書籍詳細ページ
出版

地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725

表示件数

10 30 50 100

1 / 2

タイトル 奥付
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 66〜66 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250027
内容 表示
ログイン
タイトル 大型土のうを用いた道路盛土の災害復旧技術(技術手帳)
著者 澤松 俊寿・宮武 裕昭
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 46〜47 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250019
内容 表示
ログイン
タイトル 4. 杭の支持力特性と設計における杭長の設定方法(杭基礎の支持層確認と支持力確保)
著者 青木 一二三・梅野 岳
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 48〜55 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250020
内容 表示
ログイン
タイトル 4. 砂・砂礫のサンプリング(サンプリングの極意)
著者 利藤 房男・野村 英雄
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 56〜63 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250021
内容 表示
ログイン
タイトル 新入会員(4月理事会承認)
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 64〜64 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250022
内容 表示
ログイン
タイトル お詫びと訂正
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 64〜64 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250023
内容 表示
ログイン
タイトル 書籍紹介
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 65〜65 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250024
内容 表示
ログイン
タイトル 編集後記
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 66〜66 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250025
内容 表示
ログイン
タイトル 平成29年度役員等
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 66〜66 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250026
内容 表示
ログイン
タイトル 中部支部創立60周年記念烏山頭ダム・白冷圳見学会報告(学会の動き)
著者 八嶋 厚・坪田 邦治
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 42〜45 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250018
内容 表示
ログイン
タイトル 会告
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ A1〜A5 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250028
内容 表示
ログイン
タイトル 地盤工学会所在地
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ A6〜A6 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250029
内容 表示
ログイン
タイトル 地盤工学会技術講習会のお知らせ
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250030
内容 表示
ログイン
タイトル 裏表紙
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250031
内容
ログイン
タイトル 鉄道盛土の複合的な被災原因(口絵写真(HP)・論説)
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250032
内容 表示
ログイン
タイトル カンボジアアンコール遺跡基壇盛土の締固め管理(口絵写真(HP)・報告)
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250033
内容 表示
ログイン
タイトル 「土のう構造体」を用いた既設盛土の耐震補強(口絵写真(HP)・報告)
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250034
内容 表示
ログイン
タイトル 柱列状地盤改良体を施工した斜角橋台背面盛土の挙動解析(<特集>盛土)
著者 滝沢 聡・中村 宏・池本 宏文・鈴木 健一
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 16〜19 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250010
内容 表示
ログイン
タイトル 英訳版室内試験・地盤調査に関する規格・基準(Vol.3)
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250002
内容 表示
ログイン
タイトル 本号の編集にあたって(<特集>盛土)
著者 鈴木 健一
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ i〜i 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250003
内容 表示
ログイン
タイトル 目次
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250004
内容 表示
ログイン
タイトル CONTENTS
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250005
内容 表示
ログイン
タイトル 盛土の設計・施工・維持管理における幾つかの課題(<特集>盛土)
著者 龍岡 文夫
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 1〜3 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250006
内容 表示
ログイン
タイトル 盛土の粘り強さと性能の明示(<特集>盛土)
著者 常田 賢一
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 4〜7 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250007
内容 表示
ログイン
タイトル 鉄道盛土の複合的な被災原因(<特集>盛土)
著者 古関 潤一
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 8〜11 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250008
内容 表示
ログイン
タイトル 自動化した表面波探査と電気探査による道路盛土の健全性評価への試み(<特集>盛土)
著者 八嶋 厚・村田 芳信・苅谷 敬三・加藤 一郎
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 12〜15 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250009
内容 表示
ログイン
タイトル 表紙
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250001
内容
ログイン
タイトル 飽和圧縮曲線を用いた盛土の品質管理(<特集>盛土)
著者 本田 道識・ニェンスウェイ・石井 武司・齋藤 邦夫
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 20〜23 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250011
内容 表示
ログイン
タイトル カンボジアアンコール遺跡基壇盛土の締固め管理(<特集>盛土)
著者 福田 光治・岩崎 好規・本郷 隆夫・下田 一太
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 24〜27 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250012
内容 表示
ログイン
タイトル 「土のう構造体」を用いた既設盛土の耐震補強(<特集>盛土)
著者 澁谷 啓・谷 和夫・片岡 沙都紀・中澤 博志
出版 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
ページ 28〜31 発行 2018/06/01 文書ID jk201807250013
内容 表示
ログイン
  • タイトル
  • 奥付
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 66〜66
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250027
  • 内容
  •     ◆編集後記◆構造のシンプルさ故に,変化に対して柔軟であることが特徴本特集号では「盛土」と題し,被災原因,施工管理,補強,的です。人口減少社会を迎えるにあたり,人類の歩みととも維持管理と様々な話題をお送りしました。土を盛るというこに柔軟に形を変えていく,そんな社会の実現の鍵を握るのがとは,人間のものづくりの歴史において,最も身近な行為の盛土技術かもしれません。本特集号が,皆様の日々の営みのひとつであるように思われます。この単純な行為がこれほど一助になれば幸いです。に高度化・複雑化したことを考えると,先駆者たちの成した最後になりましたが,本特集号の発刊にあたり,ご多忙の仕事の大きさに驚かされます。中ご協力賜りました執筆者の皆様に,心より御礼申し上げま一方,他の構造物との違いに着目しますと,盛土は材料とす。(小林長事監村 上章副 会 長 古 関 潤 一(事業企画戦略室)本 多眞(*)(総務部)小 高 猛 司(*)(会員 ・ 支部部)廣 岡 明 彦(*)(国際部)勝 見武(*)(公 益 出 版 部) 橋 章 浩(*)※(調査 ・ 研究部)西 村 伸 一(*)(基準部)仙 頭 紀 明(*)西 田 耕 一藤 井衛事菊池喜昭※田中耕浜 田小田部英 治雄 二敏哉石 川中 野堀 越達 也※正 樹山 中研 一(国際部兼任)稔金記)※印は公益出版部会構成員平 成  年 度 役 員会理孝彰子一北田奈緒子(*)室長,部長平 成年 度 公 益 出 版 部 会理事・部長理事部員 橋 章 浩石 川 達 也鈴 木 健一郎越 村 賢 司理事・副会長野榎田 利本 忠菊弘夫池宮喜田昭喜壽岸田潔渡邉康司杉本映湖平成年度「地盤工学会誌」編集委員会委員長企画・編集グループ石 川 達 也※主査 福 永 勇委員 浅 野 将木 内 大学生委員 小笠原 明渡 上 正主査 正 田 大委員 大 竹主査 長 澤 正委員 荻 野 俊主査 森友委員 今 泉 和主査 鎌 田 敏委員 倉 田 大委員長 野 田 利委員兼幹事 小 林 浩委員 秋 本 哲澤 村 康戸 邉 勇第 1 グループ第 2 グループ第 3 グループ第 4 グループ講座委員会副委員長介人介信洋輔雄明寛宏俊幸輔弘※二平生人鈴木牛 塚久 保畑 下林健一郎※太基博侑 輝聖 淳岡 本藤 原大 木伊 藤道孝優拓 馬裕 孝加松那島村須寛郁章聡香金山沖澤中野伸光頌一一悟阪田暁高橋寛行野々村敦子山下勝司木元 小百合小林孝彰鈴木健一富樫陽太柏尚 稔中村公一古川全太郎峯之宮下千花山口健治吉田泰基邦 彦壱 記宏 明健稲島細積田田真哉篤臣近曽森藤我下明大智彦介貴酒谷匂川一友成浩酒井 崇中伊重福村藤松田寿川渡伊口邉藤貴真之諭司澤丹田野正豊浩啓一郎平成年度「Soils and Foundations」編集委員会委員長風間委員長三村基樹副委員長渦衛副委員長岸岡 良介岡村未対宮田喜壽※平成年度「地盤工学ジャーナル」編集委員会名誉会員特別会員田潔※小林範之豊田浩史会員現在数(平成30年 3 月末現在)152名(国際会員113名含む) 正会員 7,452名(国際会員1,012名含む) 学生会員 1,040名886団体(国際会員47団体含む) 合計 9,530名・団体会費(年額)正会員 9,600円 学生会員 3,000円 国際会員(特別もしくは正会員に限る)2,000円 特別会員特級 300,000円,1 級 240,000円,2 級 160,000円,3 級 100,000円,4 級 60,000円Soils and Foundations 購読料(会員に限る,税別)15,000円(Online 版ライセンス+冊子版)または7,500円(Online 版ライセンスのみ)地盤工学会誌平成30年 6 月 1 日発行編集発行所公益社団法人2018 地盤工学会66定価1,728円(本体価格1,600円) 無断転載2018年 6 月号 Vol.66, No.6 通巻725号株「地盤工学会誌」編集委員会印刷所 小宮山印刷工業編集業務代行地盤工学会有 新日本編集企画を禁ずる郵便番号  東京都文京区千石丁目番号電話 (代表)郵便振替 FAX ホームページ URL https://www.jiban.or.jp/Email jgs@jiban. or. jp広告一手取扱株廣業社〒 東京都中央区銀座丁目番号電話 地盤工学会誌,―()
  • ログイン
  • タイトル
  • 大型土のうを用いた道路盛土の災害復旧技術(技術手帳)
  • 著者
  • 澤松 俊寿・宮武 裕昭
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 46〜47
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250019
  • 内容
  • 技術手帳大型土のうを用いた道路盛土の災害復旧技術Restoration Technique for Road Embankment with Large Sandbag澤松俊寿(さわまつ国立研究開発法人土木研究所としかず)主任研究員宮武裕昭(みやたけ国立研究開発法人土木研究所ひろあき)上席研究員要した事例では,図―のように全体の約 3 割で大型. は じ め に土のうを土留めに用いて応急復旧が講じられている。ま地震や豪雨により道路土工構造物に甚大な被害が発生た,この傾向は崩壊規模が大きいほど強い。さらに,本する場合がある。崩壊による通行止めは復旧支援の支障復旧では大型土のうを含めて応急復旧した部分を撤去し,となり,さらに通行止めが長期にわたると,日常的な人盛土,擁壁等の別の工法で本復旧を行うため,撤去の手や物の移動などの社会経済活動に影響を及ぼすこととな戻りや本復旧の間の通行止めが必要となっている(図―る。崩壊した盛土等の応急復旧には大型土のう積層工法(a))。が用いられることが多いが,これは大型土のうが災害のような緊急時でも比較的容易に入手できることや施工性.本復旧での手戻りに配慮した復旧工法に優れていることが理由である。一方,大型土のう積層. 工法の概要工法は仮設として使用されているため,本復旧では大型最近では,前述のような本復旧の過程での手戻りに配土のうを撤去した後に改めて別の工法で復旧することが慮した新しい工法(以下「本工法」という。)も開発さ一般的である。本稿では,このような本復旧での手間をれている例えば3),4) 。すなわち,図―( b )のように応急省くことに配慮した道路盛土の災害復旧技術について紹復旧では従来の大型土のうに加えて補強材(ジオテキス介する。タイル)を用いる。本復旧では応急復旧の際に設置した.道路盛土の復旧工法と課題大型土のうを撤去せずに,その前面に道路を供用しながら腹付け盛土を構築し,最終的に補強土壁として復旧す. 道路盛土の復旧の基本的な考え方るものである。このようにして復旧を行うことから,山道路盛土の復旧では,当面の機能回復のために応急復間部等で迂回路が無く応急復旧から本復旧の過程で通行旧を講じ,必要に応じて引き続き本復旧を行うことが一止めができないような条件では本工法が特に有効である。般的である。応急復旧に当たっては,速やかな交通の回また,撤去の手戻り(工期・コスト)が少ない。特定の復,被害の拡大防止等に努めるのはもちろんのこと,特条件ではあるが高さ 5 m の盛土に対する試算によると,に崩壊の規模が大きい場合には,次の事項等を考慮する図―のように施工期間,通行止め時間,工事費をそれ必要がある1)。ぞれ 4 割,6 割,3 割程度縮減することができる。さら◯応急復旧が本復旧として利用できるか,本復旧の施工時に大きな手戻りが生じないか◯必要な材料等の手配の状況. 復旧工法の実態には,大型土のう積層工法とジオテキスタイル補強土壁工法をベースとしていることから,特殊な資機材を必要としないなどの利点がある。一方,本工法は全てのケースで有利となるわけではない。例えば,従来の大型土の道路盛土の応急復旧では,崩壊規模,交通の条件等に応じて様々な対策が講じられている。崩壊した道路盛土の復旧のプロセスに関する実態調査2)によると,迂回路,片側交互通行等の対応が困難で復旧までに多くの時間を図―46応急復旧工法の採用状況2)図―大型土のうを用いた道路盛土の復旧工法地盤工学会誌,―() 技術手帳図―本工法と従来工法の施工期間・通行止め時間・工事費の比較(試算)う積層工法と比べて応急復旧時に補強材の敷設が加わるために,応急復旧での早期の交通開放を最も重視する場合には不向きである。また,近傍に迂回路がある場合及び交通の切り回し,片側交互通行等で交通開放できる場合には別の工法が適している。したがって,本工法を選択肢の 1 つとして,崩壊の状況・規模,迂回路等の交通条件を考慮して適切な復旧工法を選定する必要がある。. 施工手順と留意点本工法は,大型土のうの製作及び設置方法並びに補強材の敷設方法,施工管理基準等はそれぞれ耐候性大型土のう積層工法マニュアル5)及びジオテキスタイルを用い図―応急復旧及び本復旧の主な手順た補強土の設計・施工マニュアル6)を基本としている。ただし,応急復旧から本復旧の過程で両マニュアルをまる。補強材同士の連結にはジオテキスタイル補強土壁でたぐような工程に対して,本工法に関する施工の手引一般に使用する材料を用いればよい。き7)がとりまとめられている。本工法の主な施工手順は( 2 d )裏込め材敷きならし・転圧施工範囲が狭小図―のとおりであり,以下に施工時の留意点を示す。であるため,転圧不足とならないよう入念に転圧を行う。応急復旧時の留意点本工法では,応急復旧部分が本復旧の一部となることから,応急復旧においても品質管理を適切に行う必要がある。( 1 a )大型土のう製作本工法では,大型土のうの参1)2)高さが補強材の敷設間隔に影響するため形状・寸法の管理が重要となる。3)( 1 b )補強材・大型土のう設置本復旧の補強材との連結の容易さに配慮し,本復旧時の壁面に対して垂直4)となるように補強材を敷設する。( 1 c )裏込め材敷きならし・転圧大型土のう間の隙間にも盛土材を充填して突き棒等で転圧する。5)( 1 d )補強材の巻上げ大型土のうを補強材でたるみなく巻き込み,一体化を図る。本復旧時の留意点6)( 2 b )巻き込んだ補強材の切断大型土のうを損傷しないように,応急復旧側の巻き込んだ補強材を切断する。( 2 c )補強材の接続本復旧側の補強材と連結させJune, 20187)考文献日本道路協会道路土工-盛土工指針,丸善出版, pp.285~288,2010.堤 祥一・小橋秀俊・藪 雅行盛土崩壊における文献・災害復旧工事記録の実態調査,第29回日本道路会議,No. 4001,2011.森 芳徳・宮武裕昭・久保哲也現場条件を考慮した災害復旧技術に関する動的遠心実験(その 1 ),第 70 回土木学会年次学術講演会,350,2015.森 芳徳・宮武裕昭・久保哲也・井上玄己大規模土砂災害に対応した新しい災害復旧技術に関する研究,土木学 会 論 文 集 F4 , Vol. 72 , No. 4 , pp. I _ 77 ~ I _ 87 ,2016.耐候性大型土のう基準検討委員会「耐候性大型土のう積層工法」設計・施工マニュアル,土木研究センター,2012.ジオテキスタイル補強土工法普及委員会ジオテキスタイルを用いた補強土の設計・施工マニュアル(第二回改訂版),土木研究センター,2013.土木研究所大規模な土砂災害に対応した新しい災害応急復旧技術に関する研究,土木研究所資料第 4334 号,土木研究所,pp. 151~164,2016.(原稿受理2018.1.19)47
  • ログイン
  • タイトル
  • 4. 杭の支持力特性と設計における杭長の設定方法(杭基礎の支持層確認と支持力確保)
  • 著者
  • 青木 一二三・梅野 岳
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 48〜55
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250020
  • 内容
  • 杭基礎の支持層確認と支持力確保.青木杭の支持力特性と設計における杭長の設定方法一二三(あおきひふみ)株 レールウェイエンジニアリング総括部長. は じ め に本章では,地盤調査結果に基づいて杭の諸元を決定す梅野岳(うめの株 梓設計たかし)技術顧問力,地盤工学会基準「杭の鉛直載荷試験方法」の第 2限界支持力など名称の違いはあるが一般的になっている定義である。る設計時における諸問題を扱う。最初に,杭の施工法に支持層に十分に打ち込んだ杭の極限先端支持力度 qdよって異なる支持力特性(鉛直荷重(押込み)時の杭のは,N 値との相関で表わすと300 N(kN/m2)程度が一荷重~沈下関係)について解説する。次に,支持層への般的であり,砂や砂礫の上限値は 15 000 ~ 20 000 kN /杭の根入れ深さや支持層が薄い場合(中間支持層)の杭m2 程度である。先端閉塞の打込み杭の底面直下地盤は,先端支持力の評価について述べる。最後に,設計におけ大きな底面応力によるせん断を受け,土粒子が著しく破る杭長の設定方法について,各分野の設計基準における壊されてコアが形成されるとともに,杭先端周辺地盤の考え方を解説する。なお本章は,単杭についてのみ取り動きから地盤の破壊機構はパンチングせん断破壊に近い扱うものとする。ことが確認されている。コアは杭中心直下で 0.75 D ま. 杭の支持力特性.. 打込み杭工法で達し,コア部の土は粒子破砕を生じて非常に締まって固くなっており,その乾燥密度は1.8 g/cm3 以上と当初の1.5 g/cm3 の1.2倍以上である1)。打込み杭工法は,ハンマーによる打撃等により既製杭以上のように,打込み杭の qd の大きさは,せん断強を地盤中に打ち込む工法である。地盤の極限抵抗に打ち度や N 値などの強度定数だけでなく,土粒子強度の影勝って貫入させることから,軟弱中間層から支持層への響が大きいことがうかがわれる。例えば,高圧下の粒子打込み中の深さ方向の先端抵抗 Rdrive の軌跡は,図―破砕が顕著なしらす,まさ土などの特殊土は, N 値が.(a)の破線で示すように,支持層へ到達直前から増加大きくなるにつれて qd の頭打ちが生じ,一般の支持力し始め,支持層への根入れとともにさらに増加し,支持算定式が適用できない。東京近辺の成田砂層でも qd の層強度が深さ方向に一定とすると,支持層が砂質土の場上限値は10 000 kN/m2 程度である。合,根入れが 2 ~ 4 D ( D 杭径)でほぼ上限値になる最近の打込み工法は,先端開放の鋼管杭(開端鋼管杭)ようである。このことから,杭の先端支持力特性は,図で多く使用されており,1 000 mm 以上の大径が主流で―.( b )に示すように,根入れを D で打ち止めた杭のある。開端鋼管杭の先端支持力は,先端閉塞杭の支持力先端支持力特性は Rp1 , 2D で打ち止めた杭の先端支持に対する低下の比率(低減比)で評価し,これを閉塞率力特性は Rp2 になる。その場合,打込み杭の載荷試験かという。開端鋼管杭の先端支持力は,先端付近の鋼管内ら沈下量比 s / D (沈下量/杭径)= 0.025 程度でその根入部に詰まった土と杭内面間の摩擦抵抗によって発揮されれでの先端抵抗の包絡線と等しくなり,極限支持力状態ることから,先端支持層の土の性質が影響する。開端鋼になる。 s / D = 0.1 では,先端抵抗の若干の増加はある管杭の杭先端の極限支持力度 qd と N 値の比 qd / N は,がほとんど同程度である。なお, s / D = 0.1 のときの杭杭の支持層への根入れ比 L/D(支持層への換算根入れ/の先端抵抗を押込み時の支持力の基準とする考え方は,杭径)の関数として与えられる。開端鋼管杭の載荷試験建築や鉄道分野の基準支持力,道路橋示方書の極限支持図―. 打込み杭の先端支持力特性48図―. 開端鋼管杭の qd/N と L/D との関係2)地盤工学会誌,―() 講  座データによれば qd/N と L/D との関係は,図―.に示根固め部の上端が支持層に到達後,支持力の上限を迎えすように, L / D が大きくなるにつれ閉塞率が全体に大る。このため,中掘り拡大根固め工法では,杭本体先端きくなる傾向がうかがえる。その一方で,杭径が 700の支持層への挿入深さは 1D 以上を標準としている工法mm 以上の場合には,閉塞率と L / D との相関性が希薄が多く,載荷試験における杭先端抵抗はこの位置に設置になり,単純な閉塞率で表現できないこともうかがえる。したセンサーによって測定した軸力であり,この値から同図には,道路橋示方書の推定式を載せているが,ほぼ先端支持力を評価している。先端支持力推定式を適用し平均値に近い qd を与えている。て,先端支持力を十分発揮させるためには,十分な根入開端鋼管杭の打込み時には,鋼管先端近傍の地盤は過れが条件となる。剰間隙水圧の上昇が生じ,鋼管と周辺土との摩擦抵抗が中掘り先端根固め杭の先端支持力特性は,支持力係数小さくなって貫入が容易になる。一方,鋼管内部土におが同じであっても拡大根固めの形状により先端支持力特いても同様な現象から土の密度や有効応力の増加が十分性に若干の相違が生じる。一般に,図―.(a)に示す機期待できないことが考えられる。また,鋼管本体先端が械撹拌方式の根固め形状は,根固め径が D+0.1~0.2 m,土をパンチングせん断破壊しながら押し込まれると,鋼根固め長が 3D(上方 1D+下方 2D)であり,一方,(b)管先端下方近傍では土粒子破砕を伴って押し出され,鋼に示す高圧噴射方式の根固め形状は,根固め径が D +管先端上方近傍に空隙やゆるみゾーンが形成されること0.3~ 0.5 m ,根固め長が 1.5 D である。以上から,先端がある。このため,粒子破砕を生じやすい土では L / D根固めの形状寸法を大きくすれば支持力係数を大きく取を増やしても閉塞率の頭打ちが生じてしまう。このようれることになる。高支持力杭は,この支持力増加効果をな現象から,図―.のデータからうかがえるように L/最大限に活用していることになる。なお,高支持力杭はD が大きくても閉塞率の小さい杭が存在する。杭体先端部から根固めに大きな応力を伝達することから,.. 埋込み杭工法埋込み杭工法は,プレボーリング工法と中掘り工法に根固め強度の品質確保が重要となる。.. 回転杭工法大別され,既製コンクリート杭や鋼管杭を挿入し,杭先回転杭工法(回転貫入杭工法)は,杭体の先端部に羽端を根固めするのが一般的である。埋込み杭の先端根固根を有する鋼管杭に回転力を与えて羽根の推進力によりめの形状は,杭工法により異なるが,杭本体先端より上,地盤に貫入させる工法である。このため,地盤の応力解下方の長さと拡大径を有する円筒形となっている。埋込放も限定的であり,羽根の拡底効果により杭の先端支持み杭の先端支持力は,拡大根固め全体の抵抗を先端支持力を大きく取れる。回転杭の先端支持力特性は図―.力としており,根固め周面部の摩擦抵抗と根固め底部ののようになる。なお s=0.1 Dw としたのは,地盤工学会先端抵抗の合計で表現できる。オーガー掘削から根固め基準「杭の押込み試験方法」3)における「第 2 限界支持の過程で先端地盤を若干応力解放することから杭の先端力の杭先端径(拡底杭では軸径でなく先端径)の 10 支持力特性は図―.のようになる。一様強度の支持地沈下量時の支持力」という定義に先端羽根を有する回転盤条件では,拡大根固め部が支持層に到達すると先端抵杭も合わせたことによる。回転杭は,羽根径程度以上根抗が急増し,根固めの根入れとともに支持力が増加し,入れさせた条件の試験杭の載荷試験のデータから先端支持力度算定式を定めていることから,支持層への根入れは羽根径以上とする必要がある。羽根の推進力は引抜き抵抗と同じ支持力機構であるので,支持層への根入れ比図―. 埋込み杭の先端支持力特性図―. 回転杭の先端支持力特性図―. 中掘り拡大根固め工法の根固めの支持力特性June, 2018図―. 回転杭の貫入時の地盤挙動4)49 講  座図―. 回転杭の貫入中及び完成後の軸力並びに先端羽根部の支持力特性に比例することになる。このことから,所定の先端支持力を発揮させるためには,杭頭に押込み力を加えてできる限り貫入率を大きくして最終貫入させて打ち止めさせることが肝要である。貫入時の羽根周辺の地盤挙動は,図―.に示すように,羽根上部に土が押し上げられると,羽根直上に圧縮ゾーンが生じ,杭貫入の推進力が発現する。一方,羽根直下に空隙あるいは緩みゾーンが生じ,周辺の応力開放により杭先端の抵抗が減少し,貫入しやすくなる4)。貫入時に生じる杭の軸力分布と完成後の杭頭載荷によ図―. 場所打ちコンクリート杭の先端支持力特性って生じる杭の軸力分布及び杭先端羽根部の支持力特性は,図―.のようになる。貫入時の杭軸力は,(a)に示すように杭先端羽根上面に貫入力が作用し,先端抵抗と摩擦抵抗の合計と釣り合い,貫入後に残留応力が残る。次に,完成後の杭頭載荷によって生じる杭の軸力分布は,(b)に示すように変化する。その時,回転杭の杭先端羽根部の支持力特性は,(c)に示すように先端羽根部の沈下によって羽根上面の下向きの残留地盤反力が急激に減少するとともに羽根下面の地盤抵抗が発揮される。すなわち,回転杭の羽根部の先端抵抗は,沈下初期段階の履歴応力までは小さな変図―. 場所打ち杭の先端支持力度 qp と N 値の関係6)位で発揮されるが,その後は羽根径相当の場所打ち杭や場所打ち杭は,沈下量比 s / D = 0.1 で先端支持力を評埋込み杭の先端支持力特性と同様の支持力特性になる。価するため,先端支持力が先端面積に比例して大きくな.. 場所打ちコンクリート杭工法るが沈下量も杭径に比例して増加することになる。もし,場所打ちコンクリート杭は,地盤を掘削し,コンク許容支持力を沈下量で規定するならば,杭先端の面積でリートを打設することにより築造する。このような施工過程においては,◯なく杭径に比例することになる5)。また,同じ N 値であっても土質が違えば先端支持力掘削過程における掘削排土による応力開放,掘削度 qp が異なることになる。 qp を決定する要因として,器具の加力,吸引力による地盤の乱れ,被圧水等の 杭の施工に関わる要因,◯ 土の粒径の影響などが考え◯浸透流によるボイリング現象による影響られる。図―.に示すように,N 値と qp の関係では,コンクリート打設過程における孔内浮遊物の堆積砂層は設計支持力式よりも下方に,砂礫層は上方に分布による杭先端弱部の形成,コンクリートの水中打込している。また,先端支持力度 qp を N 値で除した支持み時の分離等による脆弱部の形成による影響力係数 qp/N と支持層の平均粒径 D50 の関係では,図―が考えられ,杭の先端支持力特性の低下をもたらす。.に示すように, D50 が大きくなると qp / N が大きく◯場所打ちコンクリート杭の先端支持力特性は,図―なる傾向が認められ,砂質土が qp/N≒70,砂礫土が qp.のように,支持層根入れ部の周面摩擦支持力 Rbf と/N≒100であり,土質の影響が大きい。両図から,場所底面支持力 Rbp の合計で評価される。道路橋示方書や鉄打ち杭の先端支持力は砂質地盤と礫質地盤を分けて評価道基礎設計標準では,場所打ちコンクリート杭の先端支する方が妥当であるといえよう。持力の算定式は,杭先端を杭径程度以上根入れさせ,杭径程度上部の軸力を先端支持力として評価している。50場所打ち杭の先端支持力は施工管理の影響を受けやすく,支持力変動も大きい傾向がある。場所打ち杭の支持地盤工学会誌,―() 講  座力においては,周面摩擦力と先端支持力の合計で評価すの中間にあることを確認できる。なお,鉄道基礎設計標ることが望まれる。特に,表層が周面摩擦の期待できな準9)では,既往の薄層支持の模型試験の結果を参考に不い軟弱地盤では,周面摩擦力と先端支持力を期待できる完全支持の場所打ち杭の載荷試験結果による検証を行っ支持層に杭先端を十分根入れさせることが肝要である。て u=tan-1 0.3としている。道路分野における杭基礎設計便覧10) では,阪神高速. 薄層支持杭の先端支持力評価道路公団設計要領に基づいた薄層支持の場所打ち杭の支地層の中間にある薄い支持層に杭の先端を根入れさせ持力評価法が紹介され,また鋼管杭・鋼矢板技術協会がた薄層支持の杭基礎も選択肢の一つとなる。このような中掘り根固め鋼管杭及び鋼管ソイルセメント杭について支持条件の杭は,建築や道路分野では薄層支持杭,鉄道同様な手法により検討した評価法を載せている。阪神高分野では不完全支持杭と称しているが,ここでは「薄層速道路公団の薄層支持の場所打ち杭の評価方法11) は,支持杭」と称することとする。薄層支持地盤における場所打ち杭(杭径 1.2 m,杭長36薄層支持杭の先端支持力は,杭先端下方の薄層厚 Hm ,杭先端以深の薄層支持層厚 1.2 m )の鉛直載荷試験の先端径 D に対する比率 H/D(以下,薄層厚比と略す)をシミュレーション解析で再現して支持力機構及び支持がある限界値より小さくなると,支持層が厚い場合に比力特性を明らかにし,薄層厚比 H /D を変えて薄層支持較して低下する。