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地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704

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タイトル 表紙
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 発行 2016/09/01 文書ID 72038
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タイトル 【英訳化版】室内試験・地盤調査に関する規格・基準(Vol.1)の発刊
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 発行 2016/09/01 文書ID 72039
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タイトル 地盤工学会誌の電子版配信について
著者 渦岡 良介
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 発行 2016/09/01 文書ID 72040
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タイトル 本号の編集にあたって(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
著者 小林 孝彰
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ i〜i 発行 2016/09/01 文書ID 72041
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タイトル 目次
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 発行 2016/09/01 文書ID 72042
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タイトル CONTENTS
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 発行 2016/09/01 文書ID 72043
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タイトル 海外工事における地盤リスク対応の現状と展望(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
著者 大津 宏康
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 1〜3 発行 2016/09/01 文書ID 72044
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タイトル 発電プロジェクトの地盤工事-日本と海外、公共と民間のはざまで(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
著者 尾ノ井 芳樹
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 4〜7 発行 2016/09/01 文書ID 72045
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タイトル 海外工事における契約管理の観点からみた地盤リスク対応(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
著者 大津 宏康
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 8〜11 発行 2016/09/01 文書ID 72046
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タイトル アジアにおける地下鉄建設事例と地盤リスクへの対応(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
著者 泉 千年・ユインヨンラッタナクルナレントーン
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 12〜15 発行 2016/09/01 文書ID 72047
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タイトル マレーシアにおける地盤工学の現状と課題(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
著者 長谷川 信介・矢部 満
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 16〜19 発行 2016/09/01 文書ID 72048
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タイトル ミャンマーでの水力発電所建設事例(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
著者 徳楠 充宏
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 20〜23 発行 2016/09/01 文書ID 72049
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タイトル ラオスでの取水施設建設時の圧入ケーソン事例(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
著者 細野 利也・田中 秀明・武内 浩之
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 24〜27 発行 2016/09/01 文書ID 72050
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タイトル スリランカ・コロンボ外郭環状道路プロジェクトにおける軟弱地盤上の道路盛土工事(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
著者 大岡 晃・木之下 聡・石井 裕泰
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 28〜31 発行 2016/09/01 文書ID 72051
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タイトル 円筒金網とチェーンを用いた災害復旧工法(技術紹介)
著者 久保田 篤之・北村 明洋・奥西 一裕・木村 亮
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 32〜33 発行 2016/09/01 文書ID 72052
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タイトル 埋設管の浮き上がり対策に関する簡易工法の検討(技術紹介)
著者 山口 恵美・規矩 大義
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 34〜35 発行 2016/09/01 文書ID 72053
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タイトル 三河港岸壁本体工事における高圧噴射撹拌工法による地盤改良(寄稿)
著者 吉野 貴仁
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 36〜37 発行 2016/09/01 文書ID 72054
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タイトル CIM(技術手帳)
著者 藤澤 泰雄
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 38〜39 発行 2016/09/01 文書ID 72055
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タイトル 7. 「想定外」豪雨による地盤災害への対応と教訓(平成23年度紀伊半島大水害の実態と教訓-「想定外」豪雨による地盤災害の軽減に向けた提言-)
著者 深川 良一・束原 純
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 40〜45 発行 2016/09/01 文書ID 72056
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タイトル 8. 講座を終えるにあたって(平成23年度紀伊半島大水害の実態と教訓-「想定外」豪雨による地盤災害の軽減に向けた提言-)
著者 深川 良一
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 46〜46 発行 2016/09/01 文書ID 72057
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タイトル 7. 火山における防災・減災に資する最新技術動向(火山による災害特性と防災技術)
著者 小澤 拓・金子 隆之・千葉 達朗
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 47〜54 発行 2016/09/01 文書ID 72058
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タイトル 8. 講座を終えるにあたって(火山による災害特性と防災技術)
著者 中田 節也
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 55〜56 発行 2016/09/01 文書ID 72059
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タイトル 会告-地盤工学会の活動分類とCPD 単位の見直しのご案内
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 57〜57 発行 2016/09/01 文書ID 72060
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タイトル 書籍紹介
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 58〜58 発行 2016/09/01 文書ID 72061
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タイトル 新入会員
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 59〜59 発行 2016/09/01 文書ID 72062
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タイトル 編集後記
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 60〜60 発行 2016/09/01 文書ID 72063
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タイトル 平成28年度役員等
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 60〜60 発行 2016/09/01 文書ID 72064
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タイトル 奥付
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ 60〜60 発行 2016/09/01 文書ID 72065
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タイトル 会告
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出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ A1〜A9 発行 2016/09/01 文書ID 72066
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タイトル 地盤工学会所在地
著者
出版 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
ページ A10〜A10 発行 2016/09/01 文書ID 72067
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  • タイトル
  • 表紙
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72038
  • 内容
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  • タイトル
  • 【英訳化版】室内試験・地盤調査に関する規格・基準(Vol.1)の発刊
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72039
  • 内容
  • ਲਗदણඩघॊ঩ম੫঵भ੍ରध৾ভ੦૆भਲਗఁ୑॑৯੐खथْஶ๨৲ගٓ஼৔૥ୡ‫؞‬৉ೕ৹ਪपঢ়घॊૠત‫؞‬੦૆‫ق‬9RO‫ك‬भ৅໷ੜླྀলਟබ┈♫ᅋἲேᆅ┙ᕤᏛ఍䛾᪂ห䛂ⴠ▼ᑐ⟇ᕤ䛾タィἲ䛸ィ⟬౛䛃َਲਗ঵ਜُ‫َ؜‬প৾ઇ୘ُऩनद‫ઁ்؜‬ऎ‫؜‬ओણ৷ৣऔः‫؛‬¾ ঩মभૼ୒॑৷ःञ৉ೕૼ୒भ35ன৫‫؛‬ਲਗ੧੯दभਝੑ‫؞‬઱ੵ঱भૼ୒৓ઐ௱षभણ৷‫؜‬ਲਗૼ୒঻भ୘ਛऩन‫؛‬¾ ೏৾েभ୘ਛ‫؜‬೏৾েषभ঩মૼ୒भ࿠්‫؛‬঩ময৾েभ૥ୡૼ୒॑ৢखञஶୁৡभ਱঱ऩन‫؛‬‫ٹ‬-$3$1(6( *(27(&+1,&$/ 62&,(7< 67$1'$5'6/DERUDWRU\ 7HVWLQJ 6WDQGDUGV RI *HRPDWHULDOV 9RO َ஼৔૥ୡ੦૆ُ‫ق‬੦૆ઽஈ‫؜‬$ਖ਼ংॖথॲ‫؜ش‬ᅚ‫ك‬,6%1 ৒੼‫؟‬৞‫؜‬ভ৩્੼‫؟‬৞‫ق‬ଛમ‫؜‬ઘશ‫ك‬‫ٹ‬-$3$1(6( *(27(&+1,&$/ 62&,(7< 67$1'$5'6*HRWHFKQLFDO DQG *HRHQYLURQPHQWDO ,QYHVWLJDWLRQ0HWKRGV 9RO َ৉ೕ৹ਪ੦૆ُ‫ق‬੦૆ઽஈ‫؜‬$ਖ਼ংॖথॲ‫؜ش‬ᅚ‫ك‬,6%1 ৒੼‫؟‬৞‫؜‬ভ৩્੼‫؟‬৞‫ق‬ଛમ‫؜‬ઘશ‫ك‬৉ೕੵ৾ভदम‫؜‬০ऽद஧ম‫؜‬ஒমभ੡द຦஘प஡खऽोथऌऽखञ‫َ؜‬৉ೕ౫મ૥ୡभ্১धੰହُधَ৉ೕ৹ਪभ্১धੰହُपઽஈऔोथःॊૠત‫؞‬੦૆‫ق‬ਰৣ‫؜‬੦૆థधःअ‫ك‬भஶ๨৲হ঵॑ষढथउॉऽघ‫؛‬᭱᪂䛾ㄪᰝ䞉◊✲䛛䜙ᚓ䜙䜜䛯▱ぢ䛻ᇶ䛵䛝ヲ䛧䛟ゎㄝ䟿ᆅ┙ᕤᏛ఍䛜⮬ಙ䜢䜒䛳䛶䛚່䜑䛩䜛᪂ห䛷䛩䚹ᖹᡂ㻞㻢ᖺ㻝㻞᭶Ⓨ⾜ 㻭㻠ุ㻟㻜㻤㡫㻵㻿㻮㻺䠖㻥㻣㻤㻙㻠㻙㻤㻤㻢㻠㻠㻙㻜㻥㻣㻙㻢ᮏయ౯᱁䠖㻡㻘㻤㻜㻜෇䠇⛯㏦ᩱ䠖㻢㻜㻜෇䠇⛯➨㻝❶ⴠ▼஦౛➨㻞❶ⴠ▼ㄪᰝ➨㻟❶ⴠ▼䛾㐠ື➨㻠❶ⴠ▼䝅䝭䝳䝺䞊䝅䝵䞁➨㻡❶ⴠ▼ᑐ⟇ᕤ䛾㑅ᐃ➨㻢❶ⴠ▼ண㜵ᕤ䛾タィ➨㻣❶䝫䜿䝑䝖ᘧⴠ▼㜵ㆤ⥙䛾タィ➨㻤❶ⴠ▼㜵ㆤᰙ䛾タィ➨㻥❶ⴠ▼㜵ㆤ᧦ቨ䛾タィ➨㻝㻜❶ⴠ▼㜵ㆤ⿵ᙉᅵቨ䛾タィ➨㻝㻝❶㻽㻒㻭੦૆థ৸৬भஶ๨मढ़ফੑ઺दभ౥ਛ॑੒৒खथउॉऽघऋ‫؜‬ஶ๨৲खञ੦૆థम૚ফपীऐथ৖੿‫ق‬9RO‫كع‬ଡਛदದઃ৅໷खथऽःॉऽघ‫؛‬৖भଡਛपणःथम‫؜‬ਲਗदણඩऔोॊૼ୒঻भओਏ஦ऋਘः੦૆థ॑ਸ਼঳प‫؜‬ऽञ‫؜‬ব৔पउःथुઞ৷ᄄ২ऋৈःुभऊैર੔ದਜ਼॑णऐञౣૐधखथउॉऽघ‫؛‬০৚भ৅໷म‫؜‬जभਸ਼ഩ‫ق‬9RO‫ك‬दघ‫؛‬ชశ‫؜‬঩মभ੦૆॑৷ःञਲਗ੧੯भਝੑ‫؜‬৹ਪ‫؜‬ਗবযૼ୒঻भ୘ਛ‫؜‬঩মभૼ୒॑৷ःञ৉ೕૼ୒भ35ன৫‫؜‬ਝੑ‫؞‬઱ੵ঱भૼ୒৓ઐ௱ৡभ੍ରऩनपओણ৷ःञटऌञःधઓःऽघ‫؛‬ऽञ‫؜‬প৾ઇ୘भৃपउऌऽखथु‫؜‬೏৾েषभ୘ਛ‫؜‬೏৾েपৌघॊ঩মૼ୒भ࿠්‫؜‬঩ময৾েभ૥ୡૼ୒॑ৢखञஶୁৡभੜਸऩनपुओણ৷ःञटऐोयౘःपோगऽघ‫؛‬ओභোभ্১৾ভ঍‫ش‬঒ঌ‫ش‬४भછආභোঌ‫ش‬४‫ق‬KWWSZZZMJVVKRSSLQJQHW‫ك‬भ౎‫؜‬છ૲दुउେः੷ीःञटऐऽघ‫؛‬‫پ‬ভ৩્੼दभओභোम‫৾؜‬ভ঍‫ش‬঒ঌ‫ش‬४ऊैभභোप଒ॉऽघभद‫؜‬ओିਔऎटऔः‫؛‬᭱㏆䜘䛟฼⏝䛥䜜䛶䛔䜛ⴠ▼䝅䝭䝳䝺䞊䝅䝵䞁䛾⪃䛘᪉䜔ྛᑐ⟇ᕤ䛾⪃䛘᪉䛺䛹䜢ヲ䛧䛟ᥖ㍕䛧䛶䛔䜎䛩䚹タィἲ䛷䛿䚸ィ⟬౛䜢ヲ⣽䛻ᥖ㍕䛧䚸ᐇົ䛷䜒ᙺ❧䛶䜙䜜䜛䜘䛖㓄៖䛧䜎䛧䛯䚹䛂➨㻝㻝❶䠭䠃䠝䛃䛷䛿䚸ᐇົ⪅䛜ᢪ䛘䛶䛔䜛ㄢ㢟㻔඲㻟㻡ၥ㻕䛻䛴䛔䛶ศ䛛䜚䜔䛩䛟ᅇ⟅䛧䛶䛔䜎䛩䚹ᇶᮏⓗ䛺⪃䛘᪉䜔᭱᪂䛾ᡭἲ䜔⪃䛘᪉䛺䛹䛜཰㘓䛥䜜䛶䛔䜛䛯䜑䚸ᐇົ⤒㦂䛾ὸ䛔ᢏ⾡⪅䛛䜙㇏ᐩ䛺⤒㦂䜢ᣢ䛴⇍⦎ᢏ⾡⪅䜎䛷ᖜᗈ䛟฼⏝䛷䛝䜛ෆᐜ䛸䛺䛳䛶䛔䜎䛩䚹䛂ⴠ▼ᑐ⟇䠭䠃䠝䛃䈜㻝Ⓨห䛛䜙㻡ᖺ䚹䛥䜙䛻ෆᐜ䜢඘ᐇ䛥䛫䛶㐙䛻Ⓩሙ䛷䛩䚹䈜㻝㻕 䛂ⴠ▼ᑐ⟇䠭䠃䠝䛃 ᖹᡂ㻞㻝ᖺ㻝㻞᭶㻞㻞᪥ ᆅ┙ᕤᏛ఍ᅄᅜᨭ㒊 Ⓨ⾜᭩⡠䛾䛚⏦䛧㎸䜏䚸䛚ၥ䛔ྜ䜟䛫䛿䚸ᆅ┙ᕤᏛ఍䛾䝅䝵䝑䝢䞁䜾䜹䞊䝖䜎䛷䛚㢪䛔䛧䜎䛩䚹㼔㼠㼠㼜㻦㻛㻛㼣㼣㼣㻚㼖㼓㼟㻙㼟㼔㼛㼜㼜㼕㼚㼓㻚㼚㼑㼠㻛
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  • タイトル
  • 地盤工学会誌の電子版配信について
  • 著者
  • 渦岡 良介
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72040
  • 内容
  • 平成 28 年 9 月 1 日会員各位公益社団法人地盤工学会公益出版部長渦岡良介地盤工学会誌の電子版配信について拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平成 28 年 4 月号「地盤工学会誌の編集方針と平成 29 年の年間計画」でお知らせしました通り,学会誌の電子版発行の要望に応え,冊子の経費削減を図るべく,地盤工学会誌の電子版の配信を開始します。平成 28 年 10 月から学生会員の皆様を対象として配信し,その後,正会員の皆様にも配信いたします。なお,電子版の配信は正会員・学生会員の皆様を対象とし,特別会員は対象外です。学生会員の皆様へ平成 28 年 10 月号より,地盤工学会誌は電子版に移行し,冊子の送付は停止させて頂きます。何卒ご理解の程お願い申し上げます。電子版へのアクセス方法につきましては,平成 28 年 10月号発刊時にメールでお知らせいたします。学会からのメールニュース等が届いていない場合は,会員情報データベースにメールアドレスのご登録(学会 HP>会員向けページ>会員情報変更ログイン)をお願いします。10 月以降の電子版の閲覧に関しまして,お気づきの点などございましたら,できる限り改善いたしますので遠慮なくご意見をお寄せください。正会員の皆様へ平成 29 年 4 月号より,地盤工学会誌の電子版の配信を開始する予定です。年度内に電子版への移行希望の有無を確認させて頂きます。電子版を希望された場合,冊子の送付は停止させて頂きますが,特典として電子図書室(地盤工学会の過去の刊行物を全て閲覧可能)の利用料を無料にさせていただく予定です。また,学生会員への電子版公開に併せて,正会員の皆様にも電子版の使い勝手をご確認頂くためのお試しアクセスをしていただく予定です。アクセス方法については,学生会員と同様にメールで案内を差し上げる予定です。以上,メールニュースなどでもご連絡差し上げますので,ご理解・ご協力の程お願い申し上げます。ご不明な点などございましたら,お問合せは事務局までお願いします。敬具公益社団法人地盤工学会総務・出版事業チームE-Mail:k-haishin@jiban.or.jp〒112-0011 東京都文京区千石 4-38-2TEL:03-3946-8672FAX:03-3946-8678
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  • タイトル
  • 本号の編集にあたって(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
  • 著者
  • 小林 孝彰
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • i〜i
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72041
  • 内容
  • 本号の編集にあたって近年,国内の建設市場が縮小を余儀なくされる中で,海外ではアジアを中心に更なるインフラ整備の需要が見込まれています。一方で,海外特有の契約形態や文化的背景に起因し,発注者・受注者間の紛争事例が多く報告されております。優れた施工技術を有する日本の建設業者が,その力を必ずしも存分に発揮できていないのが現状であると言えます。このような背景から,本号では「海外工事における地盤工学の現状と課題」と題した特集を組みました。海外工事における契約管理,地盤リスクへの対応などをテーマとして,様々な立場からご執筆をいただいております。その他にも,マレーシア,ミャンマー,ラオス,スリランカにおける具体的な建設事例が報告されており,大変貴重な貴重な情報が満載となっております。今後,国として海外建設プロジェクトを円滑に実施できる体制を実現するには,官・民・学を含む業界全体の相互扶助が重要です。例えば建設プロジェクト管理と法律の双方に精通した人材を育成するためには,大学教育でその下地を作る必要がありますが,これには海外工事従事者からの教育の場へのフィードバックが必要不可欠です。本号の特集が,会員の皆様にとって有益な情報となることを期待しております。小 林 孝 彰(こばやし たかあき)地盤工学会のホームページ URLhttps://www.jiban.or.jp/国際地盤工学会ホームページ http://www.issmge.org/編集兼発行者公益社団法人地盤工学会
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  • タイトル
  • 目次
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72042
  • 内容
  • 口絵写真(*HP)技術紹介円筒金網とチェーンを用いた災害復旧工法特集テーマ海外工事における地盤工学の現状と課題総説海外工事における地盤リスク対応の現状と展望 …………………………………………………… 1●大津論説宏康発電プロジェクトの地盤工事―日本と海外,公共と民間のはざまで …………………………… 4●尾ノ井芳樹海外工事における契約管理の観点からみた地盤リスク対応 ……………………………………… 8●大津報告宏康アジアにおける地下鉄建設事例と地盤リスクへの対応 ……………………………………………12●泉千年/ユインヨンラッタナクルナレントーンマレーシアにおける地盤工学の現状と課題 …………………………………………………………16●長谷川信介/矢部満ミャンマーでの水力発電所建設事例 …………………………………………………………………20●徳楠充宏ラオスでの取水施設建設時の圧入ケーソン事例 ……………………………………………………24●細野利也/田中秀明/武内浩之スリランカ・コロンボ外郭環状道路プロジェクトにおける軟弱地盤上の道路盛土工事 ………28●大岡技術紹介晃/木之下聡/石井裕泰円筒金網とチェーンを用いた災害復旧工法 …………………………………………………………32●久保田篤之/北村明洋/奥西一裕/木村亮埋設管の浮き上がり対策に関する簡易工法の検討 …………………………………………………34●山口恵美/規矩大義寄稿(学生編集委員)三河港岸壁本体工事における高圧噴射撹拌工法による地盤改良 …………………………………36技術手帳CIM ………………………………………………………………………………………………………38●吉野●藤澤貴仁泰雄 講座平成23年度紀伊半島大水害の実態と教訓―「想定外」豪雨による地盤災害の軽減に向けた提言―7. 「想定外」豪雨による地盤災害への対応と教訓 …………………………………………………40●深川8.良一/束原純講座を終えるにあたって …………………………………………………………………………46●深川良一火山による災害特性と防災技術7. 火山における防災・減災に資する最新技術動向 ………………………………………………47●小澤8.拓/金子隆之/千葉達朗講座を終えるにあたって …………………………………………………………………………55●中田節也会告地盤工学会の活動分類と CPD 単位の見直しのご案内 …………………………………………57書籍紹介 ………………………………………………………………………………………………………58新入会員 ………………………………………………………………………………………………………59編集後記 ………………………………………………………………………………………………………60
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  • タイトル
  • CONTENTS
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72043
  • 内容
  • Theme: The Current Situation and Issues on Geotechnical Engineering in Overseas ConstructionCurrent Situation and Scope for GeoRisk Response in Oversea Construction Projects ………………………………… 1● Hiroyasu OhtsuGeotechnical Construction Contracts for Power Plant Projects―Comparative Cases of Public andPrivate Investments in Japan and Overseas― ………………………………………………………………………………… 4● Yoshiki OnoiGeotechnical Risk Response in Oversea Construction Projects from Viewpoint of Contract Administration ………… 8● Hiroyasu OhtsuMetro Construction in Asia Region and the Measures to the Ground Risk on Construction ……………………………12● Chitoshi Izumi and Y. NarentornCurrent Situation and Future Issues on Geotechnical Engineering in Malaysia …………………………………………16● Nobusuke Hasegawa and Mitsuru YabeCaseIntroduction of Construction of Hydropower Plants in Myanmar ……………………………………………………20● Mitsuhiro TokusuPressin Caisson Construction for the Water Intake Facility in Lao P.D.R. ………………………………………………24● Toshiya Hosono, Shumei Tanaka and Hiroyuki TakeuchiHighway Embankment Construction on Soft Clay Deposit in the Colombo Outer Circular Highway Project(Sri Lanka) …………………………………………………………………………………………………………………………28● Akira Ohoka, Satoshi Kinoshita and Hiroyasu Ishii
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  • タイトル
  • 海外工事における地盤リスク対応の現状と展望(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
  • 著者
  • 大津 宏康
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 1〜3
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72044
  • 内容
  • 海外工事における地盤リスク対応の現状と展望Current Situation and Scope for GeoRisk Response in Oversea Construction Projects大津宏京都大学康(おおつひろやす)大学院工学研究科. は じ め に日本企業による海外建設工事の受注額は,図―に示すように, 2000 年度までは約 1 兆円を平均値として推移してきた1) 。また,最新の海外建設協会 OCAJI注1) により示された数値では,近年増加傾向を示しているように見られるが,実際には海外法人受注額を除けば依然として約 1 兆円程度で推移している。この数値を国内建設市場の規模と比較すれば小さいことから,日本の建設業は必ずしも海外工事の受注に対して積極的に取り組ん図―海外建設受注の推移1)できたとは言えない。この理由は,従来日本国内において充分な受注環境が整っていたことに加えて,海外工事においてはカントリーリスクに代表される日本と異なる様々なリスク要因が存在するため,そのプロジェクトの推進に大きな課題があったことによると推察される。しかし,今後国内の建設市場が縮小することが想定されることから,その対応策として海外工事に対してこれまで以上に積極的に取り組む必要が高まりつつある。このような状況を踏まえて,本稿では,海外工事における地盤リスク対応の現状及び展望について示す。.海外工事における地盤リスク対応の現状図―海外建設プロジェクトにおける主要リスク要因の抽出結果2)海外工事を推進する上では,過去の事例においてはどのようなリスク要因によりコストオーバーラン・工期遅延が発生したかを分析することが有効である。その一事企業のみならず,どの国の企業が受注しても直面する危例として,図―に筆者らが実施した海外建設プロジェ険性があることである。日本企業はリスク回避的であるクトでのリスク要因の分析結果を示す2)。同図は,国際としても,海外の企業はこのようなリスク要因に対して協力銀行 JBIC 発行の 2000 ~ 2005 年の事後評価報告書どのような対応を図っているかを理解する必要がある。に示されている317件の円借款プロジェクトについて,さらに問題を要約すれば,これらのリスク要因が顕在化工期の遅延が生じた案件に着目し,遅延の生じたと判断した場合の損失が,発注者と請負者の間でどのように分されるリスク要因に対して複数要因抽出可として分類し,担されるかのルールを理解する必要がある。上位 10 個の要因を抽出したものである。図―に示すこのリスク分担の方法は,建設契約3)により規定され結果において,上位 2 つにランクされたものは,アドる。しかし,どのような契約方式を適用しようとも,本ミニストレーションリスクと分類される,「複雑な許認質的に発注者と請負者の間で,そのリスク要因の対応に可過程」・「実施母体の不明確な要求」という事項である。関する契約条件の解釈に相違が発生する危険性が高い。アドミニストレーションリスクに続くリスク要因は,海現状までに,日本ではこのような発注者と請負者の間に外プロジェクトに固有なリスク要因である。さらに,本発生した問題が,建設紛争までに至った例はほとんどな特集の主題である地盤リスク(図中では,地質リスクといが,海外の建設プロジェクトにおいては,途上国のみ標記)も10位にランクされている。ならず先進国でも,この解釈の相違に起因する紛争が裁ここで,留意すべき事項は,上記のリスク要因は日本判や仲裁へと発展した事例が多い。ただし,この紛争解注 1 ) (一社)海外建設協会 OCAJI Web ページ http: // www.ocaji.or.決には,一般的には多大な費用と時間を要することになjp/overseas_contract/#anchor2September, 2016る。この課題を解決,あるいは未然に紛争の発生を予防1 総説づく,発注者と請負者間での地盤リスク分担ルールである。 GBR は,契約書に付随する資料であり,発注者が入札時に対象とするサイトの地盤に関する基本条件(ベースライン)を定量的に明示するものである。請負者は,このベースラインに基づき応札するが,この際に受注するために自己責任でベースラインを下回る条件での積算は可能である。ただし,実際の施工中に明らかになった地盤条件が,ベースラインより以下の場合の地盤リスクは請負者が分担し,ベースラインより不良な場合のみ発注者がリスク分担することになる。.図―トンネル工事における調査ボーリング長比(ボー今後の展望海外工事では,特に途上国で顕著であるが,調査密度リング総延長/トンネル長)と設計変更事例とのが極めて少なく地質調査の品質に課題があることから,相関の事例5)地盤リスクを想定することが極めて困難である。この課題に対応するためには,以下のような取り組みが有効でする方策として, 1990 年代以降アメリカで生まれた紛争調停委員会 DAB ( Dispute Adjudication Board ),ああると推察される。まず挙げられるのが,日本の建設関係者が担当した既るいは紛争処理委員会 DB(Dispute Board を総称する)往の海外での建設工事において顕在化した地盤リスクにが普及してきた背景がある4)。関する情報の共有化である。現状でも,伝聞としては海このような取り組みにより,全般的には建設紛争の発外工事で地盤リスクに起因してコストオーバーラン/工生する環境は改善されたが,地盤リスクに起因する建設期遅延が発生する事例が多いことが知られているが,必紛争は依然として継続して発生した5)。ここで,地盤リずしもその事象が何故発生したかについての分析結果はスクの特徴は,以下のように要約される。すなわち,地明示されていない。このため,その損失の生じた要因が,下工事においては,地盤条件は調査設計段階にボーリン地盤条件自体に起因するものか,あるいは契約の不備・グ・物理探査等により調査されるが,調査費用の制約か解釈の相違に起因するものかが明らかでない。ら事前にすべての地盤条件を明らかにすることはできなこの課題に対応する一つの試みとしては,図―の事い。このため,地盤リスクは,一般的に「予見できない例分析結果に示したような主要リスク要因の抽出,及び地盤条件( Unforeseeable Geotechnical Condition )」とその分析結果に基づくデータベースの構築が挙げられる呼ばれ,トンネル・道路斜面・パイプライン敷設のようであろう。もちろん,これまでにも海外工事に関する事な線状構造物において特に重大な検討課題となる。例報告は,報告会・学協会誌等の様々な形態で実施され従来の建設契約では,入札時に提示された地盤条件よてきているが,上記のような主要リスク要因の抽出・分り不良な地盤が発生した場合の費用は,原則的には不可析結果が共有化されるまでには至っていない。したがっ抗力( Force Majeure)として発注者により負担されるて,このような取り組みの実施には,学協会が主体となよう規定されていた。しかし,その提示された地盤条件り関係者(発注者・請負者・コンサルタント)が一堂に自体があいまいであることに加えて,設計条件より地盤会して参画するとともに,総合的な見解を得ることが望が不良であることを請負者自体が立証する必要があるこまれる。実際に,前述の ASCE により提案された GBRとから,地盤条件の相違に起因する紛争は継続した。例の作成には, ASCE が主体となり関係者の協働で実施えば,図―は設計変更が発生したトンネル工事での統したシンポジウム及びワークショップでの議論が反映さ計資料として,設計変更率と調査ボーリング長比(ボーれていることが参考となるであろう。リング総延長/トンネル長)の関係を示したものである。次に,海外における地盤条件に関する情報の収集に関同図に示す結果から,2 つの事項が指摘される。第 1 に,しても,学協会には以下のような役割が期待される。そ線状構造物であるトンネル工事では,調査ボーリング長れは,海外の関係機関との連携の促進である。もちろん,比が大きいほど,すなわち地盤条件に関する情報が多いこれまでにも多くの学協会は,海外の関係機関との連携ほど,設計変更事例が減少する傾向となる。第 2 に,を図ってきた実績はあるが,ここで提案するものは,建図―では設計変更率として,請負者の要求した率と,設プロジェクトに関する,より実務的な情報の共有化でエンジニア(コンサルタント)の評価した率の 2 種類ある。例えば, Hoek ら5) が指摘しているように,現地が示されているが,全般的に請負者が要求した変更率のの地盤情報は,ローカルカンパニー及びローカルの高等方が大きくなっている。教育・研究機関に蓄積されていることが多い。その一例このような背景から,様々な取り組みが実施されてきとして,以下にミャンマーの水力省のエンジニアが取りたが,その代表例が,アメリカ土木学会 ASCE によりまとめた,水力発電所建設プロジェクトおける水路トン提案された GBR(Geotechnical Baseline2Report)6)に基ネル建設時の地盤リスクの検討例7)を紹介する。地盤工学会誌,―() 総図―説A 水力発電所水路トンネル(L=540 m & q=8.5 m)における設計時 Q 値と施工時 Q 値の比較及び崩落箇所の代表例が,ASCE により提案された GBR に基づ図―は A 水力発電所水路トンネル( L= 540.0 m &q = 8.5 m )における設計時 Q値8) と施工時Q 値の比較,く,発注者と請負者間での地盤リスク分担ルール及び建設中に切羽及び天端でトンネル崩落が発生した箇所を示したものである.この結果において,施工時にである。3)今後の展望としては,以下の事項が不可欠となる12 箇所でトンネル崩落が発生したが,その多くは施工ことを示した。第一には,図―の抽出結果に示時に算定された Q 値が,設計時に想定された値に比較したような海外工事での主要リスク要因の抽出,して小さく,不良地山( Very poor)と判定される箇所及びその分析結果に基づくデータベースの構築,に分布していることが明らかとなる.このような地盤リ第二には海外の関係機関との連携の促進による情スクに関する情報は,今後当該地域における地下工事で報の共有化を挙げた。このような取り組みを推進の地盤リスク評価に極めて有用なものとなる。そして,するためには,学協会が主導的な立場として,関ミャンマーにおいても,このような地下工事での地盤リ係者間の連携を図ることが期待されることを示しスク評価の検討が既に始められつつあることを紹介した。た。なお,地盤リスクに対する新たな対処方法であるGBR の適用は,現状では欧米に限定されているようであるが,昨今の建設市場の国際化が進行しつつある動向参1)を踏まえると,近い将来には途上国の建設プロジェクトでも GBR が導入されることが想定される。このような2)状況に対処するためには,海外工事における地盤リスク対応においては,技術者は地盤工学に関する知識に加えて,建設契約に関する知見を理解することも不可欠な要3)4)素となるものと推察される。. まとめ5)本稿では,海外工事における地盤リスク対応の現状及び展望について示した。その内容は,以下のように要約6)される。1)海外プロジェクトには多様なリスク要因が内在することが知られているが,図―の抽出結果に示7)したように,地盤リスクもその中の主要な要因の一つとして挙げられる。2)海外における建設紛争が多発したことの対応として, DAB, DB が普及したことで,全般的には建設紛争の発生する環境は改善されたが,地盤リスク8)考文献齋藤 隆建設プロジェクトマネジャーの資質と能力に関する基礎的研究,建設マネジメント研究論文集,Vol.12, pp. 207~218, 2005.大津宏康プロジェクトマネジメント,コロナ社,2011.例えば,Flanagan, R. and Norman, G.: Risk Management and Construction, Blackwell Science, 1993.大本俊彦 Dispute Board 紛争処理委員会,日刊建設工業新聞社,2010.Hoek, E. and Palmeiri, A.: Geotechnical risks on largecivil engineering projects, Keynote address for Theme I―International Association of Engineering GeologistsCongress, Vancouver, Canada, 1998.American Society of Civil Engineers: Geotechnical Baseline Reports for Construction, Suggested Guideline, TheTechnical Committee on Geotechnical Reports of the Underground Technology Research Council, 2007.Htun, W.: Case Study of GeoRisk Management on Tunneling of Hydropower Development,京都大学大学院修士論文,2015.Barton, N., Lien, R. and Lunde, J.: Engineeering classiˆcation of rock masses for the design of tunnel support,Rock Mechanics, Vol.6, No.4, pp.189236, 1974.(原稿受理2016.5.23)に起因する事案は継続した。この課題への対応策September, 20163
