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地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712

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タイトル 書籍紹介
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 59〜69 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120026
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タイトル 座談会(ワールドカフェ)開催報告(学会の動き)
著者 熊野 直子・隅倉 光博
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 36〜37 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120018
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タイトル 平成28年度地盤工学会賞受賞者の決定(国内の動き)
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 38〜39 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120019
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タイトル 平成28年度地盤工学会出版賞受賞者の決定(国内の動き)
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 40〜40 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120020
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タイトル 平成28年度「地盤工学会誌」優秀賞受賞者の決定(国内の動き)
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 40〜40 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120021
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タイトル サンゴ礫混じり土の最近の知見(技術手帳)
著者 渡部 要一
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 41〜42 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120022
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タイトル 3. コンクリート塊(産業副産物・災害廃棄物の地盤工学的利用)
著者 黒田 泰弘・北垣 亮馬
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 43〜50 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120023
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タイトル 3. 過去の地震を発掘する―活断層の活動履歴調査― (地盤に刻まれた大地震の痕跡)
著者 堤 浩之・近藤 久雄
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 51〜58 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120024
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タイトル 新入会員
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 59〜69 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120025
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タイトル UNSW Australia をたずねて(寄稿)
著者 万代 俊之
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 34〜35 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120017
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タイトル 編集後記
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 60〜60 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120027
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タイトル 平成28年度役員等
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 60〜60 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120028
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タイトル 奥付
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 60〜60 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120029
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タイトル 会告
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ A1〜A4 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120030
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タイトル 地盤工学会所在地
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ A4〜A4 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120031
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タイトル 【英訳化版】室内試験・地盤調査に関する規格・基準(Vol.2)の発刊
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120032
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タイトル 裏表紙
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120033
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タイトル 表紙
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120001
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タイトル シード教授の液状化研究(寄稿(投稿))
著者 吉見 吉昭
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 32〜33 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120016
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タイトル 北海道の地域土―火山灰質土と風化残積土― (寄稿)
著者 川村 志麻
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 30〜31 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120015
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タイトル 人工水路を用いた植物によるヒ素を含む水の浄化技術(技術紹介)
著者 岡崎 健治・山崎 秀策・倉橋 稔幸・榊原 正幸
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 28〜29 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120014
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タイトル 集水ボーリング工における簡易削孔システムの開発(投稿)
著者 小松 順一・水嶋 清光・太田 徹・澤野 幸輝
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 24〜27 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120013
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タイトル 工業用内視鏡による切羽前方地山調査法の開発(報告(投稿))
著者 関根 一郎・法橋 亮・小林 由委・石垣 和明・平田 康夫
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 20〜23 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120012
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タイトル 「地盤工学と環境保全」分野の発展に貢献してきた方々(<特集>地盤工学における人物史)
著者 勝見 武
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 16〜19 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120011
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タイトル 地盤工学における設計・施工技術の発展に貢献した先人の方々(<特集>地盤工学における人物史)
著者 宮田 喜壽・小林 俊一・篠田 昌弘・張 鋒
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 12〜15 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120010
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タイトル 地盤工学における数値解析の発展に貢献した先人達(<特集>地盤工学における人物史)
著者 渦岡 良介・山川 優樹・若井 明彦・ピパットポンサー ティラポン・前田 健一・松島 亘志・金田 一広
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 8〜11 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120009
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タイトル 地盤調査技術の発展に貢献した先人の方々(<特集>地盤工学における人物史)
著者 澤田 俊一・正垣 孝晴・中野 義仁・三嶋 信雄・石黒 健
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 4〜7 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120008
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タイトル 地盤工学における基準化の発展に貢献した先人の方々(<特集>地盤工学における人物史)
著者 木幡 行宏
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 2〜3 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120007
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タイトル 地盤工学の優れた先人達(<特集>地盤工学における人物史)
著者 日下部 治・八嶋 厚・森口 周二
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 1〜1 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120006
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タイトル CONTENTS
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
ページ 発行 2017/05/01 文書ID jk201707120005
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  • タイトル
  • 書籍紹介
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 59〜69
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120026
  • 内容
  • 新正会入会員株 イーエス総合研究所前 多 秀 輝 株佐々木愛 東日本旅客鉄道株大 渕 義 行 ライト工業株山 崎 智 弘 東洋建設株 アサノ大成基礎エンジニアリング福 島 宏 幸 株 フジタ久保田洋 株藤 江 雄 大 ジャパンパイル株       RAMRAV HEM 東洋建設竹 内 廣 行 大阪府株 ウエスコ今 西 将 文 株吉 岡 祐 策 中国電力株下 村 昭 司 大旺新洋株横 田雅 大旺新洋恒 藤 純 子 佐賀市株臼 元 直 仁 応用地質国際会員山阪本口由弦 国立研究開発法人海洋研究開発機構秀 国立研究開発法人海洋研究開発機構武藤尚樹学書籍紹介生会員(3 月理事会承認)山 本石 川八木澤張 磨濱 道高 木山 田池 上笠 松澤 田高 田鹿 瀬柴 田大 城o 山岩 崎川 上赤 司大 坪 谷平 田龍 一桃 子武 士陽 祐京 祐大 地孝 大浩 樹晃 次凱 人祐 希一 希慶一郎勇 人浩 考竜 馬凌 梧かがり雅和 希涼太郎岩手大学八戸工業大学長岡技術科学大学大学院名古屋大学大学院神戸大学大学院京都大学防災研究所京都大学琉球大学琉球大学琉球大学大学院琉球大学佐賀大学福岡大学員「薬液注入の長期耐久性と恒久グラウト本設注入工法の設計施工―環境保全型液状化対策工と品質管理―」米倉亮三・島田俊介著本書は, 50 年以上の薬液注入の研究を背景に, 30 年し,実証とデータを積み重ねて体系化に努めてきた。以上にわたって液状化対策工や恒久的な地盤強化といっテーマが耐久性であるからとはいえ,このように半世紀た本設注入の研究開発をしてきた著者らが,これまでのにも亘って研究が持続してきたことは「恒久グラウト」研究結果を解説・実務書としてまとめた価値ある一冊で「本設注入」の第一人者である著者らでないとなし得なある。い成果であったと思われる。参考文献にあげられている他にはない豊富な耐久性実証データと最近の施工の実長年の研究成果を取りまとめた技術者必読の一冊である。際について,材料・工法ごとの特徴やその周辺環境への影響について詳細に解説している。さらに液状化対策工A5 判,320頁,本体4 200円+税の設計法や品質管理など,最近の課題も取り上げ,仮設株 近代科学社注入とは異なるコンセプトに基づき,本設注入工法の体ISBN97847649052142016年10月31日系化を行い,今後の薬液注入技術の健全な発展を目指している。主要目次シリカ系グラウトの長期耐久性環境保全性恒久グラウト本設注入工法のコンセプトと本設注入試験センター恒久グラウト注入工法の種類と特徴薬液注入による固結土の耐震的性質と活性複合シリカを用いた改良土の液状化強度と改良効果の確認恒久グラウト液状化対策工の設計施工と品質管理東日本大震災における活性複合シリカコロイドを用いた急速浸透注入工法施工地盤の追跡調査報告恒久グラウト施工事例著者らは今日に到るまで本設注入のコンセプトと要素(東京都市大学末政直晃)技術の確立を目指して,可能な年月をかけて研究を継続May, 201759
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  • タイトル
  • 座談会(ワールドカフェ)開催報告(学会の動き)
  • 著者
  • 熊野 直子・隅倉 光博
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 36〜37
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120018
  • 内容
  • 座談会(ワールドカフェ)開催報告Report on World Cafe StyleDiscussion with Researchers and Engineers of Various Ages熊野直茨城大学子(くまの学術振興なおこ)隅倉研究員光博(すみくら株清水建設みつひろ)主任研究員. は じ め に男女共同参画・ダイバーシティ委員会(以下,本委員会)では, 2011 年にベテラン座談会を, 2013 , 2014年,2015 年に若手ワールドカフェを開催しており,今回は世代間交流ワールドカフェとした。前回までは特定の年齢を対象として開催していたが,今回は,これまで学会を支えていただいたベテランの方と,今後,学会を担っ写真―ていく若手の交流・意見交換を目的として,様々な機関座談会参加者から 27 名の方に参加いただいた。また,東畑郁生前会長・古屋弘副学会長・田中真弓委員長をはじめ本委員会メンバーも討議に参加し,総勢 38 名と盛大な会となった(写真―)。座談会の話題は,学術的な話しではなく,業界全体での仕事への向き合い方や働き方につい行った。次章から,事前アンケートの結果と座談会で上がった主な意見について報告する。.事前アンケートの結果て,それぞれの背景が異なり抽象的で難しい内容にも拘座談会の参加者を含め,学会員を主な対象とした事前わらず討論していただいた。また,6 名の非会員の方にアンケートを 2016 年 5 月 10 日~ 6 月 10 日の間で実施し出席いただき,普段地盤工学会との関わりの浅い方々かた。回答者は 30 代で 19 名,次点で 40 代が 17 名となり,らの貴重な意見も聞くことができた。20 代から 60 歳以上まで幅広い年代にアンケートをお願男女共に働き方の多様化や外国籍の方の活躍などが課題になっている昨今,社会全体で意識改革が求められており,われわれの業界としてもその途上にある。そこで,いした結果,合計 49 名の回答を得た。ここでは要点を述べる。所属している学協会の数は,2 つと答えた方が最も多本委員会でも,様々な職種の方が所属し人材の宝庫であく,5 つ以上に所属する方が 3 名と例年と比較して少なる学会の特性を活かし,意識改革の一助となるべく取りかった。これは今回答えていただいた方の半数が民間企組みを模索する中で,メンター制度の導入に着目してい業所属であったためだと考えられる。また多くの方が,る。メンター制度とは,メンター(人生経験や実務経験運営に積極的に関与している学協会として地盤工学会をが豊かな助言者,指導者)が指示や命令でなく,助言と挙げていた。委員会の所属数は, 20 代では研究系・運対話によってメンティー(被育成者)本人の自発的・自営系共に 0 という回答が多い中, 30 歳代で急増する傾律的な成長を促す方法であり,その制度のことをいう。向が見られ,各機関共に, 20 代では勉強し,仕事を覚そこで,今回の議題は,まずはベテラン研究者や若手研える時期だとしていることが想像できた。究者の仕事自体や仕事環境の悩みについて討論していたワークライフバランスについては,ワーク(通常業務だき,年代別の意識の違いを顕在化した後に,メンター+学会活動)とライフ(私生活)の比率を,定時退社を制度導入への意義について語り合っていただいた。具体ワーク 50 として感覚的な回答を求めた結果,ワーク的には,ラウンド 1 では「若手(だった時)の悩み」,が60~100となる人が大部分を占め,50以下はいなラウンド 2 では「ベテラン・将来の悩み」について意かった。育児・介護のために時短勤務も採用されている見を出し合い,そこで出された各グループの意見を元に,中,業界として浸透していないことが分かった。また,ラウンド 3 においては,「メンター制度」について話しワークの中で学会活動の比率は最大で 50 で,半数以合った。なお,座談会は,これまで同様にワールドカフ上が 10 ~ 20 ほどであった。中には所属委員会数が 5ェ方式で討議を進めた。ワールドカフェとは,参加者がを超える人もいたが,通常業務自体が多いために割合と意見を出しやすい数名のグループに分け,リラックスししては学会活動が少なくなったとも考えられる。た雰囲気で自由な会話を行い,途中で適宜他のグループメンター制度については,今回アンケートにご協力いとメンバーを入れ変えていき,共通の合意形成を図る手ただいた 49 人中 41 人に回答していただき,メンター制法である。今回は, 5 ~ 6 名のグループ× 6 グループで度への興味の高さがうかがえた。まず,「メンティー36地盤工学会誌,―() 学会の動き(被育成者)として参加したい(したかった)か」「メンター(育成者)として参加したいか」に関しては,「参加しても良い」が半数を占めており,積極的な参加に関してご意見いただけなかったのは,本委員会が提案するメンター制度への理解やその意義についての説明が十分でないと思われることを痛感した。また,「通常業務がある中でボランティアベースでの実施は困難」という率直なご意見もいただけた。こうした事前アンケートを行うことにより,学会員のワークライフバランスの実態を把握すると共にメンター制度への意識を座談会参加者に提示することができた。情報提供を行った後にワールドカフェを行った。.世代間に見られる悩みや意識のギャップ世代間ギャップに見られるワークライフバランスに対する悩みや,その解決方法として本委員会が提案するメンター制度について討論した。最初の 2 ラウンドは参加者の意識を確認し,3 ラウンド目でメンター制度へご意見をいただいた。若手(だった時)の悩みやりたいことと業務が噛み合わない。企業では利益優先で,お金を生み出す研究しかできない。業務や研究に自由度が低い。じっくり勉強する時間がない。写真―同期がやめてしまい,業務が激化する。成果を出せ座談会の様子ば出す程,仕事が増える。転職を考えるが,時期や方法などの転職の仕方が分からない。同じ職場に女性がいないため相談できない。(女性)目の前の仕事に追われてしまい,仕事の全体像が分からない。ベテラン・将来の悩み昔は仕事で徹夜することが当たり前だったが,それを部下に言うと,パワハラにされてしまう。産休明けの女子社員が本人の望まない部署に配属されると,お互いに気を遣ってしまい疲れる。ベテランになっても,世の中が変化するスピードについていくことに精一杯で,悩む暇がない。現場見学会や学会の飲み会等で,まずは実施するのが妥当ではないか。.まとめ初めてベテラン研究者と若手研究者を交えた座談会を企画し,討論がなされるか懸念していたが,時間の経過と共に,参加者同士の交流が深まっていく様子が見受けられた。普段,学会では仕事の話しかしないが,職場・家庭・将来への漠然とした不安についての討論は,所属先では難しい世代間の率直な意見交換ができ,大変有意義であった。特にベテランの方々からは,会社の後輩からは得られない若い世代の本音を聞くことができたなど,年齢ではベテランだが, 70 歳までのライフプラン今回のような座談会やメンター制度においてメンターを考えないといけないため,ベテランになった気が(育成者)として参加することで世代間交流が可能となしない。り,相互理解が深められるという有用性があることを見メンター制度について出せた。しかしながら,全世代においてワークが生活の大手企業では,既に実施されている。それ以外の企中で占める割合が多く,ボランティアベースのメンター業・大学教員・研究所では,人数が少ないので有意制度の実現性が困難であり,解決すべき課題があると改義ではないか。めて感じた。今後,これらの貴重なご意見を基に本委員同じ職場内には,女性が少ないので,結婚・出産・介護の時期・方法などを相談したい。実際行うとすると,物理的な問題(実施場所・時間)が生じるので,現実味が感じられない。May, 2017会で実現可能性についてさらに検討を行う予定である。最後に,今回の企画に参加いただいた皆様と事前アンケートにご協力いただいた皆様,そして,学会事務局の皆様に感謝を申し上げます。(原稿受理2017.1.19)37
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  • 平成28年度地盤工学会賞受賞者の決定(国内の動き)
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 38〜39
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120019
  • 内容
  • 平成年度地盤工学会賞受賞者の決定平成28年度地盤工学会賞受賞者が,平成29年 3 月17日の理事会において下記のとおり決定いたしました。なお,学会賞は 6 月 9 日の第59回通常総会で授与いたします。【技術賞部門】(敬称略)賞の区分受賞業績名/業績発表文献軟弱泥炭地盤上の北海道新幹線函館総合車両基地の盛土造成受独立行政法人賞者名鉄道建設・運輸施設整備支援機構授賞理由本業績は,極めて軟弱な泥炭地盤上での新幹線車両基地としての大規模盛土造成工事において,各種の圧密沈下対策を効果技術業績賞(事業)的に組み合わせて実施し,沈下計測と沈下予測を確実に行うことで,圧密沈下による近接への種々の影響を最小限に抑える事に成功したものである。泥炭など軟弱地盤に対する圧密沈下対策事例は過去にも存在するものの,近接の既存路線に対する厳しい変位量の制約及び新幹線開業までの時間的制約の中で,軟弱地盤対策の知見・技術を駆使し,例を見ない大規模な盛土造成工事を完遂した点が高く評価される。このように,本業績は軟弱地盤を有する地盤での施工技術の進展に顕著な貢献をしたことから,技術業績賞としてふさわしいと認められた。「命の道つながる紀勢線」の完成に貢献した巨大法面建設時の岩盤評価手法および施工・管理技術国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所株大成建設授賞理由本業績は,南海トラフ地震時の「命の道」ともいわれる近畿自動車道紀勢線において,超長大切土法面(13段高さ90 m)技術業績賞(技術)の施工を,新旧の地盤工学技術を駆使して安全かつ早期に完成させたものである。周辺の地質は「付加体地質」と呼ばれる非常に脆弱かつ複雑な構造をもつが,地質技術者の詳細な観察に基づいて岩盤評価するとともに,リバウンド量計測には軟岩系岩盤切土斜面で初めて「3 成分地中変位計」を使用し,変位計測しながら危険個所を早期に発見し,安全な施工管理を実現した。また 2 次元非線形弾性解析による変形・挙動予測とリアルタイムな計測に基づいた逆解析により,安定性評価の信頼性を向上させた。本業績は社会的貢献度が高く,地質リスクを考慮した施工技術の発展にも寄与するものと思われる。以上より,技術業績賞としてふさわしいと認められた。高橋英紀((国研)海上・港湾・航空技術研究所港湾空港技術津波浸透力の効果を考慮した防波堤腹付工の設計および施工技術技術開発賞研究所)佐々真志((国研)海上・港湾・航空技術研究所港湾空港技術研究所)森川嘉之((国研)海上・港湾・航空技術研究所港湾空港技術研究所)青木亮介(国土交通省四国地方整備局松山港湾・空港整備事務所)国土交通省四国地方整備局高知港湾・空港整備事務所国土交通省四国地方整備局高松港湾空港技術調査事務所授賞理由本業績は,2011年東日本大震災の大津波で発生したような防波堤の甚大な被害軽減を目的に技術開発された設計法および施工技術である。具体的には石材をケーソン背後に積み上げる腹付け工法であり,経済性,恒久性,環境性を備えた補強技術である。この設計法を確立するために遠心模型実験を利用して,津波による浸透力が防波堤の支持力低下に及ぼす影響および腹付け工の補強効果を定量的に把握した。さらに最大級の津波高が予想される高知県の 2 つの港に本技術が適用され,速やかな施工の実施により切迫する大津波への備えに大きく寄与した。以上より地盤工学の最新の知識を生かし,現場での設計・施工技術を開発し実用化まで結び付けたことにより技術開発賞にふさわしいと認められた。【研究・論文賞部門】賞の区分受賞業績名/業績発表文献受賞者名國生剛治(中央大学名誉教授)株)山本祐美加(東京電力模型実験による地震時斜面崩壊開始エネルギー閾値の評価と実崩壊事例との対比小;智行(東京都下水道局)株)斎藤雄二郎(東京電力株)山田拓馬(東日本旅客鉄道論文賞(和文部門)授賞理由本論文は,地震時の斜面崩壊開始エネルギー閾値の物理的意味とその一意性の根拠を明らかにするために,砂層斜面上に載る滑り土塊を模擬した剛体ブロックの振動台実験と静的引張実験を行うと共に,振動台実験の Newmark 法によるシミュレーションを行っている。その結果,崩壊開始エネルギー閾値は剛体ブロックの荷重~変位関係がピークを示す時点までの仕事にほぼ対応し,ブロック下の砂層の変形性が閾値に関わることを明らかにしている。さらにこの知見に基づいて非剛体的斜面崩壊の閾値についての簡易評価式を導出し,崩壊目撃情報のある二つの崩壊斜面と対比することにより,簡易評価式によるエネルギー閾値の妥当性を確認するなど,地震時の斜面崩壊に関して総合的な検討がなされている。以上より,論文賞(和文部門)としてふさわしいと認められた。38地盤工学会誌,―() 国内の動き賞の区分受賞業績名/業績発表文献受土田賞者名孝(広島大学)株)熊谷隆宏(五洋建設海底に堆積する粘土の波浪作用下における安定条件と自然含水比株)安部太紀(清水建設論文賞授賞理由本論文は,波浪作用を受ける高含水比の底泥の安定性に関する一連の実験を通じ,円弧すべり解析によって,波浪作用下の(和文部門)底泥の安定を評価できること,提案した解析法が室内の実験結果のみならず実海域での底泥不安定化現象をほぼ説明できたことは工学的な価値が高い。さらに海底地盤表層の含水比がその箇所での波浪などの環境に対する安定条件によって決まることを示唆しており,新規性・独創性を有するとともに,軟弱地盤工学の新たな領域を拓いて今後の発展が期待できる論文であることから,論文賞(和文部門)としてふさわしいと認められた。福元The eŠects of block shape on the seismic behavior of drystone masonryretaining walls: A numerical investigation by discrete element modeling吉田阪口村上論 文 賞(英文部門)豊(長岡技術科学大学)株 大崎総合研究所)順(秀((国研)海洋研究開発機構)章(京都大学)授賞理由本論文は,遠心模型実験と個別要素法による数値解析に基づき,地震時の石積み擁壁の三次元的な変状と倒壊形態を検討したものである。特に築石の形状が擁壁の安定性に与える効果に着目しており,地震による石積み擁壁のはらみ出しの変状は楔型の築石形状に起因することが示されている。これらを丁寧な実験・解析により総合的に評価した点に新規性があり,結果の信頼性も高い。また,石垣や背面の栗石層のモデル化に工夫がなされた個別要素法による数値解析は,実験結果を定量的に再現しており,石積み擁壁の新たな解析手法として石積み擁壁の維持・補修・新設工事など実務への応用が期待できる。以上より,論文賞としてふさわしいと認められた。Study on the Pore Water Pressure Dissipation Method as a LiquefactionCountermeasure Using Soilwater Coupled Finite Deformation AnalysisEquipped with a Macro Element Method野田利弘(名古屋大学)山田正太郎(名古屋大学)野中俊宏(名古屋大学)田代むつみ(名古屋大学)賞授賞理由本論文は,液状化対策工のひとつである間隙水圧消散工法の対策効果を,数値解析によって定量的かつ効率的に予測するこ(英文部門)とを目指したものである。これまで主にバーチカルドレーンを用いた準静的圧密問題に適用されてきた関口ら(1986)によるマクロエレメント法を拡張し,弾塑性構成式 SYS Camclay model(Asaoka et al., 2002)ベースの水~土骨格連成有限変形解析コード GEOASIA(Noda et al., 2008)に実装することで,地震時の液状化・地盤変形流動・間隙水圧消散に伴う締固めを統一的に解析する手法を開発している。論文では拡張マクロエレメント法の有効性を実証した後,盛土直下の砂地盤に間隙水圧消散工法を適用した場合の計算論文例を提示し,実務利用への適用法までを論述している。このような高度な解析手法は国内外を見渡しても類を見ないものである。以上より,論文賞(英文部門)としてふさわしいと認められた。A study on viscous properties and small strain characteristics of undisturbed gravelly soils研究奨励賞榎本忠夫(国土交通省国土技術政策総合研究所)授賞理由本業績は,これまで不撹乱試料の採取が難しかった礫質土を特殊な方法での採取を実現し,不撹乱礫質土の粘性に着目して応力ひずみ特性におけるひずみ速度の影響とクリープ変形に関する,精緻にして緻密な室内実験を実施するとともに,独自性の高いシミュレーションモデルによる解析的な研究を実施したものである。これまでの研究ではあまり対象とされていなかった現象に取り組んだ研究であり,独創性を有しており学術的な価値も高い。特に地震時の応答など,微小ひずみ領域での力学的挙動は重要な情報であり,今後の動的解析への展開も期待される。以上より,研究奨励賞としてふさわしいと認められた。地盤汚染の封じ込めに用いられるソイルベントナイト遮水壁の空間的に連続な原位置性能評価手法の開発井敦史(京都大学)授賞理由本業績は,鉛直方向に連続的なプロファイルが取得可能な電気的静的コーン試験(CPTU)を応用し,地盤汚染の封じ込め研究奨励賞に用いられるソイルベントナイト(SB)遮水壁のオンサイトでの遮水性能評価手法としての適用性を,室内実験により評価している。具体的には,異なるベントナイト添加量の SB で三軸圧縮試験と大型土槽実験を行い,CPTU で得られる各種物性値に及ぼすベントナイト添加量の影響と間隙水圧消散試験から求められる透水係数の妥当性を検討している。その結果,CPTU で得た物性値のプロファイルから遮水壁内の貧配合部を検知し得る可能性を定量的に示し,コーン貫入中に実施する間隙水圧消散試験によって透水係数を数分内に求め得ることを明らかにした。本研究は合理的で環境負荷の低い地盤汚染対策技術の推進,地盤工学の発展に大きく貢献することが期待できることから,研究奨励賞にふさわしいと認められた。Cyclic deformationstrength evaluation of compacted volcanic soil subjectthaw sequenceed to freeze松村 聡((国研)海上・港湾・航空技術研究所術研究所)港湾空港技授賞理由本業績は,凍結融解履歴および供試体飽和度を任意に制御した積雪寒冷地の地盤を再現可能な室内三軸試験装置の開発,地研究奨励賞盤の非排水繰返しせん断強度に与える凍結融解履歴の影響の評価,凍結前の地盤の締固め度と凍結融解履歴による影響との関係を実験的に明らかにした。地盤の凍結融解現象や不飽和土の力学特性といった研究課題に焦点を当てながら,土構造物を設計・施工する上で想定される実際的な問題に研究の視野を広げており,地盤工学研究や実務に対する幅広い貢献する内容と評価される。以上より,本論文は研究奨励賞としてふさわしいと認められた。計10件(注受賞者の所属は応募当時,掲載は応募順による)May, 201739