また,沈下も増加し,強度の弱い下部の先端支持力を求めるための補正係数を設定している。層で圧密沈下が生じる可能性もある。鋼 管 杭 ・ 鋼 矢 板 技 術 協 会12) は , 中 掘 り 先 端 根 固 め 杭薄層支持杭の先端支持力の評価に関しては,2 層地盤(杭径 1.0 m ,杭長 27.9 m ,根固め以深の薄層支持層厚の支持力式が利用されることが多い。図―.に示すよ0.9 m)と鋼管ソイルセメント杭(鋼管径1.0 m,ソイルうに,杭先端荷重が荷重分散角 u で下部層上面に分散すセメント径 1.2 m ,鋼管長 33.5 m ,ソイルセメント以深ると仮定して下部粘土層の支持力を評価する手法である。の薄層支持層厚 1.66 m )の薄層支持地盤の鉛直載荷試薄層支持杭の支持力評価については,上記のような 2験を用いて同様な検討を行っている。場所打ち杭,中掘層地盤に設置した杭の模型実験により評価する試みがなり根固め杭及び鋼管ソイルセメント杭の試験結果と H/されている。堀井ら8) は,既往の実杭の鉛直載荷試験D を変えた解析結果を図―.に示す。同図には, u=データと模型杭(杭を吊り下げた状態で地盤を構築したtan-1 0.3による支持力(支持力式 1)を点線で,杭基礎非打込み杭(設置杭))による遠心模型実験結果から荷設計便覧の補正係数による支持力(支持力式 2)を破線重分散角 uについて検討を加えている。 u = tan-10.3とで示した。すると図―.に示すような関係になり,模型杭の実験以上から一般的な薄層支持杭は, H / D が 3 以上で下結果と比較的良く合う。また,実杭の事例も含め,計算層の影響がほとんどなくなるようである。さらに,下層結果と実験結果を比較すると図―.のように実験結果の粘土層の強度がもっと小さい場合等の薄層に支持された条件の FEM 解析によると,下層粘土の強度が小さくなっても H /D が 4 以上で下層の影響がない結果が得られている13)。. 設計における杭長の設定方法.. 建築関係建築分野では,場所打ち拡底杭と既製コンクリート杭の拡大根固め工法の採用頻度が極めて高い。ここでは建築に独特の工法である後者を取り上げて支持層設定の留意点を述べる。杭の支持力算定式を定める告示 1113 号14) には,新工図―. 場所打ち杭の qp/N と D50値の関係7)法の受け皿規定があり,地盤に応じた適切な数の載荷試図―. 実験結果と計算結果の図―. 2 層地盤の荷重分散角June, 2018図―. 2 層地盤の支持力式の比較8)比較8)51 講  座図―. 杭先端深度確保のための目安例はないので,上記の調査範囲や.で既往の中間支持層の影響等を勘案して,先端深度を設定する必要がある。支持層の地盤種別特定埋込み杭では,地盤種別を砂質土,礫質土及び粘土質土に区分して認定等が行われており,工法選定では,適用地盤と適用杭長の確認が必要である。前述の技術基準解説書16) では,載荷試験を行った地盤との同一性の確認と共に地域性のある特殊な地盤・岩盤への注意を喚起している。土丹層や岩盤層を支持層に選定する場合には,認定範囲内とみなせるか,また個別に載荷試験を実施する場合,試験数や試験条件が妥当なのかなどの検討をする必要がある。支持層の深度と根入れ深さの設定図―.に示したが,特定埋込み杭は,支持層への根図―. 薄層支持杭の有効層厚比と先端支持力の関係入れ深さを規定したものと単に杭先端地盤の平均 N 値評価範囲を規定したものが混在する。支持力算定式の相験結果に基づくことで,次式の許容支持力度算定式中の支持力度係数 a,b,g を任意に設定できる。Ra =1{aNAp+( bNs Ls+gqu Lc)c} ……………(4.1)3ここに, Ra 地盤から決まる杭の長期許容支持力度,違もあり根入れ深さ設定上の留意点は一律に言い難い。一方,施工管理の現状は,支持層到達をオーガー駆動装置の電流値変化等と作業技術者の総合判断と呼ばれる経験に基づいて判断し,根入れ深さは深度で管理され,先端地盤の平均 N 値そのものは確認できていない。こN 先端地盤の平均 N 値, Ap 杭先端の断面積, Ns の現実を念頭におくと,積分電流値の変化等が比較的杭周面の砂質土地盤の平均 N 値, Ls 杭周面の砂質地N 値と相関しやすいよう, N 値の大きな変化点,例え盤の層厚,qu粘性土地盤の一軸圧縮強さ,Lc杭周面ば N 値の上限の 50ないし 60以上となる深度境界を支持の粘性土地盤の層厚,c杭軸部の周長である。層深度とするのがよく,調査点と杭位置との平面的な変2000 年の制度導入以来,独自に a , b , g を設定した動も考慮して設計値とすることを推奨する。図―.で新規埋込み工法が多数登場した。その特徴が杭先端根固は根固め部上端深度に余裕 Do を加えて支持層内への根め部を大幅に拡径し大きな支持力が得られることから入れ深さとする例を示した。なお,支持層に部分的な「高支持力杭」と呼ばれ,法手続き面からは「特定埋込N 値の低下が観察される場合に,先端地盤の平均 N 値み杭」15)とも称される。を適切に低減する方法も考えられる。支持層の連続性支持層の不陸への設計時の対応杭の先端支持力評価は,杭先端地盤の平均 N 値に基支持層を把握する上で支持層深度のコンター図が有効づいており,一般工法では杭先端から上方に 4d ,下方とし,支持層の傾斜や起伏が想定される地盤の調査ではに 1d ( d 杭先端部径)範囲の平均 N 値を用いる。一調査数量を増やすことなどの留意点17) が公表されてい方,特定埋込み杭は認定条件によるため,図―.に示る。また,標準貫入試験を補完するサウンディング手法すように平均 N 値の評価範囲は,多様で複雑である。の利用も推奨される。しかし,全数地盤調査をしない限また,杭先端地盤の連続性について, 2015 年版技術基準解説書16) では,杭先端より下方り,杭位置での支持層深度は設定通りとはならない場合(D ′先端杭5D ′も生じる。コンター図の想定を現実と錯覚し支持層深度径)以上の地盤を把握し,下部の N 値が支持力算定範や杭長を細かく設定することより,現実との相違を吸収囲と同等以上であることを確認するとされ,同等とみなするための余裕を如何に盛り込むかを検討すべきである。せない場合には適切に低減を行う必要があるとする。支持層の N 値や層厚に制限が設けられているわけで52傾斜支持層での設計事例からの考察設計で支持層の傾斜を想定し,設計図書でも追加地盤地盤工学会誌,―() 講  座調査を指定した事例から設計上の留意点を考査する。事例は,大規模な建設計画の一角にあり,設計時と工事段階での地盤調査結果を図―.に示した。敷地は沖積低地で,約 5 m 以深から洪積層が出現する。洪積層は砂層と粘土層の互層で,当該棟の支持層深度として, 3 番目の洪積砂層(図中では Ds3 層と記載)中で N 値 60を連続的に超える深度が設定され,標準杭長19 m の特定埋込み杭基礎が設計された。図―.( a )の調査地点 No.6 と No.3 間は約 64 m で約 5 m の支持層の傾斜が認められた。図―.(b)の想定地盤断面図での支持層傾斜想定曲線や,当該棟での図―. 設計図書で指定した追加調査による杭長変更例基準杭長が直近の調査結果より 2 m 以上支持層が深いNo. 7 に基づいたことなどで,建物幅16.5 m の中では傾斜の影響は少ないとの判断がなされ,特に杭長を変化させる設計とはされなかった。その後,建物直下の調査空白点が問題となり,追加調査を指定する設計図書の追記によりリスク回避が図られることとなった。杭未達トラブルを受けた告示18) に連動した設計者向けの通達19) では,地盤情報が不十分な場合の地盤調査の追加や,それが困難な場合には,設計図書での特別な施工管理仕様や追加調査の記載が求められた。これに沿った対応である。図―. 積算電流値による支持層確認例追加調査結果を図―.(c)に示したが,約16 m 間で約 5 m の急激な傾斜が確認され,該当領域の杭長を一律 5 m 増やす計画変更が行われた。幸い,設計図書に追加調査を記載することで事前に施工者の理解が得られ,変更対応は工期に影響を与えずに無事処理された。図―.は,当該傾斜部に 5.5 m 間隔で配置された 4ヶ所の杭の積分電流値である。管理値の N 値も記載されているが,砂層の互層では支持層到達確認は困難15)とされる通りで,両者の相関性は必ずしも明確ではないが,N 値60超えの境界は,辛うじて検知できている。図―.では,図―.に示すロロ′断面の想定地盤断面図により,設計用に支持層を設定する方法を考察す図―. 傾斜支持層での杭長設定方法例 に対して一律の根入れ余る。支持層の出現深度の曲線◯ が得られる。この事例の裕を見込んで想定すると曲線◯としている。すなわち,杭先端下方の支持層厚は杭径の を設計で採用することには相当の教訓としては,曲線◯3 倍以上あれば良質な支持層とみなせよう。リスクがある。一方,リスク回避として調査地点間での鉄道基礎設計標準9)では,杭先端の地盤内応力が下層谷を想定することは不要で,そのリスクは施工管理と計に対して沈下等の影響を及ぼさない層厚を確保する必要画変更で処理すると割り切った方がよい。設計段階の配があるとし,一般に,杭径の 5 倍以上あれば良質な支 を,また少なくとも曲線◯を慮としては可能なら曲線◯持層とみなしてよいと規定している。選択することが推奨される。.. 土木関係良質な支持層の条件道路橋示方書20) では,支持層の層厚が薄くその下方杭の支持層への根入れ深さ道路橋示方書における各工法の杭先端の支持力度の特性値は,杭先端を杭径程度以上根入れした条件の載荷試験を基に,杭先端の極限支持力を評価している。一方,に相対的に弱い層または圧密層がある場合には,支持力鉄道基礎設計標準における杭先端の支持力度の特性値は,と沈下についてその影響を検討する必要があるとしてい支持層への最小根入れ深さ分根入れされた条件である。る。杭先端の極限支持力度の特性値を標準貫入試験のなお,支持層への最小根入れ深さは,一般に杭径程度とN 値から定める際,評価に用いる N 値は杭先端から杭しているのは,実杭の鉛直載荷試験では杭先端から杭径径の 3 倍下方までの範囲の平均値としてよい。また,程度上方の測定軸力を先端支持力として評価しているこ薄層支持の場合の先端支持力の評価において杭先端からとにある。すなわち杭先端を支持層に杭径程度根入れさ杭径の 3 倍以上の支持層厚があれば補正しなくてよいせ,根入れ部周面の摩擦抵抗と杭底部の鉛直抵抗の合計June, 201853 講  座を先端支持力としていることになる。(0.55),lf支持形式の違いを考慮する係数,Ry地盤打込み杭の場合は,..で記述したように,支持層から決まる杭の降伏支持力の特性値, Ws 杭で置き換への根入れによる先端支持力の増加が認められる。道路えられる部分の土の有効重量, W 杭及び杭内部の土橋示方書では,先端開放の鋼管杭が一般的であり,先端の有効重量,である。支持力は支持層への根入れ深さが杭径の 2 倍以上で評次に,永続作用支配状況及び変動作用支配状況におけ価している。一方,鉄道基礎設計標準では, L / D が 5る耐荷性能としての杭の軸方向押込み力に対する支持の以上で閉塞率が上限となる。ただし,杭径が800 mm 以限界状態 1 に対する杭の軸方向押込み力の制限値は,上の先端開放鋼管杭では閉塞率の上限を設けている。次式により算出される。 支持層への杭先端の根入プレボーリング工法では,◯ 杭の先端から根固め底部までのれは杭径以上とする,◯Rd=j1 FY lf ln(Ry-Ws)+Ws-W…………………(4.4)ここに, Rd 杭の軸方向押込み力の制限値, j1 調深さは杭径の 1.5倍以上とするとしている。また中掘り査・解析係数(表―.), FY 抵抗係数(表―.),工法は,工法により根固め形状が異なるが,プレボーリlf支持形式の違いを考慮する係数,ln杭本数に応じング工法と同様な配慮が必要である。た抵抗特性の差を考慮する係数(標準1.0)である。杭の周面支持力また,レベル 2 地震動を考慮する設計状況において杭の設計根入れを決めるうえで,表層及び中間層でのは,橋の重要度の区分や基礎の塑性化の考慮の有無などで,限界状態 1 から 3 までが設定される。道路橋示方杭の周面支持力も重要である。道路橋示方書では,永続作用支配状況における杭軸方書における限界状態 1 ~ 3 の定義の概要を表―.に示向押込み力に対して杭頭の沈下量が従来の設計法と同等す。限界状態 1 は降伏点相当であり,限界状態 1 におとなるよう制限値が定められている。ける降伏変位の制限値は次式で求められる。鉄道基礎設計標準では,長期状態においては,粘着力dy=dy 0 ln ……………………………………………(4.5)以下の軟弱粘性土については,長期的なここに,dyレベル 2 地震動を考慮する設計状況におクリープ変形の影響が大きくなることから,その土層及ける杭基礎の降伏変位の制限値, dy0 杭基礎の降伏変び上方の土層の杭の周面抵抗を無視する。また,周辺地位,である。度が25kN/m2盤に圧密沈下が生じる場合には,圧密層と上方の土層の鉄道の基礎設計標準の場合,杭の設計鉛直支持力は,ネガティブフリクション(負の周面摩擦力)を考慮する。特性値に相当する基準支持力に部分安全係数に相当する一方,地震時状態においては,杭の水平変位が大きくな地盤抵抗係数を乗じた次式により算定する。る地震時においては,杭頭から 1 / b の深さまでの杭の周面抵抗を無視する。ここに,bは杭の特性値(m-1)で,次式で求める。b=4Rvd=fr Rk=frt Rtk+frf Rfk ……………………………(4.6)ここに,Rvd杭の設計鉛直支持力,fr地盤抵抗係数,Rk基準支持力,frt先端支持力に対する地盤抵抗係数,k HD……………………………………………(4.2)4EI表―. 杭先端の極限支持力度の特性値(道路)20)ここに,kH杭前面の水平方向地盤反力係数,D杭の直径,EI杭の曲げ剛性である。なお,杭先端から支持層への最小根入れ深さの範囲の周面抵抗は,上記の条件から無視する必要がある。杭の設計支持力の考え方道路橋示方書では,永続作用支配状況における変位の制限として,杭軸方向押込み力に対して杭頭の沈下量が従来の設計法と同等となるよう制限値が定められている。表―. 道路橋の限界状態(道路)20)基礎の変位を抑制するための杭頭部における杭の軸方向押込み力の制限値は,次式により算出される。Rdp=ls lf (Ry-Ws)+Ws-W ……………………(4.3)ここに, Rdp 基礎の変位を抑制するための杭の軸方向押込み力の制限値,ls沈下量を抑制するための係数表―. 要求性能に応じた基準変位量と目標安全性指標(鉄道)9)54地盤工学会誌,―() 講  座Rtk 基準先端支持力, frf 周面支持力に対する地盤抵抗係数, Rfk 基準周面支持力,である。要求性能ごとの基準変位量及び目標安全性指標を設定して,fr の値を定めている。要求性能ごとの基準変位量及び目標安全性指標を表―.に示す。なお, fr の値は,周面と先端の合計支持力に対する先端支持力の比率で変化する。場所打ち杭の場合を図―.に示す。..に示した場所打ち杭の先端支持力特性から分かるように,少ない沈下量範囲の支持力が小さいことやばらつきが大きいことから長期荷重状態の場合で先端支持力の比率が大きい場合は,fr の値が小さくなる。このことは,場所打ち杭の場合,支持層への根入れを大きくして周面摩擦力の比率を高め図―. 場所打ち杭の地盤抵抗係数(鉄道)21)ることを推奨していることになる。.. 杭長設定における留意点杭長の設定において,杭の支持力特性を把握することは大切である。場所打ちコンクリート杭の支持力低下による沈下形態を図―.に示す支持力特性の模式図で説明すると,(a)のように杭の周面摩擦力の大きい杭は,杭先端の支持力の低下があっても,長期荷重に対しては過大な沈下にならないが,短期荷重に対しては過大な沈下を生じることがある。ただし,(b)のように周面摩擦力が低下すると,長期荷重でも沈下が大きくなることがある。以上のような現象を念頭において,表層を含めた中間層の土質と強さが杭周面摩擦力の支持力特性への影響及び支持層の強度と根入れによる杭先端支持力の支持力特性を考慮して適切に杭長を設定するのがよい。. お わ り に図―. 場所打ち杭の支持力低下による沈下形態22)9)杭の支持力特性は,杭の施工に伴う先端や周囲地盤変化の挙動の影響を受ける。これら各種杭工法の支持力特10)11 )性を理解することにより,杭に作用する荷重の性質と支持層等の地盤状況に応じた杭長の設定などの杭基礎の設12)計が適切に行われることを期待する。13)参1)2)3)4)5)6)7)8)考文献高野昭信・岸田英明 5.3 杭の鉛直支持力に関する実験的研究,杭基礎の設計法とその解説,土質工学会, pp.289~296, 1985.建設省土木研究所鉛直載荷試験による単ぐいの極限鉛直支持力の推定,土木研究所資料第899号,1974.地盤工学会基準 杭の鉛直載荷試験方法・同解説 第 1回改訂版,pp. 39~46, 2002.土屋 勉支持層への根入れによる杭の支持力評価,基礎工,Vol. 42, No. 6, pp. 25~28, 2014.阪口 理場所打ちコンクリートぐいの土質調査と設計,場所打ちコンクリートぐいの設計と施工,1980.伊藤 翼・畑中宗憲N 値に基づく砂質地盤での場所打ち杭の極限先端支持力度の評価に関する一考察,日本建築学会大会学術講演梗概集,pp. 415~416, 2009.藤岡豊一・青木一二三場所打ち杭の先端抵抗力度と杭径の関係,土木学会第57回年次学術講演会,pp. 1293~1294, 2002.堀井良浩・長尾俊昌・山崎雅弘・小椋仁志層状地盤に支持される杭先端の鉛直支持性能その 1既往実験結果に基づく検討,日本建築学会大会学術講演梗概集, pp.415~416, 2012.June, 201814)15)16 )17)18)19 )20)21)22)鉄道総合技術研究所編鉄道構造物等設計標準・同解説基礎構造物,2012.(公社)日本道路協会杭基礎設計便覧,2015.阪神高速道路公団場所打ち杭の支持力設計要領,1990.(一社)鋼管杭・鋼矢板技術協会薄層に支持された鋼管杭の先端支持力の評価,明日を築く No. 83, pp. 14~17,2015.山崎雅弘・堀井良浩層状地盤に支持される杭先端の鉛直支持性能その 2  FEM 解析に基づく検討,日本建築学会大会学術講演梗概集,pp. 417~418, 2012.国土交通省平成12年告示1113号(一社)日本建設業協会ほか杭の施工管理における支持層到達の確認方法(既製コンクリート杭埋込み工法),2017.国総研・建研監修 2015 年版建築物の構造関係技術基準解説書,pp. 565~573, 2015.国土交通省大臣官房営繕部監修建築工事標準仕様書,平成28年版,2016.平成28年国土交通省告示第468号基礎ぐい工事の適正な施工を確保するために講ずべき措置,2016.国土交通省建築指導課長通達国住指第 4240 号基礎くいの適正な設計について,2016.(公社)日本道路協会道路橋示方書・同解説下部構造編,2017.(公財)鉄道総合技術研究所基礎構造物の性能照査の手引き(暫定版),2017.桑原文夫ほか杭基礎のトラブルとその対策(第一回改訂版),地盤工学会,pp. 1~22, 2014.55
  • ログイン
  • タイトル
  • 4. 砂・砂礫のサンプリング(サンプリングの極意)
  • 著者
  • 利藤 房男・野村 英雄
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 56〜63
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250021
  • 内容
  • サンプリングの極意.利藤房男(りとう砂・砂礫のサンプリングふさお)野株応用地質村英雄(のむらひでお)株基礎地盤コンサルタンツシンウォールサンプラー,ロータリー式二重管サンプ. は じ め にラー及びロータリー式三重管サンプラーの 3 種類であボーリング調査は,地盤を掘削して原位置で地盤の物る。性を直接調査したり,サンプリングにより土質試験用の固定ピストン式シンウォールサンプラーは,通常エキ試料を採取するなど,地盤調査の最も根幹をなす技術でステンションロッド式サンプラーを用いて軟質な粘性土ある。特に,ボーリングにより乱れの少ない試料を採取を対象として使用されてきたが,最近では水圧式サンプする技術は重要で,採取時に乱れが大きくなると地盤のラーが用いられることが多くなり,サンプリングの質が強度を過小評価することになり,その結果建設工事費全向上するとともに,やや硬質な粘性土の採取が可能とな体が高くなることが指摘できる1)。特に,砂・砂礫のサった。ンプリングは,ロータリー式三重管サンプラーが用いらロータリー式二重管サンプラーは,N 値が 5~15程度れることが多いが,その品質に関してはこれまでにも多までの硬質粘性土を対象としたサンプリング方法である。くの議論がある。本章では,最初に地盤工学会で基準化このサンプラーは,デニソン式サンプラーとも呼ばれ,されているサンプリング方法の砂・砂礫への適用性につ固定ピストン式シンウォールサンプラーに比べて,オペいて説明する。その後,基準化されているサンプリングレータの熟練度により採取試料の品質に差が生じやすい。方法では採取困難な砂・砂礫に対する新しいサンプリンロータリー式三重管サンプラーは,地盤工学会基準でグ技術を二つ取り上げ,そのサンプラーの構造と特徴をは「硬さが中位以上の粘性土又は締まりの程度が中位以取りまとめるとともに,採取した試料の品質に関する評上の砂質土を対象」と記載されており,長年にわたり砂価を行い,これらサンプリング技術の有効性を示す。最質土や砂礫のサンプリングに適用されてきた。しかしな後に,サンプリング技術は今後とも引き継いでいくべきがら,このサンプラーは,図―.に示すように3) ,内重要な現場技術であることを強調して,本章を締めくく管のシューが外管先端よりも飛び出た構造であることかる。ら,砂や礫が先端シューに当たると乱れを生じるため,. 地盤工学会基準サンプラーの砂・砂礫への適用性構造的に砂質土や砂礫の採取には適していない。現状,砂質土や砂礫を対象としたチューブ式サンプラー(主に,ロータリー式三重管サンプラーを指しているものと考え地盤工学会で基準化されているサンプラーを表―.られる)を用いたサンプリングの質は,凍結サンプリンに示す2)。このうち,ボーリング孔を用いた未固結の土グの質よりもかなり悪いという印象が持たれている。こ試料を対象としたサンプリング方法は,固定ピストン式れは,多くの地質調査業者がロータリー式三重管サンプ表―. 基準化されたサンプラーの構造と適用地盤の関係56地盤工学会誌,―() 講  座図―. ロータリー式三重管サンプラーの構造ラーを長年使用してきた代償と考えられる。図―. 砂質土液状化に対する凍結サンプリングとチューブ式サンプリングの比較実験に一部加筆. 砂質土を対象とした凍結サンプリングとチューブ式サンプリングの比較実験平成 8 年度~9 年度にかけて,当時の建設省土木研究社 全国地質調査業協会連合会により,「地盤の液状所と化抵抗評価に関するサウンディング・サンプリング手法の実証実験」が行われた4)。この実証実験では,サンプリング方法による非排水繰返しせん断強度の違いについて検討するために,各種のチューブ式サンプラー及び凍結サンプラーを用いた比較実験が行われた。チューブ式サンプラーとしては,前述したロータリー三重管サンプラーに加え,水圧式サンプラーや地盤工学会基準で定められていないプラネットサンプラー,土圧式サンプラー,JFB サンプラーなどが用いられた。実験の結果の一例として,各種サンプラーで採取した試料を用いた非排水繰返しせん断試験等から,液状化強図―. GP サンプリングの概要度 RL20 及び初期せん断弾性係数 G0 に関して,チューブ式サンプラーの結果と凍結サンプラーの結果を比較して,図―.に示した。これらの図から分かるように,明らかに凍結サンプリング試料を用いた試験結果の値が大きく,つまりは良質な試料が採取されていることが分かる。このように,この当時のサンプリング技術では,チ. 砂・砂礫を対象とした高品質サンプリングの最近の動向.. ゲルプッシュ(GP)サンプリングGP サンプリングの概要ューブ式サンプラーによる試料の品質には限界があったと考えられる。最近,砂・砂礫を対象とした高品質サン砂・砂礫層では粗粒な部分と細粒な部分が未固結な状プラー(ゲルプッシュ( GP )サンプラー,ジーエス態で混在しているので,乱れの少ない試料をサンプリン(GS)サンプラー)が開発され,チューブ式サンプラーグすることが難しい。その理由は次のようなものである。でも高品質な試料採取が可能となってきたので,以降,礫などの粗粒部分は径が大きくて硬質なため,この切削その技術の概要と採取した試料の品質を示していく。時に大きな振動を与えると地盤中で礫が動いてしまい接触している細粒部分を乱してしまう。これを防ぐためにJune, 201857 講  座図―. サンプルチューブからの試料抜出時の圧力と抜出ピストンの変位の関係図―. 砂・砂礫に使用する GP サンプラーはダイヤモンド粉を鋳込んだダイヤモンドビットと呼ばれる切削部をサンプラー先端に装着して,サンプラーを写真―. ポリマーによる採取試料の被覆高速回転させ,粗粒部に対する振動を抑えながら滑らかな切り口で切削する必要がある。このような切削を行うと摩擦によってダイヤモンドビットには熱が発生するため,ビットを冷却しなければならない。またスライムとポリマー溶液は従来からベントナイト泥水に添加する呼ばれる細かな切削粉が発生するため,これを排出する増粘剤として用いられてきたが,泥水に添加する際には必要もある。従来はこのビットの冷却やスライムの排出濃度 0.2~ 0.5 で用いられているものを, GP サンプリのためにベントナイト泥水を循環させていた。ところがングでは数の濃度で泥水には添加せずに単独で使用すこのベントナイト泥水の循環によって未固結粒子が洗いる。このポリマー溶液は合成高分子の一種(ポリアクリポリマー溶液に求められる機能出されてしまうのである。GP サンプリングではこの問ルアミド)であり,非ニュートン流体で,せん断速度の題を解決するため,ベントナイト泥水の替わりに,ゲル増加に伴い見かけの粘性係数が減少する擬塑性流体であと呼称される水溶性ポリマー溶液を用いて洗い出しを防る。いでいる。図―.に GP サンプリングの概要を示す。ポリマー溶液はサンプラーに内封された状態でサンプリポリマー溶液が GP サンプリングに果たしている具体的な機能は以下のようにまとめられる。ングを行い,先端ビットによる掘削・試料採取に伴って1)サンプラーに挿入された採取試料の体積分だけポリマー単管タイプの GP サンプラーでは採取試料は外管内に試料採取時に発生するせん断力と摩擦の低減溶液が押し出される構造となっている。この押し出され収納されるが,試料採取中の外管は高速回転している。たポリマー溶液によってビット冷却とスライムの排出をこのため外管内壁からの摩擦による乱れが懸念される。行うため,ポリマー溶液の圧力・流量は必要最小限で済しかし外管回転中の採取試料の周囲に存在するポリマーみ,細粒分の洗い出しを防いでいる。またポリマー溶液溶液は,せん断応力の増加に伴って粘性が低下する機能はサンプラー内に取り込まれた試料の乱れを抑えると同(シアシンニング粘性)のため採取試料の側面に作用す時に,サンプラーから抜出した後の試料を保護する役割るせん断応力は非常に低く抑えられていることが確認さも持っている。れている5)。なおこのポリマー溶液による細粒分の洗い出しを防ぐまた三重管タイプの GP サンプラーでは採取試料はサ方法は砂・砂礫層に対してだけではなく,崖錐堆積物,ンプルチューブ内に挿入・収納されるため,外管の回転破砕帯,風化岩盤,自破砕溶岩などからなる地盤に対しによって発生する摩擦は採取試料には働かない。しかしても効果がある。サンプルチューブ内壁と試料側面の間には試料挿入時にGP サンプリングに用いるサンプラー図―.に砂・砂礫に用いるサンプラーを示す。サン摩擦が生じる。また単管タイプ・三重管タイプに共通して,採取試料を抜き出す際には外管やサンプルチューブプラーは単管タイプと三重管タイプがあり,単管タイプの内壁との間に摩擦が生じる。図―.はサンプルチは試料径 100 ~ 300 mm で玉石や礫などの硬質な粗粒分ューブからの抜出圧力と変位を調べたものであるが,ポを含んだ土に対して適用される。三重管タイプは試料径リマー溶液を用いることで挿入・抜出時の圧力を低減し73.5 ~ 83.0 mm で礫を含まない土に対して適用される。て乱れを抑えていることが分かる。58地盤工学会誌,―() 講  座2)るものである。採取試料の保護採取試料を保護する機能は複合的な要因によると推察.. ジーエス(GS)サンプリングされている6)。まず,コアの側面にポリマー溶液の保護皮膜が形成されて試料の表面が一体化すること(写真―GS サンプラーの構造は図―.に示すように7),外管.参照),ポリマー溶液のワイゼンベルク効果(回転中と固定ピストン内蔵の内管からなっている。サンプラー心体に法線方向応力が作用する効果)によりコアの側面ヘッドはインナーチューブヘッド部とアウターチューブに拘束圧が作用すること,さらにコアの表面浅部にポリヘッド部に分かれており,外管の回転が内管に伝わらなマー溶液が浸潤して見掛けの粘着力が付与されることでいようになっている。内管は透明アクリル管を用い,固ある。これらの複合的な効果により,サンプリング時の定ピストン式シンウォールサンプラーと同様に固定ピス擾乱に対するせん断抵抗(せん断強さ)tf が増大して,トンを使用することで試料の脱落を防ぐ構造となってい乱れを防いでいると考えられている。る。中間ロッド(六角形状のピストンの心棒)はボーリ採取試料の状況GS サンプラーの概要ングマシン上部の櫓まで伸ばして固定することで,共回GP サンプリングで採取した礫質土の試料写真を写真りを確実に防ぐ構造である。さらに,掘削水の送水圧が―.に示す。玉石から細礫までをきれいに切削しかつ,直接ビット先端の地盤へ影響しないようビット側面に循砂質土や粘性土で構成された基質部を洗い流さないで採環水の出口を設けている。また,内管先端部から循環水取できている。写真―.に貝殻混じり砂層と砂質土層が内管側に回らないように内管先端シュー(先端金具)の試料写真を示す。通常のサンプリング方法では採取が困難な,2 枚貝の貝殻片が密集した地盤の試料を採取することができている。写真―.に東京礫層における水みちを含む試料を採取した例を示す。このような水みちは基質部を洗い流さないサンプリングによって確認でき写真―. GP サンプラーで採取した砂質土層と貝殻混じり砂層の試料写真―. GP サンプラーで採取した玉石混じり砂礫と礫混じり粘性土の試料写真―. GP サンプラーで採取した水みちを含む試料図―. GS サンプラーの構造June, 201859 講  座図―. ボーリング調査結果に溝を設け O リングをはめて外管との隙間を遮水している。この循環水の排出経路の構造は,ダム岩盤の高品質サンプリングとして使用されている低送水量低給圧工写真―. GS サンプラーで採取した試料の外観及び X線写真法(LWLP 工法)8)と基本的には同様な構造である。 採取試料は透明なアクリGS サンプラーの長所は,◯ル管へ収納され,試料採取後すぐに試料観察が可能であ 対象地盤は粘性土・砂質土・礫質土をはじめること,◯廃棄物や風化岩・破砕帯など幅広い土質に適応可能であ 六角の中間ロッドを使用するため,六角の一ること,◯点を北に合わせて固定すれば北向きの定方位サンプリン ドライとグが可能となり地層傾斜が推定できること,◯ウエットいずれのサンプリングも実施可能であり,泥水・泡・圧縮空気等が使用可能であることなどがあげら 中間ロッドの固定などを含めサンプれる。短所は,◯ 作業手ラーのセッティングに若干時間を要すること,◯間と材料費からロータリー式三重管サンプラーより高価 他のサンプラーに比べ,土質に応じた組となること,◯立て時の調整やサンプリング時の押込み速度を調整する写真―. GS サンプラーで採取した試料の代表的な写真など熟練した技術を要することなどがあげられる。採取試料の状況日本国内の 3 地区(千葉県香取市,兵庫県洲本市,付近には砂質土と粘性土の互層(ASC)が分布している。サンプリング対象とした砂質土は,細砂主体で粒径が均沖縄県宮古市)で実施した GS サンプリングを用いた乱一, N 値は 5~ 20程度である。 GS サンプリングで採取れの少ない試料採取の状況を示す。香取市では沖積砂質した 9 本の試料採取率は,ほぼ100であった。採取し土を,洲本市では洪積玉石混じり砂礫を,宮古市ではサた試料の外観及び X 線写真を写真―.に示す7) 。 X 線ンゴ礫混じり土をそれぞれ対象とした。写真からは,サンプリングの乱れに伴う割れ目はみられ千葉県香取市の地質状況を図―.に示す。表層 3 mず,沖積砂質土の堆積状況を示す縞状の構造が明瞭に認は軟質な沖積粘性土( AC1)からなり,その下位は沖積められ,良質な試料が採取できていることが確認できる。砂質土( AS1 , AS2 及び AS3 )が主体で,深度- 7 ~ 8 m兵庫県洲本市には,海峡を横断する長大橋の建設が予60地盤工学会誌,―() 講  座写真―. 同一地層に対する凍結サンプリングと GP サンプリングの採取試料表面の状況写真―. GS サンプラーで採取した試料外観写真と X線写真定されていた。地質的には,沖積層の下位に洪積層の玉石混じり砂礫層が分布しており,この層が長大橋基礎の支持層として適しているかどうかが問題となった。このため,玉石混じり砂礫層の力学特性を把握する目的で,含まれる玉石の大きさを考慮して大口径(直径20 cm)の乱れの少ない試料を GS サンプラーにより採取した。なお,使用した内管のアクリル管は,直径20 cm の既製品が存在しないため,特注により製作した。採取した試図―. 同一地層に対する凍結サンプリングと GP サンプリングの液状化強度の比較料の代表的な写真を写真―.に示す7) 。この写真からは,硬質な玉石がサンプラーにより円形に切断され,玉石の周辺の基質に乱れがみられないことから,乱れの少ない状態で試料が採取されていることが確認できる。沖縄県宮古市のある琉球諸島の海底土は,現世サンゴが明瞭に観察できる。. 高品質サンプリング試料の品質と物性評価.. GPサンプリング試料の品質と評価礁やサンゴの死骸等からなる石灰岩層のような硬質の地GP サンプリング試料の品質を評価した事例を以下に盤と沖積軟弱地盤が存在している。沖積軟弱地盤は,一示す。写真―.は同一地点かつ同一地層で実施した凍般的にサンゴ礫混じり土と呼ばれるものである。宮古市結サンプリングと GP サンプリングの採取試料表面の比平良港の水深約- 10 m の海底のサンゴ礫混じり土を対較である。凍結サンプリングと GP サンプリングのいず象として,GS サンプラーを用いて乱れの少ない試料のれも礫をきれいに切削し細粒分の洗い出しもなく,両者採取を行った。本地区のサンゴ礫混じり土は,細砂~中に大きな差は見られない。図―.は採取試料で実施し砂を主体として部分的にサンゴ礫を点在する砂質土層と,た非排水繰返し三軸試験結果である。GP サンプリング径 40 ~ 50 mm のサンゴ礫を混入し基質はシルト質細砂で採取した試料の液状化強度は凍結サンプリングのそれである砂礫層に大別される。 