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  • タイトル
  • 発電プロジェクトの地盤工事-日本と海外、公共と民間のはざまで(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
  • 著者
  • 尾ノ井 芳樹
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 4〜7
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72045
  • 内容
  • 発電プロジェクトの地盤工事―日本と海外,公共と民間のはざまでGeotechnical Construction Contracts for Power Plant Projects―Comparative Cases of Public and Private Investments in Japan and Overseas―尾ノ井芳樹(おのい株 取締役常務執行役員電源開発. は じ め によしき)国際事業本部長表―スキームごとの発電プロジェクトの建設契約我が国は狭隘な国土のなかで地震,津波,台風による強風や洪水などによる災害に備えつつ,すぐれたインフラ施設群による豊かな社会を築いてきたことはまぎれもない。一方で,そこで培われた高い信頼性を実現した技術・経済的文化が諸外国で必ずしも適用できなかったり必要でない場合があることは,近年しばしば経験するところである。今日,世界にあらためて目を向けたとき,Quantities, BQ)付き契約がよく使用されてきたが,海これから国造りを本格化させる人々が置かれた立場でイ外における民間事業としての建設契約においては,個別ンフラ施設を整備するプロセスを,私たち日本のエンジに用意された EPC (Engineering, Procurement and Con-ニアは自らの経験があるゆえに,かえって理解しにくいstruction )ターンキー契約が使用されている注2) 。 EPC状況に自らを置いてきたのかもしれない。すなわち適切ターンキー契約については FIDIC (Silver)1)があるが,なニーズの把握やスペック調整を行うことができず,中そのまま使用される事例は少ない。その理由は後述する。国などの新興勢力との競争に敗退する例が出ている。こあらかじめ数量と価格を固定しにくいと考えられる地うしたことのひとつの要素として,地盤の問題に関係し盤工事を多量に含む建設が,こうした EPC ターンキーた課題を考えてみたい。契約によって成立し完工しているが,その背景について.共通の技術と異なる契約環境地盤工学は,土木・建築構造物の建設にあたって事前,出資者とローンを提供する銀行の立場から説明し,プロジェクトの属性によってそれをとりまくプレーヤーのリスク分担について考えてみる。建設中,供用期間中,プロジェクトの成否に不可逆的なBQ 方式と EPC ターンキー方式では,前者では現場悪影響を与えかねない重要なリスクを扱う工学のひとつ条件の違いを発注者が精算を行うことによってリスクテである。世界各地において地盤技術者が遭遇する問題をイクしており,後者は同じリスクをコントラクターがリ考えるとき,自然科学的な観点からは海外であろうが自スクテイクすることになる。したがって,一般論として国であろうが純粋に自然科学としての技術的問題を解決他の条件が同じであれば,後者の見積額にはリスクに見すれば良いが,現実にはインフラ事業における技術や施合った金額が上乗せされ割高となることが発注者によっ工管理の在り方について,日本と海外における場合のギて受容されている前提となる。ャップがしばしば論じられる。本稿においては,さらにもうひとつの大きなギャップを指摘したい。.契約環境ごとの建設マネジメントの規範すなわち ODA を含めた政府財政によるインフラ開発契約形態の違いが,建設マネジメントを行う上でどのと民間の海外直接投資によるインフラ開発(単純に言えような業務上の規範の違いを招くのか考察してみたい。ば公共工事と民間工事)をとりまく契約環境では,とり発注者,受注者,第三者としてのエンジニアなど,それわけそのギャップは大きいと感じられることである。これら契約環境の違いを表―に分類する。筆者は海外で注 2) Federation Internationale des IngenieursConseils(FIDIC,国際民間事業としての発電インフラ建設注1) に従事してきたコンサルティングエンジニア連盟)は,土木,公共工事系の国際が,その立場から内容の整理を試みる。従来,公共事業建設プロジェクトの契約約款として Red Book 版から改定を重ね世界銀行などが標準入札で採用してきている MDB (Multilateralとしての発電所建設においては,標準契約約款であるDevelopment Bank)版を作成している。これらの版で工事進行FIDIC(Red)に規定される数量・単価明細書(Bill ofに伴い工事数量の変更に対応した支払いが可能な BQ 方式が採用されている。また民間事業などのニーズに応じて,設計・調達・注 1) 筆者が2000年以降に関係し完成した海外の民間発電プロジェクト建設を一括してコントラクターに委ねることにより( EPC ター(水力,火力あわせ10件)はいずれもアジアで,土木工事を多くンキー方式),固定価格契約に対応した Silver Book などを FID-含む。プロジェクトの特定は控えさせていただく。4IC として作成している。地盤工学会誌,―() 論説ぞれにとっての建設マネジメントが存在するが,ここで明でき,一方で,銀行は貸し付けるローンの返済に関しはその関係を総体的に述べる。て説明性高く一定のリスク量を認識できると同時に,そ海外の民間発電所の建設マネジメントの規範を考えるれに応じた利子率を設定することができる。スタートとして,表―で表したようにお金の流れ方の本来,事業者が投資行為を行うためにはその事業リス分類に着目したい。国の成長に応じて財政支出から民間クを自らの判断2)で見定めた上で実行するが,国をまたファイナンスへのシフトがおこり,それに伴うプロジェぐ投資にはカントリーリスクを考慮せねばならない。一クト全体と建設マネジメントの方法は変化している。方で,開発が進みつつある途上国では,電力など公益事. 公共事業として発電プロジェクトを行う場合業においても海外からの直接投資を促進し,財政負担の日本における発電所建設の主体は,地域に分かれた一軽減と公社に加え民間経営による事業を同じ市場で存在般電気事業者,卸電気事業者,県営など自治体,自家保させ,当該セクターの効率向上を図る政策がとられてい有のための民間企業などに分かれる注3) 。しかし,総じる。プロジェクトファイナンス方式による民間開発はこて規模の大きな発電所は前 2 者に属し,日本においてのような海外事業者とホスト国側のそれぞれの事情に合は発電所建設は概ね民間投資によっている。公共(公益)致させることができている。こうした背景で,昨今アジ事業として公的融資などの資金による発電事業は,今日アにおける多くの国で,発電プロジェクトへのプロジェにあっては海外,特に開発途上国で実施される。クトファイナンスを用いた直接投資が活発に行われるよ. 海外において民間事業として発電プロジェクトを行う場合うになっている。ところで,プロジェクトファイナンスを水力や火力発民間事業として海外で発電事業を行う場合に考慮すべ電に適用するにあたって,地盤工学的観点から留意すべき重要な要素として企業としてのカントリーリスク対応き事項がある。それは掘削・盛土,グラウトや杭打ちながあげられる。一般的に開発途上国は先進国に比べて高どの基礎地盤処理,取放水口など海岸部における構築物い経済成長が見込める一方,政情や経済基盤が不安定でなど,これまで BQ による精算が通例として行われてきカントリーリスクが高いとされ,それに見合った収益がた契約がこのようなファイナンススキームにそぐわない求められる。カントリーリスクにはホスト国政府によることがある。そのような要請が発生する論理を図―に制度変更,送金の制限,支払いの停止など,海外からの示す。投融資の回収に困難をきたす場合が含まれる。過去には固定価格による建設工事は主に工場製品の発電機器と1979 年のイラン革命, 1997 年のアジア通貨危機,など比較的シンプルな基礎工事等で構成される場合は,プロによるリスクの発現例がある。ジェクトファイナンス形式になじみやすいといえるが,またその前に,企業の長期投資の方法として,すべて大規模土工を伴う水力発電プロジェクトや相当規模の地自己資金によるのではなくローンを借りて資本効率を上盤改良を伴う火力発電設備や冷却水の貯水池や水路などげるために,それが可能な場合はノンリコースローンで,現場条件に工事量が左右されやすい工種が含まれる(プロジェクトファイナンス注4))を志向する場合が多い。場合でも,発注者側の企図するプロジェクトファイナン海外投資を行う場合,このことと前述のカントリーリスク対応を同時に行えるスキームとして JBIC( Japanスによる建設例が近年増えている。上記のような事情を反映した開発スキームの典型例をBank for International Cooperation)や NEXI (NipponExport and Investment Insurance)などの政策金融機関を活用したプロジェクトファイナンスを組成することが通例となっている。サービスの対価としての料金などが明確に収入として約束され,またプロジェクトコストがほぼ確定する契約がなされているプロジェクトは,相当に安定度の高いプロジェクトキャッシュフローを見込むことができる。当該 国 の 電 力 公 社 等 の 長 期 買 電 契 約 ( Power PurchaseAgreement)を得た発電プロジェクトはその代表例のひとつといえる。こうしたプロジェクトにおいては,民間企業が確度の高いリターンを前提にその投資を株主に説注 3) 改正電気事業法によって,2016年 4 月より一般電気事業者や卸電気事業者という分類ではなく,発電,送配電,小売りを営むものがそれぞれの免許を得る制度に改められている。注 4) 親会社(スポンサー)に貸し付けるのではなく,単独目的の事業子会社(Special Purpose Company, SPC)の事業収益のみを返済原資としたローンで,事業を見極めた上で貸し付け,破たん時に親会社に返済を求めない(ノンリコース)方式によるファイナンス形式。September, 2016図―海外民間電力プロジェクトがターンキー契約を必要とする論理5 論説図―に示す。同図に示す多くの関係者の役割と制約のに関連付けられており,契約法務に照らした補助文書なバランスによってスキームが成立しており,必ずしも事どによって権利義務関係を明確にし,ドキュメント間で業者(出資者)の単なる自然リスク忌避希望だけによっ十分な整合性がとられている。こうしてこの債権がリスて固定価格契約が選好されているわけでもないことの例ク計量された金融資産として認識されることになる。こを示している。誰もがコントロールし得ない大きな自然のようなプロセスで個々のプロジェクトはエンジニア,リスク(岩盤線が判定しにくい大規模掘削や地質が十分金融専門家,法務専門家の共同作業による綿密な分析にに分かっていない地下掘削など)があるとすれば,そのよって,細部にわたるリスク分担が書き込まれてきた。プロジェクトは民間スキームによって成立し得ないこと標準とされた契約約款よりも,成立した案件の契約書がが考えられるが,リスク量にある程度の予測が見込まれテンプレートとして次のプロジェクトに応用されることる場合において,多くの開発途上国で民間電力のプロジを繰り返してきて,成熟した契約書に現実味が出てきたェクトファイナンスが成立しており,その契約工事に含ことが, FIDIC ( Silver )が使用されない一因かもしれまれる土木工事が固定価格契約されている実績が増えつない。つあることは事実である。地場のシビルコントラクターが固定価格契約を行う場ちなみに,筆者が近年経験した火力発電所の例注5) では,発電所総建設費の 35 ~ 40 がシビルコントラク合,シビルコントラクターと BQ 契約を結び,主契約者ターの占める割合と推定される EPC 契約のもと,当該とは固定価格で契約する中間業者の存在によって,全体国の大手シビルコントラクターが主機契約コントラクとして固定価格契約を形成する場合などもある。事業者ターとともにターンキー契約にて工事を完遂させている。(出資者)が建設費変動リスクをとるケースは国内においずれにおいても FIDIC (Silver )は使用されていない。いて見られるが,親会社の責任においてローンの返済のまた,直接シビルコントラクターがターンキー契約す確実性を銀行に保証するコーポレートファイナンスによるのではなく,土木工事部門をとりまとめる( wrap することとなり,国際金融システムが持つカントリーリスる)中間会社が EPC コンソーシアムの中に存在したりク対応の機能を活用できない結果となる。して,最終的に EPC 全体を統括する会社が発注者に対.EPC 契約のドキュメント従来 ODA によるプロジェクト開発で用いられてきたFIDIC (Red)においては,The Engineer の適切な権限して固定価格になるターンキー契約を成立させるケースもある。.発注者・受注者による地盤リスク対応行使によって変更数量(場合によって工種単価も修正)ターンキー契約で行われる場合の地盤リスク,あるいによる精算が可能であったが,前項で述べた通りプロジは予見できないコスト変動は,発注者にとっても受注者ェクトファイナンスにおいては,このような契約形態がにとっても本来望ましいものではない。これを最小化す必ずしも望まれるわけではない。固定価格契約の必要性るためにとられる工夫や, FIDIC ( Red )による場合のが認識されるようになって,あらたに固定価格による標ように The Engineer は存在せず建設監理の在り方は根準契約約款である FIDIC (Silver)が制定された。その本的に異なったものになる。さらに,設計業務自体が一方で,海外の民間発電プロジェクトにおける EPC 契EPC コントラクターの責務となり,構築物の品質確保約としては,筆者の経験によればこの標準契約約款はあや設計・施工による性能未達の瑕疵担保責任について述まり使用されていない。べる。債権を金融資産とみたてた場合,企業の債券や株式の. 契約前の共同調査・設計ようではなく,この資産の属性とリスクを説明する重要発注者が事前に保有したり,ボーリングなどによる調な構成要素として PPA や EPC 契約が,ローン契約に査を自ら行った結果をコントラクターに開示することにおいて発注者と銀行が共有するキャッシュフローモデルよって可能な限り現場条件の相違を小さくして,完工に至るまでの数量変動の予測をたてやすくしコントラクターによる見積もりの精度向上を図ることが行われる。ときには双方のエンジニアが合同で調査結果を確認するなどする。また受注者を特定している場合には,あらかじめ設計内容について協議を進めておけば, EPC 契約内容と発注者が望む仕様とのギャップを減少させておくことは有益である。発注者による契約後の重要な変更指示(Material Change Order)の場合には,増分価格の係争注 5) ここで例とした発電所は100億円台から1000億円台の契約額におよぶ数件を対象に平均化して述べている。規模による土工・基礎工事の比率に大きな違いはない。また守秘義務の理由で,詳細内図―6海外民間電力プロジェクトの開発スキーム例訳を示さずに一般化している。地盤工学会誌,―() 論説をおきにくくするために,オープンブック(Open Book)ロジェクトファイナンスの成立を促し,海外において民方式とよばれる事前に数量と単価を決めておく場合もあ間企業が発電事業を行うことに,資本効率やカントリーる。リスク対応の観点から大きなインセンティブを与えてい. 建設監理の在り方る。これによって開発途上国の十分でない財政下でも発EPC 契約が正式に発効すると,コントラクターが実電インフラが促進され,さらなる経済発展に寄与する効施した現場の詳細設計で発注者が企図する性能に照らし果が表れている。その反面,事前予測がどの程度できてて矛盾がないか, 1~ 2 週間の比較的短期間の発注者承いれば固定価格で土木工事が行えるのかとか,品質管理認プロセスがとられる。の比重が大きく EPC コントラクター側に委ねられるこいったん,このプロセスがとられた後は,発注者が設とが,長期発電事業を営む発注者にとって,構築物に不計に口出しすることは基本的にない。しかし,契約にう安を残すことになりはしないかというジレンマが発生すたったプラントライフにわたり安定した構造物の性能がる。したがって形式としてターンキー契約が行われてい確保されることに対してコントラクターは責任を負ってても,深い技術的洞察と契約履行の際の双方による高いおり,工事内容について,発注者の求めに応じて設計・説明性をもった対話が伴わなければ,最終的に社会の要施工のプロセスがそうした性能確保にかなったものであ請にこたえた建設や事業となりえないと考えるべきであることを説明する必要がある。こうした技術対話が最終る。的な品質に寄与し,工事の引取りをより円滑にすることさらに,エンジニア間の対話だけではなく,それがフができる。そのためには,発注者側にも高い技術理解がァイナンス担当と契約法務担当の専門家とも理解を共有必要である。することを,容易ではないが今後のエンジニアの課題と. 構築物の品質確保と瑕疵担保責任一般的に EPC 契約において瑕疵担保責任期間は 1 年とか 2 年とか事前に定められているため,設計・施工して指摘したい。.あとがき内容をコントラクター主導によって完工し,瑕疵担保期海外発電事業において公共から民間に事業主体が変わ間において変状をきたしていなければ,そこでコントラることによって,契約形式が BQ から EPC ターンキークターの責任は完了する。しかし,発電所が使用される契約に変わることを述べた。現場条件の違いによるコス期間は通常 30 年, 40 年といった長期にわたるため,例ト変動を発注者がとるか受注者がとるか,換言すれば,えば2年間経過時の安定が長期安定を確保していること前者が予備費を厚くするか,後者がリスクプレミアムをにはならない可能性がある。特に長期間にわたり沈下や載せるか,という問題でもある。予備費にしろリスクプ変形する地盤,土質材料の締固め度合い,適切な配合とレミアムにしろ,プロジェクトが競争下にあればあるほ施工管理がなされていないコンクリートなど,発注者側ど,プロジェクトファイナンスを求める場合,コスト変のチェックがなされないまま出来形が完成し,機械製品動リスク量をどう考えておくかは,発注者あるいは受注と違って二度とやり直すことができない重要構造物が含者の社内意思決定の際,技術者の説明として重要である。まれる場合は,一般的な瑕疵担保責任がうたわれたこうしたことへの対処として,地盤構造物のコストにEPC 契約では重大な問題が事後的に発生する懸念が払おいて空間モデリングの手法や統計的分析などによってしょくできない。事前に定量的なリスク量として説明できれば,キャッシ発注者側に施工の品質管理の結果が残らない場合には,ュフロー想定がより明確になり,新規プロジェクトへのさらに後の対処に重大な影響を及ぼす可能性がある。こ取り組みを促進することに寄与すると考えられる。また,れを防ぐために.で述べた技術者間の対話が重要であ施工中にあらわれる現場条件の変化を,より深い洞察をるが,特段に長期変形や長期強度に関係する内容についもって受け入れることが容易になるのではないかと考えては事前合意に基づいて,設計内容や施工管理基準とる。データの開示や立ち合いについて事前合意しておくことも対策のひとつと考えられる。最後に,本稿の内容において意見に相当する部分は,土木技術者を起点として発電事業全般に従事する過程をただしこの場合,ターンキー契約した内容に発注者が経た筆者の個人的見解であり,所属する会社の見解を代途中「介入している」と解釈すると,ターンキー契約の表するものではないこと,また,おもに発注者側の立場前提が崩れる可能性があり,共通する高い技術通念上にから考察し論説したものであることをおことわり申し上基づき事前合意事項としておくことが求められる。げる次第である。.契約のジレンマと今後の課題これまでに述べたように,発電所を建設する場合,特に海外でこれを行う場合,国の発展度合いや制度の違いなどによって,さまざまな契約形態がとられる。特に中心的に述べてきたように EPC ターンキー契約がファイ参考文献1)Conditions of Contract for EPC/Turnkey Projects: International Federation of Consulting Engineers, 1999.2 ) 尾ノ井芳樹地質リスクと意思決定問題,応用地質,Vol. 48, No. 6, pp. 318~323, 2008.(原稿受理2016.6.16)ナンスの前に価格の固定度合いを強めることによってプSeptember, 20167
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  • タイトル
  • 海外工事における契約管理の観点からみた地盤リスク対応(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
  • 著者
  • 大津 宏康
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 8〜11
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72046
  • 内容
  • 海外工事における契約管理の観点からみた地盤リスク対応Geotechnical Risk Response in Oversea Construction Projects from Viewpoint of Contract Administration大津宏京都大学康(おおつひろやす)大学院工学研究科. は じ め に海外工事における地盤リスク対応では,技術者は地盤工学に関する知識に加えて,建設契約に関する知見を理解することも不可欠な要素となるものと推察される。このような観点から,本稿では,地盤リスクマネジメントとしての従来から契約管理の概念について概説するとともに,近年欧米において導入されつつある GBR の事例を用いて,その基本概念を明らかにする。.図―リスクマネジメントのフロー1)地盤リスクマネジメントとしての契約管理地盤リスクへの対応を検討する上での見通しをよくするため,本章ではプロジェクトでのリスクマネジメントにおける契約管理の基本概念について解説する。リスクマネジメントとは,図―のフローに示すように,以下の 4 段階の検討項目からなるものと定義される。・リスク同定(Risk Identiˆcation)・リスク分類(Risk Classiˆcation)・リスク評価(Risk Assessment)・リスク対応(Risk Response)上記の 4 項目の内,リスク対応は,主要なリスク要因が抽出された後,各要因に対する対応の立案に相当するため,リスクマネジメントにおいて最も重要な作業と図―トンネル工事における調査ボーリング長比(ボーリング総延長/トンネル長)と設計変更事例とのなる。また,リスク対応は,評価されたリスクの大きさ相関の事例2)を低減するリスク制御(Risk Control)と,リスクの大きさ自体は変化させず,その一部を他者に転嫁するリスはリスク対応での主要な一分野となる概念である。例えク転嫁(Risk Transfer)とに区分される。ば, Flanagan ら3) は,契約書とは以下のように定義し地盤リスクを対象とした場合には,リスク制御の代表的な方策は,地盤調査を実施し地下の地盤条件を明らかている。「プロジェクトの遂行に関して想定されるあらゆるリにすることで,リスクを低減させることである。例えば,スク要因を記述し,それに起因する損失の分担方法を図―に示すように,線状構造物であるトンネル工事に明示したものである。」おいては,調査ボーリング比が大きいほど,設計変更事ただし,上記の契約に関する解釈は,契約を締結する例が減少する傾向となる。概念的にはこの関係は理解さ段階において,プロジェクトに内在するすべてのリスクれるが,実際の建設プロジェクトでは,追加の調査に対要因が明らかになっている場合,すなわち完備契約に相する出費(投資)と,その出費によるリスクの低減量に当するものである。一方,地盤リスクに対しては,事前関する定量的な費用対効果の議論は困難である。このたにすべてのリスクを予見することができないことを前提め,事前にすべての地盤条件を明らかにすることはできとした契約,すなわち不完備契約4),5)となるため,実際ないことを前提とした数量精算方式によらざるを得ない。の施工段階で地盤条件が明らかになるに連れて,数量変一方,リスク転嫁の代表的な方策は,想定されるリス更により対応せざるを得ない。クを契約により発注者と請負者との間での分担を図るも以上の事項を踏まえて,代表的な契約約款である日本のである。欧米の建設マネジメント分野では,契約管理での公共工事標準請負契約約款6),及び海外工事におい8地盤工学会誌,―() 論表―説代表的建設契約約款における地盤リスクの分担ルール10)て広く用いられているFIDIC7)~9)での地盤リスクに起因するリスク費用分担ルールを表―に示す10) 。同表に示すように, EPC注 1)/ターンキー契約注 2)であると時間を要することとなる。以上のような背景から,入札資料に,施工時に遭遇すFIDICる地盤リスクに対応するベースラインを設定し,発注者Silver を除き,日本の公共工事標準請負契約約款と同様と請負者間での地盤リスク分担ルールを明示するに,設計・施工分離の FIDIC Red ,及び設計・施工一GBR11)の基本概念が提案されてきた。括の FIDIC Yellow ともに,不完備契約であることを反映して原則的には地盤リスクは発注者によって負担されると解釈される。.GBR ( Geotechnical Baseline Report )の事例なお,日本での公共工事の多くは,総価一括契約方式まず, GBR が提案されてきた背景には,地下工事でに基づく。同方式では,総括的に建設工事を請負う方式の発注者が提示する地盤調査結果の質に不足があったこであり,原則的には入札時に提示された請負価格が最優とと,請負者が応札する際の競争環境があったと推察さ先され,その建設工事に関わる工事単価数量表 B / Qれる。例えば,発注者が地盤条件に関して楽観的シナリ( Bill of Quantities )は,あくまで補助資料として取りオを提示した場合に,実際には想定を上回る不良地山で扱われる。このため,予見できない地質条件に遭遇したあれば,. で述べたように,契約に基づくクレーム処場合には,限定的に付加コスト(リスク費用)が発注者理により発注者は多大なコストオーバーランを負担するの負担となる場合もあるが,発注者が入札時に提示したことになる。一方,発注者が地盤条件に関して悲観的シ地質条件からの乖離と,それに起因するコスト変動が明ナリオを提示した場合に,事前の想定より地山が健全で示的に関連付けられない危険性がある。あればコストアンダーランとなり,発注者は本来負担す一方, FIDIC は数量精算契約方式に基づく。同方式べき額を上回る費用を負担することになる。したがって,では,入札段階で発注者側から B / Q の内数量が提示さ事前に地盤条件を明らかにすることは困難ではあるが,れ,請負者が各項目の単価を設定し,それを集計するこ地盤調査結果の質不足は,発注者の損失につながる。とで入札価格を定め応札するものである。このため,予一方,請負者は,発注者がいずれのシナリオを提示し見できない地質条件の出現により,例えば掘削土量あるた場合にも,経済原理として入札に勝ち得るために自己いは支保部材の数量が当初見積りから増加したとしても,努力として可能な限り低い請負価格を設定する。上述のその数量に対する工事費の増加は,発注者により負担さように,発注者により提示される地盤条件より不良であれる。したがって,基本的には発注者が入札時に提示しると想定された場合でも,契約に基づくクレーム処理がた地質条件からの乖離とコスト変動が明示的に関連付け可能であると判断すれば,想定より低い請負価格が設定られることになる。しかし,同契約方式を適用してもなされることになる。お,前述のように建設紛争が頻発した理由としては,以この発注者と請負者間での地盤リスクに関する課題へ下の事項が推察される。まず,発注者側から提示されるの対応を図るものとして提案されたものが GBR であるB / Q 内の数量の算定根拠が,必ずしも地盤条件と明確と推察される。ここで,議論を簡素化するため,以下のに関連付けられていない危険性がある。次に,図―の3 種類の建設コスト/価格を仮定する。事例に示したように地盤調査密度が極めて低い場合には,・ベースラインに基づき発注者が設定するコスト PB突発湧水,破砕帯,空洞のような施工不良に遭遇する危・請負者が入札で提示する請負価格 PC険性があるが,そのような事態への対応が契約書に記載・実際の工事において発生したコスト PAされていない場合がある。このような課題が顕在化した場合には,その紛争解決を, DAB /DB に委ねても判定基準となる条件が明示されていないため,多大なコストこれらのコストを用いて,上記の経済原理を反映して,請負者が設定するコストは GBR に基づき発注者が設定するコストより小さい( PC < PB )と仮定すると。表―に示す 3 種類のケースに対する発注者と請負者の地注 1) EPC (Engineering Procurement Construction)注 2) 原則的にはプロジェクトにおけるいかなる条件変更も考慮せず,盤リスク分担が想定される。同表に示す結果より,想定契約段階で合意された請負価格からの一切の変更を認めない契約より極めて良好な地盤条件の場合を除いて,請負者が請方式負価格 PO を低くすることはリスク分担を増加させるこSeptember, 20169 論説表―GBR に基づく地盤リスクの分担遅延及びコストオーバーランの発生する施工条件についても明確に考慮し,発注者及び請負者が負担すべきリスク条件を明示するものである。すなわち, GBR は発注者と請負者が,施工中に遭遇する危険性がある施工上のリスク条件を明示することで,両者間での建設紛争の発生を未然に防止するためのベース資料として作成されるものであることが明らかである。発注者は,このようなGBR を作成するためには,地質技術者,エンジニア及び仲裁士等の協力を得ることが不可欠であり,多大な費用を用意することが不可欠となる。ただし,この背景には,海外では日本と異なりこれまでの建設紛争解決に,多大なコストと時間を費やしてきたことがあるものと推察される。一方,請負者にとっては,従来の建設契約のように,地盤リスクはすべて発注者によって負担されるという姿勢からの変更を余儀なくされる。このため,発注者及び請負者の双方ともに,地盤リスクに対する検討の重要性が高まるものと推察される。.まとめ本稿において示した事項は,以下のように要約される。1)従来,海外工事においては,地盤リスクに対してとになり,可能な限りベースラインに提示される条件には不完備契約とならざるを得ないことから,契約管理沿った積算が有効となる。一方,発注者の分担は,表―による対応が図られてきた。そして,日本及び海外でに示した地盤リスク分担と比較すると低減されることの建設工事で適用されている代表的な契約約款の分析になるが,やはり発注者が設定するコスト PB も,実際結果から, EPC/ターンキー契約の場合を除いては,の工事において発生したコスト PA に近づけることがリ本質的には地盤リスクは発注者により分担されるルースク分担の低減につながる。したがって, GBR 設定のルとなっていることを示した。しかし,地盤調査の量基本情報となる地盤調査の精度を高めることが,発注者が不足することに起因し,発注者により提示された地及び請負者の両者のリスク分担を低減する上での最重要盤条件自体があいまいであることに加えて,設計条件な検討課題となる。より地盤が不良であることを請負者自体が立証する必次に,以上の簡易的な検討を踏まえて,表―に,既往 の 資 料 2) に 基 づ く ト ン ネ ル 建 設 プ ロ ジ ェ ク ト で のGBR の事例について紹介する。同事例は,カルスト地形に建設された全長 5 020 m ,仕上がり内径 3.5 m のト要があることから,地盤条件の相違に起因する紛争は継続して発生してきたことを明らかにした。2)1)の状況に対応するために開発された取り組みの代表例が,アメリカ土木学会 ASCE により提案されンネルを対象としたものであり,以下のように発注者及た GBR に基づく,発注者と請負者間での地盤リスクび請負者が負担すべきリスク条件が明示されている。分担ルールである。発注者は,このような GBR を作・請負者が積算する基準となる石灰岩の RMR12)及び Q成するためには,地質技術者,エンジニア及び仲裁士値13) に基づく地山区分及び,それぞれの区間長が提等の協力を得ることが不可欠であり,多大な費用を用示されている。しかし,主たるリスク要因はカルス意することが不可欠となる。一方,請負者にとっては,ト地形での空洞であり,岩盤自体は概ね良好( Fair従来の建設契約のように,地盤リスクはすべて発注者to Good)であるとして,施工中に確認される区間長によって負担されるという姿勢からの変更を余儀なくの変更は,請負者が負担するリスクとしている。される。このため,発注者及び請負者の双方ともに,・湧水に対しては,湧水箇所ごとに設定した基準値(例地盤リスクに対する検討の重要性が高まるものと推察えば切羽で毎秒20 l )を下回る場合には,請負者が負される。特に,表―の事例に示したように, GBR担するリスクとしている。の設定においては,従来の地盤条件の分類に関する工・主たるリスク要因となる空洞についても管理基準値を学的解釈のみならず,施工条件も含めた地盤リスクの設定し,それを下回る場合には,請負者が負担するリ取り扱いも必要となる。このためには,特に請負者は,スクとしている。これまで以上に,施工時の地盤条件が事前に設定され・可燃性ガス・毒性ガスについては,発注者の負担するている条件との違い(DiŠering site condition, DSC)リスクとし,積算で考慮する必要がないとしている。に関する客観的エビデンスを作成することでの立証責上記の事例に示すように, GBR は,従来のトンネル任が高まるものと推察される。工事における支保パターンの変更対応のみならず,工期10最後に,本稿を取りまとめるに当たって,契約管理及地盤工学会誌,―() 論表―GBR(Geotechnical Baseline Report)の事例2)び海外での建設紛争の発生及び解決について貴重なご意7)見を提示いただいた,国際仲裁士大本俊彦氏(建設プロジェクト・コンサルタント代表)に感謝の意を表します。参1)2)3)4)5)6)考文8)献大津宏康プロジェクトマネジメント,コロナ社,2011.Hoek, E. and Palmeiri, A.: Geotechnical risks on largecivil engineering projects, Keynote address for Theme I―International Association of Engineering GeologistsCongress, Vancouver, Canada, 1998.Flanagan, R. and Norman, G.: Risk Management andConstruction, Blackwell Science, 1993.小林潔司・大本俊彦・横松宗大・若公崇敏建設請負契約の構造と社会的効率性,土木学会論文集,No.688/IV53, pp.89~100, 2001.大本俊彦・小林潔司・若公崇敏建設請負契約におけるリスク分担,土木学会論文集,No.693/IV53, pp.205~217, 2001.中央建設業審議会公共工事標準請負契約約款,改訂版,1989.September, 2016説9)10 )11)12)13)FIDIC: Conditions of Contracts for Construction forBuilding and Engineering Works Designed by the Employer, First Edition, 1999.FIDIC: Conditions of Contract for Plant and DesignBuild for Electrical and Mechanical Plant, and for Building and Engineering Works, by the Contractor, First Edition, 1999.FIDIC: Conditions of Contract for EPC TurnkeyProjects, First Edition, 1999.大津宏康・尾ノ井芳樹・大本俊彦・大西有三・西山哲・黄瀬周作PFI 建設プロジェクトでの地下リスク評価及び分担に関する研究,土木学会論文集 No. 721/VI57, pp.193~205, 2002.American Society of Civil Engineers: Geotechnical Baseline Reports for Construction, Suggested Guideline, TheTechnical Committee on Geotechnical Reports of the Underground Technology Research Council, 2007.Bieniawski, Z., T.: Engineering rock mass classiˆcation,New York: Wiley, 1989.Barton, N., Lien, R. and Lunde, J.: Engineeering classiˆcation of rock masses for the design of tunnel support,Rock Mechanics, Vol.6, No.4, pp.189236, 1974.(原稿受理2016.5.23)11
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  • タイトル
  • アジアにおける地下鉄建設事例と地盤リスクへの対応(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
  • 著者
  • 泉 千年・ユインヨンラッタナクルナレントーン
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 12〜15
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72047
  • 内容