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  • タイトル
  • 平成28年度地盤工学会出版賞受賞者の決定(国内の動き)
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 40〜40
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120020
  • 内容
  • 国内の動き平成年度地盤工学会出版賞受賞者の決定平成28年度より 2 年ごとで,地盤工学の発展あるいは普及に貢献した出版物を対象とし,その著者を表彰いたします。平成28年度地盤工学会出版賞受賞者が,平成29年 3 月17日の理事会において下記のとおり決定いたしました。なお,出版賞は 6 月 9 日の第59回通常総会で授与いたします。(敬称略)出 版物 名受賞者名株 地域地盤環境研究所技術顧問・中部大学客員教授・名中井照夫(Constitutive Modeling of Geomaterials ―Principles and Applications―古屋工業大学名誉教授)授賞理由本出版物は,地盤材料の種々の力学挙動を表現可能な構成モデルと地盤工学の諸問題に対するその適用をまとめた英文図書である。著者が開発してきた tij の概念をはじめ,正規圧密,過圧密,ボンディング,時間依存性,温度依存性,不飽和といった土の諸特性を統一的に表現可能な構成モデルの理論について,単純な一次元理論からの拡張として展開するなど,判りやすく且つ正確に記述されている。構成モデルに関する包括的な内容を高い可読性で記した本書は,地盤の変形・破壊予測解析に携わる国内外の研究者,実務者ならびに初学者にとって極めて有益であり,地盤工学の発展・普及に顕著に貢献した出版物である。以上より,出版賞としてふさわしいと認められた。株 村尾技建)鴨井幸彦(安井 賢(甲賀地盤調査)卜部厚志(新潟大学災害・復興科学研究所)5 万分の 1 地質図幅「新潟及び内野」地域授賞理由本出版物は,「新潟及び内野」地域に関する膨大な地盤情報をもとに緻密な分析により表層地質と地下地質を区分し,土地利用計画はもとより防災・減災計画,郷土研究・教育等に利活用できる細分化した地形・地質情報を取りまとめたものである。対象地域全体が完新統(沖積地盤)から構成される地域の地質図の作成は国内初であり,地質学と地盤工学を繋ぐ先駆的な取組みである。内容面でも,6 千本以上のボーリングデータをもとに,従来は 4 種類程度に分類されていた表層地盤を20の凡例に細分化し,詳細な地盤性状や形成史が分かるようなものと,実務上の有用性を高めている。単なる地質図にとどまらず,石油・天然ガス,海岸侵食,液状化等の地盤災害,河川氾濫に伴う水害,地形改変等の応用地質についても盛り込み,多彩な地盤情報を与えている。以上より,本書は地質図分野における地盤工学の発展に大いに寄与するものとして出版賞にふさわしいと認められた。計2件(注受賞者の所属は応募当時,掲載は応募順による)平成年度「地盤工学会誌」優秀賞受賞者の決定平成28年度「地盤工学会誌」優秀賞受賞者が,平成29年 3 月17日の理事会において下記のとおり決定いたしました。なお,優秀賞は 6 月 9 日の第59回通常総会で授与いたします。【「地盤工学会誌」年間最優秀賞】(敬称略)受賞業績名/業績発表文献「液状化予測法の未だホットな課題」/平成28年 8 月号掲載(総説)受賞者名國生剛治(中央大学名誉教授)授賞理由液状化予測技術における最近の動向や課題をまとめ,現状の問題点,今後解決すべき課題について平易に記述されており,総説としてふさわしい記事であることから,多くの読者に支持されました。【「地盤工学会誌」優秀賞】「近年の地下水に関する課題」/平成28年 2 月号掲載(総説)西垣誠(岡山大学名誉教授)授賞理由「地下水問題の最前線」という特集の総説で,広域的な地下水問題や,対策技術,今後開発が必要とされる技術などについて平易に記述されており,総説としてふさわしい記事であることから,多くの読者に支持されました。「杭の支持層確認方法の現状と今後」/平成28年 5 月号掲載(論説)株 レールウェイエンジニアリング)青木一二三(授賞理由筆者の長年の経験に基づき,打ち込み工法以外の杭の支持層確認方法の現状について紹介するとともに,今後の展望についてまとめたもので,実務的な有用性が高いと評価され,多くの読者に支持されました。(注受賞者の所属は掲載当時)40地盤工学会誌,―()
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  • タイトル
  • 平成28年度「地盤工学会誌」優秀賞受賞者の決定(国内の動き)
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 40〜40
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120021
  • 内容
  • 国内の動き平成年度地盤工学会出版賞受賞者の決定平成28年度より 2 年ごとで,地盤工学の発展あるいは普及に貢献した出版物を対象とし,その著者を表彰いたします。平成28年度地盤工学会出版賞受賞者が,平成29年 3 月17日の理事会において下記のとおり決定いたしました。なお,出版賞は 6 月 9 日の第59回通常総会で授与いたします。(敬称略)出 版物 名受賞者名株 地域地盤環境研究所技術顧問・中部大学客員教授・名中井照夫(Constitutive Modeling of Geomaterials ―Principles and Applications―古屋工業大学名誉教授)授賞理由本出版物は,地盤材料の種々の力学挙動を表現可能な構成モデルと地盤工学の諸問題に対するその適用をまとめた英文図書である。著者が開発してきた tij の概念をはじめ,正規圧密,過圧密,ボンディング,時間依存性,温度依存性,不飽和といった土の諸特性を統一的に表現可能な構成モデルの理論について,単純な一次元理論からの拡張として展開するなど,判りやすく且つ正確に記述されている。構成モデルに関する包括的な内容を高い可読性で記した本書は,地盤の変形・破壊予測解析に携わる国内外の研究者,実務者ならびに初学者にとって極めて有益であり,地盤工学の発展・普及に顕著に貢献した出版物である。以上より,出版賞としてふさわしいと認められた。株 村尾技建)鴨井幸彦(安井 賢(甲賀地盤調査)卜部厚志(新潟大学災害・復興科学研究所)5 万分の 1 地質図幅「新潟及び内野」地域授賞理由本出版物は,「新潟及び内野」地域に関する膨大な地盤情報をもとに緻密な分析により表層地質と地下地質を区分し,土地利用計画はもとより防災・減災計画,郷土研究・教育等に利活用できる細分化した地形・地質情報を取りまとめたものである。対象地域全体が完新統(沖積地盤)から構成される地域の地質図の作成は国内初であり,地質学と地盤工学を繋ぐ先駆的な取組みである。内容面でも,6 千本以上のボーリングデータをもとに,従来は 4 種類程度に分類されていた表層地盤を20の凡例に細分化し,詳細な地盤性状や形成史が分かるようなものと,実務上の有用性を高めている。単なる地質図にとどまらず,石油・天然ガス,海岸侵食,液状化等の地盤災害,河川氾濫に伴う水害,地形改変等の応用地質についても盛り込み,多彩な地盤情報を与えている。以上より,本書は地質図分野における地盤工学の発展に大いに寄与するものとして出版賞にふさわしいと認められた。計2件(注受賞者の所属は応募当時,掲載は応募順による)平成年度「地盤工学会誌」優秀賞受賞者の決定平成28年度「地盤工学会誌」優秀賞受賞者が,平成29年 3 月17日の理事会において下記のとおり決定いたしました。なお,優秀賞は 6 月 9 日の第59回通常総会で授与いたします。【「地盤工学会誌」年間最優秀賞】(敬称略)受賞業績名/業績発表文献「液状化予測法の未だホットな課題」/平成28年 8 月号掲載(総説)受賞者名國生剛治(中央大学名誉教授)授賞理由液状化予測技術における最近の動向や課題をまとめ,現状の問題点,今後解決すべき課題について平易に記述されており,総説としてふさわしい記事であることから,多くの読者に支持されました。【「地盤工学会誌」優秀賞】「近年の地下水に関する課題」/平成28年 2 月号掲載(総説)西垣誠(岡山大学名誉教授)授賞理由「地下水問題の最前線」という特集の総説で,広域的な地下水問題や,対策技術,今後開発が必要とされる技術などについて平易に記述されており,総説としてふさわしい記事であることから,多くの読者に支持されました。「杭の支持層確認方法の現状と今後」/平成28年 5 月号掲載(論説)株 レールウェイエンジニアリング)青木一二三(授賞理由筆者の長年の経験に基づき,打ち込み工法以外の杭の支持層確認方法の現状について紹介するとともに,今後の展望についてまとめたもので,実務的な有用性が高いと評価され,多くの読者に支持されました。(注受賞者の所属は掲載当時)40地盤工学会誌,―()
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  • タイトル
  • サンゴ礫混じり土の最近の知見(技術手帳)
  • 著者
  • 渡部 要一
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 41〜42
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120022
  • 内容
  • 技術手帳サンゴ礫混じり土の最近の知見Recent Findings of CoralGravel Soils渡部要一(わたべ北海道大学大学院よういち)工学研究院教授IFCS サンプリング4) である。いずれの方法も,サンゴ. は じ め に礫を動かすことなく切断し,かつ,細粒分を掘削泥水でサンゴ礫混じり土は,フィンガーコーラル(枝状サン洗い流さない工夫がなされている。採取試料の X 線写ゴ)に代表されるサンゴ礫(写真―)が,シルト質か真の例を写真―に示す。フィンガーコーラルが多数入らなるマトリックスの中に介在した土で,亜熱帯気候下っているが,その周囲に隙間が見られないことから,試に位置する南西諸島の海岸に多く堆積している。これま料採取中にサンゴ礫が動くことなく,また,マトリックで,サンゴ礫の存在がサンプリングを阻害するために,スの流出もなくコアリングされたことが分かる。高品質な試料を得ることができず,当該地域でだけ実施される変則三軸 UU 試験(拘束圧下で一瞬だけ排水してから非排水せん断する)1) が採用されるなど,構造物基礎の設計においてその取り扱いに苦慮してきた。.せん断特性南西諸島各地で採取した高品質試料に対して三軸試験を実施した例5)を紹介する。パラメトリックな評価のたサンゴ礫混じり土のマトリックス部分について,シルめに,サンゴ礫とシルトマトリックスの混合割合を調整ト分と粘土分(0.005 mm 以下)の含有率の関係を塑性した再構成試料に対する一連の三軸試験の結果について指数 Ip が 20以上のもの, 20未満のもの,塑性を示さなも比較・整理している。再構成試料は,シルトマトリッいものに分類して示したものが図―である1)。細粒分クス(液性限界 wL = 22.9 ,塑性限界 NP )に長さ 9.5が多くても塑性を示さないものが多いが,これは,粘土~ 37.5 mm の枝サンゴ礫(直径 10 mm 前後)を体積百鉱物がほとんど含まれず,サンゴの砕かれた粒子(アラ分率 0~44(使用したサンゴ礫は44で骨格を作りそゴナイトなどの鉱物)が多く含まれているためである。れ以上は詰められない)の範囲で混合したものである。.三軸 CD 試験で得られた代表的な主応力差 q(=s1-サンプリングs3)と軸ひずみ ea の関係の例を図―に示す。一般的な方法でサンゴ礫混じり土を採取すると,サン再構成試料では,サンゴ礫が増えると強度が増加する。プラーの刃先にサンゴ礫が当たりサンゴ礫が連れ込まれ特に,サンゴ礫が骨格を形成するサンゴ礫体積百分率るため,著しく乱れた状況になる(写真―)。44 の試料での増加が著しい。しかし,せん断に伴う近年,サンプリング技術の向上により,費用はかかる著しいダイレーション(誌面の制約により本稿では体積ものの高品質な状態でサンゴ礫混じり土が採取できるよ変化は図示していない)があるために,ピーク後にひずうになった。これまでに実績のある方法は砂礫や破砕帯み軟化傾向が現れている。著しい凹凸(ノイズ状の変化)のサンプリング用に開発されたもので,ポリマーを使うは,せん断試験後の CT スキャナ画像から,サンゴ礫のGP サンプリング2) ,泥水の噴出位置・方向を工夫した破砕に起因していることが分かった(写真―)。GS サ ンプリ ング3) ,気泡 泥水に より水 量を減 らした高品質試料では,緩詰め状態にある試料の場合はピーク強度が現れずに,せん断に伴う体積圧縮傾向と対応してひずみ硬化する傾向が見られる。一方,密詰め状態にある試料の場合はピーク強度が現れた後にダイレーショ写真―写真―一般的な方法で採取されたサンゴ礫混じり土の例サンゴ礫混じり土に含まれているサンゴ礫の例May, 2017図―細粒分に含まれるシルト分と粘土分の含有率の関係1)写真―高品質サンプリングによる高品質試料の X 線写真の例41 技術手帳図―写真―図―圧縮強さとサンゴ礫体積百分率の関係図―圧縮強さと骨格間隙比(eg0.075)の関係三軸 CD 試験の応力―ひずみ関係の例せん断後の CT 画像(サンゴ礫44の試料)ンに起因してひずみ軟化する傾向が見られる。せん断試験から得られた圧縮強さ(主応力差の最大値.おわりにqmax)とサンゴ礫の体積百分率の関係を図―に示す。サンゴ礫混じり土を扱う機会が多い内閣府沖縄総合事ここでは,粒径が 37.5 mm 以上の大きなサンゴ礫(か務局では, 1995 年に作成された「サンゴ礫混じり土調たまりの部分)を無視し, 9.5 ~ 37.5 mm のサンゴ礫だ査・設計マニュアル(案)」について,本稿で紹介したけを対象としてサンゴ礫の体積百分率を計算している。最新の知見等も反映しつつ,現在,改訂作業が進められ再構成試料では,サンゴ礫の体積百分率がある閾値(図ている。では 20 )より増えると,サンゴ礫が噛み合うように参なってせん断強さが増大する。しかし,高品質試料についてはばらつきが大きすぎて傾向を上手く記述できない。1)ある粒径を閾値として設定し,それよりも小さな粒子が占める部分は間隙であるとみなして算出する骨格間隙2)比6)を導入し,骨格の状態を記述することを試みた。砂とシルトの境界となる粒径0.075 mm で骨格間隙比を定3)義し(eg0.075と表すことにする),これを用いてプロットした強度との関係を図―に示す。再構成試料のみなら4)ず高品質試料についても,右下がりで下に凸な関係を明瞭に確認できる。さらに,再構成試料と高品質試料の両者の傾向が極めて近接しており,骨格間隙比 eg0.075が多5)様なサンゴ礫混じり土のせん断特性を統一的に解釈できる支配パラメータになっていることが分かる。なお,再構成試料に比べて,サンゴ礫が複雑な形状をしている(アンギュラリティが高い)高品質試料の方が,強度定数はやや大きくなっている。6)考文献親泊正孝・善 功企排水特性からみたサンゴ礫混じり土の強度評価上の区分方法,土木学会論文集,No. 771/III68, pp. 1~10, 2004.酒井運雄GP サンプリング,地盤工学会誌,Vol. 62,No. 10, pp. 37~38, 2014.平井孝治・規矩大義・大島昭彦・利藤房男サンプリングの泣き所も乱れの少ない方法で採取( GS サンプリング),地盤工学会誌,Vol. 63, No. 4, pp. 10~13, 2015.河合弘泰・園田慎一・渡部要一・松本昭二郎・池田政人・田 誠・北村良介サンゴ礫混じり土の新サンプリング手法と力学特性について,地盤工学ジャーナル,Vol. 10, No. 3, pp. 415~424, 2015.渡部要一・金子 崇・佐々真志サンゴ礫混じり土の力学特性―高品質試料のせん断特性に対する支配パラメータ―,港湾空港技術研究所報告,Vol. 55, No. 3, pp. 3~19, 2017.Kuerbis, R., Negussey, D., Vaid, Y. P.: EŠect of gradation and ˆne content on the undrained response of sand,Hydraulic ˆll structure, Geotechnical Special Publication21, ASCE, New York, pp. 330345, 1988.(原稿受理422017.1.17)地盤工学会誌,―()
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  • タイトル
  • 3. コンクリート塊(産業副産物・災害廃棄物の地盤工学的利用)
  • 著者
  • 黒田 泰弘・北垣 亮馬
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 43〜50
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120023
  • 内容
  • 産業副産物・災害廃棄物の地盤工学的有効利用.黒田泰弘(くろだ株 技術研究所清水建設やすひろ)グループ長コンクリート塊北垣亮東京大学大学院馬(きたがき工学系研究科りょうま)講師増加に転じる可能性も高いことが推察される。. は じ め に.. コンクリートリサイクルの現状2005年の講座「建設・産業副産物の地盤工学的利用」コンクリート塊の再資源化率については,図―.ににおいても,テーマの一つとして「コンクリート塊」は示すとおり2),平成 7 年度(1995年度)に65であった取り上げられ,盛土材料として利用されることを念頭に,ものが,平成 12 年度( 2000 年度)以降は 96 以上と極各種試験結果が示されている。コンクリート塊の再資源めて高くなっている。これは,国がコンクリート塊の再化の実態に関しては,当時から大きな変化はないものの,資源化を「公共建設工事における再生資源活用の当面の路盤材用途だけでは,将来的にリサイクルの持続可能性運用について(旧リサイクル原則化ルール)」(1991年)に不安があるという危機感は増しており,盛土材料へのや「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建展開についての期待はますます膨らんでいる。設リサイクル法)」( 2000 年)で原則化し,規制を強化本講座では,コンクリート塊の地盤工学的利用についする一方で,「建設リサイクル推進計画」( 1997 年,て,コンクリート塊を原料とした再生材(以下,コンク2002年)などで数値目標を定め,道路用材料(路盤材・リート再生材)の環境安全性や品質に関する最新の知見粒度調整材)への利用を誘導した結果と考えられる。2012 年度の再資源化率も 99 と,道路用材料としてを中心に紹介する。の利用は一見順調なように見られるが,都市部ではコン. コンクリート塊をめぐる問題クリート塊の供給が過多となり,より遠方まで運ばねば.. コンクリート塊の排出量の推移と建設廃棄物ならない状況を生じている。なお,平成17年(2005年)から平成 19 年( 2007 年)にかけて,コンクリート用再に占める割合図―.に建設廃棄物の排出量の推移を示す1) 。コン生骨材に係る JIS が制定されたものの,その製造のためクリート塊の排出量は 1995 年度をピークに減少していには新たな設備投資が必要なこと,またコンクリート用るものの,建設廃棄物に占める割合は最も大きく,今後再生骨材の利用について原則化ルールのような規制がな図―. 建設廃棄物の排出量の推移1)May, 201743 講  座いこともあり,普及は進んでいないのが現状である。こする恐れがあるため,コンクリートのライフサイクルののため,コンクリート塊の地盤材料としての利用用途の各段階における環境安全性に関する検討の必要性が論じ拡大が期待される。られるようになっている4)。.. 再生砕石及び再生砂をめぐる環境安全性我が国において,再生品を地盤材料に使用する場合にここでは,中間処理場から入手した再生砕石及び再生は,「土壌汚染に係る環境評価基準について(平成 3 年砂について,溶出試験条件の違いが Cr ()溶出量に8 月 23 日及ぼす影響を調査した結果について紹介する5)。溶出試環境庁告示第 46号法)」(以下, JLT 46 法)溶出試験条件の違いが及ぼす影響によってその環境安全性を確認することが一般的である。験条件は表―.に示すとおりであり, 2 mm ふるい通しかしながら, JLT 46 法は元来 2 mm 以下の土壌を対過試料(< 2 mm )を用いて行う JLT 46 法のほか,試象とした判定試験であるため,コンクリート再生材を対料を有姿とすること以外は JLT46法に準じた溶出試験象とした場合の妥当性は明らかにされていない。コンクリート塊をめぐる環境安全性(以下,バッチ法),溶出操作を撹拌とすることで有姿のまま溶出試験を行う JIS K 00581「スラグ類の化学物セメントには様々な微量成分が含有されており,生コ質試験方法―第 1 部溶出量試験方法」による溶出試ン製造時の工場の洗浄水やブリーディング水からは比較験(以下, JIS 法),さらに強制的な溶出操作を行わな的高濃度の六価クロム(以下,Cr())が検出される3)。い代わりに,試料を長期間浸漬する建設省技調発第 49しかし, Cr ()は硬化過程でセメント水和物中に固号「セメント及びセメント系固化材を使用した改良土の定されるため,硬化後のコンクリートからの溶出につい六価クロム溶出試験実施要領(案)」によるタンクリーては,従来あまり問題とされてこなかった。ところが,チング試験(以下,TL 法)の 4 つである。中性化(炭酸化)した破砕片からは Cr ()が再溶出図―.より再生砕石からの Cr()溶出量は JLT46法>TL 法>JIS 法という傾向であり,JLT46法で土壌環境基準を上回るものがあった。JLT46法の溶出量がほかの方法に比べて明らかに大きい理由として,同じ質量でも 2 mm ふるい通過試料の方が溶媒に接する表面積が有姿で行う場合に比べて大きいことに加え,セメント含有量が多いことが指摘されている。一方,図―.図―. コンクリート塊の再資源化率の変遷2)より再生砂からの Cr ()溶出量は,概ね JLT 46 法> TL 法> JIS 法≒バッチ法の傾向であり,全体的に試表―. 溶出試験条件験条件による差は小さく, JLT46法以外でも土壌環境基準を上回るものがあった。試験条件による差が小さかった理由として,溶媒に接する表面積の差はあるものの,セメント含有量の差が小さい点が指摘されている。なお,同じ有姿の場合でも, JIS 法( 6 時間撹拌)より TL 法(28日間静置)の Cr()溶出量が大きくなる理由としては,溶出時間の影響を挙げ, Cr ()の溶出が平衡濃度に達するまでに長い時間が必要なことを示唆している。周辺の土壌環境が及ぼす影響コンクリート再生材から Cr ()が溶出する場合でも,吸着・還元などの作用を周辺土壌が有すれば,溶出後の Cr ()濃度は低減すると考えられる。ここでは,性質の異なる土試料と Cr ()溶出液とを用いてビー図―. 再生砕石からの Cr()溶出試験結果44図―. 再生砂からの Cr()溶出試験結果地盤工学会誌,―() 講  座図―. pH と Cr()濃度との関係図 ―. pH と Eh と の 関 係 実 線 は Richard と Bourgがクロムの熱力学平衡定数を使って作図したCr()及び Cr()の安定領域図―. 東京ブランドの品質管理プロセスのフローチャートカー撹拌試験を実施した結果について紹介する6)。()の水溶液に硝酸を加えて pH と濃度を調整)であ土試料は,山口県豊浦産珪砂の砂( T ),信楽土の粘る。土試料を入れたビーカーに,所定の液固比(5, 10,土(C),関東ロームの火山灰質粘性土(K),黒土の有20)となるように溶出液を加え,6 時間スターラーで撹機質土( O )の 4 種類であり, Cr ()溶出液は, Cr拌した後,上澄み液を0.45 mm のメンブランフィルター(  ) 濃 度 が 0.055 mg / L で pH が 異 な る 溶 液 4 水 準を用いて吸引ろ過し,得られた検液の Cr ()濃度等(pH 12.2, 8.0, 7.2, 3.9/セメントより抽出した水溶性 Crを測定し,硝酸あるいは水酸化カルシウムを用いて pHMay, 201745 講  座表―.地盤材料としての利用を想定した再生砕石の各種性能規格(案・2016年12月版)を維持する操作を行ったケースについても測定を行ってれる。なお,火山灰質粘性土(K)や有機質土(O)のいる。場合には,pH が 8 程度で Cr()の安定領域にない場ビーカー撹拌試験の pH と Cr ()濃度との関係を合でも,液固比が小さくなると, Cr ()濃度が減少図―.に, pH と酸化還元電位 Eh との関係を図―.しており,還元だけでなく,吸着の影響が示唆される。に示す。図―.より,試料の違いによらず, pH が下特に Cr ()濃度の減少が大きい有機質土( O )は,がるほど, Cr ()濃度が減少する傾向にあるのが分高い吸着効果を有しているものと推察される。かる。この理由は,図―.より明らかなように Cr()を含む溶液の pH が下がると,Cr()の安定領域からCr ()の安定領域に移行し,還元するためと考えら46地盤工学会誌,―() 講  座May, 2017表―.地盤材料としての利用を想定した再生砕石の各種性能規格(案)表―.地盤材料としての利用を想定した再生砕石の各種性能規格(案)47 講  座. 地盤材料としての利用.. 地盤材料として使用する場合の品質管理プロてその品質を見極めてきた。このような経緯から本制度では,解体工事業界から再生砕石業界までの全プロセスの業界団体が一体となって品質管理プロセスを規格化しており,これによって,解体工事にも品質管理グレードセス再生砕石を地盤材料として使用する際に求められるのを設けられるようになった。 地盤材料として利用される場合に求められる力学は,◯これまでは中間処理場だけに頼ってきたコンクリート 地中に入ることで周辺に性能を十分に満足すること,◯塊の品質管理が,回収・製造プロセスのあらゆる場面に重大な環境変化をもたらす懸念のある有害成分の含有量組み込まれ,平準化されたことによって,品質の安定化が十分に小さいこと,の 2 つであると考えられる。まと管理コストの効率化ができるものと考えている。た,これらを満足するために,構造物から解体されたコ.. 地盤材料として使用する場合の性能ンクリート塊に再生利用のための品質基準を設け,品質ここでは,再生砕石の地盤材料としての利用を考えたのばらつきやそれに起因するリスクを極力低減すること場合に求められる性能について解説する。これまでの知も求められる。見から,再生砕石製造業者にとって製造しやすく,かつ,東京都では,再生砕石を取扱う業界団体((一社)東京知見が得られている地盤材料として利用された再生砕石建設業協会,(一社)東京都産業廃棄物協会,(一社)東京の粒度分布や適用事例に基づき,製品の性能規格(案)建物解体協会)が一丸となって合同 WG を組織し,こを表―.に整理した。満足すべき性能を,文献及び通のような要件を実現するために,再生砕石の地盤材料利常の盛土材料の規定を参照して作成した。用を念頭においた性能の規格化及び品質管理プロセスを構築した。図―.に概要(案・2016年12月版)を示す。.. 地盤材料として使用する場合の環境安全性次に,再生砕石が地盤材料として利用される際に,接この制度の特長は,これまでの再生砕石の製造に至るする土壌への安全性の考え方について解説する。再生砕までの品質管理と異なり,コンクリート構造物の解体品石は,再生砂の粒度範囲を含むものの,それより大きな質のグレードを設けた点にある。例えば,解体工事業者粒度をも多分に含んだ形態をしている。また,利用場所が適切な処理によって付着物や不純物の少ないコンクも地下水面や公共用水域から離れた場所や透水性が小さリート塊を回収した場合,そこから得られる再生砕石はい場所への適用も多いものと考えられることから,再生良品になりやすいものと考えられる。この一方で,不純砕石を含む土壌が土壌汚染対策法を満足するように,製物や付着物が多いコンクリート塊が回収された場合,そ品として適切な品質管理基準を定める必要がある。こから得られる再生砕石は,地盤材料として意図せぬ物「コンクリート用骨材又は道路用等のスラグ類に化学質の溶出や力学性能のばらつきなどのリスクが相対的に物質評価方法を導入する指針に関する検討会(委員長高まる場合があると考えられる。これまで中間処理場は独 国立環境研究所)大迫政浩,」では,「スラグ類に留まコンクリート塊の受け入れの段階で,多大な労力をかけらず,スラグ類を含めたあらゆる循環資材に共通化でき表―. 土壌汚染対策法を遵守するための再生砕石の溶出・含有試験方法48地盤工学会誌,―() 講  座表―. 都内数社の中間処理場の現在の RC40 の性能試験結果(地盤材料として要求される性能との比較)る環境安全品質とその検査方法を導入するための基本的 においては,発注者と十分協議した上で,環境まずな考え方」を総合報告書(平成24年 3 月21日 経済産業状態を鑑み,利用のための詳細調査と配慮を実施するも省 産業技術環境局 産業基盤標準化推進室)として取り においては,周辺土壌や地下水等のとする。そして, 最も配慮まとめており,その基本的な考え方として,◯の環境媒体が長期にわたってそれぞれの環境基準を遵守 放出経路に対応した試すべき曝露環境に基づく評価,◯できるように,利用形態の有姿での溶出試験( JIS K 利用形態を模擬した試験方法,◯ 環境基準等験項目,◯0058 1 )結果が土壌汚染対策法の溶出量の 1 倍基準程 環境安全品質を保証を遵守できる環境安全品質基準,◯度を満足し,かつ粉砕試料による含有量試験( JIS Kするための合理的な検査体系を提案している7)。よって,0058 2 )の結果が,土壌汚染対策法の基準値を遵守でスラグ類と同様の場所への利用が多いと考えられる再生きるように設定するものとする。また,有姿試験の基準砕石においても,最も配慮すべき曝露環境,想定されるとなる最も配慮すべき曝露環境については,「コンクリー放出経路・懸念事項を予め整理・設定し,製品有姿でのト用骨材又は道路用等のスラグ類に化学物質評価方法を溶出試験,粉砕しての含有量試験をすることで,周辺土導入する指針に関する検討会 総合報告書」7) の表― 3.1壌が土壌対策基準法を十分満足することが求められる。に準じて実施するものとする。 公共用水,地下水がそこで,適用する場所として,.. 再生砕石の性能試験結果の例近い土壌,酸性や海水が近い土壌など特別な配慮が必要これまで述べてきたように,地盤材料として再生砕石と考えられる場所やさらなる再利用(再掘削して再利用を利用する場合の性能について,そのフィージビリティ それ以外の場所や再するなど)が考えられる場合と,を検証するために,都内の再生砕石製造業数社の RC40利用が考えられない場合を区別することとした。0,RC4010について表―.の試験項目に基づき性能May, 201749 講  座評価試験を実施した。その結果を表―.に示す。概ねの観点からは Cr ()の溶出を誘引する可能性があり,要求性能を満足していることから,地盤材料として問題望ましくないものの,その再利用を適切に行うことは,なく利用できるものと考えられる。低炭素化を推進する観点からも望ましいと考えられる。. お わ り に以上,コンクリート塊の地盤工学的利用という観点から,特に盛土材料として利用する際の性能と環境安全性について述べてきた。今後,コンクリート塊を原料とした再生材を,こうした用途で展開していくには,性能や参1)2)3)環境安全性に関する議論だけでは不十分であり,経済性(コスト増にならない)や供給体制(一定の品質のもの4)の安定供給を)に関する検討,また路盤材利用以外の用途への誘導や規制等による行政による後押しも必要になるものと考えられる。5)なお,コンクリート塊とその他の産業再生資材との違いとして,二酸化炭素(以下,CO2)の固定作用が挙げ6)られる。北欧の国を中心としたプロジェクトの報告書に 解体コンクリートは,破砕によって表面積がおいて,◯7) 中性化によって CO2増え,急速に中性化すること,◯は固定されるので,コンクリートの LCCO2 の算定に含めるべきことが示されている8),9) 。また,土木学会の「 CO2 削減を考慮したコンクリート構造物の解体,再利8)用,補修技術に関する調査研究小委員会(219委員会)」でも検証されており,国土交通省国土技術政策総合研究所の全国調査によって,コンクリートの供用及び再資源9)化による CO2 の固定量が約 24 kg CO2 / t であることが報告されている10) 。つまり,年間約 3 000 万 t の解体コンクリートが再資源化されているとした場合,72万 t のCO2 がコンクリート塊に固定されていることになり,10)考文献国土交通省平成24年度建設副産物実態調査結果,参考14,2014.国土交通省平成24年度建設副産物実態調査結果,参考16,2014.宇賀神尊信セメントに含まれる微量成分の環境への影響,コンクリート工学, Vol. 39 , No. 4 , pp. 14 ~ 19 ,2001.土木学会コンクリートからの微量成分溶出に関する現状と課題,コンクリートライブラリー111,pp. 1~63,2003.黒田泰弘・輿石直幸解体コンクリートからの六価クロム溶出に関する研究,日本建築学会構造系論文集,Vol.74,No. 646,pp. 2155~2161,2009.黒田泰弘・輿石直幸コンクリート解体材からの六価クロム溶出に及ぼす外的要因の影響,日本建築学会構造系論文集,Vol. 75,No. 656,pp. 1803~1808,2010.コンクリート用骨材又は道路用等のスラグ類に化学物質評価方法を導入する指針に関する検討会 総合報告書,( 平 成 24 年 3 月 ), 入 手 先 〈 https: // www.jisc.go.jp /newstopics / 2012 / 201203slag _ hokokusho.pdf 〉( 参 照2016.10.7)BJORNÄLAGERBLAD: Carbon dioxide uptake duringconcrete life cycle State of the art, ISBN 9197607002, ISSN 03468240, CBI report 2: 2005.GuUni J áonsson: Information on the use of concrete inDenmark, Sweden, Norway and Iceland, The IcelandicBuilding Research Institute Rheocenter, ISBN:9979917474, 2005.神田太朗・曽根真理・岸田弘之コンクリートの供用および再資源化による二酸化炭素の固定に関する全国調査,コンクリート工学,Vol. 49,No. 8,pp. 9~16,2011.その影響は無視できない量である。したがって,コンクリート塊の中性化は,環境安全性50地盤工学会誌,―()
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  • タイトル
  • 3. 過去の地震を発掘する―活断層の活動履歴調査― (地盤に刻まれた大地震の痕跡)
  • 著者
  • 堤 浩之・近藤 久雄
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 51〜58
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120024
  • 内容
