場合2.主要道路,鉄道等が隣接する場合2,現在までに地スベリや山腹崩壊の履歴があり,不3,現在までに地スベリや山崩れを起したことのある3.表5−1に示す規準を外れる切土を計画する場合安定な状態にある地盤の場合地盤,その他不安定な地盤上に盛土をする場合(経験が少ない長大ノリ面等)一368一 5−1−2設計4,河川・池等の氾濫によって冠水することがある地 4.崖錐や透水性の土層と岩盤との境界面が急傾斜に  なった個所で,その傾斜と同一方向にノリを切った 域に盛土する場合  場合5.表4−1に示す規準を外れる盛土を計画する場合 5.地下水位が高く,湧水が多い個所 (経験が少ない高盛土等) 6,キレツの多い地層の傾斜が,切取り面と同一方向  になっている場合(特に貢岩,粘板巻石墨片岩等6,ノリ面コウ配が標準値の盛土高に対応するコウ配 より急にする必要がある場合  の互層) 7,蛇紋岩,頁岩,粘板岩,輝緑岩,緑色片岩,角閃7,地形条件によって水の盛土内への浸透が多い場合 (片切・片盛,腹付け盛土,斜面盛土,谷間を盛土  岩等の変質しやすい岩よりなる場合 で渡る場合等)8,急速に盛土するrと安定上不安があ る と思われ る場一8r軟かい粘土r鏡肌や毛状亀裂を持っ・た硬い粘土の  場合 合 9,掘削後の風化の進行がはやい岩(第三紀泥岩,頁9,盛土材が高含水比の粘土,粘性土よりなる場合, および粗粒と細粒の中間のシルトのような粒度組成  岩,凝灰岩等) を持つ場合10.軟弱地盤上に盛土する場合 10,断層または断層の影響を受けている地層  (11.軟弱地盤上の盛土参照) 11,周辺の既設工作物(例えば鉄塔等)に悪影響をお  よぽすことが予想される場合 安定計算による安定の検討は,次のような条件の場合に行なうものとする。一(1)盛土の場合  表7−1に該当する盛土については原則として安定計算による安定の検討を行なう。(2)切土の場合  自然の地山は極めて複雑で不均質な性質をもつ場合が多いため,切土の安定を理論的に検討してノリ面勾配 を決めうることは非常に少ない。ただし次のような条件が満たされる場合には安定計算による安定の検討を行 なうことができるo (a)地質調査を行なって地山の成層状態が判明し,ノリ面を構成する土質が比較的均質で,単純な地質構造を  呈していることo (b)土質試験(単位体積重量測定,室内力学試験,原位置試験)’が可能な場合・一…一 (c)付近の状況等から判断し,過去のスベリ面がわかっている場合。一369一 5−1−2設 計 7−4安定 計算  7−4−1 安定計算の進め方盛土および切土の安定検討の進め方は,一般に下記の順序にしたがって行なうものとする。(1) 盛土の場合瞬調査H土質試験H安定剣     一〇表7−1の照合を行ない主として次の検討を行なう          (表7−1)予備調査一L(.基礎地盤の賄.安定計算の必要性の判定)  (1トト2)土質試馨{灘醤麟灘甕1る       検討の上次のセソ断試験を実施}る(74−3)      (i離i撫撫掲))     一〇テイラーの安定図表による安定計算安定検討一一〇テンショソクラックを考慮した単一円弧スベリ面法による安定計算     一〇安全率の検討(2)(7−4−3)(7−4−3)(7−3) 切土の場合塵調査卜一1概略試験H概略検討日詳細試験一塵劃     一〇表7−2の照合を行ない主として次の検討を行なう予備調査一     一(綴計鶴繹陛吉藩繭鯉雑カミ予想されるか否か)     ro切土地山の単位体積重量を求める(表7−1)(表2−8)     ro切土地山のセン断強さを求める概略試験一 検討の上次の試験を実施する     催懸臨 )     一〇テイラーの安定図表による安定計算概略検討一 〇詳細検討の必要性の判定.一(安全率の検討)(7−4−3)(7−4−2)(”)(〃)(7−4−3)..(、広一)_.(7−3)−O切土地山のセン断強さを求める 検討の上次の試験を実施する(7−4−3)詳細試験一一(澱盤蓼騨試甲)               一370一(7−4−2)(7’) 5−1−2設 計詳細酬二灘磁ラツクを考慮した単 スベリ よる安 :1二ζ317−4−2 セン断強さの求め方(1)土質試験の方法・条件  安定計算を行なう盛土および切土地山のセソ断強さは,現場において茅想される試料の状態(含水比, 密度,飽和度,乱され方)を考慮してセソ断試験を行ない,求めるものとする。  盛土材,切土地山材に対するセン断試験の条件および種類は表7−2の通りとする。… … 表 7−2∼セ ン断試験の条件お よ び種、類切 土 地  山 材盛    土   材乱されない試料乱され方(又は状態)突き固めた試料試験前含水 比現場で予想される含水比セ ン 断 試 験 _自然含水比一軸圧縮試験・非排水三軸圧縮試験圧密非排水三軸圧縮試験一軸圧縮試験・圧密非排水三軸圧縮試験   (膨潤吸水試験)非排水三軸圧縮試験注) 盛土材および切土地山材が粗種土であり,セン断試験が行なえない場合は表2−4および表2−9の値を採用するこ とができる。(1)一軸圧縮試験および三軸圧縮試験用試料および供試体は・現場において予想される試榊撫(含水比,密度,飽和度,乱され方)で作成するこ志が望ましいが,予想がむずかしい場合には表7−3の要領で供試体を作成するものとする。(a)試験用試料の含水比,密度,突き固め回数表7−3試料の含水比,密度,突き固め回数密度で管理する土含 水 比密   度ωπ<ω0餌の土”』蜘>ψ粥の土・!材土盛飽和土あるいは空気間ゲキ率で管理する土切土地山材oo躍OPむω7』”π”躍μKODAN A1210にょるr¢maxの90%突き固め回数KODAN A1210により10,25,56回乱されない試料突き固める注1) 霊〃。p‘とはKODAN A1210土の突き固め試験法による最適含水比,8妬とは自然含水比。注2) 一軸圧縮試験用試料の含水比・密度,突固め回数は三軸非排水試験の条件に準ずる6注3) 密度で管理する土としては・例えば砂質土等がある・飽和度あういは空氣間ゲキ率で管理する土としては例えば関東ロ ームや粘土等があるo一371一 5−1−2設 計(b)供試体寸法と許容最大粒径  一般に供試体寸法と許容最大粒径との関係は表7−4のようにいわれている。表7−4供試体寸法と許容最大粒径供  試  体  寸  法直径P高許容最大粒径さ1)<100mmのとき,2・0∼2・5PP15注1)土のセソ断強さは供試体直径の大小や直径と高さの比の大小によって 異なるので試験報告には,必ずこれを書いておくこと。注2) 試料は突き固めによる粒度の変化,こねかえしの影響がでるので,繰 返えして使用することは避けることo注3) 許容最大粒径以上の土粒子を含む土はこれを取除くものとするが,多 量に含むものは表7−5の値を代用した方が良い・(c)供試体の整形 臼)砂質土については,マイターボックスに直接,表7−3に規定する含水比で所定の密度を得るように突き  固めてつくる。この場合三層に分けて突き固め,各層の継目は密着をよくするため薄く削っておく。また  マイターボックスに突き固めて試料をつくる場合・正しく表7−3に規定するような密度に突き固めること  は難かしいと思われるが,少なくとも同一試料については同じ密度になるようにしなければならない。 (・)粘土および粘性土でクラックや試料端の破損を起さないような試料は,モールドからシンウォールチュ  ーブで静的に抜取るかあるいはモールドから押出した試料をトリマーワイヤーソーで整形してつくる。(2)一軸圧縮試験  一軸圧縮試験は粘土および粘性土に適用される試験である。この試験による破壊時の軸方向応力をg鵬で表 わし,これを一軸圧縮強さという。  試験はJIS A1216r土の一軸圧縮試験方法」に準じて行ない,ヒズミ制御法で行なう・(3)三軸圧縮試験  三軸圧縮試験とは,円筒形供試体を圧縮室に設置し,これにゴム膜を介して等方一定圧力を加え,さらに外 部的に軸応力を加えて供試体を圧縮破壊させる試験である。  この場合の土のセン断強さは試験時の排水条件により次の三つの方法がある。 (a)非排水試験(U試験l Undrain Test)   土の間ゲキ水に含まれる水分が排出されないようにして供試体に外圧を加え,圧縮試験中も供試体への水  の出入をゆるさない方法である。 (b)圧密非排水試験(CU試験l Consolidated Undrain Test)   ある一定の圧力のもとで完全に圧密し,その後非排水の条件下でセソ断する。この方法ではU試験に比べ  てセン断強さが増大する。(e)圧密排水試験(D試験,またはCD試験l Drain Test,Consolidated Drain Test)一372一 5−1−2設計   ある一定圧力の下で完全に圧密し,その後間ゲキ圧が生じないよう供試体からの水の出入をゆるした状態  でセン断試験を行なう。・                』 二     注1) この試験方法は一般に最も大きな土のセン断強度を与えるが・試験に長時聞を要するので}般にはあまり行なわ      れないo     注2)本要領ではD試験の代用としてCU試験中に闇ゲキ圧を測定するものだする。(4)三軸圧縮試験において,供試体のセン断面に働らく全垂直応力σとセゾ断応力τめ関係(理想化したもの) を図7−1に示す・ただし試料は完全に飽和した粘土と仮定する・                              盈              i                Cl粘着力(kg/cm∼)・ 義/              9                 φ 擦角(度)ゾ寮燕養⑳              瞳                     .乃菰護侮)づト調卜呆              応              力           τ(kg/cm2)                                  .  −  /      φu=o           一                   .−   /                ./                   /!!           晦                  //、!_一        /一一『』=’,=ミ!=                 //                〃/                        Pc全垂直応力σ(㎏/cm2)一                図7司 全垂直応力とセン断応力との関係(5)一軸圧縮試験を行なわない場合,粘性土については盛土材の場合,σc,CBR値,切土地山材の場合,σσ,N 値,ノ〉鋤(砿”)値によってg“を推定することもある。(図7−2∼図7−5参照)(2),盛土および切土のセγ断強さの求め方  盛土および切土のセソ断強さは,、原則として一勒圧縮試験,.三軸圧縮試験より求めるものとする。(土質試 験の方法および条件については前節7−4−2(1)参照) (a)一軸圧縮試験によるセン断強さ   粘性土の場合,一軸圧縮試験によるセン断強さはその粘着力に等しいものとずる。        1     s=o=一9鮎…………・・一…………・…・・…一…一…・一…一………・……℃…………式7−2        2      s:セソ断強さ(kg/cm2)      c:粘着力(kg/cm2)      吼、;一軸圧縮強さ(kg/cm2) (b)三軸圧縮試験によるセン断強さ  α)粘性土,砂質土をとわず, 原則としてセン断強さは非排水三軸圧縮試験を行塗って得た強度常数6,呂,φ。,   または圧密非排水三軸圧縮試験を行なって得た強度常数‘σu,φ側から次式によりセン断強さを求めるも   のとする。           s=oμ十σtanφ鎚………・……………一…9……・・…………・・……・…………式7−3           3=‘c“+σtanφ側…一一…■9……………………………・…一・………一式7−4          σ=セン断面に対する垂直応力(kg/cm2)一373一 5−1−2設計 (・)盛土および切土内に湧水,浸透水などにより高い間ゲキ水圧が発生する場合は,セン断中に間ゲキ水圧  を測定しながら行なった圧密非排水三軸圧縮試験より,強度常数‘’,φ’を求め次式によりセン断強さを 求めるものとする。    s=6’+σ’tanφ〆………o’…’……’………9……………”…’。………’………’………一…式7−5    σ’=(σ一銘)3セソ断面に対する有効垂直応力(kg/cm2)    σ:セン断面に対する全垂直応力(kg/cm2)    躍間ゲキ水圧(kg/cm2)(e)盛土および切土地山材が粗粒土でありセソ断試験が行なえない場合は,表7遍の値を採用する事ができる。表7−5砂およぴ砂利のセン断強さ状材料の種類締 固 め た  も の砂利および砂利混り砂砂態締固めたもの内部マ墾ツ角(度)粘着カ (t/m2)40000粒度分布の良いもの35粒度分布の悪いもの30(7)一軸圧縮試験結果がなくて,概略の計算を行ないたい場合には,4c,ハζ5”,四5ψ,CBR,N値から伽の値を推定することがでぎる。(a)g。値より伽を推定する場合 6)洪積粘土の場合(図7−2参照)    4c≦4の場合は,乳=0.2色……・…”………………一………●………’。…●………・…式7−6(a)    4〈gσ<20の場合は,g邑‘=0,1gσ…一 …”……………0…………”……’………一・…式’7−6(b)一374一 5−1−2 設  言十LL(%)82850∼ケ4≧75≦50大阪層0μ〆古ビワ湖層●〆ノダ4       0242〃20qc(kB/cm2)qu=0.1唖c〃616 ノ./  ノ   212グ議8 ●μグ4ダ 濡’4qu=0、2qc0戸遺   0.4  0.8  1.2  1。6  2,0  2.4        qu(kg/cm2)一一一図7−2 コーン指数%と一軸圧繊強さ偽の関係(洪積粘土)@ 関東ロームの場合(図7−3参照)一式7−6(e)   9c≦2の場合は,9u=0.125σG…一…式7−6(d)   2<4cく12の場合は,躯≡0.09gい一375一 5−1−2設計       ぴ.魂!ζO12◎◎   9・曾逐・.口、 lm◎0     藩0りじ0lkF一ぐm2)        ロ8劇・       ロ     ー◎          ・ロ 0●     口 0一6o春日町ローム     .響σ×x・◎成田ローム●水戸ローム1△水戸ロームII4▲水戸ロームm×清瀬ロームロ愛甲ローム20+愛鷹ローム声解0.20.60。410,81。01.2              rulkg/cm2)、一一一P図7−3 コーン指数(g,〉と一軸圧縮強さ(偽)の関係(関東ローム)(b)スウェーデン式サウンディングのπ働,1〉脚値より㊨を推定する場合  粘性土の場合(図7−4参照)    W働≦1GOの場合,g量FO.0045Ws萱δ…”一式7−7(a)    四sψ>100の場合,伽=0.45+0.0075ノ〉sψ 一………一…一………一一式7−7(b)  ただし,ΨVs炉載荷重(貫入に要した荷重)(kg)     ハ砺1100kg載荷後の1m貫入に要した半回転数(回)一376一 5−1−2設 計一X−X−Wsw,Ns・蛯qoの関係メ’一”一”一分布範囲lL2、デ歪LO暮o.8福菖0,6一σ0.4 0.2一必,  0 25 50 75 10025 50 75100125150(回〉  Wsw(kB・cm2)一一1一一Nsw(回)一一    図7−4 }7脚,1V脚と飾との関係(c)標準貫入試験の評値より卯を推定する場合     シルト質粘土の場合,伽=0。1+0,15N,(福岡氏による)一……     粘土(N<10)の場合,躯=0.2+0.15/V,(福岡氏による)一………………・・式7−8(a)・・式7−8(b)     粘性土の場合,伽=0,1+0,14亙,(試験所)(東名,名神データ(チュウ積層)一・式7−8(c)     洪積粘土の場合,伽=ノVノ・4,且=5∼6,(稲田氏による)・式 7−8(d)(d)CBR値より伽を推定する場合  ・一ムの場合(図7−5参照)・式7−9     CBRく10の場合σ“=0.225CBRとなる……一……2.5㌔2,0//望びメ一1,5享蔦//・●//存当1.o/」xxx痴濡5田0・5ノ響//  00    510CBR(舌Lさない試料)%●東北ローム(岩・手県北部)X関束ローム(箱振ン図7−5 CBRとgμの関係(土質工学会土質試験法)一377一 5−1−2設・計(2)三軸圧縮試験ができないとぎ,または三軸圧縮試験結果が無くて,概略の安定計算を行ないたい場合には, r2章土の分類と性質表」2−4,∫表7道の値を使用するこどができる〇(3)突き固められた試料は,一般に不飽和であるため,たとえその試料が粘性土であっても,非排水三軸圧縮試 験においては妬>0となる場合が多い。このため盛土の安定を検討する際には,なるべく非排水三軸圧縮試 験結果を使用することが望ましい。また,突き固めちれた試料が粘性土の場合,突め固め回数によリセン断強 さは変化することがあるので,現場の含水比,飽和度,締固めの程度を加味して現場に最も近いセン断強さを 求めなければならない。(4)非排水三軸,圧密非排水三軸圧縮試験の包絡線が曲線状を示す場合には,図7−6に示す要領断よって強度常 数o.またはoσ鮎,φ肪またはφc防を求めるものとする。  セ  ン  断  応   二つの面積を岡じくする。τ(t瓦2)7パ盛土(切土)の単位体積重          A          ’       一’  1 量(t/m3)             ど:盛土(切土)の高さ(m)B        /    し ノ          メ       ド瀞[           !          Iび3スベリ面に対する垂直応力!    φuまたはφCUI (t/m2)          I   .lo.難笹」σ(㎏煙図7−6 包絡線が曲線状を示す場合のσ“またはσ,既,φ鴎またはφ、腿の求め方  上図に示すように,7εxE=σに対応する包絡線上の点Aより,包絡線の平均勾配として包絡線と直線と によってできる面積が等しくなる直線A Bを引き,碗またはOcμ,φ切またはφσμを求める。⑳ 圧密非排水三軸圧縮試験よりof,φ’を求める揚合は,図7−7のように間ゲキ水圧を測定して求めた有効応 力のモール円の包絡線より6’,φ’を求める。  ノ.遼一  セ  ン  断  応  力/      /μu  /’『、τ(kg/cmZ〉 −”〆一// /!\  \\/    \¥、’’豊      」」  L_』    、     σ3ヌσ3−u  σ3        σ1;σ1皿u  σユ図7一ア圧密非排水三軸圧縮試験により0’,φ’を求める方法﹃一378一 5−1−2設計σ=垂直応力(kg/cm2)σ・3最大主応力(kg/cm2)σa=最小主応力(kg/cm2)σ、’;間ゲキ水圧を差引いた最大有効主応力(kg/c皿2)σ3’=間ゲキ水圧を差引いた最小有効主応力(kg/cm2)%=間ゲキ水圧(kg/cm2)‘’=有効応力に関する土の粘着力(kg/cm2)φ’3有効応力に関する土の内部マサツ角(度)なお包絡線が曲線状を示す場合には,図7−6の要領で強度常数6’,φ’を求めるものとする。