  • 報告アジアにおける地下鉄建設事例と地盤リスクへの対応Metro Construction in Asia Region and the Measures to the Ground Risk on Construction泉千年(いずみちとし)ユインヨンラッタナクル株 オリエンタルコンサルタンツグローバル軌道交通事業部 軌道技術部 部長ナレントーン株 オリエンタルコンサルタンツグローバル軌道交通事業部 軌道技術部 課長. は じ め に我が国建設業の海外展開1)が叫ばれて久しいが,人口減少に伴う日本国内市場の縮小や復興需要・オリンピック需要の収束を迎えた将来の時点では,海外展開が必要不可欠となる事態も想定される。我が国建設企業はこれまで,狭い国土,多くの震災,軟弱な都市部の地盤など,厳しい国内建設環境のもとで培った耐震・免震技術,軟弱地盤中におけるトンネル施工技術,安全管理や工期の遵守など競争優位性を有しているものの,プロジェクトの契約管理,現地における会計・税金・保険の処理,政治的な不確定要素など日本とは勝手が違う海外市場においては,我が国建設業者の経験不足から苦戦を強いられる事例がたびたび発生してい図―デリー地下鉄路線図(1 期及び 2 期工事)る。また,技術面においては,海外における地下土木工事シールド機を採用することとなった。の多くが設計・施工案件(建設業者がその設計と施工に. BC16工区における岩の出現責任を負う)となっており,建設業者は受注を勝ち取るトンネル区間の大部分は,デリーシルト2),3)(固結砂ために,設計や工法の工夫によりコスト競争力のある提質シルト層)上に位置し地盤は安定しており,全ての建案を行うとともに案件に潜む,種々のリスクを適切に入設業者が外周径 6.5 ~ 6.6 m の土圧バランスシールド機札提案書に落とし込む必要がある。実際,我が国建設業を採用した。クタブ線の BC16工区(図―参照)は上者がそれらのリスクを過小評価したために,大きな赤字下線あわせて全長 8 km のトンネル掘削を要するが,を被った海外案件も少なくない。INA 駅から JORBAGH 駅( JB 駅)の上り線掘削中に本稿では,弊社が海外地下鉄工事においてゼネラルコ当初の土質調査では予想していなかった岩が出現した。ンサルタント( The Engineer として,プロジェクトの追加ボーリング調査の結果, JB 駅手前 200 m の区間に設計,入札,施工監理に携わるコンサルタント)としておいて岩が急傾斜でトンネル断面を横切っていることが参画した海外地下鉄プロジェクトの事例を紹介し,主に分かった。岩の一軸圧縮強度は100~160 MPa で,現状地盤工学的な見地から工事に潜むリスクやその対処法にのカッターフェイスには岩掘削用の硬強度ビッドやローついて紹介する。ラービットが装着されておらず,岩の切削は難しいこと.デリー地下鉄トンネル工事における岩出現. プロジェクト概要が分かった。. 対策工の検討4)開削工法や NATM 掘削工法への変更などいくつかの2006 年からスタートしたデリー地下鉄 2 期工事は,対策案が検討されたが,シンガポールにおいて岩掘削用既に完成した 1 期工事の延伸線と新線からなっており,のカッターフェイスが入手可能であることが分かった。総延長 128 km , 91 駅, 5 つの車両基地からなる巨大な幸いなことに,フェイスの径やシールド機のスペックもプロジェクトである。2 期工事の完成により 1 期工事か適応しており,これをインド・デリーまで海上及び陸上らの総延長は 193 km となる。弊社は,ゼネラルコンサ輸送して使用することとした。対策工の決定後,シンガルタントとして,このプロジェクトの基本設計,入札管ポールでは,フェイスの整備と海上輸送の準備,トンネ理,施工監理を行ったが,総延長のうち約30 km が地下ル現場においては,親杭横矢板と切梁,腹起し工法によ工事であり,シールド機によるトンネル区間は約15 kmる仮設立孔の施工を早速開始した。岩の確認からシール(上下線で 2 本のトンネル)であるが,トンネル部の施ド機再発進まで 4 ヶ月,発進後は岩掘削の日進 5 m を工を 1 年半という短期間に完了させるために, 14 台の達成でき,トンネル蛇行などのトラブルもなく,当初工12地盤工学会誌,―() 報図―告仮設立孔とフェイスを交換したシールド機図―地下駅の標準断面(図―)。南北線 15.7 km のうち,南側 9.8 km は車両基地から高架駅 7 駅まで高架区間とし,北側 5.9 km は開削トンネル,シールドトンネルと地下駅 6 駅を含む地下区間となる。. 地下部の構造と地盤調査図―に示すように,地下駅は基本的に道路下に地中連続壁の逆巻き工法で建設され,地下 2 層構造(地下 1階にコンコース,地下 2 階に島式プラットフォーム)となる(ドゥクアタス駅のみ 3 層構造)。各駅の連壁の厚さは 1.0 ~ 1.2 m ,掘削深さは 21 ~ 34 m ,土被りは 2.5~ 7.5 m である。基本設計は 2010 ~ 2011 年,全区間にわたりボーリング調査 65 本,その内地下区間 21 本を実施した。入札時に発注者から,地盤調査報告書( Ge図―ジャカルタ MRT 路線otechnical Investigation Report ) を 参 考 資 料 と し て 配布されたが,結果や解釈等のリスクは土木施工業者が負程より4.5ヶ月遅れで無事 INA 駅に到達することができうと入札図書に記してあり,工事着工後,各土木施工業た。者は追加地盤調査を行い,地下区間においては約 58 本. 地盤リスクの対応と今後の課題の追加ボーリング調査を実施し, GIR ( Geotechnical本件では幸いにも,岩掘削のシールド機フェイスを他Interpretative Report)を作成した。表―に示すよう現場から転用することができ,無事対策工を実施できたに,地下区間の土木施工業者にとって必要な地盤情報をが,施工前における土質調査,とりわけトンネル区間に得られるため,両ステージに合わせて約 79 本となり,おける岩部の有無について密な調査の重要性を認識した。基本設計時のボーリング調査本数の約 4 倍となった。岩が出現したトンネル区間約 1 km において建設業者は. 地下区間の地盤条件とモニタリング8 本のボーリング調査を行っており,掘削深さにおいて地下区間の地盤,表層部が N 値 1 ~ 20 の沖積粘性土岩は出てこなかった。建設業者は,工期延長と追加費用(AC 層)で,その下層に N 値20~50以上の洪積粘性土のクレームを施主に行ったが,施主側は入札スペックに層(DC 層)と N 値50以上の洪積砂質土層(DS 層)がある「建設業者は,路線上の地質や土質パラメータの決存在している(図―)。地下水位は GL2 m から7 m定に対して責任を持つ。施主側が与える情報は参考程度まで季節により変動している。安全管理と地盤条件を把のものであり,建設業者は追加ボーリングなど必要な情握するため,各地下駅の横断方向 5 断面で地表面沈下報を自社で補てんしなければならない」という条項のもや地中連続壁の水平変位等を計測している。傾斜計によと,工期延長は認めたが,追加費用は認められなかった。.ジャカルタ地下鉄の地盤状況についてる地中連続壁の最大水平変位は約 4 ~ 10 mm であり,事前に予測された二次元弾塑性 FEM による結果である30~40 mm と比較して 1/4~1/6 の値となる。こうした. プロジェクト概要乖離の原因を解明するため,梁ばねモデルによる逆解析ジャカルタの深刻な交通渋滞を緩和するため,ジャカを行った。クーロン理論による粘性土の主働側圧を算出ルタ MRT 南北線第一期工事が 2013 年 8 月よりスターし5),6) , AC 層と DC 層の N 値が設計値の約 2 倍に仮定ト し , 2019 年 内の 開通 を 目指 して 鋭意 施 工中 で あるすることで逆解析結果と計測結果がほぼ一致した。今回September, 201613 報告図―表―地下区間の地質縦断図ジャカルタ MRT 地下区間のボーリング調査図―.ハノイ市周辺の地質図ハノイ地下鉄,旧市街地でのトンネル掘削. プロジェクト概要ハノイ市鉄道 2 号線(以下 2 号線)は,ハノイ市の将来の交通混雑の削減や景観の改善を目指した複数の都市大量高速輸送機関(UMRTUrban Mass Rail Transit )プロジェクトの一部である。 2030 年までに全 8 路線の開通が計画されているが,図―に示すように,現在 4 つの路線,すなわち 1 号線,2 号線(JICA 融資),図―ハノイ市都市鉄道路線図2A 号線, 3 号線がプロジェクト実施中である。これらの路線が完了すると,旧市街並びに近郊の居住区から最の逆解析結果により,地下区間の粘性土層の変形係数と寄駅まで 500 m 以内でのアクセスが可能となるため,粘着力は設計値の 2 倍程度になることが分かった。ま車・バイクの利用が減少し,慢性的な交通渋滞を緩和すた,見直された地盤条件を用いて梁ばねモデル解析を行ることが可能となる。このうち, 2 号線は高架区間 2.6い,駅部における最上段切梁の早期解体やエントランスkm( 3 駅),地下区間 8.9 km ( 7 駅)で,ハノイ市西部部における切梁段数の削減等の安定性を確認した。の再開発地区からハノイ旧市街中心部を結ぶ11.5 km の. 地盤リスクの対応と今後の課題路線で, 2011 年 4 月より基本設計がスタートし,間も本プロジェクトの地下区間では,地中連続壁の変位等なく施工がスタートするところである。のモニタリングにより粘性土層は当初より硬くなること. 地盤状況が分かった。この結果を受けて,設計変更を実施して工図―に示すように,ハノイ市周辺はデルタ地帯であ期短縮に貢献した。しかし,基本設計時でボーリング調り,2 号線ラインもハノイを横切る広大なホン川の河床査の本数を増加してより詳細な地盤条件を把握できれば,堆積地盤上に位置する。各駅及びトンネル施工部におけ建設業者にとって地盤リスクを低減することができ,入る土質状況は,下位から透水性の良い礫層,中位の締ま札価格が安くなる可能性がある。第 2 期工事の基本設りがある砂層があり,最上部は N 値 10前後の粘土層と計ステージのボーリング調査は表―に示すように数をなる。これらの地層,地質状況から,駅及びトンネルの増やす提案をしたい。施工に際して,地下構造物からの止水,漏水に関する注意が十分必要であることが分かる。14地盤工学会誌,―() 報図―告トンネル掘削に伴う沈下を考慮した建物補強ことに注力してきた。海外における老朽化,不安定化し図―トンネル掘削上のハノイ旧市街ている建物直下でのトンネル工事においては,事前の建物防護工,場合によっては事前の建物撤去とトンネル掘. トンネル施工について削後の建て替えも視野に入れた地盤に対する積極的なリトンネルは,外径6.5 m の上下線トンネル 2 本で計画スク対応が必要となる。されており,地下区間 8.9 km のうち,駅部や開削トンネル部を除く約 7 km がシールドトンネル区間である。図―に示すように,トンネル区間の約 3 割はハノイ.おわりに前記,地下鉄建設事例が示すように,海外における地旧市街の建物下に位置しており,それらの多くは老朽化,下土木工事の多くは,建設業者が地盤に対する独自の評不安定化しており,地表面の沈下抑制,周辺建物への影価を行い,それらを設計,施工に活かす業者の Design響軽減が重要な課題である。上下線 2 本のトンネル配& Build 方式を採用している。その結果,工事において置7)は横並列が一般的であるが,トンネル路線上の既設業者独自の判断,ノウハウを用いて高い収益を上げるこ建物の基礎杭が深く,横並列配置が難しい区間においてとが可能である反面,判断の甘さや予想外の状況に陥り,は,それらを避けるためにトンネルを縦列に 2 本配置工期の遅延や過大なコストアップにつながるリスクを抱した。横並列及び縦列のトンネル配置に対して,どの程えている。今後,我が国業者がインフラ工事の海外展開度の土被りを確保すれば地表面沈下に対する影響が小さしていく場合,このようなリスクの把握と対処法についくなるかを照査するため,簡易的な FEM 解析(逐次弾て経験を積む必要がある。具体的には,海外業務に従事性解析,セグメント設置前応力解放 20 )を行った。する人材の育成・確保,現地法律や税金に通じたコンサその結果,横並列,縦列トンネルとも土被りが 2D(Dルタントの採用,海外工事に精通した企業の M&A,海トンネル径 6.5 m )以上になると,地表面沈下量及び傾外工事に精通した業者とのプロジェクトにおける JV 結斜ともかなり小さくなることが分かった。したがって,成などがあげられる。基本設計においてはトンネル区間全線において,トンネ最後に我が国建設業者が,上記様々なリスクに対応すル土被りを最低 2D 以上確保することとし,地表面へのるノウハウを蓄え,世界に名だたる建設業者として活躍影響が極力少なくなるよう配慮した。していくことを期待している。施工に際しては,トンネル掘削に伴う地表面及び周辺建物に対する影響評価を行うとともに施工中の計測及び情報化施工に十分な注意を払うことが重要となる。参1). 地盤リスクの対応と今後の課題ハノイ旧市街におけるトンネル施工に伴う地盤に関わ2)るリスクとして―トンネル掘削に伴う地表面沈下―埋設管,地上建物のクラックや破損3)―不安定な古い建物の倒壊―上記に伴う補償問題4)などが挙げられ,建設業者は,以下の対応が必要となる。―沈下を極力抑えるシールド機,施工法の選定5)―建物状況調査に伴う適切な建物補強(図―)―施工中の住民一時避難などの計画立案―上記処置に伴う適切な保険の適用―ベトナム法律,家屋住民との協議による補償計画立案これまで,我が国業者は,国内トンネル工事において6)7)考文献国土交通省土地・建設産業局国際建設振興室日本のインフラを海外へ 建設業の海外展開,建設マネジメント技術,2013年 1 月号,pp. 13~22, 2013.Yadav, H. R.: ``Geotechnical Evaluation and Analysis ofDelhi Metro Tunnels'', Indian Institute of Technology,Delhi, pp. 5965, 2005.MacDonald, M.: Delhi Metro Contract MC1B InterimGeotechnical Interpretative Report, International MetroCivil Contractors, Delhi, 2001.Izumi, C.: ``A Review of Delhi Metro Tunnel Construction with 14 EPB Shield TBMs'', World Tunnel Congress, Budapest, 2009.鉄道総合技術研究所鉄道構造物設計標準・同解説 開削トンネル,pp. 174~175, 2001.道路橋示方書道路橋示方書・同解説共通編, p. 45,2012.泉 千年ハノイ市都市鉄道 2 号線の概要と地下空間の施工法,基礎工,Vol. 39, No. 12, pp. 76~78, 2011.(原稿受理2016.5.20)以下に地表面沈下を抑え,建物の健全度を保つかというSeptember, 201615
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  • タイトル
  • マレーシアにおける地盤工学の現状と課題(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
  • 著者
  • 長谷川 信介・矢部 満
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 16〜19
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72048
  • 内容
  • 報告マレーシアにおける地盤工学の現状と課題Current Situation and Future Issues on Geotechnical Engineering in Malaysia長谷川信株応用地質介(はせがわ海外事業本部のぶすけ)リーダー矢部株応用地質満(やべみつる)マレーシア駐在員事務所所長. は じ め にマレーシアは,他のアジア諸国と同様に急速に経済発展を遂げている国である。図―に示すように,マレーシアの名目 GDP は,タイ,インドネシア,シンガポールと同様に 1980 年代中頃から拡大し, 1997 年のアジア通貨危機, 2008 年のリーマンショックの影響による一時的な落ち込みはあるものの,ほぼ右肩上がりに成長している。特に 2000年以降は急速に伸び, 2000 ~ 2014年の名目 GDP の成長率は,年平均10となっている。経済発展に伴い,建設投資も盛んに行われるようになってきている。政府・民間のセクター別の建設投資額の推移を図―に示す。政府と民間を合わせた建設投資額図―は, 2008 ~ 2009 年に落ち込んだものの,それ以降は右アジア各国の名目 GDP の推移。文献1) より筆者が集計肩上がりに増加している。 2009 年以降の建設投資額は,年平均 15 で伸びている。日 本のバブル期( 1986 ~1991 年)における政府・民間の建設投資額の伸びは年平均10程度(平成13年度建設投資見通し3)より筆者が集計)であったことと比べると,マレーシアの最近の建設投資額の伸びは日本のバブル期以上であることが分かる。セクター別に見ると, 2010 年以降の政府投資額は概ね 220億リンギット( 2016年 5 月 1 日現在,1 リンギット≒ 27 円)と横ばいであるのに対して,民間投資はほぼ右肩上がりに増加している。建設投資額に占める民間投資額は, 2010年には 79 であったものが, 2014年には 85 にまで増加している。図―に政府・民間のセクター別のプロジェクト数を示す。プロジェクト数は図―2006年以降6 000~8 000件を推移しており,政府投資額マレーシアにおけるセクター別の建設投資額の推移。文献2)のデータを元に筆者が作成が増えた2007~2009年を除けば,1/3~1/4 が政府投資,残りが民間投資という割合で推移している。このように,マレーシアの建設市場は民間投資が牽引している。このような状況にあるマレーシアにおける地盤工学の現状を報告する。.地盤工学コンサルタントと地質調査会社の社会的な位置づけ地盤工学を担う主要なプレーヤーである地盤工学コンサルタントと地質調査会社のマレーシアにおける社会的な位置づけについて以下に述べる。地盤工学コンサルタントマ レ ー シ ア に お い て は , コ ン サ ル タ ン ト ( Professional Engineer; PE)の責任は非常に重い。政府発注プ16図―マレーシアにおけるセクター別のプロジェクト数の推移。文献2)のデータを元に筆者が作成地盤工学会誌,―() 報告ロジェクトにおいて民間コンサルタントが利用される場離(以下,地盤条件の乖離と称する)による設計変更に合には,政府当局によってプロジェクトが承認され実行ついては,妥当な手続き,技術力を持って調査・設計がされる前に, PE が技術図面の承認を行う。 PE は自分行われたと判断される場合には,設計コンサルタントのが承認した図面のすべてに関して生涯責任を負い,承認責任は問われないとのことである。したプロジェクトに欠陥が生じた場合には,その責任が問われる。施工についてヒアリングを行った日系建設会社の担当者によると,土木プロジェクトにおいては,設計段階において土木地質調査結果は一般的には発注者から提供されるが,概工学,構造工学,地盤工学のコンサルタントが雇用されして調査数量は少ないため地質に詳しい第三者(大学のる。このうち,設計は土木工学や構造工学の設計コンサ先生等)に意見を聞く。また,建設会社側から,過去のルタントが担い,地盤工学のコンサルタントは設計コン経験に基づいて安全率や設計土質定数を提案しても PEサルタントを補佐する専門家とみなされている。プロジに受け入れられることは難しいとのことである。ェクト全体に対する責任は,設計コンサルタントが負うのが一般的である4)。地質調査会社地盤リスクについて事前調査・設計における地盤条件には不確実性が内在する。全国地質調査業協会連合会5)では,この不確実性マレーシアにおける土木プロジェクトは,設計施工とに起因する事業損失リスクを地質リスクと称している。 請負者施工のみの 2 種類がある。どちらの場合も,本稿では地質リスクを地盤リスクと称する。なお,狭義の社内に設計能力がある場合には,請負者が地質調査会においては地盤リスクを施工段階における建設費増大リ 社内に設計能力がない場合には,社を自ら任命する,スクとする。請負者は設計コンサルタントを雇い,設計コンサルタンヒアリングを行った政府機関の担当者によると,マトが地質調査会社を推薦する。すなわち,地質調査は設レーシアにおいては,地盤リスクは比較的低いと認識さ計コンサルタントのもとで実施される。れている。地盤リスクが発現した場合(すなわち,地盤以上のように,地盤情報に関しては設計コンサルタントの果たす役割が大きい。.地盤調査及び地盤リスクに関するヒアリング条件の乖離による設計・数量変更により追加の建設費が生じた場合)は発注者が負担する。ただ,大きな設計変更を強いられるケースは少ないため,狭義の地盤リスクについては大きな問題となっていない。また,マレーシアにおいても,開発計画の際には様々な側面(社会面やマレーシアにおける地盤調査の現状,地盤情報及び地経済面等)からリスクアセスメントを行うが,地盤リス盤リスクに対する関心を調査するため,政府 1 機関,クはそのうちの一部にすぎず,建設コストの削減を目的設計コンサルタント 1 社,日系建設会社 2 社にヒアリとした狭義の地盤リスクより訴訟リスクの回避の意識のングを行った。その結果を以下にまとめる。なお,以下方が高いとのことである。にまとめた内容は,あくまでヒアリング先の担当者の意一方,ヒアリングを行った日系建設会社によると,発見であり,マレーシアの現状を必ずしも的確に反映した注者から提供された地質調査結果を元に地盤リスクを見ものではない可能性があることに留意して欲しい。その込んで応札額を決める。地盤リスクが発現した際には,ようなことから,ヒアリング先の名称は割愛する。第三者からコメントをもらう等して発注者と設計・数量地質調査について地質調査会社によって技術の差があると認識されているようである。このため,ヒアリングを行った政府機関では認定制度を作る取り組みを進めている。また,ヒア変更の協議を行うとのことである。また,地盤リスクの回避のため,自前で地質調査を実施することもあるとのことである。Geotechnical Baseline Report(GBR)についてリングを行った設計コンサルタント会社では,地質調査近年,アメリカやシンガポール等では,地盤リスクが会社に対して独自の評価制度を設けるとともに,地質調高いと判断される場合に, GBR が作成されるようにな査を行う際にはスーパーバイズを行うことにより品質管ってきている。 GBR は,施工時に地盤が原因で設計変理を行っている。発注者及び設計コンサルタントの立場更が生じる場合に,発注者と請負者との間で議論のベーからみると,マレーシアにおける地質調査の品質は特段スとなる資料として使われている6)。の問題になっていないようである。設計についてヒアリングを行った 4 機関の担当者とも, GBR がマレーシアで導入された事例は知らなかったことから,マヒアリングを行った政府機関の担当者によると, PEレーシアでは GBR は導入されていないようである。まを持つ設計者は瑕疵による訴訟リスクを回避するため保た,ヒアリングを行った設計コンサルタントによると,守的に(かなり安全側に)設計する傾向にある。ただ,GBR をサポートするための受け皿となる組織がないた発注者としては過去の実績を尊重するため,それを逸脱め,マレーシアでの普及は難しいであろうとのことであするような設計は認めることが難しいとのことである。る。また,ヒアリングを行った設計コンサルタントによると,設計時に想定した地盤条件と実際の地盤状況との乖September, 2016ヒアリングのまとめ土木プロジェクトにおいては,PE の責任は非常に重17 報告いことから,PE は瑕疵責任を回避するために,地質調査の品質等を考慮して,かなり安全側の設計を行っているようである。また,発注者も過去の実績を尊重し,安全側の設計を許容しているようである。このため,少なくとも政府発注の土木プロジェクトにおいては,建設費削減という観点からの詳細な地盤情報に対する要求は高くないと推察される。一方,地盤リスクについては,発注者の認識では,地盤条件の乖離により大きな設計変更を強いられるケースが少ないため大きな問題となっていないようである。一方,建設会社側では,設計・数量変更を発注者に認めさせることに苦労しているものの,係争にまでは至っていないようである。マレーシアにおいても,設計に用いられる地盤条件には不確実さが内在していることを認識している例えば 4)。し か し , Shaw Shong LIEW4) は , プ ロ ジ ェ ク ト の ス図―国道185号のルートテークホルダーの多くは,確率論的に地盤条件の不確実性を扱うことを嫌い,設計コンサルタントによる決定論的な扱いを好むと述べている。以上のことから,地盤情報に関しては設計コンサルタントの果たす役割が大きいこと,少なくとも政府発注の土木プロジェクトにおいては,詳細な地盤情報の取得に対する要求や地盤リスクに対する関心は低いのがマレーシアの現状のようである。.事例斜面災害リスクの分析近年の急速な経済発展に伴い,地盤条件の厳しい状況での建設プロジェクトが行われるようになってきている。その結果,建設工事に関連する地盤災害が発生するようになってきている。このため,地盤災害という観点での地盤情報に対する関心について述べる。ここでは,Mohamad ら7)による高速道路沿いで発生した斜面崩壊の分析事例を紹介する。国道185号は,マレー半島を東西に横断する高速道路である(図―)。全長は約 390 km で,マレー半島を図―SMART トンネルのルート。文献8)の Fig. 1 を加筆修正南北に縦断する山岳地帯を貫く。多くの切土・盛土斜面が造られ,数多くの斜面崩壊が施工中及び完成後に発生する洪水により,商業地区での商業活動が妨げられて経している。この高速道路沿いの 48 箇所の斜面崩壊を分済損失が発生している。そして,そのような洪水は毎年析した結果,崩壊した斜面のうち 48 が設計の問題,のように発生している。23 がメンテナンスの問題, 19 が地質等の問題, 10が施工の問題であった。SMART トンネルは,突発的な洪水と交通集中という 2 つの課題を解決するために計画された。全長約 10この事例からは,設計の問題が解決すべき第一の問題km ,内径 11.83 m のトンネルであり,クアラルンプーであるものの,地盤に関連する問題は無視できない問題ルの上流河川と下流河川をバイパスするために,上流河となっていることが分かる。川に接続する貯水池と下流河川に接続する貯水池を結び,.事例SMART トンネルプロジェクトクアラルンプール市街地の下を貫く(図―)。このトンネルは,基本的には放水路トンネルとして利用されるマレーシアにおいて,地盤工学に対する要求が低いわが,全長 10 km のうち 3 km 区間は, 2 階建て構造となけではない。その事例として, SMART ( Stormwaterっており,自動車用トンネルとして兼用される。この区Management And Road Tunnel)トンネルプロジェク間は,交通集中が激しい地区に位置し,トンネルは交通ト8)を紹介する。集中の緩和対策として活用される。平常時には放水路トクアラルンプールの中心地区は,急速な経済発展によンネル兼自動車用トンネルとして供用される。突発的なる交通集中に常に悩まされている。また,突発的に発生洪水が予想されるときには,自動車道は閉鎖されて自動18地盤工学会誌,―() 報車道トンネルに増水した河川水を流す仕組みとなっている。さらに,自動車用トンネルとしても利用することに告ける地盤工学上の課題を以下にまとめる。石灰岩地層の掘削掘削に伴い,空洞や亀裂に起因より料金収入が得られるため,政府投資のみによる事業する地表面変状を生じさせる可能性がある。形態から民間資金も一部導入した PPFI ( Public Pri-住宅開発地及び周辺の斜面崩壊クアラルンプールvate Funding Initiative)へと事業形態が変更され,政市域は,堆積岩と花崗岩が分布しており,熱帯特有府の支出を抑制できる効果もあった。の風化による地層の劣化が複雑に進展している。そこのトンネルはクアラルンプール市街地の下の石灰岩の影響は表層下数十 m まで及ぶ。風化がどの程度層を貫く。石灰岩の上位には第四紀の堆積層が分布する。進んでいるか不明であること,地下水位も複雑に分その厚さは 4 ~ 5 m であるが,所々 20 ~ 30 m に及ぶ。布することに加え,開発により表層水・地下水の流石灰岩はよく知られているように,浸食による空洞や亀れが変わることにより斜面災害の予測が非常に難し裂が発達する。クアラルンプールにおける地下水位は非くなっている。また,斜面地の排水施設の維持管理常に高く,地表下 1.5 ~ 2 m である。このため, TBMも適切になされておらず,斜面災害リスクは高い。(トンネルボーリングマシン)の掘削では予期せぬ空洞このため,斜面地開発は住民にとって非常に敏感な問題となっている。や亀裂に遭遇し,大出水や土砂流入により陥没や地表面変位が発生し,地表の構造物に被害が発生することが懸スズの採掘に関連する地盤リスククアラルンプールは,スズの採掘で発達した歴史を持つ。中小河川念された。資産が集中する市街地の下を貫くため,建設工事に起沿いの沖積低地では,スズはほぼ掘りつくされた。因する災害(事故)が発生した際には社会的に大きな問跡地は浚渫土で埋め戻されたか,池になっている。題となる。このため,地質調査は念入りに行われた。石浚渫土で埋め戻された土地は概して軟弱である。ま灰岩上面の凹凸や石灰岩層内の空洞や亀裂を把握するたた,掘削により池の水を引いてしまい周辺地盤の変めに,400本のボーリング調査,マイクロ重力探査や比状を引き起こす可能性がある。抵抗電気探査が行われた。また,鉄道を横断する箇所では孔間弾性波トモグラフィも行われた。さらに,地表面変位をモニタリングするため定点測量,伸縮計,傾斜計,ピエゾメーター,レーザープリズムターゲット等のモニタリング機器が設置された。その数は 1 300以上に及ん参1)2)だ。 このトンネルは, 2003 年 11 月に建設が始まり,2007年 5 月に開通した。3). まとめマレーシアにおける地盤工学に対する要求は,これま4)で高くなかった。その理由として,そもそもマレーシアにおいては,地盤リスクは高くないと認識されていること,設計において建設コストの削減に対する要求は高く5)なく,かなり安全側の設計でも許容されてきたことが挙げられる。しかし,近年の経済発展は,国道 185 号やSMART トンネルの事例のように,より難しい地盤条件でのインフラ建設を要求している。国道185号では,6)山岳地帯を貫く道路建設で斜面崩壊が多発した。SMART トンネルプロジェクトでは,資産が集中する市街地の下でのトンネル建設であり,石灰岩層内の空洞7)や亀裂を貫く建設工事に伴う地表面変位を生じさせないことが要求された。難しい地盤条件でのインフラ整備が,建設工事に伴う地盤災害リスクを増大させている。このため,マレーシアにおいても地盤工学に対する要求は今後高くなることが予想される。また,マレーシアにおける地盤リスクは,施工段階での建設コストの増加リスクというより,施工中から供用時まで含めた地盤災害リスクと捉えるのがよいであろう。8)考文献世界経済のネタ帳,入手先〈 http: // ecodb.net /〉(参照2016.4.20).CIDB Malaysia: 2014 Annual report,入手先〈http://www.cidb.gov.my / cidbv4 / images / pdf / 2016 / FA 20CIDB  20Annual  20Report  202014 _ Publish.pdf 〉.(参照2016.4.5)国土交通省情報管理部建設調査統計課平成13年度建設投資見通し,入手先〈 http: // kenmane.kensetsu plaza.com/bookpdf/102/ai_05.pdf〉(参照2016.4.5).ShawShong LIEW: Role of geotechnical engineer incivil engineering works in Malaysia,入手先〈http://www.gnpgeo.com.my / download / publication / 2009 _ 08.pdf〉(参照2016.4.22).社 全国地質調査業協会連合会「企業間連携等の促進に財 建設業振興基金の助関する調査・研究委員会」報告書成金による建設産業構造改革事業)―地質リスクに関する 調 査 ・ 研 究 ― , 2007 . 入 手 先 〈 https: // www.zenchiren.or.jp/new/pdf/risk3.pdf〉(参照2016.5.9).社 全国区地質調査業協会連合会「地質リスク」海外調査ミッション―米国カリフォルニア州における地質リスクへの対応状況調査―報告書,入手先〈 https: // www.zenchiren.or.jp / risk / pdf / houkoku.pdf 〉(参照 2016.5.9 ).Mohamad Nor Omar, Som Pong Pichan, and MohardFadly Rosli: A detailed investigation on slope failures atfederal road (FT185)The impending improvement toJKR's existing guidelines for road in hilly terrain, International Conference on Slopes, pp. 2337, 2015.Yeoh Hin Kok, Cusztav Klados: Uniqueness of startproject in the logistic and construction challenges encountered during TBM north and south drive, International Conference and Exhibition on Tunnelling andTrenchless Technology, 2006.(原稿受理2016.5.19)参考として,マレーシアの首都クアラルンプールにおSeptember, 201619
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  • タイトル
  • ミャンマーでの水力発電所建設事例(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
  • 著者
  • 徳楠 充宏
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 20〜23
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72049
  • 内容
  • 報告ミャンマーでの水力発電所建設事例CaseIntroduction of Construction of Hydropower Plants in Myanmar徳楠充株 ニュージェック.海外地質業務の現状と課題. 現状海外土木工事は図―のような手順で進むことが一般宏(とくすみつひろ)国際事業本部技師長は GBR である。以上,海外土木工事に係る地盤リスク評価は工期や工事費に直接影響する重要な要因となっており,施工段階で発生する大半の問題は地盤リスクに基づくことが多い。であるが,地盤工学に係る技術者は調査・設計・施工の. 課すべての段階に対して事業に関与する。地質工学に係る技術者が海外土木工事において直面す調査・設計段階では,事業主体(国,国営企業,民間題る主な課題は 3 点であると考えられる。企業等)は, JICA (国際協力機構)や国際金融機関による資金調達により,公募で選定されたコンサルタント近 年 , 我 が 国 に お い て も ISO / TC 182 や CEN / TCに対して現地調査から入札図書の作成までの一連の検討341に代表される地質工学面での標準化が整備されていを委託することが多い。施工段階においては,請負業者るが,海外土木工事に必ずしも国内の技術標準が適用さはコンサルタントが作成した技術資料に基づき,工事内れることはない。国際標準を踏まえ,現地地盤状況に即容を検討し見積りを作成し応札する。請負業者の選定にした有効な標準を設定する必要がある。技術標準の差調査密度の差際し応札資料の技術的な評価もコンサルタントの仕事である。海外土木工事において, Feasibility Study(事業可能地盤リスクが高いと判断されるサイトにおいては,調性調査F/S)に費やす予算や工期については,国内で査・設計段階で Geotechnical Baseline Report ( GBR )実施されている調査・設計の内容・工期に比して極めてを作成する。施工段階で地盤が原因である設計変更が生少ない。調査密度が少ない状況下で地盤リスクを検知すじる場合は, GBR は事業主体と請負業者側の議論のるための効果的な調査手順が要求される。環境面の差ベースとなる参考資料として使われる。また,コンサルタントは,施工中にも事業主体側の立場で請負業者や融初期調査時にはアクセスや生活環境が我が国に比べて資金融機関に対して技術的な説明を行うとともに,融資劣悪であることが多く,非効率的な調査になりがちであ金融機関が雇用するコンサルタントとの技術協議に参加る。また,ボーリング,探査及び試験等については対象する。国の調査業者に再委託するのが一般的であるが,その成近年では請負業者側がすべての工事責任を負う EPC契 約 ( Engineering, Procurement, Construction ) が 主流となっている。このため, GBR に基づき見積りには様々な地盤リスクを回避するための追加費用が計上される。一方,BQ 契約(Bills of Quantities)に代表される果は我が国の調査業者のものに比べて品質が劣ることが多い。.業務の背景このような課題を痛切に感じたプロジェクトとして,数量精算契約についても,数量精算のベースとなる資料図―20海外土木工事に関わるコンサルタント業務の例図―業務対象サイト地盤工学会誌,―() 報告ミャンマーでの水力発電所の工事事例を紹介する。ここでは,段階的に慎重にプロジェクトを進める我が国とは真逆の条件,即ち初期の地質調査をできる限り軽減し,仮のような設計に基づき施工を行い,施工時に発生したトラブルはその都度追加地質調査を行い,修正設計しながら修正施工していた。地質調査等に係る調査期間を低減し,全体の工期を短縮することが狙いである。ミャンマー連邦共和国(The Republic of the Union ofMyanmar)は,国土約68万 km2,約5 100万人の人口を有する。 2011 年から軍政から民政に移行され,国力の増強とともにインフラ整備と電力の供給が必須とされている。本業務は 2010 年 4 月から 2014 年 3 月までの 4 年間にミャンマー電力省水力開発局が係る水力発電プロジェクトの計画・調査・設計・施工及び維持監理について弊社が技術支援を行う内容であった。当初契約では 2 年間 から◯ までの 7 つのの業務期間で図―に示す番号◯ダム式発電プロジェクトを対象としてが,プロジェクトの有効性,政治的な背景及び治安の関係から,最終的に ,◯ ,◯ の 3 サイトは業務対象から外れ,番は番号◯ ,◯ ~◯ に対する技術支援と施工中/施工後に問題号◯図―ミャンマー全土の地質図1)を一部加筆・修正図―ミャンマーの概念地質断面図1)を一部邦訳 のサイトの問題対処が主な業務となった。が生じた番号◯ サイトと施工後に問題ここでは,難工事となった番号◯ サイトについて,一部の事例を紹介する。が生じた番号◯.ミャンマーの地勢とプロジェクトサイトミャンマーの広域地質図は様々あるが,最も簡易で分かりやすい図面として図―と図―がある。図―では,ミャンマー西側の半分(A, B, C)は,インドプレートの沈込みによる第三系付加体が主体である。全般に地質が若い。これに対し東側半分(D)はユーラシア大陸起源の古い地質体からなる。両地質体は全般に南北に連続し,その境界を Sagaing 断層と称するミャンマーでは 1 級の右横ずれの活断層が南北に走る。 サイトは,図―で Arakan Coastal Area と称番号◯される第三紀漸新世の To(Oligocene ‰ysch sediments)に位置し,著しく変形を受けた砂岩・泥岩互層を基礎岩 サイトは,図―の Inner Bur盤とする。一方,番号◯man Tertiary Basin の Pegu Yoma Anticlinorium の東端にあたり,同様に砂岩・泥岩互層を基礎岩盤とする。近傍に Sagaing 断層が通っているため,基礎岩盤には多くの派生断層が認められたサイトである。. サイトの紹介番号◯写真―事前表土剥ぎ時のダムサイト右岸の状況. サイト紹介ミャンマー側の主要電力需要地との位置関連で,当サイトは水力発電計画地点としては珍しい河川の下流地域発電容量 37 MW × 3 ユニットとなっている。弊社が担に計画されていた。熱帯性モンスーン気候による多雨地当した時点で,本サイトでは以下のような水文・水理・域で年間 5 000 mm 程度の降雨を利用した低落差で大流地質リスクが存在した。量型の発電を目指すものである。プロジェクトの主な諸河床には深さ 50 m 程度の河床砂礫が堆積している元は,集水面積 1 145 km2 ,総貯水容量 859 Mm3 ,ダムため,フローティングタイプの中央遮水型ロックフMm3,総ィルダムを計画していた。ダム高は 91 m で河川は高 91 m (中央遮水ロックフィル),堤体積 6.4September, 201621 報告30 年確率で 4 150 m3 / sec の洪水が発生する。河床ッカーそのものが劣悪でパッカー圧を十分に昇圧できなはロックゾーン上流端に沿った連続地中壁を着岩さいこと,)電磁流量計がないため,セメント注入量はせることにより止水する。