  • 地盤に刻まれた巨大地震の痕跡.堤 浩之(つつみ過去の地震を発掘する―活断層の活動履歴調査―ひろゆき)同志社大学理工学部 教授(元・京都大学大学院 理学研究科 准教授). は じ め に近藤久産業技術総合研究所雄(こんどうひさお)活断層・火山研究部門主任研究員わり,活断層調査は地震被害軽減のための中心的な調査に位置づけられることとなった。活断層調査を迅速に進活断層とは,最近の地質時代(第四紀・第四紀後期なめるために,地震調査研究推進本部は地方公共団体に調ど)に繰り返し活動し,将来も活動してマグニチュード査費用を交付し,それまでとは比較にならないほど多く7 クラス以上の大地震を発生させることが推定される断の調査がその後の約 10 年間で行われた。そして,それ層である。したがって,将来いつ活動し,どのような地らの活断層調査・活動履歴調査で得られたデータを基に震を発生させるかを予測するためには,過去の活動履歴して,約100の主要活断層帯の長期評価が1996年より公を知ることが必要である。日本の内陸活断層の活動間隔表されており,現在も継続中である。地震調査研究推進は概ね 1 000年以上であり,歴史時代に活動したことが本部による調査によって,主要活断層帯の活動履歴の概観察・記録されている活断層はごく僅かである。ほとん略は解明されたが,近年ではその成果を踏まえ,長期的どの活断層については,過去の活動の痕跡は地盤を構成地震発生確率の高い断層や近年大地震を引き起こした断する地形や地層に記録されており,その痕跡を地形学や層( 2014 年長野県北部の地震を引き起こした糸魚川―地質学の論理に基づいて読み取ることが必要となる。静岡構造線断層帯北部や 2016 年熊本地震を引き起こし本章では,陸上や内湾の浅海底に分布する活断層の活動履歴を読み取る地形・地質学的手法について解説する。その後,国内外の典型的な調査事例を紹介し,最後に活断層の活動履歴調査に関する課題や展望を述べる。た布田川―日奈久断層帯など)を対象とした重点的な調査が継続されている。地震活動・地殻変動の激しい我が国の活断層研究は,米国などと並んで世界をリードする立場にあり,国内だなお,古文書として史料の残っている時代に発生したけではなく海外でも多くの優れた研究が行われている。地震を歴史地震( historical earthquake )と呼び,それそれを反映して,トレンチ掘削調査法や古地震調査に関以前に発生した地震を古地震( paleoearthquake )と呼する優れた解説も既に存在する。日本語では,トレンチぶ。我が国では,古文書に地震被害の記録があり,さら掘削調査法について基本的な概念や調査の実例を詳細にに活断層調査で震源となった活断層が特定された最古のまとめ,課題や展望を示した教科書がある4)。英文では,地震は679年の筑紫の地震(水縄断層の活動による)で古地震学について国際的な視点からレビューし,基本的ある1),2) 。本章では,主として先史時代の古地震の地な概念や方法論に関する最先端の情報を世界的な事例を形・地質学的調査を中心に解説する。基に詳しく解説したものがある6)。やや専門的ではある我が国における活断層の活動履歴調査,特に後述するが,古地震学に関する網羅的な教科書も出版されておトレンチ掘削調査は, 1943年の鳥取地震( M7.3 )時にり7),活断層研究者にとっては必読の教科書となってい活動した鹿野断層について 1978 年に行われたものが最る。初である3)。この調査では,1943年の地震とさらに古い地震の痕跡が見出され,変位の累積性やおおよその活動間隔も解明された。それに引き続く幾つかの調査を通じて,活断層の存否・ずれの向き・活動時期・活動間隔などの解明にトレンチ掘削調査が非常に有効であることが. 過去の断層活動(地震)の痕跡をいかにして解読するか.. 地層に記録された過去の断層活動(地震)の痕跡認識された。そこで 1981 年度から,東京大学地震研究過去の断層活動(地震)の痕跡を読む鍵は,定常的な所・通産省地質調査所(当時)・京都大学防災研究所で地質プロセス(侵食・堆積など)を記録する地層の中に,は地震予知計画の中にトレンチ掘削調査を取り入れ,計断層活動による地形や地層の切断や変形を認定すること画的に調査を行うこととなった4)。である。また断層活動の時期を特定するためには,断面1980 年代及び 1990 年代の前半を通じて,トレンチ掘として見える地層境界のどの部分が地表に露出していた削調査は毎年数地点で継続的に行われ, 1994 年までに(地表面をなしていた)時に断層活動が起こったのかを50以上の地点で調査が行われた5)。その後,1995年 1 月認定する必要がある。断層活動時に,地表に露出していの阪神淡路大震災と同年 6 月の地震調査研究推進本部た地層面をイベント層準と呼ぶ。イベント層準は明瞭なの設立によって,活断層研究を取り巻く状況が大きく変地層境界として認定できることもあれば,ある地層の堆May, 201751 講  座積中の期間などのように,ある時間幅を持ってのみ認定できることも多い。図―.は,ほぼ垂直な露頭に現れた地層の堆積構造や変形構造から,過去の断層活動の痕跡をいかにして読み取るのかを模式的に示したものである6),8)。以下に,代表的な事例について,断層活動の痕跡やイベント層準をどのように認定するのかを簡潔に記載する。A)不整合面 a より下位の古い地層は断層により切断されているが,それが未変形の地層によって被覆されている場合に,切断された地層の堆積後で被覆する地層の堆積前に断層活動があったと考えられる。この場合には,不整合面 a が最新の断層活動のイベント層準を示す。また断層によって切断されている地層に着目すると,下位の地層は上位の地層よりもより大きく上下に変位している。下位の地層のより大きな変位は,最新とそれ以前の断層活動の累積変位量を示すと考えられ,変位量の異な図―. 露頭で観察される断層活動(地震)の地質学的痕跡の解読法を示す模式図6),8) 。黒三角はイベント層準を示するそれらの地層を隔てる不整合面 b がより古い断層活動のイベント層準となる。B)断層運動に伴い出現した崖が,崖の上部から崩落してきた未変形の堆積物に覆われている場合には,断層により切断されている地層の堆積後で未変形の地層の堆積前に断層活動があったと考えられる。崩落堆積物は,通常,断層活動に伴う地震動や直後の地形改変過程で速やかに堆積することが多い。C)断層変位によってかつての地表に出現した割れ目とそれを埋める堆積物は,断層活動の痕跡と考えられる。割れ目を埋める堆積物は,断層が活動した時に既に地表に堆積していた場合もあるし(図―.はこの場合を示す),断層活動後に速やかに堆積して割れ目を埋めた場図―. 2011 年 4 月の福島県浜通りの地震( M7.0 )で井戸沢断層に沿って出現した地震断層のトレン合もあり得るので,露頭の詳細な観察が必要である。チ掘削調査。写真の中央部を横切り手前側が低D)下した崖が地震断層強震動に伴って地層(通常は粒径の揃った砂層)が液状化し,それが地表に噴出したことを示す砂脈や噴砂跡がある場合には,その地域がある時期に強震動に見することが必要である。しかし通常は,そのような条件舞われたことを示す。噴砂は,地震発生時の地表を覆っを満たす自然露頭はほとんど存在しない。道路工事によて堆積するので,考古遺跡などのように遺構面の年代がって偶然に出現した活断層露頭から,阿寺断層の最新活詳しく分かる場合には,歴史地震との対応を検討できる動時期と活動間隔を明らかにした例もあるが10) ,その重要な情報となる9)。ような露頭が出現することは稀である。一般的に,地層実際には,上記のような古地震の痕跡が複雑に混じりは地形の低所を埋めるように堆積するので,トレンチ掘合った露頭が多く,個々の断層活動の痕跡を分離するの削調査では低地を人工的に掘り込むことが必要となる。は容易ではない。地形の発達過程や地層の堆積過程を考トレンチ掘削調査の適地としての条件は,断層の通過慮しながら断層活動の履歴を紐解き,断層活動の存在の位置が精度良く決められること(数 m 以内),年代測定確からしさをランク付けしながら作業を進めることになが可能な比較的新しい地層が連続的に堆積していること,る。ひとつの断層活動イベントが,複数の痕跡から裏付掘削地や土砂置き場も含めて十分な広さがあること,なけられればその確実性は高くなり,そうでなければ確実どが挙げられる。人口密度が高く,集約的な土地利用が性は低くなる。行われている我が国では,調査適地を見出すことが困難.. トレンチ掘削調査な場合が多い。トレンチ掘削調査の成否は,掘削地点のトレンチ掘削調査とは,断層が通っている場所に調査選定でほとんどが決まるといっても過言ではない。その溝(トレンチ)を掘り,断層や断層変位を受けた地層のためには,調査候補地周辺の「地形を読む」目が試され断面を人工的に露出させ,過去の断層活動を解読する調る。地形の人工改変の有無についても注意が必要である。査方法である(図―.)。断層の最近の地質時代(例え調査候補地の選定ができたら,地権者に調査の趣旨や工ば過去数千年間)の活動履歴を明らかにするためには,事の内容を説明し,調査許可を得ることに努力する。さその期間に堆積し,しかも年代測定が可能な地層が存在らに,地元の教育委員会などに赴き,調査予定地が埋蔵52地盤工学会誌,―() 講  座文化財包蔵地であるか否かの確認も必要である。国内での調査の場合には,通常幅数 m ,長さ約 10 m,炭素年代測定試料は,現生の根などの不純物を取り除き,AMS (加速器質量分析)年代測定機関に測定を依頼す深さ約 3 m のトレンチを重機を用いて掘削することがる。得られた放射性炭素年代値は,無料で公開されてい多いが(図―.),調査地の広さや形状,変形帯の幅なる OxCal11) などのプログラムを使って,暦年補正をすどによって規模や形状は大きく変わる。なお,断層の通る必要がある。 OxCal では,試料の年代値に層序の情過位置を精度良く決められない場合や,トレンチの掘削報も加えることで,断層活動の年代を統計学的に算出す深度よりも深い部分の情報を得たい場合には,掘削の前ることが可能であり,最近の古地震学的研究では必須の後に地中レーダ探査や電気探査などの物理探査,あるい解析となっている。火山灰試料は,水洗・超音波洗浄後,はボーリング掘削などを併用することも多い。火山ガラスの形態や重鉱物組成,屈折率などを基に広域トレンチ掘削調査の一般的な行程は以下の通りである。調査地が水田や畑の場合には,耕作土(表土)を剥◯ぎ,掘削土砂とは別に保管する。火山灰と対比する。土器片は,地元の教育委員会の考古学の専門家に時代鑑定を依頼することが多い。このような作業を通じて,トレンチ掘削調査では断層幅約 1 m で深さ約 1 m の浅い溝を断層の走向に直活動(地震)の発生時期や活動間隔,個々の断層活動に交して掘り,断層の通過位置や変形帯の幅を確認する。伴う変位の向きや量を明らかにし,活断層から発生する◯断層の通過位置を考慮してトレンチの最終的な形状◯を決め,本トレンチの掘削を開始する。崩壊を防ぐために,深さや堆積物の状態に応じて壁面には適当な傾斜をつける。重機での掘削の段階で壁面をなるべく平滑にしておくと,後の作業が楽になる。◯重機での掘削が終了したら,ねじり鎌などを使って人力で壁面を平滑にする。地震の長期予測に資するデータを取得することができる。. 調 査 事 例.. 過去回の断層活動の履歴が判明した事例(丹那断層)トレンチ掘削調査では,なるべく多くの古地震活動の痕跡を読み取り,その発生時期を明らかにすることによ◯壁面に水糸でグリッド(通常 1 m 間隔)を設ける。って,平均的な活動間隔やその揺らぎなどの検討が可能◯地層境界や層相,及び変形構造に着目しながら,壁となる。これまでに我が国で行われたトレンチ掘削調査面のスケッチをする(通常縮尺 1/20~1/10)。写真も数で,最も多くの地震イベントが解読された例として,次にわたり撮影し,正確な記録を残す。スケッチをする1980 年と 1982 年に伊豆半島北部の丹那断層で行われた壁面の面積にもよるが,通常はスケッチの作成に最も時調査事例12) を紹介する。丹那断層は, 1930 年の北伊豆間がかかる。最近は,壁面の写真をつなぎ合わせて一枚地震( M7.3 )の際に活動した断層であり,丹那盆地とのモザイク写真を調査中に作成し,スケッチに要する時その周辺に左横ずれの地震断層を出現させた。調査地点間の短縮をはかることもある。は,地震直後に作られた詳細な地割れ(地震断層)分布地史や地形発達を考慮しながら,複数の参加者で地◯図を参照して,その地割れ帯に直交するように掘られた。層の区分や対比を行い,さらに断層構造やイベント層準1980 年 10 月に掘削されたトレンチは,深さが最大 3 mを議論する。この作業は,スケッチのコピーに色を付けの予察的なものであった。 1982 年 2 月には,同じ箇所ながら行うことが多い。で深さ約 7 m ・長さ約 30 m の巨大なトレンチが掘削さ地層の堆積年代を決めるために,放射性炭素年代測れた(図―.)。壁面にはシルト・泥炭・礫などからな定試料(炭・木片・腐植土など)・火山灰・土器片などる過去約6 000~7 000年間に堆積した地層が露出した。を採取する。それに加えて,4 枚の火山灰層が見出された。◯◯トレンチを埋め戻す前までに,調査地の詳細地形図丹那断層は幅 1~2 m の断層帯をなし,最上部の水田をトータルステーション等を用いた現地測量により作成土壌を除く全ての地層を切断・変位させていた。断層帯し,トレンチの位置や形状を正確に記録する。以上)で傾斜する。は横ずれ断層に特徴的に高角度(80°◯トレンチを埋め戻す。後に沈下等が起こらないよう地層と断層の間に見られた,1)切った・覆われたの関によく転圧しながら作業を行う。作業終了後,地権者に係, 2 )裂けた・埋まったの関係,及び 3)断層の両側現地を確認してもらい了解を得る。断層活動の認定そのものに問題があれば,結果としてで厚さが異なる地層・厚さが同じ地層の存在に基づき,9 回の断層活動の痕跡が認められた。このうち最新のも得られる活動時期や活動間隔は無意味であるので,壁面のが 1930 年の北伊豆地震にあたり,新しい方から 3 番の詳細な記録(スケッチ・写真)を必ず残す必要がある。目のものは紀元841年の伊豆の地震と考えられている。また調査はできるだけ関連分野の研究者に広く公開し,確認された 9 回の断層運動の発生間隔は,およそ700~なるべく多くの専門家と議論をすることで,解釈の客観1 000年であった12)(図―.)。この活動間隔は,日本性を担保するようにすべきである。またひとつの調査地の内陸活断層の中で最も短いもののひとつである。点で,過去の断層活動の記録が欠落なく保存されているこのトレンチ掘削調査が大きな成果を収めたのは,とは限らないので,可能な限り複数地点で調査を行い,1)大規模なトレンチを掘削できるような広い調査用地調査結果を統合することが望ましい。を確保できたこと,2)地層が比較的連続的に堆積する現地調査後は,採取された試料の分析を行う。放射性May, 2017ような環境にあったこと,3)放射性炭素年代測定(当53 講  座図―. 1991年に徳島県阿波市市場町上喜来で行われた中央構造線断層帯父尾断層のトレンチ掘削調査の位置と周辺の畦・旧河道の右屈曲14)図―. 丹那断層の1982年調査の北壁面の写真。岡田篤正氏撮影図―. 丹那断層の 9 回の地震イベント(A~I)の年代。個々の地震イベントに対して,白抜きと黒塗りの枠が示されている。黒塗りの枠は, 4 枚の火山灰層の年代・層位を基に堆積速度が一定と仮定した場合の個々の地震イベントの年代幅を示す。白抜きの枠は,火山灰の年代と放射性炭素図―. 父尾断層のトレンチ掘削調査の東壁面の断層部のスケッチ。P21~P2.4 は考古学遺物を,C21 は放射性炭素年代測定を行った炭の採取位置を示す14)られた14)(図―.)。長さ約15 m で深さ約 3 m のトレ年代測定値を総合して得られた個々の地震イベンチを掘削したところ,その東壁面と西壁面に明瞭な断ントの年代幅を示す12)層が露出した(図―.)。壁面には,日開谷川によって運ばれてきた礫層と砂層が見られ,断層によって南落ち時はβ線計数法)が可能な腐植質土壌が多くの層準からに変位している。東壁面では 2 条の断層が確認された。採取されたこと, 4 ) 4 枚の火山灰層が壁面に露出し,北側の断層( F2 1 )は,人工改変を受けた地層以外の放射性炭素年代測定結果の解釈の補助となったこと,なすべての自然堆積の地層を切断しているのに対し,そのどが挙げられる。しかし何よりも,日本における本格的南側の F22 は 24 の礫層は変位させているが,23 のなトレンチ掘削調査の開始当初に行われ,主要な活断層砂層に覆われる。すなわち F2 1 と F22 は異なる時期研究者が長期間にわたり観察議論を繰り返して,地層かに活動し,最新活動の際には F21 が活動したと考えらら最大限の情報を引き出すことができたことが大きい。れる。 F21 の先端部には楔形をしたシルト層が分布し,.. 歴史地震との対応と地震時の横ずれ変位量がこれは層位や層相より父尾断層の最新活動の際に生じた分った事例(中央構造線父尾断層)地割れを埋めたかつての水田土壌であると判断された。トレンチ掘削調査と調査地周辺の地形調査により,活この中から,中世末期( 16 世紀頃)に仏具を作った鋳断層が中世以降に活動した証拠が見出され,またその際型の破片が出土した(P21)。すなわち,父尾断層の最の横ずれ変位量が判明した例として, 1991 年に行われ新活動時期はこの遺物の形成年代よりも後になる。た中央構造線断層帯父尾断層のトレンチ掘削調査の事例を紹介する。四国は,中世以前の地震に関する古文書に乏しいが,社会が安定した江戸時代以降の地震の記録はほぼ欠落な本トレンチ掘削調査は,徳島県阿波市市場町上喜来でく残されていると考えられる。よって父尾断層の最新活行われた。ここには,南流する日開谷川の河岸段丘を横動時期はほぼ 16 世紀に限定でき,その中でも 1596 年の切る東西走向・南落ちの低断層崖が存在し,中央構造線慶長伏見地震の際に活動した可能性が指摘されてい断層帯の第四紀後期の活動を示す典型的な変位地形としる14)。 F22 が切断する 24 礫層の最上部からは,弥生て知られていた13) 。この付近に,徳島縦貫自動車道が式土器の破片が出土した。またその近傍から採取された建設されることになり,この低断層崖の東に位置する日炭は, 2250 ± 130 yBP ( years before present , 1950 年開谷川の谷底低地で,トレンチ掘削調査を行う機会が得を年代値の基準年とする15) )の放射性炭素年代値を示54地盤工学会誌,―() 講  座した。よって,父尾断層のひとつ前の活動は,約 2 000年前に起こったと考えられる。トレンチ調査地周辺では,断層の推定通過位置で,水田の畦や旧河道が系統的に右屈曲しており,その屈曲量は 7.0 m ・ 12.9 m ・ 6.2 m ・ 7.6 m と計 測 され た (図 ―.)。このうち,7 m 程度のものが最新活動時の右横ずれ変位量を示し, 12.9 m の変位は過去 2 回の断層運動に伴う累積変位量と考えられる。図―. トルコ・北アナトリア断層系で連鎖的に生じた20世紀の大地震21)この調査は,四国の中央構造線断層帯が中世以降に活動したことを地形・地質学的に実証した最初の研究となった。この調査以降,四国で行われた多くのトレンチ掘削調査で,中央構造線断層帯が過去数百年間に活動した痕跡が見出されている。また四国の中央構造線断層帯沿いには,最近の活動に伴う変位量を示す数 m 規模の横ずれ地形や条里制の区割りなどが残されており,長大な断層に沿う 1 回の地震時の横ずれ変位量が断層沿いに大きく変化することが明らかにされている16)。.. 過去複数回の地震の時期と変位量が分かった事例(トルコ・北アナトリア断層)図―. 1942 年地震時に活動した断層上で実施した 3Dトレンチ調査6) 。断層に直交する方向だけでなく,平行する方向にも多数のトレンチを掘削し,過去の複数回の地震に伴う横ずれ量を復元した。これまでの活断層研究では,ある活断層帯からは同じような規模の大地震が,数百年から数千年の間隔で規則紀に M7 クラスの大地震が次々と連鎖的に発生したこ的に繰り返し発生する比較的単純なモデルが考えられてとが知られている(図―.)。また, 1668 年には,同きた。しかし実際には,複数の活断層によって構成され断層系中部の複数の断層群が長さ約 600 km にわたってる大規模な活断層帯では,複数の断層が同時に活動する同時に活動し,M8 クラスの巨大地震を発生させた可能ことによって,ひとつの活断層が単独で活動するよりも性が歴史記録をもとに指摘されている22) 。そこで, 20規模の大きな地震が発生することが知られている。例え世紀に周辺の断層とは連動しなかったと考えられる M7ば, 1992 年にアメリカ・カリフォルニア州で発生したクラスの地震と,複数の活断層区間が同時に活動して巨ランダース地震( M7.3 )では,雁行配列する複数の活大地震となった 1668 年地震時の変位量を比較すれば,断層が連動して活動した17) 。日本でも, 1891 年の濃尾連動しなかった場合と連動した場合の個々の断層の挙動地震( M8.0)では,濃尾断層帯を構成する複数の活断の違いが明らかになるはずである。層が同時に活動し,全長約 80 km の地震断層が出現し北 ア ナ ト リ ア 断 層 系 中 部 で 発 生 し た 1942 年 の 地 震た18) 。このように,複数の活断層が同時に活動して生(M7.0)では,長さ約48 km の断層区間がずれ動き,調じる地震は連動型地震と呼ばれ,その発生様式の解明は,査対象地点では地表に 3 m の右横ずれを生じたことが将来発生する地震規模を予測する上で重要な課題となっ分かった。さらに,三次元的なトレンチ調査(図―.)ている。と地形測量を実施した結果, 1668 年の地震に伴う右横この課題の解決へ向けた調査方法のひとつは,個々のずれ量が約 7~8 m と1942年よりも 2 倍以上大きかった大地震によって生じた断層のずれの量を地形や地質からことが分かった。この調査結果は,複数の断層が連動し復元する方法である。活断層が活動して大地震が発生すた場合としなかった場合では,同一地点でのずれ量が大ると,活断層に沿って地表にずれが生じる。そのずれのきく異なることを示している。量は,数 10 cm 程度から 10 m を超えるものまで様々でこのように,地震ごとに同一地点でのずれの量が異なある。重要な点は,ずれの量は一般的に地震規模に比例るという事実は,ひとつの活断層帯からは同じような規して大きくなるということであり,例えば M7 の地震模の大地震だけが繰り返すという考えでは説明できず,では 2 m 程度, M8 の巨大地震では 10 m 程度という経今後国内外の他の活断層帯でも検討されるべき課題であ験的な関係式が知られている19),20) 。地表のずれは大地る。また,ある活断層帯で復元された地震に伴うずれの震のたびにほぼ同じ位置で繰り返し生じ,数千年から数量が大きい場合には地震規模も大きかった可能性があり万年前に形成された地形や地層に長期的なずれの累積と(その逆のパターンもあり得る),地震時のずれの量の情して記録されている。そこで近年,三次元的に多数のト報を整備することにより,個々の地震像を詳細に復元でレンチを掘削して,数回分の大地震の横ずれの累積量やきる可能性がある。このように,断層の変位量を詳細に個々の大地震の横ずれ量を復元する調査が実施されてき解析することにより,活断層帯から将来発生する地震規た。以下に,トルコ・北アナトリア断層系の調査事例を模の推定の高度化につながることが期待される。紹介する21)。北アナトリア断層系は全長 1 200 km にわたり, 20 世May, 201755 講  座.. 内湾の浅海底活断層の調査事例(別府湾の海底活断層)陸域の活断層が内湾の浅海底に延びていることも多く,これらの浅海底活断層調査も内陸直下型地震の長期予測のためには重要である。近年も, 2005 年福岡県西方沖地震や 2007 年能登半島地震などの被害地震が,浅海底活断層の活動により発生している。また陸上は基本的に侵食場であるのに対して,内湾は堆積速度が断層の縦ずれ変位速度を上回ることが多く断層活動の痕跡が欠落なく保存されていることから,地震発生に関するモデル検討の観点からも着目されてきた23) 。我が国において,図―. 別府湾で得られた音波探査記録の一例。断層を学術的な観点からの浅海底活断層調査が本格化したのは挟む白いバーは,コアリングサイトとコアの長さを示す24)1980 年代である。高知大学・東京大学・広島大学・大分大学などの研究グループが,数次にわたって行った別府 湾 の 海 底 活 断 層 調 査 を 皮 切 り に24) , 三 河 湾 ・ 伊 予灘・橘湾・福岡湾などで,音波探査とピストンコア試料の採取を組み合わせた調査が行われてきた。その後,日本列島沿岸海域の活断層調査が広域に高精度で行われるようになり,調査事例が飛躍的に増加した25),26) 。時間の経過とともに,使用される機器はより高精度となっていったが,調査は基本的には海底地形調査・高分解能地層探査・柱状試料採取の組み合わせで行われる。ここでは,我が国における浅海底活断層調査の模式地である別府湾の調査について,調査方法を中心に紹介する24)。この調査では,漁船に受信機と送信機のセットを積み株 KAIJO 製, SP 込み(3 型地層探査機),別府湾西部図―. ピストンコアラーの作動の概念図27)の水深20~65 m の海底が集中的に調査された。GPS によって位置決めをしながら,平行する測線に沿って船を秤をつなぐメインワイヤーは弛ませてある。走らせ,音波探査の断面を得る。送信機の発振エネル2.ギーは比較的小さいが,音波の周波数が比較的高いためラーが自由落下する。(4~8 kHz 程度)解像度の良い記録が得られた。得られ3.重りが着底し荷重がなくなると,天秤が外れてコアピストンがちょうど海底面に達した時にメインワイた記録の一部を図―.に示す。ここでは海底下約20 mヤーが張るように長さを調節してあるので,ピストンはの地層が明瞭にイメージングされている。音波は音響イ上部から引かれ海底面の上で停止した状態になる。ンピーダンスが急変する境界で反射し,特に火山灰が明4.瞭な反射面をなす。これらの地層の分布がシャープに切イプの下部から上部へ引きあげられる。このとき吸引圧断される箇所が断層である。断層の位置を複数の測線でが働くために,パイプは堆積物を吸い込みながら海底に確認し連続性を追うことで,断層分布図が作成される。押し込まれる。調査海域では多くの断層が南落ちの変位を示す(図―5..)。で落下は停止する。これらの断層による地層の変位量をみると,下位の地層ほど大きく変位しており,変位の累積性が認められる。6.本体とパイプはそのまま落下を続け,ピストンはパピストンが本体の基部のストッパーに達したところコアラーを引きあげる。持ち帰ったコア試料は 1 m ごとにカットされ,アルこれは断層が繰り返し活動したことを示す。断層の活動ミパイプから押し出される。その後,帯磁率測定・写真時期を明らかにするために,断層の両側でピストンコア撮影・肉眼観察と記載を行う。さらに,実体顕微鏡下でリングによって柱状試料を得る。図―.は,高知大学火山ガラス・石英粒・有孔虫・珪藻などを計数し,それ理学部で開発されたピストンコアラーの機材と原理を示らの指標に基づきコアを対比する24)。したものである27) 。ピストンコアリングは,パイプ内図―.は,別府湾で採取されたコアの目視記載によにピストンがあることにより,パイプを堆積物に押し込る対比と,帯磁率・火山灰・石英粒・有孔虫の量比の垂む力とピストンが堆積物を吸い上げる力のバランスによ直変化から求められた総合対比を示す24) 。地層の対比り,効率的に採泥できるシステムである。ピストンコア線が平行な部分は,断層を挟んで地形が平坦で地層が同ラーによる採泥は以下のような手順で行われる27)。じ厚さで堆積した箇所を示す。その中で, 3 層準(A~ピストンコアラーを先端に重りをつけた天秤にセッC)において,断層の低下側に厚く堆積した地層が認定トし,海底に向かってゆっくりと降ろす。ピストンと天され,これは断層運動に伴い形成された地形の低所を埋1.56地盤工学会誌,―() 講  座図―. 別府湾で断層を挟んで得られたコアの対比。A~C はイベント堆積物を示す24)積した地層(イベント堆積物)であると判断された。火図―. 糸魚川―静岡構造線断層帯・神城断層で生じた山灰や放射性炭素年代測定値に基づくと,これら 3 回2014 年の長野県北部の地震と神城断層で想定されていた固有地震の関係29)の 断層活動の時 期は,約 5 300 yBP ・ 3 500 yBP ・ 680yBPと求められた24)。それ以前の活動の痕跡が読み取られた。地層に含まれる. 活断層の活動履歴調査に関する課題固有地震より一回り小さい地震の問題2014 年 11 月の長野県北部の地震は,長大な活断層帯のひとつである糸魚川―静岡構造線断層帯で発生した。木材等の年代を放射性炭素年代測定で調べたところ,2014 年地震のひとつ前の地震が 1640 年以降に発生したことが分かった。 2014 年とひとつ前の地震によって 2回分変位している地層は上下方向に約 1 m ずれており,前回の地震のずれ量も約0.5 m であったことを示してい地震の規模は気象庁マグニチュード 6.7と中規模であった。さらに先行する地震は,従来から指摘されていたた。震源となった神城断層を含む糸魚川―静岡構造線断841 年若しくは 762 年の大地震の可能性があり,その際層帯は,内陸活断層では地震発生の可能性が最も高い断の上下変位量は 1 m 以上であったことが分かった。神層帯として知られており,今後 30 年間の地震発生確率城 断 層 全 体 が 破 壊 した 場 合 に は, そ の ず れ 量 は 経 験が 14 で,地震規模は M8 程度と推定されていた28) 。式19)から約 3 m と見積もられる。この評価は,被害地震の発生場所を予め指摘していたという点では従来の評価の妥当性を示した。その一方,断1640 年以降に震源域周辺で生じた歴史地震の存在は,2014 年地震の発生前から既に指摘されていた。その地層帯の最北端付近で生じた 2014 年の地震は,この地域震は, 1714 年に小谷村から白馬村にかけて甚大な被害で予測されていた地震規模(M7.6~M8)よりも一回りを生じた正徳小谷地震である30) 。歴史記録の詳細な解小規模であった(図―.)。析 か ら 正 徳 小 谷 地 震の 震 度 分 布が 復 元 さ れ て お り ,長野県北部の地震後に,複数の大学・研究機関が調査2014 年地震の計測震度と比較すると,これらの地震はを行ったが,以下に産業技術総合研究所が行った地震断類似のものであったことが判明した。以上から, 2014層・古地震調査の概要を紹介する29) 。長野県北部の地年長野県北部の地震に先行する地震は,300年前の1714震は,神城断層付近を震源とし,長野県北安曇郡小谷村年正徳小谷地震であったと考えられる。一般に,プレーや白馬村などを中心に,住居や道路,姫川の護岸などのト境界型断層では数十年から数百年間隔で大地震を発生構造物に被害をもたらした。余震分布や地殻変動解析かさせることが知られているが,内陸活断層帯では,活動ら推定された震源断層の長さは,約20 km と推定されて間隔は千年から数万年程度であることが多い。神城断層いる。また今回の地震で特徴的なことは,破壊開始点ののように,300年と極めて短い発生間隔で被害地震が繰深さが約 5 km と浅く,一般的な内陸大地震の震源が深り返した例は日本では知られていない。さ15 km 前後に位置することと対照的であった。現在の地震調査研究推進本部の評価モデルである固有2014 年 3 月に,産業技術総合研究所は白馬村飯森の地震モデルでは,地震の規模が大きいほど発生頻度が低水田に出現した地震断層上で緊急的にトレンチ掘削調査く,規模が小さいほど発生頻度が高くなるという性質がを 実 施 し た29) 。 深 さ 約ある。そのため,見積もられた頻度よりも,実際には一3 m のトレンチの壁面には,2014年の地震で出現した比高0.5 m の撓曲崖(地震断層)回り小さい規模の被害地震が多数発生する可能性もある。に連続する明瞭な東傾斜の逆断層が露出し, 2014 年と今後,このような一回り小規模な地震発生も考慮した評May, 201757 講  座価手法の構築が急務である29)。15 ). お わ り に16)活断層の活動履歴調査は,トレンチ掘削調査に代表されるように,土地の改変を伴う。その意味で,ある地点で調査を行える機会は一度のみであり,調査者にはきち17)んと記録を残し,必要であれば調査終了後に他の研究者が原資料にアクセスできるようにする責務がある。また18)調査の際には,複数の研究者により現地で議論し,客観的な解釈を得るように努めるべきである。また活断層の19)活動履歴調査を行う上では,地権者や地元自治体・漁協の協力が不可欠である。地元の住民や行政関係者と良好20)な関係を築き,研究成果を地元に積極的に還元する努力が必要である。21)参1)2)3)4)5)6)7)8)9)10)11)12)13)14)58考文献千田 昇・村松一良・寒川 旭・松田時彦水縄断層系の最近の活動について―久留米市山川町前田遺跡でのトレンチ発掘―,第四紀研究, Vol. 33 , pp. 261 ~ 267 ,1994.宇佐美龍夫新編日本被害地震総覧[増補改訂版],東京大学出版会,493 p.1996.岡田篤正・安藤雅孝・佃 為成鹿野断層の発掘調査と地形・地質・地震学的考察,京都大学防災研究所年報,No. 24 (B1), pp. 105~126, 1981.岡田篤正変動地形とテクトニクス,古今書院,pp. 18~44,1990.松田時彦陸上活断層の最新活動期の表,活断層研究,No. 13,pp. 1~13,1995.Kondo, H. and Owen, L. A.: Treatise on Geomorphology,Vol. 5, Tectonic Geomorphology, Academic Press, pp.267299, 2013.McCalpin, J. P. (ed.): Paleoseismology (2nd edition),Elsevier, 613 p., 2009.Allen, C. R.: Active Tectonics: Studies in Geophysics,National Academy Press, pp. 148154, 1986.寒川 旭地震考古学―遺跡が語る地震の歴史―,中公新書,251 p.,1992.岡田篤正・松田時彦岐阜県東部,小野沢峠における阿寺断層の露頭と新期断層運動,地理学評論, Vol. 49 ,pp. 632~639,1976.Reimer, P. J. and 27 others: IntCal09 and Marine09radiocarbon age calibration curves, 050,000 years calBP, Radiocarbon, Vol. 51, pp. 11111150, 2009.丹那断層発掘調査研究グループ丹那断層(北伊豆・名賀地区)の発掘調査,地震研究所彙報, Vol. 58 , pp.797~830,1983.岡田篤正吉野川流域の中央構造線の断層変位地形と断層運動速度,地理学評論,Vol. 43,pp. 1~21,1970.Tsutsumi, H. and Okada, A.: Segmentation and Holocene surface faulting on the Median Tectonic Line,southwest Japan, Journal of Geophysical Research, Vol.22)23)24)25)26)27)28)29 )30 )101, pp. 58555871, 1996.兼岡一郎年代測定概論,東京大学出版会, 315 p. ,1998.堤 浩之・後藤秀昭四国の中央構造線断層帯の最新活動に伴う横ずれ変位量分布,地震, Vol. 59 , pp. 117 ~132,2006.Sieh, K. and 19 others: Nearˆeld investigation of theLanders earthquake sequence, April to July, 1992,Science, Vol. 260, pp. 171176, 1992.村松郁栄・松田時彦・岡田篤正濃尾地震と根尾谷断層帯―内陸最大地震と断層の諸性質―,古今書院,340 p.,2002.松田時彦活断層から発生する地震の規模と周期について,地震,Vol. 28,pp. 269~283,1975.Wells, D. L. and Coppersmith, K. J.: New empiricalrelationships among magnitude, rupture length, rupturearea, and surface displacement, Seismological Society ofAmerica Bulletin, Vol. 84, pp. 9741002, 1994.Kondo, H., Ozaksoy,ÄV. and Yƒldirim, C.: Slip history ofthe 1944 BoluGerede earthquake rupture along theNorth Anatolian fault system: Implications for recurrence behavior of multisegment earthquakes, Journal ofGeophysical Research, Vol. 115, B04316, doi:10.1029/2009JB006413, 2010.Ambraseys, N. and Finkel, C.: Historical Seismogramsand Earthquakes of the World, Academic, pp. 173180,1988.島崎邦彦地震と断層,東京大学出版会,pp. 63~84,1994.岡村 真・島崎邦彦・中田 高・千田 昇・宮武 隆・前杢英明・堤 浩之・中村俊夫・山口智香・小川光明別府湾北西部の海底活断層―浅海底活断層調査の新手法と そ の 成 果 ― , 地 質 学 論 集 , No. 40 , pp. 65 ~ 74 ,1992.阿部信太郎・荒井良祐・岡村行信菊川断層帯海域延長部における断層分布と活動性について,活断層・古地震研究報告,No. 10,pp. 81~118,2010.八木雅俊・坂本 泉・田中博通・横山由香・井上智仁・光成 魁・アイダンオメル・藤巻三樹雄・根元謙次高分解能地層探査およびコアリング調査に基づく沿岸海域における活断層の活動履歴の解明―八代海における日奈久断層帯を例として―,活断層研究, No. 45 , pp. 1 ~19,2016.岡村 眞・松岡裕美地球と文明の周期,講座[文明と環境]第1巻,朝倉書店,pp. 105~114,1995.地震調査研究推進本部地震調査委員会糸魚川―静岡構造線活断層系の調査結果と評価について,入手先〈http:// www.jishin.go.jp / main / chousa / katsudansou _ pdf / 41 _42_44_itoigawashizuoka.pdf.〉(参照2017.2.7),1996.近藤久雄・勝部亜矢 2014 年長野県北部の地震が提起した内陸大地震の長期予測に関する諸問題,科学,Vol.86,pp. 313~317,2016.都司嘉宣糸静線付近に起きた正徳四年( 1714 )信州小谷地震と安政 5 年( 1858 )大町地震の詳細震度分布,日本地震学会講演予稿集 2003 年度秋季大会, pp. 204 ,2003.地盤工学会誌,―()