7−4−3安定計算の方法(1)計  算  式  安定計算はテイラーの安定図表及びテンショソクラックを考慮した単一円弧スベリ面法によって計算す る事を原則とする・なおテソショソクラックの深さは2,5mを限度とする。 (a)テイラーの安定図表   安定図表およびその使用方法については,計算例(1),(2)を参照のこと。 (b)単一円弧スベリ面法による場合の計算式         Σ・ε・!     瓦一Σ.W,sinO            ・式7−10ただし, s=セソ断強さ(t/m2) ’、=分割片がスベリ面を切る弧の長さ(m) 砂=分割片の重量(t) 0=スベリ面に対する垂直線と鉛直線のなす角(度)(1)テイラーの安定図表を利用して安全率を計算する場合は次に示す方法で行なう。 (a)軟らかい粘性土(o>0,φニ0の場合)からなる場合には,図7−8を利用して次式により安全率を計算す  るo     罵帯…』・……一・一…∴……・一・・……∴……・……・一“…一・…・・一…∴…・i畑・   ただし,   瓦、:安定係数    61粘着力(t/m2)    7呂=単位体積重量(t/m3)    丑=ノリ面の高さ(m)一379一 5−1−2設計計算例(1)  o拓=3.Ot/m2,75=1,5t/m3の軟らかい粘性土からなるノリ面で,π=10m,傾斜角 β=30。(/リ面コ ウ配÷1=1,7)の場合の安全率を求めてみる。               ヨ               2    ≦      E               畠 ゆ3・・  デ                           出                     ∠一斜面肩からスベリ底面までの深さ私一・2mに雲寸し,図7−8からβ一3鵬胎深さ係数P∼¢一(勢)       ,㌃・πcに対応するM=   を読みとり,式7−11にそれぞれの値を代入し,Fsを計算すると,衰7−6のよう        oになる。             蓑7』6  計算祠(φ≡O)”41,2ハ置86,6Eσ(m)一13.0瓦一砦1.3(b)ノリ面が砂質土からなる場合(o>0,φ>0の場合)には,図7−9を利用して,安全率を計算する。なお, 粘性土でもセン断試験によってφが求められた揚合はこれに準ずる。計算例(2)  傷=2.Ot/m2,φ〆209,7F1.8t/m3の砂質土からなるノリ面で,π=10m,β=34。(ノリ面勾配1:1。5÷ 33,50)の場合の安全率を求めてみる。                                     1  0α  図7−9からβ=340に対して種々のφα(凱10。,150,2帆250Mこ対応する安定数瓦=海の値を読                        1                   砲 みとる。次にそれぞれのφについて必要な粘着力砺=瓦・η・πを求め・粘着力に関する安全率瓦=姦                     tanφ肪 を計算する。次にマサツ角に関する安全率1%=tanφ、を計算する。求姿る安全率は現冒1%の時の値 となる。計算結果は表7−7に示すとおりである。               表アー7計算例(σ>0,φ>0) φ“501 C畠N3一■3・亙  1cα=瓦07‘o∬瓦一舞tanφα /Eφ一i器’舞 0.119・ 2.142ド 10。 0。085 1,5311,3070.176 2.068 150 0,056 1,0081,9840.268 1,379 200 0.035 0,6303,1750.36壬 1.000 25。 0,020 0脚5,5560.466 0.781一.0,9340。087.塾旦垂 表7−7に示した計算結果をF・とEφについてプロットすると図7−10のようになり,これから罵=Eφになる値1.65が求める安全率である。一380一 5−1−2設計β:傾斜角nd:深さ係数nd…・H17HHI:ノリ面肩,よリスベリー底面(1)斜面先破壊  までの高さ(2)底面破壊H7H(3)斜丙内破壊(1)斜面先破壊ノリ高さ         ==H:  _一β_一一_」胃     ゴ  ・一一z一二τ1迂一11『駒甲o  勲7, 謎 宕13)8    7昧島””  ’, り 9 9裡訳 8■1160。5  54   3   3チ『(2)  編   4(2)底面破壊℃!0 蟹= 製6 q【q  oN”℃qo︸〃灘’  010’nd=oo5.52530起苓丼え碑C〉0,φ=0(3〉斜面内破壊π3.85   909  鵠800  70D  60。  509  40。  30。  20。 100 0。(度) 0.3  0.5  0.81.0   1.52.0(割)ゴ___L  ノリ画傾斜(勾配)図7−8 安定係数とノリ面傾斜角およぴ深さ係数の関係0.350.30  0,255も〃δ1 国』   の ト lI盛−1呂箏 ㈲0.2045。4湖全o麟コ1帽Q Q竪.  0.15製!1 3』{揺C〉0  0.10幽≧00,05002一グFc盲Fφ=L651102030 4050 60 708090(度)                             0   1   2    3        521.5 1.00.80.50.3                    (割)          tanφu       斜面の傾斜角 汐                              Fφ=扁『  図7−9安定数とノリ面傾斜角およぴ内部マ                  サツ角の関係(噛ylorによる)(2)図7−10計  算  例単一円弧スボリ面法単一円弧スベリ面とは,ノリ面にスベリ破壊が生じる場合で図7rl2に示すように,そのスベリ面の形状が,0を中心とする円弧BEZ)と仮定したものをいう。一381一 5−1−2設計 スベリに対する安全率瓦はスベリ円弧面上の土のセソ断抵抗力S・」と,スベリ円弧面上部の土塊により生ずるスベリを起させようとするセン断応力τ=四sinθとの比で定義される。 ここで安全率をセン断力に関するモーメントの形で表わすと次のようになる。 図7−11において,円弧スベリ面上に作用する種々の力が釣合っているときは,回転中心0に関するモーメントの釣合いから,         s・zΣ●四’sinθ’R4瓦ORとなる・上式を整理すると,安全率瓦は次のように表わされる。        Σ・s・z・1∼    Σ・s・」     瓦=Σ.W.sinθ.R=Σ.四。sinθ              式7一120C Dd    Rlθ  ’  プllllB  ’     N  /4_ 調 ’ PwElw.斡                図7−11単一円弧スベリ面法の説明図 次に,テンショソクラックの考え方と・間ゲキ水圧を考慮しない場合,並びに考慮する場合の計算式について述べる。なお,安定計算を行なう場合,盛土の分割片の幅の決定は11−3−3を参照のこと。(a)テソションクラックの考え方 臼)テγショソクラックの深さZは次式によって計算するものとする。     鳩×tan(掛謝…………一……・……・……………一9…一……一…D………式7一・3   ここに,、    Z=テソショソクラックの深さ(m)    o:盛土材の粘着力(t/m2)    φ=盛土膏あ丙蔀摩擦角(度)    γo l盛土の単位体積重量(t/m3)   上式による結果が2.5m以上になる場合は,2.5mを限度として,安定計算に使用してよい。 (司 盛土または,切取り地山にテソショソクラックが生じるような場合図7−11においてC,P,Eに囲まれ  る部分6滑動モーメソトとスベリ円菰DEの抵抗モーメントは安定計算に含めないものとする。 の 盛土または切取り地山内の水位がテンションクラックの底より上にある場合,転倒モーメストにテソシ一382一 5−1−2設 計  ヨンクラックに作用する水圧を加えて安定計算をしなけれぽならない。         」ΣF・ε■」『     F3=・・式7寸4       ”・sinθ+卸0   ただし,   Pω=テソションクラックに作用する水圧      Pr迦Oh2         2    ん3水の単位体積重量(t/m3)    h3テソションクラックの底からの水位(m)    π:半径(m)    4曲が作用する点(水深の丞圧唾聴音).   とスベリ円弧の中心0を通る水平線との鉛直距離(m)(図7−11参照)(b)計  算  式 α)間ゲキ水圧を考慮しない場合    瓦一Σ(o’」蘇鵠tanφ)       …式7一・5                    P               四・COSθ  セソ断強さ3=o+σtanφで示され,σ=7,P=W・cosθであるので,σ=  ,  となる。したが       『cosθ  ってs=σ+   ・tanφとなり,これを式7−12に代入し整理すると式7−15を得る。         」   σ:垂直応力(t/m2)   P3分割片の底面に作用する垂直反力(t)   罪3分割片の重量(t)   o=粘着力(t/m2)   φ=内部摩擦角(度)(・)間ゲキ水圧を考慮する場合    恥一Σ{ひ」+(聖器錨1)’tanφ’}      ・・式7一・6セソ断強さs=6’+(σ一%)tanφ’で示される。これを(a)と同様に整理するとS−4+(琳10Sθ一%)tanφ’となる・これを式7−12に代入すると式7−16を得る。 駕=間ゲキ水圧(t/m2) o’;有効応力に関する土の粘着力(t/m2) φ’3有効応力に関する土の内部摩擦角(度)一383一 5−1−2設 計〔参考〕 複合円弧スベリ面法  単一円弧スベリ面法によって安全率を計算することが適当でない場合には次に示す複合円弧スベリ面 法によるものとする・この場合,テンションクラック,間ゲキ水圧の考え方は単一円弧スベリ面法に準 ずるものとする。  2個の円弧と1本の直線の場合(図7−12参照)。        ロ             ご             ひ    α3・1∼、・Σ(」・s)+α3・α、’・Σ(」・s)+α、’・1∼3・Σ(」・s)        ゑ              む              ロ  Fs=                                ・・式7−17          碗・W1・41十α1’・躍3・偽01源11II03彰AGPID Hl   d3げユP2W,C        B            W1図7−12 2コの円弧と直線の場合の説明図7−4−3 安定計算の方法◎ スベリ円弧について   こ\で述べるスベリ円弧は推定される層序,柱状図,土性図等,次に示す事項を参考にして最少の 安全率を持つと思われる円弧スベリ面を想定して描かなけれぱならない。 ω ノリ面破壊の型としては次に示す,ノリ先破壊,基盤破壊,ノリ面内破壊が考えられる。   (D ノリ先破壊     ノリ尻以下の地盤のセン断強さが大きく,盛土,切土の土質が比鞍的均質な場合図7−13一(a)一384一 5−1−2設計(iD基盤破壊  ノリ尻以下の地盤のセン断強さが,ノリ尻より上の部分のセン断強さと同等か,比較的小さい場 合。〆’一一基盤図Ti13一(b)GP ノリ面内破壊  盛土,切土内にセン断強さの小さい層がある場合セン断強さの小さい層図7−13一(c)盛土,切土内にセン断強さの大きい層があり,その上部にセン断強さの小さい層がある場合基盤   セン断強さの大きい層   駐) d図に示すように,ノリ面内の      或る高さ迄セン断強さの大きい      層が連続的に存在する場合には,      セン断強さの大きい層の上面を      基盤と考える乙図ナー13一㈹一385一 5−1−2設 計(・)スベリ円弧の決定  スベリ円弧はωで想定した条件により任意の中心点を仮定して円弧を描き,次に各々の円弧につい て安全率を計算し,その中で安全率が最小となる円弧とする。〔注〕5−1,5−2切土ノリ面および11−3−3参照。7−4−3安定計算の方法(21計算式の適用                        一“ 盛土むよび切土の安定計算には,表一7−8寿よび表7−9に示すように,盛土の場合は盛土の高さに応じ,切土の場合は,概略検討澄よび詳細検討に区別し,前項7−4−3一(1)の計算式を適用する。 なお,重要度の高い盛土およぴ切土で,浸透水,湧水等により,その盛土,切土内に高い間ゲキ水圧が発生チるおそれのある場合には,間ゲキ水圧を考慮した安定計算を行なわなければならない。 (表7−10参照)(a)盛土の場合盛土高H(m)計算式計算に使用するセン断備    考強さ安定計算を省略する事も出来る。もし必要がある場合には6く且<H≦613の場合と同じ方法を用いる。ティラーの安定図表6くH〈13一軸圧縮試験または非計算方法は7−4−3一(11の(a}テ排水三軸圧縮試験よりイラーの安定図表参照求めたCu.φuを使用強度常数Cu.φuの求め方については7−4−2一(21盛土およぴ切土のセン断強さの求め方参照H≧13テンションクラックを非排水三軸圧縮試験結計算方法は7−4−3一(11の式7一・考りょした単一円弧果より求めたセン断強15参照。さセン断強さの求め方については,S−Cu+σtanφu7−4−2一〔2)参照スベリ面法を使用表一7−8一386一 5−1−2設 計(b)切土璽場合検討別概略検討計 算 式ティラーの安定図表計算に使用するセン断一軸圧縮試験又は非排水計算方法は7−4−3一(1Ha)参照三軸圧縮試験結果より求強度常数Cu・φuの求め方は,7−めたCu.φuを使用詳細検討備    考強さ4−2一(2)参照テンションクラック圧密非排水三軸圧縮試験計算方法は7−4−3一(11の式一7を考りょした単一円(膨潤吸zk試験)結果よ−15参照弧スベリ面法り求めた,セン断強さセン断強さの求め方については7− ’$まCeu+σtanφ℃u4‘2一(2)参照を使用表7−9(c)重要度の高い盛土むよび切土内に湧水沿よび滲透水等により高い間ゲキ水圧が発生する場合検討別詳細検討計算式計算匿使用する池ン備1  考断強さテンションクラック圧密非排水三軸圧縮試験計算方法は7−4−3一(11の式7一を考りょした単一円(問ゲキ水圧を測定する)16参照弧スベリ面法結果より求めたセン断強セン断強さの求め方については7一さ4−2一(鯵瞭S=CI+σ’tanφ冒を使用表7−10一387一 5−1−2設 計(1)盛土について (a)基礎地盤の支持力が盛土基礎として十分にあるところに齢いて,品質管理のもとで薄層転圧を行  なって盛り上げた盛土が,強度不足によウ,大きく崩壊した例はきわめて少ない。そこで,本要領  では,盛土高が13m以下の場合には,詳細な安定計算は省略し,計算に便利なテイラーの安定図  表から安全率を求める概略計算にとどめるものとした。  (盛土高が61h以下の場合は,この概略計算を省略してもよい)  な沿テイラーの安定図表(    図7−8および    図7−9)は,ノリ面を構成する土質  が均質な場合に作成されたものであるか’ら,盛土が,いくつかの土層から構成される場合,厳密に  は適用できないが,もし盛土構成がこのような状態になるときには,各々の材料を単体で用いたと  して,それぞれについて安全率を求め,そのうちで,最も小さい値をその盛土の安全率とする。  (切土の場合も同様)盛土が高くなると(一応高さ13m以上とした)当然安定に問題があるので,  安定計算も本章7−4−3(b)のスベリ面を円弧とした分割法によって詳細に行なうものとする。  特殊な場合であるが,片切り片盛リケ所等において,地山からの地下水が盛土に浸透し,それによ  って盛土部が大きく,スペリ破壊を起して,人畜に被害を与える恐れのある場合は,盛土の高さに  関係なく,間ゲキ水圧を考慮したより詳細な安定の検討が必要である。(間ゲキ水圧の求め方は(3)  参照)(b)(a)で述べた計算法によって計算した安全率が 1』25以王あれば,一応安定であると考えてよい。 一般に盛土ノリ面では施工直後が最も危険な状態であって,時間の経過とともに盛土のセン断強さ は次第に増加して安全率は増すが,施工後であっても降雨などによって盛土の単位体質重量が増し たり,浸水によって膨潤し盛土のセン断強さが弱化し崩壊することもあるので,計算にあたっては土質に応じ,これらのことを考慮して検討しておく必要がある。 盛土の崩壊の危険性はその土質によって, 図7−14に示すようにノリ面に近いスベリ面④ に沿って崩壊するむそれのある場合と,深いスベリ面③に沿って崩壊する沿それのある場合の二つ に分けられる。璽/o  ⑧φ図7−14一388一 5−1−2設 計 この二つのケースを土質に応じて検討すると次のとおりとなり,安定計算の必要の有無もこの検討をも とに考える ことができる。巨)粗粒材料  図7−15㈲の⑧で表わされるような粘着性の乏しい粗粒材料は(b)の⑧線のように,盛土深部で はセン断強さは大きく,排水が良好なため間ゲキ水圧も発生しないから,盛土深部を通るスベリの 危険性はない。  またノリ面付近では(b)の⑧線にみられる降雨などの浸入によって膨潤し転圧時の密度は低下する。 その上土被り圧も小さいので,セン断強さは非常に小さくなウー見非常に危険と思われるが,排水’が良好なため間ゲキ水圧の影響がなく,かつ膨潤しても内部マサッ角はノリ面のコウ配よりも一般 に大であるため,ノリ面付近のスベリの危険性もまず考えられない。  以上の理由から粘着性に乏しい粗粒材料からなる盛土の場合は,安定の検討は内部マサッ角より ゆるやかなノリコウ配(φ一29−1:1。8)をとる限り一般に必要ない。  通50(a)過60◎   − セ/−/ン⑭ /    ⑤/ア  量    20    0     0001     ⑧盛土深部ヴ付近       ⑭/ノリ   100質      −!≧≦露1(b)ン 断 強 さ/0ρ1    0.1.    1   5㎜   陣径一 +14  十200㌧_一_」  圧力締固め圧図7−15 土質とせん断強さの関係@粗粒材料と粘性土の中間の粒度組成をもつ材料  図7−15(a)の⑭で表わされるような粘着性に乏しい材料と粘着性に富む材料の中間の材料(寺 斗20で=20秘一6D%程度の材料)は了強慶の低下’も(blの図の⑭線のように⑧⑥の中間的なもの になるはずである。しかし⑭のような土質は透水性が比較的良好である反面,排水性がかなり不良 であるため,ノリ面付近は転圧時の密度が保持されず膨潤弱化するとともに盛土内地下水の上昇の ため,有効圧は減少しセン断強さは極端に低下する。