ミキサーに棒計を挿入してマニュアルで目測しているこ砂岩・泥岩には,日本での四万十帯と同様に付加体と等である。また,本サイトの技術指導には欧米のコン特有の混在岩(メランジュ)であり,泥岩は著しくサルも入った経緯もあり,グラウト実施・解析方法が我破砕したブロックが幾つも介在していた。破砕泥岩が国とは異なった基準で実施されたことで現場が混乱しは雨季に含水飽和し,強度低下と過剰間隙水圧によていた(欧州の GIN 基準)。最終的には,施工時間が長りダム掘削面及びトンネル壁面が崩壊した。引くことによるミャンマー側からのクレームもあったが,コア材に風化岩盤を使用するが,風化面のアンジュダムを砂礫層に乗座させるフローティングタイプであるレーションや原岩が混在岩であることから材料の粒ため,パイピングのリスクを極力回避すべく,日本式の度が不均質であり,一定粒度の材料採取が困難であ超過確率方式による管理グラウチングを徹底した。った(写真―)。.. 反省点地形測量 サイトの紹介番号◯. サイト紹介驚いたのは地形測量技術の低さである。機械的にポイ当サイトにはダムと導水路トンネルが完成後,鉄管路ントを当たりコンターを作成するソフトにより図化すると発電所の工事中から係ることとなった。問題が生じたため,重要な凹凸部の高さを計測していないところではのは 2011 年 8 月の豪雨時にダム右岸上部斜面の地すべコンターが閉じてしまい,最悪な場合は凹凸が逆になる。りが再滑動したこと,同時期に導水路の初期通水後の検これは現地を見ながらポイントとなる箇所の座標をおさ査時にライニングコンクリートに多数のクラックが確認えていないことが原因である。これにより構造物基礎がされたことであった。プロジェクトの主な諸元は,集水空中に位置する箇所も発生した。面積 875 km2,総貯水容量 1 467 Mm3,ダム高 73 m (中央遮水ロックフィル),堤体積 2.2 Mm3 ,総発電容量 60ボーリング本サイトでの唯一の地下情報であるが,写真―のよMW×3 ユニットとなっている。うに採取率が悪いため河床砂礫と基礎岩盤の境界面や破. 反省点砕帯の性状を掴むことができない。また,採取されてい右岸地すべりる箇所でも軽微に乱されていることや削孔に多量の水を1)経過と対策使うため割れ目の介在物が逸脱しているため,岩盤の良2006 年に写真―に示すような地すべりがダム右岸否 は 岩 塊 の 硬 さ は 別 と し , 主 に単 純 に コ ア 採取 率 との洪水吐き背面斜面で生じている。表面排水工と頭部はRQD に依存することになる。尚,本サイトでのコア観排土工( 15 000 m3 )により安定化対策を実施し,掘削察は土木研究所の分類をベースとした。と盛立て期間は安定であった。ところが, 2011 年の雨また,本サイトは弊社が介入する前に従事していた我季での豪雨によりほぼ満水状態であったダム右岸の同一が国のコンサルタントの技術指導により,施工開始まで箇所で再度地すべりが生じた。地すべり面は 2 面あるに953 m のボーリングと4 235 m の弾性波探査が実施さようで, 2006 年が浅部地すべり対策に該当し, 2011 年れていたが,施工後に発生した様々な地質上の問題を設の地すべりは深部地すべり面に沿って生じたと判断した。計にフィードバックさせるために延べ 2 545 m の追加現地に計測技術がないため,地すべり面の特定は 10 本ボーリングを実施することになった。程度の追加ボーリングコア観察により決定した。また,透水試験・グラウト逆解析によるすべり面強度の推定と頭部排土と底部抑えグラウトの設備は我が国に比べてはるかに遅れている盛土により所定の安全率(常時 FS=1.2)を確保する対ため,邦人技術者が我が国での設備レベル・技術標準を策を実施した。頭部排土の規模が大きかったため,足元ベースに技術指導できない状況であった。特に問題であを失った背部山体の滑動を懸念し,潜在的な地すべり面ったのが,)地盤の悪い箇所でのボーリング孔壁がパッカー密装着できる状態に仕上げられないこと,)パ写真―22ボーリングコアの例写真―2006年に発生した地すべり全景地盤工学会誌,―() 報告(流れ盤破砕泥岩層)が背部に連続しないことを重点的と乏しいボーリングコア・地下水位から,プロジェクトに調査した。雨季までに工事を終わらせるには盛土工事に潜む地質リスクを想定することになる。地質リスクに(リップラップを含む)が間に合わないとのことであっ対して過度に慎重になるとプロジェクトが成立しない。たので,結局は頭部排土のみで FS=1.1を確保すること即ち,ビジネスチャンスを潰しかねない。しかしながら,を前提とした工事を行った。多くのプロジェクトの施工時には F / S の想定よりも地2)原因と問題点質リスクが大きくなり,難工事と工期延長が生じている問題は当該地すべりで洪水吐きが土砂で埋まったことことを顧みると,調査数量が少ない場合は安全性に重みであり,洪水吐きが地すべり土塊に押されている場合はを置き,プロジェクト推進の立場をとりたい投資側に対洪水吐きをコンクリートで埋めて新たな洪水吐きを設けしては抑制力として機能すべきと考える。地質が悪い番る必要があった。結果として,幸いにも地すべり面末端 サイトの事例では,施工時に調査時の倍以上のボー号◯が洪水吐きコンクリート壁の上部にあったことで洪水吐リング調査を行った。 F / S での調査の充実度が如何にきは土砂を取り除く作業と一部のデンタルワークのみで重要であるかを表しており,二度手間はより工期を遅ら対応できた。せる例である。地すべりの全体体積は 100 万 m3 程度に及ぶものであまた,融資側が雇用する国際コンサルタントと度々議った。地すべりの素因は,既往ボーリング長が短かった論になるのが岩盤等級分類である。我が国の電研式区分ため深部地すべり面が認識されていなかったこと,誘因や土研式区分のような定性分類は理解し難いとされ,国として雨季の豪雨での突発的な間隙水圧の発生が考えら際的に馴染みのある RMR ( Rock Mechanics Rating )れた。尚,末端部のすべり面の位置から判断すると,貯や GSI( Geological Strength Index)での定量評価を示水池の水位の変動による残留間隙水圧の影響は受けてい唆されることが多い。定量評価の有効性については疑問ないことも判明した。対策後に地すべりは安定し,現在の余地があるが,融資側コンサルタントは欧米系が圧倒までに発電の運営に影響は出ていない。していることから,定量評価を避けることはできない。導水路トンネル1)経過と対策我が国の地質コンサルタントが取り組むべき課題である。主に施工時初期通水後のトンネル内検査でライニングコンクリーどんなに自信のある調査ができても,自然事象の複雑トに多数のクラックが確認された。また,トンネル経過さから施工時には想定外のトラブルが生じる。東南アジ地の幾つかの斜面から通水時に湧水が生じた。アでの水力発電プロジェクトの経験から判断すると,以2)原因と問題点問題はトンネル内から多量の漏水が生じ,住居が点在する経過地斜面が背水圧により不安定化すること,トンネルコンクリートの崩落や肌落ち片が発電所タービンの損壊に至るリスクが懸念された。クラックの発生は,トンネル掘削時の過大な余掘りと下のようなことがトラブルの主原因となることが多い。乾季の極端な渇水と雨季の豪雨と異常出水現地コントラクターの低い施工技術前者については,地質技術者は主に乾季に現場調査を行うため,雨季のクリティカルな現地状況を想定してない。雨季には,脆弱地盤が間隙水により軟質化した性状,裏込めコンクリートの充填が十分ではなかったことが原斜面からの出水箇所,斜面のドレーン孔の機能,河川の因とされたため,ハンマーによる打音調査によりライニ水位上昇幅等の地質リスクに直結する自然事象を確認でングコンクリート背面の空洞箇所を特定し,背面空洞にきる。対しては 1.5 m 間隔の千鳥状に 0.25 MPa でのコンタク後者については,我が国のコントラクターの施工技術トグラウトを実施するとともに,クラック表面にはエポを基準に地質評価を行わないこと。これにも安全代を設キシ樹脂によるコーティングを行った。その後の導水にけることが肝要である。例えば,我が国と同一地質条件よる問題は生じていない。の法面の勾配を我が国よりも緩めにする,アンジュレー. 結びションのある基礎岩盤面ならば,ボーリングの精度を疑い,その深い方を採用する等である。現場で発生するト海外水力発電事業では,安全で速やかな工事ができ,ラブルの原因を地質に委ねることが多いが,筆者の経験工程通りに構造物を仕上げ,完成後の維持監理時期にもでは開発途上国の場合,現地コントラクターの施工技術当初想定された条件で発電稼働ができることが前提であの低さから生じるケースも少なくはない。現地コントラる。その意味で,ミャンマーでの技術支援業務は様々なクターはトラブルの原因を不良地質に求め,施工の正当現場トラブルが生じたが,顧みると開発途上国での水力性を主張することが多いので注意する必要がある。発電プロジェクトに関して,地質に関する様々なリスクに対する回避・対応方法を教訓として残してくれたと考えている。主に調査・設計時最新調査技術が使えないため,地表の地形・地質事象September, 2016参1)考文献Friedrich Bender: Geology of Burma, Gebruder Borntraeger Berlin, 293p, 1983.(原稿受理2016.4.8)23
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  • タイトル
  • ラオスでの取水施設建設時の圧入ケーソン事例(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
  • 著者
  • 細野 利也・田中 秀明・武内 浩之
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 24〜27
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72050
  • 内容
  • 報告ラオスでの取水施設建設時の圧入ケーソン工法事例Pressin Caisson Construction for the Water Intake Facility in Lao P.D.R.細野株 安藤・間利也(ほそのタケク浄水場作業所武田としや)内所長秀株 安藤・間浩株 安藤・間中之(たけうち.ラオス国はインドシナ半島の中央に位置する内陸国で,しゅうめい)国際事業本部土木部部長ひろゆき)国際事業本部土木部. は じ め に明(たなか部長工事概要取水井は内径 6.3 m ,深さ 19.5 m の円形鉄筋コンク一人当たりの国民総所得(GNI)が東南アジアではカンリート構造で,上部に取水ポンプ設備を配置する建屋よボジアに次いで低い後発開発途上国( LDC )である。りなっている。本工事は,日本の無償資金援助によりラオス国の上水道建設場所は,メコン川の左岸護岸上にあたり,事前の整備を目的に,取水から配水施設までの上水道施設一式調査結果からは,地表より 4 m 程度の盛土,中位の砂を建設するものである。水源となるメコン川は年間を通質粘土及び粘土質砂が続き, 19.5 m 以深は礫混じりのじての水位差が 10 m 以上という特徴があり,取水施設固結粘土と推定された。また,地層は全体的に川側へ傾構造物はメコン川に面した円形の取水井と取水井から川斜しているとも推定された。工事着手前に地質確認のたに伸びる取水管からなっている。め,取水井中心においてボーリング調査を行った。ボー取水井の建設は,河川に近接していることより,安全リング結果では,地表からシルト質粘土が続き GL 17性に優る圧入ケーソン工法を採用することとした。しかm までは乾いているが,それ以深は水混じりであった。し,ラオス国では圧入ケーソン工法の実績はなく,資機その後は GL 19.5 m より N 値 75 以上の土丹層, GL 材の選定・調達をはじめ,試行錯誤の連続であった。22.5 m 以深が砂岩層であった。取水井及び地盤の概要本稿では,これらの施工結果について紹介する。図―24を図―に示す。取水井及び地盤概要図地盤工学会誌,―() 報告mm であることより,壁の内部に作業員が入ってバイブ. 施 工 計 画レータ作業を行うものとした。. 工法選定. 圧入設備当初は深礎工法による計画であったが,主な対象地盤土質調査結果によるアンカー定着層(砂岩)の一軸圧が粗粒分( 74 mm 以上)率が 45 以上の粘性土であり,縮強度は40 MPa 程度であったが,アンカー削孔時に地河川とつながる水みちができた場合,短時間に大量の出盤強度が想定よりも低いと思われたため,テンドン余裕水が生じる危険性が考えられたため,ラオス国では実績長分を使い定着長を 5 m から 6 m に変更した。の無い工法であったが,圧入ケーソン工法を採用するこグラウンドアンカー仕様は以下である。ととした。アンカー 許容引抜力2 050 kN/本×4 本. 施工フロー削孔/定着q135 mm×定着長 6 m/自由長32 m施工開始時は河川水位が低いため,第 1 ロットの躯テンドン 7 本より q15 mm×14本×4 本体構築基盤を3.5 m 掘り下げ,水位上昇前に躯体構築とまた,ラオス国内には圧入設備に関する資機材が存在掘り下げ箇所の埋戻しを終えるものとした。その後,第しないため,グラウンドアンカー工事及び圧入機材調達2 ロットの躯体を構築した後に最初の圧入沈下を行った。は隣国のタイ業者に発注した。このため,躯体は 5 ロットの分割であったが,圧入・. 沈設工沈下は計 4 回の作業であった。次ロットコンクリート打設時の沈下防止を目的に,各施工フローを図―に示す。ステップの圧入終了時に十分な地盤反力が確保できるよ. 掘削・排土主な掘削対象地盤は粘性土であり,最下部は N 値 75以上の固結粘土層であることより,ミニバックホウ(0.15 m3)による気中掘削とバケットによる排土計画とした。また,4 本のグラウンドアンカー施工時にも,アンカー孔内への流入水が見られず,気中掘削は可能と判断された。掘削概要図を図―に示す。. 躯体構築ケーソン躯体の構築には,内外とも鋼製型枠を使用し,内部作業床としてセパレータ締結用プラスチックコーンを利用したブラケットの上に一体式の円形鋼製床をクレーンで吊り込むことで,作業の効率化と安全の確保を図―図 っ た 。 1 ロ ッ ト の 打 設 高 は 4.4 m と し , 壁 厚 が 800図―September, 2016掘削概要図施工フロー図25 報告図―理論沈下曲線写真―写真―テンドン(左破損状況,右補修後)写真―図―圧入手順掘削・圧入状況テンドンのガイドパーが正しく開放されないまま作業を進めたことなどが考えられた。ジャッキオペレータはリフティング作業のう手順を決定した。また,沈下促進工として,摩擦低減経験は豊富であったが,圧入ケーソンは初めてであった及び周面から刃口へ水が廻ることを防止するためベントことによる不慣れな操作がその要因と考えられた。ナイトとポリマーを混合した滑材を使用した。理論沈下曲線を図―に示す。また,圧入手順及び圧入状況を図―,写真―に示す。. 施 工 結 果カップラーで接続して補修を行うとともに,より線を交差しないようにガイドを配置した。また,より線に泥などの異物が付着しないよう,取扱いに留意することとした(写真―,写真―)。. 不発弾の出現以下に記す各種の対応をせまられ,計画より約 1.5ヶ第 1 ・ 2 ロット沈下中の GL 5.3 m 付近を掘削中に,月の遅延を生じたが,工期内に完了することができた。金属製の異物が出現した(写真―)。念のために国の. テンドンの破損不発弾対応機関( UXO Lao )で確認したところ,不発初期沈下作業中の 2.5 m 圧入時に, No. 3 ジャッキ内弾であることが判明した。事前の聞き取り調査では,本でテンドンがからまり,より線の一部が破損した。工事範囲に不発弾は「ない」との回答であったが,これ破損原因は,より線同士が交差した状態でジャッキには「多くはない」を意味することであった。直ちに取水配置されていたことや,より線への泥の付着でグリッ井での作業を中止するとともに,企業者及びコンサルタ26地盤工学会誌,―() 報写真―告出現した不発弾写真―不発弾探査状況ントと協議を行った。一般に不発弾は地盤面から 3 m 以浅に存在するとさ水及び砂が流入してきたと考えられた。れており,本施工場所の上部4.5 m が盛土であるため,流入水についてはポンプで排水可能な出水量であり,現地盤から7.5 m までが存在の可能性があると考えた。流入箇所も限定的であったため,木矢板と土のうを流入また,UXO Lao の保有する機械で探査できる深さは地箇所に建て込み,砂の流入を抑制しながら掘削を継続で表面から60 cm までであるため,50 cm 毎掘削に探査をきたが,工程遅延の一因であった。繰り返して安全を確認することとした。なお,並行して. グラウンドアンカーの干渉行っている配管工事についても,路線の探査を行うこと沈下完了まで残り1.7 m で,グラウンドアンカーのうとした。幸い,この他には不発弾は発見されなかった。ちの一本が内側へ入り込んでおり,ケーソンの沈設に障ケーソン内部の探査状況を写真―に示す。害となった。干渉していたのが抜け出したアンカーであ. グラウンドアンカーの緩みったため,刃口下まで土砂を取り除き切断・除去した。最終(第 5)ロット掘削時に下部より少量の出水がみグランドアンカー施工に際し,施工精度を考慮してられたため,刃先の貫入量を多くして水の流入を抑えるケーソンと干渉しないよう外側へ向けて挿入するよう指こととした。やがてジャッキ圧が急激に上昇したため,示をしていたが,施工業者は圧入ケーソン工の経験がな刃先付近まで掘削を行ったが圧入できない状態となった。いため,その重要性がわからず,生じてしまったトラブ確認してみると,4 本のグラウンドアンカーのうち 3 本ルであった。が緩んでいることが判明した。. 掘削・圧入完了過大な引抜き力が作用したかアンカーの定着力が設計沈設完了時においても出水があるため,プラグコンク上の耐力以下であったと考えられた。定着力が低かったリートの水中打設についても準備を進め,ケーソン内に 地盤は完全な岩盤でなかったこと◯ アン要因としては◯水を張った状態で外周に CB モルタルで裏込め注入を行カー削孔時のエアーブローにより地盤が緩んだことが想った。注入後に内部を排水したところ,流入水がないこ定された。このため,当初の 2 倍となる 12 m の定着長とが確認されたため,底部の掘削及び整形を行い,気中でアンカーを再設置して,沈設を再開した。にてプラグコンクリート打設することができ,ケーソン. 孔内出水アンカー再設置後,ジャッキ圧を上げても圧入不能であった。長期間の沈設停止により,周辺地山との摩擦抵工を完了した。.おわりに抗が増加した考えられたため,滑材注入孔より空気を噴海外工事では,国内工事に比べて様々な不確定要素を射して摩擦力を低減させたところ,圧入を再開すること孕んでおり,多くのトラブルに悩まされる。今回紹介しできた。た事例も,協力業者の技術力や地盤調査結果に対する不その後,掘削・圧入作業を継続したが,徐々に水の流確定さを十分に施工計画に反映させられなかったことも入が増加した。空気の噴射により,ケーソン躯体と地山一因であると反省している。また,限られた資機材や技の間に水みちができたと推定された。術者のリソースにより,対応も制約を受けるものとなっまた,地層が川側に傾斜しており,陸側の刃先は既に固結粘土層に達していたが,川側は固結粘土層上に介在する砂層内にあり,川とつながる水みちができて徐々にSeptember, 2016ていた。本稿が,今後の参考となればと述べさせて頂いた。(原稿受理2016.5.22)27
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  • タイトル
  • スリランカ・コロンボ外郭環状道路プロジェクトにおける軟弱地盤上の道路盛土工事(<特集>海外工事における地盤工学の現状と課題)
  • 著者
  • 大岡 晃・木之下 聡・石井 裕泰
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 28〜31
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72051
  • 内容
  • 報告スリランカ・コロンボ外郭環状道路プロジェクトにおける軟弱地盤上の道路盛土工事Highway Embankment Construction on Soft Clay Depositin the Colombo Outer Circular Highway Project (Sri Lanka)大岡株大成建設晃(おおおか国際支店土木部石木之下あきら)課長井聡(きのした株大成建設裕株大成建設泰(いしい技術センター土木本部土木設計部さとし)課長ひろやす)主任研究員. は じ め に本稿では,スリランカでの湿地帯部の道路盛土工事を取り上げ,地盤リスク対応の現状に関わる技術的・契約的取り組みを紹介する。スリランカでは長期に及んだ内戦が 2009 年 5 月に終結し,その後は,地域間格差の是正や輸出型産業の誘致・育成のため,運輸交通インフラ整備が重点的・集中的に行われている。 2011 年 11 月には日本政府とアジア開発銀行からの資金援助で,首都コロンボ郊外から南部の世界遺産都市ゴールを結ぶスリランカ初の高速道路(南部高速道路,延長 95.3 km )が開通し, 2014 年 3 月には南部商業都市マタラにまで延伸(延長30.8 km)している。また, 2013 年 10 月には中国資金によりコロンボから北部に位置するバンダラナイケ国際空港を結ぶ,コロンボ・カトナヤケ高速道路(延長25.8 km)が開通し,首都周辺の利便性向上,経済活性化に寄与している。本稿が扱うコロンボ外郭環状道路は,南北にそれぞれ位置していた上記高速道路を,コロンボ郊外で環状に接続図―スリランカの高速道路位置図する延長18.9 km のプロジェクトである(以上,文献 1)参照)。このうち8.9 km が当社施工により2015年 7 月に完成し(以下,当工事),供用されるに至っている。当工事では湿地帯,岩山,河川を含む区間に片側 2車線,計 4 車線の高速道路を, 2012 年 1 月から約 3 年の短い工期で建設するものであった。とりわけ湿地帯においては, N 値 0 の軟弱層上に高さ 10 m を超える高盛土を含み,完成後 3 年間の残留沈下を15 cm 以内に抑制することが求められた。施工箇所の地盤・盛土条件に応じて工期厳守とコストの最適化を両立するために,先行した高速道路建設での経験を踏まえた特徴的な契約形態が採用された。写真―完成したコロンボ外郭環状道路以下では,プロジェクト概要,盛土工事の計画・実施内容の順に取り組み内容を詳述する。.プロジェクトの概要工事区間は,スリランカ道路公社(RDA: The Road DevelopmentAuthority)が発注し,国際協力機構(JICA)が資金提供にあたる政府開発援助( ODA )の円借款プ図―にコロンボ外郭環状道路と当工事の建設区間,ロジェクトに含まれる。コロンボ外郭環状道路の開通及び南北に連なる高速道路の位置図を示す。本稿が扱う(写真―参照)により,首都コロンボを挟む約180 km28地盤工学会誌,―() 報表―告当工事での主な数量の高速道路ネットワークが形成され,北部の空の玄関から南部の観光地・商業地への移動・輸送効率が格段に向写真―表層部の軟弱層の様子上するに至っている。主な工事数量を表―に示す。当工事では,二つのインターチェンジ建設を含み,盛土,切土,橋梁区間に大別される。工事区域が位置するスリランカ南部は多雨地帯2) であるとともに,熱帯性気候により 1 年を通じて平均気温が 30 °C 近い。洪水多発対応として河川横断区間に位置する橋梁下部工建設では半川(はんせん)締切方式を,橋梁上部工構築では自走式の桁架設工法を採用し,マスコンクリート打設に対してはプレクーリングの実施,フライアッシュコンクリートの活用にあたった。本稿が主として扱う盛土工事以外の概要は別報3)を参照されたい。.盛土工事の計画. 地層条件道路線形計画に沿っては,丘部では硬質な岩山が露出する一方で,盛土を設置する谷部には湿地帯が拡がり軟弱層が堆積する。地層構成の概要は,地表側から以下の図―ようになっている。地層構成の例・表層埋土・粘土・有機質土層(N 値 0~,写真―参照)・砂質風化岩層・硬岩層価方法と改良パターンの暫定適用結果を開示する。・施工者の責任施工に際して地盤改良パターン選定に関わる地盤調査地層構成の一例として図―を示す。BH290から293を実施する。その結果に基づき契約時に提示された暫(区間距離70 m)で硬岩層上面高さが約 7 m 異なり,粘定地盤改良パターンを再評価し,最終決定のための判土・有機質土層,堆積土層厚もそれぞれ大きく変動して断資料を作成する。いる。このような責任区分のもと,発注段階では各施工区域. 軟弱地盤対策工に対応した盛土高さ,軟弱層厚,地盤特性をパラメータ上記条件に対して,道路の線形計画に基づく盛土高さに全 36 断面に対する検討結果が発注者側から示された。は最大 12.5 m に達する。安定性を確保しながら適切に検討手順は以下による。盛土構築にあたり,完成後 3 年間の残留沈下を15 cm 以1)内とする規定を満足するためには,各施工条件に応じた地盤改良工法の選定が必要となる。また,発注者から施無処理地盤を対象とし,圧密による強度増加を見込んだ円弧すべり計算,一次・二次圧密沈下予測。2)安定評価に関しては,7 つの改良パターン(無処理,工者への工事発注に向けては工費の増大を避けるべく,Gravel mat, Geotextile, Gravel Compaction Pile綿密な調査と検討に基づく改良仕様の最適化が不可欠と(GCP), GCP and Geotextile, Soil Replacement, Pileなるが,計画段階での取り組みには限度がある。そうしand Slab,以上改良仕様として簡易な順番)に対するた実情を踏まえて,本工事では,発注者と施工者の責任が発注段階で以下のように規定された。・発注者の責任施工に先立ち,当工事で採用する地盤改良パターンを立案する。各パターンに対する安定性,沈下予測の評September, 2016限界盛土高さを特定。3)短期安全率1.20,長期安全率1.25を満足する,最も簡易な改良仕様を各施工区域で採用。4)採用仕様に対する沈下予測として,6 つの方策(無処理,Surcharge method, Band drains method, GCP29 報告表―発注者から提示された地盤改良パターン(概要図は抜粋して記載)method, Replacement method, Pile and Slab,以上沈にあたる。下制御の方策としては簡易な順)について一次,二次以上に概説した改良パターンや検証方法は先行するス圧密沈下量を算定。完成後の残留沈下量が15 cm 以内リランカ高速道路建設での知見を最大限に活用したものを満足する最も簡易な改良仕様を採用。となっている。施工に際しての承認手続きの迅速化,契上記検討に基づき発注段階での計画に採用された改良約条件の認識共有を図る特徴的・効果的な発注形態であ仕様は表―に示す A~H(8 パターン)であった。施工者は,応札段階においては上記内容を基本計画として施工計画を具体化し,施工段階においては自ら実施する地盤調査に基づき発注者側検討に沿った再評価を行ると考えられる。.盛土工事の実施. リスク要因と対応い,改良仕様の割当てを提案する。発注者の承認を経て施工に際しては地盤特性,地層構成のばらつきと不確当初計画からの変更が生じた場合には,契約段階で設定定性に直面するとともに,一般に,海外工事での地盤調した各改良パターンに対する施工単価に応じて費用調整査・試験の品質は日本国内での工事に比べて信頼性が低30地盤工学会誌,―() 報告い。盛土工事に際しては,こうした地盤物性の精度や評価手法の妥当性に起因する以下のような工程遅延要因が存在し,リスクとして保有・対応することとなった。・施工時の盛土沈下・変形・一次・二次圧密沈下収束の予測値からの遅れ・改良パターン境界や構造物交差部での不同沈下施工者が地盤調査と最終判断資料の準備にあたり,それを受けて発注者が承認手続きにあたる流れの中で,滞りない的確な意思決定が行えるよう,以下の取り組みにあたった。1)地盤調査結果については現地大学教授によるレビューを依頼。調査結果の客観性・信頼性を向上。2)図―試験盛土に基づく設計パラメータの見直しを経て行った解析検討本格施工に先立ち日本の調査会社に,盛土載荷放置前後の原位置調査を依頼。基礎地盤の性状変化を通して GCP 実施による圧密促進効果を判定。3)を当初見込みに対して 1 か月延長する区間があったも発注者,施工者双方の技術者が一堂に会したのの,雨季を放置期間に活用する工程調整にあたり,全Monthly Geotechnical Meeting を 開 催 , 地 盤 情 報 を 一体工程への影響を抑制した。結果として,完成後に見込元的に共有。懸念事項については早期に問題提起し,参まれる残留沈下量を全区間で規定値以内に納め,全体工加者で打開策を含めて協議。事を完遂することができた。. 施工本格的な施工に先立ち,盛土高さ 10 m ,軟弱層厚約.おわりに14 m となる GCP(パターン G)区間において,詳細モ本プロジェクトにおける盛土工事に関しては,設計再ニタリングを実施し,施工と再評価・分析にあたった。評価と承認手続きを伴う特徴的な契約形態が採用され,その結果,以下の知見を得た。当初は契約条件の確認,リスク保有の整理・分析に労を・安定した盛土構築を行うために,盛土安定管理法(松かけた。一方で,あらかじめ施工に際しての検討スキー尾法,富永・橋本法など)が有効である。・当該区間では載荷所要日数約170日,放置期間56日で,95以上の圧密度を達成できる。ムが示されていたこと,発注者との情報・認識共有を積極的に図ったことにより大きな手戻り,滞りが避けられた。・試験盛土に基づく設計パラメータの見直しを経て行っ本稿に示した工事に先行し,当社は南部高速道路におた解析検討によれば, GCP の導入により,沈下量はいても 31.6 km の工事を担当した。両工事で得た契約約50低減され,95圧密度の達成日数を約800日短的・技術的知見をもって,今後もスリランカでのインフ縮する効果が得られる(図―参照)。ラ整備に貢献していきたい所存である。・ただし,評価・分析に基づき得られた圧密係数は,設計値に対して小さくなり,圧密期間が当初見込みを上回る可能性がある。引き続きの本格施工を通して,地盤調査,再評価,改良仕様を確定する承認手続きを繰り返し,改良パターンの変更は改良区間延長の 1 割にとどまる一方,残留沈下の低減,あるいは改良仕様の合理化のために GCP,Band drain の根入れ長については延長・短縮の調整にあたった。部分的にはサーチャージ盛土の圧密放置期間参考文献1)The Road Development Authority, Sri Lanka,入手先(参照2016.4.15)〈http://www.rda.gov.lk/index.htm〉2) 日下部治・低引洋隆・北川隆司・H. N. Seneviratne・S.Abeyakoon・J. Edirisingheアジアの風化残積土地域における土砂災害―スリランカ―,土と基礎, Vol. 44,No. 7, pp. 31~33, 1996.3) 青木俊彦・堀川祐毅スリランカにおける高速道路への取組み ―コロンボ外郭環状道路の建設―,土木施工,Vol.54, No.12, pp.34~37, 2013.(原稿受理September, 20162016.5.23)31
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  • タイトル
  • 円筒金網とチェーンを用いた災害復旧工法(技術紹介)
  • 著者
  • 久保田 篤之・北村 明洋・奥西 一裕・木村 亮
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 32〜33
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72052
  • 内容
  • 技術紹介円筒金網とチェーンを用いた災害復旧工法Disaster Restoration Methods using Cylindrical Wire Mesh and Chain久保田篤之(くぼたあつゆき)株 補強土グループ昭和機械商事奥西一裕(おくにし村明洋(きたむら株 補強土グループ昭和機械商事かずひろ)株 補強土グループ昭和機械商事北主任木村京都大学亮(きむら教授あきひろ)リーダーまこと)大学院工学研究科開発したものである。. は じ め に今年 4 月に発生した熊本地震では,大きな地盤災害.災害復旧工法が発生した。また,東日本大震災や平成 23 年台風 12 号被災した崩壊土砂の多くは表土や崩積土といった表層など,日本国土全体が度々未曾有の災害による甚大な人の柔らかい地層にあたり,またその崩壊深さは非常に浅的物的損害に見舞われ,土地利用の高度化にも伴い,こい。上記のような復旧に緊急を要する小規模崩壊では,れまで以上により一層の安全の向上が求められている状大型土のうの仮復旧により一時的な道路供用を行い,そ況にある。特に地震,台風,集中豪雨の発生により,山の後大型土のうを撤去し,コンクリートブロック積等で体の緩みによる土砂崩壊や,河川護岸の崩落により度々本復旧を行うのが一般的である。このような従来工法で道路等のライフラインが寸断されている。は施工に手間がかかり,大型土のうに至っては紫外線劣被災し機能を失った道路を復旧するため,崩壊斜面や被災した構造物は早急な復旧が要求されることとなるが,化により数ヶ月で表面のポリプロピレンが破れ,土砂が流出し二次被害の危険性がある(写真―)。その際,機能復旧のみではなく構造的に強化した本格復そこで,新工法として開発された円筒金網工法は,仮旧が提案されている1)。そこで本稿では,円筒金網を使復旧の段階から一気に本復旧を行うものである。その施用し,経済的かつ強度に優れた簡便な本復旧工法として,工性の良さから,仮設構造物と同程度の施工工程で設置河川護岸復旧に有用な円筒金網かご工,山間地の崩壊斜が可能であり,また円筒金網の持つ特性から,本復旧と面の復旧に有用な円筒金網補強土壁工法の紹介を行う。して期待される構造としての強度をあわせ持つ災害復旧なお,これらの工法は国土交通省より平成24年度から 3において救世主となるべく生まれた工法である。安全面ヶ年にわたり,建設技術研究開発助成制度の助成を受けにもランニングコスト的にも非常に優れたものである。図―に従来工法と新工法の復旧イメージを示す。円筒金網工法は亜鉛- 10 アルミニウム合金めっき(300 g/m2 以上)鉄線を用いた先めっき溶接金網を使用し,亜鉛めっきよりも,同じ付着量で約 2 倍の耐食性を有している。また,円筒状の金網は土を詰めた状態で,鉛直に一軸圧縮状態で力を加えた場合,大きな耐荷力(350 kN/m2 以上)を示すことが試験により確認されている(図―)。写真―大型土のう被災状況.円筒金網かご工河川護岸及び斜面崩壊の復旧工法として「ふとんかご」図―32従来工法と新工法の復旧イメージ図―円筒金網載荷試験地盤工学会誌,―() 技術紹介に代表されるかご工が上げられるが,設置してから栗石などの中詰め材の投入を人力で行わなければならないことや,直方体形状であるため金網のはらみが生じてしまうなどの問題点があった。そこで上記の問題を解消するべく,溶接金網を使用し円筒形状としたことに加えて,円筒体をチェーンで緊縛するという新しい発想による工法「かご丸くん NETIS 登録番号 KK 160001 A 」を開発した。本工法の最大の特徴は陸地で機械により割栗石の中詰め作業を行い,その後クレーンで吊り設置することがで図―円筒金網かご工標準図写真―円筒金網かご工施工事例きる点にある。円筒であることとその剛性により,栗石を詰めて吊り上げても型崩れを起こさないためである。その施工工程は土を中詰めし,クレーンで吊り設置する大型土のうとほぼ同等であると言える。それにより,従来仮復旧で大型土のうを設置していた被災箇所であっても,一気に本工法で本復旧を可能としている。本工法は高さ 1 000 mm , q 900 mm の円筒金網を多段積みする構造で,高さ5.0 m 程度までの実績がある。複数個の円筒金網をチェーンで緊縛することにより安定性を確保している。図―に標準図を示す。写真―(カラー写真は口絵写真―,http://urx.nu/ bmG4 )の事例では現場が狭いため,資材置場で組立てを行い,その後トラックにより直接搬入・据付けを行った。円筒金網 130 組(正面面積 117.0 m2 )をわずか 3日で据え付けることができた。結果,水換え工の期間を短縮することができ,全体工事費の削減にも繋がった。.円筒金網補強土壁工法一方,「フォレストウォール工法」と呼ばれる工法はより小型で軽量な円筒金網(高さ600 mm,q 600 mm)図―連結部の構造を壁面材とし,チェーンを補強材とする円筒金網補強土図―壁工法である。軽量で組立てが容易である円筒金網の優チェーンの摩擦力位性を生かすため,金網に直接チェーンを取り付けず,円筒金網内の小型の支圧板にチェーンを連結することで,チェーンの持つ補強効果により円筒と締め固められた土と補強材の釣り合いを保つ工法である。円筒金網内の連結部の構造を図―に示す。補強材であるチェーンは沈下等の変位に柔軟に対応が図―でき,また,ジオテキスタイル,突起付き帯鋼等の補強円筒金網補強土壁工標準図・施工事例材に比べて引抜き試験により摩擦力が大きいことが分かっており2),大きな引抜き抵抗力を発揮することが実証欠け」に対応すべく,塩害地での仕様を開発中である。されている(図―)。そのチェーンの持つ引抜抵抗力山地と河川の復旧工法として開発した工法となるが,の大きさから,補強材の長さを短くすることができ,掘それだけにとらわれず多様化する災害復旧のニーズに応削量や盛土量を大きく減らすことができる。崩壊地の土えるべく,さらなる開発を行い,地域社会の発展に貢献工事の少なさはすなわち,早急な復旧に繋がり迅速な災していきたいと考える。害復旧に大きく寄与することができる。本工法は高さ5.0 m 程度までの実績があり,背面地山の掘削が困難な山間地の小規模崩壊や,路肩の小規模崩壊に実績がある。図―に標準図及び施工事例を示す。. お わ り に現在,円筒金網工法は高波による土砂が浸食する「浜September, 2016参考文献1)地盤工学会地震と豪雨・洪水による地盤災害を防ぐために―地盤工学からの提言―,pp. 14~15, 2007.2) 北村明洋・福田光治・木村 亮チェーンを補強材とする補強土壁の開発,地盤工学ジャーナル,Vol. 3, No. 3,pp. 273~285, 2007.(原稿受理2016.6.9)33
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  • タイトル
  • 埋設管の浮き上がり対策に関する簡易工法の検討(技術紹介)
  • 著者
  • 山口 恵美・規矩 大義
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 34〜35
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72053
  • 内容