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  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 59〜69
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120025
  • 内容
  • 新正会入会員株 イーエス総合研究所前 多 秀 輝 株佐々木愛 東日本旅客鉄道株大 渕 義 行 ライト工業株山 崎 智 弘 東洋建設株 アサノ大成基礎エンジニアリング福 島 宏 幸 株 フジタ久保田洋 株藤 江 雄 大 ジャパンパイル株       RAMRAV HEM 東洋建設竹 内 廣 行 大阪府株 ウエスコ今 西 将 文 株吉 岡 祐 策 中国電力株下 村 昭 司 大旺新洋株横 田雅 大旺新洋恒 藤 純 子 佐賀市株臼 元 直 仁 応用地質国際会員山阪本口由弦 国立研究開発法人海洋研究開発機構秀 国立研究開発法人海洋研究開発機構武藤尚樹学書籍紹介生会員(3 月理事会承認)山 本石 川八木澤張 磨濱 道高 木山 田池 上笠 松澤 田高 田鹿 瀬柴 田大 城o 山岩 崎川 上赤 司大 坪 谷平 田龍 一桃 子武 士陽 祐京 祐大 地孝 大浩 樹晃 次凱 人祐 希一 希慶一郎勇 人浩 考竜 馬凌 梧かがり雅和 希涼太郎岩手大学八戸工業大学長岡技術科学大学大学院名古屋大学大学院神戸大学大学院京都大学防災研究所京都大学琉球大学琉球大学琉球大学大学院琉球大学佐賀大学福岡大学員「薬液注入の長期耐久性と恒久グラウト本設注入工法の設計施工―環境保全型液状化対策工と品質管理―」米倉亮三・島田俊介著本書は, 50 年以上の薬液注入の研究を背景に, 30 年し,実証とデータを積み重ねて体系化に努めてきた。以上にわたって液状化対策工や恒久的な地盤強化といっテーマが耐久性であるからとはいえ,このように半世紀た本設注入の研究開発をしてきた著者らが,これまでのにも亘って研究が持続してきたことは「恒久グラウト」研究結果を解説・実務書としてまとめた価値ある一冊で「本設注入」の第一人者である著者らでないとなし得なある。い成果であったと思われる。参考文献にあげられている他にはない豊富な耐久性実証データと最近の施工の実長年の研究成果を取りまとめた技術者必読の一冊である。際について,材料・工法ごとの特徴やその周辺環境への影響について詳細に解説している。さらに液状化対策工A5 判,320頁,本体4 200円+税の設計法や品質管理など,最近の課題も取り上げ,仮設株 近代科学社注入とは異なるコンセプトに基づき,本設注入工法の体ISBN97847649052142016年10月31日系化を行い,今後の薬液注入技術の健全な発展を目指している。主要目次シリカ系グラウトの長期耐久性環境保全性恒久グラウト本設注入工法のコンセプトと本設注入試験センター恒久グラウト注入工法の種類と特徴薬液注入による固結土の耐震的性質と活性複合シリカを用いた改良土の液状化強度と改良効果の確認恒久グラウト液状化対策工の設計施工と品質管理東日本大震災における活性複合シリカコロイドを用いた急速浸透注入工法施工地盤の追跡調査報告恒久グラウト施工事例著者らは今日に到るまで本設注入のコンセプトと要素(東京都市大学末政直晃)技術の確立を目指して,可能な年月をかけて研究を継続May, 201759
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  • タイトル
  • UNSW Australia をたずねて(寄稿)
  • 著者
  • 万代 俊之
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 34〜35
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120017
  • 内容
  • UNSW Australia をたずねてStudying in UNSW Australia万代俊之(ばんだいとしゆき)学生編集委員(東京大学大学院)まれたのなら,留学を考えている人は取り敢えず顔を出. は じ め にすべきである。留学の縁はどこに転がっているのかは分本稿は私が 2016 年 9 月 29 日から 12 月 29 日までの約 3ヶ月間,オーストラリアのシドニーにある UNSW Australia (The University of New South Wales)の WaterResearch Laboratory1) (WRL)に留学した体験をもとに書いたものである。留学を予定している人や留学したいと考えている人の一助となれば幸いである。.留学のきっかけからない。. WRL (Water Research Laboratory)について留学先の WRL は UNSW Australia の School of Civiland Environmental Engineering に所属している研究室であり,海岸工学に関する研究グループと地下水に関する研究グループが併存している。 WRL は UNSW Aus-留学にはきっかけ,受け入れ先の教員との繋がりが必tralia の本キャンパス( Kensington Campus )から北に要である。代表的なものとして,指導教員からの紹介が20 km ほ ど 離 れ た Manly Vale Campus に あ る 。 WRL挙げられよう。しかし,私の場合は少し異なっていた。のそばにある Manly ダムの水を利用する大規模な水理私は所属大学院が主催する「博士課程進学促進プログラ実験(写真―)を行うことが特長である。また,ム」という,博士課程進学を希望している大学院生が著Manly ダムから南太平洋に流れ込む Manly 川の水質を名な研究者と交流することで自身の研究能力向上を目指調べるなど,研究所の近くで多くの野外試験を行っていすプログラムに参加しており,その活動を通じて留学先る。毎週月曜の午前には,WRL のメンバー全員(30人の指導教官となって頂いた Rau C. Gabriel 博士(写真程度)が集まり,研究の進捗状況やその週の予定を簡単―)と面識を得た。私が修士課程 1 年のとき,私のに報告する。また,毎週金曜日の昼食時にセミナーが行研究と類似した研究を行っていた Rau 博士を所属大学われ,担当の人は自由なテーマについて発表を行う。発に招待し,研究について講演を行って頂いた。その後,表テーマは,投稿論文に出す予定の研究や先行研究の紹Rau 博士の協力を得ながら論文執筆のための実験を行介,研究に便利なツールの紹介に至るまで幅広い。私自っていた修士課程 2 年の春に同プログラムから短期留身もこのセミナーで修士論文の研究について話す機会を学のための支援金をもらうことが決まったため, Rau与えて頂いた。博士のもとで論文を執筆することとなった。これから留この研究室で最も驚いたことは,教員の自由な勤務体学を考えている人に対して,私は面識のある教員のもと制である。ほとんどの人は午前 9 時ごろに研究室に来へ留学することを強く勧めたい。このご時世,メールやて,午後 5 時には帰宅する。午後 6 時を過ぎて研究室Skype 等で海外在住の研究者と連絡を取ることは容易に残っている人はほとんどいない。また,土日に研究室である。しかし実際に顔を合わせないと分からないことは多い。もし学会等で海外の研究者と交流する機会に恵写真―34Rau 博士(左)と筆者(右)写真―研究室内の水理実験設備の例地盤工学会誌,―() 寄稿に来る人は皆無である。金曜日の話題は専ら週末の予定であり,特に用事のない私は返答に苦労したものである。また,子供のいる教員は在宅で研究を行うなど,勤務体制は個人に委ねられている。これだけを聞くとオーストラリアの研究者はあまり研究をしていないと思われるかもしれないが,そういうわけでは決してない。非常に多くの論文を出しており,その生産性には目を見張るものがある。そのように限られた時間で多くの成果を出すことは,勤務時間は集中して仕事をこなし,決まった時間に帰るというメリハリの良い生活に起因しているのかもしれない。私自身,だらだらと研究してしまうことが多いので,見習わなければならない点は非常に多かった。写真―.研究について研究室主催のサーフィンの内容を推測することは困難を極める。パーティーなど私は「飽和多孔質体中の熱分散現象」というテーマにでお酒が入った状態ではなおさらである。そのような状ついて研究を行っている。熱分散現象とは,多孔質体の況でも対応可能な英語力というのは短期間で身につくは複雑な間隙構造に起因する間隙内の不均一な流速分布にずもなく,長期間の鍛錬が必要であると感じた。しかし,よる熱移動現象である。熱分散現象の理解は,近年導入悲観することない。留学して 1 ヶ月もすれば,英語がが進められている地中熱利用ヒートポンプの効率化・環話せない自分に自分も周囲の人も慣れるからである。境リスク評価において重要である。また,熱分散現象は英語を学習する上で効果的であるのは外国人の友人をRau 博士が研究している熱トレーサーを用いた地下水作ることである,とよく言われる。しかし,これを闇雲流速推定技術の観点からも重要である2)ため,Rauに実行することには賛同できない。というのも,実際に博士と共同で研究を行っている。現地の人から「日本人は英語を学ぶために外国人と友達留学先では主に,私がこれまでに得た実験データをもになろうとする」と苦情を受けたためである。また,英とにした投稿論文の執筆を行った。論文執筆の際に語の学習を目的に外国人と話したとしても会話は弾まなRau 博士から指導して頂いたことで重要だと感じたこいと思う。日本語であれば,会話をしながら共通点を探 少しずつでも良いので毎日とは以下の 2 点である。◯し,話題を膨らませることは可能であるが,拙い英語で論文を書くこと。毎日論文を書くことで論文を書く脳にはそうはいかない。そこで,私は趣味を通じて友人を作なっていく。この寄稿についても,毎日少しずつ書いてるということを勧めたい。インターネットを使用すれば, 論文のいればより良いものが書けたのかもしれない。◯同じ趣味を楽しむサークル等を探すことは,ある程度大ストーリーを大事にすること。特に,その研究をよく知きな都市であれば容易である。同じ趣味という共通の話らない人であっても読みやすいような序論の構成を指導題があるため,会話には困らないし,お互いに楽しく会して頂いた。そのような序論を書くためには,多くの論話ができる(写真―参照)。そうすれば自然と英語力文を正確に読む必要がある。特に英語で書かれた論文をは身につくと考えられる。留学を考えている人は海外で正確に読むことは難しい。実際,修士課程 1 年のときもできる趣味を覚えておくのは良いと思う。に読んだ論文を今読み返すと,当初の解釈が間違っていたと気づくことが非常多い。これは留学を通じて,研究.おわりにの理解が深まっただけでなく,英語力が向上したことで本稿では,私の留学経験について書かせて頂いた。留英語の読み間違いが少なくなったためであると感じた。学に際して,支援金を提供して下さった東京大学農学生命科学研究科主催の「博士進学促進プログラム」,お忙.英語という壁しい中手厚くご指導して下さった Rau 博士に心より感謝申し上げます。また,修士論文の提出 1 ヶ月前に帰留学を考えている人にとって最も気がかりであるのは国というスケジュールを容認して下さった東京大学大学言語(英語)に関するものであると思う。留学前,「 3院の西村拓教授,濱本昌一郎准教授に心より厚く御礼申ヶ月もあれば英語でそこそこ話せるようになるのではなし上げます。いか」と考えていた私の今現在の感想は,「そこそこ話せるでは全く足りない」というものである。留学前の私の英語力は褒められたものではなかったが,英語圏であるオーストラリアで生活する分に支障はなかった。日本とオーストラリアの日常の生活には大きな差はないため,生活に最低限必要な会話の内容は大体予想可能であるからである。しかし対人,特に複数人の娯楽のための会話May, 2017参考文献1)Water Research Laboratory ホームページ,入手先(参照2017.3.21)〈http://www.wrl.unsw.edu.au/〉2) Rau, G. C. et al.: Heat as a tracer to quantify water ‰owin nearsurface sediments. EarthScience Reviews, 129,pp. 4058, 2014.(原稿受理2017.1.16)35
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  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 60〜60
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120027
  • 内容
  •     ◆編集後記◆いると思います。また,災害が頻発する昨今,我々地盤工学本号は,「地盤工学における人物史」と題して特集を組み分野の技術発展とその普及が強く求められていると思います。ました。「基準化」,「地盤調査技術」,「数値解析」,「設計・総説の中に記述がありますように,本特集の目的は,技術発施工技術」,「環境保全」の 5 つの分野において,技術の発展の歴史を振り返ることだけではないと思います。我々が,展とそれに貢献した先人の取り組みについて報告がありまし地盤工学の次の 100 年をどのように創っていくか,「未来をた。分野により,記述された歴史の長さは異なりますが,総考えるきっかけ」にしなければならないと胸を熱くしました。じてみてみると約100年の地盤工学の発展の経緯が示された,最後になりましたが,ご多忙の所ご協力頂きました本特集読み応えのある内容になっていると思います。執筆者の皆様や,発刊にあたりご尽力頂きました皆様に,心地盤構造物に対する市民の要求は多様化,高度化してきてより御礼申し上げます。(大竹長事監事村 上章副 会 長大 谷順古(事業企画戦略室)本 多眞(*)(総務部)宮 田 喜 壽(*)浜 田(会員 ・ 支部部)田 中 耕太郎(*)田 中(国際部)勝 見武(*)(公 益 出 版 部)渦 岡 良 介(*)※  橋(調査 ・ 研究部)山 下聡(*)西 村(基準部)松 本 樹 典(*)仙 頭松 下 克 也西 田 耕 一屋弘英 治真 弓記)※印は公益出版部会構成員平 成  年 度 役 員会理雄古関小 高廣 岡潤一※猛 司明 彦中村裕昭章 浩※伸 一紀 明(*)室長,部長平 成年 度 公 益 出 版 部 会理事・部長理事部員渦 岡 橋鈴 木越 村良 介章 浩健一郎賢 司理事・副会長野榎田 利本 忠古弘夫菊関潤池一喜昭伊藤和也渡邉康司杉本映湖平成年度「地盤工学会誌」編集委員会委員長企画・編集グループ 橋 章 浩※副委員長 鈴 木 健一郎※主査 福 永 勇 介委員 浅 野 将 人石 川 敬 祐加 島西 村聡藤 原優松 澤学生委員 朝 倉 さや香阿 部 龍 矢遠 藤中野渡 博 道万 代 俊 之盛主査 正 田 大 輔委員 大 竹雄阪 田暁 橋主査 長 澤 正 明委員 大 塚 隆 人金 子 賢 治木 元主査 野 村 英 雄委員 柏尚 稔北 出 圭 介清 水主査 野 原 慎太郎委員 鎌 田 敏 幸倉 田 大 輔酒 井委員長 野 田 利 弘委員兼幹事 谷 川 友 浩小 林 浩 二委員 秋 本 哲 平飯 島 功一郎稲 積島 田篤戸 邉 勇 人中 村細 田 寿 臣松 丸 貴 樹森 下第 1 グループ第 2 グループ第 3 グループ第 4 グループ講座委員会寛章真圭 吾健太郎木 内松 村木 戸大介聡隆之祐京森児寛行竹内秀克野々村敦子小百合小林孝彰富陽太智明原弘行森友宏崇之山口健治真 哉邦 彦智 貴金畠山子崇郎之一俊崎 貴成健酒福川 裕 之田 年 一玉 真乃介樫匂田久渡鈴保邉木彩博諭華澤藤村 康澤 和生謙平成年度「Soils and Foundations」編集委員会委員長菊池 喜昭※ 副委員長委員長三村衛小高 猛司渦岡良介※宮田喜壽平成年度「地盤工学ジャーナル」編集委員会名誉会員特別会員副委員長伊藤 和也※岸田潔小林範之会員現在数(平成29年 2 月末現在)147名(国際会員111名含む) 正会員 7,514名(国際会員1,007名含む) 学生会員 983名878団体(国際会員47団体含む) 合計9,522名・団体会費(年額)正会員 9,600円 学生会員 3,000円 国際会員(特別もしくは正会員に限る)2,000円 特別会員特級 300,000円,1 級 240,000円,2 級 160,000円,3 級 100,000円,4 級 60,000円Soils and Foundations 購読料(会員に限る)12,000円(Online 版ライセンス+冊子版)または8,000円(Online 版ライセンスのみ)地盤工学会誌平成29年 5 月 1 日発行編集発行所公益社団法人2017 地盤工学会60定価1,728円(本体価格1,600円) 無断転載2017年 5 月号 Vol.65, No.5 通巻712号株「地盤工学会誌」編集委員会印刷所 小宮山印刷工業編集業務代行地盤工学会有 新日本編集企画を禁ずる郵便番号  東京都文京区千石丁目番号電話 (代表)郵便振替 FAX ホームページ URL https://www.jiban.or.jp/Email jgs@jiban. or. jp広告一手取扱株廣業社〒 東京都中央区銀座丁目番号電話 地盤工学会誌,―()
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  • 平成28年度役員等
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 60〜60
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120028
  • 内容
  •     ◆編集後記◆いると思います。また,災害が頻発する昨今,我々地盤工学本号は,「地盤工学における人物史」と題して特集を組み分野の技術発展とその普及が強く求められていると思います。ました。「基準化」,「地盤調査技術」,「数値解析」,「設計・総説の中に記述がありますように,本特集の目的は,技術発施工技術」,「環境保全」の 5 つの分野において,技術の発展の歴史を振り返ることだけではないと思います。我々が,展とそれに貢献した先人の取り組みについて報告がありまし地盤工学の次の 100 年をどのように創っていくか,「未来をた。分野により,記述された歴史の長さは異なりますが,総考えるきっかけ」にしなければならないと胸を熱くしました。じてみてみると約100年の地盤工学の発展の経緯が示された,最後になりましたが,ご多忙の所ご協力頂きました本特集読み応えのある内容になっていると思います。執筆者の皆様や,発刊にあたりご尽力頂きました皆様に,心地盤構造物に対する市民の要求は多様化,高度化してきてより御礼申し上げます。(大竹長事監事村 上章副 会 長大 谷順古(事業企画戦略室)本 多眞(*)(総務部)宮 田 喜 壽(*)浜 田(会員 ・ 支部部)田 中 耕太郎(*)田 中(国際部)勝 見武(*)(公 益 出 版 部)渦 岡 良 介(*)※  橋(調査 ・ 研究部)山 下聡(*)西 村(基準部)松 本 樹 典(*)仙 頭松 下 克 也西 田 耕 一屋弘英 治真 弓記)※印は公益出版部会構成員平 成  年 度 役 員会理雄古関小 高廣 岡潤一※猛 司明 彦中村裕昭章 浩※伸 一紀 明(*)室長,部長平 成年 度 公 益 出 版 部 会理事・部長理事部員渦 岡 橋鈴 木越 村良 介章 浩健一郎賢 司理事・副会長野榎田 利本 忠古弘夫菊関潤池一喜昭伊藤和也渡邉康司杉本映湖平成年度「地盤工学会誌」編集委員会委員長企画・編集グループ 橋 章 浩※副委員長 鈴 木 健一郎※主査 福 永 勇 介委員 浅 野 将 人石 川 敬 祐加 島西 村聡藤 原優松 澤学生委員 朝 倉 さや香阿 部 龍 矢遠 藤中野渡 博 道万 代 俊 之盛主査 正 田 大 輔委員 大 竹雄阪 田暁 橋主査 長 澤 正 明委員 大 塚 隆 人金 子 賢 治木 元主査 野 村 英 雄委員 柏尚 稔北 出 圭 介清 水主査 野 原 慎太郎委員 鎌 田 敏 幸倉 田 大 輔酒 井委員長 野 田 利 弘委員兼幹事 谷 川 友 浩小 林 浩 二委員 秋 本 哲 平飯 島 功一郎稲 積島 田篤戸 邉 勇 人中 村細 田 寿 臣松 丸 貴 樹森 下第 1 グループ第 2 グループ第 3 グループ第 4 グループ講座委員会寛章真圭 吾健太郎木 内松 村木 戸大介聡隆之祐京森児寛行竹内秀克野々村敦子小百合小林孝彰富陽太智明原弘行森友宏崇之山口健治真 哉邦 彦智 貴金畠山子崇郎之一俊崎 貴成健酒福川 裕 之田 年 一玉 真乃介樫匂田久渡鈴保邉木彩博諭華澤藤村 康澤 和生謙平成年度「Soils and Foundations」編集委員会委員長菊池 喜昭※ 副委員長委員長三村衛小高 猛司渦岡良介※宮田喜壽平成年度「地盤工学ジャーナル」編集委員会名誉会員特別会員副委員長伊藤 和也※岸田潔小林範之会員現在数(平成29年 2 月末現在)147名(国際会員111名含む) 正会員 7,514名(国際会員1,007名含む) 学生会員 983名878団体(国際会員47団体含む) 合計9,522名・団体会費(年額)正会員 9,600円 学生会員 3,000円 国際会員(特別もしくは正会員に限る)2,000円 特別会員特級 300,000円,1 級 240,000円,2 級 160,000円,3 級 100,000円,4 級 60,000円Soils and Foundations 購読料(会員に限る)12,000円(Online 版ライセンス+冊子版)または8,000円(Online 版ライセンスのみ)地盤工学会誌平成29年 5 月 1 日発行編集発行所公益社団法人2017 地盤工学会60定価1,728円(本体価格1,600円) 無断転載2017年 5 月号 Vol.65, No.5 通巻712号株「地盤工学会誌」編集委員会印刷所 小宮山印刷工業編集業務代行地盤工学会有 新日本編集企画を禁ずる郵便番号  東京都文京区千石丁目番号電話 (代表)郵便振替 FAX ホームページ URL https://www.jiban.or.jp/Email jgs@jiban. or. jp広告一手取扱株廣業社〒 東京都中央区銀座丁目番号電話 地盤工学会誌,―()
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  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 60〜60
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120029
  • 内容
  •     ◆編集後記◆いると思います。また,災害が頻発する昨今,我々地盤工学本号は,「地盤工学における人物史」と題して特集を組み分野の技術発展とその普及が強く求められていると思います。ました。「基準化」,「地盤調査技術」,「数値解析」,「設計・総説の中に記述がありますように,本特集の目的は,技術発施工技術」,「環境保全」の 5 つの分野において,技術の発展の歴史を振り返ることだけではないと思います。我々が,展とそれに貢献した先人の取り組みについて報告がありまし地盤工学の次の 100 年をどのように創っていくか,「未来をた。分野により,記述された歴史の長さは異なりますが,総考えるきっかけ」にしなければならないと胸を熱くしました。じてみてみると約100年の地盤工学の発展の経緯が示された,最後になりましたが,ご多忙の所ご協力頂きました本特集読み応えのある内容になっていると思います。執筆者の皆様や,発刊にあたりご尽力頂きました皆様に,心地盤構造物に対する市民の要求は多様化,高度化してきてより御礼申し上げます。(大竹長事監事村 上章副 会 長大 谷順古(事業企画戦略室)本 多眞(*)(総務部)宮 田 喜 壽(*)浜 田(会員 ・ 支部部)田 中 耕太郎(*)田 中(国際部)勝 見武(*)(公 益 出 版 部)渦 岡 良 介(*)※  橋(調査 ・ 研究部)山 下聡(*)西 村(基準部)松 本 樹 典(*)仙 頭松 下 克 也西 田 耕 一屋弘英 治真 弓記)※印は公益出版部会構成員平 成  年 度 役 員会理雄古関小 高廣 岡潤一※猛 司明 彦中村裕昭章 浩※伸 一紀 明(*)室長,部長平 成年 度 公 益 出 版 部 会理事・部長理事部員渦 岡 橋鈴 木越 村良 介章 浩健一郎賢 司理事・副会長野榎田 利本 忠古弘夫菊関潤池一喜昭伊藤和也渡邉康司杉本映湖平成年度「地盤工学会誌」編集委員会委員長企画・編集グループ 橋 章 浩※副委員長 鈴 木 健一郎※主査 福 永 勇 介委員 浅 野 将 人石 川 敬 祐加 島西 村聡藤 原優松 澤学生委員 朝 倉 さや香阿 部 龍 矢遠 藤中野渡 博 道万 代 俊 之盛主査 正 田 大 輔委員 大 竹雄阪 田暁 橋主査 長 澤 正 明委員 大 塚 隆 人金 子 賢 治木 元主査 野 村 英 雄委員 柏尚 稔北 出 圭 介清 水主査 野 原 慎太郎委員 鎌 田 敏 幸倉 田 大 輔酒 井委員長 野 田 利 弘委員兼幹事 谷 川 友 浩小 林 浩 二委員 秋 本 哲 平飯 島 功一郎稲 積島 田篤戸 邉 勇 人中 村細 田 寿 臣松 丸 貴 樹森 下第 1 グループ第 2 グループ第 3 グループ第 4 グループ講座委員会寛章真圭 吾健太郎木 内松 村木 戸大介聡隆之祐京森児寛行竹内秀克野々村敦子小百合小林孝彰富陽太智明原弘行森友宏崇之山口健治真 哉邦 彦智 貴金畠山子崇郎之一俊崎 貴成健酒福川 裕 之田 年 一玉 真乃介樫匂田久渡鈴保邉木彩博諭華澤藤村 康澤 和生謙平成年度「Soils and Foundations」編集委員会委員長菊池 喜昭※ 副委員長委員長三村衛小高 猛司渦岡良介※宮田喜壽平成年度「地盤工学ジャーナル」編集委員会名誉会員特別会員副委員長伊藤 和也※岸田潔小林範之会員現在数(平成29年 2 月末現在)147名(国際会員111名含む) 正会員 7,514名(国際会員1,007名含む) 学生会員 983名878団体(国際会員47団体含む) 合計9,522名・団体会費(年額)正会員 9,600円 学生会員 3,000円 国際会員(特別もしくは正会員に限る)2,000円 特別会員特級 300,000円,1 級 240,000円,2 級 160,000円,3 級 100,000円,4 級 60,000円Soils and Foundations 購読料(会員に限る)12,000円(Online 版ライセンス+冊子版)または8,000円(Online 版ライセンスのみ)地盤工学会誌平成29年 5 月 1 日発行編集発行所公益社団法人2017 地盤工学会60定価1,728円(本体価格1,600円) 無断転載2017年 5 月号 Vol.65, No.5 通巻712号株「地盤工学会誌」編集委員会印刷所 小宮山印刷工業編集業務代行地盤工学会有 新日本編集企画を禁ずる郵便番号  東京都文京区千石丁目番号電話 (代表)郵便振替 FAX ホームページ URL https://www.jiban.or.jp/Email jgs@jiban. or. jp広告一手取扱株廣業社〒 東京都中央区銀座丁目番号電話 地盤工学会誌,―()
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  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • A1〜A4
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120030
  • 内容
  • ■ お知らせ開催期日締切月日5月8日29年 6 月 9 日29年 7 月~6 月30日29年 7 月12日~14日内容開催場所平成29年度新設委員会委員の公募第59回地盤工学会通常総会掲載ページ前号2P京2P名古屋11・12月号 1 P開催場所掲載ページ東2P地盤材料試験に関する「技能試験」参加募集第52回地盤工学研究発表会■ 論文・原稿募集開催期日締切月日6 月15日行事「地盤工学会誌」への概要原稿公募名テーマ「iConstruction」2P■ 催し物開催期日締切月日行事名開催場所掲載ページ29年 5 月 8 日,9 日29年 5 月26日「はじめて学ぶ FEM 講習会」東京前号3P「宅地地盤の品質評価に関する技術講習会」東京前号4P29年 6 月27日29年 7 月12日~15日「2017年度第 1 回 宅地地盤の評価に関する最近の知見講習会」東京29年 7 月13日29年11月 9 日~12日6月9日第52回地盤工学研究発表会名古屋第52回地盤工学研究発表会(交流会事前参加申込のお知らせ)名古屋第23回 地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会沖3P前号4P3P縄前号5P■ 支部からのお知らせ支部名開催月日関 東 支 部 29年11月17日締切月日8 月31日中 部 支 部 29年 8 月 2 日関西支部行事名第14回地盤工学会関東支部発表会(GeoKanto2017)「第29回中部地盤工学シンポジウム」開催場所宇都宮前号6P名古屋前号6P前号7P29年 5 月18日5 月11日第 59 回実技セミナー「常時微動計測―大阪市内の地盤の揺れを測る」大阪29年 6 月21日6 月14日第 5 回若手セミナー大阪6 月30日Kansai GeoSymposium 2017―地下水地盤環境・防災・計測技術に関するシンポジウム―論文/報告募集吹田5 月12日「地盤と建設」(地盤工学会中国支部論文報告集)論文募集29年11月 2 日中国支部九 州 支 部 29年 4 月15日(29年 4 月下旬~7 月中旬)2017技術士養成塾~地盤工学の基礎工学~開講のお知らせ掲載ページ福岡3P3 月号4P前号7P3 月号5P■ 共催・協賛・後援開催期日締切月日行事名開催場所掲載ページ11・12月号 6 P29年 5 月18日,19日29年 5 月19日第 5 回中部ライフガード TEC2017~防災・減災・危機管理展~セミナー「グローバル地下水研究の現状と課題」名古屋東京4P29年 5 月20日,21日29年 5 月20日~25日第20回応用力学シンポジウム京都JpGUAGU 共同大会2017( JpGUAGU Joint Meeting 2017)第30回環境工学連合講演会千葉3 月号 5 P11・12月号 6 P東京29年 5 月23日29年 5 月31日~6 月 2 日29年 7 月 7 日,8 日29年 7 月21日,22日5月1日第22回計算工学講演会平成 29 年度「場所打ちコンクリート杭の施工と管理」に関する技術講習会前号8Pさいたま 2 月号3P東大京阪前号8P29年 7 月19日~20日29年 9 月20日,21日第 6 回環境放射能除染研究発表会・国際シンポジウム福島九州ライフガード TEC~防災・減災・危機管理展~熊本前号8P29年 9 月24日~28日名古屋前号9P29年 9 月25日~27日残留性有害物質に関する国際会議2017(International Symposium onPersistent Toxic Substances 2017, ISPTS2017)第61回粘土科学討論会29年11月21日~23日The Seventh International Conference on Geotechnique, ConstructionMaterials and Environment (GEOMATE 2017 Mie)29年11月29日~12月 1 日第 2 回橋梁・トンネル技術展東4P京津千4P葉3 月号6P1 月号7P地盤工学会ホームページ(https://www.jiban.or.jp/)に,会告及び最新出版案内が掲示されていますのでご覧ください。国際地盤工学会ホームページ(http://www.issmge.org/)地盤工学会の本部及び支部の所在地は本号会告の 4 ページをご参照ください。― 1 ― ■お知らせお知らせ第回地盤工学会通常総会会員各位(公社)地盤工学会会長 村上章公益社団法人地盤工学会定款第 25 条により,第 59 回通常総会を下記のとおり開催しますのでご案内いたします。代議員制度導入により会員は総会における議決権はありませんが,総会に出席して意見を述べることができます。記日時平成年月日(金)1400~1645会場地盤工学会大会議室〒― 東京都文京区千石丁目番号電話―― FAX――(地下鉄 都営三田線千石駅から徒歩 3 分, JR 山手地盤材料試験に関する「技能試験」参加募集主催公益社団法人 地盤工学会後援公益社団法人 土木学会,一般社団法人 日本建築学会,公益社団法人 日本材料学会,一般社団法人 日本応用地質学会,国立研究開発法人 産業技術総合研究所,公益財団法人 日本適合性認定協会,一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(予定を含む)昨年に引き続き地盤材料試験に関する技能試験を次の要領で実施します。奮ってご参加下さい。試験項目試験物理的性質試験(注試験試料としては,粘性土を用いる予定です。)1. 土粒子の密度試験JIS A 12022. 土の含水比試験JIS A 1203JIS A 12043. 土の粒度試験(沈降分析)JIS A 12054. 土の液性限界・塑性限界試験(注一部の試験項目だけでも参加できます。)■論文・原稿募集論文 ・ 原線巣鴨駅から徒歩10分)会1400~1645付議事項【審議事項】第 1 号議案 平成28年度事業報告第 2 号議案 平成28年度決算報告第 3 号議案 名誉会員の推挙第 4 号議案 選挙管理委員会委員の選任第 5 号議案 役員任期満了ならびに辞任に伴う選任【報告事項】1. 平成29年度事業計画2. 平成29年度正味財産増減予算総会後の諸行事上記事項終了後,引き続いて行います。平成28年度地盤工学会の表彰に関する報告ならびに授与懇 親 会  17  00 ~ 18  30 地 盤 工 学 会 大 会 議 室 , 会 費2 000円総稿募日程(予定) 試料の配付7 月上旬 試験の実施7 月中 試験結果の報告期限7 月28日(金) 技能試験結果報告書の配付2018年 1 月末参 加 費会員25 000円・非会員30 000円(次年度,報告会を開催します。参加機関は,報告会への参加費を無料とします。)(注会員とは,申込者あるいは試験実施者が個人会員・法人会員であることとし,後援団体の会員も同様に取り扱います。)主旨説明・申込方法など地盤工学会ウェブページ(学会の行事・活動→国際会議・シンポジウム)をご覧ください。参加申込み締切り日年月日(金)問合せ先地盤工学会 調査基準・技術推進事業チーム「技能試験」係Emailginoushiken@jiban.or.jp電話―― FAX――集「地盤工学会誌」への概要原稿公募テーマ「iConstruction」会誌編集委員会◇今回募集する下記の特集号に投稿を希望する方は,A4 判縦長の用紙に題名,執筆者と連名者の氏名,所属機関および連絡者を明記のうえ,内容が理解できる 2 000字程度の概要と,必要ならば図表等を添付してメールにて会誌編集委員発行号平成年月号テーマ「iConstruction」概要原稿の締切り平成年月日趣 旨今後,少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少が予測されている我が国では,建設分野においても労働力不足が懸念されており,生産性の向上が喫緊の課題となっています。このような状況を踏まえ,土木構造物の建設に係る調査・測量から設計,施工,検査,維持管理・更新までのあらゆるプロセスにおいて抜本的に生産性向上を図る施策として国土交通省より i Construction が進められています。iConstruction における 3 つのトップランナー施策の一つと会( E mail: kaishi genko @ jiban.or.jp )あてにお送り下さい。◇投稿者は,本学会の正・国際・学生会員に限ります。同一著者(筆頭著者)からの複数の採択はいたしません。◇概要を審査後,掲載可となった著者には,改めて原稿依頼状等をお送りいたします。その際の本原稿の締切りは,平成29年 9 月末を予定しております。◇最終的な掲載の可否は,編集委員会にご一任下さい。して「ICT の全面的な活用(ICT 土工)」が設定されています。これは建設現場において生産性改善の余地が大きい土工に対し,UAV による高精度な 3 次元測量データから詳細な設計・施工計画をたて,ICT 建設機械による施工を行い,再び UAV の測量を行うことで検査の省力化を図るものとされています。実際に, ICT 土工が適用された道央連絡道路の改良工事では,測量や出来形とりまとめ作業の縮減と重機の稼働効率の向上等により約 20 の作業効率化がなされており,生産性改善の具体的な効果も確認されつつあります。国土交通省によれば, i Construction 推進の方向性として,土工以外の地盤構造物(トンネル,ダム,港湾等)の建設にも ICT を導入するため,今後,基準類等の整備を行うとしており,将来的には地盤構造物― 2 ― 全般に対する iConstruction の展開が期待されます。本号では「iConstruction」と題し,地盤構造物への ICT の全面的な活用に関する現状と課題,取組み状況,また,調査か■催し物●本部講習会申込み方法及び申込み先氏名,勤務先・同住所・同電話番号, FAX ,メールアドレス,会員(会員番号)・非会員の別を明記した申込書を FAXまたはメールでお送りください。