したがって,このような材料からなる盛土で は,ノリ面に近いスベリと盛土深部を通るスベリの両方について安定を検討する必要がある。とく にノリ面付近のセン断強度は,前述した、とむり,膨潤作用により著しく低ポするのでノリ面が雨zk一389一 5−1−2設 計のノリ面流下水によって浸蝕されやすくまたそれが原因してノリ面付近が崩壊することが多い。このようなノリ面付近のスベリに対しては,コンクリートノリ枠工等,排水を良好にする工法などをとり,施工の際にはノリ面を盛土本体と同程度の締固めで,同時に立上るようなエ法を検討してむく必要がある。の 粘着性に富む粘土・粘性土  解説図7−15(a)の◎で表わされるような粘着性に富む粘土,粘性土などの材料は,雨水の浸透 が困難なため間ゲキ水圧の発生は余りないが,セン断強さは土かぶり圧にあまり関係なく小さいの で,深部を通るスベリは滑動モーメントが大きいだけに危険である。  ノリ面付近では(b)図◎線のようなセン断強さは粘着力に支配されているため,@の材料よ抄低下け し友いが,雨水のノリ面流下水の排水処理が良く行なわれていないと,ノリ面が浸蝕され,それ がノリ面付近のスペリの原因にもなる場合があるので,排水には十分な処置をとるよう検討して寿 く必要がある。(2)切土について  切土ノリ面の安定を理論的に安定計算のみによって検討することは,ノリ面が単一な土質からなる場 合とか,いくつかの層からなる場合でもその層序が正確にわかっているとか,非常に限られた条件下し か適用できず,むしろノリ面構成地層の層理,片理 ∫節理の状況,それらの方向とノリ面シウ配および8 ノリ面の方向との関連性,断層の有無,地スベリ,山崩れの履歴の有無,山腹傾斜などの地形地質学的 な面からの安定の検討の方が重要である。(5−2切土ノリ面コウ配(5》,7−5安定計算が困難な切土 の安定の検討参照)したがって,安定計算ができる場合は非常に少ないと考えられるので,ここでは安 定計算を行なう上の注意事項,安全率などの考え方について簡単にふれてかく。 ㈲ 切土ノリ面の安定計算は,テイラーの安定図表を利用しそ行なう概略計算にとどめるものとし,同  一土質からなるノリ面が相当の延長にわたって存在する場合,スベリ破壊を起した時,既設の土構造  物や入畜に被害を与える恐れのある場合などについては,テンションクラックを考慮した単一円弧ス  ペリ面法によって詳細に行なうものとする。な沿湧水のある場合はその滲透圧,また地下水の高い場  合には,間ゲキ水圧の影響を計算に入れなけれぱならないのは当然である。 (bl以上の計算によって求めた安全率が1.5以上あれぱ,そのノリ面は安定と考えてよい。しかし,セ ・ン断強さ一を標準貫入試験丁サウシデTング試験まう求めた場合には’了安全率は1.7を標準とする。た  だし地下水の影響を受けにくい砂などの土質の場合は,安全率は1.5を標準としてもよい。(3)間ゲキ水圧について (a)片切塾片盛9個所の自由水面(浸潤線)の推定  片切り片盛り個所などに沿いて,地山からの地下水が盛土に浸透する場合,盛土内の自由水面は解  説図7−16に示すような放物線と仮定する。一390一 5−1−2設 計地山盛土自由水面     矛一’   卜/’ 7/−一一一暑’一”ノ\  地下水\図7−16 片切り片盛り個所の自由水面,盛土内の自由水面の描き方は次のようにして行なう。湧水点自由水面hb下浸出面ah3hah1  Hh202卜一一一一一一葛       図7−17 自由水面の描き方 図7−17に齢いて,盛土ノリ尻を原点0とし,それより水平に水平距離4座標をとり垂直に垂直距離h座標をとる。式7−17(I tersonの式)より浸出面aを求め,次に湧水点bより発して浸出面aで接するような曲線を描けぱ,それが自由水面となる。曲線を放物線と仮定すれぱ,自由水面の方程式は,式7−18のようになる。峠一炉2  式7−17                       (Itersonの式)  h2+(αn−2ha)h+ha2一α4−0     式7−18一391一 5−1−2・設計ここでha浸出面の高さ〔m〕召1湧水点までの水平距離〔m〕hl湧水点までの高さ〔m〕nノリ勾配(例えぱ1:1.8の時n−1.8)〔m〕H盛土高さ(H≠hlとする)〔m〕(h1−ha)2α〔m〕 4−nh1h2盛土ノリ肩と湧zk点の中央直下における自由水面の高さ〔m〕h3盛土ノリ肩直下にかける自由水面の高さ〔m〕計算例  盛土高14mの場合と28mの場合について自由水面を求めると次,のようになる・  解説式7−17むよび解説式7−18より自由水面の方程式を求め,次に盛土ノリ肩と湧水点の中央 直下に冷ける自由水面の高さh2およぴ,盛土ノリ肩直下における自由水面の高さh3を求めて,自由 水面を描く。  表7−11によって自由水面の方程式かよびh2,h3の値を求め,図7−18で自由永面の概略図 を示す。表7−11盛土高設計条件煽一岳一炉2H=h114m28m (hrha)2α=  己一nhl 自由水面の式        2h+(αn−2ha)h抜a一α2=0n二1.841−53m4コ80mり2ぞ2=67.5召3コ54.910.42    皿 h2−0ユ98h十1296   =38953−1.8×14器雁乙ggm80』18x28  218.1    mn=1.842=39・863=26.7鴇一厭a6m12.Om24.om     呂11.1h3.9.6m212m一392一−3894=0ドー01翫+98D1−9.9君=0, 5−1−2設計H;14出の場合1:1.89,6m1:1.814m120m3.m26,7m{3958m53m(A図)H=28mの場合     11:1.8自由水面1:1.828m24.Om1:1.821,2m11:1.89.9m54.9m.67.5皿.80m(B図)図7−18一393一 5−1−2設 計 湧水量が多く,安定上問題が生じるかそれのある場合には,図6−2に示すように,排水層を設けたり地下排水溝を設け,自由水面を降下させる工法が用いられる。 lb)スペリ面に生ずる間ゲキ水圧  (a)で推定した自由水面によってスベリ面に生ずる間ゲキ水圧は,図7−19により求めるものとす  るo①スベリ面②自由水面③等水頭線O   M④切取り面PS   スベリ面上の間ゲキ水圧       ⑤図7−19 スベリ面に生ずる間ゲキ水圧作図法は,図7−19に示すように①∼⑤の順序で行なえぱよい。 ①スベリ面を仮定する。 ②自由;水面を推定する。 ③ スベリ面上の任意の点Nを通る等水頭線ONPを描ぐアただし0冷よびPはそれぞれ自由水面むよ  ぴ切取り面に直交する点である。 ④点Oを通る水平線と点Nを通る鉛直線との交点をMとし,MN=NSとなる点Sを求める。 ⑤ NSは求めるN点の間ゲキzk圧である。一394一 5−1−2設 計7−5 安定計算が困難な切土の安定の検討 計算による安定の検討が困難な場合には,一切土対象地区の土質,岩質,山腹傾斜,風化の程度,成層状態,層理・節理の状況,湧水の状況,ノリ高,降雨,降雪などの地形,地質および気象条件,それに地理的条件も加味して総合的に安定の検討を行なわなければならない。 自然の地山はきわめて複雑で,不均一な性質をもつ場合が多いため,切土の安定を理論的に検討して,ノリ面コウ配を決められるような場合が,ほとんどないと考えてよい。とくに切土が岩石からなる場合は,層理,節理,片理などのいわゆるr目」の存在と風化の程度が安定に関係するが,これを定量的に取り扱うことは不可能に近いoしたがって,切土り安定につい二ぐは経駒的に検討される場合が多いがL少塗くとも(1)層理・節理の方向とノリ面の方向との関連性(2〉断層,破砕帯の方向と幅(3)崖錐の厚さとタイ積状態(4)過去における地スベリ・崩壊の履歴(5)風化の程度(6)湧水の状況などについて,可能なかぎり調べておかなければならない。 ノリ面コウ配あるいはノリ面保護工の決定に際しては,路線付近め既存の道路,鉄道ナ∬面の現状,すなわち,(1)土質とノリ面コウ配および保護工との関係(2)保護工の種類とその状態(3)植物の成育状態(4)(5)ノリ面の浸蝕状態湧水の処理方法などを調べておくと参考になる。〔参考〕  参考表7−1は名神・東名高速道路の施工中における切土ノリ面の崩壊を形態的に分類し,それぞれの崩壊の 機構と原因,崩壊個所の土質および地質,併せて復旧対策工について表わしたものである。参考表7−1のうち で・特に切土が岩石からなる個所で・ノリ面の表層部が崩壊する例が多い。これは切取りによる荷重開放,掘 削作業の影響,雨水などによる風化の進行などによって表層部溢脆弱化 したためである・  ノリ面表層部の脆弱化については,名神の仕上り後の弾性波調査でも確認された。参考図7−1は代表的な切 土個所の岩質の弾性波速度分布を示したもの,参考図7−2は基岩の弾性波速度とノリ面コウ配との関係を表わ したものである。一395一 512f1:0'8a) :; f' a) O l) t :L I l)i _---360' -llC' rl+ __ _- -/f: l 'b :; ;' i'---- - 570/- //gOOm /se c. // /: /'1q q) //: ;//__ . .. . h7, Fl' // //itF_lfl¥lri e n(1)/ IJ t i/ // / // /!/:500 /1'/ / /¥. ' //' / 1250m//sec/// './/l:1:l'//::/,Ll/1, / ////i i:a) dl b L t:$::// b1370m/seoll/DL 1 O,i/ IJI T-11 ' / IJ i ii(D :tZ: i(7):) U1.2 ... 1.2 .L-1 . 2 -.'. I .2 ":71 .O . 1.07 0.80.8- ".1.0)"" 1.00.80.8 Oe;.L' O . 50.50.5O 1 2 3 O 0.5 1 1.5L]0.5O 1 I;42 3km/secO 0.5 1 1.5$ r hii frA Y1.2 . . 1.2 :' 1.0 " 1.0 "T:T 0.8 ..: 0.8 -0.50.5O 1 2 3 O 0.5 1 1.5-1,2 .,.. 1,2 '::7 0.81.0C, l.o0.8 O・ -u 0,5 0.5o 1 2 3 o 0,5 1 1,5, ;4* kmfsecd): rr')・O .'.:!l.2_1.0 .. ._ l .::iT 1.2; ・.1_ _ _1+,2_ __,i_/ 0.80.8L,j ): "; f 'y, - J*f_7E i ::;i !t!Lr i1 O ・..1. 1.2L1 0.8 0.810.5O 1 2 O 0.5 1 1.5 O 1 2 3 O 0.5 1 1.531;}: k]n/secl 7-2 / IJ i:1 r) Bd:: t-396-7d:(D !1 5−1−2設 計ここにプ・ットした点は,実際に切土したノリ面のコウ配とその点で測定した弾性波速度との関係を示したものである。なお,岩種について二つの図があるが,左図は掘削により速度低下を起す前の基岩の速度である。つまり切土施工前の調査段階の場合この図を適用する。右図は掘削施工中の岩盤の乱れ,掘削後の風化等によるノリ面表層にできた脆弱化層の速度であり,切土終了後,安定を再検討する際,参考にするとよい・いずれも●は現在まで安定しているノリ面,◎はそのコウ配で切土した結果,崩壊を起したノリ面の速度を示している。これらの図から,(1)硬岩あるいは軟岩に相当するところのノリ面表層部が基岩の速度より著しく低下しており,その範囲は走時曲線より解析すると1∼2mである。(2)速度の分布に拡がりはあるが,コウ配が急なところほど速度が速くなっている。(凱本調査の対象と塗皇たノリ面のうち鐙一∠ り面浅部Q崩壊個所が2個所含ま れ≦いる。(参考図7−2,図中の0印)これらの個所では基岩の速度に対して十分なコウ配のようにみえるが,ノリ面表層部に対してはかなり危険側のコウ配を採用していることになる。以上のように,切土ノリ面コウ配は掘削前の状態から判断するだけでなく,掘削による除荷,掘削作業,雨水の浸透などの影響による風化の程度も同じよ,うに考慮した上で決定すべきであると思われる。いずれにしても,切土の安定の検討は難しいので,切土個所が長く続き,調査結果,既往の資料からノリ面安定について結論を下し得ない場合は代表的なノリ面を試験的に切取り,長期放置して安定,浸蝕などについて調べることも必要であろう。参考表74切土ノリ面崩壊の形態分類表ノリ面崩壊の形態分類1型(表面剥離型)ノリ面の表層あるいはその一部が崩落するもの崩壊の原因と機構崩壊個所の地質復旧対策工 切取りによる荷重除去,掘削作業の影響あるいは雨水の浸透等により,地層に先在する層理,節理等のいわゆる「目」が拡がり,また土,岩自体の弱化が伴って,ノリ面浅部がそれらのr目」に沿っ 粘板岩,角閃岩,輝緑岩, 復旧工事は比較的容て剥離脱落する崩壊である。したがって崩壊は「目」の最もゆるい部分の局部的剥落から始まり漸次側方あるいは上方へ波及していく場合が多い。 岩のところで起る崩壊はこの型のものが多い。緑色片岩,花崩岩,石英斑易である。岩,チャート等の風化岩,対策工岩盤部で発生している。とくにこれらの岩で,①層理面,節理面の傾斜がノリ面の傾斜と同方向の個所,②断層等で破砕されている個所,③風化の進んでいる個所で崩壊している例が多い。 キレツの入ってた硬質粘土を切取った場合にもこの型の崩壊を起すことがある. なお,①のような個所で○切直しとき・には3−1型の大規模な“層スベリ”を起す場合がある。一397一OロックボノレトエQモルタル吹付工oノリ枠工oコソクリート張工QコソクリートブPッ ク張工 (落石防止フェソス) (ナイロンネット〉 5−1−2設計y, 切取り後雨水,地下水の浸透に 泥岩(第三紀層),キレッより,土が脆弱{ヒし, ノリ面浅部の入った硬質粘土,粘土状に風化した緑色片岩にこのが崩壊するもので,ノリ面が比較的軟らかい土,岩からなる場合にこの型の崩壊になりやすい。スベリ面は円弧に近い形状をしている型の崩壊をみるo 規模は小さいが,相当時間が経過した後に崩壊する場合があるので,その時は復旧工事は面倒であるo対策工Q切直しo置換工(崩落土を除 去し,良質材で鯉戻ことがある。 このノリ面表層部の崩壊規模はそれほど大きくはないが,ノリ面崩壊のうちで最も数が多い。 す)oノリ枠工o排水工(山崩れ型) 基盤を覆っている風化土や崩積土(崖錐層)が主として雨水や地基盤を覆って下水などの浸透圧が原因となり,ほぼ基盤面に沿って崩落するもの2型いる風化土や一        風化土あるいは崩積土(崖錐層)が堆積している沢(とくに湧水の多い沢)やアソ部を切取ったときにである5崩落ずる際にば基盤再』 生じやすい。崩積土が崩落部をまきこむ場合がある。するもの この崩壊は切土深さやコウ配にあまり関係がない。 地形条件によって復旧工事が困難な場合がある。対策工Q排土工(落ちそうな部分を落す) なお土質および地形条件によって,3ぞ型の崩壊をo石積工起す場合があるooノリ枠工o排水工 切取りによって,断層,風化土と岩盤との境界面あるいは極度に3型(地スベリ型)弱い「目」等をスベリ面として,ノリ面のかなり深い部分から,ノリ面を構成する地塊が一体となって滑落するものである。滑落した地塊は比較的原形を保っており,ノリ面を構成する地塊が一体となりて滑落するもの 粘板岩,風化石英斑岩の個所で崩壊の例がある。 この型の崩壊はノリ面が岩からなる場合で,とくに①破砕帯,②ノリ面背後に断層がある個所を切取った 滑落土量が多いため,とき等に二起りやすいo対策工復旧工事には時間がかかるoしかし滑落土は移動することが少ないので対策は比較的容易である。Q切直しQ排土工oノリ枠工(崩壊頭部)崩壊斜面の上部にはほとんど垂直な滑落崖が形成される。スベリ面は急で,滑落した地塊は移動することが少ない。國    崩塊蹄 崩壊の主因は上記と同様に切取りそのものであるが,崩壊個所ではいずれも地下水位が高く,地下水もスベリを助長させる大きな要因である。スベリ面の傾斜は15”∼20。とゆるく,滑落速度も緩慢である。滑落した土塊はその後も緩慢ではあるが移動を継続し,あたかも地スベリのような運動を起 洪積層や第三紀層の固結度の低い砂,粘土の互層あるいは粘性土を主体とした崖錐層が厚く堆積し,かつ地下水位の高い個所で起っているo この型の崩壊は,上記の 復旧工事は困難であるo対策工o押え盛土o矢板工o排土工(崩壊頭部)Q排水工(十分に行なような比較的軟らかい土で, うこと)o擁壁工 この種の崩壊規模は一般に大きその土が断層等で乱されている所や地スベリの履歴をもつ所を切取った場合に生いoじやすい。す場合がある。一398一 5−1−3国鉄構5−1−3〔No11−3 土構造物の設計施工指針(案)〕 3.切取り(ノリ面コウ配)  ノリ面を構成する土質が均質で,形が単純な場合には図2−3−1,図2−3−2を用いて安定 に必要な粘着力o己を求め,ノリ面の安定度を検討することができる。  土のセン断抵抗の求め方は粘性土ならば一軸圧縮強さの1/2を粘着力として用い,砂質土ならぱ 圧密急速セン断をむこなって粘着力と内部摩擦角を求める。119’ノリ尻円一 、一 中rぴ点_ 一一一一一ノII切円も, 、’鑑・》ノ専 し,ノノ 土の粘着力       6一 一■ ’7      掴 7      逢      側%:安定に必要な    琳4γ ノノノ!ノ’ ’/帽#。。60σ  53Hd;深さ係数’’ ’      ミ13’f;斜面の高さ’‘ ’一 ’        8  基 礎φiooグ静鎌極1 も慧 fぜり’一J”〃105.52        54        43.853        380   70   6G’卸   20■  IO   『90’  80  70  6G’  5e’  400  卸’  20■  IO’  『傾舞解ギ        go’      0.3  0.5  0.70.8 1    1.5  2図2−3−1 粘土斜面の安定図表 図2−3−1は粘性土のノリ面に適用されるもので,先行調査の結果から基盤の深ざを知り,深度係数境を求める。図は与えられた1吃に対する斜面の高さ,傾斜角,土の粘着力の関係を示すもので,三者の中,二者がわかれぱ,安定に必要な残りの1つを決定することができる。 たとえぱ斜面の高さ丑(m)と傾斜角β(度)が既知ならぱ,横軸上で傾斜角を求め,深度係数(境)に対する安定係数罵註一璽を縦軸Lヒで求め,安定に必要な粘着力銑(t/㎡)が求められる。            0己       0 安全率 F。一       〇己一ここに        一一一一」一…一』一一一・一一一一…・一・一一一・一一一・一一一…一・  o;土の粘着力(一軸圧縮強さの半分,む/㎡) o己;安定に必要々粘着力(t冠) 図2−3−2は砂質土のノリ面に適用されるもので,斜面の高さ(π)と傾斜角(〃),土の粘着力,内部摩擦角との関係を示し,斜面の高さ,傾斜,土の内部摩擦角を知れぱ,安定に必要な粘着一399一 5−1−3国鉄構力を求めることができる。