N 値は,砂質土層で 20 前とほぼ同一である。液状化強度や微小変形時のせん断剛後,砂礫層ではかなりばらつくが概ね 10 ~ 30 である。性は乱れの影響を特に強く受けることが知られているが,試料は,サンゴ礫混じり土の砂質土を 8 本,礫質土をこの結果を見ると GP サンプリングで採取した試料の品14 本採取した。サンゴ礫が硬質であることから,先端質は凍結サンプリングと同等であることが分かる。のビットにはダイヤモンドビットを使用した。1 試料当図―.~図―.はサンプリング方法による採取試たりの採取時間は,概ね 2~3 時間を要したが,試料採料の品質の差を比較したものである9) 。図―.は原位取率は,ほぼ100であった。採取した試料の代表的な置で計測した S 波速度と,室内で計測したサンプリン線写真を写真―.に示すが7),大型の硬グ試料の S 波速度からせん断剛性率をそれぞれ求め,質なサンゴ礫がきれいに円柱状に切削されていることが両者の比をとったものである。サンプリング~抜出~供観察できるとともに, X 線では,サンゴ礫の堆積状況試体整形の過程における乱れが小さいほど,原位置と室外観写真と XJune, 201861 講  座図―. 繰り返し三軸試験結果図―. サンプリング手法によるせん断剛性率の比較図―. せん断剛性率 G0 の比較表―. 三軸圧縮試験結果(CUB)図―. 採取試料の粒径加積曲線きはあるが,シンウォールサンプリングや三重管サンプリングに比べて GP サンプリングの液状化強度曲線は上方に位置し,試料の乱れが少ないことが推察される。.. GS サンプリング試料の品質と物性評価千葉県香取市で GS サンプリングで採取した試料を用いて,地盤材料の変形特性を求めるための繰返し三軸試験を実施した。その結果を図―.に示すとともに7),試験から得られたせん断剛性率と PS 検層から算定したせん断剛性率の関係を図―.に示す7) 。なお,図―.には関西地区で実施した同様の結果を追加している10)。これによると,両者の関係はほぼ 11 の関係にある。限られた試験結果からではあるが, PS 検層が原地盤でのせん断剛性率を示していると考えるならば,図―. サンプリング手法による液状化強度の比較GS サンプリングの試料の品質は原地盤とほぼ同等な良好な状態にあると判断される。内のせん断剛性率の比は 1.0 に近づく。この結果から,沖縄県宮古市で GS サンプラーを用いて採取した乱れシンウォールサンプリングや三重管サンプリングに比べの少ない試料の三軸圧縮試験結果( CUB 条件)を,表て GP サンプリングの試料の乱れが小さいことが分かる。―.にまとめた11)。この表には,N 値より港湾の施設図―.は非排水繰返し試験の結果である。図―.にの技術上の基準・同解説に示されている方法でせん断抵示した粒径加積曲線に見られるように粒度分布のばらつ抗角φを推定した結果を併記した。砂質土層では N 値62地盤工学会誌,―() 講  座より推定した平均せん断抵抗角が q = 37.4 °であるのに対して,三軸圧縮試験結果では平均 q = 43.0 °であった。また,砂礫層では N 値より推定した平均せん断抵抗角2)3)が q = 36.5 °に対して,三軸圧縮試験結果では平均 q =と極めて大きい値を示した。このように,サンゴ60.0 °4)礫混じり土のせん断抵抗角は,通常の砂質土で用いられている N 値と q の関係式から推定すると過小評価とな5)ることが分かった。この理由は,サンゴ片は表面がざらざらで,さらにこれらがかみ合うことで大きなせん断抵抗が発揮されるものと考えられる。6). お わ り にサンプリング技術は,土質試験及びその結果を用いて7)実施する基礎設計において,その根幹をなすものである。地質調査業に関わる地盤調査会社においては,地盤工学会で基準化されているサンプリング以外にも,大深度や8)砂礫,あるいはサンゴ礫混じり土などの特殊なサンプリングに取り組み,実用化に関しては相当程度の貢献をし9)てきている。ただし,現時点で振り返ってみると,現在の地盤調査に関わる技術職員の中でサンプリングの重要性を十分に認識している職員がどの程度いるか疑問である。地質調査業の技術伝承の重要性が問われ始めてかな10)り経過するが,サンプリングをはじめとする基礎的な地盤調査技術を後進に如何に伝えるか,もう一度真剣に考える必要がある。参1)土田June, 2018考文献11)する研究,港湾技研資料, No. 688 , pp. 30 ~ 38 , 1990.地盤調査の方法と解説,地盤工学会, pp. 202 ~ 203 ,2013.地盤調査の方法と解説,地盤工学会, pp. 240 ~ 246 ,2013.地盤の液状化抵抗の評価に関するサウンディング・サン社 全国地質調査業協会プリング手法の実証実験報告書,連合会,pp. 263~274,1998.柳沢希実・谷 和夫・金子 進・酒井運雄水溶性ポリマーの濃厚溶液を使用した新しいサンプリング方法のメカニズム,第 33 回岩盤力学に関するシンポジウム, pp.49~56,2004.谷 和夫・金子 進水溶性ポリマーの濃厚溶液を利用した乱さない試料のサンプリング方法,土と基礎,Vol.54,No. 4,pp. 19~21,2006.Rito, F.: Sample quality of coarsegrained soil obtainedby new type sampler called GS sampler, Geotechnics forSustainable Infrastructure Development, Geotec Hanoi,pp.11851191, 2016.谷川正志・古宮一典 LWLP 工法による高品質ボーリング,地盤工学研究発表会発表講演集( CD ROM ),Vol. 46,No. 46,2011.島田徹也・西村和貴・砂川伸雄・甲斐弘司サンプリング手法による液状化強度試験結果事例について,全地連社 全国地質調査業協会「技術フォーラム 2013 長野」,連合会,入手先 https://www.webgis.jp/eForum/2013/(参照 2017.11.20)平井孝治・規矩大義・大島昭彦・利藤房男サンプリングの泣き所も乱れの少ない方法で採取( GS サンプリング),地盤工学会誌,Vol. 63, No. 4,pp. 10~13,2015.Rito, F.: Applicability of Undisturbed Sampling MethodCalled GS Sampler for Coral Pebble Mixed Soil, International Conference on Soft Ground Engineering (ICSGE),pp. 835842, 2015.孝三軸試験による自然粘性土の強度決定法に関63
  • ログイン
  • タイトル
  • 新入会員(4月理事会承認)
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 64〜64
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250022
  • 内容
  • 新正成 瀬星麻 田臼 井櫻 井上 沢町 島江 守Yolanda山 地橋ヶ谷平 永小瀬川相 馬山 田野ツ俣山 口会入会員(4 月理事会承認)牛浦中土森石花員株美 樹 応用地質株 ダイワ技術サービス則 満 株正 弘 アルスコンサルタンツ株仁 日研測量株佑 美 大成建設株進 ケミカルグラウト株 レーザック祐 一 株辰 哉 五洋建設AlbertoHernandez 東京大学株伸 弥 鹿島建設株直 之 アサヒエンジニアリング株佐知子 ジェイアール東海コンサルタンツ株 アサノ大成基礎エンジニアリング奉 久 株明 三信建設工業株節 也 神鋼スラグ製品株克 彦 西松建設株 鴻池組充 田谷村佐岡倉木智啓裕信研樹太希一三昇陽 人株大阪ガス株 建設技術研究所株日本国土開発株国土防災技術株宇部興産コンサルタント株 オリエンタルコンサルタンツ九州支店株 鴻池組九州大学箱崎工事事務所学生会員中 島徹 宇都宮大学松 下 陽 太 信州大学京都大学Jewel ArifDosmukhambetova Balganym 京都大学大学院新 城 政 昂 京都大学大学院廣   千 明 熊本大学特級別会員( )所属支部国際ジオシンセティックス学会日本支部(関東)お詫びと訂正■地盤工学会誌2018年 5 月号(Vol. 66, No. 5)45ページに掲載しました「平成29年度「地盤工学会誌」優秀賞受賞者の決定」の授賞理由に誤りがありました。ここに訂正をし,謹んでお詫び申し上げます。平成年度「地盤工学会誌」優秀賞受賞者の決定平成29年度「地盤工学会誌」優秀賞受賞者が,平成30年 3 月16日の理事会において下記のとおり決定いたしました。なお,優秀賞は 6 月 6 日の第60回通常総会で授与いたします。【「地盤工学会誌」年間最優秀賞】(敬称略)受賞業績名/業績発表文献受賞者名村上 哲(福岡大学工学部)/平成29年 4 月号掲載 永瀬英生(九州工業大学工学部)「平成28年熊本地震による液状化・陥没による地盤被害」(報告)株 土質リサーチ)大里重人(矢ヶ部秀美(NPO 法人研究機構ジオセーフ)授賞理由本記事は,平成28年熊本地震による地盤被害の特徴を地形・地盤・地質の観点から概説し,今後の災害復旧や防災対策で考慮すべき課題について平易に記述されており,災害調査報告としてふさわしい記事であることから,多くの読者に支持されました。【「地盤工学会誌」優秀賞】株)狹田彰二(ジェイアール東日本コンサルタンツ株)「武蔵野線軟弱地盤上の盛土の降雨対策と維持管理」/平成29年 6 月号掲載(報 中村 宏(東日本旅客鉄道告)舘山西原勝((公財)鉄道総合技術研究所)株)聡(中央開発授賞理由本記事は,盛土構造物における長年の調査・解析・対策工施工・維持管理の経験を踏まえて,軟弱地盤上の盛土の降雨対策と維持管理の在り方について平易に記述されており,事例研究報告としてふさわしい記事であることから,多くの読者に支持されました。木佐貫 寛(国立研究開発法人土木研究所)「不飽和地盤における水の浸透モニタリング」/平成29年 1 月号掲載(報告)稲崎富士(国立研究開発法人土木研究所)有 地圏探査技術研究所)今村杉夫(授賞理由本記事は,堤防の浸透性の把握・浸透安全性の評価を目的として開発した 2 種類の測定・評価技術とその応用例について平易に記述されており,降雨時の堤防の安定性評価に対する開発技術の実務的な有用性が高いと評価され,多くの読者に支持されました。(注受賞者の所属は掲載当時)64地盤工学会誌,―()
  • ログイン
  • タイトル
  • お詫びと訂正
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 64〜64
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250023
  • 内容
  • 新正成 瀬星麻 田臼 井櫻 井上 沢町 島江 守Yolanda山 地橋ヶ谷平 永小瀬川相 馬山 田野ツ俣山 口会入会員(4 月理事会承認)牛浦中土森石花員株美 樹 応用地質株 ダイワ技術サービス則 満 株正 弘 アルスコンサルタンツ株仁 日研測量株佑 美 大成建設株進 ケミカルグラウト株 レーザック祐 一 株辰 哉 五洋建設AlbertoHernandez 東京大学株伸 弥 鹿島建設株直 之 アサヒエンジニアリング株佐知子 ジェイアール東海コンサルタンツ株 アサノ大成基礎エンジニアリング奉 久 株明 三信建設工業株節 也 神鋼スラグ製品株克 彦 西松建設株 鴻池組充 田谷村佐岡倉木智啓裕信研樹太希一三昇陽 人株大阪ガス株 建設技術研究所株日本国土開発株国土防災技術株宇部興産コンサルタント株 オリエンタルコンサルタンツ九州支店株 鴻池組九州大学箱崎工事事務所学生会員中 島徹 宇都宮大学松 下 陽 太 信州大学京都大学Jewel ArifDosmukhambetova Balganym 京都大学大学院新 城 政 昂 京都大学大学院廣   千 明 熊本大学特級別会員( )所属支部国際ジオシンセティックス学会日本支部(関東)お詫びと訂正■地盤工学会誌2018年 5 月号(Vol. 66, No. 5)45ページに掲載しました「平成29年度「地盤工学会誌」優秀賞受賞者の決定」の授賞理由に誤りがありました。ここに訂正をし,謹んでお詫び申し上げます。平成年度「地盤工学会誌」優秀賞受賞者の決定平成29年度「地盤工学会誌」優秀賞受賞者が,平成30年 3 月16日の理事会において下記のとおり決定いたしました。なお,優秀賞は 6 月 6 日の第60回通常総会で授与いたします。【「地盤工学会誌」年間最優秀賞】(敬称略)受賞業績名/業績発表文献受賞者名村上 哲(福岡大学工学部)/平成29年 4 月号掲載 永瀬英生(九州工業大学工学部)「平成28年熊本地震による液状化・陥没による地盤被害」(報告)株 土質リサーチ)大里重人(矢ヶ部秀美(NPO 法人研究機構ジオセーフ)授賞理由本記事は,平成28年熊本地震による地盤被害の特徴を地形・地盤・地質の観点から概説し,今後の災害復旧や防災対策で考慮すべき課題について平易に記述されており,災害調査報告としてふさわしい記事であることから,多くの読者に支持されました。【「地盤工学会誌」優秀賞】株)狹田彰二(ジェイアール東日本コンサルタンツ株)「武蔵野線軟弱地盤上の盛土の降雨対策と維持管理」/平成29年 6 月号掲載(報 中村 宏(東日本旅客鉄道告)舘山西原勝((公財)鉄道総合技術研究所)株)聡(中央開発授賞理由本記事は,盛土構造物における長年の調査・解析・対策工施工・維持管理の経験を踏まえて,軟弱地盤上の盛土の降雨対策と維持管理の在り方について平易に記述されており,事例研究報告としてふさわしい記事であることから,多くの読者に支持されました。木佐貫 寛(国立研究開発法人土木研究所)「不飽和地盤における水の浸透モニタリング」/平成29年 1 月号掲載(報告)稲崎富士(国立研究開発法人土木研究所)有 地圏探査技術研究所)今村杉夫(授賞理由本記事は,堤防の浸透性の把握・浸透安全性の評価を目的として開発した 2 種類の測定・評価技術とその応用例について平易に記述されており,降雨時の堤防の安定性評価に対する開発技術の実務的な有用性が高いと評価され,多くの読者に支持されました。(注受賞者の所属は掲載当時)64地盤工学会誌,―()
  • ログイン
  • タイトル
  • 書籍紹介
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 65〜65
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250024
  • 内容
  • 書籍紹介「法律家・消費者のための住宅地盤 Q & A」地盤工学会 関東支部地盤リスクと法・訴訟等の社会システムに関する事例研究委員会 編験Q11~Q18本書は普段,地盤工学とは縁の少ない法律家(地盤・建築紛争に関わる弁護士・裁判官の方々)や消費者(宅第4章基礎(H12告示第1347号)Q19~Q21地・住居の購入者)に,住宅の安定における地盤の重要第5章地盤の長期許容応力度の算定( H13 告示第性の理解を深めてもらおうと,地盤工学会関東支部の『地盤リスクと法・訴訟等の社会システムに関する事例研究委員会( 2013.4~ 2017.3 )』の研究成果の一つとして Q & A 方式で住宅地盤の基本事項の解説書をまとめ,1113号)Q22~Q28第6章その他Q29~Q50第 3 編【資料編】日本の地盤の特徴と戸建て住宅における地盤評価の現状と課題株 民事法研究会から発行さ法律関係の専門出版社である[資料 1]宅地情報シート(戸建て住宅用)れた。[資料 2]地盤と基礎にかかわる主な解説書の改変同研究委員会の前身の『地盤工学におけるリスクマ[資料 3]昭和46年建設省告示第111号(抄)ネ ー ジ メ ン ト に 関 す る 事 例 研 究 委 員 会 ( 2009.4 ~[資料 4]平成12年建設省告示第1347号(抄)2013.3)』では,地盤工学会誌の2011年 7 月~12月号で[資料 5]平成12年国土交通省告示第1113号(抄)『講座地盤工学におけるリスクマネージメント』を連載し,その内容を一般の読者向けに書き直して2013年 4[資料 6]地盤に関する用語解説集・コラム 1月に書籍『役立つ地盤リスクの知識』を発行している。消費者目線でみた地盤技術者のための宅地情報の伝え方・コラム 2一生の買い物両委員会を通じて,地盤を原因として発生した戸建て・コラム 3宅地にかかわる保険住宅トラブルの事例を,建築士,弁護士,宅地建物取引・コラム 4宅地を調べる物理探査法士,地盤の専門家,不動産関係者,建設関係者,等々の・コラム 5マンションの地盤の安全性とは様々な立場の人たちで議論をして,地盤に関するルール・コラム 62016年熊本地震での宅地被害や慣行の何が分かり難いのか・コラム 7単位の変遷このような見方・説明をすれば理解できるのではという課題と知見を蓄積して,本書がまとめられた。本書は,総論の第 1 編,住宅地盤に関わる 50 項目のA5 版,170頁,定価2,300円(税別)編者地盤工学会関東支部地盤リスクと法・訴訟等のQ & A の第 2 編,関連資料を収録した第 3 編と 7 つの社会システムに関する事例研究委員会コラムで構成されている。普段地盤工学の専門家は直接株 民事法研究会発行所・発売所関わることが少ない宅地や戸建住宅の世界で,地盤の何2017年 5 月 9 日が問題になっているのかがまとめられている。是非ご一ISBN9784865561593読をお奨めしたい。≪主要目次≫第 1 編【総論】日本の地盤の特徴と戸建て住宅における地盤評価の現状と課題はじめに地盤における法制度と裁判地盤品質判定士自然災害による地盤事故残された課題第 2 編【総論】日本の地盤の特徴と戸建て住宅における地盤評価の現状と課題第1章地盤と基礎共通Q1~Q7第2章土地選びQ8~Q10第3章スウェーデン式サウンディング( SWS )試June, 2018株 地域環境研究所(中村裕昭)65
  • ログイン
  • タイトル
  • 編集後記
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 66〜66
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250025
  • 内容
  •     ◆編集後記◆構造のシンプルさ故に,変化に対して柔軟であることが特徴本特集号では「盛土」と題し,被災原因,施工管理,補強,的です。人口減少社会を迎えるにあたり,人類の歩みととも維持管理と様々な話題をお送りしました。土を盛るというこに柔軟に形を変えていく,そんな社会の実現の鍵を握るのがとは,人間のものづくりの歴史において,最も身近な行為の盛土技術かもしれません。本特集号が,皆様の日々の営みのひとつであるように思われます。この単純な行為がこれほど一助になれば幸いです。に高度化・複雑化したことを考えると,先駆者たちの成した最後になりましたが,本特集号の発刊にあたり,ご多忙の仕事の大きさに驚かされます。中ご協力賜りました執筆者の皆様に,心より御礼申し上げま一方,他の構造物との違いに着目しますと,盛土は材料とす。(小林長事監村 上章副 会 長 古 関 潤 一(事業企画戦略室)本 多眞(*)(総務部)小 高 猛 司(*)(会員 ・ 支部部)廣 岡 明 彦(*)(国際部)勝 見武(*)(公 益 出 版 部) 橋 章 浩(*)※(調査 ・ 研究部)西 村 伸 一(*)(基準部)仙 頭 紀 明(*)西 田 耕 一藤 井衛事菊池喜昭※田中耕浜 田小田部英 治雄 二敏哉石 川中 野堀 越達 也※正 樹山 中研 一(国際部兼任)稔金記)※印は公益出版部会構成員平 成  年 度 役 員会理孝彰子一北田奈緒子(*)室長,部長平 成年 度 公 益 出 版 部 会理事・部長理事部員 橋 章 浩石 川 達 也鈴 木 健一郎越 村 賢 司理事・副会長野榎田 利本 忠菊弘夫池宮喜田昭喜壽岸田潔渡邉康司杉本映湖平成年度「地盤工学会誌」編集委員会委員長企画・編集グループ石 川 達 也※主査 福 永 勇委員 浅 野 将木 内 大学生委員 小笠原 明渡 上 正主査 正 田 大委員 大 竹主査 長 澤 正委員 荻 野 俊主査 森友委員 今 泉 和主査 鎌 田 敏委員 倉 田 大委員長 野 田 利委員兼幹事 小 林 浩委員 秋 本 哲澤 村 康戸 邉 勇第 1 グループ第 2 グループ第 3 グループ第 4 グループ講座委員会副委員長介人介信洋輔雄明寛宏俊幸輔弘※二平生人鈴木牛 塚久 保畑 下林健一郎※太基博侑 輝聖 淳岡 本藤 原大 木伊 藤道孝優拓 馬裕 孝加松那島村須寛郁章聡香金山沖澤中野伸光頌一一悟阪田暁高橋寛行野々村敦子山下勝司木元 小百合小林孝彰鈴木健一富樫陽太柏尚 稔中村公一古川全太郎峯之宮下千花山口健治吉田泰基邦 彦壱 記宏 明健稲島細積田田真哉篤臣近曽森藤我下明大智彦介貴酒谷匂川一友成浩酒井 崇中伊重福村藤松田寿川渡伊口邉藤貴真之諭司澤丹田野正豊浩啓一郎平成年度「Soils and Foundations」編集委員会委員長風間委員長三村基樹副委員長渦衛副委員長岸岡 良介岡村未対宮田喜壽※平成年度「地盤工学ジャーナル」編集委員会名誉会員特別会員田潔※小林範之豊田浩史会員現在数(平成30年 3 月末現在)152名(国際会員113名含む) 正会員 7,452名(国際会員1,012名含む) 学生会員 1,040名886団体(国際会員47団体含む) 合計 9,530名・団体会費(年額)正会員 9,600円 学生会員 3,000円 国際会員(特別もしくは正会員に限る)2,000円 特別会員特級 300,000円,1 級 240,000円,2 級 160,000円,3 級 100,000円,4 級 60,000円Soils and Foundations 購読料(会員に限る,税別)15,000円(Online 版ライセンス+冊子版)または7,500円(Online 版ライセンスのみ)地盤工学会誌平成30年 6 月 1 日発行編集発行所公益社団法人2018 地盤工学会66定価1,728円(本体価格1,600円) 無断転載2018年 6 月号 Vol.66, No.6 通巻725号株「地盤工学会誌」編集委員会印刷所 小宮山印刷工業編集業務代行地盤工学会有 新日本編集企画を禁ずる郵便番号  東京都文京区千石丁目番号電話 (代表)郵便振替 FAX ホームページ URL https://www.jiban.or.jp/Email jgs@jiban. or. jp広告一手取扱株廣業社〒 東京都中央区銀座丁目番号電話 地盤工学会誌,―()
  • ログイン
  • タイトル
  • 平成29年度役員等
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 66〜66
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250026
  • 内容
  •     ◆編集後記◆構造のシンプルさ故に,変化に対して柔軟であることが特徴本特集号では「盛土」と題し,被災原因,施工管理,補強,的です。人口減少社会を迎えるにあたり,人類の歩みととも維持管理と様々な話題をお送りしました。土を盛るというこに柔軟に形を変えていく,そんな社会の実現の鍵を握るのがとは,人間のものづくりの歴史において,最も身近な行為の盛土技術かもしれません。本特集号が,皆様の日々の営みのひとつであるように思われます。この単純な行為がこれほど一助になれば幸いです。に高度化・複雑化したことを考えると,先駆者たちの成した最後になりましたが,本特集号の発刊にあたり,ご多忙の仕事の大きさに驚かされます。中ご協力賜りました執筆者の皆様に,心より御礼申し上げま一方,他の構造物との違いに着目しますと,盛土は材料とす。(小林長事監村 上章副 会 長 古 関 潤 一(事業企画戦略室)本 多眞(*)(総務部)小 高 猛 司(*)(会員 ・ 支部部)廣 岡 明 彦(*)(国際部)勝 見武(*)(公 益 出 版 部) 橋 章 浩(*)※(調査 ・ 研究部)西 村 伸 一(*)(基準部)仙 頭 紀 明(*)西 田 耕 一藤 井衛事菊池喜昭※田中耕浜 田小田部英 治雄 二敏哉石 川中 野堀 越達 也※正 樹山 中研 一(国際部兼任)稔金記)※印は公益出版部会構成員平 成  年 度 役 員会理孝彰子一北田奈緒子(*)室長,部長平 成年 度 公 益 出 版 部 会理事・部長理事部員 橋 章 浩石 川 達 也鈴 木 健一郎越 村 賢 司理事・副会長野榎田 利本 忠菊弘夫池宮喜田昭喜壽岸田潔渡邉康司杉本映湖平成年度「地盤工学会誌」編集委員会委員長企画・編集グループ石 川 達 也※主査 福 永 勇委員 浅 野 将木 内 大学生委員 小笠原 明渡 上 正主査 正 田 大委員 大 竹主査 長 澤 正委員 荻 野 俊主査 森友委員 今 泉 和主査 鎌 田 敏委員 倉 田 大委員長 野 田 利委員兼幹事 小 林 浩委員 秋 本 哲澤 村 康戸 邉 勇第 1 グループ第 2 グループ第 3 グループ第 4 グループ講座委員会副委員長介人介信洋輔雄明寛宏俊幸輔弘※二平生人鈴木牛 塚久 保畑 下林健一郎※太基博侑 輝聖 淳岡 本藤 原大 木伊 藤道孝優拓 馬裕 孝加松那島村須寛郁章聡香金山沖澤中野伸光頌一一悟阪田暁高橋寛行野々村敦子山下勝司木元 小百合小林孝彰鈴木健一富樫陽太柏尚 稔中村公一古川全太郎峯之宮下千花山口健治吉田泰基邦 彦壱 記宏 明健稲島細積田田真哉篤臣近曽森藤我下明大智彦介貴酒谷匂川一友成浩酒井 崇中伊重福村藤松田寿川渡伊口邉藤貴真之諭司澤丹田野正豊浩啓一郎平成年度「Soils and Foundations」編集委員会委員長風間委員長三村基樹副委員長渦衛副委員長岸岡 良介岡村未対宮田喜壽※平成年度「地盤工学ジャーナル」編集委員会名誉会員特別会員田潔※小林範之豊田浩史会員現在数(平成30年 3 月末現在)152名(国際会員113名含む) 正会員 7,452名(国際会員1,012名含む) 学生会員 1,040名886団体(国際会員47団体含む) 合計 9,530名・団体会費(年額)正会員 9,600円 学生会員 3,000円 国際会員(特別もしくは正会員に限る)2,000円 特別会員特級 300,000円,1 級 240,000円,2 級 160,000円,3 級 100,000円,4 級 60,000円Soils and Foundations 購読料(会員に限る,税別)15,000円(Online 版ライセンス+冊子版)または7,500円(Online 版ライセンスのみ)地盤工学会誌平成30年 6 月 1 日発行編集発行所公益社団法人2018 地盤工学会66定価1,728円(本体価格1,600円) 無断転載2018年 6 月号 Vol.66, No.6 通巻725号株「地盤工学会誌」編集委員会印刷所 小宮山印刷工業編集業務代行地盤工学会有 新日本編集企画を禁ずる郵便番号  東京都文京区千石丁目番号電話 (代表)郵便振替 FAX ホームページ URL https://www.jiban.or.jp/Email jgs@jiban. or. jp広告一手取扱株廣業社〒 東京都中央区銀座丁目番号電話 地盤工学会誌,―()
  • ログイン
  • タイトル
  • 中部支部創立60周年記念烏山頭ダム・白冷圳見学会報告(学会の動き)
  • 著者
  • 八嶋 厚・坪田 邦治
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 42〜45
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250018
  • 内容
  • 中部支部創立周年記念烏山頭ダム・白冷 見学会報告Report on the 60th anniversary of the foundation of Chubu Branch of The Japanese GeotechnicalSociety Wushantou dam and Bailengzhun tour八嶋厚(やしまあつし)60周年記念見学ツアー団長(岐阜大学工学部教授)坪田邦治(つぼたくにはる)シニア活性化委員会委員長(中部土質試験協同組合理事長)表―. は じ め に委員会の構成メンバー地盤工学会中部支部では,シニアの会員の方々が定年を迎えられた後も,継続して会員活動を行えるような場の提供を目途として, 2013 年 8 月に“シニア会員継続WG”を立上げて活動を開始した。さらに, 2015 年 4 月からは,より活発化した活動を行うべく“シニア活性化委員会(表―)”として活動している。具体的には,地盤工学サロンと称して,現地見学を含めた講演会を年に一度開催しているほか,熱田層の露頭見学などの参加しやすい会の開催を活動方針としている。本稿は,シニア活性化委員会が主催し,戦前~戦中時の日本統治時代の台湾において,多くの困難にもかかわらず土木事業を推進し,その結果,現在でも機能を存分に発揮している八田與一氏(以下,八田)の烏山頭ダム表―と磯田謙雄氏(以下,磯田)の白冷 を見学するツアー主たる見学先を,支部創立 60 周年記念事業として計画・実行したので,その概要を報告する。.烏山頭ダム・白冷 ツアーの概要ツアーを公募した結果,参加者は 25 名となり,烏山頭ダムと白冷 を主たる見学先とし,さらに 1999 年の集集地震で被災した石岡ダムも見学先に取り入れた(表―,図―)。なお,烏山頭ダムの見学の際には,国立成功大学の李+河教授に詳細な現地解説をしていただいた。また,白冷 では,台中市台日文化経済交流協会の鐘子桓理事長により詳細な解説をいただいた。誌面を通じて,両氏に深謝の意を表します。李 + 河教授は,地盤工学会・国際地盤工学会 ATC19烏山頭ダムの概要の紹介と見学烏山頭ダムを設計した八田は, 1886 年に金沢市に生主催の「地盤遺産シンポジウム」(2014年 2 月 4 日,大まれ,東京帝国大学土木科で,廣井勇教授(以下,廣井)阪建設交流館)で,「八田與一―台湾 烏山頭水庫―」に薫陶を受けて卒業後(1910年),25歳の時に,台湾総と称して講演されており,筆者の一人(坪田)が参加し督府内務局土木課技手として台湾に赴任した。その後,ている。さらに,八嶋とは京都大学で同じ研究室に所属烏山頭ダムの計画策定・設計・工事指導などダム建設にされていた。一方,鐘子桓理事長については,土木学会全力で取り組んだ。この烏山頭ダムは,完成当時,東洋主催の烏山頭ダムツアーで,白冷 の現地解説を担当さ最 大 の 堰 堤 工 事 と さ れ て い る1) 。 堤 高 56 m , 堤 頂 長れていることを,土木学会土木広報センター 佐藤雅泰1 273 m の規模で,満水時の貯水量は15 416万m3(写真氏を通じて,(一財)全国建設研修センター緒方英樹氏か―)を有する。これは世界有数のアーチ式ダムの黒部らご紹介をいただいてコンタクトした。誌面を通じて,ダムの 75 に相当する規模とされている。また,嘉南お世話になった佐藤氏,緒方氏にも深謝の意を表します。平野に農業用水を供給する16 000 km におよぶ灌漑用水42地盤工学会誌,―() 学会の動き写真―図―当日の烏山頭水庫の輝く湖面と堤体頂部主要見学位置案内図(台湾まるごとガイドに加筆)写真―路2)・嘉南大 の水源として,烏山頭ダムの施工は1920八田與一像と李+河先生と見学ツアー参加者(前列右から 2 人目が李先生)年着工 1930 年完成ということで 10 年の歳月を要している。総工費5 413万円(現在だと2 050億円に相当する)1)。この工事における八田の画期的なチャレンジは,次の 3点にあるとされる。◯セミ・ハイドロリックフィル工法の採用◯大型土木機械の使用◯烏山頭に家族の街を形成 に関する詳細は,参考文献1)を確認していただきた◯いが,M6 以上の地震がよく発生する地域であることを考慮し,水力を利用して堤体を建設した。この結果,1999年の集集地震( M7.3 )にも耐えて,その機能を保写真―殉工碑 はアメリカから大型建設機械を取り入れ,持している。◯建設工期の短縮を図っている。この大型機械の購入のた順に記載されている。戦前という困難な時代にありながめに,八田が 7 ヶ月間も直接アメリカに出かけているらも,八田のポリシーの息づかいが聞こえてきて感慨深ことに,この事業にかける情熱を伺うことができる。◯いものがあった。竣工してから,1 世紀近くになろうとは,「良い仕事は安心して働ける環境から生まれる」としている烏山頭ダムは,現在でもその機能を存分に発揮の考えから,工事関係者の家族も一緒に宿舎に住み,学していることにも土木技術者の一員として大きな感動を校・病院・テニスコート・プールまで作ったとのことは,覚えた。まさに先駆者といえる。なお,八田のご長男が八田晃夫(てるお)氏である。上記の 3 点に加えて,広大な農地に同時に集水する1921 年台北で出生し,東京帝国大学土木工学科を卒業ことは困難であることから,15万 ha を耕す農民に平等され,愛知県土木部長(本省人事)を務められている。に水の恩恵を受けられるように,「三年輪作給水法」をその後,名古屋高速道路公社副理事長,玉野総合コンサ採用し,150 ha を一区画とし,50 ha ずつ栽培する作物株 取締役会長を歴任されるなど活躍された。こルタントを 3 年周期で輪作(水稲,甘蔗,雑穀)することで給のように中部地域にも深い関係があったことを向井委員水を平等に行う方法を採用した。このようにして,烏山から紹介され,支部として少なからぬご縁を感じる見学頭ダムの水は現在でも依然として嘉南平原の人々に恩恵だった。をもたらしている1)。湖面を眺める位置に八田興一像が設立されている(写真―)。ツアー 3 日目には,今回のもう一つの大きな目的地白冷 の概要の紹介と見学次に,殉工碑(写真―)を見学した。工事による殉である白冷 を見学した。白冷 とは,台中市の山間部職や病気で134名が逝去されているが,台湾人,日本人にある大規模な用水路施設であり,この中で最も大きなの区別なく,工事関係者・その家族ともに,亡くなった2 号逆サイフォン(倒虹吸管長さ 346 m ,口径 1.13 m,June, 201843 学会の動き入口と出口の高低差は,Dh≒3 m)を見学した。白冷いる。最右岸の 2 つの洪水吐きは断層が通過したと想は,全長16.6 km で,22ヶ所のトンネルと14ヶ所の水路定される部分に落ち込んだような形状となっている(写橋,3 ヶ所のサイフォン,暗渠・開渠で構成されている真―)。この状況で保存されている現地を見学した。(図―)3)。この施設は, 1928 年に着工し, 1932 年に完成して以来, 1999 年の集集地震まで 68 年間営々と機能していた。残念ながら,集集地震で被災した後,その用水管の重要.国立成功大学の見学今回は,現地解説者として,国立成功大学の李+河教授に烏山頭ダムを詳細に解説していただいた。この関係性に気付いた地域の農家の方々が再建に着手し,新管に付替えられ,再度,機能することとなった(写真―)。なお,磯田の事業を記念して,新管に並行するように旧管が保存されていた。磯田も八田と同様に,金沢市出身であり,八田の7 学年後輩(表―)にあたる。その後,八田の跡を追うように同様な経歴をたどって,八田と同時期に烏山頭ダムにも従事している。磯田は,「水利事業の父」と呼ばれ,台湾の歴史に名を残している。また,故郷の金沢では,小学校のサブテキストにも掲載されている3)。磯田の新社地方に対する多大な貢献に対し,台中水利局では白冷 故事牆園区に磯田の像を建立し, 2013 年 10 月 15 日に除幕式を行っている。この像は,東洋一のサイフォンといわれる倒虹吸管を仰ぎ見るように設立されている(写真―)。この後,近傍の円堀(写真―)に移動して,豊富な水量を有して,昔日のまま稼働している状況を見学した。.石岡水 における地震被災の保存状況見学図―白冷 の全体(高低差)が理解できる導覧図3)に加筆(参考この図の左上には李登輝氏のサインも記されている)1999 年 9 月 21 日午前 1 時 47 分に,南投県集集鎮付近を震源として,M7.6の地震が発生した。死者2 415名,負傷者11 306名,行方不明者29名の大被害となり,約 3万棟の建物が倒壊した。これが集集地震(921地震)である。この時に,白冷 の近傍に位置する石岡水(石岡ダム)の右岸(写真―)を通過する断層によって,堰が 11 m ,右岸アバット部は 1 m 隆起したとのことである4)。被災後もダムの大半は稼働しているが,被災部分は18 年経過した現在も「地震紀年地」として保存されて写真―44白冷 (倒虹吸管)(右が旧管,左が新管)写真―磯田謙雄像と鐘子桓理事長と見学ツアー参加者(中列左から 2 人目の方が鐘理事長)写真―当時のまま稼働中の円堀も見学地盤工学会誌,―() 学会の動き表―写真―左岸側から眺めた石岡水八田與一と磯田謙雄の経歴の比較(奥の右岸部が被写真―被災部分である右岸部を背後から見る災ヶ所)で,国立成功大学の大学施設ほかも見学することができた。昭和天皇が学内に植樹( 1923 年)されたガジュマルもほどよく整備され,勢いよく育っていた(写真―)。成功大学の前身は,日本統治時代の 1931 年に設立された台南高等工業学校で 1956 年に国立成功大学となり,特に,工学部と医学部が充実している台湾の多くの指導者を生み出している名門大学である。この名前は,台湾の民族的英雄である成功に因むとされている。学内にある西門(道路整備のために西にあった門を,写真―ガジュマルの木(皇太子時代の昭和天皇の植樹)現在は東に移動設置)は,清朝の乾隆帝時代(1775年)に版築工法にて施工されているとのことであった。また,日本統治時代の陸軍兵舎を今でも学舎として使載の二人以外では,代表的に,青山はパナマ運河,久保田は現在の北朝鮮にある水豊ダムなどを担当)している。用しているとのことであったが,建物はレンガ造りで,廣井は,「国民の税金を使う公共事業は,国民の生活戦後 73 年を経過した現在でも,遠目からでは「古さをと幸福を追求しなければならない」との哲学を教授した感じさせない堅牢で立派な学舎」のように見えた。結果,この二人は見事に台湾でその教えを成就させたと学内を散策したがとても落ち着いた雰囲気を感じた。. まといえる。この事例を参考として,地盤工学会中部支部としても,多くの有用な地盤工学研究者・技術者の輩出にめ貢献し続けていきたいと強く感じて帰国した。地盤工学会中部支部の 60 周年記念の一事業として,2017 年 11 月 1 日~ 4 日,八田與一が建設を監督した烏山頭ダムと磯田謙雄が建設を監督した白冷 を訪問することができた。この二人は,ともに金沢市出身で,東京帝国大学の廣井勇に学び,戦前の台湾で大事業を成し遂げた方々である。学年的には,八田が 7 年先輩であるが,各種の困難に負けずに,現代にも営々として稼働している社会資本を形成したことに大きな感銘を受けた。廣井勇は,土木界に青山士,八田與一,久保田豊ら 20 年以上に渡り錚々たる逸材を送り出し,その内の多くの技術者が海外で社会資本整備に貢献(ここで記June, 2018参考文献1)李 +河・呉建宏・李壁玲八田與一―台湾 烏山頭水庫―,地盤遺産シンポジウム, pp. 11 ~ 18 ,地盤工学会ATC19(地盤遺産)国内委員会他,2014.2) 片岡佳史八田與一,嘉南大 を築いた水利の匠,まどか出版,「日本人,台湾を拓く」,p. 322, 2013.3) 磯田謙雄技師ブックレット編集委員会地域ゆかりの偉人 台湾 新社台地を潤した磯田謙雄さん, pp. 1 ~ 23 ,金沢市城南公民館,2015.4) 中村 晋・大角恒雄1999年台湾・集集(JIJI)大地震調査速報,土木学会誌,Vol. 84, No. 12, pp. 91~94, 1999.(原稿受理2018.3.5)45