参加受付後,請求書と郵便振替用紙をお送りいたしますので,会費のご納入は請求金額をご確認のうえ郵便振替(または銀行送金)でお願いいたします。「年度第回 宅地地盤の評価に関する最近の知見講習会」2011 年 3 月の東日本大震災や 2016 年 4 月の熊本地震では,液状化や盛土・擁壁崩壊などで, 2013 年 10 月の伊豆大島豪雨災害や 2014 年 8 月の広島豪雨災害では,土石流などにより宅地が大きな被害を受けました。これらの地盤災害を契機として,宅地地盤の周辺地形地質環境を含めた地盤の安定性と地盤リスクを適切に評価することの重要性が再認識されています。宅地地盤の状況を,限られた情報の中で的確に把握・評価するためには,携わる技術者が地盤工学に関する高度な専門知識と技術者倫理を有するだけでなく,常に新しい知見を得る必要があります。そこで,公益社団法人地盤工学会では,住宅地盤に関わる最近の話題・知見を集めた講習会を企画いたしました。奮ってご参加下さい。第回地盤工学研究発表会(交流会事前参加申込のお知らせ)主催(公社)地盤工学会第 52 回地盤工学研究発表会を名古屋市において開催いたします。一般発表のほかに,会員以外にも公開する技術展示コーナー,特別セッション,特別講演会,市民向けの参加行事とともに,会員相互の親睦を深めるための交流会も開催いたします。ぜひ交流会への参加申込みをお願いいたします。期日平成年月日(水)~月日(土)(日は見学会のみ)会場名古屋国際会議場■ら設計,施工,維持管理・更新における生産性向上を目的とした最新技術,適用事例,今後の展望について幅広く特集いたします。会員の皆様の積極的なご投稿をお待ちしております。なお,銀行送金の場合には,請求番号と送金日を別途 FAX またはメールでご連絡ください。地盤工学会講習会係Email: kosyukai@jiban.or.jp FAX――電話――催し物時平成年月日(火)930~1730場地盤工学会大会議室(東京都文京区千石 4 ― 38 ― 2,TEL03―3946―8677)会費会員 12 000 円,非会員 15 000 円,(消費税,配布資料代含む)※地盤品質判定士及び判定士補,共催・後援団体会員は会員価格で参加いただけます。定員70名配布資料本講習会のために講師の方が作成する説明資料の縮小コピーを配布します。講師谷 和夫【東京海洋大学】,上野将司【応用地質】,森 友宏【前橋工科大学】,松下克也【ミサワホーム総合研究所】,西村真二【都市再生機構】,諏訪二【諏訪技術士事務所】,木秀治【プラス法律事務所】日会◎交流会開 催 日月日(木)~場所名古屋国際会議場 レセプションホール会費  一 般 7 000 円 ( 6 月 9 日 ま で 6 000 円 ), 学 生 会 員3 000円申込方法など大会ホームページ( http: // www.knt.co.jp/ ec/2017/52jiban/)をご覧ください。問合せ先地盤工学会 調査基準・技術推進チーム電話 ――Emailjgs52@jiban.or.jp〒 文京区千石――ホームページアドレスhttps://www.jiban.or.jp/支 部 か ら の お 知 ら せ●各支部行事等への申込み方法各支部事務局及び主催者へお問合わせください。関西支部第回若手セミナー~地盤工学の基礎講座~主催(公社)地盤工学会関西支部,地下水地盤環境に関する研究協議会協賛(公社)土木学会関西支部(予定),(一社)建設コンサルタンツ協会近畿支部(予定),(一社)日本建築学会近畿支部(予定),(公社)大阪府建築士会(予定),(一社)関西地質調査業協会(予定)開催日時平成年月日(水)1600~1930会場ドーンセンター 大会議室員先着 50 名( 20 ~ 30 代の若手を主としますが,同伴者は年齢不問とします)参 加 費正会員・特別会員・協賛団体の会員 2 000円,非会員3 000円,学生1 000円CPD ポイント.申込期限平成29年6月14日(水)申込み・問合せ先地盤工学会関西支部―電話―― FAX―Emailo‹ce@jgskb.jp※詳細はホームページ[http://www.jgskb.jp/]にてご確認ください。定― 3 ―支部からのお知らせ ■共催・協賛・後援共催・協賛・後援セミナー「グローバル地下水研究の現状と課題」主催(公社)日本地下水学会共催地盤工学会ほか日会時平成年月日(金)場日本大学文理学部 号館レクチャーホール(東京都世田谷区桜上水 3―25―40)第回環境放射能除染研究発表会・国際シンポジウム主催(一社)環境放射能除染学会後援地盤工学会ほか日会時平成年月日(水)~日(木)場とうほう・みんなの文化センター(福島県文化センター)第回粘土科学討論会主催(一社)日本粘土学会共催地盤工学会ほか日会時平成年月日(月)~日(水)場富山大学五福キャンパス共通教育棟(富山県富山市五福3190)そ の 他詳細は下記 HP をご参照ください。問合せ先(公社)日本地下水学会〒 東京都中央区築地―― セントラル東銀座――電話―― FAXEmailchikasui@nifty.comHPhttp://www.jagh.jp/(福島県福島市春日町 5―54)そ の 他詳細は下記 HP をご参照ください。問合せ先(一社)環境放射能除染学会 東京事務所〒 東京都港区新橋―― 大洋ビルF電話―― FAX――Emailinfo@khjosen.orgHPhttp://khjosen.org/そ の 他詳細は下記 HP をご参照ください。問合せ先(一社)日本粘土学会 事務局第回粘土科学討論会実行委員会〒 東京都千代田区岩本町―― 宮沢ビル オフィス・ソフィエル内Emailnendosec@nifty.com電話―― FAX――HPhttp://www.cssj2.org/〒1120011 東京都文京区千石 4382公益社団法人地盤工学会 電 話03(3946)8677(代) FAX03(3946)8678Email: jgs@jiban.or.jp ホームページURL https://www.jiban.or.jp/北海道支部〒0600061 札幌市中央区南 1 条西 2 丁目 南一条 K ビル 8 階電 話011(251)7038,(261)7742 FAX011(251)7038Email: hjgs@olive.ocn.ne.jp東北支部〒9800014 仙台市青葉区本町 251 オーク仙台ビル 3F(江陽グランドホテル北側隣)電 話022(711)6033 FAX022(263)8363Email: jgsb-th@tohokushibu.jp北陸支部〒9500965 新潟市中央区新光町10番地 3 技術士センタービル 7F電話/FAX025(281)2125Email: jgskoshi@piano.ocn.ne.jp関東支部〒1120011 東京都文京区千石 4382 JGS 会館内電 話03(3946)8670(代) FAX03(3946)8699Email: jgskantou@jiban.or.jp中部支部〒4600008 名古屋市中区栄 2926 ポーラ名古屋ビル 8 階電 話052(222)3747 FAX052(222)3773Email: chubu@jiban.or.jp関西支部〒5400012 大阪市中央区谷町 157 ストークビル天満橋 8 階801号室電 話06(6946)0393 FAX06(6946)0383Email: office@jgskb.jp中国支部〒7300011 広島市中区基町103 自治会館内電話/FAX082(962)5557Email: chugoku@jiban.or.jp四国支部〒7908577 松山市文京町 3 社会連携推進機構 3 階 愛媛大学防災情報研究センター内電 話090(6881)9036 FAX089(927)8141Email: nakajima.junko.mc@ehimeu.ac.jp九州支部〒8100041 福岡市中央区大名 2412 シーティーアイ福岡ビル 2 階電 話092(717)6033 FAX092(717)6034Email: jgsk_ jimu@able.ocn.ne.jp― 4 ―
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  • 地盤工学会所在地
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  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • A4〜A4
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120031
  • 内容
  • ■共催・協賛・後援共催・協賛・後援セミナー「グローバル地下水研究の現状と課題」主催(公社)日本地下水学会共催地盤工学会ほか日会時平成年月日(金)場日本大学文理学部 号館レクチャーホール(東京都世田谷区桜上水 3―25―40)第回環境放射能除染研究発表会・国際シンポジウム主催(一社)環境放射能除染学会後援地盤工学会ほか日会時平成年月日(水)~日(木)場とうほう・みんなの文化センター(福島県文化センター)第回粘土科学討論会主催(一社)日本粘土学会共催地盤工学会ほか日会時平成年月日(月)~日(水)場富山大学五福キャンパス共通教育棟(富山県富山市五福3190)そ の 他詳細は下記 HP をご参照ください。問合せ先(公社)日本地下水学会〒 東京都中央区築地―― セントラル東銀座――電話―― FAXEmailchikasui@nifty.comHPhttp://www.jagh.jp/(福島県福島市春日町 5―54)そ の 他詳細は下記 HP をご参照ください。問合せ先(一社)環境放射能除染学会 東京事務所〒 東京都港区新橋―― 大洋ビルF電話―― FAX――Emailinfo@khjosen.orgHPhttp://khjosen.org/そ の 他詳細は下記 HP をご参照ください。問合せ先(一社)日本粘土学会 事務局第回粘土科学討論会実行委員会〒 東京都千代田区岩本町―― 宮沢ビル オフィス・ソフィエル内Emailnendosec@nifty.com電話―― FAX――HPhttp://www.cssj2.org/〒1120011 東京都文京区千石 4382公益社団法人地盤工学会 電 話03(3946)8677(代) FAX03(3946)8678Email: jgs@jiban.or.jp ホームページURL https://www.jiban.or.jp/北海道支部〒0600061 札幌市中央区南 1 条西 2 丁目 南一条 K ビル 8 階電 話011(251)7038,(261)7742 FAX011(251)7038Email: hjgs@olive.ocn.ne.jp東北支部〒9800014 仙台市青葉区本町 251 オーク仙台ビル 3F(江陽グランドホテル北側隣)電 話022(711)6033 FAX022(263)8363Email: jgsb-th@tohokushibu.jp北陸支部〒9500965 新潟市中央区新光町10番地 3 技術士センタービル 7F電話/FAX025(281)2125Email: jgskoshi@piano.ocn.ne.jp関東支部〒1120011 東京都文京区千石 4382 JGS 会館内電 話03(3946)8670(代) FAX03(3946)8699Email: jgskantou@jiban.or.jp中部支部〒4600008 名古屋市中区栄 2926 ポーラ名古屋ビル 8 階電 話052(222)3747 FAX052(222)3773Email: chubu@jiban.or.jp関西支部〒5400012 大阪市中央区谷町 157 ストークビル天満橋 8 階801号室電 話06(6946)0393 FAX06(6946)0383Email: office@jgskb.jp中国支部〒7300011 広島市中区基町103 自治会館内電話/FAX082(962)5557Email: chugoku@jiban.or.jp四国支部〒7908577 松山市文京町 3 社会連携推進機構 3 階 愛媛大学防災情報研究センター内電 話090(6881)9036 FAX089(927)8141Email: nakajima.junko.mc@ehimeu.ac.jp九州支部〒8100041 福岡市中央区大名 2412 シーティーアイ福岡ビル 2 階電 話092(717)6033 FAX092(717)6034Email: jgsk_ jimu@able.ocn.ne.jp― 4 ―
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  • 【英訳化版】室内試験・地盤調査に関する規格・基準(Vol.2)の発刊
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120032
  • 内容
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  • タイトル
  • 裏表紙
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120033
  • 内容
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  • 表紙
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120001
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  • タイトル
  • シード教授の液状化研究(寄稿(投稿))
  • 著者
  • 吉見 吉昭
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 32〜33
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120016
  • 内容
  • シード教授の液状化研究Professor Seed's Research on Soil Liquefaction吉見吉昭(よしみ東京工業大学よしあき)名誉教授癌 の た め 1989 年 に 66 歳 と い う 若 さ で 他 界 し た ハ着目した研究者がいたが,側圧と軸方向荷重を同時に逆リ ー ・ ボ ル ト ン ・ シ ー ド ( Harry Bolton Seed ) 教 授方向に増減する「正攻法」と呼ぶべき,技術的に複雑な(1922~1989年)は,英国のボルトンで生まれ,ロンド方法を選んだために,時間がかかった。シード教授の指ン大学キングス・カレッジのシビルエンジニアリング導のもとで一連の実験を行ったのはカナダ人の博士課程(土木・建築工学)専攻で構造工学の博士号を取得した学生だったケネス・リーであった。彼は砂の密度・側圧後,米国に渡ってハーバード大学でテルツァーギとキャ(地表面からの深さに対応)・軸方向荷重振幅(地震水平サグランデ両教授のもとで土質力学を学んだ。 1950 年加速度に対応)などを広範囲に変えた多くの実験を精力以来,彼はカリフォルニア大学バークレー校で道路工的に行い,その成果を長文の論文として 1967 年初めに学・地盤工学・地震工学の分野で顕著な業績を挙げたが,ASCE の論文集に発表した1)。特に飽和砂の液状化研究の第一人者であったことに異議少し時間はさかのぼるを唱える人はいないであろう。ニューヨーク・タイムズが,新潟地震翌年の紙は彼の死亡記事のなかで,レーガン大統領から 19871965 年 に , シ ー ド 教 授年科学栄誉賞を受けたことや,米国科学アカデミーの会を含む 4 人の米国の研員であったことを紹介したが,米国シビルエンジニア学究者から,来日してわが会(以下 ASCE )から最も多くの賞を受けたことでも国の専門家との意見交換知られている。と新潟市の視察をしたい1964 年 3 月のアラスカ地震と同年 6 月の新潟地震でとの申し入れがあった。顕著な液状化が起こったことは,多くの研究者に液状化日本側はこれを快諾し,研究を始める動機を与えたが,シード教授のスタートダ「土の動力学に関する日ッシュには目覚ましいものがあった。それ以前でも,主米科学協力会合」として,として砂槽振動実験によって,液状化発生条件とその後東大土木工学科の最上武の間隙水圧の変化を観察することはできたが,数 m か雄教授( 1911~ 1987年)ら数十 m という深さにある砂地盤における液状化発生を中心に相当数の日本人条件を定量的に評価することはできなかった。シード教技術者が対応し,筆者もその末席を汚した。先ず東京で写真―54歳当時のシード教授授は,液状化が発生するまでのプロセスを振動としてでの第 1 回会議で相互に資料を提供して説明した後,新はなく繰返しせん断としてとらえ,「非排水条件のもと潟市の液状化跡地を視察し,東京で第 2 回会議を行っでの完全両振り三軸試験」を行うことによって定量化がた。まとめの討議のなかで,最上教授から,米国におけ可能であることを示した。それが早く実現した理由は幸る液状化発生条件に関する定量的研究の有無を尋ねたと運と独創的なアイディアの両方だったと思われる。ころ,シード教授は全くのポーカーフェイスで「まだでまず幸運だったことは,当時シード教授はカリフォルす。」と答えた。実はそれは真っ赤な嘘で,まさにそのニア大学バークレー校で自動車や航空機による動的荷重時,上記のケネス・リーが繰返し三軸試験を大車輪で行を受ける路床土の研究をしていたが,そのために円柱形っていたはずであった。しかし,研究のオリジナリテの土の供試体に繰返し荷重をかける三軸動的圧縮試験装ィーを守るのは常識であって,本音が聞けると思うほう置を使っていた。これは軸方向の圧縮荷重を増減させるが甘かったわけである。新潟視察の途中でも,筆者は方式であったが,引張り荷重も加えられるように装置をシード教授と会話を交わす機会がかなりあったが,彼は改造することはさほど難しいことではなかったと思われ現在進行中の研究には全く触れなかった。特許出願の準る。シード教授の独創性は,「土が完全に飽和してさえ備をしている最中に商売敵に内容を漏らさないことと同いれば,側圧を一定に保ったままで,非排水条件のもと様である。見方を変えれば,シード教授はわが国の研究で,軸方向に等しい振幅の圧縮荷重と引張り荷重を交互者を対等のライバルと認めていたのかもしれない。に加えることによって,地震時の水平地盤中の要素に作その後シード教授は,数値解析の得意な研究者と協力用するせん断応力をほぼ再現することができる。」といし,新潟市の砂地盤の深さ方向の地震動によるせん断応う考え方にあった。一方,わが国でも繰返し三軸試験に力と液状化抵抗を比較して,被害の大小と地盤・地下水32地盤工学会誌,―() 寄稿位の挙動をうまく説明したが,わずか 8 ページの前刷にバークレーで面談するまで, 30 年以上にわたって直りと 10 分間の発表時間しか与えられないことを承知の接,間接に接触を保った。上記の 1965 年以来の何回かうえで,わざわざ来日し,国際会議ではない日本地震工の日米科学協力会合のほか,東京で 1977 年に開催され学シンポジウムで発表した2)(インターネットの無かった第 9 回国際土質力学基礎工学会議の「土の動力学とた時代にシンポジウムに関する情報を入手するために相基礎工学への応用」と題するメーンセッションで,筆者当の努力をしたと想像する)。これには,オリジナリテがゼネラルリポーター,彼がチェアマンを務めたことがィーの早期確立に労を惜しまない姿勢が表れているが,あった(前ページの写真は当時のシード教授である)。それを見て大いにショックを受けたのが,当時建設省建その後間もなく,砂の凍結サンプリングに関して,築研究所におられた大崎順彦(よりひこ)博士( 1921シード教授と筆者が一字一句同じ表題の論文を発表した~1999年)であった。「殴り込み」とまで言われたかどことを思い出す3),4)。シード教授の研究は,すべて室内うかは定かではないが,まるで黒船の来航のように受け実験に基づくもので,筆者の論文より 4 年ほど後で発止めたようであった。新潟地震の調査にあれだけのエネ表されたが,凍結サンプリングから力学試験に至る間のルギーを傾注した日本人が初めにやるべきだったのに,間隙水の凍結・融解履歴が砂の液状化抵抗に影響を及ぼましてや自分が解析を得意としていただけに,トンビにさないことを立証するうえで,乱れに敏感な試料を用い油揚げをさらわれるように先を越されたことが残念だっることによって説得力を高めたものであった。たようである。シード教授との間接的接触というのは,筆者の後継者当時建設省建築研究所におられた小泉安則博士である時松孝次氏(東工大教授)が 2 年間にわたって(1924~1983年)は,新潟地震前後の標準貫入試験の N客員研究員としてシード教授に師事したことである。値を比較することによって,液状化するかしないかの境シード教授はかねがね論文を通して時松氏に注目してい目に相当する「限界 N 値」なる概念を提唱した。これたらしく,バークレーでは「お出入り御免」の特別待遇は新潟市の地盤と 1964 年新潟地震にだけ適用できるもを受けたようで,2 年間に 3 編の論文と 1 編の討論を共のであったが,シード教授はこれを一般化して,地震動によるせん断応力と初期有効応力の比と N 値の関係と著することになった。年齢差を超えて互いに認め合う「つうかあの仲」だったと想像する。して提示した。これはその後「液状化簡易判定法」として広く実務で使われるようになっている。さらにシード教授は,アラスカ地震の際の大規模な斜面崩壊が粘土層内に存在するレンズ状砂の液状化に起因するという仮説を立て,そのメカニズムを現場調査・室内実験・数値解析の結果から総合的に解明した。名探偵が犯人を追いつめるような鮮やかな語り口で,シード教授以外の著者だったら「大胆過ぎる」として保守的な論文査読者から採用を拒否されたかもしれない。筆者はシード教授より 5 歳ほど若かったが, 1957 年にシカゴで開催された ASCE 年次大会の地盤工学のセッションで,吉見・シード・ビエラム・スケンプトンの順に口頭発表した時から,シード教授が亡くなる前の年May, 2017参考文献1)Lee, K. L. and H. B. Seed: Cyclic stress conditions causing liquefaction of sand, Journal of Soil Mechanics andFoundations Division, ASCE, Vol. 93, No. SM1, pp. 4770, 1967.2) Seed, H. B. : Soil liquefaction in the Niigata earthquake,日本地震工学シンポジウム講演集,pp. 97104, 1966.3) Yoshimi, Y., M. Hatanaka and H. Oh-oka: Undisturbedsampling of saturated sands by freezing, Soils and Foundations, Vol. 18, No. 3, pp. 5973, 1978.4) Singh, S., H. B. Seed and C. K. Chan: Undisturbed sampling of saturated sands by freezing, Jour. GeotechnicalEngineering Division, ASCE, Vol. 108, No. GT2, pp.247264, 1982.(原稿受理2016.11.2)33
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  • タイトル
  • 北海道の地域土―火山灰質土と風化残積土― (寄稿)
  • 著者
  • 川村 志麻
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 30〜31
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120015
  • 内容
  • 北海道の地域土―火山灰質土と風化残積土―Local Soils in Hokkaido ― Volcanic Soils and Residual Soils ―川村志室蘭工業大学大学院麻(かわむら工学研究科しま)准教授. は じ め に平成 28 年 8 月 17 日~ 23 日の 1 週間に北海道を襲った台風 7 号,11号,9 号は,北海道東部を中心に河川氾濫や土砂災害を引き起こした。さらに,8 月29日からの前線の影響や台風 10 号の接近による大雨によって十勝川水系,石狩川水系,空知川上流で堤防決壊や河川氾濫や土砂災害が発生し,特に日高山脈周辺にある道路施設に甚大な被害を与えたことは報道も大きく取り上げている。地盤工学会北海道支部では災害調査団を立ち上げ,被害状況を調査・報告1)している。一連の土砂災害は,記録的な豪雨によってもたらされたことが主因であるが,ここでは素因となる北海道の地質・地盤の特徴と土砂災害履歴について,特に火山灰質土と風化残積土に注目し,紹介したい。.北海道火山灰質土の主な特徴と土砂災害履歴図―北海道の第四紀火山と火山噴出物の分布2)このように,火山灰質土は力学的な解釈や評価が通常図―は,北海道の第四紀火山と火山噴出物の分布2)の土と同じ範疇では議論できない場合が多く,その特異を示したものである。テフラ名の後の数値は等層厚線の性・性質から,多くの土砂災害が発生してきたことも事示す層厚(cm),層厚のないものは火砕流堆積物を示す。実である。表―は,過去 50 年間で北海道の火山灰地図中の多くの火山灰質土は,過去の北海道支部の研究委盤や斜面において発生した地震や降雨による土砂災害の員会例えば 2)により,その工学的性質や評価法が精力的に主な事例を纏めたものである。例えば, 1968 年と 2003議論され,明らかにされてきた。また,実務においても,年十勝沖地震では,現在の札幌市清田区の宅地盛土に用それぞれ独自の設計・施工上の対応を求めているところいられた支笏軽石流堆積物 Sp‰ の液状化に起因する家もあり,地盤工学的研究や設計・施工事例の蓄積も多い屋や道路の被害2)が報告されている。この地域は旧河川と思われる。現在まで得られている知見をもとに北海道を埋め立てた箇所が液状化し, 35 年後に起きた同規模火山灰質土の分布及びそれらの工学的性質の特徴を要約の地震で液状化が再現された箇所として広く取り沙汰さすると,次のようになる。れた。北海道全面積の 40 ~ 45 に明確な火山灰質土の堆積層が認められている。降下火砕堆積物の分布は偏西風の影響を受けて噴出源から東方向を主軸にする傾向がある。降下火砕堆積物は火砕流堆積物よりも広範囲で見られる。近年では,平成 26 年 9 月豪雨によって支笏湖周辺の恵庭岳を噴出源とする火砕流堆積物や降下堆積物が,土石流や斜面崩壊を同時多発的に発生させている3)。このような被害の直接的な要因は,火山灰質土の分布の地域性がまず挙げられ,各々の構成粒子の物理特性が力学挙動に強く影響していることが示されてきている2)。大規模火砕流である支笏軽石流堆積物(Sp‰)とクッ一方,火山灰質土は実務でも良質な地盤材料として用いチャロ軽石流堆積物( Kc 4 )の分布は火山周辺に限られる場合が多いものの,未だ不明な点が多いことも事られているが,層厚が 30 m を超えることも珍しくは実である。特に,破砕性を有する火山灰質土の浸透特性ない。については検討が急務であろう。現在,北海道土木技術火山灰質粗粒土は程度に差があるものの,概ね破砕性を有している。火山灰質粘性土は通常の粘性土と異なり,粘着性が弱い。30会土質基礎研究委員会火山灰分科会では未解明である道央地方の火山灰質土や道北地方に分布する火山灰質土(十勝岳を噴出源とする)の工学的性質の把握を目指しており,新たな工学情報が収集されている。地盤工学会誌,―() 寄表―写真―稿過去50年間の北海道火山灰地盤や斜面における主な土砂災害事例平成 28 年北海道豪雨の日勝峠の斜面崩壊の状図―況 1)日勝峠の風化残積土の粒径加積曲線程の違い,すなわち寒冷気候下の特徴である凍結・融解.北海道豪雨災害による風化残積土地帯の土砂災害作用が影響している可能性がある。地質地形学の視点によれば,この地域は周氷河作用によって地形が形成されていると報告されている。一方,日勝峠頂上より数 km前述のとおり,平成 28 年 8 月の豪雨では,北海道各圏内にある斜面では 10 数年間でかなり細粒化が進んで地に甚大な被害をもたらした。解明の急がれる地盤工学いる箇所も確認されている。今回の事例から,今後は風的問題が提起されているが,ここでは風化残積土地帯の化をキーワードにした道内地域土の工学的評価が重要に土石流及び斜面崩壊について述べる。なると言える。北海道では,中央部に位置する日高山脈や道北地方と道南地方の一部に風化残積土(花崗岩体が主体)が分布.おわりにしていることは古くから認識されていた。今回の台風北海道は寒冷地特有の気象条件下でもあり,その影響の豪雨1)がは他地域と比べ厳しい。地盤工学的問題の解決の本質は記録され,平成 26 年 8 月広島豪雨の土砂災害と同様,地域性にある。今後の地域土の解明さらには防災技術のこの風化残積土地帯に被害が多発した。筆者の知る範囲進展に期待したい。10号では時間雨量 55 mm,積算雨量 488 mmでは,北海道において,今回のような風化残積土地帯における大規模な土砂災害は報告されていない。最後に,ご協力頂いた北海道開発局帯広開発建設部,室蘭開発建設部の関係各位に深甚なる謝意を表します。写真―は,今回の豪雨により国道 274号日勝峠で発生した盛土崩壊の状況1)である。風化残積土(まさ土)を含む土石流が道路を流下して,その表面水が盛土内に浸透し,崩壊に至ったとの見解1)がある。日勝峠周辺では道路本体,橋梁を含め大小 66 を超える被害が発生したと報告されている4)。参1)2)3)図―は,国道274号日勝峠(清水町側)の土石流氾濫域の試料と日勝峠(日高町側)の露頭部から採取した4)風化試料の粒度特性5)を示している。図中には1999年広島豪雨災害のまさ土6)のものを併記している。今回の土石流氾濫域と露頭部の試料( 8, 9 合目)では,細粒化が進んでいるものもあるが,広島豪雨災害のまさ土と比べて粗粒分を多く含んでいるものが多い。これは風化過May, 20175)6)考文献地盤工学会北海道支部平成 28 年 8 月北海道豪雨による地盤・地すべり災害調査団報告会,2016.三浦清一ほか実務家のための火山灰質土~特徴と設計・施工,被災事例~,地盤工学会北海道支部,2010.北海道道路管理技術センター平成 26 年( 2014 年)北海道恵庭岳山麓豪雨災害現地調査報告写真集,2016.北海道開発局室蘭開発建設部 平成 28 年度報道提供資料平成 29年秋頃を目標に国道274号日勝峠の通行止め解除,2016.川村志麻・佐々木雄大第57回年次技術報告集,地盤工学会北海道支部,pp. 125~131,2017.土木学会水工学委員会平成 26 年 8 月広島豪雨災害調査報告書,71p, 2015.(原稿受理2017.2.10)31
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  • タイトル
  • 人工水路を用いた植物によるヒ素を含む水の浄化技術(技術紹介)
  • 著者
  • 岡崎 健治・山崎 秀策・倉橋 稔幸・榊原 正幸
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 28〜29
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120014
  • 内容
  • 技術紹介人工水路を用いた植物によるヒ素を含む水の浄化技術Phytoremediation for the Arseniccontaining Water using the Artiˆcial Channel岡o健治(おかざき国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所倉橋稔幸(くらはし山けんじ)主任研究員榊上席研究員. は じ め に策(やまざき原正幸(さかきばら愛媛大学大学院.道路建設事業では,ヒ素,鉛,セレンなどの重金属を秀しゅうさく)国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所としゆき)国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所崎理工学研究科研究員まさゆき)教授人工水路による浄化実験図―に実験で使用した人工水路を示す。人工水路は,含む岩石・土壌がトンネルや切土などの掘削に伴い一時塩化ビニル製で,幅 30 cm ,長さ 10 m の水路を 5 つ直的に仮置きされることがある。仮置き期間中の降雨降雪列に連結して総延長50 m とし,導水勾配は0.5とした。によっては,環境基準又は排水基準を超える浸出水や排そこにマット状に製作したマツバイを湿潤重量で 49.3水が発生する場合がある。kg(乾燥重量で9.4 kg)敷設した。このような岩石・土壌,重金属を含む水の対策方法と実験では,北海道壮瞥町の休止鉱山の廃水を試験水として,「浸出水処理」が示されており1) ,周辺環境の保して, 2 日間で 200 L を 2 回に分けて,一次タンクから護の観点から適切な処理が求められている。一方,近年,植物の重金属吸収効果による環境汚染修流入させ,二次タンクで回収した。流入速度は0.4~0.6L/分とした。実験開始時と試験水100 L を流入させるご復技術が注目されている2),3)。この技術は,植物の根圏とに 50 m 地点で採水した。あわせて,実験時に気温,の範囲しか汚染修復できない,植物の生育に時間がかか水温, pH 及び EC を測定した。採水した試験水のヒ素るなどの短所はあるが,低コスト,低エネルギー,環境の濃度をICP-MS法で分析した。に調和的であるなどの長所がある。マツバイは,実験開始時と試験水100 L を流入させる筆者らは,これまで重金属を吸収蓄積する能力を持つごとに,人工水路の 0 m 地点,25 m 地点及び50 m 地点カヤツリグサ科マツバイ(以下,マツバイ)を用いた浸から採取した。マツバイのヒ素の含有量を ICP MS 法出水の浄化実験を行ってきた4)。北海道のトンネル建設で分析した。その前処理として,採取したマツバイを水現場において,掘削ずりからのセレンを含む浸出水を保道水で洗浄後,さらに超純水で十分に洗浄した。その後,管した開放系の貯水槽内にマツバイを浮かべて,浸出水乾燥器で 2 日間80°Cで乾燥させて微粉末にした。のセレンの濃度を低下できることを確認してきた。次に,粉末試料へ 30 過酸化水素, 61 硝酸及び 38本稿では,人工水路にマツバイを敷設し,ヒ素を含むフッ化水素酸を添加して 98 °C で蒸発乾固させた。そ鉱山廃水を流入させた実験を行い,流入水の濃度変化との後, 61 硝酸を添加し,再び 98 °C で蒸発乾固後, 30マツバイのヒ素の吸収量を明らかにした結果を述べる。硝酸を添加して分析のための溶液とした。図―28人工水路と浄化用植物(カヤツリグサ科マツバイ)の敷設状況地盤工学会誌,―() 技術紹介表―. 実 験 結 果実験結果(試験水). 試験水のヒ素濃度表―に実験結果を示す。試験水の初期濃度7.45 mg/ L は,流入回数に応じて 1.62 mg / L , 3.12 mg / L と初期値よりも低い値となった。このため,一定の流入水量まではマツバイがヒ素の濃度を低下させることが確認できた。また,試験水の pH は流入 1 回目で2.06から3.80,流入 2 回目で 2.04 から 2.80 と前者で変化が大きい。 ECは流入 1 回目で 3.7 から 4.2 mS / m ,流入 2 回目で 4.8 から5.0 mS/m に変化した。表―浄化実験に用いた植物のヒ素含有量ここで,流入 1 回目の試験水のヒ素の濃度は,初期値の 5 分の 1 程度まで低下しているが,流入 2 回目は,初期値の 2 分の 1 程度の値である。. 浄化実験に用いた植物のヒ素含有量表―にマツバイのヒ素の含有量の測定結果を示す。マツバイのヒ素の含有量は,3 地点において,流入回数に応じて増加している。 0 m 地点で最も多く, 25 m 地点, 50 m 地点の順に少ない。マツバイのヒ素の最大含試験水の減少量=143.5 L試験水の減少量をマツバイの敷設面積と流入時間で割有量は, 0 m 地点の流入 2 回目後の 105 mg / kg である。ると,マツバイの単位面積当たりかつ単位時間当たりのこのため,25 m 地点や50 m 地点では,0 m 地点と同等試験水の減少量の目安は,約 0.9 L / m2 ・ h と試算できる。にヒ素を吸収蓄積する能力が残っていると考えられる。以上のことから,人工水路と植物を介して,マツバイここで,試験水とマツバイにおけるヒ素の総量の収支へのヒ素の吸収蓄積と同時に試験水自体を減少させるとを次のとおり求めた。試験水のヒ素の総量=初期濃度7.45 mg/L×流入総量200 L=1 490 mgマツバイのヒ素の含有量=流入 2 回目の 3 地点のヒ素含有量の平均値(初期値を控除)×投入したマツバイの乾燥重量=65.1 mg/kg×9.4 kg=612 mg試算の結果,マツバイのヒ素の含有量は 612 mg であり,試験水のヒ素の総量 1 490 mg のおよそ 41 に相当する。残りのヒ素については,回収した試験水,マツバイの表面に付着又は人工水路内に残存する試験水に含まれるいう複合した効果を期待できることが分かった。ただし,蒸発散による重金属の高濃度化には注意が必要である。.おわりに人工水路を用いて植物によるヒ素を含む水の浄化実験を実施した結果,水に含まれるヒ素の濃度の低下,マツバイによるヒ素の吸収量,及び蒸発散によって水自体が減少することを確認することができた。今後は,常時排水が流れ込むような実際の現場や気象条件に応じた植物による重金属の吸収蓄積効果の確認と特性の把握に向けた調査研究を進めていきたい。本実験を進めるにあたり,ご協力頂いた北海道経済部株 北硫建設の各位に,産業振興局環境エネルギー室並びにここに記して厚くお礼申し上げる。など,実際にはマツバイに吸収されないヒ素が存在することが考えられる。. 試験水の蒸発散量試験水の流入総量 200 L に対する回収水量は, 57.5 L(= 11. 7L + 45.8 L 表―より)と 29 であり,試験水自体が143.5 L(=200 L-57.5 L)と71減少した。実験は 7 月下旬~8 月上旬に行っており,気温が27.9~30.3°Cの範囲であった。このため,人工水路からの蒸発散量が比較的多く,減少の割合も大きい結果になったと考えられる。ここで,人工水路に敷設したマツバイの単位面積当たり,かつ単位時間当たりの蒸発散量を次のとおり求めた。マツバイの敷設面積=15 m2流入時間(実験開始~回収水の滴下がなくなるまで)=11時間(1 回目4 時間,2 回目7 時間)May, 2017参考文献1)建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル検討委員会建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定版),pp. 72~84,2010.2) Masayuki Sakakibara, Aki Harada, Sakae Sano and RieS. Hori. :Heavy Metal Tolerance and Accumulation inEleocharis acicularis, a Heavy Metal Hyper accumulatingAquatic Plant Species, GeoPol. Sic., Med. Geol. and Urban Geol., Vol. 5, pp. 19, 2009.3 ) 室伏祥子・伊藤隆政・高藤 誠・須田俊之・久保田伸彦植物の土壌浄化能力による放射性同位体の回収及び処理方法,IHI 技報,Vol. 51, No. 4, pp. 87~90, 2011.4) 岡o健治・山崎秀策・倉橋稔幸・榊原正幸重金属を吸収する植物による排水の浄化実験,土木学会論文集 G( 環 境 ), Vol. 72, No. 7,  _ 179 ~  _ 185, 2016.(原稿受理2017.2.10)29