12 横軸上に傾斜角をとり,土の内部摩擦角に対11 高さ7丑(m)と土の単位重量(t/㎡)から安定10敦I」”に必要な粘着力o己(o血2)が求められる。このピ埋8蕪7迷娯6e 場合の安全率は次式で求められる。     09{甚   罵=一     〇己5  ここに4で ; 土の粘着カぐ圧密急速ゼン断よウむ〃蚕 する安定係数7丑/傷を縦軸上で求め,斜面の竜偽③φ=0 530 凡=5523908030 一20 1060L50。 40。 30。 20。 10。 Ω0 80 7070−60巧0−40求め・一〇!0.3。 0.5。 0.8。 1.0。1;592.0。    た粘着力t/in2)   一一一』コウ配  o己;安定に必要な粘着力(む冠)図2−3−2粘着力と摩擦力ある材料の斜面破壊(φの各値に対する傾斜角〃と安定係数の関係)(安定計算)第21条 ノリ高が10m程度以上の切取りで,ノリ面を構成する土質が以下の各号に示す状態 である場合には標準貫入試験を伴うボーリングを追加してむこない,ボーリング孔を利用する 地下水位の測定,乱さない試料について土質セン断試験をむこなって安定度を検討し,対策工 法を決定しなけれぱならない・σ(1)砂レキ層沿よびガイスイで地下水位が高い場合。(2)軟弱な粘土層かよびこれをはさんでいる場合。(解 説)  ノリ面崩壊を生じやすい地質,地形は段丘レキ層,ガイスイ,岩クズ層,風化の著しい泥岩層, 粘土と砂の互層などであって,地下水が高くてゆるい砂レキ層または軟い粘土層を含むことが多 い。このような状態は踏査または先行調査で見出すこともあるが,切取り施工時に発見することが多い。このような土層が存在するときは土層断面,地下水位,むよび土のセン断抵抗途測定し て安定計算により安定度を検討し,その結果にもとづいて,ノリコウ配の変更,地下排水工,擁 壁などのノリ面崩壊防止工法を決定しなけれぱならない。  安定計算は次の要領によっておこなう。(1)スベ.リ面は土質断面より判定し,會適当な円形に置きかえる。一400一 、5−1−3国鉄構(2)土のセン断抵抗の求め方は,シンウォールサンブリングまたはつぼ輝りによって乱さない試料  を採取し,圧密急速セン断試験より求めた粘着力oおよぴ内部摩擦角φを用いう。(3)間ゲキ水圧は地下水位より推定する。地下水位の測定は降雨量と関係づけてむこない,予想 最大降雨量に対する地下水位を想定する・ (4)計算方法は分割法を用い,(1)式によって安全率(F)を求める。   スベリ面の判定がつきにくい場合には,スベリ面を種々変えて計算を行ない,安全率最小のも  のを見出さねぱならない。  安全率1.3以下は不安定とする。   F一酬%+(鷹C・準一醜ゆむanφ}..…...…,_..….._.ω一  曙嵯sinα馨   ここで    毒;垂直部分で切取られたスベリ面の円弧長          六                               !  10i                               ! 1    琳   贋;円弧4上の土の重量                 、・ 1   ↓                              ’   偽 ;図2−3−5参照                          砿                                    ’8   硫 ;地下水位から求めた間ゲキ水圧                                図2−3−5   0,φ;圧密急速セン断より求めた粘着力,内部摩擦角一401一 5−1−4土地改05一1−4〔Nα4−1土地改良事業計画設計基準〕  4.7.5安 定計算第75条 堤体の安定計算は,臨界円による円形スベリ面法を用いることを原則とする。た だし,堤体内または基礎地盤中の最弱部をつなぐ滑動推定線が円形でな1、・場合には,複 合スベリ面法を用いてチェックしなければならないQ(1)計算方法  堤体および基礎地盤についての滑動に対する安定計算方法には,種々あるが本基準では原則とし て円形スベリ面についてスライス方法を用いて行なうものとする。この場合スライスの両側に働く水 圧は考慮する。また,地震時水中部分は飽和重量×震度として地震力を求める。  なお,スベリ面が円形でなく,直線,曲線またはその組合せからなる場合の安定計算方法には,複合墨ベ リ円匹 よ_る Zライ ろ 法一ウ壬些ジ方法,あ るhは修正zエ」三ウ入法などがある。(2)堤体断面の概定  円形スベリ面法による安定計算に先立って,下記①,②,③項のいずれかの方法により,堤体の仮 断面を概算し,つぎにの(3)の方法で最終断面を決定することが望ましい。 ①粘質土の斜面安定(φ昌0)  土のセソ断抵抗が・φ=0τ=C(C=一生)で与えられる均一な斜面の安定解析であり, 図一4。98に                  2 よって行えば便利である(Taylorによる)。U P ゆ 6 7 6 δ 11 P一〃 ・9・c @b功 2④レi魯観パ .,∠・塑 16D。纏Ω斜面先破壊徽ノノ1.1=ぴ 騨  一  一⑤基礎破壊◎斜面内破壊ノ 7〈〃藁63β5一  一  一  r騨!ノ躍置Qσ「面才斜面先破壊 1墓、礎破壊斜面内破壊3晦艀がαア艀σ3剛側       ,斜面の傾斜甫図一4・98 摩擦力のない粘質土の深さ係数    π¢の各値に対する傾斜角βと    安定係数と鵡の関係     〃1図中  碗=一π(深さ係数)…  …………・・・(4,33)   撫γ響(錠係数)…一…一(4。34)    γ8=土の単位重量    C:粘着力   を示し,安全率 SF=Z左 で表わされる。    ここで  璃:盛土の限界高*D.W.Taylor,1‘Stability of Earth Dam,”1937一402一  ∬E3盛土高 5−1−4土地改 なお粘性土の斜面では地中のある深さまで引張り応力が生ずる。この引張りの部分はセソ断度を無視して安定計算を行わなければならないが,特に,精度の高い安定計算を要求される場合以外は無視してもよい。一般に,テソションクラックの深さ瑞は次式で与えられ,堤高の苑以内にILめる。    伍一望tan(4掌+号)・一・・……………一・………………19・一………(4・35)        ただし  C;粘着力    φ=内部摩擦角             物:土の単位重量〔参考〕 例   題’設計条件平均斜面コウ配12割(26。一30’)湿潤重量;1。70t/m3(物)粘  着  力; 5.O t/m2(C〉堤    高;15m  (∬)F)は 21 200「996レー615砕B211沿96765   と ヒた 場合の安全率 ぐS  a) πd=1(斜面内破壊)221 22 、1 16  b) π¢二1・5(中央点破壊)四ぜ萄 15  あり,次に③分割法にしたがって詳細検討を行えばよい。‘” 17            15   規定安全率はL5以上であるため斜面コウ配2割は適当や慧 14差!3鎖】2曝11  図一4.98から 鱗=6,2,側,琳10           6.2×5  式r4.34から Jfσ=   =18,2m            1.7・ 9            18.2        。。S。F=_=1.2            15  となり規定安全率を満足しないので斜面コウ配を変え再検討 ・6  を行う。 7 6②砂質土の斜面安定(φキ0) 5 土めセソ断抵抗がτニC一卜罪・tanφで与えられる場合の斜面安 4 3戸ξ昌552中ぺδ5a65 殉●δ0。?oo60●50−40’aり’a)’109σ定解析は 図一4・99 を用いて行う。一      斜面の傾斜角 〔参考〕例  題設計条件一 i6  図一4、99から 罵二8           5×8  式一4・34から Ec=一=23,5m           1.7            23。5          SF=∼≒1,6 図中,一、φ雷円部摩擦角であり,これ以タト平均斜面コウ配12割、(26叱30’)湿潤重量(γ¢)11,90t/m3 の名称は前節と同じである.粘着力(C);3・Ot/m2    ある砂質土のφ各値に対    する傾斜角βと安定係数    鮪との関係内部摩擦角(φ〉;10。一〇〇’堤  高(丑);15m図一4・99 粘着力と内部摩擦角のとすると 図一4.99から  1VF16.2    式一4し34から…Ec=一3〆16・2岬25.6m…一               1.9            SF=25・6=1.7               15となりSFは幾分大なるため斜面コウ配を1・7害【1程度とし再検討を行う。③ロックφ斜面安定  粘着力のない目ック材料の表層の斜面安定については,斜面の摩擦抵抗について成立する次式 で検討する。一403一 5-1-4i:SF= tan c (1-m'T K)m+T'Kt**i LSF:c:f icC"m:K:E=tan a=t/x] : :hl(7: : (7kJfrfi O * C11iq);: T=1 Llrt( L,.)o. 60.50.4o. 31.52.0t1 :i-404-25 5−1−4土地改(3)スライス法 i)臨界円*をえがく。臨界円にはつぎの3種類がある。  く斜面崩壊> (図一4・101参照) ・基礎に接し反対側の斜面肩を通る円を数個画く。 ・斜面コウ配に対するα,βの値を求める。ただしα,βは 図一4.100のとおりである。 ・危険円が斜面を切る点はH’/H=0・90前後になることが多い。 ・臨界円の位置は上記のような位置にくることが多いから,その付近について詳しく比較する0    40  (66‘6)  毯32       (羅を詳しく)一  、   β _       裾 26             一α)一』_                           ぜ    24     0  1 2  6 4  5         伽z         図一4.100                図一4・101 <斜面先崩壊> (図一4,102参照)                   云40・前記i)の方法魚βの交点を求める.    魚レ鋤内                                     か35℃げ              1・さらに0ρを延長しP¢1<一〇Dとし,4101⊥041,           ρ              2         0(一25。Oσ    1 4101=一〇41として01点を求める0    3                                   ,                                   た。この操作を数回繰返して安全率の最も小さい円の中心を求    16●26’ める。                            図一4・102 <基礎崩壊> (図一4.103参照)         1・スベリ円の中心は一沼Bの垂直線上を通る。一         2・深さ係数物を求める。ただし 耽=丑・ノE・図一4.104の斜面コウ配βとπdとの関係から衡を求める。・堀Hを用いてC点を求める。安全率最小円はC点を通る鉛直線上にある・                         §1/.一 一鼻Il L、し/一、、、、一       図一4・103                  図一4・104ii)スペリ面と堤体斜面に囲まれた面積を,適当な間隔で数個(5−12)の細片に分割する。m)各細片(土柱高)を聯界円中心に向う垂直力(N)と接線力(T)の分力に分け,それぞれの面積図(ハ阻・7』)を描く。 (甲一4・109参照)*土木学1会・一‘土木工学・’ソドブツク” 第3編 P・179一405一 5−1−4土地改  iv)安全率は次式で与えられる。      SF一(胴旨誉葦a且φ+0’L・・9………一∴…一・百・』・……………・・1(436)       ただし Σ1V:築堤材料による垂直分力の和 Σ(単位重量×M)           ΣT3築堤材料による接線分力の和 Σ『(単位重量×T4)            φ:” ・”の内部摩擦角            C3〃 〃の粘着力            L=スベリ面の長さ           Σπ3間ゲキ圧の和           Σ砺:地震力による垂直分力の和           コTガ  〃 による接線分力の和(4) 複合スベリ面法軟弱部を通る危険と思われるス≦墾面を数個仮定し, ①の方法によ一り 仮断面を概算 し, つぎに②の方 法により最終断面を決定する。①ウエッジ法***図一4。120において堤体は,主働ウエッジ,受働ブロック,および受働ウエッジに分 割される。安全率(S F)は,次式により与えられる。   SF CL+(匹麗)tan中+Pp、_..___…__._____.___…(4,37)           Pロ      ただし, 0言粘着力             几3主働土圧           ゆ=土の内部摩擦角         Pp;受働土圧          L3受働ブロヅク部の底辺長    「 κ;間ゲキ圧          W=受働ブロヅクの重量〔粘着力のない場合の土圧〕 (τ=W・tanφ,C二〇)    毅叢}一一一一1一“鋤 ここでKα・Kpは主働および受働土圧係数で上の内部摩擦角が定まれば 図一4・121より求まる・                        10(.6一覇漣亀受働土圧係数(ゆ冒馳).6臥序引瑠,2 00 10 2030405Q60  土の内部摩擦角c度)     ・図一4.121図一4.一120.〔粘着力のある場合の土圧〕 (τ=躍・tan中+0)   砺号γ幽2・tan2(4卵一象)一2C昂 (4駅号)   P・号瀞tan2(4駅+一象〉+2C恥tan(4駅+書r〉*** 山内豊聰,“土質力学,”翠工図書,p.174一406一・(4.39)く4.40〉 5−1−4土地改   ただし   γ6土の単位重量        丑・・ゴ主働,受働ウエッジの高さ〔参考〕例  題逐,昌31.Omβ自33,6祖泓禺10,5皿(α)一  胴 一 一麗冒75皿差ツ湯            コア部(d)彪ザヤ土部/・馨   履8)〔C9一,。…r・・ρ・軟砺層∠昌56.3吼図一4.122表一4。34\\塑1灌欝騰釧粘(着)力コ ア 部1.8017●一〇〇’4,0サヤ土部1.95209−00’3.0軟 弱 層1.80 04。0   図一4.122 のような断面で(a,b,c,d)の複合スベリ面を仮定したとし設計値は表一4。34で与え  られた場合の安全率を求めるo   式一4。39および式一4.40よ軌主働土圧および受働土圧を求める。   島一÷γδ・(響り2・tan2(45・一一象)一2C・(h学f’)・tan(4駅薯)・    一透一吏・・95×(3LO吉3a6)2×tan2(4験一芋)一2×a・×(31・0吉3翫6)xtan(459一芽)    =376.3t/m,   P・一弓一γゆ・(辱2”)・tan2(45・+{一)+2C(響’)・伽(4駅+一象)    一}×・・8・×(n讐5)2脚2(450+子〉+2x4・×(1α5評5〉x惚n(45Q{)    =229,9亡/m  安全率(S F)は式一4。37から   SF_0・L+(W一π)tan中+Pp_4・0×56・3+229・9・・.1.21           Pα          376。3②修正7エレニュウス*(東郷ダム設計例)円形スベリ面法では,スベリ面に作用する滑動モーメント抵抗モーメソトとの総和の比をもって安全率を表わしたが,この方法は,スベリ面に作用する各スライスの抵抗力を求め,これを想定した安全率で除し各力の連力図を描く。 想定した安全率が正しければ力線は最終的にr点噂交わる。も一し・交わ与ない場合は想定した安全率が間違いであるから,「値を逐次変えて交わるまで試算する。修正フェ’ゾニュウス法は円形スベリ面法に比較して,試算がかなりめんどうであるので,高ダム以外は円形スkリ面法を用いてもよい。 〔作図の準備〕 (イ) スベリ面(a),(b),⑥,(d)を描く。これは①方法で求めた臨界スペリ面も考慮し,かつ基礎* P.T.Bennett,“Modified Fellenius Method Graphical Solution”, 愛知用水技術誌ダム編一407一 5−1−4土地改および堤体中のセソ断抵抗がより小さい部分(間ゲキ圧の大きい部分)を最も長く通るよ5に選ぶ。 (ロ) スベリ面(a),(b),(c),(d)を適当な大きさのスライスに分割する。各スライスの重心を求めやすいように分割する。あまり小さいスライスに分割した場合は,作図が繁雑になるから注意しなければならないo (ハ) 各スライスのゾーン別(コア部,ラソダム部・および基礎部)の面積を求め・各単位重量を乗じてスライスの重量(四1)を決定する。(表一4.35参照) (二) 各スライスに作用する過剰水圧を求めて四1から減じ,スベリ面に働く重量(W)を算出するo表一4.35                           地 震 時スヲイス                 揚圧力番号面積雌重量 恥 (%) w .1%2踏x吻1(コ  ア)(t’m8) 116,2 1.80(ラソダム)(〃 ) 1,95( 〃 」 171.0(コz) (t)209.0 (〃)333.0(准) __    372.0       1.80      670.02   (ラソダム) ( “ )     (“)    361.0       1.95      700.0(t)5.0 (〃)一 (t)  (t)537.0%1ロ5”2(μ)一(t)108(〃)   (〃)一209,0    1,16L O   μ1■B詔2−       274       −1.8 4.53 (コ4。る)(脇 72!‘)i3。!‘)1姐!♂)1漏、一8)l l4) (ホ) 各スラィスの重心を求める(各ゾーンの重量が異なるからこれを考慮して重量配分をする)。 (へ) 地震力はスライスの重心に水平方向に作用する。すなわち地震時の水平力は膵・×Kである。ただし,Kは水平震度。 (ト) 浸透圧は各スライスの側面に・その水頭差だけ作用スライス②するものとする。すなわち 図一も123のスライス②に作用濁凋線する浸透圧は図一4・123カ∋らκ3一μ4である・し準がって地,震時の水平力は(勘+絢)+(W1×K)とたる。 (チ) 地震力浸透圧および間ゲキ圧が作用する場合・各ス㌧\磁)ぐ茄)ラィスの垂直力は図一4・125のようにベクトル図から求める。 (リ) 以上(イ)∼(チ)により表一4・35が得られる。(斌ワ面)(の図一4.123 〔土   圧〕 堤体内に働く土圧の方向は図一4・124のように斜面ではこれに,平行し,深くなるにしたがって水平方向に漸変するものと仮定する。