  • ログイン
  • タイトル
  • 会告
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • A1〜A5
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250028
  • 内容
  • ■ お知らせ開催期日締切月日30年 6 月 6 日内容開催場所第60回地盤工学会通常総会「自然災害等の被災会員における会費減免」について6 月15日30年 7 月~30年 7 月24日~26日7月2日掲載ページJGS 会館2P10月号 2 P国際部「 TC202 ( Transportation Geotechnics )国内委員会」委員の公募5 月号地盤材料試験に関する「技能試験」参加募集「第53回地盤工学研究発表会」のお知らせ高松2P5 月号 3 P11・12月号 3 P■ 論文・原稿募集開催期日締切月日30年12月14日行事名開催場所6 月15日「地盤工学会誌」への概要原稿公募テーマ「植生・緑化と地盤工学の関わり―過去~現在とこれから―」(予定)9 月15日「第61回地盤工学シンポジウム」論文募集掲載ページ5 月号3PJGS 会館3P開催場所掲載ページ■ 催し物開催期日締切月日30年 6 月13日行事名JGS 会館 4 月号「 2018 年度第 1 回 宅地地盤の評価に関する最近の知見講習会『宅地JGS 会館 4 月号評価の基礎知識と宅地防災』」3PJGS 会館 4 月号JGS 会館3P「わかりやすい地盤工学基礎シリーズ講習会」30年 6 月22日30年 6 月25日30年 7 月 3 日~ 5 日「地下水調査に用いる井戸理論と実務講習会」「三軸圧縮試験実技講習会」30年 7 月 4 日30年 7 月24日~26日6 月29日30年 7 月24日~26日30年10月30日~11月 1 日地盤工学貢献賞受賞記念講演会東京第53回地盤工学研究発表会高松第53回地盤工学研究発表会(交流会事前参加申込のお知らせ)高第24回 地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会福3P3P3P4P松4 月号5 月号島4 月号4P4P■ 支部からのお知らせ支部名関東支部開催月日締切月日行事名掲載ページ地盤情報を活用した首都直下型地震への対策検討委員会JGS 会館 5 月号の成果報告会および講習会の開催案内30年 6 月 8 日「極大地震時における表層地盤の強い非線形現象とそのJGS 会館影響に関する研究シンポジウム」論文募集と参加案内4P30年 8 月10日7 月27日30年11月 2 日8 月31日(予定)第15回地盤工学会関東支部発表会(GeoKanto2018)のご案内東京4 月号6P中部支部名古屋5 月号5P6 月11日セミナー部会お知らせ中 部 支 部 30年 5 月~11月30年 6 月21日~22日30年 6 月29日セミナー部会から年間行事計画のご案内集中講座「土質試験体験実習会」開催の第27回調査・設計・施工技術報告会のご案内セミナー部会 集中講座「直接基礎の設計」開催のお知らせ中部支部30年 7 月 6 日7月4日30年 6 月18日6月4日第 60 回実技セミナー「地盤工学入門法と結果の活用―」30年 6 月27日6 月20日第 7 回若手セミナー中 国 支 部 30年 7 月 6 日6 月29日第44回地盤工学セミナー報告会関西支部開催場所― 1 ――土質試験の方―地盤工学の基礎講座―4P名古屋4P名古屋4P名古屋5P摂津5P大阪5P岡山5P ■ 共催・協賛・後援開催期日締切月日行30年 5 月17日,18日30年 5 月19日,20日30年 5 月20日~24日30年 5 月22日事名開催場所第 6 回中部ライフガード TEC2018~防災・減災・危機管理展~名古屋第21回応用力学シンポジウム名古屋「日本地球惑星科学連合2018年大会」掲載ページ3 月号3 月号5P5P11・12月号11 P5 月号 5 P千葉第31回環境工学連合講演会東国際シンポジウム「GeoEnvironmental Engineering 2018 (GEE 2018)」 福第23回計算工学講演会愛岡第17回 COBRA 講演会大阪5P第 7 回環境放射能除染研究発表会・国際シンポジウム東京6P30年 7 月13日,14日30年 7 月27日,28日平成 30 年度「場所打ちコンクリート杭の施工と管理」に関する技術講習会東大京阪30年 7 月20日第 16 回市民防災講座「災害リスクを考える―豪雨・土砂災害に備える―」広島30年 8 月29日~31日30年 9 月18日~20日平成30年度第66回年次大会工学教育研究講演会愛知第 9 回土砂災害に関するシンポジウム福岡30年 9 月26日~28日30年10月18日,19日地盤技術フォーラム2018第13回地盤改良シンポジウム東京東第13回 SEGJ 国際シンポジウム第15回日本地震工学シンポジウム(2018)30年 5 月25日,26日30年 6 月 6 日~ 8 日2 月16日30年 6 月12日30年 7 月 3 日~ 4 日6月5日6 月15日3 月30日30年11月12日~14日30年12月 6 日~ 8 日第 5 回斜面防災世界フォーラム「ISDRICL 仙台パートナーシップの推進と評価 ―仙台防災枠組み20152030と持続可能な開発目標への自発的貢献―」32年11月 2 日~ 6 日京知2 月号4 月号4 月号3P8P8P6P5 月号5 月号5P5P京3 月号3 月号東京1 月号8P宮城6P京都11・12月号11 P5P5P■ 国際会議・IS 等の開催予定開催期日行31年 6 月17日~20日事名第 7 回地震地盤工学会議国際地盤工学会31年10月14日~18日 第 回アジア地域会議16開催地ホイタリア台ームページhttp://www.7icege.com/湾地盤工学会ホームページ(https://www.jiban.or.jp/)に,会告及び最新出版案内が掲示されていますのでご覧ください。国際地盤工学会ホームページ(http://www.issmge.org/)地盤工学会の本部及び支部の所在地は本号会告の 6 ページをご参照ください。■お知らせお知らせ第回地盤工学会通常総会会員各位(公社)地盤工学会会長 村上章公益社団法人地盤工学会定款第 25 条により,第 60 回通常総会を下記のとおり開催しますのでご案内いたします。代議員制度導入により会員は総会における議決権はありませんが,総会に出席して意見を述べることができます。記日時平成年月日(水)~会場地盤工学会大会議室〒 東京都文京区千石丁目番号電話―― FAX――(地下鉄 都営三田線千石駅から徒歩 3 分, JR 山手線巣鴨駅から徒歩10分)総会1400~1645付議事項【審議事項】第 1 号議案 平成29年度事業報告第 2 号議案 平成29年度決算報告第 3 号議案 名誉会員の推挙第 4 号議案 第 6 期代議員任期満了に伴う選任第 5 号議案 選挙管理委員会委員の選任第 6 号議案 役員任期満了に伴う選任【報告事項】1. 平成30年度事業計画2. 平成30年度正味財産増減予算総会後の諸行事上記事項終了後,引き続いて行います。平成29年度地盤工学会の表彰に関する報告ならびに授与懇 親 会  17  00 ~ 18  30 地 盤 工 学 会 大 会 議 室 , 会 費2 000円― 2 ― ■論文 ・ 原稿募集「第回地盤工学シンポジウム」論文募集主催(公社)地盤工学会日場解時平成年月日(金)所地盤工学会(JGS 会館)地階大会議室,階大会議室説今回募集いたします論文は,災害に関する地盤工学の諸問題に対して,実験,解析,設計,施工等,幅広い分野を対象といたします。国内のみならず海外プロジェクトに関する工事事例など,会員様の積極 災害報告的な参加をお待ちしております。また,◯■催し 災害技術に関する特別講演会(講師◯ 安福規や◯ 加藤誉士氏,日本電気株式会之教授,九州大学,◯社)も開催いたします。申込み期限平成年月日(金)申込み方法下記ウェブページからお申込みください。詳細地盤工学会トップページ(https://www.jiban.or.jp)→「学会の行事・活動」→「第 61回地盤工学シンポジウム【論文募集】」問合せ先(公社)地盤工学会 地盤工学シンポジウム係Email: symp61@jiban.or.jpFAX―― 電話――物地盤工学貢献賞受賞記念講演会時平成年月日(水)~所日本科学未来館 未来館ホール(東京都江東区青海 236)https://www.miraikan.jst.go.jp/guide/route/題ブラタモリ制作の舞台裏講師中村貴志氏(NHK チーフ・プロデューサー)参 加 料無料定員250名(会員・非会員)※申込先着順で定員になり次第締め切らせていただきます。事前登録地盤工学会ウェブサイトからお申し込みください。https://www.jiban.or.jp/申込み期限平成年月日(金)問合せ先(公社)地盤工学会 総務・出版事業チーム電話●本部講習会申込み方法及び申込み先氏名,勤務先・同住所・同電話番号, FAX ,メールアドレス,会員(会員番号)・非会員の別を明記した申込書を FAXまたはメールでお送り下さい。参加受付後,請求書と郵便振替用紙をお送りいたしますので,会費のご納入は請求金額をご確認のうえ郵便振替(または銀行送金)でお願いいたします。なお,銀行送金の場合には,請求番号と送金日を別途 FAX またはメールでご連絡下さい。地盤工学会講習会係 Email: kosyukai@jiban.or.jpFAX03―3946―8678 電話03―3946―8671〈講習会申込みフォーム〉https://www.jiban.or.jp/info/application_form_kousyukai.html主催(公社)地盤工学会日場演論文・原稿募集「三軸圧縮試験実技講習会」場東京大学生産技術研究所(東京都目黒区駒場 4 ― 6― 1)会費会員 57 000 円 非会員 74 000 円 学生会員 47 000 円(テキスト代込み)テキスト本講習会のために講師が書き下ろしたテキストを使用します。定員A, B グループ各 6 名 計12名(希望の多少により変更することがあります)対象一軸圧縮試験経験者以上。パソコン・三軸圧縮試験の経験があることが望ましいが,なくても構いません。講師桑野玲子,清田 隆【ともに東京大学】ほか内容次の試験法を希望者の有無・人数によって行います。申し込み時に希望グループを明記してください。ただし,希望人数の多少により,事前にご承諾を得たうえでグループを変更することがあります。A グループ砂の三軸圧縮試験( LDT ,ベンダーエレメント等による微小変形特性計測)B グループ砂の繰返し三軸試験(変形試験・液状化試験)会近年,常時・地震時における重要構造物の変位と周辺地盤の変形,あるいは地盤と構造物の変位・変形と相互作用の予測のために,地盤の微小ひずみレベル( 0.1 程度以下)での変形係数の推定が重要な工学的課題になっています。しかし,通常の三軸圧縮試験では,供試体上下端面の緩み層の影響で載荷ピストンの動きから軸ひずみを測定すると正確な軸ひずみは求められず,過大評価された軸ひずみが得られます。本実技講習会では,三軸圧縮試験で0.0001から 1までの正確な軸ひずみを供試体側面で局所変形測定装置を用いることによって求めます。さらに,近年普及が著しいベンダーエレメント等による動的計測も行い,工学的課題に対応できる地盤の変形係数を求めます。また,砂の繰返し三軸試験では,比較的簡単な装置を用いて変形特性と液状化特性を測定します。本実技講習会では,約 2 時間の講義のほかは 3 名で一つの三軸装置を実際に扱う実習に重点を置きます。GCPD ポイント.日時平成年月日(火)~日(木)の 3 日間― 3 ―催し物 ■支部からのお知らせ支 部 か ら の お 知 ら せ●各支部行事等への申込み方法各支部事務局及び主催者へお問合わせください。関 東 支 部「極大地震時における表層地盤の強い非線形現象とその影響に関する研究シンポジウム」論文募集と参加案内主催(公社)地盤工学会関東支部 極大地震時における表層地盤の強い非線形現象とその影響に関する研究委員会関東支部では平成 27 年度から 3 年間にわたり上記研究委員会(委員長 浅岡 顕)を立ち上げ,強震時の表層地盤の強い非線形現象(表層滑りと流動,表層でのせん断帯/地震断層の生成,液状化など)を中心に置きながらも,地盤改良工法の耐震効果の計量から,入力地震動の各種の推定手法まで,多面的に検討してきました( 5 月号会告参照)。この委員会の成果広報を兼ねて,下記のとおりシンポジウムを開催いたします。論文募集は,研究委員会メンバーからの論文報告以外に,関東支部のみならず全国の会員ならびに非会員諸氏からの新しい論文投稿と,活発な当日 Discussion を歓迎しています。シンポジウム参加の希望者は下記の関東支部までお申し込みください。多数の皆様のご参加をお待ちしています。日時平成年月日(金)930~1700(予定)場定所地盤工学会大会議室員 80 名(定員になり次第参加締め切りをいたしますが,論文集 DVD 申し込みは 7 月27日(金)まで受け付けいたします。)論文投稿締め切り月日(金)論文体裁地盤工学ジャーナルに準じ,偶数ページ(2 ページ以上最大10ページ)。連絡事項シンポジウム当日は論文集の DVD を配布いたします 。 また 事 前 に投 稿 者 , 参加 者 に は関 東 支 部のホームページを通して論文をダウンロードできるようにもいたします。発表時間やプログラム等は 8 月初旬に関東支部ホームページでご連絡いたします。またシンポジウム参加費等についても,同ホームページでお知らせいたします。問合せ先(公社)地盤工学会関東支部 極大地震時における表層地盤の強い非線形現象とその影響に関する研究委員会係――電話―― FAXEmail: kyokudai@jiban.or.jp※詳細は以下 URL をご参照ください。http://www.jgskantou.sakura.ne.jp/event/20180810.html中 部 支 部セミナー部会 集中講座会」開催のお知らせ「土質試験体験実習主催(公社)地盤工学会中部支部GCPD ポイント.講師中部土質試験協同組合職員による開 催 日平成年月日(木)~日(金) 9  00 ~ 17 00(2 日間)開催場所中部土質試験協同組合(ジオ・ラボ中部)実習種目物理試験,一軸試験,三軸試験,液状化試験,岩石地盤工学会中部支部創立周年記念事業第回調査・設計・施工技術報告会主催(公社)地盤工学会中部支部共催中部地質調査業協会,(一社)建設コンサルタンツ協会中部支部後援(一社)日本応用地質学会中部支部地盤工学会中部支部では,調査・設計・施工の過程で生じる地盤工学的諸問題とその対策事例について実務レベルでの情報交換を目的とした報告会を毎年開催しております。第 27 回目を迎える今年は, 13 件の最先端の報告の他,平成 29 年度地盤工学貢献賞を受賞された NHK 制作局エンターテインメント番組部「ブラタモリ」制作チームによる特別講演会も開催いたします。職場の皆様でお誘いあわせの上,奮ってご参加ください。GCPD ポイント.開 催 日平成年月日(金)会場名古屋大学 ES 総合館階 ES ホール試験,など参 加 費会員6 000円 非会員10 000円申込み方法地盤工学会中部支部の HPhttp: // jgs chubu.org /の当行事申込みフォームに必要事項をご記入いただき,お申込みください。申込み期限平成年月日(月)問合せ先(公社)地盤工学会中部支部――電話―― FAXEmailjibanchu@jeans.ocn.ne.jp※詳細はホームページをご覧ください。(名古屋市千種区不老町地下鉄名城線「名古屋大学」徒歩 2 分)内容報告13件特別講演「ブラタモリ」制作の舞台裏(講師NHK チーフ・プロデューサー 中村貴志氏)参 加 費  会 員 3 000 円 非 会 員 6 000 円 学 生 会 員 1 000 円共催団体 3 000 円 シニア会員※ 2 000 円(消費税込み)※シニア会員とは 60 歳以上の正会員を指す中部支部独自の呼称です。懇親会参加費4 000円申込み期限平成年月日(月)申込み方法地盤工学会中部支部の HPhttp: // jgs chubu.org /の当行事申込みフォームに必要事項をご記入いただき,お申込みください。問合せ先(公社)地盤工学会中部支部――電話―― FAXEmail: jibanchu@jeans.ocn.ne.jp※プログラムの詳細はホームページをご覧ください。― 4 ― セミナー部会 集中講座開催のお知らせ「直接基礎の設計」主催(公社)地盤工学会中部支部GCPD ポイント.株 建設技術研究所 李 圭太氏講師開 催 日平成年月日(金)1500~1700開催場所名城大学 ナゴヤドーム前キャンパス参 加 費会員3 000円 非会員5 000円 学生会員1 000円申込み方法地盤工学会中部支部の HPhttp: // jgs chubu.org /の当行事申込みフォームに必要事項をご記入いただき,お申込みください。申込み期限平成年月日(水)問合せ先(公社)地盤工学会中部支部――電話―― FAX Emailjibanchu@jeans.ocn.ne.jp※詳細はホームページをご覧ください。関 西 支 部第回実技セミナー「地盤工学入門験の方法と結果の活用―」―土質試主催(公社)地盤工学会関西支部GCPD ポイント.日時平成年月日(月)930~1700会場協同組合 関西地盤環境研究センター 試験室(大阪府摂津市東別府 1―3―3 TEL06―6827―8833)定員30名参 加 費会員 10 000 円,学生会員 4 000 円,非会員 12 000 円第回若手セミナー~地盤工学の基礎講座~(テキスト「土質試験―基本と手引き」の代金込み)持 ち 物筆記用具,電卓,昼食,上履き申込み方法関西支部 HP もしくは, FAX, E mail にてお申込みください。受付終了後,参加証・請求書を送付いたします。申込み期限平成年月日(月)申込み先(公社)地盤工学会関西支部―-電話―― FAX―Email: o‹ce@jgskb.jp※詳細はホームページ[ http: // www.jgskb.jp /]にてご確認ください。会定主催(公社)地盤工学会関西支部協賛(公社)土木学会関西支部(予定),(一社)建設コンサルタンツ協会近畿支部(予定),(一社)日本建築学会近畿支部(予定),(公社)大阪府建築士会(予定),(一社)関西地質調査業協会(予定),GCPD ポイント.開催日時平成年月日(水)1600~1930場ドーンセンター 大会議室員先着 50 名( 20 ~ 30 代の若手を主としますが,同伴者は年齢不問とします)参 加 費無料申込み期限平成年月日(木)申込み・問合せ先(公社)地盤工学会関西支部電話――FAX――Email: o‹ce@jgskb.jp※詳細はホームページ[ http: // www.jgskb.jp /]にてご確認ください。中 国 支 部第回 地盤工学セミナー報告会主催(公社)地盤工学会中国支部GCPD ポイント.日時平成年月日(金)~(予定)場所岡山大学周年記念館(階)会議室(岡山市北区津島中――)会費2 000円(当日会場にてお支払いください)定員100名■共催・協賛・後援第回 COBRA 講演会主催NPO 法人建設副産物リサイクル促進機構後援(公社)地盤工学会関西支部ほか日プログラム地域研究報告及びポスターセッション申込み方法氏名,勤務先・同住所・同電話番号, E mail アドレス,会員(会員番号)・非会員の別をご明記の上,Email にてお申込みください。申込み先岡山大学大学院環境生命科学研究科 珠玖隆行Email: shuku@cc.okayamau.ac.jp電話――申込み期日月日(金)※ プ ロ グ ラ ム の 詳 細 は , 中 国 支 部 ホ ー ム ペ ー ジ [ http: //jgschugoku.jp/]にてご確認ください。時平成年月日(火)1500~1700(受付1430)会場大阪大学中之島センター 階 講義室申込み期限平成年月日(火)申込み・連絡先NPO 法人建設副産物リサイクル促進機構電話――FAX――HP: http://www.cobra.npojp.net/― 5 ―共催・協賛・後援 第回環境放射能除染研究発表会・国際シンポジウム主催(一社)環境放射能除染学会後援(公社)地盤工学会ほか開 催 日平成年月日(火)~日(水)第回市民防災講座「災害リスクを考える―豪雨・土砂災害に備える―」主催京都大学大学院工学研究科災害リスクマネジメント工学(JR 西日本)講座後援(公社)地盤工学会中国支部ほか日時平成年月日(金)1330~1630第回日本地震工学シンポジウム()主催(公社)日本地震工学会(幹事学会),(公社)地盤工学会ほか学会後援国土交通省東北地方整備局,宮城県,仙台市,東北大学災害科学国際研究所日本地震工学シンポジウム(JEES)は,1962年の第 1 回開催以来,ほぼ 4 年ごとに世界地震工学会議( WCEE )の開催の中間年に開かれてきました。第 15 回日本地震工学シンポジウム( 15JEES)は,幹事学会の(公社)日本地震工学会ほか計11学会の共催により開催いたします。会場タワーホール船堀(〒1340091 東京都江戸川区船堀 4―1―1)問合せ先環境放射能除染学会事務局 東京事務所――電話―― FAXHP: http: // khjosen.org / event / conference / 7th _Con/kenkyu07.htmlEmail: info@khjosen.org会場ホテルグランヴィア広島(4F)悠久そ の 他詳細は下記へお問い合わせください。連 絡 先京都大学災害リスクマネジメント工学(JR 西日本)講座 市民防災講座 事務局Email: info@ise.kuciv.kyotou.ac.jpFAX――電話(お問合せ)――HP: http://www.ise.kuciv.kyotou.ac.jp/lab/開 催 日平成年月日(木)~日(土)会場仙台国際センター(〒 980 0856 宮城県仙台市青葉区青葉山無番地)プログラムオーガナイズドセッション,論文口頭発表,論文ポスター発表,技術展示,懇親会,ほか問合せ先第回日本地震工学シンポジウム運営委員会(〒 108 0014 東京都港区芝 5 ― 26 ― 20 建築会館日本地震工学会事務局)――電話―― FAXHP: http://www.15jees.jp/E mail: jees @ gakkai web.net ( o‹ce @ general.jaee.gr.jp)〒1120011 東京都文京区千石 4382公益社団法人地盤工学会 電 話03(3946)8677(代) FAX03(3946)8678Email: jgs@jiban.or.jp ホームページURL https://www.jiban.or.jp/北海道支部〒0600061 札幌市中央区南 1 条西 2 丁目 南一条 K ビル 8 階電 話011(251)7038,(261)7742 FAX011(251)7038Email: hjgs@olive.ocn.ne.jp東北支部〒9800014 仙台市青葉区本町 251 オーク仙台ビル 3F(江陽グランドホテル北側隣)電 話022(711)6033 FAX022(263)8363Email: jgsb-th@tohokushibu.jp北陸支部〒9500965 新潟市中央区新光町10番地 3 技術士センタービル 7F電話/FAX025(281)2125Email: jgskoshi@piano.ocn.ne.jp関東支部〒1120011 東京都文京区千石 4382 JGS 会館内電 話03(3946)8670(代) FAX03(3946)8699Email: jgskantou@jiban.or.jp中部支部〒4600008 名古屋市中区栄 2926 ポーラ名古屋ビル 8 階電 話052(222)3747 FAX052(222)3773Email: chubu@jiban.or.jp関西支部〒5400012 大阪市中央区谷町 157 ストークビル天満橋 8 階801号室電 話06(6946)0393 FAX06(6946)0383Email: office@jgskb.jp中国支部〒7300011 広島市中区基町103 自治会館内電話/FAX082(962)5557Email: chugoku@jiban.or.jp四国支部〒7908577 松山市文京町 3 社会連携推進機構 3 階 愛媛大学防災情報研究センター内電 話090(6881)9036 FAX089(927)8141Email: nakajima@cee.ehimeu.ac.jp九州支部〒8100041 福岡市中央区大名 2412 シーティーアイ福岡ビル 2 階電 話092(717)6033 FAX092(717)6034Email: jgsk_ jimu@able.ocn.ne.jp― 6 ―
  • ログイン
  • タイトル
  • 地盤工学会所在地
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • A6〜A6
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250029
  • 内容
  • 第回環境放射能除染研究発表会・国際シンポジウム主催(一社)環境放射能除染学会後援(公社)地盤工学会ほか開 催 日平成年月日(火)~日(水)第回市民防災講座「災害リスクを考える―豪雨・土砂災害に備える―」主催京都大学大学院工学研究科災害リスクマネジメント工学(JR 西日本)講座後援(公社)地盤工学会中国支部ほか日時平成年月日(金)1330~1630第回日本地震工学シンポジウム()主催(公社)日本地震工学会(幹事学会),(公社)地盤工学会ほか学会後援国土交通省東北地方整備局,宮城県,仙台市,東北大学災害科学国際研究所日本地震工学シンポジウム(JEES)は,1962年の第 1 回開催以来,ほぼ 4 年ごとに世界地震工学会議( WCEE )の開催の中間年に開かれてきました。第 15 回日本地震工学シンポジウム( 15JEES)は,幹事学会の(公社)日本地震工学会ほか計11学会の共催により開催いたします。会場タワーホール船堀(〒1340091 東京都江戸川区船堀 4―1―1)問合せ先環境放射能除染学会事務局 東京事務所――電話―― FAXHP: http: // khjosen.org / event / conference / 7th _Con/kenkyu07.htmlEmail: info@khjosen.org会場ホテルグランヴィア広島(4F)悠久そ の 他詳細は下記へお問い合わせください。連 絡 先京都大学災害リスクマネジメント工学(JR 西日本)講座 市民防災講座 事務局Email: info@ise.kuciv.kyotou.ac.jpFAX――電話(お問合せ)――HP: http://www.ise.kuciv.kyotou.ac.jp/lab/開 催 日平成年月日(木)~日(土)会場仙台国際センター(〒 980 0856 宮城県仙台市青葉区青葉山無番地)プログラムオーガナイズドセッション,論文口頭発表,論文ポスター発表,技術展示,懇親会,ほか問合せ先第回日本地震工学シンポジウム運営委員会(〒 108 0014 東京都港区芝 5 ― 26 ― 20 建築会館日本地震工学会事務局)――電話―― FAXHP: http://www.15jees.jp/E mail: jees @ gakkai web.net ( o‹ce @ general.jaee.gr.jp)〒1120011 東京都文京区千石 4382公益社団法人地盤工学会 電 話03(3946)8677(代) FAX03(3946)8678Email: jgs@jiban.or.jp ホームページURL https://www.jiban.or.jp/北海道支部〒0600061 札幌市中央区南 1 条西 2 丁目 南一条 K ビル 8 階電 話011(251)7038,(261)7742 FAX011(251)7038Email: hjgs@olive.ocn.ne.jp東北支部〒9800014 仙台市青葉区本町 251 オーク仙台ビル 3F(江陽グランドホテル北側隣)電 話022(711)6033 FAX022(263)8363Email: jgsb-th@tohokushibu.jp北陸支部〒9500965 新潟市中央区新光町10番地 3 技術士センタービル 7F電話/FAX025(281)2125Email: jgskoshi@piano.ocn.ne.jp関東支部〒1120011 東京都文京区千石 4382 JGS 会館内電 話03(3946)8670(代) FAX03(3946)8699Email: jgskantou@jiban.or.jp中部支部〒4600008 名古屋市中区栄 2926 ポーラ名古屋ビル 8 階電 話052(222)3747 FAX052(222)3773Email: chubu@jiban.or.jp関西支部〒5400012 大阪市中央区谷町 157 ストークビル天満橋 8 階801号室電 話06(6946)0393 FAX06(6946)0383Email: office@jgskb.jp中国支部〒7300011 広島市中区基町103 自治会館内電話/FAX082(962)5557Email: chugoku@jiban.or.jp四国支部〒7908577 松山市文京町 3 社会連携推進機構 3 階 愛媛大学防災情報研究センター内電 話090(6881)9036 FAX089(927)8141Email: nakajima@cee.ehimeu.ac.jp九州支部〒8100041 福岡市中央区大名 2412 シーティーアイ福岡ビル 2 階電 話092(717)6033 FAX092(717)6034Email: jgsk_ jimu@able.ocn.ne.jp― 6 ―
  • ログイン
  • タイトル
  • 地盤工学会技術講習会のお知らせ
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250030
  • 内容