  • 技術紹介埋設管の浮き上がり対策に関する簡易工法の検討Simpliˆed and EŠective Methods of Countermeasure AgainstUplift of Buried Pipeline due to Liquefaction山口関東学院大学恵美(やまぐち研究助手えみ)理工学部土木学系規矩大義(きく関東学院大学ひろよし)学長. は じ め に地震時の液状化によって,マンホール(以下,人孔とする)や地中埋設管の浮き上がり被害が生じることは周知の事実である。人孔の浮き上がりについて, 2003 年十勝沖地震, 2004 年新潟県中越地震の被害を受けて,図―矢板の設置断面図復旧時に採用する対策1)が示されたほか,各機関の研究によって多くの対策工法が実用化されている。一方,浮き上がりを含む埋設管(管路部)の変状については,1983年日本海中部地震の能代市における被害2)のように,古くから問題意識はあったものの,管路延長が膨大であるがゆえに,相当に重要度が高く,新設管路以外は検討が具体的な対策に至るケ-スは少なかった。ただし,大口径の下水管や導水管のように,埋戻し領域が液状化した場合に大きな浮き上がり力が作用する管路図―矢板―管路へのゴム設置図に対しては,埋戻し領域の締固めや固化といった新設時の対策に加えて,矢板やジオテキスタイル3)を用いた浮き上がり対策も採られている。このなかでも埋設管の管軸方向に矢板を打設する方法4)は,液状化した土の回り込みを抑制し,既設管路にも適用可能で有効な工法である。しかし,実際には,複数の管路が並行して敷設されていたり,輻輳しているケースは多々あり,矢板を管路の両側面に密着させて打設することは現実的に難しい。本稿では,並行した管路の浮き上がりを,できる限り低コストで抑制する方法を振動台実験で確認し,更なる低コストな方法にて,幅広図―い用途や既設の埋設管にも容易に適用可能な方法を検討振動台実験概要図したので報告したい。.矢板を用いた対策の検討. 対策概要に 1 点と,管路上下に 2 点設置したパターンを行った。. 振動台実験概要図―は並行する管路の模型と計測器の配置である。人孔や埋設管が浮き上がる際に,管路上部や側方の砂幅180 cm,奥行き30 cm,高さ60 cm の土槽を使用し,が底部に回り込むことが浮き上がり量に大きく影響する管路は樹脂製の 1 / 15 模型(管路直径 20 cm )を用いてと報告されている4),5)。そこで,図―のように矢板をいる。なお,管路の比重は1.24である。地盤材料には珪管路の縦断方向に沿って打設することによって砂の回り砂 3 号・ 5 号・ 8 号を 1  1  3 の割合で混ぜた混合砂込みを抑制し,管路の浮き上がりを低減させる効果を検(rs=2.638 g/cm3,emax=0.823,emin=0.414)を使用し証した。矢板は管路の外側に一枚ずつ設置し,一定の離た。土槽底部から 5 cm は基礎地盤(Dr=80)とし,隔をとった【矢板近接】と,管路に接触させた【矢板接それより上部を液状化層( Dr = 30 )とした。地下水触】の 2 パターンを実施した。また,砂の回り込みを位は,地表面より- 7 cm の位置としている。加振条件より一層防ぐために,矢板を接触させたものに対して,は,5 Hz の正弦波で 6 秒間,最大加速度を450 Gal に設更にゴムを取り付けた。図―に示すように,管路上部定して行った。34地盤工学会誌,―() 技術紹介図―図―重り設置断面図図―矢板による対策を施したケースの浮き上がり量重り設置図. 矢板を用いた対策の実験結果と考察図―に矢板の対策を施した実験で得られた,管路 2本の浮き上がり量を示す。対策を施した場合,浮き上がりのタイミングが若干遅れているものの,最大浮き上がり量は対策なしより大きい結果となった。特に【矢板近接】では,2 本とも浮き上がり量が大きい。これは,矢板と管路の間に隙間があるため,砂の回り込みを抑制できなかったのが原因だと考える。【矢板接触】も管路間は無対策領域となるため,砂の回り込みが起こりやすい状況となり,結果的に矢板と管路の間に隙間ができてしまった。矢板と管路の間に砂が回り込まないようにゴムを貼り付けたパターンでは,1 点接触,2 点接触ともに図―重量バランス法の浮き上がり量同程度の抑制効果が確認できた。実施工で考えると,管路上部にグラウチングを施せば可能だと考える。.簡易的な対策工の検討実験を実施し,それらの対策効果と有用性を確認した。また,更なる簡易的な対策を考案し,定性的な効果を確認することができた。今後は対策間隔や適切な重りの検矢板による対策は条件付きで有効だということが分か討等が必要である。いずれの方法も,施工場所や施工範ったが,更に簡易的で新設・既設ともに適用可能な工法囲,新設,既設といった条件によって適用可能か否かがとして,重りと紐を用いて重量のバランスをとる方法を変わってくるだろう。液状化による埋設管の被害は,地考案した。特徴としては,施工箇所の小さなエリアを,震後の復旧速度に大きく関わってくる。今後起こりうる管路の中心深度まで掘削することで施工可能であること地震に向けて,よりスピーディーな検討と対策を行うこと,重りはコンクリートガラ等で代用できることである。とが重要だと考えている。図―に設置断面図を示す。液状化前は紐に張力が掛からない状態であるが,液状化によって重りが沈み,それによって紐が管路にしっかりと接触することによって,参1)管路の浮き上がりを抑制する。実験条件は前項と同様で,重りの配置は図―に示す。図―に結果を示すが,浮き上がりを抑制していることが分かる。また,重りが重2)い方が浮き上がり量は少なくなっている。重量のバランスで浮き上がりを抑制しているため,当然の傾向である3)が,重すぎると管路のたわみが懸念されるため,更なる検討のうえ,適切な重さを選定する必要がある。しかし4)ながら,簡単な材料で有効的な対策であることが確認できた。.5)まとめと今後の展望本研究では,埋設管の浮き上がり対策について振動台September, 2016考文献国土交通省下水道地震対策技術検討委員会下水道地震対策技術検討委員会報告書「新潟県中越地震の総括と地震対策の現状を踏まえた今後の下水道地震対策のあり方」,2005.能代市能代市の災害記録―日本海中部地震 この教訓を後世に―,1984.社 農業農村整備情報総合センターパイプラインの浅埋設工法―ジオテキスタイルによる地中構造物の浅埋設工法―設計・施工・積算指針(案),2007.板藤 繁・安田 進・永瀬英生・本田直樹地中構造物の浮上りに伴う液状化砂の回り込みに関する振動台実験,第30回土質工学研究発表会,pp. 1043~1044,1995.規矩大義・福永大輔ほか液状化に伴うマンホール浮上がりメカニズムに関する振動台実験,第42回地盤工学研究発表会,pp. 1887~1888,2007.(原稿受理2016.6.9)35
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  • タイトル
  • 三河港岸壁本体工事における高圧噴射撹拌工法による地盤改良(寄稿)
  • 著者
  • 吉野 貴仁
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 36〜37
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72054
  • 内容
  • 三河港岸壁本体工事における高圧噴射撹拌工法による地盤改良Soil Improvement with High Pressure Injection Stirring Construction Method at Constructionabout Revetment Wall of Mikawa Port吉野貴仁(よしのたかひと)学生編集委員(豊橋技術科学大学)し,背後を施工基面まで埋め戻す。変位低減型深層混合. は じ め に処理工法によって仮設タイ材間の固化改良を行った後,愛知県豊橋市の三河港は日本の中央に位置し,首都圏や近畿圏をもカバーする地理的優位性を持つ物流拠点で仮設タイ材を間引き・移設し,その部分を再び深層混合処理工法によって固化改良した。ある。特に完成自動車の輸入においては, 2012 年まで深層混合処理工法での施工が困難である部分や既に固の 20 年連続全国 1 位 2015 年でも全国 10 位の取扱量を誇化改良された部分の間詰めにおいては,こちらも高圧噴っている。神野地区は三河豊橋エリアの中心となる地区射撹拌工法を採用し固化改良した。筆者はこの高圧噴射で,総面積96 ha の東地区と120 ha の西地区からなり,撹拌工法の施工現場を見学・取材させていただいた。水深- 4 m から- 12 m の公共岸壁が総延長 3 540 m 整備されている。.高圧噴射撹拌工法神野地区での完成自動車取扱台数は 2018 年には 2012高圧噴射撹拌工法は,小口径のボーリングロッドを用年の約 1.6 倍に増加することが見込まれる。しかし,三いて大きな地盤改良体が造成可能であるため,従来から河港神野 7 号岸壁の岸壁延長 720 m ( 240 m × 3 隻)に一般に狭隘な場所や既設構造物の地盤強化手段として用対して自動車運搬船に必要な岸壁延長は260 m 程度/隻いられている。この施工方法は,ボーリングロッド先端と 1 隻当たり 20 m 不足しており,船舶が着岸できないから水平方向に圧縮空気と同時に水や硬化材スラリーを状況が発生するなど,非効率な輸送を余儀なくされてい超高圧で噴射して,その運動エネルギーを用いて改良対る。象地盤を切削破壊し,切削土粒子を地上に排出するととこのたび筆者は神野地区 7 号岸壁(水深 12 m )の延伸に伴う陸上地盤改良工の施工を紹介するとともに,現場での安全管理についても報告する。図―に本工事を行う区画の外観を示す。.もに,切削部では残留土粒子と硬化材を撹拌混合して均質な固化改良体を造成するものである。高圧噴射撹拌工法では土粒子と水,硬化材スラリーを撹拌しドロドロの状態にし,圧縮空気によるリフトアップ硬化によって地上へ押し上げるため,地盤変位が小さ工事の概要いという特徴がある。また,水や硬化材スラリーなどを岸壁の施工にあたり,その手順としてまず既設護岸の超高圧で噴射しているとはいえ,ボーリングロッドは回控え工(タイ材,控え矢板)を撤去し,既設鋼矢板を自転しているため,既設の構造物や既に改良された地盤に立させる。既設矢板の前面に新設鋼矢板を海上打設する。与える影響は少ない。新設鋼矢板に仮設の控え工(タイ材間隔 3.6 m)を設置そのため本工事のように既に固化された地盤や鋼矢板への影響を抑えたい現場では法線を保つため高圧噴射撹拌工法が適している。高圧噴射撹拌工法の概念図を図―に示す。.取材時の現場の様子取材当日は本工事の概要をうかがった後,実際に高圧噴射撹拌工法で施工をしている現場を見学させていただいた。現場までには安全を確保するための足場があり,そこを通って現場へ向かった。現場ではボーリングロッドの貫入や水圧などを管理する本体 2 台体制で施工を行っていた。1 区画の改良が終わった後,次の区画に本体を移動する間にもう一方の本体を稼動させることで作業時間の無駄を省くためだそう図―36神野 7 号岸壁の外観だ。地盤工学会誌,―() 寄図―高圧噴射撹拌工法の概念図写真―稿排土ピットとはあるが,高圧噴射撹拌工法の現場を見学させていただいたのは初めてであった。先に挙げた 2 つの工法と違い高圧噴射撹拌工法は貫入するロット自体が細いため,地中の埋設物や岩などよる施工時のトラブルは少ないかと思っていたが実際に現場のかたに聞いてみるとそれでもなおトラブルは存在するようで,目には見えない地中部の工事の難しさを改めて思い知った。高圧噴射撹拌工法では,切削土粒子を地上に押し出すことで変位を低減しているが,この切削土粒子はそのままでは産業廃棄物となってしまう。しかしこの排土にも硬化材は混合されており,通常の土より強度の高いものとなっている。そのためこの現場では,あらかじめ背後の土地利用計画(コンテナヤード,野積み場等)を確認写真―改良機とクレーンの外観また,安全管理としては,現場が海辺で障害物が周囲にないことから風が強いように感じた。ボーリングロッした上で排土ピット(写真―)を掘削し,舗装を予定している部分の路床材として有効利用することを予定していた。ドを吊り下げているクレーンはかなりの高さとなり(写普段の研究活動では効果や作業時間のみを考えてしま真―),風速が高すぎると作業を中止しなければならうが,現場を見学させていただくことで,施工前の準備ない。そのため複数個所に風速計が設置してあり,安全や施工中の安全管理,施工後の廃棄物の処理についてもに施工するため,常に風速を監視していた。知見を広めることができ,研究をより一層社会に還元し. お わ り に筆者は,今までに地盤改良ではサンドコンパクションていくためには,実務に注視していくことが重要であると感じた。(原稿受理2016.5.30)パイル工法と深層混合処理工法の施工現場を見学したこSeptember, 201637
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  • タイトル
  • CIM(技術手帳)
  • 著者
  • 藤澤 泰雄
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 38〜39
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72055
  • 内容
  • 技術手帳CIMConstruction Information Modeling藤澤泰雄(ふじさわ株八千代エンジニヤリング.CIM とはやすお)技術推進本部重要な点は,構造物を従来の図面(二次元)の代わりに個別の部材ごとに形状を三次元で表現し,この形状にCIM(Construction Information Modeling)は,建築属性と呼ばれる個々の部材の物性(材料・強度・質量な分 野 に お け る BIM ( Building Information Modeling )ど)をも付加した三次元プロダクトモデルとして表現すの考え方を土木分野で利用するための考え方である。土ることである(図―参照)。木学会誌では,「これまで建設分野では,二次元の図面従来の二次元図面では,人間が図面を判別して次のアを使い,計画・調査・設計・積算・施工・維持管理といクションを起こす必要があったが,三次元プロダクトモう各フェーズで役割を分担し,個別に最適化させてきた。デルではコンピュータが,例えばある直方体がコンクこれに対して, CIM は,計画・調査・設計段階から三リート製なのか木製なのかを属性で判別可能であり,数次元モデル( Modeling )を導入し,その後の施工,維量の集計はコンピュータシステムで計算・集計すること持管理の各段階においてもそれらの三次元モデルと連携が可能となる。また,解析に利用するために形状から解させ,建設事業( Construction )で発生する情報( In-析用のモデルを作成し,各部材の自重の値を解析ソフトformation ) を ラ イ フ サ イ ク ル 全 体 で 共 有 ・ 活 用ウェアの入力データに引き渡すことなども可能となる。( Management )して建設生産性を向上させようという考え方である。」と定義されている1)。. IFC(Industry Foundation Classes)また,国土交通省では,「CIM とは,調査・設計段階建築分野では,建築構造物のプロダクトモデルの仕様から三次元モデルを導入し,施工,維持管理の各段階でが bSI ( buildingSMART International ) に よ り IFCの三次元モデルに連携・発展させることにより,設計段( Industry Foundation Classes )として策定され, 2013階での様々な検討を可能とするとともに,一連の建設生年 3 月に国際標準 ISO 16739 となった。この動きを受産システムの効率化を図るものである。三次元モデルは,けて BIM 関連のソフトウェア開発会社は, IFC に対応各段階で追加,充実化され維持管理段階での効率的な活した製品を開発しており,IFC が標準フォーマットして用を図る」2) とされており正式な定義はまだ定まってい利用され始め,各種のソフトウェア間での連携を可能とない。している。IFC は建築構造物のみを対象としているため,これを土木構造物にも拡張するための取り組みが,bSIの Infrastructure Room で開始されており, bSI の日本支部である「(一社)IAI 日本」もメンバーとして開発に協力している。現在,Infrastructure Alignment, International IFC Road & Rail, International IFC Bridges, Infra Asset Management などの策定が検討されている。. CIM のねらいCIM は,従来の調査・設計・施工・維持管理という各フェーズでの利用に留まらず,ライフサイクル全体に渡って利用されてこそ効果を発揮するものである。図―は, MacLeamy Curve と呼ばれるプロジェクトの進行によりリソース・コストがどのように変化していくかを模式的に示したものである。従来は詳細設計で細部まで決定していたものを,三次元プロダクトモデルを利用して設計の初期段階にリソースを集中し,形状や属性を決定することで,後段階での変更がなくなりコスト削減と品質向上が図られる理想的な設計プロセスとなる。こ図―38三次元プロダクトモデル(橋梁)と属性の例れをフロントローディングと呼ぶ。フロントローディン地盤工学会誌,―() 技術手帳図―図―図―図―現況地形の再現フロントローディングCIM によるデータ連携のイメージ平成26年度 CIM 試行業務事例6)いる事例も報告されている5)。もっとも一般的に利用されるのは,計画地の現況地形グでは概略設計・予備設計など上流で作成されたモデルを再現する場合で,図―はある地域を国土地理院 基をうまく活用して,その下流の施工などで必要な情報を盤地図情報 5 m メッシュ標高,衛星写真,地上レー追加していく流れが必要となる(図―)。こうしてデーザーによる点群データで現況地形を再現した例で,点群タがうまく連携していくと,プロダクトモデルはひとつを追加することで再現性が向上している。地上レーザーの大きなデータベースとして活用されるようになり,三等の登場により,より現実に近いモデルを短時間に作成次元プロダクトモデルに時間軸を入れて施工計画を表現することが可能となっている。図―は,平成 26 年度する 4D ,さらにコストを追加した 5D などへの拡張もCIM 試行業務(横浜環状南線 栄 IC, JCT (仮称))に行われている。おける事例6)で,現況地形の他,横浜環状線の道路線形.国土交通省の動き国土交通省は,平成 24年度より CIM の取り組みを開をモデル化している。.CIM のこれから始し,官主導の CIM 制度検討会,民主導の CIM 技術現状では,三次元モデルを作成できる環境は十分に整検討会を発足し,平成24年度から CIM 試行業務を,平っている。しかし,調査⇒設計⇒施工⇒維持管理という成 25年度からは CIM 試行工事を開始しており,全体で各フェーズを通した連携や各フェーズ間での協働などは,試行業務は, 56 件,試行工事は 110 件が実施されていまだ 実施 され てい ない 。平 成 28 年 度末 には ,先 導的る4)。CIM 導入ガイドラインが策定され,平成 29 年度からは平成28年度には,先導的 CIM 導入ガイドライン(トンネル,橋梁,ダム,河川,土工)が策定され,平成実施に移される予定になっており,こうした将来を見据えた取り組みが開始されることとなっている。29年度より運用が開始される予定になっている。な お , 2015 年 11 月 に 国 土 交 通 省 が 打 ち 出 し た 「 i Construction」の 3 つの柱の内「 1.ICT 技術の全面的な活用(土工)」は CIM における土工と同じ内容である。. 活 用 事 例参1)2)3)CIM では,地形,地物,計画構造物を三次元モデルで作成し,可視化,構造物同士や鉄筋の干渉チェック,数量算出などに用いられている。 CIM 試行業務におけ4)5)る効果的な活用項目として,地質モデルの活用が挙げられており4),地質のモデル化も実施されている。また,施工現場ではトンネル掘削時に地盤のモデル化を行ってSeptember, 20166)考文献6 月号編集担当委員 Team CIM: CIM って何,土木学会誌,Vol.100, No.6, pp.8~9, 2015.CIM 技術検討会 CIM 技術検討会 平成 24 年度報告,2013.Construction Users Round Table, Collaboration, Integrated Information and the Project Lifecycle in BuildingDesign, Construction and Operation, WP1202, 2004.CIM 制度検討会第 9 回 CIM 制度検討会資料,2016.(一社)日本建設業連合会 インフラ再生委員会 2015施工 CIM 事例集,2015.CIM 技術検討会 CIM 技術検討会 平成 26 年度報告,2015.(原稿受理2016.3.31)39
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  • 7. 「想定外」豪雨による地盤災害への対応と教訓(平成23年度紀伊半島大水害の実態と教訓-「想定外」豪雨による地盤災害の軽減に向けた提言-)
  • 著者
  • 深川 良一・束原 純
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 40〜45
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72056
  • 内容
  • 平成年紀伊半島大水害の実態と教訓―「想定外」豪雨による地盤災害の軽減に向けた提言―. 「想定外」豪雨による地盤災害への対応と教訓深川良一(ふかがわ立命館大学りょういち)束教授. は じ め に平成 23 年( 2011 年)台風第 12 号に伴う記録的な豪雨原純(つかはら株中央開発じゅん)関西支社長を施しておく必要がある。これが現実的な「想定外」に対する考え方と言える。研究者として,技術者として,防災と減災を考える場により紀伊半島を中心に甚大な土砂災害及び水害(通称,合には,「想定外」と言う意味を十分に念頭におき,平紀伊半島大水害)が多発した。「想定外」豪雨による地時から想定外の災害に対処する具体的な施策や予測手法盤災害に関する調査研究委員会では,紀伊半島におけるに関する研究や業務の遂行に努めることが求められてい災害地の被害状況及び災害発生メカニズムを調査研究する。るとともに,被災地の住民からの聞き取り調査結果,支援活動を通じて多くの知見を得た。本章では,一連の委. 災害形態に関する提言員会活動の成果に基づいて,行政・施設管理者及び一般.. 土砂災害住民を対象とした「提言」と言う形で,豪雨による地盤紀伊半島で発生した土砂災害は,地形や地質等により災害への対応と教訓をまとめた。. 「想定外」を考えるその形態が異なっており,深層崩壊は付加体で,大規模な土石流は火成岩体で多く見られた。さらに,累積雨量が多くなると深層崩壊が,また,累積雨量が多くなった紀伊半島大水害が発生する半年前,東北地方太平洋沖後,短時間雨量が多くなると表層崩壊と土石流が発生し地震による大災害を目の当たりにして,マスメディアでたことに加え,深層崩壊と土石流は過去から類似の条件「想定外」と言う言葉が乱れ飛んだ。その意味合いは多様であり,多くの人々により色々な解釈がなされた。「予想もできなかった」,「設計条件を超えている」,「被下で繰り返し発生していることが判明した1),2)。これらの知見から得られた行政・施設管理者への提言は以下の通りである。害のレベルが非常に大きい」,「防ぎえない規模の災害」 紀伊山地では,600 mm 以上の累積雨量となる場合は,等々の意味で用いられ,一部の報道関係者からは,施設特に付加体地質で深層崩壊が発生しやすくなる。これ管理者や,研究者,技術者の責任逃れとも解釈される場に 対 し, 火 成 岩体 地 質で は ,累 積 雨 量が 700 ~ 800合もあった。「想定外」と言う言葉に罪はないが,そのmm に達した後に 70 ~ 80 mm 以上の時間雨量により印象が悪くなり,使用を躊躇する雰囲気すら感じられた。表層崩壊,土石流が多発するようになる。このように,当委員会では,あえて「想定外」と言う用語を名称に土砂災害と降雨特性の関係は地質体にも大きく影響す用いている。それは,災害発生時には設計時等においてるため,地質体の理解をベースにしながら,気象庁方使用する外力のレベルを超えるような事態が発生する可式の土壌雨量指数やタンクモデルを用いた斜面内の水能性があることを念頭に置くとともに,研究者や技術者文状況指標の積極的な活用が望まれる。土壌雨量指数として災害に対して真摯に取組まなくてはならないと言での注意報レベルを超えた状況では,地域と連携したう自戒の念を込めたからである。構造物の設計は,一定規模の外力に対して耐えられる警戒態勢を十分にとっておく必要がある。 被災地の周辺で地すべり地形(深層崩壊跡)がある場性能を確保できるようになされる。防災施設に関しては,合は,注意が必要である。また,被害が発生した地域過去最大級の災害に耐えられる外力を設定する場合が多の周辺でも,河川上流部で河道閉塞等が発生し,洪水い。この外力のレベルは「想定内」と言え,災害の未然災害が発生する可能性もある。一方,累積雨量が多く防止を主目的とするいわゆるハード対策における考え方なった後,短時間雨量が多くなると表層崩壊と土石流となる。ハード対策では防止できない規模の災害に対しが発生しやすくなる。表層崩壊と土石流の発生場所は,ては,被害の拡大防止を目的とする,さまざまなソフト「土地条件図」や府県が人家等の保全対象がある場所対策が求められる。設計外力を超える災害が発生した場において整備している「土砂災害警戒区域」を参考に合においても,その災害の規模や発生状況が「想定外」するとともに,地域住民の経験及び伝承に基づき危険にならないように,平時から被害規模の想定及び対応策箇所を把握し,住民が被害をイメージできる「土砂災40地盤工学会誌,―() 講  座害のハザードマップ」の整備が望まれる。また,行にこだわり,被害発生のメカニズムや強度に関する検政・施設管理者はこれらのハザードマップを有効活用討を行わず被災前と同じ構造に復旧することは,特別して,地域住民への啓発及び連携を進めることが望まの理由がない限り回避するべきである。れる。 計画降雨量以上の降雨による洪水では,河川周辺の橋 斜面表層崩壊,土石流,深層崩壊等が発生した際は,梁,道路,盛土等が洪水被害を受ける可能性がある。早期復旧ができるように関係各署が土砂災害を想定ししたがって,河川周辺で道路や橋梁等を整備する際にた十分な連携体制を整えるための検討が必要である。は河川整備計画を把握した上で,現在の整備状況を踏また,災害時の緊急対応力を高めるために,行政・施まえた河川制御の限界を知り,設計外力を超える洪水設管理者と建設関連業等の民間企業との協力体制の構が発生した場合を想定した構造物の検討や事前の復旧築が望まれる。方法の検討をしておくことが望ましい。 地形・地質及び災害履歴等に基づき大規模土砂崩壊が 基本高水を超えるような洪水の影響を受ける橋梁,盛発生する可能性がある地域を抽出し,最新のモニタリ土等のうち,避難や復旧を行う際に重要となる施設にング,センシング技術等を用いて,大規模土砂災害のついては,施設の構造強化等,抜本的な対策に関する監視をし,地域住民の避難行動に移れるような体制の検討が必要である。整備を進めておくことが重要である。.. 洪水災害河川整備は,一定規模の外力に対して計画・整備され. 災害を引き起こした外力に関する提言.. 降雨ている。今回の豪雨では,計画外力以上の外力が発生し巨大台風による超過確率を超える降雨が予想される場た地域において,堤防の越流被害や堤内地に入った洪水合は,土砂災害や洪水が発生する可能性が高い。また,が堤外に戻る際の堤内側からの外力作用による被害が発累積雨量,時間雨量,地質等によって土砂災害形態が異生した。熊野川下流域の特殊輪中堤では,堤外水位減少なる可能性がある。一方,平成 26 年( 2014 年) 8 月に時において,堤内から堤外へ大量の水が流れる圧力によ京都府福知山市,兵庫県丹波市や広島市で発生した土砂り堤外側へ転倒破壊する現象が発生した3)。河川計画の災害は,局所的に短時間雨量の強い降雨によるものであ確率年を超える降雨を受けた場合には,計画高水を設計った。このような降雨に対しては,降雨予測が極めて困条件として整備された河川周辺の橋梁,盛土等が洪水被難で,局所的な降雨を捉える観測体制も十分ではないと害を受けた地域もあった。また,浸水範囲は,河川周辺言える。以上のことから行政・施設管理者への提言は以の地形や洪水履歴から判断できる浸水範囲とおおむね一下の通りである。致していた。以上の知見から得られた行政・施設管理者への提言は台風,前線等による降雨については,広域の降雨観測や降雨予測,台風の進路予想等を参考にして,あらかじ以下の通りである。めどのような災害が発生するのか,いつ避難を行うか等 河川整備によって制御できる洪水規模には限界があるタイムライン(防災行動計画)を立案しておき,災害のため,過去の洪水痕跡や洪水履歴等から住民に対し発生に備えることが重要である。一方,局所的に短時間「ここまで浸水する可能性がある」という情報や,住雨量が強い降雨(予測の難しい降雨)については,雨量民が居住している土地形成の履歴等の情報を住民に積観測及び広報する体制を強化するとともに観測の現状を極的に発信し,その土地や地域の洪水に対するリスク示し,住民が自主的に防災行動に移れるような教育を行を周知することが肝要である。う等して,災害に備えるための検討が望まれる。また, 過去に多くの氾濫経験を有する地域の住民は,その地雨量と崩壊が発生する可能性の関係及び過去の被害発生域特有の洪水特性に対しリスク軽減の知恵を有してい状況に関する知見に加え,モニタリング体制等の構築等る。行政がこれらの情報を活用することは言うまでもより,大規模崩壊が発生する時間等に関する予測手法のなく,住民自身がこれを伝承することにより,地域全開発が望まれる。体の防災力強化に生かす必要がある。.. 河川水位 河川整備は一定規模の外力に対して計画,整備されて紀伊半島南部の河川は,地形の影響を受け,急峻な斜おり,設計外力以上の外力が発生した際には洪水を完面に挟まれた谷や谷底平野を蛇行して流下している。ま全に制御することができなくなる場合がある。このこた,流域面積に対し河川幅が狭いため,降雨時には河川とを,地域住民に理解してもらうことで「想定外」の流量が急激に増加して急激な水位上昇,流速の増大が生現象が起きた際に,行政や施設管理者の対応がよりスじるという特性を有している。台風 12 号による河川災ムーズとなる。害は,参考値ながら72時間雨量で再現期間が200年から 計画規模を超える洪水時の外力作用によって生じる被5000年という豪雨1)により,設計で想定する外力をはる害軽減を可能とする治水施設の構造について,被災時かに超える外力が構造物に作用したことや,堤防の越流の復旧の容易さ,初期投資と復旧費用,被災時の社会といった現象によりもたらされたものである4)。これま的経済的影響の大きさ,維持管理費用等,総合的に判で営々と続けられてきた治水事業は,台風 12 号のよう断して検討を進めることが望まれる。特に,現状復旧な「想定外」の降雨に対し被害の低減に大きな効果を発September, 201641 講  座揮したと考えられるが,近年の降雨パターンの変化をみ島全域における洪水や土砂災害は,決して例外的なものると,近い将来に同様の降雨が発生する可能性は高く,ではない。紀伊半島が形成された時から,断続的に定期今後このような降雨に対する備えをしておくことが重要的に発生し続けて来たものであり,今後も当然発生するである。と予想される。当委員会の調査・研究成果等に基づいて,現在,検討が進められている気象観測,予報データ,豪雨による人的・物的被害を防止又は,減少させるため現地モニタリングデータ等をもとにした広域的な洪水予の活動に対する提言をまとめた。測モデルの構築と整備が望まれる。さらにこのシステム 平成 23 年台風 12 号で発生した洪水や土砂災害の発生を用いた情報の発信や避難の仕組みの構築が望まれる。個所は,過去に同様の被害が発生した場所か,近接し. 災害時緊急対応・復旧活動に関する提言た場所であることが多い。被害が発生した場所と範囲を記録することが望ましい。これは,豪雨時の危険地紀伊半島大水害では,発災直後から国及び地方自治体域の特定に有効であると考えられる。また,被災記録が災害地の状況把握,被災者の救助及び救援を開始した。を集積することは,災害発生のシナリオが想定され,当委員会の前身と言える「平成 23 年度台風 12 号による住民のより安全な避難行動計画の策定に寄与すると考地盤災害合同調査団」も,災害が発生した直後から奈良えられる。県・和歌山県・三重県の被災地を網羅的に調査し,被害 防災と減災を目的とする構造物は,設計性能に応じて状況及び被害発生メカニズムの解明を行った。ここでは,その効果に限界が存在することを改めて認識し,想定紀伊半島大水害の発生直後における緊急対応及び復旧活される外力の見直しが行われた場合は,構造物の性能動から得た教訓をまとめる。と防災効果について再評価する必要がある。また,構 災害が発生した直後は,被災状況の確認が重要である。造物が被災したのちに復旧する場合は,原形復旧を原国や地方自治体は,直ちに被害状況の把握や被災者の則とせず,被災原因を調べた上で,外力の見直しを行救助・救援等の対応を開始することは当然であるが,い,必要な性能を確保する設計,又は外力による破壊これに呼応して,民間の建設関連業界(特に,地質調の程度をあらかじめ調べておき,その影響が全体に及査・設計・測量に携わる業界)が,自主的に被害状況ぼす影響を小さくできるよう全体計画を行うことが望調査等を実施できる体制の構築が必要である。国や地ましい。また,災害査定の時間が限られていることか方自治体と各種業界の間では,「防災協定」を多く締ら,事前に被害を受けた場合の復旧方法についても整結されている。しかし,民間企業の活動は,ほとんどが官から民に対して緊急対応の要請がなされた時点か理しておく必要があろう。 災害が発生することが想定される場合は,避難勧告をら開始されていた。民間の企業や業界同志が連携して,早期に十分な時間的余裕をもって発することが望まし独自に緊急対応を開始する体制の構築が重要である。い。今回の災害では,過去の豪雨によって災害に至ら近畿地方では,地質調査業協会,建設コンサルタンツなかった経験から住民避難が適切に行われなかった事協会,測量設計協会が災害時の連携協定を結び,緊急例もあり,かりに,避難勧告が結果として不必要であ時における対応だけでなく,平時の防災訓練等においった場合(空振り)でも,「防災のための行動である」ても協力して活動する試みがなされている(CIVIL3)。と言うことを住民に認識してもらう活動が必要である。 緊急被害調査で得られた結果や緊急対応に必要な情報また,災害の種類によって異なる適切な避難場所を確を,官民問わず関係機関が諸情報を WEB 上で共有で保することも重要である。特に山間地域では,避難場きるシステム(災害関連情報データベース)の構築が所の確保が困難であるが,緊急の避難場所を道路トン望まれる。各機関で得た情報はもとより,被災地にいネルに求めることも考えられる。この場合は,車両とる関係者からの情報を逐次収集して,多様な目的で活避難住民との事故を防止する対策等を講じる必要もあ用することが可能になれば,緊急対応時における情報の混乱を防止できるとともに,情報の有効活用につながると考えられる。 緊急対応に従事した多くの人々は,防災活動に生かせる経験や情報を持っている。苦労した経験や課題を記録し,類似の災害が発生した場合に活用できるようにする必要がある。 深層崩壊,土石流が発生した現場における地質調査でる。 地域住民が親しみやすい防災訓練や楽しみながら行える防災訓練要素を取り入れたゲーム等のイベントを多く開催し,老若男女を対象とする防災教育の推進や継続的に行うことが望まれる。. 文化遺産の保全に関する提案紀伊半島には,世界遺産である「紀伊山地の霊場と参は,通常の調査とは異なる工夫や努力がなされている。詣道」がある。このような文化遺産も,平成 23 年台風この経験に基づいた,地質調査マニュアルの作成が望12 号による災害をやはり受けた。また,世界遺産を限まれる。定して保護する法律はなく,複数の法律や機関により管. 緊急対応技術に関する提案災害発生の緊急対策のためには,今回発生した紀伊半42理されている。寺社は「文化財建造物」登録を,参詣道のうち世界遺産直接指定対象区域であるコアゾーンは「史跡」登録することにより,「文化財保護法」を適用し地盤工学会誌,―() 講  座て保護されている。コアゾーンの周囲に設けられた利用去に何度も繰り返されてきており,災害に対応するため制限区域である「バッファゾーン」は,「自然公園法」・の知恵はかなり伝承されている。しかし,「まさか自分「河川法」・「関係市町村の条例」等を適用して保護されの家が被害にあうとは思わなかった」と言う声も聞かれている。また,熊野三山への参詣道で有名な「熊野古道」た。また,災害発生時における住民の防災意識は必ずしは,土砂災害が発生しやすい地域を通過している場合がも高いとは言えず,平時における防災活動も万全とは言多いうえ,史跡としてだけではなく,一般の「道」としい難かった。当委員会は,住民に防災意識を高めてももての役目も果たしており,災害復旧も迅速さが求められらい,少しでも被害を減らすために,被災地及びその周る。以上の知見より,自然災害から文化財を保全するた辺地域の住民の方々への提言を行った5)。なお,今回のめの提言をまとめた。被災地は,全人口に対する高齢者の割合が多い地域であ 紀伊半島は古くから信仰の地として存在している。特ることから,提言はできるだけ平易な文書で記述するよに熊野古道を中心とする文化遺産は「世界遺産」となう心掛けた。地域住民への提言の骨子を以下に示す。っている。世界遺産の保全(防災,危機管理を含む).. 災害はどこでも発生しうることを認識する及び活用(観光客の利用)において,一元化された管紀伊半島で発生したような大規模な斜面崩壊・土石流理システムの構築や直接世界遺産を保護するための法や洪水等の災害は,急峻な山岳地が多い日本では,いた律の制定が望まれる。るところで発生する可能性があることを,住民の方々に 文化遺産に関わる所管が複数に渡る場合は,平常時か認識してもらう。土砂災害は,地震災害とは異なり突然ら「文化遺産」であるという認識を共有するとともに,襲って来るものではないため,天気予報で大雨があるこ各ステークホルダーが文化遺産保全に関する知識を有とが分かったら,避難する必要があるか,時間的な余裕する必要がある。をもって避難できるかを考えてもらう。地域により災害 文化遺産保全には日常的な管理が必要で,定期的なモの発生する雨量は大きく異なるため,自治体等からの情ニタリングが望まれる。また,多大な労力を要する場報に注意を払い,早めに自らの判断で対応(避難)する合は,それを低減する何らかの仕組みを考える必要がことも考えてもらう。自治体は,全ての人々の状況を把ある。握しているわけではなく,さまざまな情報に基づき災害 熊野参詣道(横垣峠)や那智大滝等は,自然の景観をに対応している。したがって,災害規模が大きくなれば伴う文化遺産や自然そのものであり,事前にハザードなるほど,情報の集約が難しくなり,きめ細かな対応がを把握することができても防災対策を講じることは困できなくなることも認識してもらう。難である。そこで,災害発生前に被害状況を予測して災害シナリオを想定し,その場合の関係所管を把握し,.. 日ごろから災害に備える近所の方々とともに避難場所や避難経路を確認してお被災後の対処方法を検討しておくクライシスマネジメくことが重要である。昼間に避難する場合と,夜中に避ントが重要である。復旧に対しては,文化遺産が100難する場合では,危険の度合いが違うため,特に夜中の年, 1 000 年後に受け継がれる資産であることを念頭避難は危険であることを十分に理解して,慎重な避難行に長期的な視点に立ち,レジリエントな文化遺産保全動をとるよう心掛けるよう広報する。また,避難場所及ができるよう,検討しておく必要がある。び避難経路を確認しておいてもらう。 文化遺産防災では, A 文化遺産そのものの保全,.. 地域の防災力を高めるB 被災後の復旧の在り方, C 文化遺産を取り巻く国の「地区防災計画ガイドライン」では,防災力を向人々の安全(観光客,観光産業従事者,地域住民等)上させるためには自治体が推進する地域防災ではなく,について熟考し,それぞれ計画する必要がある。地区の住民や事業者が推進する地区防災の重要性を指摘 災害の再発生が予測される文化遺産サイトについては,している。災害発生直後は,地区住民の「自助」と「共必要なモニタリングを行うことで,防災レベルを向上助」がとても重要であり,地区の人々が協力して行動すさせることが望ましい。ることにより,減災に努めてもらう。また,災害に強い 斜面は風化等経年によって劣化し,やがて崩壊し,平地域をつくるためには,地域の方々皆で力を合わせて坦化されるものであり,そこを通る「道」を長期間保「防災まちづくり」をすることが大切である。実状にあ全することは困難である。このような特殊な形態の文わせた避難計画を地域住民自らでつくることが,地域の化遺産に対しては,古来よりそのまま残るオリジナル防災力になると考えられる。防災訓練等のイベントに参な道の物質的な価値だけでなく,その精神的な価値も加すること等により,地域の連携強化を図る。重視し,同様の石畳を用いて,同様の景観を有する新.. 被災経験を伝える設路を設定した場合にも,その価値を認めるという社災害に見舞われた地域では,防災訓練等の機会におい会的なコンセンサスが形成されることが望まれる。. 地域住民への提言平成 23 年台風 12 号による大規模な災害は,紀伊半島の広い範囲に被害をもたらした。このような被害は,過September, 2016て,被災時の経験を伝承するとともに,行政や施設の管理者にその経験を多くの人々に伝えることを積極的に行うべきである。.. 災害を逆手にとる災害は甚大な損害を人々に与えるが,災害を逆手にと43 講  座って活用することも考えるべきである。紀伊半島は,たびたび災害に見舞われている地域であるが,その結果として観光資源に恵まれている地域でもある。地域の観光産業を発展させるためにも,地域に住む方々だけでなく,観光客とも協力した避難計画が重要であり,観光促進のためにも必要なことである。災害に強い観光地は強いアピールになるとともに,防災資源の観光利用も考える価値があると考えらえる。当委員会の地域住民への提言のまとめとして,防災 5か条(土砂災害・洪水編)を設定した。防災か条(土砂災害・洪水編)◯写真―. 市民に防災に関する講習をする後委員大雨の時は,土砂崩れや洪水が起こるものと考えよう。◯災害が起きそうなときは,自治体や近所の人と協力して早めに避難しよう。◯地域に昔から伝わる防災の知恵を大切にしよう。◯災害の経験を子・孫をはじめ次の世代に確実に伝えよう。◯災害はいつどこで起こるかわからない。日ごろから用心しよう。. 地盤工学会に求められる活動「想定外」の大災害に備えて,地盤工学会に求められる活動を,当委員会の活動を通じて得た知見や経験から写真―. 地質体の特性を示すポーズをとる市民(後委まとめる。員提供).. 防災施設の合理的な設計方法と外力設定法に関する研究災害に見舞われた時に,最初に住民の生命と財産を守らせるような,市民に寄り添った活動も学会が担うべきであると考えられる。るのが防災施設である。合理的な防災施設の設計の開発当委員会でも,市民に対する被害状況の説明や,防災と,設計外力の設定方法の開発に繋がる研究が求められ活動に関する講習を奈良県・和歌山県・三重県で実施しる。また,防災施設の経年劣化等に対処するための,維た。当委員会では,奈良県十津川村と連携して,村民に持管理手法に関する研究も必要である。被害状況・地質的な背景・防災に関する研究成果等に関.. 被害予測手法に関する研究する講習を行った。防災施設のみで災害を防ぐことはほぼ不可能である。また,当委員会の後誠介委員は,被災地に密着して,災害が発生した場合を想定して,平時から準備を進める災害の素因となる地質に関する基礎的な知識を,市民にソフト対策を講じておく必要がある。ソフト対策に必要分かりやすく説明する講習を行っている(写真―.,な,被害想定技術,災害発生予測技術,被害発生時のシ写真―.)。日置和昭委員は,研究活動の一環として,ナリオ作成技術に関する研究が求められる。地方自治体と連携して研究成果の一部を,実際の防災活また,多様な被害情報等を集約し,防災活動において動で活用する試みを行っている。このような,市民に密高度に利用するシステムの開発に関する研究も望まれる。着した活動は,研究活動の成果を実際に活用する場を得.. 市民を対象とした防災活動るとともに,新たな研究目的を見出す好機ともなりうる。利害にとらわれない公平な立場で,平時から一般市民専門知識を探求し,高度かつ先進的な研究活動を行うこに防災意識の向上と,防災に必要な知恵を持ってもらうとは,学会として非常に重要であることは言うまでもなための活動が必要である。また,防災に関する研究成果い。これとともに,市民の素朴な疑問や要求に応え,様や,災害情報を科学的に分析した結果をもとに,地方自々な学識を分かりやすく説明することにより,人々の生治体と協力して,市民に防災に関する基本的な知識を平活において具体的な成果を見出す活動も重要であると考易な表現方法で伝える活動を行うことも重要である。える。また,市民が持っている被災時の経験や知識を,専門的な観点で解釈することにより,市民へその知識を有効活用できることや,場合によっては誤解であることを知44参1)考文献奈良県紀伊半島大水害の被害状況及び救援・支援活動地盤工学会誌,―() 講  座状況(全体概要),入手先< http: // www.pref.nara.jp /secure/72668/240224 gaiyou. pdf,>(参照2016.7.19)2) 深層崩壊研究会平成23年紀伊半島大水害深層崩壊のメカニズム解明に関する現状報告,奈良県,40p., 2013.3 ) 中西典明・林 和幸平成 23 年台風 12 号豪雨災害による和歌山県内の河川被害(構造物と復旧),第49回地盤工学研究発表会,pp. 1803~1804, 2014.September, 20164)平井孝治・大石 哲・飯田智之・高尾秀之・伊藤修二・三田村宗樹平成 23 年台風 12 号豪雨災害による紀伊半島豪雨による特徴,第 48 回地盤工学研究発表会, pp.2063~2064, 2013.5 ) 「想定外」豪雨による地盤災害への対応を考える調査研究委員会報告書,2016.45