この仮定は力の平衡条件により補正する。(作図の項参照) また土圧の作用点は 図一4、124に示すように,各スライス側面の中点(2等分点)と3等分点との間と考えてよいoこの仮定で安全率におよぼす影響はわずか2%程度であるoこのことはスペリ面に作用する反力についても同様である。         図一4・124    (反力の作用莫)一408一 5−1−4土地改 〔スベリ面に作用する抵抗力〕 極限時のセソ断抵抗σはクローソの公式により    σ=C’十(σ鴛一π)tanφ’で与えられる。ただし  C’2粘着力   観間ゲキ圧   俺3垂直応力 いま安全率を凡とすると実際にスベリ面に作用するセソ断応力Sは    S一』_一C’+(σ…)ねnφ’_。____一_。一_.__一’______9.(4,41)      F8    F8となり,ここで   C=遭一,  tanφ昌搬nφ’      F,         F8とおけば,   S==0十(σ’餌一π)tanφとなり,式一4・41のC,tanφが実際にスベリ面に作用する粘着力およぴ内部摩擦角である。「ン渇箭らて粘着ガほ ズベ「リ 面に ぞ1レ5て逆方向に(カ×C)一だけ働くrこのため合力は図一4rl25 の方向に変る。 一方摩擦抵抗はスベリ面に作用する反力(スペリ面に直角)をφだけ傾斜させる。〔連力図〕合力芦重心境飼己図一4・125(1) 設計セソ断強度  コ ア 部  粘着力 (C’)=4・Ot/m2  内・部摩擦角 (φ’)=17。  ランダム部    ”  (c’)=4.Ot/m2     〃   (φ’)=250試算 σ 安全率ハ=3・0と仮定すると,実際にスベリ面に作用するセソ断抵抗は,  コ ア 部  粘着力 C=4/3=1・3t/m2内部摩擦角 φ=17/3=5・7。  ラソダム部   ”  C=4/3=1。3t/m2   〃   φ=25/3=8.30とな.ワヒ.蚤スライスについては型・36.の麹.歴顔隻、..一一.一一_、.、表一4、36スライス番号躍0五       t①537・030②1,161.046②    42.0  11η臣’ 31tノ皿3L×oφ1,3  m39,0     8.301.360,0     8.301.314。3     5,70一409∼摘要L=スライスのスベリ面長W3表一4。35 参照一 5−1−4土地改試算 渉安全率   瓦=2。0 コ ア 部   C=4/2ロ2.O t/m2φ=17/2=8。5。 ランダム部   0=4/2=2。Ot/m2φ=25/2コ12。5。表一4.37スライス番号  WC乙m 537。0302,060.0②1,161.0462,092,0③ 42.0112.022.0①摘φm112,t1五×・要5012,508.50(2)作   図 i)合力の方向図一4.126を求めこれを図一4・126の重心点に移す。次に反力の方向(1∼・’)を2項に したがって記入する。反力(R1’)と合力(y1’)の交点から2項にしたがって土圧E’およびR1,E1,E2(おのおの平行に)を描く。 ii) 土圧E1’とスライス②の反力1∼2’の交点からFに平行してF’を引く。F’とγ2’との交点が土圧E2〆の始点である。以後同様にしてR3が4点と交るまで安全率を逐次変えて試算する。iii) 最後のRがyと交葦する場合は仮定した安全率が過小であり,開いた場合には過大である。 iv) 連力図が閉鎖した場合は,力の平衡条件からΣ∬=o,Σy=0であるがΣルf=oであるかは不明である。ΣM=0であるためには最後のスライスにおいて土圧(E2’)垂直力(γ3’)および(1∼3f)が一・ 点で交わり,かづ諸条件(土圧,反力は中点と三等分点の間〉「を満足じなければならない。したがって 連力図が閉鎖してもΣ1レf昌0でない場合(一点に交わらない場合)は,・仮定した土圧の方向が間違いで あるから,再度方向を変えて試算する。 以上の2条件(連力図の閉鎖,各力線が一点で交る)を満足する場合,仮定した安全率が求める安全 率F8である。 ただしΣ正1,Σy,Σ肱,はそれぞれスベリ面に作用する全水平力,垂直力およびモーメントであるo なお地震力が作用する場合も以上同様の手順で作図すればよい。(図一4・126参照)   @) ’①lr(々,)① (ゆ(ゆ ,、、、 q蹄      (の譜φ)〃(コア部)          ②(距)σwり面に輸1‘戸♪!1(緬)(ρ      窪ρ”−響…7’ ⑳ .!⑤ ”(め(E1)  φ   ②1!ノsF2。)(々1)  (》2    1’ SF=26(C)諭’(軟弱層)φ    iκ鮒Q  (C,  一rF2漏認諭グ(Rる)図一4。126③その他典型的なスベリ面として,下記のようなケースが考えられる*。*“Earth&Earth−Rock Dams,”p、327一41、0一 5−1−4土地改  々   均_型ダA  々粒状材料考.ぴ、   岩盤力質粘土   細辮料亥、義・R/考一3.          揖盤ノ必7尺1.,ユ↓ノ∼2舅弓、,ン.仏苞毛.緻昼5鶏’一圭老±9弱いンー仏苞\\   岩 盤図一4・127 スベリ面のいろいろ一411一 5−1−5土.地改5−1−5〔No4−3 土地改良事業計画設計基準〕 7.3.1 地盤支持力  (2》基礎破壊の検討    堤防の基礎破壊に対しては,円形スベリ面法によって臨界円を求め,安定の検討を行   なうo   ③ 円形スベリ面法による安定計算 円形スペリ面による安定計算は,分割法または摩    擦円法によって行なわれるが,ここでは,分割法によって説明する。図一366物照。の ケ   引張リキ裂盈撒c・sδ  ,び安5拗一Sin4を114’  1312111069 8 7235 4箏但5曙A居σ画B居C畠%及  C眉α,兎の z曜  D屑亀%ノ!π、、、 、 、1L             図一3・66  ス ラ イ ス 法  スベリ面は円形と仮定し,任意の点0を中心とし,任意の半径Rのスベリ面を描く。この 円弧でかこまれた部分を幾つかの小区分に分割し分割部の土塊に働く力の合力砿‘の小区分                ブ チず             ナ  ノ の幅を4画または円弧の長さ佑δ‘=濯とし・σ‘への通過する土層の粘着力をσ‘内部摩 ・擦角をφ‘とする小区分砺α’‘・,わ’‘ψ‘の土塊の0点回りの滑動モーメント∠1レ行およびこ の滑動に抵抗しょうとするモーメ、ント・4ル‘7はつぎのようになる。  ”∫=凧      1  4〃1γ=R(醜tanφ¢十‘‘4’‘) したがって全土塊の0点回りの滑動モ憐メント1レf∫および抵抗モーメソト1鴎は   M∫=、Σイハ4∫雷RΣT‘   〃レ=Σ∠ハf7=RΣ(ハをtanφ‘十6掴’重)  となる。安全率F3を滑動モーメンヤルf/と抵抗モーメソトハむの比と定義し   恥_砺_RΣ(醜tanφ‘+‘幽)㌧Σ(珊胎nφ‘+c幽)・_。_..._。.3.84     ルf∫     RΣT‘         ΣT‘  O点について半径を種々変えて恥が最小値となるRを求め,さらに中心の位置を変え同様の操作を繰り返し最小の安全率を示す中心位置と半径を求める。これらの無数の計算によっ て求められる最小値が,この堤防の安全率で最小の安全率を示す円弧が臨界円である。(b) 引張りキ裂の考慮 粘着力がある堤体材料を用いて築堤する場合は,図一3,66に示すよう に地表面から  み=一坐伽(45・+!)_‘一.。______.______.9。。_.__.__3.85     7       2 の範囲のスベリ面のセン断強さは無視する・ これはこの深度までは引張りキ裂が発生するためである。(c) 干陸後の中立力の考慮 干陸後は地区排水によって内外水位差が生ずる。このための境界一412一一 5−1−5土地改中立力の変化による破壊モーメントの増加,または抵抗モーメントの減少による安全率の低下を検討しなければならない。この場合の安全率は,近似的につぎの方法で求める。図一3・67参照                   α  δκ脇▽況o肉水イ立蓼.1’、泥1.o量,亨.『1、・、、畳11艦111 , 加’グα’           図13・ 67中 立 力二のとり 方  瓦=Σ(N一μ)ねnφ+Σ・∠’_。_.___.__。一…………_9…一・…3.86         ΣT この揚合土塊の重量に対しては浮力を考慮せず,その法線方向の分力Nおよび切線方向の分力丁を求める。  ㏄は間ゲキ水圧で,流線網から求めるが,浸潤線のコウ配が比較的ゆるやかな場合は図一3。67に示すように小区分の円弧σ’わ’の中央窺点に立てた垂線と浸潤線との交点を瑠’とし  翅卿’=12とすると  %≒ゐγψただしγω:水の単位体積重量(ton/m3) と考えて実用上さしつかえなく,かつ安全側である。(b) 安定計算上の注意事項①この方法は,きわめて多くの時間と労力を要するが,小数のスベリ面で概算を行なうと大 きな誤りをおかす。②土の性質が深さによって異っている場合には適当な厚さに分割して,その間の平均値を用 いて計算する。③堤防の形状が複雑な場合には,各部について臨界円を求める必要がある。図一3・68∼3.70  に長崎干拓堤防における安定計算例を示す。一413一      笛     単 ”      4畔マ益ズ轟ンズ4!‡》’轟窮劉鍛鍵古製89’ε一圏  9万ηOS ooσレ‘マ,9vl  ▽ .:.▽ 繁思圃     矯1目紐圏田鰯皿甲     ▽ ▽ ▽▽  マ  マ ▽ ▽   し ニマ似む  ・Ψσ始  ・▽ .・,・▽マ・蕊ム冒d5    ’d3ウワワ▽▽▽   ▽b   ▽       ▽ マb    ▽ ▽ マ▽,かマ(   ▽    齢o評▽よ留’一    》    )        ▽∀Aむ    マ9釧         マ マ ▽  ママ1マ灯ママ=▽矛 ワ  )      ▽▽   ▽         ママ   ママ  マ    マ   よ馨  く      マ       マ  留ω中7         マ ▽  マv  舶璽士盲磐▽▽    .砂=!ε掬観1   婁鐸一、ウ▽▽7   二7二』一 び▽▽▽▽▽ゑρ裁卑6−s工  マ91・旧              7♂1・σヨ  かε・Gd▽I ヘ乙一G  マ ε一〇 ▽ 躰σヨ1寸一寸1‘一囚▽1 ワ馴“0’・σ▽”・(7 ▽∫▽1’▽1 ▽  8’s工 ▽4マ▽ ▽▽ ▽如4ρ鎌隅説むむ ▽.▽Lヂママ(マ 黛’・・,」.. ▽▽▽▼   マq国’.; マ▽▽マ1・、』工 ,・ ▽▽  マ ヤマ      ▽▽▽寸マ▽マ ▽ マ マ4  ・刈  ▽ε洲マ    マ    ▽ ママ▽ ▽▽▽ ▽▽マ 3響争3     「面年熟匡≡ヨ    叢         ▽   1あむ’.ワ ワ      私吻 ’qム     銘毎  ム     卒旅     $爆  ▽     4々  △     勉      傷 ・’bq 4q卿む     4々     勧傘む     的聖     鵜IdS.秀己∼ε’P》〃閥毒ぴ3     努‘Pむ     ㌶     難魯欝     81M  ママ ゥ      σP石ldN3己》重描▽葛蟹Nマ義沖.▽▽ ▽   ママ  マ ▽          「『f 7▽ ▽マ▽マ▽▽マ        囲酬子9閃囲N姻 賃9乙1婁9一管工   工懸マ  那4捌 8 着陛⊆3切乙・oo「lf     L・斗ヨ.窩(超)αヰ糞i/拶懸蝦嶺     l     のバ1頃    ! 誰…懸4幾ワ甜47 ・ A3’7砂  11 κ     ∠          、                   中  ¢9  、『64567           113α’9η6         〃一一一β    6 !3  8 9 10                          4 5手220吻 耀  .旧 78!馬a±40 ブ4〃                          嚇一4砂        i1一 〃憲  .    レ95’ 2  3ナ’伽     5 6:     925盈’6 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紹5      9                           震(m》Fs配0震(m》Fs121NO ρ㈲ Fs55.0 1.34底面スペリ中同スベリ121吟一㎝底面スベリ  中同スドリ配050.0 1.513 〃450ρ56789ク400〃λ42∫481.401431.551.47z44350 A53〃/6’7グ                                                             l・50『   340    /50→一!2〃 30←御”+一150    ク 8              ウ4,30  +54”           孝3,80          i   一乃±0言0             −250        ∠一500一500・一7〃〃噂 、01.50     t1                               8〃〃                   1Z50800oも㎝1軌/λ50  1図一3・70 締切堤防安定計算断面図陣甚痔 5−1−6港構5−1−6〔Na6 港湾構造物設計基準〕第4章斜面の安 定4,1一   般 自重または載荷重による斜面すべりの破壊に対する安定性は,円形または直線のすべり面を仮定して二次元問題として解析するのを原則とする。この安定解析は,斜面の安定性が最も低下する場合について行なう。  〔解説〕(n 斜面の安定解析とは,斜面を構成する土塊が土の自重あるいは載荷重などによって安定性を減少する場合に「極限平衡礁に薪ずる難率を求めるτ とそある。    斜面安定問題における安全率とは,土のセン断強さとある仮定したすべり面の土塊を極限平衡の状態に保つ   に要するセン断応力との比をいう。この安全率の値は仮定したすべり面によって異なるが,与えられた条件の    もとでいくつかのすべり面を仮定して求めた安全率のうち最小のものをその斜面のすべり破壊に対する安全率    という。斜面の安定解析に用いられる計算方法は土塊の安定性を調べるものであるから,斜面の安定の外に基   礎の支持力の算定にも用いることができる。  (2)すぺり面の形としては,セン断に伴う体積変化,すなわちダイレタンシーの著しいものについては直線また   は対数ら線,ダイレタンシーのほとんどないものについては直線,対数ら線および円形のものが生ずることが   理論的に認められている。1)しかし,実用的には円形すべり面または直線すべり面を用いる。また特に弱い層   があってそこを通るすべりが予想される場合には,複合すべり面または適当な形のすべり面を仮定することも   ある。一般にすぺり面の形を仮定する場合には,そのすべり面に沿って土塊が円滑にすべるようなものである   ことが必要で,土塊の運動が不自然に思われるような曲線や,急な折れ線などを仮定してはならない。    乾燥砂または飽和砂の斜面のすぺり破壊は普通斜面がくずれて傾度が減少するという形をとり,円形すべり   面よりも直線すぺり面を考えた方がよい。円形すべり面を考える場合でも直線に近いものとなる。砂の斜面が   平衡状態にある場合,斜面の傾度を安息角という。この安息角はその斜面の砂の間ゲキ比に対応した内部摩擦   角に等しい.不飽和砂の場合には砂中の水の表面張力により,見掛け上粘着抵抗を持つので,その安息角も乾   燥砂や飽和砂の場合より大きい。    粘性土の場合には実際のすべり面の形は円形に近い。砂の斜面に生ずるすぺりが斜面の表層に近く浅いもの   が多いのに反し,粘性土の場合には底部すべりといわれる深いすべりが生ずることが多い。  (3)斜面の安定解析は普通二次元間題としヱ取珍扱5。_延長の長い斜面に実際に生ずるすべり面は三次元の曲面   となるが,二次元問題とした方が安全側である。ただし,有限長の載荷によって安定性が減少すると考えられ   るような場合には,円筒形すべり面として側面の抵抗を考えることがある。    すべりを生ずる原因のうち重要なものは,土の自重,載荷重,水圧などである。この外には地震の際の地震1)RF、Scgtい?rincip】es of Soil Mechanics”,Addison Wesley・(1962),P・431一416一 5−1−6港構 力および波圧などの繰返し荷重が考えられる。すべりに抵抗する要素は土のセン断抵抗と押え荷重などであ る。このセン断抵抗の時間的変化年関して,土の安定問題は二つの場合に分類される。すなわち正規圧密の状 態にある地盤に載荷を行なう場合と,切り取りあるいは地盤改良後の荷重盛土の除去をする場合とである。前 者を短期安定問題,後者を長期安定間題という。(4》次に飽和した粘性土地盤の安定問題を例にしてこの二つの場合を説明する。  飽和した粘性土地盤上に載荷した場合について,セン断応力,間ゲキ水圧および安全率などの時聞的変些を 図一4,1に示す。図一4,1に示すようにセン断応力は 施工中に増大し,載荷終了後は一定値を保つ.一方, 問ゲキ水圧は載荷重の増大に伴って増加するが,粘 土の透水係数が低いため施工中にはほとんど圧密が  一一一一一一一て一一一7㌃ 一妾一G・凱L                                    −       進往しないと考え て去い。施工終了後は時間の経過、P’と共に間ゲキ水圧が減少して,最終的には地下水位で決まる静水圧となる。 安全率については施工中は圧密の進行が無視でセので安全率は単調に減少する。施工終了後はセン断断応力応力は一定であるが,問ゲキ圧は時間と共に減少すンゲキ      周クキ次庄水圧鞠一一↓隔一一鞠一_隔一一σ;セン断面上の主応力 (t/m2)率銘;間ゲキ圧 史t/m2),孝婁洋f間 キ”庫’齢」施工   問ゲキ水庄減少輪丁時問時時間間ゲキ水圧           平衡期問φ;内部摩擦角 (。》Fl安全率u111I1ll全1監O l粘着力 (t/m2),5  ー  ー  1  1  ,安ここにー      8  ■(4.1)セン断慮力で11   一  問τ一}{・+(σ一κ)惚nφ/盛土高さ時問るっ 土のセン断抵抗(τ)は一般に式(4.,)で表わされる。,[   ー  ■きるため強さの増加がなく,セン断応力が増大する図一4・1盛土荷重の下の飽和粘土地盤におけるセン  断応力,間ゲキ水圧および安全率の時間的変化一417一 5−1−6港 構σが一定で間ゲキ圧(2‘)が時聞と共に減少するので,初期地表面セン断抵抗(τ)は時間と共に増大することになる。い初期G,W.Lいかえれば圧密の進行によって土の抵抗は大きくな最終的地下水而Pっていく。したがって,安全率は施工終了後は時間の経過と共に増大することになる。したがって,このような場合には施工終了時期の安全率が最も小さいことになり,安定解析もこの時期における条件の間 (初期G。