  • ਲਗदણඩघॊ঩ম੫঵भ੍ରध৾ভ੦૆भਲਗఁ୑॑৯੐खथᆅ┙ᕤᏛ఍࡛ࡣࠗᢏ⾡⪅⥅⥆ᩍ⫱࠘ࢆᛕ㢌࡟࠾ࡁከᒱ࡟ࢃࡓࡿෆᐜࡢㅮ⩦఍ࢆ௻⏬㺃ᐇ᪋ࡋ࡚࠾ࡾࡲࡍ㹿ⓙᵝࡢ✚ᴟⓗ࡞ࡈཧຍࢆ࠾ᚅࡕࡋ࡚࠾ࡾࡲࡍ㹿㻌ஶ๨ග஼৔૥ୡ‫؞‬৉ೕ৹ਪपঢ়घॊૠત‫؞‬੦૆‫ق‬9RO‫ك‬َਲਗ঵ਜُ‫َ؜‬প৾ઇ୘ُऩनद‫ઁ்؜‬ऎ‫؜‬ओણ৷ৣऔः‫؛‬¾ ঩মभૼ୒॑৷ःञ৉ೕૼ୒भ35ன৫‫؛‬ਲਗ੧੯दभਝੑ‫؞‬઱ੵ঱भૼ୒৓ઐ௱षभણ৷‫؜‬ਲਗૼ୒঻भ୘ਛऩन‫؛‬ၥྜࡏ/⏦㎸ࡳඛ㸸බ┈♫ᅋἲேᆅ┙ᕤᏛ఍ ㅮ⩦఍ᢸᙜ㟁ヰ㸸03-3946-8671 FAX㸸03-3946-8678E-mail㸸k o s y u k a i @ j i b a n . o r . j p¾ ೏৾েभ୘ਛ‫؜‬೏৾েषभ঩মૼ୒भ࿠්‫؛‬঩ময৾েभ૥ୡૼ୒॑ৢखञஶୁৡभ਱঱ऩन‫؛‬‫ٹ‬-$3$1(6( *(27(&+1,&$/ 62&,(7< 67$1'$5'6/DERUDWRU\ 7HVWLQJ 6WDQGDUGV RI *HRPDWHULDOV 9RO َ஼৔૥ୡ੦૆ُ‫ ق‬੦૆ઽஈ‫؜‬$ਖ਼ংॖথॲ‫كش‬,6%1 ৒੼‫؟‬৞‫؜‬ভ৩્੼‫؟‬৞‫ق‬ଛમ‫؜‬ઘશ‫ك‬‫୼ٮ‬ઌमYRO‫ٹ‬-$3$1(6( *(27(&+1,&$/ 62&,(7< 67$1'$5'6*HRWHFKQLFDO DQG *HRHQYLURQPHQWDO ,QYHVWLJDWLRQ0HWKRGV 9RO َ৉ೕ৹ਪ੦૆ُ‫ ق‬੦૆ઽஈ‫؜‬$ਖ਼ংॖথॲ‫كش‬,6%1 ৒੼‫؟‬৞‫؜‬ভ৩્੼‫؟‬৞‫ق‬ଛમ‫؜‬ઘશ‫ك‬‫୼ٮ‬ઌमYRO৉ೕੵ৾ভदम‫؜‬஧ম‫؞‬ஒমभ੡द຦஘प஡खऽोथःॊَ৉ೕ౫મ૥ୡभ্১धੰହُधَ৉ೕ৹ਪभ্১धੰହُभૠત‫؞‬੦૆‫ੰق‬ହ॑௾ऎ‫ك‬भஶ๨॑ৰ઱खथउॉ‫؜‬ऒभञल৸ඕभ໷ষऋ౥വखऽखञ‫؛‬ফ২प໷ষखञ9RO ‫ ؜‬ফ২प໷ষखञYROम‫॔؜‬४॔॑রੱपऊবप๔Ⴋऔो‫؜‬ব৔ਗद்ઁऎओણ৷ःञटःथःऽघ‫؛‬০৚৅໷खञ9RO‫ق‬ীၻ‫ك‬पम৉ೕ౫મ૥ୡ੦૆ध৉ೕ৹ਪ੦૆भੑ੦૆॑ઽஈःञखऽखञ‫؛‬ชశ‫؜‬঩মभ੦૆॑৷ःञਲਗ੧੯भਝੑ‫؜‬৹ਪ‫؜‬ਗবযૼ୒঻भ୘ਛ‫؜‬঩মभૼ୒॑৷ःञ৉ೕૼ୒भ35ன৫‫؜‬ਝੑ‫؞‬઱ੵ঱भૼ୒৓ઐ௱ৡभ੍ରऩनपओણ৷ःञटऌञःधઓःऽघ‫؛‬ऽञ‫؜‬প৾ઇ୘भৃपउऌऽखथु‫؜‬೏৾েषभ୘ਛ‫؜‬೏৾েपৌघॊ঩মૼ୒भ࿠්‫؜‬঩ময৾েभ૥ୡૼ୒॑ৢखञஶୁৡभੜਸऩनपुओણ৷ःञटऐोयౘःपோगऽघ‫؛‬䕔཰㘓≧ἣ䛾ヲ⣽䛿ᆅ┙ᕤᏛ఍䝩䞊䝮䝨䞊䝆䠄https://www.jiban.or.jp䠅䛻ᥖ㍕䛥䜜䛶䛔䜎䛩䚹䝃䜲䝖ෆ䜢䛂ⱥヂ䛃䛷᳨⣴䛧䛶䛟䛰䛥䛔䚹ओභোभ্১ உ  ଐ≋᣿≌‒  ࠰ࡇᇹ  ‫עעܡׅ‬Ⴔ↝ᚸ̖↚᧙ↈ↺இᡈ↝ჷᙸᜒ፼˟Ⅶ‫עܡ‬ᚸ̖↝ؕᄽჷᜤ↗‫᧸עܡ‬໎Ⅷ‒ உ  ଐ≋້≌⊡ ଐ≋ங≌ɤ᠆‫ן‬጑ᚾ᬴ܱ২ᜒ፼˟‒ ᖺ  ᭶ࡢᮾ᪥ᮏ኱㟈⅏ࡸ  ᖺ  ᭶ࡢ⇃ᮏᆅ㟈࡛ࡣ㸪ᾮ≧໬ࡸ┒ᅵ࣭᧦ቨᔂቯ࡞࡝࡛㸪 ᖺ  ᭶ࡢఀ㇋኱ᓥ㇦㞵⅏ᐖࡸ  ᖺ  ᭶ࡢᗈᓥ㇦㞵⅏ᐖ࡛ࡣ㸪ᅵ▼ὶ࡞࡝࡟ࡼࡾᏯᆅࡀ኱ࡁ࡞⿕ᐖࢆཷࡅࡲࡋࡓࠋࡇࢀࡽࡢᆅ┙⅏ᐖࢆዎᶵ࡜ࡋ࡚㸪Ꮿᆅᆅ┙ࡢ࿘㎶ᆅᙧᆅ㉁⎔ቃࢆྵࡵࡓᆅ┙ࡢᏳᐃᛶ࡜ᆅ┙ࣜࢫࢡࢆ㐺ษ࡟ホ౯ࡍࡿࡇ࡜ࡢ㔜せᛶࡀ෌ㄆ㆑ࡉࢀ࡚࠸ࡲࡍࠋᏯᆅᆅ┙ࡢ≧ἣࢆ㸪㝈ࡽࢀࡓ᝟ሗࡢ୰࡛ⓗ☜࡟ᢕᥱ࣭ホ౯ࡍࡿࡓࡵ࡟ࡣ㸪ᦠࢃࡿᢏ⾡⪅ࡀᆅ┙ᕤᏛ࡟㛵ࡍࡿ㧗ᗘ࡞ᑓ㛛▱㆑࡜ᢏ⾡⪅೔⌮ࢆ᭷ࡍࡿࡔࡅ࡛࡞ࡃ㸪ᖖ࡟᪂ࡋ࠸▱ぢࢆᚓࡿᚲせࡀ࠶ࡾࡲࡍࠋࡑࡇ࡛㸪බ┈♫ᅋἲே ᆅ┙ᕤᏛ఍࡛ࡣ㸪ఫᏯᆅ┙࡟㛵ࢃࡿ᭱㏆ࡢヰ㢟࣭▱ぢࢆ㞟ࡵࡓㅮ⩦఍ࡢ  ᖺᗘ➨  ᅇࠗᏯᆅホ౯ࡢᇶ♏▱㆑࡜Ꮿᆅ㜵⅏࠘ࢆ௻⏬࠸ࡓࡋࡲࡋࡓࠋ*&3' ࣏࢖ࣥࢺᩘ㸸఍ ሙ㸸ᆅ┙ᕤᏛ఍ ኱఍㆟ᐊ㸦ᮾி㒔ᩥி༊༓▼ 㸧఍ ㈝㸸఍ဨ  ෇ 㠀఍ဨ  ෇㸦ᾘ㈝⛯࣭㓄ᕸ㈨ᩱ௦ࢆྵࡴ㸧ͤඹദ㸪ᚋ᥼ᅋయࡢ఍ဨࡣ㸪఍ဨ౯᱁㓄ᕸ㈨ᩱ㸸ᮏㅮ⩦఍ࡢࡓࡵ࡟ㅮᖌࡢ᪉ࡀసᡂࡍࡿㄝ᫂㈨ᩱࡢ⦰ᑠࢥࣆ࣮ࢆ㓄ᕸࡋࡲࡍࠋㅮ ᖌ㸸኱୵ ㇏㸦ᆅ┙ရ㉁ุᐃኈ༠㆟఍㐠Ⴀᖿ஦㸧㸭௒ᮧ㑈ᖹ㸦࢔ࢪ࢔⯟ 㸧㸭኱࿴┾୍㸦ࢪࣕࣃ࣮࣒ࣥ࣍ࢩ࣮ࣝࢻ㸧㸭⳻἟ Ⓩ㸦ᆅ┙ᏳᚰఫᏯᩚഛᨭ᥼ᶵᵓ㸧㸭すᮧ┿஧㸦㒔ᕷ෌⏕ᶵᵓ㸧㸭ྜྷᒸ࿴ᘯ㸦ᘚㆤኈ㸸ྜྷᒸ࿴ᘯἲᚊ஦ົᡤ㸧㏆ᖺ㸪ᖖ᫬࣭ᆅ㟈᫬࡟࠾ࡅࡿ㔜せᵓ㐀≀ࡢኚ఩࡜࿘㎶ᆅ┙ࡢኚᙧ㸪࠶ࡿ࠸ࡣᆅ┙࡜ᵓ㐀≀ࡢኚ఩࣭ኚᙧ࡜┦஫స⏝ࡢண ࡢࡓࡵ࡟㸪ᆅ┙ࡢᚤᑠࡦࡎࡳࣞ࣋ࣝ㸦㸣⛬ᗘ௨ୗ㸧࡛ࡢኚᙧಀᩘࡢ᥎ᐃࡀ㔜せ࡞ᕤᏛⓗㄢ㢟࡟࡞ࡗ࡚࠸ࡲࡍࠋࡋ࠿ࡋ㸪㏻ᖖࡢ୕㍈ᅽ⦰ヨ㦂࡛ࡣ㸪౪ヨయୖୗ➃㠃ࡢ⦆ࡳᒙࡢᙳ㡪࡛㍕Ⲵࣆࢫࢺࣥࡢືࡁ࠿ࡽ㍈ࡦࡎࡳࢆ ᐃࡍࡿ࡜ṇ☜࡞㍈ࡦࡎࡳࡣồࡵࡽࢀࡎ㸪㐣኱ホ౯ࡉࢀࡓ㍈ࡦࡎࡳࡀᚓࡽࢀࡲࡍࠋᮏᐇᢏㅮ⩦఍࡛ࡣ㸪୕㍈ᅽ⦰ヨ㦂࡛ 㸣࠿ࡽ㸯㸣ࡲ࡛ࡢṇ☜࡞㍈ࡦࡎࡳࢆ౪ヨయഃ㠃࡛ᒁᡤኚᙧ ᐃ⿦⨨ࢆ⏝࠸ࡿࡇ࡜࡟ࡼࡗ࡚ồࡵࡲࡍࠋࡉࡽ࡟㸪㏆ᖺᬑཬࡀⴭࡋ࠸࣋ࣥࢲ࣮࢚࣓ࣞࣥࢺ➼࡟ࡼࡿືⓗィ ࡶ⾜࠸㸪ᕤᏛⓗㄢ㢟࡟ᑐᛂ࡛ࡁࡿᆅ┙ࡢኚᙧಀᩘࢆồࡵࡲࡍࠋࡲࡓ㸪◁ࡢ⧞㏉ࡋ୕㍈ヨ㦂࡛ࡣ㸪ẚ㍑ⓗ⡆༢࡞⿦⨨ࢆ⏝࠸࡚ኚᙧ≉ᛶ࡜ᾮ≧໬≉ᛶࢆ ᐃࡋࡲࡍࠋᮏᐇᢏㅮ⩦఍࡛ࡣ㸪⣙  ᫬㛫ࡢㅮ⩏ࡢ࡯࠿ࡣ  ྡ୍࡛ࡘࡢ୕㍈⿦⨨ࢆᐇ㝿࡟ᢅ࠺ᐇ⩦࡟㔜Ⅼࢆ⨨ࡁࡲࡍࠋ*&3' ࣏࢖ࣥࢺᩘ㸸఍ ሙ㸸ᮾி኱Ꮫ⏕⏘ᢏ⾡◊✲ᡤ㸦ᮾி㒔┠㯮༊㥖ሙ 㸫㸫㸧఍ ㈝㸸఍ဨ  ෇ 㠀఍ဨ  ෇Ꮫ⏕఍ဨ  ෇ 㸦ࢸ࢟ࢫࢺ௦㎸ࡳ㸧ࢸ࢟ࢫࢺ㸸ᮏㅮ⩦఍ࡢࡓࡵ࡟ㅮᖌࡀ᭩ࡁୗࢁࡋࡓࢸ࢟ࢫࢺࢆ౑⏝ࡋࡲࡍࠋᐃ ဨ㸸㸿㹀ࢢ࣮ࣝࣉ㸸ྛ  ྡ ィ  ྡ㸦ᕼᮃࡢከᑡ࡟ࡼࡾኚ᭦ࡍࡿࡇ࡜ࡀ࠶ࡾࡲࡍ㸧ᑐ ㇟㸸୍㍈ᅽ⦰ヨ㦂⤒㦂⪅௨ୖࠋࣃࢯࢥ࣭ࣥ୕㍈ᅽ⦰ヨ㦂ࡢ⤒㦂ࡀ࠶ࡿࡇ࡜ࡀᮃࡲࡋ࠸ࡀ㸪࡞ࡃ࡚ࡶᵓ࠸ࡲࡏࢇࠋㅮ ᖌ㸸᱓㔝⋹Ꮚ㸪Ύ⏣ 㝯 ࡯࠿ෆ ᐜ㸸ḟࡢヨ㦂ἲࢆᕼᮃ⪅ࡢ᭷↓࣭ேᩘ࡟ࡼࡗ࡚⾜࠸ࡲࡍࠋ⏦ࡋ㎸ࡳ᫬࡟ᕼᮃࢢ࣮ࣝࣉࢆ᫂グࡋ࡚ࡃࡔࡉ࠸ࠋࡓࡔࡋ㸪ᕼᮃேᩘࡢከᑡ࡟ࡼࡾ㸪஦๓࡟ࡈᢎㅙࢆᚓࡓ࠺࠼࡛ࢢ࣮ࣝࣉࢆኚ᭦ࡍࡿࡇ࡜ࡀ࠶ࡾࡲࡍࠋ㸿ࢢ࣮ࣝࣉ㸸 ◁ࡢ୕㍈ᅽ⦰ヨ㦂㸦/'7㸪࣋ࣥࢲ࣮࢚࣓ࣞࣥࢺ➼࡟ࡼࡿᚤᑠኚᙧ≉ᛶィ 㸧㹀ࢢ࣮ࣝࣉ㸸 ◁ࡢ⧞㏉ࡋ୕㍈ヨ㦂㸦ኚᙧヨ㦂࣭ᾮ≧໬ヨ㦂㸧 உ  ଐ≋உ≌‫ע‬ɦ൦ᛦ௹↚ဇⅳ↺ʟৎྸᛯ↗ܱѦᜒ፼˟‒ᖹᡂ  ᖺ  ᭶࡟඲㠃ᨵゞࡉࢀࡓࠕᆅ┙ㄪᰝࡢ᪉ἲ࡜ゎㄝࠖ࡟㛵ࡋ࡚㸪ᆅୗỈㄪᰝ࡛ࡢヨ㦂࡛ά⏝ࡍࡿ⌮ㄽᘧࡢㄏᑟࡢᐇែࢆྲྀࡾࡲ࡜ࡵ㸪ࡑࡢ⫼ᬒ᮲௳ࢆࡶṇࡋࡃ⌮ゎࡋ㸪᪂ࡓ࡞஭ᡞࣔࢹࣝࡢ㛤Ⓨ࡟㈉⊩࡛ࡁࡿ㈨ᩱࢆసᡂࡍࡿࡇ࡜ࢆ┠ⓗ࡜ࡋ࡚㸪ᖹᡂ ᖺ  ᭶࡟Ꮫ఍࣮࣒࣮࣍࣌ࢪ࡟ࠕᆅୗỈㄪᰝ࡟⏝࠸ࡿ஭ᡞ⌮ㄽᘧࡢᩚ⌮ཬࡧゎㄝ  ᖺᗘ∧ ࠖࡀබ㛤ࡉࢀࡲࡋࡓࠋࡲࡓ㸪ᆅୗỈㄪᰝ࡟㛵ࡍࡿ  ࡘࡢᆅ┙ᕤᏛ఍ᇶ‽࡜ࡋ࡚㸪ᖹᡂ  ᖺ࡟ࠕ༢Ꮝࢆ฼⏝ࡋࡓᆅୗỈὶྥὶ㏿ ᐃ᪉ἲ -*6 ࠖ㸪ᖹᡂ ᖺ࡟ࠕᆅୗỈ㠃ࡼࡾୖࡢᆅ┙ࢆᑐ㇟࡜ࡋࡓ㏱Ỉヨ㦂᪉ἲ -*6 ࠖࡀ᪂つไᐃࡉࢀࡲࡋࡓࠋᮏㅮ⩦఍࡛ࡣ㸪ࡇࢀࡽࡢ㈨ᩱ㸪ᇶ‽➼ࡢ⦅㞟୪ࡧ࡟ཎ✏ᇳ➹ࢆᢸᙜࡋࡓ࣮࣡࢟ࣥࢢࢢ࣮ࣝࣉࡢጤဨࡀㅮᖌࢆົࡵࡲࡍࠋㅮ⩦ෆᐜࡣ㸪⌮ㄽᘧࢆ㐺⏝ࡍࡿ㝿ࡢὀពⅬࡢ௚࡟ࡶ㸪⤖ᯝࡢゎ㔘ࡸ฼⏝᪉ἲࡶྵࡵࡓᐇົୖࡢ␃ពⅬࢆ㋃ࡲ࠼㸪ᆅୗỈㄪᰝ࡟ᦠࢃࡿᢏ⾡⪅࡟௒ᚋᗈࡃᙺ❧࡚࡚㡬ࡅࡿࡼ࠺࡞ෆᐜ࡜࡞ࡗ࡚࠸ࡲࡍࠋከᩘࡢࡈཧຍࢆ࠾ᚅࡕࡋ࡚࠾ࡾࡲࡍࠋ         *&3' ࣏࢖ࣥࢺᩘ㸸఍ ሙ㸸ᆅ┙ᕤᏛ఍ ኱఍㆟ᐊ㸦ᮾி㒔ᩥி༊༓▼ 㸧఍ ㈝㸸఍ဨ  ෇ 㠀఍ဨ  ෇ Ꮫ⏕఍ဨ  ෇ᚋ᥼ᅋయࡢ఍ဨ  ෇㸦ᾘ㈝⛯㎸ࡳ㸪ࢸ࢟ࢫࢺ௦ู㸧ࢸ࢟ࢫࢺ㸸஧ࡘࡢ᪂つไᐃᆅ┙ᕤᏛ఍ᇶ‽࣭ྠゎㄝࡢᑠ෉Ꮚࢆ౑⏝ࡋࡲࡍࠋㅮ ᖌ㸸➉ෆ┿ྖ㸦᪥ᮏ኱Ꮫ㸧㸭㐍ኈ႐ⱥ㸦᪥ᮏཎ⇞㸧㸭⣽㇂┿୍㸦ࢲ࢖ࣖࢥࣥࢧࣝࢱࣥࢺ㸧㸭⏣ᓊᏹᏕ㸦࢔ࢧࣀ኱ᡂᇶ♏࢚ࣥࢪࢽ࢔ࣜࣥࢢ㸧㸭ΎỈᏕ᫛㸦➉୰ᕤົᗑ㸧௒ᚋࡢணᐃ৾ভ঍‫ش‬঒ঌ‫ش‬४भછආභোঌ‫ش‬४‫ق‬KWWSZZZMJVVKRSSLQJQHW‫ك‬भ౎‫؜‬છ૲दुउେः੷ीःञटऐऽघ‫؛‬‫پ‬ভ৩્੼दभओභোम‫৾؜‬ভ঍‫ش‬঒ঌ‫ش‬४ऊैभභোप଒ॉऽघभद‫؜‬ओିਔऎटऔः‫؛‬ᆅ┙ᕤᏛ఍࣮࣒࣮࣍࣌ࢪ  㸦 https://www.jiban.or.jp/㸧ᆅ┙ᕤᏛ఍ࢺࢵࣉ࣮࣌ࢪ э ⾜஦࣭άື э ㅮ⩦఍ᆅ┙ᕤᏛ఍ࢺࢵࣉ࣮࣌ࢪ э ᭩⡠㉎ධэ ᭩⡠ࡢὀᩥᅵ◁⅏ᐖ࡟㛵ࡍࡿᢏ⾡ㅮ⩦఍ᐇົ⪅ࡢࡓࡵࡢᅵ࡜ᇶ♏ࡢタィィ⟬₇⩦ㅮ⩦఍㸦㌾ᙅᆅ┙࣭ᾮ≧໬࣭ᒣ␃ࡵ࣭ᩳ㠃Ᏻᐃゎᯒ⦅㸧⸆ᾮὀධᕤἲタィ᪋ᕤㅮ⩦఍ᩳ㠃ࡢᏳᐃኚᙧゎᯒㅮ⩦఍ࢃ࠿ࡗ࡚౑࠺)(0ㅮ⩦఍ᆅ┙࡟㛵ࡍࡿゎᯒᢏ⾡㸦ಶูせ⣲ἲ㸧ㅮ⩦఍ உ  ଐ≋൦≌‒  ࠰ࡇᇹ≕‫עעܡ ׅ‬Ⴔ↝ᚸ̖↚᧙ↈ↺இᡈ↝ჷᙸᜒ፼˟ⅦႮ‫↝עܡ↗ܭܤ↝ם‬෩ཞ҄Ⅷ‒ ᖺ  ᭶ࡢᮾ᪥ᮏ኱㟈⅏ࡸ  ᖺ  ᭶ࡢ⇃ᮏᆅ㟈࡛ࡣ㸪ᾮ≧໬ࡸ┒ᅵ࣭᧦ቨᔂቯ࡞࡝࡛㸪 ᖺ  ᭶ࡢఀ㇋኱ᓥ㇦㞵⅏ᐖࡸ  ᖺ  ᭶ࡢᗈᓥ㇦㞵⅏ᐖ࡛ࡣ㸪ᅵ▼ὶ࡞࡝࡟ࡼࡾᏯᆅࡀ኱ࡁ࡞⿕ᐖࢆཷࡅࡲࡋࡓࠋࡇࢀࡽࡢᆅ┙⅏ᐖࢆዎᶵ࡜ࡋ࡚㸪Ꮿᆅᆅ┙ࡢ࿘㎶ᆅᙧᆅ㉁⎔ቃࢆྵࡵࡓᆅ┙ࡢᏳᐃᛶ࡜ᆅ┙ࣜࢫࢡࢆ㐺ษ࡟ホ౯ࡍࡿࡇ࡜ࡢ㔜せᛶࡀ෌ㄆ㆑ࡉࢀ࡚࠸ࡲࡍࠋᏯᆅᆅ┙ࡢ≧ἣࢆ㸪㝈ࡽࢀࡓ᝟ሗࡢ୰࡛ⓗ☜࡟ᢕᥱ࣭ホ౯ࡍࡿࡓࡵ࡟ࡣ㸪ᦠࢃࡿᢏ⾡⪅ࡀᆅ┙ᕤᏛ࡟㛵ࡍࡿ㧗ᗘ࡞ᑓ㛛▱㆑࡜ᢏ⾡⪅೔⌮ࢆ᭷ࡍࡿࡔࡅ࡛࡞ࡃ㸪ᖖ࡟᪂ࡋ࠸▱ぢࢆᚓࡿᚲせࡀ࠶ࡾࡲࡍࠋࡑࡇ࡛㸪බ┈♫ᅋἲே ᆅ┙ᕤᏛ఍࡛ࡣ㸪ఫᏯᆅ┙࡟㛵ࢃࡿ᭱㏆ࡢヰ㢟࣭▱ぢࢆ㞟ࡵࡓㅮ⩦఍ࡢ  ᖺᗘ➨㸰ᅇࠗ┒ᅵࡢᏳᐃ࡜Ꮿᆅࡢᾮ≧໬࠘ࢆ௻⏬࠸ࡓࡋࡲࡋࡓࠋዧࡗ࡚ᚚཧຍୗࡉ࠸ࠋ*&3' ࣏࢖ࣥࢺᩘ㸸఍ ሙ㸸ᆅ┙ᕤᏛ఍ ኱఍㆟ᐊ㸦ᮾி㒔ᩥி༊༓▼ 㸧఍ ㈝㸸఍ဨ  ෇ 㠀఍ဨ  ෇㸦ᾘ㈝⛯ࢆྵࡴ㸧ὀ㸸఍ဨ࡟ࡣ㸪ᆅ┙ᕤᏛ఍ဨ㸪ᆅ┙ရ㉁ุᐃኈ ⿵ 㸪ᚋ᥼ᅋయᡤᒓࢆྵࡴ㓄ᕸ㈨ᩱ㸸ᮏㅮ⩦఍ࡢࡓࡵ࡟ㅮᖌࡢ᪉ࡀసᡂࡍࡿㄝ᫂㈨ᩱࡢ⦰ᑠࢥࣆ࣮ࢆ㓄ᕸࡋࡲࡍࠋㅮ ᖌ㸸㇂ ࿴ኵ㸦ᮾிᾏὒ኱Ꮫ㸧㸭௒ᮧ㑈ᖹ㸦࢔ࢪ࢔⯟ 㸧㸭すᇉ ㄔ㸦ᒸᒣ኱Ꮫ㸧㸭ᅧ⏕๛἞㸦୰ኸ኱Ꮫྡ㄃ᩍᤵ㸧㸭ඛྡ㔜ᶞ㸦㜵⅏⛉Ꮫᢏ⾡◊✲ᡤ㸧㸭ⱝᯇຍᑑỤ㸦㛵ᮾᏛ㝔኱Ꮫ㸧㸭ᮾ⏿㑳⏕㸦ᮾி኱Ꮫྡ㄃ᩍᤵ㸧
  • ログイン
  • タイトル
  • 裏表紙
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250031
  • 内容
  • ログイン
  • タイトル
  • 鉄道盛土の複合的な被災原因(口絵写真(HP)・論説)
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250032
  • 内容
  • 論説:鉄道盛土の複合的な被災原因(本文8~11ページ参照)口絵写真-1盛土法尻部のふとん籠からの湧水と縦断方向への流下状況(青い森鉄道,八戸貨物~陸奥市川間)口絵写真-2口絵写真-3盛土法尻部のふとん籠からの湧水状況(東北線,泉崎~矢吹間)崩壊した盛土の末端部が泥濘化した状況(仙山線,作並~八ツ森間)
  • ログイン
  • タイトル
  • カンボジアアンコール遺跡基壇盛土の締固め管理(口絵写真(HP)・報告)
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250033
  • 内容
  • 報告:カンボジアアンコール遺跡基壇盛土の締固め管理(本文24~27ページ参照)バイヨン主塔北経蔵南経蔵口絵写真-4バイヨン全景基壇盛土砂岩ラテライト口絵写真-5バイヨン南経蔵基壇
  • ログイン
  • タイトル
  • 「土のう構造体」を用いた既設盛土の耐震補強(口絵写真(HP)・報告)
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250034
  • 内容
  • 報告:「土のう構造体」を用いた既設盛土の耐震補強(本文28~31ページ参照)(a)Case1(無対策)口絵写真-6(b)Case2(法先補強)大型振動台を用いた加振実験における高さ4mの盛土の破壊後の状態 口絵写真-7 大型振動台を用いた加振実験における法先補強した盛土(Case2)の土のう構造体(プレストレス 75 kN/m2)(加振後もハニカム構造を維持)口絵写真-8 大型振動台を用いた加振実験における法先補強した盛土の土のう構造体(プレストレス 50 kN/m2)(加振後にせん断変形が発生)
  • ログイン
  • タイトル
  • 柱列状地盤改良体を施工した斜角橋台背面盛土の挙動解析(<特集>盛土)
  • 著者
  • 滝沢 聡・中村 宏・池本 宏文・鈴木 健一
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 16〜19
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250010
  • 内容
  • 報告柱列状地盤改良体を施工した斜角橋台背面盛土の挙動解析Analysis of Seismic Retroˆtting Method with a Successive Rows ofcement Columns behind Skewed AbutmentSoil滝沢聡(たきさわ株東日本旅客鉄道構造技術センター池本宏株東日本旅客鉄道文(いけもとさとし)副課長ひろふみ)東京工事事務所助役. は じ め に既設橋台の鉄道地震被害は,橋台躯体と橋台背面盛土間の相対変位による沈下変状が多い。橋台自体の被害は,中村宏(なかむらひろし)株東日本旅客鉄道構造技術センター鈴一(すずき木健株東日本旅客鉄道課長けんいち)東京工事事務所主席策の要否を個別に判断する。図―に橋台背面線路方向の診断及び対策工選定フローを示す。既設橋台の線路方向の安定と部材耐力を照査する場合,基本的に性能ランク(L1 地震動レベル)で行う。安定を損なう基礎の大変形,及び躯体の曲げ・せん断に対策の基本的な考え方は,ブラケット等で線路方向のよる重篤な部材損傷は殆ど無く,比較的軽微である。筆変形を抑制するか,それが困難な場合は,橋台背面に者らは,これまでの経験を元に,橋台背面沈下対策とし柱列状地盤改良体を構築して土圧を軽減2)し,線路方て技術開発を実施し,柱列状地盤改良体による沈下抑制向変形と橋台背面の沈下を抑制する(図―)。工法を実用化した。ただし,斜角橋台背面地盤の地震時挙動は不明な点が多い。本稿では,橋台背面沈下対策の設計の考え方を紹介するとともに,柱列状地盤改良実施後の橋台背面部挙動を解析的に推定したので報告する。.橋台背面部の性能指標1)首都直下地震対策における土構造物耐震補強の性能指標を表―に示す。高さ 8 m 以上又は重要線区では耐図―橋台背面部の沈下量(変形量)算定震性能とし,それ以外は耐震性能として,ニューマーク法で設計している。盛土の耐震補強設計では,一般部と橋台背面部に分けて考える。設計に用いる橋台背面部の変形量 d は,図―に示すように線路直角方向の円弧すべりによる沈下量 dC と,線路方向の橋台変位による沈下量 dL の和で算定している。.対策工選定及び設計の考え方1)図―に橋台背面沈下対策の補強イメージを示す。橋台背面の全箇所に共通する対策を以下に述べる。線路直角方向の設計で,橋台背面部では一般部より変位量を小さく制限して設計する(表―)。図―盛土耐震補強イメージ(橋台背面部)橋台翼壁部は主に補強土擁壁で設計する。橋台背面付近の軌道に,脱線防止ガードを設置する。. 橋台背面線路方向対策前述の全箇所共通対策を実施し,その上で線路方向対表―土構造物耐震補強における性能指標1)図―16柱列状地盤改良体を用いた橋台背面補強概要1)地盤工学会誌,―() 報図―橋台背面補強線路方向の沈下量 dL は,桁と橋台の遊間量,可動支承部の可動余裕量,対策実施後の可動余裕量を総合的に考慮して適切に設定する。既設橋台が RC のボックス構造,U 型擁壁橋台等,橋告線路方向対策選定フロー1). 予備解析本解析実施前に予備解析(逆解析)を行うこととした。予備解析の目的は,実験挙動と三次元弾塑性解析の解析モデルの妥当性の確認である。台が線路方向に変位しにくい構造と判断できる場合技術開発時の実験2)は,翼壁部や盛土斜面を含まないは,線路方向の沈下量 dL を考慮せず,線路直角方向橋台と橋台背面の部分領域を模擬し,気乾砂質盛土を用の円弧すべりによる沈下量 dC のみで評価する。いた地盤模型(橋台背面の柱列状地盤改良の有無のみを斜角の橋台は,現在は個別に検討している(斜角が大きい橋台で,橋台前面から補強材を打設する等)。翼壁部を補強する。補強工法は,主として補強土擁壁考慮)で実施した。一方,三次元完全弾塑性モデルによる動的 FEM 解析(SOILPLUS)で,盛土本体を砂質土と仮定し,実験同で設計する。要求性能は性能ランク( L1 地震動レ様 1/15サイズで,地震動も実験同様に正弦波として700ベル)とする。gal ( 5 Hz , 10 波, 2 秒間)まで加振した。破壊規準は.対策後を模擬した橋台背面部の挙動解析. 橋台背面対策工法の課題等モール・クーロンを適用し,橋台背面から 50 mm 後方の沈下量を焦点とした。図―と表―に示す実験結果と解析挙動を比較すると,概ね近似する解を得た。筆者らは,橋台背面沈下対策として,柱列状地盤改良上記の予備解析モデルを参考とし,耐震補強の対象エ工法を開発し,現場に適用してきた。ただし,技術開発リアの主な盛土材である粘性土(関東ローム)盛土の解の実験は,実橋に対する 1/ 15 縮尺モデルで実施し,線析モデル挙動を図―に示す。盛土材の特性が影響し,路直角方向の補強,翼壁部と盛土の補強を考慮していな砂質土盛土を用いた実験・解析結果より橋台背面は沈下い。また,斜角橋台背面部の挙動について,交差角 90°せず,柱列状地盤改良体の背面が沈下する傾向を示した。の橋台と比べた場合の地震時挙動の差異はよく分かってなお,過去の湿潤砂を用いた模型実験(粘着力を想定)いない。そこで,以下で述べるように,柱列状地盤改良の対策においても同様の傾向が示されている3)。. 本解析実施後を模擬した三次元弾塑性解析により,斜角橋台背面の地震時沈下量を推定することとした。予備解析結果を元に,本解析を実施した。本解析用の解析モデル地盤物性値を表―に,解析条件を表―に示す。表―June, 201817 報告表―軌道背面部の沈下量(キャリブレーション)表―本解析における地盤物性値表―図―解析条件実験結果(盛土材は気乾砂質土700 gal 加振後)図―解析モデルイメージ(斜角の場合)図―解析モデル概要大な不撹乱試料による室内試験結果の平均値とした。棒状補強材による翼壁部と盛土部の対策は実施する前提で,背面の柱列状地盤改良の有無を比較した。橋台形状は,交差角90°及び45°を模擬・比較した。実際に補強した実橋を元に,翼壁部と盛土法面部の補強用棒状補強材をモデル化した(図―)。FEM の要素形状は,モデル形状が複雑なため,一般的な矩形 6 面体要素だけで要素生成できず,多面体図―予備解析結果によるモデル挙動要素の形状を採用した(図―)。棒状補強材は,斜面で 20°程度下向きに打設するが,の地盤物性値は,耐震補強現場の土質試験結果を基に本解析ではモデル構成上適切な角度が得られないことか数値を設定した。ら,補強材を水平方向にモデル化した(図―)。解析モデルと解析ケースは以下を考慮した。盛土材(粘性土)の物性値は,関東周辺で採取した膨18解析結果と45°とも,柱列状地盤改良有りのケースは,交差角90°地盤工学会誌,―() 報表―図―告橋台背面部の最大沈下量評価(解析結果の評価)解析モデル概要(平面図)図― 残留変形量のコンター図線路方向を橋台高さと等しい範囲とし, 45 °のケース 5度と剛性が大きいことが解析結果に反映されたものと考では,線路方向に加えて橋台直角方向の柱列状地盤改良えられる。も模擬した(図―)。解析結果を表―及び図―(ケース 2, 4)に示す。.柱列状地盤改良が有りのケースでも無しのケースでも,交差角 45 °のケースの方が 90 °のケースより 10 程度若干大きい。◯柱列状地盤改良を実施すると,実施しない場合と比べて,橋台背面沈下量は小さくなる。盛土を対象に,翼壁部と盛土補強を考慮した解析で◯たケース 5 では,線路方向だけの場合と比較して 7程沈下量が軽減される結果となった。解析結果の考察め交差角45°のケースでは,90°のケースより沈下量が沈下量が小さくなった。線路方向と橋台直角方向にも柱列状地盤改良を模擬しと今回の解析より以下の知見が得られた。◯沈下量が大きくなった。交差角90°,45°とも柱列状地盤改良有りのケースで,まは,柱列状地盤改良体背面で最大の沈下量が生じる。今後は,今回の解析結果の妥当性を被害事例分析及び,実験等で確認する作業をしていきたいと考える。予備解析の項で述べた柱列状地盤改良体による対策を考慮した実験ケースでは,橋台が前面に傾斜する影響により橋台背面で背面土が沈下したため,橋台背面近傍で沈下が大きくなる。一方,解析で沈下量が最も大きくなるのは,橋台背面直後でなく,柱列状地盤改良部の背面直後である。この挙動の差異が生じる理由としては,実験では砂質材料を対象とし,翼壁と背面盛土の補強を考慮していな参考文献1)山内真也ほか盛土耐震補強における橋台背面沈下対策,SED, No. 47, pp. 40~43, 2016.2) 池本宏文ほか橋台背面盛土の沈下抑制工法に関する実験的検討,SED, No. 46, pp. 44~53, 2015.3) 池本宏文ほか橋台背面盛土の沈下抑制工法における実験的検証,地盤工学会特別シンポジウム―東日本大震災を乗り越えて―,pp. 431~437, 2014.(原稿受理2018.2.22)いが,解析では粘性土材料を対象とし,実施工に近い翼壁補強と盛土補強を考慮しており,橋台背面盛土の固定June, 201819
  • ログイン
  • タイトル
  • 英訳版室内試験・地盤調査に関する規格・基準(Vol.3)
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250002
  • 内容
  • ਲਗदણඩघॊ঩ম੫঵भ੍ରध৾ভ੦૆भਲਗఁ୑॑৯੐खथᆅ┙ᕤᏛ఍࡛ࡣࠗᢏ⾡⪅⥅⥆ᩍ⫱࠘ࢆᛕ㢌࡟࠾ࡁከᒱ࡟ࢃࡓࡿෆᐜࡢㅮ⩦఍ࢆ௻⏬㺃ᐇ᪋ࡋ࡚࠾ࡾࡲࡍ㹿ⓙᵝࡢ✚ᴟⓗ࡞ࡈཧຍࢆ࠾ᚅࡕࡋ࡚࠾ࡾࡲࡍ㹿㻌ஶ๨ග஼৔૥ୡ‫؞‬৉ೕ৹ਪपঢ়घॊૠત‫؞‬੦૆‫ق‬9RO‫ك‬َਲਗ঵ਜُ‫َ؜‬প৾ઇ୘ُऩनद‫ઁ்؜‬ऎ‫؜‬ओણ৷ৣऔः‫؛‬¾ ঩মभૼ୒॑৷ःञ৉ೕૼ୒भ35ன৫‫؛‬ਲਗ੧੯दभਝੑ‫؞‬઱ੵ঱भૼ୒৓ઐ௱षभણ৷‫؜‬ਲਗૼ୒঻भ୘ਛऩन‫؛‬ၥྜࡏ/⏦㎸ࡳඛ㸸බ┈♫ᅋἲேᆅ┙ᕤᏛ఍ ㅮ⩦఍ᢸᙜ㟁ヰ㸸03-3946-8671 FAX㸸03-3946-8678E-mail㸸k o s y u k a i @ j i b a n . o r . j p¾ ೏৾েभ୘ਛ‫؜‬೏৾েषभ঩মૼ୒भ࿠්‫؛‬঩ময৾েभ૥ୡૼ୒॑ৢखञஶୁৡभ਱঱ऩन‫؛‬‫ٹ‬-$3$1(6( *(27(&+1,&$/ 62&,(7< 67$1'$5'6/DERUDWRU\ 7HVWLQJ 6WDQGDUGV RI *HRPDWHULDOV 9RO َ஼৔૥ୡ੦૆ُ‫ ق‬੦૆ઽஈ‫؜‬$ਖ਼ংॖথॲ‫كش‬,6%1 ৒੼‫؟‬৞‫؜‬ভ৩્੼‫؟‬৞‫ق‬ଛમ‫؜‬ઘશ‫ك‬‫୼ٮ‬ઌमYRO‫ٹ‬-$3$1(6( *(27(&+1,&$/ 62&,(7< 67$1'$5'6*HRWHFKQLFDO DQG *HRHQYLURQPHQWDO ,QYHVWLJDWLRQ0HWKRGV 9RO َ৉ೕ৹ਪ੦૆ُ‫ ق‬੦૆ઽஈ‫؜‬$ਖ਼ংॖথॲ‫كش‬,6%1 ৒੼‫؟‬৞‫؜‬ভ৩્੼‫؟‬৞‫ق‬ଛમ‫؜‬ઘશ‫ك‬‫୼ٮ‬ઌमYRO৉ೕੵ৾ভदम‫؜‬஧ম‫؞‬ஒমभ੡द຦஘प஡खऽोथःॊَ৉ೕ౫મ૥ୡभ্১धੰହُधَ৉ೕ৹ਪभ্১धੰହُभૠત‫؞‬੦૆‫ੰق‬ହ॑௾ऎ‫ك‬भஶ๨॑ৰ઱खथउॉ‫؜‬ऒभञल৸ඕभ໷ষऋ౥വखऽखञ‫؛‬ফ২प໷ষखञ9RO ‫ ؜‬ফ২प໷ষखञYROम‫॔؜‬४॔॑রੱपऊবप๔Ⴋऔो‫؜‬ব৔ਗद்ઁऎओણ৷ःञटःथःऽघ‫؛‬০৚৅໷खञ9RO‫ق‬ীၻ‫ك‬पम৉ೕ౫મ૥ୡ੦૆ध৉ೕ৹ਪ੦૆भੑ੦૆॑ઽஈःञखऽखञ‫؛‬ชశ‫؜‬঩মभ੦૆॑৷ःञਲਗ੧੯भਝੑ‫؜‬৹ਪ‫؜‬ਗবযૼ୒঻भ୘ਛ‫؜‬঩মभૼ୒॑৷ःञ৉ೕૼ୒भ35ன৫‫؜‬ਝੑ‫؞‬઱ੵ঱भૼ୒৓ઐ௱ৡभ੍ରऩनपओણ৷ःञटऌञःधઓःऽघ‫؛‬ऽञ‫؜‬প৾ઇ୘भৃपउऌऽखथु‫؜‬೏৾েषभ୘ਛ‫؜‬೏৾েपৌघॊ঩মૼ୒भ࿠්‫؜‬঩ময৾েभ૥ୡૼ୒॑ৢखञஶୁৡभੜਸऩनपुओણ৷ःञटऐोयౘःपோगऽघ‫؛‬䕔཰㘓≧ἣ䛾ヲ⣽䛿ᆅ┙ᕤᏛ఍䝩䞊䝮䝨䞊䝆䠄https://www.jiban.or.jp䠅䛻ᥖ㍕䛥䜜䛶䛔䜎䛩䚹䝃䜲䝖ෆ䜢䛂ⱥヂ䛃䛷᳨⣴䛧䛶䛟䛰䛥䛔䚹ओභোभ্১ உ  ଐ≋᣿≌‒  ࠰ࡇᇹ  ‫עעܡׅ‬Ⴔ↝ᚸ̖↚᧙ↈ↺இᡈ↝ჷᙸᜒ፼˟Ⅶ‫עܡ‬ᚸ̖↝ؕᄽჷᜤ↗‫᧸עܡ‬໎Ⅷ‒ உ  ଐ≋້≌⊡ ଐ≋ங≌ɤ᠆‫ן‬጑ᚾ᬴ܱ২ᜒ፼˟‒ ᖺ  ᭶ࡢᮾ᪥ᮏ኱㟈⅏ࡸ  ᖺ  ᭶ࡢ⇃ᮏᆅ㟈࡛ࡣ㸪ᾮ≧໬ࡸ┒ᅵ࣭᧦ቨᔂቯ࡞࡝࡛㸪 ᖺ  ᭶ࡢఀ㇋኱ᓥ㇦㞵⅏ᐖࡸ  ᖺ  ᭶ࡢᗈᓥ㇦㞵⅏ᐖ࡛ࡣ㸪ᅵ▼ὶ࡞࡝࡟ࡼࡾᏯᆅࡀ኱ࡁ࡞⿕ᐖࢆཷࡅࡲࡋࡓࠋࡇࢀࡽࡢᆅ┙⅏ᐖࢆዎᶵ࡜ࡋ࡚㸪Ꮿᆅᆅ┙ࡢ࿘㎶ᆅᙧᆅ㉁⎔ቃࢆྵࡵࡓᆅ┙ࡢᏳᐃᛶ࡜ᆅ┙ࣜࢫࢡࢆ㐺ษ࡟ホ౯ࡍࡿࡇ࡜ࡢ㔜せᛶࡀ෌ㄆ㆑ࡉࢀ࡚࠸ࡲࡍࠋᏯᆅᆅ┙ࡢ≧ἣࢆ㸪㝈ࡽࢀࡓ᝟ሗࡢ୰࡛ⓗ☜࡟ᢕᥱ࣭ホ౯ࡍࡿࡓࡵ࡟ࡣ㸪ᦠࢃࡿᢏ⾡⪅ࡀᆅ┙ᕤᏛ࡟㛵ࡍࡿ㧗ᗘ࡞ᑓ㛛▱㆑࡜ᢏ⾡⪅೔⌮ࢆ᭷ࡍࡿࡔࡅ࡛࡞ࡃ㸪ᖖ࡟᪂ࡋ࠸▱ぢࢆᚓࡿᚲせࡀ࠶ࡾࡲࡍࠋࡑࡇ࡛㸪බ┈♫ᅋἲே ᆅ┙ᕤᏛ఍࡛ࡣ㸪ఫᏯᆅ┙࡟㛵ࢃࡿ᭱㏆ࡢヰ㢟࣭▱ぢࢆ㞟ࡵࡓㅮ⩦఍ࡢ  ᖺᗘ➨  ᅇࠗᏯᆅホ౯ࡢᇶ♏▱㆑࡜Ꮿᆅ㜵⅏࠘ࢆ௻⏬࠸ࡓࡋࡲࡋࡓࠋ*&3' ࣏࢖ࣥࢺᩘ㸸఍ ሙ㸸ᆅ┙ᕤᏛ఍ ኱఍㆟ᐊ㸦ᮾி㒔ᩥி༊༓▼ 㸧఍ ㈝㸸఍ဨ  ෇ 㠀఍ဨ  ෇㸦ᾘ㈝⛯࣭㓄ᕸ㈨ᩱ௦ࢆྵࡴ㸧ͤඹദ㸪ᚋ᥼ᅋయࡢ఍ဨࡣ㸪఍ဨ౯᱁㓄ᕸ㈨ᩱ㸸ᮏㅮ⩦఍ࡢࡓࡵ࡟ㅮᖌࡢ᪉ࡀసᡂࡍࡿㄝ᫂㈨ᩱࡢ⦰ᑠࢥࣆ࣮ࢆ㓄ᕸࡋࡲࡍࠋㅮ ᖌ㸸኱୵ ㇏㸦ᆅ┙ရ㉁ุᐃኈ༠㆟఍㐠Ⴀᖿ஦㸧㸭௒ᮧ㑈ᖹ㸦࢔ࢪ࢔⯟ 㸧㸭኱࿴┾୍㸦ࢪࣕࣃ࣮࣒ࣥ࣍ࢩ࣮ࣝࢻ㸧㸭⳻἟ Ⓩ㸦ᆅ┙ᏳᚰఫᏯᩚഛᨭ᥼ᶵᵓ㸧㸭すᮧ┿஧㸦㒔ᕷ෌⏕ᶵᵓ㸧㸭ྜྷᒸ࿴ᘯ㸦ᘚㆤኈ㸸ྜྷᒸ࿴ᘯἲᚊ஦ົᡤ㸧㏆ᖺ㸪ᖖ᫬࣭ᆅ㟈᫬࡟࠾ࡅࡿ㔜せᵓ㐀≀ࡢኚ఩࡜࿘㎶ᆅ┙ࡢኚᙧ㸪࠶ࡿ࠸ࡣᆅ┙࡜ᵓ㐀≀ࡢኚ఩࣭ኚᙧ࡜┦஫స⏝ࡢண ࡢࡓࡵ࡟㸪ᆅ┙ࡢᚤᑠࡦࡎࡳࣞ࣋ࣝ㸦㸣⛬ᗘ௨ୗ㸧࡛ࡢኚᙧಀᩘࡢ᥎ᐃࡀ㔜せ࡞ᕤᏛⓗㄢ㢟࡟࡞ࡗ࡚࠸ࡲࡍࠋࡋ࠿ࡋ㸪㏻ᖖࡢ୕㍈ᅽ⦰ヨ㦂࡛ࡣ㸪౪ヨయୖୗ➃㠃ࡢ⦆ࡳᒙࡢᙳ㡪࡛㍕Ⲵࣆࢫࢺࣥࡢືࡁ࠿ࡽ㍈ࡦࡎࡳࢆ ᐃࡍࡿ࡜ṇ☜࡞㍈ࡦࡎࡳࡣồࡵࡽࢀࡎ㸪㐣኱ホ౯ࡉࢀࡓ㍈ࡦࡎࡳࡀᚓࡽࢀࡲࡍࠋᮏᐇᢏㅮ⩦఍࡛ࡣ㸪୕㍈ᅽ⦰ヨ㦂࡛ 㸣࠿ࡽ㸯㸣ࡲ࡛ࡢṇ☜࡞㍈ࡦࡎࡳࢆ౪ヨయഃ㠃࡛ᒁᡤኚᙧ ᐃ⿦⨨ࢆ⏝࠸ࡿࡇ࡜࡟ࡼࡗ࡚ồࡵࡲࡍࠋࡉࡽ࡟㸪㏆ᖺᬑཬࡀⴭࡋ࠸࣋ࣥࢲ࣮࢚࣓ࣞࣥࢺ➼࡟ࡼࡿືⓗィ ࡶ⾜࠸㸪ᕤᏛⓗㄢ㢟࡟ᑐᛂ࡛ࡁࡿᆅ┙ࡢኚᙧಀᩘࢆồࡵࡲࡍࠋࡲࡓ㸪◁ࡢ⧞㏉ࡋ୕㍈ヨ㦂࡛ࡣ㸪ẚ㍑ⓗ⡆༢࡞⿦⨨ࢆ⏝࠸࡚ኚᙧ≉ᛶ࡜ᾮ≧໬≉ᛶࢆ ᐃࡋࡲࡍࠋᮏᐇᢏㅮ⩦఍࡛ࡣ㸪⣙  ᫬㛫ࡢㅮ⩏ࡢ࡯࠿ࡣ  ྡ୍࡛ࡘࡢ୕㍈⿦⨨ࢆᐇ㝿࡟ᢅ࠺ᐇ⩦࡟㔜Ⅼࢆ⨨ࡁࡲࡍࠋ*&3' ࣏࢖ࣥࢺᩘ㸸఍ ሙ㸸ᮾி኱Ꮫ⏕⏘ᢏ⾡◊✲ᡤ㸦ᮾி㒔┠㯮༊㥖ሙ 㸫㸫㸧఍ ㈝㸸఍ဨ  ෇ 㠀఍ဨ  ෇Ꮫ⏕఍ဨ  ෇ 㸦ࢸ࢟ࢫࢺ௦㎸ࡳ㸧ࢸ࢟ࢫࢺ㸸ᮏㅮ⩦఍ࡢࡓࡵ࡟ㅮᖌࡀ᭩ࡁୗࢁࡋࡓࢸ࢟ࢫࢺࢆ౑⏝ࡋࡲࡍࠋᐃ ဨ㸸㸿㹀ࢢ࣮ࣝࣉ㸸ྛ  ྡ ィ  ྡ㸦ᕼᮃࡢከᑡ࡟ࡼࡾኚ᭦ࡍࡿࡇ࡜ࡀ࠶ࡾࡲࡍ㸧ᑐ ㇟㸸୍㍈ᅽ⦰ヨ㦂⤒㦂⪅௨ୖࠋࣃࢯࢥ࣭ࣥ୕㍈ᅽ⦰ヨ㦂ࡢ⤒㦂ࡀ࠶ࡿࡇ࡜ࡀᮃࡲࡋ࠸ࡀ㸪࡞ࡃ࡚ࡶᵓ࠸ࡲࡏࢇࠋㅮ ᖌ㸸᱓㔝⋹Ꮚ㸪Ύ⏣ 㝯 ࡯࠿ෆ ᐜ㸸ḟࡢヨ㦂ἲࢆᕼᮃ⪅ࡢ᭷↓࣭ேᩘ࡟ࡼࡗ࡚⾜࠸ࡲࡍࠋ⏦ࡋ㎸ࡳ᫬࡟ᕼᮃࢢ࣮ࣝࣉࢆ᫂グࡋ࡚ࡃࡔࡉ࠸ࠋࡓࡔࡋ㸪ᕼᮃேᩘࡢከᑡ࡟ࡼࡾ㸪஦๓࡟ࡈᢎㅙࢆᚓࡓ࠺࠼࡛ࢢ࣮ࣝࣉࢆኚ᭦ࡍࡿࡇ࡜ࡀ࠶ࡾࡲࡍࠋ㸿ࢢ࣮ࣝࣉ㸸 ◁ࡢ୕㍈ᅽ⦰ヨ㦂㸦/'7㸪࣋ࣥࢲ࣮࢚࣓ࣞࣥࢺ➼࡟ࡼࡿᚤᑠኚᙧ≉ᛶィ 㸧㹀ࢢ࣮ࣝࣉ㸸 ◁ࡢ⧞㏉ࡋ୕㍈ヨ㦂㸦ኚᙧヨ㦂࣭ᾮ≧໬ヨ㦂㸧 உ  ଐ≋உ≌‫ע‬ɦ൦ᛦ௹↚ဇⅳ↺ʟৎྸᛯ↗ܱѦᜒ፼˟‒ᖹᡂ  ᖺ  ᭶࡟඲㠃ᨵゞࡉࢀࡓࠕᆅ┙ㄪᰝࡢ᪉ἲ࡜ゎㄝࠖ࡟㛵ࡋ࡚㸪ᆅୗỈㄪᰝ࡛ࡢヨ㦂࡛ά⏝ࡍࡿ⌮ㄽᘧࡢㄏᑟࡢᐇែࢆྲྀࡾࡲ࡜ࡵ㸪ࡑࡢ⫼ᬒ᮲௳ࢆࡶṇࡋࡃ⌮ゎࡋ㸪᪂ࡓ࡞஭ᡞࣔࢹࣝࡢ㛤Ⓨ࡟㈉⊩࡛ࡁࡿ㈨ᩱࢆసᡂࡍࡿࡇ࡜ࢆ┠ⓗ࡜ࡋ࡚㸪ᖹᡂ ᖺ  ᭶࡟Ꮫ఍࣮࣒࣮࣍࣌ࢪ࡟ࠕᆅୗỈㄪᰝ࡟⏝࠸ࡿ஭ᡞ⌮ㄽᘧࡢᩚ⌮ཬࡧゎㄝ  ᖺᗘ∧ ࠖࡀබ㛤ࡉࢀࡲࡋࡓࠋࡲࡓ㸪ᆅୗỈㄪᰝ࡟㛵ࡍࡿ  ࡘࡢᆅ┙ᕤᏛ఍ᇶ‽࡜ࡋ࡚㸪ᖹᡂ  ᖺ࡟ࠕ༢Ꮝࢆ฼⏝ࡋࡓᆅୗỈὶྥὶ㏿ ᐃ᪉ἲ -*6 ࠖ㸪ᖹᡂ ᖺ࡟ࠕᆅୗỈ㠃ࡼࡾୖࡢᆅ┙ࢆᑐ㇟࡜ࡋࡓ㏱Ỉヨ㦂᪉ἲ -*6 ࠖࡀ᪂つไᐃࡉࢀࡲࡋࡓࠋᮏㅮ⩦఍࡛ࡣ㸪ࡇࢀࡽࡢ㈨ᩱ㸪ᇶ‽➼ࡢ⦅㞟୪ࡧ࡟ཎ✏ᇳ➹ࢆᢸᙜࡋࡓ࣮࣡࢟ࣥࢢࢢ࣮ࣝࣉࡢጤဨࡀㅮᖌࢆົࡵࡲࡍࠋㅮ⩦ෆᐜࡣ㸪⌮ㄽᘧࢆ㐺⏝ࡍࡿ㝿ࡢὀពⅬࡢ௚࡟ࡶ㸪⤖ᯝࡢゎ㔘ࡸ฼⏝᪉ἲࡶྵࡵࡓᐇົୖࡢ␃ពⅬࢆ㋃ࡲ࠼㸪ᆅୗỈㄪᰝ࡟ᦠࢃࡿᢏ⾡⪅࡟௒ᚋᗈࡃᙺ❧࡚࡚㡬ࡅࡿࡼ࠺࡞ෆᐜ࡜࡞ࡗ࡚࠸ࡲࡍࠋከᩘࡢࡈཧຍࢆ࠾ᚅࡕࡋ࡚࠾ࡾࡲࡍࠋ         *&3' ࣏࢖ࣥࢺᩘ㸸఍ ሙ㸸ᆅ┙ᕤᏛ఍ ኱఍㆟ᐊ㸦ᮾி㒔ᩥி༊༓▼ 㸧఍ ㈝㸸఍ဨ  ෇ 㠀఍ဨ  ෇ Ꮫ⏕఍ဨ  ෇ᚋ᥼ᅋయࡢ఍ဨ  ෇㸦ᾘ㈝⛯㎸ࡳ㸪ࢸ࢟ࢫࢺ௦ู㸧ࢸ࢟ࢫࢺ㸸஧ࡘࡢ᪂つไᐃᆅ┙ᕤᏛ఍ᇶ‽࣭ྠゎㄝࡢᑠ෉Ꮚࢆ౑⏝ࡋࡲࡍࠋㅮ ᖌ㸸➉ෆ┿ྖ㸦᪥ᮏ኱Ꮫ㸧㸭㐍ኈ႐ⱥ㸦᪥ᮏཎ⇞㸧㸭⣽㇂┿୍㸦ࢲ࢖ࣖࢥࣥࢧࣝࢱࣥࢺ㸧㸭⏣ᓊᏹᏕ㸦࢔ࢧࣀ኱ᡂᇶ♏࢚ࣥࢪࢽ࢔ࣜࣥࢢ㸧㸭ΎỈᏕ᫛㸦➉୰ᕤົᗑ㸧௒ᚋࡢணᐃ৾ভ঍‫ش‬঒ঌ‫ش‬४भછආභোঌ‫ش‬४‫ق‬KWWSZZZMJVVKRSSLQJQHW‫ك‬भ౎‫؜‬છ૲दुउେः੷ीःञटऐऽघ‫؛‬‫پ‬ভ৩્੼दभओභোम‫৾؜‬ভ঍‫ش‬঒ঌ‫ش‬४ऊैभභোप଒ॉऽघभद‫؜‬ओିਔऎटऔः‫؛‬ᆅ┙ᕤᏛ఍࣮࣒࣮࣍࣌ࢪ  㸦 https://www.jiban.or.jp/㸧ᆅ┙ᕤᏛ఍ࢺࢵࣉ࣮࣌ࢪ э ⾜஦࣭άື э ㅮ⩦఍ᆅ┙ᕤᏛ఍ࢺࢵࣉ࣮࣌ࢪ э ᭩⡠㉎ධэ ᭩⡠ࡢὀᩥᅵ◁⅏ᐖ࡟㛵ࡍࡿᢏ⾡ㅮ⩦఍ᐇົ⪅ࡢࡓࡵࡢᅵ࡜ᇶ♏ࡢタィィ⟬₇⩦ㅮ⩦఍㸦㌾ᙅᆅ┙࣭ᾮ≧໬࣭ᒣ␃ࡵ࣭ᩳ㠃Ᏻᐃゎᯒ⦅㸧⸆ᾮὀධᕤἲタィ᪋ᕤㅮ⩦఍ᩳ㠃ࡢᏳᐃኚᙧゎᯒㅮ⩦఍ࢃ࠿ࡗ࡚౑࠺)(0ㅮ⩦఍ᆅ┙࡟㛵ࡍࡿゎᯒᢏ⾡㸦ಶูせ⣲ἲ㸧ㅮ⩦఍ உ  ଐ≋൦≌‒  ࠰ࡇᇹ≕‫עעܡ ׅ‬Ⴔ↝ᚸ̖↚᧙ↈ↺இᡈ↝ჷᙸᜒ፼˟ⅦႮ‫↝עܡ↗ܭܤ↝ם‬෩ཞ҄Ⅷ‒ ᖺ  ᭶ࡢᮾ᪥ᮏ኱㟈⅏ࡸ  ᖺ  ᭶ࡢ⇃ᮏᆅ㟈࡛ࡣ㸪ᾮ≧໬ࡸ┒ᅵ࣭᧦ቨᔂቯ࡞࡝࡛㸪 ᖺ  ᭶ࡢఀ㇋኱ᓥ㇦㞵⅏ᐖࡸ  ᖺ  ᭶ࡢᗈᓥ㇦㞵⅏ᐖ࡛ࡣ㸪ᅵ▼ὶ࡞࡝࡟ࡼࡾᏯᆅࡀ኱ࡁ࡞⿕ᐖࢆཷࡅࡲࡋࡓࠋࡇࢀࡽࡢᆅ┙⅏ᐖࢆዎᶵ࡜ࡋ࡚㸪Ꮿᆅᆅ┙ࡢ࿘㎶ᆅᙧᆅ㉁⎔ቃࢆྵࡵࡓᆅ┙ࡢᏳᐃᛶ࡜ᆅ┙ࣜࢫࢡࢆ㐺ษ࡟ホ౯ࡍࡿࡇ࡜ࡢ㔜せᛶࡀ෌ㄆ㆑ࡉࢀ࡚࠸ࡲࡍࠋᏯᆅᆅ┙ࡢ≧ἣࢆ㸪㝈ࡽࢀࡓ᝟ሗࡢ୰࡛ⓗ☜࡟ᢕᥱ࣭ホ౯ࡍࡿࡓࡵ࡟ࡣ㸪ᦠࢃࡿᢏ⾡⪅ࡀᆅ┙ᕤᏛ࡟㛵ࡍࡿ㧗ᗘ࡞ᑓ㛛▱㆑࡜ᢏ⾡⪅೔⌮ࢆ᭷ࡍࡿࡔࡅ࡛࡞ࡃ㸪ᖖ࡟᪂ࡋ࠸▱ぢࢆᚓࡿᚲせࡀ࠶ࡾࡲࡍࠋࡑࡇ࡛㸪බ┈♫ᅋἲே ᆅ┙ᕤᏛ఍࡛ࡣ㸪ఫᏯᆅ┙࡟㛵ࢃࡿ᭱㏆ࡢヰ㢟࣭▱ぢࢆ㞟ࡵࡓㅮ⩦఍ࡢ  ᖺᗘ➨㸰ᅇࠗ┒ᅵࡢᏳᐃ࡜Ꮿᆅࡢᾮ≧໬࠘ࢆ௻⏬࠸ࡓࡋࡲࡋࡓࠋዧࡗ࡚ᚚཧຍୗࡉ࠸ࠋ*&3' ࣏࢖ࣥࢺᩘ㸸఍ ሙ㸸ᆅ┙ᕤᏛ఍ ኱఍㆟ᐊ㸦ᮾி㒔ᩥி༊༓▼ 㸧఍ ㈝㸸఍ဨ  ෇ 㠀఍ဨ  ෇㸦ᾘ㈝⛯ࢆྵࡴ㸧ὀ㸸఍ဨ࡟ࡣ㸪ᆅ┙ᕤᏛ఍ဨ㸪ᆅ┙ရ㉁ุᐃኈ ⿵ 㸪ᚋ᥼ᅋయᡤᒓࢆྵࡴ㓄ᕸ㈨ᩱ㸸ᮏㅮ⩦఍ࡢࡓࡵ࡟ㅮᖌࡢ᪉ࡀసᡂࡍࡿㄝ᫂㈨ᩱࡢ⦰ᑠࢥࣆ࣮ࢆ㓄ᕸࡋࡲࡍࠋㅮ ᖌ㸸㇂ ࿴ኵ㸦ᮾிᾏὒ኱Ꮫ㸧㸭௒ᮧ㑈ᖹ㸦࢔ࢪ࢔⯟ 㸧㸭すᇉ ㄔ㸦ᒸᒣ኱Ꮫ㸧㸭ᅧ⏕๛἞㸦୰ኸ኱Ꮫྡ㄃ᩍᤵ㸧㸭ඛྡ㔜ᶞ㸦㜵⅏⛉Ꮫᢏ⾡◊✲ᡤ㸧㸭ⱝᯇຍᑑỤ㸦㛵ᮾᏛ㝔኱Ꮫ㸧㸭ᮾ⏿㑳⏕㸦ᮾி኱Ꮫྡ㄃ᩍᤵ㸧
  • ログイン
  • タイトル
  • 本号の編集にあたって(<特集>盛土)
  • 著者
  • 鈴木 健一
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • i〜i
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250003
  • 内容
  • 本号の特集にあたって土を建設材料として用いる盛土は,橋梁,高架橋などの他の構造物に比べて建設費が安価であり,施工も簡易であるため,古くから道路盛土,鉄道盛土,宅地盛土,ため池などに広く用いられてきました。従来の緩い勾配をもつ盛土に加え,地盤内に補強材を挿入することで盛土全体の安定性を高めた鉛直な壁面を施工する補強土壁構造物も近年,広く施工されています。しかし,近年頻発する大地震・集中豪雨等これらの自然災害による盛土構造物の被害は後を絶ちません。今後も増加傾向にあると考えられる地震・豪雨による崩壊への対応策として,新設盛土については,これまで以上に高品質な盛土の施工と維持管理が求められています。また,近い将来に発生するとされる南海トラフ地震等に備えて,既設盛土の耐震補強は緊急の課題となっています。本号では「盛土」と題し,新設および既設の盛土構造物の調査,設計,施工,維持管理等に関する現状と課題,取り組み状況または最新技術,適用事例について紹介する特集を企画しました。総説では盛土の設計,施工,維持管理における課題を,論説では盛土の性能と被災原因についてそれぞれ執筆いただいております。報告では,既設盛土の健全性評価手法,土のう構造体を用いた耐震補強工法の実大実験,特殊環境下の盛土の耐震補強に関する解析的検証例,飽和圧縮曲線を用いた盛土の品質管理手法など新たな取り組み等をご紹介しております。盛土を焦点とした多岐にわたる内容となりました本号が,読者の皆様の業務の参考として有益なものとなれば幸いです。鈴 木 健 一(すずき けんいち)地盤工学会のホームページ URLhttps://www.jiban.or.jp/国際地盤工学会ホームページ http://www.issmge.org/編集兼発行者公益社団法人地盤工学会
  • ログイン
  • タイトル
  • 目次
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250004
  • 内容
  • 口絵写真(*HP)論説鉄道盛土の複合的な被災原因報告カンボジアアンコール遺跡基壇盛土の締固め管理報告「土のう構造体」を用いた既設盛耐震補強特集テーマ 盛土総説盛土の設計・施工・維持管理における幾つかの課題 ……………………………………………… 1●龍岡論説文夫盛土の粘り強さと性能の明示 ………………………………………………………………………… 4●常田賢一鉄道盛土の複合的な被災原因 ………………………………………………………………………… 8●古関報(公告募)(公募)自動化した表面波探査と電気探査による道路盛土の健全性評価への試み ………………………12●八嶋募)募)一郎聡/中村宏/池本宏文/鈴木健一道識/ニェンスウェイ/石井武司/齋藤邦夫光治/岩崎好規/本郷隆夫/下田一太募) 「土のう構造体」を用いた既設盛土の耐震補強 ………………………………………………………28●澁谷報(投敬三/加藤カンボジアアンコール遺跡基壇盛土の締固め管理 …………………………………………………24●福田(公芳信/苅谷飽和圧縮曲線を用いた盛土の品質管理 ………………………………………………………………20●本田(公厚/村田柱列状地盤改良体を施工した斜角橋台背面盛土の挙動解析 ………………………………………16●滝沢(公潤一告稿)技術紹介啓/谷和夫/片岡沙都紀/中澤博志ハイパースペクトルデータの崩壊危険度評価への適用に関する研究 ……………………………32●内田敦/大木孝/三嶋昭二/浅見和弘/薦田麻子小規模構造物を対象とした簡易基礎工法「ベースグラウンドファウンデーション」 …………36●荒木一弘泥炭性軟弱地盤に構築された深層混合処理改良体の長期性能評価 ………………………………38●橋本聖/山梨高裕/林宏親寄稿(学生編集委員)海の森水上競技場整備工事の見学について …………………………………………………………40学会の動き中部支部創立60周年記念烏山頭ダム・白冷 見学会報告 …………………………………………42●沖野●八嶋頌悟厚/坪田邦治 技術手帳大型土のうを用いた道路盛土の災害復旧技術 ………………………………………………………46●澤松講座俊寿/宮武裕昭杭基礎の支持層確認と支持力確保4. 杭の支持力特性と設計における杭長の設定方法 ………………………………………………48●青木一二三/梅野岳サンプリングの極意4. 砂・砂礫のサンプリング …………………………………………………………………………56●利藤房男/野村英雄新入会員・お詫びと訂正 ……………………………………………………………………………………64書籍紹介 ………………………………………………………………………………………………………65編集後記 ………………………………………………………………………………………………………66