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  • タイトル
  • 8. 講座を終えるにあたって(平成23年度紀伊半島大水害の実態と教訓-「想定外」豪雨による地盤災害の軽減に向けた提言-)
  • 著者
  • 深川 良一
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 46〜46
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72057
  • 内容
  • 平成年度紀伊半島大水害の実態と教訓―「想定外」豪雨による地盤災害の軽減に向けた提言―.川良立命館大学深教授講座を終えるにあたって一(ふかがわ理工学部. 本講座を振り返ってりょういち)都市システム工学科る。大規模崩壊に関しては,基本的に付加体が密接な関係を有している。付加体は著しい変形を受け,種々の岩本講座は,平成 23 年( 2011 年) 8 月 30 日から 9 月 4石から成る混在岩ができたり,断層の上面がずり上がっ日にかけて主に紀伊半島に影響を与え続けた台風 12 号た大規模な逆断層ができたりする。大規模斜面崩壊は,によって引き起こされた土砂災害について総括したものすべり面になった逆断層の破砕帯や滑り易い流れ盤の風で,以下のような 8 章からなる。化帯で起こっていることが多い。一方,大規模土石流は,第 1 章はじめに熊野酸性火成岩類(花崗斑岩)の地層で多く発生してい第 2 章平成 23 年台風 12 号による降雨特性と紀伊半ることが特徴である。基盤岩を構成する堆積岩の熊野層島の地形・地質の特徴群では,大規模土石流や表層崩壊が少なかったことは対第 3 章奈良地域の災害の実態照的な結果であった。これらは,今後の地域の斜面防災第 4 章和歌山地域の災害の実態を考える上で大きなヒントを与えることとなった。第 5 章三重地域の災害の実態第 6 章紀伊半島大水害以降の防災・減災の取り組み第 7 章「想定外」豪雨による地盤災害への対応と教訓. お わ り に本講座でも繰り返し述べてきたが,我々は自然災害の歴史をもっと知らなければならない。筆者は滋賀県在住であるが,滋賀県民の数年前までの自然災害に対する認第 8 章講座を終えるにあたって識はかなり甘いものであった。すなわち,滋賀県は自然今回の災害は,明治 22 年( 1889 年) 8 月に発生した災害の少ない恵まれた県であると思う県民が多数を占め十津川大水害の際の降雨量にも匹敵するような降雨量をていた。そういう状況の中で平成 25 年( 2013 年)に大記録したことが大きな特徴である。結果的に奈良,和歌津市南部で連続雨量300 mm に達する豪雨があり,その山,三重を中心に大きな被害がもたらされた。3 県で死際土嚢を積み上げていた男性 2 名が負傷した。これは者・行方不明者 88 名を数えたのは痛ましいことであ滋賀県では 60 年ぶりの土砂災害による被害者であるとったが,この災害から後世のための教訓を得ることが重のことだった。しかし,その 60 年前に起こった土砂災要である。害のすさまじさを知っていれば,滋賀県は自然災害の少この災害では,大規模土石流や大規模斜面崩壊が多発ない安全な県であるというような認識はおそらく生まれし,犠牲者数の拡大や地域社会への影響の長期化等に繋ていなかった。昭和 28 年( 1953 年) 8 月に現在の甲賀がった。大規模土石流や大規模斜面崩壊に対しては,防市信楽町多羅尾地区で発生した土砂災害では,多くの斜災施設等でその力を押さえ込むことは困難であり,こう面崩壊,土石流により死者44名,重軽傷者130名を数えした大規模事象の発生予測結果に基づく効果的な避難体た。制の構築が現実的な被害軽減策であろう。各地域は,地同様な話は最近の熊本地震でもあって, 1611 年の慶形地質条件が似通っている限り,降雨に対する斜面の耐長三陸地震の後, 1619 年の肥後八代地震, 1625 年の肥性がほぼ同程度であると想定できる。ただし,100年確後熊本地震と続いたパターンとの類似性が指摘されてい率を超えるような降雨は流石に希なので,その豪雨時のる。勿論たまたま類似した可能性もあるが,こういう事耐性を実際に検証できる機会は少ない。よって,今回大実があったことを知っていれば,今回の地震についても規模土石流や大規模斜面崩壊の発生する場合の降雨条件心構えが変わっていた可能性はある。をある程度絞り込めたことは重要な成果である。また,奈良,和歌山,三重 3 県における被災地における地形地質条件の解明がかなり進んだことも特徴であ46以上のような意味で,本講座で明らかになった多くの気象特性,地域特性が歴史の風雪に耐え,今後の地域防災に長く生かされていくことを心から期待したい。地盤工学会誌,―()
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  • タイトル
  • 7. 火山における防災・減災に資する最新技術動向(火山による災害特性と防災技術)
  • 著者
  • 小澤 拓・金子 隆之・千葉 達朗
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 47〜54
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72058
  • 内容
  • 火山による災害特性と防災技術.小澤火山における防災・減災に資する最新技術動向拓(おざわ国立研究開発法人防災科学技術研究所千金たく)主任研究員葉隆之(かねこ東京大学地震研究所達朗(ちば株アジア航測総合研究所. は じ め に子たかゆき)助教たつろう)技師長を用いたアクティブセンサーであることから,夜間でも地表の観測が可能であり,さらには,マイクロ波は雲を火山の周辺においては,火山活動に伴って様々な現象透過する性質を有することから,雲を透過して地表を観が生じる。火山災害の軽減においては,そのような火山測することも可能である。このような特徴から, SAR活動に伴う諸現象を詳細に観測し,それらの観測情報には,災害発生時などの緊急を要する場合に,確実に地表基づいて火山活動を的確に評価する必要がある。日本の画像を得る技術として利用されている。火山観測においいくつかの火山においては,地震や地殻変動等を精密にても,噴煙を透過して火口内部の画像が得られることか計測する観測網が構築されており,その観測データは火ら,噴火時における火口周辺の地形変化の把握に威力を山活動評価に活用されているが,その観測密度や観測項発揮している。また,異なる時間に観測された SAR 画目は,複雑な火山活動を的確に理解するためには十分で像を解析することにより,地表変動を画像のように捉えはない場合がある。そのような問題を解決する方法の一ることが可能である。この手法は SAR 干渉法と呼ばれつとして,人工衛星や航空機,UAV (Unmanned Aerialており,幅広い分野の調査・研究において活用されていVehicle )等を用いた観測に高い期待が寄せられている。る。本章においては,最近の火山観測に用いられている衛星搭載型の合成開口レーダー(SAR: Synthetic Aper-.. SAR の観測幾何SAR は人工衛星等のプラットフォームの進行方向にture Radar)や赤外画像の解析,UAV を利用した観測,対して横斜め下方向にマイクロ波パルスを繰り返し照射新たな地形計測技術についての解説を事例とともに紹介し,帯状に地表面を観測する(観測幾何を図―.(a)にする。示す)。SAR はマイクロ波の照射から受信までの経過時. 合成開口レーダー間から画素のレンジ位置を識別するのに対し,直下方向にレーダー波を照射すると,同時刻に左右からの後方散.. 概要乱波が到達するため,それらを分解できなくなるためで噴火が発生した際には,噴火口の形成や溶岩流出などある。受信したデータに SAR 処理を適用して,高空間によって,地形が大きく変化する場合がある。このよう分解能の SAR 画像を得るのだが, SAR 処理に関するな情報は,噴火状況の把握において重要であるが,噴火説明は他の文献例えば1)にゆだねることとし,本稿におい中の火口周辺の調査は容易ではない。また,火山活動のては SAR 画像の解釈に必要となる基礎に焦点を当てる。予測においては,地下でのマグマや地下水の挙動を把握SAR 処理適用後の SAR 画像には,複素形式で記述することが重要であり,その把握には地殻変動が有用なされる実部と虚部の値が二次元的に配列される(Single情報の一つとなる。一般に,地殻変動の検出には全世界Look Complex (SLC)画像と呼ばれる)。これらの値か航法衛星システム(GNSS)や傾斜計等の測地技術が用ら受信信号の強度と位相が得られる。強度は後方散乱強いられるが,火山活動に伴う地殻変動は空間的に極めて度におおよそ比例する値であり,地表面に対するマイク複雑な場合や局所的に発生する場合があり,より高密度ロ波の入射角,地表面の粗度や誘電率等が大きく寄与すな観測が必要とされている。SAR は,人工衛星や航空機などの移動体に搭載されたアンテナからマイクロ波を繰り返し照射し,そのマイクロ波が地表面で散乱してアンテナに戻ってきたマイクロ波(後方散乱波)を受信するアクティブセンサーである。受信データに空間分解能を向上させるチャープ圧縮技術,合成開口技術に関する処理( SAR 処理)を適用することにより,メートルレベルの空間分解能を有する地表画像(SAR 画像)が得られる。SAR はマイクロ波September, 2016図―. SAR 観測幾何に関する概略図47 講  座る。その中でもマイクロ波の入射角の寄与が大きく,図―.(b)に示すように,地表面の法線方向が SAR アンテナを向く斜面では強度が強く,逆側に向く斜面では相対的に弱い。つまり,強度の画像は地形をよく表すことを意味する。 SLC 画像のレンジ方向には,図―.( b )の 1 ~ 9 のように示すように, 1 回のパルス照射に対応するアンテナと画素との距離(スラントレンジ)の順に値が配列され,アジマス方向にはパルスの照射順に値が配列される。このような幾何に起因し, SAR 画像には山がアンテナ側に倒れ込むようなフォアショートニングと呼ばれるレーダー画像特有のひずみが生じる。地図座図―. (a)2011/2/1 に TerraSARX により観測された霧島山周辺の SAR 画像。白線で示す領域は,(b)~(g)に示す新燃岳火口周辺の SAR 画像の範囲を示す。観測した衛星と観測日は( b ) ALOS,標に投影した場合には,地表面の法線方向が SAR アン2011/1/18, (c)ALOS, 2011/1/27, (d)ALOS,2011/1/29, (e)ALOS, 2011/1/30, (f)TerraSARテナを向く斜面では分解能が粗く,逆側の斜面の分解能X, 2011/1/31, (g)TerraSARX, 2011/2/1は細かくなる。また,急峻な地形においては,ひずみがより大きくなり,マイクロ波が当たらない領域が生じる)。これはレーダーシャドウと呼ばれ,(図―.( b )の◯原理的にその領域は観測できない。一方,アンテナからのスラントレンジが同じ地点が複数現れる場合がある。),そのこれはレイオーバーと呼ばれ(図―.(b)の◯領域の値がどの地点からの後方散乱波であるかを分解することはできない。.. 強度画像の解析事例―年新燃岳噴火―SAR の強度画像を用いた火山調査の例として, 2011年 1 月に霧島山の新燃岳で発生した噴火に関する解析図―. SAR 干渉法による地表変動検出の概要図事例を紹介する。この噴火活動においては,3 回の準プリニー式噴火が発生した後に,火口内に溶岩が流出し,それらの位相の差はスラントレンジの差を示す値となる。火口内の地形が大きく変化した。当時,航空機による目値は-p から+p ラジアンまでの位相差で得られるため,視観測が行われ,溶岩ドームの出現が確認されたが2),位相差画像にはスラントレンジの差を示す干渉縞が現れ噴火による危険性や天候の問題等により,そのような観る。このことから,この手法は SAR 干渉法と呼ばれ,測を高頻度に実施することは困難あった。一方,本噴火得られる位相差画像は干渉画像と呼ばれる(図―.)。活動の把握を目的とした観測が,日本の陸域観測技術衛位相差をスラントレンジ変化量に変換するためには,-星「だいち」の SAR(センサー名PALSAR)やドイp 若しくは+p ラジアンにおける位相の折り返しを解決等によって行われた3) (図―.)。する位相アンラッピングを行う必要がある。位相アンラツの TerraSAR X噴火活動開始前の 1 月18日に観測された SAR 画像には,ッピングにおいては,隣り合う画素の間で位相は連続し火口中央部に火口湖を示す後方散乱強度の低い領域が見ているという仮定に基づいて処理されるが,その連続性られるが,準プリニー式噴火が発生した直後の 1 月 27が保たれていない状況においては,正しく処理されない日に観測された画像では,火口湖が消滅していたことが場合がある。これはアンラッピングエラーと呼ばれ,分かる。さらに 1 月 29 日の画像には,火口内に出現しSAR 干渉法の大きな誤差要因の一つである。SAR はマた溶岩がみられ,1 月30日,1 月31日に取得された画像イクロ波の往復の観測であるため, 2p ラジアンの位相から,その溶岩が成長していることが明らかとなった。差変化は,マイクロ波の半波長分の距離変化に対応し,特に, 1 月 30 日と 1 月 31 日の画像は TerraSAR X によアンラッピングされた位相差から,スラントレンジ変化る高空間分解能の画像であり,溶岩流出に伴って形成さ量を求めることができる。ただし,得られるスラントレれたと推測される同心円状の縞模様が見られた。その後,ンジ変化量は,画像内での相対的な値であることに注意ブルカノ式噴火が頻発するようになったが,その噴火孔する必要がある。も明瞭に判読可能であった。このように, SAR を用いスラントレンジの差は観測位置の違いや観測間に生じれば,噴火中においても火口内の様子を見ることが可能た地表変位によって生じる。観測位置の違いによる成分である。には地形に起因する成分が含まれることから, SAR 干.. SAR 干渉法渉法は数値地形モデルの作成にも用いられている。また,SAR 画像に格納される位相は,スラントレンジと地異なる時期に取得された SAR 画像について,地形及び表面における散乱様式が大きく寄与する値である。異な軌道が正確に求まっていれば,観測位置の違いによる成る時間若しくは異なるアンテナで SAR 画像が観測され分をシミュレートして除去することが可能であり,画素ている場合,各観測における散乱様式が同じであれば,の変位によるスラントレンジ変化成分を抽出することが48地盤工学会誌,―() 講  座可能である。この手法は 2 パス差分 SAR 干渉法と呼ばれる。画素の変位ベクトルが(dew dns dud),画素におけるマイクロ波の入射方向の単位ベクトルが(uew uns uud)の時, SAR 干渉法から得られるスラントレンジ変化量は , そ れ ら の 内 積 dewuew + dnsuns + duduud で 表 さ れ る(図―.)。SAR 干渉法の解析結果には,大きなノイズが重畳する場合があり,それが間違った解釈を引き起こす可能性があるので注意が必要である。大きなノイズ要因の一つは,大気圏や電離圏におけるマイクロ波の伝搬速度変化によるスラントレンジの見かけ上の変化(伝搬遅延)である。 2 つの SAR 画像を観測した時の大気や電子密度の分布が異なると,伝搬遅延の差が見かけ上のスラントレンジの変化として現れ,その大きさは10 cm を超える場合もある。ただし,比較する 2 画素についての伝搬経路が近接している場合には,大気等の状態も似ているため,伝搬遅延成分はほぼ相殺される。よって,一般には,短波長の地表変動については,高い精度で検出可能である。大気圏における遅延は,たとえ均質な大気状態であっても,そのパラメータが異なれば,地形に相関するような伝搬遅延分布が現れる。火山性地殻変動も,地図―. 2015年 8 月の桜島ダイク貫入イベントに関するPALSAR2 データを用いた SAR 干渉解析の結果。白黒の 1 サイクルの変化は位相の半サイクルの位相変化を示す。図中の矢印は衛星進行方形に相関するような形で生じる場合があり,その解釈に向(A)及びクロストラック方向(C)を示す。(a)は十分な注意が必要である。そのような成分を軽減する2015/8/102015/8/ 24。(b) 2015/7/62015/8/17。( c)2015/ 1 /4 2015/ 8/ 16 。( d) 2015/ 7/ 21ために,大気による伝搬遅延成分は地形と比例関係にあると仮定し,その比例係数を求めて伝搬遅延成分を推定する方法がよく用いられる例えば,4)。また,数値気象モデ2015 / 8 / 18 。( e ) SAR 干渉解析結果から求めた矩形開口断層モデルルから伝搬遅延量を推定して,補正する手法も用いられており5),より高精度の数値気象モデルが利用可能にな弾性体中における矩形の開口断層によって説明できるとれば,より高精度な大気伝搬遅延の補正が可能となる。仮定し, SAR 干渉法から得られた地表変動と岡田モデしかし,現状では十分な補正は難しく,干渉画像の解釈ル6)から計算される地殻変動とが整合するように,開口においては得られたスラントレンジ変化の有意性を十分断層のパラメータを推定した(図―.)。その結果,開に吟味しなければならない。口断層の南西端は昭和火口付近に求まり,その直下の海.. SAR 干渉法解析事例年桜島ダイク貫入面下 1 km より浅いところまで, 1.6 × 106 m3 のマグマ桜島では 2015 年 8 月 15 日に南岳直下付近を震源とすが貫入した可能性が示された。このように, SAR 干渉る火山性地震の発生回数が増加し,さらに山体膨張を示法を用いることにより,マグマの動きの把握において有す急激な地殻変動が観測された。この状況を調査するた用な地殻変動を得ることが可能である。め,陸域観測技術衛星「だいち 2 号」の SAR(センサー名 PALSAR 2 )による複数軌道からの観測が行われ. 衛星赤外画像による火山の観測た。それらの観測画像と 8 月 15 日以前に取得された画.. 衛星による火山の熱観測像とのデータペアに 2 パス差分 SAR 干渉法を適用して,火山は地球内部からもたらされるマグマやガスなどのスラントレンジ変化分布を求めた(図―.(e))。東上高温物質が地表へ噴出する場所であり,火山表面の熱的空からの観測データに関する解析結果では,桜島の東山状態は,その活動状況を知る上で重要な情報である。例麓に10 cm を超える顕著なスラントレンジ短縮変化が求えば,噴火の際にはマグマが地表に噴出することによっまり,西上空からの観測においては,東山麓にスラントて大きな熱異常が生ずる。一方,マグマが直接噴出しなレンジ伸長変化,山頂付近と西山麓にスラントレンジ短い場合でも,噴火に繋がる地下のマグマの動きや火口・縮変化が求まった。それぞれの干渉画像に関するマイク火道域の閉塞や開口に関係してガス放出に変化が起き,ロ波の入射方向は異なるが,おおよそ同じ方向からの観火口周辺の熱的状態が変化することもある例えば7)~9)。こ測に関する解析結果は,同様のスラントレンジ変化分布のような熱的状態は,赤外センサーによって観測するこが見られることから,それらはノイズに起因する見かけとが可能である。特に,衛星搭載型の赤外センサーによ上の変化ではなく,実際の地表変動を示す変化であるとる観測は,対象とする火山を面的にカバーできることや考えられる。次に,この地表変動は,マグマが桜島の地周期的な夜間観測が容易なこと,グローバルなリアルタ下にダイク状に貫入したことによるものと考え,半無限イム観測が行えることなどの利点がある。September, 201649 講  座.. 赤外画像による熱観測の原理物体はその表面温度に応じて,電磁波を放射する。両者の関係は下記のプランクの式によって表現される。Rl=elC1l-5…………………………(7.1)p[exp(C2/lT )-1]ここで Rl はセンサー前面での波長 l(m)おける分光放射輝度( Wm-2mm-1sr-1 ), T は温度( K ), el はターゲット表面の放射率, C1 と C2 はそれぞれ 2phc 2 ( h プラ ンク の定数 , c  光速 )か ら求 まる 3.742 × 10-16( Wm2 )と hc / k ( k ボルツマンの定数)から求まる0.0144(mK)の定数である。この式は温度が高くなる図―. (a)プランクの式による波長と分光放射輝度の関係( b )プランクの式による温度と分光放射輝度の関係ほど物体表面からの放射輝度が高くなることを示す(図―.(a))。衛星搭載型赤外画像センサーによる観測では, Rl を計測することにより,火山の熱的状態を推定する(補正等を含む詳細については,文献10),11) 等を参照)。この推定においては,太陽光の影響がない夜間画像を使うことが多い。また,式(7.1)を利用して Rl から温度 T を求めることもできる。ただし,一般に画素サイズ(数10 m~数 km)と比べて火山性熱源のスケールは小さく,画素内は高温の火山性熱源(赤熱した溶岩や噴気等)と低温のバックグラウンド(地面や冷却した噴出物表面等)で構成されることが多く,その場合に得ら図―. MODIS 夜間赤外画像で観測した浅間 2004 年噴火に伴う熱異常の時間変化(バンド203.9 mmれ る 温 度 は 見 か け の 温 度 ( pixel integrated tempera-とバンド 31  11 mm を使用)。図下の三角は地ture )となる12) 。この際,式( 7.1 )で示されるように,殻変動観測で検出されたマグマ上昇と思われる短波長赤外のバンド( 1.6 mm, 3.9 mm 等)は数 100 °Cをイベントを示す超える付近から温度に対して輝度値が急増するのに対し,熱赤外のバンド(11 mm)では,輝度値の増加は直線にとである。これはマグマの上昇に伴って,高温のガスが近く緩い(図―.(b))。したがって,短波長赤外のバ噴気として活発に放出されたためと推定される。このよンドにおいては,高温の火山性熱源が画素内に存在するうな噴火に先行する前兆的な熱異常がしばしば認められ場合,小サイズでも高い輝度値あるいは高い見かけ温度ることから例えば,15),リアルタイム観測と組み合わせるを示す13) 。一方,熱赤外では基本的に広い領域の温度ことにより噴火予測に利用できる可能性がある。(例えばバックグラウンド等)を強く反映する。.. 浅間火山年噴火の事例浅間火山の 2004 年噴火に伴う熱異常の時間変化を,. UAV による火山観測.. 火山観測における UAV の利用とその意義MODIS (Moderate Resolution Imaging Spectroradiome-火口近傍域は観測上の要となる重要な場所である。火ter )の夜間画像から求めた事例を述べる14) 。 MODIS口域の画像撮影や機器設置ができれば,遠地では捉えらは, NASA の地球観測衛星 Terra 及び Aqua 衛星に搭れない有用な情報を得ることができる。しかし,活動中載されたセンサーで, 36 バンドにより 0.4 ~ 14 mm の波の火山には,噴火の危険性があり,容易に近づくことは長域の観測を行う。それぞれのバンドの画像分解能は,できない。そこで,火口周辺の観測や被災した観測機器バンド 1 と 2 が250 m,バンド 3~7 が500 m,バンド 8の再設置のために,しばしば自律型 UAV が利用される。~ 36 が 1 km である。図―.の黒丸は 11 mm のバンド火山観測に用いられる自律型 UAV は,固定翼機と回転31 で得られた値を示し,バックグラウンドの値に相当翼機に分けられ,後者は,ガソリンエンジンを搭載したする。一方,灰色丸は 3.9 mm のバンド 20 で得られた値産業用無人ヘリコプター(以下“無人ヘリ”と略記)とを示し,その値がバックグラウンドの値より高い場合は,電気モーターを搭載したマルチコプター(いわゆるド熱異常が生じていたと考えられる。噴火開始以降,このローン)等に大別され,目的によって使い分けられる。間 3 回の熱異常のパルス( P1 ~ P3 )が見られた。図―.. 無人ヘリによる観測・機器設置・回収システ.下部の三角(D1~D4)は,GPS による地殻変動から推測されたマグマ上昇イベントを示し,これらのイベンムここでは,東京大学地震研究所が開発を進めている無トの 1~2 ヶ月後に熱異常が発生していたことが分かる。人ヘリを使った火山観測システムを紹介する16)~18)。こ最初の 2 つのパルスでは噴火が発生しているが,そののシステムは機器設置・回収,試料採取,空中からの観後は熱異常のみであった。注目すべき点は,最初の噴火測等に対応し,アクセス困難な火口近傍での観測を包括に数週間先行して熱異常(図中 A )が発生しているこ的に実現するものである(図―.)。50地盤工学会誌,―() 講  座図―. 火山観測における無人ヘリの利用事例図―. (a)地震計を組込んだ観測モジュール。(b)無人ヘリ用ウインチ装置。( c ) 2011 年に桜島に地震計を設置した時の様子。( d )空中磁気観測の様子図―. 霧島新燃岳における空中磁気観測の結果(全磁力,2011年 5 月)。図中の線は飛行経路を示す。測定範囲の中央(新燃岳北西斜面)付近がやや低い値となっている図―. 無人ヘリ RMAX G1 システム。( a )機体。( b )基地局。(c)基地局のコントロール装置む電源,伝送システムが一体化され,筐体を含む重量が5 kg に収まるように設計されている(図―.(a))。こ株 の RMAX 機体はヤマハ発動機G1 を使用する(図れらの設置・回収には,無人ヘリに装着した遠隔操作対―.)。この機体には GPS とリンクした自律型航行シ応の小型軽量ウインチを用いる(図―.(b))。無人ヘステムが搭載されており,基地局のコンピュータ上で設リで観測モジュールを目標地点上空まで運んだ後,無人定した飛行経路を約 1 m の精度で自律航行することがヘリを対地高度 50 m でホバリングさせ,リアルタイムできる。機体(図―.( a ))と基地局(図―.( b ))映像を見ながら機体とウインチを操作してモジュールをは常時通信しており,随時飛行経路の変更や機体搭載機目標地点に導入し,ワイヤーを切り離す。観測期間終了器の遠隔操作,機体カメラのリアルタイム映像の確認等後はフッキングシステムにより観測モジュールを回収すが可能である(図―.(c))。最大積載量は約10 kg,行る。図―.( c )に, 2011 年に桜島に地震計を設置した動半径は約 5 km で,1 回のフライト時間は通常 30~40時の様子を示す。分程度である。 2005 年以降,浅間山,伊豆大島,桜島,無人ヘリをプラットフォームとした観測では可視・赤三宅島,霧島新燃岳,口永良部島等でこの機体を用いた外カメラに加え,空中磁気観測装置,マルチガスセン観測が行われている。現在,大幅な性能向上を図った次サーシステム等がある。空中磁気観測では,機体磁気の世代機( FAZER)搭載用の自律システムの開発が進め影響を避けるため,磁気センサーを無人ヘリから吊下げられている。た状態で飛行し,機体下部に取り付けたロガーにデータ.. 観測及び設置システムとその観測事例を記録する(図―.(d))。図―.に2011年 5 月に霧観測や設置には,無人ヘリと組み合わせた利用を前提島新燃岳で行った空中磁気観測の結果を示す19) 。無人として開発された専用機材を用いる。現在では地震計,ヘリによる空中磁気観測は,低空飛行により浅部構造のGPS ,空震計等の専用観測モジュールが実用化されて探査が可能,多時期の観測でも同一経路上の飛行が容易いる。これらはセンサー,ロガー,太陽電池パネルを含なため時系列の精密な比較が可能といった利点がある。September, 201651 講  座. 地形計測手法の発展PC で実用的な三次元モデルを生成できるようになった26)。.. 垂直写真測量が発達してきた。収斂撮影した多数の写真さえあれば,雲仙岳1990~1995年噴火新燃岳2011年噴火1990 年 11 月に雲仙普賢岳ではじまった噴火は,徐々新燃岳 2011 年噴火では, 1 月 26 日の準プリニー式噴に水蒸気性からマグマ性に変化し, 1991 年 5 月からは火により風下の都城方面に大量の降下軽石が降下した。火口の上に盛り上がった高温の溶岩ローブが次々と崩壊その後,火口内に溶岩が蓄積し,その形状や体積の把握した。内部の気泡には高温高圧の火山ガスが含まれておが重要な課題となった。しかし,高度3 000 m まで噴煙り,斜面を落下しながら火砕流や火砕サージとなった。が到達するような爆発的噴火を断続的に繰り返しており,ま た , 降 雨 後 に は 土 石 流 と な って 下 流 で 氾 濫堆 積 し火口上空は飛行できなかった27) 。一方,マスコミなどた19) 。このような噴火開始後の火山活動状況把握におのヘリコプターによる斜め写真は多く撮影されていた。いては噴出量の把握が重要であり,精度の高い地形計測そこで,鹿児島大学の小林哲夫教授がヘリコプターからが必要である。 1990 年代において,もっとも精度が高撮影した写真の提供を受け, SfM SIFT 技術で三次元い地形計測手法は空中写真測量であった。噴火中の火口モデルを作成した。使用写真は 36 枚で,撮影位置や高上空を水平飛行して,測量用の銀塩カメラで垂直写真を度の情報は含まれていなかった。モデル生成後,赤色立撮影し,その画像を図化して 1/5 000の等高線図を作成体地図で噴火前地形と比較して標定を行い,体積計算をした20) 。完成した高度間隔2 m の等高線図に図上で 1行った(図―.)。赤色立体地図は,急斜面ほどよりcm(50 m メッシュ相当)の方眼を重ね,交点高度を読赤く,谷部ほどより暗く,尾根ほどより明るく表現したみ取りデジタル化した。同様に,森林基本図と 1/もので,微地形と大地形を同時に表現できる手法であ25 000の地形図をデジタル化して噴火前の地形を求め,る28)。それらを比較して地形変化量を求めた。さらに,塊状溶岩部と火砕流部や土石流部の地形区分を行い,砕屑物は西之島噴火 UAV による斜め写真測量父島の西150 km に位置する西之島で,2013年11月に隙間を考慮して 0.6 (空隙補正の経験値)を乗じて加え,海底噴火が確認された。位置は 1974 年噴火29) と同じ地総マグマ噴出量(DRE 換算Dense Rock Equivalent)点 で , 2015 年 末 ま で の 2 年 間 , ほ ぼ 連 続 的 に 噴 火 しとした。撮影から算出まで平均約 30 日を要した(図―た30) 。当初はコックステイルジェットを上げる海底噴.)。樹木を吹き倒して火砕流が堆積したにもかかわ火であったが,島に成長してからは火砕丘の形成と溶岩らず,地形変化量が負の値になる地点があり,樹木の影流出となった。この間,海上保安庁や国土地理院などに響のない正確な地形図の必要性を痛感した。三宅島2000年噴火2000 年 6 月 27 日の小規模な海底噴火後,山頂にカルデラが形成された21) 。カルデラは徐々に直径と深さが増し,陥没量の計測が重要であった。たびたびマグマ水蒸気噴火が発生したが,休止期間を狙い垂直写真を撮影,その後スキャンし,デジタル図化作業を行った(図―.)。これは 3D ディスプレイ上で実体視しながら等高線を描画するもので,約10日間を要した22)。.. 斜め写真計測図―. 三宅島の山頂カルデラ地形の等高線鳥瞰図22)近年,SfM (Structure from Motion)23),24)や SIFT(ScaleInvariant Feature Transform)25)などの画像処理をベースとした三次元形状復元技術や撮影位置推定技術図―. 1 m メッシュで作成した新燃岳の地形モデルに基づく赤色立体地図。溶岩表面の同心円状の図―. 雲仙岳噴火の噴出量の推移20)52しわが明瞭27)地盤工学会誌,―() 講  座表―. NHK による西之島斜め写真撮影諸元図―. 西之島の赤色立体地図(国土地理院による2015年12月 9 日の2.5 mDEM データを使用した)よって繰り返し観測が行われた31),32) 。しかし,噴火による危険のため,上陸調査はもちろん,有人機による至近距離からの撮影も困難であった。そこで,国土地理院では,たびたび父島から UAV を飛行させ SfM 手法による測量を行った33) 。最新の測量成果を図―.に示す。図―. 西之島の赤色立体地図(5 cmDEM より作成)超低空飛行 UAV による斜め写真測量5 cmDEM  NHK 提供のデジタルカメラ画像から SfM で作成2014 年 12 月から 2015 年 7 月にかけて,日本放送協会(NHK)は西之島上空に,各種無人機を自律飛行させ,噴火中の火口や流動中の溶岩を撮影した。アジア航測はこれらの膨大な画像と GPS データの提供を受け,詳細な 3D モデルを作成するとともに, DEM の比較から火砕丘の地形変化や溶岩の流動様式の検討を行った(表―.)。撮影時,一部の溶岩流は移動中であった。これらの溶岩は,火口近くのホルニトから流出する幅広いアア溶岩(図―.の a)と,海岸に近い部分に発達する枝分かれで特徴付けられる溶岩(図―.の b)の 2 タイプにわけられる。前者の溶岩の表面には溶岩じわと溶岩堤 防 が 発 達 す る 。 ま た , 6 月 29 日 と 7 月 3 日 の 5 cmDEM の地形比較から,枝分かれ溶岩の亀裂の生成や拡図―. 桜島南岳火口の赤色立体地図( 1 mDEM より作成)34)大まで確認できた。.. レーザ計測垂直空中写真や斜め写真による測量では,1 地点につき 2 枚以上の写真が必要であり,光の届かない火口底. まとめの測量は不可能であった。一方,航空レーザ計測は,火火山活動に伴う諸現象は,火口周辺に顕著に表れる場口上空を飛行する機体から真下にレーザパルスを発射す合が多く,火山活動状況の把握においては,それらの精ることにより,火口底の高度をも測定することが可能で密な計測が重要である。しかし,火口周辺の観測は,噴ある。図―.は,国土交通省大隅河川国道事務所によ火による危険性やアクセスの困難,噴煙による影響などって計測された桜島の南岳の火口付近の微地形であにより,容易ではない。また,それらを面的かつ詳細にる34)。捉える必要がある。そこで,それらの困難を解決する様レーザ計測では,樹木の隙間を通って地面に到達した々な観測手法の開発が進められている。本章では,衛星データのみを採用することで,樹木の影響を排除した詳搭載型の SAR や赤外センサーによる観測, UAV によ細な地形データを得ることができる。噴火前後のレーザる火口周辺の観測,新たな地形計測手法について紹介し計測の差分で,火口の拡大,溶岩流の体積から降下火山たが,その他にも,リモートセンシング技術を用いた火灰の厚さまで把握可能となった。しかし,レーザ計測は山ガスや噴煙の観測等,多くの研究が進められている。対地高度1 000 m 程度で行うため,終了後はまだしも,これらの技術開発によって,観測情報の精度は日々進歩噴火中の計測は危険を伴い,大きな課題の一つである。しており,現在では,重要な火山観測技術として用いらSeptember, 201653 講  座れているものも多い。また,これまで観測が困難であっ16)た情報も得られるようになりつつある。ただし,火山における防災・減災のためには,より細かな火山活動状況把握が必要であり,そのためには,より多項目かつ質の17)高い観測情報が必要とされる。そのための技術開発をさらに推進し,より精度の高い火山活動予測につなげていかなければならない。謝辞日本放送協会( NHK )には,西之島の UAV 撮影の高解像度写真と GPS データを提供していただいた。参1)2)3)4)5)6)7)8)9)10)11)12)13)14)15)54考文18)献大内和夫リモートセンシングのための合成開口レーダの基礎,東京電機大学出版局,341pp., 2004.Nakada, S., Nagai, M., Kaneko, T. Suzuki, Y., Maeno,F.: The outline of the 2011 eruption at Shinmoedake(Kirishima), Japan, Earth Planets Space, Vol. 65, No. 6,pp. 475488, 2013.Ozawa, T. and Kozono, T.: Temporal variation of theShinmoedake crater in the 2011 eruption revealed byspaceborne SAR observations, Earth Planets Space, Vol.65, No. 6, pp. 527537, 2013.藤原 智・飛田幹男・村上 亮・中川弘之, Rosen, P.A.干渉 SAR における地表変動検出精度向上のための基線値推定法と大気―標高補正,測地学会誌,Vol. 45,No. 4, pp. 315~325, 1999.小澤 拓・清水慎吾数値気象モデルを用いた SAR 干渉解析における大気遅延誤差の軽減,測地学会誌,Vol.56, No. 4, pp. 137~147, 2010.Okada, Y.: Surface deformation due to shear and tensilefaults in a halfspace, Bull. Seism. Soc. Am., Vol. 75, pp14351154, 1985.鍵山恒臣・辻浩 1986 年伊豆大島噴火の熱的前兆と現況,月刊地球,Vol. 9, pp. 435~440, 1987.Wooster, M. J. and Rothery, D. A.: Thermal monitoringof Lascar Volcano, Chile using infrared data from theAlong Track Scanning Radiometer: a 19921995 timeseries, Bull. Volcanol., Vol. 58, pp. 566579, 1997.Wooster, M. J.: Longterm infrared surveillance of Lascar volcano: contrasting activity cycles and coolingpyroclastics, Geophys Res. Lett., Vol. 28, No. 5, pp. 847850, 2001.