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  • タイトル
  • 集水ボーリング工における簡易削孔システムの開発(投稿)
  • 著者
  • 小松 順一・水嶋 清光・太田 徹・澤野 幸輝
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 24〜27
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120013
  • 内容
  • 報告集水ボーリング工における簡易削孔システムの開発Development of a Simple Boring System to Water Catchment Boring小松順一(こまつ株 監査室奥山ボーリング太田じゅんいち)技師長徹(おおた株 郡山管理事務所東日本高速道路とおる)所長水嶋清光(みずしま株 ネクスコ・メンテナンス東北澤野幸きよみつ)品質安全管理室長輝(さわの株 ネクスコ・エンジニアリング東北こうき)課長代理. は じ め に近年では地球環境の変化に伴う局地的豪雨や降雨強度の増加,台風の大型化によって,自然斜面のほか,切土・盛土の崩壊が多発している。 1968 年十勝沖地震,2004 年新潟県中越地震では地震前の降雨が土構造物の被害を増幅させたと言われており,一般に地下水が十分に排水されていれば大きな間隙水圧は発生せず,切土・盛土は豪雨時にも地震時にも安定を保つことができると写真―簡易削孔システムの概要言われている1)。さらに,インフラ整備は維持管理の時代に突入しており,土構造物の機能を長く維持するうえでも地下水排除工の重要性は益々高くなってきている。地下水排除工の代表的工法である集水ボーリング工は,ロータリーパーカッション式ボーリングによる施工が一般的である。しかし,削孔機が大型で資機材が多く,運搬・仮設作業に時間・経費を要し,さらには広い施工スペースが必要になるため,道路や宅地の切土・盛土においては計画しにくい場合が多い。特に高速道路の法面での施工においては,円滑な車両の通行を確保するためにも高速道路からの資材搬入・仮設においては占有スペー写真―高速道路トンネル内での施工状況スや作業時間を最小限にすることが重要となる。そこで筆者らは小型・軽量で施工性に優れ,経済的な集水ボーリング工削孔システムを開発(実用新案登録第3186011号)し,これまで高速道路の盛土を主として施工を重ねてきた。開発においては小型・軽量であることを最優先したために,現時点では孔壁保護パイプを挿入する機能を有していないシステムとなっている。(写真―)。システムを構成するそれぞれのパーツは小型で軽量である。削孔機の動力にはコンプレッサー(吐出空気量 5 m3/min )を使用する。削孔時の削孔水はエンジンポンプ(送水量20 L/min,圧力 5 MPa)で送水する。. 削孔システムの特徴その結果,砂層に代表される崩壊性の地層,硬質な大簡易削孔システムの大きな特徴は,一般的なロータ径礫を含有する地層等には適用できない場合があるが,リーパーカッション式ボーリングと比較して小型・軽量粘性土や軟岩を主とする盛土,軟岩地山を対象とした場であることである。これに伴って,削孔装置のすべての合は施工性,施工期間,経済性において,既存の一般工資機材は人力による運搬が可能となり,仮設も簡易で狭法と比較して極めて大きな優位性を有していることが明いスペースでの施工が可能となった。一方で小型・軽量らかになったので,この削孔システムについて紹介する。であることを優先したため,削孔エネルギーが小さく,.開発した簡易削孔システムの概要と特徴. 削孔システムの概要すべての地層には適用できないという短所を有している。システムの特徴を列記する。◯資機材のなかでの最大寸法はレールの0.5 m×1.5簡易削孔システムは,据付台に固定されたレールと台m である。最大質量は削孔機で,台車を一体化し車及び削孔機から構成される(写真―)。削孔はコンた状態で 25 kg である。レールが載る据付台は 0.8プレッサーで送られる圧縮空気により,ビットとスパイm×2 m 程度の大きさで,足場パイプで組み立てる。ラルロッド(以下,ロッドという)を回転させて行う据付台組立て~削孔機設置までの時間は 20 分程度24地盤工学会誌,―() 報合は,施工現場外から水タンクで運搬するため, 2と短時間で済み,多くの場合,トラックからの資機材運搬を含めて,1 時間程度で削孔開始が可能であ台となる。る。さらには,据付台の削孔地点への移動はその都◯◯度解体する必要はなく,組み立てたままでの人力にが確保できていれば,車線規制することなく施工可よる移動が可能である。能である。車線規制が必要な場合でも,事前に法肩簡易削孔システムの機械高はレールを含めて 0.4付近の法面にコンプレッサーを設置するための足場m 程度であり,集水ボーリング孔口は基盤面からを仮設しておくことにより,通行規制はコンプレッ0.5 m 程度の高さからの施工が可能である。既存のサーを足場に荷卸しする間の数分で済む。他の資機一般工法では 1 m 以上の孔口高さとなる。材の荷卸しは資機材が少なく,すべて人力で可能で施工は削孔オペレーターを含めて 2 人体制で行あるため,数十分間の規制で済む。kg)と外径38 mm(質量2.4 kg)の 2 種類のロッドを準備している。軽量であるため,ロッド継ぎ足しや切断は容易である。これまでの施工実績の一例試験施工を含めた施工実績の一例から,地層毎の削孔長,削孔時間,削孔速度について整理した(表―)。ないが,固結度の大きい軟岩においてはやや削孔能率が低下する傾向が伺える。砂層は孔壁崩壊が発生しやすいため,孔壁が自立できうになる。小型・軽量であることを優先したため,削孔エネない場合は削孔不可となる。さらに削孔できても削孔ロルギーが小さく,孔壁保護パイプ挿入による孔壁保ッド回収時に孔壁が崩壊する場合があり,孔壁の自立に護機能は有していない。したがって,砂層に代表さ影響する細粒分の混入割合を事前に把握しておくことがれる崩壊性の地層には適用できない。固結度の高い重要である。表中の削孔を断念した孔は最終削孔長の手軟岩の削孔は可能であるが,削孔能率が著しく低下前 2~3 m あたりから孔壁崩壊が発生しており,この間する場合がある。硬質な大径礫を含む地層は適用外は複数回削孔している。細粒分含有率は 20 未満であとしている。る。礫層の場合は礫量,礫の硬軟,礫径の影響をうける。. その他◯.粘土層や軟岩は孔壁が自立するため,削孔は何ら問題削孔は極めて容易であり,特別な技術は必要としない。わずかの経験を積むことにより削孔できるよ◯運搬が可能である。削孔は長さ 1 m のロッドを継ぎ足しながら行う。ロッドはスパイラルを含んで外径 50 mm (質量 4.5現場内での資機材の運搬は削孔機を含めて,人力◯削孔水の運搬が必要となるため 3 人体制となる。◯高速道路の盛土の施工においては2.5 m の路肩幅◯う。削孔水を施工現場近くで確保できない場合は,◯告現地までの資機材の運搬は,削孔水が現場調達でビットで砕くことができない,あるいは砕くのに長時間きる場合は 2 t トラック 1 台,現場調達できない場を要する硬質な礫が存在する場合の削孔は不可となる場表―May, 2017施工実績の一例25 報告表―簡易削孔システムと一般削孔工法の施工日数と施工経費の比較なわち,礫層の場合も事前に礫量,礫の硬さ,礫径合が多い。の把握が重要である。以下,地層毎に列記する。◯◯粘土層は最長削孔長が 20 m 程である。ただし,◯孔壁の自立は確保できるため,礫混じり土で最長は 11~ 30 m/h とばらつきが認められるが,固結度45 m の削孔実績があることから40~50 m 程度の削を反映した結果と考えられる。 N 値 50 以上の固結孔は可能と考えている。削孔速度は 60 m /h 程度と度の高い場合の削孔速度は低下する傾向を示す。な高い削孔能率である。お,削孔可能な削孔長は固結度が高くない軟岩であ砂層は孔壁の自立がむずかしいこともあり,削孔れば,削孔能率の大きな低下はなく, 40~ 50 m 程実績の最長は 18 m である。この孔は設計深度の削孔ができているが,削孔時の排出土砂量が多く,小規模な孔壁崩壊は発生していたものの,削孔の繰り返しによって土砂を排出できた結果と推察している。度は可能と考えている。.一般工法との施工期間,施工費用の比較これまでの施工実績から,一般的な削孔工法である削孔の繰返しによって削孔能率は低下している。細ロータリーパーカッション式ボーリングによる施工と,粒分の混入割合は 20 未満での実績であるが,こ簡易削孔システムによる施工の場合における施工期間,の程度の混入割合では孔壁の自立は確保できないこ施工経費について比較した(表―)。なお,一般削孔とを示している。孔壁が自立する細粒分の混入割合工法の施工日数,施工経費は「国土交通省土木工事積算は今後解明していく必要がある。したがって,砂層基準―(一財)建設物価調査会発行―」によって算出した。においては計画時における孔壁自立可否の判断,す比較条件なわち,細粒分の混入割合を把握しておくことが重◯施工段数1 段と 2 段要である。◯削孔長・本数20 m×10本/段地下水との関連では,地下水が存在しない区間の◯地質礫質粘土注1)孔壁が自立しやすい傾向が伺えた。さらに砂層の場◯削孔機足場注2)有無と段数合は,削孔を進める過程では孔壁が自立していても,◯削孔機台数両工法とも 1 台比較結果ロッドの抜管時に孔壁が崩壊するケースが見られた。削孔速度は 24~ 35 m /h 程度であり,削孔速度自体は適用可能な速度である。◯軟岩は最長で 30 m の削孔実績である。削孔速度礫混じり~礫質粘土層は盛土での実績である。礫は軟質礫が多く,孔壁からの排出が可能な小礫(40 mm 程度以下)であったことから,最長で45 m削孔している。削孔速度は 6 ~ 29 m / h とばらつきの程度が大きい。調査ボーリングデータがないこともあり,削孔時のオペレータの手に伝わる感触,削孔音からの推比較した結果は,既存の一般工法(ロータリーパーカッション式ボーリング)による場合を「1」として比率で示した。簡易削孔システムによる施工日数は,施工段数 1 段で削孔機足場が必要ない場合は一般工法と比較して 20程度の短縮が可能である。施工段数 1 段で削孔機足場が必要な場合,及び施工段数 2 段で削孔機足場が必要な場合は50程度の短縮が可能となる。施工経費についても大幅な削減が可能となっている。察になるが,軟質礫でも礫量が多い場合や大径礫が混在する場合は削孔能率が低下する傾向がある。もちろん,硬質の大径礫が主である場合は削孔不可,あるいは削孔能率が著しく低下することになる。す26注1)削孔能率は表―に示した範囲の平均的値とする。注2)簡易削孔システムによる場合は組み立てたままで,数十秒程度での人力移動が可能であるため考慮しない(一般削孔工法は基準より施工範囲全長)。地盤工学会誌,―() 報現時点では施工実績が十分とは言えないため,実績が増表―告地層毎の簡易削孔システムの適用性えることによって多少変わる可能性を残しているが,50程度の削減が可能である。以上より,簡易削孔システムは施工期間の短縮,施工費用の削減において大きく貢献できることが分かる。.簡易削孔システムの地層毎の適用可否現時点での簡易削孔システムによる地層毎の適用可否に関して,孔壁の自立性,礫の硬軟・礫量・礫径,及び岩盤の硬軟等から整理し,検討する。◯孔壁の自立性からの削孔可否孔壁が自立する粘性土及び軟岩は削孔可能である。砂層の場合は細粒分の混入割合が 20 未満程度では孔壁崩壊が発生している。孔壁が自立できる細粒分の混入割合を今後明らかにする必要があるが,粘性土の性状を示す混入割合が必要になると考えると,現時点では30 ~ 40 程度あたりが削孔可否の境界になると推察される。礫優勢層においても孔壁が自立する粘性土分の混入割合は,現時点では砂層と同様と設定する。◯礫の硬軟・礫量・礫径からの削孔可否礫が軟岩程度の硬さの場合はビットでの破砕が可能でている。さらに高速道路の盛土において緊急性が要求されるよあるため削孔可能である。礫量は削孔能率に影響するが,うな場合は,現場に乗り込んで 1 時間程度での削孔開軟岩程度の硬さであれば削孔能率の大きな低下には至ら始が可能であるほか,削孔機が小型・軽量であるため,ないと推察される。硬質な礫を含む場合は削孔能率が低容易に機械台数を増やすことが可能であり,災害等の緊下するほか,削孔不可となる場合も想定される。礫径は急性を要する場合の利用価値は極めて高い。q40 mm 程度までの大きさのものは排出されている実績今後の課題に関してであるが,孔壁崩壊や継ぎ足しねがある。したがって,硬質な礫でも q40 mm 程度までじ部の緩みを原因とするロッド損失に対しては,太めのの大きさの礫であれば削孔可能と評価している。ロッドを使用することによって損失するケースはなくな◯岩盤の硬軟からの削孔可否り,リスクは概ね回避できたと考えている。ただし,礫軟岩の削孔は何ら問題ない。ただし, N 値が 50 以上の削孔・スライム排出等の観点からもロッド仕様に関すの硬さの場合は削孔速度が低下する傾向が伺える。中硬る検討が必要であり,今後検討していくつもりである。岩~硬岩については開発段階から対象外と捉えている。また,この削孔システムの適用性に関して,特に砂層以上の施工実績を基に,現時点での地層毎の適用可否の自立性,混入する礫の硬軟・礫量・礫径等の観点からの目安を表―に示した。.まとめと今後の課題集水ボーリング工における簡易削孔システムを開発し,施工実績を重ねてきた。砂層に代表される崩壊性の地層評価精度を上げていく必要がある。さらに孔曲がりに関しては,地下水排除工の機能という観点からは問題になることは少ないと考えているが,排水勾配が確保できないような孔曲がりが生じていないことについては今後明らかにする必要がある。や硬質な大径礫を含む地層等には適用できないが,粘性土を主とする地層や軟岩においては十分適用できるだけでなく,施工期間の短縮,施工経費の削減において大きく貢献できる削孔システムであることが明らかになった。本システムによる削孔計画においては,削孔速度に影響する地層や地質性状,運搬・仮設条件,及び施工スペースと土地利用等を含めて総合的に判断する必要がある。特に,崩壊性の地層や礫を混入する地層においては計画前の事前調査が重要である。運搬・仮設に要する時間は一般的工法であるロータリーパッカッション式ボーリングに較べて大きな優位性参考文献1)地盤工学会・ 2007 年度会長特別委員会地震と豪雨・洪水による地盤災害を防ぐために―地盤工学会からの提言―,2009.2) 米澤尚武・藤原聖一・佐藤和穂・近江 久集水ボーリング工における簡易削孔工法の考案,「斜面防災対策技術フォーラム'13」in 長野 講演集,pp. 57~60, 2013.3) 藤原直哉・米澤尚武・藤原聖一・小松順一集水ボーリングにおける簡易削孔システムの適用範囲に関する検討,第50回地盤工学会研究発表会(札幌)講演集,pp. 2087~2088, 2015.(原稿受理2016.10.3)を有しており,削孔能率が著しく低下しない限りは簡易削孔システムによる施工が有利となる場合が多いと考えMay, 201727
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  • タイトル
  • 工業用内視鏡による切羽前方地山調査法の開発(報告(投稿))
  • 著者
  • 関根 一郎・法橋 亮・小林 由委・石垣 和明・平田 康夫
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 20〜23
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120012
  • 内容
  • 報告工業用内視鏡による切羽前方地山調査法の開発Development of Geological Survey Method Ahead of Tunnel Face using Industrial Endoscope関根一郎(せきねいちろう)株 アーバンルネッサンス部戸田建設小林由委(こばやし株 土木技術営業部戸田建設法部長よしつぐ)田亮(ほうはしりょう)株 土木工事技術部戸田建設石技術課長平橋垣和明(いしがき株 名古屋支店戸田建設康夫(ひらた株 開発本部オリンパスかずあき)技術指導役やすお)課長代理等を調べる探り削孔や,削孔時の穿孔エネルギーや穿孔. は じ め に速度等を記録する削孔検層システムがしばしば使用され山岳トンネルでは,切羽の前方の地質状況を把握するる。 DRi スコープは,任意の削孔深度においてロッドことが,施工時の安全性の向上,経済的なトンネル掘削の切断,継ぎ足し時に,写真―のようにロッド内の削に直結する。掘削に伴う急激な地質状態の変化は,天端孔用送水孔( q10 mm 程度)に工業用内視鏡( q8 mmの崩落,異常出水などトラブルの原因となるため,極力程度)を挿入し,ビットの先端の送水孔から孔内に突出事前に把握する必要がある。そのため,先進ボーリングさせて孔壁を直接観察することができる技術である。観や,削孔検層システムが適用されるが,先進ボーリング察結果のモニター状況を写真―に示す。観察された画は作業に時間がかかり,削孔検層システムは,間接的な像は,動画又は静止画として保存する(写真―)。観察方法は,削孔検層システムで穿孔エネルギー値に情報からの推定になるなど課題があった。工業用内視鏡による切羽前方地山調査法(DRi スコー変化があった箇所をピンポイントで観察する方法,ボープ)は,切羽に通常配備されている施工機械で実施可能リングの代わりとしてロッド長毎に連続した動画を撮影な探り削孔や削孔検層システムの送水孔に工業用内視鏡する方法などがあり,用途によって使い分けることが可を挿入し,切羽前方の地質を直接観察する技術で,送水孔をケーシング代わりに利用するため,地山の劣悪な場合でも,切羽の前方地山の地質状況を動画又は静止画で得ることができる。以下に本調査方法の概要と特徴,適用例を述べる。.工業用内視鏡による切羽前方地山調査法(DRi スコープ)の概要DRi スコープの概念図を図―に示す。トンネル切羽では,発破削孔に使用される油圧ジャンボを使用して,切羽から前方へロッドを継ぎ足しながら削孔し湧水状況図―20写真―ロッドへの工業用内視鏡の挿入DRi スコープの概念図地盤工学会誌,―() 報写真―孔内観察結果のモニター状況写真―写真―告観察された孔内画像(熱水変質した花崗岩)DRi スコープのモニター画面の例写真―挿入補助装置能である。. DRi スコープの特徴DRi スコープは,次の特徴がある。◯DRi スコープの長さは 30 m あり,通常,削孔検層システムが適用される削孔長は 30 m 程なので,ほぼそれに対応した距離の削孔壁を観察できる。◯ビットは送水孔 2 孔のうち,1 孔を相対的に大きくして工業用内視鏡が通過し易くした専用ビットを用意した。これにより短時間で工業用内視鏡をビット先端部から突出し,ビット前方の岩盤を効率的に写真―観察できる。◯防水機能を強化した距離カウンターが付属しており,孔内への挿入長をモニター画面に表示させることができる(写真―)。◯内視鏡の先端部分の重力センサにより上下方向をモニター画面に表示できる(写真―)。◯◯送水ロッド内のグリース等により,内視鏡の挿入.適用ステレオ撮影による寸法測定機能例. 地質変化の把握例本事例は,玄武岩優勢の混在岩から閃緑岩に変化した部位を工業用内視鏡によって観察し,前方の地質を明らかにしたものである。抵抗が増大するとき,写真―に示す装置でロッド本事例ではトンネルが既存の水路トンネルと近接・交の送水孔内の内視鏡の周辺に送水又は送気すること差するため,その前後で長さ 15 m の削孔検層を行うとにより内視鏡の挿入を円滑にすることができる。ともに,DRi スコープを適用した。ステレオ撮影機能により,割れ目の開口幅など任図―は削孔検層システムによって得られた穿孔エネ意の 2 点間の距離を測定可能である(写真―)。ルギーの変化を示しており,10.74 m で明瞭に穿孔エネこれらの機能により,削孔検層システムのロッドの送ルギーが変化していることが分かった。この変化の原因水孔内に内視鏡を挿入し,ビットの前方の岩盤を可視化する技術を実用化した。を調べるために,工業用内視鏡による孔内観察を行った。その結果,孔口から10.74 m までは泥質岩玄武岩混在岩で,写真―に示すように孔壁は粗く所々で孔壁の肌落ちが認められた。岩の白色部分は玄武岩で,通常は暗灰May, 201721 報告色のものが炭酸塩化作用により白色に変質交代している。孔不能となった時点で,ビット前方の地山を工業用内視10.74 m から 15.47 m までは閃緑岩で(写真―)比較鏡により観察し,地山状況を確認した事例である。的細粒で孔壁は安定している。なお,これらの判読にはアルコース基質の崖錐堆積物を掘進する際,切羽から事前の地表地質踏査,削孔検層実施時に削孔水から回収削孔検層を実施した。孔内は逸水が激しく 6 m 削孔ししたくり粉の情報も参考にして判断している。た時点で孔口に削孔水が戻らず,削孔不能になった。そ図―は,掘削時に切羽で観察された地質縦断図であの時点で工業用内視鏡によるビット前方の地山観察を行る。貫入した閃緑岩が左側から天端付近に出現し,掘削い,崖錐堆積物であることを確認し,静止画(写真―)に従って右側の踏前部に連続していた。及び動画を撮影した。通常は直接観察・把握できない,図―は工業用内視鏡によって得られた切羽前方調査崩壊性の崖錐堆積物を,ロッドをケーシング代わりとす結果をまとめたもので,閃緑岩の岩脈の位置と岩質と割れ目の状況を捉えることができた。. 崖錐堆積物の把握本事例は,トンネル切羽で削孔検層時に逸水により削写真―図―閃緑岩の画像削孔検層システムによって得られた穿孔エネルギーの変化写真―泥質岩玄武岩混在岩の画像図―22図―掘削後,確認された地質分布工業用内視鏡によって得られた切羽前方調査結果地盤工学会誌,―() 報告写真― 砂岩層,泥岩層境界の画像写真―崖錐性堆積物の画像とは,安全性の向上,効率的なトンネル掘削のために重る本工法により撮影した動画により,崖錐堆積物の状況要である。本方法では削孔検層システムのロッドに工業を確認できた。用内視鏡を挿入することにより,今まで削孔時データや. 地層境界の方向の把握くり粉から推定するしかなかったビット先端の地山を直本事例は,砂岩層,泥岩層の地層境界の方向を把握し,接観察可能にした。切羽の変化を予測した事例である。当該地の地質は,新第三紀のグリーンタフ層からなり,本方法を適用した結果,削孔エネルギーの変化点前後の地質の違いを明らかにすることができたほか,崖錐堆海底地すべり(スランピング)による異常構造・堆積物積物の分布の把握,掘進に伴う地層変化の確認などに有を伴い地質が急変することが特徴である。スランプ層の効に使用することができた。今後,適用事例を充実させ,出現をいち早く特定するため,切羽前方に向けて DRi切羽前方地山の正確な把握に寄与したいと考える。スコープを実施した。工業用内視鏡による孔内観察画像を写真―に示す。今回の孔壁画像よりスランプ層出現の有無は特定できなかったが,砂岩・泥岩の層境を確認できた。写真の右下には天地を示すインジケーターがあり,工業用内視鏡先端の向きを把握することができる。これにより,砂岩と泥岩の層境が,トンネル掘進に伴って下がっていくことが確認できた。当地の一般的な地質構造と差異がないことから,正常堆積物と判断し,何事もなく当該区間のトンネル掘削を終えた。. まとめ山岳トンネルの切羽前方の地質を精度よく把握するこMay, 2017参考文献1)関根一郎・小林由委・法橋 亮・尾花敬治・石垣和明・平田康夫工業用内視鏡を利用した切羽前方可視化技術の 開 発 , 土 木 学 会 第 70 回 年 次 学 術 講 演 会 ,  131,2015.2) 関根一郎・小林由委・法橋 亮・石垣和明・平田康夫工業用内視鏡で切羽前方の地山状況を把握する ―DRiスコープの開発―,建設機械,Vol. 51, No. 7, pp. 35~38, 2015.3) 法橋 亮・関根一郎・小林由委・石垣和明工業用内視鏡を利用した新たな切羽前方地山調査手法の開発,第44回岩盤力学に関するシンポジウム,講演番号21, 2016.(原稿受理2016.10.5)23
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  • タイトル
  • 「地盤工学と環境保全」分野の発展に貢献してきた方々(<特集>地盤工学における人物史)
  • 著者
  • 勝見 武
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 16〜19
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120011
  • 内容
  • 報告「地盤工学と環境保全」分野の発展に貢献してきた方々In‰uential People in History of Environmental Geotechnics勝見 京都大学大学院.地盤工学と環境保全武(かつみ地球環境学堂たけし)教授擁する適切な廃棄物処分場の建設が必要である。遮水工としての粘土ライナーに関する技術開発・研究は重要な地盤工学会の「アカデミックロードマップと発展史・テーマである。米国の James K. Mitchell 教授は,土の人物史」の委員会では,第 8 小委員会として「地盤環物理化学的な考察と地盤工学への応用をはじめとして極境」が掲げられており,本稿はその小委員会の議論に基めて幅広く深い業績で著名であり, 1991 年のランキンづくものである。地盤環境は,地盤工学だけでなく環境レクチャーは透水,化学物質拡散・オスモシス,電気浸工学や土壌学,地質学など様々な学問分野の貢献によっ透など土を媒体とした様々な伝導現象を論じている4)。て成立しているが,本稿ではタイトルを「地盤工学と環粘土は最適含水比よりも湿潤側で低透水係数を与えると境保全」とし,主に国際地盤工学会や日本の地盤工学会いう1965年の業績5)は,その後の粘土系遮水材の研究・において環境保全上の課題として取り扱われてきた内容技術開発の出発点として捉えられる(図―参照)。を中心に述べる。この「地盤工学と環境保全」のテーマこの粘土ライナーに関する知見を学術業績に基づいて名は,国際土質基礎工学会議(現国際地盤工学会議)体系化し,かつ実務のレベルまで引き上げたのが,米の第 9 回東京会議( 1977 年)にて開催された専門分科国・テキサス大学オースティン校教授であった DavidSession )のテーマ名でもある1) 。それまE. Daniel 博士であろう。粘土ライナーに関する様々なで国際土質基礎工学会(現国際地盤工学会)で環境保室内試験や現地試験を実施し,一定の遮水性能を有する全に関わるテーマとして扱われてきたのは地盤沈下,地粘土ライナーを施工する上で提示された指標は実務に取すべり・山くずれなどであったが,第 7 回( 1969 年)り入れられている(図―)6),7) 。低透水の土質材料の会( Specialty国際会議から廃棄物に関する論文が 1~2 編発表されるようになり,東京会議では当時国際土質基礎工学会副会長であった Za Chieh Moh 博士のご尽力により前述のセッションが設けられるに至った2)。このとき当セッションのセクレタリを務められたのが当時名古屋大学教授の植下協先生で,4 年後のストックホルム会議(第10回国際土質基礎工学会議)ではイタリアの Sembennelli氏とともに「環境地盤工学の提唱」と国際的総括を行われたことが,現在の環境地盤工学研究の流れのおおもととなっている3)。植下先生は,もちろん日本国内における環境地盤工学研究も牽引され,後述の嘉門雅史先生とともに「環境地盤工学シンポジウム」など地盤工学会における環境地盤工学研究の礎をつくられた。濃尾平野の地盤沈下現象を中心に研究と実務に携わられ,中央公害対策審議会委員地盤沈下部会長等の職務を通して,単に地盤沈下や土壌汚染にとどまらない,環境アセスメントにおける広範な意味での地盤工学の重要性について機会あるごとに警鐘をならされた。.廃棄物と地盤工学「地盤工学と環境保全」分野で主要なテーマの一つとして挙げられるのは,実務の観点で言えば廃棄物の管理に関わる課題であり,より学術的には土・水・化学物質の相互作用と現象のモデル化であろう。廃棄物による土壌・地下水汚染を防止するためには遮水工・システムを16図―粘土の締固めエネルギー,含水比と透水係数の関係 5)地盤工学会誌,―() 報告対して,化学物質の拡散と遮水性能の劣化,基盤材による変形と遮水性能への影響など体系的な研究を行っている12) 。国際地盤工学会では環境地盤工学のネームドレクチャーとして,ロー・レクチャーが設立されている。ドイツ・ルール大学に務められた Hans L. Jessberger教授は不幸にも 1990 年代後半に逝去されたが,廃棄物並びに処分場の力学問題に関するテーマを中心に精力的に研究を進められていた。強度や変形性など廃棄物の力学特性は,処分場施設構造を決定するのに重要な情報となるし,積み上げた廃棄物の崩壊事例などもみられ,安全な廃棄物の埋立てが求められた。 Jessberger 教授は,不同沈下による粘土ライナーの損傷の可能性,ビニールや紐など長尺材料を含む廃棄物の力学特性などを中心に取り上げられ,遠心模型実験や大型土層試験なども駆使図―締固め粘土ライナーの締固め管理の考え方6)した成果をあげられた13),14)。前段までは一般廃棄物や産業廃棄物の管理に関わる地透水試験方法の確立にも取り組まれ,その成果は 1988盤工学課題の業績について紹介したが,放射性廃棄物地年に制定された ASTM の粘土の透水係数試験方法規格中処分における緩衝材も重要な課題である。スウェーデにも反映されている。 Daniel 教授はテキサス大学ダランの Roland Pusch 博士は地質学で博士学位を取得したス校の学長などを経て, 2015 年からはテキサス大学シ後,チャルマース工科大学などで地盤工学の教鞭をとり,ステムの副総長に就任されている。コンサルタント業にも携わっている。粘土科学の観点か遮水工の設計にも性能評価の考え方を取り入れようとらスメクタイトの微視的・物理化学的特性を論じるとという考えが 1990 年代に生まれつつあった。そのためにもに,放射性廃棄物処分の緩衝材としての適用性を示しは,遮水工からの漏水量を一定レベルの精度で予測するている15),16) 。主な業績には,高温になる処分環境にお必要がある。J. P. Giroud 博士は,単一のジオメンブレいて,緩衝材の物質移行特性に及ぼすスメクタイトのイン(いわゆる遮水シート)や粘土ライナー,ジオメンブライト化など変質の影響を低減するための設計の考え方レンと粘土を組み合わせた複合ライナーなどの漏水量のを示したことがあげられる。計算方法を提案されるなど,設計実務で適用可能なツールの開発に取り組まれた8),9)(ジオメンブレンの性能評.地下水と地盤の汚染価には損傷部の同定が必要となるが,その源となる情報土壌・地下水の汚染における予測には,解析が重要なの 1 つは故福岡正巳先生のジオメンブレンからの漏水ツールとなってくる。テクニオン(イスラエル工科大学)量に関する業績10) である)。 J. P. Giroud 博士はフランの Jacob Bear 教授は,多孔質媒体中の物質移動の分野スの大学で教鞭をとられた後,米国でコンサルタント会で も 著 名 で あ る 。 Bear 教 授 が 1972 年 に 著 し た 「 Dy-社を設立し,その運営に長年にわたり携わられた。米国namics of Fluids in Porous Media」17)(図―)では,の博士課程修了者でこのコンサルタントに数年務めた後地盤中の水や汚染物質の移動を「多孔質媒体における輸大学に職を得た人も多く,人材育成にも貢献された。ジ送」として初めて定義しており,それは地下水学,土質オシンセティックスを中心に幅広い業績をあげられ,国力学,土壌学,農業工学,石油工学,化学工学など関連際ジオシンセティックス学会にはジルー・レクチャーがする分野をつなぐ統一的な概念として示された。 Goo-設けられている。gle Scholar によれば 2016 年 12 月時点で 15 000 回以上引カナダのウェスタンオンタリオ大学では特に 1980 年用されている。水と NAPL ( Non Aqueous Phase Liq-代に廃棄物処分場の粘土ライナーからの漏水・化学物質uid 非水溶性流体)に代表される二相流や,溶質の拡漏洩に関する研究が精力的に実施されていたが,当時そ散・分散現象も取り扱っている。の中で R. Kerry Rowe 教授は処分場遮水工を対象とし多相流問題に関しては,まず不飽和土の水分特性曲線た物質移行解析で業績をあげられていた11) 。その後は,に関する Martinus Th. van Genuchten 博士の業績が出ジオシンセティックスクレイライナー( GCL )に関す発点となろう。 U. S. Salinity Laboratory ( USSL )のる様々な試験研究に重点をおかれているようであり,クvan Genuchten 博士は土壌水文学分野の大家であり,不ィーンズ大学に異動された後も継続されている。 GCL飽和土の水分特性曲線に関する van Genuchten の式18)とは,顆粒状(あるいは粉末状)のベントナイトを 2で広く知られる(図―)。すなわち,枚のジオテキスタイルに挟み込んだり,ジオメンブレンに貼り付けたりして製造される,いわば「粘土のシート」u=ur+(us-ur)…………………………………(1)[1+(ah)n]mであり,学術的には前述の Daniel 教授が取り上げたのにより,圧力水頭と含水率の関係を示すもので,u は含が最初であったと記憶している。 Rowe 教授は GCL に水率,添え字の s と r は飽和時と残留時を表し,h は水May, 201717 報告頭, a, n, m は曲線の形状を決定するパラメータで, m= 1- 1/n である。この式は 4 つの独立するパラメータをもち,水頭から含水率を予測するなど様々に活用されている。van Genuchten 博士のいわゆる水と空気の二相流体に関する問題は,J. C. Parker 博士らによって水,空気, NAPL の三相流の問題に拡張されている19) 。二相(空気―水,空気― NAPL ,水― NAPL のいずれか)で飽和度とキャピラリーヘッドの関係を求めておけば,流体密度と界面張力に基づくスケーリングファクターを導入することにより残りの相についても予測できるというもので,これにより有害な NAPL を用いて実験をしなくても,水―空気の結果から土中の NAPL の挙動が説明できることになり,その後の NAPL 研究で広く活用されている(図―)。カナダ・モントリオールのマギル大学教授であった図―Bear 著「Dynamics of Fluids in Porous Media」6)の表紙(1988年の Dover 版)Raymond N. Yong 博士はテラメカニックスの分野でも著名だが,地盤環境分野で著名な業績をあげている。Yong 博士の研究は,これまで述べてきた方々に比べると,より汚染物質の化学的挙動にウェイトをおいている。すなわち,土と汚染物質の相互作用が粘土ライナーや地盤中の汚染物質の移動に重要な影響を及ぼすことを前提とし,化学並びに物理化学的な考察を展開している。pH (水素イオン濃度指数)の影響や,化学物質の存在形態を考慮した分画抽出の考え方などを導入した評価を地盤工学分野に本格的に導入するとともに20) ,自然減衰の作用を活用して低コストで汚染対策とする「ナチュアルアテニュエーション」の重要性も示している21)。.地球環境時代のインフラストラクチャーと地盤環境工学茨城大学の安原一哉教授は,気候変動など地球レベルでの環境問題とそれへの貢献の観点から,地盤工学の重要性を喚起し続けておられる。気候変動に伴い発生する図―水分特性曲線18)様々な地盤環境の被害への適応策を地盤工学の知見により解決する一連の研究のほか,IPCC との関わりで地盤工学の貢献を論じておられる,世界でも稀有の地盤工学研究者である22),23)。章では扱わなかった資源の活用も地盤工学が貢献できる分野であり,様々な廃棄物の地盤材料としての利用に関する研究や技術開発が多くの研究者・技術者により行われてきた。京都大学の嘉門雅史教授(現環境地盤工学研究所)は,処理が課題である建設汚泥の問題に取り組むとともに,廃棄物材料の地盤工学的有効利用の体系化を目指された24) 。また,廃棄物処分場の跡地利用や他の様々な地盤環境の課題について,学術的な研究のみならず行政・実務に貢献された。冒頭で紹介した植下教授とともに地盤工学会の環境地盤工学シンポジウムをはじめるなど,我が国の環境地盤工学研究を牽引されている25)。図―スケーリングファクターを考慮した水,空気,油の毛管圧と飽和度の関係19).おわりに本稿は冒頭に記したように地盤環境の小委員会の議論18地盤工学会誌,―() 報に基づくもので,委員会メンバーをはじめとする多くの方々に貴重なご意見を頂いたことに謝意を表する。本号の他の記事に比べると,本稿は扱うテーマの性質上,最14)近の方々の業績を記述している。また,重要な先人や大事な業績が漏れているとすればそれは筆者の責任でありご寛容を頂きたい。15)参1)2)3)4)5)6)7)8)9)10)11)12)13)考文献植下 協専門分科会 No.11 地盤工学と環境保全,土と基礎,Vol. 26, No. 3, pp. 43~44, 1978.植下 協土質工学と環境保全,土と基礎, Vol. 24,No. 8, pp. 53~54, 1976.Sembenelli, P.・植下 協環境地盤工学の提唱,土木学会誌,Vol. 67, No. 3, pp. 35~38, 1982.Mitchell, J. 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  • タイトル