  • ログイン
  • タイトル
  • CONTENTS
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250005
  • 内容
  • Theme: EmbankmentSeveral Issues in Design, Construction and Maintenance of Embankment ………………………………………………… 1● Fumio TatsuokaToughness and Performance Explained for Embankment …………………………………………………………………… 4● Kenichi TokidaComplex Causes for Damage to Railway Embankments ……………………………………………………………………… 8● Junichi KosekiSoundness Evaluation of Road Embankment by Automatic Surface Wave and Electric Resistivity Logging…………12● Atsushi Yashima, Yoshinobu Murata, Keizo Kariya and Ichiro KatoAnalysis of Seismic Retroˆtting Method with a Successive Rows of Soilcement Columns behindSkewed Abutment …………………………………………………………………………………………………………………16● Satoshi Takisawa, Hiroshi Nakamura, Hirofumi Ikemoto and Kenichi SuzukiCompaction Control of Embankment by Yield Stress based on Saturated Compression Curves ………………………20● Michinori Honda, Nyein Hsu Wai, Takeshi Ishii and Kunio SaitoControl of Filling on the Reconstruction Process of Foundation at Angkor, Cambodia …………………………………24● Mitsuharu Fukuda, Yoshinori Iwasaki, Takao Hongo and Ichita ShimodaAseismic Reinforcement of inservice Embankment using ``Soilbag Structure'' …………………………………………28● Satoru Shibuya, Kazuo Tani, Satsuki Kataoka and Hiroshi Nakazawa
  • ログイン
  • タイトル
  • 盛土の設計・施工・維持管理における幾つかの課題(<特集>盛土)
  • 著者
  • 龍岡 文夫
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 1〜3
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250006
  • 内容
  • 盛土の設計・施工・維持管理における幾つかの課題Several Issues in Design, Construction and Maintenance of Embankment龍岡文夫(たつおか東京大学・東京理科大学. は じ め に盛土は,現場発生土を用いれば安価となり,施工も簡易であり,古くから道路・鉄道盛土,河川堤防,宅造盛ふみお)名誉教授[め試験( 1Ec )による◯( rd )max]1Ec 」に対する比であ と◯ をいちいち測定しなくてる締固め度[Dc]1Ec は,◯も,式(1)によって直ちに求まる。[Dc]1Ec=[Dc]t・R ……………………………………(1)土,ため池堤体,フィルダムなどが数多く建設されてき[Dc]t は,現場での Sr の測定値を正規化締固め曲線に代た。一方で,主に古い盛土の地震・集中豪雨・洪水等に入して求める。そのために,事前に試験施工を行って◯よる被害は後を絶たない。これらは,締固め不足,高含のような選定地点で現場 rd と Sr を測定し,測定点で得水比,高い浸潤面,侵食・越流,支持地盤の液状化などた 試 料 を 用 い て 室 内 締 固 め 試 験 ( 1Ec ) を 行 っ て ◯が主原因である。ここでは,これらにおいて重要な技術[( rd )max ]1Ec ,( Sr )opt ,正規化締固め曲線を得ておく。課題である土の締固めと斜面の安定解析を概括する。.土の締固め現在でも締固めを重視しない場合が少なくないが,締式( 1 )の R は,「現場締固め条件での最大乾燥密度◯[[[(rd)max]CELf」/◯(rd)max]1Ec であり,◯(rd)max]CELf rd / 「 ◯ で の Sr と 正 規 化 締 固 め 曲 線 か ら 求 め た=◯[ Dc ]t 」である。 R は,土質の変化に左右されず現場固めが合理的ならば長期に安定な盛土を十分経済的に建CELf の関数と見なせて,締固め機種の規定と GNSS 等設できる。良い締固めには,適切な土質,含水比,締固での走行管理,撒出し層の薄層管理等で CELf を一定にめエネルギーレベル CEL が必要である。通常は,現場管理すれば一定と見なせる。[Dc]t は Sr だけの関数なのでの乾燥密度 rd と含水比 w を,現場の代表試料の例えで , そ の 場 合 は [ Dc ]1Ec は Sr だ け の 関 数 と な り ,ば標準プロクター(1Ec)での室内締固め試験によって[ Dc]1Ec の全測定値許容下限値と言う管理は「Sr の全得た最大乾燥密度(rd)max と最適含水比 wopt と比較して測定値を( Sr)opt 中心の許容範囲内に管理する飽和度管管理する。しかし,締固め試験と現場で CEL が異なる理」となる(図―)。実施工において,この許容範囲可能性が高く,現場で土質と CEL は一定に規定・管理 を締固は土質と CEL の変動に影響されない。また,◯しても不可避的に変動するため,( rd )max と wopt は変動 での[Dc]1Ec を「設計条件での強め目標とした場合,◯しその追跡は不可能である。この未解決な基本的課題を,度・剛性~[Dc]1Ec 関係」に代入して得た値が設計値を飽和度管理によって対処する方法1)~5)を説明する。満足すれば,現場 CELf は十分に大きいことになる。夫々の締固め条件での(rd)max が得られる最適飽和度実施工では,夫々の地点・時刻での盛土材は室内締固( Sr )opt と真の締固め度[ Dc ]t = rd /( rd )max と Sr ( Sr )optめ試験で用いた代表試料とは異なるので,多数点で得たの関係(正規化締固め曲線図―)は,土質と CEL rd の測定値/◯[◯(rd)max]1Ec は現場での土質の変動のの変化に鈍感である1)~5) 。したがって,盛土材と CEL影響を受ける見かけの締固め度[ Dc ]1Ecとなる。また,が管理されて変化が限定的ならば,これらは一定と仮定実際には CELf も変動して R は変動し[ Dc ]1Ecはそのできる。その場合,図―を参照して,施工中の任意の影響も受ける。したがって,上記の飽和度管理に加えて, 現場 rd の「同一試料の室内締固場所・時刻における◯図―June, 2018多様な土質材料の正規化締固め曲線のまとめ1)~5)図―飽和度管理と見かけの締固め度管理1 総説従来通り[ Dc ]1Ecの全測定値許容下限値を確認すれ算例は図―)。また,フィルダムの実務設計では,安 締固ば確実な管理となる。[Dc]1Ecの許容下限値は,◯全側ではあるが,式(3)と異なり水平地震荷重 kh・Wi はめ目標での[Dc]1Ec の95程度が適切であろう。スライス底面に作用すると仮定していて,Md を過大評盛土材の含水比管理と締め固めた土の見かけの締固め価し Fs を過小評価している。度の管理とともに飽和度管理を行えば,図―に示すMr(式(4))は抵抗モーメント(排水条件),P ′i はス「浸水時にコラップス変形と強度低下・軟化が生じやすライス底面での有効直荷重(=全直荷重 Pi 間隙水圧く透水係数が高い領域 a」と「強度・剛性が低く過転圧Ubi )である。修正 Fellenius 法では,不静定力であるが生じやすい領域 b」を効率的に排除できる。領域 a の スライス両側面に作用する有効土圧 E ′P′i を,◯i,排除によって,従来避けられてきた w<「1Ec での wopt」E′i+1 の合ベクトルは常にスライス底面に平行と仮定し(所謂湿潤側)での施工でも,大きな CEL で十分大き スライス側て P′i 方向の力のつり合いに無関係とし,◯な[ Dc ]1Ecを実現できれば許容できて推奨できること面での間隙水圧は正しく水平に作用するとして求める。になる。礫率補正を伴う管理法は,文献5)で議論した。 による誤差は,通常は安全側であり大きくはない。仮定◯この管理法は, 2011 年東日本大震災で崩壊した福島県常時で浸潤面が水平( bi = 0)で静水状態の場合,力の藤沼ダムの復旧に適用され,その合理性が確認された6)。多角形(図―a) での実線)から,次式が得られる。破砕コンクリートは,強度に対する締固め効果は礫質2P′i= W ′i・cos a i=Wi・cos a i-(Ustatic)bi・cos a i ……(5)土よりも著しく,良く締め固めると礫質土よりも強くな,(Ustatic)bi はW′i は有効重量(=全重量 Wi-浮力 Wbi)りうる7)。セメント改良した礫質土と破砕コンクリート静水時のスライス底面での水深に比例する間隙水圧であも,強度に対する締固めの効果は著しく,新幹線などのり,式(5)の最右辺は水没していないスライスに適用さ橋台部盛土の建設に使用されている8),9)。また,セメンれる。地震時に対しては,式( 5 )右辺に- kh ・ Wi ・ sin a iト改良礫質土の強度は,CEL に関わらず(Sr)opt よりもを加える。やや低い Sr で締め固めた時に極大になる8),9)。.斜面のスライス法円弧すべり安定解析殆どの設計指針類は式(5)を用いているが,多くの教科書では Fellenius 法あるいは一般スライス法として,P′i=Wi・cos a i-(Ustatic)bi ……………………………(6)この解析は,実務でフィルダム・ため池堤体,道路・が示されている。式(6)は,水没していないスライスに鉄道盛土,宅造盛土,河川・海岸堤防,港湾での水中盛 を仮定した上で「◯ スライス側面での間対して,上記◯土,自然斜面等を対象に広く実施されている。しかし,隙水圧の作用方向はスライス底面に平行」と言う誤った基準類で示されている安全率の式は多様であり,夫々の は図― a )に示す力の仮定によって導かれる。仮定◯式の前提と適用限界に注意を払う必要がある10)~12)。多角形と矛盾し,式(6)は浮力 Wbi と ai が大きくなると図―を参照して,全体安全率は浸透流の有無とスライス側面での有効土圧の大きさ・位置・方向に関わらず, に基P′i< 0 と言う不合理な結果となる。また,仮定◯づくと浸透流の影響を適切に解析できなくなる。Fs=Min[Fglobal]=Min[Mr/Md] ……………………(2)図― b ) は,浸透流の等ポテンシャル面は浸潤面かMd=R・∑(Wi・sin ai)-Mw+kh・∑(Wi・yi) ………(3)らの深さに関わらず浸潤面に直交と近似した時の 0<biMr=R・∑[c′i・li+P ′i・tan q′i] ………………………(4)< ai のスライスでの修正 Fellenius 法による力の多角形で定義される。 Md (式( 3))は滑動モーメント( Qi= 0の場合),Wi はスライス全重量であり地下水位・浸潤面であり,P ′i の方向の力のつり合いから次式が得られる。P′i=Wi・cos a i-Wbi・{cos a i+sin bi・sin(a i-bi)}位置の影響を受ける。式(3)右辺の Mw は水没斜面に作……………………………………………………(7)用する水圧 UAB による Md の減少分で,すべり土塊の式(7)は,静水状態( bi= 0)で式(5)になる。また,多浮力による Md の減少分を意味する。多くの設計指針類くの指針類では浸透流がある斜面( bi> 0 )に対してもで Mw を含まない式が示されているが,これらの式は式(5)を用いているが,全スライスで a i=bi であり間隙Mw > 0 の場合 Md を過大評価し Fs を過小評価する(計水圧と浸透力は図― a )の破線のようになると近似す図―図―2二次元スライス法円弧すべり安定解析10)~12)力の多角形a)静水で bi=0 の場合(実線)と浸透流があり bi=a i の場合(Ubi と浸透力は破線)b)0<bi<a i の場合地盤工学会誌,―() 総説影響が遥かに大きい。特に,地震時に非排水繰返し載荷によって低下し締固めが悪いほど大きく低下するため,飽和盛土の地震時すべりに対する締固めの影響は著しく大 き く な る 。 こ の 現 象 を 考 慮 し た の が Newmark D法10) であり, 2011 年東日本大震災での福島県藤沼ダムの崩壊の解析と復旧ダムの耐震設計において活用され締固めの影響が定量的に評価された14)。.まとめ土の締固めと円弧すべり安定解析と言う二つの重要な実務課題における留意点と最近の状況を概説した。これらは古典的テーマであるが,今日的課題でもある。図―浸潤面・自由水位条件 1~7 での Fs と臨界円1)~12)参1)ると,式( 7 )は式( 5 )になる。一方,式( 6 )は( Ubi )staticを「浸透力を考慮した Ubi」=(Ubi)static・cos2 a(図―a))iに置き替えれば式(5)となり,式(7)の近似式となる。図―に,様々な水理条件(ケース 1 ~ 7 )の常時(kh=0)の排水条件での次の三つの安全率 Fs を示す。2)3)[Fs]C=Min[式 4(P ′] …………(8)iは式 7)/(式 3)] …………(9)[Fs]A=Min[式 4(P ′i は式 5)/(式 3)[Fs]code=Min[式 4(P ′i は式 5)/(式 3 で Mw=0)]………………………………………………………(10)4)5)[Fs]C(式(8))はケース 1~7 の全てに適用できる一般的な解であり,地下水位・浸潤面の変化によって大きく6)変化する。浸潤面が法面まで達し斜面前に自由水面が無いケース 4 での Fs はケース 1, 7 から半減しており,斜面の安定には浸潤面の低下が必要なことを示している。7)[Fs]A(式(9))は,ケース 1~7 で[Fs]C とほぼ同じであり,実用的な近似解である。多くの指針類で示されている[Fs]code(式(10))は,ケース 1~4 では[Fs]A と同様に[Fs]C とほぼ同じであるが,ケース 5~7 では斜面前の自由水位が高くなり Mw が大きくなるほど[Fs]C8)9)を過小評価する。斜面がほぼ水没したケース 7 では,[Fs]code[Fs]C/2 である。修正 Fellenius 法は,上記の様に P ′i に対する地下水10)位,浸透流,外荷重,地震荷重等の影響を明示できて,殆どの設計指針類で採用されている。また,越流が深くなるほど下流斜面の安定性は低下するが,ジオテキスタ11)イル補強,補強材に連結した遮水法面工の設置とそれに伴う浸潤面の低下によって高い安定を保てることを示せ12)る13) 。また,排水状態での地震時すべりは締固めによって減少するが,この現象は,ピーク発揮後すべりに伴13)ってせん断強度がピーク値(締固めによって増加)から残留値(締固めによらない)に向かって粒子径に反比例する速度で低下するひずみ軟化現象を考慮した修正Fellenius 法 に 基 づ く Newmark 法 に よ っ て 解 析 で きる10)。飽和非排水条件では,Md を式(2)で求め, Mr はR・Σ[tf.u.i・li]となる。tf.u.i は非排水せん断強度で,初14)考文献Tatsuoka, F.: Compaction characteristics and physicalproperties of compacted soil controlled by the degree ofsaturation, Keynote Lecture, Proc. 15th PanAmericanConf. on SMGE & 6th IC on Deformation Characteristicsof Geomaterials, Buenos Aires. 2015.龍岡文夫ら地盤工学・技術ノート,盛土の締固め 1~20回,基礎工,2013年 7 月号~2015年 2 月号.龍岡文夫土の締固めにおける飽和度管理の重要性,ダム技術,No. 354,pp. 3~16, 2016.龍岡文夫盛土の締固めにおける飽和度管理の重要性,地盤工学会誌,Vol. 63, No. 7, pp. 39~40, 2015.龍岡文夫・澁谷 啓・菊池喜昭土の締固め特性の飽和度に基づく各種法則性と締固め管理への適用,第53回地盤工学研究発表会,高松,2018.渡邊浩樹・田中忠次・龍岡文夫・毛利栄征・山岸明広・三反畑勇・三浦 亨・矢崎澄雄福島県藤沼ダムの強化復旧における新堤体の施工,基礎工, Vol. 46, No. 3,pp. 85~91, 2018.Tatsuoka, F., Tomita, Y., Iguchi. Y. and Hirakawa, D.:Strength and stiŠness of compacted crushed concrete aggregate, Soils and Foundations, Vol. 53, No. 6, pp. 835852, 2013.龍岡文夫ら地盤工学・技術ノート,盛土の締固め17,18,19回,基礎工,2014年11月~2015年 1 月号.Tatsuoka, F., Furusawa, S., Kataoka, T., Watanabe, K.and Lohani, T. N.: Strength and stiŠness of compactedcementmixed gravelly soil controlled by the degree ofsaturation, Proc. 19th ICSMGE, Seoul, 2017.龍岡文夫・デュッティン,アントワン・矢崎澄雄・毛利栄征・上野和広地盤工学・技術ノート第 21 ~ 42 回盛,基礎工, 2015 年 3 ~◯土の地震時残留すべり計算◯月号~2017年 4 月号.龍岡文夫・デュッティン,アントワンスライス法による円弧すべり斜面安定解析における諸留意点,ダム技術,No. 361,1 月号,pp. 5~30,2017.龍岡文夫・デュッティン,アントワン斜面のスライス法による円弧すべり安定解析での諸留意点,第52回地盤工学研究発表会,岡山,2017.デュッティン,アントワン・龍岡文夫定常越流を受ける盛土斜面の簡易安定解析,第53回地盤工学研究発表会,高松,2018.渡邊浩樹・田中忠次・龍岡文夫・毛利栄征・デュッティン,アントワン・矢崎澄夫・三浦 亨福島県藤沼ダム旧堤体の崩壊解析を踏まえた新堤体の設計,基礎工,Vol. 46, No. 3, pp. 79~84, 2018.(原稿受理2018.3.1)期有効応力状態の関数であり,排水強度よりも締固めのJune, 20183
  • ログイン
  • タイトル
  • 盛土の粘り強さと性能の明示(<特集>盛土)
  • 著者
  • 常田 賢一
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 4〜7
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250007
  • 内容
  • 盛土の粘り強さと性能の明示Toughness and Performance Explained for Embankment常田賢一(ときだ(一財)土木研究センターけんいち)理事長ての意味及び定量化の意義などを適宜,考察する。. は じ め に2011 年東北地方太平洋沖地震の津波災害を契機とし.盛土の粘り強さと性能て,想定を上回る外力に対しては,粘り強いあるいは粘盛土に関わる広義の“粘り強さ”は,例えば,図―り強くした構造物により,減災を図ろうとする姿勢が打のように整理できるが,土質や盛土構造の基本特性あるち出されたが,粘り強さは土木構造物の性能を具体化すいは強化などによる構造改変により,耐侵食性,難透水る概念として認識されつつあると思われる。性,抑制性・減勢性,柔軟性,持続性・修復性といったしかし,粘り強さは構造物ごとに異なるため,現在,多様な“粘り強さ”が期待でき,さらに様々な技術的な統一的な定義は無い状況にあり,個々の構造物において工夫によりそれらの水準の向上も可能である。この多様も,認識は各人各様である。また,粘り強さは構造物の性は,橋梁などの他の構造物とは異なり,盛土に固有で性能を実証する一つの指標としての意義があるが,両者あるので,それを理解した活用が有効である。さらに,耐侵食性について見ると,粘り強さの現状認の相関は明確ではないのが実情である。さて,本号が対象とする盛土は粘り強さに固有性があ識は図―のように整理できる。つまり,一般的な粘りるため,将来の盛土の合理的な計画・設計・施工・維持強さの認識は,“侵食による破壊までに時間がかかる”管理のためには,その概念の明確化が必要である。また,であるが,これは時間経過により破壊することを前提に盛土でも,現在,主流になりつつある性能評価を具体化している。しかし,望ましいのは,時間が経過しても構するため,粘り強さと性能との関連性を明確にし,粘り造物の機能保持に関わる“基本構造は破壊しない”こと強さを性能評価の指標として活かすことが望まれる。である。ちなみに,津波に対する基本構造は高さである。本稿では,盛土の粘り強さの意味を概観した後,道路盛土,河川堤防及び津波に対する防潮盛土ごとに,各構造物が保有する粘り強さを考察し,性能評価の指標とし図―るが,その他の盛土でも同様に考えることができる。その際の課題は,盛土の基本構造は何かということで盛土の粘り強さの概念例図―4図―1)は津波に対する防潮堤などを意識したものであ耐侵食性の概念例1)地盤工学会誌,―() 論説ある。例えば,道路盛土では車両の通行に必要な天端幅,まり,当該道路土工構造物の存する区間の道路の機河川堤防や防潮盛土では浸水しない天端高であり,その能の一部に支障を及ぼすが,すみやかに回復できる確保が粘り強さを考慮した盛土の設計目標になる。性能。一方,粘り強さは性能を具現する指標の一つであり,性能 3道路土工構造物の損傷が,当該道路土工構造粘り強さの定量的な強弱,大小などにより,構造物など物の存する区間の道路の機能に支障を及ぼすが,当の性能の水準が提示され,性能を具体化できる。以下では,道路盛土,河川堤防及び津波防潮盛土を対象として,災害時の変状状況から粘り強さを概観し,性能の考え方,粘り強さの活用などの課題を考察する。.道路盛土の粘り強さ道路土工構造物で特筆されるのは,平成 27 年 3 月の道路土工構造物技術基準(以下,基準)2),3) の制定である。新設構造物が対象ではあるが,基準の順守が義務化該支障が致命的なものとならない性能。これらの性能の定義では,“損傷”,“道路としての機能”,“損傷が限定的”,“一部に支障”,“すみやかに回復”,“道路の機能に支障”,“致命的なものにならない”などの表記があるが,概念的である。そのため,実設計ではこれらを定量化した性能明示が必要になる。そこでは,技術的な検討,判断が求められるが,目標とする性能とそれを実現する粘り強さの関連づけが課題である。. 性能と粘り強さされたため,今後の道路土工構造物の設計では,土木技基準を踏まえて,道路盛土の粘り強さ及び性能との関術者はその趣旨を理解し,実践することが要求される。係の考察を試みる。なお,以下は考察例であり,今後も本章では,基準の意義,基準で規定されている性能,さらに道路盛土の粘り強さを考察する。議論の余地があり,議論が必要である。さて,“道路としての機能”(以下,道路機能)である. 道路土工構造物技術基準の意義が,“構造物としての機能”ではないことに注意が必要土工構造物は地形・土質・降雨などの自然条件と深くである。言い換えると,構造物が損傷しても道路機能へ関わるため,橋梁とは異なり,その取扱いは非常に困難の影響度で性能が決まることになる。そのため,道路機である。しかし,近年,高盛土の構築,補強土壁などの能とは何かになるが,図―の事例で考えてみる。新たな構造の開発,解析方法の高度化など,土工構造物同図は,複数の想定地震による盛土のすべり面位置でを取り巻く環境が変わり,その位置づけの明確化,技術あるが,二次すべり面とは一次すべりのすべり土塊を除的な要求が高まっている。いた状態の常時のすべり面であり,一次すべり発生後のこのような背景から基準が制定されたが,今後,道路不安定な範囲を示す。同結果から,一次すべりでは山側土工構造物に関わる機関,技術者は,基準の順守に必要の 2 車線が残留し,二次すべりでは山側の 1 車線が残な課題の明確化,所要の研究・技術開発,さらに人材育留する想定になる。この場合の道路機能を前章の基本構成,体制の充実などに向けた取り組みが必須である。造の確保の視点から,以下のように幾つかが想定できる。新たな基準の主な特徴は,以下の通りである。構造物でなく,道路としての機能による性能を明示。道路ネットワークを構成する土工構造物と他の構造物(橋梁など)間の性能の整合。土工構造物に連続あるいは隣接する他の構造物との関係の考慮。(機能 1 )基本構造を天端の全幅と考えると,一部が損傷しているので,道路機能は低下あるいは喪失。(機能 2 )基本構造の天端のうち,山側 2 車線が使用できるので,緊急的な道路機能は相応に確保。(機能 3)(機能 2)と同様,山側 1 車線が使用できるので,緊急的に道路機能は最小限で確保。上記の 3 機能では,復旧の容易性・迅速性などが異施工段階における,設計条件と施工条件の整合。なるので,道路機能の目標水準あるいは達成水準が異な維持管理段階における記録の保存。るが,どのように道路機能を設定するかが課題である。ここで,道路土工構造物は,その不確実性の高さから,さらに,性能と粘り強さとの関連づけは難しいが,す設計段階に留まらず,施工段階,さらには維持管理段階べり面位置に留まらず,すべり量から考えると,堤体材においても性能の確保が意識されている。そのため,基料や堤体補強により,粘り強いあるいは粘り強くなるの準の順守に必要な研究・技術開発は多岐に渡るため,基で,すべり量は抑制され,盛土の損傷の低減,復旧の容準の制定を契機として,新たな分野への展開,それを支易性に繋がり,道路機能の向上,回復の迅速化に繋がる。える技術者,研究者の活躍の場の拡大が期待される。したがって,粘り強さの実現のためには,堤体の変状. 道路としての機能と性能基準で規定される 3 区分の性能は,以下の通りである。性能 1道路土工構造物が健全である,または,道路土工構造物は損傷するが,当該道路土工構造物の存する区間の道路としての機能に支障を及ぼさない性能。性能 2道路土工構造物の損傷が限定的なものにとどJune, 2018図―地震時のすべり面の位置と道路機能の関係例4)5 論説(すべり面の位置,すべり量など)の評価法(ニューマーク 法など)の開発と,目標とする道路機能を実現するため,いわゆる,性能対応型工法などの技術開発が望まれる。.140 m に至る時点で破堤拡大速度が低下していることが分かる。この破堤拡大のブレーキの原因は,破堤拡大,さらに堤防破堤に対する粘り強さの要因となる。それは,写真河川堤防の粘り強さ河川堤防の粘り強さに関わる特徴的現象として,洪水中の○印の状況から分かり,堤防断面が大きいことや近傍の法尻付近の立木,建物も関係していると推察される。したがって,当然であるが,堤防断面が大きいほど,時の破堤があるが,本稿では平成 27 年 9 月関東・東北樹木などの流水阻害があると,堤体の侵食が抑制されて,豪雨による鬼怒川左岸 21 k 地点での越流破堤から考察越流破堤や破堤拡大に対する堤防の粘り強さが向上する。する5)。写真―は同地点の破堤拡大の途中の状況であさらに,当初の堤防の天端高が20 cm 高かったら,粘るが,この写真から洪水被害の減災のための,堤防の粘り強さ=耐越流時間はどうなるか,どうできるかと想定り強さ及びそれを性能として明示する意義を示す。してみる。鬼怒川の破堤箇所の天端以上のピーク越流深. 被害状況の推移が示唆する粘り強さは0.31 m と推算でき,仮に天端を0.2 m 高くするとピー鬼怒川の越流破堤では,破堤までの越流時間が 1 時ク越流深は 0.11 m となり,越流継続時間は 52 分と推算間 40 分程度,破堤拡大時間が 3 時間 30 分程度,堤内地できる。この 52 分は当該堤防の越流に対する粘り強さの浸水時間が 10 時間 50 分程度である。したがって,今の 1 時間40分程度より短時間化されている。次の洪水,越流に対する当該堤防の粘り強さを定量化すると,1 時間40分程度の耐侵食性があったと考えられる。ここで,章によれば,越流しても破堤しないことがよって,堤防高を上げるのが最良であるが,土のうなどの応急措置でも堤防の性能としての粘り強さが向上できる可能性があり,水防活動の重要性を示唆する。堤防の粘り強さであるが,浸水被害の規模は浸水時間だ. 粘り強さの定量化と明示けではなく,破堤幅及びその推移も重要である。つまり,洪水時の合理的な越流破堤対策のためには,“粘り強破堤幅が拡大すると,浸水量が増加し被害が拡大するのさ”の定量化が必要である。前節の通り,鬼怒川では 1で,仮に破堤しても拡大が抑制できれば減災になる。時間 40 分の越流で破堤したが,越流水深 20 ~ 30 cm 程洪水時の破堤の抑制は基本であるが,破堤拡大の抑制度の下での当該堤防の粘り強さは越流時間で 1 時間 40も必要であり,堤防の安定性及びその持続性の確保のた分であったと考えられる。一方,堤防高を越えた水位継めには,侵食に対する堤防の粘り強さが必要となり,そ続時間は 2 時間 30 分と推算できる。したがって,当該れを実現する技術・対策がニーズになる。堤防が 2 時間 30 分以上の越流に耐える粘り強さであっさて,鬼怒川の場合,破堤開始時の破堤延長は 20 mた場合,破堤は免れることになり,越流しても破堤させ( 12  50 頃)とされ,その後, 80 m ( 13  36 ), 140 mない対策の数値目標は,2 時間30分以上の粘り強さにな(写真― 15  18 ),最終的に 201 m まで拡大( 16 る。19 )した。ここで,破堤の拡大速度に着目すると, 20このように,洪水に対する減災の水準を明確にするたm から 80 m までは所要時間 45 分(速度 1.3 m /分), 80めの一つの方法として,洪水時の堤防の浸透性能あるいm から 140 m までは同 105分(同 0.57 m /分), 140 m かは越流性能の定量化ができると,多様な対策の相対比較ら 201 m までは同 60 分(同 1.0 m /分)である。したがが可能になる。さらに,減災の目標の数値化ができ,国って,破堤拡大速度は変化しており,破堤幅 80 m から民に対しても具体的に説明することができる。しかし,越流,浸水などの水理特性あるいは堤防の浸透,侵食などの土質力学的特性が深く関わるため,課題も多いのが実情であり,今後,堤防の粘り強さの評価指標とその定量化に取り組んで頂きたい。仮に,それが実現された暁には,例えば,“当該堤防あるいは措置する対策は,**の越流に対して××時間は破堤しない粘り強さを持つあるいは実現できる”と説明できることになる。.津波に対する防潮盛土の粘り強さ2011 年東北地方太平洋沖地震の津波では,海岸堤防が壊滅的な被害を受写真―6破堤後 2 時間30分経過時の状況関東地方整備局の提供写真に加筆けた(写真―)が,破堤しない堤防地盤工学会誌,―() 論説には,通常考えられている数 km 規模の範囲における多重防御(以下,広域多重防御)だけでなく,石油コンビナートのような数百 m 規模の範囲における多重防御(以下,狭域多重防御)の概念が考えられる6)。図―の概念のように,コ写真―致命的な被害を受けた海岸堤防6)ンビナートでの津波防災・減災のために,盛土の多様な活用が考えられるので,その構造設計,効果検証のための研究・開発が必要である。なお,津波ハード対策では,構造機能だけなく,設置される場所の自然環境あるいは社会的環境の視点,多面的な評価が必要である。実務上,考慮すべき評価項目は, 構造機能, 耐久性, 点検性・補修性, 津波減勢 海陸交流性, 景観性・自然性, 空間利用性及性, 経済性が考えられる6)。び写真―損傷するも天端高が保持された粘り強い盛土構造6)ここで,海岸堤防と比較して,盛土はいずれの評価項目においても優れている。将来の南海トラフ巨大地震などに対する津波対策では,宅地などのかさ上げ,避難高台などに盛土を活用することが有効であり,その実現のためには,前記の各評価項目の定量的な評価技術の研究・開発が必須である。それにより,津波に対して脆弱であるとの認識が強い盛土の活用について,国民の理解が得られ,円滑な事業の推進が可能になると思われる。.おわりに本稿は,多種多様にある盛土のうち,道路盛土,河川堤防及び防潮盛土を取り上げて,盛土に固有な特徴であ図―防潮盛土の活用の概念6)り,性能評価に深く関わる“粘り強さ”の視点から,それぞれの盛土の位置づけ及び将来の研究・開発の課題などを示した。近年の想定外とも言われる豪雨,地震などの自然現象の作用外力に対しては,“防災”から“減災”が基本姿勢になっているが,その実現のために有効な視点が性能図―石油コンビナートにおける狭域多重防御の概念6)評価である。そのためには,盛土が保有する粘り強さの意味を明確にするとともに,それを定量的に評価し,活があり,粘り強さが示唆された。津波に対する盛土(以用した設計法,対策工法の研究・開発が望まれる。下,防潮盛土)の粘り強さ及びその活用を考察する。. 越流した盛土が示唆する粘り強さ写真―(矢印は,押し波の方向)は,越流深 4 m参1)で 30 分程度の間越流した河川堤防である。表法の侵食は皆無であり,舗装が一部剥離しても天端高は保持され,裏法は僅かに侵食し,落堀が形成されたが破堤はしてい2)3)ない。写真―との差は歴然であり,津波に対する盛土の粘り強さを示す。この原因は,不飽和状態の堤体の難4)浸透性にあり,盛土は予想以上に津波の越流あるいは浸水流に対して粘り強さがある。5)よって,上記の粘り強さは章の“基本構造は破壊しない”に相当するので,津波防潮のために,図―のような本堤あるいは二線堤としての活用が考えられる。. 防潮盛土の粘り強さの活用6)考文献常田賢一地盤工学からの津波越流に対する盛土の粘り強さの深化・展開,第58回地盤工学シンポジウム,92,2014.国土交通省道路局道路土工構造物技術基準,2015.(公社)日本道路協会道路土工構造物技術基準・同解説,2017.常田賢一・上田勝久地震時の道路盛土のすべり形態による道路性能の評価, No. 4001 ,第 32 回日本道路会議,2017.常田賢一平成 27 年 9 月関東・東北豪雨による破堤に伴う落堀に関する現地調査からの考察,第 3 回地盤工学から見た堤防技術シンポジウム,1, 2015.常田賢一・秦 吉弥東日本大震災の津波被害に学び粘株 ,260p., 2016.り強い盛土で減災,理工図書(原稿受理2018.2.15)津波対策には多重防御の概念があるが,防御構造として粘り強い盛土を活用することが考えられる。多重防御June, 20187