金子隆之衛星リモートセンシングによる火山の赤外観測 , 火 山 , Vol. 50, 50 周 年 記 念 特 集 号 , pp. S223 ~S251, 2005.Harris, A.: Thermal Remote Sensing of Active Volcanoes ―A User's Manual, Cambridge Univ. Press, Cambridge, United Kingdom, 736pp., 2013.Rothery, D. A., Francis, P. W. and Wood, C. A.: Volcanomonitoring using short wavelength infrared data fromsatellites, J. Geophys. Res., Vol. 93, pp. 7993~8008,1988.Wooster, M. J. and Kaneko, T.: Satellite thermal analysis of lava dome eŠusion rate at Unzen Volcano, Japan, J.Geophys. Res., Vol. 103, No. B9, pp. 2093520947, 1998.金子隆之・高o健二・安田 敦・青木陽介MODIS 夜間赤外画像による浅間山20042005年活動の熱観測,火山,Vol. 51, pp. 273~282, 2006.Dehn, J., Dean, K., Engle, K. and Izbekov, P.: Thermalprecursors in satellite images of the 1999 eruption ofShishaldin volcano, Bull Volcanol., Vol. 64, pp. 525534,2002.19)20)21)22 )23)24)25)26 )27)28)29)30)31)32)33)34)金子隆之・大湊隆雄・小山崇夫・武尾 実・渡邉篤志・嶋野岳人・柳澤孝寿・青木陽介・安田 敦・本多嘉明自律型無人ヘリにより撮影した新燃岳の火口およびその周辺域,火山,Vol. 56, pp. 171~172, 2011.Kaneko, T., Koyama, T., Yasuda, A., Takeo, M.,Yanagisawa, T., Kajiwara, K. and Honda, Y.: Lowaltitude remote sensing of volcanoes using an unmanned autonomous helicopter: an example of aeromagnetic observation at IzuOshima volcano, JAPAN, InternationalJournal of Remote Sensing, 32, Vol. 5, pp. 14911504,2011.Koyama, T., Kaneko, T., Ohminato, T., Yanagisawa, T.,Watanabe, A. and Takeo, M.: An aeromagnetic survey ofShinmoedake volcano, Kirishima, Japan, after the 2011eruption using an unmanned autonomous helicopter,Earth Planets and Space, Vol. 64, pp. 657666, 2013.中田節也雲仙普賢岳噴火の経緯と溶岩ドームの成長,雲仙岳の火山災害―その土質工学的課題をさぐる―,土質工学会,pp. 15~27, 1993.長岡正利・熊木洋太・千葉達朗雲仙普賢岳噴火の溶岩噴出率計測と総噴出量,月刊地球号外,No. 15, pp. 60~63, 1996.中田節也・長井雅史・安田 敦・嶋野岳人・下司信夫・大 野 希一 ・ 秋政 貴子 ・ 金子 隆 之・ 藤井 敏 嗣 三 宅島2000 年噴火の経緯―山頂陥没口と噴出物の特徴―,地学雑誌,Vol. 110, No. 2, pp. 168~180, 2001.近藤 剛・藤田浩司・千葉達朗三宅島 2000 年噴火の陥没火口,写真測量とリモートセンシング, Vol. 39,No. 5, pp. 2~3, 2000.Tomasi, C. and Kanade, T.: Shape and motion from image streams under orthography: a factorization method,Int. J. Computer Vision, 92, pp. 137154, 1992.Snavely, N., Seitz, M. S., and Szeliski, R.: Modeling theWorld from Internet Photo Collections., Int. J. ComputerVision, 802, pp. 189210, 2007.Lowe, G. D.: Distinctive Image Features from ScaleInvariant Keypoints., Int. J. Computer Vision, 602, pp. 91110, 2004.内山庄一郎・井上 公・鈴木比奈子 SfM を用いた三次元モデルの生成と災害調査への活用可能性に関する研究,防災科学技術研究所報告,No. 81, pp. 37~60, 2014.佐々木寿・荒井健一・藤巻重則・山口由美子・真屋学斜め写真を用いた火山噴火時の緊急調査,平成25年度砂防学会研究発表会概要集,pp. 136~137, 2013.千葉達朗・鈴木雄介・平松孝普地形表現手法の諸問題と赤色立体地図,地図,Vol. 45, No. 1, pp. 27~36, 2007.小坂丈予日本近海における海底火山の噴火,東海大学出版会,280p., 1991.千葉達朗西之島の噴火を赤色立体地図で見る,地図中心,516, pp. 25~28, 2015.海上保安庁海域火山データベース西之島,2016.入手先〈http://www1.kaiho.mlit.go.jp/GIJUTSUKOKUSAI/kaiikiDB/kaiyo182.htm〉(参照2016.7.1)国土地理院「地理院地図」に西之島付近の噴火活動関連情報を掲載しています―3 月 3 日に撮影した西之島―,2016 .入手先〈 http: // www.gsi.go.jp / gyoumu / gyoumu41000.html〉(参照2016.7.1)飛田幹男・神谷 泉・岩橋純子・中埜貴元・高桑紀之無人航空機による西之島空中写真の撮影とその分析,国土地理院時報,125, pp. 115~124, 2014.佐々木寿・小林哲夫多時期の地理空間情報を用いた桜島火山南岳山頂火口の地形変化解析,月刊地球,総特集九州の火山地質学(2), Vol. 37, No. 5, pp. 163~168,2015.地盤工学会誌,―()
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  • 8. 講座を終えるにあたって(火山による災害特性と防災技術)
  • 著者
  • 中田 節也
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 55〜56
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72059
  • 内容
  • 火山による災害特性と防災技術.中田講座を終えるにあたって節也(なかだせつや)東京大学地震研究所. 本講座のめざしたもの測体制の変化について解説した。そこでは,気象庁が発信する噴火警報・各種予報と噴火警戒レベルなどが導入本講座を本年 4 月号から始め,この 9 月号で最終回された背景や現状,導入後の 2011 年新燃岳噴火での適となった。ここでは,火山地質学,地球物理学,測地学用例を示した。また,日本では火山防災を気象庁が担当がバックグラウンドではない地盤工学の関係者にできるすると法的に定められているため,基礎研究や技術開発だけ分かりやすいような記述を執筆担当者にお願いした。から火山活動評価・警報発令を専門家が関与して行う政特に,地盤工学に直接関係する災害の火山噴火現象やそ府機関がある諸外国の噴火予測とは大きな違いがあるこの産物がどのような特性を持つか,できるだけイメージとについても触れた。しやすいように,噴火現象,災害現場,噴出物について章においては,最新の火山観測技術について,合成の図や写真を多用して解説した。複数の章にまたがって開口レーダー観測,衛星による熱観測,無人飛行機によ重複した記述も多少あるが,繰り返しても重要な基本的るリモート観測などを紹介した。この中では,300年ぶな知識であり,前号を調べなくとも分かるようにというりにマグマ噴火を引き起こした新燃岳の噴火, 2015 年著者らの配慮であると考えていただけたら幸いである。の桜島のマグマ貫入, 2013 年から約 2 年間継続した西再掲にはなるが,全体を通して重要と思われる各章のポ之島の噴火の観測例に触れている。これらの噴火では,イントを以下に示す。衛星や無人機を用いたリモートセンシング技術が活動評章においては,火山噴火の元であるマグマが,地下価に極めて有効であったことを示した。このような技術で発生してから,地上へ移動し噴火するまでの道筋につは,遠隔地の火山噴火の観測だけではなく,観測の迅速いて解説し,噴火規模の表現法,噴火規模頻度間の規性,連続性,安全性を考えても火山監視の上ではもはや則性を述べ,噴火規模と災害規模には直接的な関係がな不可欠のものとなってきている。いことを強調した。特に,最近の日本においては大きな規模の噴火が起こっていないことを示した。. 噴火予測の複雑さ章においては,火山噴火の多様性について,マグマ,,章では,戦後最大の火山災害となった御嶽山の破砕・大気や外来水との混合・移動・堆積機構などの噴火の前兆現象とその解釈についての噴火予測や災害予側面から解説された。特に,災害に大きな被害をもたら防の難しさについて述べた。また,監視観測データからす火砕流,岩屑なだれ,カルデラ形成噴火について詳し噴火準備が整ったと思われた火山でも噴火が起こらなっく解説した。た岩手山などの例もあった。これまでの噴火予測におい章においては,国内で経験した火山災害について,ては,それぞれの火山で,直近の過去の噴火の推移や被直接的な災害の具体例と,火山泥流,地殻変動,地震,害に基づいて噴火のシナリオを想定し,災害対策を講じ津波などの二次的な災害の具体例を紹介した。さらには,る傾向があった。しかし,日本で発生した多くの噴火は火山災害の備えとして準備されているハザードマップに事前の想定とは異なっていた。例えば, 1990 ~ 1995 年ついても解説した。そこでは,社会的混乱を誘発する原の普賢岳噴火や 2000 年の三宅島噴火は,どちらも単純因としてマスコミ報道があることも指摘した。な溶岩流出という想定とは大きく異なり,それぞれ,数章においては,マグマ溜まりから地表への移動及び年も継続して発生した火砕流やカルデラ形成に引き続く噴火過程において地球物理学的に捉えられる現象につい大量の二酸化硫黄放出が起こった。地震などの自然災害て解説した。特に,火山噴火の前後に伴う地震発生や地とは異なり,長期に及ぶ火山噴火からの災害を考慮する殻変動の原理とそれらの特徴を,最近の噴火における観と,噴火の開始予測をすることよりも,一旦開始した噴測事例を交えて紹介した。これらのモニタリングによる火がどのように推移するのか,規模・継続期間・災害の噴火予測の現状と課題にも触れ,観測体制が整備されて種類を含んで予測することの方がはるかに重要である。も確実な予測までには遠い道のりがあることを述べた。幸い最近整備されている火山の防災マップやハザードマ章においては,日本の火山防災の歴史と枠組み,火ップでは,それぞれの火山の噴火履歴に基づき,考えら山の監視体制と防災情報の現状について紹介し,火山噴れる災害について網羅的に記述されている。ただし,そ火予測の現状と 2014 年の御嶽山噴火以降の火山監視観れであっても,これらのマップは一応の目安にはなるが,September, 201655 講  座記述されている以外の場所に災害が及ばないことを示しているわけではない。章で述べたように,現在では,事前にパラメータを変えた災害シミュレーションを何パターンも用意しておき,リアルタイムで監視観測される噴火情報に基づき,シミュレーション結果を必要に応じて呼び出して対応するリアルタイムハザードマップを試行する動きも出てきている。. 噴火イベントツリー図―. インドネシア北スマトラのシナブン火山で作成した噴火イベントツリー1)本講座では取り上げなかったが,噴火の推移予測については,それぞれの火山で発生する可能性がある噴火事象を網羅した噴火系統樹(イベントツリー)を準備しておくことが注目されている。図―.には,本稿を執筆時も噴火を継続している,インドネシアのスマトラ島のシナブン火山(標高 2 460 m )での噴火イベントツリーを示している1)。シナブン火山では 2010 年に水蒸気噴火が有史以来初めて発生した。一旦収束した後, 2013 年 9 月に再び水蒸気噴火が発生し,同年末には,山頂に溶岩ドームが出現した。溶岩ドームは崩落を繰り返しながら伸びて溶岩流に成長したが,その過程で多くの崩落型の火砕流を発生した(写真―.)。この噴火で 2014 年 2 月には犠牲写真―. インドネシア北スマトラのシナブン火山にお者も発生し,最高で,火山の周囲に住む約4万人が一時ける火砕流噴火(2016年 2 月撮影)的に避難した。現在でも火砕流噴火が継続し,数千人近い住民が避難している。この噴火の様子は 1990 ~ 1995も,理学的な地震発生の理解があっても災害の軽減には年に発生した雲仙普賢岳噴火の推移と酷似している。図ほとんど役立っていないことが明らかである。地震が起―.の噴火イベントツリーは雲仙普賢岳の噴火の推移こりやすい場所であることを住民が理解し,地震に備えにならって, 2013 年の噴火再開の前に著者らが作成した都市計画,建物強化を含むインフラの整備,事前の十たものである。このように噴火履歴が十分に分かってい分な避難準備と対策が伴わなければ災害の軽減には繋がない火山においても噴火イベントツリーを準備しておくらない。本講座で紹介した火山災害の特性と防災技術は,ことによって,不意打ち的な噴火災害に備えることがで災害誘因である噴火現象の理学的理解だけでなく,避難きる。インドネシアの地質庁にある火山地質災害軽減セ準備のための地質情報や監視観測に基づく情報発信までンター( CVGHM )では,この火山の 2010 年の水蒸気をカバーしている。火山災害を軽減する上においては,噴火直後に,我々と共同して行った地質調査結果に基づ想定される災害,進行しつつある災害に対してハード面きハザードマップを準備し,再噴火後はこのハザードマからの対策をとることも必要になる。特に,今後日本でップにしたがって避難対応を行った。また,火砕流によ発生が予想される規模の大きな噴火による災害軽減のたる被災場所の拡大や,山頂で成長する溶岩塊の形状や活めには,火山災害への工学的対策に強みのある地盤工学動状況に応じて,ハザードマップはバージョンアップさ会の会員の皆さんのハード対策への参加が不可欠である。れ,避難範囲もそれに基づいて変更をしてきた。本講座が皆さんの火山災害の特性についての理解が進み,このようなイベントツリーは,それぞれの火山におけ今後の対策に少しでもお役に立てることを期待する。る過去の地質調査や古文書・噴火記録をもとに,類似火山の噴火を参考にしながら作成することができる。また,事象ごとに過去の発生頻度で重みを付けることも可能であり,それに基づいて避難対策を考えることができると謝辞本講座を進める上で,地盤工学会講座委員会の皆様と編集担当者には大変お世話になりました。期待される。さらには,噴火前や噴火中の監視観測データをもとに,それぞれの系統樹の枝に当たる噴火事象への分岐を,過去の噴火や類似火山の噴火なども参考にしてリアルタイムで確率的に表現することも可能になると参1)考文献中田節也噴火シナリオと確率論的予測,火山, Vol.61, pp. 199~209, 2016.期待される。. お わ り に本講座の掲載中に起きた熊本地震の被害状況を鑑みて56地盤工学会誌,―()
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  • 会告-地盤工学会の活動分類とCPD 単位の見直しのご案内
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 57〜57
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72060
  • 内容
  • 【会告】地盤工学会の活動分類と CPD 単位の見直しのご案内会員・支部部継続教育システム委員会続的な知識と技術の幅を広げ,高い倫理観を持ち,技術地盤工学会では,“技術者が自らの専門能力を継続的に 維 持 ・ 向 上 さ せ る ” こ と を 目 的 に G CPD的に適切な判断ができるよう技術者の資質向上を支援す( Ge-otechnical Continuing Professional Development)制度るものであります。を運用しています。この制度は,個人の学習プログラムこの度,当学会の活動分類と CPD 単位について見直を支援する継続教育システム(会員サービスの一環)でし,以下のように項目を追加することになりましたのであり,当学会が主催または後援する種々のイベントへのお知らせいたします。参加,受講,発表等を通じて,地盤工学関連技術者が継表―地盤工学会の活動分類と CPD 単位の修正追加項目主形態区分本191な行学会が認証する CPD 単位事活動内容部技術会議への出席部会以外の対応各委員会・会議等支CPD 単位部支部委員会・会議等上備考限1H20/年/委員会1H10/年その他23自己学習(学会誌購読)地盤工学会誌(同左)上記,GCPD ポイントの申請方法は,以下のとおりです。[23]自己学習(学会誌購読)ポイントの付与は, G CPD web ststem のプログラム検索機能より,“学会誌購読”を選択し,そのプログ[191]技術会議への出席以外の対応ラム情報に示した方法により申込みを行っていただきまポイントの付与は,部会,各委員会・会議の委員長やす。この申込み申請は,年間一回とし,受付期間は限定議長が継続教育システム委員会(以下 CPD 委員会といさせていただきます。エビデンスとしては,ポイント申う)に申告し, CPD 委員会にてポイント付与の可否,請者がアンケート(学会誌の内容,今後学会誌へ求めるポイント数を決定します。エビデンスとしては,検討依内容)を提出することでポイントを GCPD システムへ頼の内容を後日 CPD 委員会事務局へ報告することで確反映します。なお, CPD ポイントの上限は,年間で最認いたします。ただし,その CPD ポイントの上限は,大10ポイントとします。“技術会議への出席”と合わせて 20ポイントを年間の上限とします。最後に,この見直しが会員の皆さまの自主的な学習活動の一助となることを願っております。(原稿受理September, 20162016.7.28)57
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  • 書籍紹介
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 58〜58
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72061
  • 内容
  • 書籍紹介「地盤工学におけるリスク共生」藤野陽三,曽我健一共編インフラを支える地盤,液状化や斜面崩壊など自然災理解や問題意識のエッセンスが凝縮されており,読み進害を引き起こす地盤,土壌・地下水汚染といった環境問めれば自然と地盤工学のいまを俯瞰的に捉えることがで題に関わる地盤。地盤工学は土木・建築の多様な要求にきる。応え,幾多の問題を解決することで発展してきた。では,本書は,地盤工学に関わるあらゆる立場の人が対象読地盤工学はこれまで具体的に何を成し遂げ,現在何が未者になろう。いま地盤工学を学んでいる大学生・大学院解決のまま残されているのか。未解決の課題に潜むリス生・高専生諸君は,本書を通して最新の地盤工学に触れクは一体なにか。これからの地盤工学はなにを克服し,ることができる。実務者諸氏は,現在の地盤工学技術のどこを目指すべきか。有効性と限界を把握するとともに,現状では対応が難しこのような疑問に対して,地盤工学をリードしてきたい課題やリスクのありかを認識することができよう。研シニアの研究者と,いま正に活躍する中堅の研究者が,究者や技術開発者には,今後,地盤工学の分野で取り組それぞれの専門の立場から最重要と考える課題やそれにんでいくべき研究開発課題のヒントが散りばめられてい対する取り組み,今後の展望を説明したのが本書である。る。なお,幾つかの章は地盤工学の範疇を超えて,より本書を構成する全11章の題目と執筆者は以下である。広い土木や防災のトピックを提示しており,単純に読み物としても興味深く読み進められるはずだ。 1河川堤防の整備におけるリスク(高橋章浩) 2造成宅地地盤の地震災害リスク(風間基樹)四六判,240頁,本体2 200円+税 3交通地盤工学におけるリスク低減(早野公敏)発行所鹿島出版会 4鉄道土構造物の地震時挙動と液状化リスク(古発行日2016年 6 月20日関潤一)ISBN9784306024793 5次の次の大地震に備えて(石原研而) 6土構造物の耐震設計の意義・方法・経緯(龍岡文夫) 7地盤環境リスクと発生土問題への対応(勝見武) 8福島第一原発の汚染水対策におけるリスク評価および低減対策(大西有三) 9自然災害安全性指標( GNS )の開発の試み(日下部治) 10地盤工学におけるモニタリングの重要性(曽我健一)11地盤工学におけるリスク共生のための PR の役割(嘉門雅史)地盤工学の分野で,これほどリッチな執筆者,内容の書籍はこれまでになかった。各章は 15 ~ 20 頁程度と非常にコンパクトで,地盤工学の各分野に対する執筆者の58(横浜国立大学大学院菊本統)地盤工学会誌,―()
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  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 59〜59
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72062
  • 内容
  • 新正大 里畠 山松 本渡 部高 野諸 星木佐貫有 元  本古 川守 屋石 川白 鳥福 岡森油 谷小 倉稲 澤宇都本西 脇長 尾西 本右 近橋 口永 吉松 o秀潔俊芽勲貴 史薫勇 佑寛航 希朋 久直 人正 平優 志翔太郎捷 二芳 徳彬 博教 弘知 洋彰 夫則 之遥 奈顕雄 大昭 彦功 治裕 太会September, 2016会員(7 月理事会承認)学員株 大林組札幌支店株 ドーコン株 イーエス総合研究所株 ダイエツ株 グランテック株アップコン(国研)土木研究所株鹿島建設群馬工業高等専門学校株興亜開発国土交通省株 テムロ株 不動テトラ中央大学国土交通省国土技術政策総合研究所株東日本旅客鉄道中部土質試験協同組合株緑商事株 鴻池組西脇総合鑑定合同会社株内外エンジニアリング株 ソイル・ブレーン株大日本コンサルタント株日本地研入岡 崎山 本長 谷釣 部渡 辺遠 藤横 島佐 藤狩 野小 谷仲当流谷平 野堀小 竹野 中大 西三 浦甲斐田田 中藤 原遠 藤啓一朗竜 也祐 暉実 佳丈 裕亮克 樹完圭 喬健 太祐 亮啓 一瑛 祐匡 佑亮 太慎 介祐 哉輝 之葉 丞栄 一将 真圭 吾生会員中央大学中央大学筑波大学大学院筑波大学大学院群馬大学群馬大学群馬大学群馬大学中部大学大阪産業大学大阪産業大学大学院九州大学長崎大学大学院九州大学特別会株級 関西エアポート株級 児玉コンクリート工業株 東成会級 東武建設員( )所属支部(関西)(関東)(関東)59
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  • 編集後記
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 60〜60
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72063
  • 内容
  •     ◆編集後記◆地盤リスクに関する契約管理の重要性について認識させられ本号は,「海外工事における地盤工学の現状と課題」と題ました。また,いくつかの事例の紹介から,国や地域によりして特集を組みました。今後国内の建設市場は縮小することそれぞれ異なる課題があることや,現地での技術レベルのが想定され,建設業界として海外工事にこれまで以上に積極差・地盤工学に関わる意識の相違などが再認識され,これら的に取り組む必要があるように感じられます。また,多くのについても情報・経験を蓄積していくことの大切さが感じら自然災害・狭隘な地形などの諸条件により先進的に進歩してれます。総説の最後にまとめられているように,地盤リスクきた我が国の建設技術・経験を,途上国を始めとした国外でのデータベース構築や情報共有化のために学会が中心的役割有効に活用していくことは,国際的に非常に有用であると思を果たすことが期待されていると強く感じます。最後になりわれます。そういった中で,本号の特集では,海外工事におましたが,本号の発刊にあたり快く執筆をお引き受けいただける地盤工学に関する現状・課題が整理され,今後の海外建いた著者の皆様,ご協力いただいた皆様に,心より御礼申し設工事の際の非常に有益な情報となるでしょう。特に,契約上げます。(金子賢治記)の課題についての記述が多く見受けられ,技術のみでは無く,※印は公益出版部会構成員平 成  年 度 役 員会理長事監事村 上章副 会 長大 谷順古(事業企画戦略室)本 多眞(*)(総務部)宮 田 喜 壽(*)浜 田(会員 ・ 支部部)田 中 耕太郎(*)田 中(国際部)勝 見武(*)(公 益 出 版 部)渦 岡 良 介(*)※  橋(調査 ・ 研究部)山 下聡(*)西 村(基準部)松 本 樹 典(*)仙 頭松 下 克 也西 田 耕 一屋弘英 治真 弓古関小 高廣 岡潤一※猛 司明 彦中村裕昭章 浩※伸 一紀 明(*)室長,部長平 成年 度 公 益 出 版 部 会理事・部長理事部員渦 岡 橋鈴 木越 村良 介章 浩健一郎賢 司理事・副会長野榎田 利本 忠古弘夫菊関潤池一喜昭伊藤和也渡邉康司杉本映湖平成年度「地盤工学会誌」編集委員会委員長企画・編集グループ 橋 章 浩※副委員長 鈴 木 健一郎※主査 福 永 勇 介委員 浅 野 将 人石 川 敬 祐木 内田 中 大 司西 村聡松 澤学生委員 朝 倉 さや香阿 部 龍 矢遠 藤中野渡 博 道万 代 俊 之盛主査 正 田 大 輔委員 大 竹雄阪 田暁高 橋主査 長 澤 正 明委員 大 塚 隆 人金 子 賢 治木 元主査 野 村 英 雄委員 柏尚 稔北 出 圭 介清 水主査 野 原 慎太郎委員 鎌 田 敏 幸倉 田 大 輔酒 井委員長 野 田 利 弘委員兼幹事 谷 川 友 浩小 林 浩 二委員 秋 本 哲 平飯 島 功一郎稲 積島 田篤戸 邉 勇 人中 村松 丸 貴 樹森 下 智 貴山 崎第 1 グループ第 2 グループ第 3 グループ第 4 グループ講座委員会大介真圭 吾健太郎京松木川村戸裕之聡隆之祐久森児寛行竹内秀克野々村敦子小百合小林孝彰富陽太智明原弘行森友宏崇之山口健治真 哉邦 彦貴 之金畠子崇郎一俊成健酒福保田玉樫匂田博年 一真乃介田渡鈴久邉木彩勉諭華澤藤村 康澤 和生謙平成年度「Soils and Foundations」編集委員会委員長菊池 喜昭※ 副委員長委員長三村衛小高 猛司渦岡良介※宮田喜壽平成年度「地盤工学ジャーナル」編集委員会名誉会員特別会員副委員長伊藤和也※岸田潔会員現在数(平成28年 6 月末現在)148名(国際会員113名含む) 正会員 7,348名(国際会員1,003名含む) 学生会員 698名869団体(国際会員45団体含む) 合計 9,063名・団体会費(年額)正会員 9,600円 学生会員 3,000円 国際会員(特別もしくは正会員に限る)2,000円 特別会員特級 300,000円,1 級 240,000円,2 級 160,000円,3 級 100,000円,4 級 60,000円Soils and Foundations 購読料(会員に限る)12,000円(Online 版ライセンス+冊子版)または8,000円(Online 版ライセンスのみ)地盤工学会誌平成28年 9 月 1 日発行編集発行所公益社団法人2016 地盤工学会60定価1,728円(本体価格1,600円) 無断転載2016年 9 月号 Vol.64, No.9 通巻704号株「地盤工学会誌」編集委員会印刷所 小宮山印刷工業編集業務代行地盤工学会有 新日本編集企画を禁ずる郵便番号  東京都文京区千石丁目番号電話 (代表)郵便振替 FAX ホームページ URL https://www.jiban.or.jp/Email jgs@jiban. or. jp広告一手取扱株廣業社〒 東京都中央区銀座丁目番号電話 地盤工学会誌,―()
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  • 平成28年度役員等
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 60〜60
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72064
  • 内容
  •     ◆編集後記◆地盤リスクに関する契約管理の重要性について認識させられ本号は,「海外工事における地盤工学の現状と課題」と題ました。また,いくつかの事例の紹介から,国や地域によりして特集を組みました。今後国内の建設市場は縮小することそれぞれ異なる課題があることや,現地での技術レベルのが想定され,建設業界として海外工事にこれまで以上に積極差・地盤工学に関わる意識の相違などが再認識され,これら的に取り組む必要があるように感じられます。また,多くのについても情報・経験を蓄積していくことの大切さが感じら自然災害・狭隘な地形などの諸条件により先進的に進歩してれます。総説の最後にまとめられているように,地盤リスクきた我が国の建設技術・経験を,途上国を始めとした国外でのデータベース構築や情報共有化のために学会が中心的役割有効に活用していくことは,国際的に非常に有用であると思を果たすことが期待されていると強く感じます。最後になりわれます。そういった中で,本号の特集では,海外工事におましたが,本号の発刊にあたり快く執筆をお引き受けいただける地盤工学に関する現状・課題が整理され,今後の海外建いた著者の皆様,ご協力いただいた皆様に,心より御礼申し設工事の際の非常に有益な情報となるでしょう。特に,契約上げます。(金子賢治記)の課題についての記述が多く見受けられ,技術のみでは無く,※印は公益出版部会構成員平 成  年 度 役 員会理長事監事村 上章副 会 長大 谷順古(事業企画戦略室)本 多眞(*)(総務部)宮 田 喜 壽(*)浜 田(会員 ・ 支部部)田 中 耕太郎(*)田 中(国際部)勝 見武(*)(公 益 出 版 部)渦 岡 良 介(*)※  橋(調査 ・ 研究部)山 下聡(*)西 村(基準部)松 本 樹 典(*)仙 頭松 下 克 也西 田 耕 一屋弘英 治真 弓古関小 高廣 岡潤一※猛 司明 彦中村裕昭章 浩※伸 一紀 明(*)室長,部長平 成年 度 公 益 出 版 部 会理事・部長理事部員渦 岡 橋鈴 木越 村良 介章 浩健一郎賢 司理事・副会長野榎田 利本 忠古弘夫菊関潤池一喜昭伊藤和也渡邉康司杉本映湖平成年度「地盤工学会誌」編集委員会委員長企画・編集グループ 橋 章 浩※副委員長 鈴 木 健一郎※主査 福 永 勇 介委員 浅 野 将 人石 川 敬 祐木 内田 中 大 司西 村聡松 澤学生委員 朝 倉 さや香阿 部 龍 矢遠 藤中野渡 博 道万 代 俊 之盛主査 正 田 大 輔委員 大 竹雄阪 田暁高 橋主査 長 澤 正 明委員 大 塚 隆 人金 子 賢 治木 元主査 野 村 英 雄委員 柏尚 稔北 出 圭 介清 水主査 野 原 慎太郎委員 鎌 田 敏 幸倉 田 大 輔酒 井委員長 野 田 利 弘委員兼幹事 谷 川 友 浩小 林 浩 二委員 秋 本 哲 平飯 島 功一郎稲 積島 田篤戸 邉 勇 人中 村松 丸 貴 樹森 下 智 貴山 崎第 1 グループ第 2 グループ第 3 グループ第 4 グループ講座委員会大介真圭 吾健太郎京松木川村戸裕之聡隆之祐久森児寛行竹内秀克野々村敦子小百合小林孝彰富陽太智明原弘行森友宏崇之山口健治真 哉邦 彦貴 之金畠子崇郎一俊成健酒福保田玉樫匂田博年 一真乃介田渡鈴久邉木彩勉諭華澤藤村 康澤 和生謙平成年度「Soils and Foundations」編集委員会委員長菊池 喜昭※ 副委員長委員長三村衛小高 猛司渦岡良介※宮田喜壽平成年度「地盤工学ジャーナル」編集委員会名誉会員特別会員副委員長伊藤和也※岸田潔会員現在数(平成28年 6 月末現在)148名(国際会員113名含む) 正会員 7,348名(国際会員1,003名含む) 学生会員 698名869団体(国際会員45団体含む) 合計 9,063名・団体会費(年額)正会員 9,600円 学生会員 3,000円 国際会員(特別もしくは正会員に限る)2,000円 特別会員特級 300,000円,1 級 240,000円,2 級 160,000円,3 級 100,000円,4 級 60,000円Soils and Foundations 購読料(会員に限る)12,000円(Online 版ライセンス+冊子版)または8,000円(Online 版ライセンスのみ)地盤工学会誌平成28年 9 月 1 日発行編集発行所公益社団法人2016 地盤工学会60定価1,728円(本体価格1,600円) 無断転載2016年 9 月号 Vol.64, No.9 通巻704号株「地盤工学会誌」編集委員会印刷所 小宮山印刷工業編集業務代行地盤工学会有 新日本編集企画を禁ずる郵便番号  東京都文京区千石丁目番号電話 (代表)郵便振替 FAX ホームページ URL https://www.jiban.or.jp/Email jgs@jiban. or. jp広告一手取扱株廣業社〒 東京都中央区銀座丁目番号電話 地盤工学会誌,―()
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  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • 60〜60
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72065
  • 内容
  •     ◆編集後記◆地盤リスクに関する契約管理の重要性について認識させられ本号は,「海外工事における地盤工学の現状と課題」と題ました。また,いくつかの事例の紹介から,国や地域によりして特集を組みました。今後国内の建設市場は縮小することそれぞれ異なる課題があることや,現地での技術レベルのが想定され,建設業界として海外工事にこれまで以上に積極差・地盤工学に関わる意識の相違などが再認識され,これら的に取り組む必要があるように感じられます。また,多くのについても情報・経験を蓄積していくことの大切さが感じら自然災害・狭隘な地形などの諸条件により先進的に進歩してれます。総説の最後にまとめられているように,地盤リスクきた我が国の建設技術・経験を,途上国を始めとした国外でのデータベース構築や情報共有化のために学会が中心的役割有効に活用していくことは,国際的に非常に有用であると思を果たすことが期待されていると強く感じます。最後になりわれます。そういった中で,本号の特集では,海外工事におましたが,本号の発刊にあたり快く執筆をお引き受けいただける地盤工学に関する現状・課題が整理され,今後の海外建いた著者の皆様,ご協力いただいた皆様に,心より御礼申し設工事の際の非常に有益な情報となるでしょう。特に,契約上げます。(金子賢治記)の課題についての記述が多く見受けられ,技術のみでは無く,※印は公益出版部会構成員平 成  年 度 役 員会理長事監事村 上章副 会 長大 谷順古(事業企画戦略室)本 多眞(*)(総務部)宮 田 喜 壽(*)浜 田(会員 ・ 支部部)田 中 耕太郎(*)田 中(国際部)勝 見武(*)(公 益 出 版 部)渦 岡 良 介(*)※  橋(調査 ・ 研究部)山 下聡(*)西 村(基準部)松 本 樹 典(*)仙 頭松 下 克 也西 田 耕 一屋弘英 治真 弓古関小 高廣 岡潤一※猛 司明 彦中村裕昭章 浩※伸 一紀 明(*)室長,部長平 成年 度 公 益 出 版 部 会理事・部長理事部員渦 岡 橋鈴 木越 村良 介章 浩健一郎賢 司理事・副会長野榎田 利本 忠古弘夫菊関潤池一喜昭伊藤和也渡邉康司杉本映湖平成年度「地盤工学会誌」編集委員会委員長企画・編集グループ 橋 章 浩※副委員長 鈴 木 健一郎※主査 福 永 勇 介委員 浅 野 将 人石 川 敬 祐木 内田 中 大 司西 村聡松 澤学生委員 朝 倉 さや香阿 部 龍 矢遠 藤中野渡 博 道万 代 俊 之盛主査 正 田 大 輔委員 大 竹雄阪 田暁高 橋主査 長 澤 正 明委員 大 塚 隆 人金 子 賢 治木 元主査 野 村 英 雄委員 柏尚 稔北 出 圭 介清 水主査 野 原 慎太郎委員 鎌 田 敏 幸倉 田 大 輔酒 井委員長 野 田 利 弘委員兼幹事 谷 川 友 浩小 林 浩 二委員 秋 本 哲 平飯 島 功一郎稲 積島 田篤戸 邉 勇 人中 村松 丸 貴 樹森 下 智 貴山 崎第 1 グループ第 2 グループ第 3 グループ第 4 グループ講座委員会大介真圭 吾健太郎京松木川村戸裕之聡隆之祐久森児寛行竹内秀克野々村敦子小百合小林孝彰富陽太智明原弘行森友宏崇之山口健治真 哉邦 彦貴 之金畠子崇郎一俊成健酒福保田玉樫匂田博年 一真乃介田渡鈴久邉木彩勉諭華澤藤村 康澤 和生謙平成年度「Soils and Foundations」編集委員会委員長菊池 喜昭※ 副委員長委員長三村衛小高 猛司渦岡良介※宮田喜壽平成年度「地盤工学ジャーナル」編集委員会名誉会員特別会員副委員長伊藤和也※岸田潔会員現在数(平成28年 6 月末現在)148名(国際会員113名含む) 正会員 7,348名(国際会員1,003名含む) 学生会員 698名869団体(国際会員45団体含む) 合計 9,063名・団体会費(年額)正会員 9,600円 学生会員 3,000円 国際会員(特別もしくは正会員に限る)2,000円 特別会員特級 300,000円,1 級 240,000円,2 級 160,000円,3 級 100,000円,4 級 60,000円Soils and Foundations 購読料(会員に限る)12,000円(Online 版ライセンス+冊子版)または8,000円(Online 版ライセンスのみ)地盤工学会誌平成28年 9 月 1 日発行編集発行所公益社団法人2016 地盤工学会60定価1,728円(本体価格1,600円) 無断転載2016年 9 月号 Vol.64, No.9 通巻704号株「地盤工学会誌」編集委員会印刷所 小宮山印刷工業編集業務代行地盤工学会有 新日本編集企画を禁ずる郵便番号  東京都文京区千石丁目番号電話 (代表)郵便振替 FAX ホームページ URL https://www.jiban.or.jp/Email jgs@jiban. or. jp広告一手取扱株廣業社〒 東京都中央区銀座丁目番号電話 地盤工学会誌,―()
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  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • A1〜A9
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72066
  • 内容