  • 地盤工学における設計・施工技術の発展に貢献した先人の方々(<特集>地盤工学における人物史)
  • 著者
  • 宮田 喜壽・小林 俊一・篠田 昌弘・張 鋒
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 12〜15
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120010
  • 内容
  • 報告地盤工学における設計・施工技術の発展に貢献した先人の方々In‰uential People in History of Geotechnical Design and Construction Technology宮田喜壽(みやた防衛大学校篠田昌小教授弘(しのだ防衛大学校よしひさ)林俊一(こばやし金沢大学まさひろ)准教授張准教授鋒(ちょう名古屋工業大学しゅんいち)ほう)教授. は じ め に地盤に関する設計・施工問題を科学的に解決しようとする学問体系は,Terzaghi, K.(テルツァーギ,1883~1963 年)の時代に始まり,その後大きく発展して現在に至っている。今回,その発展に貢献した先人の方々を紹介する機会を頂いた。「アカデミックロードマップと発展史・人物史委員会―設計・施工小委員会」の活動成果をもとに,関連資料を整理してみて,彼らの偉業は知識(常識)として私たちの周りに存在することにあらた図―ペック先生の業績の恩恵(地盤工学ハンドブック図―4.2.58)めて気付かされた。そのことを示すため,各人の業績紹介では,本学会の知識の集大成である地盤工学ハンドブックの図面を用いることにした。人物史には人柄や業績を表すエピソードが欠かせない。筆者の力量不足のため,本稿は先人の方々の略歴の紹介に留まることをお詫びしなければいけない。彼らはカリスマ的魅力にあふれ,業績を生み出すため想像を超える努力をされたことは想像に難くない。読者の皆様には,彼らの生没年や業績の先駆性などから,本稿が紹介しきれていない部分まで思いをはせて頂ければ幸いである。.設計・施工の基盤技術に貢献した人々土の性状は複雑で,地盤は不均一である。作用も様々図―コーネル先生の業績の恩恵(地盤工学ハンドブック図―3.3.13)で,その設計・施工は困難を極める。それに立ち向かうための基盤技術の発展に貢献した先人として, Peck,論構築に貢献した。専門は地盤工学ではないが,彼の業R.B. (ペック, 1912 ~ 2008 年)1) , Cornell, C.A. (コー績はこの分野に大きな影響を及ぼしたと考えられるので,ネル, 1938 ~ 2007 年)2) ,ここで紹介したい。先生は米国・サウスダコタに生まれ,2012年)3),松尾Tang W.H. (タン, 1943 ~稔(1936~2015年)4)の各先生を紹介したい。スタンフォード大学で博士号を取得後,マサチューセッツ工科大学,スタンフォード大学に勤務した。地震動強ペック先生は観測データを活用した地盤技術の確立にさを確率論的に予測する地震ハザード解析法を確立し貢献した。先生はカナダ・ウィニペッグに生まれ,ランた6)。さらに作用と抵抗それぞれの平均と分散で定義さセレール工科大学で博士号を取得後,イリノイ大学に勤れる信頼性指標を用いて構造物の破壊確率を算定する理務した。観測データを用いて地盤の力学的性質を評価し,論を構築した7) (図―)。数多くの研究者を育てたこ随時,設計変更を検討しながら施工を進める observa-とでも有名である。tional method (地盤観測法)と呼ばれる手法をテルツタン先生は信頼性理論をベースにした地盤技術の実用ァーギと共に確立した。その考えをもとに土留め壁の設化に貢献した。先生は台湾に生まれ,マサチューセッツ計・施工を大きく進展させた(図―)。テルツァーギ工科大学で学び,スタンフォード大学で博士号を取得後,レクチャー(第 1 回)とランキンレクチャー(第 9 回)イリノイ大学,香港大学に勤務した。原位置試験結果のを行っている5)。統計分析をもとに地盤工学分野の設計をリスクベースでコーネル先生は地震リスク解析や信頼性解析の基礎理12行う手法を確立した。 Ang, A. H.S. (アン)との共著地盤工学会誌,―() 報図―告地盤工学分野に信頼性設計の概念を普及させた不朽の名著(左タン先生,右松尾先生の著作の表紙)図―ヴェシッチ先生の業績の恩恵(地盤工学ハンドブック図―4.3.96,縦横比変化)図―マイヤーホフ先生の業績の恩恵(地盤工学ハンドブック図―2.3.202)による土木・建築の学生を対象にした確率・統計に関する教科書8)(英語)は,日本語,韓国語,中国語にも翻訳され,世界中の学生・研究者・技術者に大きな影響を与えた(図―)。松尾先生は観測データを活用した地盤技術の理論化・体系化に貢献した。先生は京都に生まれ,京都大学で博図―ニューマーク先生の方法で解かれる地盤動力学の基礎方程式(地盤工学ハンドブック図―2.4.98)士号を取得後,京都大学,名古屋大学に勤務し,名古屋大学では総長まで務めた。先生は軟弱地盤の安定・変形スコシア工科大学に勤務した。基礎の形状・深さ,地表問題を施工中の観測値を用いる動学的逆問題として定式面の傾斜が地盤の支持力に及ぼす影響を明らかにして,化し,その予測精度を大きく向上させた。地盤に関するそれらを考慮するための補正係数を支持力算定式に導入様々な工学的問題を信頼性設計の手法を用いて解決するするとともに,鉛直偏心荷重に対する有効基礎幅の概念方法を一冊の本にまとめた9) (図―)。環境負荷を考を確立した(図―)。テルツァーギレクチャー(第11慮した設計理論の構築にも多大な貢献をした。回)を行っている12)。.基礎の設計・施工技術に貢献した人々ヴェシッチ先生は浅い基礎の問題と深い基礎の問題の統一的に扱う理論体系の構築に貢献した。先生は旧ユー地盤が支持できる荷重には限界がある。限界荷重の推ゴスラビアに生まれ,ベオグラード大学で博士号を取得定は土質力学の基本問題のひとつとして古くから重要視した。ベルギー地盤研究所のあと,アメリカに移住し,された。ここでは,この分野に貢献した先人としてデューク大学に勤務した。基礎構造物に関する幅広い研Meyerhof, G.G. (マイヤーホフ, 1916 ~ 2003 年)10) と究に従事し,深い基礎に対しては空洞拡張理論を弾塑性A.(ヴェシッチ,1924~1982年)11)の各先生を紹摩擦材料に適用することで杭の先端支持力算定式を誘導Vesic,介したい。マイヤーホフ先生はテルツァーギによる支持力理論の一般化に貢献した。先生はノーベル生理学・医学賞受賞者オットー・マイヤーホフの息子として 1916 年ドイツし(図―)14),浅い基礎に対してはマイヤーホフ先生の支持力算定式を拡張した13)。.土構造物の設計・施工技術に貢献した人々に生まれ,ロンドン大学で土木工学を学び,博士号を取土構造物の設計・施工分野において,地震時安定性の得した。第 2 次世界大戦後にカナダに移住し,ノヴァ評価や,土以外の材料を補助的に用いて構造物の安定性May, 201713 報告を高める方法の確立は,今も昔もこの分野の最大の関心事のひとつである。ここでは,この分野に貢献した先人として Newmark, N.M. (ニューマーク, 1910 ~ 1981年)15) , Seed, B.H. (シード, 1922 ~ 1989 年)16) ,山内豊聡(1922~2011年)17)の各先生を紹介したい。ニューマーク先生は一般構造物の動的解析や土構造物の地震時挙動の基礎理論構築に貢献した。先生は米国・ニュージャージーに生まれ,イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校においてコンクリート橋の解析法に関する研究で博士号を取得後, 1976 年まで同校に勤務した。加速度項,速度項,変位項からなる物体の運動方程式を数値的に解く方法として有名なニューマーク b 法を構築した18)(図―)。さらに,土構造物の地震時挙動解析のために,すべり面上の土塊を剛体ブロックでモデル化し,作用力が抵抗力を超えた時間においてすべり変位が生じるという概念に基づく変形解析法を確立した19)。図―シード先生の業績の恩恵(地盤工学ハンドブック図―2.4.12,縦横比変化)ランキンレクチャー(第 5 回)とテルツァーギレクチャー(第14回)を行っている。シード先生は地震地盤工学の学問体系の確立に貢献した。先生は英国・ボストンに生まれ,ロンドン大学で博士号を取得した。その後,テルツァーギや Casagrande(キャサグランデ)のいるハーバード大学で土質力学を学ん だあ と , 1971 年 まで カ リフ ォル ニア 大 学バ ークレー校に勤務した。地盤―杭の相互作用の解析にはじまり,土構造物をはじめとする様々な構造物の地震応答解析法の基礎理論を確立した(図―)。1964年のアラスカ地震, 1971 年のサンフェルナンド地震, 1985 年のメキシコ地震などの調査においても多大な貢献をした。テルツァーギレクチャー(第 4 回)22) とランキンレクチャー(第19回)21)を行っている。図―山内先生の業績の恩恵(地盤工学ハンドブック図―4.7.42)山内先生は地盤改良・補強技術の確立に貢献した。先生は福岡に生まれ,九州大学で博士号取得後,九州大学,ン工科大学やカールスルーエ工科大学に勤務した。先生九州産業大学に勤務した。改良・補強の併用型地盤技術は岩の分類からその力学特性まで幅広く研究を行い,の嚆矢として,排水材と固化材をサンドイッチ状にしたRabcewicz (ラブセビッツ)や Pacher (パッヒャー)ものを層状に配置しながら粘性土盛土を構築する技術をとともに新オーストリアトンネル( NATM )工法を開考案した22) 。さらにジオシンセティックスが出現する発した(図―)。 ISRM (国際岩の力学会)の初代会前から高分子材料の地盤工学分野での活用を検討し,高長であり,我が国の黒部ダム建設工事においては,原位密度ポリエチレン製ネットを補強材として用いる軟弱地置の岩盤評価に指導的な役割を果たした。盤の表層補強技術を考案した23)(図―)。.村山先生はトンネル工学や地盤改良工法の発展に貢献した。先生は和歌山県に生まれ,京都大学卒業後 10 年地中構造物の設計・施工技術に貢献した人々間鉄道省に勤務し,我が国初のシールド工法を成功に導地下の活用には,固結の程度や年代にかかわらず様々物を安全に構築するために必要となる電気化学的固結法な地盤材料の力学特性を把握することと,安全に所定の(1954年)や凍結工法(1962年)を考案し,トンネル土いた。その後,京都大学,摂南大学に勤務し,地中構造形状の地下空間を構築する設計・施工技術が重要になる。圧についての基礎研究を発展させた。軟弱地盤対策で有こ こ で は , こ の 分 野 に 貢 献 し た 先 人 と し て , M äuller名なサンドコンパクションパイル工法( 1958 年)も先Leopold ( ミ ュ ラ ー , 1908 ~ 1988 年 )24) と 村 山 朔 郎生によって考案された27)(図―)。同時に,分子物理(1911~1994年)25)の各先生を紹介したい。ミュラー先生は岩の力学の先駆者でトンネル技術の高度化に貢献した。先生はオーストリアに生まれ,ウィー学の速度論に基づく粘土のレオロジーモデルや粒状体の統計力学モデルなど土の変形に関する基礎理論に関する研究を大いに進展させたことでも有名である28)。ン工科大学で土木工学を学び,博士号を取得した。技術者としてオーストリアやドイツで活躍した後,ミュンヘ14地盤工学会誌,―() 報告Cornell, C.A.: Engineering seismic risk analysis, Bulletinof the Seismological Society of America, Vol 58, No. 5,pp. 15831606, 1968.7) Cornell, C. A.: A probabilitybased structural code, J.American Concrete Institute, Vol 66, No. 12, pp. 974985, 1969.8) Ang, A. H.S. and Tang, W. H.: Probability Concepts inEngineering ―Emphasis on Applications to Civil and Environmental Engineering―, Vol. 1: Basic Principles,Wiley, 1975.9) 松尾 稔地盤工学―信頼性設計の理念と実際,技報堂出版,1984.10) Penman, A., and Brown, J.: Obituary, George GeoŠreyMeyerhof, Geotechnique, Vol 54, No. 2, pp. 156, 2004.11) Wroth, C. P.: Obituary, Aleksandar Sedmak Vesic 19241982, Geotechnique, Vol 33, No. 4, pp. 645646, 2004.12) Meyerhof, G. G.: Bearing capacity and settlement of pilefoundations, J. Geotech. Eng., ASCE, Vol 102, No. 3, pp.195228, 1976.13) Vesic, A. S.: Expansions of cavities in inˆnite soil mass,J. Soil Mech. Found. Eng.: ASCE, Vol 98, No. SM3, pp.265290, 1972.14) Vesic, A. S.: Analysis of ultimate loads of shallow foundations, J. Soil Mech. and Found. Div., ASCE, Vol 99,No. SM1, pp. 4573, 1973.15) Hall, W. J.: Biographical Memoir, Nathan M. Newmark19101981, National Academy of Science, USA, 1991.16) Mitchell, J. K.: Biographical Memoir, Harry Bolton Seed19221989, National Academy of Science, USA, 1995.17) 落合英俊山内豊聰先生のご逝去を悼む,地盤工学会誌,Vol 59, No. 9, pp. 54, 2011.18) Newmark, N. M.: A method of computation for structuraldynamics, J. Eng. Mech., ASCE, Vol 85, No. EM3, pp.6794, 1959.19) Newmark, N. M.: EŠects of earthquakes on dams andembankments, Geotechnique, Vol 15, No. 2, pp. 139160, 1965.20) Seed, H. B.: Landslides during earthquakes due to liquefaction, J. Soil Mech. Found. Div., ASCE, Vol 94 ,No. SM5, pp. 10551122, 1968.21) Seed, H. B.: Considerations in the earthquakeresistantdesign of earth and rockˆll dams, Geotechnique, Vol 29,No. 3, pp. 215263, 1979.22) Yamanouchi, T and Miura, N.: Multiplesandwichmethod of softclay banking using cardboard wicks andquicklime, Proc. 3rd Asian Reg. Conf. Soil Mech. &Found. Eng., Haifa, Vo1. 1, pp. 256260, 1967.23) Yamanouchi, T.: Structural eŠect of restraint layer onsubgrade of low bearing capacity in ‰exible pavement,Proc. 2nd Int. Conf. on Structural Design of AsphaltPavement, Ann Arbor, pp. 381389, 1968.24) Grossmann, N.: Leopold M äuller centenary, News Journal, ISRM, Vol 11, No. 12, pp. 45, 2008.25 ) 赤井浩一名誉会員 村山朔郎先生の御逝去を悼む,土と基礎,Vol 44, No. 3, pp. i, 1996.26) M äuller, L.: Fundamentals of Rock Mechanics, Int. Centre for Mech. Sciences 8, Springer, 1969.27) 村山朔郎粘性土に対するヴァイブロ・コンポーザー工法の考察,建設の機械化,150, pp. 10~15, 1962.28) 村山朔郎土の力学挙動の理論,技報堂出版,1990.29) 宮田喜壽「土質力学の発展に貢献した人々」に学ぶ,土と基礎,Vol 45, No. 6, pp. 44, 1997.6)図―ミュラー先生の業績の恩恵(地盤工学ハンドブック図―4.4.32)図― 村山先生の業績の恩恵(地盤工学ハンドブック図―4.8.34). お わ り に今回と同様な企画が地盤工学会誌 1983 年 11 月号にある。筆者のひとりは学生時代にそのバックナンバーに大きく感銘を受け,約20年前 Zoom Up YoungStars という学会誌の原稿を依頼された際も,触発された想いを記載したことがある29) 。今回同様な原稿を執筆してみて,先人の方々の崇高さはもちろん,最上先生をはじめとする当時の執筆者の方々の見識の高さに改めて感服した次第である。参1)2)3)4)5)考文献Mesri, G.: Obituary, Ralph B. Peck 19122008, Geotechnical Engineering, Vol.162, No. 5, pp. 295297,2009.Earthquake Engineering Research Institute: Obituary,C. Allin Cornell (19382007), EERI Newsletter, Vol. 42,No 1, 2008.Zhang, L.: Obituary, Wilson H. Tang, Georisk, Vol. 6,No 2, pp. 141, 2012.浅岡 顯松尾稔先生のご逝去を悼む,地盤工学会誌,Vol. 63, No. 7, pp. ii, 2015.Peck, R. B.: Advantages and limitations of the observational method in applied soil mechanics, Geotechnique,19(2), pp. 171187, 1969.(原稿受理May, 20172017.2.1)15
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  • タイトル
  • 地盤工学における数値解析の発展に貢献した先人達(<特集>地盤工学における人物史)
  • 著者
  • 渦岡 良介・山川 優樹・若井 明彦・ピパットポンサー ティラポン・前田 健一・松島 亘志・金田 一広
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 8〜11
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120009
  • 内容
  • 報告地盤工学における数値解析の発展に貢献した先人達In‰uential People in History of Numerical Method in Geomechanics渦岡良介(うずおか徳島大学大学院若井明彦(わかい群馬大学大学院前田健山りょうすけ)川教授優樹(やまかわ東北大学大学院Thirapong Pipatpongsa(ピパットポンサー・ティラポン)あきひこ)教授京都大学大学院一(まえだ松けんいち)名古屋工業大学大学院島教授金ゆうき)准教授亘准教授志(まつしま筑波大学大学院田一広(かねだ株 竹中工務店技術研究所たかし)教授かずひろ)主任研究員. は じ め にここでは地盤工学における数値解析の発展に貢献した先人達を紹介する。数値解析は複雑な地盤挙動を予測するために用いる構成式や数値解析手法を高度化し,実務にも適用されてきた。以下では,構成式,有限要素法,有限要素法以外の連続体解析,不連続体解析,実務への適用について,発展の歴史を紹介する。内容は「アカデミックロードマップと発展史・人物史の委員会数値解析小委員会」の活動成果をもとにしたものであり,詳細は地盤工学会 HP のアカデミックロードマップを参照頂きたい。.構 成図―クーロンの肖像画(左)と 1773 年論文の付図1)(右)式材料試験や擁壁土圧の検討図などが描かれている弾性体やそれに類する古典的な構成式群は,やがて金属塑性論に端を発した非線形性の記述法を導入した弾塑性構成式へと発展してきた。塑性力学の系譜を紐解いてみを基礎としながらも,地盤材料に特有の力学特性を精いくと,その源流は 18 世紀の後半まで遡ることができ緻に表現することを中心的課題として進展してきた。支る。当時,クーロン1)(CharlesAugustin de Coulomb,持力,土圧,斜面安定などにみられるように,地盤力学1736~1806年)(図―左)が砂岩を用いた実験に基づ問題においては古典的塑性論に基づく解析法が古くからき破壊面上の垂直応力に依存した限界せん断応力の破壊用いられてきた。しかし,地盤材料を対象とした弾塑性規準を提案していることは,土の構成式研究の源流をた構成式の先駆けとしては,モール・クーロンモデルとドどる上で見逃せない(図―右)。ラッカー・プラガーモデルが挙げられる。後者は 1950黎明期ともいうべき上述の時期から 20 世紀前半にか年代初頭に,前者はそのさらに前に提案されたものであけて,Coulomb, Tresca, Mohr, Maxwell, Huber, Hen-るが,両モデルは簡便さゆえ現在でも幅広く用いられてcky, N áadai, St. Venant, L áevy, von Mises, Prandtl, Reussいる。らによって主に金属材料を対象として弾塑性理論の枠組1960 年代にケンブリッジ大学の土質力学グループがみが形づくられ, 20 世紀半ばには Drucker や Hill らの提案したカムクレイ・モデルは土の弾塑性構成式として活躍により,加算形式でのひずみ増分の弾塑性分解,降当時画期的なもので,その後の構成式研究に多大な影響伏関数,塑性ポテンシャル,塑性流動則,塑性硬化則をを与えた。カムクレイ・モデルは実験室でよく練り返さ基本骨格とする弾塑性力学の数理体系が確立した。れた正規圧密状態にある飽和粘土の負荷時の挙動を表す地盤材料は降伏応力の圧力依存性,塑性圧縮性,ダイことを目的とし,圧縮とせん断を統一的に扱うことを目レイタンシー特性など,金属材料にみられない複雑な力指した世界最初の弾塑性構成式といえる。有効平均垂直学特性を有し,圧力非依存性と塑性非圧縮性を前提とす応力~軸差応力~比体積の間に一義的な関係があるとする金属塑性論の枠組みをそのまま地盤材料に適用するこる状態境界面(図―右)と,完全塑性かつ体積変化をとはできない。そのため,過去 50 年間における地盤材生じない限界状態の基本概念に立脚し,塑性の履歴変数料を対象とした構成式の開発研究は,金属塑性論の枠組として塑性体積ひずみを用いる。過去 50 年間における8地盤工学会誌,―() 報告地盤材料の弾塑性構成式の開発研究は,カムクレイ・モデルを基本に改良・拡張する方向で進展してきたといっても過言ではない。弾塑性力学の基本体系が確立して間もない時期に,シンプルな概念をベースとして土の複雑な応力-ひずみ挙動を的確に表現できる構成モデルが発明されたことは驚異である。ケンブリッジ大学土質力学グループの創設者であり,当時グループを率いていたのがロスコー1) ( KennethHarry Roscoe, 1914~1970年)(図―左)である。彼の生い立ちや人柄は様々な逸話とともに文献1),2)に詳述されている。カムクレイ・モデルは 1958 ~ 1968 年頃に図―かけて複数の論文によって世に発表されたが, 1958 年実験室でのロスコー1)(左)とカムクレイ・モデルの状態境界面(右)に G áeotechnique 誌に発表された論文3) が第一弾とされる。カムクレイ・モデルの誕生と改良・発展は,ロスのは難しい課題であるが,調査・計測技術やパラメータコー自身の仕事はもとより,彼の研究グループ創設期の同化技術の高度化と並行してパラメータ設定法の確立も研 究 学 生 で あ る ス コ フ ィ ー ル ド ( Andrew Noel望まれる。一方,近年ではコンピューターが急速に性能Scoˆeld, 1930 年 ~ ) と ロ ス ( Charles Peter Wroth,向上・普及したことと相まって,多数粒子群で構成され1929 ~ 1991 年)の優れた仕事ぶりによるところも大きる微視構造と土粒子個々の運動を直接的にコンピューい。ターで解析し,その結果から土のマクロな力学特性を把しかしその後,彼らと同じくロスコーの教え子である握しようとする平均化・均質化の手法も試みられている。バ ー ラ ン ド ( John Boscawen Burland, 1936 年 ~ ) が当初より巨視的な力学挙動の表現を目的としてきた構成1965 年にオリジナルカムクレイ・モデルのエネルギー式と,こうした新たな試みとの相互補完が今後重要にな散逸式について疑問を提起したことがきっかけとなり,っていくであろう。ロスコーとバーランドは1968年にエネルギー散逸式が p′軸上に角点を持つことを回避し,降伏曲面のなめらか.有限要素法さ(導関数の連続性)を保証した修正カムクレイ・モデ有限要素法は,連続体を有限の要素に分割して,要素ル4)を提案した。その後,ロスコーはオリジナルモデルごとの連続条件に基づく支配方程式を組み立てた後,全を無視して修正モデルへと完全に傾倒し,スコフィール体の要素へと展開し,境界値問題・初期値問題を考慮しドに実験を禁止した時期もあったという。見捨てられたながら数値計算する近似解法である。FEM は,非線形,形となったスコフィールドはロスと名書 ``Critical State異方性,弾塑性,粘性,静的・動的問題,混合境界値問Mechanics5)''を著した。ロスコーは 1970 年に不慮題などにも,変分原理によって簡単に取り扱うことがでの事故により逝去する。彼の死後,スコフィールドが彼きるため,広く利用されている数値解析手法の一つであSoilの地位を継いでケンブリッジ大学土質力学グループを率る。FEM の数学的理論の研究が開始されたのは1940年い,ロスはオックスフォード大学で,バーランドはイン代まで遡るが,工学的問題に対する計算ツールとして注ペリアル・カレッジでそれぞれ教鞭を執った。目されたのは 1950 年代半ばのことである。歴史的な経この 50 年で地盤材料の構成式研究は飛躍的な発展を緯として,有限要素法が急激に普及する以前は,航空宇遂げた。特定の土質(砂,粘土など)あるいは特定の力宙に関する企業においてのみメインフレームコンピュー学問題(せん断破壊,圧密など)に対象を限定して構成ターが配置されていたので,有限要素法の初期の開発は,式を提案し高度化していく研究指向は,様々な種類と状航空機の構造への応用から始まった6) 。 1954 年には,態の土について統一的記述を可能とする構成式開発へとArgyris らが航空機の分野において開発したエネルギー変遷し,近年になって統合型・万能型構成式が完成の域理論と剛性マトリクス法を提案し,その後の有限要素法に達しようとしている。 1950 年代半ばに FEM ( Finiteの基本を作り上げた。 1956年には, Turner らがトラス,Element Method有限要素法)が誕生し,地盤工学分梁などの要素の剛性行列を導入したものを発表し,有限野においても数値解析による地盤の変形・破壊挙動の予要素法が世の中に浸透し始めた。 1960 年代に入ると,測評価が幅広く用いられるようになっている。こうした非構造的問題に応用され始めた。 Clough ( 1960)7)が初状況の中で,土の力学特性を表現する構成式は,土質試めて The Finite Element Method の名前を発表した。験による要素物性の究明成果の表現形態としてだけでな1960年には, Wilson が非線形問題においても応用し,く,数値解析を通じた工学的活用とユーザー拡大を前提最初の FEM のオープンソースとして配布された。元々とした中核的技術としての発展が今後求められる。高度差分法の専門家である Zienkiewicz により,計算力学分に洗練された構成式が十分に表現性能を発揮するには,野( Computational Mechanics )を発足して FEM に関入力パラメータの精度・信頼性向上も求められる。地盤するテキスト(Zienkiewicz and Cheung, 1967)8)を初版物性の空間的ばらつきのもとで予測の信頼度を保証するした。FEM 開発に携わった偉人達の功績により,1950May, 20179 報告年代から 1960 年代にかけて航空宇宙産業からより幅広い工学分野への技術が発展するに至った9) 。 FEMは,コンピューター技術の発展により,土木工学の各分野で大きく寄与したと言える。.不連続体解析数値計算の著しい発達がもたらされ,ダムの解析,浸透不連続体解析とは,土粒子をそのままモデル化してそ流解析などの地盤工学分野においても比較的早くから適の集合体である地盤の振る舞いを解析したり,岩盤内の用がなされた。1968年に Christian は間隙水圧を有限要結晶や亀裂をブロックとしてモデル化して岩盤全体のマ素の中心で定義する方法を採用して,非排水問題を解いクロな応答を解析する手法である。ここでは,不連続体た。 1969 年に Sandhu & Wilson は変分法を用いて,間解析で現在使われている理論・実験手法・解析コードに隙水に関連する条件式を定式化し,圧密解析の手法を提関して貢献された方々を紹介する。案した。その後,有効応力原理を用いた FEM は,地盤Peter Cundall は DEM ( Discrete Element Method 工学分野へのさらなる応用化に発展し,現在では実務で個別要素法)の開発者である。 1971 年に公表された論も広く用いられている。文では亀裂性岩盤斜面の評価手法としてその基本的なア.イデアを示し, 1979年に公表された G áeotechnique の論有限要素法以外の連続体解析文14)によって現在の DEM の原型を確立している。英国災害の甚大化や短時間での頻発化,複合化,破壊発生ロンドンの Imperial College にてドクターを取得してお予測から流動範囲予測を行う被害予測による要望の多様り,the University of Minnesota で勤務しながら Itasca化,地盤の形成過程の見える化,複雑な施工過程におけInternational Inc. でも解析プログラムの開発やコンサる地盤―構造物―流体の相互作用の複雑化に対応するたルタント業務に携わっている。数多くの論文や受賞歴がめに,有限要素法のように要素~節点情報を必要としなあり,イギリスの権威ある王立協会( Royal society )い方法であるメッシュレス法又はメッシュフリー法といにおいて Fellow of the Royal Society にもなっている。う解析手法の提案やそれを地盤分野に取り込もうとするShi G. H. は DDA(Discontinuous Deformation Anal-動きが急速に高まっている。また,その前から提案されysis不連続変形解析)の基礎理論の開発者である。理ている有限差分法においても,解析手法の改善や計算機論を体系化したものは1988年(PhD Thesis Universityの性能の向上によって発展を遂げている。学術研究レベof California at Berkeley)で発表しているが,1984年ルで現在発展中のものもあれば,既に実用設計で用いら(Proceedings of the 25th U.S. symposium on rockmechanics),1985年(Int. Jour. Anal. Methods Ge-れているものもある。有限差分法では, 1981 年に Cundall が提案した地盤omech.),1989年(Int. Jour. Num. and Anal. Methods解析を目的として差分法にベースをおく離散化解析手法in Geomech.)等において,有限要素法で用いられるジが提案されている。その後,プログラムコードが整備さョイント要素の開発者である Richard E. Goodman とのれ設計の支援実績もある。連名で岩盤工学への応用を発表している。 1991年(9thFEM では大変形解析時にリメッシュが必要でありかArmy Conference on Applied Mathematics and Comput-なり煩雑であるが,メッシュレス法では規則的若しくはing )では不連続体と連続体を同時に扱える Numerical不規則的に散らばった計算点から,メッシュを作成するManifold Method を 発 表 し て い る 。 こ の 業 績 に よ りことなく解くことが可能である。自由水面を持つ流体力China Natural Science Award などの国際的な賞を数多学の問題にも応用されている。 Belytschko ( 1994 年)く 受 け , 現 在 で も 中 国 科 学 院 大 学 ( Universityら10) の粒子法からヒントを得た近似関数の整備によっChinese Academy of Sciences)等の教授を務めているて地盤工学への応用が加速したと思われる。ofと同時に,長江科学研究院(Yangtze River Scientiˆcさらに,メッシュレス法の中で,連続体を有限個の粒Research Institute)のテクニカルディレクター(Tech-子によって表現し,連続体の挙動を粒子の運動によってnical Director ) や 米国 カ リフ ォ ルニ ア 州に あ る DDA計算する方法として,粒子法がある。