  • ログイン
  • タイトル
  • 鉄道盛土の複合的な被災原因(<特集>盛土)
  • 著者
  • 古関 潤一
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 8〜11
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250008
  • 内容
  • 鉄道盛土の複合的な被災原因Complex Causes for Damage to Railway Embankments古関潤一(こせき東京大学大学院じゅんいち)教授. は じ め に大地震や豪雨の際に各種の盛土構造物が被災した事例がこれまでに多数報告されている。一方で,線状構造物として大きな総延長を有する盛土のなかで,実際に被災した区間は比較的限定されている。これは,大きな地震動や豪雨の影響だけで盛土が被災している訳ではなく,これら以外の要因も関係していることを示唆している。そこで本稿では,鉄道盛土の実被災事例と,関連する計測結果を紹介し,様々な影響要因について考察する。.盛土支持地盤内での地下水位の長期計測例1994 年三陸はるか沖地震で被災し,抑止杭と格子枠工,水抜きパイプを施工して復旧した鉄道盛土1)~3)の支持地盤内(法尻部)における地下水位の長期計測データを,近隣で計測された時雨量データ4)とともに図―に示す。図―(a)は2010年 9 月の計測開始以降,数度の欠測期間をはさみつつ 2017 年 6 月までの 5 年以上にわたる経時変化を示したものであるが,平常時は地表面から1.4~1.6 m 程度の深度にある地下水位が,1.0 m よりも浅い位置まで上昇したことが 2 回記録されている。この 2 回の記録のうち, 2016 年 8 月末の記録の前後における月単位及び日単位での変化をそれぞれ図―( b ),( c )に示す。これらの図より,以下の挙動が読み図―鉄道盛土における地下水位の長期計測データ例取れる。年単位,月単位,日単位での変化 2016 年 8 月 26 日の 10 時間程度の連続降雨後に地下水位が緩やかに上昇し,ほぼそのままで維持される状態は盛土の縦断方向に集水しやすい条件となっており,図が数日間継続した。―に示した地下水位の経時変化特性は,その影響を受2016年 8 月30日の 2~3 時間程度の比較的強い降雨後けていることが考えられる。に地下水位が急速に上昇し,その後は緩やかに低下し対策工が施工されていない無補強盛土では,地下水位た。急上昇後の地下水位の緩やかな低下傾向は,数かの変動がさらに著しい状況も生じ得る。外見上は安定し月にわたって継続した。ていても,集水地形上にある場合や,経年劣化等によりなお,この鉄道盛土は 1968 年十勝沖地震でも被災し,排水工が十分に機能していない場合などには,図―にその復旧に際してふとんかごと水抜きパイプが施工され示した例よりも盛土内部の地下水位が激しく変化していていた1)。1994年の被災後も前述した対策工が施工される可能性があることに留意する必要がある。たため,一般的な無補強の盛土とは条件が異なっていた。2010 年に現地を調査した際には, 1994 年には被災しなかった隣接区間において,晴天時でも盛土法尻部のふ.盛土の地震時被災事例. 盛土の沈下事例とんかごから湧水している状況が確認されている(口絵2011年東北地方太平洋沖地震で部分的に沈下した JR写真―, http://u0u1.net/EDoR)。この区間よりも被成田線(安食~小林間)の盛土5)~7)の被災状況を図―災箇所のほうが地表面の標高が低いことから,被災箇所( a )に示す。周辺の地盤では図―( b )に示すように噴8地盤工学会誌,―() 論図―説2011 年東北地方太平洋沖地震による東北線(泉崎~矢吹間)の盛土の被害6)被災状況,地盤調査結果,復旧断面図―2011 年東北地方太平洋沖地震による成田線(安食~小林間)の盛土の被害6)被災状況,周辺地盤での噴砂,復旧断面盛土上から実施したボーリング調査と標準貫入試験の結果を図―(b)に示す。支持地盤は腐植物を混入する軟弱なシルト層が主体で,砂層は比較的深部に薄く存在するのみであった。一方で,盛土内に地下水位があり,盛土の崩壊部分は砂質土と粘性土の互層であった5)こと砂が生じていたことから,盛土を支持する地盤の一部がから,地下水位以下で飽和していた盛土下部の砂質土層地震動で液状化したことが,このような被害を引き起こが地震動を受けて液状化したことが,直接的な被災原因したと考えられる。支持地盤の液状化による同様な沈下となったと考えられる。同様な被災事例が, 1993 年釧事例が,鉄道以外の盛土も含めてこれまでに多数報告さ路沖地震や 2011 年東北地方太平洋沖地震などにおけるれている。河川堤防の被害9),10)でも報告されている。この成田線の被災盛土の復旧に際しては,図―(c)この東北線の被災盛土は切土区間に隣接しており,縦に示すように,両側の法尻部分に鋼矢板を打設し,その断方向に集水しやすい地形となっていたことから,盛土頭部をタイロッドで結合する液状化対策が行われた。こを支持する地盤条件の影響も受けたと言える。復旧に際の対策は,液状化発生を防止するのではなく,液状化ししては,図―(c)に示すように盛土上部を補強盛土でた地盤が側方に広がるように変形するのを抑制する効果再構築し,さらに盛土内地下水の排水工として排水パイがあり,その結果として上部の盛土の沈下も抑制される。プとふとんかごが施工された。復旧後には,晴天時でも図―( a )は 2011 年東北地方太平洋沖地震による JR盛土法尻部のふとんかごから湧水している状況が確認さ東北線(泉崎~矢吹間)の盛土5),6),8) の被災状況である。れている(口絵写真―)。外見上は図―(a)と同じような沈下形態であるが,周. 盛土の崩壊事例辺の地盤上では噴砂の発生が全く見られなかった点が異図―(a)は章で紹介した鉄道盛土(被災当時は JRなる。June, 2018東北本線の八戸貨物~陸奥市川間)の 1994 年三陸はる9 論説か沖地震による被災状況の模式図である。図―,に示した沈下事例とは異なり,盛土が大きく崩壊し,崩壊面 は 円 弧 上 で 上 部 が 切 り 立 っ てい た 。 崩 壊 土量 は 約2 600 m3 で,その一部は道路を隔てて隣接する民家にまで崩壊土が到達し,軌道が約 43 m にわたりはしご状になった2)。復旧断面と支持地盤の状況を図―(b)に示す。崩壊面は支持地盤までは到達していなかったことから,直接的な被災原因は地震動による盛土のすべり破壊であると考えられる。一方で,支持地盤中の 2 つの砂層( As 層と Ds 層)は図の右側へ下がるように傾斜しており,盛土の縦断方向に流下してきた地下水が,横断方向には図の右側へ流れやすい条件であったことが推察される。この盛土の被災形態が沈下ではなく,比較的深いすべり破壊となった原因は不明であるが,以下のような要因の影響を受けた可能性が考えられる。図―高盛土である(盛土高は図―が約 5 m である◯1994 年三陸はるか沖地震による旧東北本線(八戸貨物~陸奥市川間,現在は青い森鉄道)の盛土の被害2)のに対し図―は約 11.5 m )ために,サクション被災状況,復旧断面と支持地盤の状況に起因する見かけの粘着力の効果が盛土深部になるほど相対的に小さくなり,深い破壊が生じた。支持地盤が水平成層ではなく,図―の右側には◯有機質土層(Apt 層)が挟在していたために,その上部の盛土の地震時応答が横断方向に変化した結果,盛土内に亀裂が生じやすくなった。なお,この盛土は同一箇所が 1968 年十勝沖地震でも約 100 m にわたって崩壊したが,被災形態が 1994 年とは異なり,表層崩壊であったことが報告されている1)~3)。1968 年には地震発生前日まで降雨が続いて 3 日間の総雨量が月平均の 2 倍の約165 mm となり,表層が飽和してサクションが消失したために,降雨や降雪がなかった1994年とは異なる被災形態となったと考えられている3)。すなわち, 1968 年の被災は盛土・支持地盤の状況と地震動の作用に加えて,地震前の降雨も複合的に影響していた。2011年東北地方太平洋沖地震による JR 仙山線(作並~八ツ森間)の谷埋め盛土5),6),8)の被災状況を図―(a)に示す。延長約 50 m にわたり崩壊し,崩壊土量は約1 400 m3 であった。図―に示した崩壊事例と同様に,図―この事例も高盛土で,谷側高さ約 17 m ,山側高さ約 92011 年東北地方太平洋沖地震による仙山線(作並~八ツ森間)の盛土の被害6)m だった。被災状況,復旧断面盛土の最深部には幅 1 m,高さ 1.5 m の横断排水トンネルが設置されていたが,地震後も排水状態は良好であはふとんかごを設置した。盛土上部にはセメント系固化り,過去の被災歴も無かったことが報告されている5)。材を 4 添加することで崩土を再利用し,層厚管理材一方で,崩壊土砂は含水比が高い泥濘化した粘性土で,そのままでは盛土材料としては適さない性状であった5)(口絵写真―)ことから,地震前までに盛土材のスレー(ジオグリッド)を全層に敷設して補強した。.盛土構造物の性能の経時変化キングが進行し,徐々に強度低下していたと考えられる。盛土のような土構造物の性能の経時変化を模式的に図また,盛土の横断方向の排水には問題なかったことから,―に示す。このような図を,特定の実構造物を対象と縦断方向から流入してきた地下水によりスレーキングがして具体的・定量的に描くことは容易ではないが,定性進行した可能性が考えられる。的には以下のような経時変化特性を示すと考えられこの盛土の復旧断面を図―(b)に示す。盛土下部には透水性の高い砕石( C 40 )を用いて,谷側の法尻に10る11),12)。適切に設計・施工された盛土の性能(点 A )は,施地盤工学会誌,―() 論説ることが多いが,必ずしもこれらの異常外力だけが被災原因とは限らない。◯盛土を支持する地盤の問題にも起因する被害例として,支持地盤の一部が地震時に液状化する場合と,盛土の横断・縦断方向に集水しやすい地形となっている場合がある。◯盛土自体の問題にも起因する被害例として,排水性能が不足・低下して水位が上昇し,盛土の一部が地震時に液状化する場合と,スレーキングにより徐図―土構造物の性能の経時変化(模式図)11)々に強度低下が進行する場合がある。謝辞本稿の図―で紹介した地下水位の計測と分析に際し工直後は要求性能を満たす。重要な盛土構造物の場合,地震や降雨などに起因する株 の関係各位と東京大学の京川裕之て,東日本旅客鉄道助教の御助力を得た。ここに記して深謝の意を表する。外力が作用し性能が低下しても最低限の要求性能( a~a′ライン)を下回らないような余裕を持たせる必要がある。参1)その後の時間の経過とともに,盛土の性能が高まる場合(正の時間効果)と低下する場合(負の時間効果)2)がある。後者の場合には,点 B 以降で a~a′ラインを下回ることになるが,大きな地震動や豪雨の発生頻度が比較的高い我が国では,それ以前(点 C)に外力が3)作用して問題が顕在化することが多い。盛土に対する要求性能が時代とともに底上げされ,既存不適格化する場合(点 D)もある。盛土を補修・補強すると性能が回復・改善し(点 E ),4)それ以降の性能の低下速度を補修・補強前よりも小さくすることも可能である。5)前章で紹介した盛土の沈下・崩壊事例のなかで図―に示した事例は,施工後のスレーキング進行による負の6)時間効果の影響を受けたと考えられる。また,図―,に示した事例も,施工直後は問題がなかったが,その後に盛土内に地下水が流入する状況となり性能が低下したと考えられる。一方で,図―に示した事例は,支持7)地盤の液状化対策が実施されていなかったために地震発生時には要求性能を満たすことができなかったが,液状8)化強度が堆積後の時間経過とともに増加する一般的な傾向を考慮すると,正の時間効果の影響を受ける過程にあったと考えられる。いずれの事例も,被災後の復旧にあ9)たってはそれぞれの影響要因に配慮した性能改善が図られている。. お わ り に10 )鉄道盛土の実被害事例に基づいて本稿で紹介した複合11)的な被災原因をまとめると,以下のようになる。◯外見上は安定しているように見える盛土でも,内部の状態が日々変化している場合がある。大きな地震動や豪雨の発生頻度が比較的高い我が国では,最12)考文献東根 顕・遠藤勝司三陸はるか沖地震による鉄道盛土被害と復旧対策,土木学会第50回年次学術講演会,CS107,pp. 214~215,1995.滝田 貢・塩井幸武・田中祐人・石村輝揚・輿石逸樹・菊池春雄・谷茂平成 6 年( 1994 年)三陸はるか沖地震災害 調査報告書, 4.3 鉄道, 地盤工学会, pp.146~183,1996.土橋隆史・谷口善則・輿石逸樹・栗山道夫三陸はるか沖および十勝沖地震による鉄道盛土の崩壊シミュレーション, SED No. 6 ( JR 東日本 構造技術センター) pp.20~27,1996.気象庁過去の気象データ検索(青森県八戸観測所)〈http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php〉(参照2018.1.24)東日本大震災合同調査報告書編集委員会編東日本大震災合同調査報告,地盤編 1 地盤構造物の被害,復旧,1.1.3 在来線鉄道の被害と復旧,DVDROM,2015.Koseki, J., Koda, M., Matsuo, S., Takasaki, H. andFujiwara, T.: Damage to railway earth structures andfoundations caused by the 2011 oŠ the Paciˆc Coast ofTohoku Earthquake, Soils and Foundations, Vol. 52, No.5, pp. 872889, 2012.和田旭弘・木下潤一郎・藤原寅士良・高崎秀明東北地方太平洋沖地震における液状化被害分析, SED No. 39(JR 東日本 構造技術センター)pp. 22~29,2012.中村貴志・藤原寅士良・金田 淳・高崎秀明東北地方太平洋沖地震の盛土被害再現解析による盛土被害要因の考察, SED No. 43 ( JR 東日本 構造技術センター)pp. 72~81,2014.例えば松尾 修・松田 隆・松本一明 1993 年釧路沖地震・能登半島沖地震災害調査報告書,第 1 編 釧路沖地震,7. 河川堤防の被害,土質工学会,pp. 187~214,1994.例えば文献 5 )と同じ, 2.1 河川堤防, DVD ROM ,2015.古関潤一斜面・土構造物の性能の経時変化と補修・補強効果,基礎工,Vol. 45, No. 7, p. 1, 2017.古関潤一土構造物の維持管理に関わる近年の動向と地盤材料に対する非破壊計測手法の研究事例,地質と調査,Vol. 151,2018.(原稿受理2018.2.19)終的にはこれらが引き金となって盛土の被害が生じJune, 201811
  • ログイン
  • タイトル
  • 自動化した表面波探査と電気探査による道路盛土の健全性評価への試み(<特集>盛土)
  • 著者
  • 八嶋 厚・村田 芳信・苅谷 敬三・加藤 一郎
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 12〜15
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250009
  • 内容
  • 報告自動化した表面波探査と電気探査による道路盛土の健全性評価への試みSoundness Evaluation of Road Embankment by Automatic Surface Wave and Electric Resistivity Logging八嶋厚(やしま岐阜大学苅谷敬村田芳信(むらたよしのぶ)NPO 法人地盤防災ネットワーク教授三(かりや岐阜大学あつし)けいぞう)客員教授. は じ め に加藤一郎(かとう理事長いちろう)(公財)岐阜県建設研究センター係長連続的に安定した起振を繰り返す必要から,コンプレッサの圧縮空気圧により打撃ハンマーを稼働する方式を豪雨や地震によって道路盛土が崩壊すると,交通網が採用した。まず,コンプレッサからの圧縮空気を打撃用遮断し,救急救命活動や災害復旧に影響し,大きな損害タンクに充填し,次いで電気信号により打撃ハンマーのをもたらす。このことから,緊急輸送道路などにおいて,シリンダ上部に圧縮エアが入り打撃する。電気信号は測大規模な被災や崩落に繋がる高盛土(盛土高概ね 10 m定者の手元のスイッチで起動でき,圧縮空気圧により打以上)を対象とした定期的な点検の実施により,変状な撃力を調整することが可能である。ハンマー重量は 43どの予兆を事前に把握することで,効果的な維持修繕及kg ,空気圧は最大 0.8 MPa 程度で,打撃直後に打撃用び防災対策の必要性が増している。タンク内の空気を吸引し 2 度打ちを防止する仕組みで一方,道路舗装の維持管理では,路面に現れた症状ある。この起振装置とカケヤにより発生する波の振幅レ(ひび割れ,わだち掘れなど)をもとに補修が行われるベルを比較したところ,起振装置はカケヤのおよそ 2だけで,舗装の劣化原因に基づいて抜本的な対策が行わ倍の波を発生させていることが確認できた(写真―れることは極めて少ない。このため,同じ箇所でオー(a))。バーレイや切削オーバーレイなどの修繕が繰り返されるしかし,軟弱地盤や盛土地盤上の道路盛土では,たとことになり,将来的な維持管理費の暴騰が懸念される。え測定車線のみを規制して探査を行ったとしても,側方ここでも,アセットマネジメントの視点から道路の要求の通行車両の走行ノイズにより,大きく S / N 比を低下性能に基づいた本質的な維持修繕を実施する必要性が求させてしまう。このため, FWD 試験の動的載荷( 49められている。kN 衝撃荷重)の際に発生する波動を計測する方法を検本稿では,上記の問いに答えたいと思う。つまり,二討した。すなわち,FWD 試験による路面のたわみ計測次元表面波探査1) と電気比抵抗探査1) といった物理探査と表面波探査を組み合わせることにより,舗装から地盤技術と,舗装の健全性評価に用いられる FWD (Fallingまでを総合的に評価する手法である。これまでに開発しDe‰ectometer)2)試験を組み合わせた新しい点た表面波測定装置3)を FWD 試験車に連結して牽引し,検・診断手法の開発過程を紹介し,そのシステムによっ測定装置を FWD 試験車に積載した。一定間隔で FWDて得られた盛土の安定性評価,舗装診断への貢献につい試験を実施し,その際に発生する波動を計測した。こうWeightて述べる。.物理探査と FWD による自動計測技術開発通常の二次元表面波探査では,道路舗装面等において,することで,測定者は FWD 車内にて計測間隔制御,表面波計測,電気比抵抗計測をワンマンで行うことができる(写真―(b))。岐阜県管理道において FWD 試験並びに別途開発した移動しながら連続的に表面波を探査する装置として「ランドストリーマー」1) が活用されている。これは受信機を固定したプレートを一定間隔で複数(通常 1 m間隔,24 基)連結し,一定間隔で牽引移動しながら地表面をカケヤなどで打撃した際に発生する表面波を観測するものである。探査速度はおよそ100~200 m/時間である。しかし,供用中の道路において,例えば片側交互通行などの規制をかけながら探査する場合には,探査時に側方を車が走行すると,その走行ノイズにより S / N 比(信号と雑音の比)が低下し,正確な測定ができない。そこで,カケヤ(人力)に代わり,周辺の交通振動に負けない高出力の起振装置を開発した。12写真―起振装置と FWD 機を震源とした計測状況地盤工学会誌,―() 報告起振装置と FWD 車を震源とする表面波探査を実施し,査と牽引式電気探査による盛土評価への適用が図られて震 源 が 異 な る 場 合 の 観 測 結 果 を 比 較 し た 。図 ―  にいる1)。水防や止水を主目的とする盛土では,古くからFWD 試験と起振装置を震源とした場合に観測された振増改築が繰り返された複雑な盛土構造や堤体基盤の土質幅レベルを示す。振幅レベルの総和は地震計で観測され並びに地下水位の分布を把握するのに,これらの探査手た信号値 xi の絶対値の総和(無単位とした)であり,法が有効である。一方,交通荷重,建物,諸施設の支持次式で表される。を目的とする道路盛土,鉄道盛土及び造成盛土では,冒S=∑|xi| ………………………………………………(1)頭に述べたように,厳格な密度管理基準に基づいて建設また,図―にその比を示す。図―には同路線においされた盛土であることから,その後の地下水の浸入やそて 2016 年 6 月(夏季)と 2017 年 1 月(冬季)に行ったれに伴う性能の変化を把握することはほとんど無い。こ際に観測された振幅レベルの比を示す。いずれの場合ものため,災害が起きて初めて調査され,その原因の類似FWD 震源では起振装置の 3 倍以上の波(振幅)が励起性に基づいて点検が実施されている。されている。さらに,舗装は気温によりその剛性が大き図―には,供用直後の高速道路盛土で実施した二次く変化するが,夏季は冬季のおよそ 3~4 倍の波(振幅)元表面波探査による S 波速度断面の一部を示す。測定が励起されていることが確認できた。は,追い越し車線側交通規制の中で,ランドストリー本研究により開発した起振装置を用いることで,S/Nマー法( 4.5 Hz ジオフォン 24ch @ 1.0 m ピッチ配置, 4比の低下を抑制し,省力化を図り,探査速度を向上させm 毎カケヤ起振)で実施した。 1 日でおよそ 1 km 区間ることができる。さらに,FWD 試験を震源とした表面を計測したもので,色の濃淡により S 波速度(高速度波探査により, S / N 比をさらに向上させるとともに,部分を淡い色で表現)の分布を表している。濃い色で表FWD 試験による舗装評価と,表面波探査によるより深される盛土部の S 波速度は,概ね 250 m / s 以上の比較い地盤の S 波速度分布を同時に行うことで,舗装と地的速い速度となっており,切土部はさらに高速であるこ盤を総合的に評価できる可能性が確認できた。とがよくわかる。また,始点側のボックスカルバート周.道路盛土と舗装の一体型評価河川堤防では,統合型物理探査として二次元表面波探辺の盛土や切盛り境界付近の盛土に低速度部分が確認できる。このように,一連の区間であっても構造物周辺や切盛り境界付近では,建設された盛土に性能差が生じていることが定量的に把握できる。さらに,この S 波速度を初期状態として,今後の路線の性能変化を捉えることが可能となり,特に盛土の予防保全的維持管理の指標として有効であると考えられる。膨大な道路盛土において,維持管理指標として二次元表面波探査を適用するためには,計測作業並びに解析の効率化によるコストダウンが欠かせない。このことから,供用開始前の高速道路の土工区間において,開発した自FWD 機と起振装置の振幅レベル図―動計測装置を上下線にそれぞれ配置して,延長 29.28km の全自動二次元表面波探査(4.5 Hz ジオフォン24ch@2.0 m ピッチ配置,4 m 毎カケヤ起振)の実証試験を実施した。建設直後の路面の損傷を避けるため,震源にはカケヤを用いたものの,計測・解析は 10 日間で終了し,実働 6 時間で計器の設置移動を含めて時間当たり最高 617 m ,日当たり最高 3.15 km の計測が可能であった。これにより,自動計測並びに自動解析によるコストは従来の数分の 1 程度に抑えることが可能と考えられる。図―には,自動計測による上り線路肩の S 波速図―FWD 機と起振装置の振幅レベルの比度断面を示す。先と同様に濃い色で示される盛土の S図―図―June, 2018夏季と冬季の振幅レベルの比高速道路盛土における二次元表面波探査による S波速度断面図(ランドストリーマー方式)13 報告高速道路における全自動計測システムによる二次S 波速度 Vs と比抵抗値 R を用いた道路盛土の安定性評価 Fs の基準化図の提案と舗装評価(図―元表面波探査結果と表層地質(上り線路肩の S)への適用結果図―図―波速度断面図)波速度は,トンネルずりや変成岩類の土工からなる盛土では300 m/s 以上,一方深成岩の風化土(まさ土)からなる盛土では200 m/s 以上を呈することがわかり,特に不安定化が懸念される速度構造は確認されなかった。しかし,ここでも盛土材料により S 波速度分布が異なる傾向が確認されるなど,同様な管理基準で施工された盛土の性能には大きな差があることが判明した。これまで,多くの道路盛土において二次元表面波探査による S 波速度 Vs 並びに牽引式電気探査による比抵抗R を計測してきた。その結果, Vs 並びに R と盛土変状や舗装の劣化との関係を示すデータが蓄えられてきたので,これらの情報を活用して,盛土の安定性評価並びに舗装の健全度評価への適用を試みた。道路盛土の安定性評価では,盛土の支持力や強度に関する情報が皆無である。したがって,道路盛土は通常選図―高盛土区間における S 波速度 Vs と比抵抗値 R による安定性評価 Fs の例定された盛土材料を締固め度などに基づき施工管理しての実証試験結果を示す。図より,路面に確認される補修構築されることから,特殊な盛土材料(ロームやセメン跡と安定性評価 Fs に整合性が見られる。ト改良土など)を除いて,建設当初は盛土の安定に必要同様に,軟弱地盤上に建設された高さ 1 m ほどの道な Vs 並びに最低限以上の R を有すると考える。これに路盛土での計測結果を図―に示す。一様に低平な軟弱対し,これまでの計測において,道路盛土に変状が生じ地盤であるものの, Vs と R による安定性評価 Fs では,た箇所で計測された Vs と R の値は,概ね Vs<200 m/s距離110~ 220 m 間がより不安定な地盤であると判断さ又は R< 100 Qm という条件にあてはまる。つまり,図れ,路面の補修跡(部分オーバーレイ)とも一致するこ―に示すように,不安定な道路盛土は安定性評価 Fsとがわかる。また, Vs に基づく液状化抵抗率 FL の判を次のように定義して抽出することが可能である。定4)結果とも近似した結果であることも確認できる。Fs=Vs・R/20 000 ……………………………………(2)岐阜県管理道の盛土高さ 10 m 以上の高盛土において,上述した 2 つの路線では,ひびわれ率,わだち掘れなどの指標に基づいて舗装の修繕が計画される。これら簡易調査により選定した 11 ヶ所の要詳細調査箇所につの指標は,舗装表面の性状に基づいている。道路損傷のいて,二次元表面波探査と牽引式電気探査による全自動原因の多くが,交通荷重によるものと想定されるが,そ計測の実証試験を実施した。図―に示す路線では,道の損傷が路床下の盛土や地盤の不均一性や地下水に大き路のり面に表層崩壊が生じた。変状は距離 100 ~ 180 mく依存するとなると,表層のオーバーレイや打ち換えだ間に確認され,先に提案した Vs と R から算出される安けでは,劣化の進行を抑えられない可能性が高い。そこ定性評価 Fs の低い区間と一致することがわかる。今後,で,これらの路線の道路修繕後に,改めて FWD 試験を他の箇所も含めて詳細調査との比較検討により,安定性震源とした二次元表面波探査と牽引式電気探査による自評価の有効性と信頼性を確認する予定である。動計測を実施し,補修前後の変化を確認した。また,岐阜県管理道において,舗装修繕が繰り返され図 ―には ,路線 A に おける 修繕前後 で実施し たている,もしくは建設後短期間で修繕が実施されているFWD 試験結果の計測たわみ量の変化を示す。 FWD 試等の19ヶ所において,FWD 試験を震源とした二次元表験は 6 月と 1 月に実施している。温度補正をしている面波探査と牽引式電気探査による全自動計測を実施した。が,外気温が大きく異なる環境下での FWD 試験結果を図―には,その中の段丘堆積物上に建設された道路で直接比較することには無理がある。ここでは,2 時期に14地盤工学会誌,―() 報図―告段丘堆積物上の道路における S 波速度 Vs と比抵抗値 R による安定性評価 Fs の例(路線 A)図― 修繕工事前後の FWD 試験結果の比較(路線 A).おわりに本稿では,二次元表面波探査と電気比抵抗探査といった 物 理 探 査 技 術 と ,舗 装 の 健 全性 評 価 に 用 い ら れ るFWD 試験を組み合わせた新しい点検・診断手法の開発過程を紹介し,そのシステムによって得られた盛土の安定性評価,舗装診断への貢献について述べた。平成 28 年度策定の「舗装点検要領」では,道路管理レベルに応じた点検が推奨され,使用目的年数に満たず早期に劣化が進行し,補修が繰り返される区間については, LCC 最小化を目指した,抜本的修繕工法が求められている。本稿で紹介した技術が,舗装の抜本的補修計画を決定する一助になりえるものと考える。また,平成29 年度には,道路土工構造物点検要領が新たに策定された。そこでは,盛土高さ 10 m 以上の高盛土を対象として,5 年に 1 回を目安とした近接目視点検が推奨されている。管理延長の長い道路盛土について,あらかじめ詳細点検のスクリーニングを実施する技術として,本提図―軟弱地盤上の道路における S 波速度 Vs と比抵抗案技術が活用されれば幸いである。値 R による安定性評価 Fs と液状化危険度 FL の例(路線 B)参考文献実施された試験結果の大まかな差異を見ていただきたい。1)これらの結果から,路線 A では修繕工事によって必ず理探―安全性評価への提供の手引き―,2013.(公社)日本道路協会舗装の維持修繕ガイドブック2013, 2013.3) 苅谷敬三ほかFWD と二次元表面波探査による舗装と路体の一体型ハイブリッド点検手法の開発,第52回地盤工学研究発表会講演集,pp. 185~186, 2017.4) Andrus, R. D. et al.: Liquefaction resistance of soils fromshearwave velocity, J. Geotech. and Geoenvir. Engrg.,ASCE, 126 (11), pp. 10151025, 2000しも計測たわみ量が大きく減少し,路線全体が均一な初期状態に戻るわけではないことがわかる。またこれらのことは,他の路線でも確認されている。さらに,同時に実施した Vs の変化でも,修繕工事の影響は部分的なごく表層の S 波速度の増加に限られることが確認できた。独 土木研究所・(一社)物理探査学会河川堤防の統合物2)(原稿受理June, 20182018.2.20)15
  • ログイン
  • タイトル
  • 表紙
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250001
  • 内容
  • ログイン
  • タイトル
  • 飽和圧縮曲線を用いた盛土の品質管理(<特集>盛土)
  • 著者
  • 本田 道識・ニェンスウェイ・石井 武司・齋藤 邦夫
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 20〜23
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250011
  • 内容