Wl L)ゲキ水圧1定問題という。 一方,長期安定問題の例として飽和粘性土地盤の1安『全率811811,1切翌亟り璽場合壼考えてみる。 こ㊤場合㊤胆ゲキ丞時問10もとで行なう必要がある。このような場合を短期安  I  I  I冒圧と安全率の時間的変化の状況を図一4.2に示す。施工図一4.2に示すように切り取りによる荷重除去のた∋期間  間ゲキ水圧増加  時間間ゲキ水圧平衡め施工中の間ゲキ水圧は減少する。施工終了後,間                       図一4.2 飽和粘性土地盤の切り取りにおける間ゲキ水                          圧と安全率の時間的変化ゲキ水圧は増大し斜面内に定常的浸透が行なわれる ようになると,間ゲキ水圧は流線網より決まる値に達し,以後変化しなくなる。施工中にはセン断応iカが増大 するので安全率は低下するが,施工終了後はセン断応カー定のまま間ゲキ水圧のみが増大するので,式(41) に従ってセン断強さは減少し,したがって安全率も時間と共に減少する。安全率は定常浸透の行なわれる時期 に至って一定値に達し,このときの値が最小となる。ここでは間ゲキ水圧の変化から安全率の変化を考えた が,いいかれば押え荷重め除去によって土が膨脹して土の強さが減少するということである。(5)以上のように安定問題は大別して二種類に分類されるが,具体的にいえば正規圧密の状態にある地盤に盛土 を行なうような場合は短期安定問題であり,掘込み式の港の工事とか,地盤改良のために荷重盛土を施工し, 圧密終了後これを取り除くような場合は長期安定問題となる。したがって,斜面の安定解析を行なう際には、 その問題がいずれの分類に入るかを検討したうえで適当な土のセン断抵抗を用いなけれぱならない。ただし, 砂地盤の場合は間ゲキ水圧の変化に時間を要しないため,一般には施工後の時間経過に伴う安全率の変化はな く,したがって短期安定問題として取り扱う.  4,2 安定計算法  4.2.1円形すぺり面を仮定する場合斜面のすべり破壊に対する安全率は一般に式(4.2)によつて求める。(図一4.3参照)            Rここに    F;すぺりに対する安全率一418一 5−1−6港構R;すべり円の半径(m)σ;土の粘着力(t/m2)φ1土の内部摩擦角(。)’;分割片の底辺長(m)ゐ;分割片の幅(m)甲3分割片の有効重量(土の重量と上載荷重の和。水中部分の土については,水中単位体積重  量を考える)(t!m)四多分割片の全重量(土と水の全重量と上載荷重の和) (t/m)α;分割片底辺の傾度(図一4.3  に示す場合を正とする)(●)                         コρ   κ;分割片の重心とすべり円中心α    の間の水平距離(m)Q便   Q;すべり円内の土塊に働く水平lW    外力(水圧,地震力,波圧な    ど)(t/m)α   σ;外力Qのすべり円中心に関す’    るアーム長さ(m)                    図一4.3 円形すべり面による斜面の安定計算斜面の安定計算を行なうには,まずすぺり円の中心点を定め,一この点を中心とするすべり円のうち最小の安全率を示すものを求め,その安全率をもってその中心点についての安全率とする。他の中心点についても同じ方法で安全率を求め,安全率の等値線より求めた最小値をもって,斜面のすべり破壊に対する安全率とする。 すべり破壊に対する安全率は,常時1.3を標準とする。  〔解説〕{1》一  般  斜面のすべり破壊に対する安全率とは,仮定したすべり面内の土塊を極限平衡の状態に保つために,すぺり 面に沿って働くセン断抵抗と土のセン断強さの比である。円形すべり面を仮定する場合の安全率は,すべりを 生ずる力とすべりに抵抗する力のおのおのがすべり円の中心に関して作るモーメントの比として計算される。 すべりを生ずるように働くモーメントをすべりモーメント,すぺりに抵抗するように働くモーメントを抵抗モ ーメントという.  すぺりを生ずる原因となるものは,土の重量,載荷重。水圧,波圧および地震時の地震力などであり,すぺ りに抵抗する要素は土のセン断抵抗である.  円形すべり面による安定計算法のうち,最も基本的なものは分割法である。分割法とは図一4.3に示すよう にすべり円内の土塊をいくつかの鉛直面によって分割片に分け,各分割片の底面におけるセン断応力と土の抵 抗応力を計算し,全部の分割片についてこれらの応力を加えて安全率を求めるものである。この方法は特に土一419一 5−1−6港構 の性質が一様でない場合に適用されるものであり,もし土が一様なものであれぱ分割法を適当に簡易化するこ とがある。{2)斜面安定に影響する要素 (a)土の重量および浸透圧2》   安定計算に用いる土の重量は,斜面における水圧条件と密接な関係を持っている.土塊を通して定常的な  浸透流がある場合,土塊には重力の外に浸透圧が働いてこの両者が合成されて土塊に働く物体力となるから  である.   定常的な浸透が行なわれているとき土のエレメントの受ける物体力は重力と浸透水圧であるが,この両者  を合成する方法はエレメントの水中重量と浸透水圧の合成,エレメントの土と水の全重量とエレメントの全  境界面に作用する水圧の合成の.2とおりである.   円 形すべ り面による 安定解析 においては,特に後者の考え方が有利で ある。牛なわちすぺ り面に作用ナる  水圧の作用線はすべてすべり円の中心に向かうため,境界面上の水圧のモーメントはゼロとなるからである.  したがって,すべりを生ずるモーメントはすぺり面内にある土と水(載荷重も含む)の全重量に対して計算  すればよい.この考え方によれぱ図一4.4(a}に示すように水中においてもすべり円と考えることになるが、  水の重量のみによるモーメント絃図一4.41b),(c)に示すように静水圧で置き換えることができるε》。   図一4.4(d)の場合には,CDD’FCの部分の水の重量は左右でつり合っていることから土塊CDFCについて  は土の水中重量をとることもある。ただし,この場合には土塊のBCFB部分は飽和した土の全重量,ABFGA  部分は不飽和の土の全重量を考える.   図一44を参照して,安定計算で考えるぺき土の単位体積重量は式(4。3)のとおりである。γ10γ1   γ耀γ”γ四γ2γ2(a)(c)00γ1γ1GAD賢      F\          σγbγ2 、 ¥      γ    施 D    E   (b)            (d)図一4.4定常的浸透のある場合のすぺりモーメントの計算2) 中瀬明男,曜電安定計算における浸透圧について”、伊勢湾港湾建設部資料(昭和肥年)3) 引用文献2)参照一420一 5−1−6港構流水表面より上の不飽和の土     S■      ”   σ8+価ε 1+獅 7・= 1+β 伽=1+θσs陶 流水表面より下の飽和した土         ゆ       1十一γ2_Gs+27ω= 100Gg袖   1十8   1十β女4,3) 流水表面より下の飽和土について 浮力を考える場合 1_G8−1 γ一    γω=72−7鱒   1十θ   ここ に「G硯E粒子の 比重      S7;飽和度 爬%)      町間ゲキ比      ω三含水比 曳%)      7婿水の密度 (t/m3)  土の重量はすべりを生ずる原因の最大のものであるから,その単位体積重量の値は重要であり精密な測定 を要する。一般の不飽和土の場合には,〆>71一掬となることに注意をする必要がある。(b)波力(第2編第4章波および波力参照)  防波堤の場合のように波力が土塊の安定性を減少するよう                         ’                    、                                          ! に働く場合には・波力を考慮した安定計算を行なわなけれぱな       kW      ¥ !                                        ン らない。波力の加わる場合の防波堤下部の地盤の挙動について             !                                  ヤ                                      ! は不明の点が多いが,一応の標準として安全率は1.0以上とす         ¥                               β   ン る。                                !                                  !   W                                 !@地震力  地震時にはその加速度による慣性が土塊に加わり安定性を減     図一4,5地 震 力 少させることになる。図一4.5に示す砂斜面のエレメントについて,水平震度たなる地震の場合を考えると, 砂の内部摩擦角をφ,安全率をFとすると斜面傾度(β)は次のようになる。       tanφ         一々       F   tanβ= 々tanφ      1十 Fま丞二匿乏._.__一.一.へ....._』._,.   Fニtanφ(1一海tanβ)      海+tanβ1』1のとき      tanφ一為  tanβ=      1十凝anφ一421一 5−1−6港 構 したがって,この場合にはF=1で安定する斜面傾度(β)は常時よりも小さくなり4),tan−1彦=θとおくと次 のようになる。   佃nβ=tan(φ一θ) 以上のように砂の斜面の場合には斜面傾度が減少することになる。しかし、地震時の砂の斜面の傾度減少は,すべり破壊というよりはむしろ砂の粒子がくずれ落ちるという現象に近いと思われる。さらに飽和した砂の地震時の流動化現象を考えれば安定計算は全く成立しないことになる。したがって,砂の斜面において設計震度を適用するには,まず流動化現象が生じないという仮定ができるような条件が存在しなければならない。5) 流動化現象を生じないと思われる地盤上にある砂または砂レキの堤状構造物においては,設計震度を用いて地震力を計算した安定計算を行なう。砂または砂レキの斜面においては地震時のすべり面が直線に近いといわれている。したがって,地震時の砂または砂レキの斜面安定の解析においては後に述べる直線すべり面についての解析、を行な う こ.と が必 要である。一_     土が砂質土から粘性土に近づくにしたがって流動化現象が起二りにくくなり,地震時のすべり面も直線から曲_    線へと変化するものと思われる。     粘性土地盤においては深いすべり面が発生することが多いため,地震時の安定解析においては地震力が支配    的要素となるのが普通である。このような場合に震度法をそのまま斜面安定の計算に適用することには問題があ     る。すなわち,一般に粘性土地盤においては地震加速度が深度と共に減少すること,また機械的に震度法を適用     した場合に危険となる斜面においても地震時のすべり破壊の例のないことなどが経験的に知られている。した     がって,地震時の斜面安定問題において設計震度をそのまま適用することは安全に過ぎると思われる。     このように粘性土の斜面の地震時の安定問題については不明の点が多く,解析方法を確立するに足りるだけの    資料がない。しかし,地震時には安全率が低下することは確かであるから,大きな設計震度を仮定する場合に     は,常時の安全率をできるだけ大きくしておくことが必要である。    (3)安定解析に用いる土のセン断強さ      安全率の計算に使用する土のセン断強さとして式(4.2)に示したものは一般的な場合であって,実際には土     の種類に応じて粘着力のみあるいは内部摩擦角のみを用いることが多い。      砂質土の場合には内部摩擦角のみを用いる。内部摩擦角の値は圧密排水三軸圧縮試験によって求めるのがの      ぞましいが,標準貫入試験結果から推定してもよい(第2編第8章土質条件参照)。      粘性土の短期安定問題においては粘着力のみを用いる。粘着力oとしては一軸圧縮強さ(gμ)(t/m2)の112を      深さに対してプロットし,g処12の平均値の深さに対する分布を求めれぱよい。      粘性土の長期安定問題においては2とおりの扱い方がある。一つは荷重の除去によって土が膨脹することに      よる粘着力の減少をセン断試験で推定し,減少した粘着力を用いるものである。荷重除去による粘着力の減少      の程度は三軸圧縮試験によって推定できる。他の方法は式(4.2)のcとφの値として有効応力で整理した見掛      けの粘着力o’(t/m2)とセン断抵抗角φ’(。)とを用いるものである。ず,φ’の値は圧密排水試験または間ゲキ圧4)石井,林,荒井,“振動中における乾燥砂の運動性状に関する研究(第二報)一振動時における斜面  の安定に関する予備実験”,運研報告,Vo1、8,No。11,(昭和34年)5)運輸省港湾局,港湾技術研究所,第一港湾建設局,“新潟地震港湾被害報告”,第2部,(昭和40年),  p.203∼p。215一422一 5−1−6港構 の測定を伴う圧密非排水セン断を三軸試験機を用いて行なえばよい。なお,このときの間ゲキ水圧μ(t/m2)の値は定常的な浸透が行なわれているものとして流線網を描いて推定する。流線網より間ゲキ水圧を求めるには 図一4.6(alのようにするのが普通であるが,流線網を描くことはかなり熟練を要するので,図一4,6(b)のように流 水表面の位置だけを推定して間ゲキ水圧を推定       (島》             (b) してもよい.図一4.6(blの方法による誤差は安 全側である。                       ”!γ四          μ!γ”  粘性土の場合の安定計算における抵抗モーメ                          等ポテンシャル線 ントの簡便な計算方法は石井6),中瀬7)らによ       図一4、6 間ゲキ水圧の推定方法 って提唱されている。(4)引張き裂_斜面の肩の部分には引張竣応力が生 じ, 引張き裂が生 じ」る,とがあるし粘性土の斜面を考える場合,斜面の 肩の引張き裂の深さは粘着力をoとし,単位体積重量を7とすると20/7(m)以下であるとされている。し かし,この値は粘土の力学的性質を理想化して考えた場合のものであり,実際には粘性土の斜面の肩の引張き 裂は考えなくてもよい。  一方,砂質土の場合には分割片底辺の傾度が大きくなると摩擦抵抗も小さくなるので,砂質土の斜面の肩に おいては,地下水面まで達する鉛直なき裂を仮定する場合が多い。  粘性土地盤上の干拓堤防のように幅に比べて低い盛土がある場合には,地盤表面の沈下によって盛土内部に 水平方向の引張応力が発生し,盛土下部より引張き裂の生ずる傾向がある。このような場合,盛土部分に比べ て大きいすべり円を考える際には,盛土の全高にわたって鉛直な引張き裂が発生するものと仮定してよい。⑤ 側面の抵抗  斜面の安定問題は二次元問題としてすべり土塊の側面抵抗を考えないのが普通であるが,局部的に大きな載 荷重がある場合とか,すべりの生ずる区域が限定されているような場合には側面抵抗を考慮してもよい。  円筒形すぺり面を仮定した場合の側面抵抗については奥村ωが検討を行なっている。また,堤状構造物の法線 方向へのすべりのような場合には,すべり面は一般に曲面になると思われるが,沢口9)はすべり面を回転だ円 面と仮定して抵抗モーメントを求める方法を示した。{6)クイおよび矢板壁による抵抗  クイ基礎において仮定したすべり面がクイを横切る場合には,クイの抵抗によって安定性が多少増大するも のと思われるが,その計算方法は確立されていない。一つの考え方としては仮定したすぺり面より下の部分に 受働土圧を考えるものがある。この場合,すべりの方向に並ぶクイを合成して,クイ列の重心に打設された1 本のクイと考え,断面剛性はそのクイ列の全部のものの和とする・  土圧の加わる幅はクイ1本のすべり方向の投影面積とし,すぺり面を上載荷重のない地表面とし仮定した受6)石井靖丸,“軟弱地盤工法”,技報堂,(昭和34年),p.137∼p。141。7) 中瀬明男,“φ=0法による安定計算における抵抗モーメン』トの計算法”,土と基礎・VoL11・No・4・ (昭和38年),p,34∼r.36。8)奥村樹郎,“円筒形スベリ面の側面抵抗計算式”,土と基礎,VoL11,Nα10,(昭和38年),p。27∼P,309)沢口正俊,曜喝EvaluationofResistまngMomentAgainstSliding asRotating Mass”,港研欧文報告, No.11,(1966),p.1∼p.12一423一 5−1−6港構 働上圧を考える。ただし,この受働土圧を考える最大範囲はすべり面より1/3」町までの深さとし(2.3クイの 軸直角方向許容支指力参照),それ以上の深度については土圧を考慮しない。また,受働土圧の算定において はクイ周面との摩擦角はゼ・とする。  矢板式けい船岸の場合に根入れの安全率が十分にあれぽ,少なくとも矢板下端より上方の部分を通るすぺり が発生することはないと思われる。したがつて,安全に設計された矢板式けい船岸の場合には,矢板下端より 下方を通るすべり面については安定解析を行なえぽよい。ただし,矢板の根入長が必要以上に大きい場合に は,根入れの計算で求めた矢板下端以下の部分にっいてはクィの場合と同様な方法で抵抗を算定する。《7》すぺり防止用の沈床工  すべりに対する安定性を増すために木グイ,型鋼などのかなり剛な部材をケーソンの下に水平に並ぺること がある。このような沈床工は荷重を分散させるとともにすべり面の大きさを増してすぺりに対する安定性を増 大させるものと考えられる。しかし,この場合に効果が発揮されるためには多少の沈下を生じるこζが必要であり,しかもこの沈下期間には荷重の分散効果が有効に発揮されないことに注意を要するゆ。 4。2。2直線すぺり面を仮定する場合直線すべり面を仮定する場合,すべり破壊に対する安全率は,式(4.4)によって求める図一4.7参照)。   F一艦譜蟹豊   曳生4) ここにQは斜面に加わる水平な外力(たとえば地震力)であり,他の記号は式(4.2)におけるものと同じである.           (b)    Q’四α図一4・7 直線すべり面による斜面の安定計算 〔解説〕11)一  般  砂レキの斜面の安定解析には直線すべり面を仮定することが多い.とくに地震時の砂レキの斜面については 直線すぺりの方がすぺり破壊の実情に適しているとされている.(2)土圧を考える安定問題    .      ..一.一一一 ..…  ...一..…一…一一一一..  堤状構造物の安定問題や,根入れのある構造物の全体の安定を検討するような場合には,土圧などによる土 塊の水平方向のすべりの安定性を考えることがある。  