各々の粒子は,質Company の会長として精力的に活動している。量,応力,ひずみといった変数を保持しながら移動する,連続体解析である。 1977 年に SPH 法がLucy11) や小田匡寛(オダマサノブ)は砂の試験体を樹脂で固Gin-め,切断面を顕微鏡観察することで粒子配列(ファブリgold & Monghan12)によって天体物理学の分野で提案さック)を定量化する手法,光弾性棒により二次元粒状体法が非圧縮性流体を対象に越塚ら13)中の force chain (応力鎖)構造を可視化・定量化するによって提案される。流体部分や地盤―流体の連成問題手法などを用いて,粒状体のマクロな力学特性に及ぼすにおける二相・三相問題,ダイナミックな問題への適用微視構造の重要性を明らかにした。また,岩下和義(イも精力的に進められるようになった。ワシタれ,1995年に MPSカズヨシ)教授と共同で,粒子間接触点回転剛以上の解析手法について,地盤工学の研究者・技術者性モデルを導入した拡張個別要素法による要素試験シミには,どのような高精度化がどれだけ必要か,境界条件ュ レ ー シ ョ ン を 行 い , 粒 状 体 の せ ん 断 帯 内 の forceをいかに明確にするかなどの課題があるが,それらをクchain 形成と崩壊のメカニズムや偶応力理論との関連性リアにすることで大きな可能性をもっている。このようを検討した。これらの研究論文は,高い引用件数からもな解析手法自体の発展も地盤工学の発展と新たな魅力に分かるように,後続の粒状体研究に大きな影響を及ぼし10地盤工学会誌,―() 報告た。また,岩下教授と共同で編集した書籍15) は,現在盤ばねの算定やその後の耐震性評価に使われてきている。の粒状体研究の標準的な教科書となっている。一方で,不飽和浸透―変形連成解析や越流を考慮した応佐武正雄(サタケマサオ)は粒状体にグラフ理論を力―浸透連成解析など高度化が図られている。圧密解析,初めて適用し,応力とひずみの定義,様々な異方性を表支持力解析など目的に応じた解析ソフトではなく,前述現するファブリックテンソル,一般化マイクロポーラーした GEOASIA は地震後の圧密や支持力といった連続理論の構築などの定式化を行った。これらは,粒状体とする様々な事象に対して一貫して解析する手法を提案す連続体理論を結びつけるための基礎理論となり,個別要るなど数値解析の高度化が進んでいる。素法などの離散的数値解析の結果を取り扱う際の標準的な手法にも役立っている。また,米国の Cowin 教授やJenkins 教 授 ら と 共 に , 粒 状 体 力 学 に つ い て の US JapanSeminar16) を参1)4 回( 1978 , 1982 , 1987 , 1991 )にわたって主催し,分野を超えた粒状体力学研究の推進とコミュニティー作りに貢献した。.2)実務への適用3)実務への適用に関しては「人物史」というより,組織などで開発されてきた解析ソフトや特徴ある構成式を搭載した解析コードが実務へ大きく貢献していると考えら4)れる。そこで,実務への適用に関しては解析ソフト名や解析コードという観点から述べたい。なお,ここでは主に国内の FEM 解析17)を中心に整理している。圧密解析は,港湾分野では GeoFEM ,道路分野では1980 年代より関口・太田モデルを搭載した土―水連成5)6)7)FEM 解析 DACSAR による試験盛土の解析的研究が行われ,実務においても適用されている。また, 2000 年代では高度化された弾塑性モデルを搭載した GEOASIA8)なども適用されるようになってきている。安定解析では,トンネル分野では 1990 年代から剛塑9)性有限要素法による検討が始まっており,その後,詳細な変形解析の必要性から tij モデルなど弾塑性有限要素10)法による解析が2000年を境に研究が始められている。液状化解析では,港湾分野では2000年代からは FLIP11)による有効応力解析による変形照査が実務で適用されるようになってきている。河川分野では 1995 年に河川堤防耐震点検マニュアルにより,Du 法による円弧すべり12)解析の適用が推奨され,実務で採用されている。変形解析では LIQCA などによる有効応力解析や,簡易な残留変形解析 ALID 等の FEM 解析が 1990 年代に開発・普及された。2000年代では前述の FLIP, LIQCA, ALID13)14)に加え最小エネルギー原理(東畑モデル),円弧すべり( Du 法)の 5 つの解析手法18) が実務で使われるようになってきている。どの分野でも,安定解析では円弧すべり解析はいち早15)16)く導入され,動的解析では一次元の等価線形解析であるSHAKE は建築分野に限らず実務で多く適用されている。さらに, 1980 年代からは,耐震設計において液状化を考慮する必要性が認識されることとなり,地震応答解析結果に基づく液状化判定が導入されてきている。原子力17)18)考文献最上武雄ほか小特集「土質力学の発展に貢献した人々」,土と基礎, Vol. 31, No. 11, 1983. (クーロン( C. A.Coulomb )については網干壽夫著,ロスコー( K. H.Roscoe)については中瀬明男・日下部治著)木村 孟・ Schoˆeld, A. N. ・太田秀樹・関口秀雄・日下部治講座「カムクレイに学ぶ」,土と基礎,Vol. 41,No. 5, 1993から Vol. 42, No. 4, 1994に連載.Roscoe, K. H., Schoˆeld, A. N. and Wroth, C. P.: On theyielding of soils, G áeotechnique, Vol. 8, Issue 1, pp. 2253, 1958.Roscoe, K. H., Burland, J. H.: On the generalized stressstrain behavior of `wet' clay, in: Heyman, J., Leckie, F.A. eds., Engineering Plasticity, Cambridge Univ. Press,pp. 535609, 1968.Schoˆeld, A. N. and Wroth, C. P.: Critical State SoilMechanics, McGrawHill, 1968.地盤工学会地盤工学における数値解析入門,2000.Clough, R. W.: The ˆnite element method in plane stressanalysis, Proc. 2nd ASCE Conf. on Electronic Computation, Pittsburgh, 1960.Zienkiewicz, O. C. and Cheung, Y. K.: The ˆnite elementmethod in structural and continuum mechanics,McGRAWHill, 1967.Zienkiewicz, O. C.: Origins, milestones and directions ofthe ˆnite element method A personal view, Arch Comput Method E, 2(1), pp. 148, 1995.Belytschko, T., Lu, Y. 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  • タイトル
  • 地盤調査技術の発展に貢献した先人の方々(<特集>地盤工学における人物史)
  • 著者
  • 澤田 俊一・正垣 孝晴・中野 義仁・三嶋 信雄・石黒 健
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 4〜7
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120008
  • 内容
  • 報告地盤調査技術の発展に貢献した先人の方々In‰uential People in History of Geotechnical Investigation Technology澤田俊一(さわだ株 技術本部応用地質中野義株 興和調査部正しゅんいち)技師長仁(なかの垣三よしひと)黒晴(しょうがき防衛大学校建設環境工学科嶋土質試験センター長石孝信雄(みしま株川崎地質 健(いしぐろ株 技術研究所前田建設工業たかはる)教授のぶお)参与たけし)テクニカルフェロー用いたボーリングを行った記録がある。また, 11 世紀. は じ め に頃の中国四川省では,塩分を含んだ地下水を採る井戸地盤工学における「アカデミックロードマップと発展(塩井)を掘るために人力と先端に鑿を付けた鉄製ロッ史・人物史」のテーマのひとつとして“調査”が位置付ドによる衝撃式ボーリングが行われており,これらがけられている。ここでの“調査”は地盤工学会発行の所ボーリングの起源と言われている2)。中国で発展した衝謂“青本”「地盤調査の方法と解説」1)に概ね合致してい撃式ボーリングの技術は,後に我が国にも伝わり,る。青本における12編の構成の中からここでは以下の 71817 年にさく井業を操業した大村安之助らによって種つのサブテーマを設けて作成している。各サブテーマに々の改良が加えられて「上総掘り」が考案された。そのかずさ後述する括弧書きは青本の編構成を示している。「上総掘り」の技術は,後に北欧やアメリカなどに伝わ 地下水調査(第 7 編)◯り,現在のロープ式パーカッションボーリングへと発展 サウンディング(第 6 編)◯している。地盤調査で利用さているロータリー式ボーリングは, 載荷試験(第 8 編)◯ ボーリング(第 4 編)サンプリング(第 5 編)◯1845年にフランスの Faubel(ファウベル)による中空 地 盤 災 害 ・ 維 持 管 理 ( 第 1 章 , 第 2 章 , 第 12 編◯管(ケーシング)と水を用いた回転式ボーリング方法のetc.)発明が発端であると言われている。その後, Faubel の 物理探査・検層(第 3 編)◯方法を基にして,欧州とアメリカでそれぞれハンドフ 現場密度試験(第 9 編)◯ィード式とハイドロリック式のボーリングマシンが開発歴史や技術を次世代へ正確に伝承するため,これまでされた2)。これらが,現在の地盤調査で利用されているの技術発展や地盤工学の発展に貢献された先人の人物史ロータリー式ボーリングマシンの原型となっている。 ボーリングサンプとして整理した中で,ここでは“◯我が国へのロータリー式ボーリングマシンの導入は, 現場密度試験”の 2 つのサブテーマのリング”と“◯1876 年に高島炭鉱(長崎県)でイギリス製のマシンが人物史の概要を紹介する。なお,誌面では書ききれない利用されたのが初めてであり,その後も炭鉱・油田など思いも多々ある。詳細については総論に示した WEB をの地下資源開発やダム建設でアメリカやスウェーデンな参照頂き,作成者の熱い想いも感じて頂ければ幸いであど各国のマシンが輸入された。国内における地盤調査へる。のロータリー式ボーリングの利用は, 1919 年から開始.された関門海底トンネルでの調査ボーリングが最初と言ボーリングサンプリングわれており,やや遅れて 1922 年の丹那トンネル調査,ボーリング・サンプリング技術の発展は,対象地盤の1923 年の関東大震災後の東京・横浜の地質調査などに拡大の歴史であり,採取試料の高品質化の歴史である。利用された3)。また,1927年に松尾鉱山(岩手県)で初そして,多くの技術者と研究者の弛まない努力によってめてコアボーリングが行われた他, 1931 年には鉄道大進歩してきた。本章は,発展に関わった主な人物を交え臣官房研究所(現(公財)鉄道総合技術研究所)で試作して技術の変遷について概説する。なお,詳細についてはた二重管式・三重管式のコアバレルによる軟弱地盤のサ地盤工学会 HP のアカデミックロードマップ「調査ンプリングが行われており,この時代にロータリー式24 ボーリング & サンプリング」をご参照頂きたい。ボーリングによる地盤調査の原型が形成されたと言える。. ボーリング戦後になると国内にもボーリング機械製造会社が発足し地盤を穿孔するボーリングの歴史は古く,古代エジプて国産のボーリングマシンが生産され,地盤調査会社のトのピラミッド建設で先端に宝石を植えた管状の道具を発足も加わってボーリングによる地盤調査が急速に発展4地盤工学会誌,―() 報した。 1950 年代中期から 1970 年代中期の高度経済成長告も広く利用されているエキステンションロッドを使用し期になると,建設事業の増大に伴ってボーリングマシンた固定ピストン式シンウォールサンプラーは, 1950 年と用具の改良・開発が盛んに行われ,ボーリング技術の代初めに我が国に導入され,有楽町~新橋間の鉄道高架発達とともに対象地盤や掘削深度が大きく拡大し,今日橋基礎調査,横浜港高島三号桟橋基礎調査で利用されたに至っている。のが最初である。以後,各サンプラーは日本の地盤に合. サンプリングうように種々の改良・工夫が加えられ,現在利用されてサンプリング技術は,土の工学的な性質を正確に判定いるサンプラーに形を変えている。しようという願望と努力により,コアリング技術から派1970 年代には,新潟地震( 1964 年)による砂地盤の生したものであり, 19 世紀前半頃から多くの技術者と液状化被害を受け,砂・砂質土の高品質な試料採取技術研究者によって研究・開発が進められてきた。図―は,の要請が高まり,国内で三重管サンプラー,凍結サンプ現在も利用されている主なサンプリング技術(サンプリング,大口径サンプラーなども開発された。近年ではラー)の開発・改良と各種サンプラーの適用性及び採取ニーズの更なる多様化により,小径化と CPT 機能を付試料の乱れの評価・補正の研究に関係した主な技術者・加したサンプラーや,滑材を利用して礫質土を高品質で研究者を整理したものである。採取できるサンプラーなど,様々なサンプラーが開発さサンプリング技術の草分けは, 1925 年にスウェーデれている。また,このようなサンプリング技術の開発・ンの Olsson (オルソン)が発明したフリーピストンサ改良においては,サンプラーの各種地盤への適用性に関ンプラーであると言われている4)。その後,1930年からする研究も重要であり,国内では 1960 年頃からサンプ1950 年前後の間にスウェーデンやアメリカなどを中心リング技術の開発・改良と並行して多くの技術者・研究にしてドライブサンプラー,固定ピストンサンプラー,者によって行われてきた。採取試料の品質評価について二重管サンプラーなどの多くのサンプラーが開発されても半世紀以上前から多くの研究者によって研究されておいる。これら諸外国で開発されたサンプラーは, 1950り,サクションを利用した一軸圧縮強さの補正方法など年前後から 1960 年代に我が国に導入されている。現在比較的簡便な乱れの評価・補正方法も提案されている。図―May, 2017サンプリング技術の発展に貢献した主な技術者と研究者5 報告サンプリングの技術水準を高め維持して行くためには, かつ昭和年代以前の委員会に限定◯サンプリング方法の標準化も重要である。我が国におい これとは別に,土の締固めや現場密度測定の分野で◯ては, 1950 年代後半にサンプリング研究委員会が地盤大きな業績を残された故人(主に地盤工学会誌冒頭工学会の前身,土質工学会に設置され,サンプリング技術の研究と普及が進められた。その成果を基にして,の弔辞文を参照して選定) かつ◯選定条件は「◯ 」である。若しくは◯1982 年に固定ピストン式シンウォールサンプラーによ. アカデミックロードマップ人物史の読みどころる試料採取方法に関する学会基準が制定されたのを皮切人物史は,先に述べた学会 HP から同じようにダウンりに,これまでに 6 つのサンプリング方法に関する学ロードできる。その内容をここで全て報告することは誌会基準が設けられている。面の関係から不可能であるため,「読みどころ」のみご紹介したい。是非とも学会 HP にお立ち寄り頂きたい。. 今後の課題先人の努力によって発展してきた我が国のボーリング・サンプリング技術は,現在では世界の最高水準にあ素晴らしき先人達の紹介と業績・人的繋がりの整理るといっても過言ではない。しかし,近年 ISO に代表SWG の成果を一堂に会した結果が図―である。多されるように種々の分野で国際標準化の波が押し寄せてくの先人達が見事な人的ネットワークを形成して繋がっきており,サンプリング分野においてもその波は避けらており,いわば「技術伝承のたすきリレー」のようなもれず,近い将来に国際標準化への対応が求められると考のが見て取れる。「読みどころ」は,その中身である。えられる。また,設計基準類の性能規定化も急速に進ん具体的には,技術伝承の現場で生じたドラマや修羅場,でおり,実用的な採取試料の品質評価手法の確立も必要先人達の人間的魅力などをありのままに記録した次のとなる。加えて,今後は社会の高齢化に合わせて技術者「資料編」をお勧めしたい。素晴らしき先人達資料編の減少が予想され,現在の高い技術水準を維持・向上して行くために,技術の更なる標準化と同時に,ボーリン図―を作成するために,SWG メンバー総がかりでグ・サンプリング作業の省力化を図って行くことも重要学会誌の座談会,回顧録,弔辞文,委員会記録など,あな課題である。ボーリング・サンプリングは,かなり成りとあらゆる記録を紐解いた。そこには先人達の当時の熟した技術分野であるが,将来に向けての課題も多く,リアルな息づかいが残されていた。SWG では,それらこれからも技術者と研究者の総力を結集して歩みを進めの記録に対して一切の加工なしに,原文のまま読者に読て行かなければならない。んで頂くのがベストと判断した。加工や編集を加えるこ最後に,アカデミックロードマップの「調査2 4ボーリング & サンプリング」は,正垣と中野の他に水谷崇亮(国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所),株 ダイヤコンサルタント),平塚智幸(基礎木村英雄(とは,明らかに僭越であると思われた。具体的には以下の 2 つの資料である。 土質工学黎明期の実情や人間関係,苦闘の歴史を語◯る先人達の生の言葉株)株)地盤コンサルタンツ,片山浩明(東邦地下工機 先人達に共通するもの(エピソードも踏まえて)◯の計 6 名で活動し,作成したものである。また,本章 をお話ししたい。先人達の共通点として感じた先に◯の執筆に際して各位よりご助言を頂いた。ここに記してのは,「土工技術発展の未来を見据えたパイオニアとし深甚の謝意を表する次第である。ての行動力」,「若手技術者を育成しようという強い意思.「現場密度測定」素晴らしき先人達と熱意」そして「人間的魅力」の 3 点であった。人間的魅力としては,周りの人間を魅了してやまない暖かさ,現場密度試験は,河川・ダム・道路・鉄道といった盛おおらかさ,温厚さ,謙虚さ,情熱,チャレンジ魂,創土構造物の品質(締固め度)を管理するための現場測定造性,気配り,そして「粋」な人柄,といったところで法である。単純ではありながら奥が深く,味わいのある,あろうか。多くの先人達が酒をこよなく愛していたことそして長い歴史を持つ技術である。技術の変遷についても,偶然の一致とはとても思えなかった。は地盤工学会アカデミックロードマップ HP「テーマ調査27 現場密度試験」よりダウンロードできるので, である。戦前・戦中含「読みどころ」の一番の肝は◯めた先人達の葛藤の歴史の中には,「それ,本当です是非ご一読頂きたい。以下では,その技術伝承を支えてか」と思わず言いたくなるような話が満載であった。こられた「素晴らしき先人達」をご紹介したい。戦時中,高射砲兵であった方,東京大空襲の最中,多摩. 「素晴らしき先人達」の選定基準川河川敷で試験舗装(軍の戦時研究)をやっていた方,現場密度試験という比較的狭い,限定された技術領域4 年間の軍事捕虜を終え,シベリア抑留から戻ってきたであっても,これに関わってこられた先人達の数は膨大ばかりの方などがいるのだから,迫力が違う。その方々となる。本 SWG (第 9 編現場密度試験 担当ワーキが,米軍の「まめ本」をガリ版で印刷したり,テルツァーング)では,以下のような選定基準を設け,可能な限りギの教科書を一冊丸ごと書き写したり,海外の英文の仕客観的かつ中立的な人選を試みた。様書を取り寄せて日本向きにアレンジしたりするところ 現場密度測定の技術の確立・指針化に貢献した方々◯(学会・JIS・各指針等の歴代委員長,副委員長)6から,日本の土工技術はスタートしていたのである。現在の技術者から見れば,辛いことが多々あったと容易に地盤工学会誌,―() 報図―告「現場密度測定」人物史マップ想像されるが,先人達の言葉には何故か暗さが微塵も見. 余談平成に向けてられない。むしろ,「いいからお前やれよ(笑)」,「と最後に余談を一つ。SWG は,本稿著者である三嶋,にかくやってみようじゃないか(笑)」というあっけら独 水資源機構)石黒の他に曽田英輝(,中村洋丈(高速かんとした明るさすら感じてしまう。道路総合研究所),藤田智弘(国立研究開発法人土木研ここが,読みどころである。最後に,代表的な先人達究所)の計 5 名で進めてきた。実は人物史の末尾には,が若手技術者に向かって語った(であろうと思われる)「番外編」と「番外編の番外編」という一風変わった名言葉の,「ぐっと来る」部分の抜粋を例示しておく。前の資料が添付されている。これは,三嶋・石黒・曽田SWG の独断的な好みによる抽出であること,何卒お許のシニア技術者 3 名と,中村・藤田の若手技術者 2 人し頂きたい。重ねて,是非とも学会 HP にお立ち寄り頂との間で交わされた熱いエールの記録である。三嶋と石き,先人達の生の言葉に触れて頂きたい。詳しくは黒は若かりし頃,先人達の一部と接触し,直接の技術伝WEB で承や薫陶を受けた経験があった。その秘話を残しておこ「“いずれにしろ,最終的にかけなのですよ”。カケうと書き綴り,若手 2 名にその話しをしていた時,「こそれこそ役に立とうが立たまいがやるのがいいですれは,今ここで,自分達も技術伝承のたすきを若い二人よ」(最上武雄)に渡しているのではないか」と,はっと気が付いた。番「土質研究者は臨床医であるべき」(河上義房)外編の番外編は,これに対する若手二人からの返信であ「昔の人がやったような土をなめてみるぐらいの熱意る。歴史は確実に繋がっている。今度は,この若手二人が必要である」(星埜和)が中心となって,次の世代にたすきを繋いでくれるもの「我々は福祉を上げるための手段として土木事業を行と確信している。主に巣鴨の居酒屋を舞台として,このSWG 活動が思わぬ形で「昭和から平成へのたすき」をっているのだ」(谷藤正三)「若いうちに土そのものを自分でいじって土への理解繋ぐ形となれたことは,我々シニアの望外の喜びである。を深めてから次の業務に進まれたい」(三木五三郎一部加工修正)参「わたし達が持つ技術(基準)をより確かな工学として,一層科学に近づける手段は実証の蓄積しかない」(稲田倍穂)「自分達で実験したデータはどうなのか自分自身で経験した事実を軸にして考えなさい」(久野悟郎)(敬称略)May, 2017考文献1) 地盤工学会地盤調査の方法と解説,2013.2 ) 塚本 靖ボーリング機械の変遷史,地質と調査, '84,第 4 号,pp. 33~36,1984.3) 全国地質調査業協会連合会ボーリングポケットブック第 4 版,pp. 1~17,2003.4 ) 福岡正巳スウェーデン土質力学研究所,土と基礎,Vol. 2, No. 6, pp. 49~54, 1954.(原稿受理2017.2.1)7
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  • タイトル
  • 地盤工学における基準化の発展に貢献した先人の方々(<特集>地盤工学における人物史)
  • 著者
  • 木幡 行宏
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 2〜3
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120007
  • 内容
  • 報告地盤工学における基準化の発展に貢献した先人の方々In‰uential People in History of Geotechnical Standardization木幡行宏(こはた室蘭工業大学大学院. は じ め にゆきひろ)教授土質工学会が標準的な試験法の制定推進と試験法解説の編集・執筆を行い, 1956 年に土質試験法解説第 1 集を,土質試験や地盤調査技術は,地盤構造物を構築するた1959 年に土質試験法解説第 2 集を刊行した。当時,土めの設計や施工に必要となる地盤情報や土質情報を知り質試験法の作成にあたっては, ASTM1) や Lambe, T.得るための技術として,実務と密接に結びついて発展しW. の著書2)が参考にされていたようである3)。てきたことは言うまでもないが,その礎は,地盤工学の表―は, 1964 年に旧土質工学会で初めて刊行され学問体系を造った Terzaghi, K. (テルツァーギ, 1883た土質試験法(初版)の編集委員会名簿である。当時は,~ 1963 年)の時代に始まっていると言える。一方,土企画を土質工学会出版企画委員会が行い,土質試験法の質試験や地盤調査技術は,社会的な普及度合いや各々の実質的な執筆作業を土質工学会試験法改訂委員会で行っ時代背景に依存して試験方法として基準化がなされてきていた。表―に示すように,錚々たるメンバーが名をた。一般に,基準化は,誰もが統一的な試験・調査方法連ねているが,本委員会の委員長は三木五三郎先生であによって,得られる結果を同じ土俵で解釈できることをった。三木先生は, 1981 年まで東京大学生産技術研究目的として制定されるものである。最近では,「規格」所で教授を務められた後, 1986 年まで横浜国立大学では日本工業規格( JIS)や国際標準( IS)など,国家や教鞭を取られた。本委員会には,後に,旧土質工学会会国際標準化機構( ISO )で制定されるものを指し,「基長となられる三木先生( 1980 ~ 1981 年),古藤田先生準」は地盤工学会基準(JGS)や米国材料試験学会基準( 1988~1989年),中瀬先生(1990~1991年)が参加さ(ASTM )など,学協会等で制定されるものとして区別れている。され,「規格」は「基準」の上位に位置する。今般,地本書が刊行された 1964 年当時は,学会基準がまだ制盤工学会では,「アカデミックロードマップと発展史・定されておらず,本書には,JIS やその改定案,あるい人物史委員会」を設置し,そのテーマの一つとして「基は JIS 原案が示されるとともに,各々の試験方法の解説 地盤工学に準」を取り上げた。「基準」においては,◯が記述されている。表―に本書に掲載された試験方法 地盤環境に関する国内基関する国内基準・国際基準,◯と執筆者( 10 章のみは主な執筆者)を示す。現在の地 ジオシンセティックスに関する国内基準・国際基準,◯盤工学における草分け的な方々が,試験法の規格化や試 地盤基礎設計に関する国内基準・欧州準・国際基準,◯験方法の提案にご尽力されていたことが分かる。執筆者 設計・施工に関する国内基準・欧州基準,とい基準,◯の方々は筆者が紹介するまでもなく,それぞれの分野のう非常に幅広い項目を取り上げた。これらは,現在,パイオニアであり,室内土質試験方法に関する規格・基ISO や CEN (欧州標準化機構)において活動中の地盤準の基礎を造り上げたことは言うまでもなく,我が国の関連の技術委員会( TC )を念頭に項目立てしたもので地盤工学が学術面,技術面において世界をリードする位ある。地盤工学会における「基準」は,「室内試験」,「地盤表―土質試験法(初版)の編集委員会名簿(所属は当時)調査」,「地盤設計・施工」に関連するものが制定されている。基準化に関わった先人の方々は,赤本の 10 年毎の改訂作業に関係した多くの方々であることから,すべての方々を紹介するには至らないと考え,ここでは「室内土質試験」の創設に関わった先人の方々を紹介する。創設期に限った記述となることを,お詫び申し上げるとともに,読者の皆様には,本文で紹介しきれない部分に思いを馳せて頂ければ幸いである。.土質試験法の創設に貢献した方々我が国の土質試験法は, 1950 年に始まる土質試験法の日本工業規格としての制定に始まり,その後,当時の2地盤工学会誌,―() 報表―告土質試験法(初版)に掲載された室内土質試験方法と執筆者(所属は当時)置にあるのは,これらの偉人のご尽力の賜であり,我が久性を検討する上で路盤の重要性が再認識されているこ国の地盤工学会を築き上げた方々である。この中で,特とから,原点に立ち返ることの重要性を感じる。に,第 7 章を執筆された竹下春見先生を紹介したい。表―を見ると,執筆者は大学や国鉄,建設省,運輸竹下先生は, 1966 年に 48 歳の若さでご逝去された。省,農林省などの研究所に所属している方々が多く,当時の日本アスファルト協会では,学会誌「ASPHALT」1960 年代は社会基盤整備を成し遂げるために必要な土に特集・竹下春見氏追悼を組んでいる4)。竹下先生は東質試験方法の基準化の黎明期であったことが窺える。京帝国大学土木工学科を 1941 年にご卒業された後,内務省に入省後,わずか 1 ヶ月で招集され,終戦後,土.おわりに木試験所配属となられた。その後,道路技術者として,本稿では,「室内土質試験」の創設に関わった先人の宮島国道工事事務所長などを経て,学位論文「路盤と舗方々を紹介したが,その後の地盤工学会の歴史において装」で工学博士を東大から授与された後,土木研究所道国内基準化・国際規格化の発展に数多くの方々が貢献し路研究室長として新しい土質工学の道路への応用の研究てきた。今後,学会ホームページ等で改めて紹介したい。に従事された。土木研究所を退官後,日本鋪道を経て,中央大学土木工学科教授として教鞭を執った。竹下先生の業績は,舗装分野で数多く,特に,現在では常識となっているアスファルト舗装の道路構造設計に「設計CBR 」を導入したことである。これは,当時,全く新しい概念であった。竹下先生は,常々,「舗装を勉強するにはまず土質力学を勉強するべきである」と語っておられたそうであり,最近,舗装分野において,舗装の耐May, 2017参考文献1)2)土質工学会土質試験法,まえがき,1964.T. William Lambe: Soil Testing for Engineers, Wiley,1951.3) 渡辺 隆土質調査および土質試験,技報堂,1958.4) 谷藤正三故 竹下春見博士をしのぶ,ASPHALT,特集・竹下春見氏追悼,Vol. 9, No. 52, pp. 2~3, 1966.(原稿受理2017.2.17)3
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  • タイトル
  • 地盤工学の優れた先人達(<特集>地盤工学における人物史)
  • 著者
  • 日下部 治・八嶋 厚・森口 周二
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 1〜1
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120006
  • 内容
  • 地盤工学の優れた先人達Prominent engineers in the ˆeld of Geomechanics日下部治(くさかべ国際圧入学会森おさむ)八会長口嶋厚(やしま岐阜大学周二(もりぐち東北大学あつし)教授しゅうじ)准教授本特集は,地盤工学の発展に尽力された先人達をいく表―委員会を構成するテーマと項目つかのテーマに沿って紹介するものである。まず,本特集の執筆に至る経緯を説明する。筆者の一人が会長就任時に,活動重点項目の一つとして「地盤工学の科学史・技術史と未来図の作成」を掲げた。これを受けて,平成24年度より,「アカデミックロードマップと発展史・人物史の委員会」の活動が開始された。本委員会では,地盤工学会が長きにわたって魅力的な学会であり続けるため,学会員による地盤工学の未来像の共有と歴史や技術の次世代への正確な伝承,地盤工学の未来像(夢)の「見える化」,及び地盤工学の発展に貢献した先人達や過去の技術発展を整理することを目的としている。成果の 現代と次世代の学会構成員の気持イメージとしては, 外部に対して地盤ちを強く鼓舞する道程になるもの, 科学技術政工学会の将来イメージを明確化するもの,策決定者へのメッセージとなるもの,を目指して活動してきた。その成果は,第 48 回地盤工学研究発表会(富山大会)及び第49回地盤工学研究発表会(北九州大会)における特別セッション1),2)や学会ホームページの中の成果報告 WEB ページ3)で公開をしている。現段階では当初の計画に対して成果は十分ではないものの, WEBページで公開されている情報は,どれも興味深く,地盤工学の過去や未来を考える上で非常に有益なものである。これらの成果をより多くの学会員に知って頂くために,成果の一部である人物史に注目して本特集を学会誌に掲学の未来に思いを馳せるための手助けとなる材料となれ載することにした。ば幸いである。表―に示すように,「アカデミックロードマップと発展史・人物史の委員会」では,8 つのテーマとそれに付随する項目を設定し,各項目に対してアカデミックロードマップの作成や人物史の整理を行ってきた。本特集では,「基準」,「調査」,「数値解析」,「設計・施工」,「地盤環境」の 5 つのテーマについて先人達を紹介する。地盤工学に関係の深い先人に関する特集という意味では,過去に学会誌の中にも同様の特集4)がある。しかしながら,過去に報告されたものは,地盤工学の中で特に著名な偉人達を網羅的に紹介しているのに対して,本特集では表―のテーマや項目に沿った形で先人達を紹介するため,少し趣向が異なる。参考文献1)日下部治・八嶋 厚・森口周二アカデミックロードマップと発展史・人物史委員会報告,地盤工学会誌,Vol.61, No. 11/12, Ser. No. 670/671, 2013.2) 日下部治・森口周二アカデミックロードマップと発展史・人物史委員会報告,地盤工学会誌,Vol. 62, No. 11/12, Ser. No. 682/683, 2014.3) 「アカデミックロードマップと発展史・人物史の委員会」委員会成果報告 WEB ページ,入手先〈 https: // www.jiban.or.jp / index.php?option = com _ content&view =article&id=1818/〉(参照2016.12.1)4) 最上武雄土質力学を築いた人々,土と基礎,Vol. 31,No. 11, Ser. No. 310, 1983.(特集テーマの総説)(原稿受理2017.2.1)本特集と委員会成果が,読者にとって地盤工学の過去や先人について理解を深める材料となり,また,地盤工地盤工学会誌,―()1
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  • CONTENTS
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.65 No.5 No.712
  • ページ
  • 発行
  • 2017/05/01
  • 文書ID
  • jk201707120005
  • 内容
  • Theme: In‰uential People in History of GeomechanicsProminent engineers in the ˆeld of Geomechanics …………………………………………………………………………… 1● Osamu Kusakabe, Atsushi Yashima and Shuji MoriguchiIn‰uential People in History of Geotechnical Standardization ……………………………………………………………… 2● Yukihiro KohataIn‰uential People in History of Geotechnical Investigation Technology …………………………………………………… 4● Shun-ichi Sawada, Takaharu Shogaki, Yoshihito Nakano, Nobuo Mishima and Takeshi IshiguroIn‰uential People in History of Numerical Method in Geomechanics ……………………………………………………… 8● Ryosuke Uzuoka, Yuki Yamakawa, Akihiko Wakai, Thirapong Pipatpongsa, Kenichi Maeda,Takashi Matsushima and Kazuhiro KanedaIn‰uential People in History of Geotechnical Design and Construction Technology ……………………………………12● Yoshihisa Miyata, Shun-ichi Kobayashi, Masahiro Shinoda and Zhang FengIn‰uential People in History of Environmental Geotechnics …………………………………………………………………16● Takeshi Katsumi
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