  • 報告飽和圧縮曲線を用いた盛土の品質管理Compaction Control of Embankment by Yield Stress based on Saturated Compression Curves本田道識(ほんだ株 日建設計シビル石井中央大学武地盤部司(いしい研究開発機構みちのり)Nyein Hsu Wai(ニェン副部長たけし)機構教授株 日建設計シビル齋藤邦中央大学ス地盤部夫(さいとう研究開発機構ウェイ)くにお)機構教授. は じ め に盛土における締固め工事では,突固め試験結果に基づいて施工時の品質管理規定が決定される。これまで,この方法で膨大な量の施工実績が積み重ねられているが,施工中や施工後に,強度不足,残留沈下,水浸沈下といった問題がしばしば生じる。こうした不都合を避けるためには,設計段階で品質管理規定と盛土材料の力学特性の関連性を把握し,品質管理規定の妥当性や盛土材料自体の適性を判断しておく必要がある。図―突固め試験時の土粒子骨格への伝達応力の概念図本研究では,その判断指標として,太田らの研究1)で格への伝達応力は小さくなる。そのため湿潤側の締固用いられている先行圧縮応力に着目し,締固め曲線と飽め曲線は,含水比の増加とともに乾燥密度が低下する和圧縮曲線から,締固め地盤の先行圧縮応力と水浸沈下傾向を示す。量を推定する方法を提案している。その上で,推定結果 低含水比の状態では,図―の乾燥側に示す図のよう◯に基づいて品質管理規定の妥当性を確認する方法についに,土粒子接点付近に間隙水が存在しており,間隙はても提案している。空気で占められている2)。空気の圧縮性は高く,排気. 前 提 条 件も生じやすいと考えられるため,締固め荷重はそのまま土粒子骨格に伝達される。しかしながら土粒子間に締固め工事の品質管理規定は,締固め曲線にもとづい作用するサクションによって締固め荷重を載荷した際て設定されるため,突固め試験の際にランマーから伝達の土粒子間すべりが抑制される。そのため,含水比がされる応力履歴を把握できれば,品質管理規定にしたが低く,サクションが大きい供試体の方が,荷重載荷時って施工された盛土地盤の先行圧縮応力を知ることがでの土粒子間すべりが抑制される度合いが大きくなる。きる。このことにより,乾燥側の締固め曲線は,含水比の低しかしながら,突固め試験では,動的な繰返し荷重を与えるため,ランマーから伝達される応力履歴を突固め試験の荷重条件から把握することは困難である。下とともに乾燥密度が低下する傾向を示す。 乾燥側の締固め曲線は,含水比の増加とともに乾燥密◯度が増加し,その傾きは概ね一定である。これはサク突固め試験のモールドから採取した供試体で圧密試験ションによる土粒子間すべりの抑制効果が含水比の増を実施すれば,圧縮曲線の降伏応力から応力履歴を把握加とともに低減してゆくことに起因している。含水比できる。しかしながら,突固め試験は非排水条件で行わが増加するにつれて,間隙水で占められている間隙のれているため,与えている荷重条件は同じであっても,割合が増加し,間隙水にも締固め荷重が伝達されるよ土粒子骨格に伝達される応力が,含水比の影響を受けてうになるため,乾燥側の締固め曲線は最適含水比に近変動すると考えられる。そこで,土塊内の間隙水分布とづくにつれて,徐々に傾きが低下し,最適含水比を越突固め試験時の土粒子骨格への伝達応力について,以下えると含水比の増加とともに乾燥密度が低下する傾向 ~◯ の前提条件に基づいて議論を進める。の◯を示す。突固め試験が排水状態で実施されて,締固め 高含水比の状態では,図―の湿潤側に示す図のよう◯荷重がそのまま土粒子骨格に伝達された場合には,突に,土粒子骨格間に連続して間隙水が存在しており,固め試験結果は乾燥側の締固め曲線の延長線上に得ら間隙が水で占められている2)。そのため,締固め荷重れる。を載荷した際には,土粒子骨格だけでなく間隙水にも )については,異なる解釈も上記の前提条件(特に◯応力が伝達される。含水比が高くなるにつれて間隙水◯ が成立する場合,ランマーかあると考えられるが,◯に荷重が伝達される割合が大きくなるため,土粒子骨ら伝達される応力は,乾燥側で実施された突固め試験の20地盤工学会誌,―() 報告飽和圧縮曲線を用いた降伏応力推定法の概念図(簡易的に Cs=0 として表示)※圧縮曲線との比較を容易にするために締固め曲線は間隙比で整理(e=rw/rd×Gs-1)図―図―トチクレーによる締固め曲線(左)と圧縮曲線(右)モールドから採取した供試体の圧縮曲線から推定できる。 が成立する場合,乾燥側の締固め曲線の延長線さらに◯とゼロ空隙曲線との交点における乾燥密度(間隙比)を突固め試験の荷重条件を飽和供試体に与えた際の乾燥密度(間隙比)と解釈できる。そのため,飽和圧縮曲線が得られれば,図―に示す間隙比 eb から,ランマーからの伝達応力を推定することができる。供試体が水浸して飽和状態になった場合の降伏応力については,供試体作成条件にかかわらず初期間隙比に依存して決まることが過去に実験的に調べられている3),4)。そのため,飽和状態の降伏応力についても,飽和圧縮曲線と品質管理規定から定められる初期間隙比が得られれば,簡易的に膨図―推定法による降伏応力と圧縮曲線から直接得られる降伏応力の比較結果潤指数 Cs = 0 を仮定して図―のように推定することが可能と考えられる。.降伏応力推定法の妥当性5),6).における前提条件の妥当性を確認するために,トチ概ね正しいと考えられる。.水浸沈下量の推定7)クレー( rs= 2.73 g /cm3, Ip= 7.5)を用いて突固め試図―の整理結果はばらつきを有しているため,推定験を実施し,そのモールドから採取した供試体で圧密試結果については目安程度と解釈する必要があるが,初期験を実施した。図―の推定法と同様に整理した試験結間隙比,初期含水比,乾燥側の締固め曲線の傾き,飽和果の一例を図―に示す。推定結果は圧縮曲線の最大曲圧縮曲線の情報があれば,締固め土の降伏応力を推定で率点の付近を示している。推定法の適用範囲を調べるたきる。初期間隙比と降伏応力があれば,膨潤指数 Cs=0めに,トチクレーに珪砂 7 号を混合して作成した供試を仮定して弾性領域の圧縮曲線のモデル化が可能であり,体に対しても同様の実験を実施し,圧縮曲線から直接得降伏後の圧縮曲線については飽和圧縮曲線と交わる点のられる降伏応力と図―の推定法から得られる降伏応力間隙比を初期含水比を用いて定義することでモデル化でを比較した図―にその結果を示す。一定のばらつきはきる3),4)。そのため,降伏応力を推定する情報があれば,あるが,珪砂 100 の供試体( K100 )を除いて概ね線図―のように不飽和状態の圧縮曲線を簡易的に定義す形比例の関係にあり,細粒土に対しては.の前提条件はることができる。図―のように Cs を考慮したモデルJune, 201821 報告図―図―水浸沈下量の推定法の概念図トチクレーの水浸沈下試験結果化により精度を向上させることもできるが,その場合は,初期間隙比 ea に対応した初期応力の p0 を定義する必要がある。過去の多くの実験的研究により,水浸沈下は供試体の間隙比が飽和圧縮線上の間隙比よりも大きい場合(飽和圧縮曲線に対して正規圧密となる領域)に発生し,水浸沈下後の間隙比は飽和圧縮曲線上の間隙比となることが確認されている。そのため,水浸前と水浸後の圧縮曲線を定義できれば,図―に示すように施工後の応力状態 p に応じた水浸沈下量を推定することができる。.で用いた試料(トチクレー)による水浸沈下試験の結果の一例を図―に示す。過去の多くの研究結果と同様に,飽和圧縮線の上側(飽和圧縮曲線に対して正規圧密となる領域)では水浸沈下が生じているが,飽和圧縮曲線より下側(飽和圧縮線に対して過圧密となる領域)では水浸沈下は生じていない。図―水浸沈下量の推定値と実験値の比較結果.における実験と同様に,トチクレーに珪砂 7 号を混合した混合土に対しても同様の実験を実施し,推定手応力と水浸沈下量を推定することにより,設計段階に品法の適用性を確認した結果を図―に示す。図―の推質管理値の妥当性や盛土材料の適性を定量的な指標で検定結果は簡易的に図―中の膨潤指数 Cs の値をゼロと討することができる。水浸沈下を防ぐためには,想定さして算出しているため,水浸沈下量の推定結果は実験結れる荷重条件下で飽和圧縮線に対して過圧密となるよう果よりも大きめの値を示している。図―と同様にばらな間隙比まで締め固める必要があり,水浸後においてもつきを有しているが,両者は概ね線形比例の関係にある。盛土全体が過圧密状態であるような品質管理値を設定す.推定結果による品質管理規定の妥当性確認8),9)品質管理規定で定めた乾燥密度と含水比に対する降伏22る必要がある。一般的には,盛土は転圧荷重によって過圧密になっていると考えられているが,盛土天端から深い領域では,拘束圧が大きいため,正規圧密に至る場合もあると考え地盤工学会誌,―() 報告トチクレー( T100 )を Dc 値 85 で締め固めた場合,乾燥側においては盛土天端からの過圧密領域が 10 m 以上存在するが,飽和状態での過圧密領域は 1 m 以下となる。この場合,水浸沈下が生じる可能性が高いと考えられるが, Dc 値の増加や砂分の混合割合の増加によって過圧密領域を増やすことにより,水浸沈下の可能性を低減できると考えられる。.まとめ突固め試験時にランマーから与えられる応力履歴を考察し,締固め曲線と飽和圧縮曲線から降伏応力と水浸沈下量を推定する方法について報告した。盛土設計に性能設計の概念10) を適用するためには,設計段階に得られる情報から盛土施工後の力学特性を把握する必要がある。今回報告した手法については,今後図―盛土の過圧密領域の概念図もデータを蓄積して妥当性を確認してゆく必要がある。施工後に強度不足や沈下を生じるような盛土材料を,設計段階に降伏応力のような定量的な指標から検出できれば,より合理的な設計施工に寄与できると考えられる。参1)2)3)4)5)6)図―正規圧密領域に至るまでの深度の推定結果られる。降伏応力を単位体積重量で除した値(py/gt)は7)8)正規圧密領域に至るまでの天端からの深さに相当するため,図―に示すように,推定された降伏応力から盛土施工後の過圧密領域の範囲を把握しておくことで水浸沈9)下の可能性を検討できる。今回紹介した実験で得られた 4 種類の土質材料に対する締固め曲線と飽和圧縮曲線を用いて,正規圧密領域に至るまでの深さと締固め度 Dc 値の関係を整理した結10)考文献太田秀樹・内田善久・藤山哲雄・荒井幸夫・石垣 勉・竜田尚希・林 雄介締固め地盤材料の構造部材としての工学的応用の可能性,土木学会論文集 C, Vol. 66 No.4, pp. 757~775, 2010.軽部大蔵・加藤正司・浜田耕一・本田道識不飽和土の間隙水の状態と土塊の力学的挙動の関係について,土木学会論文集 No. 535/34, pp. 83~92, 1996.本田道識・飯塚 敦・大野進太郎・河井克之・汪 偉川締固め土の圧縮特性に関する評価手法の検討,土木学会論文集,No. 806/73, pp. 33~44, 2005.Honda, M., Ohno, S., Iizuka, A., Kawai, K. and Ohta, H.:Theoretical, evaluation of the mechanical behavior of unsaturated soils: Geotechnical and Geological Engineering, Vol. 29, pp. 171180, 2011.Nyein HsuWai・本田道識・石井武司・齋藤邦夫突固め試験で得られた供試体の降伏応力について,土木学会第43回関東支部技術研究発表会,25, 2016.Nyein HsuWai・本田道識・石井武司・齋藤邦夫締固め土の降伏応力の推定手法とその適用性,第51回地盤工学研究発表会,pp. 789~790, 2016.本田道識・ Nyein HsuWai・石井武司・齋藤邦夫締固め土の圧縮曲線を用いた水浸沈下量の推定法,第51回地盤工学研究発表会,pp. 791~792, 2016.Nyein HsuWai・本田道識・石井武司・齋藤邦夫水浸状態の圧縮曲線を用いた締固め地盤の品質管理,土木学会 第 71 回年 次学術 講演 会講 演概要 集, pp. 773 ~ 774,2016.Nyein HsuWai, Honda, M., Ishii, T., and Saito, K.: Compaction control standard by yield stress based on thecompression curves in soaked condition, Proc. of the15th International Conference of IACMAG, 2017.地盤工学における性能設計入門,地盤工学会,2012.(原稿受理2018.2.21)果を図―に示す。June, 201823
  • ログイン
  • タイトル
  • カンボジアアンコール遺跡基壇盛土の締固め管理(<特集>盛土)
  • 著者
  • 福田 光治・岩崎 好規・本郷 隆夫・下田 一太
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 24〜27
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250012
  • 内容
  • 報告カンボジアアンコール遺跡基壇盛土の締固め管理Control of Filling on the Reconstruction Process of Foundation at Angkor, Cambodia福田光治(ふくだ株大成ジオテック本郷隆みつはる)岩研究員夫(ほんごう(一財)地域地盤環境研究所崎好規(いわさき(一財)地域地盤環境研究所たかお)研究員. は じ め に日本からはるか離れた地盤調査が必ずしも普及していないカンボジア,しかも復元の第 1 ステップに地盤調査をおくように体系化されていない考古学の領域では,地盤調査方法と調査結果を復元に活かすための工夫が求められる。下田一太(しもだ筑波大学芸術系世界遺産専攻よしのり)専務理事いちた)助教観点からの既存盛土材料の再利用, 2)配合試験となる試験盛土結果からの基準粒度の一般化,3)復元盛土過程での管理試験である。.基壇盛土材料の粒度分布図―はアンコールトム内プラサートスープラの解体に伴う基壇盛土材料の粒度分布である。ばらついている日本国政府アンコール遺跡救済チーム( JSA, JASA,が,概略的には狭い範囲に集積する粒度分布になってい団長早稲田大学中川武)はアンコールワットとアンコーる。礫分は少なく,細粒分が多く,細粒分はばらついてルトム内プラサートスープラ,バイヨン内 2 か所(北いる。一方粗砂や粘性土が優勢な粒度分布も存在する。経蔵,南経蔵)の遺跡を解体・復元し,現在バイヨン主復元したほかの遺跡調査でも図―のような粒度分布に塔の調査を行っている。一方奈良文化財研究所(奈文研)類似したデータが得られた。もアンコールトム内西トップで解体・復元工事を実施中解体過程の地盤調査は,基壇の変状原因を探るためだである。本稿では図―に示すアンコールトム内基壇盛けではなく,復元基壇盛土時に必要な管理項目を作成す土調査における実績を整理して示した。いずれも砂岩とるために活用される。基壇盛土の支持力調査のため現場ラテライトブロックの上部構造を支える盛土基盤が含ま密度,簡易貫入試験,簡易平板載荷試験などを適宜組みれ,既存基壇の現状把握や復元盛土過程で地盤調査を行合わせて実行した。図―は載荷試験で極限支持力が予いアンコール遺跡基壇盛土の管理データベースにした。想されるレベルまで載荷したあと,やや除荷して載荷板口絵写真―,( http: // u0u1.net / EDoR )にバイヨン全景における主塔,北経蔵,南経蔵の位置関係を示す。また南経蔵基壇の砂岩,ラテライト,盛土構造を示す。本稿はこれらの経験を整理したものである。プロジェクトや土質が異なると一般的には詳細な締固め試験が必要になる。しかしアンコール遺跡調査では地盤調査の実施が限定されるので,プロジェクトごとに行った解体や復元工事における盛土材料の試験結果を集積し一般化を図った。重要なキーワーズは1)オーセンティシティの図―図―24アンコールトム内調査対象基壇図―基壇盛土粒度分布例水浸条件と支持力地盤工学会誌,―() 報告周辺を水浸させ沈下特性を調べた。水浸により沈下が促と MixD が最大乾燥密度となる。締固め土の強度を山進される応力レベルと,ほとんど沈下が進行しない応力中式硬度計で調べ,図―のように締固め状態と強度のレベルの存在を確認した。図中の A は湿潤状態の盛土関係を検討した。透水性は最適含水比に比べ湿潤側で急を水浸した場合,B は乾燥した盛土状態から水浸した場激に低下することが一般的に知られている。これに対し合の沈下形態で,類似した粒度分布や密度であるが,湿強度は最適含水比に対しやや乾燥側でピークになること潤状態により強度特性が異なる。.締固め試験と基準粒度アンコール遺跡調査では,先行する発掘・復元工事のが分かる。これらの検討結果を踏まえて,MixD を基準粒度とし,現場締固め作業環境を考慮して,締固めで得られる最大限の密度になるように最大乾燥密度,最適含水比を盛土締固め管理表に反映させた。経験を後続する復元工事に活用した。まず発掘土と消石またアンコール遺跡調査で行った締固め曲線と粒度分灰添加率の関係1),そして発掘土に,購入土砂とラテラ布の関係を整理したのが図―である。ここで粒度評価イト粉末土を配合して粒度調整を検討した2)。これらの径は粒度分布曲線の d60, d50 及び d10 の粒径を使用し結果を活用して後続するバイヨン南経蔵の復元工事3),た粒径分布指数で,粒度評価径7)と呼ぶことにしている。西トップの復元工事4)~6)の締固め管理を行った。粒度評価径 dc<1×10-3 mm の粒度評価径は粘性土の力突き固め試験方法は JIS A1210(Aa)である。図―学特性を示す。 1 × 10-3 mm < dc < 1 × 10-2 mm はシルはプラサートスープラで行った MixA~MixD の粒度トの力学特性,dc>1×10-2 mm は砂質土の力学特性を分布で,表―に配合比を示す。図中の N1 基壇粒度に示す。図―はアンコール遺跡調査における試験例で,対し,粘土,購入砂,ラテライト粉末土などを配合した概略的には凸状の傾向があり,基準粒度の粒度評価径粒度調整材料の締固め特性,消石灰添加効果を調べた。(約 1 × 10-2 mm )付近で最大乾燥密度が得られる。粒図―のように明らかに締固め曲線は異なり, MixC度評価径ではシルトと砂の境界付近の粒度になる。アンコール遺跡基壇盛土発掘土の粒度分布は比較的狭い範囲表―乾燥質量配合比にあり,他のプロジェクト結果を活用する環境にあった。このため MixD の粒度分布を基準粒度と呼び,復元盛土材料の基準とすることにした。図―は西トップ基壇盛土材料の配合結果である。西トップ基壇盛土材料は標準砂のような均質な細砂で構成されている。このため緩い密度で,水浸させると大きな沈下が発生する。粒度評価径は dc>1×10-2 mm であり,締固め密度は小さい。このため粘性土,ラテライト粉末図―配合材料図―図―June, 2018配合と締固め曲線図―締固め土と強度粒度評価径と最大乾燥密度25 報告写真―図―粘性土試料の準備配合設計例土を配合して基準粒度に近似化させる配合率を求めた。. 試 験 盛 土室内配合試験と締固め試験結果を踏まえて配合率を決めたが,粒度調整試料の信頼性を確認するために試験盛土を実施した。粘性土は写真―のように手動式粉砕機で粉砕したあとふるって準備した。試験盛土はラテライトブロックを重ねた型枠を構築し,写真―突き棒による締固め写真―象の足による締固め復元工事と同じ工程で,試料作成,まき出し,締固めを行った。まき出し厚さ 10 cm ,締固め後の厚さ 6 cm とし,写真―の突き固め棒で表面を平坦化し,次に写真―の象の足と呼ばれる突き棒で締め固めた。1 層締固めごとに写真―のように山中式硬度計で締固め土を試験した。試験盛土が完成すると現場密度,簡易貫入試験,簡易平板載荷試験などを実施し,締固め条件の信頼性を評価した。復元された基壇盛土は既存盛土の簡易平板載荷試験などで発生したような水浸沈下をさけることも管理項目になる。このため試験盛土が完成し,養生期間を経て写真―のような水浸試験を行った。.復元盛土管理復元盛土はカンボジア人関係者が日常的に中心になり施工管理する。日本人技術者はメールで送られてくるデータ分析と,年 1, 2 回現地を訪問し,簡易平板載荷試験などによる確認を行うことになる。このためカンボジア人関係者が管理できるように,配合管理と強度管理を提案しなければならない。作業工程から配合試料の計量は質量よりも写真―に示すように容器による体積比配合が容易であると判断した。このため配合試料の種類ごとに緩詰密度を求めておき,表―の盛土設計体積写真―山中式硬度計による締固め管理A を入力すると excel 上で自動的に必要土量が計算できるようにした。また事前試料の含水比を計測し B に入訪問した時に簡易平板載荷試験を行った。表―が強度れると添加水量 C が計算される。そして盛土直前の含管理表で基壇盛土上に構築される砂岩やラテライトの上水比を求めて D に入れて,含水比 E を確認するように部構造により必要強度は異なる。した。締固め土の強度管理は山中式硬度計で行い,適宜簡易貫入試験,現場密度試験を行った。また日本人技術者が26.おわりに考古学のプロジェクトでも復元遺跡基壇の耐久性は,地盤工学会誌,―() 報表―写真―告締固め土の強度管理表試験盛土水浸試験地盤調査に依拠することによって信頼性が確保される。出来上がりの信頼性を確保するためには締固め試験や盛土の品質試験により管理基準を作成しなければならない。考古学でも容易に採用できる簡易試験を多用することになったが,簡易試験と一般的な地盤工学との統合的整合的な評価方法を追求した。写真―配合試料計量参1)表―配合管理シート2)3)4)5)6)7)考文献中川 武監修日本国政府アンコール遺跡救済チームアンコール遺跡調査報告書1998, pp. 341~359, 1998.Supervisor Nakagawa Takashi: Japanese GovernmentTeam for Safeguarding Angkor Report on the Conservation and Restoration Work of the Prasat Suor Prat Tower, Royal Plaza of Angkor Thom, Kingdom of Cambodia,pp. 141182, 2005.Supervisor Nakagawa Takashi: Report on the Conservation and Restoration Work of the Southern Library ofBayon, Angkor Thom, kingdom of Cambodia, pp. 8695,2011.奈良文化財研究所西トップ遺跡南祠堂修復方法の検討,西トップ遺跡調査修復 中間報告 南祠堂解体編 2, pp.31~47, 2015.奈良文化財研究所西トップ遺跡南祠堂 基壇地盤と修復資材料調査,西トップ遺跡調査修復 中間報告 3 南祠堂再構築編,pp. 21~33, 2016.奈良文化財研究所修復盛土の改良とオーセンティシティ,145,西トップ遺跡ニューズレター,11号,pp. 4~5, 2015.福田光治・宇野 誠・西浦譲二・西 英典・山崎智寛・西本直次郎カルデラ内阿蘇表層土の地盤構造,地盤工学 会 第 9 回 環 境 地 盤 工 学 シ ン ポ ジ ウ ム , pp. 7 ~ 12,2011.(原稿受理June, 20182018.1.24)27
  • ログイン
  • タイトル
  • 「土のう構造体」を用いた既設盛土の耐震補強(<特集>盛土)
  • 著者
  • 澁谷 啓・谷 和夫・片岡 沙都紀・中澤 博志
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.66 No.6 No.725
  • ページ
  • 28〜31
  • 発行
  • 2018/06/01
  • 文書ID
  • jk201807250013
  • 内容
  • 報告「土のう構造体」を用いた既設盛土の耐震補強Aseismic Reinforcement of inservice Embankment using ``Soilbag Structure''澁谷啓(しぶや神戸大学片岡さとる)和教授夫(たに東京海洋大学沙都紀(かたおか神戸大学谷さつき)助教中澤博かずお)教授志(なかざわ国立研究開発法人防災科学技術研究所ひろし)主幹研究員. は じ め に東日本大震災後に作成された地盤工学会の提言では,‘旧基準で設計・施工された道路施設の耐震診断・耐震補強・強化復旧とそのための行政的配慮(提言6.4)’として,「膨大なストックである道路盛土の危険箇所を素早く低廉で確度高く判定できる技術と,効率的・経済的に実施可能な補強工法開発」が喫緊の課題であると指摘している1)。本稿では,筆者らが研究開発中の経済的な図―土のう構造体を用いた新たな法先補強工法3)耐震補強工法「土のう構造体による法先補強工法」に関する最新の研究成果を紹介する。.土のう構造体による法先補強工法の概要図―は,本提案工法のイメージである2)。盛土法先の限定された範囲を掘削し,掘削土を枕形の土のう袋内に密に締め固めて積層した後に,アンカーで地山に緊結・拘束して一体化した構造体を構築する工法である。のり先排水層を併用施工して,豪雨にも地震にも耐えられるように道路盛土を安価に補強することが特長である。図―ここで,盛土内の地下水位を下げることは最も重要な耐土のう構造体加振試験装置の概略図震対策であり,さらに,法先に重力式擁壁あるいは補強土壁を設ける従来の耐震工法と比較すると格段に経済的である2)。この工法では土のう構造体の一体化を長期に亘り維持するためには,土のうの寸法と中詰め材料の変形・強度特性,締固めとアンカーの施工方法が要諦となる。なお,事前解析の結果,盛土高さのおおよそ 1/3 程度の土のう構造体を設けることで,レベル 2 の地震に対して十分な耐震性を確保できることが分かっている3)。.土のう構造体による法先補強効果の実験的検証図―加速度と変位量との関係(左水平変位,右鉛直変位). 土のう構造体の加振試験神戸大学所有の振動台を用いて,プレストレスを載荷った。載荷板の製作や施工にかかる費用を考慮すると,した土のう構造体に盛土の側方土圧相当の水平荷重を作実験に用いた平面積約 1 m2 の土のう構造体ユニットに用させた状態で 40 波加振し,その挙動を観察した(図対しては, 75 ~ 100 kN / m2 程度のプレストレスが妥当―)。なお,プレストレスは30, 50, 100kN/m2,加速度の振幅は 100, 250, 450 Gal とした。図―に加振時であると判断した。. 土のう構造体の静的載荷試験の振動台の入力最大加速度と水平変位量の変化を示す。土のう構造体に作用するプレストレスを長期に亘り維プレストレスが大きいほど水平方向の変位量が減少し,持するためには,土のう積層体のクリープ変形を小さく100 kN / m2 載荷時の水平変位は,僅か 1 mm 程度であする必要がある。一方,鉄鋼スラグと土を混合すること28地盤工学会誌,―() 報写真―静的載荷試験装置写真―告使用した土のうで粒度改善効果によりスラグ混合土の締固め特性が向上し,さらに水和反応により強度が向上することが分かっ図―載荷直後のクリープ変形(鉛直変位増分)図―荷重減少率(100kN/m2)ている4)。そこで,まさ土とスラグ混合土の 2 種類の土を用い,土のうの中詰め材が土のう構造体の強度に及ぼす影響について検討した。ハニカム構造を形成するよう土のうを千鳥状に配置し(写真―),中央に設置した油圧ジャッキを用いてプレストレスを 50 kN / m2, 75 kN / m2, 100 kN / m2 と段階的に増加させた。一方,一般的な枕型土のう(写真―(a))に加え,袋口の部分を巻き込むことで中詰め材の流出を防止でき図―大型一面せん断試験機の概要る改良型土のう(写真―(b))を使用した。また,スラグ混合土は自然含水比( wn = 3 ~ 5 ,以下 dry と称す)と最適含水比(wopt= 11,以下 wet と称す)の 2つの含水状態で枕型土のう袋に詰めた。プレストレス荷重とクリープ変形(鉛直変位増分)の関係を図―に, 100 kN / m2 のプレストレスによる時間経過に伴う荷重減少率を図―にそれぞれ示す。枕型土のうと改良枕型土のうを比較すると, 50 kN/m2, 100kN / m2 のプレストレス状態において枕型に比べ改良枕図―型の変位量が大きくなっているが,改良枕型は積層時に試験結果(まさ土)円柱形を保持していたため,枕型に比べ土のう同士の間隙が大きかったためであると考えられる。また,荷重減少率は改良枕型の方が著しく小さく,土のう袋の中詰め材に対する拘束により土のうの剛性が増加してクリープ変形の抑制に寄与することが分かる。. 一面せん断試験大阪産業技術研究所和泉センターが所有する大型一面せん断試験装置を用いて土のう積層体の一面せん断試験写真―試験後の土のう構造体(スラグ混合土)を実施した。使用した土のう袋(改良枕型)は直径 10cm ,長さ 35 cm で,中詰め材にはそれぞれ最適含水比に調整したまさ土とスラグ混合土を使用した。図―に示すように,せん断試験の箱に 6 袋,上箱に 5 袋を千鳥 状 に 設 置 し た 。 こ の 状 態 で 上 載 荷 重 を 20, 60, 100kPa と段階的に増加させ,せん断速度 1 mm / min で土のうの直径の 1/2 に相当するせん断変位 5 cm までせん断した。また,まさ土のケースにおいては同様の条件で摩擦係数の異なる 2 種類の土のう袋を用い,これらの摩擦特性を調べた5)。図―一面せん断試験結果(スラグ混合土)図―は中詰め材にまさ土を使用した試験結果である。織布同士の摩擦係数は高摩擦タイプのもの(F300)がせん断特性に及ぼす影響は少ないと判断できる5)。一般的な織布(T300)より1.35倍と大きいが,土のうまさ土のケースでは試験の前後で土のう構造体に変形同士では 1.1倍と織布同士のそれより小さい傾向となっが見られた5)。一方,スラグ混合土のケースでは変形はた。この程度の差であれば織布の違いが土のう構造体の見られず水硬性により土のうの剛性が高まっていることJune, 201829 報告が確認できた(写真―参照)。また,図―はスラグ結果から安定したプレストレス状態であることを確認し混合土のケースにおける試験結果であるが,図―に示ている。す T 300 の結果に比べ c は大幅に増加し q がやや減少し,結果として sv < 120kN / m2土のう構造体の耐震補強効果の範囲でせん断強さが加振を行った結果,750 Gal 加振時に両試験盛土の崩増加した。このことからスラグ混合土を中詰め材に使用壊が確認された(口絵写真―参照, http: // u0u1.net /することで,スラグの水硬性により土のう構造体の内的EDoR )。加振前後に実施した 3D 測量の結果を図―安定性が格段に向上することが分かった。に示す。加振前と加振後の移動土量の差分を計算すると,. 大型振動台を利用した加振試験実験概要Case1 の流亡土砂量は約 3.7 m2 に対して Case2 は約 1.7m2 となり,加振による流亡土砂量が半分以下になるこ提案工法の耐震補強効果を検証するために無対策盛土とが分かった。(Case1)及び法先補強を施した盛土(Case2)を含水比・試験盛土内部に設置したひずみゲージつきの計測シー締固め度( Dc 値)の両者を同様の条件で作製し,加振トの計測値並びに 3D 測量結果から想定された盛土内部実験により両者の耐震性能の比較を行った。現場と同じのすべり面を図―と図―に示す。盛土内に設置した地盤材料と補強部材(土のう袋など)を使用し,同じ施ひずみゲージの値は 2.5秒間隔で値の増分を計算し,そ工方法で製作した盛土を対象とした実物実験が特徴であの増分に応じて増分が大きくなるほど白色に近くなるこる。耐震補強効果を検証するにあたり,試験盛土が加振とからすべり面を推察した。これらの図の比較により,時にすべり崩壊を起こすような試料を選定する必要があCase2 のすべり面の方が浅くなっており,法先補強によるため,室内試験や小型振動台実験結果6)から盛土試料るすべり抑制効果が確認できた。としてまさ土を選定した。土粒子の密度2.652(g/cm3),一方, 250 Gal, 750 Gal 加振時に計測された試験盛土最大乾燥密度1.971(g/cm3),最適含水比は11.05()内部の応答加速度をそれぞれ表―と表―に示す(表であり,粒径加積曲線を図―に示す。中の番号は図―に対応)。 Case2 は Case1 と比較して,使用した振動台は防災科学技術研究所の所有で,振動試験盛土内部の各層において750 Gal 加振時の応答加速方向は水平一方向である。土槽は長さ 11.6 m ,奥行き4.0 m ,高さ 5.0 m で,盛土天端側の境界には振動を吸収するため緩衝材を設置した。盛土は含水比 10 , Dc=90となるよう現場の施工を考慮して層厚30 cm 毎に締固めを行った。Case1 の無対策盛土の寸法は図―に示す通りである。盛土は勾配 11.2,天端幅4.0 m,高さ4.0 m の実盛土に近い形状とした。各ケースの盛土内部には基礎地盤から 100 cm 毎にひずみゲージ及び加速度計を設置した(図―)。入力は周波数 2 Hz の sin 波を 40 波( 20 s )で加速度を 100 Gal, 250 Gal, 750 Gal の順に段階的に増加させていき,盛土の崩壊が確認された図― Case1 盛土の寸法及び加速度計の設置位置(図中○部)時点で加振を終了した。Case2 の対策盛土は,Case1 と同様の手順で作製し,盛土法先部に盛土高の 1 / 3 の高さの土のう構造体(図―参照)を設置した。直径 20 cm ,長さ 50 cm ,重量30 kg の枕型土のうはハニカム構造を形成するよう積層し,積層後には,6 個の油圧ジャッキを用いてアンカーボルトに同時に鉛直荷重を載荷して75 kN/m2 のプレストレス状態とした。なお,鉛直荷重を載荷する際に荷重の変動及び土のう構造体の変位量を計測しており,計測図―30粒径加積曲線図― 土のう構造体(Case 2)図― 3D 測量結果地盤工学会誌,―() 報告表―250 Gal 加振時の盛土内の最大応答加速度(Gal)表―750 Gal 加振時の盛土内の最大応答加速度(Gal)図― 無対策盛土(Case1)の想定すべり面図― 盛土の各層における加速度増幅率の深度分布図― 法先補強盛土(Case2)の想定すべり面対しても優れた耐震補強効果があることを確認した。度が抑制されることが分かった。とりわけ,盛土の天端謝辞本研究は,国土交通省新道路技術会議から神戸大においてその効果が顕著であり,法先補強の効果がみら学への受託研究「沢埋め道路盛土の経済的な耐震診断とれる。耐震補強の開発」(研究代表者澁谷啓)の一環として入力加速度に対する盛土各層の加速度の増幅率を図―実施した。また,鐵鋼スラグ協会により研究助成を受けに示す。 Case2 は Case1 と比較して盛土内部の各高た。共同研究者各位のご尽力に深く感謝する。本原稿のさの応答加速度が 1~ 2 割も抑制され,盛土天端におい作成には,神戸大学学術研究員白濟民氏の協力を得た。てもその効果は顕著である。つまり,盛土法先に「土のう構造体」を設けることで,対策工の高さまで盛土本体の応答の増幅が抑制され,法肩までの応答の増幅も抑制できたと考えられる。一方,75 kN/m2 のプレストレス状態とした土のう構参1)2)造体では,レベル 2 の地震動に相当する加振に対し,せん断変形はほとんど生じなかった。加振後もハニカム構造が維持された(口絵写真―参照)。また,化粧板3)の変形や土のう構造体底面の滑動も生じなかった。この結果は,田嶋ら6) が 50 kN / m2 のプレストレス状態で加振した場合(口絵写真―参照)と明らかに異なっており,アンカーは損傷していない。よって,プレストレス4)が低下した場合に再度荷重を載荷することが可能となる。. まとめ5)既設盛土の耐震補強工法として「土のう構造体」を用いた法先補強に注目し,土のう構造体のせん断強さ,クリープ特性等に関する各種試験を実施した。これらの試験から得られた知見を基に,大型振動台上にプロトタイプの土のう構造体を法先に施工した試験盛土を造成し,加振実験により耐震補強効果を検証した。鉛直アンカーに適切なプレロードを作用させることで土のう構造体が6)考文献地盤工学会地震時における地盤災害の課題と対策―2011年東日本大震災の教訓と提言―,2012.澁谷 啓・中西典明・小阪拓哉・鈴木 聡・龍岡文夫・歳藤修一地山・盛土補強土工法による既設道路盛土の耐震補強事例,ジオシンセティックス論文集, Vol. 31,pp. 219~226, 2016.加藤卓彦・澁谷 啓・中西正典・片山政和・由井洋和・歳藤修一・伊藤修二・石田正利土のう構造体を用いた新たなのり先補強工による既設盛土の耐震化 その 4.被災した道路盛土をモデルケースとした試設計,第51回地盤工学研究発表会論文集,pp. 1135~1136, 2016.植松尚大・片岡沙都紀・田口未由希・ロハニタラニディ・澁谷 啓鉄鋼スラグ混合土の透水性および一軸圧縮強度特性について,第50回地盤工学研究発表会論文集,pp. 641~642, 2015.石田正利・澁谷 啓・片岡沙都紀・中西典明・加藤卓彦・歳藤修一・伊藤修二盛土のり先補強工法に用いる土のう材料の一面せん断試験,国際ジオシンセティックス論文集,pp. 1~4, 2017.田嶋亮佑・森吉勇気・丁 經凡・片岡沙都紀・澁谷啓・中澤博志・九田敬行・歳藤修一・戎 剛史・加藤卓彦土のう構造体を用いたのり先補強工による既設道路盛土の耐震化 その 1 実物大大型振動台実験,第52回地盤工学研究発表会論文集,pp. 1041~1042, 2017.(原稿受理2018.3.8)一体化し,レベル 2 相当あるいはそれ以上の地震力にJune, 201831
  • ログイン