図一4.8は土塊の水平なすべりに対する安定の検討を示す.この場合,土塊BB’DD’の水平方向のすぺりに10)運輸省第五港湾建設局,“軟弱地盤上の防波堤建設工事にともなう土質力学的施工管理について”, 第五港湾建設局業務資料,(昭和41年)一424一 5−1−6港構  対する安全率は次の条件より求められる・      (乱)   D,Pα=P,十丁 ! ・ ■  ここにノB,¥ 、     た値)(t/m)Pp   P函BB’面に働く受動土圧合力(安全率を考え窺./㌣ /、、 、   P扇DD〆面に働く主働土圧合力(安全率を考えDBT     た値)(t!m)   T;底面βDに沿つて発揮されるセソ断抵抗粘土層     (安全率を考えた値)(t/m)D「    このように土圧を考える場合には,直線すぺり面を (b)ノノ   仮定していることになるので,この場合に考える全体ノ/   のすぺり面は図一4。8に示す点線のようになる。B’(3》   に円形,直線以外の連続曲線をすべり面と仮定する場Pp〆,i   局部的にセン断強さの小さい土層があるような場合、 、  、   、任り意のすべり 面を考 え る場合一一一曽8、 、↓L   ↓L._11!島ノノ1←7r !⊥〆   合がある。このような場合の安定解析方法は赤井によ  B一一一一D     T   って紹介されている11∋,図一4,8土圧を考える安定解析    4.3 斜面の安定係数斜面のすべり破壊に対する安全率を概算する場合には,安定係数表を用いてもよい。ただし,安定係数算定の際の仮定と実際の条件との相異に注意する必要がある。  〔解説〕 フェレニウスは粘性土(φ=0)の場合の斜面の安定解析において,7研σなる無次元の値によって斜面の安定性が規定されることを見出した。ここにHは斜面高さ,oは粘着力,7は土の単位体積重量である.このア∬1‘は安定係数といわれ亙・と書くこともある。安定係数の逆数を安定数という. 粘性土の場合に,φ=0なる条件を仮定した安定係数の便利な図表がいくつが発表されている。図一4。9は粘着力(o)および単位体積重量(7)が一定な斜面における斜面傾度と安定係数の関係を示したものである。図一4.9は粘着力が一定という仮定に基づいたものであるが,盛土の中の粘着力が一定で盛上下端以下の粘着力が深さと共に直線的に増大する場合の安定図表は,ウーデンスタット12〉(S。Odenstad)によって求められている。また,粘着力が斜面上面でゼロで深さに対して直線的に増大する場合の安定係数は,ギブスン・モーゲンスターン13》(R.E.Gibson and N,MQrgenstem)によって求られている. これまで発表された宏定図表の中1こは,土の』セン断抵抗.(τ∫)をτ∫fO+σ砲舛≧仮定して求められたものもある。ここにσはすぺり面上の直応力,φは内部摩擦角である。しかし,土のセン断抵抗を上のように仮定でき11)赤井浩一,璽粘土のセン断強さと安定問題への適用(その3)”,土と基礎,VoL13,No14,(昭和 40年),P,30∼P.39.         壷12) S.Odenstad,吐℃Qlrespondence”,G60technique,Vol,13,No.2,(1993)P,166∼P.17013) R。E,Gibson and N。Morgenstem,咤くA Note on the Stability of Cuttings in Normally Consoli− dated Clays”,G60technique,Vo1.12,No.3,(1962),p,212∼p.216一425一 5−1−6港構るのは,一般には不飽和の粘性土の場合に限られるので(第2編8.3.2セン断強さ参照)使用上注意をする必要がある。‘とφを考えた場合の斜面の安定図表としては,図一4.9のような場合に対するテーラー(Taylor)の図表がある14)。また同様な場合に震度法を適用した地震時の安定数は倉田によつて求められている15》。 粘性土地盤上にある荷重盛土に対する安定係数を図一4,10に示す1q。この場合には盛土はセン断抵抗を発揮せず,鉛直な引張き裂が発生するものと仮定している(4.2.1円形すべり面を仮定する場合〔解説〕(4)参照)。1210“〃q910  “.?・o.雌φ》.♂亀0 ノ δ  ・6一           Coシ’0一一 や♂(} O.69γ∬ 8q.s51.o4.0420   10。  20●  30。 40。  50。  60。  70。 80。  90.                      00図一4・9斜面の安定係数(D,W.Taylor)21XIH         β図一4.10(a)荷重盛土の安定係数5040覗・ヂ9ん殖=9、夙  ◎亀309“q食“ も畠q儀 c篇Co÷ゐZCOQ.s 、,o20100030        ×1H  図一4、10(b)荷重盛土の安定係数一426一 5−1−6港 構 図一4,10は幅の大きい干拓堤防あるいは地盤改良時の最初の荷重盛土などの場合に適用すべきものである。盛土の高さが増大するにしたがって鉛直き裂の仮定の信頼度が減り,過大な安全率を与える傾向があることに注意を要する.14)  土質工学会,曜電土質工学ハンドブッグ’,技報堂,(昭和40年),p,20715)  倉田宗章,《地震時のStability Numberについで’,土木学会誌,Vol.38.481∼p。48516)  中瀬明男,“粘性土地盤の支持力”,港研報告,Vo1,5,NQ.11,(昭和41年)一427一No,11,(昭和28年)P. 5−1−7捨 集5−1−7〔No7 捨石集積場建設基準〕 3・ボタ山の集積方法  (安定計算)    ノリ面の安定計算は,スペリ面を円弧と仮定し,対象とするノリ面について,スベリ円弧の   中心むよび半径を種々に変えて計算を繰返し,安全率が最小となる円弧を求め,この時の安全   率をもってそのノリ面の安全率とする。●一428一 5−1−8捨鉱建5−1−8〔Na8捨石鉱さいたい積場建設基準およぴ解説〕7.砂かん止堤の設計                                ノリ面の安定計算は円形スベリ面法による。すなわちノリ面の崩壊は円弧に沿うものと仮定し,その円弧に沿う崩壊せんとする力と,これに抵抗せんとする力とを算出してその比を求める。この比が最少となるような円弧を試行によって求め,その時の比を以てその斜面の安全率とする。これを式で 示せば安全率s。F一(Σル『Σ鴇鴇響+OLここに  Σ1V:円弧に囲まれた部分の土塊の重量め円弧の法線方向の分力の和 ΣT:円弧に囲まれた部分の土塊の重量の切線方向の分力の和 φ1内部摩擦角 C:粘着 力 五:円弧の長さ ΣU:間ゲキzk圧の和Σ1VE l地震力により生ずる円弧の法線方向の分力の和ΣTE:地震力により生ずる円弧の切線方向の分力の和一429一 5−1−9ダム設5−1−9〔No46ダム設計基準〕第16条考慮する荷重 堤体むよび基礎の滑動に対する安全性の検討に考慮する荷重は,自重,静水圧,間げき圧沿よび地震力とする。〔解説〕 自重は,完成直後の安全性の検討には湿潤重量を用い,満水時および中間水位時にっいての検討には堤体の浸潤線以上の部分は湿潤重量を,それ以下の部分は飽和重量を用いるものとする。ただし』,水位急低下時に論いて,しゃ水ゾーンの水位低下前の浸潤線以下の部分にっい∫は飽和重量をとるものとするo 間げき圧は,滑り面に直角に作用するものとし,完成直後の安全性の検討には建設中の間げき圧を,満氷時夢誼び氷位緩低下時にほ貯氷浸透πよる1間げぎ圧を,また,7隔低下蒔には貯永1による間げぎ圧むよび残留間げき圧を,それぞれ荷重として考慮するものとする。 貯水池の容量が放流設備能力に比ぺて著しく大きく,水位の急低下が通常予想されないような貯水池のダムについて水位急低下時についての安全性の検討を行なう場合は,堤体震度を地盤震度の1/2として計算するものとする。 地震時に作用する動水圧は,外力として非常に小さいので,また,泥圧は安全側に作用するので,ともに考慮しないこととする。第17条設計数値 堤体沿よぴ基礎の滑動ならびに浸透水に対する安全性の検討に用いる設計数値は,原則として実際に使用する材料かよび基礎についてそれぞれ試験を行ない,その結果をもととし,設計かよび施工条件を考慮して決定しなけれぱならない。L一430一 5−1−10表土基5−1−10〔Na47 表土たい積場建設基準およぴ解説〕 第18条 たい積場の安定計算土留施設冷よびたい積物の安定計算は原則として次の各号によるものとする。1.安定計算は完成した状態について行なうこと・ ただし,保安上重要なたい積場にあっては,たい積の途中の状態についても行なうこと・2 斜面の安定計算は円形スベリ面法によること・3.基礎地盤内のスベリについては,円形スベリ面法が適用できる場合にはそれにより,その他の場合は状況に応じ適当な方法によること。だ駆積場は炎 悟積終了後下安全であ るベ き であ りrごの ためたい積物の最終断面形につhて安定計 算を行なうとともに,下流に人家があるとか,その他保妥上重要であると考えられるたい積場について は,そのたい積途中についても安定度を確かめるべきである。またたい積場の安定に影響を及ぼすも のとしては,地震と降雨が考えられ,前者については地域的な特性から定められている震度により安 定を確かめ,後者については台風時等の連続降雨による浸透圧の影響を考慮する必要がある。  たい積物によってつくられた斜面の崩壊の形は,コウ配とか土質により異なるが,半長円形のもの が多い。しかし,斜面の舞牢度の解析に?いては,実輩的には円形スベリ面法で求やた数値と大した 差がないこと,および円形だと取扱いに便利であることから一般的に円形スベリ面法が用いられてい る。その計算の方法は,堤体を切る円弧を想定し,この円周内の土に滑動を与えるモーメントと,滑 動に対して抵抗するモーメントの比を求めるもので次にその計算例をあげる。  〔円形スベリ面法解説〕  1.安定 計算   粘着力と内部摩擦角を有する土の斜面のスベリ破壊面は円弧状を呈することが多いので斜面の  安定計算はスベリ面を円弧と仮定して次のよう   に行なう。   スベリ面上の土塊を図のように分割して見る               ’1杁                                    θ1   と土輿を滑動させようとする力は五,7鶉乃,            ’、零呪                                   揮2    ・であ匂滑動に抵抗する力は坪1,逓,遅3,…          ’3勾θ,                             ’4                            ’5   鬼  Ng   …による摩擦力踊tanφ,逓tanφ,萬tanφと粘     鴇 麓、潮 名 監                             θ5  着力0あ,0あ,Ol3,……であるから,土塊が      5 、 呪   滑動しないためには,一431一 5−1−10表土基  T1十丁2十丁3………<tanφ(ノ鴇十逓十」V3・・一……)十〇(」1十」2十13………)      tanφΣハr十〇。写」 すなわち         >1…………・……・・…………・……・9……(1)        ΣTでなくてはならないo T、,乃,τ3………,踊,逓71覧………等を求めるには各土塊の重量臥,耽,肱………,及び各土塊の重心線が円弧と交わる点の法線が鉛直線となす角θ、,θ2,θ3………,を図上で求めて,   筑=例sinθ、  亙1一%COSθ1   匹一腸sin θ2     ノ駈2一刀区2cOS θ2   乃一肱sinθ3  1▽3一彫3COSθ3 とすれぱよい。  以上の計算を,種々の円弧について行ないいずれの場合も(n式を満足していれぱ斜面は安定 である。  安全率は種々の円弧について求めた(1)式の値の内最小のものをもって表わす。2。地震時の安定計算 地震時には重力解の他に水平地震力κ彫(左は水平震度)が静的に作用するものと考える。 この水平力と重力の合成加〆は鉛直方向とtan嘱なる傾きをなし,その大きさは重力彫のV齋一倍になる。従って地震時の安定計貧は斜面の傾斜角をtan鴫だけ大きくし,且つ土の重量をVπ倍にして前述の計算を行なえばよい。(内部摩擦角,粘着力は不変)     仮     憩     勢             計算上の斜面     蕩              「一一“一一曽『儀                      〆   実際の斜而t一   実際水平線→ご+t酬、    酬 嫡次晦  .、.冒一7ノ’!     σ㎝一1左       w,;w肝F    w一;wπ平 当然のととだがら安全率は1より大きくなけれぱならない。内部摩擦角,粘着力が円弧全長にわたり一様でない場合は抵抗力算定に当り,これらの変化を考慮する必要がある。(計算例参照) な沿斜面の傾斜角乞とtaゴ1κの和が土の内部摩擦角より小さい場合は,円形スペリの計算を行なうことなく斜面が安定であると判定してよいbこの場合,粘着力を無視すれぱ安全率πは一432一 5−1−10表土基tanφ(1一肋an乞)tanφπ=  tan(ゴ+taパ1左)tan6十左で表わされる。計算 (その1)〔計算例〕 安 定(1  (21v   θ  (31    (4(5sinθ co sθ665 7471 254 41。40578 8162 654 35020490 8723 884 29。204 975 23。40ノ 401 9165 1,060 17040 303 9536 1;050 12。30’ τ216マ976一7 881 7。30’ 131 9918 726 2。30’ 044 9999 606一一3。00’ 一〇52 99910238−7,20’一128 992   6)φtanφ16。287 T翫anφ(1》く3)〃〃〃〃〃〃ノノ〃167378433391321〃〃2235。.700ノノ〃〃〃〃〃(1》く41×(6)7一11532一32一305415322102946115084221650♂〃30272522〃22150135125110110〃221105.0256290」〆ノ〃0ノノ〃ノ〆『一『 ■ 一『  一ΣT=2,002  2,974=Σハrtanφ  740==270」 Σ(ハrtanφ)十Σ(Ol)  2,749十740            =       鴨1.85      ΣT       2,002)φ、禽    タイ積土 10  10 20 30 40 50m2    即=1.7t/m3    φ=16。    .3’fきザ9876  45     29’20’   23040『17●40『7・3α1230一一720㌧3・00・2・30’  基礎地盤  ω;L7t/m3  φ=35●  c=0一433一 、1「41一.c−5・・t/m2    躯f二世×1の面積35・2・脂むロX2π    罪100000 5−1−10表土基安定計算(その2)(1)研1,2’3’4’5’23562681091599051000’44030’38題0’33010’98522Q40’632356’10’  82517Gbα11030’6鬼0’2000’(5sinθ cosθφ777701623547469629713783837833385292199110030923956980994999  (6)tanφ160287  T銑anφ(1》《31(1》〈4図6)1.83ノノ〃〃〃439505〃〃501〃ノノノノ〃464〃〃ノノ〃37929816470ノノ”1135070042128182220251261683015031〃27242222155135120110110〃22110〃’〆〃566440〃249〃ノ一一一  一』 一7403ρ223,0140♂一一9128000〆  (3)   (4)一一 ﹃’81,020β’θ0ノ6’  (2)水平震度 左ロ0。15の場合3ρ22十740      =125  3ρ14τ2一3一4F57             6’           7’        8犀  1α  9一ひ安定計算(その3)(1)解  (2  13)  (4)θsinθ COSθ(5)  (6)φtanφ287a28747Q20’735678160b725360307595804〃ノ1c95526050〆451892〃d31〃26130〃431244〃24120354304〃22IjO185273〃2110533233〃21105=54一43156〃21105〃21105317948〃〃191982〃ノ’f8122勉0’041999ノノ〃一2281555.011「)00’hO J5518()30’ノノ1167970阿02111,1181’.(1)粗凶6)431e544 九.5940二 一〇99 .997187 一13D10’966翫Imφ T(1)〉く3)ノノ〃1,5481,484十935       −1.561,548一434一521,484938 5-1-10abc:=+: ( ;(Z)4 )efh g7d:j,,1q)A !2 72 1,3931,393 + 9 351.0 32,2 7 2a'/f・,*!; C: 8 30b'F.'* 7kc'18'd 'h' g' f'435r93 5i i 5−1−10表土基3,斜面が長い場合の滑動の計算 傾斜した山腹にほぼ均一な厚さの表土がたい積した場合で,円弧スベリ面法が適用しにくいと. きの滑動の有無についての計算式等を次にあげる。 たい積限界厚さから滑動の有無を求める。                               ∼  α一山腹の傾斜角   4=たい積土の単位重量(t/m3)              ・                               ε   云一斜面を構成するたい積土砂の垂直深さ(m)                                 のCO$α   φ一土砂の内部摩擦角                    ・・                              \   o一土砂の粘着力(t/㎡)                  ’、..         」=斜面長さ(m) とすれぱ,次の関係が成立する場合に斜面は安定である。    己舌cOSαsinα<己まCO♂αtanφ十〇  あるいは        O COSφ    孟く      己COSαsin(α一φ) 〔計算 例〕    α:26。 己:1,6t/盆3  φ:15。  o:3tκ  とすれぱ          3×cos150    彦<      1.6×cos260×sin(260−150)   3×0.996<           ;1.09m 1,6×0,889×0,191一436一__ 5−2−1道技5−2 安  全  率 5−2−1〔N巳3 道路技術基準〕 (参考)ノリ面の安定計算法   ノリ面の安定性は上式で得られた丹からつぎのように判定する。    