  • ■ お知らせ開催期日締切月日10月 3 日10月 3 日内容開催場所平成28年(2016年)熊本地震による被災会員への支援について「平成28年度地盤工学会賞」候補募集要項「平成28年度地盤工学会出版賞」候補募集要項掲載ページ2P東京7 月号2P2P■ 論文・原稿募集開催期日締切月日10月14日行事名開催場所掲載ページ「地盤工学会誌」への概要原稿公募テーマ「地盤構造物のメンテナンスとリニューアル」3P■ 催し物開催期日締切月日28年 9 月13日~16日28年 9 月13日9月9日28年 9 月30日28年10月20日行事名開催場所第51回地盤工学研究発表会“サロン・土・カフェ W”のご案内「防災・環境・維持管理と地形地質講習会」「落石対策工の設計法と計算例講習会」28年10月25日28年11月 4 日「杭基礎のトラブルとその対策講習会」28年12月 8 日「地盤・耐震工学入門講習会」講習会「液状化解析実務講座」掲載ページ岡山3P岡山4PJGS 会館JGS 会館4PJGS 会館JGS 会館5PJGS 会館5P開催場所掲載ページ4P5P■ 支部からのお知らせ支部名開催月日北海道支部 28年10月 3 日28年10月11日締切月日9 月30日北 陸 支 部 28年10月 7 日関 東 支 部 28年10月21日行事名「斜面の凍上対策の調査・設計法に関する講習会」開催のお知らせ北札見幌「第13回地盤調査法講習会」開催のお知らせ新潟東京前号3P5P8 月31日第13回地盤工学会関東支部発表会(GeoKanto2016)11月25日平成28年度28年10月15日9 月16日平成28年度「市民見学会」『中部の断層を観察しようセメント工場と道路建設現場を見学しよう』名古屋6P関 西 支 部 28年 9 月25日9 月16日平成28年度市民特別講演会「滋賀県防災講演会」彦根6P9 月22日南海トラフ巨大地震に備えて ~南海トラフ地震に関する被害予測と防災対策研究委員会 成果報告会~大阪7P中部支部28年 9 月29日28年10月21日~22日28年10月22日4 月号4P6P地盤工学会関東支部賞の募集9 月27日日中地盤工学技術交流会平成28年度 ふるさと地盤診断ウォ-ク 奈良公園コース平成28年度 ふるさと地盤診断ウォ-ク 淀川コース奈良7P28年11月12日10月14日10月31日大阪7P中 国 支 部 28年 9 月16日9月9日平成28年度第 1 回ジオテクセミナー松江8P四 国 支 部 28年10月 7 日9 月30日高松8P愛媛28年11月17日,18日九州支部「防災・環境・維持管理と地形地質」講習会のご案内9 月30日平成28年度論文募集10月 3 日7P中国 上海地盤工学会四国支部技術研究発表会前号3P平成28年度地盤工学会九州支部技術賞(団体の部)候補募集前号4P10月 3 日平成28年度地盤工学会九州支部技術賞(個人の部)候補募集前号4P10月 3 日平成28年度地盤工学会九州支部貢献賞候補募集前号4P■ 共催・協賛・後援開催期日締切月日行事名開催場所掲載ページ28年 8 月31日,9 月 1 日,13日,14日平成28年度 KAST 教育講座「計算力学の基礎コース」川崎7 月号5P28年 9 月 5 日~7 日28年 9 月12日~14日平成28年度工学教育研究講演会第54回粉体に関する討論会吹田7 月号前号5P北海道― 1 ―4P 開催期日締切月日行28年 9 月15日28年 9 月16日,17日28年 9 月17日事開催場所大阪第 8 回土砂災害に関するシンポジウム福岡6 月号5P岡山前号4P7 月号前号7P悩み聞きます・答えます」28年 9 月28日~30日28年10月11日~14日地盤改良技術展2016第 2 回材料 WEEK東京京都28年10月13日28年10月17日~19日平成28年度 TRD 工法協会技術セミナー東京第36回地震工学研究発表会石川28年10月27日,28日28年11月 1 日,2 日第12回地盤改良シンポジウム京都ハイウェイテクノフェア2016東第31回高速度イメージングとフォトニクスに関する国際会議31st International Congress on High-Speed Imaging and Photonics第31回ジオシンセティックスシンポジウム28年11月 7 日~10日28年12月 1 日,2 日29年 1 月10日~12日掲載ページ第49回(平成28年度)研究発表会市民向け講演会・相談会「地盤と住宅のトラブル 教えます8 月25日名第14回岩の力学国内シンポジウム8P5P8P9P5P京3 月号前号大阪6 月号7P福井庫7 月号6 月号5P兵5P5P■ その他開催期日締切月日行10月31日事名開催場所茨城大学工学部教員公募日掲載ページ立9P■ 国際会議・IS 等の開催予定開催期日行28年 9 月12日29年 9 月17日~22日事名第 6 回日韓地盤工学ワークショップ第19回国際地盤工学会議開催地岡ホームページ山韓国 ソウル http://www.icsmge2017.org/地盤工学会ホームページ(https://www.jiban.or.jp/)に,会告及び最新出版案内が掲示されていますのでご覧ください。国際地盤工学会ホームページ(http://www.issmge.org/)地盤工学会の本部及び支部の所在地は本号会告の10ページをご参照ください。■お知らせお知らせ平成年(年)熊本地震による被災会員への支援について公益社団法人地盤工学会この度,4 月14日以降に継続して発生しております熊本地震により被災された会員とご家族そしてその関係者の皆様に,謹んでお見舞い申し上げます。地盤工学会では,今回の地震により被災された会員への支援として,地盤工学会規則第 14 条 3 項の規定に基づき,平成 28年度会費を免除することにいたしました。被災された会員の方は下記の要領でお申し込みください。なお,会費の減免については理事会の決定を得て,当学会よりご連絡いたします。記. 会費免除対象者と免除する会費正会員(個人) 年会費9 600円学生会員年会費3 000円国際会員正会員(個人)年会費 9 600 円のほかに国際会費2 000円申込み方法被災された会員の方は,被災状況,会員種別,会員番号,住所・氏名を記入し,文書, FAX または E mail で学会事務局にご連絡ください。なお,すでに平成 28 年度会費をお支払い済の方は,その取扱い( 29 年度会費に充当等)についてのご希望も併せてお知らせください。. 申込み先〒― 東京都文京区千石――地盤工学会 調査基準・技術推進チーム 会員係――電話―― FAXEmailkaiin@jiban.or.jp【参考】公益社団法人地盤工学会規則(第14条)3. 激甚災害により被災した会員については,当該年度会費の減免,もしくは次年度会費の減免を行うことができる。会費減免の可否は総務部と連携し,会員・支部部の審議に基づき理事会で決定する。.「平成年度地盤工学会出版賞」候補募集要項公益社団法人地盤工学会平成 28 年度より 2 年ごとで,地盤工学の発展あるいは普及に貢献した出版物を対象とし,その著者を表彰いたします。地盤工学会表彰規程により,下記のとおり募集いたしますので,奮ってご応募ください。応募の形式推薦とし,自薦・他薦を問いません。なお,受賞候補者は会員・非会員を問いませんが,推薦者は審― 2 ―本学会の会員に限ります。また,推薦にあたり,次の点にご留意ください。1) 推薦書には必ず推薦対象出版物を 3 冊(3 部)添えてください。(審査終了後に返却しますが,受賞出版物につきましては 1 冊(1 部)を寄贈してください)2 ) 審査にあたり,必要な場合には,資料の追加提出を求めることがあります。査審査は,表彰委員会内規に則り,表彰委員会で行い,理事会で決定します。 発表受賞決定の場合には,推薦者に通知します。また,地盤工学会誌・ホームページでも発表します。授賞第 59 回通常総会(平成 29 年 6 月開催予定)において行い,受賞者に賞状を贈ります。応募締切日平成年月日(月)時。提 出 先封筒等の表に,「地盤工学会賞出版賞応募書類」と明記のうえ下記へ,直接持参,宅配便,書留のいずれかで提出してください。〒 東京都文京区千石四丁目番号(公社)地盤工学会 表彰委員会事務局 宛電話―― FAX――推薦書の用紙ホームページからダウンロードしてください。出版物の候補対象■論文 ・ 原稿募集「地盤工学会誌」への概要原稿公募テー マ「地盤構造物のメ ンテナンスとリ ニューアル」会誌編集委員会◇今回募集する下記の特集号に投稿を希望する方は,A4 判縦長の用紙に題名,執筆者と連名者の氏名,所属機関および連発行号平成年月号テーマ「地盤構造物のメンテナンスとリニューアル」概要原稿の締切り平成年月日趣 旨我が国の社会資本は高度経済成長期に集中的に整備され,今後急速に老朽化することが懸念されています。社会資本の老朽化については以前から言及されておりましたが,2013 年 12 月の中央自動車道笹子トンネル天井崩落事故により,老朽化は深刻な状況であることが改めて浮き彫りにされました。それまでは必ずしも高いとは言えなかった維持管理・更新の重要性や老朽化に対する認識は,この事故を契機に非常に高まってきています。地盤工学の技術者が取り扱う地盤構造物は,盛土・擁壁・切土斜面等の土構造物,地下室・地下埋設パイプライン・上下水道等の地中構造物,橋りょうや建築物等の基礎構造物等の様々な形で社会資本を構成または支持しています。今後一斉に老朽化する構造物の維持管理・更新への対応に迫られていますが,■催し以下の条件を満たすものとします。1. 平成 23 年 10 月 1 日から平成 28 年 9 月 30 日までの 5 か年以内に発行されたものであること。2. 市販された出版物あるいは図書館などでの公開が保証されていること(電子出版物を含む。但し地盤工学会出版物は除く)。3. 新規の著作として一定の水準を確保していること(ハンドブック,マニュアル,便覧の類,資格試験参考書,あるいは改訂版で一部のみが改訂されたもの等は除く)。4. 本賞は賞に値する出版物の著者を表彰するものであることから,団体の場合は原則として執筆者名が明記されていること。絡者を明記のうえ,内容が理解できる 2 000 字程度の概要と,必要ならば図表等を添付してメールにて会誌編集委員会(Email: kaishigenko@jiban.or.jp)あてにお送り下さい。◇投稿者は,本学会の正・国際・学生会員に限ります。同一著者(筆頭著者)からの複数の採択はいたしません。◇概要を審査後,掲載可となった著者には,改めて原稿依頼状等をお送りいたします。その際の本原稿の締切りは,平成29年 1 月末を予定しております。◇最終的な掲載の可否は,編集委員会にご一任下さい。論文・原稿募集地盤構造物にも補修・補強や更新に膨大な時間と費用を要するものがあり,限られた予算・資源の中で将来継続的に社会資本整備を行っていくためには,スクラップアンドビルドの考え方ではなく,既存ストックを適切にメンテナンスまたはリニューアルを行い活用していくなど,構造物の長寿命化を図っていくことが必要です。また,首都直下地震や東海・東南海地震に対する対応が求められる中,劣化した性能回復だけを目的とするのではなく,耐震性や抜本的な延命化のための大規模改修,利便性の向上など新たな機能を付加する改築など,「リニューアル」への機運が非常に高まってきています。本号では「地盤構造物のメンテナンスとリニューアル」と題し,地盤構造物にかかわるメンテナンスとリニューアルに関する現状と課題,取組み状況,また健全性評価やメンテナンス,リニューアルに関する最新技術,適用事例,今後の展望について特集いたします。会員の皆様の積極的なご投稿をお待ちしております。物第回地盤工学研究発表会主催(公社)地盤工学会第 51 回地盤工学研究発表会を岡山市において開催いたします。一般発表のほかに,最近の地盤工学的問題を扱う 16 のディスカッションセッションを開催いたします。また,会員以外にも公開する技術展示コーナー,特別セッション,特別講演会,市民向けの参加行事も同時に開催いたします。期日平成年月日(火)~月日(木)見学会月日(水),日(金)会場岡山大学(研究発表,技術展示,特別講演会),ホテルグランヴィア岡山(交流会),岡山国際交流センター/岡山駅後楽園口(東口)駅前広場(市民向け行事)〈参加申込み〉発表者以外(連名者を含みます)で研究発表会に参加を希望される方は,発表会当日に会場の受付で申し込んでください。発表会当日の申込みは,「総合受付」で参加登録,参加料の支払いをお願いします。総合受付では当日の参加登録のほか,しおりの配布,学会刊行物の紹介,交流会の受付などを行います。◇発表者以外の参加料(DVD 版講演集含む)会員(正会員,国際会員) 13 000 円,会員(学生会員) 7 000円,非会員(一般)18 000円,非会員(学生)10 000円〈大会ホームページ〉以下の各行事の詳細は,大会ホームページをご覧下さい。また,随時更新しておりますので,定期的にご覧の上,情報の更新をご確認ください。アドレスは下記のとおりです。https://www.jiban51okayama.jp/◎総合受付場 所岡山大学 津島キャンパス 大学会館◎特別講演会開催日月日(水)1330~1645場 所岡山大学 津島キャンパス 周年記念館 金光ホール― 3 ―催し物 ◎技術展示コーナー開催日月日(火)900~1800月日(水)900~1210月日(木)900~1500会 場岡山大学 津島キャンパス 清水記念体育館◎交流会開催日月日(水)1830~2030場 所ホテルグランヴィア岡山会 費一般7 000円,学生会員2 000円◎見学会半日コース(月日)岡山城下見学コース一日コース (月日)吉備路の歴史と瀬戸大橋船上見学コース◎市民向け行事開催日月日(日)“サロン・土・カフェ W”のご案内A防災に関する講演・討論会場 所岡山国際交流センターB体験イベント「災害を実感しよう」場 所岡山駅後楽園口(東口)駅前広場◎インターネット環境◎会場までの交通アクセス◎駐車場各種申込方法など大会ホームページをご覧ください。問合わせ先公益社団法人 地盤工学会調査研究・基準グループ電話 ――Email: jgs51@jiban.or.jp〒 文京区千石――ホームページアドレスhttps://www.jiban.or.jp/毎年,地盤工学研究発表会の行事の一つとして好評をいただいておりますサロンを今年も開催します。地盤工学に携わる方たちが,お茶とお菓子をいただきながら,リラックスした雰囲気で意見交換などを行い,人と人との繋がりを深めることを目的としています。元来,女性会員を対象としておりましたが,近年では,老若男女を問わずたくさんの方の交流の場となっております。地盤工学会の会員・非会員に拘わらず,少しでも興味のある方は気軽にご参加ください。★前年度開催状況★報告 http: // www.jiban.or.jp / ˆle / kaishi / 27 11 _ 12 /HP21.pdf開催日時年月日(火)1450~1620(地盤工学研究発表会初日・午後 II)開催場所岡山大学 大学会館 1F 談話室※発表会場とは建物が別になっております。案内看板をご覧になってお越しください。参 加 費300円(当日,会場で徴収いたします。お菓子の持ちこみ大歓迎)参加資格会員・非会員申込み方法下記のダイバーシティ委員会宛てにメールにて,「氏名」,「所属」,「メールアドレス」をお知らせください。申込み締切平成28年 9 月 9 日(金)申込み・問合せ先地盤工学会 ダイバーシティ委員会「サロン・土・カフェ W」係Email: jgsdiversity@jiban.or.jp電話―― FAX――●本部講習会申込み方法及び申込み先氏名,勤務先・同住所・同電話番号, FAX ,メールアドレス,会員(会員番号)・非会員の別を明記した申込書を FAXまたはメールでお送り下さい。参加受付後,請求書と郵便振替用紙をお送りいたしますので,会費のご納入は請求金額をご確認のうえ郵便振替(または銀行送金)でお願いいたします。なお,銀行送金の場合には,請求番号と送金日を別途 FAX またはメールでご連絡下さい。地盤工学会講習会係 Email: kosyukai@jiban.or.jpFAX―― 電話――主催地盤工学会 男女共同参画・ダイバーシティに関する委員会「防災・環境・維持管理と地形地質講習会」場地盤工学会 大会議室(東京都文京区千石 4―38―2,電話 03―3946―8677)会費会員 12 000 円,非会員 15 000 円,後援団体の会員14 000円(テキスト代別)テキスト新刊本 実務シリーズ 32 「防災・環境・維持管理と地形・地質(平成27年11月発行)」を使用します(テキストの価格(税抜)会員 3 690円,定価(非会員)4 100円)定員70名講師今村 遼平【アジア航測】,井上 公夫【砂防フロンティア整備推進機構】,小俣新重郎【日本工営】,千葉 達郎【アジア航測】,関口 辰夫【国土地理院】,荒井融【地圏科学研究所】,稲垣 秀輝【環境地質】,上野 将司【応用地質】会土質基礎工学ライブラリー「建設計画と地形・地質」の 30年ぶりの改訂版として「防災・環境・維持管理と地形地質」が出版されました。高度成長期の建設の時代から防災・環境・維持管理の時代へと大きく世の中が変化したことを考慮して,項目や扱う事例を一新しました。本講習会では,この書籍をテキストとして,防災全般,土壌・地下水・廃棄物などの環境問題,トンネル・ダム・土構造などの維持管理問題について,地形・地質からの見方を経験豊富な技術者が初・中級向けにわかりやすく解説します。GCPD ポイント.日時平成年月日(金)930~1700「落石対策工の設計法と計算例講習会」1968 年の「飛騨川バス転落事故」を契機に落石対策が積極的に行われてきましたが,落石危険箇所が広範囲に存在することに加え,斜面風化による危険箇所の増加で落石対策が追いつかない状況にあります。そうした中,少子高齢化,人口減少といった社会構造の変化が急速に進み,落石対策に充当できる予算は益々厳しくなっています。落石に対する安全性を高めてゆくには,落石の発生域,発生要因を精度良く特定し,落石の速度,落石の危険度を合理的に評価した上で,エネルギー吸収性能や耐衝撃性能に優れたコストパフォーマンスの高い落石防護工を採用するなど新技術の活用が必要です。本講習会では,「落石対策工の設計法と計算例」をテキストとして,落石問題に関する最新の調査結果や研究成果から得られた知見,新技術などに基づき,より実践的な調査・予測・対策工設計について解説するものです。GCPD ポイント.日時平成年月日(木)930~1730会場地盤工学会 大会議室(東京都文京区千石 4―38―2,電話 03―3946―8677)会費会員 15 000 円,非会員 18 000 円,後援団体の会員17 000円(テキスト代別)テキスト単行本「落石対策工の設計法と計算例」(平成26年12 月発行)を使用します(テキストの価格(税抜き)会員5 220円,定価(非会員)5 800円)。定員70名講師右城猛【第一コンサルタンツ】,上野 将司― 4 ― 【応用地質】,森口 周二【東北大学】,加賀山 肇【日本プロテクト】,木下 尚樹【愛媛大学】,小島「杭基礎のトラブルとその対策講習会」眞輝【前田工繊】時平成年月日(火)930~1730場地盤工学会 大会議室(東京都文京区千石 4―38―2,電話 03―3946―8677)会費会員 12 000 円,非会員 15 000 円,後援団体の会員14 000円(テキスト代別) 「杭基礎のトラブルとそテキストトラブルと対策シリーズ◯の対策(第一回改訂版)平成 26 年 11 月発行」を使用します(定価 4 400 円,会員および後援団体の会。員価格3 960円,いずれも税別)定員70名講師桑原 文夫【委員長・パイルフォーラム】,梅野岳【梓設計】,青木一二三【レールウェイエンジニアリング】,宮本 和徹【東洋テクノ】,木谷 好伸【三谷セキサン】,楠本操【鋼管杭・鋼矢板技術協会】,金井 重夫【千代田工営】日会基礎ぐい工事に係る問題の発生を受けて,杭基礎のトラブルに係る知見の重要性が再認識されています。近年の杭基礎技術の発展は目覚ましく,多種多様な工法が実用化され,トラブルの種類も変化してきました。トラブルを未然に防止し,あるいは適切に対処するためには,過去の経験を教訓として,将来に役立ててゆくことが極めて有効です。本講習会は, 22 年ぶりに大幅改訂した「杭基礎のトラブルとその対策(第一回改訂版)」をテキストとして使用し,杭基礎の設計・施工・供用段階などに起因するトラブルと,杭の施工法ごとに陥りやすいトラブルの要因と対処法について解説します。テキストには載っていない最新の事例にも触れて,より充実した内容となっています。GCPD ポイント.講習会「液状化解析実務講座」場地盤工学会 大会議室(東京都文京区千石 4―38―2,電話 03―3946―8677)会費会員 13 000 円,非会員 17 000 円,後援団体の会員16 000円(テキスト代込)テキスト講演時のパワーポイントをテキストとして用意します。定員50名PC 準備のお願い本講習会は電算実習を含むためノートパソコン持参でお願いいたします。 OS は Windows を用います。スペックは低くても構いません。パソコンがなくても理解できますが,あった方が理解しやすいです。講師吉田望【東北学院大学】会地盤の地震応答解析は液状化の可能性のある地盤で多く用いられるようになっています。この講習会では,実務者を対象として,液状化解析の基礎となる指針などの考え方,解析に用いるデータの入手方法,その加工方法,など,有効応力解析を行うに必要なデータの作り方を示し,さらに,実務で最もよく用いられるプログラムの一つである YUSAYUSA を例にして,具体的な使い方,結果の整理法など,液状化解析に必要な情報を提供します。また, YUSAYUSA に関し,これまで外部未公開のプログラムも提供します。GCPD ポイント.日時平成年月日(金)1000~1700「地盤・耐震工学入門講習会」場地盤工学会 大会議室(東京都文京区千石 4―38―2,電話 03―3946―8677)会費会員 10 000 円,非会員 13 000 円,後援団体の会員12 000円(テキスト代別)テキスト講師の使用するスライドコピー及び「入門シリーズ35地盤・耐震工学入門」(平成20年 6 月発行)を使用します(価格会員 4 860 円,非会員(定価)5 400円,いずれも税別)。定員70名講師高橋 章浩【東京工業大学】,原田 健二【不動テトラ】,西村 隆義,【 JR 総研エンジニアリング】,石原 雅規【土木研究所】,安田進【東京電機大学】会近年,多大な被害をもたらす大規模地震が絶えず発生しており,地盤工学に携わる土木・建築技術者には,地震・耐震工学の知識を駆使した取組みがこれまでにも増して強く求められています。本講習会は,地盤震動や液状化などの地震時の土および地盤の挙動や,構造物の耐震設計についての基本概念を平易に解説して講義します。さらに,今年度は実務への応用として,堤防の耐震や液状化対策の最新動向についても講義するなど,より充実した内容となっております。地盤・耐震工学の基本的事項や最新動向の知識を深めたい方,是非ご参加下さい。GCPD ポイント.日時平成年月日(木)930~1750■明+【ビーセーフ】,吉田支 部 か ら の お 知 ら せ●各支部行事等への申込み方法各支部事務局及び主催者へお問合わせください。北 陸 支 部「第回地盤調査法講習会」開催のお知らせ場主催(公社)地盤工学会北陸支部後援国土交通省北陸地方整備局(一社)新潟県地質調査業協会(一社)建設コンサルタンツ協会北陸支部日時平成年月日(金)1300~1700― 5 ―所国土交通省北陸地方整備局 北陸技術事務所敷地内(〒9501101 新潟市西区山田2310番地)公共交通機関のご利用をお願いいたします。公共交通機関新潟駅万代口「バスターミナル」より萬代橋ライン〈本町・古町・市役所前経由〉青山ゆきに乗車し,「青山」バス停下車(所要時間約30分),徒歩で大野・白根線〈大野・白根経由〉潟東営業所ゆきの「青山」バス停まで移動し乗車(所要支部からのお知らせ 時間約 3 分),「下山田」バス停下車(所要時間約 6分),徒歩 3 分参 加 費500円(テキスト代)定員 60 名(申し込みの締め切りは,平成 28 年 9 月 30 日到着分といたします。また,定員になり次第,応募を締め切らせていただきます。) ボーリング(機械ボーリング,標準貫入試験)実習内容 室内土室試験(物理試験,三軸圧縮試験) サウンディング(スウェーデン式サウンディング試験,ポータブルコーン貫入試験,簡易動的コーン貫入試験) 物理探査(地中レーダー)プログラム1.開会の挨拶および北陸技術事務所の概要説明【1300~1315】【1315~1400】2. 室内講習3. 屋外実習( 1 ~ 4 班までの 15 名程度の班構成により実施,講義等含む)問合せ先地盤工学会北陸支部 事務局〒 新潟市中央区新光町―技術士センタービルFTEL/FAX――Email: jgskoshi@piano.ocn.ne.jp※詳細は下記ホームページをご参照ください。http://www.jibankoshi.com/関 東 支 部平成年度地盤工学会関東支部賞の募集彰】平成 29 年( 2017年) 4 月の関東支部通常総会において行い,受賞者には賞状・副賞を贈ります。【問い合わせ先】地盤工学会関東支部事務局〒 東 京 都 文 京 区 千 石――JGS 会館内電話――Email: jgskantou@jiban.or.jp詳細につきましては関東支部 HP をご確認ください。http://jibankantou.jp/index.html【表■地盤工学会関東支部技術賞■地盤工学会関東支部功績賞【推薦受付】平成年月日(金)より平成年月日(金)まで。郵送の場合,当日消印のあるものを有効とします。【発 表】受賞決定の場合には,直接該当者に通知します。中 部 支 部平成年度 市民見学会『中部の断層を観察しようセメント工場と道路建設現場を見学しよう』主催(公社)地盤工学会中部支部開催日時平成年月日(土)900~1810(予定)雨天決行 根尾谷断層(地震断層観察館)見 学 先◯地下観察館では基盤岩石の 6 m に及ぶ断層の姿を見学します。地震体験館では縦揺れを実現した起震装置と 3D 映像により震度 4 ~ 5 の地震を体験します。 住友大阪セメント株 岐阜工場◯普段は入れないセメント工場を見学セメントがどのようにできるか製造過程を見学します。 東海環状自動車道建設工事現場◯現在,建設中の東海環状自動車道(関~養老)の建設工事現場を見学します。(ただし,工事状況等により,見学できない場合もあります。その場合は見学先を変更します。)◯◯ ではそれぞれ専門員が説明する予定です※◯定員30名程度(応募者多数の場合は抽選)参 加 費1 500円(バス・昼食代等)問合せ先地盤工学会中部支部電話 ――FAX ――関 西 支 部平成年度市民特別講演会「滋賀県防災講演会」主催(公社)地盤工学会関西支部,滋賀県,彦根市,(一財)消防防災科学センター時平成年月日(日)1400~1640場みずほ文化センター多目的ホール(滋賀県彦根市田原町11)講演題目「活断層地震・南海トラフ地震による滋賀県内への影響」京都大学教授 竹村恵二「あなたは自然災害に備えていますか~阪神淡路大震災から学んだこと~」神戸防災技術者の会 片瀬範雄日会定員300名(先着順)参 加 費無料申込方法参加ご希望の方は,関西支部 HP ( http: // www.jgskb.jp)より,必要事項をご記入のうえお申込み下さい。 FAX もしくは E mail でもお申込み可能です。受付終了後,参加証・請求書・振込用紙を送付いたします。申 込 先地盤工学会関西支部――電話―― FAXEmail: o‹ce@jgskb.jp申込期限平成年月日(金)※詳細はホームページ[http://www.jgskb.jp/]にてご確認ください。― 6 ― 南海トラフ巨大地震に備えて~南海トラフ巨大地震に関する被害予測と防災対策研究委員会 成果報告会~主催(公社)地盤工学会関西支部時平成年月日(木) 945~1630場建設交流館 グリーンホール(大阪市西区立売堀 2丁目 1 番 2 号)定員200名参 加 費会員5 000円,学生会員2 000円,非会員8 000円日会日中地盤工学技術交流会共催(公社)地盤工学会関西支部,上海市土木工程学会,中国土木工程学会市政工程分会地盤工学会関西支部では,関西地域と中国上海地域との長年にわたる地盤に関する技術交流をさらに促進するため,上海市土木工程学会及び中国土木工程学会市政工程分会との共催により,日中地盤工学技術交流会を中国上海市において下記の内容で開催します。本交流会においては,地盤特性,地下空間建設技術(道路・鉄道・地下河川など),地盤改良,地盤環境技術および地盤に関する新技術等に関して日中両国より発表・討議を行います。併せて,上海周辺の地盤関係プロジェクト現場を見学する予定としていますので,是非ご参加下さい。日時平成年月日(金)~日(土)会場中国上海市・建国賓館 4 階「九州庁 A」室集合場所/ AM 建国賓館(技術交流会会場)解散場所/ PM頃 上海市内または浦東国際空港(詳細調整中)定員40名程度平成年度公園コースふるさと地盤診断ウォーク奈良主催(公社)地盤工学会関西支部日集解行内時平成年月日(土) 10 00 ~ 16  00 (小雨決行)合1000 近鉄奈良線 奈良駅 行基像散1600 近鉄奈良線 奈良駅(予定)程近鉄奈良駅→親愛幼稚園→西新屋町→輿福寺→春日大社→奈良公園→東大寺→近鉄奈良駅容奈良公園周辺の活断層を見学するとともに,東大寺平成年度コースふるさと地盤診断ウォーク淀川主催(公社)地盤工学会関西支部協力国土交通省近畿地方整備局淀川河川事務所日集解行内時平成年月日(土)830~1500(小雨決行)合 830 大阪市営地下鉄 谷町線 大日駅散1600 阪急南方駅・地下鉄西中島南方駅(予定)程大日駅→淀川左岸堤防沿いに下流に向かってウォーキング→淀川大堰(施設見学,昼食)→淀川右岸堤防沿いに下流に向かってウォーキング容ウォーキングを通じて,大阪平野の地形の成り立ち,淀川の変遷,上町断層などを学びます。その中で,淀川大堰・毛馬閘門・排水機場の施設見学を行いま申込方法参加ご希望の方は,関西支部 HP ( http: // www.jgskb.jp)より,必要事項をご記入のうえお申込み下さい。 FAX もしくは E mail でもお申込み可能です。受付終了後,参加証・請求書・振込用紙を送付いたします。申 込 先地盤工学会関西支部―電話―― FAX―Email: o‹ce@jgskb.jp申込期限平成年月日(木)GCPD ポイント.ポイント※詳細はホームページ[http://www.jgskb.jp/]にてご確認ください。参 加 費会員・学生会員とも40 000円,非会員60 000円申込期限平成年月日(火)申込方法参加ご希望の方は,関西支部 HP ( http: // www.jgskb.jp)より,必要事項をご記入のうえお申込み下さい。 FAX もしくは E mail でもお申込み可能です。受付終了後,参加証・請求書・振込用紙を送付いたします。参加証は参加時にお持ち下さい。なお,支部斡旋の宿泊施設については,建国賓館(技術交流会会場と同じ) 1 泊 650 元(支部斡旋価格)を予定しております。ご希望の方は, 9 月 15日(木)※までに宿泊日(10/20,10/21,10/22)と併せてご連絡ください。※参加申込期限と異なりますのでご注意下さい。申 込 先(公社)地盤工学会関西支部―電話―― FAX―Email: o‹ce@jgskb.jpGCPD ポイント.ポイント※詳細はホームページ[http://www.jgskb.jp/]にてご確認ください。の地盤である段丘層を構成する磯・砂層を見学します。また,この地域の地盤災害について学びます。講師菅野耕三(大阪教育大学名誉教授)定員30名程度対象会員および一般の方々参 加 費無料申 込 先(公社)地盤工学会関西支部―電話―― FAX―Email: o‹ce@jgskb.jp申込期限平成年月日(金)※詳細はホームページ[http://www.jgskb.jp/]にてご確認ください。す。昼食時には,空中写真判読や岩石薄片観察の実習も予定しています。講師竹村恵二(京都大学教授),江原竜二(東大阪市建設局),北田奈緒子,越後智雄,井上直人(地盤研究財団),国土交通省淀川河川事務所担当官定員30名対象会員および一般の方々(小学生以上)参 加 費無料申 込 先(公社)地盤工学会関西支部―電話―― FAX―Email: o‹ce@jgskb.jp申込期限平成年月日(月)※詳細はホームページ[http://www.jgskb.jp/]にてご確認ください。― 7 ― 中 国 支 部平成年度第回ジオテクセミナー主催(公社)地盤工学会中国支部時平成年月日(金)1400~1700(予定)所島根大学総合理工学部 3 号館301号室費正会員・特別会員 1 000円,非会員 2 000円,学生会員 無料定員50名講師安福規之(九州大学大学院),河原荘一郎(松江工業高等専門学校)GCPD ポイント.(予定)申し込み方法氏名,勤務先・同住所・同電話番号, E mail日場会アドレス,会員(会員番号)・非会員の別を明記した申込書を E mail (件名は,「ジオテクセミナー」としてください)でお送りください。 E mail が使用できない場合には, FAXでお送りください。申込期限平成年月日(金)申込み先〒 松江市西川津町島根大学総合理工学部地球資源環境学科志比利秀Email: shibi@riko.shimaneu.ac.jp電話―― FAX――* プ ロ グ ラ ム の 詳 細 は , 中 国 支 部 ホ ー ム ペ ー ジ [ http: //jgschugoku.jp/]にてご確認下さい。四 国 支 部「防災・環境・維持管理と地形地質」講習会のご案内主催(公社)地盤工学会四国支部後援(公社)土木学会四国支部,(一社)日本応用地質学会中国四国支部土質基礎工学ライブラリー「建設計画と地形・地質」の 30年ぶりの改訂版として「防災・環境・維持管理と地形地質」が出版されました。高度成長期の建設の時代から防災・環境・維持管理の時代へと大きく世の中が変化したことを考慮して,項目や扱う事例を一新しました。本講習会では,この書籍の内容をもとに,廃棄物などの環境問題,地震災害及び豪雨災害,トンネル・ダム・土構造などの維持管理問題について,初・中級者向けにわかりやすく解説します。奮ってご参加ください。GCPD ポイント数.日時平成年月日(金) 1330~1700場所香川県立ミュージアム研修室(〒7600030 香川県高松市玉藻町 5―5)受講料(配布資料代込み)会員 3 000 円,非会員 5 000 円,学生会員1 000円,後援団体の会員4 000円テキスト講師が使用するスライドのコピーを当日配布しテキストとして使用します。■共催・協賛・後援共催・協賛・後援第回(平成年度)研究発表会主催(一社)建設コンサルタンツ協会後援地盤工学会関西支部ほか日時平成年月日(木)近畿支部会場大阪科学技術センター(大阪市西区靭本町 1―8―4)問合せ先(一社)建設コンサルタンツ協会 近畿支部――電話―― FAX※詳細はホームページ[http://www.kk.jcca.or.jp/]にてご確認ください。910~1800平成年度 TRD 工法協会技術セミナー主催TRD 工法協会協賛地盤工学会ほか日会「防災・環境・維持管理と地形地質」は地盤工学会ショッピングサイト( http: // www.jgs shopping.net /)よりご購入も可能です。定員50名内容・講師1335~1435 地震災害・豪雨災害 長谷川修一(香川大学)1440~1540 廃棄物処理 山中 稔(香川大学)1545~1645 維持管理(トンネル・ダム・土構造など)上野将司(応用地質株式会社)講習会申し込み方法氏名,勤務先(学校名)・同住所・同電話番号・同 FAX 番号・同 e mail アドレス,会員(会員番号)・非会員の別,後援会員の別,を明記した申込書をメールでお送り下さい(別紙様式でも可)。参加受付後,講習会受講請求書と受講券をメールにてお送りいたしますので受講券は当日持参ください。受講料のご納入は請求金額をご確認の上,銀行振り込みでお願いします(当日支払いも可)。申込締切平成年月日(金)申込み・問い合わせ先地盤工学会四国支部事務局 中島淳子電話――Email: nakajima@cee.ehimeu.ac.jp時平成年月日(木)場浜離宮建設プラザ 大会議室(東京都中央区築地 5―5―12)そ の 他詳細は下記 HP をご参照ください。問合せ先TRD 工法協会電話―― FAX――HPhttp://www.trd.gr.jp/Email: jimkyok@trd.gr.jp― 8 ― 第回地震工学研究発表会主催(公社)土木学会後援地盤工学会ほか日会地震工学委員会時平成年月日(月),日(火),(見学会)日(水)■その場金沢歌劇座(石川県金沢市下本多町 6 番丁27番地)そ の 他詳細は下記 HP をご参照ください。問合せ先土木学会 研究事業課 小川祐司電話――Email: ogawa@jsce.or.jpHP: http://committees.jsce.or.jp/eec2/node/77他茨城大学工学部教員公募a)募集人員准教授 1 名所属工学部・都市システム工学領域※本学においては,改革を検討中です。採用後,所属が変更になる場合があります。専門分野地盤工学(地盤防災)に関する分野具体的には,地盤災害に対する脆弱性診断・評価技術や対策等に関する研究課題に対して十分な知識があり,工学的に展開できる方。担当科目大学院理工学研究科及び工学部において,主に地盤力学や都市システム工学基礎演習・実験などの地盤系科目を担当して頂きます。また,数学,物理などの教養科目の他,他専攻・他学科の科目を担当していただく場合があります。応募資格 博士の学位,または外国の Ph.D. を有する方。 地盤防災分野に関する深い専門知識と研究・教育能力をもち,本学における当該分野の充実・拡充に大きく寄与して頂ける方。 大学院及び学部学生の教育に熱意を持って取り組める方。 地盤工学分野以外の他分野と融合した新しい分野を切り開いていこうとする意欲が旺盛な方。 国内的,国際的な視点から,地域社会や産・官との連携および学会活動に積極的に取り組むことのできる方。 茨城大学就業規則第 4 条の 2[欠格事項]に該当しない方。※男女共同参画社会基本法の趣旨に則り女性の積極的な応募を歓迎します。採用予定平成年月日待遇・給与等国立大学法人茨城大学就業規則,国立大学法人教職員賃金規程による。年俸制。提出書類 履歴書(写真貼付,連絡先には電話番号と Email アドレスも記入) 研究業績リスト研究業績リスト(著書,学術誌論文,国際会議論文,その他(解説,特許等))※様式は下記「採用案内」よりダウンロードしてください。b) 主要論文10編以内(コピー可) これまでの外部資金獲得実績(科研費,共同研究,受託研究,その他) 所属学会,社会における活動及び国際的活動状況 受賞の実績がある場合,その名称と内容 これまでの研究概要と成果(A4 版,形式自由,2 000字程度) 今後の研究計画及び教育・研究に関する抱負( A4 版,形式自由,2 000字程度) 学生指導の実績(A4 版,形式自由) 応募者に関して意見をお聞きできる方,2 名の氏名・所属・連絡先(電話番号・Email アドレス)提出期限平成年月日(月)必着提出方法応募書類の封筒は,「茨城大学工学部(都市システム工学領域(地盤工学分野))教員応募書類」と朱書きの上,簡易書留で送付して下さい。なお,応募書類は原則として返却いたしません。また,応募書類に含まれる個人情報は本選考の目的以外には一切使用いたしません。選考方法第一次選考 書類審査第二次選考 第一次選考通過者を対象とした面接審査(交通費の支給はありません)応募書類の送付先〒 茨城県日立市中成沢町――茨城大学工学部 工学部長 馬場 充問合せ先茨城大学工学部 都市システム工学領域領域長(教授) 呉 智深――電話―― FAXEmail: zhishen.wu.prof@vc.ibaraki.ac.jp提出書類のダウンロード(「採用案内」)http://www.ibaraki.ac.jp/employment/index.html「研究業績リスト」をダウンロードの上,作成・提出してください。― 9 ―その他
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  • 地盤工学会所在地
  • 著者
  • 出版
  • 地盤工学会誌 Vol.64 No.9 No.704
  • ページ
  • A10〜A10
  • 発行
  • 2016/09/01
  • 文書ID
  • 72067
  • 内容
  • 〒1120011 東京都文京区千石 4382公益社団法人地盤工学会 電 話03(3946)8677(代) FAX03(3946)8678Email: jgs@jiban.or.jp ホームページURL https://www.jiban.or.jp/北海道支部〒0600061 札幌市中央区南 1 条西 2 丁目 南一条 K ビル 8 階電 話011(251)7038,(261)7742 FAX011(251)7038Email: hjgs@olive.ocn.ne.jp東北支部〒9800014 仙台市青葉区本町 251 オーク仙台ビル 3F(江陽グランドホテル北側隣)電 話022(711)6033 FAX022(263)8363Email: jgsb-th@tohokushibu.jp北陸支部〒9500965 新潟市中央区新光町10番地 3 技術士センタービル 7F電話/FAX025(281)2125Email: jgskoshi@piano.ocn.ne.jp関東支部〒1120011 東京都文京区千石 4382 JGS 会館内電 話03(3946)8670(代) FAX03(3946)8699Email: jgskantou@jiban.or.jp中部支部〒4600008 名古屋市中区栄 2926 ポーラ名古屋ビル 8 階電 話052(222)3747 FAX052(222)3773Email: chubu@jiban.or.jp関西支部〒5400012 大阪市中央区谷町 157 ストークビル天満橋 8 階801号室電 話06(6946)0393 FAX06(6946)0383Email: office@jgskb.jp中国支部〒7300011 広島市中区基町103 自治会館内電話/FAX082(962)5557Email: chugoku@jiban.or.jp四国支部〒7908577 松山市文京町 3 愛媛大学工学部環境建設工学科内電 話090(6881)9036 FAX089(927)9817Email: nakajima@cee.ehimeu.ac.jp九州支部〒8100041 福岡市中央区大名 2412 シーティーアイ福岡ビル 2 階電 話092(717)6033 FAX092(717)6034Email: jgsk_ jimu@able.ocn.ne.jp― 10 ―
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