丹 1.0以下 不安定       1,0∼1,2 不確実       1.3∼1,4安定一437一 5マ2−2設計5−2−2〔Na13設計要領〕7−3安  全  率 本設計要領における安全率とは,土のセソ断強さについての安全率とする。すなわち      忍;i ………一・…一…………・・……一……………一…響……・・…………・………式7−1        τ ここに,  瓦;安全率   s=土のセソ断強さ(t/m2)   τ=スベリ面に沿った各部分の土にかかるセン断応力(t/m2) 安定計算における安全率は}下記の値を標準どする。(1)盛 土 の 場一合 一一一   一r一一  盛土の場合の安全率は瓦≧1.25を標準とする。ただし非常に重要度の高い盛土および切土に対しては 可能なかぎり,浸透圧,地震等を考慮した詳細な安定検討をすることが望ましい。(2)切土の場合 (a)原位置試験に.よってセン断強さを求めた場合には,瓦≧1.7を標準とする。 (b)一軸,三軸圧縮試験によってセソ断強さを求めた場合には,瓦≧1.5を標準とする。(1)安全率について  7−3に定義した安定計算法による安全率は,円弧スベリ面法によって最小となるFsを試算し,その値によ ってノリ面の安全性を検討する判断規準の一一つである。  なお計算にあたっては次の点に注意すること。 (a)実際に安定計算を行なう場合には,土中の応力状態や,土のセン断強さ等を求めなければならないが,こ  れらを推定するには,多くの仮定や不確定要素が含まれていて,これが安全率に大きく影響するので,でき  る限り十分検討して現場の状態に近い数値を求めて安定計算を行なわなければならない。そのため,調査お1  よび試験結果の精度を重視する必要がある。すなわち,すぐれた土質調査および土質試験を行なわない限り,  セソ断強さがあいまいなものとなり,計算によって求めた安全率の信頼度が小さいものとなる・   たとえば,三軸圧縮試験によるモールの包絡線の描き方の相異(精度,経験,くせ)によって,安全率が  ±0,3程度増減されることがある。 (b)自然災害等により人的被害,主要鉄道,道路への影響が大きく,かつ災害復旧が非常に困難と思われる重  要度の高い盛土,切土の安全率は標準より大きくすることが望ましい。 (c)使用する諸数値の取扱いにおいて,平均値を使用するか,最低,最高値を使用するかについては,土質調  査資料をよく検討し,その特性を把握して決定しなければならない。一438一 5−2−3 国鉄構5−2−3〔Na11−3 土’構造物の設計施工指針(射〕 3.切取り(ノリ面コウ配)  安全率はいずれの場合も少くとも1.3以上とすることが望ましい。一439一 5−2−4土地改5−2−4〔Nα4−1 土地改良事業計画設計基準〕  生7.1 滑動に対する安全率第71条 堤定および基礎の滑動に対する安全率は,1.2を標準とする。(1)フィルダムの安全率は,材料の性質,設計数値の決め方,解析方法の精度,施工の程度など に関連して変動が考えられるが,いかなる場合でも1.1を確保する必要があり,一般的な標準 値としては余裕をみて1,2とする。  安全率は第75条に規定する方法により,次に掲げるケースについて計算しなけれぱならな い。ただし,水位急降下が通常予想されないダムについてはケース4は計算しない。震ケース堤体条件貯  水  位地1常  時満  水  位100%上・下流側2完成直後な     し50%上・下流側3常  時満水位∼低水位4常  時水位急降下適用 備考t5洪水時サーチャージ水     位100% 上流 側100% 上 流 側50%建設中の間ゲキ圧残存貯水による間ゲキ圧残存上・下流側な沿,次に掲げる各ケ∼スについては,その安全性を確認しなけれぱならない。①水位の急降下が通常は予想されないダムの場合(カンガイ用ダムのほとんど)。この場 合はケース4の地震力のみを50%として安全性を確認する。②.不透水ゾーンの幅が厚くかつタン水が速やかに行なわれるダムで完成直後の場合。この 場合,地震力は100%とする・③ 異常洪水位が常時満水位より高く,かつその差が大きいダムで異常洪水位の場合。この 場合,地震力は考慮しない。〔参考〕 滑動の統計 アメリカのmiddlebrooksがまとめた統計によると,ダム完成後1 年以内に滑動しているのが全体の約1/3 ,5年以内が約1/2を占めている。また,築 造年次からいえぱ,1940年以前に滑動したものが全体の実に94%に冷よんでおり, 1940年以後は超高ダムを含む多くのダムが築造されているのに,ほとんど滑動した例 が見られない。これは,最近の技術がこの問題をほとんど克服したことを示している。  次に滑動の原因としては,次の諸点が明らかになっている・ ①基礎地盤が高塑性,高含水比の粘土である場合・ ②築堤材料が高∼中塑性の粘土である場合,西アメリカ65の均一型ダムのうち,滑動一440一 5−2−4 土地改した14例をみると,斜面コウ配,施工法,貯水池機能などのいずれよりも,50%粒径(既・)との相関が大きか6たという結果が出ているσ    一 表一423 .05・粒径とダムの滑動Dso滑動した%0.006㎜以下0,006∼α02mm(細粒) 100  50α02∼α06㎜  (中粒)10∼20凹6㎜以上  (粗粒)  0(Earth&Earth Rock Dams,p..155)(2)施工中の上・下流方向への滑動  昔行なわれていた水締め式ダムでは,この種類の滑動が多かったが(1939年にアメリカの Fort Pedk Damで382万㎡の堤体が滑動し,8名が死んだのは,その適例である)転圧式 ダムでは少ない。基礎力漱弱で,塑性の大きいときに起り,次の二つの様式がある。 ①緩速スベリ1∼2週間かかって段々とすべり,いつの間にか安定してしまう。基礎が軟  弱均一質で非鋭敏粘土のとき,セン断されても容易に強さを失なわない場合に多く,滑動量 は水平・垂直方向とも,堤高の 5∼15%の程度である(カナダ・のNorth Ridge Damの例)。 ② 急速スペリ 2∼3分間で主滑動は終り,それから数時間滑動が続く。基礎粘土の中にレ  ンズやシルト・微砂層があって,それを伝わって間ゲキ圧が外側の弱い層に伝達され易いよ  うな状態にあるときに起こる(アメリカのMarshall Greek Damの例)。   施工中の滑動は,基礎粘土がプラスチックで含水比が大きいのが原因であるから,基礎中  の間ゲキ圧を早く消去させることに全力をあげ,それまでは盛土を休止するのがよい。ただ  し,急速スペリの場合は,すでに間ゲキ圧は消散してしまっているので,すぐ盛土を再開し  ても大丈夫である。(3)貯水中の下流方向への滑動  大別して,深いスペリと浅いスペリがあるが,前者は貯水が下流へあふれ出るので大きな災 害を及ぼす。 ①深いスベリ堤体または基礎地盤を通じての浸透水が原因で,基礎粘土まですべることが  ある。また,クレストの上流面にまで及んで,ダム余裕高をけずり,とってしまうこともある。  スペリの速度は,施工中の緩速スベリより,少し早いか同.じぐらいで,第1日目が0.9∼1。2  m/day,その後数週間にわたって0。3m/dayぐらいずつ滑動す為(1937年,アメリカ一441一 5−2−4土地改  Fruit Growers Damの例)o ②浅いスベリ豪雨などの結果,下流斜面に.おこる浅いスベリで,深さはせいぜい1・2∼1・5  mである。下流斜面近くに排水不良の材料を使ったり,土羽打ちが不十分のときに起る  (1942年,アメリカCostillFa Damの例)。(4)貯水位急低下時の上流方向への滑動  上流側斜面が滑動するのは施工中のスベリを除けぱ,ほとんど水位急低下に起因するもので あって,とくに最初の貯水の場合に多い。しかし,必ずしも最高水面から最低水面までの急 低下時というわけではなく,満水時から1/2ぐらいの水位までの間で9∼15cm/dayの 速度で水位低下があった場合にもスペ,リが起っている・ スペリの速度は,貯水中の下流方向への深いスペリと同じくらいの緩和度であって,たいて㌧い深い基礎部を通っている。その上端はクレスト上流端,たまにクレスト中央部に及ぶものもあったが,下流端にいたるものはほとんどなく,したがって,余裕高をそこなった例はない・ 貯水中の下流方向への浅いスベリと同様な浅いスベリも,急低下時にごくまれに起る・アメリカのB ell e Four che Dam(塑性粘土による均一型ダム,高さ35m,上流斜面2割)で,1931年水位急低下で,深さ3mの浅いスベリを生じたことがある。2割の急コウ配なら ゴたとえ築堤材料が砂であっても,発電用ダムなどのように,ほぼ満水位から水位急低下の激しい場合には浅いスベリを起すことがある。一442一」 5−2−5ダム設5−2−5〔Na46ダム設計基準〕‘第18条 滑ウ破壊に対する安全性 堤体および基礎は,滑り破壊に対し所要の安全性を有しなければならない。〔解説〕 堤体齢よび基礎は,滑り破壊に対し次に掲げる(コより(5)に至る条件の場合につき,それぞれ安全でなければならない。(D 貯水池が常時満水位で,浸透流が定常状態にある場合(2)完成直後で,建設中の間げき圧が残存する場合(3)貯ノ弼立が中間水位*で,浸透流が定常状態にある場合(4〉水位の急激,かつ,大幅な変動が日常行なわれるダムについては,貯水位が常時満水位から低水位 まで急速に低下し,間げき圧は残存している場合㈲ サーチャージを行なうダムについては・サーチャージ水位の場合 ただし,(3}および(4)の場合は,それぞれ上流面にっいてのみ行なえぱよい。 上記それぞれの場合の滑り破壊に対する安全性は原則として円形滑り面にっいてスラィス方法によ勤検討するものとす’る。その場合の安全率は次式によって求める。π =27{O」十(1V−U一ハら)tanφ}Σ(T十丁θ)    ここに     π:安全率     N:各スラィスの滑り面上に働く荷重の垂直分力     丁:各スラィスの滑り面上に働く荷重の接線分力     U l各スライスの滑り面上に働ぐ間げき圧     場1各スラィスの滑り面上に働く地震荷重の垂直分力     易:各スラィスの滑り面上に働く地震荷重の接線分力     φ;各スライスの滑り面の材料の内部摩擦角     0:各スライスの滑り面の材料の枯着力     ♂:各スライスの滑り面の長さ 安全率は,1.1に所要の余裕値を加えたものとする。余裕値は,材料の性状齢よび設計数値の採り方,ならびに材料の晶質管琿,施工方法,その他計算方法等により適切に決定すべきである。この余裕値は通常0.1を標準とする。 以上のほか,.次のダムについては,さらに上記算式を原則として用い,それぞれの場合の安全性を検討するものとする。*この場合は常時満水位から低水位にいたる中間の水位で ダムの安全性に最も危険な条件となると考えられる水位。一443一 5−2−5 タ’ム設a.貯水池の容量が放流設備能力に比べて著しく大きぐ,水位の急低下が通常予想されないダム:   貯水位が常時満水位から低水1立まで急速に低下し,間げき圧些残存して吟う場合。b.しゃ水ゾーンの幅が広いダム:   湛水が速かに行なわれ,建設中の残存間げき圧と貯水の影響による荷重が組合わさった荷重を   受けた場合c.異常洪水位が常時満水位より高く,かつ,その差が大きいダム:   異常洪水位の場合一444一
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  • タイトル
  • 解説 2. 切土
  • 著者
  • 設計施工基準集編集委員会
  • 出版
  • 委員会関連資料
  • ページ
  • 解説-4〜解説-7
  • 発行
  • 1973/09/01
  • 文書ID
  • 57746
  • 内容
  • 解説文献番号基準名21−1 愛水設対 策 工 の 種類引照頁部門41水路(1)置換え工(21その他の工法4−1土地改142∼143ダム(i)置換工法 吻急速圧密工法 (31押え盛土4−3土地改76∼78干拓(1)胴木基礎 (21クイ打ち基礎 (3)現場打ちコンクリート基礎(4)コンクリートブ・ック基礎〔5〕セルラプ・ック基塵(6)捨石基礎 (7)敷砂基礎 18)敷ソダ基礎 (9)置換基礎(10)サンドドレーン基礎5海 保海岸(1激砂基礎工 働捨石または捨ブ・ック基礎工(31敷ノダ基礎工 14)置換基礎工 (5〕サンドドレーン基礎工6港 構5−5−1港湾∼5−5−(1)置換工法働ドレーン工法(3)バイブロフローテーション工法 (4)サンドコンパクションパイル工法 (5)ウェルポイント工 23法1−4 透水 性地盤対策  透水性地盤上に土構築物を施工して浸透水量を許容範囲内に冷さえ,浸透水を安全に流過させる 処置が「4−1土地改」に規定してある。以下,その対策工を記述する。文献番号4−1基準名引照頁部門土地改136∼141ダム対 策 工 の 種 類(1)広いコア 121シートパイル (3}特殊グラウト(4)完全止水壁(5)押え盛土 (6)リリーフウェル (7)不透水プランケット(8)全面舗装2切  土2−1 切土ノリ面コウ配  切土ノリ面コウ配は地質や地層の状態および湧水などに対して,じゅうぶん安全なように決める べきことが,各規準に規定してある。以下,その標準コウ配についての規定を比較する。文献番号2基準名引照頁部門道土工 49∼53齢土 質 諭 よ び 地 質(1)硬 岩切土の標準ノリ面コウ配0.3∼0.8吻軟 岩0.5∼1,2(3)砂1.5∼解説一4 解説文献,番号2基準名引照頁部門道土工 49∼53道路土 質 澄 よ び 地 質              5m以下     締ま・ているもの<(・)砂質土<   1瀞     ゆるいもの<5一、。m     締まっているものま               10m以下     たは鞭肺の良K、。一、5m(5)レキ質土 もの切土の標準ノリ面コウ配0,8∼1.01.0∼1.21.0∼1.21.2∼1.50,8∼1.01,0∼1.2岩塊または玉石まじり 締まっていないもの 10m以下     または粒動布の悪<、。一、5m     いもの1,0∼1.21.2∼1.5(6)粘土,粘質土         10m以下0.8∼1.2(7謹鷹石勤の粘質土く鮮温1,0∼1.21.2∼1.53道 技454∼455道路σ)粗砂,細砂     締まった砂利     締まっていない砂利         高さ5mまで(3脈く締まっ姓く高さ5m以上121砂  利く            高さ5mまで(4)搬く締まって瞳吐く高さ5m肚    割目多くやわらかいもの,風化したもの(鰍岩く割目嫉く飾もの(6)砂岩・石灰岩・<や樫いもの 風化花コウ石  堅いもの1.51.01.20.8∼1,01.0∼1.51,0∼1.51,5∼2、00.8∼1.20,3∼0.60.5∼1.00,3∼0.6                ●13設 計 43∼46道路(7》硬 岩(堅硬で割目少ないもの)0.1∼0,3(1)硬岩1:0β一1:0812漱岩1:05∼1:12  ㈲1:15∼(3》砂                5m以下         密実なもの<㈲砂質土<_、、』鍵                5∼10m解説一51:08∼1:1ρ1:1.0−1:121:1.0∼1:121:1.2∼1:15 解説文献番号13基準名引照頁部門設計43∼46道路土 質 沿 よ び 地 質        慮実でないもの               10m以下        ま惣糠分布く1。一15m        の良いもの切土の標準ノリ面コウ配1:08∼1:1.01:1.0∼1:12 砂利または岩塊 まじり砂質土(51        密実なもの               10m以下        勲は粒賜布<、。一、5m1:1(ト4:12        の悪いもの1:12∼1:15(6)粘土沿よび粘性土(0∼10m)1:0.8∼1112               5m以下(7髄畝旺石まじりの粘趾<5一、。m1:1.0∼1:121:12∼1:15 注)1:1.5∼とは1:1.5よりゆるいコウ配を表  わす。11−3 国鉄構188鉄道(1醐れやすい砂質土吻やわらかい粘性土1河川技584河川1.0∼1,5(4)軟   岩0.8∼1,2(5沖 硬 岩0.8∼1.0(6)硬   岩0.3∼0.8(D標 準 値(3)滞 積 面土地改74∼76水路1,5∼1.8(3)普通 土⑬表土がかたい場合4−21.5∼1,81.51.01.5(1)経験的な判断による吻テーラー図表による9労 働31労働 岩盤またはかたい粘土 高さ5m未満goo          高さ2m未満750goo(1)からなる地山 く高さ5m以上一咄く鳶1縦7506002−2 切土の小段 切土ノリ面には地質や現場の状況に応じて小段を設けるべきことが各基準に規定してある。以下, 小段を設置する高さの標準値についての各規定を比較する。解説一6 解説文献番号13基準名引照頁設 計46∼47 道路11−3 国鉄構191小 段 設 置 の 標 準 高 さ部門鉄道原則として高さ7mごと,その幅は1.5m岩石とゆるんだ土砂との境界部,または寿冷むね7mごと2−3 表面水・湧水の処理  表面水や湧水によってノリ面が洗掘された匂,崩壊したりする恐れがある場合は,集排水設備や 水抜き 工などによって排水処理を施すべきことが「2.道土工」 「13.設計」に規定している・2−4 切土の施工  切土の施工の主なものに,つぎの事項が「11−1.国鉄土」 r11−3.国鉄構」 「13,設計」 r1.河川技」に規定してある。  (1)ノリ面上寿よびノリ肩付近のゆるんだ岩塊,樹根,不安定な土塊などはとり除くこと。  く21切取りの深さが施工基面に近づいた時には,指示により粒度試験(J I S A1205)および塑   性限界試験(JIS A1206)を行なv・,その結果をすみやかに提出すること・  (3)切取り施工中は常に土質,地質の変化齢よび湧水状況を観察し状況に応じてコウ配の変更,   ノリ面防護工,排水工の要否を判定すること・  (4〉滞積土砂の切取りは不安定なので注意を要すること。  (5)切土部路床の具備すべき性質  (6)この外,「9.労働」によると,地山を手掘りにより掘削する場合,すかし掘りを禁止してい   る。                                    3 盛  土3−1 締 固 め  盛土の締固めには,選定された材料について適合する締固め方法と転圧機械を用い,原則として 規定の含水量の範囲内の材料を一様左薄い層にま昏出し,各層について所要回数づつ締固めて規定 の締固め度を得るべきことが各基準に規定してある。以下,締固めに寿けるまき出し厚さ,含水比, 締固め度についての各規定を比較する。解説一7
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